JP5416671B2 - ロータリーカッター - Google Patents

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本発明は箔を剪断加工にて打抜くロータリーカッターに関する。
ロータリーカッターは、代表的には刃先を有するダイカッターと刃を受けるアンビルロールとの両ロール間に薄板状の被切断物(以後「ワーク」と称する)を送り、両ロールを互いに逆方向に回転することでワークを「押し切り」を主として切断する技術として広く知られている。
代表的なロータリーカッターを特許文献1に示す。このロータリーカッターは主に布や紙などのワークを押し切りし、打抜く。ロータリーカッターはその耐久性と、打抜きの効率に秀でており、非常に生産性が高い手段である。
この方法は、布や紙などの押し切りが有効なワークには使用が容易である。しかし、押し切りを主とする切断は例えば延性金属の薄板を打抜こうとすると、切断以前に弾性変形についで塑性変形を生じ、バリやカエリなどが多発して、切断面品質を要求される用途には使用できないという欠点がある。
そのために、現在に至るまで様々な提案がなされている。
特許文献2には、金属箔の切断について改良された技術が述べられている。これは、従来のような硬質の材料でパンチを構成するのではなく、パンチが合成樹脂にて構成されており、ダイには所望の形状に穴があけられ、パンチとダイの接近により合成樹脂の変形部にてワークを打抜く方法が述べられている。この方法は例えば一片が10mm程度と小さな必要部を打抜くためにはある程度有効であるが、バリやカエリの発生に対しては十分な効果を発揮できない。また、必要部ではなく不要部分を打抜く場合は、必要部全面に弾性体を介して大きな圧力が加わる。そのため、金属箔や圧力をかけると変形や破壊するようなワークの材質には使用できない。
特許文献3には、特許文献1および特許文献2においても解決できていない、塑性変形などがおこる箔状のワークを打抜く手段が述べられている。この方法は、 ダイとパンチを嵌合する状態まで接近させずに切断を行なうという方法である。この方法を用いれば、金属などの塑性変形を起こすような材質からなる箔を打抜くことも可能である。しかしながら、この方法では、ワークが例えば銅箔のように比較的変形抵抗の大きい材料の場合は、図18に示すようにダイとパンチのエッジを支点としてダイの凹部内で銅箔がたわみ、逆にエッジ部分の前方と後方ではパンチ側にソリが生じる。また、特にロータリー カッターの場合は、切断時のワークの保持を十分に行なうことが難しいため、切断部に剪断力だけでなく引張り力も生じるために、バリやカエリの発生に対して 十分な効果を発揮できないという課題があった。
特許第2593570号公報 特開昭62−214835号公報 国際公開番号WO2010/013818 A1公報
本発明では、従来型のロータリーカッターで成しえなかった、金属や塑性変形をひき起こす材料の箔を、バリやカエリの発生を抑制しつつ良好に切断することが課題である。
箔を良好に切断するために、パンチロール側に凸状のパンチ、ダイロール側に凹状のダイをもつロータリーカッターを用いて、パンチの少なくとも先端部に、箔の打抜きを補助する目的のパンチ用弾性体を設置することで、前記課題を解決した。
ロータリーカッターを用いて、塑性変形が容易に生じる材料からなる箔を切断時の変形やバリを極力小さくして打抜くことができる。塑性変形が容易に生じる材料としては延性金属が挙げられるが、同様な塑性変形の現象を生じる延性金属含有物や有機物であっても本発明のロータリーカッターは良好に打抜くことができる。
また、ロータリー方式であるために、その生産性は一般的なパンチとダイが上下動して打抜く金型方式に対して著しく高い。
打抜き用のロータリーカッターには様々な種類があるが、代表的なものは図11に示すようにダイカッター側に略製品形状の凸部の刃先3があり、平滑なアンビルロール2との押し切りにより薄板状のワークWを打抜く方法である。この方法は押し切りであり、ワークを押しつぶして変形および切断するために、延性金属などの塑性変形を起こす箔状のワークに対しては、打抜き時の切断面に塑性変形による変形やバリ、カエリなどが大きく発生するために、使用できない。
