JP2005073318A - 外装鉄線引留装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大型化や高コスト化を招くことなく、多数の外装鉄線の端末部を安定して引き留めることができ、さらにはその引き留めの際にかしめスリーブをかしめる手間を軽減することができる外装鉄線引留装置を提供する。
【解決手段】外装鉄線C2の端末部C2Aの挿入のための貫通孔4が形成され、該貫通孔4内の端末部C2Aに対して、塑性変形によりかしめ固定されるかしめスリーブ1と、周方向での複数位置のそれぞれにて各かしめスリーブ1を係止する係止部材2と、該係止部材2によって係止されたかしめスリーブ1の軸線方向での係止位置を調整するナット3とを備え、該ナット3によって上記係止位置が調整されることにより、上記端末部C2Aが外装鉄線C2に張力を与えた状態で引き留められる外装鉄線引留装置において、各かしめスリーブ1の貫通孔4は、二以上の外装鉄線C2が挿入可能に形成されていて、該貫通孔4に挿入された二以上の外装鉄線C2の端末部C2Aが各かしめスリーブ1で一括してかしめられる。
【選択図】 図1
【解決手段】外装鉄線C2の端末部C2Aの挿入のための貫通孔4が形成され、該貫通孔4内の端末部C2Aに対して、塑性変形によりかしめ固定されるかしめスリーブ1と、周方向での複数位置のそれぞれにて各かしめスリーブ1を係止する係止部材2と、該係止部材2によって係止されたかしめスリーブ1の軸線方向での係止位置を調整するナット3とを備え、該ナット3によって上記係止位置が調整されることにより、上記端末部C2Aが外装鉄線C2に張力を与えた状態で引き留められる外装鉄線引留装置において、各かしめスリーブ1の貫通孔4は、二以上の外装鉄線C2が挿入可能に形成されていて、該貫通孔4に挿入された二以上の外装鉄線C2の端末部C2Aが各かしめスリーブ1で一括してかしめられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブルコアの外皮の外周に沿って複数の外装鉄線が配設されてなる外装ケーブルの該外装鉄線の端末部を引き留める外装鉄線引留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
外装ケーブルでは、例えば光ファイバケーブルなどのケーブルに過大な外力が及ぶことのないようにするために、該ケーブルの外周に沿って複数の外装鉄線が配設されている。このような外装ケーブルの端部にてケーブルコアを他のケーブルコアに接続函等で接続する場合、従来、接続函等に対して外装鉄線の端末部を固定して外装ケーブルへの外力を上記外装鉄線で受けるように、外装鉄線の端末部を引き留める外装鉄線引留装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
外装ケーブルへ加わる様々な方向の外力を外装鉄線で受けるようにするためには、ケーブルを中心とする周方向の複数位置で各外装鉄線を均等に引張って該外装鉄線の端末部を接続函等に対して固定する必要がある。
【0004】
そこで、従来は、例えば、外装ケーブルの端部にて外部被覆が除去されて露呈した各外装鉄線の端末部が周方向での複数位置のそれぞれにて、上記接続函に取付けられた係止部材に対して、引き留められる。この係止部材にはフランジ部が設けられており、該係止部材の中心孔にケーブルが通されるとともに、上記フランジ部の周方向での複数位置で半径方向に開口して形成された係止溝のそれぞれの位置で各外装鉄線がかしめスリーブを介して係止される。外装鉄線のこの係止は、各外装鉄線の端末部にかしめ固定されたかしめスリーブを上記フランジ部に引掛けることにより行なわれる。上記溝は、例えば、上記フランジ部に複数の外装鉄線の端末部が一つの円周上で等間隔に配置される。
【0005】
しかし、係止部材に引き留められる外装鉄線の数が多数である場合、特に、外装鉄線がケーブルの外周に二層構造として配設されている場合、上記フランジ部にこの多数の外装鉄線の端末部を一つの円周位置上で配置するように係止溝を設けると、係止部材の外周を大きくしなければならず、大型化してしまう。
【0006】
そこで、従来装置では、添付図面の図5に示すような係止部材50のフランジ部に複数の外装鉄線の端末部が内外の二つの円周位置上のそれぞれで等間隔に配置している。
【0007】
図5に示す係止部材50は、例えば、図示しないケーブルが通される中心孔53の周囲にフランジ部51を有して構成され、該フランジ部51に係止溝52が形成されている。該係止溝52は、軸線方向に貫通しそして半径外方に開放され深さの異なる二種の係止溝52A,52Bからなり、この二種の係止溝がフランジ部51の周方向で定間隔をもって交互に複数位置で形成されている。
【0008】
このような係止部材50の係止溝52には、一つの係止溝52の近傍を示す図6に見られるように、一本の外装鉄線60が上記フランジ部51の半径方向外側から挿入される。この外装鉄線60の端末部60Aは、ナット62そしてワッシャ63が通された後、かしめスリーブ61に挿入される。このかしめスリーブ61は、外装鉄線60よりも軟らかい材料で作られていて、円筒部61Aとねじ部61Bとを有しており、該かしめスリーブ61の円筒部61Aは該端末部60Aが挿入された状態で専用のかしめ機によって半径方向に加圧されて塑性変形により該端末部60Aにかしめ固定される。該外装鉄線60にかしめ固定されたかしめスリーブ61が上記ナット62と螺合後にワッシャ63を介して係止部材50のフランジ部51に係止されて、該端末部60Aが軸線方向で引き留められる。
