JP2010214862A - 露光ヘッド、露光ヘッドの制御方法、画像形成装置 - Google Patents

露光ヘッド、露光ヘッドの制御方法、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像データから生成された発光制御信号に基づいて発光素子の発光を制御する構成において、発光素子の不必要な発光を抑制することを可能とする技術を提供する。
【解決手段】像を担持する像担持体と、駆動電流に応じて発光する発光素子を有し、発光素子からの光により像担持体に潜像を形成する露光ヘッドと、画像データに基づいて発光制御信号を生成する制御部と、発光制御信号に基づいて生成した駆動電流を発光素子に供給する駆動部と、消灯信号を駆動部に出力する消灯信号出力部と、を備え、駆動部は、消灯信号を受け取ると、駆動電流を遮断して発光素子を消灯させることを特徴とする。
【選択図】図6

Description

この発明は、発光素子からの光により被露光面を露光する露光ヘッド、当該露光ヘッドの制御方法、および当該露光ヘッドを用いた画像形成装置に関する。
特許文献1に記載されているように、感光体ドラム表面等の被露光面を露光ヘッドにより露光する技術が従来から知られている。つまり、この露光ヘッドは、複数の発光素子を備えており、各発光素子からの光をスポット状に結像することで、被露光面に1ライン分の潜像を形成することができる。そして、ホストコンピューター等の外部装置から送信された画像データに基づいて、この1ライン分の潜像を順次形成することで、画像データに応じた二次元潜像を被露光面に形成することができる。
また、このような発光素子の発光を制御する方法として、例えば特許文献2に記載の方法を用いることができる。同文献の電気的構成では、発光素子の発光輝度を制御する輝度データがデータ線駆動回路で生成される。また、この輝度データは画素回路に入力され、画素回路は受け取った輝度データに応じた電流信号を発光素子に入力する。そして、発光素子はこの電流信号に応じて発光する。
特開2004−195963号公報 特開2002−156923号公報
つまり、発光素子の発光を制御するための発光制御信号(輝度データ)を画像データに基づいて生成し、この発光制御信号に応じた駆動電流(電流信号)を発光素子に出力することで、画像データに応じた潜像を形成することができる。ところが、画像データから生成された発光制御信号に基づいて発光素子の発光を制御するだけでは、発光素子が不必要に発光してしまう場合があった。
このような場合の1つとして、1ページ分の潜像を形成完了した際に、ページの最終1ライン分の発光状態を、潜像形成完了後も各発光素子が維持してしまう場合が挙げられる。しかしながら、潜像形成完了後に発光素子が発光している必要は無く、このような発光素子の発光は不必要である。あるいは、画像形成装置の内部で紙詰まり等の異常が発生した際に、異常が解消するまで露光ヘッドの動作を停止させることがあるが、この動作停止時の発光状態を各発光素子がそのまま維持してしまう場合があった。しかしながら、動作停止後に発光素子が発光している必要は無く、このような発光素子の発光は不必要である。そして、発光素子が不必要に発光することで、発光素子の寿命低下あるいは感光体ドラム表面の劣化等が引き起こされるおそれがあった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、画像データから生成された発光制御信号に基づいて発光素子の発光を制御する構成において、発光素子の不必要な発光を抑制することを可能とする技術の提供を目的とする。
本発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、像を担持する像担持体と、駆動電流に応じて発光する発光素子を有し、発光素子からの光により像担持体に潜像を形成する露光ヘッドと、画像データに基づいて発光制御信号を生成する制御部と、発光制御信号に基づいて生成した駆動電流を発光素子に供給する駆動部と、消灯信号を駆動部に出力する消灯信号出力部と、を備え、駆動部は、消灯信号を受け取ると、駆動電流を遮断して発光素子を消灯させることを特徴としている。
このように構成された本発明(画像形成装置)では、画像データに基づいて発光制御信号を生成し、この発光制御信号に応じて発光素子が発光する。そのため、上述したように発光素子が不要に発光してしまうおそれがあった。これに対して、本発明は、消灯信号を駆動部に出力する消灯信号出力部を備え、駆動部は消灯信号を受け取ると、駆動電流を遮断して発光素子を消灯させる。したがって、消灯信号を駆動部に適宜出力することで、発光素子の不要な発光を抑制することが可能となっている。
また、消灯信号出力部は、転写材1ページ分の潜像形成完了後に、消灯信号を駆動部に出力するように構成しても良い。これにより、転写材1ページ分の潜像形成完了後、発光素子を確実に消灯させることができ、発光素子の不要な発光を抑制することが可能となる。
また、画像形成装置の異常を検出する検出部を備え、消灯信号出力部は、検出部が異常を検出すると、消灯信号を駆動部に出力するように構成しても良い。これにより、画像形成装置の異常検出後、発光素子を確実に消灯させることができ、発光素子の不要な発光を抑制することが可能となる。
また、本発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、駆動電流に応じて発光する発光素子と、画像データに基づいて発光制御信号を生成する制御部と、発光制御信号に基づいて生成した駆動電流を発光素子に供給する駆動部と、消灯信号を駆動部に出力する消灯信号出力部と、を備え、駆動部は、消灯信号を受け取ると、駆動電流を遮断して発光素子を消灯させることを特徴としている。
このように構成された本発明(露光ヘッド)では、画像データに基づいて発光制御信号を生成し、この発光制御信号に応じて発光素子が発光する。そのため、上述したように発光素子が不要に発光してしまうおそれがあった。これに対して、本発明は、消灯信号を駆動部に出力する消灯信号出力部を備え、駆動部は消灯信号を受け取ると、駆動電流を遮断して発光素子を消灯させる。したがって、消灯信号を駆動部に適宜出力することで、発光素子の不要な発光を抑制することが可能となっている。
なお、発光素子が駆動電流に応じた光量で発光する露光ヘッドに対しては、本発明を適用することが特に好適である。つまり、このような露光ヘッドでは、大きな駆動電流が与えられたまま、大きな光量で発光素子が不必要に発光する場合があり、発光素子の寿命が著しく縮んでしまうおそれがあった。これに対して、本発明を適用することで、発光素子の不必要な発光を抑制して、発光素子の寿命短縮を抑制することが可能となる。
