JP4707257B2 - 作業機械の表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメンテナンス時期が到来した部品を示す部品マークを表示画面に表示する作業機械の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルなどの建設機械には様々な部品が使用されている。なかでもエンジンオイルフィルタやエンジンオイルなどの部品については、定期的に新品への交換や点検が行われている。このようにいわゆるメンテナンスが行われることによって建設機械の故障は予防されている。
【0003】
オペレータは定期的にメンテナンスを要する各部品のメンテナンス時期を確認するために、建設機械の運転室に備えられた表示装置を操作し、表示画面に各部品のメンテナンス情報を表示させる。そしていずれかの部品にメンテナンス時期が到来していることを確認したならば、所定のメンテナンス処理を行う。
【0004】
このような表示装置を示す文献として特開平5−288648号公報に記載されたものがある。
【0005】
特開平5−288648号公報に記載された表示装置では、所定の操作が行われると、表示画面に定期的にオイルメンテナンスを要する部品の一覧(エンジン、ミッション、作業機、アクスル)が表示される。さらに各部品についてのメンテナンス情報が表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特開平5−288648号公報に記載された発明によると、オペレータが所定の操作を行わない限り、表示画面には各部品についてのメンテナンス情報が表示されないため、つぎのような問題が生じる。
【0007】
メンテナンス時期が到来した各部品のメンテナンスを確実に行うために、オペレータは建設機械を起動させる度に所定の操作を行い、表示画面にメンテナンス情報を表示させてメンテナンス時期が到来した部品の有無を確認しなければならない。
【0008】
しかし部品のメンテナンスは頻繁に行うものではない。建設機械を起動させる度にメンテナンス情報を確認することは、オペレータにとって煩わしく、負担がかかる。このためオペレータはメンテナンス情報の確認を怠ることがある。すなわちオペレータの怠惰等により、メンテナンス情報の確認が常に行われるとは限らない。
【0009】
したがって部品にメンテナンス時期が到来したとしても何らメンテナンス処理が行われないという場合がある。このような場合、建設機械に不具合が発生することがあり、最悪の場合は故障してしまう虞がある。
【0010】
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、建設機械の部品のいずれかにメンテナンス時期が到来したか否かの確認作業の負担を軽減し、かつメンテナンス時期の把握を確実に行えるようにすることを解決課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用、効果】
そこで本発明は、
表示画面が通常画面とメンテナンス情報画面との間で遷移される作業機械の表示装置において、
通常画面は、作業機械の各状態を示す複数の表示箇所からなり、
通常画面の各表示箇所にはそれぞれ、特定の表示がなされており、
表示画面が通常画面に遷移されているときに、作業機械を構成する部品のメンテナンス時期が到来した場合には、
通常画面の各表示箇所のうち、予め定められた表示箇所の表示内容に代えて、メンテナンス時期が到来したことを示すメンテナンスマークを表示し、
表示画面がメンテナンス情報画面に遷移されると、メンテナンス情報画面にメンテナンス時期が到来した部品の部品情報が表示されること
を特徴とする。
また、本発明は、
表示画面が通常画面とメンテナンス情報画面との間で遷移される作業機械の表示装置において、
通常画面は、作業機械の各状態を示す複数の表示箇所からなり、
通常画面の各表示箇所にはそれぞれ、特定の表示がなされており、
表示画面が通常画面に遷移されているときに、作業機械を構成する部品のメンテナンス時期が到来した場合には、
通常画面の表示内容を維持しつつ、メンテナンス時期が到来したことを示すメンテナンスマークを表示し、
表示画面がメンテナンス情報画面に遷移されると、メンテナンス情報画面にメンテナンス時期が到来した部品の部品情報が表示されること
を特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、
通常画面に前記メンテナンスマークが表示されてから所定時間が経過すると、当該メンテナンスマークが非表示状態になること
を特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、