【0009】
次に、上記ねじ部61B上での上記ナット62の回転により、かしめスリーブ61は、係止部材50によって係止される軸線方向位置が移動調整され、その結果、外装鉄線60が引張られることとなる。複数の外装鉄線60のそれぞれの端末部60Aに固定される各かしめスリーブは、各外装鉄線の張力を釣り合わせるように係止部材50の周方向の複数位置のそれぞれにて上述と同様に係止される。
【0010】
かくして、外装鉄線60が引張られた状態で、すべての外装鉄線60の端末部60Aが引き留められる。
【0011】
【特許文献1】
実開昭60−193503(図2、図3)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来例では、一つのかしめスリーブ61に対し一本の外装鉄線がかしめ固定されるので、かしめスリーブ61及び係止溝52は外装鉄線の数だけ必要となる。したがって、係止部材、特にフランジ部分は、外装ケーブルの外装鉄線の数が多数である場合、多くの係止溝を形成しなければならないので、係止部材の強度の低下を招く。さりとて、係止部材の強度低下を防止するために、係止部材の厚さや大きさ等を増加させると、係止部材が大型化すると共に重量が増大してしまう。また、上記係止溝を係止部材に多数形成することは、係止部材の加工コストが高くなるということでもある。特に、図5に示すように係止部材の内外二つの円周上でかしめスリーブを係止するようにした場合、深さの異なる二種の係止溝を係止部材に形成しなければならないので、係止部材の形状が複雑となり、それだけ加工コストが高くなる。
【0013】
さらには、一本の外装鉄線に対して一つのかしめスリーブが必要となるので、多数の外装鉄線を一本ずつかしめスリーブでかしめなければならず、作業に手間がかかる。
【0014】
そこで、本発明は、装置の大型化や高コスト化を招くことなく、多数の外装鉄線の端末部を安定して引き留めることができ、さらにはかしめスリーブをかしめる手間を軽減することができる外装鉄線引留装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る外装鉄線引留装置は、ケーブルの外周に沿って複数の外装鉄線が配設されてなる外装ケーブルの該外装鉄線の端末部を引き留めるようになっている。そして、かかる外装鉄線引留装置は、外装鉄線の端末部の挿入のための貫通孔が形成され、該貫通孔内の外装鉄線の該端末部に対して、塑性変形によりかしめ固定されるかしめスリーブと、周方向での複数位置のそれぞれにて各かしめスリーブを係止する係止部材と、該係止部材によって係止された上記かしめスリーブの軸線方向での係止位置を調整する調整部材とを備えている。外装鉄線の引留め作業時には、この調整部材によって上記係止位置が調整されることにより、上記外装鉄線の端末部が該外装鉄線に張力を与えた状態で引き留められるようになる。
【0016】
かかる外装鉄線引留装置において、本発明では、各かしめスリーブの貫通孔は、二以上の外装鉄線が挿入可能に形成されていて、該貫通孔に挿入された二以上の外装鉄線の端末部が各かしめスリーブで一括してかしめられていることを特徴としている。
【0017】
かかる本発明の外装鉄線引留装置によれば、一つのかしめスリーブで二以上の外装鉄線をかしめた後、各かしめスリーブが係止部材の周方向での複数位置のそれぞれに係止される。したがって、外装ケーブルの外装鉄線の数が多数であっても、係止部材に係止されるかしめスリーブの数が少なくなり、外装鉄線の数の半分以下で済む。
【0018】
本発明においては、かしめスリーブと外装鉄線との間には、外装鉄線よりも高硬度の微粒体、例えば、炭化珪素微粒体、一例として信濃電気精練社製のシナノランダム等を介在させることが好ましい。この微粒体は、かしめスリーブや外装鉄線よりも硬度が高いので、かしめスリーブや外装鉄線に食い込んで、かしめスリーブと外装鉄線との間の摩擦力を大きくし、かしめスリーブからの外装鉄線の抜け防止能力がさらに向上する。
【0019】
上述のようにかしめスリーブと外装鉄線との間に微粒体を介在させる場合、この微粒体は粘着材で保持された状態で、これをかしめスリーブの貫通孔内面に塗布するが、かしめスリーブの貫通孔内面に凹凸部が形成されているようにすると、微粉体が上記凹凸部内で保持され軸線方向での移動が該凹部により規制される。したがって、貫通孔への外装鉄線の挿入時に、該貫通孔から余分な微粒体が粘着材と共に漏れ出ても、凹凸部内の微粒体は貫通孔から漏れ出ることがなく、かしめスリーブと外装鉄線との間の微粒体の必要量を確保できる。
【0020】
上記凹部は、周方向に延びる溝として形成されていると、特に貫通孔への外装鉄線の挿入時に微粒体を軸線方向で効果的に移動規制できるので、好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面の図1ないし図4にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本実施形態装置の全体構成を示す断面図であり、図2は、図1における一部分について示すII−II断面図である。なお、図1において上半部と下半部はスリーブのナットの配置に関し、二種の異なる形態を同時に示している。
【0023】
