JP2012206179A - ロータリーダイカッターのダイカットロール - Google Patents

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Noriaki Arakawa
訓明 荒川
Akinori Kubota
晃史 久保田
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Abstract

【課題】ダイカットロールの刃型を、電極シートを貫通して樹脂フィルムの厚さの途中まで切り込ませるようにして電極シートを切断する場合でも、電極シートの製品となるワーク側にはヒゲは勿論、バリやカエリを生じさせずに確実に切断する。
【解決手段】ダイカットロール1の刃型2の断面が、ダイロール本体3の外周側に向かうに従いダイ軸線に直交する刃型中心線Cに向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面を備えた山型をなし、これらの傾斜面が刃型中心線Cに対してなす傾斜角度は、被加工物SにおけるワークW側を向く傾斜面2Aのワーク側角度αが、これとは反対のトリムT側を向く傾斜面2Bのトリム側角度βよりも小さく、トリム側角度βとワーク側角度αとの角度差β−αが15°〜35°の範囲内とされ、かつトリム側角度βとワーク側角度αとの角度合計α+βが30°〜60°の範囲内とされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンビルロールとともにロータリダイカッターを構成するダイカットロールであって、円柱状のダイロール本体の外周面に刃型が形成され、この刃型と、上記アンビルロールのアンビルロール本体外周面とによって、これらダイロール本体とアンビルロール本体との間に挿通されるシート状の被加工物に、この被加工物から製品とされるワークを抜出可能に剪断加工を施すロータリーダイカッターのダイカットロールに関するものである。
近年、ノートパソコンや携帯電話等に広く使用されているリチウムイオン2次電池においては、アルミニウムや銅などからなる金属箔の表面にカーボンやマンガン酸リチウムなどの電極材料が塗布された電極シートが用いられている。そして、このような電極シートを所定形状に切断するのに、ダイカットロールとアンビルロールよりなるロータリーダイカッターを用いることが特許文献1、2に記載されている。
このうち、特許文献1に記載されたロータリーダイカッターでは、アンビルロールの外周面に樹脂フィルム層を形成して、ダイカットロールに形成された刃型を、アンビルロールの樹脂フィルム層にまで切り込ませることで、金属箔を有する電極シートを刃型形状に確実に切り抜くとともに、刃型の先端のフラット部で押し潰された電極シートの欠片を樹脂フィルム層に押し込むことにより、電極シートから切断されて製品とされるワークの切断面にこの欠片が付着するのを防いで、バリやヒゲ、カエリの発生を抑制するようにしている。
ところが、このようにアンビルロールの外周面に樹脂フィルム層を形成してダイカットロールの刃型を切り込ませながらワークの切断を行うと、切断を続けるうちに樹脂フィルム層が切り刻まれて損傷してしまい、ダイカットロールの刃型の切れ味が劣化するおそれがある。また、電極シートの欠片が樹脂フィルム層に押し込まれて取り残されると、刃型が1周して次のワークを切断する際にこの取り残された欠片が刃型に当たって摩耗や欠損を招くおそれもある。
そこで、最近では、例えば特許文献3に記載されたようなキャリアフィルム上に保持されたセラミックスグリーンシートを切断する手法を利用して、電極シートを樹脂フィルム上に貼り付けて一体にダイカットロールとアンビルロールとの間に挿通し、ダイカットロールの刃型を、電極シートを貫通して樹脂フィルムの厚さの途中まで切り込ませることにより、電極シートの製品となるワークを切断して樹脂フィルムから剥離する一方、ワークを剥離した後の電極シートの端物はトリムとして樹脂フィルムとともに回収する切断方法が採られるようになってきている。
特開2009−66676号公報 特開2009−107047号公報 特開平7−52099号公報
ところで、このような切断方法によって電極シートを切断する場合においても、電極シートの製品となるワークに切断の際の欠片が残されてヒゲを生じることは、電極のショートの原因となるため勿論許されない。また、ショートの原因となることのない僅かな細かいバリやカエリは、多少は許容されるが、加工品位の観点からやはり発生しないことが望ましい。