また打抜きではなく鋭い刃先をもつスリッターを使用したロータリーカッターもある。代表的な構造を図12に示す。この方法では、アンビルロール2の表面に樹脂や弾性体の層17を設けて、そこにワークを介してスリッター16を押し付けることによって切断を行なう。この方法ではスリッターは鋭い刃先を有するが、アンビルロールに押し付けて切断するために、切断の機構としては押し切りになる。箔状の金属なども切断できるが、押し付ける圧縮力を主体とするために、切断部近傍にバリやカエリが発生し、さらに切断部近傍部分も樹脂や弾性体の変形にならって大きく変形するという問題が生じる。これらの技術はいずれも箔の押し切りによる加工である。押し切りによる加工を延性金属のような塑性変形しやすい材料に用いると、押した部分が変形して潰れるために製品にどうしてもバリが残ってしまう。さらに、鋭い刃をもつロータリーカッターは、ロールの回転方向のみの切断であれば一度切断箇所が生じれば、その切断箇所の先端に応力が集中しやすく、バリの発生を制御しながらの切断も可能である。しかし、ロールの軸方向の切断は図10に示すような押し切りのロータリーカッターと機構は全く同じであり、同様の問題が発生する。本課題では打抜くワークの形状は、直線状だけでなく様々な形状に対応できるものを想定しているために、この形式のロータリーカッターは使用に適していない。よって、本発明では極力押し切りにならないよう、剪断切りで箔を打抜くことによりバリやカエリの問題を解決した。
本発明を以下に説明する。
本発明は、パンチロールとダイロールが互いに反対方向に回転し、両者間を通過する箔を一工程にて打抜きするパンチロールとダイロールの組み合わせとからなるロータリーカッターであって、前記パンチロールにはロールに略製品形状の凸部のパンチ、前記ダイロールにはパンチ形状に対応する略同形状の凹部であるダイを有し、前記パンチとダイにて箔を打抜く動作を通じてパンチとダイの作動最外周が互いに干渉しない構造を持ち、前記パンチ凸部の先端部の少なくとも一部に切断中の箔に応力を与えるパンチ用弾性体が取り付けられたロータリーカッターである。
図1に示すように、パンチロール1側は打抜きされる形状と同様の輪郭を少なくとも持つ凸状のパンチ3を有する。このパンチの少なくとも先端部にはパンチ用弾性体6が装着されており、パンチ基部5にパンチ用弾性体6が装着されていると表現する。また、ダイロール2には前記パンチに対応し、略同形状を持つ凹部ダイ4が形成されている。
一工程にて打抜きするとは、ダイとパンチの一回の接近により打抜き加工を終了することを示す。たとえば、一度目のダイとパンチの接近で箔を仮抜きし、二度目の接近で完全に打抜く加工の形態とは異なる。
このパンチ基部とダイは、図2に示すようにその回転の作動最外周(7,8)が互いに干渉しない。
そして、本発明のロータリーカッターは、以上に説明したロータリーカッターにおいて、前記パンチの先端部に切断中の箔に応力を与えるパンチ用弾性体が設置することを特徴とする。
これらを用い、図3に示すように凸状のパンチ部のパンチ用弾性体の奥に位置するパンチ基部のエッジにあたる部分と、ダイ凹部のエッジによってそこに挟まれたワークを所望の形状に剪断力を与えて打抜く。
パンチロールとダイロールの回転によりワークWはそれに追従して同時に移動する。供給されたワークは、パンチロールとダイロールの幅が一定以上に狭まる部分まで送られたときに、切断に寄与するダイのエッジ部とパンチ用弾性体を介してこれに最近接するパンチのエッジ部とによって剪断力が生じ、剪断切りされる。
箔を剪断切りする際は、例えば引用文献3に示されているように、パンチの凸部とダイの凹部、互いのエッジを結ぶ線上にて剪断力が強く働き、破断応力を超えた箇所から随時破断が進む。ところが、本発明はその切断の対象として箔をあげているが、箔は例えば一片が数mmのものから大きいものでは数100mmに及ぶ。そのために、前記の破断はパンチロールとダイロールの回転に応じて、対応するワークの箇所が順次切断されるという状態になる。
