JP2014124806A - 防振部材の製法 - Google Patents

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Naoki Koyanazu
直樹 小柳津
Masayoshi Nakano
正義 中野
Junichiro Suzuki
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Abstract

【課題】耐久性に優れ、かつ製造作業性の簡略化を図ることのできる防振部材の製法を提供する。
【解決手段】下記(A)を主成分とし、これに下記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、(B)および(C)少なくとも一方が(A)の架橋剤3となりうる防振部材用ゴム製成形体1を形成する工程と、下記(a)を主成分とし、これに架橋剤3’となりうる下記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物6を調製する工程と、防振部材用ゴム製成形体に、ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂製成形体5を直接積層形成する工程と、積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋することにより成形体同士を接着する工程とを備えた防振部材の製法。(A)ゴム成分。(B)二重結合を有する化合物。(C)有機過酸化物[ただし、上記(B)を除く。]。(a)ポリアミド樹脂。(b)二重結合を有する化合物。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両用の防振部材(例えば、樹脂製トルクロッド、ブッシュ、エンジンマウント等)等に使用される防振部材の製法に関するものである。
従来から、自動車等の車両には、加速や減速時にエンジンや駆動輪の車軸等に発生する振動を抑制するために、トルクロッドなる防振部品が使用されている。このトルクロッドは、外筒および内筒とこれらの間に介在してなる、天然ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、ブチルゴム等の加硫ゴム弾性体とを両端に各1個ずつ有している。さらに、これら2つを連結する樹脂製の連結部を備えており、互いに直角をなすように配向され連結部にて連結されている。そして、各内筒が鉄やアルミニウム等からなる金属にて形成され、各外筒およびこれらを連結する連結部がポリアミド樹脂等の樹脂の一体成形品にて構成された樹脂製トルクロッドが使用されている(特許文献1参照)。
上記構造の樹脂製トルクロッドは、例えば、つぎのようにして製造される。すなわち、予め、2個の金属製の内筒の外周に大小2つの上記加硫ゴム弾性体を組み付けてなるゴム成形品を準備し、これらゴム成形品をトルクロッド本体の成形用キャビティを有する成形金型に設置して、キャビティ内に樹脂材料を注入して、トルクロッド本体(連結部を含む)を成形すると同時に、上記ゴム成形品をそれぞれトルクロッド本体に固着して一体化することにより製造される。この際、内筒と加硫ゴム弾性体、および、加硫ゴム弾性体と樹脂製の連結部を含む各構成部材間の接着性の向上を図る目的から、上記2個の金属製の内筒の外周面およびゴム成形品の外周面には、それぞれ有機溶剤系の接着剤を塗布して接着処理している。そして、金属製の内筒とゴム成形品は加硫時の熱により、接着剤の接着反応を生起させている。また、樹脂製連結部と加硫ゴム弾性体とは、上記キャビティ内に樹脂材料を注入してトルクロッド本体を成形する際に発生する成形熱によって接着剤の接着反応を生起させている。
特開2005−265122号公報
しかしながら、上記のような樹脂製トルクロッドの製造では、予め、2個の金属製の内筒の外周に上記大小2つの加硫ゴム弾性体を組み付けてなるゴム成形品を準備した後、これらをトルクロッド本体の成形用キャビティを有する成形金型に設置する際に、それぞれのゴム成形品の外周に、さらにトルエンやキシレン等の有機溶剤系の接着剤を塗布するという接着処理を経由しなければならず複雑かつ煩雑な製造作業工程を必要とするという問題がある。
また、上記構成の樹脂製トルクロッドでは、予め、上記大小2つの加硫ゴム弾性体を作製するが、上記加硫ゴム弾性体を作製する際に加熱加硫を行なう必要があり、製造工程の簡略化、さらには樹脂製のトルクロッド本体との接着性という観点から、ゴム特性(引張、静特性、動特性)に類似する特性を備えるという点に基づき、ゴム材料に代えて熱可塑性エラストマーを用いることも提案されている。しかしながら、上記熱可塑性エラストマーは、ゴムと樹脂との中間の性質を有するため、熱可塑性エラストマーを用いてなる防振部材は、従来の天然ゴム等のゴム材料を用いた防振部材に比べて、材料特性としては、(低い)モジュラス、耐環境性、へたり性等に劣り、製品性能としては耐久性に劣るという難点がある。このようなことから、優れたゴム特性を備えた樹脂製トルクロッドを煩雑な製造工程を経由せずとも製造することのできる方法の実現が強く要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐久性に優れ、かつ製造作業性の簡略化を図ることのできる防振部材の製法の提供をその目的とする。