通常画面に前記メンテナンスマークが表示されてから所定時間が経過すると、当該メンテナンスマークが非表示状態になり、当該メンテナンスマークが表示されていた表示箇所に元の特定の表示がされること
を特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、
メンテナンス残り時間に応じて前記メンテナンスマークの表示状態を異ならせて表示するとともに、スイッチの操作によって、通常画面からメンテナンス情報画面に遷移すること
を特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、
作業機械のスタータスイッチが操作されると、作業機械を構成する部品についてメンテナンス時期が到来しているか否かが判断され、
作業機械を構成する部品についてメンテナンス時期が到来していると判断された場合に、前記メンテナンスマークが表示されること
を特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、
メンテナンス情報画面は、メンテナンスを要する複数の部品のマークが一覧表示された部品一覧表示画面と、メンテナンスを要する部品の詳細な情報が表示される部品詳細情報画面とからなり、
表示画面が通常画面と部品一覧表示画面と部品詳細情報画面との間で遷移されること
を特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、
メンテナンス情報画面は、メンテナンスを要する部品の詳細な情報が表示される部品詳細情報画面を含み、
表示画面が前記部品詳細情報画面に遷移された後に、当該部品詳細情報画面の部品詳細情報が更新されること
を特徴とする。
【0012】
上記発明を図1(a)、図2を用いて説明する。
【0013】
定期的にメンテナンスを要する複数の部品のうちいずれかにメンテナンス時期が到来すると、表示装置1の表示画面2には図1(a)に示すように、メンテナンス時期到来情報(メンテナンスマーク)30が表示される。表示画面2にメンテナンスマーク30が表示されている際にスイッチ12が押動操作されると、表示画面2は図1(a)に示す状態から図2に示す状態に遷移する。表示画面2には図2に示すように、メンテナンス時期が到来した部品に対応した部品情報(部品マーク)42が他の部品情報(部品マーク)41、43〜50と異なる表示状態(図2では黄色)にて表示される。
【0014】
上記発明によれば、オペレータはこのメンテナンスマーク30が表示画面2に表示された場合にメンテナンス処理を行えばよい。したがって建設機械の部品のいずれかにメンテナンス時期が到来したか否かの確認を定期的に行わなくてよい。このため確認作業の負担が軽減される。
【0015】
また上記発明によれば、いずれかの部品にメンテナンス時期が到来した場合に、表示画面2にメンテンスマーク30が表示される。したがってオペレータは表示画面2を見るのみで、建設機械の部品のいずれかにメンテナンス時期が到来したか否かを確実に把握することができる。
【0016】
また上記発明は、作業機械を構成し定期的にメンテナンスを要する部品のうちメンテナンス時期が到来した部品に対応する部品情報を表示画面に表示する作業機械の表示装置において、前記定期的にメンテナンスを要する部品のうちいずれかにメンテナンス時期が到来すると、前記定期的にメンテナンスを要する部品のうちいずれかにメンテナンス時期が到来したことを示すメンテナンス時期到来情報を前記表示画面に表示し、メンテナンス時期到来情報を前記表示画面に表示してから所定時間が経過すると、前記メンテナンス時期到来情報を非表示にするとともに、所定の操作がなされると、メンテナンス時期が到来した部品に対応する部品情報を前記表示画面に表示することを特徴とする。
【0017】
上記発明を図1(a)、(c)、図2を用いて説明する。
【0018】
定期的にメンテナンスを要する複数の部品のうちいずれかにメンテナンス時期が到来すると、表示装置1の表示画面2には図1(a)に示すように、メンテナンス時期到来情報(メンテナンスマーク)30が表示される。表示画面2にメンテナンスマーク30が表示されてから所定時間が経過すると、表示画面2は図1(c)に示す状態から図2に示す状態に遷移する。表示画面2に表示されていたメンテナンスマーク30は非表示状態になり、メンテナンスマーク30が表示されていた箇所に状態表示マーク22及びコーションマーク28が表示される。スイッチ12が押動操作されると、表示画面2は図1(c)に示す状態から図2に示す状態に遷移する。表示画面2には図2に示すように、メンテナンス時期が到来した部品に対応した部品情報(部品マーク)42が他の部品情報(部品マーク)41、43〜50と異なる表示状態(図2では黄色)にて表示される。
