JP4706436B2 - 防振ゴム部材 - Google Patents

防振ゴム部材 Download PDF

Info

Publication number
JP4706436B2
JP4706436B2 JP2005311418A JP2005311418A JP4706436B2 JP 4706436 B2 JP4706436 B2 JP 4706436B2 JP 2005311418 A JP2005311418 A JP 2005311418A JP 2005311418 A JP2005311418 A JP 2005311418A JP 4706436 B2 JP4706436 B2 JP 4706436B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
vibration
rubber
adhesive layer
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005311418A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007118292A (ja
Inventor
豊久 遠山
隆典 杉浦
武彦 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2005311418A priority Critical patent/JP4706436B2/ja
Priority to DE102006050345A priority patent/DE102006050345A1/de
Priority to US11/585,849 priority patent/US20070089949A1/en
Publication of JP2007118292A publication Critical patent/JP2007118292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4706436B2 publication Critical patent/JP4706436B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、自動車用のエンジンマウント、産業機械用の防振部材等に広く利用できる防振ゴム部材に関するものである。
一般に、自動車用のエンジンマウント、産業機械用の防振部材等に用いられる防振ゴム部材は、金具とゴム材とが一体化して形成された金具付きゴム部材となっており、フレーム,エンジン等の各種構成品同士の連結部材として用いられている。
上記防振ゴム部材では、金具とゴム材との界面を接着させるため、通常、接着剤が用いられる。接着方法としては、一般に、1つの接着剤を用いる「接着剤一液塗工式」と、金具表面にプライマーとして下塗り接着剤を塗布した後、更に上塗り接着剤を塗布する「接着剤二液塗工式」とがあるが、汎用ゴムと金具との接着では、二液塗工式が広く用いられている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開平7−301278号公報 特開2001−170944公報
ところで、自動車用のエンジンマウントのように、高温環境下で使用されるものは、当然に耐熱性(ゴム材と金具との界面における耐熱接着性)が要求される。また、特開平7−301278号公報に記載のもののように、そのゴム材部分が、振動入力に応じて変形する室壁に形成され、その室壁と金具の一部とから構成される密閉空間に、液体(エチレングリコール等)が封入されてなる構造を備えた防振ゴム部材の場合、その構造上、ゴム材と金具との接着界面に封入液が浸透しやすく、それによる接着力低下も生じやすい。したがって、このような構造のものは特に、接着性の改善が課題となっている。
しかしながら、従来の防振ゴム部材では、高温環境下(特に接着界面へのエチレングリコールの浸透が起こり得る環境下)での耐久使用により、接着部分の界面剥離が起こることが確認されている。したがって、現時点においては、所望の耐久性能(エチレングリコール浸漬下、100〜120℃で500時間以上の安定的な初期接着性能)を備えたものは少なく、また、そのような性能を備えた少数の防振ゴム部材であっても、他に種々の問題を抱えている。すなわち、たとえば、特開平7−301278号公報に開示の防振ゴム部材では、その実施例において、金具の下塗り接着剤として、レゾルシンヘキサミン樹脂を主成分とし、セレンを触媒とする接着剤(LORD社製のケムロック901)を使用しており、これにより、耐熱接着性の課題をある程度解決している。しかし、セレンは毒性の高い環境負荷物質であることから、環境問題の観点から、セレンを不含にしても強固な接着性が得られるようにすることが求められている。また、その他にも、耐熱接着性の課題は一応解決しているが、型成形時の熱により、接着剤が、金型に転写してしまい、量産性の低下をきたすといった問題等を生じるものもある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、環境負荷物質を含んでおらず、金具とゴム材との界面における耐熱接着性や耐エチレングリコール性に優れる、液体封入タイプの防振ゴム部材の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の防振ゴム部材は、金具とゴム材とが、金具上に形成された下塗り接着剤層およびその層に接して形成された上塗り接着剤層を介し、一体的に形成され、そのゴム材部分が、振動入力に応じて変形する室壁に形成され、その室壁と金具の一部とから構成される密閉空間に、液体が封入されてなる防振ゴム部材であって、上記下塗り接着剤層が下記の(A)によって形成され、かつ、上記上塗り接着剤層が下記の(B)によって形成され、その上塗り接着剤層にゴム材が加硫接着しているという構成をとる。
