JP2010023137A - トムソン刃 - Google Patents
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Abstract
【課題】刃の耐久性を損なわず、切れムラの原因となる曲げによる高さ変形を抑制することを可能とする。
【解決手段】帯状薄板からなり、長さ方向の一方の側端部に楔形形状の刃先11を形成してなるトムソン刃であって、他方の側端部に厚み方向の中心線に沿って長さ方向に延びる平板状の突起12を具備させ、その突起12の高さを曲げによる内径側の隆起分よりも高くなるように設計する。曲げ加工を行うと曲がった部分で内径側Aに隆起が生じるが、その隆起は厚み方向の中心線に沿った突起12よりも低いため、このトムソン刃を組み込んだ抜き型で加工を行うと、背側から受ける荷重が突起に均一にかかり、刃先11に対しても荷重が十分均一に伝わり、曲げ部で切断ムラを生じることがない。また、シート状の加工物と接触する刃先11の厚みは通常通り確保されているため、打抜き加工により刃先11にダメージが加わり、刃欠け、刃折れが生じることもない。
【選択図】図8
【解決手段】帯状薄板からなり、長さ方向の一方の側端部に楔形形状の刃先11を形成してなるトムソン刃であって、他方の側端部に厚み方向の中心線に沿って長さ方向に延びる平板状の突起12を具備させ、その突起12の高さを曲げによる内径側の隆起分よりも高くなるように設計する。曲げ加工を行うと曲がった部分で内径側Aに隆起が生じるが、その隆起は厚み方向の中心線に沿った突起12よりも低いため、このトムソン刃を組み込んだ抜き型で加工を行うと、背側から受ける荷重が突起に均一にかかり、刃先11に対しても荷重が十分均一に伝わり、曲げ部で切断ムラを生じることがない。また、シート状の加工物と接触する刃先11の厚みは通常通り確保されているため、打抜き加工により刃先11にダメージが加わり、刃欠け、刃折れが生じることもない。
【選択図】図8
Description
本発明は、板紙、段ボール、樹脂シート等のシート状物を所定形状に打ち抜くための抜き加工の技術分野に属し、詳しくは、打抜き加工を行う抜き型に用いられるトムソン刃に関するものである。
従来、この種のシート状物の打抜き加工に使用される抜き型は、ベース材であるベニヤ板に所定形状の溝切り加工を施すとともに、トムソン刃をそのベニヤ板に形成される溝の形状に応じて切断・曲げ加工し、その曲げ加工後のトムソン刃をベニヤ板の溝に嵌め込むとによって製作されている。このトムソン刃は、鉄鋼材料からなり、図1に示すように帯状薄板の一方の側端部に楔形形状の刃先1を形成したもので、刃先1の先端をシート状の加工物に押し付け、背2の側から垂直に加圧することでその加工物を切断する。通常トムソン刃は、帯状の形態で納入されたものを引抜き加工することによって刃先を形成し、これを必要な長さだけ切断した後、ベース材の溝に嵌合するように所定の形状に曲げ加工される。
このようなトムソン刃に関する技術として種々の特許が出願されている。例えば、刃先に極微細な凹凸形状を施すことで切断抵抗、切り口の仕上がり形状、曲げ加工性の改善を図ったもの(特許文献1)、刃の中心部と外側部の材質を変えることで切れ味と曲げ加工性、耐久性の向上を図ったもの(特許文献2)、材質を改良したことにより単一部材鋼板でありながら曲げ加工性を向上させたもの(特許文献3)等がある。
しかしながら、上記したような特許文献に記載されている技術は、刃材鋼板を曲げ加工する際に生じるクラックや破断、スプリングバックなどの加工性をいかにして向上させるを目的としたものばかりであり、曲げ時の塑性変形による刃材鋼板の高さ変動について論じたものは見当たらない。また、通常使用される刃材鋼板は厚みが0.5〜1.2mm程度であるため、曲げ加工による高さ方向の塑性変形は非常に微少であり、実際に変形しているか否かを確認することもままならないのが現状である。
図2は曲げ加工を施した従来のトムソン刃を示す斜視図である。トムソン刃に曲げ加工を施すと、曲げの内径側は、刃の厚み分だけ径が小さくなるため、曲げ径の円周方向から圧縮されて変形し、図示のように刃の高さ方向へ隆起3が生じる。反対に、曲げの外形側は、外周に沿って引張力が働くため、図示のように刃材の沈降が生じる。
この曲げ加工時に生じる刃先の変形状態を図3および図4に模式的に示す。トムソン刃に曲げ加工を施すと、図示のように、その厚み方向の中心線a付近を境として、内径側Aが隆起し外形側Bが低落した形状になる。このような形状となったトムソン刃は、シート状の加工物を打ち抜く際、刃高が高い内径側に沿って打抜き機の加圧部が接触するため、本来背側全面で受けるはずの荷重が十分に伝わらず、曲げ部で切断ムラが生じていた。