本発明者らは、耐久性に優れた防振部材を、上述のような煩雑な製造作業工程を経由せずに製造することのできる製造方法を見出すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ゴム成分とともに、架橋剤として二重結合を有する化合物および有機過酸化物の少なくとも一方を含有するゴム組成物を用いると、その成形時において、ゴム成分の分子鎖が開裂して、架橋剤と反応することにより新たな結合(架橋)が形成され、耐久性が向上することを突き止めた。また、従来の架橋方法では、加硫残渣が物性に悪影響を及ぼすこととなるが、上記架橋剤を用いることにより、反応しなかったモノマー成分は可塑剤として機能し、さらにゴム成分の硫黄架橋と比較して耐熱性に優れるようになることをも突き止めた。しかも、上記架橋剤を用いて架橋を行なうため、製品中の水分の抱き込みが抑制され、そして、このようなゴム組成物からなる成形体と、上記と同様、架橋剤としての二重結合を有する化合物を含有するポリアミド樹脂組成物を用いてなる成形体とを接着層を介さず直接積層し、これに活性エネルギー線を照射して架橋することにより、従来のように接着層を介さずに上記両成形体を強固に接着させることが可能となることを見出し、本発明に到達した。
上記両成形体が接着層を介さず強固に接着される理由は、つぎのような機構を備えることに基づくものであると推測される。すなわち、上記活性エネルギー線照射により両成形体が架橋して、図1に示すように、成形体1(ゴム製成形体)では、成形体1中に配合された架橋剤[(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の少なくとも一方]3がゴム成分2同士を架橋する。一方、成形体5(ポリアミド樹脂製成形体)では、成形体5中に配合された架橋剤[(b)二重結合を有する化合物]3′がポリアミド樹脂6同士を架橋する。さらに、両成形体1,5の接着界面において、ゴム組成物からなる成形体1中のゴム成分2と、ポリアミド樹脂組成物からなる成形体5中のポリアミド樹脂6とを、両成形体1,5中の架橋剤3,3′が、成形体1,5の接着界面を跨がって結合するためと推測される。図1において、4は成形体1中に適宜配合され分散されてなるカーボンブラックである。
〈発明の要旨〉
本発明は、下記(A)を主成分とし、これに下記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、下記(B)および(C)少なくとも一方が下記(A)の架橋剤となりうる防振部材用ゴム組成物を用い防振部材用ゴム製成形体を形成する工程と、下記(a)を主成分とし、これに架橋剤となりうる下記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物を調製する工程と、上記防振部材用ゴム製成形体に、上記ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂製成形体を直接積層形成する工程と、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋することにより成形体同士を接着する工程とを備えた防振部材の製法を第1の要旨とする。
(A)ゴム成分。
(B)二重結合を有する化合物。
(C)有機過酸化物[ただし、上記(B)を除く。]。
(a)ポリアミド樹脂。
(b)二重結合を有する化合物。
また、本発明は、下記(a)を主成分とし、これに架橋剤となりうる下記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物を用いポリアミド樹脂製成形体を形成する工程と、下記(A)を主成分とし、これに下記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、下記(B)および(C)少なくとも一方が下記(A)の架橋剤となりうる防振部材用ゴム組成物を調製する工程と、上記ポリアミド樹脂製成形体に、上記防振部材用ゴム組成物からなるゴム製成形体を直接積層形成する工程と、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋することにより成形体同士を接着する工程とを備えた防振部材の製法を第2の要旨とする。
このように、本発明では、上記(A)を主成分とし、これに上記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、上記(B)および(C)の少なくとも一方が上記(A)の架橋剤となりうる防振部材用ゴム組成物を用いゴム製成形体を形成する工程と、上記(a)を主成分とし、これに架橋剤となりうる上記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物を調製する工程と、上記ゴム製成形体に、上記ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂製成形体を直接積層形成する工程と、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋することにより成形体同士を接着する工程とを備えた製法により防振部材を製造するものである。あるいは、上記(a)を主成分とし、これに架橋剤となりうる上記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物を用いポリアミド樹脂製成形体を形成する工程と、上記(A)を主成分とし、これに上記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、上記(B)および(C)の少なくとも一方が上記(A)の架橋剤となりうる防振部材用ゴム組成物を調製する工程と、上記ポリアミド樹脂製成形体に、上記防振部材用ゴム組成物からなるゴム製成形体を直接積層形成する工程と、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋することにより成形体同士を接着する工程とを備えた製法により防振部材を製造するものである。このため、接着層を介さずに上記両成形体を強固に接着することができ、しかもこのような接着性に優れた防振部材を煩雑な製造工程を経由することなく製造することができ、製造コストの大幅なコストダウンを実現することが可能となる。