(A)接着剤の樹脂成分が下記の(a)〜(c)成分からなり、その接着剤固形分100重量部に対し、上記(c)成分を1〜25重量部の割合で含有し、セレンを含有しないレゾルシノール系接着剤。
(a)ブタジエン系樹脂。
(b)ヘキサメチレンテトラミン。
(c)レゾルシノール。
(B)塩素化ポリオレフィンを主成分とする接着剤。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、金具面に塗布する下塗り接着剤に、毒性の高いセレンを除いたレゾルシノール系接着剤を用いたところ、セレン含有の従来品とほぼ同レベルの、高い耐熱接着性が得られるようになることを突き止めた。さらに、耐エチレングリコール性においては、セレン含有の従来品よりも高い接着耐性が得られることを突き止めた。そして、この下塗り接着剤からなる層と、その層に接して形成される、塩素化ポリオレフィンを主成分とし、特に塩化天然ゴムを含有しない上塗り接着剤層を介しゴム材を加硫接着させることにより、上記金具とゴム材との間に優れた接着力が得られるようになることを突き止め、本発明に到達した。
本発明の防振ゴム部材は、下塗り接着剤層に、環境負荷物質であるセレンを含有しない、特定材料からなるレゾルシノール系接着剤を用い、上塗り接着剤層に、塩素化ポリオレフィンを主成分とする接着剤を用いている。そのため、環境問題の観点から優れており、しかも耐熱接着性が高く、耐エチレングリコール性にも優れている。したがって、このような接着剤層によって金具とゴム材とが一体的に形成されてなる防振ゴム部材は、自動車用のエンジンマウントといった、高温環境下で使用するものに適している。そして、上記防振ゴム部材、エチレングリコール等の液体封入タイプであることから、従来のエチレングリコール等の液体封入タイプの防振ゴム部材に比べ、優れた耐久性能を発揮することができる。
また、本発明では、下塗り接着剤が、ブタジエン系樹脂と、ヘキサメチレンテトラミンと、レゾルシノールとを樹脂成分とし、所定の割合でレゾルシノール量を少なくしているが、所望の耐熱接着性能を得ることができる。そして、上記のようにレゾルシノールを用い、かつ、その硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いることによって、型成形時の熱により、接着剤が、金型に転写してしまい、製品性の悪化をきたすといった問題等を解消することができる。
さらに、下塗り接着剤が、その必須成分に加え、金属酸化物(酸化亜鉛や酸化チタン)を所定の割合で含有したときに、本発明の防振ゴム部材は、より耐熱性に優れるようになる。
そして、上記上塗り接着剤が、塩化天然ゴム不含の接着剤としたときに、金具とゴム材との界面接着における耐エチレングリコール性が、より優れるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の防振ゴム部材における金具2と防振ゴム1との界面部分の拡大図は、に示すように、金具2の面(接着面)に、下塗り接着剤層4が接して形成され、この下塗り接着剤層4の面に、上塗り接着剤層5が接して形成され、この上塗り接着剤層5の面に、上記防振ゴム1が接して形成されている。そして、本発明では、上記下塗り接着剤層4が、セレンを含有しないレゾルシノール系接着剤によって形成され、上記上塗り接着剤層5が、塩素化ポリオレフィンを主成分とする接着剤によって形成され、その上塗り接着剤層5に防振ゴム1が加硫接着しており、このことを最大の特徴としている。ここで、上記上塗り接着剤の「主成分」とは、その接着剤の特性に大きな影響を与えるもののことであり、樹脂固形分全体の50重量%以上を占めることを意味する。なお、金具表面が腐食すると、金具とゴム材との密着性が低下し、防振ゴム部材としての機能が発揮されなくなるおそれがあるため、必要に応じ、図に示すように、金具2の面に、腐食防止策として、化成皮膜(リン酸亜鉛等の皮膜)6を形成し、その上から、上記のように下塗り接着剤層4および上塗り接着剤層5の形成を順次行ってもよい
つぎに、上記防振ゴム部材の形成材料について詳しく説明する。
