JP4704546B2 - 電池電極板用スリッター装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、二次電池極板(特にその正極板)を切断して製造するための電池電極板用スリッター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ニッケル・カドミウム二次電池やニッケル−水素二次電池などのアルカリ二次電池の正極板には、発泡ニッケルなどの三次元金属多孔体に活物質ペーストを充填、乾燥、圧延した後、所定の大きさに切断して成るペースト式極板が用いられている。そして上記ペースト式極板を所定の大きさに形成するべく、その電極原板をスリッターや打ち抜きプレスを用いて切断していた。
【0003】
たとえば、特開平11−297315号公報には、電極原板の上面と下面とに鋭角な刃先角度を有する一対のスリット刃を対向配置し、これらを高速回転させつつ電極原板上を移動させることにより、電極原板を所定の大きさに切断して作製することができるスリッター装置が開示されている。
【0004】
このような従来のスリッター装置は、図8に示されているように、回転される上下一対の軸2を有しており、上下一対の軸2には、電極原板10を切断するための、鋭角な刃先角度を有する一対のスリット刃14、カラー3がそれぞれ装着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のスリッター装置では、電極原板10の切断の際に、スリット刃14の刃先角度θが鋭いためにその刃先が欠けやすく、刃先の形状が不良なスリット刃14で切断が行われることがあり、結果的に電極原板エッヂを傷めることがあった。
【0006】
また、従来のスリッター装置は、このようにスリット刃の磨耗が激しいために、ダイヤモンドを刃先部分に埋め込んで刃の強度を高める必要があり、必然的に刃物コストが高価になって、刃物のメンテナンスも困難であった。
【0007】
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、刃物の寿命が改善された、メンテナンスの容易な電池電極板用スリッター装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明(請求項1に対応)は、回転駆動する第一の刃物と回転駆動する第二の刃物とを、前記双方の刃物の回転軸を実質上平行に対向配置して、電池の活物質ペーストが充填された電極板を切断する電池電極板用スリッター装置であって、
前記双方の刃物の先端は、それぞれ、(1)片側が、前記回転軸を含む切断面における刃先角を構成する一方の辺が円弧である曲面、であり、(2)その反対側が、前記刃先角を構成する他方の辺が直線である平面、であり、
前記双方の刃物の先端の前記各平面は、同一平面の上にあり、
前記双方の刃物の先端の前記各曲面は、前記同一平面を基準に異なる側にあり、切断される前記電極板の側に突出しており、
前記双方の刃物の先端の前記各曲面の一部は、切断が行われる際に前記電極板に接することを特徴とする電池電極板用スリッター装置である。
【0009】
第二の本発明(請求項2に対応)は、前記双方の刃物の先端の前記各円弧の中心は、前記同一平面の上にあることを特徴とする第一の本発明の電池電極板用スリッター装置である。
【0010】
第三の本発明(請求項3に対応)は、前記基材を支持するための支持部を有し、前記第二の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記基材の厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第一の刃物の側面に設けられている第一の基材支持手段と、
前記基材を支持するための支持部を有し、前記第一の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第二の刃物の側面に設けられている第二の基材支持手段とを備えたことを特徴とする第一の本発明の電池電極板用スリッター装置である。
【0011】