このことを図13〜図16の模式図を用いて説明する。図中の凸パンチ3がワークWからひとつの製品部分を打抜くものとする。ダイ4とパンチの接近により、図13に示したようにまず製品部分の進行方向前側(先頭部)が先に切断される(11)。切断の直前においてワークは、その進行方向前方にも後方にも繋がっているために、ワークの進行する前後方向に張力が働いており、良好に剪断が行なわれる。一方、そのままパンチロールとダイロールが回転し、ワークが進行すると、図14に示すように、先に切断された先頭部9には進行方向に対する張力が働かなくなる。従って、製品の進行方向後ろ側の最後尾の切断時には、パンチおよびダイのエッジ部とワークとの相対的な位置がずれやすくなり、切断部に剪断力が十分に伝達しにくくなるため、図15に示すように完全に切断することができない(18)。また、図16に示すように、切断できたとしても、バリやカエリ19が非常に大きいまま残ることになり、高品質な切断面を要求される製品用の切断には使用できない。
そこで本発明では、パンチの先端部に切断時のワークを固定する目的のパンチ用弾性体を設置した。ワークは製品部分の先頭部が切断される前後には、図4に示すように、切断された先頭部を含むワークWがパンチ用弾性体6とダイに挟まれて固定された状態となる。
パンチ用弾性体は圧縮されているために、その反力としてワークを十分に固定できる。この状態でさらにダイとパンチの基部が接近することによりワークに対して剪断力が働き剪断することができる。
製品部分の先頭部の切断後には、先頭部分は応力を受けなくなるために、図5に示すように先頭部9の動きは自由になる。
さらにワークが進行し、製品の最後尾近くまで回転した際には図6に示すように、最後尾の切断部分近傍がパンチ用弾性体とダイにより固定された状態となる。そのために、最後部の切断もワークが十分に固定された状態で先端部と同様に加工することができる。
また、略製品形状の凸部のパンチサイズが、略同形状の凹部ダイのサイズ以上となる方が、切断時に製品を固定しやすいため好ましいが、図7に示すように、パンチ用弾性体6の形状は、図4に示すような円弧状の平坦な形状に限らず、パンチ基部のエッジの部分からワークに向かって剪断力を適切に伝えることができる形状ならば、特にそのパンチ自身のサイズに制限はない。
また、本発明のロータリーカッターはパンチとダイは接触せず、また、パンチの先端エッジ部が直接ワークと接触しないために、パンチの寿命は長く保つことができる。さらに、ワークが延性金属質の場合には、パンチと接触することによるダイやパンチへの金属の凝着を極力抑えることができる。
なお、ロールの回転方向の切断に関しては、従来の技術でもある程度バリやカエリを小さくすることができ、主な問題点は軸方向の切断について生じている。そのために本説明では、ロールの軸方向の切断に対する問題点および解決法を主として示している。
請求項2に記載の本発明は前記パンチ用弾性体がポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ベークライト、プラスチック、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン、塩化ビニル、硬質ゴム、合成繊維のいずれか1種または2種以上の材料からなる請求項1に記載のロータリーカッターである。パンチ用弾性体に最も求められる特性は、パンチ基部のエッジとダイ凹部のエッジ間にて発生する剪断力をワークの切断部分に集中して伝えることであり、同じく求められる特性はワークをダイと挟むことにより適切に固定できることである。
この両方の観点より、パンチ用弾性体はポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ベークライト、プラスチック、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン、塩化ビニル、硬質ゴム、合成繊維のいずれかより構成することが望ましい。これらの材料は、変形することにより剪断力をパンチの基部のエッジ部からワークに的確に伝達することができる。また、例えばアルミ箔や銅箔などの延性金属箔や塑性変形を起こしやすい非金属箔材料とも摩擦係数を確保することができるために、切断時のワークの固定に寄与する。
