JP7049732B1 - マスチック接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウムを含む金属製のパネルに対する接着性を高めることを可能にしたマスチック接着剤組成物を提供する。【解決手段】車両に用いられるマスチック接着剤組成物は、固形ゴム及び液状ゴムを含有する。液状ゴムは、液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、及び無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムを含む。液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、120質量部以上である。無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、20質量部以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、車両に用いられるマスチック接着剤組成物に関する。
従来、車両の構成部材である外側パネルと、外側パネルの内側に配置される内側パネルとを接着する車両用のマスチック接着剤が知られている(特許文献1)。このマスチック接着剤は、車両のパネル間の緩衝材としても機能する。
特開2010-143956号公報
上記のようなマスチック接着剤により接着される車両のパネルとして、アルミニウムを含む金属製のパネルが用いられる場合がある。このようなパネルに対してマスチック接着剤の接着性を高めることは、マスチック接着剤の性能を維持するという観点で重要である。
そこで、本発明の目的は、アルミニウムを含む金属製のパネルに対する接着性を高めることを可能にしたマスチック接着剤組成物を提供することにある。
上記課題を解決するマスチック接着剤組成物は、車両に用いられるマスチック接着剤組成物であって、固形ゴム及び液状ゴムを含有し、前記液状ゴムは、液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、及び無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムを含み、前記液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、120質量部以上であり、前記無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、20質量部以上である。
上記マスチック接着剤組成物において、前記液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、260質量部以下であり、
前記無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましい。
本発明は、アルミニウムを含む金属製のパネルに対する接着性を高めることが可能となる効果を発揮する。
図1は、耐衝撃性の測定方法を説明する説明図である。 図2は、図1の2-2線に沿った断面図である。
以下、マスチック接着剤組成物の実施形態について説明する。
車両に用いられるマスチック接着剤組成物は、固形ゴム及び液状ゴムを含有する。マスチック接着剤組成物には、必要に応じて、架橋剤、架橋促進剤、発泡剤、可塑剤、充填材等を含有させることができる。
<固形ゴム>
固形ゴムは、22℃においてエラストマー弾性を有するゴムである。固形ゴムとしては、例えば、架橋型合成ゴム、及び未架橋型合成ゴムが挙げられる。架橋型合成ゴムとしては、天然ゴム(NR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)等が挙げられる。未架橋型合成ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等が挙げられる。固形ゴムは、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、固形ゴムは、架橋型合成ゴム及び未架橋型合成ゴムのいずれか一方を用いてもよいし、架橋型合成ゴムと未架橋型合成ゴムとを組み合わせて用いてもよい。
<液状ゴム>
液状ゴムは、22℃において液体又はペーストのゴムである。液状ゴムは、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(L-SBR)、及び無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴム(無水マレイン酸変性L-BR)を含む。
マスチック接着剤組成物中における液状スチレン・ブタジエンゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、120質量部以上である。マスチック接着剤組成物中における無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、20質量部以上である。
マスチック接着剤組成物中における液状スチレン・ブタジエンゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、260質量部以下であることが好ましい。
マスチック接着剤組成物中における無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましい。
マスチック接着剤組成物中における液状スチレン・ブタジエンゴムの含有量は、マスチック接着剤組成物の全体を100質量%とした場合、例えば、7.0質量%以上であることが好ましく、より好ましくは、7.2質量%以上である。
マスチック接着剤組成物中における液状スチレン・ブタジエンゴムの含有量は、マスチック接着剤組成物の全体を100質量%とした場合、例えば、16.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、15.6質量%以下である。