図1において、例えば光ファイバケーブルなどのケーブルコアに保護被覆等を施したケーブルC1が外周で複数の外装鉄線C2により保護かつ補強されている外装ケーブルCは、その端部にて、外部被覆C3が除去されていて、上記複数の外装鉄線C2が露呈している。
【0024】
このような外装鉄線C2の端末部C2Aを接続函等(図示せず)に対して引き留めるために、該接続函に取付けられる本実施形態装置は、図1に示すように、上記外装鉄線C2の端末部C2Aにかしめ固定されるかしめスリーブ1と、該かしめスリーブ1を係止する係止部材2と、該係止部材2によって係止されるかしめスリーブ1の軸線方向での位置を調整する調整部材たるナット3とを備えている。
【0025】
図3は、図1の上半部における、上記端末部C2Aに固定されるかしめスリーブ1及びナット3の螺合状態での外観を示す図であり、図4はその断面図である。
【0026】
上記かしめスリーブ1は、図3及び図4に示すように、軸線方向で円筒部1Aとねじ部1Bとを有し、図4に示すように二本の外装鉄線C2の端末部C2Aの挿入のための貫通孔4が軸線方向に形成されている。かしめスリーブ1の上記円筒部1Aは工具等による外力を受けて半径方向に塑性変形し外装鉄線C2に対しかしめ固定されるための部分である。また、ねじ部1Bは外面にねじが形成されていて上記ナット3が螺合する部分である。上記かしめスリーブ1の外形は、上述の形状に限られず、例えば、円筒部1Aについて、かしめ時に外周面を加圧し易いように加圧部位として平坦面を設けた形状など、他の形状でもよい。また、上記かしめスリーブ1は、かしめを容易とするように、外装鉄線C2よりも硬度の低い材料で形成されている。
【0027】
本実施形態では、上記貫通孔4は、二本の外装鉄線C2のそれぞれの外形に適合して二つの孔として形成されている。この貫通孔4の断面形状は、外装鉄線の外形に必ずしも一致していなくてもよく、かしめスリーブ1を円筒部1Aでの半径方向の塑性変形により端末部C2Aにかしめ固定されることが可能な形状であれば、任意であり、例えば、扁平形状でもよい。また、本実施形態では、貫通孔4を分離配置した二つの孔として形成しているが、二本の外装鉄線の端末部が挿入される互いに連通せる一つの孔として形成することもできる。
【0028】
上記貫通孔4の内面には、周方向に延びる複数の溝等の凹凸部、例えば、ねじ溝(図示せず)が形成されている。この凹凸部の凹部の深さは微粒体の粒径に見合った寸法が好ましい。この凹部には、かしめスリーブ1や外装鉄線C2よりも高硬度な微粒体が粘着材に混入された状態で貫通孔4の内面に塗布され、上記端末部C2Aが上記貫通孔4へ挿入された後にあっても、上記微粒体を該凹部内に確実に保持して、かしめスリーブ1と外装鉄線C2の端末部C2Aとの間に上記微粒体を介在せしめる能力を高めている。上記微粒体は、かしめスリーブ1や外装鉄線C2よりも硬度が高いので、端末部C2Aに対するかしめスリーブ1の円筒部1Aでの半径方向におけるかしめ固定時に、かしめスリーブ1や上記端末部C2Aに食い込んで、貫通孔4と端末部C2Aとの間の摩擦力を増加させて、端末部C2Aの貫通孔4からの抜け防止力をより強力とする。
【0029】
上記貫通孔4の内面に形成された凹凸部は、端末部C2Aが上記貫通孔4へ挿入される際に、微粒体が貫通孔4内から外部へ漏れ出ないように該微粒体を保持できるものであれば、上記溝に限らず、他の凹凸形状、例えば、点状に散在する凹部でもよい。なお、微粒体を保持するための粘着材としては、エポキシ樹脂からなる接着剤等が使用でき、端末部C2Aの貫通孔4への挿入前に、この微粒体を含む粘着材を上記貫通孔4の内面そして上記外装鉄線C2の端末部C2Aの少なくとも一方に塗布しておく。
【0030】
上述のように外装鉄線C2の端末部C2Aにかしめ固定されたかしめスリーブ1を係止する係止部材2は、図1に示すように、筒状部とその軸方向両端部にて互いに対向する二つのフランジ部5,6とを有し、ケーブルC1が挿入される孔2Bが貫通形成されている。この二つのフランジ部5,6のうち一方(図1にて右側)のフランジ部5には、図2によく見られるように、該フランジ部5の周方向での複数位置にて、端末部C2Aにかしめ固定されたかしめスリーブ1のねじ部1Bの挿入を可能とする係止溝5Aが半径外方に開口して形成されている。そして、他方のフランジ部6は、外装ケーブルCの接続のための接続函等(図示せず)に取付けられるようになっている。
【0031】
上記係止溝5Aの数は上述のかしめスリーブ1の使用数だけ必要となるが、本実施形態では、上述のように一つのかしめスリーブ1が二つの外装鉄線C2の端末部に同時にかしめ固定されるので、係止部材2に形成される上記係止溝5Aの数は外装鉄線C2の数の半分の数で済む。したがって、外装鉄線C2の数が多くとも、上記係止部材2は、上記フランジ部の外径を大きくする必要がないので、外装鉄線の数に比し小型化が図られている。また、係止溝5Aの数が少ないので、係止溝5Aの形成に起因した係止部材2の強度の低下が少なくて済み、フランジ部5の厚さや径を大きくする必要もないため、この点でも、係止部材の小型化そして軽量化、さらには加工が簡単化されている。
【0032】
なお、本実施形態では、図1の下半部に見られるように、スリーブ1のねじ部1Bが係止溝5A外に位置するようにしてもよい。こうすることにより、係止溝5A内には外装鉄線C2のみが存在するので、その分、係止溝5Aの幅を狭くすることができ、強度上好ましくなる。
【0033】
