JP2006275257A - 金具付きゴム部材およびその製法 - Google Patents

金具付きゴム部材およびその製法 Download PDF

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Abstract

【課題】水系接着剤を使用しても、金具とゴム材との界面において、金具の腐食を防止することができる金具付きゴム部材およびその製法を提供する。
【解決手段】内筒金具2の外周面に、リン酸亜鉛皮膜(化成皮膜)Aが接して形成され、このリン酸亜鉛皮膜Aの外周面に、水溶性フェノール樹脂層Bが接して形成され、この水溶性フェノール樹脂層Bの外周面に、水系プライマー層(水系接着剤層)Cが接して形成され、この水系プライマー層Cの外周面に、水系カバーセメント層(水系接着剤層)Dが接して形成され、この水系カバーセメント層Dの外周面に、上記防振ゴム1が接して形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用のブッシュ,エンジンマウント、産業機械用の防振部材等の金具付きゴム部材およびその製法に関するものである。
一般に、自動車用のブッシュ,エンジンマウント、産業機械用の防振部材等は、金具とゴム材とが一体化して形成された金具付きゴム部材となっており、フレーム,エンジン等の各種構成品同士の連結部材として用いられている。
上記防振部材等の金具付きゴム部材では、金具とゴム材との界面において、金具表面が腐食すると、金具とゴム材との接着剥離が進行し、その機能が発揮されなくなるおそれがある。そこで、通常、金具に表面処理〔めっき層の形成,化成皮膜(リン酸亜鉛等の皮膜)の形成,塗装等〕を行うことにより、金具表面の腐食を抑制している。
例えば、防振部材では、金具表面にブラスト処理を行った後、化成皮膜(リン酸亜鉛皮膜)を形成し、さらに、接着剤として、溶剤系接着剤(加硫接着剤であるプライマーおよびカバーセメント)を塗布することにより、金具とゴム材との界面において、金具表面の腐食を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−227897号公報
最近では、環境問題の観点から、上記溶剤系接着剤の使用が抑制されている。そこで、上記金具とゴム材との接着には、上記溶剤系接着剤に代えて水系接着剤を使用することが企図されている。しかしながら、本発明者らの研究によると、上記溶剤系接着剤を、単に水系接着剤に代えるだけでは、金具とゴム材との界面において、金具が腐食し易くなるという知見を得ている。金具に腐食が発生すると、その腐食部分では、金具とゴム材との接着性が悪化し、金具付きゴム部材としての機能が発揮されなくなるおそれがある。
本発明は、このような知見に鑑みなされたもので、水系接着剤を使用しても、金具とゴム材との界面において、金具の腐食を防止することができる金具付きゴム部材およびその製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、金具とゴム材とが金具上の化成皮膜層および接着剤層を介して一体に形成された金具付きゴム部材であって、上記化成皮膜層の表面に、水溶性フェノール樹脂層が接して形成され、この水溶性フェノール樹脂層の表面に、水系接着剤層が接して形成されている金具付きゴム部材を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記金具付きゴム部材の製法であって、金具とゴム材との一体形成に先立って、上記金具の表面に化成皮膜層を接して形成した後、この化成皮膜層の表面に水溶性フェノール樹脂層を接して形成する工程と、この水溶性フェノール樹脂層の表面に水系接着剤層を接して形成する工程とを備えている金具付きゴム部材の製法を第2の要旨とする。
本発明者らは、金具とゴム材とが金具上の化成皮膜層および接着剤層を介して一体形成された金具付きゴム部材について、接着剤として水系接着剤を使用しても、金具とゴム材との界面において、金具の腐食を防止することができるようにすべく、先の知見に基づき、さらに研究を重ねた。その結果、金具の表面に化成皮膜層を形成した後、水系接着剤層を形成するのに先立って、上記化成皮膜層の表面に水溶性フェノール樹脂層を接して形成すると、水系接着剤を使用しても、金具の腐食を防止し、その結果、その金具の腐食による接着剥離を防止することができることを見出し、本発明に到達した。
なお、本発明における「水溶性フェノール樹脂層」は、厚みが分子レベルとなっている。
