JP4707253B2 - 外装鉄線の引留め装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外装ケーブルの引留め装置に係わり、特に鉄線外装ケーブルの引留めに有効な外装鉄線の引留め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信用線路としてのケーブルには、その外被構造上から、通常のケーブルの上に何の工作もしていない非外装ケーブル( non armoured cable )と、非外装ケーブルを保護する目的で、非外装ケーブルの上に工作を施した外装ケーブル(armoured cable)に分類される。一般にケーブルといわれるものは非外装ケーブルのことであり、また、非外装ケーブルは外装ケーブルのケーブルコアとも呼ばれる。
【0003】
浅海(一般に2000m以浅)用の海底ケーブルとしては、例えば図4に断面図を示すように、ケーブルコア56の表面をPPヤーン等を巻いた座床55で覆い、その上に鋼線で形成された複数本の外装鉄線54を撚り合わせ、更にPPヤーン等の外部被覆53で覆った鉄線外装ケーブル(wire armoured cable )が使用される。
即ち、外装52はケーブルコア56の表面を順次覆った座床55、外装鉄線54、外部被覆53で構成される。
漁労による損傷の恐れのある所では一重鉄線外装ケーブルが、底質が岩や珊瑚礁等で特に悪い所では二重鉄線外装ケーブルが使用される。
【0004】
ケーブルコアの一例である、光ファイバを伝送路とした海底光ケーブルとしては、例えば、図5に示す構造のものが用いられている。図5は海底光ケーブルの構成を模式的な斜視図で示している。
中心部分はタイト型の光ファイバユニット1で、複数本の光ファイバ心線1aを撚り合わせた集合体を紫外線硬化型合成樹脂(例えば、紫外線硬化ウレタン)、あるいは熱可塑性合成樹脂によって固めたものである。
なお、タイト型ユニットに代わりルースチューブ型ユニットも使用されつつある。
【0005】
2は前記光ファイバユニット1を水圧から保護するための耐圧層で、断面が扇形の分割個片(2a、2b、2c)を3個縦沿えして組み合わせて使用している。
3はケーブルに加わる引張力に十分対応できるように、主として鋼線で形成される抗張力線(3a、3b、3c、・・・)を撚り合わせて構成した抗張力線層3で図では1層とされている。
この抗張力線層3は1層または2層構造とされ、ケーブルの布設時の負荷に充分耐える抗張力を付加し、かつ、障害等に対してケーブルを保護する。
4は前記抗張力線層3の結束と気密を保ち、中継器への給電路となる金属チューブ層で、通常、銅またはアルミ等からなる金属テープを縦添え溶接して縮径し、チューブ状に形成したものである。
また、5及び6は海水との絶縁を目的とするポリエチレン等で形成する絶縁シース層である。
【0006】
分割個片(2a・・・)と抗張力線(3a・・・)は総称して抗張力体9と呼ばれる。
図5に示した扇形断面の分割個片を使わず、鋼線を撚り巻きして耐圧層2を形成する場合もあり、抗張力線層3が2層構造とされた場合を含めると、撚り巻きされた数種類の線径の鋼線だけで抗張力体9を形成することもある。
【0007】
このような外装ケーブルをその端末で接続する際、ケーブルを光学的、電気的、かつ機械的に強固に引き留める必要があり、この引留め部は、最大、ケーブルの破断張力に相当する引留め力を発揮することが期待されるため、ケーブル構成部材中、外部張力に対抗可能な全ての部材を引留め、各部材の破断張力に対応した引留め力を与えるようにされる。当然外装鉄線54も強固に引き留めなければならない。この外装鉄線54の引留め部もジョイントボックス(JB)等の大きさに見合った小スペースに収まることが要求される。
【0008】
図6は従来使用されている外装鉄線の引留め構造を採用したジョイントボックス80の一例で、その内部構造をケーブルの軸線を含む平面で断面にして示している。
一例として、図5で示した海底光ケーブル50をケーブルコアとした図4の外装ケーブル51a、51bが左右から挿入されて接続される。光ファイバが接続される接続部20と、ケーブルコアの抗張力体9を引き留める引留め部10が耐圧シリンダ38内に収容され、左右のケーブルの抗張力体9に印加される張力は耐圧シリンダ38を介して相互に伝達される。
【0009】
