図1には本実施形態に係るカラー画像形成装置10が示されている。カラー画像形成装置10は、切断用のミシン目が予め穿設された連続用紙から成る記録媒体12にカラー画像を形成する装置であり、カラー画像形成装置10の機体内へ挿入された記録媒体12は巻掛ローラ14,16に巻き掛けられ、機体内を横切るように形成された搬送路を一定速度で搬送される。記録媒体12の搬送路の下方側には、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)各色のトナー像を形成する画像形成部18A,18B,18C,18Dが前記搬送路に沿って略等間隔で配置されている。
画像形成部18A〜18Dは形成するトナー像の色以外は同一の構成であり、軸線が記録媒体12の搬送方向と直交するように配置された感光体ドラム20を備え、感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20を帯電させるための帯電器22、帯電された感光体ドラム20上に光ビームを照射して静電潜像を形成する露光ヘッド24、感光体ドラム20上の静電潜像形成部位に所定色のトナーを供給して静電潜像を現像することで感光体ドラム20上に所定色のトナー像を形成させる現像器26、記録媒体12の搬送路を挟んで感光体ドラム20と対向配置された転写器28、感光体ドラム20を除電する除電器30、感光体ドラム20上の残留トナーを除去するためのクリーナブレード32及びクリーナブラシ34が各々配置されて構成されている。
画像形成部18A〜18Dは、帯電器22、露光ヘッド24及び現像器26により感光体ドラム20の周面上に互いに異なる色のトナー像を形成した後に、形成したトナー像を転写器28によって記録媒体12に転写する。各画像形成部18A〜18Dにおける帯電・露光(静電潜像形成)・現像(トナー像形成)・転写の一連のプロセスは、各画像形成部18A〜18Dで形成したトナー像が記録媒体12上で互いに重なり合うように実行タイミングが制御される。これにより、記録媒体12上にフルカラーのトナー像が形成されることになる。なお、個々の画像形成部18A〜18Dの露光ヘッド24には位置ずれ補正装置が取り付けられており、個々の画像形成部18A〜18Dの帯電器22には帯電ワイヤ清掃装置が取り付けられているが、これらの位置ずれ補正装置、帯電ワイヤ清掃装置については後に詳述する。
また、記録媒体12の搬送路は、画像形成部18A〜18Dの配設位置の下流側で巻掛ローラ38、40によって搬送方向が反転され、巻掛ローラ40と後段の巻掛ローラ42の間の区間では、記録媒体12は水平に近い角度で斜め下方へ搬送される。最下流の画像形成部18Dと巻掛ローラ38との間の区間の搬送路の上方には、記録媒体12上に形成されたレジストマーク(詳細は後述)の位置を検出するためのレジストセンサ44が配置されており、巻掛ローラ40,42の間の区間の搬送路の上方にはフラッシュ定着ユニット46が配設されている。なお、レジストセンサ44はフラッシュ定着ユニット46よりも記録媒体12の搬送方向下流側に配置してもよい。
図2(A)にも示すように、フラッシュ定着ユニット46は、記録媒体12に転写されたトナー像を定着させる(トナーを溶融させる)エネルギーを供給するためのフラッシュ光を発する4本の主フラッシュランプ群48A〜48Dを備えている。主フラッシュランプ群48A〜48Dは、各々同径で、長手方向が記録媒体12の幅方向(記録媒体12の搬送方向に直交する方向)に沿うように向けられ、記録媒体12の搬送方向に沿って一定間隔で配置されている。また、主フラッシュランプ48B,48Cの配設位置の中央でかつ主フラッシュランプ群48A〜48Dの配列よりも若干下方へずれた位置(記録媒体12により近い位置)には、主フラッシュランプ群48A〜48Dよりも小径の補助フラッシュランプ54が、主フラッシュランプ群48A〜48Dと平行に配置されている。なお、主フラッシュランプ群48A〜48Dは本発明に係る主フラッシュランプ群に、補助フラッシュランプ54は本発明に係る補助フラッシュランプに各々対応している。
また、記録媒体12の搬送路側から見て主フラッシュランプ群48A〜48D及び補助フラッシュランプ54の背面側には、フラッシュランプ48A〜48D,54の背面側を包囲すると共に前面側(搬送路側)に開口が形成された形状とされ、フラッシュランプから背面側へ射出されたフラッシュ光を搬送路側へ反射する反射板50が設けられている。本実施形態では、主フラッシュランプ群48A〜48Dを同時に発光させるが、反射板50は、主フラッシュランプ群48A〜48Dが同時に発光されたときに記録媒体12に照射されるフラッシュ光が照射範囲の略全面に亘って略均一な光量(=エネルギー)になるように形状等が調整されている。また、フラッシュランプ48A〜48D,54の前面側(搬送路側)にはカバーガラス52が配置されている。カバーガラス52は反射板50の開口を閉止するように設けられており、このカバーガラス52によってフラッシュ定着ユニット46内部への塵埃等の侵入が阻止される。
フラッシュ定着ユニット46の個々の主フラッシュランプ48は、図3に示すように両端が電源回路58に接続されている。すなわち、主フラッシュランプ48の一端は電源端子64Bに接続され、ランプ48の他端はチョークコイル60の一端に接続されている。チョークコイル60の他端は電源端子64Aとコンデンサ62の一端に各々接続されており、コンデンサ62の他端は電源端子64Bに接続されている。電源端子64A,64Bには例えば商用交流電圧が整流されて昇圧されることで生成された直流電圧Vsが供給され、コンデンサ62は直流電圧Vsによって充電され、主フラッシュランプ48の発光時に蓄積している静電エネルギーを主フラッシュランプ48に供給する。
また、主フラッシュランプ48のトリガ電極はトリガ回路66に接続されている。トリガ回路66はトランス68を備えており、主フラッシュランプ48のトリガ電極は一端が接地されたトランス68の2次側コイル68Bの他端に接続されている。また、トランス68の1次側コイル68Aの一端は、抵抗70の一端及びコンデンサ72の一端に接続されており、抵抗70の他端は電源端子74Aに接続されている。1次側コイル68Aの他端はサイリスタ76の一端に接続されており、サイリスタ76の他端はコンデンサ72の他端及び電源端子74Bに接続されている。コンデンサ72は電源端子74A,74Bを介して供給される直流電圧Egによって充電され、サイリスタ76が導通状態になると、蓄積している静電エネルギーをトランス68を介して主フラッシュランプ48のトリガ電極に供給することで、主フラッシュランプ48を発光させる。
また、サイリスタ76のゲートはトランジスタ78のコレクタに接続されている。トランジスタ78のコレクタは抵抗80を介して給電線に接続されており、エミッタは接地されている。また、トランジスタ78のベースは、一端が接地された抵抗82の他端に接続されていると共に、抵抗84を介して制御信号入力端86に接続されている。そして、制御信号入力端86は、マイクロコンピュータ等を含んで構成された点灯制御回路88に接続されている。点灯制御回路88は制御信号入力端86を介し、主フラッシュランプ48を消灯させている期間はハイレベル、主フラッシュランプ48を点灯させる際はローレベルに切り替わる制御信号をトリガ回路66に供給する。制御信号がローレベルとなっている間は、トランジスタ78がオフすることでサイリスタ76が導通し、コンデンサ72に蓄積されていた静電エネルギーがトランス68を介して主フラッシュランプ48のトリガ電極に供給されることで、主フラッシュランプ48が発光される。