本発明の金具付きゴム部材は、化成皮膜層の表面に、水溶性フェノール樹脂層が接して形成されているため、この水溶性フェノール樹脂層の表面に、水系接着剤層が形成されていても、金具の腐食を防止することができる。
そして、本発明の金具付きゴム部材の製法は、金具の表面に化成皮膜層を接して形成した後、この化成皮膜層の表面に水溶性フェノール樹脂層を接して形成するため、この水溶性フェノール樹脂層の表面に水系接着剤層を形成しても、金具の腐食を防止することができる金具付きゴム部材を作製することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の金具付きゴム部材の一実施の形態を示している。この実施の形態では、本発明の金具付きゴム部材の一例として、自動車用の円筒状ブッシュについて説明する。この円筒状ブッシュは、円筒状の防振ゴム(ゴム材)1の内周面に、円筒状の内筒金具(金具)2が同軸的に接着一体化されているとともに、上記円筒状の防振ゴム1の外周面に、円筒状の外筒金具(金具)3が同軸的に接着一体化されている。
そして、上記内筒金具2と防振ゴム1との界面部分は、その拡大図を図2に示すように、内筒金具2の外周面に、リン酸亜鉛皮膜(化成皮膜)Aが接して形成され、このリン酸亜鉛皮膜Aの外周面に、水溶性フェノール樹脂層Bが接して形成され、この水溶性フェノール樹脂層Bの外周面に、水系プライマー層(水系接着剤層)Cが接して形成され、この水系プライマー層Cの外周面に、水系カバーセメント層(水系接着剤層)Dが接して形成され、この水系カバーセメント層Dの外周面に、上記防振ゴム1が接して形成されている。外筒金具3と防振ゴム1との界面部分についても、上記と同様である。
このような円筒状ブッシュは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、内筒金具2と外筒金具3とを準備し、内筒金具2の外周面および外筒金具3の内周面をショットブラスト処理し粗面化する〔十点平均粗さ(Rz)10〜30μm程度〕。ついで、これら内筒金具2および外筒金具3をリン酸亜鉛液(40〜60℃程度)に浸漬し(3〜10分間程度)、内筒金具2の外周面および外筒金具3の内周面にリン酸亜鉛皮膜A(皮膜重量1.5〜4.0g/m2 程度)を形成する。つぎに、これら内筒金具2および外筒金具3をリン酸亜鉛液から取り出し、水洗槽にて清水で濯いだ後、湯洗槽(60〜80℃)に浸漬して湯洗する(30秒〜2分間程度)。この湯洗槽には、水溶性フェノール樹脂を2〜10g/リットルの範囲内で添加させておき、上記湯洗の工程で、上記リン酸亜鉛皮膜Aの表面に、水溶性フェノール樹脂層B(厚みは分子レベル)を形成する。つぎに、これら内筒金具2および外筒金具3を湯洗槽から取り出し、乾燥焼付および予備加熱として加熱処理を実施する(50〜70℃×5〜15分間程度)。その状態で、上記水溶性フェノール樹脂層Bの表面に、水系プライマーをスプレー等により塗布し、その後、乾燥させ(50〜70℃×5〜15分間程度)、水系プライマー層C(厚み5〜20μm程度)を形成する。つぎに、この水系プライマー層Cの表面に、水系カバーセメントをスプレー等により塗布し、その後、乾燥させ(50〜70℃×5〜15分間程度)、水系カバーセメント層D(厚み5〜20μm程度)を形成する。そして、これら内筒金具2および外筒金具3を成形用金型内に同軸的に配設し、内筒金具2と外筒金具3と金型とで囲まれる成形空間内に、上記防振ゴム1形成用の未加硫ゴムを充填し、その後、加硫する(140〜200℃×5〜60分間程度)。このようにして、上記円筒状ブッシュを作製することができる。
このようにして得られた円筒状ブッシュは、内筒金具2および外筒金具3と防振ゴム1との一体形成に、水系接着剤を使用しているが、リン酸亜鉛皮膜(化成皮膜)Aの表面に水溶性フェノール樹脂層Bを形成することにより、内筒金具2および外筒金具3と防振ゴム1との界面において、内筒金具2および外筒金具3の腐食を防止することができる。この理由は、明らかではないが、リン酸亜鉛皮膜Aに水溶性フェノール樹脂層Bを介して水系接着剤層を形成した場合(本発明)と、リン酸亜鉛皮膜Aに直接(水溶性フェノール樹脂層Bを介すことなく)水系接着剤層を形成した場合とを比較すると、前者の場合(本発明)は、水溶性フェノール樹脂により、上記腐食の原因として考えられる空隙や水分を減少させる効果を奏するものと考えられる。なお、内筒金具2または外筒金具3のいずれかが設けられていない場合(防振ゴム1が内筒金具2と外筒金具3とで挟持されていない場合)でも、上記と同様の作用・効果を奏する。