曲げ加工に伴う変形を抑制するための既知技術として、曲げ加工を施す箇所の厚みを除去加工により薄く取り除き、刃を曲げたときの変形量を小さくする手法がある。この方法では、図5に示すように、曲げ加工を施す箇所をグラインダー等で厚み方向に削り取って溝4を形成した後、図6に示すように、この薄くなった溝4のところで曲げ加工を行うため、前述した加工変形を半減することができる。しかしながら、この手法で曲げ加工したトムソン刃を用いると、曲げ加工を施した部分だけが通常より薄い刃物で打抜き加工を行うことになるため、必要な強度が得られず、刃欠け、刃折れが生じる場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、刃の耐久性を損なわず、切れムラの原因となる曲げによる高さ変形を抑制することを可能としたトムソン刃を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係るトムソン刃は、帯状薄板からなり、長さ方向の一方の側端部に楔形形状の刃先を形成してなるトムソン刃であって、他方の側端部に厚み方向の中心線に沿って長さ方向に延びる平板状の突起を具備させ、その突起の高さを曲げによる内径側の隆起分よりも高くなるように設計したことを特徴としている。
そして、帯状薄板の厚み方向で見て、突起の幅の中に刃先が存在しているように設計することが好ましい。
本発明のトムソン刃は、曲げ加工を行うと曲がった部分で内径側に隆起が生じるが、その隆起は厚み方向の中心線に沿った突起よりも低いため、このトムソン刃を組み込んだ抜き型で加工を行うと、背側から受ける荷重が突起に均一にかかり、刃先に対しても荷重が十分均一に伝わることから、曲げ部で切断ムラを生じることがない。また、シート状の加工物と接触する刃先の厚みは通常通り確保されているため、打抜き加工により刃先にダメージが加わり、刃欠け、刃折れが生じることもない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図7は本発明に係るトムソン刃の一例を示す斜視図である。図示のトムソン刃は、従来と同様な帯状薄板からなり、長さ方向の一方の側端部に楔形形状の刃先11が形成されている。そして、他方の側端部である背側に、厚み方向の中心線に沿って長さ方向に延びる平板状の突起12を具備させてあり、その突起12の高さは曲げによる内径側の隆起分よりも高くなるように設計してある。また、帯状薄板の厚み方向で見て、突起12の幅の中に刃先11が存在しているように設計してある。
図8に示すように、図7のトムソン刃に曲げ加工を施すと、刃の厚みによる変形は、厚み方向の中心線を境として生じるため、曲げ加工による隆起および沈降は突起12の内径側Aおよび外形側Bでのみ生じ、突起12にその変形の影響は及ばない。また、突起12の高さは内径側Aの隆起13よりも高く設計されているため、隆起13の影響を受けることもない。
さらに、この刃の背側に設けられた突起12は、打抜き時には刃先11と垂直な位置関係となるため、打抜き荷重は刃先11まで真っ直ぐ伝達され、打抜き時に荷重抜けによるムラが生じることもない。
また、加工物と接触する刃先11の厚みは通常通り確保されているため、打抜き加工により刃先11にダメージが加わり、刃欠け、刃折れが生じることもない。これにより、刃の耐久性を落とさず曲げ変形を抑制することができる。
突起12の厚みは、曲げ時の変形に寄与しないためには薄ければ薄いほど好ましいが、薄すぎると切断時の負荷に耐えきれずに変形してしまう。したがって、突起12はトムソン刃の材料及び使用目的により適宜設計するのがよい。
このような設計の一例として、トムソン刃でコート紙を切断する場合を取り上げ、次の条件での突起の設計例を示す。
1)コート紙に対する加工力:刃長さ1mm当たり2〜3〔kgf 〕
(代表値として2.5〔kgf 〕を採用する。)
2)刃材(炭素鋼:S50C)の降伏点:363〔N/mm〕≒37〔kgf/mm2 〕
3)突起の厚み:Wmm
1)コート紙に対する加工力:刃長さ1mm当たり2〜3〔kgf 〕
(代表値として2.5〔kgf 〕を採用する。)
2)刃材(炭素鋼:S50C)の降伏点:363〔N/mm〕≒37〔kgf/mm2 〕
3)突起の厚み:Wmm