なお、フラッシュ定着ユニット46の主フラッシュランプ群48A〜48Dには、上記の電源回路58及びトリガ回路66が各々接続されている。また、補助フラッシュランプ54にも上記の電源回路58及びトリガ回路66が接続されているが、本実施形態では、補助フラッシュランプ54に接続された電源回路58のコンデンサ62の静電容量を、主フラッシュランプ48に接続された電源回路58よりも小さくすることで、補助フラッシュランプ54の発光に伴って記録媒体12に照射されるフラッシュ光の光量(=エネルギー)が個々の主フラッシュランプ48よりも小さくなるように調整されている。また、主フラッシュランプ群48A〜48D及び補助フラッシュランプ54に接続されたトリガ回路66は点灯制御回路88に各々接続されており、点灯制御回路88は主フラッシュランプ群48A〜48D及び補助フラッシュランプ54の点消灯を各々制御する。
なお、フラッシュ定着ユニット46、個々のフラッシュランプ48A〜48D,54に接続された電源回路58及びトリガ回路66、点灯制御回路88は本発明に係るフラッシュ定着装置に対応しており、電源回路58、トリガ回路66及び点灯制御回路88は本発明に係る発光制御手段に対応している。
一方、巻掛ローラ42の後段には巻掛ローラ56,57が順に配置されており、フラッシュ定着ユニット46からのフラッシュ光が照射されることでトナー像が定着された記録媒体12は、巻掛ローラ56,57に案内されてカラー画像形成装置10の機体外へ排出される。なお、本実施形態に係るカラー画像形成装置10は記録媒体12の片面にのみカラー画像を記録する構成であるが、本実施形態に係るカラー画像形成装置10を2台用意すると共に、記録媒体12の表裏を反転する反転器を用意し、1台目のカラー画像形成装置10によって一方の面にのみカラー画像が記録されて排出された記録媒体12が、反転器によって表裏反転された後に2台目のカラー画像形成装置10の機体内に送り込まれるように、2台のカラー画像形成装置10及び反転器を配置すれば、記録媒体12の両面にカラー画像を記録することも可能である。
次に、個々の画像形成部18A〜18Dの露光ヘッド24に取り付けられた位置ずれ補正装置の構成を説明する。図4に示すように、個々の画像形成部18A〜18Dの露光ヘッド24は露光光源としての多数個のLED92を備え、多数個のLED92は、全体的な形状がおよそ長尺状とされた基板94の一方の面(表面)上に、当該基板94の長手方向に沿って一定間隔で貼着されている。露光ヘッド24は、LED92の配列方向(基板94の長手方向)が感光体ドラム20の軸線(感光体ドラム20の周面上に形成する静電潜像の主走査方向)と平行になるように、感光体ドラム20と間隔を隔てて配置されている。また、LED92の光ビーム射出側には、図示しないブラケットに支持されたセルフォックレンズアレイ96が配置されており、個々のLED92から射出された光ビームはセルフォックレンズアレイ96を透過して感光体ドラム20の周面上の互いに異なる位置に照射される。
また、基板94のうちLED92が貼着されている面と反対側(裏面側)には、熱伝導性の高い金属(例えばアルミニウム)から成るベース部材98が配置されており、基板94は複数本のねじによってベース部材98に取り付けられている。基板94にはねじが貫通するための孔が複数箇所に穿設されているが、この複数の孔は、基板94の長手方向中央に穿設されている単一の孔のみが円孔とされ、その他の箇所に穿設されている孔は長軸方向が基板94の長手方向に一致された長孔とされている(図示省略)。これにより、基板94の温度が変化して基板94の長手方向寸法が伸縮した場合、多数個のLED92による露光範囲の幅(以下、印刷幅という)は基板94の長手方向中央を基準として変動することになる。なお、円孔の位置は基板94の長手方向中央に限られるものではなく、基板94の長手方向一端に穿設された孔のみを円孔としてもよい。この場合、基板94の長手方向寸法の伸縮に伴い、印刷幅は基板94の長手方向一端を基準として変動する。
また、本実施形態に係る露光ヘッド24は基板94を加熱するためのヒータ100(加熱手段、図6参照)を内蔵している。本実施形態に係るヒータ100は、図5(A)又は(B)に示すような抵抗素子の配線パターン102が基板94の裏面に形成されて構成されている。なお、ヒータ100が基板94を加熱することで、露光ヘッド24の印刷幅はヒータ100の出力の変化に対して例えば図7に示すように変化する(図7では印刷幅の変化量を補正量と表記している)。また、基板94とベース部材98との間には、絶縁性及び熱伝導性を有するシート材104(図4参照)が介在されている。これにより、抵抗素子の配線パターン102を流れる電流がベース部材98へ漏洩することがシート材104によって阻止され、また基板94がシート材104を介してベース部材98と接していることで、基板94の温度が過度に高くなったり温度むらが生ずることも防止される。
なお、図5(A)に示す配線パターンは、2本の配線が基板94の長手方向一端側でヒータ100(抵抗素子の配線パターン102)に接続されるので配線の取り回し上は有利であるが、基板94の全面を略均一に加熱するためには抵抗素子の配線パターン102を基板94の裏面上で往復させる必要があるので、抵抗素子の配線パターン102が細くかつ長くなることで抵抗素子全体の電気抵抗値が高くなり易く、ヒータ100としての出力が小さくなるという欠点がある。これに対して、図5(B)に示す配線パターンは、基板94の長手方向両端に配線が接続されるので配線の取り回し上は不利であるが、抵抗素子の配線パターン102を基板94の裏面上で往復させる必要がなく、抵抗素子の配線パターン102を太くかつ短くすることで抵抗素子全体の電気抵抗値を低くすることができ、ヒータ100を高出力にすることができるので好ましい。
図6に示すように、個々の画像形成部18A〜18Dの露光ヘッド24には、基板94の温度を検出する温度センサ106(温度検出手段)と、ROM等で構成される記憶部108が各々付加されており、個々の露光ヘッド24の配設位置近傍には、露光ヘッド24へ空気流を供給する送風ファン112(冷却手段)が設けられている。露光ヘッド24の基板94の長手方向サイズには製造ばらつきがあり、これに伴い個々の露光ヘッド24による印刷幅にもばらつきがある(例えば±75μm程度)。本実施形態では、カラー画像形成装置10の製造時に個々の露光ヘッド24の印刷幅が一定の環境下で測定され、個々の露光ヘッド24に付加された記憶部108には、測定された印刷幅が印刷幅の初期値として予め書き込まれている。
また、位置ずれ補正装置はマイクロコンピュータ等で構成される露光ヘッド駆動部110(温度制御手段)を備えている。露光ヘッド駆動部110は個々の画像形成部18A〜18Dの個々の露光ヘッド24のLED92と各々接続されており、記録媒体12に記録すべき画像を表す画像データがC,M,Y,K各色毎に入力されると、入力された各色の画像データに基づいて、個々の露光ヘッド24の個々のLED92の点消灯を制御することで、入力された各色の画像データに対応する各色のトナー像を個々の画像形成部18A〜18Dの感光体ドラム20に各々形成させる。