第四の本発明(請求項4に対応)は、前記基材の切断部に生じるバリを抑制するためのエッヂ部を有し、前記第二の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記基材の厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第一の刃物の側面に設けられている第一のバリ抑制手段と、
前記基材の切断部に生じるバリを抑制するためのエッヂ部を有し、前記第一の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第二の刃物の側面に設けられている第二のバリ抑制手段とを備えたことを特徴とする第一の本発明の電池電極板用スリッター装置である。
【0012】
第五の本発明(請求項5に対応)は、前記第一のバリ抑制手段および/または前記第二のバリ抑制手段のエッヂ部は、その刃先角が鋭角または直角であることを特徴とする第四の本発明の電池電極板用スリッター装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0021】
(実施の形態1)
はじめに、本実施の形態1におけるスリッター装置の構成および動作について、主として図1(a)、(b)を参照しながら説明する。なお、図1(a)は本実施の形態1におけるスリッター装置の正面図であり、図1(b)は本実施の形態1におけるスリッター装置の右側面図である。
【0022】
本実施の形態1におけるスリッター装置の切断部は、矢印B(図1(b)参照)の方向に回転される上下一対の軸2を有しており、上下一対の軸2には、上下一対の曲面刃4、カラー3がそれぞれ装着されている。また、曲面刃4の刃先は、矢印A(図1(b)参照)の方向に送られる基材1を切断するためのエッヂ部、曲面部を有している。
【0023】
なお、曲面刃4の軸2を含む切断面における、曲面刃4の刃先角を構成する一方の辺4aは円弧であり、他方の辺4bは直線である。辺4aは前述の曲面部を形成しており、辺4aと辺4bが交わって前述のエッヂ部を形成している。また、図1(a)の紙面上において上下にある曲面刃4の辺4a同士は、基材1の切断が行われる予定の面を基準に互いに異なる側にある。
【0024】
曲面刃4の刃先を曲面部とエッヂ部とで構成し、切断力をエッヂ部に集中させて切断することにより、バリが少なくシャープなスリットが可能となる。また、このような曲面部を設けているために、刃先はエッヂ部のみで基材1に接することになり、切断時に発生する摩擦熱によって磨耗した刃先で押されることによって生じる基材1のダメージは、かなり抑制される。
【0025】
このようにして、従来のスリッター装置における、刃物の先端部の刃先角度θ(図8参照)を鋭角にすると、基材の切断性は良いが、刃物が欠けやすく、刃物の先端部の刃先角度θを鈍角にすると、刃物の寿命は良くなるが、切断力が刃先で分散してしまい、刃物のエッヂで基材を切断する力が弱まるため基材にバリ等が発生する、という問題が解消される。
【0026】
なお、切れ味が良好な曲面刃4の刃物厚みt(図4(a)、(b)参照)は、1≦t≦50mmの範囲にある。実際、刃物厚みtを1mmよりも小さくすると、切断時に面振れをおこしてしまい、切断不良になることがある。また、刃物厚みtが50mm以上だと、刃先部のエッヂが直角に近くなるので面で切断することになり、また曲面刃4の材料コストも高くなる。
【0027】
また、曲面刃4の曲面部の曲率半径R(図4(a)、(b)参照)は、1≦R≦50mmの範囲にあることが好ましい。実際、曲率半径Rを1mmより小さくすると、刃物の先端部が欠けてしまうことがある。また、曲率半径Rを50mmより大きくすると、刃物の先端部が平らになってしまうことがある。なお、曲率半径Rを与える円の中心は任意に設定でき、その設定位置を、図4(a)に示すように刃物切っ先の辺よりも紙面上右方にすると、刃先の形状が鈍角状になり、図4(b)に示すように刃物切っ先の辺よりも紙面左方にすると、刃先の形状が鋭角状になる(ただし、図4(a)では刃物切っ先の実質上辺上にあるので、刃先の形状が直角状になっている)。
【0028】