【0019】
上記発明によれば、最初の発明と同じ効果が得られる。
【0020】
また本願発明は、上記発明において、メンテナンス時期に応じて前記メンテナンス時期到来情報の表示状態を異ならせて表示し、メンテナンス時期に応じて前記部品情報の表示状態を異ならせて表示することを特徴とする。
【0021】
上記発明を図1(a)、図1(b)、図2を用いて説明する。
【0022】
定期的にメンテナンスを要する部品のいずれか1つでもメンテナンス残り時間Hがたとえば30時間以下となったならば、図1(a)に示すように、メテナンスマーク30は黄色で表示され、さらに定期的にメンテナンスを要する部品のいずれか1つでもメンテナンス残り時間Hがたとえばマイナスとなったならば、図1(b)に示すように、メンテナンスマーク30は赤色で表示される。
【0023】
また図2に示すように、メンテナンス残り時間Hがたとえば30時間以下となったならば、各部品マーク41〜50は黄色で表示され、さらにメンテナンス残り時間Hがたとえばマイナスとなったならば、各部品マーク41〜50は赤色で表示される。
【0024】
上記発明によれば、部品のメンテナンス時期に応じてメンテナンスマーク30または各部品マーク41〜50の表示色が異なる。オペレータはこの表示色によって部品のメンテナンス時期が把握でき、早急にメンテナンスを行わなくてもよい部品についてはメンテナンス処理を後回しにし、建設機械による作業を優先させることができる。このため作業効率が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る作業機械の表示装置が、油圧ショベルに使用される場合を想定して説明する。
【0026】
図1(a)は実施形態の表示装置1を示す図であり、メンテナンスマークが黄色で表示された表示画面を示す図であり、図1(b)はメンテナンスマークが赤色で表示された表示画面を示す図であり、図1(c)は通常の表示画面を示す図である。図2は各部品マークが一覧表示されている表示画面を示している。図3は部品のメンテナンス情報が表示されている表示画面を示している。
【0027】
表示装置1の外面には表示画面2とスイッチパネル3とが配置され、表示装置1の内部には記憶部18とコントローラ19とが設けられている。なお記憶部18とコントローラ19とが表示装置1の外部に設けられるようにしてもよい。
【0028】
油圧ショベルのエンジンの冷却水の水温、作動油の温度、燃料量、稼働時間の各状態は油圧ショベルの各部に設けられた各センサによって検出される。各センサの検出信号はコントローラ19に入力される。コントローラ19は各センサの検出信号に基づいて油圧ショベルの現在の状態を表示画面2に表示する。またスイッチパネル3にはスイッチ4〜16が設けられている。スイッチ4〜16を操作することにより操作内容に対応する制御信号がコントローラ19に出力され、作業モードや走行速度などの作業状態、走行状態が制御される。
【0029】
表示画面2は例えば液晶表示画面で構成されている。表示画面2には油圧ショベルの状態を示す状態表示マーク21、22、23、24、25、26と、油圧ショベルで発生した異常を示すコーションマーク27、28、29とが表示される。また油圧ショベルの部品のうち定期的に部品交換又は点検などのいわゆるメンテナンスを要する部品のいずれかにメンテナンス時期が到来したことを示すメンテナンスマーク30が表示される。
【0030】
記憶部18にはメンテナンス情報が記憶されている。メンテナンス情報は定期的にメンテナンスを要する部品毎の情報であり、部品名、メンテナンス間隔を示すメンテナンス規定時間、前回メンテナンス日時、前回メンテナンス日時からの油圧ショベルの稼働時間などからなる。
【0031】
コントローラ19は表示画面2の表示内容を制御する。また各部品についてのメンテナンス残り時間Hが演算され、各部品のメンテナンス時期が到来したか否かの判別が行われる。メンテナンス残り時間Hは、部品毎に定められたメンテナンス規定時間からその部品の前回メンテナンス日時からの油圧ショベルの稼働時間を減算することにより求められる。メンテナンス残り時間Hがたとえば30時間以下の場合には、その部品についてメンテナンス時期が到来したものと判断する。本実施形態ではメンテナンス時期が到来したと判断する基準が30時間に設定されているが、この基準は任意に設定される。
【0032】
エンジン水温マーク21はエンジンの冷却水の水温を指示するゲージを有しており、対応するセンサの水温検出値に応じてゲージの傾斜角度が変化し、現在の水温値を指示する。エンジンの冷却水の温度検出値が上昇して異常値に達するとコーションマーク27が例えば赤色に点灯する。