請求項3に記載の本発明は前記パンチ用弾性体のロータリーカッター径方向の高さが50μm以上、5mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のロータリーカッターである。
パンチ用弾性体の高さ(厚さ)は、薄すぎればワークを固定する働きが十分に確保しにくくなり、逆に厚すぎればパンチ用弾性体自体の変形が大きくなりすぎるために伝達される応力が分散し、切断したいワーク部分を確実に切断することが難しくなる。パンチ用弾性体の高さの最低値は少なくとも50μm確保するとよく、厚い場合でも5mm以内とすることで、剪断力の確保とワークの固定を両方とも適切に行なうことができる。
なお、上記の高さとは、パンチ基部の作動最外周からの径方向高さである(図2中の7)。
請求項4および請求項5に記載の本発明は、前記パンチ用弾性体を除く部分のパンチ部、および前記ダイの弾性係数が150GPa以上の材料からなる請求項1から請求項3のいずれかに記載のロータリーカッターである。
パンチ基部およびダイは打抜くワークの形状に準じたエッジを有する。これらにより切断を行なう際は、パンチおよびダイのエッジを基点としてその間のワークに剪断力が発生する。ここで、パンチ基部およびダイがパンチ用弾性体を通じて応力を受けることにより、容易に変形する材料であれば、剪断応力が確保されずにパンチ基部およびダイが変形することになる。よって、パンチ基部およびダイは応力により変形しにくい材料である必要がある。そのために、パンチとダイの材質は弾性率が150GPa以上、好ましくは200GPa以上がよりよい。これに該当するのは、繊維強化プラスチック、錬鉄、鋼、工具鋼、超硬合金、セラミックスなどである。
また、本発明は前記ダイの凹部に、打抜きを補助する目的のダイ用弾性体が取り付けられた請求項1から請求項5に記載のロータリーカッターである。
ダイの凹部にダイ用弾性体を取り付けることにより、まず図18に示すようなパンチ3とダイ4により応力が与えられた際のワークWの変形を小さくすることができる。これは、例えば金属では、アルミニウム箔など変形抵抗の低い箔を打抜く際は大きな問題にならないが、銅箔のような変形抵抗の大きい箔を打抜く際は問題となる。これを解決するために、パンチの先端部にパンチ用弾性体を設けることのほかに、ダイの凹部に弾性体を挿入することにより前記変形を抑え、より切断面品質の高い打抜きを行なうことができる。
また、ダイカッター側からだけでなくアンビルロール側からもワークへの摩擦が与えられるために、切断時のワークの固定がより一層確実になる。
請求項7に記載の本発明は、前記ダイ用弾性体の材質が、少なくともゴム、樹脂、ロジン、天然ゴム、合成ゴム、天然スポンジ、合成スポンジ、ゴムスポンジ、発泡プラスチックのいずれか1種または2種以上の材料からなる請求項6に記載のロータリーカッターである。
ダイ用弾性体の材質は特に限定されるものではないが、ワークに対して摩擦が極端に低いものは好ましくない。摩擦が低すぎると先端部が切断されたワークを十分に固定する役割が果たせないことが考えられる。ワークである箔は、金属箔や塑性変形を示しやすい材料を主に対象としているが、これらに対して十分な摩擦を持つものが望ましい。より適している材料はゴム、樹脂、ロジン、天然ゴム、合成ゴム、天然スポンジ、合成スポンジ、ゴムスポンジ、発泡プラスチックなどであった。
請求項8に記載の本発明は前記ダイ用弾性体が、ダイ用弾性体を除くダイロールの凹部エッジの作動最外周を基準にして−2mm以上、3mm以下突出していることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載のロータリーカッターである。