このため、ダイカットロールの刃型は、そのワーク側を向く面による切れ味ができるだけ鋭くなるようにするのが望ましいが、例えば特許文献2、3に記載されているように、このワーク側を向く面をダイカットロールのダイロール本体の回転軸線であるダイ軸線に垂直な面としてしまうと、該ダイ軸線に対する径方向外周側の刃型の先端において、ワーク側を向く面と刃型先端のフラット部や刃型のトリム側を向く面との交差角が小さくなり、このワーク側を向く面の先端側において早期に刃型の摩耗を生じて却って切れ味が損なわれ、ヒゲやバリ、カエリを生じ易くなってしまう。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように電極シートを樹脂フィルム上に貼り付けて一体にダイカットロールとアンビルロールとの間に挿通し、ダイカットロールの刃型を、電極シートを貫通して樹脂フィルムの厚さの途中まで切り込ませるようにして電極シートを切断するような場合でも、電極シートの製品となるワーク側にヒゲは勿論、バリやカエリも極力生じさせることなく確実に切断することが可能なロータリーダイカッターのダイカットロールを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、ダイ軸線回りに回転される円柱状のダイロール本体の外周面に、この外周面から突出して該外周面上に延びるように刃型が形成され、この刃型と、上記ダイ軸線と平行なアンビル軸線回りに回転されるアンビルロールの円柱状のアンビルロール本体の外周面とによって、これらダイロール本体とアンビルロール本体との間に挿通されるシート状の被加工物に、該被加工物から製品とされるワークを抜出可能に剪断加工を施すロータリーダイカッターのダイカットロールであって、上記刃型は、上記ダイロール本体の外周面において該刃型が延びる方向に直交する断面が、該ダイロール本体の外周側に向かうに従い上記ダイ軸線に直交する刃型中心線に向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面を備えた山型をなしており、上記断面においてこれらの傾斜面が上記刃型中心線に対してなす傾斜角度は、上記被加工物における上記ワーク側を向く傾斜面のワーク側角度が、これとは反対の上記被加工物において上記ワークが抜き出された後の端物とされるトリム側を向く傾斜面のトリム側角度よりも小さくされるとともに、このトリム側角度と上記ワーク側角度との角度差が15°〜35°の範囲内とされ、かつこれらトリム側角度とワーク側角度とを合計した角度合計が30°〜60°の範囲内とされていることを特徴とする。
このように構成されたダイカットロールでは、ダイロール本体の刃型が、ダイロール本体の外周面において該刃型が延びる方向に直交する断面において山型をなしていて、ダイロール本体の外周側に向かうに従いダイ軸線に直交する刃型中心線に向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面を備えており、すなわちこの刃型のワーク側を向く面がダイロール本体の外周側に向かうに従い刃型中心線側に向かう傾斜面とされているので、このワーク側を向く傾斜面と刃型先端のフラット部または刃型のトリム側を向く傾斜面との交差角が小さくなりすぎるのを防いで、早期の摩耗による切れ味の低下を防ぐことができる。
そして、さらに上記構成のダイカットロールでは、この刃型のワーク側を向く傾斜面のワーク側角度がトリム側を向く傾斜面のトリム側角度よりも小さくされていて、しかもこれらトリム側角度とワーク側角度の角度差が15°〜35°の範囲内とされ、かつトリム側角度とワーク側角度との角度合計は30°〜60°の範囲内とされており、これにより、トリム側を向く傾斜面の被加工物への接触面積を大きくして被加工物を押さえ付けるようにしながら、ワーク側を向く傾斜面とトリム側を向く傾斜面とがなす刃型の刃先角度は必要最小限に抑えて、ワーク側を向く傾斜面によって被加工物を鋭く切り裂くように切断することができ、被加工物が上述のような樹脂フィルムに貼り付けられた電極シートであってもヒゲの発生を防止するのは勿論、バリやカエリの発生も極力防ぐことができる。