また、露光ヘッド駆動部110には、個々の露光ヘッド24に内蔵されているヒータ100と、個々の露光ヘッド24の配設位置近傍に設けられた送風ファン112が各々接続されており、個々の露光ヘッド24に付加されている温度センサ106及び記憶部108も各々接続されている。更に、露光ヘッド駆動部110にはレジストセンサ44が接続されており、露光ヘッド駆動部110に内蔵されている記憶部には、例として図7に示すようなヒータ100の出力と露光ヘッド24の印刷幅の変化量(図7では補正量と表記)との関係が記憶されている。露光ヘッド駆動部110は、温度センサ106によって検出された個々の露光ヘッド24の基板94の温度、記憶部108に記憶されている個々の露光ヘッド24の印刷幅の初期値、及びレジストセンサ44によって検出されたレジストマークの位置に基づいて、個々の露光ヘッド24による印刷幅が互いに等しくなるように、個々の露光ヘッド24に内蔵されているヒータ100を制御する(詳細は後述)。
続いて、個々の画像形成部18A〜18Dの帯電器22に各々取り付けられた帯電ワイヤ清掃装置の構成について説明する。図8に示すように、帯電器22は、細長い箱状で長手方向が感光体ドラム20の軸線と平行となるように感光体ドラム20と間隔を空けて配置されると共に、感光体ドラム20との対向面が開口しているケーシング114を備えており、このケーシング114の内部には、感光体ドラム20の軸線と平行に延設された帯電ワイヤ116が掛け渡されている。
帯電ワイヤ清掃装置は、ケーシング114の内部に帯電ワイヤ116と平行に掛け渡されたねじ軸118(移動手段)を備えている。ねじ軸118は帯電ワイヤ116を挟んで感光体ドラム20と反対側に配置され、ケーシング114によって回転可能に軸支されている。またねじ軸118の一端は、図10に示すようにケーシング114を貫通してケーシング114から突出しており、ねじ軸118の一端側の先端部は駆動力伝達機構120(移動手段、ベルトでもギアでもよい)を介してモータ122(移動手段、なおモータ122としてはステッピングモータが好適である)の回転軸と連結されている。従って、モータ122が駆動されると、モータ122の駆動力が駆動力伝達機構120を介してねじ軸118へ伝達され、ねじ軸118が回転駆動される。
また、ねじ軸118のうち駆動力伝達機構120が連結されている側の反対側の端部付近のケーシング114内には、ねじ軸118と同軸にギア124(回転手段)が配置されており、このギア124はねじ軸118に対して回転可能にねじ軸118に支持されている(図8も参照)。ギア124は駆動力伝達機構126(回転手段、この駆動力伝達機構126もベルトでもギアでもよい)を介してモータ128(回転手段、なおモータ128についてもステッピングモータが好適である)の回転軸と連結されている。従って、モータ128が駆動されると、モータ128の駆動力が駆動力伝達機構126を介してギア124へ伝達され、ギア124はねじ軸118に対して回転駆動される。
また図8に示すように、帯電ワイヤ清掃装置は清掃パッドキャリア130(移動手段)を備えている。清掃パッドキャリア130は略L字型とされ、L字の底辺に相当する基部130Aには雌ねじ孔が穿設されてねじ軸118が螺入されている。このように、ねじ軸118と清掃パッドキャリア130によってボールねじが構成され、ねじ軸118が回転されると、清掃パッドキャリア130はねじ軸118(帯電ワイヤ116)に沿ってねじ軸118の回転方向に応じた方向へ移動される。また、清掃パッドキャリア130のうち基部130Aから立設している立設部は、帯電ワイヤ116との接触を避けるために設けられた溝によって第1立設部130Bと第2立設部130Cに分割されており、個々の立設部130B,130Cは、各々帯電ワイヤ116と平行に配置された回転軸132,134の一端を回転可能に軸支している。
回転軸132,134の先端には、清掃パッドキャリア130がギア124側へ移動された状態でギア124と噛合するギア136(回転手段)が各々形成されている。なお、ギア136のギア124側の端部は、清掃パッドキャリア130がギア124側へ移動されたときにギア124と確実に噛み合うように加工されている。ギア136がギア124と噛合している状態(図11(A)参照、非噛合状態を図11(B)に示す)でモータ128が駆動されると、ギア136と共に回転軸132,134も回転駆動される。また、回転軸132,134の中間部には円筒状の清掃パッド138が、回転軸132,134の軸線に沿って互いに異なる位置に取り付けられている。
図9(A)に示すように、清掃パッド138は、粗さや材質が互いに異なる3種類のパッド138A〜138Cが周方向に沿って配列されて構成されており、清掃パッド138の外周面(パッド138A〜138Cの何れか)が帯電ワイヤ116と接触するように、帯電ワイヤ116に対する回転軸132,134の位置が調整されている。従って、ねじ軸118が回転されて清掃パッドキャリア130がねじ軸118に沿って移動されると、清掃パッド138が帯電ワイヤ116と接触した状態を維持したまま帯電ワイヤ116に沿って摺動移動されることで、帯電ワイヤ116が清掃される。なお、図示は省略するが、清掃パッドキャリア130の各立設部130B,130Cには、例えばばね等の付勢手段の付勢力によって摩擦部材を回転軸132,134の外周面に押圧する等により、回転軸132,134の回転に対して一定の制動力を加えるブレーキ機構が内蔵されており、このブレーキ機構により、清掃パッド138が帯電ワイヤ116に沿って摺動移動している間に清掃パッド138が回転されることが防止される。
また、清掃パッド138は回転軸132,134と一体に回転するので、ギア136がギア124と噛合する位置へ清掃パッドキャリア130が移動され、ギア136がギア124と噛合している状態でモータ128が駆動されて回転軸132,134が回転駆動されると、回転軸132,134と共に清掃パッド138も回転する。そして、この清掃パッド138の回転により、清掃パッド138の外周面のうち帯電ワイヤ116と接触している部分の位置が変化し、パッド138A〜138Cのうちそれ迄とは異なるパッドが帯電ワイヤ116と接触することになる。
図10に示すように、帯電ワイヤ清掃装置はマイクロコンピュータ等から成る帯電ワイヤ清掃制御部140(清掃制御手段)を備えている。帯電ワイヤ清掃制御部140にはモータ駆動回路142,144を介してモータ122,128が接続されており、帯電ワイヤ清掃制御部140はモータ駆動回路142,144を介してモータ122,128の駆動を制御する。なお、モータ122を駆動するモータ駆動回路142は、モータ122の駆動時にモータ122を流れる駆動電流を検出する機能も有している(検知手段)。また、感光体ドラム20の外周側には、感光体ドラム20の表面電位を検出する表面電位センサ146(検知手段)が設けられており、この表面電位センサ146も帯電ワイヤ清掃制御部140に接続されている。
次に本実施形態の作用として、まずフラッシュ定着装置の作用を説明する。カラー画像形成装置10で記録媒体12への画像の記録が開始されると、点灯制御回路88は、例として図2(B)に示すように、主フラッシュランプ群48A〜48Dが発光周期Tで間欠発光するように、主フラッシュランプ群48A〜48Dに接続されたトリガ回路66へ制御信号を出力する。
