JP6813226B1 - マルチ圧着固定具及びそれを用いた緊張材 - Google Patents

マルチ圧着固定具及びそれを用いた緊張材 Download PDF

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Abstract

【課題】 アンボンドPC鋼より線を複数備えたPCケーブルを一つにまとめて圧着加工できるマルチ圧着固定具、及び、そのマルチ圧着固定具を用いた緊張材を提供する。【解決手段】 圧着スリーブ4は、ネジ棒3と中心軸線を共通にする概略円柱状の外形をして、複数のPC鋼より線6の端部をそれぞれ挿入する複数の有底孔部4aを有し、複数の有底孔部4aは、それぞれ、中心軸線方向において、底部4b側にインサート格納部4d、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部4cを形成し、合成樹脂被覆取込部4cの内径が、中心軸線方向の全長にわたって、インサート格納部4dの内径よりも大きい、又は、合成樹脂被覆取込部4cを形成する圧着スリーブ4の部分の外周が、中心軸線方向の全長にわたって、インサート格納部4dを形成する圧着スリーブ4の部分の外周よりも小さい。【選択図】 図10

Description

本発明は、ネジ棒付きのマルチ圧着固定具、及び、そのマルチ圧着固定具とPCケーブルを圧着加工により結合した緊張材に関するものである。
PC鋼より線を緊張材として使用する場合、一般的には、特許文献1に示されるように、PC鋼より線の緊張定着には定着用のクサビ(雄コーン)をアンカーヘッドに形成された雌コーンに挿入固定する。この場合、緊張定着用のジャッキを駆動するための設備を必要とするため、ナットを締め付けて定着する方法に比較して手間がかかる。
PC鋼より線は、グラウンドアンカーや橋梁の外ケーブルの緊張材として、よく使われている。PC鋼より線としては、その防錆材としてPC鋼より線の外周面に合成樹脂被覆が施された、いわゆるアンボンドPC鋼より線が最も一般的である。PC鋼より線の端部を部材に定着する方式として、大別すると、クサビ方式と圧着グリップ方式との2種類がある。特許文献2は、合成樹脂被覆を有するアンボンドPC鋼より線の定着方法を開示している。また、特許文献3も、アンボンドストランドに関する定着方法を開示している。一般に、クサビ方式は、緊張端定着具に使用するが、圧着グリップ方式は、固定端定着具に使用する。
本件特許出願の出願人は、ネジ棒付き圧着グリップ及びそれを備えた緊張材を開発し、特許文献4(特願2020-027155号)に示した。当該圧着グリップと、アンカープレートと、ナットを組合わせたものは、緊張端定着具として使用可能にしたものである。なお、特許文献4は本件特許出願の出願時において未公開である。
グラウンドアンカーや橋梁によく使用されるPCケーブルは、複数のアンボンドPC鋼より線で形成されるものである。複数のPC鋼より線を結束する結束装置としては、特許文献5に開示のものがある。
特開2001−49795号公報 特許第3079231号公報 特許第3590000号公報 特願2020−027155号 特許第4368873号
合成樹脂被覆を有するアンボンドPC鋼より線を緊張材として定着させる場合、合成樹脂被覆が付いたままではPC鋼より線を定着具に結合することができないため、特許文献1に示すように、アンボンドPC鋼より線の端部から定着具の手前まで合成樹脂被覆を剥がしてPC鋼より線だけを定着具に挿入してくさびを用いて定着される。特許文献2の図3も同じことを示している。
しかし、この場合、定着終了後、定着具の仕口に別途の防錆処理を施す必要があり、施工手間やコストがかかる問題がある。この点については、くさび方式でも圧着グリップ方式でも同様である。
これに対し、本件特許出願の出願人は、先願の特許文献4において、合成樹脂被覆を活かして仕口に防錆性能を持たせることで、別途の防錆処理を施す必要なく緊張定着することができる定着具及びその定着具を使用した緊張材を示した。
グラウンドアンカーや橋梁においては、一般に、大容量緊張材として、複数のアンボンドPC鋼より線で形成されたPCケーブルが使用される。PCケーブルにおいては、先願の特許文献4に示したようにアンボンドPC鋼より線を1本1本圧着加工するには手間かかるため、一つにまとめて圧着加工する圧着グリップ、いわゆる、マルチ圧着グリップの開発要請があった。
特許文献5には複数のPC鋼より線を結束する結束装置が開示されているが、あくまでも合成樹脂被覆を有さないPC鋼より線に適用されるものであり、合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の結束についての開示は無く、合成樹脂被覆を有する場合に、いかにして被覆を破損させずに圧着加工するかについての言及や示唆も一切ない。