すなわち、トリム側角度とワーク側角度の角度差が15°よりも小さいと、上述のようにトリム側を向く傾斜面によって被加工物を十分に押さえ付けるようにすることができなくなる一方、この角度差が35°を上回るほど大きいと、トリム側を向く傾斜面による押さえ付けが逆に強くなりすぎて、被加工物が上記電極シートである場合にその金属箔を引き延ばすように作用してしまう。
また、トリム側角度とワーク側角度との角度合計が30°よりも小さくて、すなわち刃型の刃先角度が小さいと、早期の摩耗による切れ味の低下や、場合によっては刃型の欠損を招くおそれがある一方、この角度合計が60°よりも大きいと、刃型が被加工物に切り込まれる際の抵抗が大きくなって、やはり金属箔の引き延ばしを生じてしまう。従って、これらの場合はいずれも、製品とされるワークにヒゲが発生するのを防止することができない。
より具体的には、上記ワーク側角度が5°〜15°の範囲内とされて上記の関係を満たすように設定されるのが、ヒゲは勿論、バリやカエリの発生を防ぐのには望ましい。また、上記トリム側角度は25°〜45°の範囲内とされるのが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、被加工物が樹脂フィルムに貼り付けられた電極シートであっても、製品として切断されるワークにショートの原因となるヒゲが生じるのを防ぐことができ、またバリやカエリの発生も極力抑えて、製品歩留まりの高い効率的かつ経済的な切断加工を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係わるロータリーダイカッターを説明する斜視図である。 本発明の一実施形態における刃型の断面図である。 本発明の実施例に用いたロータリーダイカッターの側面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係わるロータリーダイカッターの斜視図であり、図2は、このようなロータリーダイカッターにおける本発明の一実施形態のダイカットロール1の刃型2の断面図である。すなわち、ロータリーダイカッターは、いずれも円柱状をなすダイカットロール1とアンビルロール11とから構成され、これらダイカットロール1とアンビルロール11とを図中に符号R1、R2で示す回転方向に回転させながら、その間にシート状の被加工物Sを挿通して図中に符号Fで示す送り方向に送り出し、このとき、ダイカットロール1の外周面に形成された上記刃型2により、被加工物Sに該被加工物Sから製品とされるワークWを抜出可能に剪断加工を施してゆく。
ここで、本実施形態のダイカットロール1により加工が施される被加工物Sは、図2に示すようにフッ素樹脂等の樹脂フィルムAの上に、アルミニウムや銅などからなる金属箔の表面にカーボンやマンガン酸リチウムなどの電極材料が塗布された電極シートBが貼り付けられたものであり、電極シートBをダイカットロール1側に向けてアンビルロール11との間に挿通させられて、上記刃型2がこの電極シートBを貫通して樹脂フィルムAの厚さの途中まで切り込まれることにより、刃型2の形状に電極シートBのワークWを剪断して樹脂フィルムAから剥離することにより抜出可能とする一方、このワークWが抜き出された後の電極シートBの残りの部分は被加工物Sの端物とされて、トリムTとして樹脂フィルムAとともに回収される。
上記ダイカットロール1は、その回転軸線となるダイ軸線O1を中心とした円柱状のダイロール本体3と、このダイロール本体3の両端部に同軸となるように一体に突設された、ダイロール本体3よりも小径の一対の回転軸部4とを備えており、これらの回転軸部4が図示されないベアリングボックスに支持されて、やはり図示されない駆動装置により回転方向R1に回転駆動される。なお、ダイカットロール1は、少なくともそのダイロール本体3の外周面が超硬合金等の硬質材料により形成されている。
また、このダイカットロール1のダイロール本体3の外周面における両端部には、互いに等しい外径で、これら両端部の間の外周面よりは僅かに一段大きな外径のダイ軸線O1を中心とした円筒面状の外周面を有するように突出した一定幅の帯状のベアラー部5が形成されており、これらのベアラー部5がアンビルロール11の円柱状をなすアンビルロール本体12の外周面に当接させられながらダイカットロール1は回転させられる。