【0033】
同様に作動油温マーク22は油圧シリンダ等の作動油の作動油温度を指示するゲージを有しており、対応するセンサの作動油温検出値に応じてゲージの傾斜角度が変化し、現在の作動油温度値を指示する。作動油の温度検出値が上昇して異常値に達するとコーションマーク28がたとえば黄色に点灯する。
【0034】
同様に燃料量マーク23は燃料タンク内の燃料量を指示するゲージを有しており、対応するセンサの燃料量検出値に応じてゲージの傾斜角度が変化し、現在の燃料量(残量)を指示する。燃料量検出値が一定値以下になるとコーションマーク29がたとえば赤色に点灯する。
【0035】
稼働時間マーク24はエンジンの稼働時間を数値にて表示する。
【0036】
作業モードマーク25は現在選択されている作業モードを絵文字にて表示するものであり、選択されている作業モードに応じて表示態様が変化する。
【0037】
同様に走行速度マーク26は現在選択されている走行速度段(走行用油圧モータの変速位置)を絵文字にて表示するものであり、選択されている走行速度段に応じて表示態様が変化する。
【0038】
メンテナンスマーク30は油圧ショベルの部品のうち定期的にメンテナンスを要する部品のいずれかにメンテナンス時期が到来すると、好ましくは作動油温マーク22及びコーションマーク28に代わり、表示画面中央部に表示される。定期的にメンテナンスを要する部品のいずれか1つでもメンテナンス残り時間Hが30時間以下となったならば、メンテナンスマーク30は黄色で表示され、さらに定期的にメンテナンスを要する部品のいずれか1つでもメンテナンス残り時間Hがマイナスとなったならば、メンテナンスマーク30は赤色で表示される。
【0039】
図2に示すエンジンオイルマーク41、エンジンオイルフィルタマーク42、燃料フィルタマーク43、作動油フィルタマーク44、作動油タンクブリーザマーク45、コロージョンレジスタマーク46、ダンパケースオイルマーク47、ファイナルケースオイルマーク48、スイングマシナリオイルマーク49、作動油マーク50は、メンテナンスを要する各部品を絵文字にて表示するものであり、各部品のメンテナンス残り時間Hが30時間以下となったならば黄色で表示され、さらにメンテナンス残り時間Hがマイナスとなったならば赤色で表示される。
【0040】
リターンマーク51は画面を前画面(図1(c))に遷移させることを絵文字にて表示するものである。
【0041】
選択番号52は各マーク41〜51のうちカーソルが停止しているマークに対応する番号が表示される。
【0042】
チェックマーク53はカーソル等で選択したマーク41〜51を選択することを絵文字にて表示するものである。
【0043】
図3に示すインジケータ61はバー61aによりメンテナンス規定時間に対するメンテナンス残り時間Hの割合を示している。メンテナンス残り時間Hが減少するにともないバー61aの右端が図面左側に移動していき、メンテナンス残り時間Hが0以下となるとバー61aは表示されなくなる。
【0044】
残り時間62はメンテナンス残り時間Hを数値にて表示する。規定時間63は記憶部18に記憶されたメンテナンス規定時間を表示する。
【0045】
リターンマーク64は画面を前画面(図2)に遷移させることを絵文字にて表示するものである。チェックマーク65は選択した部品の残り時間をリセットさせること、すなわち前回メンテナンス日時及び前回メンテナンス日時からの油圧ショベルの稼働時間を更新すること、を絵文字にて表示するものである。
【0046】
スイッチ4〜16のうちスイッチ4〜13は表示装置1の表示画面2の表示内容に応じて、コントローラ19に入力されるデータ内容を異ならせている。表示装置1がメンテナンスモードであり、図2に示すように、表示画面2に各マーク41〜51が表示されている場合にはスイッチ4〜13はそれぞれ数字「0」〜「9」のデータを入力するテンキーとして機能する。すなわちスイッチ4を押すと「0」が入力され、スイッチ5を押すと「1」が入力され、スイッチ6を押すと「2」が入力され、スイッチ7を押すと「3」が入力され、スイッチ8を押すと「4」が入力され、スイッチ9を押すと「5」が入力され、スイッチ10を押すと「6」が入力され、スイッチ11を押すと「7」が入力され、スイッチ12を押すと「8」が入力され、スイッチ13を押すと「9」が入力される。
【0047】
表示画面2の表示内容が、図1(a)、図1(b)、図1(c)の場合にはスイッチ4〜13はそれぞれ各スイッチに図示された文字、イラスト内容に応じたデータを入力するスイッチとして機能する。
【0048】
スイッチ12が押されると、表示画面2は図1(a)又は図1(b)又は図1(c)に示す状態から図2に示す状態に遷移する。