主フラッシュランプ群48A〜48Dの発光に伴って記録媒体12に照射される主フラッシュ光の配光パターンは、図2(C)にも示すように、記録媒体12の搬送方向に沿った中央部ではフラッシュ光の照射光量が略均一である一方、記録媒体12の搬送方向に沿った両端部付近では中央部から離れるに従ってフラッシュ光の照射光量が緩やかに低下するパターンとなっている。このため、主フラッシュランプ群48A〜48Dの発光周期Tは、記録媒体12のうち、主フラッシュ光の配光パターン中の低光量部分(両端部付近)のフラッシュ光が照射される領域(重複領域)に、低光量部分のフラッシュ光が2回照射されるように定められている。これは、例えば記録媒体12の搬送速度をv、フラッシュ定着ユニット46の開口幅をW、記録媒体12の搬送方向に沿った主フラッシュ光の配光パターン中の低光量部分の長さをDとすると、発光周期TをT=(W−D)/vとすることにより実現することができる。
また点灯制御回路88は、例として図2(B)に示すように、補助フラッシュランプ54が、主フラッシュランプ群48A〜48Dの発光タイミングに対して(T/2)だけ遅れたタイミングで、発光周期Tで間欠発光するように、補助フラッシュランプ52に接続されたトリガ回路66へ制御信号を出力する。上記の遅れ時間(T/2)は、主フラッシュランプ群48A〜48Dが発光し主フラッシュ光が記録媒体12に照射されてから、当該主フラッシュ光の配光パターンのうち記録媒体12の搬送方向上流側の低光量部分のフラッシュ光が照射された記録媒体12上の領域(重複領域)の中央部が、補助フラッシュランプ54の配設位置の真下に到達するのに要する時間に相当している。これにより、図2(C)にも示すように、補助フラッシュランプ54は記録媒体12上の重複領域が補助フラッシュランプ54からの補助フラッシュ光が照射される照射位置に対応する毎に発光され、記録媒体12上の各重複領域には、比較的低光量の主フラッシュ光が2回照射されるインターバルに補助フラッシュランプ54からの補助フラッシュ光が1回照射され、フラッシュ光が合計3回照射されることになる。
そして、記録媒体12上の重複領域にフラッシュ光が3回照射されることで、重複領域におけるトナー表面温度及び記録媒体界面温度は図12(A)に示すように変化し、重複領域のトナーは以下で説明するように溶融・定着される。すなわち、図12(A),(B)の(1)に示すように、記録媒体12にフラッシュ光が照射される前の段階では、記録媒体12上のトナーは全て粉体の状態で温度も常温となっているが、1回目のフラッシュ光の照射で低光量の主フラッシュ光が照射されると、図12(A),(B)の(2)に示すように、重複領域の上層側のトナーは表面温度がトナー溶融温度(軟化)を大きく越えることで溶融するものの、重複領域の下層側のトナーは温度がトナー溶融温度に達しないために溶融は生じない。
ここで従来は、発光周期T経過後に2回目のフラッシュ光が照射される迄の期間に、重複領域の上層側のトナーが凝集し、上層側のトナーの温度が大幅に低下することで上層側のトナーに強い表面張力が生じ、この表面張力によって下層側の粉体状態のトナーも引っ張られることでボイド等の画質劣化が生じていた。これに対して本実施形態では、1回目のフラッシュ光の照射後に重複領域の上層側のトナーの温度がトナー溶融温度以下に低下して上層側のトナーの凝集が始まるものの(図12(A),(B)の(3)参照)、1回目のフラッシュ光の照射から時間(T/2)経過後に補助フラッシュランプ54からの補助フラッシュ光が重複領域に照射される(図12(A),(B)の(4)参照)ので、補助フラッシュ光のエネルギーにより重複領域の上層側のトナーは温度が再びトナー溶融温度を越えて溶融すると共に、記録媒体12の界面温度もトナー溶融温度を越えることで、重複領域の下層側のトナーも溶融する。これにより、低光量の主フラッシュ光が1回照射されてから低光量の主フラッシュ光が次に照射される迄の期間の重複領域の上層側のトナーの温度の低下が抑制され、重複領域の上層側のトナーに生じた強い表面張力によって下層側の粉体状態のトナーが引っ張られてボイド等の画質劣化が生じることが防止される。
また、補助フラッシュ光の照射(2回目のフラッシュ光の照射)後にも重複領域の上層側のトナー及び下層側のトナーの温度は低下するが、補助フラッシュ光の照射(2回目のフラッシュ光の照射)から時間(T/2)経過後に、3回目のフラッシュ光の照射として低光量の主フラッシュ光が照射されることで、図12(A),(B)の(5)に示すように、重複領域の上層側のトナー及び下層側のトナーが共にトナー溶融温度を越えて再溶融し、トナー像として定着されると共に表面の平滑性が向上される。これにより、記録媒体12に転写されたトナー像を、重複領域においてもボイド等の画質劣化が生じない良好な画質で確実に定着させることができる。
このように、本実施形態に係るフラッシュ定着装置では、記録媒体12上の各重複領域に対し、低光量の主フラッシュ光を1回照射してから低光量の主フラッシュ光を次に照射する迄の期間に、補助フラッシュランプ54からの補助フラッシュ光を照射しているので、記録媒体12上のトナー像がC,M,Y,K各色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像であり、トナーの全量を溶融させるために大きなエネルギーを必要とする場合であっても、記録媒体12上の重複領域にボイド等の画質劣化を生じさせることなく、記録媒体12上のトナー像を確実に定着させることができる。
次にフラッシュランプと記録媒体との距離、反射板の有無が記録媒体へのフラッシュ光の照射光量及び配光パターンに及ぼす影響を説明する。図13(A)に示すように、記録媒体と距離Cを隔てて1本のフラッシュランプを配置した場合、フラッシュランプの背後に反射板を設けたときには記録媒体に照射されるフラッシュ光が図13(A)に「反射板有り」と表記して示す配光パターン(この配光パターンにおける最大光量をbとする)となり、フラッシュランプの背後に反射板が存在していないときには記録媒体に照射されるフラッシュ光が図13(A)に「反射板無し」と表記して示す配光パターン(この配光パターンにおける最大光量をaとする)となる。図13(A)からも明らかなように、反射板を設けた場合にはフラッシュランプから背後へ向けて放射されたフラッシュ光も反射板で反射されて記録媒体へ照射される一方で、反射板が無い場合はフラッシュランプから記録媒体へ向けて放射されたフラッシュ光(直接光)のみが記録媒体に照射されるため最大光量a,bの大小関係は常にa<bとなる。従って、フラッシュランプ(フラッシュ光)のエネルギーを有効に利用するためには、フラッシュランプの背後に反射板を設けることが望ましい。
但し、本発明では主フラッシュランプ群48A〜48Dのうち記録媒体12の搬送方向に沿った両端部に位置している一対の主フラッシュランプ48A,48Dの間に相当する位置に補助フラッシュランプ54を設ける必要があるが、補助フラッシュランプ54を単に距離Cが主フラッシュランプ群と等しい位置に(主フラッシュランプ群48A〜48Dの配列の間に)設けたとすると、補助フラッシュランプ54と主フラシュランプ群48A〜48Dとの距離が近くなりすぎ、リークにより補助フラッシュランプ54が主フラシュランプ群48A〜48Dと同時に発光してしまう恐れもある。このため、補助フラッシュランプ54の距離Cと主フラッシュランプ群48A〜48Dの距離Cを相違させ、補助フラッシュランプ54を主フラシュランプ群48A〜48Dと一定距離(例えば8mm)以上離間させることで同時発光を防止する必要がある。
ここで、最大光量a,bの光量比a/bは、図13(B)に示すように距離Cに応じて変化し、距離Cが小さくなるに従って値が1に近づく特性を示す。このため、本実施形態では、主フラッシュランプ群48A〜48Dよりも記録媒体12により近い位置(距離Cがより小さい位置)に補助フラッシュランプ54を設けている。補助フラッシュランプ54を主フラッシュランプ群48A〜48Dよりも記録媒体12に近づけた場合、当該補助フラッシュランプ54に専用の反射板を設けたとすると、主フラッシュ光の一部がこの反射板によって遮蔽されることで、主フラッシュ光の光量が低下したり主フラッシュ光の配光パターンに乱れが生ずる可能が高い。