上記防振ゴム1の形成材料としては、例えば、天然ゴム(NR),ブタジエンゴム(BR),スチレンブタジエンゴム(SBR),イソプレンゴム(IR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),カルボキシル変性NBR,クロロプレンゴム(CR),エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM),マレイン酸変性EPM,ブチルゴム(IIR),ハロゲン化IIR,クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),フッ素ゴム(FKM),アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴム等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、防振性が良好である観点から、天然ゴムが好ましい。また、必要性能に応じて、上記材料に、カーボンブラック等の補強剤,加硫剤,加硫促進剤,滑剤,助剤,可塑剤,老化防止剤等が適宜に添加される。
記金2としては、金属製のものであれば特に限定はなく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、鉛、錫、あるいはこれらの合金、ステンレス等の従来公知の金属によって形成されたものが用いられる。
上記下塗り接着剤層4は、先に述べたように、セレンを含有しないレゾルシノール系接着剤によって形成される。すなわち、セレンフリーであるため環境問題の観点から優れており、また、このようにセレンフリーであっても、高い耐熱接着性が得られる。そして、上記下塗り接着剤としては、ブタジエン系樹脂と、ヘキサメチレンテトラミンと、レゾルシノールとを樹脂成分とし、その接着剤固形分100重量部(以下、「部」と略す)に対し、上記レゾルシノールを1〜25部の割合で含有する接着剤が用いられる。すなわち、このように、レゾルシノールを用い、かつ、その硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いることにより、型成形時の熱により、接着剤が、金型に転写してしまい、製品性の悪化および量産性の低下をきたすといった問題が軽減される。また、上記のようにレゾルシノール量を少なくしても、所望の耐熱接着性能を得ることができる。
また、上記下塗り接着剤において、その樹脂成分に加え、酸化亜鉛と酸化チタンとを含有し、その接着剤固形分100部に対し、酸化亜鉛を20〜50部の割合で含有し、酸化チタンを20〜50部の割合で含有したときに、本発明の防振ゴム部材が、より耐熱性に優れるようになるため、好ましい。なお、上記下塗り接着剤には、必要に応じ、カーボンブラック,架橋剤,充填剤等が適宜に添加され、また、その接着剤の溶剤として、キシレン,エチルベンゼン,メチルイソブチルケトン等が用いられる。
上記のような非セレン系の下塗り接着剤であって、市販のものとしては、具体的には、ロード・ファー・イースト社製のXPJ−113や、XPJ−77や、XPJ−106等があげられる。なお、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
なお、上記下塗り接着剤層4中のセレン(Se)の検出は、具体的には、島津製作所社製の電子線マイクロアナライザー(EPMA−1600)により行うことができる。すなわち、下記の条件で測定し、波長:8. 9900Å(オングストローム)に検出されるセレン(Se)の存在を調べることにより、行われる。
・加速電圧:15KV
・ビームサイズ:1μm
・ビーム電流:0. 1041μA
・試料電流:0. 0755μA
・分光結晶:RAP(酸化フタル酸ルビジウム)
上記上塗り接着剤層5は、先に述べたように、塩素化ポリオレフィンを主成分とする接着剤によって形成される。そして、上記塩素化ポリオレフィンとしては、特に限定されるものではないが、なかでも、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)や塩素化ポリエチレンが、接着性に優れるため好ましい。これら塩素化ポリオレフィンは、単独であるいは二種以上併せて用いられる。また、本発明では、上記接着剤中に塩化天然ゴムを不含とすることが好ましい。すなわち、上記接着剤中に塩化天然ゴムを不含とすることにより、金具とゴム材との接着界面における耐エチレングリコール性が、より優れるようになるからである。なお、上記上塗り接着剤には、必要に応じ、シリカ等の充填剤,亜鉛化合物,四塩化炭素,顔料,架橋剤等が適宜に添加され、また、その接着剤の溶剤として、キシレン,トリオール等が用いられる。
上記のような上塗り接着剤であって、市販のものとしては、具体的には、ロード・ファー・イースト社製のXJ−370や、XJ−371や、XJ−380や、XJ−381等が、耐熱接着性等の点から優れている。なかでも、XJ−370が、塩化天然ゴム不含であり、耐エチレングリコール性にも優れるため、より好ましい。なお、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
なお、図における化成皮膜6は、先にも述べたように、必要に応じ形成されるものであるが、上記化成皮膜6を形成するために用いる溶液は、たとえばリン酸亜鉛皮膜を形成する場合、リン酸第1亜鉛と亜硝酸塩等の酸化剤とを含むpH2〜3の水溶液が用いられる。このリン酸亜鉛液におけるリン酸亜鉛の濃度は、通常、10〜20重量%の範囲内に設定される。なお、上記のようなリン酸亜鉛皮膜以外にも、たとえば、リン酸亜鉛カルシウム,リン酸マンガン,リン酸鉄,リン酸スズ等の化成皮膜を形成してもよい。