次に、本実施形態における外装鉄線の引き留め手順を説明する。
【0034】
▲1▼ 先ず、図3及び図4に示されているように、かしめスリーブ1のねじ部1Bにナット3が螺合され、かつ、ワッシャ7が組み込まれる。
【0035】
▲2▼ 次に、もしくは上記▲1▼に先立ち、図1に示されるように外装ケーブルCの端部にて外部被覆C3が除去されて露呈することとなった複数の外装鉄線C2の端末部C2Aが、一つのかしめスリーブ1に対して二本ずつ、各かしめスリーブ1の貫通孔4に挿入される。その際、貫通孔4の内面には、周方向に延びる溝(図示せず)が形成されているので、微粒体を含有せる粘着材を上記貫通孔4の内面に塗布することにより、上記溝に保持された微粒体は、軸線方向での移動が溝で規制されるため、上記貫通孔4から外部へ漏れ出ることなく、上記貫通孔4の内面に確実に保持される。このとき、余分な微粒体が、貫通孔4外へ漏れ出しても、貫通孔4の内面の溝、すなわち、かしめスリーブ1と外装鉄線C2との間には必要量の微粒体が確保される。
【0036】
▲3▼ 上記端末部C2Aが上記貫通孔4に挿入された状態で、各かしめスリーブ1はその円筒部1Aにて、専用のかしめ機等(図示せず)により加圧され塑性変形されて、二本の外装鉄線C2の上記端末部C2Aに一括して同時にかしめ固定される。
【0037】
▲4▼ 次に、このようなかしめスリーブ1の外装鉄線C2は、かしめスリーブ1のねじ部1Bにて、係止部材2のフランジ部5に形成された係止溝5Aへ、該係止部材2の半径方向外側から挿入される。かくして、該外装鉄線C2にかしめ固定されたかしめスリーブ1がナット3及びワッシャ7を介して係止部材2のフランジ部5に係止される位置にもたらされる。
【0038】
▲5▼ 次に、ナット3がかしめスリーブ1のねじ部1B上で回転されてねじ部1Bの端へ向け移動すると、該ナット3にねじ部1Bで螺合するかしめスリーブ1は、該ナット3に対して、すなわち、係止部材2に対して図4に示すように軸線方向に距離aだけ移動される。この移動により、係止部材2によって係止されるかしめスリーブ1の軸線方向での位置が調整されて、その結果、一つのかしめスリーブ1にて二本の外装鉄線C2が同時にたるみの除去がなされる。
【0039】
▲6▼ 上記▲1▼〜▲5▼の操作を複数の外装鉄線C2について二本づつ順次行なう。その際、各かしめスリーブ1は、それぞれのかしめスリーブ1を釣り合わせるようにそれぞれのナットの回転量により係止位置の調整が行なわれる。
【0040】
かくして、外装鉄線C2のたるみを除去した状態で、外装鉄線C2の端末部C2Aが引き留められる。
【0041】
なお、本実施形態では、外装鉄線がケーブルの外周面上に一層で設けられている外装ケーブルの例を示したが、外装鉄線が二層以上となっている外装ケーブルにも本発明は適用可能である。外装鉄線が二層以上となっている外装ケーブルに本発明を適用する場合には、例えば、内側の一つの外装鉄線と外側のこれに対応する一つの外装鉄線とについて一つのかしめスリーブを一括してかしめ固定することができる。
【0042】
また、一つのかしめスリーブがかしめ固定される外装鉄線の端末部の本数、すなわち一つのかしめスリーブに形成される貫通孔の数は、本実施形態では二つとしたが、本発明はこれに限られず、三つ以上であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、一つのかしめスリーブで二以上の外装鉄線を一括して同時にかしめるので、外装鉄線の数が多数であっても、かしめスリーブの数が外装鉄線の数の半分以下で済むため、一つの円周上でかしめスリーブを係止部材に係止しても、係止部材の外径を大きくする必要がなく、係止部材が小型化そして軽量化される。特に、外装鉄線が二層となっている外装ケーブルであっても、内側の外装鉄線と外側の外装鉄線とを一つの円周上で係止部材に係止することができる。
【0044】
また、一つの円周上でかしめスリーブを係止部材に係止できるので、例えば従来のようにかしめスリーブを挿入するための係止溝として深さの異なる複数の溝を係止部材に形成する必要がなく、同じ深さの複数の溝を上記係止溝として係止部材に形成するだけで足り、係止部材の形状を複雑化することがないので加工コストが廉価になる。
【0045】
さらに、かしめスリーブ及び係止溝の数が従来装置の場合の半分以下であることは、かしめる手間が軽減されるという効果ももたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の装置における一部分を示すII−II断面図である。
【図3】図1に示すかしめスリーブ及びナットの螺合状態にある斜視図である。
【図4】図3のスリーブ及びナットを示し、(A)は軸線を含む面での部分破断正面図であり、(B)は、右側面図である。
【図5】従来の外装鉄線引留装置の係止部材の要部を示す側面図である。
【図6】図5の係止部材に係止されるかしめスリーブを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 かしめスリーブ
2 係止部材
3 ナット(調整部材)
4 貫通孔
C 外装ケーブル
C2 外装鉄線
C2A 外装鉄線の端末部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブルコアの外皮の外周に沿って複数の外装鉄線が配設されてなる外装ケーブルの該外装鉄線の端末部を引き留める外装鉄線引留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