また、発光素子が有機EL素子である露光ヘッドに対しては、特に本発明を適用することが好適である。なぜなら、有機EL素子は、発光を繰り返すことで劣化するため、上述のような発光素子の不必要な発光を抑制して長寿命化を図ることが好適であるからである。
また、本発明にかかる露光ヘッドの制御方法は、上記目的を達成するために、画像データに基づいて生成した発光制御信号に応じて駆動部が発光素子を発光させる一方、駆動部は消灯信号を受け取ると発光素子を消灯させることを特徴としている。
このように構成された本発明(露光ヘッドの制御方法)では、画像データに基づいて発光制御信号を生成し、この発光制御信号に応じて発光素子が発光する。そのため、上述したように発光素子が不要に発光してしまうおそれがあった。これに対して、本発明は、駆動部は消灯信号を受け取ると発光素子を消灯させる。したがって、消灯信号を駆動部に適宜与えることで、発光素子の不要な発光を抑制することが可能となっている。
本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図。 図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。 ラインヘッドの構造を示す斜視図。 ラインヘッドの構造を示す部分断面図。 ヘッド基板の裏面の構成を示す平面図。 図2の電気的構成の部分的な詳細を示すブロック図。 駆動回路の構成を示す図。 消灯データの電圧値を示すグラフ。 画像形成装置が実行するラインヘッドの起動処理を示すフローチャート。 画像形成装置が実行する印刷動作の一例を示すフローチャート。 異常検出時の画像形成装置の動作の一例を示すフローチャート。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCがエンジンコントローラーECに制御信号を与え、これに基づき、エンジンコントローラーECがエンジン部EGおよびヘッドコントローラーHCなど装置各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどの記録材たるシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
この実施形態にかかる画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板(ヘッド用電源回路100を含む)、メインコントローラーMC、エンジンコントローラーECおよびヘッドコントローラーHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット2、転写ベルトユニット8および給紙ユニット7もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、二次転写ユニット12、定着ユニット13およびシート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット7は、ハウジング本体3に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット7および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット2は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。なお、図1においては、画像形成ユニット2の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号を付し、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。各感光体ドラム21は、その回転軸が主走査方向MD(図1の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように配置されている。また、各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モーターに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより、感光体ドラム21表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに搬送される。また、感光体ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作およびトナー現像動作が実行される。カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8に設けた転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成する。また、モノクロモード実行時は、画像形成ステーション2Kのみを動作させてブラック単色画像を形成する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラーを備えている。この帯電ローラーは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って従動回転する。また、この帯電ローラーは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を所定の表面電位に帯電させる。
ラインヘッド29は、その長手方向LGDが主走査方向MDに平行もしくは略平行となるように、かつ、その幅方向LTDが副走査方向SDに平行もしくは略平行となるように配置されている。ラインヘッド29は、長手方向LGDに配列された複数の発光素子を備えており、感光体ドラム21に対向配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に向けて光を照射して該表面に静電潜像を形成する。
図3はラインヘッドの構造を示す斜視図である。同図では、ヘッド基板294の裏面側の構成が記載されており、表面側の構成は省略されている。なお、ヘッド基板294が有する2面のうち、同図上側の面を表面とし、同図下側の面を裏面とする。また、図4は、ラインヘッドの構造を示す部分断面図である。さらに、図5は、ヘッド基板の裏面の構成を示す平面図であり、ヘッド基板表面側からヘッド基板裏面を平面視した場合に相当する。