また、特許文献5では、複数のPC鋼より線を覆うPE管の端部を除去してPC鋼より線だけを結束孔に挿入して圧着することとしている。つまり、PE管はタイケーブルの中間部から結束装置の手前まで延び、結束装置の内側に挿入されていない。そのため、第1密閉リングとして、OリングをPC管の端部の内側に配置し、PC管と結束装置の間の隙間から水が浸入するのを防ぐこととしている。しかし、供用期間中に外気温の変化によってPC管に伸び縮みが繰り返し発生するため、PE管と結束装置の間の隙間も大きくなるおそれがあり、その止水効果は十分とはいえない。
そこで、本願発明は、上記の問題を解決し、特許文献4に記載の発明をベースとして更に進展させて、アンボンドPC鋼より線を複数備えたPCケーブルを一つにまとめて圧着加工できるマルチ圧着固定具、及び、そのマルチ圧着固定具を用いた緊張材を提供することを目的とする。また、複数のアンボンドPC鋼より線をPE保護管で覆ったPCケーブルを1つにまとめて圧着加工できるマルチ圧着固定具、及び、そのマルチ圧着固定具を用いた緊張材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本願発明の第1の態様は、
合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備えたPCケーブルの圧着加工用の圧着グリップと、ナット定着用のネジ棒とからなるマルチ圧着固定具であって、
前記圧着グリップは、圧着スリーブと複数のインサートからなり、
前記圧着スリーブは、前記ネジ棒と中心軸線を共通にする概略円柱状の外形をして、複数の前記PC鋼より線の端部をそれぞれ挿入する複数の有底孔部を有し、
前記有底孔部は、前記有底孔部の中心軸線方向に見たときに、前記有底孔部の中心軸線が前記圧着スリーブの中心軸線を中心とする少なくとも1つの仮想円上に配置され、かつ、1つの前記仮想円上に配置された中心軸線を有する複数の前記有底孔部は円周方向に等間隔に配置してあり、
前記複数のインサートは、それぞれ、円筒状をして、内外周面に刃が形成してあり、前記有底孔部に挿入され、
前記ネジ棒は、前記圧着スリーブの底部と一体に設けられ、前記ネジ棒の直径は圧着スリーブの外径よりも小さく、ナットによる定着を可能としてあり、
前記底部の外周部が中心軸線方向で前記ネジ棒側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成され、
前記複数の有底孔部は、それぞれ、中心軸線方向において、前記底部側にインサート格納部、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部を形成し、
前記合成樹脂被覆取込部の内径が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部の内径よりも大きい、又は、前記合成樹脂被覆取込部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周よりも小さいことを特徴とするマルチ圧着固定具である。
また、第2の態様は、
合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備え、
第1の態様に記載のマルチ圧着固定具を更に備え、
前記合成樹脂被覆を取り除いた複数の前記PC鋼より線の端部がそれぞれ前記インサートに挿入されると共に、前記合成樹脂被覆を有しているままの複数の前記PC鋼より線の中間部の一部がそれぞれ前記合成樹脂被覆取込部に挿入され、圧着加工して固定されていることを特徴とする緊張材である。
また、第3の態様は、
合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備え、前記PC鋼より線を覆うPE保護管を更に備えるPCケーブルの圧着加工用の圧着グリップと、ナット定着用のネジ棒とからなるマルチ圧着固定具であって、
前記圧着グリップは、圧着スリーブと複数のインサートからなり、
前記圧着スリーブは、前記ネジ棒と中心軸線を共通にする概略円柱状の外形をして、複数の前記PC鋼より線の端部をそれぞれ挿入する複数の有底孔部と、前記有底孔部の開口側の端部に配置され、前記PE保護管の端部を囲う環状部と、を有し、
前記有底孔部は、前記有底孔部の中心軸線方向に見たときに、前記有底孔部の中心軸線が前記圧着スリーブの中心軸線を中心とする少なくとも1つの仮想円上に配置され、かつ、1つの前記仮想円上に配置された中心軸線を有する複数の前記有底孔部は円周方向に等間隔に配置してあり、
前記PE保護管の端部から所定の長さまで前記PE保護管と前記PC鋼より線との間の隙間及び複数の前記PC鋼より線の間の隙間を塞ぐスペーサーが設けられ、