外装ケーブルでは、例えば光ファイバケーブルなどのケーブルに過大な外力が及ぶことのないようにするために、該ケーブルの外周に沿って複数の外装鉄線が配設されている。このような外装ケーブルの端部にてケーブルコアを他のケーブルコアに接続函等で接続する場合、従来、接続函等に対して外装鉄線の端末部を固定して外装ケーブルへの外力を上記外装鉄線で受けるように、外装鉄線の端末部を引き留める外装鉄線引留装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
外装ケーブルへ加わる様々な方向の外力を外装鉄線で受けるようにするためには、ケーブルを中心とする周方向の複数位置で各外装鉄線を均等に引張って該外装鉄線の端末部を接続函等に対して固定する必要がある。
【0004】
そこで、従来は、例えば、外装ケーブルの端部にて外部被覆が除去されて露呈した各外装鉄線の端末部が周方向での複数位置のそれぞれにて、上記接続函に取付けられた係止部材に対して、引き留められる。この係止部材にはフランジ部が設けられており、該係止部材の中心孔にケーブルが通されるとともに、上記フランジ部の周方向での複数位置で半径方向に開口して形成された係止溝のそれぞれの位置で各外装鉄線がかしめスリーブを介して係止される。外装鉄線のこの係止は、各外装鉄線の端末部にかしめ固定されたかしめスリーブを上記フランジ部に引掛けることにより行なわれる。上記溝は、例えば、上記フランジ部に複数の外装鉄線の端末部が一つの円周上で等間隔に配置される。
【0005】
しかし、係止部材に引き留められる外装鉄線の数が多数である場合、特に、外装鉄線がケーブルの外周に二層構造として配設されている場合、上記フランジ部にこの多数の外装鉄線の端末部を一つの円周位置上で配置するように係止溝を設けると、係止部材の外周を大きくしなければならず、大型化してしまう。
【0006】
そこで、従来装置では、添付図面の図5に示すような係止部材50のフランジ部に複数の外装鉄線の端末部が内外の二つの円周位置上のそれぞれで等間隔に配置している。
【0007】
図5に示す係止部材50は、例えば、図示しないケーブルが通される中心孔53の周囲にフランジ部51を有して構成され、該フランジ部51に係止溝52が形成されている。該係止溝52は、軸線方向に貫通しそして半径外方に開放され深さの異なる二種の係止溝52A,52Bからなり、この二種の係止溝がフランジ部51の周方向で定間隔をもって交互に複数位置で形成されている。
【0008】
このような係止部材50の係止溝52には、一つの係止溝52の近傍を示す図6に見られるように、一本の外装鉄線60が上記フランジ部51の半径方向外側から挿入される。この外装鉄線60の端末部60Aは、ナット62そしてワッシャ63が通された後、かしめスリーブ61に挿入される。このかしめスリーブ61は、外装鉄線60よりも軟らかい材料で作られていて、円筒部61Aとねじ部61Bとを有しており、該かしめスリーブ61の円筒部61Aは該端末部60Aが挿入された状態で専用のかしめ機によって半径方向に加圧されて塑性変形により該端末部60Aにかしめ固定される。該外装鉄線60にかしめ固定されたかしめスリーブ61が上記ナット62と螺合後にワッシャ63を介して係止部材50のフランジ部51に係止されて、該端末部60Aが軸線方向で引き留められる。
【0009】
次に、上記ねじ部61B上での上記ナット62の回転により、かしめスリーブ61は、係止部材50によって係止される軸線方向位置が移動調整され、その結果、外装鉄線60が引張られることとなる。複数の外装鉄線60のそれぞれの端末部60Aに固定される各かしめスリーブは、各外装鉄線の張力を釣り合わせるように係止部材50の周方向の複数位置のそれぞれにて上述と同様に係止される。
【0010】
かくして、外装鉄線60が引張られた状態で、すべての外装鉄線60の端末部60Aが引き留められる。
【0011】
【特許文献1】
実開昭60−193503(図2、図3)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来例では、一つのかしめスリーブ61に対し一本の外装鉄線がかしめ固定されるので、かしめスリーブ61及び係止溝52は外装鉄線の数だけ必要となる。したがって、係止部材、特にフランジ部分は、外装ケーブルの外装鉄線の数が多数である場合、多くの係止溝を形成しなければならないので、係止部材の強度の低下を招く。さりとて、係止部材の強度低下を防止するために、係止部材の厚さや大きさ等を増加させると、係止部材が大型化すると共に重量が増大してしまう。また、上記係止溝を係止部材に多数形成することは、係止部材の加工コストが高くなるということでもある。特に、図5に示すように係止部材の内外二つの円周上でかしめスリーブを係止するようにした場合、深さの異なる二種の係止溝を係止部材に形成しなければならないので、係止部材の形状が複雑となり、それだけ加工コストが高くなる。
【0013】
さらには、一本の外装鉄線に対して一つのかしめスリーブが必要となるので、多数の外装鉄線を一本ずつかしめスリーブでかしめなければならず、作業に手間がかかる。
【0014】