つぎに、上記製法において用いられる防振ゴム1,内筒金具2および外筒金具3の形成材料、ならびにリン酸亜鉛液,水溶性フェノール樹脂,水系プライマーおよび水系カバーセメントの材料等について説明する。
上記防振ゴム1の形成材料としては、通常、下記の材料が用いられる。例えば、天然ゴム(NR),ブタジエンゴム(BR),スチレンブタジエンゴム(SBR),イソプレンゴム(IR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),カルボキシル変性NBR,クロロプレンゴム(CR),エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM),マレイン酸変性EPM,ブチルゴム(IIR),ハロゲン化IIR,クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),フッ素ゴム(FKM),アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、必要性能に応じて、上記材料に、カーボンブラック等の補強剤,加硫剤,加硫促進剤,滑剤,助剤,可塑剤,老化防止剤等が適宜に添加される。
上記内筒金具2および外筒金具3の金属材料は、特に限定されないが、鉄,ステンレス,アルミニウム等があげられる。
上記リン酸亜鉛皮膜Aを形成するために用いるリン酸亜鉛液は、リン酸第1亜鉛と亜硝酸塩等の酸化剤とを含むpH2〜3の水溶液である。このリン酸亜鉛液におけるリン酸亜鉛の濃度は、通常、10〜20重量%の範囲内に設定される。
上記水溶性フェノール樹脂層Bを形成するために用いる水溶性フェノール樹脂は、アルデヒド類とフェノール類とをアルカリ性で反応させることにより得られる。アルデヒド類とフェノール類の反応モル比(アルデヒド類/フェノール類)は、上記円筒状ブッシュ等の金具付きゴム部材の使用環境に応じて、内筒金具2および外筒金具3等の金具の腐食を防止するよう、適宜設定される。上記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,トリオキサン,アセトアルデヒド,ベンズアルデヒド等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記フェノール類としては、例えば、フェノール,クレゾール,キシレノール,レゾルシノール等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、反応系をアルカリ性にするアルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウム,水酸化バリウム,アンモニア,各種アミン類等があげられる。なお、上記水溶性フェノール樹脂は、市販品として入手することも可能である。
上記水系接着剤層(水系プライマー層Cおよび水系カバーセメント層D)を形成するために用いる水系接着剤は、特に限定されないが、有機溶剤の少ない水性エマルジョン接着剤が好ましい。一液型でも二液型のいずれでもよい。水性エマルジョン接着剤は、界面活性剤を用いて高分子成分を乳化させてなる接着剤である。ゴム−金属の接着においては、高分子成分としてハロゲン化エラストマー,フェノール樹脂,エポキシ樹脂等を含む接着剤が特に有用である。ハロゲン化エラストマーの例としては塩化ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,臭素化塩素化ポリブタジエン等があげられる。フェノール樹脂としては、ノボラック型,レゾール型,各種の変性フェノール樹脂が含まれる。高分子成分は、通常、接着剤中の基本成分の10〜70重量%である。10重量%未満であると十分な接着効果が得られない。70重量%を超えて用いても他の成分との協働による十分な作用が得られない。なお、ここで基本成分とは、水やセロソルブ等の溶媒成分を除く固形分の全体を意味している。
接着剤は各種の充填剤,増粘剤,架橋剤,その他の添加剤,副成分を含むことができる。充填剤の例としては、炭酸カルシウム,ジークライト,シリカ,カオリンクレー,硫酸バリウム等があげられる。増粘剤の例としては、ポリアクリル酸,シリカ,ベントナイト等があげられる。架橋剤の例としては、多価金属塩,ポリイソシアナート化合物,ポリエポキシ化合物,ポリアミド化合物,ニトロソ化合物等があげられる。副成分の例としては、酸化チタン,酸化鉛,酸化亜鉛等の金属酸化物、カーボンブラック、ポリイミド化合物、イソシアナート等が挙げられる。