前記複数のインサートは、それぞれ、円筒状をして、内外周面に刃が形成してあり、前記有底孔部に挿入され、
前記ネジ棒は、前記圧着グリップの底部と一体に設けられ、前記ネジ棒の直径は圧着スリーブの外径よりも小さく、ナットによる定着を可能としてあり、
前記底部の外周部が中心軸線方向で前記ネジ棒側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成され、
前記複数の有底孔部は、それぞれ、中心軸線方向において、前記底部側にインサート格納部、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部を形成し、
前記合成樹脂被覆取込部の内径が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部の内径よりも大きい、又は、前記合成樹脂被覆取込部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周よりも小さいことを特徴とするマルチ圧着固定具である。
また、第4の態様は、
合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備え、前記PC鋼より線を覆うPE保護管を更に備えるPCケーブルと、
第3の態様に記載のマルチ圧着固定具と、を有し、
前記合成樹脂被覆を取り除いた複数の前記PC鋼より線の端部がそれぞれ前記インサートに挿入されると共に、前記合成樹脂被覆を有しているままの複数の前記PC鋼より線の中間部の一部がそれぞれ前記合成樹脂被覆取込部に挿入され、前記PE保護管の端部及び前記スペーサーが前記環状部の径方向内側に配置され、圧着加工して固定されていることを特徴とする緊張材である。
(1)合成樹脂被覆に覆われたアンボンドPC鋼より線を複数備えたPCケーブルを一つのマルチ圧着固定具にまとめて、一回のみ圧着加工を行えば、PCケーブルとマルチ圧着固定具が結合され、PCケーブルの緊張定着具として利用可能になる。また、PC鋼より線に合成樹脂被覆がついたままの状態で圧着加工しても、圧着加工による合成樹脂被覆の破損が生じず、合成樹脂被覆がマルチ圧着固定具と密着して止水性能を得ることが可能となる。また、圧着加工後のマルチ圧着固定具の仕口に防錆処理を施す必要がなくなり、施工の手間及びコストを減らすことができる。
(2)PCケーブルを覆うPE保護管を備える場合には、PCケーブル側のマルチ圧着固定具の端部に環状部を設けることで、マルチ圧着固定具にPE保護管の端部を飲み込ませ、PE保護管とマルチ圧着固定具を密着させて止水性能を得ることが可能となる。また、PC保護管の端部内側にスペーサーを配置することで、圧着加工した際にPE保護管が破損することを防ぎ、十分な止水性能を得ることが可能となる。これにより、仕口に別途の止水処理を施す不要がなくなり、施工手間とコストの軽減を図ることができる。
本願の第1実施形態に係るマルチ圧着固定具を示す図である。図1(a)は図1(c)に示すA−A断面図、図1(b)は側面図、図1(c)は圧着スリーブの端面図である。 本願の第1実施形態に係るマルチ圧着固定具とPCケーブルを示す図である。図2(a)は図2(c)に示すB−B断面図、図2(b)は側面図、図2(c)は端面図である。 本願の第2実施形態に係るマルチ圧着固定具を示す図である。図3(a)は図3(c)に示すC−C断面図、図3(b)は側面図、図3(c)は圧着スリーブの端面図である。 本願の第2実施形態に係るマルチ圧着固定具とPCケーブルを示す図である。図4(a)は図4(c)に示すD−D断面図、図4(b)は側面図、図4(c)は端面図である。 本願の第3実施形態に係るマルチ圧着固定具を示す図である。図5(a)は図5(c)に示すE−E断面図、図5(b)は側面図、図5(c)は圧着スリーブの端面図である。 本願の第3実施形態に係るマルチ圧着固定具とPCケーブルを示す図である。図6(a)は図6(c)に示すF−F断面図、図6(b)は側面図、図6(c)は端面図である。 本願の第4実施形態に係るマルチ圧着固定具を示す図である。図7(a)は図7(c)に示すG−G断面図、図7(b)は側面図、図7(c)は圧着スリーブの端面図である。 本願の第4実施形態に係るマルチ圧着固定具とPCケーブルとスペーサーを示す図である。図8(a)は図8(c)に示すH−H断面図、図8(b)は側面図、図8(c)は端面図である。 PC鋼より線とPCケーブルを示す図である。図9(a)は合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の断面図、図9(b)はPC鋼より線(裸線)の断面図、図9(c)は2重防錆樹脂層を有するPC鋼より線の断面図、図9(d)は全素線塗装型PC鋼より線の断面図、図9(e)はPE保護管を備えるPCケーブルの側面図、図9(f)はPE保護管を備えるPCケーブルの端面図である。 