上記(C)有機過酸化物が、ジクミルパーオキサイドであると、架橋が均一になり、耐熱性の向上効果を発揮できる。
上記(a)ポリアミド樹脂が、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6T(PA6T)またはポリアミド9T(PA9T)であると、一層優れた高温雰囲気下での特性の向上効果を発揮するようになる。
本発明の防振部材の製法により得られる防振部材の両成形体の接着界面を模式的に示す部分断面図である。 本発明の防振部材の製法により得られる防振部材の一例である樹脂製トルクロッドを示す斜視図である。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明に係る防振部材は、下記(A)を主成分とし、これに下記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、下記(B)および(C)の少なくとも一方が下記(A)の架橋剤となりうる防振部材用ゴム組成物を架橋してなるゴム部材と、下記(a)を主成分とし、これに架橋剤となりうる下記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物を架橋してなるポリアミド樹脂製部材とが、接着層を介さず直接接着されてなるものである。
(A)ゴム成分。
(B)二重結合を有する化合物。
(C)有機過酸化物[ただし、上記(B)を除く。]。
(a)ポリアミド樹脂。
(b)二重結合を有する化合物。
〈防振部材用ゴム組成物〉
上記ゴム部材形成材料となる防振部材用ゴム組成物は、上述のとおり、(A)ゴム成分を主成分とし、これに(B)二重結合を有する化合物、および、(C)有機過酸化物の少なくとも一方を含有してなるものである。なお、上記防振部材用ゴム組成物において、主成分とは、ゴム部材の特性に大きな影響を与える成分の意味であり、その成分の含有量は、通常、防振部材用ゴム組成物全体の50重量%以上である。
上記防振部材用ゴム組成物を構成する各成分について説明する。
《(A)ゴム成分》
上記(A)ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)や、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、塩素化ポリエチレン(CM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも、防振(減衰)特性や耐久性という観点から、天然ゴム(NR)単独、あるいは、天然ゴム(NR)と、ブタジエンゴム(BR)およびブチルゴム(IIR)の少なくとも一方との混合物が好ましく用いられる。
《(B)二重結合を有する化合物》
上記(B)二重結合を有する化合物は、いわゆる架橋剤(架橋助剤)としての作用を奏するものであり、例えば、アクリレート系多官能モノマー、液状ブタジエンゴム、液状ブチルゴム等があげられる。これらは単独でもしくは併せて用いられる。上記アクリレート系多官能モノマーとしては、例えば、ジアリルフタレート等の二官能モノマーや、トリアリルイソシアヌレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO(エチレンオキシド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等があげられる。上記各種アクリレート系多官能モノマーの中でも、汎用的で均一に架橋できるという点から、トリアリルイソシアヌレートが好ましく用いられる。また、上記液状ブタジエンゴムとしては、具体的には、液状ブタジエンホモポリマー、液状エポキシ変性ポリブタジエン、液状ブタジエン−スチレンランダムコポリマー、液状マレイン酸変性ポリブタジエン、末端水酸基変性液状ポリブタジエン等があげられ、単一材料および2種以上の混合物の粘度は、混練加工性から、0.2〜6.5Pa・s(25℃)の範囲であることが好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレートあるいはメタクリレートを意味する。
《(C)有機過酸化物》
上記(C)有機過酸化物は、上記(B)二重結合を有する化合物と同様、いわゆる架橋剤(架橋助剤)としての作用を奏するものであるが、上記(B)二重結合を有する化合物を除く化合物である。例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類や、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類や、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類や、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類や、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも、引火点が高く安全で、汎用性があるという点から、好ましくはジクミルパーオキサイドが用いられる。
そして、本発明における防振部材用ゴム組成物としては、(A)ゴム成分とともに、架橋剤としての作用を奏する(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の少なくとも一方が用いられるのであるが、特に好ましい態様としては、(A)ゴム成分とともに、架橋剤として(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物を併用する態様である。