ダイ用弾性体はダイの凹部に設置されていて、特に変形抵抗の大きな箔を切断、打抜きするのに有効である。そして、ダイの作動最外周に対して−2mm以上、3mm以下外周方向に突き出していることが好ましい。−2mm突き出した状態とは、ダイの作動最外周に対して2mm陥没した状態であり、0mmであればダイの円弧と同様となる。図8に突き出し量(14,15)の異なるダイ用弾性体8の模式図を示す。
この突き出し量は、大きすぎればワークやパンチ用弾性体の回転を妨げることになり、そのより好ましい上限は3mmである。3mm以下であれば多くのワークを打抜く際に、回転中にワークやパンチ用弾性体の進行の妨げとならずにワークを固定する応力を加えることができる。また、突き出し量が小さすぎると、ワークを切断時に固定する応力が十分発揮できなくなる。突き出し量の下限は、−2mmがより好ましい。これよりも低い値であれば、ワークの固定のための応力が十分確保されない場合があり、バリやカエリが大きくなり、製品の切断面品質が劣化する可能性がある。
また、ダイ用弾性体の形状は、図8(A)〜(C)に示すように突き出した部分の形状が円弧状でもよいが、一例を図9(D)〜(G)に示すように、平坦な形状や内部にザグリが入ったもの、そのザグリの中に固定ブロックを挿入したような形状でもよく、ワークの変形を抑え、切断時にワークを常に固定できる形状であればよい。
また、本発明のロータリーカッターは図1に示すように、製品が打抜かれる部分の場合も、残った部分が製品形状になる場合にも適用することもできるし、図10に示すように中抜き部分があるような形状にも対応が可能である。
また、超硬合金、セラミックスをダイ、パンチの素材とすることで、ダイ凹部のエッジ・パンチのエッジ部間で発生する応力が分散しにくくなり、切断時に発生するバリやカエリが軽減されるだけでなく、耐摩耗性も向上する。耐摩耗性を向上し、ロータリーカッターのダイの凹部の少なくともエッジにあたる部分を、超硬合金、セラミックス、ダイヤモンドライクカーボンで構成することで、さらに有利になる。
(実施例1)
ワークを厚さが20μmの銅箔とした。
ロータリーカッターには図1に示すような、製品形状に直線部も曲線部も有する閉じたパターンを形成し、1分間の切断試料枚数を200枚(200rpm)としてそれぞれ切断を行なった。試験は50分間行い、1万枚切断した時点での評価とした。
ダイおよびパンチ基部は超硬合金(弾性率550GPa)で製造し、パンチ用弾性体はパンチ基部に接着剤を用いて固定した。パンチ用弾性体はその種類と高さを数種類変えて実験を行なった。
評価項目としては各ワークを切断し、切断できるかどうかの評価および切断できた場合のロール回転方向の寸法精度および最大バリ高さ(以後「バリ高さ」と表記)を比較した。
切断できるかどうかは、パターン形状が全て切断されているかの評価を行なった。
回転方向の寸法精度は、図1のダイロールC−C’で示す部分に対応する切断品の長さを測定した。C−C’の長さの基準は、作製したダイのC−C’部に対応する実パターン長さとし、その長さは100mmである。
最大バリ高さは図17に示すように、切断品から最も突き出た部分19の長さD1を測定し、切断品の切断前の厚さD2を減じた値D3とした。
以上の条件にてパンチ用弾性体の材質や高さをそれぞれ変え前記条件にて運転し、それぞれ評価を行なった。
表1にパンチ用弾性体の材質および高さを、表2にそれぞれのパンチ用弾性体を用いたロータリーカッターの評価を示す。
Figure 0005416671
表中で「*」のついた番号の試料は、本発明の範囲外の比較試料である
Figure 0005416671
表中で「*」のついた番号の試料は、本発明の範囲外の比較試料である

表1および表2より以下のことが分かった。