本願の第1実施形態及び第2実施形態に係るマルチ圧着固定具を使用した緊張材の端部を示す図である。図10(a)は長手方向に切断した断面図、図10(b)は側面図である。 本願の第3実施形態及び第4実施形態に係るマルチ圧着固定具を使用した緊張材の端部を示す図である。図11(a)は長手方向に切断した断面図、図10(b)は側面図である。 本願の実施形態に係るマルチ圧着固定具を使用した緊張材の端部を支圧板にナットで固定した状態を示す側面図である。図12(a)は第1実施形態及び第2実施形態に係るマルチ圧着固定具を使用したもの、図12(b)は第3実施形態及び第4実施形態に係るマルチ圧着固定具を使用したものを示す。 本願の実施形態に係る緊張材を法面アンカーとして斜面安定に適用した例を示す図である。図13(a)緊張材の定着部の拡大図、図13(b)は緊張材の設置図である。 本願の実施形態に係る緊張材を橋桁のプレストレス導入用の外ケーブルとした応用例を示す図である。
(第1実施形態)
図1に本願の第1実施形態に係る止水性能を備えたマルチ圧着固定具1を示す。本第1実施形態のマルチ圧着固定具1は、合成樹脂被覆を有するPC鋼より線(アンボンドPC鋼より線ともいう)の圧着加工用の圧着グリップ2とナット定着用のネジ棒3とからなる。
圧着グリップ2は、概略円柱状をして、複数の有底孔部4aを形成した圧着スリーブ4と、圧着スリーブ4の有底孔部4aに挿入される複数のインサート5とからなる。複数の有底孔部4aは、圧着スリーブ4の中心軸線と略平行の中心軸線を有する円筒状の内部空間を形成する。複数の有底孔部4aは、その中心軸線方向に見たときに、その中心軸線が圧着スリーブ4の中心軸線を中心とする少なくとも1つの仮想円(図1において1点鎖線で示す)上に配置されると共に、図1(c)に示すように、仮想円の円周方向に間隔a(孔芯間の距離)を設けて等間隔に配置される。これにより、各々のPC鋼より線に均等に所要の圧着力を与えて、PC鋼より線が圧着スリーブ4から抜けにくくすることができる。圧着スリーブ4は、ネジ棒3側にテーパー状の外周部を備えた底部4bを有している。なお、本願の実施形態において、有底孔部4aの数は3としているが、本願発明においては、これに限らず、PCケーブルのPC鋼より線の数に応じて2以上の数とすることができる。
複数のPC鋼より線6の挿入用の複数の有底孔部4aの配置について、図示は省略するが、例えば、有底孔部4aが5個の場合では、有底孔部4aの中心軸線方向に見たときに、有底孔部4aの中心軸線が、圧着スリーブ4の中心軸線を中心とする一つの仮想円上に配置されるように、5個の有底孔部4aを所定の間隔a(孔芯間の距離)を設けて円周方向に等間隔に配置する。有底孔部4aが7個の場合では、有底孔部4aの中心軸線方向に見たときに、圧着スリーブ4の中心軸線を中心とする一つの仮想円上に6個の有底孔部4aの中心軸線が配置されるように、所定の間隔a(孔芯間の距離)を設けて円周方向に等間隔に配置し、その仮想円の中心に1個の有底孔部4aを配置する。有底孔部4aが12個の場合では、有底孔部4aの中心軸線方向に見たときに、それぞれの直径が異なる3個の同心の仮想円のうち最も径の大きい仮想円上に6個を、2番目に径の大きい仮想円上に3個を、最も径の小さい仮想円上に3個を配列し、しかも、有底孔部4aの各々の孔芯間の円周方向の距離aを等しくする。
つまり、PC鋼より線6の数に応じて、1つの仮想円または同心の複数の仮想円を想定し、その仮想円上に有底孔部4aの中心軸線が配置される位置に有底孔部4aを配置し、かつ、各有底孔部4aの孔芯間の距離aを円周方向に等間隔とすれば、この要領で制約なく必要に応じて所要の数の有底孔部4aを形成して、従来の1本用のシングル圧着グリップが対応できないアンボンドPC鋼より線を複数備えたPCケーブルを一つにまとめて圧着加工できるマルチ圧着固定具及びそれを用いた緊張材を形成することができる。
ネジ棒3は所要の長さの円柱状をして、圧着スリーブ4と中心軸線を共通にし、圧着スリーブ4の底部4bと一体に形成されている。底部4bの外周には、ネジ棒3側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパーが形成されている。ネジ棒3の直径は、圧着スリーブ4の外径よりも小さく、後述するナットによる定着を可能としてある。底部4bの外周部をネジ棒3側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成することによって、小さい直径で形成されるネジ棒3から大きな外径を有する圧着グリップ2への定着力が、応力集中を生じさせず、スムーズに伝達されることになる。