外装鉄線54を引き留める外装鉄線引留め部75は耐圧シリンダ38の外側に左右に置かれ、外装鉄線54に印加される張力はブーツインサート36aおよびカバー36を介して相互に伝えられる。
即ち、外装鉄線引留め部75はブーツインサート36aの最外端の内フランジ部により支持され、外装鉄線54の張力をブーツインサート36aに伝達する。
左右のブーツインサート36aは、例えばネジ結合によりカバー36の端部36bと1体とされるので、外装ケーブル51a、51bの外装鉄線54に印加される張力ははカバー36を介して伝達されることになる。
【0010】
外装鉄線の従来の引留め部75を拡大して、ケーブル軸線を含む断面図として示した図7(a)を参照して説明する。図は右側の外装鉄線引留め部75を示し、右側から挿入された外装ケーブル51bの外装鉄線54を引き留める。
外装鉄線54は末端で撚りが戻され、各外装鉄線54の先端に1個づつ把持部品73がカシメられる。把持部品73は専用のカシメ器を使用してその周囲の数方向から圧力を加えられてカシメられ、把持部品73の中心に置かれた外装鉄線54に固定される。
図示していないが、把持部品73の一端には雄ねじが切られ、調整ナット74の雌ねじに螺合して、この調整ナット74を廻転させることにより、調整ナット74が外装鉄線54に沿って左右に移動する。
【0011】
アンカー70は2枚の円板を細いパイプで結合した鼓状の形状とされ、図で右側の円板部がブーツインサート36aの右端の内フランジ部分に係合する。
把持部品73を支持する固定治具であるアンカー70の右側の円板は、図(a)のAA線に沿って見た断面図の一部として同図(b)に示すように、その外周から外装鉄線54の本数と同数の(鉄線収容のための)溝71が切り込まれている。
溝71の横から外装鉄線54を挿入し、把持部品73の調整ナット74を廻転させて外装鉄線54に掛かる張力を調整して、外装鉄線54を外装鉄線引留め部75で引留める。
【0012】
外装ケーブル51bから、外装52が取り去られ、ケーブルコア56のみがジョイントボックス80の中に挿通される。海底光ケーブル50の絶縁シース層5、6も途中で取り除かれ、金属チューブ層4が露出される。 更に、耐圧シリンダ38の内部で抗張力体9の端末が引留め部10で引き留められ、光ファイバ1aが耐圧シリンダ38の中央にある接続部20で相互に接続されると、ケーブル51a、51bの接続が完了する。
【0013】
上記の外装鉄線54の引留め方法は、把持部品73の外径が外装鉄線54の線径に比べて大きく、アンカー42上の外装鉄線54の位置はケーブルの中心から離れざるを得ない。即ち、外装鉄線54は撚り巻きされてケーブルを構成していた位置よりかなり遠い位置でアンカー42で支持されることになり、図中θで示すように、大きく傾いた張力を受ける。従って、外装鉄線に印可される力のケーブル軸線に垂直な分力が大きくなる傾向がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の外装鉄線の固定法は、把持部品のカシメの際、複数方向から圧力を印加するため、カシメが不確実となる場合があり、外装鉄心の変形、強度低下等の問題が生じる可能性がある。
また、上記のように、把持部品の外径が外装鉄線の線径に比べて大きいので、外装鉄線に印可される張力のケーブル軸線に垂直な分力が大きくなるが、1本置きに傾きの異なる外装鉄線の傾いた部分を有効に支持することは困難であり、特に前述のように外装鉄線の破断張力に相当する把持力が要求されるため、垂直分力もかなりの大きさとなり、この垂直分力によりケーブルに経時変化の悪影響が発生する可能性もある。
【0015】
また、外装鉄線に把持部品をかしめるために専用のカシメ機械を必要とし、1本毎のかしめ作業を必要とするので作業時間は長くなる。調整ナット付の把持部品の部品代も高価になりやすい。
このように、作業に要する人件費、材料費等コスト上の問題も無視できない。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、引留め面として円錐形の内テーパー面が形成されているアンカーと、該アンカーの前記内テーパー面に圧入することができる、引留め面として外周面が円錐台状の外テーパー面とされたウェッジと、からなる両引留め部材を備え、前記引留め部材の引留め面の、少なくとも1面に凹凸形状を形成し、該引留め部材の表層部分には表面硬化層を形成し、前記アンカーの前記内テーパー面に、外装ケーブルの外装鉄線の末端を開いて配置した後、前記ウェッジを前記アンカーの前記内テーパー面に圧入して、前記外装鉄線の硬度に対して、前記両引留め面の前記表面硬化層の硬度が大とされていることにより、ウェッジを圧入すると、引留め面の表面の凹凸は外装鉄線に食い込み、更に、前記アンカーと前記ウェッジの両引留め部材の内部硬度が、前記外装鉄線の硬度より小又は同等とされていることにより、印加された圧入力により、引留め面内部が塑性変形を起こし外装鉄線と引留め面間の接触面積が増大し