なお、アンビルロール11は、アンビル軸線O2を中心としてこのように円柱状をなすアンビルロール本体12と、その両端部に同軸となるように一体に突設された小径の一対の回転軸部13とを備えて、やはりこれら回転軸部13が図示されないベアリングボックスにアンビル軸線O2がダイ軸線O1と平行となるように支持され、同じく図示されない駆動装置により上記回転方向R1とは逆向きの回転方向R2に回転駆動される。ここで、アンビルロール本体12の外周面はアンビル軸線O2を中心とした円筒面とされ、ダイカットロール1のダイロール本体3のような刃型2やべアラー部5は形成されていない。
ダイカットロール1の刃型2は、ダイロール本体3の外周面のうち上記ベアラー部5の間の部分に、この部分の外周面から突出して該外周面上に延びるように形成されており、この刃型2の上記外周面からの突出高さは、刃型2が被加工物Sに切り込まれた際に電極シートBは貫通して樹脂フィルムAは貫通せずにその厚さの途中まで切り込まれるように、ベアラー部5の突出高さよりも樹脂フィルムAの厚さの範囲内で僅かに小さくされている。
そして、このダイカットロール1の刃型2は、ダイロール本体3の上記外周面において該刃型2が延びる方向に直交する断面が、図2に示すようにダイロール本体3の外周側(図2において下側)に向かうに従い、当該断面における刃型2のダイ軸線O1に直交する刃型中心線Cに向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面2A、2Bを備えた山型をなしており、同断面においてこれらの傾斜面2A、2Bが刃型中心線Cに対してなす角度は、被加工物SにおけるワークW側を向く傾斜面2Aのワーク側角度αが、これとは反対の被加工物Sにおいて上記トリムT側を向く傾斜面2Bのトリム側角度βよりも小さくされている。
さらに、このトリム側角度βとワーク側角度αとの角度差β−αは15°〜35°の範囲内とされるとともに、これらトリム側角度βとワーク側角度αとを合計した角度合計α+βは30°〜60°の範囲内とされている。なお、ワーク側角度αは5°〜15°の範囲内で上記関係を満たすことが望ましく、また、トリム側角度βは25°〜45°の範囲内で上記関係を満たすことが望ましい。
また、本実施形態では、これらワークW側を向く傾斜面2AとトリムT側を向く傾斜面2Bとの間の刃型2の先端に、ダイ軸線O1を中心とする円筒面状の幅の極小さなフラット部2Cが形成されている。なお、上記刃型中心線Cは、傾斜面2A、2Bの間にあって、このようにフラット部2Cが形成されている場合には、ダイ軸線O1に直交してこのフラット部2Cの幅方向の中心を通る直線とされていればよく、またフラット部2Cが形成されていない場合は、ダイ軸線O1に直交して上記断面においてワークW側を向く傾斜面2AとトリムT側を向く傾斜面2Bとの交点を通る直線とすればよい。ただし、この刃型中心線Cは上記角度α、βを規定するものであるから、フラット部2Cが形成されている場合でも、上記断面においてワークW側を向く傾斜面2AとトリムT側を向く傾斜面2Bとの延長線の交点を通る直線とされていてもよい。
このように形成された刃型2が図2に示すように被加工物Sに切り込まれると、この刃型2の上記一対の傾斜面2A、2BのうちトリムT側を向く傾斜面2Bの傾斜角度であるトリム側角度βは、ワークW側を向く傾斜面2Aの傾斜角度であるワーク側角度αよりも大きく、角度差β−αが15°以上となるようにされているので、傾斜面2Aよりも傾斜面2Bが被加工物Sの電極シートBに接触する接触面積が大きくなり、電極シートBはこのトリムT側を向く傾斜面2Bに押さえ付けられるようにして樹脂フィルムA内に凹入させられる。
これとは逆に、ワークW側を向く傾斜面2Aはそのワーク側角度αがトリム側角度βよりも小さく、本実施形態ではフラット部2Cとの交差角もトリムT側を向く傾斜面2Bよりは角度差β−αに応じて小さくなって切れ味が鋭くされるので、この傾斜面2Aと本実施形態ではフラット部2Cとの交差稜線が切刃として作用して、この交差稜線から電極シートBが切り裂かれるように剪断されることになる。
従って、傾斜面2Bやフラット部2Cによって押さえ付けられることにより電極シートBの金属箔が変形してヒゲが生じても、これはすべて電極シートBのトリムT側に発生することになって製品となるワークWには残ることはなく、このようなワークWとされる電極シートBを用いたリチウムイオン2次電池などにおいて致命的な欠陥が生じるのを防ぐことができる。また、バリやカエリの発生も極力小さく抑えることができ、特にワーク側角度αが5°〜15°であれば僅かに細かいバリやカエリの発生も防ぐことができる。