そこで、本発明は、装置の大型化や高コスト化を招くことなく、多数の外装鉄線の端末部を安定して引き留めることができ、さらにはかしめスリーブをかしめる手間を軽減することができる外装鉄線引留装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る外装鉄線引留装置は、ケーブルの外周に沿って複数の外装鉄線が配設されてなる外装ケーブルの該外装鉄線の端末部を引き留めるようになっている。そして、かかる外装鉄線引留装置は、外装鉄線の端末部の挿入のための貫通孔が形成され、該貫通孔内の外装鉄線の該端末部に対して、塑性変形によりかしめ固定されるかしめスリーブと、周方向での複数位置のそれぞれにて各かしめスリーブを係止する係止部材と、該係止部材によって係止された上記かしめスリーブの軸線方向での係止位置を調整する調整部材とを備えている。外装鉄線の引留め作業時には、この調整部材によって上記係止位置が調整されることにより、上記外装鉄線の端末部が該外装鉄線に張力を与えた状態で引き留められるようになる。
【0016】
かかる外装鉄線引留装置において、本発明では、各かしめスリーブの貫通孔は、二以上の外装鉄線が挿入可能に形成されていて、該貫通孔に挿入された二以上の外装鉄線の端末部が各かしめスリーブで一括してかしめられていることを特徴としている。
【0017】
かかる本発明の外装鉄線引留装置によれば、一つのかしめスリーブで二以上の外装鉄線をかしめた後、各かしめスリーブが係止部材の周方向での複数位置のそれぞれに係止される。したがって、外装ケーブルの外装鉄線の数が多数であっても、係止部材に係止されるかしめスリーブの数が少なくなり、外装鉄線の数の半分以下で済む。
【0018】
本発明においては、かしめスリーブと外装鉄線との間には、外装鉄線よりも高硬度の微粒体、例えば、炭化珪素微粒体、一例として信濃電気精練社製のシナノランダム等を介在させることが好ましい。この微粒体は、かしめスリーブや外装鉄線よりも硬度が高いので、かしめスリーブや外装鉄線に食い込んで、かしめスリーブと外装鉄線との間の摩擦力を大きくし、かしめスリーブからの外装鉄線の抜け防止能力がさらに向上する。
【0019】
上述のようにかしめスリーブと外装鉄線との間に微粒体を介在させる場合、この微粒体は粘着材で保持された状態で、これをかしめスリーブの貫通孔内面に塗布するが、かしめスリーブの貫通孔内面に凹凸部が形成されているようにすると、微粉体が上記凹凸部内で保持され軸線方向での移動が該凹部により規制される。したがって、貫通孔への外装鉄線の挿入時に、該貫通孔から余分な微粒体が粘着材と共に漏れ出ても、凹凸部内の微粒体は貫通孔から漏れ出ることがなく、かしめスリーブと外装鉄線との間の微粒体の必要量を確保できる。
【0020】
上記凹部は、周方向に延びる溝として形成されていると、特に貫通孔への外装鉄線の挿入時に微粒体を軸線方向で効果的に移動規制できるので、好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面の図1ないし図4にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本実施形態装置の全体構成を示す断面図であり、図2は、図1における一部分について示すII−II断面図である。なお、図1において上半部と下半部はスリーブのナットの配置に関し、二種の異なる形態を同時に示している。
【0023】
図1において、例えば光ファイバケーブルなどのケーブルコアに保護被覆等を施したケーブルC1が外周で複数の外装鉄線C2により保護かつ補強されている外装ケーブルCは、その端部にて、外部被覆C3が除去されていて、上記複数の外装鉄線C2が露呈している。
【0024】
このような外装鉄線C2の端末部C2Aを接続函等(図示せず)に対して引き留めるために、該接続函に取付けられる本実施形態装置は、図1に示すように、上記外装鉄線C2の端末部C2Aにかしめ固定されるかしめスリーブ1と、該かしめスリーブ1を係止する係止部材2と、該係止部材2によって係止されるかしめスリーブ1の軸線方向での位置を調整する調整部材たるナット3とを備えている。
【0025】
図3は、図1の上半部における、上記端末部C2Aに固定されるかしめスリーブ1及びナット3の螺合状態での外観を示す図であり、図4はその断面図である。
【0026】
上記かしめスリーブ1は、図3及び図4に示すように、軸線方向で円筒部1Aとねじ部1Bとを有し、図4に示すように二本の外装鉄線C2の端末部C2Aの挿入のための貫通孔4が軸線方向に形成されている。かしめスリーブ1の上記円筒部1Aは工具等による外力を受けて半径方向に塑性変形し外装鉄線C2に対しかしめ固定されるための部分である。また、ねじ部1Bは外面にねじが形成されていて上記ナット3が螺合する部分である。上記かしめスリーブ1の外形は、上述の形状に限られず、例えば、円筒部1Aについて、かしめ時に外周面を加圧し易いように加圧部位として平坦面を設けた形状など、他の形状でもよい。また、上記かしめスリーブ1は、かしめを容易とするように、外装鉄線C2よりも硬度の低い材料で形成されている。
【0027】
本実施形態では、上記貫通孔4は、二本の外装鉄線C2のそれぞれの外形に適合して二つの孔として形成されている。この貫通孔4の断面形状は、外装鉄線の外形に必ずしも一致していなくてもよく、かしめスリーブ1を円筒部1Aでの半径方向の塑性変形により端末部C2Aにかしめ固定されることが可能な形状であれば、任意であり、例えば、扁平形状でもよい。また、本実施形態では、貫通孔4を分離配置した二つの孔として形成しているが、二本の外装鉄線の端末部が挿入される互いに連通せる一つの孔として形成することもできる。