ラインヘッド29は、その内部にガラス基板であるヘッド基板294を備えており、このガラス基板294の裏面294−tには、複数の発光素子Eが主走査方向MD(長手方向LGD)に2行千鳥で並んでいる。各発光素子Eはいわゆるボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子である。さらに、ヘッド基板294の裏面294−tには、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(low temperature poly silicon thin film transistor:LTPS-TFT)で構成された駆動回路295が設けられている。この駆動回路295は隣接する6個の発光素子E毎に設けられており、駆動回路295と発光素子Eとは配線Weによって互いに接続されている。そして、各発光素子Eは、配線Weを介して駆動回路295から駆動電流Ie(図7)の供給を受けて、互いに同一波長の光ビームを射出する。
発光素子Eの発光面から射出した光ビームはヘッド基板294を透過して、屈折率分布型ロッドレンズアレイ297に入射する。こうして発光素子Eから射出した光ビームが、屈折率分布型ロッドレンズアレイ297により正立等倍で結像されて、感光体ドラム21表面にスポットSPが形成される。そして、スポットSPにより露光された部分が除電されて、静電潜像が感光体ドラム21の表面に形成される。
図1に戻って装置構成の説明を続ける。現像部25は、その表面にトナーを担持する現像ローラー251を有する。そして、現像ローラー251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラー251に印加される現像バイアスによって、現像ローラー251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラー251から感光体ドラム21に移動してその表面に形成された静電潜像が顕像化される。
現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する一次転写位置TR1において転写ベルト81に一次転写される。
また、感光体ドラム21の回転方向D21の一次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで一次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラー82と、図1において駆動ローラー82の左側に配設される従動ローラー83(ブレード対向ローラー)と、これらのローラーに張架され駆動ローラー82の回転により図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、カートリッジ装着時において各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の一次転写ローラー85Y、85M、85Cおよび85Kを備えている。これらの一次転写ローラーは、それぞれ一次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。
カラーモード実行時は、図1および図2に示すように全ての一次転写ローラー85Y、85M、85Cおよび85Kを画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に一次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで一次転写バイアス発生部から一次転写ローラー85Y等に一次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する一次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写する。すなわち、カラーモードにおいては、各色の単色トナー像が転写ベルト81上において互いに重ね合わされてカラー画像が形成される。
さらに、転写ベルトユニット8は、ブラック用一次転写ローラー85Kの下流側で且つ駆動ローラー82の上流側に配設された下流ガイドローラー86を備える。この下流ガイドローラー86は、一次転写ローラー85Kが画像形成ステーション2Kの感光体ドラム21に当接して形成する一次転写位置TR1での一次転写ローラー85Kとブラック用感光体ドラム21(K)との共通接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
給紙ユニット7は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラー79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラー79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラー対80によって給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って、駆動ローラー82と二次転写ローラー121とが当接する二次転写位置TR2に給紙される。
二次転写ローラー121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、二次転写ローラー駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラー131と、この加熱ローラー131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が二次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラー131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラー1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラー1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラー131の周面に押し付けることで、加熱ローラー131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
前記した駆動ローラー82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、二次転写ローラー121のバックアップローラーとしての機能も兼ねている。駆動ローラー82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する二次転写バイアス発生部から二次転写ローラー121を介して供給される二次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラー82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、二次転写位置TR2へシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達されることに起因する画質の劣化を防止することができる。