圧着スリーブ4は、底部4bとは反対側の端部に、インサート5と合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の端部を挿入する有底孔部4aの開口を形成している。圧着スリーブ4は、中心軸線方向において、開口側に合成樹脂被覆取込部4c、底部4b側にインサート格納部4dを形成している。
インサート5は、所要の長さで形成された円筒状をしている。インサート5は、合成樹脂被覆を取り除いたPC鋼より線(通常の裸線)の端部が挿入される側の端部から、インサート5の中心軸線方向に延びる一対のスリット部5aを有している。一対のスリット部5aは、インサート5の中心軸線方向においてインサート5の略中央まで延びている。一対のスリット部5aは、互いにインサート5の径方向に対向する位置に形成されている。インサート5の内外周面には、環状に突出した滑り止め用の刃が、インサート5の中心軸線方向に等間隔に複数形成された凹凸面としてある。
インサート5の中心軸線方向において、インサート格納部4dは、インサート5と略同じ長さである。合成樹脂被覆取込部4cは、インサート5の中心軸線方向において、所定の長さにわたって形成する。
本第1実施形態においては、合成樹脂被覆取込部4cの内径R1はインサート格納部4dの内径R2と同径であり、合成樹脂被覆取込部4cの外周に、開口側(ネジ棒3とは反対側)に向かうにつれて外径が小さくなるテーパー4c1が全長にわたって形成されている。
圧着スリーブ4の底部4bとインサート格納部4dの間には、インサート5の外径よりも小さい内径R3を有する座繰り部4eが形成され、インサート格納部4dと座繰り部4eとの境界に段差を形成している。
図2に示すように、圧着スリーブ4の有底孔部4aには、合成樹脂被覆6aを取り除いたPC鋼より線6b(裸線)の端部をインサート5とともに挿入する。この状態で、圧着スリーブ4を不図示のダイスを通して圧着加工すると、インサート格納部4dが所定の内径まで細く変形して、内側のインサート5が、合成樹脂被覆を取り除いたPC鋼より線6bの端部の表面を噛み込み、圧着スリーブ4とPC鋼より線6b(裸線)が強固に結合される。その状態を図10に示す。上記のように、合成樹脂被覆取込部4cの外周部にテーパー4c1を形成することにより、ダイスを通して圧着加工される際に、インサート格納部4dが受ける圧着力よりも合成樹脂被覆取込部4cが受ける圧着力の方が一段小さくなり、結果として、圧着スリーブ4が、圧着加工された後、合成樹脂被覆取込部4c内の合成樹脂被覆6aを破損することなく、圧着スリーブ4に密着する程度に適度に変形し、圧着スリーブ4の開口端部と合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6の間の止水が可能な状態となる。テーパー4c1の角度は合成樹脂被覆6aの外形と厚さに応じて定めることができる。合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6は、複数が合わさってPCケーブル9を構成する。
また、上述のように、ネジ棒3の直径は圧着スリーブ4の外径よりも小さく、底部4bの外周部にテーパーを形成していることにより、ネジ棒3が圧着スリーブ4と一体に形成されていてもネジ棒3表面のネジ山に影響を与えることなく、PC鋼より線6bを圧着スリーブ4の有底孔部4aに挿入した状態で、ダイスを通過させて圧着スリーブ4にPC鋼より線6bを圧着して一体化することができる。
図1(a)に示すように、圧着スリーブ4の座繰り部4eは、インサート格納部4dの内径R2及びインサート5の外径よりも小さく、合成樹脂被覆6aを取り除いたPC鋼より線6の端部の直径よりも僅かに大きい内径R3を有している。このため、合成樹脂被覆6aを取り除いたPC鋼より線6bの端部は、図2(a)に示すように、インサート5を貫通して、この座繰り部4eの内側まで延び、PC鋼より線6bの先端がインサート5を通過して外まで延びた余長部となる。これにより、インサート5の内周面の全ての刃がPC鋼より線6bに確実に食い込んで強固に圧着し、PC鋼より線6bと圧着グリップ2が一体化される。また、インサート5を圧着スリーブ4に挿入する際、座繰り部4eに当たるまでインサート5を挿入することで、インサート5を容易に適切な位置に配置することができる。座繰り部4eの深さは5mmから15mmが適切であるが、工事現場で切断加工する場合などでは、切断機械によって誤差が大きくなる場合があるため、状況に応じてこれより深くしてもよい。
(第2実施形態)
図3は、本願の第2実施形態に係るマルチ圧着固定具1を示す図である。第2実施形態は第1実施形態と多くの点で共通するため、第1実施形態と重複する説明は省略する。