また、オーバーラップd1(図5(a)参照)、オフセットd2(図5(b)参照)で表される、図1(a)において上下にある曲面刃4の刃先間の隙間量は、0≦d1、d2≦0.5mmの範囲にあることが好ましい(オーバーラップおよびオフセットを総称して隙間量と呼んでいる)。実際、オーバーラップおよび/またはオフセットを0mmより狭くすると、上下にある曲面刃4が接触していることになるので、これらの刃先が欠けてしまう。また、オーバーラップおよび/またはオフセットを0.5mmより広くすると、曲面刃4の隙間に基材1が逃げてしまい、切断が出来なくなってバリが発生することがある。なお、オーバーラップd1、オフセットd2が0≦d1、d2≦0.1mmの範囲にあれば、いっそう望ましい効果が得られる。
【0029】
(実施の形態2)
つぎに、本実施の形態2におけるスリッター装置の構成および動作について、主として図2(a)、(b)を参照しながら説明する。なお、図2(a)は本実施の形態2におけるスリッター装置の正面図であり、図2(b)は本実施の形態2におけるスリッター装置の右側面図である(図2(b)では基材1の図示を省略した)。
【0030】
本実施の形態2におけるスリッター装置は、基材支持板刃5を備えている点において上述された本実施の形態1におけるスリッター装置とは異なっており、基材1を、上下一対の曲面刃4と基材支持板刃5とで挟んで、曲面刃4のエッヂ部で切断する。なお、基材支持板刃5は、本発明の基材支持手段に対応する。
【0031】
本実施の形態1で説明されたように、曲面刃4の刃先を曲面部とエッヂ部とで構成し、切断力をエッヂ部に集中させて切断することにより、バリが少なくシャープなスリットが可能となる。また、このような曲面部を設けているために、刃先はエッヂ部のみで基材1に接することになり、切断時に発生する摩擦熱によって磨耗した刃先で押されることによって生じる基材1のダメージは、かなり抑制される。
【0032】
本実施の形態2におけるスリッター装置は、それ以上に改善をした装置であり、刃先をエッヂ部と曲面部とで構成した曲面刃4と、その側面に設けられた、曲面部5bを有する基材支持板刃5との組み合わせを上下に対向させたものを2組備えており、それらを矢印B(図2(b)参照)の方向に回転させながら、矢印A(図2(b)参照)の方向に送られる基材1を、上下一対の曲面刃4と基材支持板刃5とで挟んで、曲面刃4のエッヂ部で切断する。
【0033】
なお、曲面刃4のエッヂ部とそれに対向する基材支持板刃5の曲面部5bの支持部5aの隙間は、基材1の厚みとなるように調整されており、基材1の厚み分違う上下の刃物で、基材1を挟み込んで、基材1を正確に切断することができる(曲面刃4のエッヂ部と基材支持板刃5の曲面部5bの支持部5aの隙間が基材1の厚み以上に違うと、基材1を挟まずに切断してしまい、前述された本実施の形態1におけるスリッター装置と結果的に同じになってしまう)。もちろん、このような隙間が基材1の厚みとなるようにするためには、互いに貼り併せられた曲面刃4と基材支持板刃5との段差を、オーバーラップd1(図5(a)参照)だけ基材1の厚みよりも小さくとっておけばよい。
【0034】
また、曲面刃4で基材1を切断するときに、基材1が切断時に力が加えられる方向に押されて逃げることを防止するために、基材1を基材支持板刃5で支えるが、基材支持板刃5は、基材1を支持部5aのみで支えているため、基材1が基材支持板刃5によって押されることによって生じるダメージは発生しない。
【0035】
なお、曲面刃4の切れ味が良好な刃物厚み、曲率半径、および刃先の隙間量に関しては、本実施の形態1において説明したとおりである。
【0036】
また、曲面刃4、基材支持板刃5の曲率半径、および曲率半径を有する円の中心は、両者において同一である必要はなく、図6(a)〜(c)に示すようにいろいろな例が考えられる。なお、図6(a)は、曲面刃4、基材支持板刃5の曲面部の曲率円の中心位置と曲率半径とを第一の例として例示するための説明図であって、曲面刃4、基材支持板刃5の曲面部の曲率半径は同じであるが、これら曲率円の中心位置は異なっている。また、図6(b)は、曲面刃4、基材支持板刃5の曲面部の曲率円の中心位置と曲率半径とを第二の例として例示するための説明図であって、曲面刃4、基材支持板刃5の曲面部の曲率半径はそれぞれ異なるが、これらの中心位置は同じである。また、図6(c)は、曲面刃4、基材支持板刃5の曲面部の曲率円の中心位置と曲率半径とを第三の例として例示するための説明図であって、曲面刃4、基材支持板刃5の曲面部の曲率円の中心位置および曲率半径は、ともに異なっている。