固体含有量は、通常、約10〜70重量%、好ましくは約30〜50重量%である。10重量%未満であると接着剤塗布時に液だれが生じたり、充分な厚みが得られない。あるいは充分な接着効果が得られず、接着剤の乾燥にも長時間を要することになる。70重量%を超えるとエマルジョンとして安定しない。なお、このような接着剤は市販品を用いることができる。例えば、ロード・コーポレーション社やローム・アンド・ハース社等より販売されているケムロック8007,シクソンAP11を含むプライマーあるいはケムロック8560S,シクソン5100を含むカバーコート、PCT/US92/10248に記載されているクロロスルホン化ポリエチレンを基材とする水性接着剤等があげられる。
なお、上記実施の形態では、化成皮膜として、リン酸亜鉛皮膜Aを形成したが、これに限定されるものではなく、化成皮膜は、リン酸亜鉛カルシウム,リン酸マンガン,リン酸鉄,リン酸スズ等でもよい。
また、上記実施の形態では、水系接着剤層として、水系プライマー層Cと水系カバーセメント層Dとからなる2層を形成したが、1層でもよく、この場合は、水系接着剤として、ケムロック8560S(ロード・コーポレーション社製)等が用いられる。
そして、本発明の金具付きゴム部材は、上記円筒状ブッシュの他に、自動車や輸送機器(飛行機,フォークリフト,ショベルカー,クレーン等の産業用輸送車両、鉄道車両等)等に用いられる、円筒状以外の形状のブッシュ,エンジンマウント,モータマウント等、または産業機械等の様々な機械に用いられる防振部材等として好適に用いられる。すなわち、金具の形状は、円筒状に限定されず、平板状,波形状等、各種の形状がある。これらの形状のものでは、上下の金具の間にゴム材を挟んだサンドイッチ形状が常用されるが、上下のいずれかだけに金具が設けられてもよい。
つぎに、実施例について比較例および従来例と併せて説明する。
下記のように、リン酸亜鉛液,水溶性フェノール樹脂,水系プライマー,水系カバーセメント,未加硫ゴム等を準備し、図3に示す試験サンプルを作製した。このものは、一対の鉄製円板(直径35.7mm)12の間に、円柱状の防振ゴム(厚み15mm)11を、同軸的に一体形成し、さらに、上記各鉄製円板12の中心にボルト13を立設させたものである。
〔リン酸亜鉛液〕
化成皮膜の主剤としてケミボンダー5020(日本シー・ビー・ケミカル社製)を60g/リットル、中和剤としてニュートラレン1111(日本シー・ビー・ケミカル社製)を1.1g/リットル、促進剤としてアクセレン101(日本シー・ビー・ケミカル社製)を1.1g/リットル混合することにより、リン酸亜鉛液を調製した。
〔水溶性フェノール樹脂〕
LN−P114(日本パーカライジング社製)を準備し、化成皮膜形成後に浸漬する湯洗槽に、6g/リットル添加した。
〔水系プライマー〕
ケムロック8007(ロード・コーポレーション社製)を準備した。
〔水系カバーセメント〕
ケムロック8560S(ロード・コーポレーション社製)を準備した。
〔未加硫ゴム〕
天然ゴム100重量部に対して、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35重量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5重量部、ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2重量部、加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7重量部、硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2重量部をニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、防振ゴム11形成用の未加硫ゴムを調製した。
〔試験サンプルの作製〕