しかし、図13(C)にも示すように、記録媒体との距離Cが小さくされたフラッシュランプは、反射板が無い場合の配光パターンの最大光量aが、反射板が有る場合の配光パターンの最大光量bに近い値を示すので、主フラッシュランプ群48A〜48Dよりも記録媒体12に近づけた補助フラッシュランプ54は、専用の反射板を設けなくても高いエネルギー効率が得られる。そして本実施形態では、上記のように補助フラッシュランプ54(補助フラッシュ光)のエネルギー効率が高いことと、補助フラッシュ光の照射は記録媒体12上の限られた領域(重複領域)のトナーの温度低下を抑制することが主目的であり、補助フラッシュ光によって記録媒体12へ供給すべきエネルギーが主フラッシュランプ群48A〜48Dよりも小さいことに基づき、補助フラッシュランプ54に接続された電源回路58のコンデンサ62の静電容量を主フラッシュランプ48に接続された電源回路58よりも小さくし、発光時に補助フラッシュランプ54に供給する静電エネルギーを小さくしているので、補助フラッシュランプ54を発光させることによる消費電力の増大を必要最小限に抑制することができる。また、補助フラッシュランプ54に専用の反射板を設けず、また補助フラッシュランプ54を主フラッシュランプ群48A〜48Dよりも小径としていることにより、主フラッシュ光の光量低下や主フラッシュ光の配光パターンの乱れが生ずることも防止することができる。
一方、主フラッシュランプ群48A〜48Dは補助フラッシュランプ54よりも記録媒体との距離Cが大きくされているので、配光パターンの最大光量は低下するが、図13(D)にも示すように、距離Cが大きくかつ反射板有りの場合の配光パターンは広範囲に亘って照射光量が均一となっており、記録媒体12への主フラッシュ光の照射光量を記録媒体12の略全面に亘って均一化できることで、記録媒体12への補助フラッシュ光の照射と相まって、記録媒体12に転写されたトナー像を記録媒体12の全面に亘って確実に定着させることができる。
なお、上記では主フラッシュランプ群48A〜48Dのうち記録媒体12の搬送方向に沿った両端部に位置している一対の主フラッシュランプ48A,48Dの中央に相当する位置に補助フラッシュランプ54を設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記位置から記録媒体12の搬送方向に沿ってずれた位置(例えば主フラッシュランプ48A,48Bの間に相当する位置や、主フラッシュランプ48C,48Dの間に相当する位置等)に補助フラッシュランプ54を設けてもよい。この場合も、記録媒体12上の重複領域の略中央部が補助フラッシュランプ54の配設位置の真下に到達したタイミングで補助フラッシュランプ54を発光させればよい。
また、上記では補助フラッシュランプ54を1本だけ設けた態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、補助フラッシュランプ54を複数本設けてもよい。例として図14(A)には、2本の補助フラッシュランプ54A,54Bを設けたフラッシュ定着ユニット150が示されている。フラッシュ定着ユニット150では、主フラッシュランプ48A,48Bの配設位置の中央でかつ主フラッシュランプ群48A〜48Dの配列よりも若干下方へずれた位置に補助フラッシュランプ54Aが設けられており、主フラッシュランプ48C,48Dの配設位置の中央でかつ主フラッシュランプ群48A〜48Dの配列よりも若干下方へずれた位置に補助フラッシュランプ54Bが設けられている。
上記構成において、記録媒体12上の重複領域の略中央部が補助フラッシュランプ54の配設位置の真下に到達したタイミングで補助フラッシュランプ54を発光させることは、フラッシュ定着ユニット150の開口部の記録媒体12の搬送方向上流側端部の位置を基準としたときの個々の補助フラッシュランプxの位置をL_x(但しxは個々の補助フラッシュランプ54を識別する符号であり、ここでは補助フラッシュランプ54Aをx=1、補助フラッシュランプ54Bをx=2とする)、フラッシュ定着ユニット150の開口幅をW、記録媒体12の搬送速度をv、主フラシュランプ群48A〜48Dの発光周波数をf(=1/発光周期T)としたときに、個々の補助フラッシュランプxを、主フラッシュランプ群48A〜48Dを発光してから次の(1)式で表される時間Ft_x経過後に発光させることで実現することができる(図14(B)も参照)。
これにより、図15にも示すように、記録媒体12上の各重複領域には、低光量の主フラッシュ光が1回照射されてから低光量の主フラッシュ光が再度照射される迄の間に、補助フラッシュランプ54A,54Bからの補助フラッシュ光が各々1回づつ照射され、フラッシュ光が合計4回照射されることになる。そして、記録媒体12上の重複領域にフラッシュ光が3回照射されることで、重複領域におけるトナー表面温度及び記録媒体界面温度は図16に示すように変化する。図16に示すトナー表面温度及び記録媒体界面温度を図12(A)と比較しても明らかなように、2本の補助フラッシュランプ54A,54Bを設けたフラッシュ定着ユニット150を用いた場合には、低光量の主フラッシュ光が1回照射されてから低光量の主フラッシュ光が再度照射される迄の期間におけるトナー表面温度及び記録媒体界面温度の低下がより小さく、上記期間におけるトナー表面温度及び記録媒体界面温度がより高い温度で推移しており、記録媒体12の重複領域におけるボイド等の画質劣化の発生をより確実に防止できることが理解できる。
また図17(A)には、3本の補助フラッシュランプ54A〜54Cを設けたフラッシュ定着ユニット152が示されている。フラッシュ定着ユニット152では、主フラッシュランプ48A,48Bの配設位置の中央でかつ主フラッシュランプ群48A〜48Dの配列よりも若干下方へずれた位置に補助フラッシュランプ54Aが、主フラッシュランプ48B,48Cの配設位置の中央でかつ主フラッシュランプ群48A〜48Dの配列よりも若干下方へずれた位置に補助フラッシュランプ54Bが、主フラッシュランプ48C,48Dの配設位置の中央でかつ主フラッシュランプ群48A〜48Dの配列よりも若干下方へずれた位置に補助フラッシュランプ54Cが各々設けられている。フラッシュ定着ユニット152においても、記録媒体12上の重複領域の略中央部が個々の補助フラッシュランプ54の配設位置の真下に到達したタイミングで個々の補助フラッシュランプ54を発光させることは、個々の補助フラッシュランプxを主フラッシュランプ群48A〜48Dを発光してから先の (1)式で表される時間Ft_x経過後に各々発光させることによって実現できる(図17(B)も参照)。
これにより、記録媒体12上の各重複領域には、低光量の主フラッシュ光が1回照射されてから低光量の主フラッシュ光が再度照射される迄の間に、補助フラッシュランプ54A〜54Cからの補助フラッシュ光が各々1回づつ照射され、フラッシュ光が合計5回照射されることになり、記録媒体12の重複領域におけるボイド等の画質劣化の発生を更に確実に防止することができる。