【0037】
このようにして、刃物の寿命が長くなるようにその刃先角を大きくしても、バリの発生をかなり抑制することが可能になる。したがって、従来のスリッター装置における、刃物の先端部の刃先角度θ(図8参照)を鋭角にすると、基材の切断性は良いが、刃物が欠けやすく、刃物の先端部の刃先角度θを鈍角にすると、刃物の寿命は良くなるが、切断力が刃先で分散してしまい、刃物のエッヂで基材を切断する力が弱まるため基材にバリ等が発生する、という問題が解消される。
【0038】
(実施の形態3)
つぎに、本実施の形態3におけるスリッター装置の構成および動作について、主として図3(a)、(b)を参照しながら説明する。なお、図3(a)は本実施の形態3におけるスリッター装置の正面図であり、図3(b)は本実施の形態3におけるスリッター装置の右側面図である(図3(b)では基材1の図示を省略した)。
【0039】
本実施の形態3におけるスリッター装置は、曲面刃4に貼り併せられたシャープエッヂ刃6を備えている点において上述された本実施の形態1におけるスリッター装置とは異なっており、基材1を、上下一対の曲面刃4、シャープエッヂ刃6の両方で挟んで切断する。
【0040】
本実施の形態1で説明されたように、曲面刃4の刃先を曲面部とエッヂ部とで構成し、切断力をエッヂ部に集中させて切断することにより、バリが少なくシャープなスリットが可能となる。また、このような曲面部を設けているために、刃先はエッヂ部のみで基材1に接することになり、切断時に発生する摩擦熱によって磨耗した刃先で押されることによって生じる基材1のダメージは、かなり抑制される。
【0041】
本実施の形態3におけるスリッター装置は、それ以上に改善をした装置であり、刃先を曲面部とエッヂ部とで構成した曲面刃4と、その側面に設けられた、先端がシャープエッヂ6aを有するシャープエッヂ刃6との組み合わせを上下に対向させたものを2組備えており、それらを矢印B(図3(b)参照)の方向に回転させながら、矢印A(図3(b)参照)の方向に送られる基材1を、曲面刃4のエッヂ部、およびシャープエッヂ刃6のシャープエッヂ6aの両方で切断する。
【0042】
なお、曲面刃4のエッヂ部とシャープエッヂ刃6のシャープエッヂ6aの隙間は、基材1の厚みとなるように調整されているので、基材1の厚み分違う上下の曲面刃4、およびシャープエッヂ刃6で、基材1を上下から挟んで正確に切断することができる(このような隙間の調整方法については、前述された本実施の形態2で説明された、曲面刃4のエッヂ部とそれに対向する基材支持板刃5の曲面部5bの支持部5aの隙間の調整方法と同様のことがいえる)。
【0043】
また、切断時に多少のバリが発生することは致し方ないが、シャープエッヂ刃6は、そのようなバリをかなり除去することができる。さらに具体的に述べると、たとえば、図3(a)において、スリッター装置の中心側に切り落とされる基材1の左端においては、曲面刃4によって下方から押されることによる矢印A1の方向のバリが発生しやすいが、このようなバリは、スリッター装置の左上側にあるシャープエッヂ刃6によってかなり除去される。また、スリッター装置の左側に切り落とされる基材1の右端においては、曲面刃4によって上方から押されることによる矢印A2の方向のバリが発生しやすいが、このようなバリは、スリッター装置の左下側にあるシャープエッヂ刃6によってかなり除去される。
【0044】
ただし、シャープエッヂ刃6の刃先角度ψ(図3(a)参照)を30度よりも小さくすると、基材1の切断性は良く、バリの発生も抑制することができるが、刃物が欠けやすい。また、シャープエッヂ刃6の刃先角度を45度より大きくすると、刃物の寿命が良くなるが、切れ味が悪くなり、切断された基材1にバリ等が発生してしまうことがある。なお、本実施の形態3におけるスリッター装置においては、シャープエッヂ刃6が曲面刃4に貼り併せられていることで、その刃先角度が10〜45度の範囲において、切れ味がよく刃物の寿命も長いという望ましい効果が発揮される。
【0045】
なお、曲面刃4の切れ味が良好な刃物厚み、曲率半径、および刃先の隙間量に関しては、本実施の形態1において説明したとおりである。
【0046】