上記(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の少なくとも一方の含有量に関して、配合の態様別に詳しく述べる。[1]上記(B)二重結合を有する化合物のみを用いる場合、上記(B)二重結合を有する化合物の含有量は、好ましくは上記(A)ゴム成分100重量部に対して1〜15重量部が好ましく、より好ましくは5〜10重量部である。[2]上記(C)有機過酸化物のみを用いる場合、上記(C)二重結合を有する化合物の含有量は、好ましくは上記(A)ゴム成分100重量部に対して0.5〜15重量部が好ましい。[3]上記(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物を併用する場合、上記(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の合計含有量は、好ましくは上記(A)ゴム成分100重量部に対して1.5〜20重量部が好ましく、より好ましくは5〜15重量部である。上記(B)二重結合を有する化合物の含有量、あるいは上記(C)有機過酸化物の含有量、または両者の合計含有量が少なすぎると、充分な架橋構造が形成されず、耐久性が低下する傾向がみられ、多すぎると、硬くなりすぎて引張特性等の物性が低下する傾向がみられる。
そして、本発明における防振部材用ゴム組成物には、上記(A)〜(C)以外に、通常、カーボンブラック、タルク、シリカ、クレー等の無機充填剤や、炭酸カルシウム等の充填剤が配合される。
上記無機充填剤の一例であるカーボンブラックとしては、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、上記カーボンブラックの平均粒径は、18〜122nmが好ましく、特に好ましくは20〜40nmである。
上記カーボンブラック等の無機充填剤の含有量は、上記(A)ゴム成分100重量部に対して15〜60重量部が好ましい。特に好ましくは25〜45重量部である。上記カーボンブラック等の無機充填剤の含有量が多すぎると、硬くなりすぎて、振動吸収性能が低下する傾向がみられ、含有量が少なすぎると、耐久性が劣る傾向がみられる。上記特に好ましい範囲とする場合、破断強度が高く、かつある程度の破断時伸びを有する材料を得ることができる。
さらに、本発明における防振部材用ゴム組成物には、上記(A)〜(C)、無機充填剤以外に、有機系充填剤[例えば、ポリプロピレン(PP)粒子、ポリエチレン(PE)粒子、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)粒子、ポリアミド(PA)粒子等]、ワックス等の可塑剤、粘着付与剤、老化防止剤、加工助剤、上記(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物以外の架橋剤(架橋助剤)等を必要に応じて適宜配合して用いることも可能である。これら他の添加剤は、本発明における効果を阻害しない範囲内にて適宜に配合される。
上記可塑剤の配合量は、例えば、上記(A)ゴム成分100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
上記加工助剤の配合量は、例えば、上記(A)ゴム成分100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。
上記防振部材用ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。まず、上記(A)ゴム成分と、(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の少なくとも一方とを、80℃〜180℃で5〜10分間混練することにより防振部材用ゴム組成物を調製する。
上記混練には、通常、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールを使用する。
〈ポリアミド樹脂組成物〉
つぎに、前記ポリアミド樹脂製部材形成材料となるポリアミド樹脂組成物について述べる。
上記ポリアミド樹脂組成物は、前述のとおり、(a)ポリアミド樹脂を主成分とし、これに(b)二重結合を有する化合物を含有してなるものである。なお、上記ポリアミド樹脂組成物において、主成分とは、ポリアミド樹脂製部材の特性に大きな影響を与える成分の意味であり、その成分の含有量は、通常、ポリアミド樹脂組成物全体の40重量%以上である。
上記ポリアミド樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
《(a)ポリアミド樹脂》
上記(a)ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9(PA9)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリアミド92(PA92)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド611(PA611)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド1112(PA1112)、これらのポリアミド原料を共重合させたコポリアミド等があげられる。これらのポリアミド樹脂は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも耐熱性という点から、PA66、PA6、PA6T、PA9Tを用いることが好ましく、特にPA66を用いることが好ましい。
《(b)二重結合を有する化合物》