【0028】
上記貫通孔4の内面には、周方向に延びる複数の溝等の凹凸部、例えば、ねじ溝(図示せず)が形成されている。この凹凸部の凹部の深さは微粒体の粒径に見合った寸法が好ましい。この凹部には、かしめスリーブ1や外装鉄線C2よりも高硬度な微粒体が粘着材に混入された状態で貫通孔4の内面に塗布され、上記端末部C2Aが上記貫通孔4へ挿入された後にあっても、上記微粒体を該凹部内に確実に保持して、かしめスリーブ1と外装鉄線C2の端末部C2Aとの間に上記微粒体を介在せしめる能力を高めている。上記微粒体は、かしめスリーブ1や外装鉄線C2よりも硬度が高いので、端末部C2Aに対するかしめスリーブ1の円筒部1Aでの半径方向におけるかしめ固定時に、かしめスリーブ1や上記端末部C2Aに食い込んで、貫通孔4と端末部C2Aとの間の摩擦力を増加させて、端末部C2Aの貫通孔4からの抜け防止力をより強力とする。
【0029】
上記貫通孔4の内面に形成された凹凸部は、端末部C2Aが上記貫通孔4へ挿入される際に、微粒体が貫通孔4内から外部へ漏れ出ないように該微粒体を保持できるものであれば、上記溝に限らず、他の凹凸形状、例えば、点状に散在する凹部でもよい。なお、微粒体を保持するための粘着材としては、エポキシ樹脂からなる接着剤等が使用でき、端末部C2Aの貫通孔4への挿入前に、この微粒体を含む粘着材を上記貫通孔4の内面そして上記外装鉄線C2の端末部C2Aの少なくとも一方に塗布しておく。
【0030】
上述のように外装鉄線C2の端末部C2Aにかしめ固定されたかしめスリーブ1を係止する係止部材2は、図1に示すように、筒状部とその軸方向両端部にて互いに対向する二つのフランジ部5,6とを有し、ケーブルC1が挿入される孔2Bが貫通形成されている。この二つのフランジ部5,6のうち一方(図1にて右側)のフランジ部5には、図2によく見られるように、該フランジ部5の周方向での複数位置にて、端末部C2Aにかしめ固定されたかしめスリーブ1のねじ部1Bの挿入を可能とする係止溝5Aが半径外方に開口して形成されている。そして、他方のフランジ部6は、外装ケーブルCの接続のための接続函等(図示せず)に取付けられるようになっている。
【0031】
上記係止溝5Aの数は上述のかしめスリーブ1の使用数だけ必要となるが、本実施形態では、上述のように一つのかしめスリーブ1が二つの外装鉄線C2の端末部に同時にかしめ固定されるので、係止部材2に形成される上記係止溝5Aの数は外装鉄線C2の数の半分の数で済む。したがって、外装鉄線C2の数が多くとも、上記係止部材2は、上記フランジ部の外径を大きくする必要がないので、外装鉄線の数に比し小型化が図られている。また、係止溝5Aの数が少ないので、係止溝5Aの形成に起因した係止部材2の強度の低下が少なくて済み、フランジ部5の厚さや径を大きくする必要もないため、この点でも、係止部材の小型化そして軽量化、さらには加工が簡単化されている。
【0032】
なお、本実施形態では、図1の下半部に見られるように、スリーブ1のねじ部1Bが係止溝5A外に位置するようにしてもよい。こうすることにより、係止溝5A内には外装鉄線C2のみが存在するので、その分、係止溝5Aの幅を狭くすることができ、強度上好ましくなる。
【0033】
次に、本実施形態における外装鉄線の引き留め手順を説明する。
【0034】
▲1▼ 先ず、図3及び図4に示されているように、かしめスリーブ1のねじ部1Bにナット3が螺合され、かつ、ワッシャ7が組み込まれる。
【0035】
▲2▼ 次に、もしくは上記▲1▼に先立ち、図1に示されるように外装ケーブルCの端部にて外部被覆C3が除去されて露呈することとなった複数の外装鉄線C2の端末部C2Aが、一つのかしめスリーブ1に対して二本ずつ、各かしめスリーブ1の貫通孔4に挿入される。その際、貫通孔4の内面には、周方向に延びる溝(図示せず)が形成されているので、微粒体を含有せる粘着材を上記貫通孔4の内面に塗布することにより、上記溝に保持された微粒体は、軸線方向での移動が溝で規制されるため、上記貫通孔4から外部へ漏れ出ることなく、上記貫通孔4の内面に確実に保持される。このとき、余分な微粒体が、貫通孔4外へ漏れ出しても、貫通孔4の内面の溝、すなわち、かしめスリーブ1と外装鉄線C2との間には必要量の微粒体が確保される。
【0036】
▲3▼ 上記端末部C2Aが上記貫通孔4に挿入された状態で、各かしめスリーブ1はその円筒部1Aにて、専用のかしめ機等(図示せず)により加圧され塑性変形されて、二本の外装鉄線C2の上記端末部C2Aに一括して同時にかしめ固定される。
【0037】
▲4▼ 次に、このようなかしめスリーブ1の外装鉄線C2は、かしめスリーブ1のねじ部1Bにて、係止部材2のフランジ部5に形成された係止溝5Aへ、該係止部材2の半径方向外側から挿入される。かくして、該外装鉄線C2にかしめ固定されたかしめスリーブ1がナット3及びワッシャ7を介して係止部材2のフランジ部5に係止される位置にもたらされる。
【0038】
▲5▼ 次に、ナット3がかしめスリーブ1のねじ部1B上で回転されてねじ部1Bの端へ向け移動すると、該ナット3にねじ部1Bで螺合するかしめスリーブ1は、該ナット3に対して、すなわち、係止部材2に対して図4に示すように軸線方向に距離aだけ移動される。この移動により、係止部材2によって係止されるかしめスリーブ1の軸線方向での位置が調整されて、その結果、一つのかしめスリーブ1にて二本の外装鉄線C2が同時にたるみの除去がなされる。
【0039】