液状ゴムは、上記液状ゴム以外の液状ゴムを含んでもよい。上記液状ゴム以外の液状ゴムとしては、例えば、液状ブタジエンゴム(L-BR)、液状イソプレンゴム(L-IR)、液状ニトリルゴム(L-NBR)、液状ブチルゴム(L-IIR)、カルボキシル基末端ブタジエンニトリルゴム(CTBN)等が挙げられる。上記液状ゴム以外の液状ゴムは、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
液状ゴムは、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを第1の液状ゴムとし、無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムを第2の液状ゴムとした場合、第3の液状ゴムをさらに含むことが好ましい。第3の液状ゴムは、液状ブタジエンゴム(L-BR)、液状イソプレンゴム(L-IR)、及び液状ブチルゴム(L-IIR)の少なくとも一種である。この場合、マスチック接着剤組成物が硬化してなる硬化層の耐衝撃性を高めることができる。
第3の液状ゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、25質量部以上であることが好ましい。第3の液状ゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましい。
<架橋剤及び架橋促進剤>
架橋剤としては、例えば、p,p´-ジベンゾイルキノンジオキシム、ポリブテン、p-キノンジオキシム、硫黄、4,4´-ジチオジモルホリン、安息香酸アンモニウム、N,N´-m-フェニレンジマレイミド等が挙げられる。架橋剤は、ジクミルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド等の過酸化物であってもよい。
架橋促進剤としては、例えば、チアゾール系化合物、アルデヒドアンモニア系化合物、チオウレア系化合物、グアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバミン酸塩系化合物等が挙げられる。
チアゾール系化合物としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾリルジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾール金属塩、2-メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
アルデヒドアンモニア系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
チオウレア系化合物としては、例えば、N,N´-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素等が挙げられる。
グアニジン系化合物としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、2-(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
スルフェンアミド系化合物としては、例えば、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレンベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド等が挙げられる。
チウラム系化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩系化合物としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。
マスチック接着剤組成物中における架橋剤及び架橋促進剤の合計の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、150質量部以上である。マスチック接着剤組成物中における架橋剤及び架橋促進剤の合計の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、250質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、200質量部以下である。
<発泡剤>
発泡剤としては、例えば、熱分解型有機系発泡剤、及び物理系発泡剤が挙げられる。熱分解型有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4´-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。物理系発泡剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン等の低沸点炭化水素を熱可塑性樹脂からなるシェル内に内包した熱膨張性マイクロカプセルが挙げられる。発泡剤は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。発泡剤は、マスチック接着剤の伸び性を向上させるという観点から、ジニトロソペンタメチレンテトラミンを含むことが好ましい。
マスチック接着剤組成物中における発泡剤の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、0.25質量部以上であり、さらに好ましくは、0.75質量部以上である。発泡剤を増量すると、マスチック接着剤組成物の硬化に伴う凝集力が抑えられることで、マスチック接着剤と車両のパネルとの界面破壊を抑えることができる。
マスチック接着剤組成物中における発泡剤の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、2質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、1.5質量部以下であり、さらに好ましくは、1.25質量部以下である。発泡剤を減量すると、マスチック接着剤組成物から得られた硬化層のせん断強度を向上させることができる。