本第2実施形態においては、合成樹脂被覆取込部4cの外周部にテーパー4c1を形成せず、合成樹脂被覆取込部4cの内径R1をインサート格納部4dの内径R2よりも大きく形成する。内径R1、R2の具体的な大きさは、取り込む合成樹脂被覆の外径と厚さに応じて適切に定める。合成樹脂被覆取込部4cの内径R1は、圧着加工前に合成樹脂被覆を挿入可能である。圧着スリーブ4にPC鋼より線6bを挿入した状態を図4(a)に示す。前記の第1実施形態と同様な原理で、ダイスを通して圧着加工される際に、インサート格納部4dが受ける圧着力よりも合成樹脂被覆取込部4cが受ける圧着力の方が一段小さくなり、圧着加工後に、合成樹脂被覆が圧着スリーブ4と密着し、かつ合成樹脂被覆が損傷することがない寸法に定めることができる。
このように形成することによって、圧着スリーブ4がダイスを通して圧着加工された後に、インサート5がPC鋼より線6b(裸線)に強固に定着されると共に、内径R1の大きい合成樹脂被覆取込部4cにより、図10に示すように、PC鋼より線6の合成樹脂被覆6aが圧着スリーブ4に密着する程度で適度に変形して、圧着スリーブ4の開口端部と合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6の間の止水が可能な状態となる。これにより、本第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。第1実施形態と第2実施形態により、合成樹脂被覆取込部4cが、中心軸線方向の全長にわたって、インサート格納部4dの径方向の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有すれば良いことが分かる。
(第3実施形態)
図5は、本願の第3実施形態に係るマルチ圧着固定具1のスペーサー以外の部材を示す図である。第3実施形態は第1実施形態と多くの点で共通するため、第1実施形態と重複する説明は省略する。
本第3実施形態においては、有底孔部4aの開口側の圧着スリーブ4の端部に環状部4fが形成されている。環状部4fは、図6に示すように、PE保護管8の端部を囲う。PE保護管8は合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6とともにPCケーブル9を構成する。環状部4fの外周面には、合成樹脂被覆取込部4cの外周に形成されたテーパー4c1と連続するテーパー4f1を形成することが好ましい。また、本第3実施形態においては、PE保護管8の端部から所定の長さまでPE保護管8とPC鋼より線6の間の隙間及び複数のPC鋼より線6間の隙間を塞ぐスペーサー7が設けられる。
スペーサー7は、樹脂製又は硬質ゴム製とすることができる。なお、このような固形のスペーサー7を使用することが好ましいが、図示は省略するが、その代わりに、グラウトや樹脂等の充填材を注入して固化させても良い。つまり、圧着加工する際にPE保護管が潰れないように隙間を埋めれば良いため、充填材を注入して固結させたものをスペーサー7としても良い。PCケーブル9の長手方向のスペーサー7の寸法は、図6に示すように、PCケーブル9の長手方向において、PE保護管8の端面から環状部4fの端面までの距離よりも長くし、かつ、図11に示すように圧着加工後、PCケーブル9の長手方向において、変形して細くなった環状部4fの端面よりも、スペーサー7の一部がPCケーブル9の中央側に突出する寸法とする。
図6(a)に示した状態で、圧着スリーブ4をダイスに通して圧着加工することで、図11に示すように、インサート5がPC鋼より線6b(裸線)に強固に定着すると共に、圧着スリーブ4が合成樹脂被覆6aに密着する程度で適度に変形して、圧着スリーブ4と合成樹脂被覆6aとの間の止水が可能となる。また、環状部4fがPE保護管8に密着することで、圧着スリーブ4とPE保護管8との間の止水が可能となる。これにより、第1実施形態及び第2実施形態よりも高い止水性能を得ることができる。
(第4実施形態)
図7は、本願の第4実施形態に係るマルチ圧着固定具1のスペーサー以外の部材を示す図である。第4実施形態は上記第2実施形態と多くの点で共通するため、第2実施形態と重複する説明は省略する。
本第4実施形態においては、上記第3実施形態と同様に、有底孔部4aの開口側の圧着スリーブ4の端部に環状部4fを形成している。環状部4fは、図8に示すように、PE保護管8の端部を囲う。環状部4fの内周面は、圧着スリーブ4の径方向において、有底孔部4aの内周面よりも外側に配置されている。また、本第4実施形態においては、上記第3実施形態と同様に、PCケーブル9の長手方向において、PE保護管8の端部から所定の長さまで、PE保護管8と合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6との間の隙間及び複数のPC鋼より線6間の隙間を塞ぐスペーサー7が設けられる。
