JP2013202768A - ロータリーダイカッターのダイカットロール - Google Patents

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Noriaki Arakawa
訓明 荒川
Akinori Kubota
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Abstract

【課題】たとえワークに幅狭部分が形成されるような場合であっても、該幅狭部分に対応する刃型間にワークが挟み込まれることを抑制でき、かつ、刃型の切れ味を十分に確保することができて、これにより製品の品質を安定して高めることができ、生産性を向上できるロータリーダイカッターのダイカットロールを提供すること。
【解決手段】刃型2は、ダイロール本体の外周面において該刃型2が延びる方向に直交する断面が、該ダイロール本体の径方向外側に向かうに従いダイ軸線に直交する刃型中心線Cに向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面6、7を備えた山型をなしており、一対の傾斜面6、7のうち、被加工物SにおけるワークW側を向くワーク側傾斜面6が前記断面において刃型中心線Cに対してなす角度θは、5°<θ<20°の範囲内とされていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンビルロールとともにロータリーダイカッターを構成するダイカットロールであって、円柱状のダイロール本体の外周面に刃型が形成され、この刃型と、前記アンビルロールのアンビルロール本体外周面とによって、これらダイロール本体とアンビルロール本体との間に挿通されるシート状の被加工物に、この被加工物から製品とされるワークを抜出可能に剪断加工を施すロータリーダイカッターのダイカットロールに関するものである。
近年、ノートパソコンや携帯電話等に広く使用されているリチウムイオン2次電池においては、アルミニウムや銅などからなる金属箔の表面にカーボンやマンガン酸リチウムなどの電極材料が塗布された電極シートが用いられている。そして、このような電極シートを所定形状に切断するのに、ダイカットロールとアンビルロールを備えたロータリーダイカッターを用いることが、例えば下記特許文献1に記載されている。
ダイカットロールのダイロール本体の外周面には、ワークに対応する枠状とされた刃型が延びており、この刃型とアンビルロールのアンビルロール本体外周面との間で、前記金属箔等からなる被加工物を剪断加工することにより、被加工物は、製品であるワークと、それ以外のトリムとに分けられるようになっている。
特開2009−66676号公報
ところで、ロータリーダイカッターにより被加工物から抜き出されるワークの形状には様々なものがあり、例えば数mm程度の幅狭部分を有することがある(例えば図3において幅Lに対応する部分を参照)。このような幅狭部分を抜き出す場合、図3に示されるように、ダイロール本体3の外周面には、ワークの前記幅狭部分に対応する形状に刃型2が折り返されて延び、その対向する刃型2、2間の幅Lが狭くなる。
しかしながら、従来のロータリーダイカッターにおいては、このような幅狭部分を有するワークを剪断加工する際に、対向する刃型2、2同士の間にワークが挟まってしまい、該ワークにシワやヨレ(変形)が生じたり破れ(破断)が生じたりして製品不良となることがあった。また、当該不良ワークを処理するのに生産を一時中断せざるを得なくなる場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、たとえワークに幅狭部分が形成されるような場合であっても、該幅狭部分に対応する刃型間にワークが挟み込まれることを抑制でき、かつ、刃型の切れ味を十分に確保することができて、これにより製品の品質を安定して高めることができ、生産性を向上できるロータリーダイカッターのダイカットロールを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、ダイ軸線回りに回転される円柱状のダイロール本体の外周面に、この外周面から突出して該外周面上に延びるように刃型が形成され、この刃型と、前記ダイ軸線と平行なアンビル軸線回りに回転されるアンビルロールの円柱状のアンビルロール本体の外周面とによって、これらダイロール本体とアンビルロール本体との間に挿通されるシート状の被加工物に、該被加工物から製品とされるワークを抜出可能に剪断加工を施すロータリーダイカッターのダイカットロールであって、前記刃型は、前記ダイロール本体の外周面において該刃型が延びる方向に直交する断面が、該ダイロール本体の径方向外側に向かうに従い前記ダイ軸線に直交する刃型中心線に向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面を備えた山型をなしており、前記一対の傾斜面のうち、前記被加工物における前記ワーク側を向くワーク側傾斜面が前記断面において前記刃型中心線に対してなす角度θは、5°<θ<20°の範囲内とされていることを特徴とする。