また、この装置では、ブレード対向ローラー83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラー83に当接することで、二次転写後に転写ベルト81に残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラー83と一体的に構成されている。
なお、この実施形態においては、各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kの感光体ドラム21、帯電部23、現像部25および感光体クリーナ27を一体的にカートリッジとしてユニット化している。そして、このカートリッジが装置本体に対し着脱可能に構成されている。また、各カートリッジには、該カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリーがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラーECと各カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各カートリッジに関する情報がエンジンコントローラーECに伝達されるとともに、各メモリー内の情報が更新記憶される。これらの情報に基づき各カートリッジの使用履歴や消耗品の寿命が管理される。
また、この実施形態では、メインコントローラーMC、ヘッドコントローラーHCおよび各ラインヘッド29がそれぞれ別ブロックとして構成され、これらは互いにシリアル通信線を介して接続されている。各ブロック間でのデータのやりとり動作について、図2および図6を参照しながら説明する。ここで、図6は、図2の電気的構成の部分的な詳細を示すブロック図である。なお、本実施形態では4色分のラインヘッド29が設けられているが、ラインヘッド29に対して設けられる電気的構成は各色で共通するので、図6では、1色のラインヘッド29に対応する電気的構成のみが示されている。
外部装置からメインコントローラーMCに画像形成指令が与えられると、メインコントローラーMCは、エンジンコントローラーECにエンジン部EGを起動させるための制御信号を送信する。また、メインコントローラーMCに設けられた画像処理部(図示省略)が、画像形成指令に含まれる画像データに対して、フォントの生成やハーフトーンのスクリーン処理等、所定の信号処理を行って、ラインヘッド29の発光素子Eの発光/消灯を示すビデオデータVDを各トナー色毎に生成する。
一方、制御信号を受けたエンジンコントローラーECは、エンジン部EG各部の初期化およびウォームアップを開始する。これらが完了して画像形成動作を実行可能な状態になると、エンジンコントローラーECは、各ラインヘッド29を制御するヘッドコントローラーHCに対し画像形成動作の開始のきっかけとなる同期信号Vsyncを出力する。
同期信号Vsyncを受信した後、ヘッドコントローラーHCは、1ページ分の画像の先頭を示す垂直リクエスト信号VREQと、該画像を構成するラインのうち1ライン分のビデオデータVDを要求する水平リクエスト信号HREQとを、メインコントローラーMCに出力する。一方、メインコントローラーMCは、受信したこれらのリクエスト信号に応じてビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに出力する。より詳しくは、メインコントローラーMCは、画像の先頭を示す垂直リクエスト信号VREQを受信した後、水平リクエスト信号HREQを受信する度に、画像の先頭部分から1ライン分ずつビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに順次出力する。
また、ヘッドコントローラーHCはビデオデータVDをラインヘッド29内部の制御回路200に転送し、制御回路200はこのビデオデータVDに基づいて駆動回路295の発光素子駆動を制御する。なお、図5等に示したように、複数の発光素子Eは一直線状ではなくて千鳥状に主走査方向MDに並んでいる。したがって、1ライン分のビデオデータVDをそのまま制御回路200に転送すると、本来一直線状に形成されるべきライン潜像が、千鳥状に形成されてしまう。そこで、この実施形態のヘッドコントローラーHCは、発光素子Eの配置態様に応じて、ビデオデータVDの転送順序を並び替えている。
制御回路200には演算処理部210が設けられており、制御回路200での動作はこの演算処理部210の制御を受けて実行される。さらに、制御回路200には、メモリー220、光量データ生成部230およびドライバーIC240とが設けられている。メモリー220には各発光素子Eの光量補正値が記憶されており、光量データ生成部230はこの光量補正値に基づいてビデオデータVDを補正して、光量データSdを生成する。つまり、発光素子Eの特性は一定の範囲内でばらつくため、ビデオデータVDが示す値そのままで発光素子Eを発光させると、発光素子Eの光量値が所望の値とならない場合がある。そこで、ラインヘッド29は、補正したビデオデータVD(つまり、光量データSd)で発光素子Eを発光させることとしている。このとき、発光素子Eを発光させる光量データSdは、発光素子Eの発光を示すビデオデータVDの値を補正して求められる一方、発光素子Eを消灯させる光量データSdは、発光素子Eの消灯を示すビデオデータVDの値をそのまま用いても良い。なお、光量補正値は、画像形成装置の起動時にヘッドコントローラーHCにより生成されてメモリー220に予め転送されている。
こうして求められた光量データSdは、ドライバーIC240に入力される。ドライバーIC240は複数の出力ポートを有しており、各出力ポートに対して例えば8bitのデータを入力することで、この8bitデータに対応する電圧の光量データSdを各出力ポートから出力することができる。また、ドライバーIC240は、この光量データの出力動作を時分割で繰り返す。これにより、出力ポート数の整数倍の個数の発光素子Eに対応する容量CP(図7)への書き込みが可能となる。このように、ドライバーIC240は多数のD/Aコンバーターの集まりとして機能する。そして、ドライバーIC240は、この光量データSdと、この光量データSdの容量CPへの時分割書き込みタイミングを示すゲート信号Sgとを駆動回路295に出力する。
図7は駆動回路が備える構成を示す図である。なお、上述したとおりこの実施形態では、6個の発光素子Eに対して1個の駆動回路295が設けられているため、1個の駆動回路295内には、6個の発光素子Eそれぞれを駆動するための回路が設けられている。ただし、図7では便宜上、1個の発光素子Eと当該発光素子を駆動する回路のみが、1個の駆動回路295内に示されている。