このようにして、刃物の寿命が長くなるようにその刃先角を大きくしても、バリの発生をかなり抑制することが可能になる。したがって、従来のスリッター装置における、刃物の先端部の刃先角度θ(図8参照)を鋭角にすると、基材の切断性は良いが、刃物が欠けやすく、刃物の先端部の刃先角度θを鈍角にすると、刃物の寿命は良くなるが、切断力が刃先で分散してしまい、刃物のエッヂで基材を切断する力が弱まるため基材にバリ等が発生する、という問題が解消される。
【0047】
ところで、刃物厚みtと隙間量d(=d1またはd2)をさまざまに変化させて切断実験を行い、表1に示すような結果を得た(表中の評価の欄において、◎はきわめて良好、○は良好、×は不可を意味する)。これにより、上述の実施の形態1〜3において述べられたように、本発明は顕著な実施効果を有することが裏付けられた。なお、この切断実験においては、曲面刃の曲率半径Rを3mmとし、そのような曲率半径を有する円の中心を、図4(a)に示すように、刃物切っ先の実質上辺上にあるとしている。
【0048】
【表1】
【0049】
このように、上記のスリッター装置においては、たとえば、刃先を曲面部とエッヂ部とで構成した刃物を上下で対向させ、前記刃物を回転させながら前記エッヂ部で基材を切断する。
【0050】
また、上記のスリッター装置においては、たとえば、刃先を曲面部とエッヂ部とで構成した刃物と、少なくとも先端に曲面部を有し前記エッヂ部と前記曲面部の頂点の段差が、基材の厚みとなるように構成した基材支持板刃とが、一対となった切断手段を上下で対向させ、前記切断手段を回転させながら、前記エッヂ部で前記基材を切断する。
【0051】
また、上記のスリッター装置においては、たとえば、刃先を曲面部とエッヂ部とで構成した刃物と、少なくとも先端が台形もしくはシャープエッヂを有し、前記エッヂ部と前記台形もしくはシャープエッヂの頂点の段差が、基材の厚みとなるように構成した基材支持板刃とが、一対となった切断手段を上下で対向させ、前記切断手段を回転させながら、前記エッヂ部で前記基材を切断する。
【0052】
また、上記のスリッター装置においては、たとえば、刃物の厚みをtとした時1≦t≦50mmの範囲とし、且つ曲面の曲率半径をRとした時1≦R≦50mmの範囲とし、且つ刃の隙間量をdとした時0≦d≦0.1mmの範囲とする。
【0053】
なお、第一の刃物および第二の刃物は、上述した実施の形態においては、曲面刃4の軸2を含む切断面における、曲面刃4の刃先角を構成する一方の辺4aは円弧であり、他方の辺4bは直線であるような曲面刃4であった。しかし、これに限らず、第一の刃物および第二の刃物は、たとえば、(a)図7(a)に示されているように、一方の辺4a’、他方の辺4b’の両方が、円弧ではない曲線であってもよいし、(b)図7(b)に示されているように、一方の刃物における一方の辺および他方の辺の両方が、直線であってもよく、要するに、(1)第一の刃物の回転軸を含む切断面における、第一の刃物の刃先角を構成する少なくとも一方の辺、および/または(2)第二の刃物の回転軸を含む切断面における、第二の刃物の刃先角を構成する少なくとも一方の辺が、曲線であってもよい。
【0054】
また、第一の刃物および第二の刃物は、上述した実施の形態においては、(1)第一の刃物の回転軸を含む切断面における、第一の刃物の刃先角を構成する少なくとも一方の辺、および/または(2)第二の刃物の回転軸を含む切断面における、第二の刃物の刃先角を構成する少なくとも一方の辺が、曲線であった。しかし、これに限らず、第一の刃物および第二の刃物は、たとえば、図7(c)に示されているように、双方の回転軸を含む切断面における、(1)これら回転軸の共通垂線L1と第一の刃物104の刃先角を構成する一方の辺とのなす角である第一の角θ1は、共通垂線L1と第一の刃物104の刃先角を構成する他方の辺とのなす角である第二の角θ2よりも小さく、(2)これら回転軸の共通垂線L1’と第二の刃物104’の刃先角を構成する一方の辺とのなす角である第一の角θ1’は、共通垂線L1’と第二の刃物104’の刃先角を構成する他方の辺とのなす角である第二の角θ2’よりも小さく、(3)第一の刃物104の第一の角と第二の刃物104’の第一の角とは、基材1の切断が行われる予定の面を基準に実質的に異なる側にあり、(4)θ1はθ2’よりも小さく、(5)θ1’はθ2よりも小さくてもよい。