本発明のロータリーダイカッターのダイカットロールによれば、刃型を山型に形成する一対の傾斜面のうち、被加工物のワーク側に配されるワーク側傾斜面がこの刃型の断面において刃型中心線に対してなす角度θ(以下、ワーク側刃付け角度θという)が、5°<θ<20°の範囲内であるので、たとえワークに幅狭部分が形成されるような場合であっても、該幅狭部分に対応する刃型間にワークが挟み込まれることが抑制され、かつ、刃型の切れ味を十分に確保することができる。
具体的に、ワーク側刃付け角度θが、5°を超えて設定されていることで、刃型の切刃強度が確保されており、また対向する刃型同士(図3における幅L部分を参照)の間にワークの幅狭部分が深く挟み込まれるようなことが抑制されて、ワークが刃型間から外されやすくなっている。また、ワーク側刃付け角度θが、20°未満に設定されていることで、被加工物に対する刃型の切れ味が鋭く確保されており、たとえ被加工物に金属箔が用いられるような場合であっても、ワークのヒゲやバリ、カエリ等の発生が抑制されて、製品の品質が高められている。
このように、本発明によればワークの幅狭部分が刃型間に挟み込まれることが抑制されるので、従来のように前記幅狭部分の挟み込みに起因してワークにシワやヨレ(変形)、破れ(破断)などが発生し製品不良となるようなことが防止されて、製品の品質が向上されるとともに、歩留まりも高められる。
また、連続生産時においてワークの破れ等が発生すると、当該不良ワークを処理するのに生産ラインを停止せざるを得ず、生産性が著しく低下することになるが、本発明によればこのような事態を回避でき、安定した切断加工が行えるとともに、生産性が向上する。
また、本発明のロータリーダイカッターのダイカットロールにおいて、前記ワーク側傾斜面の表面粗さβが、Rz0.4<β<Rz1.2の範囲内とされていることとしてもよい。
この場合、ワークに接触する刃型のワーク側傾斜面の表面粗さβが、Rz0.4<β<Rz1.2の範囲内であることから、ワークとの摩擦抵抗が十分に低減されて、前述したワークの幅狭部分の挟み込みがより確実に抑制されつつも、刃型の製造時においては、当該ワーク側傾斜面の加工性が良い。なお、本明細書でいう「Rz」とは、JIS B 0601−2001に規定される表面粗さの最大高さを表している。
具体的に、ワーク側傾斜面の表面粗さβが、Rz0.4を超えて設定されていることで、特別複雑な加工を用いることなく、簡単な研磨加工等によってこのワーク側傾斜面を形成できる。また、ワーク側傾斜面の表面粗さβが、Rz1.2未満に設定されていることで、このワーク側傾斜面と、該ワーク側傾斜面が接触するワーク端面との摩擦抵抗を十分に低減でき、これによりワークが刃型間に引っ掛かって保持されるような不具合が効果的に抑制されて、刃型から分離されやすくなる。従って、製品の品位が安定して高められるとともに、生産効率が向上する。
本発明のロータリーダイカッターのダイカットロールによれば、たとえワークに幅狭部分が形成されるような場合であっても、該幅狭部分に対応する刃型間にワークが挟み込まれることを抑制でき、かつ、刃型の切れ味を十分に確保することができて、これにより製品の品質を安定して高めることができ、生産性を向上できる。
本発明の一実施形態に係るロータリーダイカッターを説明する斜視図である。 本発明の一実施形態に係るロータリーダイカッターのダイカットロールにおける刃型の断面図である。 ワークの幅狭部分に対応する刃型形状を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態に係るロータリーダイカッターについて、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態のロータリーダイカッターは、いずれも円柱状をなすダイカットロール1とアンビルロール11とから構成され、これらダイカットロール1とアンビルロール11とを図中に符号R1、R2で示す回転方向に回転させながら、その間にシート状の被加工物Sを挿通して図中に符号Fで示す送り方向に送り出し、このとき、ダイカットロール1の外周面に形成された刃型2により、被加工物Sに該被加工物Sから製品とされるワークWを抜出可能に剪断加工を施してゆくものである。