<可塑剤>
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸エステル類、安息香酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、炭化水素油、鉱油等が挙げられる。可塑剤は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
マスチック接着剤組成物中における可塑剤の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、400質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、450質量部以上であり、さらに好ましくは、500質量部以上である。可塑剤を増量すると、マスチック接着剤組成物を塗布する塗布装置から吐出させ易くなる。
マスチック接着剤組成物中における可塑剤の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、700質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、650質量部以下であり、さらに好ましくは、600質量部以下である。可塑剤を減量すると、マスチック接着剤組成物を塗布してなる塗布層の垂れの発生を抑えることができる。
<充填材>
充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、メタケイ酸カルルシウム、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ、セピオライト、アルミナ、シリカ粉末、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。充填剤は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
マスチック接着剤組成物中における充填材の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、400質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、450質量部以上であり、さらに好ましくは、500質量部以上である。充填材を増量すると、マスチック接着剤組成物を塗布してなる塗布層の垂れの発生を抑えることができる。
マスチック接着剤組成物中における充填材の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、700質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、650質量部以下であり、さらに好ましくは、600質量部以下である。充填材を減量すると、マスチック接着剤組成物を塗布してなる塗布層の加熱時の伸びを向上させることができる。
充填剤は、マイカ、タルク、メタケイ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、マスチック接着剤組成物を塗布したときの糸切れ性を高めることが可能となる。
マスチック接着剤組成物中における第1の充填材の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、300質量部以上、600質量部以下の範囲内であることが好ましい。マスチック接着剤組成物中における第2の充填材の含有量は、固形ゴム100質量部に対して、50質量部以上、200質量部以下の範囲内であることが好ましい。
<マスチック接着剤組成物の製造方法及び施工方法>
マスチック接着剤組成物は、上述した原材料をニーダールーダー、プラネタリーミキサー、トリミックス等の混合機を用いて混合することで製造することができる。
マスチック接着剤組成物を用いて接着構造を形成するには、まず車両の構成部材である第1のパネルにマスチック接着剤組成物を塗布する。マスチック接着剤組成物を塗布する塗布装置としては、例えば、スプレー、塗布ガン等を用いることができる。次に、第1のパネルに重ね合わせるように第2のパネルを配置し、第1のパネルと第2のパネルとを組み付ける。第1のパネルとしては、例えば、ドアパネル、トランクリッド、ルーフパネル、フロントフードパネル等が挙げられる。第2のパネルとしては、例えば、第1のパネルを補強する補強用パネルが挙げられる。第1パネルと第2パネルとしては、アルミニウムを含む金属製のパネルが用いられる。パネルの金属は、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金であることが好ましい。
次に、第1のパネルと第2のパネルとの間にマスチック接着剤組成物を配置した構造を有する車両について、洗浄処理工程、電着塗装工程、焼き付け工程を順に行う。ここで、焼き付け工程は、加熱炉を用いて電着塗装の塗膜を焼き付ける工程である。この焼き付け工程を利用して、マスチック接着剤組成物を加熱硬化させることで、マスチック接着剤を有する接着構造を得ることができる。焼き付け工程における加熱温度は、例えば、150℃以上、220℃以下の範囲内であり、加熱時間は、例えば、5分以上、40分以下の範囲内である。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)車両に用いられるマスチック接着剤組成物は、固形ゴム及び液状ゴムを含有する。液状ゴムは、液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、及び無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムを含む。液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、120質量部以上である。無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、20質量部以上である。