【0049】
またスイッチ14、15は、表示画面2上でカーソルを移動させるカーソルキーである。カーソルの現在位置は背景色を反転させた色で示される。スイッチ16はエンターキーである。スイッチ17は表示画面2に表示される画面をひとつ前の表示状態に戻す前画面キーである。
【0050】
つぎに表示装置1の動作について説明する。
【0051】
以下では、各部品のうちエンジンオイルフィルタのメンテナンス残り時間Hが0時間以上かつ30時間以下であるとする。
【0052】
オペレータが運転室に乗り込みスタータスイッチを操作すると、車載される電子機器に電力が供給される。するとコントローラ19では記憶部18で記憶されている各部品、すなわちエンジンオイル、エンジンオイルフィルタ、燃料フィルタ、作動油フィルタ、作動油タンクブリーザ、コロージョンレジスタ、ダンパケースオイル、ファイナルケースオイル、スイングマシナリオイル、作動油のメンテナンス情報を検索し、各部品についてメンテナンス時期が到来しているか否かが判断される。
【0053】
この際コントローラ19では、エンジンオイルフィルタのメンテナンス時期が経過していると判断される。
【0054】
すると表示装置1の表示画面2には図1(a)に示すように、状態表示マーク21、23、24、25、26の他にメンテナンスマーク30が黄色で表示される。なお各部品のうちいずれか1つでもメンテナンス残り時間Hがマイナスのものがある場合は、表示装置1の表示画面2には図1(b)に示すように、メンテナンスマーク30が赤色で表示される。また各部品のいずれもメンテナンス時期が到来していなければ、表示装置1の表示画面2には図1(c)に示すように、メンテナンスマーク30は表示されず、各状態表示マーク21、22、23、24、25、26が表示される。
【0055】
メンテナンスマーク30が表示画面2に表示されてから所定時間、たとえば30秒経過すると、図1(a)に示す状態から、図1(c)に示す状態に遷移する。すなわちメンテナンスマーク30は非表示となり、表示画面2には状態表示マーク22が表示される。
【0056】
オペレータは図1(a)または図1(b)に示す表示画面2を見ることで、いずれかの部品に対してメンテナンス処理が必要であることを確認する。さらに具体的な情報を見たければ、オペレータはスイッチ12を押動操作する。
【0057】
表示画面2にメンテナンスマーク30が表示されている際にスイッチ12が押動操作されると、表示画面2は図1(a)に示す状態から図2に示すような部品マークが一覧表示された状態に遷移する。なお表示画面2が図1(c)に示す状態に遷移した後に、スイッチ12が押動操作されても、表示画面2が図1(a)に示す状態から図2に示すような部品マークが一覧表示された状態に遷移する。つまりオペレータやサービスマンなどはスイッチ12を押動操作することによっていかなる時でもメンテナンスの情報を知ることができる。
【0058】
表示画面2には図2に示すように、エンジンオイルマーク41と、エンジンオイルフィルタマーク42と、燃料フィルタマーク43と、作動油フィルタマーク44と、作動油タンクブリーザマーク45と、コロージョンレジスタマーク46と、ダンパケースオイルマーク47と、ファイナルケースオイルマーク48と、スイングマシナリオイルマーク49と、作動油マーク50と、リターンマーク51とが表示される。メンテナンス時期が到来しているエンジンオイルフィルタマーク42は黄色で表示される。なおメンテナンス時期が到来した部品が複数ある場合は、これら複数の部品マークが着色して表示される。
【0059】
このように本実施形態では、メンテナンスを要する全ての部品マーク41〜50が図2に示すような1つの画面に表示される。このためオペレータは表示画面2を一目するのみでメンテナンス時期が到来している部品を把握することができる。
【0060】
オペレータは図2に示す表示画面2を見ることで、メンテナンス処理が必要である部品を確認する。さらに詳細情報を見たければ、オペレータはスイッチ14、15、16を押動操作する。
【0061】
スイッチ14、15が押動操作されると各マーク41〜51上をカーソルが移動する。カーソルが位置するマークの背景色は反転して表示され、このマークに対応して表示されている番号が選択番号52に表示される。図2では各マーク41〜51の上部に表示されている番号「01〜11」が選択番号52に表示される。
【0062】
エンジンオイルフィルタマーク42にカーソルを位置させると、エンジンオイルフィルタマーク42の背景色が反転して表示され、選択番号52に「02」が表示される。この状態でスイッチ16が押動操作されると、表示画面2は図2に示す部品マークの一覧表示状態から図3に示す状態に遷移する。