前記アンカーの前記留め面と前記ウェッジの前記引留め面により前記外装鉄線を把持して引留める外装鉄線の引留め装置を提供する。
【0018】
本発明による外装鉄線の引留め装置は、表面硬度の大きい引留め面の凸部が外装鉄線に食い込み、摩擦力を高めると共に、引留め面の内部は硬度が小さいので容易に塑性変形を起こし、外装鉄線との接触面積を増加させ、外装鉄線の破断張力に匹敵する把持力を効果的に得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である外装ケーブルの外装鉄線の引留め装置を説明する。説明に使用する外装ケーブル(51a、51b)は、一例として、図5に示した海底光ケーブル50をケーブルコアとし、図4に示す外装を施した外装ケーブルとする。
なお、ここではケーブルコアが上記の海底光ケーブルとされた例を説明するが、本発明による外装鉄線の引留め装置はケーブルコアとして海底光ケーブルに限定されるものではなく、広く一般の非外装ケーブルをケーブルコアとして使用した外装ケーブルに適用可能である。
【0020】
既に述べたように、このような外装ケーブルは布設時や布設後の使用中も、ケーブルの軸線方向に大きな張力が印加される。ケーブル端末で接続を行う際、ケーブルを光学的、電気的、かつ機械的に強固に引留める必要がある。
この引留め部は、最大、ケーブルの破断張力に相当する引留め力を発揮することが期待されるため、ケーブル構成部材中、外部張力に対抗可能な全ての部材を引留め、各部材の破断張力に対応した引留め力を与えるようにする。
当然、外装鉄線として使用される鋼線もその破断張力に相当する把持力で強固に引き留めなければならない。
【0021】
外装鉄線の引留め装置は、海底光ケーブルの端末に取り付けられるジョイントボックス(JB)等の接続装置に付帯して設置される。これら接続装置は性能的にも、経済上の立場からも、ある程度、小型であることが要求される。
これらケーブル接続装置としては、ケーブルとケーブルの接続をするジョイントボックスJB(joint box )、ケーブルと中継器の接続用のケーブルカップリングCPL(cable coupling)、ケーブルの端末を一時放置するとき使用されるエンドボックスEB(end box )等があり、その引留め部の付帯の方法等はほぼ同一なので、ここではジョイントボックスに適用した例を示している。
【0022】
図1を参照して本発明の外装鉄線の引留め装置を設置したジョイントボックスを説明する。図1は左右から挿入された外装ケーブル51a、51bを接続するジョイントボックス30をケーブル軸線を含む断面図として示している。また、左側のブーツ40は一部を切断して示されている。
ジョイントボックス30は、外装ケーブル51a、51bを機械的、電気的、及び光学的に接続するものであり、外装ケーブル51a、51bが引き込まれるジョイントボックス30の両端の最外部には、それぞれゴム製のブーツ40、40が取り付けられており、例えば布設時に受ける屈曲からケーブルを保護するようにしている。
【0023】
ジョイントボックス30の中央に、光ファイバユニット1内の光ファイバ1aを相互に接続する接続部20が置かれ、その両側に外装ケーブル51a、51bのケーブルコアである海底光ケーブル50の抗張力体9を引留める引留め部10が設置されて、耐圧シリンダ38内に収容されている。
耐圧シリンダ38は、その内部に収納される光ファイバの接続部20を水圧や屈曲等の外力から保護すると共に、ケーブルコア内の抗張力体9相互の張力の伝達や給電路の電気的な接続を行っている。このため、耐圧シリンダ38は高強度の金属により形成されている。
【0024】