駆動回路295には、光量データSdが入力されるデータ端子dataと、このデータ端子dataへの入力信号(光量データSd)が書き込まれる容量CPとが、発光素子E毎に設けられている。さらに、駆動回路295には、ゲート信号Sgが入力されるゲート端子W_gateが設けられている。つまり、時分割によって容量CPへのデータ書き込みを行なうために、駆動回路295には、書き込み対象となる容量CPを特定するためのゲート端子W_gateが設けられており、ゲート信号Sgが与える時分割タイミングで容量CPへの書き込みが行なわれるように構成されている。駆動回路295の具体的構成は次のとおりである。
駆動回路295には、低温ポリシリコン薄膜トランジスタである第1のトランジスタTr1が設けられている。そして、この第1のトランジスタTr1のソースにはデータ端子dataが接続される一方、第1のトランジスタTr1のドレインには容量CPの一端が接続されている(なお、容量CPの他端は駆動回路用電源電圧Velに接続されている)。さらに、第1のトランジスタTr1のゲートにはゲート端子W_gateが接続されており、ゲート端子W_gateへの入力信号により第1のトランジスタTr1のオン/オフ制御が可能となっている。したがって、ゲート端子W_gateにオン信号が入力されている間に、データ端子dataに入力された光量データSdが容量CPに書き込まれる一方、ゲート端子W_gateにオフ信号が入力されている間は、データ端子dataの電圧値に関係なく書き込み済みの光量データSdが容量CPに保持され続ける。なお、この書き込み動作は一定の周期で繰り返し行なわれるが、容量CPは十分に大きいため、書き込み動作それぞれの間における容量CPの電圧変化は実質的に無い。
また、駆動回路295は、低温ポリシリコン薄膜トランジスタである第2のトランジスタTr2をさらに備えている。第2のトランジスタTr2のソースは駆動回路用電源電圧Velに接続されるとともに、第2のトランジスタTr2のドレインは配線Weによって発光素子E(のアノード側)に接続されている。また、第2のトランジスタTr2のゲートには上記容量CPの一端が接続されており、第2のトランジスタTr2は容量CPの電圧値に応じた駆動電流Ieをドレインより出力する。したがって、容量CPに駆動電圧が保持されている間は、第2のトランジスタTr2が駆動電流Ieを発光素子Eに供給するため、発光素子Eは駆動電流Ieに応じた光量で発光する。一方で、容量CPに消灯電圧が保持されている間は、第2のトランジスタTr2は発光素子Eへの駆動電流Ieの供給を遮断するため、発光素子Eは消灯する。
なお、発光素子Eである有機EL素子に印加される電圧(駆動電圧)は、駆動回路用電源電圧Velと、発光素子Eのカソード側に接続された電圧Vctとの電位差に依存する。この有機EL素子は一般的な無機のLED(Light Emitting Diode)に比べて抵抗が大きいため、駆動電圧は6〜16[V]程度必要である。さらに、様々な余裕を見込むと20[V]以上の駆動電圧が必要となる場合もある。また、このような高駆動電圧を、TFTの耐圧が満たさないときは、電圧Vctを0[V]ではなくマイナス電圧とすることもある。
また、図2、図6に示すように、この実施形態ではヘッド用電源回路100が設けられている。このヘッド用電源回路100は、4色のラインヘッド29について共通化されている(図2)。ヘッド用電源回路100の内部には、主電源Vm、ヘッドコントローラー用電力発生部110、制御回路用電力発生部120および駆動回路用電力発生部130が設けられている。これらヘッドコントローラー用電力発生部110、制御回路用電力発生部120および駆動回路用電力発生部130はいずれも主電源Vmに接続されている。
ヘッドコントローラー用電力発生部110は、主電源Vmから生成したコントローラー用電源電圧VcrをヘッドコントローラーHCに供給し、ヘッドコントローラーHCはこの電力供給により動作可能となっている。なお、ヘッドコントローラーHCは略ロジック回路で構成されているため、コントローラー用電源電圧Vcrは1〜5V程度の低電圧でよい。
制御回路用電力発生部120は、主電源Vmから生成した制御回路用電源電圧Vccをラインヘッド29の制御回路200に供給し、制御回路200はこの電力供給により動作可能となっている。なお、制御回路200が有するドライバーIC240の出力段はアナログ回路で構成されているため、制御回路用電源電圧Vccはある程度の高電圧である必要がある。ただし、ドライバーIC240のその他の部分、演算処理部210、メモリー220および光量データ生成部のロジック回路に対しては、制御回路用電源電圧Vccをより低電圧に変換してから供給する等の変更は適宜可能である。
駆動回路用電力発生部130は、主電源Vmから生成した駆動回路用電源電圧Velをラインヘッド29の駆動回路295に供給し、駆動回路295はこの電力供給により動作可能となっている。なお、駆動回路用電源電圧Velは、発光素子Eに十分な駆動電圧を印加できるだけの高電圧である。
ところで、図7に示したように、上記の回路は、実質的に2つのトランジスタTr1、Tr2のみで各発光素子Eに対する駆動回路を構成しており、なおかつ発光素子Eの光量の調整も可能という特徴を有する。このように、回路構成が簡単であるので、発光素子Eの近傍に発光素子Eの配列ピッチに応じた狭いピッチで、各発光素子Eの駆動回路を配列することが可能となっている。したがって、上記回路構成は、多くの発光素子Eを密に配列するラインヘッド29にとって極めて好適である。ここで、上記回路構成で用いられる容量CPは、特にコンデンサーとして形成する必要は無く、第2のトランジスタTr2の寄生容量を容量CPとして機能させることもできる。
しかしながら、容量CPをいずれの態様で形成するとしても、容量CPを持った上記回路構成は、容量CPを持たない一般的な回路構成と異なり、発光素子Eを強制的に消灯させる必要が発生する場合があった。つまり、容量CPを持たない回路構成では、発光素子に駆動電流を供給するトランジスタにゲート電圧(バイポーラトランジスタを用いる場合はベース電流)が印加された状態でのみ発光素子が点灯するように構成されているので、ゲート電圧の印加を終了すれば発光素子が消灯する。一方、上述のように容量CPを持つ回路は、第2のトランジスタTr2のゲートに電圧の印加が終了した後もその状態を継続する(つまり、容量CPに電圧が維持される)。したがって、ラインヘッド29のように画像データに応じて周期的に点灯/消灯を繰り返すデバイスに容量CPを持った回路構成を適用した場合、発光素子Eを消灯させるためには、消灯のための電圧を出力する必要がある。特に電子写真の書き込み用のラインヘッド29では、感光体ドラム21の回転移動に応じて、ライン状に配列された発光素子Eを10〜100μsecの高速な周期で点灯状態を切り換えて画像を形成する。そして、画像形成終了後もこの短い周期で、ただちに発光素子Eを消灯させなければならない。そこで、本実施形態では、次のような構成が設けられている。