そして、本発明の防振ゴム部材における金具2と防振ゴム1との接着は、例えば、つぎのようにして行うことができる。なお、本発明の防振ゴム部材の製法は、以下に示すような手順に特に限定されるものではない。
すなわち、まず、金2を準備し、その金具2の面(接着面)に、適宜、粗面化処理を行う。具体的には、金具2の接着面となる面以外の面をマスキングした後、金具2の面(接着面となる面)を、粒度♯20〜♯70程度の研磨材を用いてサンドブラスト処理等し粗面化する〔十点平均粗さ(Rz)10〜30μm程度。東京精密社製のサーフコム1400Dによる測定値〕。つぎに、その粗面部分に、接着剤層を形成するのであるが、その前に、必要に応じ、リン酸亜鉛液等による化成皮膜6(皮膜重量1.5〜4.0g/m2 程度)の形成を行ってもよい。そして、このような金具2の処理面に対し、下塗り接着剤をスプレー等により塗布し、その後、自然乾燥させ〔25℃(室温)×60分間程度〕、下塗り接着剤層4(厚み5〜20μm程度)を形成する。続いて、上記下塗り接着剤層4の表面に、上塗り接着剤をスプレー等により塗布し、その後、自然乾燥させ〔25℃(室温)×60分間程度〕、上塗り接着剤層5(厚み5〜20μm程度)を形成する。そして、金2から上記マスキングを取り除いた後、上記金具2を液体封入タイプの防振ゴム部材成形用金型内に配設し、その金型成形空間内に、上記防振ゴム1形成用の未加硫ゴムを充填し、その後、加硫する(140〜200℃×5〜60分間程度)。
発明の防振ゴム部材は、自動車や輸送機器(飛行機,フォークリフト,ショベルカー,クレーン等の産業用輸送車両、鉄道車両等)等に用いられる、エンジンマウント,モータマウント等、または産業機械等の様々な機械に用いられる防振部材等として好適に用いられる
また、本発明の防振ゴム部材は、特開平7−301278号公報のような液体封入タイプのものであ。すなわち、そのゴム材部分が、振動入力に応じて変形する室壁に形成され、その室壁と金具の一部とから構成される密閉空間に、液体が封入されているといった構造を備えたものである。そして、その金具とゴム材とは、本発明で規定するように、金具上に形成された特定の下塗り接着剤層およびその層に接して形成された特定の上塗り接着剤層を介し、接着されている。なお、その封入液は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、水等が用いられる。そして、上記防振ゴム部材における金具とゴム材との接着界面は、先にも述べたように、耐熱接着性、耐エチレングリコール性に優れることから、従来のエチレングリコール等の液体封入タイプの防振ゴム部材に比べ、優れた耐熱性能を発揮することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、以下のように、下塗り接着剤,上塗り接着剤および未加硫ゴムを準備した。
〔下塗り接着剤(i) 〕
キシレン20重量%(以下、「%」と略す)と、エチルベンゼン4.6%と、ヘキサメチレンテトラミン1.9%と、レゾルシノール2%と、メチルイソブチレンケトン56%と、カーボンブラック1.5%と、酸化亜鉛6%と、酸化チタン5%と、ブタジエン系樹脂3%とを混合し、下塗り接着剤(i) を調製した。
〔下塗り接着剤(ii)〕
ケムロック901(LORD社製)。
〔上塗り接着剤(i) 〕
CSM系接着剤(C6100 、LORD社製)。
〔上塗り接着剤(ii)〕
塩素化ポリエチレン系接着剤(XJ370、LORD社製)。
〔未加硫ゴム(i) 〕
天然ゴム100部と、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35部と、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5部と、ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2部と、加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7部と、硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2部とをニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、未加硫ゴムを調製した。
〔未加硫ゴム(ii)〕
天然ゴム70部と、SBR30部と、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35部と、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5部と、ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2部と、加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7部と、硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2部とをニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、未加硫ゴムを調製した。