外装ケーブル51a、51bの外装鉄線54は耐圧シリンダ38の外側に配置された、本発明の外装鉄線の引留め装置である外装鉄線引留め部41、41で引き留められる。外装鉄線引留め部41はほぼ円筒形のブーツインサート36aの内フランジ部で支持され、左右のブーツインサート36aは円筒形のカバー36と、例えば螺合により結合されるので、結局、外装鉄線54に印加される張力はカバー36を介して外装ケーブル51a、51b相互に伝えられることになる。
【0025】
図2、3を参照して、外装鉄線引留め部41を説明する。なお、左右の外装鉄線引留め部41、41はほぼ同一の構造とされているので、以降、図1右側の外装鉄線引留め部41を例として説明する。
図2は外装鉄線引留め部41を構成する主要部材の分解斜視図で、内部構造を明示するため、一部を破断して示す部材がある。
図3(a)は、ジョイントボックス30のケーブル軸心を含む平面で破断した、外装鉄線引留め部41を中心とした断面図である。
【0026】
42は中心部に円錐形の内テーパー面42aが形成された、外形がほぼ円柱状のアンカーで、例えば鉄鋼材料で作成される。内テーパー面42aの頂点部分に設けられた貫通孔42cを貫通して外装ケーブル51bが挿入される。
ウェッジ43は、外テーパー面43aを持った円錐台形状に円板状のフランジ部分を結合した形状とされ、外テーパー面43aのテーパー(の傾斜角)は内テーパー面42aのテーパーとほぼ同一とされている。
また、ウェッジ43の中心部にケーブルコア50を挿通する貫通孔43cが設けられている。ウェッジ43は、例えば、アンカー42と同等の材料で作成される。
なお、外テーパー面43aには凹凸形状46が形成されているが、詳細は後述する。
【0027】
アンカー42に挿入された外装ケーブル51bの外部被覆53や座床55を取り除き、外装鉄線54を広げてアンカー42の内テーパー面42aに並べて配置する。
ウェッジ43をアンカー42に圧入すると、アンカー42の内テーパー面42aに配置された外装鉄線54を内テーパー面42aと外テーパー面43aで挟持し、把持することになる。
【0028】
外装ケーブル51bは、外装の外装鉄線54が露出して広げられ、外部被覆53と座床54が取り去られて、ケーブルコアの海底光ケーブル50のみとなる。
海底光ケーブル50は貫通孔43cを左に挿通され、絶縁シース層5、6が途中で取り除かれ、金属チューブ層4が露出され、耐圧シリンダ38の内部に導かれる。更に抗張力体である分割個片2や抗張力線(3a、3b、3c、・・・)の端末が引留め部10で引き留められ、光ファイバユニット1のみが中央にある接続部20に導かれる。接続部20で光ファイバ相互の接続がなされてケーブル51a、51bの接続が完了する。
【0029】
既に述べたように、アンカー42の外側端面(図2、図3の右端)がブーツインサート36aの内フランジ部で支持される。ブーツインサート36aとカバー36は、例えば、接合部36bで雌雄のネジの螺合により一体に結合され、外装鉄線に印加される張力はブーツインサート36aとカバー36を介して、外装ケーブル51a、51b相互に伝達される。
【0030】
また、ウェッジ43のフランジ部分に雌ねじ孔43bを設け、アンカー42のボルト孔42bに挿通されたボルト44を螺合させ、圧入されたアンカー42を圧入位置に固定する。
なお、図ではボルト44等は1個のみが描かれているが、外装鉄線に加わる大きな張力に対抗し、且つ、アンカー42とウェッジ43の安定した結合を確保するため、アンカー42の周辺にほぼ等分に配置された複数個のボルトが使用されている。
【0031】
引留め面であるウェッジ43の外テーパー面43a、又はアンカー42の内テーパー面42aの何れか1面、或いはその両面に凹凸形状46が形成されている。凹凸形状を形成する範囲はテーパー面全体或いはその要所の一部でもよい。
凹凸形状加工の具体例として、例えば、ウェッジ43の外テーパー面43aとアンカー42の内テーパー面42aに同様に設けるなら、図3(b)に示すようなネジ山形状を持つテーパーネジを切ってもよいし、ネジのリードは直接必要ないので、旋盤加工でネジ山と類似の断面形状の線条をリング状に付けても良い。
また、引留め面が外周面(外テーパー面43a)なら、ローレット加工でアヤ目(方向の異なる直線状の凹凸が2重に重なった形状)の凹凸を付けるのも容易であり、孔内周面(内テーパー面42a)の場合はサンドブラスト類似の加工も能率的である。要は凹凸形状の凸部が先鋭で食いつきが良く、引留め面に平行な外力により外れない形状の凹凸を付ければよい。