その一方で、ワーク側角度αが小さくても、傾斜面2Aは、ダイロール本体3の外周側に向かうに従い上記断面における刃型中心線Cに向けて接近するように傾斜させられており、従って本実施形態ではフラット部2Cとの交差角が鈍角となる。しかも、ワーク側角度αとトリム側角度βとの角度合計α+βすなわち刃型2の刃先角は30°以上とされていて刃型2の刃先強度を維持することができるので、上述のように切刃となるこれら傾斜面2Aとフラット部2Cとの交差稜線に鋭い切れ味を確保しつつ、該交差稜線が早期に摩耗して切れ味が鈍くなってワークW側にヒゲ等が生じたり、刃型2の先端そのものが欠損するような事態が生じたりするのを防ぐことができる。
ただし、上記角度差β−αや角度合計α+βが大きくなりすぎると、トリムT側を向く傾斜面2Bの被加工物Sへの接触面積や刃型2の先端が被加工物Sに切り込まれる際の抵抗が大きくなって、電極シートBを押さえ付ける力によりこの電極シートBの金属箔が引き延ばされてしまい、上述のように傾斜面2Aとフラット部2Cとの交差稜線が鋭い切れ味の切刃として作用してもヒゲ等の発生が避けられなくなる。このため、トリム側角度βとワーク側角度αの角度差β−αは15°〜35°の範囲内とされ、かつトリム側角度βとワーク側角度αとの角度合計α+βは30°〜60°の範囲内とされる。
なお、本実施形態では、これらワークW側を向く傾斜面2AとトリムT側を向く傾斜面2Bとの間に、上記断面においてダイ軸線O1に平行すなわち刃型中心線Cとは垂直となるフラット部2Cが形成されているが、このようなフラット部2Cが形成されていなくても、トリムT側を向く傾斜面2Bによって被加工物Sの電極シートBを押さえ付けつつ、ワークW側を向く傾斜面2Aとの交差稜線を切刃として作用させて、バリ等をワークW側に残さずに電極シートBを剪断することが可能となる。ただし、このときの切刃は上記断面において角度合計α+βと等しい30°〜60°の鋭角の交差角となって欠損が生じ易くなるので、上述のようなフラット部2Cが設けられるのが望ましい。
次に、実施例を挙げて本発明の効果について実証する。本実施例では、まず実験用のダイカットロールとして、図3に示すような刃型2がダイロール本体3の周方向に向けて一定の周期、振幅でダイ軸線O1方向に矩形に凹凸しつつ延びるように形成されたダイカットロール1を2つ用意し、それぞれにおける刃型2のトリム側角度βを30°と40°で一定としておいて、ワーク側角度αを30°から所定の角度に順次漸減するように研磨しながら、それぞれのワーク側角度αにおいて被加工物Sのテストピースに上述のような剪断加工を施して、その際のワークWにおけるヒゲの発生率を測定し、またバリやカエリの発生も確認して評価した。この結果を、ワーク側角度α(°)、角度差β−α(°)、角度合計α+β(°)とともに、トリム側角度βを30°としたものを表1に、トリム側角度βを40°としたものを表2にそれぞれ示す。
ここで、図3に示す刃型2によりワークWに形成される矩形の凹凸の周期Xは20mm、この周期Xのうち凸部の長さYは12mm、高さZは13mmであり、ダイロール本体3が1周する間にワークWに25個の凹凸が形成されるように刃型2が形成されている。また、テストピースは厚さ70μmのフッ素樹脂フィルムに厚さ10μmのCu箔を貼り付けたものを用いて、10m/minの送り速度でダイカットロール1とアンビルロール11の間に挿通されるようにした。また、刃型2の先端には幅15μm±5μmのフラット部2Cが形成されるようにし、このフラット部2Cがベアラー部5よりも45μmダイ軸線O1に対する径方向内周側に位置するようにした。
なお、評価方法は、剪断加工を施したワークWをCCDカメラで観察し、ダイロール本体3の1周分の上記凹凸に沿った全長(フォーム長)に対してヒゲが発生した部分の合計長さの割合をヒゲの発生率とし、このヒゲの発生率が0%のものを丸印、0%を超えて10%以下のものを三角印、10%を超えたものをバツ印とした。また、ヒゲの発生率が0%であって、しかも細かいバリやカエリも認められなかったものを二重丸印とした。
Figure 2012206179
Figure 2012206179
これら表1および表2の結果より、トリム側角度βが30°および40°に対して、ワーク側角度αとの角度差β−αが15°〜35°の範囲内にあり、かつワーク側角度αとの角度合計α+βが30°〜60°の範囲内にあるものでは評価が丸印か二重丸印でヒゲの発生率が0%、すなわちヒゲが発生していなかったのに対し、角度差β−αや角度合計α+βのいずれか一方でもこれらの範囲外にあるものでは、少なからずヒゲが発生していて、製品としてのワークWには不合格となっている。特に、これは、ワーク側角度αがトリム側角度βに近づいていって、角度差β−αが小さくなるとともに角度合計α+βが大きくなるに従い顕著となっている。