〔未加硫ゴム(iii) 〕
IIR100部と、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35部と、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5部と、ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2部と、加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7部と、硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2部とをニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、未加硫ゴムを調製した。
〔実施例1〜3、比較例1〕
上記準備した材料を用い、図に示す試験サンプル(本発明の防振ゴム部材における金具とゴム材との接着界面の評価試験をするためのサンプル)を作製した。このものは、長方形のSUS304製ステンレス鋼板〔25mm×60mm×2mm(厚み)〕12の片面全体に、長方形の防振ゴム板〔25mm×60mm×1.5mm(厚み)〕11を一体形成したものである。
上記試験サンプルの作製に際し、まず、上記ステンレス鋼板12の片面全体を、粒度♯20のアルミナ製研磨材を用い、サンドブラスト処理機により、1分間サンドブラスト処理した。これにより、上記ステンレス鋼板12の片面全体の十点平均粗さ(Rz)を10.0μm(東京精密社製のサーフコム1400Dによる測定値)にした。つぎに、その粗面に形成された上記ステンレス鋼板12の片面全体に、後記の表1に示す下塗り接着剤をスプレーにより塗布(スプレー塗布が困難なものは、はけ塗り)した。その後、乾燥させ(25℃×60分間)、下塗り接着剤層(厚み10μm)を形成した。続いて、上記下塗り接着剤層の表面に、後記の表1に示す上塗り接着剤をスプレーにより塗布し、その後、乾燥させ(25℃×60分間)、上塗り接着剤層(厚み10μm)を形成した。そして、成形用金型を用いて、上記ステンレス鋼板12の片面上の成形空間内に、上記調製の未加硫ゴムを充填し、加硫(150℃×20分間)して、防振ゴム板11を形成した。このようにして、図に示す試験サンプルを作製した。なお、上記接着剤層の厚みは、試験サンプルを切断し、その切断面を電子顕微鏡で見て任意の10個所で測定し、その平均値をとった。
このようにして得られた各試験サンプルについて、下記の基準に従い、各特性の比較評価および測定を行った。これらの結果を後記の表1に併せて示した。
〔毒性〕
電子線マイクロアナライザー(EPMA−1600、島津製作所社製)により、接着剤層中のセレン(Se)の検出を行った。すなわち、下記の条件で測定し、波長:8. 9900Å(オングストローム)に検出されるセレン(Se)の存在を調べた。そして、セレン(Se)が検出されたものを、毒性が「有」と評価し、検出されなかったものを、毒性が「無」と評価した。
・加速電圧:15KV
・ビームサイズ:1μm
・ビーム電流:0. 1041μA
・試料電流:0. 0755μA
・分光結晶:RAP(酸化フタル酸ルビジウム)
〔耐封入液性〕
各試験サンプルを、高温(100℃または120℃)のエチレングリコール液に500時間浸漬した。その後、各試験サンプルを上記エチレングリコール液から取り出し、各試験サンプルについて、90度剥離試験を行った。すなわち、各試験サンプルを10mm幅で短冊状に切断し、短冊状の先端部のステンレス鋼板12と加硫接着剤層と防振ゴム板11をそれぞれ剥離し、その剥離したステンレス鋼板12と防振ゴム板11の各先端部を引張試験機(オリエンテック社製)の各チャックに挟み、引張速度50mm/分の条件で、ステンレス鋼板12/防振ゴム板11間の90度剥離試験を行った。その結果、破断した時の荷重〔接着破断力(N/cm)〕、および、破断面の状態(破断状態)を測定・評価した。なお、表中の破断状態の欄において、「R100」とは、ゴム部分(R)において100%破断したことを意味し、その数値が0に近づくほど、ゴム部分の破断割合が0%に近づくことを意味する。また、(M)は、下塗り接着剤層とステンレス鋼板12間の破断を意味する。
Figure 0004706436
上記結果から、実施例1〜3の試験サンプルは、毒性がなく、比較例1の試験サンプルよりも耐封入液性(特に、120℃のエチレングリコール液に500時間浸漬した後での評価)に優れていることがわかる。なお、下塗り接着剤(i) に代えて、ロード・ファー・イースト社製のXPJ−77,106を用いた場合であっても、本願実施例と同様の試験結果が得られた。
本発明の防振ゴム部材の一を示す要部拡大断面図である。 本発明の防振ゴム部材の他の例を示す要部拡大断面図である。 耐封入液試験および剥離試験に用いた試験サンプルを示す正面図である。
1 防振ゴム

4 下塗り接着剤層
5 上塗り接着剤層

Claims (6)

  1. 金具とゴム材とが、金具上に形成された下塗り接着剤層およびその層に接して形成された上塗り接着剤層を介し、一体的に形成され、そのゴム材部分が、振動入力に応じて変形する室壁に形成され、その室壁と金具の一部とから構成される密閉空間に、液体が封入されてなる防振ゴム部材であって、上記下塗り接着剤層が下記の(A)によって形成され、かつ、上記上塗り接着剤層が下記の(B)によって形成され、その上塗り接着剤層にゴム材が加硫接着していることを特徴とする防振ゴム部材。