特に図示しないが、本実施形態のダイカットロール1により加工が施される被加工物Sは、金属箔等の金属材料層を少なくとも1層以上含んでいる。
金属箔からなる被加工物Sは、ダイカットロール1のダイロール本体3とアンビルロール11のアンビルロール本体12との間に挿通させられて、刃型2がこの金属箔を貫通して切り込まれることにより、刃型2の形状に金属箔のワークWを剪断して抜出可能とする一方、このワークWが抜き出された後の金属箔の残りの部分は被加工物Sの端物とされて、トリムTとして回収される。
ダイカットロール1は、その回転軸線となるダイ軸線O1を中心とした円柱状のダイロール本体3と、このダイロール本体3の両端部に同軸となるように一体に突設され、ダイロール本体3よりも小径とされた一対の回転軸部4とを備えており、これらの回転軸部4が図示されないベアリングボックスに支持されて、やはり図示されない駆動装置により回転方向R1に回転駆動される。なお、ダイカットロール1は、少なくともそのダイロール本体3の外周面が超硬合金等の硬質材料により形成されている。
また、このダイカットロール1のダイロール本体3の外周面における両端部には、互いに等しい外径で、これら両端部の間の外周面よりは僅かに一段大きな外径のダイ軸線O1を中心とした円筒面状の外周面を有するように突出した一定幅の帯状のベアラー部5が形成されており、これらのベアラー部5がアンビルロール11の円柱状をなすアンビルロール本体12の外周面に当接させられながらダイカットロール1は回転させられる。
なお、アンビルロール11は、アンビル軸線O2を中心としてこのように円柱状をなすアンビルロール本体12と、その両端部に同軸となるように一体に突設された小径の一対の回転軸部13とを備えて、やはりこれら回転軸部13が図示されないベアリングボックスにアンビル軸線O2がダイ軸線O1と平行となるように支持され、同じく図示されない駆動装置により前記回転方向R1とは逆向きの回転方向R2に回転駆動される。ここで、アンビルロール本体12の外周面はアンビル軸線O2を中心とした円筒面とされ、ダイカットロール1のダイロール本体3のような刃型2やべアラー部5は形成されていない。
ダイカットロール1の刃型2は、ダイロール本体3の外周面のうちベアラー部5同士の間の部分に、この部分の外周面から突出して該外周面上に延びるように形成されている。刃型2は、所定のワークW形状に対応する形状とされており、図1に示される例では四角形の枠状をなしているが、これに限定されるものではない。すなわち、刃型2は、四角形以外の多角形状や円形状、楕円形状等の枠状であっても構わない。さらに、刃型2は枠状でなくてもよく、例えば、ダイロール本体3の外周面においてダイ軸線O1回りに周回する方向(周方向)に沿って全周に亘り延びるとともに、ダイ軸線O1方向に離間して一対設けられていて、これにより被加工物SからワークWを帯状に連続的に抜き出すこととしてもよい。尚、図1においては、刃型2の形状を簡略化して表しており、具体的にこの刃型2には、図3に示されるような幅狭部分(刃型2が屈曲又は湾曲するように折り返されて延びていることによって、該刃型2の屈曲部分又は湾曲部分に形成された幅の狭い箇所)が設けられている。このような幅狭部分は、例えば刃型2において、ダイ軸線O1回りである周方向に延びる部分、及びダイ軸線O1方向に延びる部分の少なくともいずれかに形成されている。また、前記幅狭部分が、刃型2の延在方向に沿って間隔をあけつつも互いに接近配置されることで、該刃型2が波状等に形成されている場合には、本発明の効果(詳しくは後述する)がより顕著に得られることになる。
ダイカットロール1の刃型2は、ダイロール本体3の外周面において該刃型2が延びる方向に直交する断面が、図2に示すようにダイロール本体3の径方向外側(図2における下側)に向かうに従い、当該断面における刃型2のダイ軸線O1に直交する刃型中心線Cに向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面6、7を備えた山型をなしている。
