JP2021130978A - ネジ棒付き圧着グリップ及びそれを備えた緊張材 - Google Patents

ネジ棒付き圧着グリップ及びそれを備えた緊張材 Download PDF

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Abstract

【課題】PC鋼より線を使用して、従来のロックボルトと同様にナットによる緊張定着を可能とし、簡易な設備で緊張定着を可能とする。【解決手段】圧着グリップは、有底円筒状の圧着スリーブ4と、円筒状をして、内外周面に刃が形成してあり、圧着スリーブに挿入されるインサートとからなり、ネジ棒3は、圧着スリーブと中心軸線を共通にして、圧着スリーブの底部に一体に設けられ、ネジ棒の直径は圧着スリーブの外径よりも小さく、ナットによる定着を可能としてあり、底部の外周部がネジ棒側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成され、圧着スリーブは、中心軸線方向において、底部側にインサート格納部、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部4bを形成し、合成樹脂被覆取込部が、中心軸線方向の全長にわたって、インサート格納部の径方向の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有するものとする。【選択図】図4

Description

本発明は、ネジ棒付き圧着グリップ及びそれを備えた緊張材に関するものである。ネジ棒付き圧着グリップは、合成樹脂被覆を有するPC鋼より線を圧着加工して一体化することによって、従来のロックボルトの代替品を構成し得るものである。このネジ棒付き圧着グリップとPC鋼より線とを圧着した緊張材は、ロックボルトと同様に、ネジにナットを装着する緊張定着方法によって斜面等に緊張定着可能である。
ロックボルトは、斜面の安定化、掘削土留め工、掘削時の仮土留め工、また、トンネルの地山安定化などに使用されている。従来のロックボルトの一例としては特許文献1がある。特許文献1は、ロックボルトの中間部にピストン・シリンダからなるスライド機構を備えた可変長ロックボルトを提案している。この可変長ロックボルトは、地山の変位によって過大な応力がロックボルト本体に作用しないようにするため、地山の変位に対応してロックボルトの長さが変化可能に構成されている。
また、特許文献2には、ロックボルトの長さが設置個所に対して十分でない場合に、中間カップリングナット等の接続具を用いて複数本のロックボルトを継ぎ足して必要長さとして使用することが開示されている。
一方、PC鋼より線を緊張材として使用する場合、特許文献3に示されるように、PC鋼より線の緊張定着には定着用のクサビ(雄コーン)をアンカーヘッドに形成された雌コーンに挿入固定する。この場合、緊張定着用のジャッキを駆動するための設備を必要とするため、ナットを締め付けて定着する方法に比較して手間がかかる。
一方で、グラウンドアンカーや橋梁の外ケーブルの緊張材としてPC鋼より線はよく使われている。PC鋼より線としては、その防錆材としてPC鋼より線の外周面に合成樹脂被覆が施された、いわゆるアンボンドPC鋼より線が最も一般的である。
PC鋼より線の端部を部材に定着する方式として、大別すると、クサビ方式と圧着グリップ方式との2種類がある。特許文献4は、合成樹脂被覆を有するアンボンドPC鋼より線の定着方法を開示している。また、特許文献5も、アンボンドストランドに関する定着方法を開示している。
特許第6181343号公報 特開2009−97260号公報 特開2001−49795号公報 特許第3079231号公報 特許第359000号公報
ロックボルトを使用して斜面の安定化を図る場合、通常、あらかじめ土質を調査して滑り面よりも深い位置を定着部として定め、斜面表面から定着部までの必要長さを求めてロックボルトの長さを定めている。しかし、劣悪な土質の施工箇所に対しては中間にカップラー等接続具を使って長さを調整する必要があり、工事の遅延を招き、施工期間が延びてコストがかかるなどの好ましくない事態となる。
また、合成樹脂被覆を有するアンボンドPC鋼より線を緊張材として定着する方法においては、合成樹脂被覆が付いたまま定着することができないため、特許文献4に示すように、定着具の手前で合成樹脂被覆を剥がしてPC鋼より線だけを定着具に挿入してくさびを用いて定着することになっている。また、特許文献5の図3も同じことを示している。しかしながら、定着終了後、定着具の仕口に再度防錆処理を施す必要があり、施工手間やコストがかかる問題がある。圧着グリップ定着に関する特許文献は発見できなかったが、この点については、くさび方式でも圧着グリップ方式でも同様である。
本発明は、従来のロックボルトに代えて、長さを自由に変更できる合成樹被覆付PC鋼より線を使用し、このPC鋼より線をロックボルトと同様にナットによる緊張定着を可能とし、かつ、合成樹脂被覆をそのまま活かして防錆性能を損なうことなく、簡易な緊張機具で緊張定着することができる定着具及びその定着具を使用した緊張材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本願発明の第1の態様は、