【0032】
更に、凹凸形状を形成した引留め面には、例えば窒化処理等の表面硬化処理を施し、表層部分の表面硬度を内部硬度より大きくしておく。ここで内部硬度は引留め面を持つ引留め部材の素材硬度であり、表面硬化層から充分内部の硬度である。
引留め部材の内部と表面の硬度を適当に選ぶと、ウェッジ43を圧入すると、引留め面の表面の凹凸は外装鉄線54に食い込み、引留め面の表面と外装鉄線間の摩擦係数は上昇する。
更に、印加された圧入力により、引留め面内部が塑性変形を起こし、外装鉄線と引留め面間の接触面積が増大する。
従って、摩擦係数、接触面積の両者が増加するので把持力は十分大きな値を取ることができる。
【0033】
上記のように、凹凸形状を形成し、表面硬化処理を施した引留め面を持つ引留め部材48の充分内側で表面硬化処理の及ばない部分の硬度を内部硬度、表面硬化層の硬度を表層硬度と呼ぶことにすれば、各部分の硬度の望ましい関係は次のようになる。
表面硬化処理が施された引留め面の表層硬度をHh、引留め面の内部硬度をHn、外装鉄線の硬度をHtとすると、次の(1)式で示される
〔 Hh>Ht≧Hn ・・・・・・・(1) 〕
で有ることが望ましい。
即ち、引留め部材48の表層硬度は外装鉄線54の硬度より大きく、内部硬度は外装鉄線54の硬度と同等又はそれより小さくする。
【0034】
上記のような硬度の関係とすれば、硬度の高い引留め面の鋭い凸部は外装鉄線54に食い込む。即ち摩擦係数は上昇する。
また、印加された圧入力により、引留め面内部は塑性変形を生じ、外装鉄線54と引留め面間の接触面積が増大する。外装鉄線54の硬度が引留め部材48の内部硬度と同等ならば外装鉄線54も塑性変形を生じ、更に容易に接触面積が増大する。
この結果、外装鉄線の引留め部41において、前記したような外装鉄線の破断張力相当の把持力を得ることができる。
【0035】
上記したような凹凸形状や表面硬化処理を施さないで、テーパー面を持つ両引留め面で外装鉄線と類似の線状の部材を挟持して把持するときは、往々にして、引留め面と線状の部材間の摩擦係数が不足して期待する把持力が得られないことがあり、また、両者の接触圧により、線状の部材に塑性変形が生じ、強度の低下が懸念される場合も起こり得る。
従来、前者の摩擦係数の不足に対応するため、合わせ目に砥粒を塗布する対策がとられたこともあるが、塗布量のバラツキにより摩擦係数の幅が大きく、引留め面以外に剥離した砥粒が思わぬ悪影響を及ぼす等欠点が多かった。
【0036】
引留め面に凹凸形状を形成し、表面硬化処理で表層硬度を大きくすることで、外装鉄線の硬度と同等又はより小さい内部硬度の引留め部材を採用することができるので、塑性変形を主に引留め部材48に分散して極度の外装鉄線54の変形を防ぎ、その強度低下を防止することが可能となる。
【0037】
また、外装鉄線はアンカー42の内テーパー面42aの内側に沿って配置されるので、外装鉄線に印可される張力のケーブル軸線に垂直な分力をこのテーパー面で確実に支持することができる。外装鉄線に大きな張力が作用しても、この垂直分力による影響は殆ど無視することができる。
【0038】
以上、ケーブルコアとして中心に光ファイバユニットを持つ海底光ケーブルの例を説明したが、既に述べたように、本発明の外装鉄線の引留め装置はケーブルコアとしては通常の局線や同軸ケーブル等の各種が使用可能であり、陸上で使用される外装ケーブルにも適用でき、更に複数の線径の外装鉄線で形成された外装でも同様の引留め効果を生ずる。
【0039】
なお、本実施の形態で説明したアンカー42やウェッジ43等の材質や形状はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
また、本引留め構造は初めにも述べたようにケーブル接続装置の中のジョイントボックスのみでなく、ケーブルカップリング、エンドボックス等ケーブルの端末を引き留める必要のある装置全般に適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の外装鉄線の引留め装置は、外装ケーブルの外装鉄線を簡単なテーパー面同士による引留め面で把持するにも係わらず、引留めに使用される引留め面の凹凸形状と外装鉄線より高い表面硬度を利用して、外装鉄線と引留め面の間に高い摩擦力発生をもたらし、引留め部材の内部硬度を外装鉄線と同等又は低い硬度とすることで、主たる引留め部材内部の塑性変形と従の外装鉄線の塑性変形で、外装鉄線と引留め面の接触面積を増加させることができるので、両者間の摩擦係数と接触面積を共に増加させて、外装鉄線の破断張力に匹敵する高い把持力が得られる。