この構成によれば、アルミニウムを含む金属製のパネルに対する接着性を高めることを可能となる。
(2)液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、260質量部以下であることが好ましい。また、無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、固形ゴム100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましい。この場合、マスチック接着剤組成物の塗布性を高めることができる。
次に、実施例及び比較例について説明する。
(実施例1-1~1-8、及び比較例1-1)
表1に示す原材料を、混合機を用いて混合することで、実施例1-1~1-8及び比較例1-1のマスチック接着剤組成物のサンプルを調製した。表1中の原材料の配合量を示す数値の単位は、質量部である。
表1中の固形ゴムの“A1”は、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(日本ゼオン株式会社製、商品名:Nipol DN401)である。表1中の液状ゴムの“B1”は、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(クレイバレー社製、商品名:Ricon100)であり、液状ゴムの“B2”は、無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴム(Synthomer製、商品名:Lithene ultra AL-15MA)である。
表1中の架橋剤は、ポリブテン及びp-キノンジオキシム(大内新興化学工業株式会社製、商品名:バルノックGM-P)であり、架橋促進剤は、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(大内新興化学工業株式会社製、商品名:ノクセラーCZ)である。
表1中の発泡剤は、4,4´-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(永和化成工業株式会社製、商品名:ネオセルボンN#1000S)である。
表1中の可塑剤は、鉱油(日本サン石油株式会社製、商品名:SUNPAR150)である。表1中、充填材は、炭酸カルシウム(清水工業株式会社製、商品名:LW-350)である。
実施例1-1~1-8、及び比較例1-1では、液状ゴム“B1”の配合量を変更した。
(接着性の評価)
上記各実施例及び各比較例のマスチック接着剤組成物のサンプルについて、アルミニウムに対する接着性を次のように測定した。まず、2枚の油面アルミニウム板の間にサンプルを挟み込むことで積層体を作製した。油面アルミニウム板は、防食性を向上させる目的で金属表面に油性塗料を塗布したアルミニウム板であり、長さ寸法が100mmであり、幅寸法が20mmであり、厚さ寸法が1mmである。また、2枚の油面アルミニウム板の間隔は、1mmとなるようにスペーサを用いて設定した。次に、乾燥炉を用いて積層体を170℃、30分の条件で加熱することで、サンプルを硬化させた。
続いて、引張試験機を用いて2枚の油面アルミニウム板を50mm/minの条件で引っ張ることで、2枚の油面アルミニウム板を引き剥がした。2枚の油面アルミニウム板のサンプルが破断した状態を観察し、以下の判定基準で接着性を評価した。接着性の評価結果を表1に示す。
界面破壊がほとんど確認されない(4点)。
界面破壊が確認されるが、界面破壊の面積よりも凝集破壊の面積が大きい(3点)。
界面破壊の面積が凝集破壊の面積よりも大きい(2点)。
凝集破壊がほとんど確認されない(1点)。
(塗布性の評価)
上記各実施例及び各比較例のマスチック接着剤組成物のサンプルを油面鋼板に塗布した。サンプルの塗布には、直径3mmのノズルをセットしたカートリッジを用いた。このときのサンプルの塗布し易さと、塗布されたサンプルの形状保持性とから以下の判定基準で塗布性を評価した。塗布性の評価結果を表1に示す。
サンプルを適度な力で塗布することができ、かつ塗布されたサンプルの形状が概ね保持される(2点)。
サンプルを塗布する際にある程度の力が必要である、又は塗布されたサンプルの形状が保持され難い(1点)。
Figure 0007049732000001
表1に示すように、実施例1-1~1-8では、接着性の評価結果が3点以上であった。これに対して、液状ゴムの“B1”が配合されていない比較例1-1では、接着性の評価が1点であった。また、実施例1-1~1-7では、塗布性について実施例1-8よりも優れる結果が得られた。
(実施例2-1~2-8、及び比較例2-1)
表2に示すように、実施例2-1~2-8、及び比較例2-1では、液状ゴム“B2”の配合量を変更した以外は、実施例1-4と同様にマスチック接着剤組成物を調製した。接着性及び塗布性の評価結果を表2に示す。
Figure 0007049732000002
表2に示すように、実施例2-1~2-8では、接着性の評価結果が3点以上であった。これに対して、液状ゴムの“B2”が配合されていない比較例2-1では、接着性の評価が1点であった。また、実施例2-1~2-7では、塗布性について実施例2-8よりも優れる結果が得られた。
(実施例3-1~3-8)
実施例3-1~3-8では、実施例2-4の配合において、さらに表3に示すように、液状ゴムの“B3”である液状イソプレンゴム(株式会社クラレ製、商品名:LIR-390)を配合することで、マスチック接着剤組成物を調製した。表3中の合計は、マスチック接着剤組成物の各成分の合計の配合量を示す。実施例3-1~3-8のマスチック接着剤組成物のサンプルの接着性及び塗布性の評価結果を表3に示す。
(耐衝撃性の評価)