合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の圧着加工用の圧着グリップと、ナット定着用のネジ棒とからなるネジ棒付き圧着グリップであって、
前記圧着グリップは、有底円筒状の圧着スリーブと、円筒状をして、内外周面に刃が形成してあり、前記圧着スリーブに挿入されるインサートとからなり、
前記ネジ棒は、前記圧着スリーブと中心軸線を共通にして、前記圧着スリーブの底部に一体に設けられ、前記ネジ棒の直径は圧着スリーブの外径よりも小さく、前記ナットによる定着を可能としてあり、
前記底部の外周部が前記ネジ棒側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成され、
前記圧着スリーブは、中心軸線方向において、前記底部側にインサート格納部、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部を形成し、
前記合成樹脂被覆取込部が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部の径方向の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有することを特徴とするネジ棒付き圧着グリップである。
また、第2の態様は、前記合成樹脂被覆取込部の外周部に、中心軸線方向において前記インサート格納部側から前記開口側に向かうにつれて径が小さくなるテーパーが形成してあることを特徴とする第1の態様のネジ棒付き圧着グリップである。
また、第3の態様は、前記合成樹脂被覆取込部の内径が前記インサート格納部の内径よりも大きいことを特徴とする第1の態様のネジ棒付き圧着グリップである。
また、第4の態様は、
合成樹脂被覆を有するPC鋼より線と、
第1の態様から第3の態様のいずれかに記載のネジ棒付き圧着グリップと、を有し、
前記合成樹脂被覆を取り除いたPC鋼より線の端部が前記インサートに挿入されると共に、前記合成樹脂被覆を有しているままのPC鋼より線の中間部の一部が前記合成樹脂被覆取込部に挿入され、圧着加工して固定されていることを特徴とする緊張材である。
(1)合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の被覆がついたままで圧着加工しても、圧着加工による被覆の破損が生じず、圧着スリーブと密着して止水性能が得られる。また、圧着グリップの仕口に防錆処理を施す必要がなくなり、施工の手間及びコストを減らすことができる。
(2)PC鋼より線は巻き線で供給されるため、任意の長さに切断することが容易である。このため、工場において、施工現場に対応した所要長さにPC鋼より線を切断し、ネジ棒付き圧着グリップとPC鋼より線を圧着加工によって一体化した緊張材を任意長さで製作することができる。これにより、従来のように中間カップリング等の接続具を使用することなく、任意長さの緊張補強材を容易に得ることができる。
(3)安価なPC鋼より線を用いて、従来のロックボルトと同様なナットの締め付けによる緊張定着方法で緊張定着することができるようになる。これにより、緊張定着具の製造コストが低廉となり、施工も簡単でコスト削減することができる。
本発明の第1実施形態のネジ棒付き圧着グリップと合成樹脂被覆を有するPC鋼より線を示す。図1(a)は第1実施形態に係るネジ棒付き圧着グリップの断面図とインサートの平面図、図1(b)は第1実施形態に係るネジ棒付き圧着グリップの平面図、図1(c)は第1実施形態に係る緊張材の端部の断面図、図1(d)は第1実施形態に係る緊張材の合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の断面図、図1(e)は第1実施形態に係る緊張材の端部の平面図である。 本発明の第2実施形態のネジ棒付き圧着グリップと合成樹脂被覆を有するPC鋼より線を示す。図2(a)は第2実施形態に係るネジ棒付き圧着グリップの断面図とインサートの平面図、図2(b)は第2実施形態に係るネジ棒付き圧着グリップの平面図、図2(c)は第2実施形態に係る緊張材の端部の断面図、図2(d)は第2実施形態に係る緊張材の合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の断面図、図2(e)は第1実施形態に係る緊張材の端部の平面図である。 合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の断面図である。図3(a)は合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の断面、図3(b)はPC鋼より線(裸線)の断面、図3(c)は2重防錆樹脂層を有するPC鋼より線の断面、図3(d)は全素線塗装型PC鋼より線の断面を示す。 