次に位置ずれ補正装置の作用を説明する。位置ずれ補正装置の露光ヘッド駆動部110は、カラー画像形成装置10の電源が投入されると、図18に示す位置ずれ補正処理を行う。この位置ずれ補正処理では、カラー画像形成装置10のウォームアップ時にはステップ160〜ステップ184の処理を行い、カラー画像形成装置10の稼働中はステップ186〜ステップ200の処理を行う。
カラー画像形成装置10のウォームアップ時には、まずステップ160において、個々の画像形成部18A〜18Dの個々の露光ヘッド24に付加されている記憶部108から、製造時に計測された個々の露光ヘッド24の印刷幅を各々読み出し、次のステップ162において、読み出した印刷幅が最大の露光ヘッド24を認識する。本実施形態に係る位置ずれ補正処理では、ヒータ100によって露光ヘッド24の基板94を加熱し、基板94の長手方向サイズを伸長させて個々の露光ヘッド24の印刷幅を一致させることで位置ずれを補正するので、次のステップ164では、ステップ162で認識した露光ヘッド24の印刷幅(印刷幅の最大値)を基準とし、印刷幅最大の露光ヘッド24以外の個々の露光ヘッド24について、当該個々の露光ヘッド24の印刷幅と印刷幅の最大値との偏差、露光ヘッド駆動部110に内蔵の記憶部に記憶されているヒータ100の出力と露光ヘッド24の印刷幅の変化量(補正量)との関係(図7参照)に基づいて、印刷幅最大の露光ヘッド24以外の個々の露光ヘッド24に対し、印刷幅を最大値に一致させるための基板94の目標温度を各々演算して設定する。
カラー画像形成装置10の電源投入時は、個々の露光ヘッド24の基板94の温度が比較的低温となっており、目標温度を設定した個々の露光ヘッド24の基板94の現在の温度と目標温度との偏差が比較的大きい。このためステップ166では、ステップ164で目標温度を設定した露光ヘッド24(印刷幅が最大でない露光ヘッド24)に対し、ヒータ100への給電及びLED92の点灯を実行する。これにより、印刷幅が最大でない露光ヘッド24は、ヒータ100の発熱によって基板94が加熱されると共に、LED92の点灯に伴う発熱によっても基板94が加熱され、例として図19にも示すように、ヒータ100による加熱のみを行った場合と比較して基板94の温度上昇の傾きが大きくなるので、個々の露光ヘッド24の基板94が比較的短時間で目標温度へ達することになり、カラー画像形成装置10のウォームアップに要する時間を短縮することができる。
次のステップ168では個々の露光ヘッド24に付加されている温度センサ106によって検出された基板94の温度を取り込み、取り込んだ温度の検出値を目標温度と比較することで、基板94の温度が目標温度に達した露光ヘッド24が出現したか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ168を繰り返す。ステップ168の判定が肯定されるとステップ170へ移行し、基板94の温度が目標温度に達した露光ヘッド24のヒータ100への給電及びLED92の点灯を停止させる。次のステップ172では、ヒータ100及びLED92による加熱を行った全ての露光ヘッド24で基板94の温度が目標温度に達したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ168に戻り、ステップ172の判定が肯定される迄ステップ168〜172を繰り返す。
ヒータ100及びLED92による加熱を行った全ての露光ヘッド24で基板94の温度が目標温度に達すると、ステップ172の判定が肯定されてステップ174へ移行し、画像形成部18A〜18Dによって各色のレジストマークに相当するトナー像を感光体ドラム20の周面上に各々形成させ、形成されたレジストマークのトナー像を記録媒体12へ各々転写させることで、記録媒体12上に各色のレジストマークを各々印刷させる。なお、レジストマークは個々の画像形成部18A〜18Dの露光ヘッド24による印刷範囲の両端部の位置が明示されることで、個々の露光ヘッド24の印刷幅を計測可能なマークであればよく、任意のマークを適用可能である。次のステップ176では、記録媒体12上に各々印刷された各色のレジストマークの位置ずれ量をレジストセンサ44によって各々検出させる。そしてステップ178では、レジストセンサ44によって検出された各色のレジストマークの位置ずれ量が各々規定値以内か否か判定する。ステップ178の判定が肯定された場合は各露光ヘッド24の印刷幅が略一致していると判断できるので、ウォームアップ時の処理を終了してステップ186へ移行する。
一方、何れかの色のレジストマークの位置ずれ量が規定値を越えていた場合には、ステップ178の判定が否定されてステップ180へ移行し、レジストマークの位置ずれ量が規定値を越えていた色に対応する露光ヘッド24の基板94の目標温度を、検出されたレジストマークの位置ずれ量に応じて変更する。また、ステップ182では基板94の目標温度を変更した露光ヘッド24のヒータ100への給電を開始する。またステップ184では、ヒータ100への給電を開始した露光ヘッド24の基板94の温度が、ステップ180で変更した目標温度に達したか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ184を繰り返す。そしてステップ184の判定が肯定されるとステップ174に戻り、ステップ174以降の処理を繰り返す。このように、何れかの色のレジストマークの位置ずれ量が規定値を越えていた場合にも、ステップ178の判定が肯定される迄ステップ180〜184の処理が繰り返されることで、各露光ヘッド24の印刷幅が略一致されることになり、カラー画像を形成した際の色ずれ等が抑制される。
続いて、露光ヘッド駆動部110によって行われる位置ずれ補正処理のうち、カラー画像形成装置10の稼働中に行われる処理を説明する。ステップ186では個々の露光ヘッド24に付加されている温度センサ106によって検出された基板94の温度を取り込み、基板94の温度が所定値以上変化した露光ヘッド24が有るか否か判定する。判定が否定された場合はステップ186を繰り返す。例えば、ウォームアップ時にヒータ100等によって加熱されることで基板94の温度が目標温度に達したものの、稼働開始後にLED92が点灯されない状態が継続することで基板94の温度が目標温度から所定値以上低下した露光ヘッド24が有った場合、或いは、印刷幅が最大値の露光ヘッド24が稼働開始後からLED92の点灯が継続することで基板94の温度が当初温度から所定値上昇した場合には、ステップ186の判定が肯定されてステップ188へ移行し、検知された所定値以上の温度変化が温度低下か温度上昇かを判定する。
検知された温度変化が基板94の温度低下である場合には、ステップ188からステップ190へ移行し、基板94の温度が低下した露光ヘッド24のヒータ100への給電を開始することで、当該露光ヘッド24の基板94への加熱を開始する。次のステップ192では、ヒータ100への給電を開始した露光ヘッド24に付加されている温度センサ106によって検出された基板94の温度を取り込み、基板94の温度が目標温度迄上昇したか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ194を繰り返す。そして、ヒータ100への給電を開始した露光ヘッド24の基板94の温度が目標温度迄上昇すると、ステップ192の判定が肯定されてステップ194へ移行し、ヒータ100への給電を停止してステップ186に戻る。