【0041】
また、引留め面と外装鉄線の間に砥粒の塗布等は不要となり、摩擦力バラツキの要因も無く、砥粒の剥落によって他部材の信頼性低下が懸念されることもない。更に、引留め面と外装鉄線間の圧力で外装鉄線の変形が生じ、外装鉄線の強度が低下することも防止できる。
【0042】
また、外装鉄線に印可される張力のケーブル軸線に垂直な分力をアンカーのテーパー面で確実に支持することができるので、外装鉄線に印加される張力の垂直分力による悪影響を除去することができる。
【0043】
さらに、外装鉄線に把持部品をかしめるために専用のカシメ機械は不要となり、かしめ作業に要する作業時間の短縮、調整ナット付の把持部品の部品代の節約等、作業に要する人件費、材料費等コスト上の削減効果も無視できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の外装鉄線の引留め装置が付帯されるジョイントボックスの概略の内部構造を示す投影図である。
【図2】外装鉄線の引留め装置の構成部材を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の引留め装置が外装ケーブルの外装鉄線を引留めた状態を、断面図として示した模式的な説明図である。
【図4】外装ケーブルの構造の1例を示す断面図である。
【図5】ケーブルコアの1例を示す斜視図である。
【図6】従来用いられた外装鉄線の引留め方法を採用したジョイントボックスを説明する断面図である。
【図7】図6のジョイントボックス内の外装鉄線の引留め構造を説明する断面図及びアンカーの平面図である。
【符号の説明】
50、50a、50b 海底光ケーブル、1 光ファイバユニット、1a 光ファイバ心線、1b中心抗張力体、2 耐圧層、2a、2b、2c 分割個片、
3 抗張力線層、3a、3b・・・ 抗張力線、4 金属チューブ層、5、6 絶縁シース層、7、8 コンパウンド、9 抗張力体(2および3の総称)
51、51a、51b 外装ケーブル、52 外装、53 外部被覆、
54 外装鉄線、55 座床、56 ケーブルコア、
10 引留め部(抗張力体9の)、20 接続部、30 ジョイントボックス、
36 カバー、36a ブーツインサート、36b 接続部、
38 耐圧シリンダ、38a 鏡板、38b ボルト、38c モールド部、
40 ブーツ、
41 外装鉄線引留め部(外装鉄線引留め装置)、
42 アンカー、42a 内テーパー面、42b ボルト孔、42c 貫通孔、
43 ウェッジ、43a 外テーパー面、43b 雌ねじ、43c 貫通孔、
44 ボルト、45 引留め面、46 凹凸形状、47 表面硬化層、
48 引留め部材(42、43の総称)、
70 アンカー、71 (外装鉄線)溝、73 把持部品、
74 調整ナット、75 外装鉄線引留め部、80 ジョイントボックス

Claims (1)

  1. 引留め面として円錐形の内テーパー面が形成されているアンカーと、
    該アンカーの前記内テーパー面に圧入することができる、引留め面として外周面が円錐台状の外テーパー面とされたウェッジと、
    からなる両引留め部材を備え、
    前記引留め部材の引留め面の、少なくとも1面に凹凸形状を形成し、該引留め部材の表層部分には表面硬化層を形成し、
    前記アンカーの前記内テーパー面に、外装ケーブルの外装鉄線の末端を開いて配置した後、前記ウェッジを前記アンカーの前記内テーパー面に圧入して、
    前記外装鉄線の硬度に対して、前記両引留め面の前記表面硬化層の硬度が大とされていることにより、ウェッジを圧入すると、引留め面の表面の凹凸は外装鉄線に食い込み、更に、前記アンカーと前記ウェッジの両引留め部材の内部硬度が、前記外装鉄線の硬度より小又は同等とされていることにより、印加された圧入力により、引留め面内部が塑性変形を起こし外装鉄線と引留め面間の接触面積が増大し
    前記アンカーの前記留め面と前記ウェッジの前記引留め面により前記外装鉄線を把持して引留める
    ことを特徴とする外装鉄線の引留め装置。
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