図8(a)に示す状態で、圧着スリーブ4をダイスに通して圧着加工することで、図11に示すように、インサート5がPC鋼より線6b(裸線)に強固に定着すると共に、圧着スリーブ4が合成樹脂被覆6aに密着する程度で適度に変形して、圧着スリーブ4と合成樹脂被覆6aの間の止水が可能となる。また、環状部4fがPE保護管8に密着することで、圧着スリーブ4とPE保護管8との間の止水が可能となる。これにより、第1実施形態及び第2実施形態よりも高い止水性能を得ることができる。
図9は、PC鋼より線とPCケーブルを示す図である。図9(a)に示す合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6は、図9(b)に示す7本の素線を有する7本よりPC鋼より線6b(裸線)の外周に、例えば、ポリエンチレン合成樹脂被覆(PE被覆)6aを施している。PC鋼より線6bと合成樹脂被覆6aとの隙間には、充填材としてグリースまたはワックスが充填される。このような合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6はアンボンドPC鋼より線とも呼ばれる。このように形成されたアンボンドPC鋼より線は、防錆処理されているため、橋梁の外ケーブルや地盤アンカー等の厳しい腐食環境に使われている。
図9(c)に示す合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6は2重防錆樹脂層を有するものである。つまり、図9(d)に示すように、7本よりのPC鋼より線6bの素線(6本の側線と1本の心線)にそれぞれ樹脂被膜が塗布されて形成された全素線塗装型PC鋼より線6bの外周に、更に合成樹脂被覆6aを施している。このようなPC鋼より線6は防錆性能と超耐久性を有するため、最も厳しい腐食環境において使用される。本実施形態の合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6としては、図9(c)に示すものが好ましい。
図12(a)は、第1実施形態又は第2実施形態に係るマルチ圧着固定具1とPCケーブル9とを圧着加工により一体化させた緊張材10の端部と、マルチ圧着固定具1のネジ棒3に取り付けたナット11と、アンカープレート12を示している。図12(b)は、第3実施形態又は第4実施形態に係るマルチ圧着固定具1とPCケーブル9とを圧着加工により一体化させた緊張材10の端部と、マルチ圧着固定具1のネジ棒3に取り付けたナット11と、アンカープレート12を示している。図12(a)、図12(b)に示すナット11とアンカープレート12は、定着具としての役割を果たす。緊張材10はグラウンドアンカーに使用することができる。
図13は、図12に示す緊張材10を、斜面安定用の法面アンカーに使用した例を示す。従来のクサビ定着方式においては、複数のPC鋼より線に1本ずつくさびを装着して定着する作業が必要となるが、本実施形態によれば、クサビ定着方式の代わりに、複数のPC鋼より線を圧着スリーブ4にまとめて圧着し、ナット11で1度の定着することが可能となる。
図14は、図12に示す緊張材10を、橋桁13の補強材として外ケーブル形式で使用する実施形態を示す図である。合成樹脂被覆を有するPC鋼より線を複数備え、さらにPC鋼より線を覆うPE保護管を備えた緊張材10を簡単なナット定着方法で緊張定着して構造物にプレストレスを付与することが可能である。なお、プレストレス導入のための外ケーブルとする場合は、緊張材10の一方の端部だけ本願のマルチ圧着固定具1を圧着固定し、他方の端部はクサビ定着としてもよい。
1 マルチ圧着固定具
2 圧着グリップ
3 ネジ棒
4 圧着スリーブ
4a 有底孔部
4b 底部
4c 合成樹脂被覆取込部
4c1 テーパー
4d インサート格納部
4e 座繰り部
4f 環状部
4f1 テーパー
5 インサート
5a スリット部
6 合成樹脂被覆を有するPC鋼より線
6a 合成樹脂被覆
6b PC鋼より線
7 スペーサー
8 PE保護管
9 ケーブル
10 緊張材
11 ナット
12 アンカープレート
13 橋桁
R1 合成樹脂被覆取込部の内径
R2 インサート格納部の内径
R3 座繰り部の内径
a 間隔(孔芯間の距離)
S 斜面の滑り面

Claims (4)

  1. 合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備えたPCケーブルの圧着加工用の圧着グリップと、ナット定着用のネジ棒とからなるマルチ圧着固定具であって、
    前記圧着グリップは、圧着スリーブと複数のインサートからなり、
    前記圧着スリーブは、前記ネジ棒と中心軸線を共通にする概略円柱状の外形をして、複数の前記PC鋼より線の端部をそれぞれ挿入する複数の有底孔部を有し、
    前記有底孔部は、前記有底孔部の中心軸線方向に見たときに、前記有底孔部の中心軸線が前記圧着スリーブの中心軸線を中心とする少なくとも1つの仮想円上に配置され、かつ、1つの前記仮想円上に配置された中心軸線を有する複数の前記有底孔部は円周方向に等間隔に配置してあり、