上記(b)二重結合を有する化合物は、いわゆる架橋剤(架橋助剤)としての作用を奏するものであり、先に述べた防振部材用ゴム組成物における(B)二重結合を有する化合物と同様の化合物が用いられる。そして、前記防振部材用ゴム組成物にて架橋剤として使用する(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の少なくとも一方と、ポリアミド樹脂組成物にて架橋剤として使用する(b)二重結合を有する化合物の組み合わせにおいて、同じ化合物を使用してもよいし、互いに異なる化合物を使用してもよい。上記(b)二重結合を有する化合物としては、例えば、アクリレート系多官能モノマー、液状ブタジエンゴム、液状ブチルゴム等があげられる。これらは単独でもしくは併せて用いられる。上記アクリレート系多官能モノマーとしては、例えば、ジアリルフタレート等の二官能モノマーや、トリアリルイソシアヌレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO(エチレンオキシド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等があげられる。上記各種アクリレート系多官能モノマーの中でも、汎用的で均一に架橋できるという点から、トリアリルイソシアヌレートが好ましく用いられる。また、上記液状ブタジエンゴムとしては、具体的には、液状ブタジエンホモポリマー、液状エポキシ変性ポリブタジエン、液状ブタジエン−スチレンランダムコポリマー、液状マレイン酸変性ポリブタジエン、末端水酸基変性液状ポリブタジエン等があげられ、単一材料および2種以上の混合物の粘度は、混練加工性から、0.2〜6.5Pa・s(25℃)の範囲であることが好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレートあるいはメタクリレートを意味する。
上記(b)二重結合を有する化合物の含有量は、上記(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して10〜30重量部が好ましく、特に好ましくは10〜15重量部である。上記(b)二重結合を有する化合物の含有量が少なすぎると、充分な架橋構造が形成されず、耐久性が低下する傾向がみられ、多すぎると、硬くなりすぎて引張特性等の物性が低下する傾向がみられる。
そして、上記ポリアミド樹脂組成物には、上記(a)および(b)以外に、カーボン繊維、ガラス繊維等の補強材、無機充填剤(例えば、カーボンブラック、タルク、シリカ等)、有機系充填剤[例えば、ポリプロピレン(PP)粒子、ポリエチレン(PE)粒子、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)粒子、ポリアミド(PA)粒子等]、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、上記(b)以外の架橋剤(架橋助剤)等を適宜配合して用いることも可能である。これら他の添加剤は、本発明における効果を阻害しない範囲内にて適宜に配合される。
例えば、上記補強材の含有量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して50〜70重量部に設定することが好ましく、より好ましくは55〜60重量部である。
上記ポリアミド樹脂組成物は、例えば、ポリアミド樹脂としてPA66を使用する場合、つぎのようにして調製することができる。まず、上記(a)ポリアミド樹脂と、(b)二重結合を有する化合物とを、290〜310℃の温度条件にて3〜5分間混練した後、この混練物に他の添加剤、例えば、ガラス繊維等の補強材を混合することによりポリアミド樹脂組成物を調製する。
〈防振部材の製法〉
本発明に係る防振部材は、上記防振部材用ゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物を用いて、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、(A)ゴム成分を主成分とし、これに(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の少なくとも一方を含有する防振部材用ゴム組成物を調製した後、所定形状に成形してゴム組成物からなる未加硫状態のゴム製成形体を形成する。一方、(a)ポリアミド樹脂を主成分とし、これに(b)二重結合を有する化合物を含有するポリアミド樹脂組成物を調製する。そして、上記ゴム製成形体に、インジェクション成形等により上記ポリアミド樹脂組成物を用いてポリアミド樹脂製成形体を直接積層形成する。ついで、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋して成形体同士を接着することにより、防振部材を製造することができる。
あるいは、本発明の防振部材の他の製法として、上記防振部材用ゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物を用いて、例えば、防振部材をつぎのようにして製造することができる。すなわち、(a)ポリアミド樹脂を主成分とし、これに(b)二重結合を有する化合物を含有するポリアミド樹脂組成物を調製した後、所定形状に成形してポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂製成形体を形成する。一方、(A)ゴム成分を主成分とし、これに(B)二重結合を有する化合物および(C)有機過酸化物の少なくとも一方を含有する防振部材用ゴム組成物を調製する。そして、上記ポリアミド樹脂製成形体に、インジェクション成形等により上記防振部材用ゴム組成物を用いて未加硫状態のゴム製成形体を直接積層形成する。ついで、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋して成形体同士を接着することにより、防振部材を製造することができる。
上記両成形体に活性エネルギー線を照射するに際しては、活性エネルギー線として、X線,γ線等の電磁波、紫外線,赤外線等の光線の他、電子線、プロトン線、中性子線等を利用することができるが、中でも、肉厚の製品に対しても高い透過性を有する等の観点から、γ線を使用することが好ましい。また、その照射線量は、100〜300kGyとすることが好ましく、特に好ましくは150〜200kGyである。上記活性エネルギー線の照射線量が低すぎると、充分に架橋反応が進行しにくく、所望の防振部材を製造することが困難となり、照射線量が高すぎると、得られる防振部材の物性が劣化する傾向がみられる。なお、活性エネルギー線の照射に際しては、場合により、窒素雰囲気下、減圧下あるいは真空状態にて照射することも可能である。