【0055】
もちろん、(1)第一の刃物の第一の角を構成する一方の辺および/または第二の刃物の第一の角を構成する一方の辺は、直線であり、(2)第一の刃物の第二の角を構成する他方の辺および/または第二の刃物の第二の角を構成する他方の辺は、曲線であってもよい。たとえば、図4(b)に示されているような刃物の場合には、一方の辺が直線であって、第一の角は0度であり、他方の辺が円弧であって、第二の角はエッジ部における接線と共通垂線(ここでは一方の辺と一致する)のなす角Θを有する。
【0056】
なお、角度θ1、θ2、θ1’、θ2’が、(1)小さいほど基材の切断性が良好であり、(2)大きいほど刃物の寿命が長くなることはもちろんであり、これらを考慮して角度を設定することにより、一層望ましい効果が得られることはいうまでもない。また、前述した角度の大小関係により、空間S1側の空きは空間S1’側の空きよりも大きく、空間S2’側の空きは空間S2側の空きよりも大きいため、基材1の切断が行われる予定の面よりも左側にある基材1の部分は空間S1の方に切り落とされ、基材1の切断が行われる予定の面よりも右側にある基材1の部分は空間S2’の方に切り落とされる。
【0057】
また、上記のスリッター装置は、基材を支持するための支持部を有し、第二の刃物と、実質上、(1)基材の厚さ方向に関して基材の厚みだけ離れて対向し、(2)基材の切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にある第一の基材支持板刃と、基材を支持するための支持部を有し、第一の刃物と、実質上、(1)基材の厚さ方向に関して厚みだけ離れて対向し、(2)基材の切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にある第二の基材支持板刃とを備えていても、備えていなくてもよい。
【0058】
また、上記のスリッター装置は、基材を切断するためのエッヂ部を有し、第二の刃物と、実質上、(1)基材の厚さ方向に関して基材の厚みだけ離れて対向し、(2)基材の切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にある第一のバリ抑制手段と、基材を切断するためのエッヂ部を有し、第一の刃物と、実質上、(1)基材の厚さ方向に関して厚みだけ離れて対向し、(2)基材の切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にある第二のバリ抑制手段とを備えていても、備えていなくてもよい。
【0059】
また、第一のバリ抑制手段および/または第二のバリ抑制手段は、上述した実施の形態においては、エッヂ部の形状がシャープ形状であるシャープエッヂ刃6であったが、これに限らず、たとえば、図7(d)に示されているように、エッヂ部の形状が、シャープエッジを面取りした台形形状である台形刃6’であってもよい。なお、台形刃6’は、その切れ味においては刃先角が鋭角であるシャープエッヂ刃6におよばないが、刃先角が直角であるため、台形刃6と基材との接触面がより大きくなって、対向する刃物とともに基材を安定して挟み込むことができる。このため、台形刃6’は、基材の正確な切断を促進しながら、バリの発生を抑制することもできるのである。
【0060】
以上述べたところから明らかなように、本発明は、刃物自体の寿命改善ができ、しかも切断後の基材エッヂ部のバリがなくなり、後工程の組立後の両極短絡によるショート不良改善ができるため、電池の性能向上と製品歩留まりの向上に大きな効果を発揮する。
【0061】
なお、以上で説明された本発明には、具体的には、電子部品や二次電池極板(特にその正極板)を切断して製造する切断装置などが含まれる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、刃物の寿命が改善された、メンテナンスの容易な電池電極板用スリッター装置を提供することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるスリッター装置の正面図(図1(a))、および右側面図(図1(b))