上記実施例3-1~3-8のマスチック接着剤組成物のサンプルについて、耐衝撃性を次のように評価した。図1及び図2に示すように、サンプルを用いて2枚の油面アルミニウム板P1,P1を接着した試験片11を作製した。油面アルミニウム板P1の長さ寸法は、60mmであり、幅寸法は、25mmであり、厚さ寸法は、1.6mmである。まず、油面アルミニウム板P1にサンプルを塗布した。サンプルの寸法は、直径15mmの円形であり、厚さは4mmである。次に、サンプルの塗布層が設けられた油面アルミニウム板P1に対して、十字に交差するように油面アルミニウム板P1を配置し、2枚の油面アルミニウム板P1,P1の間にスペーサを配置するとともにサンプルの塗布層を挟み込むことで、積層体を得た。続いて、乾燥炉を用いて積層体を、170℃、30分の条件で加熱することで、サンプルを硬化させた。これにより、硬化層L1により2枚の油面アルミニウム板P1,P1が接着された試験片11を得た。硬化層L1は、直径寸法が22mmの円形であり、硬化層L1の厚さ寸法は、3mmである。
次に、恒温槽を用いて-30℃まで試験片11を冷却した。次に、デュポン式衝撃試験機を用いて-30℃の試験片11に衝撃を加える衝撃試験を行った。この衝撃試験では、130gの重りを20mmの高さから落下させることで、打ち型を介して図1に白抜き矢印で示す位置に衝撃を加える。撃芯の半径は、6.25mmである。このような衝撃を繰り返し行い、以下の判定基準で耐衝撃性を評価した。耐衝撃性の評価結果を表3に示す。
4回の衝撃でも剥がれない(3点)。
3回以上、4回以下の衝撃で剥がれる(2点)。
2回以下の衝撃で剥がれる(1点)。
Figure 0007049732000003
表3に示すように、実施例3-1~3-8では、耐衝撃性の評価結果が2点以上であった。これに対して、液状ゴムの“B3”が配合されていない実施例2-4では、耐衝撃性の評価が1点であった。
実施例3-1~3-8において、液状ゴムの“B3”である液状イソプレンゴムを、液状ブタジエンゴム(クレイバレー社製、商品名:Ricon130)に変更しても、実施例3-1~3-8と同様の評価結果が得られた。また、実施例3-1~3-8において、液状ゴムの“B3”である液状イソプレンゴムを、液状ブチルゴム(ロイヤルエラストマー社製、商品名:カレン800)に変更しても、実施例3-1~3-8と同様の評価結果が得られた。
(実施例4-1)
実施例4-1~4-9では、充填材の配合を表4に示すように変更した以外は、実施例3-4と同様にマスチック接着剤組成物を調製した。表4中の充填材の“C1”は、マイカ(株式会社レプコ製、商品名:マイカM-325)であり、“C2”は、炭酸カルシウム(清水工業株式会社製、商品名:LW-350)である。表4中の合計は、マスチック接着剤組成物の各成分の合計の配合量を示す。実施例4-1~4-8のマスチック接着剤組成物のサンプルの接着性及び塗布性の評価結果を表4に示す。
(糸切れ性)
上記実施例4-1~4-9のマスチック接着剤組成物のサンプルについて、糸切れ性を次のように評価した。長さ寸法が150mmであり、幅寸法が70mmであり、厚さ寸法が0.8mmの油面鋼板を準備した。この油面鋼板に直径3mmのノズルをセットしたカートリッジを用いてサンプルを高さ5mmからボタン状に塗布した。サンプルを約3g塗布した後、ノズルを18cm/sの速度で鉛直に引き上げた。ノズルを引き上げる際にサンプルが切れるまでのノズルの移動距離を測定し、以下の判定基準で糸切れ性を評価した。糸切れ性の評価結果を表4に示す。
ノズルの移動距離が80mm以下である(3点)。
ノズルの移動距離が81mm以上、90mm以下である(2点)。
ノズルの移動距離が91mm以上である(1点)。
Figure 0007049732000004
表4に示すように、実施例4-1~4-8では、糸切れ性の評価結果が2点以上であった。これに対して、充填材の“C1”が配合されていない実施例4-9では、糸切れ性の評価が1点であった。
実施例4-1~4-8において、充填材の“C1”であるマイカを、タルク(ソブエクレー株式会社製、商品名:タルクCS)に変更しても、実施例4-1~4-8と同様の評価結果が得られた。また、実施例4-1~4-8において、充填材の“C1”であるマイカを、メタケイ酸カルシウム(NYCO Minerals社製、商品名:NYAD G)に変更しても、実施例4-1~4-8と同様の評価結果が得られた。また、実施例4-1~4-8において、充填材の“C1”であるマイカを、硫酸マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社製、商品名:モスハイジ)に変更しても、実施例4-1~4-8と同様の評価結果が得られた。
実施例4-1~4-8において、充填材の“C2”である炭酸カルシウムを省略した場合であっても、同様の評価結果が得られた。実施例4-1~4-8において、上記のように充填材の“C1”であるマイカをタルク、メタケイ酸カルシウム、又は硫酸マグネシウムに変更し、充填材の“C2”である炭酸カルシウムを省略した場合であっても、同様の評価結果が得られた。

Claims (2)

  1. 車両に用いられるマスチック接着剤組成物であって、
    固形ゴム及び液状ゴムを含有し、
    前記液状ゴムは、液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、及び無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムを含み、
    前記液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、120質量部以上であり、
    前記無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、20質量部以上である、マスチック接着剤組成物。
  2. 前記液状スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、260質量部以下であり、
    前記無水マレイン酸変性液状ブタジエンゴムの含有量は、前記固形ゴム100質量部に対して、70質量部以下である、請求項1に記載のマスチック接着剤組成物。
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