このようにして得られる防振部材の一例として、例えば、自動車等の車両用の各種防振部材、具体的には、樹脂製トルクロッドがあげられる。
上記樹脂製トルクロッドは、図2に示す構成からなるものである。すなわち、樹脂製トルクロッド10は、左端の大口径の成形体部12,右端の小口径の成形体部14、およびこれら大口径の成形体部12,小口径の成形体部14のそれぞれの外筒18,24を、車両の前後方向に連結する連結部16にて、互いに直角をなすように連結されてなる構成を備えている。上記大口径の成形体部12は、連結部16と同じ成形材料からなり一体的に成形されてなるポリアミド樹脂製の外筒18と、金属製の内筒20およびそれらの間に介在するゴム部材22とから構成されている。そして、小口径の成形体部14もまた、上記大口径の成形体部12と同様、連結部16と同じ成形材料からなり一体的に成形されてなるポリアミド樹脂製の外筒24と、金属製の内筒26と、それらの間に介在するゴム部材28とから構成されている。
そして、上記樹脂製トルクロッドは、本発明の製法に基づき、つぎのようにして製造することができる。まず、予め、2個の金属製の内筒を準備し、上記各内筒の外周面に接着剤を塗布して接着剤層を形成する。ついで、前述のように調製してなる防振部材用ゴム組成物を用いて、上記各内筒の外周に大小2つの防振部材用ゴム組成物をインジェクション成形して組み付けてなる成形品を作製する。つぎに、2つの成形品をトルクロッド本体の成形用キャビティを有する成形金型に設置して、キャビティ内に前述のように調製してなるポリアミド樹脂組成物を注入して、トルクロッド本体(連結部を含む)を成形すると同時に、上記2つの成形品をそれぞれトルクロッド本体に固着し一体化する。つぎに、上記2つの成形品が固着一体化してなるトルクロッド本体に対して活性エネルギー線を照射することにより、2つの成形品(防振部材用ゴム組成物からなる成形体)とトルクロッド本体(ポリアミド樹脂組成物からなる成形体)を架橋して、2つの成形品とトルクロッド本体とを接着することにより、樹脂製トルクロッドを製造することができる。
または、他の製法として、例えば、つぎのようにして樹脂製トルクロッドを製造することができる。まず、予め、2個の金属製内筒の外周面に接着剤を塗布して接着剤層を形成したものを準備して成形用キャビティを有する成形金型に設置する。つぎに、キャビティ内に前述のように調製してなるポリアミド樹脂組成物を注入して、トルクロッド本体(連結部を含む)を成形する。その後、前述のように調製してなる防振部材用ゴム組成物を用いて、上記各内筒の外周に大小2つの防振部材用ゴム組成物をインジェクション成形する。最後に上記2つの成形品が固着一体化してなるトルクロッド本体に対して活性エネルギー線を照射することにより、2つの成形品(防振部材用ゴム組成物からなる成形体)とトルクロッド本体(ポリアミド樹脂組成物からなる成形体)を架橋して、2つの成形品とトルクロッド本体とを接着することにより、樹脂製トルクロッドを製造することができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
《ゴム部材形成材料(防振部材用ゴム組成物)》
天然ゴム(NR)
[架橋剤B1:二重結合を有する化合物(B)]
トリアリルイソシアヌレート(日立化成工業社製)
[架橋剤B2:二重結合を有する化合物(B)]
液状ブタジエンゴム(巴工業社製、RICON130)
[架橋剤B3:二重結合を有する化合物(B)]
ジアリルフタレート(ダイソー社製、DAP)
[架橋剤:有機過酸化物(C)]
ジクミルパーオキサイド(日油社製、パークミルD−40)
[カーボンブラック:CB1]
FEF(東海カーボン社製、シーストSO)
[カーボンブラック:CB2]
HAF(昭和キャボット社製、ショウブラックN330)
[カーボンブラック:CB3]
GPF(東海カーボン社製、シーストV)
[加工助剤]
ステアリン酸(日油社製、ビーズステアリン酸さくら)
[可塑剤]
プロセスオイル(出光興産株式会社製、ダイアナプロセスPW380)
《ポリアミド樹脂製部材形成材料(ポリアミド樹脂組成物)》
[PA66:(a)]
旭化成社製、1402S
[ガラス繊維]
日本電気硝子社製、T−275
[架橋剤:二重結合を有する化合物(b)]
トリアリルイソシアヌレート(日立化成工業社製)
[実施例1]
〈防振部材用ゴム組成物〉
天然ゴム(NR)100部と、カーボンブラックFEF:CB1(東海カーボン社製、シーストSO)25部と、トリアリルイソシアヌレート(日立化成工業社製)1部と、加工助剤(ステアリン酸)0.5部と、可塑剤(プロセスオイル)5部とを配合し、これらをバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)およびロール(日本ロール社製)を用いて混練することにより、防振部材用ゴム組成物を調製した。
〈ポリアミド樹脂組成物〉
PA66(旭化成社製,1402S)100部と、トリアリルイソシアヌレート(日立化成工業社製)10部とを、2軸混練機(JSW社製、Tex30α)を用いて、混練温度(290℃)にて混練した。つぎに、測定用サンプル作製時にインジェクション成形機中にて、上記混練物に、ガラス繊維(日本電気硝子社製、T−275)60部を添加して混合することにより、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