    (A)接着剤の樹脂成分が下記の(a)〜(c)成分からなり、その接着剤固形分100重量部に対し、上記(c)成分を1〜25重量部の割合で含有し、セレンを含有しないレゾルシノール系接着剤。
    (a)ブタジエン系樹脂。
    (b)ヘキサメチレンテトラミン。
    (c)レゾルシノール。
    (B)塩素化ポリオレフィンを主成分とする接着剤。
  2. 上記(A)の接着剤が、上記(a)〜(c)成分に加え、下記の(d)および(e)成分を含有し、その接着剤固形分100重量部に対し、上記(d)成分を20〜50重量部の割合で含有し、上記(e)成分を20〜50重量部の割合で含有する請求項記載の防振ゴム部材。
    (d)酸化亜鉛。
    (e)酸化チタン。
  3. 上記(B)の塩素化ポリオレフィンが、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)および塩素化ポリエチレンの少なくとも一方である請求項1または2記載の防振ゴム部材。
  4. 上記(B)が、塩化天然ゴム不含の接着剤である請求項1〜のいずれか一項に記載の防振ゴム部材。
  5. 上記金具と下塗り接着剤層との間に、下記の(C)からなる化成被膜が介在されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振ゴム部材。
    (C)リン酸亜鉛、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸マンガン、リン酸鉄およびリン酸スズからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
  6. 上記封入される液体が、エチレングリコールおよびジエチレングリコールの少なくとも一つである請求項1〜5のいずれか一項に記載の防振ゴム部材。
JP2005311418A 2005-10-26 2005-10-26 防振ゴム部材 Active JP4706436B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005311418A JP4706436B2 (ja) 2005-10-26 2005-10-26 防振ゴム部材
DE102006050345A DE102006050345A1 (de) 2005-10-26 2006-10-25 Vibrationsdämpfendes Gummielement und Verfahren zur Herstellung desselben
US11/585,849 US20070089949A1 (en) 2005-10-26 2006-10-25 Vibration damping rubber member and method of producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005311418A JP4706436B2 (ja) 2005-10-26 2005-10-26 防振ゴム部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007118292A JP2007118292A (ja) 2007-05-17
JP4706436B2 true JP4706436B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=38142666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005311418A Active JP4706436B2 (ja) 2005-10-26 2005-10-26 防振ゴム部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4706436B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5100255B2 (ja) * 2007-08-27 2012-12-19 日新製鋼株式会社 ステンレス鋼板/物体間の接着構造およびその解体方法
JP2015500153A (ja) * 2011-11-30 2015-01-05 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン 動的試験用試料
JP6354402B2 (ja) * 2014-07-09 2018-07-11 中西金属工業株式会社 軸受装置の保護カバー及びその製造方法、並びに金属及びゴムからなる機械部品の製造方法
JP7356002B2 (ja) * 2019-08-30 2023-10-04 日本製鉄株式会社 複合体およびその製造方法、ならびに塗装金属板

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04234446A (ja) * 1990-09-10 1992-08-24 Goodyear Tire & Rubber Co:The N,N’−(m−フェニレン)ビスマレイミドを含む硫黄加硫性ゴム組成物