また、検知された温度変化が基板94の温度上昇である場合には、ステップ188からステップ196へ移行し、基板94の温度が上昇した露光ヘッド24の近傍に設けられている送風ファン112を作動させ、基板94の温度が上昇した露光ヘッド24へ空気流を供給させることで当該露光ヘッド24の基板94の冷却を開始させる。次のステップ198では、送風ファン112を作動させた露光ヘッド24に付加されている温度センサ106によって検出された基板94の温度を取り込み、基板94の温度が目標温度迄低下したか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ198を繰り返す。なお、送風ファン112を作動させた露光ヘッド24が印刷幅最大の露光ヘッド24である場合、ウォームアップ時の基板94の温度が基板94の目標温度となる。そして、送風ファン112を作動させた露光ヘッド24の基板94の温度が目標温度迄低下すると、ステップ198の判定が肯定されてステップ200へ移行し、送風ファン112の作動を停止させてステップ186に戻る。
カラー画像形成装置10が稼働している間、露光ヘッド駆動部110によって上記の処理が行われることで、個々の画像形成部18A〜18Dの露光ヘッド24の基板94は、各々目標温度付近の温度に維持されることになり、特定の露光ヘッド24のLED92のみが点灯される状態が継続した後にカラー画像の形成が行われた等の場合にも、形成したカラー画像に色ずれ等が生ずることを防止することができる。
なお、ヒータ100を構成する抵抗素子の配線パターンは図5(A),(B)に示す配線パターン102に限られるものではなく、例として図20(A),(B)に示すように、ヒータ100による加熱範囲を複数(図20では「2」)に分割し、抵抗素子の配線パターンを個々の加熱範囲毎に独立に配設してもよい。なお、図20では基板94自体も個々の加熱範囲毎に分割した例を示しているが、基板94自体は一体とし、抵抗素子の配線パターンのみを加熱範囲毎に独立に配設してもよいことは言うまでもない。図20(A),(B)に示す配線パターンについても、図20(B)に示す配線パターンの方が配線の取り回し上は不利であるものの、個々の加熱範囲に対応する抵抗素子の電気抵抗値を低くすることができ、ヒータ100を高出力にすることができるので好ましい。
また、図5や図20に示す抵抗素子の配線パターンは、露光ヘッド24の基板94をその全面に亘って均一に加熱するように構成されているが、本実施形態に係る露光ヘッド24の基板94は細長い形状とされているので、基板94の中央部よりも両端部の方が放熱し易く、図5や図20に示すような抵抗素子の配線パターンから成るヒータ100によって基板94を加熱した場合、図21(A)に破線で示すように、基板94の中央部よりも両端部の方が温度が低い温度分布になり易い。そして、この温度分布によって基板94の伸長度合いが不均一となることで、LED92の間隔の不均一、ひいては露光ヘッド24によって形成される画像の個々のドット位置の不均一が生ずる可能性がある。これを考慮すると、ヒータ100を構成する抵抗素子の配線パターンを、基板94の中央部よりも両端部の方が発熱量が大きくなるように構成してもよい。
これは、例えば図21(B)に示すように、抵抗素子の配線パターンの幅を、基板94の中央部よりも基板94の両端部の方が大きくすることによって実現できる。また、例えば図22に示すように、ヒータ100による加熱範囲を基板94の中央部と基板94の両端部の3つの範囲に分割し、抵抗素子の配線パターンを各加熱範囲毎に別個に設けると共に、基板94の両端部に設けた抵抗素子の配線パターンの電気抵抗Bを、基板94の中央部に設けた抵抗素子の配線パターンの電気抵抗Aよりも小さくする(A>B)ことによっても実現することができる。これにより、例として図21(A)に実線で示すように、基板94の温度を全面に亘って均一にすることができ、LED92の間隔の不均一、露光ヘッド24によって形成される画像の個々のドット位置の不均一が生ずることを防止することができる。
続いて帯電ワイヤ清掃装置の作用を説明する。帯電ワイヤ清掃装置の帯電ワイヤ清掃制御部140は、帯電器22の清掃を指示する帯電器清掃指令が外部(例えばカラー画像形成装置10の全体を制御する図示しない制御部等)から入力される毎に、図23に示す帯電ワイヤ清掃処理を行う。なお、この帯電ワイヤ清掃処理を行うときには、ギア136がギア124と噛合する位置(待避位置/パッド回転位置)に清掃パッドキャリア130が位置している状態となっており、ステップ220では清掃に使用する清掃パッド138の粗さを選択し、清掃パッド138を構成するパッド138A〜138Cのうち選択した粗さのパッドが帯電ワイヤ116に接触するように、モータ128を駆動して清掃パッド138を回転させる。なお、ステップ220におけるパッドの選択は、一定のパッドを常に選択するようにしてもよいし、帯電ワイヤ清掃処理を前回実行したときに選択したパッドを選択するようにしてもよい。
次のステップ222では、帯電ワイヤ116によって感光体ドラム20の表面を帯電させると共に感光体ドラム20を回転させ、感光体ドラム20の周面上のうち帯電ワイヤ116によって帯電された部分の電位を、表面電位センサ146により清掃前表面電位として測定する。ステップ224では、モータ122を駆動することで清掃パッドキャリア130を帯電ワイヤ116に沿って移動させる。清掃パッドキャリア130の移動は、待避位置から清掃パッドキャリア130の移動範囲の反対側の端部への移動であってもよいし、清掃パッドキャリア130を往復移動させ清掃パッドキャリア130が再度待避位置に位置するように移動させてもよい。
この清掃パッドキャリア130の移動に伴い、清掃パッド138が帯電ワイヤ116に接触しながら摺動移動することで帯電ワイヤ116が清掃される。また、モータ122の駆動中にモータ122を流れる駆動電流の大きさがモータ駆動回路142によって検出されるが、上記の清掃パッド138の摺動移動に伴い、モータ122には帯電ワイヤ116の汚れ度合いに応じた負荷が加わる(帯電ワイヤ116の汚れ度合いが大きくなるに従ってモータ122に加わる負荷も大きくなる)ので、モータ駆動回路142によって検出される駆動電流の大きさも帯電ワイヤ116の汚れ度合いに応じて変化する。そして清掃パッドキャリア130の移動が終了すると、帯電ワイヤ清掃制御部140はモータ駆動回路142によって検出された駆動電流値を取り込む。
次のステップ226では、帯電ワイヤ清掃制御部140に内蔵された不揮発性の記憶手段に、個々のパッド138A〜138C毎に記憶されている清掃パッド移動回数のうち、帯電ワイヤ116に現在接触しているパッド(先のステップ220で選択したパッド)に対応する清掃パッド移動回数を1だけインクリメントする。なお、清掃パッド移動回数はカラー画像形成装置10の出荷時に0にクリアされると共に、清掃パッド138が交換された際にも0にクリアされる。ステップ228では、帯電ワイヤ116によって感光体ドラム20の表面を帯電させると共に感光体ドラム20を回転させ、感光体ドラム20の周面上の帯電部分の電位を、表面電位センサ146により清掃後表面電位として測定する。そしてステップ230では、測定した清掃前表面電位及び清掃後表面電位、モータ駆動回路142から取り込んだ清掃中のモータ122の駆動電流値及び個々のパッド138A〜138C毎の清掃パッド移動回数に基づいて、再清掃の有無・再清掃回数・清掃に使用する清掃パッド138の粗さを決定する。