圧着加工後のネジ棒付き圧着グリップの比較イメージ図である。図4(a)は本願の実施形態に係る緊張材の端部の断面図、図4(b)は本願の実施形態に係る緊張材の端部の平面図、図4(c)は本願出願人の先願に係る緊張材の圧着前の端部の断面図、図4(d)は本願出願人の先願に係る緊張材の圧着後の端部の断面図である。 本願の実施形態に係る緊張材の端部を支圧板にナットで固定した状態を示す平面図である。 本願の実施形態に係る緊張材を法面アンカーとして斜面安定に適用した例を示す図である。図6(a)は緊張材の設置図、図6(b)は緊張材の定着部の拡大図である。 本願の実施形態に係る緊張材を橋桁のプレストレス導入用の外ケーブルとした応用例を示す図である。図7(a)は定着部の拡大図、図7(b)は側面図である。
(第1実施形態)
図1に本願の第1実施形態に係る止水性能を備えたネジ棒付き圧着グリップ1を示す。本第1実施形態のネジ棒付き圧着グリップ1は、合成樹脂被覆を有するPC鋼より線(アンボンドPC鋼より線ともいう)6の圧着加工用の圧着グリップ2とナット定着用のネジ棒3とからなる。
圧着グリップ2は、有底円筒状の圧着スリーブ4と、圧着スリーブ4の中空部に挿入されるインサート5とからなる。圧着スリーブ4は、ネジ棒3側にテーパー状の外周部を備えた底部4aを有している。
ネジ棒3は所要の長さの円柱状をして、圧着スリーブ4と中心軸線を共通にし、圧着スリーブ4の底部4aと一体に形成されている。底部4aの外周には、ネジ棒3側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパーが形成されている。ネジ棒3の直径は、圧着スリーブ4の外径よりも小さく、後述するナット8による定着を可能としてある。底部4aの外周部をネジ棒3側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成することによって、小さい直径で形成されるネジ棒3から大きな外径を有する圧着グリップ2への定着力が、応力集中を生じさせず、スムーズに伝達されることになる。
圧着スリーブ4は、底部4aとは反対側の端部に、インサート5と合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6の端部を挿入する開口を形成している。圧着スリーブ4は、中心軸線方向において、開口側に合成樹脂被覆取込部4b、底部4a側にインサート格納部4cを形成している。
インサート5は、所要の長さで形成された円筒状をしている。インサート5は、合成樹脂被覆6aを取り除いたPC鋼より線6b(通常の裸線)の端部が挿入される側の端部から、インサート5の中心軸線方向に延びる一対のスリット部5aを有している。一対のスリット部5aは、インサート5の中心軸線方向においてインサート5の略中央まで延びている。一対のスリット部5aは、互いにインサート5の径方向に対向する位置に形成されている。インサート5の内外周面には、環状に突出した滑り止め用の刃が、インサート5の中心軸線方向に等間隔に複数形成された凹凸面としてある。
インサート5の中心軸線方向において、インサート格納部4cは、インサート5と略同じ長さである。合成樹脂被覆取込部4bは、インサート5の中心軸線方向において、所定の長さにわたって形成する。
本第1実施形態においては、合成樹脂被覆取込部4bの内径R1はインサート格納部4cの内径R2と同径であり、合成樹脂被覆取込部4bの外周に、開口側(ネジ棒3とは反対側)に向かうにつれて外径が小さくなるテーパー4b1が全長にわたって形成されている。
圧着スリーブ4の底部4aとインサート格納部4cの間には、インサート5の外径よりも小さい内径R3を有する座繰り部4dが形成され、インサート格納部4cと座繰り部4dとの境界に段差を形成している。
圧着スリーブ4が不図示のダイスを通して圧着加工されると、インサート格納部4cが所定の内径まで細く変形して、内側のインサート5が、合成樹脂被覆6aを取り除いたPC鋼より線6b(裸線)の端部の表面を噛み込み、圧着スリーブ4とPC鋼より線6b(裸線)が強固に結合される。上記のように、合成樹脂被覆取込部4bの外周部にテーパー4b1を形成することにより、ダイスを通して圧着加工される際に、インサート格納部4cが受ける圧着力よりも合成樹脂被覆取込部4bが受ける圧着力の方が一段小さくなり、結果として、圧着スリーブ4が圧着加工された後に、合成樹脂被覆取込部4b内の合成樹脂被覆6aを、破損することなく、圧着スリーブ4に密着する程度に適度に変形させ、圧着スリーブ4の開口端部とPC鋼より線6の間の止水が可能な状態となる。テーパー4b1の角度は合成樹脂被覆6aの外形と厚さに応じて定めることができる。
また、上述のように、ネジ棒3の直径は圧着スリーブ4の外径よりも小さく、底部4aの外周部にテーパーを形成していることにより、ネジ棒3が圧着スリーブ4と一体に形成されていてもネジ棒3表面のネジ山に影響を与えることなく、PC鋼より線6を圧着スリーブ4の中空部に挿入した状態で、ダイスを通過させて圧着スリーブ4にPC鋼より線6を圧着して一体化することができる。