まず、上記ボルト13が立設された鉄製円板12を2枚準備し、各鉄製円板12のうちボルト13が立設されていない側の面をショットブラスト処理し粗面化した後〔十点平均粗さ(Rz)20μm〕、上記リン酸亜鉛液(45℃)に浸漬し(4分間)、リン酸亜鉛皮膜(皮膜重量2.5g/m2 )を形成した。つぎに、上記鉄製円板12をリン酸亜鉛液から取り出し、水洗槽で清水にて濯いだ後、上記水溶性フェノール樹脂が添加された湯洗槽(80℃)に浸漬して湯洗(1分間)した。この湯洗の際に、上記リン酸亜鉛皮膜の表面に、水溶性フェノール樹脂層(厚みは分子レベル)を形成した。つぎに、上記鉄製円板12を湯洗槽から取り出し、乾燥焼付および予備加熱として加熱処理を実施した(60℃×10分間)。その状態で、上記水溶性フェノール樹脂層の表面に、上記水系プライマーをスプレーにより塗布し、その後、乾燥させ(60℃×10分間)、水系プライマー層(厚み10μm)を形成した。つぎに、この水系プライマー層の表面に、上記水系カバーセメントをスプレーにより塗布し、その後、乾燥させ(60℃×10分間)、水系カバーセメント層(厚み10μm)を形成した。そして、成形用金型を用いて、上記鉄製円板12の間の成形空間内に、上記防振ゴム11形成用の未加硫ゴムを充填し、加硫した(160℃×8分間)。このようにして、図3に示す試験サンプルを作製した。なお、上記十点平均粗さ(Rz)は、表面粗さ計(東京精密社製、サーフコム1400D)を用いて測定した。また、各層の厚みは、試験サンプルを切断し、その切断面を電子顕微鏡で見て任意の10個所で測定し、その平均値をとった。
〔比較例1〕
上記実施例1において、水溶性フェノール樹脂層を形成しなかった。それ以外は、上記実施例1と同様とした。
〔従来例1〕
上記比較例1において、下記の溶剤系プライマーを用いて、水系プライマー層に代えて溶剤系プライマー層を形成し、さらに、下記の溶剤系カバーセメントを用いて、水系カバーセメント層に代えて溶剤系カバーセメント層を形成した。それ以外は、上記比較例1と同様とした。
〔溶剤系プライマー〕
ケムロック205(ロード・コーポレーション社製)を準備した。
〔溶剤系カバーセメント〕
ケムロック6108(ロード・コーポレーション社製)を準備した。
〔塩水噴霧試験〕
このようにして得られた実施例1,比較例1,従来例1の各試験サンプルに対して、塩水噴霧試験を行った。この塩水噴霧試験は、つぎのようにして行った。すなわち、防振ゴム11を同軸方向に25%伸長させた状態(矢印X方向に引っ張った状態)で、温度35℃、湿度95%RHの雰囲気環境下において、各試験サンプルに対して、濃度5%の塩化ナトリウム水溶液を連続して噴霧した。この噴霧は、鉄製円板12と防振ゴム11とが剥離するまで行った。そして、試験開始からその剥離が発生するまでの時間を測定した。その結果を、後記の表1に併せて示した。
Figure 2006275257
上記結果から、実施例1の試験サンプルは、比較例1の試験サンプル(水溶性フェノール樹脂層を形成しないもの)よりも、耐腐食接着性に優れ、従来例1の試験サンプル(溶剤系接着剤を使用したもの)に近い耐腐食接着性を奏することがわかる。
本発明の金具付きゴム部材の一実施の形態である円筒状ブッシュを示す断面図である。 上記円筒状ブッシュの要部を示す拡大断面図である。 塩水噴霧試験に用いた試験サンプルを示す正面図である。
符号の説明
1 防振ゴム
2 内筒金具
A リン酸亜鉛皮膜
B 水溶性フェノール樹脂層
C 水系プライマー層
D 水系カバーセメント層

Claims (4)

  1. 金具とゴム材とが金具上の化成皮膜層および接着剤層を介して一体に形成された金具付きゴム部材であって、上記化成皮膜層の表面に、水溶性フェノール樹脂層が接して形成され、この水溶性フェノール樹脂層の表面に、水系接着剤層が接して形成されていることを特徴とする金具付きゴム部材。
  2. 上記水系接着剤層が2層からなり、この2層が、上記水溶性フェノール樹脂層の表面に接して形成される水系プライマー層と、この水系プライマー層の表面に接して形成される水系カバーセメント層とである請求項1記載の金具付きゴム部材。
  3. 上記請求項1または2記載の金具付きゴム部材の製法であって、金具とゴム材との一体形成に先立って、上記金具の表面に化成皮膜層を接して形成した後、この化成皮膜層の表面に水溶性フェノール樹脂層を接して形成する工程と、この水溶性フェノール樹脂層の表面に水系接着剤層を接して形成する工程とを備えていることを特徴とする金具付きゴム部材の製法。
  4. 請求項3記載の金具付きゴム部材の製法において、水系接着剤層を形成する工程が2工程からなり、この2工程が、水溶性フェノール樹脂層の表面に水系プライマー層を接して形成する工程と、この水系プライマー層の表面に水系カバーセメント層を接して形成する工程とである金具付きゴム部材の製法。
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