そして、図2に示される刃型2の断面において、一対の傾斜面6、7のうち、被加工物SのワークW側(図2における左側)を向くワーク側傾斜面6が刃型中心線Cに対してなす角度θ(以下、ワーク側刃付け角度θという)は、5°<θ<20°の範囲内とされている。また図2に示される断面において、一対の傾斜面6、7のうち、被加工物SのトリムT側(図2における右側)を向くトリム側傾斜面7が刃型中心線Cに対してなす角度A(以下、トリム側刃付け角度Aという)は、前記ワーク側刃付け角度θよりも大きくされている。
また、本実施形態では、これらワーク側傾斜面6とトリム側傾斜面7との間の刃型2の先端に、ダイ軸線O1を中心とする円筒面状の極小さな幅のフラット部8が形成されている。なお、刃型中心線Cは、一対の傾斜面6、7の間にあって、このようにフラット部8が形成されている場合には、ダイ軸線O1に直交してこのフラット部8の幅方向の中心を通る直線とされていればよく、またフラット部8が形成されていない場合は、ダイ軸線O1に直交してワーク側傾斜面6とトリム側傾斜面7との交点を通る直線とすればよい。ただし、この刃型中心線Cは前記角度θ、Aを規定するものであるから、フラット部8が形成されている場合でも、前記断面においてワーク側傾斜面6とトリム側傾斜面7との延長線の交点を通る直線とされていてもよい。
また、刃型2において、ワーク側傾斜面6の表面粗さβは、Rz0.4<β<Rz1.2の範囲内とされている。なお、ここでいう「Rz」とは、JIS B 0601−2001に規定される表面粗さの最大高さを表している。具体的に、このワーク側傾斜面6は、該ワーク側傾斜面6を形成する前のワーク側壁面9における先端部(図2に2点鎖線で示される刃型2先端の領域)を、前記表面粗さβとなるように研磨加工して形成されている。
また、ワーク側傾斜面6と刃型中心線Cとの間に形成されるワーク側刃付け角度θは、ワーク側壁面9における先端部(つまりワーク側傾斜面6)以外の部分が刃型中心線Cに対してなす角度Bよりも大きくされていて、これによりワーク側傾斜面6の後端縁には、ワークW側に向けて突出するとともに刃型2の延在方向に沿って延びる突条部10が形成されている。すなわち、図2に示される刃型2の断面視で、ワーク側壁面9は、その先端部であるワーク側傾斜面6と、該ワーク側傾斜面6以外の部分とが突条部10を頂点として鈍角を形成するように2段角に形成されている。
また、図2において、ワーク側傾斜面6の刃型中心線Cに沿う長さα(つまり刃型中心線Cに沿うフラット部8と突条部10との間の距離)は、被加工物Sの厚さtよりも大きくされている。すなわち、α>tであり、好ましくは、α>(t+0.05mm)である。
以上説明した本実施形態のロータリーダイカッターにおいては、ダイロール本体3の刃型2と、アンビルロール本体12の外周面との間に被加工物Sが挿通されて、刃型2が被加工物Sに切り込まれると、前述したように刃型2のワーク側傾斜面6はそのワーク側刃付け角度θがトリム側刃付け角度Aよりも小さく、本実施形態ではフラット部8との交差角もトリム側傾斜面7よりは角度差(A−θ)に応じて小さくなって切れ味が鋭くされているので、このワーク側傾斜面6と本実施形態ではフラット部8との交差稜線が切刃として作用して、この交差稜線から被加工物Sが切り裂かれるように剪断されることになる。
従って、トリム側傾斜面7やフラット部8によって押さえ付けられることにより被加工物Sの金属箔が変形してヒゲが生じた場合であっても、これはすべて被加工物SのトリムT側に発生することになって製品となるワークWに残ることはなく、このようなワークWとされる電極シートを用いたリチウムイオン2次電池などにおいて品質に不具合が生じるのを防ぐことができる。また、バリやカエリの発生も極力小さく抑えることができる。
その一方で、ワーク側刃付け角度θが小さくても、ワーク側傾斜面6は、ダイロール本体3の径方向外側に向かうに従い前記断面における刃型中心線Cに向けて接近するように傾斜させられており、従って本実施形態ではフラット部8との交差角が鈍角となるから、刃型2の刃先強度を確保することができ、前述のように切刃となるこれらワーク側傾斜面6とフラット部8との交差稜線に鋭い切れ味を確保しつつも、該交差稜線が早期に摩耗して切れ味が鈍くなってワークW側にヒゲ等が生じたり、刃型2の先端そのものが欠損するような事態が生じたりするのを防ぐことができる。