つまり、図6に示すように、ラインヘッド29内部の制御回路200は、消灯データ生成部250を備えている。この消灯データ生成部250は、発光素子Eを消灯させる消灯データSoを記憶しており、消灯させる必要がある発光素子Eを指定して、消灯データSoをドライバーIC240に出力する。そして、ドライバーIC240は、指定された発光素子Eに関して、ゲート端子W_gateにオン信号を入力するとともにデータ端子dataに消灯データSoを入力する。これにより、容量CPに消灯データSoが書き込まれて、発光素子Eが消灯する。なお、ドライバーIC240は、消灯データ生成部250から消灯データSoが入力された場合には、光量データSdの入力の有無に拘わらず消灯データSoを容量CPに書き込む。つまり、消灯データ生成部250により指定された発光素子Eは、当該発光素子Eに対する光量データSdの状態によらず、強制的に消灯されることとなる。
また、この消灯データSoは、発光素子Eの発光特性のばらつきによらず発光素子Eを確実に消灯させることができる電圧値に設定されている。図8は、消灯データの電圧値を示すグラフであり、横軸は電圧[V]を示し、縦軸は横軸に示す電圧が容量CPに書き込まれた際の発光素子Eの光量を示している。また、同図において、実線の曲線は発光素子Eの平均的な発光特性を示しており、破線の曲線は容量CPの電圧値に対して敏感な方に最大にばらついた発光素子Eの発光特性を示している。つまり、実線の発光特性を示す発光素子Eは、値Z(1)以上の電圧が容量CPに書き込まれると発光するのに対して、破線の発光特性を示す発光素子Eは、値Z(1)より小さい値Z(2)以上の電圧が容量CPに書き込まれると発光する。そして、このような発光特性のばらつきによらず発光素子Eを確実に消灯するために、消灯データSoは、値Z(2)よりも小さい電圧値に設定されている。なお、発光素子Eを一定の光量LI(0)で発光させるにあたっては、実線の発光特性を示す発光素子Eの容量CPに対しては光量データSd(1)を書き込めばよく、破線の発光特性を示す発光素子Eの容量CPに対しては光量データSd(2)を書き込めばよい。
そして、このような消灯データ生成部250を備える画像形成装置は、発光素子Eの不要な発光を抑制するために、種々の動作を実行可能である。次に、かかる動作について、具体的に説明する。
図9は、画像形成装置が実行するラインヘッドの起動処理の一例を示すフローチャートである。同図および図6を用いて、この起動処理について説明する。画像形成装置の電源が投入されると、エンジンコントローラーECはCPUの初期化処理を行った後に、帯電部23、現像部25等の各ユニットの初期化と動作状態確認を行なう。また、ヘッドコントローラーHCは、これに対応してラインヘッド29の初期化を行なう(ステップS101)。より詳しくは、ヘッドコントローラーHCは、ラインヘッド29の制御回路200に初期化を実行するように指示する。初期化指示を受けた制御回路200の演算処理部210は、消灯データ生成部250に対して、全発光素子Eについて消灯データSoを出力するように指示する。これを受けて消灯データ生成部250は、全発光素子Eを指定して消灯データSoをドライバーIC240に出力する(ステップS102)。これにより、全発光素子Eが消灯状態となる。続くステップS103では、ヘッドコントローラーHCは、ラインヘッド29内の不揮発性メモリーから光量補正値を読み出して、制御回路200のメモリー220に転送する。こうしてラインヘッド29の起動処理が完了する。
そして、上述のラインヘッド29の起動処理およびその他のユニットの起動処理が完了すると、画像形成装置は外部からの画像形成指令に応じて印刷動作を実行可能となる。具体的には、エンジンコントローラーECが、装置各部を駆動するモーター、ソレノイドなどの動力源を制御しつつ、帯電部23、現像部25、一次転写位置TR1に印加されるバイアス電圧の制御および定着ユニット13の加熱ローラー131の温度管理を行うことで、印刷動作が実行される。
図10は、画像形成装置が実行する印刷動作の一例を示すフローチャートである。同図、図2および図6を用いて、この印刷動作について説明する。メインコントローラーMCは、シート1ページ分の画像形成指令を受け取ると(ステップS201で「YES」の場合)、この画像形成指令に含まれる画像データからビデオデータVDを生成する(ステップS202)。そして、このビデオデータVDは1ラインずつメインコントローラーMCからヘッドコントローラーHCに転送される(ステップS203)。さらにビデオデータVDは、ヘッドコントローラーHCからラインヘッド29の制御回路200に転送されて、制御回路200は受け取ったビデオデータVDに基づいて光量データSdを求めて、当該光量データSdを各発光素子Eの容量CPに書き込む(ステップS204)。こうして、制御回路200に転送されてくる1ライン分のビデオデータに基づいて、各発光素子Eは発光を繰り返す。
また、ステップS205では、メインコントローラーMCがページの最終端に余白があるか否かを判断する。そして、余白が無いと判断される場合(ステップS206で「NO」の場合)は、ページの最終1ライン分のビデオデータVDに応じた発光状態を各発光素子Eが維持して、一部あるいは全部の発光素子Eが発光し続けることを防止するために、ステップS206およびステップS207に進む。つまり、制御回路200は、ページ最終端の1ライン分のビデオデータVDを受け取ると(ステップS206)、この最終1ライン分のビデオデータVDに基づく光量データSdに続いて、1ライン分の消灯データ(つまり、全発光素子Eを1ライン分の時間消灯させるデータ)を、駆動回路295に出力する。つまり、1ページ分の潜像形成完了後に、全発光素子Eについての消灯データSoを駆動回路295に出力する。そして、後述するステップS208に進む。
一方、ステップS205で余白があると判断される場合は、ページの最終1ライン分のビデオデータは全発光素子Eの消灯状態を示すビデオデータVDであるため、全発光素子Eが消灯した状態で1ページ分の画像形成を終了することができる。したがって、この場合は、ステップS206、S207を省略して、ステップS208に進む。そして、ステップS208では、次の1ページ分の画像形成指令の有無が判断され、次の画像形成指令が有る場合はステップS202に戻り、次の画像形成指令が無い場合は画像形成を終了する。