つぎに、上記のようにして得られた防振部材用ゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物を用いて測定用サンプル(引張試験用、圧縮永久歪み測定用、耐久性評価用)を作製し、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1に示す。また、上記測定用サンプル作製時に行なった架橋条件となる活性エネルギー線照射を後記の表1に併せて示した。なお、活性エネルギー線照射に使用した活性エネルギー線の種類はγ線であり、その線量は200kGy(kJ/kg)とした。
[引張試験:引張破断強度、引張破断伸び、引張応力]
防振部材用ゴム組成物を用い、活性エネルギー線照射による架橋により引張試験測定用のサンプル(厚み2mm)を作製し、JIS K6251に準じて、引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)、100%モジュラス(引張応力:M100)を測定した。
[圧縮永久歪み]
防振部材用ゴム組成物を用い、JIS K6262に準じて、25%圧縮、85℃で70時間後に歪み率を測定した。なお、測定評価用サンプルとしては、厚み2mmの成形シート(ゴム製成形体)を6枚重ね合わせたものを作製し測定に供した。
[耐久性]
予め、上記各防振部材用ゴム組成物を用いてゴム製成形体(厚み:32mm、大きさ:36mm×40mm)を作製した。ついで、上記ゴム製成形体を挟持するように、インジェクション成形により、上記ポリアミド樹脂組成物からなる2枚のポリアミド樹脂製成形体(厚み:6mm、大きさ:45mm×45mm)を、ゴム製成形体に対して直接積層形成することにより試験片(未架橋)を作製した。このように、上記ポリアミド樹脂製成形体とゴム製成形体との接触部分には、従来のように接着剤等を用いず、両者を直接積層形成した。つぎに、上記試験片(未架橋)を後記の表1に示す条件(γ線照射)にて全体を架橋することにより試験片を作製した。そして、上記試験片を、85℃×500時間の老化条件に曝した後、耐久性の評価(負荷荷重:0±4000N、雰囲気温度:25℃、速度:3Hz)を行なった。評価は、試験片のゴム製成形体に亀裂が生じるまでの回数あるいはポリアミド樹脂製成形体とゴム製成形体とが剥がれるまでの回数が、20万回以上のものを◎、10万回以上20万回未満のものを○、10万回未満のものおよびポリアミド樹脂製成形体とゴム製成形体とが剥がれて評価中止となったものを×とした。
[実施例2〜9、比較例1〜2]
防振部材用ゴム組成物における各成分の種類や配合割合、架橋方法(γ線照射の有無)を後記の表1〜表2に示すように変更した以外は、実施例1に準じて、防振部材用ゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物を調製した。
[比較例3](加熱による架橋方法)
加熱架橋用として、防振部材用ゴム組成物における各成分の種類や配合割合を後記の表2に示すように変更した。それ以外は、実施例1に準じて、防振部材用ゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物を調製した。また、架橋方法としては、後述のとおり、γ線照射による架橋に代えて加熱(条件:150℃×30分間)による架橋を行なった。
このようにして得られた各防振部材用ゴム組成物および各ポリアミド樹脂組成物を用いて測定用サンプル(引張試験用、圧縮永久歪み測定用、耐久性評価用)を作製し、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1および表2に併せて示した。また、上記測定用サンプル作製時の架橋条件として、活性エネルギー線照射あるいは加熱のいずれを使用したか後記の表1および表2に併せて示した。なお、活性エネルギー線照射を使用した場合における活性エネルギー線の種類はγ線であり、その線量は200kGy(kJ/kg)とした。また、加熱に供した場合における加熱架橋の加熱条件は150℃×30分間とした。
[引張試験:引張破断強度、引張破断伸び、引張応力]
各防振部材用ゴム組成物を用い、引張試験測定用のサンプル(厚み2mm)を作製し、JIS K6251に準じて、引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)、100%モジュラス(引張応力:M100)を測定した。
[圧縮永久歪み]
各防振部材用ゴム組成物を用い、JIS K6262に準じて、25%圧縮、85℃で70時間後に歪み率を測定した。なお、測定評価用サンプルとしては、厚み2mmの成形シート(ゴム製成形体)を6枚重ね合わせたものを作製し測定に供した。
[耐久性]
予め、上記各防振部材用ゴム組成物を用いてゴム製成形体(厚み:32mm、大きさ:36mm×40mm)を作製した。ついで、上記ゴム製成形体を挟持するように、インジェクション成形により、上記ポリアミド樹脂組成物からなる2枚のポリアミド樹脂製成形体(厚み:6mm、大きさ:45mm×45mm)を、ゴム製成形体に対して直接積層形成することにより試験片(未架橋)を作製した。このように、上記ポリアミド樹脂製成形体とゴム製成形体との接触部分には、従来のように接着剤等を用いず、両者を直接積層形成した。つぎに、上記試験片(未架橋)を下記の表1および表2に示す架橋条件(γ線照射の有無、加熱架橋)にて全体を架橋することにより試験片を作製した。そして、上記試験片を、85℃×500時間の老化条件に曝した後、耐久性の評価(負荷荷重:0±4000N、雰囲気温度:25℃、速度:3Hz)を行なった。評価は、試験片のゴム製成形体に亀裂が生じるまでの回数あるいはポリアミド樹脂製成形体とゴム製成形体とが剥がれるまでの回数が、20万回以上のものを◎、10万回以上20万回未満のものを○、10万回未満のものおよびポリアミド樹脂製成形体とゴム製成形体とが剥がれて評価中止となったものを×とした。
Figure 2014124806
Figure 2014124806