圧着スリーブ4の座繰り部4dは、インサート格納部4cの内径R2及びインサート5の外径よりも小さく、合成樹脂被覆6aを取り除いたPC鋼より線6の端部の直径R4よりも僅かに大きい内径R3を有している。このため、合成樹脂被覆6aを取り除いたPC鋼より線6の端部は、図1(c)に示すように、インサート5を貫通して、この座繰り部4dの内側まで延び、PC鋼より線6の先端がインサート5を通過して外まで延びた余長部となる。これにより、インサート5の内周面の全ての刃がPC鋼より線6の端部に確実に食い込んで強固に圧着し、PC鋼より線6と圧着グリップ2が一体化される。また、インサート5を圧着スリーブ4に挿入する際、座繰り部4dに停止するまでインサート5を挿入することで、インサート5を容易に適切な位置に配置することができる。座繰り部4dの深さは5mmから15mmが適切であるが、工事現場で切断加工する場合などでは、切断機械によって誤差が大きくなる場合があるため、状況に応じてこれより深くしてもよい。
(第2実施形態)
図2は、本願の第2実施形態に係るネジ棒付き圧着グリップ1を示す図である。第2実施形態は第1実施形態と多くの点で共通するため、第1実施形態と共通する説明は省略する。
本第2実施形態においては、合成樹脂被覆取込部4bの外周部にテーパー4b1を形成せず、合成樹脂被覆取込部4bの内径R1をインサート格納部4cの内径R2よりも大きく形成する。内径R1、R2の具体的な大きさは、取り込む合成樹脂被覆6aの外径と厚さに応じて適切に定める。合成樹脂被覆取込部4bの内径R1は、圧着加工前に合成樹脂被覆6aを挿入可能である。前記の第1実施形態と同様な原理で、ダイスを通して圧着加工される際に、インサート格納部4cが受ける圧着力よりも合成樹脂被覆取込部4bが受ける圧着力の方が一段小さくなり、圧着加工後に、合成樹脂被覆6aが圧着スリーブ4と密着し、かつ合成樹脂被覆6aが損傷することがない寸法に定めることができる。
このように形成することによって、圧着スリーブ4がダイスを通して圧着加工された後に、インサート5がPC鋼より線6bに強固に定着されると共に、内径R1の大きい合成樹脂被覆取込部4bにより、合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6の合成樹脂被覆6aが圧着スリーブ4に密着される程度で適度に変形して、圧着スリーブ4の開口端部と合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6の間の止水が可能な状態となる。これにより、本第2実施形態によれば、第1実施形態と同様な効果が得られる。第1実施形態と第2実施形態により、合成樹脂被覆取込部4bが、中心軸線方向の全長にわたって、インサート格納部4cの径方向の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有すれば良いことが分かる。
図3は、合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6の断面図である。図3(a)に示す合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6は、図3(b)に示す7本の素線を有する7本よりPC鋼より線6b(裸線)の外周に、例えば、ポリエンチレン合成樹脂被覆(PE被覆)6aを施している。PC鋼より線6bと合成樹脂被覆6aとの隙間には、充填材としてグリースまたはワックスが充填される。このような合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6はアンボンドPC鋼より線とも呼ばれる。このように形成されたアンボンドPC鋼より線は、防錆処理されているため、橋梁の外ケーブルや地盤アンカー等の厳しい腐食環境に使われている。
図3(c)に示す合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6は2重防錆樹脂層を有するものである。つまり、図3(d)に示すように、7本よりのPC鋼より線6bの素線(6本の側線と1本の心線)にそれぞれ樹脂被膜が塗布されて形成された全素線塗装型PC鋼より線6bの外周に、更にPE被覆6aを施している。このようなPC鋼より線6は防錆性能と超耐久性を有するため、最も厳しい腐食環境において使用される。本実施形態の合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6としては、図3(c)に示すものが好ましい。