上記の条件下で、コート紙の加工時に突起へ掛かる圧力は、2.5/W〔kgf/mm2 〕となる。これが刃材の降伏点:37〔kgf/mm2 〕より小さくなる必要があるので、
2.5/W<37
W>2.5/37=0.068〔mm〕
安全率3をみて、Wは上記値の3倍の0.2〔mm〕程度でよい。
2.5/W<37
W>2.5/37=0.068〔mm〕
安全率3をみて、Wは上記値の3倍の0.2〔mm〕程度でよい。
また、曲げ加工時の刃の高さ変形が20〜50μmである点を考慮すると、突起の高さは100〜500μm が適当である。
図9は本発明に係るトムソン刃の製作法の一例を示す説明図である。これは切削加工による成形例を示したもので、加工前のトムソン刃の背側にバイト21を当て、その当接状態でトムソン刃を移動させることによって背側に所望形状の突起12を形成する。
図10は本発明に係るトムソン刃の別の製作法を示す説明図である。これは引抜き加工による成形例を示したもので、帯状薄板をダイス22を通すことにより一方の側端部に刃先11と他方の側端部に突起12を同時に形成する。
また、本発明に係るトムソン刃は、中心部の層の両側に材質を変えた層を貼り合わせる方法でも作製することができる。具体的には、中心部の層によりで背側に突起を形成すればよい。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるトムソン刃は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
11 刃先
12 突起
13 隆起
21 バイト
22 ダイス
A 内径側
B 外径側
12 突起
13 隆起
21 バイト
22 ダイス
A 内径側
B 外径側
Claims (2)
- 帯状薄板からなり、長さ方向の一方の側端部に楔形形状の刃先を形成してなるトムソン刃であって、他方の側端部に厚み方向の中心線に沿って長さ方向に延びる平板状の突起を具備させ、その突起の高さを曲げによる内径側の隆起分よりも高くなるように設計したことを特徴とするトムソン刃。
- 帯状薄板の厚み方向で見て、突起の幅の中に刃先が存在していることを特徴とする請求項1に記載のトムソン刃。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008184732A JP2010023137A (ja) | 2008-07-16 | 2008-07-16 | トムソン刃 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008184732A JP2010023137A (ja) | 2008-07-16 | 2008-07-16 | トムソン刃 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010023137A true JP2010023137A (ja) | 2010-02-04 |
Family
ID=41729461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008184732A Pending JP2010023137A (ja) | 2008-07-16 | 2008-07-16 | トムソン刃 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010023137A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013522060A (ja) * | 2010-03-23 | 2013-06-13 | サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ | スチールパンチナイフ |
JP2013141713A (ja) * | 2012-01-10 | 2013-07-22 | Toshio Yamada | トムソン刃の加工方法 |
JP2015147582A (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-20 | 凸版印刷株式会社 | 詰替え用包装袋 |
-
2008
- 2008-07-16 JP JP2008184732A patent/JP2010023137A/ja active Pending
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