JP4052028B2 - フラッシュ定着装置及びこれを使用する印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒体上のトナーをフラッシュ光により定着するフラッシュ定着装置及びこれを使用する印刷装置に関し、特に、ハーフトーン画像の濃淡むらを低減し、高解像度のトナー像の定着を行うためのフラッシュ定着装置及びこれを使用する印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式等のトナー像を形成するプリンタでは、印刷媒体上に粉体のトナーで画像が形成されるため、印刷媒体の粉体トナーを溶融して、トナー像を定着している。このトナー像を定着するには、印刷媒体に定着エネルギーを与える必要がある。
【0003】
高速プリンタでは、この定着エネルギーを与える定着方法として、非接触型定着方法を利用している。非接触型定着方法は、印刷媒体の搬送に影響を与えずに、高い定着エネルギーを付与できるため、高速プリンタのトナー像の定着に適している。
【0004】
この非接触型定着方法として、フラッシュランプによるフラッシュ光を使用したフラッシュ定着方法が利用されている。フラッシュ定着方法は、印刷媒体の搬送に合わせて、フラッシュランプを所定時間間隔で発光し、印刷媒体の所定領域毎に、トナー像の定着を行う。
【0005】
このようなフラッシュ定着方法では、1回のフラッシュ発光で、印刷媒体の所定領域のトナー像を定着できることが効率的である。しかし、一般的に、フラッシュ光の発光エネルギー分布は、印刷媒体の所定領域全体にわたり均一でないため、印刷媒体の所定領域の一部に対して複数回フラッシュ光が重ね打ちされている。この重ね打ちに関して、従来から、例えば特許第2870705号や特開平6−308852号に開示される如く、発光エネルギー分布や重ね打ち領域の範囲の適正化を図り、トナー像の定着むらを防止すべく種々の提案がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来技術は、トナーの定着率のばらつきを防止するために、発光エネルギー分布の変動を抑制する方法であった。即ち、これらの従来技術は、発光エネルギーを、連続媒体の全ての領域にわたり、トナー定着するに十分なエネルギー以上、且つトナーの爆裂を引き起こす過剰エネルギー以下に調整することを課題としていた。
【0007】
一方、近年、文字のみならず、ハーフトーン画像を印刷する要求が強まり、しかも高解像度での印刷が要求されている。高解像度(例えば、600dpi)の印刷では、例えば図25に示すように、低解像度(例えば、240dpi)での1ドットの大きさに比して、より小さな1ドット内のトナーを定着させる必要がある。
【0008】
このような高解像度化が進むと、トナー定着後の各ドット径の大きさの差が問題となる。具体的には、発光エネルギーを付与すると、ドット内のトナーが溶融して本来のドットの周囲からはみ出すことになるが、このはみ出し面積は、付与する発光エネルギーの大きさの差により異なる。即ち、図25に示すように、発光エネルギーが小さいとはみ出し面積も小さいが、発光エネルギーが大きいと、はみ出し面積も大きくなる。このようなはみ出し面積の差は、240dpi程度のドットの大きい解像度では、目立たないが、600dpi程度の高解像度では、ドットの大きさが半分以下となるため、はみ出し面積の相違により、定着後のドット径の大きさの差が目立つようになる。特に、ハーフトーン画像では、元々同一諧調でも、異なる諧調に見える。
【0009】
上述の従来技術では、連続媒体に、トナーが定着するに十分な発光エネルギー分布を与える趣旨であるため、このような定着エネルギー以上の発光エネルギーに関しては、トナーの爆裂のみを考慮し、発光エネルギーによる定着後の濃淡むらを考慮していなかった。即ち、従来技術は、定着むらを防止する観点で、フラッシュの発光エネルギー分布と定着幅、重複幅を決定するものであり、定着エネルギー以上での発光エネルギーの変動を考慮しておらず、高解像度印刷での濃淡むらを防止することが困難である。
【0010】