ところで、本実施形態の画像形成装置は、ジャム検出センサーSC1、用紙サイズ検出センサーSC2、定着温度センサーSC3等の各種センサーを備えている(図6)。ジャム検出センサーSC1は用紙の詰まり(異常)を検出するセンサーであり、ジャム検出センサーSC1が用紙詰まりを検出すると、エンジンコントローラーECは用紙詰まりが解消するまで印刷動作を中断する。また、用紙サイズ検出センサーSC2は給紙カセット77の用紙サイズを検出するセンサーであり、用紙サイズ検出センサーが用紙サイズの異常を検出すると、エンジンコントローラーECは用紙サイズ異常が解消するまで印刷動作を中断する。また、定着温度センサーSC3は定着ユニット13の加熱ローラー131の温度を検出するセンサーであり、定着温度センサーSC3が温度異常(特に、過度に高温となっている状態)を検出すると、エンジンコントローラーECは加熱ローラー131の温度異常が解消するまで印刷動作を中断する。
ところで、この実施形態では、上記異常が発生した際に、異常が解消するまでラインヘッド29の動作を停止させる。ただし、この際、動作停止時の発光状態を各発光素子Eがそのまま維持しないようにする必要がある。なぜなら、例えば、異常検出後も発光素子Eが発光し続けることで、発光素子Eの寿命短縮や感光体ドラム21表面の劣化等の問題が引き起こされるおそれがあるからである。また、異常検出後も発光を続ける発光素子Eにより露光された部分がトナー現像されて、感光体ドラム21表面に不要なトナー像が形成されると、用紙が供給されない状態でトナー像が二次転写位置TR2に到達して、二次転写ローラー121等の二次転写ユニット12の各部が汚染されてしまう場合も考えられる。そこで、画像形成装置は異常検出時に次のような動作を行なう。
図11は、異常検出時の画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。同図および図6を用いて、この異常検出時動作について説明する。エンジンコントローラーECは、画像形成装置内の異常を検出すると(ステップS301で「YES」)、ヘッドコントローラーHCを介して制御回路200に全発光素子Eを消灯するように指示を出す。これを受けた制御回路200の演算処理部210は、消灯データ生成部250に対して、全発光素子Eについて消灯データSoを出力するように指示する。これを受けて消灯データ生成部250は、全発光素子Eを指定して消灯データSoをドライバーIC240に出力する(ステップS302)。これにより、全発光素子Eが消灯状態となる。そして、異常が解消するとこの異常検出時動作を終了する(ステップS303)。なお、このときヘッドコントローラーHCは制御動作を継続的に実行しているので、ラインヘッド29の初期化動作や、光量補正値の転送処理等を行う必要は無い。
以上のように、本実施形態では、画像データに基づいてビデオデータVDを生成し、このビデオデータに応じて発光素子Eが発光する。そのため、上述したように発光素子Eが不要に発光してしまうおそれがあった。これに対して、本実施形態の画像形成装置は、消灯データSoを駆動回路295に出力する消灯データ生成部250を備え、駆動回路295は消灯データSoを受け取ると発光素子Eを消灯させる。したがって、消灯データSoを駆動回路295に適宜出力することで、発光素子Eの不要な発光を抑制することが可能となっている。
また、本実施形態では、消灯データ生成部250は、1ページ分の潜像形成完了後に、消灯データSoを駆動回路295に出力している。したがって、1ページ分の潜像形成完了後、発光素子Eを確実に消灯させることができ、発光素子Eの不要な発光を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、消灯データ生成部250は、エンジンコントローラーECが異常を検出すると、消灯データSoを駆動回路295に出力している。したがって、画像形成装置の異常検出後、発光素子Eを確実に消灯させることができ、発光素子Eの不要な発光を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のラインヘッド29のように、発光素子Eが駆動電流Ieの大きさに応じた光量で発光するラインヘッド29に対しては、本発明を適用して、発光素子Eの不必要な発光を抑制することが特に好適である。つまり、このようなラインヘッド29では、大きな駆動電流Ieが与えられたまま、大きな光量で発光素子Eが不必要に発光する場合があり、発光素子Eの寿命が著しく縮んでしまうおそれがあった。これに対して、本実施形態は、発光素子Eの不必要な発光を抑制して、発光素子Eの寿命短縮を抑制することが可能となっており好適である。
また、本実施形態のラインヘッド29のように、発光素子Eが有機EL素子であるラインヘッド29に対しては、特に本発明を適用して、発光素子Eの不必要な発光を抑制することが特に好適である。なぜなら、有機EL素子は、発光を繰り返すことで劣化するため、上述のような発光素子Eの不必要な発光を抑制して長寿命化を図ることが好適であるからである。
また、上記実施形態は、ビデオデータVDの補正や消灯データSoの生成等、発光素子の点灯/消灯のために容量CPに書き込む電圧値の設定処理を、ラインヘッド29の制御回路200で一括して行なうように構成されている。つまり、この容量CPの書き込み電圧設定処理を、メインコントローラーMCおよびヘッドコントローラーHCから切り離している。したがって、メインコントローラーMCおよびヘッドコントローラーHCは、単に画像データから生成したビデオデータVDを制御回路200に転送するだけの処理を行なえば良いので、メインコントローラーMCおよびヘッドコントローラーHCの構成を簡素化できるとともに、メインコントローラーMCおよびヘッドコントローラーHCはラインヘッド29の種類によらず共通の処理動作を行なえばよく、汎用性の向上が図られている。
また、本実施形態は、駆動回路295を低温ポリシリコン薄膜トランジスタにより形成した構成しており、好適である。なぜなら、この低温ポリシリコン薄膜トランジスタは、電子移動度が高く有機EL素子(発光素子E)を駆動するのに適しているという利点を有するからである。
その他