まず、パンチ用弾性体を用いていない比較試料*31は、このワークに対しては外径に沿って全周を切断することができなかった。これに対して本発明のロータリーカッターは、試験終了後も良好に打抜きが行えた。また、その加工精度はいずれもダイの該当部寸法(100mm)に対して0〜0.1mmであった。ワークが塑性変形を起こすために、いずれの試料についてもロールの回転方向に伸びが見られたが、その値はきわめて小さかった。バリ高さについては、全ての試料で15μm以下と良好であったが、特にパンチ用弾性体の高さが50μmから5mmの間に設定した試料が優れており、10μm以下のバリ高さであった。パンチ用弾性体の材質については、試験したポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ベークライト、プラスチック、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン、塩化ビニル、硬質ゴム、合成繊維のいずれについても良好であった。

(実施例2)
実施例1ではワークを厚さが20μmの銅箔を打抜いたが、本実施例ではワークの材質および厚さを変え、パンチ用弾性体は実施例1で優れた特性を見せた高さが2mmのポリプロピレンを用い、ワークとしてアルミ箔、銅箔、表面に電池用活物質を塗布したアルミ箔および銅箔について、厚さを変えたワークを用いて実験を行なった。他の条件は実施例1と同等である。評価については、電池用活物質を塗布した試料については、活物質に破損や剥離がないかどうかの評価も行なった。
一般に、銅箔とアルミ箔はその変形のしやすさに違いがあり、アルミ箔は柔らかく比較的変形しやすいがバリが高くなる傾向がある。一方、銅箔はバリの高さはアルミ箔よりも低くなるが、切断には剪断力がより必要とされる。
また、電池用の活物質は剪断により切断しやすいが、切断部以外に高い圧力がかかると、割れや金属からの剥離の原因となり、好ましくない。
ワークの種類を表3に、実施例1と同様の評価結果を表4に示す。
Figure 0005416671
Figure 0005416671
表3および表4の結果より、本発明のロータリーカッターは金属箔の材質や厚さにかかわらず良好に切断できることが確認できた。また、精度やバリ高さもそれぞれ0.1mm以下、10μm以下と良好な結果を示した。
さらに、金属箔に電池用の活物質を塗布したワークに対しても、活物質に割れや剥離は見られずに、目立つ組織の破壊もなかった。このことより、本発明のロータリーカッターはワークの切断部以外には大きな応力がかかっておらず、剪断力にて良好に切断していることが確認できた。

(実施例3)
次に、実施例2のパンチ用弾性体を用いて、ワークをNo.14の電池用活物質を塗布した銅箔として、ダイの凹部にダイ用弾性体を設けた試験を行った。
ダイ用弾性体としては、エラストマー系の樹脂である、オレフィン系エラストマーを用い、図8の(A)〜(C)に示すような円弧状の形状とした。突き出し量をそれぞれ変えて実施例2と同様の試験を行った。全ての試料に対して切断は可能であり、精度も良好な範囲でほとんど変わらなかったために、バリ高さと活物質の状態で評価を行なった。結果を表5に示す。
Figure 0005416671

表5の結果より、ダイ用弾性体を用いた場合でもバリ高さを低く抑えることができ、いずれもダイ用弾性体使用しない場合よりもバリ高さを低くできた。さらに、ダイ用弾性体の突き出し量が−2mm〜+3mmの条件では、いずれもバリ高さを5μm以下と、極めて低くすることができた。
また、実施例3には記載していないが、実施例3とそのほかは同様の条件にてダイ用弾性体をゴム、樹脂、ロジン、天然ゴム、合成ゴム、天然スポンジ、合成スポンジ、ゴムスポンジ、発泡プラスチックとした試験を行ったが、いずれを使用した場合にも、切断可能であり、精度は±0.2mm以下であり、バリ高さは最大で8μmであった。

(実施例4)
次に実施例1のパンチ用弾性体No.9(ポリエチレンテレフタレート)を用い、ワークは厚さ10μmの銅箔とし、そのほかは実施例1と同様の条件で、パンチとダイを超硬合金から別の材質に変更した試験を行った。
変更したパンチとダイの材質を表6に、前記ワークの打抜き結果を表7に示す。
Figure 0005416671
Figure 0005416671

表6および7の結果より、ダイとパンチの弾性率は高いほうがバリ高さが低くなる傾向があり、弾性率が150GPa以上ではいずれもより良好に切断できることが分かった。