また、フラッシュ光を複数回重ね合わせることにより濃淡むらを防止するためには、一回のフラッシュ発光による発光エネルギー分布の特性が重要となる。即ち、この一回のフラッシュ発光エネルギー分布の特性を適正化することによって、濃淡ムラを確実に防止することが可能となり、また、重ね打ち領域が低減される場合には、発光周波数の低減、それに伴う消費エネルギーの低減を図ることもできる。これに関して、特に複数本のフラッシュランプを使用するアプリケーションでは、複数本のフラッシュランプからの光線を配向制御する必要があり、定着ムラのみならず濃淡ムラを防止できる発光エネルギー分布の特性を実現することが困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、有用な一回のフラッシュ発光エネルギー分布の特性を実現し、定着ムラのみならず濃淡ムラを防止することができる、複数本のフラッシュランプを備えたフラッシュ定着装置及びこれを使用する印刷装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、トナー像をフラッシュ光で定着させるためのフラッシュ定着装置であって、
互いに平行に配列された複数本のフラッシュランプと、
フラッシュランプに対して側方から対向する側部反射面を、それぞれのフラッシュランプに対応して含む反射板とを具備し、
両端に配列された2本のフラッシュランプの2つの中心軸を含む面を基準面とした時、
上記基準面に対して成す鋭角が、上記複数本のフラッシュランプの配列中心に近い側部反射面ほど小さく設定されたことを特徴とする、フラッシュ定着装置によって達成される。
【0013】
本発明において、2本以上のフラッシュランプは、例えば印刷媒体の搬送方向に沿って、互いに平行に配列される。2本以上のフラッシュランプが所定の発光周波数で発する光は、反射板により照射領域へと反射させられる。複数本のフラッシュランプの配列中心に近い位置の側部反射面ほど、基準面に対する傾斜角(鋭角)が小さくなるように設定することにより、中央部で略一定となり、且つ、両端部で中央部から離れるに従い減少する特性を有した発光エネルギー分布を実現することができる。この発光エネルギー分布の特性は、複数のフラッシュ光を重ね合わせて照射領域にわたり略一定の溶解エネルギー分布を得る際に有用となる。
【0014】
なお、上記反射板は、各側部反射面及び各上部反射面が連続する一体成形された部材であってよく、或いは、複数本のフラッシュランプに対応して独立に形成された複数の部材から構成されてもよい。また、反射板の各側部反射面は、反射板の加工性等を考慮すると平らであるが、局所的に屈曲面及び/又は湾曲面を有してよい。
【0015】
また、請求項2に記載する如く、請求項1記載のフラッシュ定着装置において、上記反射板の各側部反射面が、略平らな面を有しており、
両端の側部反射面が、該両端の側部反射面より上記配列中心側に位置する側部反射面に比して、上記基準面に対してより大きい鋭角を成す場合には、請求項1の発明と同様、中央部で略一定となり、且つ、両端部で中央部から離れるに従い減少する特性を有した発光エネルギー分布を実現することができる。
【0016】
また、請求項3に記載する如く、請求項1又は2記載のフラッシュ定着装置において、上記反射板は、フラッシュランプに対して上方から対向する上部反射面を更に含み、
両端に配列された2本のフラッシュランプに対応する2つの上部反射面のうち少なくとも一方の上部反射面が、上記フラッシュランプの中心軸方向から見て凹形状を有する場合には、発光エネルギーが略一定となる発光エネルギー分布範囲を増加させることができる。これにより、略一定の溶解エネルギー分布を実現するための発光周波数を小さくすることができ、消費エネルギーを節約することができる。
【0019】
また、上記目的は、請求項4に記載する如く、所定の搬送速度で搬送される媒体のトナー像を形成する印刷装置であって、
上記媒体にトナー像を形成する像形成手段と、
上記媒体のトナー像をフラッシュ光で定着するための請求項1乃至3のうちのいずれか1項のフラッシュ定着装置とを有する、印刷装置によって達成される。
【0020】
本発明によれば、台形型の発光エネルギー分布の特性を実現できる定着装置を利用して、溶融エネルギー分布の均一化を容易に実現でき、高解像度のハーフトーン画像を印字した場合でも、濃淡ムラのない高品質な画像を得ることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[印刷装置]
図1は、本発明の印刷装置の一実施形態の構成図、図2は、図1のフラッシュ定着装置の構成を示す斜視図、図3は、図2のフラッシュ定着装置のガラス板の特性図である。