そして、本実施形態では、刃型2において被加工物SのワークW側に配されるワーク側傾斜面6がこの刃型2の断面における刃型中心線Cに対してなす角度θ(ワーク側刃付け角度θ)が、5°<θ<20°の範囲内であるので、たとえワークWに幅狭部分が形成されるような場合であっても、図3に示される前記幅狭部分に対応する刃型2、2間にワークWが挟み込まれることが抑制され、かつ、刃型2の切れ味を十分に確保することができる。
具体的に、ワーク側刃付け角度θが、5°を超えて設定されていることで、刃型2の切刃強度が確保されており、また図3のように対向する刃型2、2同士の間にワークWの幅狭部分が深く挟み込まれるようなことが抑制されて、ワークWが刃型2、2間から外されやすくなっている。また、ワーク側刃付け角度θが、20°未満に設定されていることで、被加工物Sに対する刃型2の切れ味が鋭く確保されており、本実施形態のように被加工物Sに金属箔が用いられるような場合であっても、ワークWのヒゲやバリ、カエリ等の発生が抑制されて、製品の品質が高められている。
このように、本実施形態によればワークWの幅狭部分が刃型2、2間に挟み込まれることが抑制されるので、従来のように前記幅狭部分の挟み込みに起因してワークにシワやヨレ(変形)、破れ(破断)などが発生し製品不良となるようなことが防止されて、製品の品質が向上されるとともに、歩留まりも高められる。
また、連続生産時においてワークの破れ等が発生すると、当該不良ワークを処理するのに生産ラインを停止せざるを得ず、生産性が著しく低下することになるが、本実施形態によればこのような事態を回避でき、安定した切断加工が行えるとともに、生産性が向上する。
また、刃型2におけるワーク側傾斜面6の表面粗さβが、Rz0.4<β<Rz1.2の範囲内とされているので、該ワーク側傾斜面6とワークWとの摩擦抵抗が十分に低減されて、前述したワークWの幅狭部分の挟み込みがより確実に抑制されつつも、刃型2の製造時においては、当該ワーク側傾斜面6の加工性が良い。
具体的に、ワーク側傾斜面6の表面粗さβが、Rz0.4を超えて設定されていることで、特別複雑な加工を用いることなく、簡単な研磨加工等によってこのワーク側傾斜面6を形成できる。また、ワーク側傾斜面6の表面粗さβが、Rz1.2未満に設定されていることで、このワーク側傾斜面6と、該ワーク側傾斜面6が接触するワークW端面との摩擦抵抗を十分に低減でき、これによりワークWが刃型2、2間に引っ掛かって保持されるような不具合が効果的に抑制されて、刃型2から分離されやすくなる。従って、製品の品位が安定して高められるとともに、生産効率が向上する。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図3においては、1つの刃型2の折り返された屈曲部分にワークWの幅狭部分に対応する幅Lが設けられているが、ワークWの幅狭部分には種々様々な形状が考えられ、これに限定されるものではない。具体的に、環状をなす一の刃型2内に、他の刃型2が同心状に内包されるような場合において、これら刃型2、2同士の間に、ワークWの幅狭部分に対応する部分が形成されている場合にも、本発明を適用して有効である。
また、図3においては、対向する刃型2、2同士が互いに平行となるように延びているが、これら刃型2、2同士が非平行に延びて互いの間に幅狭部分を形成している場合においてもワークWの挟み込みは考えられ、よって本発明を適用して有効である。
また、前述の実施形態では、金属箔からなる被加工物Sを剪断加工することとしたが、被加工物Sはこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、リチウムイオン2次電池に用いられる電極シート(アルミニウムや銅などからなる金属箔の表面にカーボンやマンガン酸リチウムなどの電極材料が塗布されたもの)が、フッ素樹脂等の樹脂フィルムの上に貼り付けられてなる被加工物Sを用いることとしてもよい。
この場合、被加工物Sは電極シートをダイカットロール1側に向けてアンビルロール11との間に挿通させられて、刃型2がこの電極シートを貫通して樹脂フィルムの厚さの途中まで切り込まれることにより、刃型2の形状に電極シートのワークWを剪断して樹脂フィルムから剥離することにより抜出可能とする一方、このワークWが抜き出された後の電極シートの残りの部分は被加工物Sの端物とされて、トリムTとして樹脂フィルムとともに回収される。
また、被加工物Sは、前述した金属箔以外の例えば紙や繊維等からなるシート材であっても構わない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