上記結果から、すべての実施例品は、そのゴム製成形体に関して引張試験特性および圧縮永久歪みの物性ともに優れ、かつゴム製成形体およびポリアミド樹脂製成形体からなる防振部材では優れた耐久性評価が得られた。
これに対して、防振部材用ゴム組成物中に架橋剤(架橋助剤)を配合しなかった比較例1品は、ポリアミド樹脂組成物にのみ架橋剤(トリアリルイソシアヌレート)が配合されているため、架橋剤を添加した材料系内(この場合はポリアミド樹脂組成物)でのみ架橋が進み、相手材料(ゴム製成形体)との接着作用が生じないため、耐久性に著しく劣るものとなった。そして、γ線を照射しなかった比較例2品は、架橋による接着作用が生じなかったため、耐久性に著しく劣るものとなった。さらに、γ線照射による架橋ではなく、加熱架橋により得られた比較例3品は、与えるエネルギー量が少なく双方の接着反応が進まず、結果として耐久性評価中にポリアミド樹脂製成形体とゴム製成形体との間で剥離する状態となった。なお、比較例3において、加熱架橋条件である熱量(加硫温度、加硫時間)を増加することにより接着反応を進行させることは可能であるが、結果、過加硫状態となり、ゴム製成形体が劣化し、実施例のように、両成形体の接着性と耐久性の両立は達成しないこととなる。
つぎに、上記実施例品となる防振部材用ゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物を用いて、前述の二通りのそれぞれの製造方法(第1の要旨,第2の要旨に準ずる)に従って、図2に示す構造の樹脂製トルクロッドを作製した。使用した活性エネルギー線はγ線であり、その線量は前述と同様、200kGy(kJ/kg)とした。得られた樹脂製トルクロッドは耐久性に優れたものが得られた。しかも、従来のように、トルクロッド本体と各ゴム製成形体(円筒状の金属との複合体)との接着性を付与するためにそれぞれ接着剤を塗布するというような煩雑な製造工程を経由することなく上記良好な製品が得られた。
本発明の防振部材の製法により製造される防振部材は、例えば、自動車等の車両用の防振部材(樹脂製トルクロッド、ブッシュ、エンジンマウント等)等に好ましく使用することができる。これに限定されず、その他にはシール部材、制振ダンパー部材、橋梁部材をはじめとする防振・制振用構造部材等にも使用することができる。

Claims (8)

  1. 下記(A)を主成分とし、これに下記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、下記(B)および(C)少なくとも一方が下記(A)の架橋剤となりうる防振部材用ゴム組成物を用い防振部材用ゴム製成形体を形成する工程と、下記(a)を主成分とし、これに架橋剤となりうる下記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物を調製する工程と、上記防振部材用ゴム製成形体に、上記ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂製成形体を直接積層形成する工程と、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋することにより成形体同士を接着する工程とを備えたことを特徴とする防振部材の製法。
    (A)ゴム成分。
    (B)二重結合を有する化合物。
    (C)有機過酸化物[ただし、上記(B)を除く。]。
    (a)ポリアミド樹脂。
    (b)二重結合を有する化合物。
  2. 下記(a)を主成分とし、これに架橋剤となりうる下記(b)を含有するポリアミド樹脂組成物を用いポリアミド樹脂製成形体を形成する工程と、下記(A)を主成分とし、これに下記(B)および(C)の少なくとも一方を含有し、下記(B)および(C)少なくとも一方が下記(A)の架橋剤となりうる防振部材用ゴム組成物を調製する工程と、上記ポリアミド樹脂製成形体に、上記防振部材用ゴム組成物からなるゴム製成形体を直接積層形成する工程と、上記積層形成された両成形体に対して活性エネルギー線を照射して両成形体を架橋することにより成形体同士を接着する工程とを備えたことを特徴とする防振部材の製法。
    (A)ゴム成分。
    (B)二重結合を有する化合物。
    (C)有機過酸化物[ただし、上記(B)を除く。]。
    (a)ポリアミド樹脂。
    (b)二重結合を有する化合物。
  3. 上記活性エネルギー線がγ線である請求項1または2記載の防振部材の製法。
  4. 上記(A)ゴム成分が、天然ゴム、または、天然ゴムと、ブタジエンゴムおよびブチルゴムの少なくとも一方との混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振部材の製法。
  5. 上記(B)二重結合を有する化合物が、アクリレート系多官能モノマーおよび液状ブタジエンゴムの少なくとも一方である請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振部材の製法。
  6. 上記(b)二重結合を有する化合物が、アクリレート系多官能モノマーおよび液状ブタジエンゴムの少なくとも一方である請求項1〜5のいずれか一項に記載の防振部材の製法。
  7. 上記(C)有機過酸化物が、ジクミルパーオキサイドである請求項1〜6のいずれか一項に記載の防振部材の製法。
  8. 上記(a)ポリアミド樹脂が、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6T(PA6T)およびポリアミド9T(PA9T)からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜7のいずれか一項に記載の防振部材の製法。
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