▲6▼ 上記▲1▼〜▲5▼の操作を複数の外装鉄線C2について二本づつ順次行なう。その際、各かしめスリーブ1は、それぞれのかしめスリーブ1を釣り合わせるようにそれぞれのナットの回転量により係止位置の調整が行なわれる。
【0040】
かくして、外装鉄線C2のたるみを除去した状態で、外装鉄線C2の端末部C2Aが引き留められる。
【0041】
なお、本実施形態では、外装鉄線がケーブルの外周面上に一層で設けられている外装ケーブルの例を示したが、外装鉄線が二層以上となっている外装ケーブルにも本発明は適用可能である。外装鉄線が二層以上となっている外装ケーブルに本発明を適用する場合には、例えば、内側の一つの外装鉄線と外側のこれに対応する一つの外装鉄線とについて一つのかしめスリーブを一括してかしめ固定することができる。
【0042】
また、一つのかしめスリーブがかしめ固定される外装鉄線の端末部の本数、すなわち一つのかしめスリーブに形成される貫通孔の数は、本実施形態では二つとしたが、本発明はこれに限られず、三つ以上であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、一つのかしめスリーブで二以上の外装鉄線を一括して同時にかしめるので、外装鉄線の数が多数であっても、かしめスリーブの数が外装鉄線の数の半分以下で済むため、一つの円周上でかしめスリーブを係止部材に係止しても、係止部材の外径を大きくする必要がなく、係止部材が小型化そして軽量化される。特に、外装鉄線が二層となっている外装ケーブルであっても、内側の外装鉄線と外側の外装鉄線とを一つの円周上で係止部材に係止することができる。
【0044】
また、一つの円周上でかしめスリーブを係止部材に係止できるので、例えば従来のようにかしめスリーブを挿入するための係止溝として深さの異なる複数の溝を係止部材に形成する必要がなく、同じ深さの複数の溝を上記係止溝として係止部材に形成するだけで足り、係止部材の形状を複雑化することがないので加工コストが廉価になる。
【0045】
さらに、かしめスリーブ及び係止溝の数が従来装置の場合の半分以下であることは、かしめる手間が軽減されるという効果ももたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の装置における一部分を示すII−II断面図である。
【図3】図1に示すかしめスリーブ及びナットの螺合状態にある斜視図である。
【図4】図3のスリーブ及びナットを示し、(A)は軸線を含む面での部分破断正面図であり、(B)は、右側面図である。
【図5】従来の外装鉄線引留装置の係止部材の要部を示す側面図である。
【図6】図5の係止部材に係止されるかしめスリーブを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 かしめスリーブ
2 係止部材
3 ナット(調整部材)
4 貫通孔
C 外装ケーブル
C2 外装鉄線
C2A 外装鉄線の端末部
Claims (5)
- ケーブルの外周に沿って複数の外装鉄線が配設されてなる外装ケーブルの該外装鉄線の端末部を引き留める外装鉄線引留装置であって、外装鉄線の端末部の挿入のための貫通孔が形成され、該貫通孔内の外装鉄線の該端末部に対して、塑性変形によりかしめ固定されるかしめスリーブと、周方向での複数位置のそれぞれにて各かしめスリーブを係止する係止部材と、該係止部材によって係止された上記かしめスリーブの軸線方向での係止位置を調整する調整部材とを備え、該調整部材によって上記係止位置が調整されることにより、上記外装鉄線の端末部が該外装鉄線に張力を与えた状態で引き留められる外装鉄線引留装置において、各かしめスリーブの貫通孔は、二以上の外装鉄線が挿入可能に形成されていて、該貫通孔に挿入された二以上の外装鉄線の端末部が各かしめスリーブで一括してかしめられていることを特徴とする外装鉄線引留装置。
- かしめスリーブと外装鉄線との間には、外装鉄線よりも高硬度の微粒体が介在していることとする請求項1に記載の外装鉄線引留装置。
- かしめスリーブは、貫通孔を形成する面に、微粒体を保持する凹凸部が形成されていることとする請求項2に記載の外装鉄線引留装置。
- 微粒体は炭化珪素微粒体であることとする請求項3に記載の外装鉄線引留装置。
- 凹凸部は、周方向に延びる溝として形成されていることとする請求項3に記載の外装鉄線引留装置。
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JP2003209131A JP2005073318A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | 外装鉄線引留装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101517245B1 (ko) * | 2009-02-03 | 2015-05-06 | 엘에스전선 주식회사 | 케이블 고정장치 |
CN113674909A (zh) * | 2021-08-20 | 2021-11-19 | 湖南中缆电缆有限公司 | 一种无卤阻燃交联型聚烯烃绝缘绿色电缆 |
-
2003
- 2003-08-27 JP JP2003209131A patent/JP2005073318A/ja active Pending
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