図4は圧着加工後のネジ棒付き圧着グリップ1の比較イメージ図である。図4(a)は本願の実施形態に係る緊張材7の端部の断面、図4(b)は本願の実施形態に係る緊張材7の端部の平面、図4(c)は本願出願人の先願(特願2019−161865)に係る緊張材7の圧着前の端部の断面、図4(d)は本願出願人の先願に係る緊張材7の圧着後の端部の断面を示す。図4(c)に示すように、本願出願人の先願発明では、圧着グリップ2を用いて合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6を定着する場合、合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6の端部の合成樹脂被覆6aを切除した部分の一部が、圧着スリーブ4の外に配置されるため、この部分を防錆処理する必要がある。このことは、くさびを用いてPC鋼より線6bを定着する場合も同様である。
それに対して、本実施形態によれば、図4(a)に示すイメージ図のように、圧着スリーブ4の開口側の端部に本願の合成樹脂被覆取込部4bを設けることによって、圧着加工後、仕口において合成樹脂被覆6aが圧着スリーブ4に密着して、かつ、合成樹脂被覆6aが破損せず、圧着スリーブ4の開口側端部とPC鋼より線6の間で止水が可能な状態になる。
図5は、第1実施形態又は第2実施形態に係るネジ棒付き圧着グリップ1と合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6とを圧着加工により一体化させた緊張材7と、ネジ棒付き圧着グリップ1のネジ棒3に取り付けたナット8と、アンカープレート9を示している。ナット8とアンカープレート9は定着具としての役割を果たす。
図6は、図5に示す緊張材7を、斜面安定用の法面アンカーに使用した例を示す。図6に示すように、アンカー頭部は、ロックボルトと同じようにナット8による定着が可能である。斜面安定・地滑り防止のために設置されるロックボルトの定着部は、斜面の滑り面Sよりも深い位置に設置する必要があり、その深さは同一施工現場であっても場所によって異なることがあり、施工箇所に応じて長さの異なるロックボルトを準備するのは費用がかかる。これに対して、本実施形態によれば、アンカー自由長部とアンカー定着部を、ロックボルトよりも自由な長さで配置することができ、費用を抑えることができる。
図7は、図5に示す緊張材7を、橋桁10の補強材として外ケーブル形式で使用する実施形態を示す図である。合成樹脂被覆6aを有するPC鋼より線6を簡単なナット定着方法で緊張定着して構造物にプレストレスを付与することが可能である。なお、プレストレス導入のための外ケーブルとする場合は、PC鋼より線6の一方の端部だけ本願のネジ棒付き圧着グリップ1を圧着固定し、他方の端部はクサビ定着としてもよい。
1 ネジ棒付き圧着グリップ
2 圧着グリップ
3 ネジ棒
4 圧着スリーブ
4a 底部
4b 合成樹脂被覆取込部
4b1 テーパー
4c インサート格納部
4d 座繰り部
5 インサート
5a スリット部
6 合成樹脂被覆を有するPC鋼より線
6a 合成樹脂被覆
6b PC鋼より線
7 緊張材
8 ナット
9 アンカープレート
10 橋桁
R1 合成樹脂被覆取込部の内径
R2 インサート格納部の内径
R3 座繰り部の内径
R4 PC鋼より線の直径
S 斜面の滑り面

Claims (4)

  1. 合成樹脂被覆を有するPC鋼より線の圧着加工用の圧着グリップと、ナット定着用のネジ棒とからなるネジ棒付き圧着グリップであって、
    前記圧着グリップは、有底円筒状の圧着スリーブと、円筒状をして、内外周面に刃が形成してあり、前記圧着スリーブに挿入されるインサートとからなり、
    前記ネジ棒は、前記圧着スリーブと中心軸線を共通にして、前記圧着スリーブの底部に一体に設けられ、前記ネジ棒の直径は圧着スリーブの外径よりも小さく、前記ナットによる定着を可能としてあり、
    前記底部の外周部が前記ネジ棒側に向かうにつれて直径が小さくなるテーパー状に形成され、
    前記圧着スリーブは、中心軸線方向において、前記底部側にインサート格納部、及び、開口側に合成樹脂被覆取込部を形成し、
    前記合成樹脂被覆取込部が、中心軸線方向の全長にわたって、前記インサート格納部の径方向の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有することを特徴とするネジ棒付き圧着グリップ。
  2. 前記合成樹脂被覆取込部の外周部に、中心軸線方向において前記インサート格納部側から前記開口側に向かうにつれて径が小さくなるテーパーが形成してあることを特徴とする請求項1に記載のネジ棒付き圧着グリップ。
  3. 前記合成樹脂被覆取込部の内径が前記インサート格納部の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のネジ棒付き圧着グリップ。
  4. 合成樹脂被覆を有するPC鋼より線と、
    請求項1乃至3のいずれかに記載のネジ棒付き圧着グリップと、を有し、
    前記合成樹脂被覆を取り除いたPC鋼より線の端部が前記インサートに挿入されると共に、前記合成樹脂被覆を有しているままのPC鋼より線の中間部の一部が前記合成樹脂被覆取込部に挿入され、圧着加工して固定されていることを特徴とする緊張材。
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