【図2】 本発明の実施の形態2におけるスリッター装置の正面図(図2(a))、および右側面図(図2(b))
【図3】 本発明の実施の形態3におけるスリッター装置の正面図(図3(a))、および右側面図(図3(b))
【図4】 本発明の実施の形態1における曲面刃の刃先先端角度形状の、曲率円の中心が刃物切っ先の辺よりも紙面右方にある場合の概略図(図4(a))、および曲率円の中心が刃物切っ先の辺よりも紙面左方にある場合の概略図(図4(b))
【図5】 本発明の実施の形態1における刃先間の、オーバーラップの説明図(図5(a))、およびオフセットの説明図(図5(b))
【図6】 本発明の実施の形態2における曲面刃、および基材支持板刃の曲面部の曲率円の曲率半径と中心位置を第一の例として例示するための説明図(図6(a))、第二の例として例示するための説明図(図6(b))、第三の例として例示するための説明図(図6(c))
【図7】 本発明に関連する発明における第一の刃物および第二の刃物を例示するための説明図(図7(a))、別の例として例示するための説明図(図7(b))、また別の例として例示するための説明図(図7(c))、本発明におけるバリ抑制手段の説明図(図7(d))
【図8】 従来のスリッター装置の正面図
【符号の説明】
1 基材
2 軸
3 カラー
4 曲面刃
5 基材支持板刃
6 シャープエッヂ刃
Claims (5)
- 回転駆動する第一の刃物と回転駆動する第二の刃物とを、前記双方の刃物の回転軸を実質上平行に対向配置して、電池の活物質ペーストが充填された電極板を切断する電池電極板用スリッター装置であって、
前記双方の刃物の先端は、それぞれ、(1)片側が、前記回転軸を含む切断面における刃先角を構成する一方の辺が円弧である曲面、であり、(2)その反対側が、前記刃先角を構成する他方の辺が直線である平面、であり、
前記双方の刃物の先端の前記各平面は、同一平面の上にあり、
前記双方の刃物の先端の前記各曲面は、前記同一平面を基準に異なる側にあり、切断される前記電極板の側に突出しており、
前記双方の刃物の先端の前記各曲面の一部は、切断が行われる際に前記電極板に接することを特徴とする電池電極板用スリッター装置。 - 前記双方の刃物の先端の前記各円弧の中心は、前記同一平面の上にあることを特徴とする請求項1記載の電池電極板用スリッター装置。
- 前記基材を支持するための支持部を有し、前記第二の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記基材の厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第一の刃物の側面に設けられている第一の基材支持手段と、
前記基材を支持するための支持部を有し、前記第一の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第二の刃物の側面に設けられている第二の基材支持手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の電池電極板用スリッター装置。 - 前記基材の切断部に生じるバリを抑制するためのエッヂ部を有し、前記第二の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記基材の厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第一の刃物の側面に設けられている第一のバリ抑制手段と、
前記基材の切断部に生じるバリを抑制するためのエッヂ部を有し、前記第一の刃物と、実質上、(1)前記基材の厚さ方向に関して前記厚みだけ離れて対向し、(2)前記基材の前記切断を行われる予定の切断面を基準に同じ側にあって、前記第二の刃物の側面に設けられている第二のバリ抑制手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の電池電極板用スリッター装置。 - 前記第一のバリ抑制手段および/または前記第二のバリ抑制手段のエッヂ部は、その刃先角が鋭角または直角であることを特徴とする請求項4記載の電池電極板用スリッター装置。
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