ロータリーダイカッターのダイカットロール1において、刃型2のワーク側刃付け角度θを0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°としたものをそれぞれ用意した。尚、これら刃型2において、ワーク側傾斜面6の表面粗さβについては、β=Rz0.8としたもの(表1)、β=Rz1.0としたもの(表2)、β=Rz1.2としたもの(表3)をそれぞれ用意した。
また、ダイカットロール1のフォーム形状としては、図3に示されるように刃型2、2間を狭く形成するとともに、これら刃型2、2同士が、ダイロール本体3の周方向(回転方向R1)に対向するように配置した。また、刃型2先端のフラット部8の前記周方向に沿う幅(図2における左右方向の幅)は0.01mm±0.005mmとした。そして、金属箔からなる厚さ0.01mmの被加工物Sを、ロータリーダイカッターを手回しすることによりテストカットして、ワークWのカット状況を確認した。
尚、カット状況の評価基準は下記の通りとした。
二重丸印(◎)…カットしたワークWが刃型2、2間に全く挟まらず、またヒゲ等も見受けられず、優れた結果である。
丸印(○)…カットしたワークWが稀に刃型2、2間に挟まるが変形なく取り外すことができ、またヒゲ等は見受けられず、良好な結果である。
白い三角印(△)…カットしたワークWが刃型2、2間に引っ掛かり、取り外そうとするとシワ、ヨレが生じる。
黒い三角印(▲)…カットしたワークWにヒゲが付着している。
バツ印(×)…カットしたワークWが刃型2、2間に深く挟まり込み、取り外そうとすると破れる。
Figure 2013202768
Figure 2013202768
Figure 2013202768
表1〜3の結果より、刃型2のワーク側刃付け角度θが、5°<θ<20°の範囲内であるθ=10°、15°においては、ワークWのカット状況がすべて良好であった。なかでも、ワーク側傾斜面6の表面粗さβがRz0.4<β<Rz1.2の範囲内である、表1、2に示される角度θ=10°、15°については、カットしたワークWが刃型2、2間に全く挟み込まれることなく、またヒゲ等も見受けられず、優れた結果となった。
一方、ワーク側刃付け角度θが本発明の範囲外に設定されたもののうち、θ=0°、5°については、ワークWが刃型2、2間に引っ掛かったり深く挟み込まれたりした結果、変形や破断により製品不良となった。また、θ=20°、25°、30°については、総じて切れ味が確保できなくなり、ワークWにヒゲが付着していた。
1 ダイカットロール
2 刃型
3 ダイロール本体
6 ワーク側傾斜面(傾斜面)
7 トリム側傾斜面(傾斜面)
11 アンビルロール
12 アンビルロール本体
C 刃型中心線
O1 ダイ軸線
O2 アンビル軸線
S 被加工物
W ワーク
β ワーク側傾斜面6の表面粗さ
θ ワーク側刃付け角度(刃型2断面においてワーク側傾斜面6が刃型中心線Cに対してなす角度)

Claims (2)

  1. ダイ軸線回りに回転される円柱状のダイロール本体の外周面に、この外周面から突出して該外周面上に延びるように刃型が形成され、この刃型と、前記ダイ軸線と平行なアンビル軸線回りに回転されるアンビルロールの円柱状のアンビルロール本体の外周面とによって、これらダイロール本体とアンビルロール本体との間に挿通されるシート状の被加工物に、該被加工物から製品とされるワークを抜出可能に剪断加工を施すロータリーダイカッターのダイカットロールであって、
    前記刃型は、前記ダイロール本体の外周面において該刃型が延びる方向に直交する断面が、該ダイロール本体の径方向外側に向かうに従い前記ダイ軸線に直交する刃型中心線に向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面を備えた山型をなしており、
    前記一対の傾斜面のうち、前記被加工物における前記ワーク側を向くワーク側傾斜面が前記断面において前記刃型中心線に対してなす角度θは、5°<θ<20°の範囲内とされていることを特徴とするロータリーダイカッターのダイカットロール。
  2. 請求項1に記載のロータリーダイカッターのダイカットロールであって、
    前記ワーク側傾斜面の表面粗さβが、Rz0.4<β<Rz1.2の範囲内とされていることを特徴とするロータリーダイカッターのダイカットロール。
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