具体的には、例えば清掃後表面電位が規定値以上でかつモータ122の駆動電流値が閾値th1未満かつあれば再清掃不要と判断する。また、清掃後表面電位が規定値未満でかつモータ122の駆動電流値が閾値th1以上かつ閾値th2未満(th2>th1)であれば再清掃要と判断し、清掃に使用するパッドとしてパッド138A〜138Cのうち粗さが最も小さいパッドを選択し、清掃前表面電位と清掃後表面電位との偏差及び駆動電流値に応じて再清掃回数を決定する。但し、粗さが最も小さいパッドの移動回数が所定値以上の場合は、清掃に使用するパッドとして中間の粗さのパッドを選択し、再清掃回数がより少なくなるように再清掃回数を決定する。また、清掃後表面電位が規定値未満でかつモータ122の駆動電流値が閾値th2以上かつ閾値th3未満(th3>th2)であれば再清掃要と判断し、清掃に使用するパッドとして中間の粗さのパッドを選択し、清掃前表面電位と清掃後表面電位との偏差及び駆動電流値に応じて再清掃回数を決定する。但し、中間の粗さのパッドの移動回数が所定値以上の場合は、清掃に使用するパッドとして粗さが最も大きいパッドを選択し、再清掃回数がより少なくなるように再清掃回数を決定するか、又は清掃に使用するパッドとして粗さが最も小さいパッドを選択し、再清掃回数がより多くなるように再清掃回数を決定する。更に、清掃後表面電位が規定値未満でかつモータ122の駆動電流値が閾値th3以上であれば再清掃要と判断し、清掃に使用するパッドとして粗さが最も大きいパッドを選択し、清掃前表面電位と清掃後表面電位との偏差及び駆動電流値に応じて再清掃回数を決定する。但し、粗さが最も大きいパッドの移動回数が所定値以上の場合は、清掃に使用するパッドとして中間の粗さのパッドを選択し、再清掃回数がより多くなるように再清掃回数を決定する。なお、上述した再清掃の有無・再清掃回数・清掃に使用する清掃パッド138の粗さの決定方法は単なる一例であり、他の決定方法を採用してもよい。
次のステップ232では、先のステップ230で再清掃要と判断したか否か判定する。再清掃不要と判断した場合は判定が否定されてステップ246へ移行するが、再清掃要と判断した場合はステップ232の判定が肯定されてステップ234へ移行し、清掃に使用するパッドの粗さとして決定した粗さが、帯電ワイヤ116に現在接触しているパッドの粗さと相違しているか否かを判断することで、清掃パッド138の粗さを変更する必要があるか否か判定する。
判定が否定された場合は何ら処理を行うことなくステップ240へ移行するが、判定が肯定された場合はステップ236へ移行し、モータ122を駆動することで清掃パッドキャリア130をパッド回転位置(待避位置)へ移動させる。なお、先のステップ224で清掃パッドキャリア130を往復移動させた場合には、ステップ224の処理が終了した時点で清掃パッドキャリア130がパッド回転位置(待避位置)に既に位置しており、このステップ236は不要である。そしてステップ238では、先に決定した粗さのパッドが帯電ワイヤ116に接触するように、モータ128を駆動して清掃パッド138を回転させる。
次のステップ240では、モータ122を駆動し清掃パッドキャリア130を帯電ワイヤ116に沿って移動させることで帯電ワイヤ116を清掃する。またステップ242では、個々のパッド138A〜138C毎に記憶されている清掃パッド移動回数のうち、帯電ワイヤ116に現在接触しているパッド(先のステップ230で決定したパッド)に対応する清掃パッド移動回数を1だけインクリメントする。またステップ244では、先のステップ230で決定した移動回数だけ清掃パッドキャリア130の移動(帯電ワイヤ116の清掃)を行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ240へ戻り、ステップ244の判定が肯定される迄ステップ240〜ステップ244を繰り返す。そして、ステップ244の判定が肯定されると帯電ワイヤ116の清掃を終了し、ステップ246へ移行する。
このように、清掃清掃パッドキャリア130を帯電ワイヤ116に沿って移動させ、清掃パッド138を帯電ワイヤ116に接触させながら摺動移動させて帯電ワイヤ116を清掃させることで、清掃終了後に帯電ワイヤ116に汚れが残ることが無くなるので、帯電器22の性能を常に良好な状態に維持することができる。また、清掃前表面電位、清掃後表面電位、清掃中のモータ122の駆動電流値及び個々のパッド138A〜138C毎の清掃パッド移動回数に基づいて、再清掃回数及び清掃に使用する清掃パッド138の粗さを決定して帯電ワイヤ116の清掃を行うことで、帯電ワイヤ116の汚れ度合いに合った清掃を行うことができると共に、清掃パッド138を無駄に摺動移動させることで清掃パッド138や帯電ワイヤ116が必要以上に消耗することを防止することができ、清掃パッド138や帯電ワイヤ116の長寿命化を実現することができる。
ステップ246では清掃パッド移動回数が規定値以上となったか否か判定する。この判定は、個々のパッド138A〜138C毎の清掃パッド移動回数の何れかが規定値以上になったか否かを判定するようにしてもよいし、2個以上のパッドの移動回数が規定値以上になったか否かを判定するようにしてもよいし、全てのパッドの移動回数が規定値以上になったか否かを判定するようにしてもよい。判定が否定された場合はステップ250へ移行するが、ステップ246の判定が肯定された場合は清掃パッド138の寿命が到来したと判断できるので、ステップ248で清掃パッド138の交換を要請するメッセージをカラー画像形成装置10の操作パネル等に表示させる。これにより、清掃パッド138の寿命が到来したことをユーザ或いは保守作業者が認識することできる。
そして次のステップ250では、モータ122を駆動して清掃パッドキャリア130をパッド回転位置(待避位置)へ移動させ、帯電ワイヤ清掃処理を終了する。なお、先のステップ240の処理を行う毎に清掃パッドキャリア130を往復移動させる場合には、ステップ240の処理が終了した時点で清掃パッドキャリア130がパッド回転位置(待避位置)に既に位置しているので、このステップ250は不要である。
なお、上記では帯電器22に帯電ワイヤ116が1本のみ設けられており、これに対応して清掃パッド138が2個設けられている例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば図9(B)に示すように帯電ワイヤ116が2本設けられている場合には、清掃パッド138を3個設けることができる。
また、上記では清掃パッド138が、粗さや材質が互いに異なる3種類のパッド138A〜138Cから構成されている例を説明したが、これに限定されるものでもなく、図9(B)に示すように清掃パッドを2種類のパッドで構成してもよいし、清掃パッドを4種類以上のパッドで構成してもよい。
また、図23に示す帯電ワイヤ清掃処理では、最初に感光体ドラム20の表面電位の変化及びモータ122の駆動電流の大きさを検出し、再清掃の有無・再清掃回数・清掃に使用する清掃パッド138の粗さを決定した後は、再清掃が必要と判断した場合も再清掃時に表面電位や駆動電流を検出することなく、決定した粗さのパッドにより、決定した再清掃回数だけ再清掃を行って処理を終了していたが、これに限定されるものではなく、例として図24に示すように、ステップ230で再清掃回数は決定せずに再清掃の有無及び清掃に使用する清掃パッド138の粗さのみを決定し、再清掃が必要と判断した場合(ステップ232の判定が肯定された場合)には、必要に応じて清掃パッド138の粗さを変更(ステップ236,238)した後にステップ222に戻ることで、表面電位や駆動電流を検出しながら再清掃時を行い、再清掃が不要と判断した時点(ステップ232の判定が肯定された時点)で再清掃を終了するようにしてもよい。