さらに、このようにワーク側角度αとの角度差β−αが15°〜35°の範囲内にあり、かつワーク側角度αとの角度合計α+βが30°〜60°の範囲内にあるもののうちでも、ワーク側角度αが5°〜15°の範囲内にあるものでは、僅かに細かいバリやカエリも認められず、より高品位のワークWの切断が可能であることが認められた。
次に、上記と同じ周期、振幅で凹凸する形状の刃型2を有する実験用のダイカットロール1を3つ用意して、それぞれにおける刃型2のワーク側角度αを5°、10°、15°で一定として、トリム側角度βを50°から所定角度に順次漸減するように研磨しながら、それぞれのトリム側角度βにおいて上記と同じ条件で被加工物Sのテストピースに剪断加工を施し、その際のワークWにおけるヒゲの発生率とバリやカエリの発生を評価した。なお、評価方法も上記と同じである。この結果を、トリム側角度β(°)、角度差β−α(°)、角度合計α+β(°)とともに、ワーク側角度αを5°としたものを表3に、ワーク側角度αを10°としたものを表4に、ワーク側角度αを15°としたものを表5にそれぞれ示す。
Figure 2012206179
Figure 2012206179
Figure 2012206179
これら表3〜表5の結果からも、ワーク側角度αが5°、10°、15°に対して、トリム側角度βとの角度差β−αが15°〜35°の範囲内にあり、かつトリム側角度βとの角度合計α+βが30°〜60°の範囲内にあるものではヒゲの発生率が0%であることが確認された。また、このようにワーク側角度αが5°〜15°の範囲内である場合には、角度差β−αと角度合計α+βとがそれそれ上記範囲内にあれば、いずれも僅かなバリやカエリも発生していないことが分かる。これらに対して、角度差β−αや角度合計α+βのいずれか一方が上記範囲外にあるものでは必ずヒゲが発生していて、製品とされるワークWとしては不合格となっており、この傾向は、やはりワーク側角度αがトリム側角度βに近く、角度差β−αが小さくなるとともに角度合計α+βが大きくなるに従い顕著であった。
1 ダイカットロール
2 刃型
2A 刃型2のワークW側を向く傾斜面
2B 刃型2のトリムT側を向く傾斜面
2C 刃型2のフラット部
3 ダイロール本体
11 アンビルロール
12 アンビルロール本体
S 被加工物
W ワーク
T トリム
A 樹脂フィルム
B 電極シート
C 刃型中心線
O1 ダイ軸線
O2 アンビル軸線
α ワーク側角度
β トリム側角度

Claims (2)

  1. ダイ軸線回りに回転される円柱状のダイロール本体の外周面に、この外周面から突出して該外周面上に延びるように刃型が形成され、この刃型と、上記ダイ軸線と平行なアンビル軸線回りに回転されるアンビルロールの円柱状のアンビルロール本体の外周面とによって、これらダイロール本体とアンビルロール本体との間に挿通されるシート状の被加工物に、該被加工物から製品とされるワークを抜出可能に剪断加工を施すロータリーダイカッターのダイカットロールであって、上記刃型は、上記ダイロール本体の外周面において該刃型が延びる方向に直交する断面が、該ダイロール本体の外周側に向かうに従い上記ダイ軸線に直交する刃型中心線に向けて互いに接近するように傾斜した一対の傾斜面を備えた山型をなしており、上記断面においてこれらの傾斜面が上記刃型中心線に対してなす角度は、上記被加工物における上記ワーク側を向く傾斜面のワーク側角度が、これとは反対の上記被加工物において上記ワークが抜き出された後の端物とされるトリム側を向く傾斜面のトリム側角度よりも小さくされるとともに、このトリム側角度と上記ワーク側角度との角度差が15°〜35°の範囲内とされ、かつこれらトリム側角度とワーク側角度とを合計した角度合計が30°〜60°の範囲内とされていることを特徴とするロータリーダイカッターのダイカットロール。
  2. 上記ワーク側角度が5°〜15°の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載のロータリーダイカッターのダイカットロール。
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