このように、上記実施形態では、感光体ドラム21が本発明の「像担持体」に相当し、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当している。また、メインコントローラーMCが本発明の「制御部」に相当し、ビデオデータVDが本発明の「発光制御信号」に相当し、駆動回路295が本発明の「駆動部」に相当し、消灯データ生成部250とドライバーIC240とが協働して本発明の「消灯信号出力部」として機能している。また、エンジンコントローラーECおよびセンサーSC1〜SC3が協働して本発明の「検出部」として機能している。また、シートが本発明の「転写材」として機能している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。つまり、上記実施形態のラインヘッド29が備える消灯データ生成部250は、発光素子Eを適宜消灯させることができるという有用な機能を有するものであり、かかる機能を上述した以外の場合に適用することもできる。具体的には、ページの左右両端(つまり、主走査方向MDの両端)に余白があると画像データから判断できる場合には、この余白に対応する発光素子Eを指定して消灯データSoを出力すれば良い。あるいは、上記実施形態のステップS205で画像データから余白有りと判断される場合に、当該余白に対応する光量データSdの変わりに消灯データSoを出力しても良い。このように、画像データから余白を判断して、当該余白に対応する発光素子Eを指定して消灯データSoを自動的に出力することで、いかなる画像データが制御回路200に転送されても、発光素子Eの不必要な発光を確実に防止することができ、当該余白部分に不要な画像が誤って形成されることが無い。
また、上記実施形態では、発光素子Eを発光させる光量データSdは、発光素子Eの発光を示すビデオデータVDの値を補正して求められるとともに、発光素子Eを消灯させる光量データSdは、発光素子Eの消灯を示すビデオデータVDの値をそのまま用いていた。つまり、潜像形成のために発光素子Eを消灯させる際は、発光素子Eを消灯させる光量データSdを駆動回路295に出力していた。しかしながら、この際、発光素子Eを消灯させる光量データSdの代わりに消灯データSoを駆動回路295に出力するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、消灯データ生成部250とドライバーIC240とを別々に構成していたが、消灯データ生成部250をドライバーIC240の内部に含めることもできる。例えば、8bitのデータが特定の値を示すときは、消灯データSoに対応する消灯電圧を生成して、駆動回路295に書き込むように構成することもできる。
また、上記実施形態では、ビデオデータVDは、点灯か消灯かを示す2値であるとして説明したが、ビデオデータVDは階調値を有する多値データであっても良い。この場合、各発光素子Eの光量補正値と階調値とに応じた電圧値を光量データSdとして求めれば良い。
また、画像形成装置で検出される異常も上述のものに限られず、例えば、エンジンコントローラーECが制御するモーターの回転異常や、上記種々のバイアス電圧を印加する電源の異常等を検出するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、制御回路200をラインヘッド29内部に設けているが、制御回路200をラインヘッド29外部に設けても良い。この際、ヘッドコントローラーHCと制御回路200とを一体的に構成することもできる。
あるいは、ヘッドコントローラーHCおよび制御回路200の両方を、ラインヘッド29内部に設けても良い。この際も、ヘッドコントローラーHCと制御回路200とを一体的に構成しても良い。
また、上記実施形態では、発光素子Eとしてボトムエミッション型の有機EL素子が用いられているが、発光素子Eの種類はこれに限られない。
また、上記実施形態では、複数の発光素子Eを2行千鳥状に配列していた。しかしながら、複数の発光素子Eの配列態様はこれに限られず、3行以上の千鳥配列でも良く、あるいは1列に配列しても良い。
また、ラインヘッド29の構成も上述のものに限られず、例えば、複数の発光素子を千鳥状に配置して1個の発光素子グループを構成してさらに複数の発光素子グループを2次元的に配置した、特開2008−036937号公報、特開2008−36939号公報等に記載されているラインヘッド29を用いることもできる。
21…感光体ドラム、 200…制御回路、 210…演算処理部、 220…メモリー、 230…光量データ生成部、 240…ドライバーIC、 250…消灯データ生成部、 29…ラインヘッド、 295…駆動回路、 CP…容量、 E…発光素子、
EC…エンジンコントローラー、 HC…ヘッドコントローラーHC、 MC…メインコントローラー、 EG…エンジン部、 SC1…ジャム検出センサー、 SC2…用紙サイズ検出センサー、 SC3…定着温度センサー、 VD…ビデオデータ

Claims (7)

  1. 像を担持する像担持体と、
    駆動電流に応じて発光する発光素子を有し、前記発光素子からの光により前記像担持体に潜像を形成する露光ヘッドと、
    画像データに基づいて発光制御信号を生成する制御部と、
    前記発光制御信号に基づいて生成した前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動部と、
    消灯信号を前記駆動部に出力する消灯信号出力部と、
    を備え、
    前記駆動部は、前記消灯信号を受け取ると、前記駆動電流を遮断して前記発光素子を消灯させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記消灯信号出力部は、転写材1ページ分の潜像形成完了後に、前記消灯信号を前記駆動部に出力する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 画像形成装置の異常を検出する検出部を備え、
    前記消灯信号出力部は、前記検出部が異常を検出すると、前記消灯信号を前記駆動部に出力する請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 駆動電流に応じて発光する発光素子と、
    画像データに基づいて発光制御信号を生成する制御部と、
    前記発光制御信号に基づいて生成した前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動部と、
    消灯信号を前記駆動部に出力する消灯信号出力部と、
    を備え、
    前記駆動部は、前記消灯信号を受け取ると、前記駆動電流を遮断して前記発光素子を消灯させることを特徴とする露光ヘッド。
  5. 前記発光素子は、前記駆動電流に応じた光量で発光する請求項4に記載の露光ヘッド。
  6. 前記発光素子は、有機EL素子である請求項5に記載の露光ヘッド。
  7. 画像データに基づいて生成した発光制御信号に応じて駆動部が発光素子を発光させる一方、前記駆動部は消灯信号を受け取ると前記発光素子を消灯させることを特徴とする露光ヘッドの制御方法。
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