また、パンチとダイの材質を異なる組み合わせにしても実施の上で問題がないが、精度やバリ高さは両者で弾性率の低い方の材料をパンチとダイに用いた結果とおよそ一致した。
本発明の形態を示す模式図 作動最外周に対する説明図 本発明による打抜きの模式図 先頭部の切断 先頭部が切断された後の状態 最後尾の切断 パンチ用弾性体の一例 ダイ用弾性体の突出し量の模式図 ダイ用弾性体の一例 本発明の別の形態を示す模式図 従来のロータリーカッターの模式図 従来のロータリーカッターの模式図 打抜き不良の模式図(打抜き初期) 打抜き不良の模式図(打抜き中期) 打抜き不良の模式図(切断不良) 打抜き不良の模式図(バリ、カエリの発生) ワークに発生するソリの模式図 バリ高さの説明図
1 パンチロール
2 ダイロール(従来の例ではアンビルロール)
3 パンチ(凸部)
4 ダイ(凹部)
5 パンチ基部
6 パンチ用弾性体
7 パンチの作動最外周
8 ダイの作動最外周
9 打抜き中のワークの先頭部
10 ロールの回転方向
11 剪断クラック
12 ダイ用弾性体
13 固定ブロック
14 ダイ用弾性体の突出し量(マイナス)
15 ダイ用弾性体の突出し量(プラス)
16 スリッター刃部
17 樹脂、弾性体の層
18 切断不良部
19 バリ、カエリ
W ワークと進行方向
A−A’ パンチロールの周方向の断面模式図
B−B’ ダイロールの周方向の断面模式図
C−C’ 評価時の寸法精度測定部

Claims (9)

  1. パンチロールとダイロールが互いに反対方向に回転し、
    両者間を通過する箔と、
    前記箔と重なり合った状態で同時に移動する中間材とを
    同時に一工程にて打抜きするロータリーカッターであって、
    前記パンチロールは箔を打抜く形状と略同形状の凸面を有するパンチを、
    前記ダイロールはパンチの凸面形状略同形状の凹部であるダイを有し、
    前記パンチとダイにて箔を打抜く動作を通じてパンチとダイの作動最外周がお互いに干渉しない構造を持ち、
    前記パンチの凸面の少なくともエッジ部に、前記ダイのエッジ部と共に打抜き中の前記箔および中間材を挟んで固定するパンチ用弾性体を設けたロータリーカッター。
  2. 前記パンチ用弾性体が、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ベークライト、プラスチック、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン、塩化ビニル、硬質ゴム、合成繊維のいずれか1種または2種以上の材料からなる請求項1に記載のロータリーカッター。
  3. 前記パンチ用弾性体のロータリーカッター径方向の高さが50μm以上、5mm以下である請求項1または請求項2に記載のロータリーカッター。
  4. 前記パンチ用弾性体を除く部分のパンチが、弾性係数150GPa以上の材料からなる請求項1から請求項3のいずれかに記載のロータリーカッター。
  5. 前記ダイの材料の弾性係数が150GPa以上である、請求項1から請求項4のいずれかに記載のロータリーカッター。
  6. 前記ダイの凹部に、前記パンチ用弾性体と共に打ち抜き中の箔を挟んで固定するダイ用弾性体を設けた請求項1から請求項5のいずれかに記載のロータリーカッター。
  7. 前記代用弾性体の材質が、少なくともロジン、天然ゴム、合成ゴム、天然スポンジ、合成スポンジ、ゴムスポンジ、発泡プラスチックのいずれか1種または2種以上の材料からなる請求項6に記載のロータリーカッター。
  8. 前記ダイ用弾性体が、ダイ用弾性体を除くアンビルロールの凹部の作動最外周を基準にして−2mm以上、3mm以下突出した請求項6または請求項7のいずれかに記載のロータリーカッター。
  9. 打ち抜きされる箔が
    金属箔、または、金属箔上に活物質を塗布した箔
    の少なくともいずれかである請求項1から請求項8のいずれかに記載のロータリーカッター。
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