JPH07301278A (ja) * 1994-04-28 1995-11-14 Toyoda Gosei Co Ltd 耐熱性液封入防振装置
JPH1161052A (ja) * 1997-08-11 1999-03-05 Tokai Rubber Ind Ltd 金属・ゴム複合製品の製造方法
JP2001011366A (ja) * 1999-07-02 2001-01-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd プライマー層およびそれを用いた金属板とゴムの複合体
JP2001260235A (ja) * 2000-03-22 2001-09-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴムと金属との接着方法、および、これを用いた構造体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04234446A (ja) * 1990-09-10 1992-08-24 Goodyear Tire & Rubber Co:The N,N’−(m−フェニレン)ビスマレイミドを含む硫黄加硫性ゴム組成物
JPH07301278A (ja) * 1994-04-28 1995-11-14 Toyoda Gosei Co Ltd 耐熱性液封入防振装置
JPH1161052A (ja) * 1997-08-11 1999-03-05 Tokai Rubber Ind Ltd 金属・ゴム複合製品の製造方法
JP2001011366A (ja) * 1999-07-02 2001-01-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd プライマー層およびそれを用いた金属板とゴムの複合体
JP2001260235A (ja) * 2000-03-22 2001-09-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴムと金属との接着方法、および、これを用いた構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007118292A (ja) 2007-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4706436B2 (ja) 防振ゴム部材
US20070089949A1 (en) Vibration damping rubber member and method of producing the same
US9381721B2 (en) Gasket material
JP6644631B2 (ja) 金属表面処理用水溶液及び金属表面の処理方法
JP5474719B2 (ja) 防振ゴム部材
US7384028B2 (en) Rubber part having a metal fitting and method of producing the same
WO2019102747A1 (ja) ゴム積層金属用nbr組成物
JP2004250696A (ja) ホース層間ゴム用ゴム組成物およびホース
JP5026846B2 (ja) アルミ系金属品付きゴム部材およびその製法
JP4412341B2 (ja) アルミ系金属品付きゴム部材の製法
KR100763409B1 (ko) 재생 폐페인트 분말을 이용한 금속접합용 구조접착 실러조성물
JP2001011366A (ja) プライマー層およびそれを用いた金属板とゴムの複合体
Mora et al. Fatigue strength evaluation and fracture behavior of joined dual phase steel/AA6061-T6 aluminum alloy
JP2007245416A (ja) 防振ゴム部材の製法およびそれにより得られる防振ゴム部材
JP7049732B1 (ja) マスチック接着剤組成物
JP6519286B2 (ja) ゴム−金属積層構造体及びその製造方法
JP2006275257A (ja) 金具付きゴム部材およびその製法
JP4222446B2 (ja) アルミ−ゴム複合体の製造方法
JP2003148536A (ja) 自動車用防振ゴム部材及びその製造方法
JP2003148537A (ja) 自動車用防振ゴム部材及びその製造方法
WO2021161871A1 (ja) ガスケット
JP2014124806A (ja) 防振部材の製法
JP2019051665A (ja) 防振ゴム部材およびその製法
JP2006219529A (ja) ゴムセメント組成物
JPS63238183A (ja) 金属用プライマ−

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4706436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350