【0063】
表示画面2には図3に示すように、エンジンオイルフィルタに関するメンテナンス情報、すなわち選択したエンジンオイルフィルタマーク42と、エンジンオイルフィルタマーク42に対応する選択番号52と、インジケータ61と、残り時間62と、規定時間63とが表示画面2に表示される。
【0064】
オペレータは図3に示す表示画面2を見ることで、メンテナンス処理が必要である部品の詳細情報を確認する。エンジンオイルフィルタを交換する場合はオペレータはサービスマンに連絡する。エンジンオイルフィルタを交換せず作業を続行する場合は、オペレータはスイッチを押動操作して表示画面2を図1(c)に示す状態にする。
【0065】
サービスマンなどによってエンジンオイルフィルタが交換された場合は、表示画面2が図3に示す状態とされた後、スイッチ16が押動操作される。表示画面2はエンジンオイルフィルタのメンテナンス情報の更新を確認する確認画面に遷移する。ここでさらにスイッチ16が押動操作されると、記憶部18に記憶されているエンジンオイルフィルタの前回メンテナンス日時が更新され、前回メンテナンス日時からの油圧ショベルの稼働時間が0に更新される。
【0066】
他の部品のメンテナンス時期が到来した場合についても同様の操作が行われる。また複数の部品のメンテナンス時期が到来している場合は、図2に示す表示画面2でメンテナンス時期が到来している複数の部品の部品マークの背景色が反転して表示される。
【0067】
なお通常、油圧ショベルで正常に作業が行われている場合は、表示画面2は図1(c)に示す状態である。この状態でスイッチ12が押動操作されても図2に示す表示画面2に遷移する。この際メンテナンス時期が到来している部品があれば、メンテナンス時期が到来している部品の部品マークの背景色が反転して表示され、メンテナンス時期が到来している部品がなければ、いずれの部品の部品マークの背景色も反転していない。
【0068】
またメンテナンス時期が到来していない部品についてメンテナンスが行われた場合も、表示画面2が図3に示す状態とされた後、スイッチ16が押動操作され、メンテナンスが行われた部品のメンテナンス情報が更新される。
【0069】
なお本実施形態では、油圧ショベルの部品のうち定期的にメンテナンスを要する部品のいずれかにメンテナンス時期が到来したことを絵文字(メンテナンスマーク30)にて示しているが、文字(たとえば「メンテナンス時期到来」)にて表示するようにしてもよい。同様に油圧ショベルの部品のうち定期的にメンテナンスを要する部品を絵文字(部品マーク41〜50)にて示しているが、文字(たとえば「エンジンオイルフィルタ」)にて表示するようにしてもよい。
【0070】
本発明によれば、オペレータはこのメンテナンスマーク30が表示画面2に表示された場合にメンテナンス処理を行えばよい。したがって建設機械の部品のいずれかにメンテナンス時期が到来したか否かの確認を定期的に行わなくてよい。このため確認作業の負担が軽減される。
【0071】
また本発明によれば、いずれかの部品にメンテナンス時期が到来した場合に、表示画面2にメンテナンスマーク30が表示される。したがってオペレータは表示画面2を見るのみで、建設機械の部品のいずれかにメンテナンス時期が到来したか否かを確実に把握することができる。
【0072】
また本発明によれば、部品のメンテナンス時期に応じてメンテナンスマーク30または各部品マーク41〜50の表示色が異なる。オペレータはこの表示色によって部品のメンテナンス時期が把握でき、早急にメンテナンスを行わなくてもよい部品についてはメンテナンス処理を後回しにし、油圧ショベルによる作業を優先させることができる。このため作業効率が向上する。
【0073】
また本発明によれば表示装置1の単一の表示画面2を遷移させてメンテナンス情報を表示するようにしているため、メンテナンス情報を表示するために他の表示装置を設ける必要がなく、またメンテナンス情報を表示するために表示画面を大きくする必要がない。
【0074】
また本発明によれば電子機器に電力が供給されると、表示画面2にエンジン水温マーク21や燃料量マーク23など車両を稼働させる上で重要な情報が表示されるとともに、メンテナンスマーク30が表示される。このようにこれらの情報を同一画面にて得ることができる。
【0075】
また本発明によればメンテナンスマーク30が表示画面2に表示されてから所定時間経過後にメンテナンスマーク30を非表示状態にし、本来表示されるべき他のマーク(本実施形態では作動油温マーク22及びコーションマーク28)を表示させる。このように表示画面の表示箇所を有効に使用している。
【0076】