    前記複数のインサートは、それぞれ、円筒状をして、内外周面に刃が形成してあり、前記有底孔部に挿入され、
    前記ネジ棒は、前記圧着スリーブの底部と一体に設けられ、前記ネジ棒の直径は圧着スリーブの外径よりも小さく、ナットによる定着を可能としてあり、
    前記底部の外周部が中心軸線方向で前記ネジ棒側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成され、
    前記複数の有底孔部は、それぞれ、中心軸線方向において、前記底部側にインサート格納部、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部を形成し、
    前記合成樹脂被覆取込部の内径が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部の内径よりも大きい、又は、前記合成樹脂被覆取込部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周よりも小さいことを特徴とするマルチ圧着固定具。
  2. 合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備え、
    請求項1に記載のマルチ圧着固定具を更に備え、
    前記合成樹脂被覆を取り除いた複数の前記PC鋼より線の端部がそれぞれ前記インサートに挿入されると共に、前記合成樹脂被覆を有しているままの複数の前記PC鋼より線の中間部の一部がそれぞれ前記合成樹脂被覆取込部に挿入され、圧着加工して固定されていることを特徴とする緊張材。
  3. 合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備え、前記PC鋼より線を覆うPE保護管を更に備えるPCケーブルの圧着加工用の圧着グリップと、ナット定着用のネジ棒とからなるマルチ圧着固定具であって、
    前記圧着グリップは、圧着スリーブと複数のインサートからなり、
    前記圧着スリーブは、前記ネジ棒と中心軸線を共通にする概略円柱状の外形をして、複数の前記PC鋼より線の端部をそれぞれ挿入する複数の有底孔部と、前記有底孔部の開口側の端部に配置され、前記PE保護管の端部を囲う環状部と、を有し、
    前記有底孔部は、前記有底孔部の中心軸線方向に見たときに、前記有底孔部の中心軸線が前記圧着スリーブの中心軸線を中心とする少なくとも1つの仮想円上に配置され、かつ、1つの前記仮想円上に配置された中心軸線を有する複数の前記有底孔部は円周方向に等間隔に配置してあり、
    前記PE保護管の端部から所定の長さまで前記PE保護管と前記PC鋼より線との間の隙間及び複数の前記PC鋼より線の間の隙間を塞ぐスペーサーが設けられ、
    前記複数のインサートは、それぞれ、円筒状をして、内外周面に刃が形成してあり、前記有底孔部に挿入され、
    前記ネジ棒は、前記圧着グリップの底部と一体に設けられ、前記ネジ棒の直径は圧着スリーブの外径よりも小さく、ナットによる定着を可能としてあり、
    前記底部の外周部が中心軸線方向で前記ネジ棒側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成され、
    前記複数の有底孔部は、それぞれ、中心軸線方向において、前記底部側にインサート格納部、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部を形成し、
    前記合成樹脂被覆取込部の内径が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部の内径よりも大きい、又は、前記合成樹脂被覆取込部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部を形成する前記圧着スリーブの部分の外周よりも小さいことを特徴とするマルチ圧着固定具。
  4. 合成樹脂被覆に覆われたPC鋼より線を複数備え、前記PC鋼より線を覆うPE保護管を更に備えるPCケーブルと、
    請求項3に記載のマルチ圧着固定具と、を有し、
    前記合成樹脂被覆を取り除いた複数の前記PC鋼より線の端部がそれぞれ前記インサートに挿入されると共に、前記合成樹脂被覆を有しているままの複数の前記PC鋼より線の中間部の一部がそれぞれ前記合成樹脂被覆取込部に挿入され、前記PE保護管の端部及び前記スペーサーが前記環状部の径方向内側に配置され、圧着加工して固定されていることを特徴とする緊張材。
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