また他の実施形態として、図4に示すように、作動油温マーク22及びコーションマーク28が表示される箇所にメンテナンスマーク30が表示されるのではなく、他のマークが表示されない箇所にメンテナンスマーク30が表示されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施形態の表示装置1を示す図であり、メンテナンスマークが黄色で表示された表示画面を示す図であり、図1(b)はメンテナンスマークが赤色で表示された表示画面を示す図であり、図1(c)は通常の表示画面を示す図である。
【図2】図2は各部品マークが一覧表示されている表示画面を示している。
【図3】図3は部品のメンテナンス情報が表示されている表示画面を示している。
【図4】図4は他の実施形態を示す図であり、メンテナンスマークが表示された表示画面を示す図である。
【符号の説明】
1 表示装置 2 表示画面 30 メンテナンスマーク
41 エンジンオイルマーク
42 エンジンオイルフィルタマーク
43 燃料フィルタマーク
44 作動油フィルタマーク
45 作動油タンクブリーザマーク
46 コロージョンレジスタマーク
47 ダンパケースオイルマーク
48 ファイナルケースオイルマーク
49 スイングマシナリオイルマーク
50 作動油マーク

Claims (8)

  1. 表示画面が通常画面とメンテナンス情報画面との間で遷移される作業機械の表示装置において、
    通常画面は、作業機械の各状態を示す複数の表示箇所からなり、
    通常画面の各表示箇所にはそれぞれ、特定の表示がなされており、
    表示画面が通常画面に遷移されているときに、作業機械を構成する部品のメンテナンス時期が到来した場合には、
    通常画面の各表示箇所のうち、予め定められた表示箇所の表示内容に代えて、メンテナンス時期が到来したことを示すメンテナンスマークを表示し、
    表示画面がメンテナンス情報画面に遷移されると、メンテナンス情報画面にメンテナンス時期が到来した部品の部品情報が表示されること
    を特徴とする作業機械の表示装置。
  2. 表示画面が通常画面とメンテナンス情報画面との間で遷移される作業機械の表示装置において、
    通常画面は、作業機械の各状態を示す複数の表示箇所からなり、
    通常画面の各表示箇所にはそれぞれ、特定の表示がなされており、
    表示画面が通常画面に遷移されているときに、作業機械を構成する部品のメンテナンス時期が到来した場合には、
    通常画面の表示内容を維持しつつ、メンテナンス時期が到来したことを示すメンテナンスマークを表示し、
    表示画面がメンテナンス情報画面に遷移されると、メンテナンス情報画面にメンテナンス時期が到来した部品の部品情報が表示されること
    を特徴とする作業機械の表示装置。
  3. 通常画面に前記メンテナンスマークが表示されてから所定時間が経過すると、当該メンテナンスマークが非表示状態になること
    を特徴とする請求項1または2記載の作業機械の表示装置。
  4. 通常画面に前記メンテナンスマークが表示されてから所定時間が経過すると、当該メンテナンスマークが非表示状態になり、当該メンテナンスマークが表示されていた表示箇所に元の特定の表示がされること
    を特徴とする請求項1記載の作業機械の表示装置。
  5. メンテナンス残り時間に応じて前記メンテナンスマークの表示状態を異ならせて表示するとともに、スイッチの操作によって、通常画面からメンテナンス情報画面に遷移すること
    を特徴とする請求項1から4に記載の作業機械の表示装置。
  6. 作業機械のスタータスイッチが操作されると、作業機械を構成する部品についてメンテナンス時期が到来しているか否かが判断され、
    作業機械を構成する部品についてメンテナンス時期が到来していると判断された場合に、前記メンテナンスマークが表示されること
    を特徴とする請求項1から5に記載の作業機械の表示装置。
  7. メンテナンス情報画面は、メンテナンスを要する複数の部品のマークが一覧表示された部品一覧表示画面と、メンテナンスを要する部品の詳細な情報が表示される部品詳細情報画面とからなり、
    表示画面が通常画面と部品一覧表示画面と部品詳細情報画面との間で遷移されること
    を特徴とする請求項1から6に記載の作業機械の表示装置。
  8. メンテナンス情報画面は、メンテナンスを要する部品の詳細な情報が表示される部品詳細情報画面を含み、
    表示画面が前記部品詳細情報画面に遷移された後に、当該部品詳細情報画面の部品詳細情報が更新されること
    を特徴とする請求項1から7に記載の作業機械の表示装置。
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