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係わる印刷装置として、連続帳票を扱う電子写真プリンタの構成を示す。用紙ホッパ11に積載された連続用紙2は、搬送系により、連続送りされて、転写器7及びフラッシュ定着ユニット13を経てスタッカ12に収容される。
【0024】
時計方向に回転される感光体ドラム4は、帯電器3により一様帯電された後、光学系5により画像が露光される。これにより、感光体ドラム4に画像に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム4の静電潜像は、現像器6により現像された後、感光体ドラム4のトナー像が、転写器7により連続用紙2に転写される。
【0025】
転写後、感光体ドラム4は除電器9により除電され、残留トナーはクリーナブレード8、クリーナブラシ10によりクリーニングされる。トナー像が転写された連続用紙2は、フラッシュ定着ユニット13により、フラッシュ定着された後、スタッカ12に収容される。フラッシュ制御ユニット19は、フラッシュ定着ユニット13のフラッシュランプ1の発光(発光周波数)を制御する。
【0026】
図2は、本発明によるフラッシュ定着ユニット13の第1実施例の斜視図である。本実施例のフラッシュ定着ユニット13は、図2に示すように、2本以上のフラッシュランプ1(本実施例では、4本のフラッシュランプ1a〜1d)と、反射板15と、光透過板16とを有する。また、本実施例のフラッシュランプ1は、アーク長502 [mm]である円筒のオゾンレス石英ガラス管からなり、Xeガス220 [Torr] が 封入されている。
【0027】
光透過板16は、フラッシュランプ1と連続用紙2の間に設けられ、ガラス板で構成される。このガラス板としては、VAD法有水合成石英ガラスを用いたものが好ましい。図3にガラスの各発光波長による透過率を示す。図中、点線が従来の火炎溶融石英ガラス、実線が前記VAD法有水合成石英ガラスの透過率の結果である。VAD法有水合成石英ガラスは、赤外光域(2000nm付近)の透過率が向上しており、この領域に吸収波長をもつトナーに対して定着性向上に寄与する。
【0028】
反射板15は、フラッシュランプ1(1a,1b,1c,1d)を覆おうように設けられ、光透過板16に向かって開口幅Wで開口している。反射板15は、フラッシュランプ1が発する光を、開口幅Wに対応する連続用紙2上の所定領域(以下、「照射領域」と称する)に向けて反射させる。この目的のため、反射板15の内側の面には、好ましくは、アルミ蒸着後、増反射処理が施される。本発明による反射板15は、後に詳説するが、フラッシュランプ1の1回のフラッシュ発光により、照射領域における連続用紙搬送方向の発光エネルギー分布を略台形に形成するように構成されている。なお、以下、「1回のフラッシュ発光による発光エネルギー分布」を、特に特定しない限り単に「発光エネルギー分布」と称する。
【0029】
[発光周波数の決定方法]
図4は、本発明のフラッシュ定着器の1回のフラッシュによる発光エネルギー分布のモデル図、図5は、本発明のフラッシュ定着器の発光周波数の決定方法の説明図である。
【0030】
図4に示すように、本発明の発光エネルギー分布のモデルは、中央部(1フラッシュの照射領域の中央部)で略一定の h(x)、中央部の終了部Pから両側に離れるに従い減少するg(x),g’(v/f+x)をもつ特性である。ここで、vは、連続用紙の搬送速度、fは、フラッシュ発光周波数である。なお、V/fは、1回のフラッシュ発光の間に、連続用紙2が移動する距離(1回のフラッシュ光が担当する領域)である。
【0031】
次に、トナーの物性が非可逆変化を開始するエネルギーをβとし、トナーが用紙に定着する最小エネルギー(以下、「定着開始エネルギー」と称する)とする。この定着開始エネルギーβは、発光エネルギーとフラッシュ定着後の濃度との相関から求める。図6は、発光エネルギー分布(点線)と、印字濃度(実線)との関係図である。例えば600dpiの解像度で1on1offのような一様なハーフトーンのトナー像を、フラッシュ光が重複しない発光周波数設定でフラッシュ定着後、トナー像上に一定の圧力でテープを貼り付け、その後テープから引き剥がして、テープの付着トナーから定着幅を求める。この定着幅内での最小の発光エネルギーを定着開始エネルギーβとする。
【0032】
次に、フラッシュ光の重ね合わせは、上記定着開始エネルギーβの値を加味し、重ね合わせによる重複部のエネルギーを計算する。本発明では、1回目のフラッシュで、定着開始エネルギーβ以上の発光エネルギーを与えた後は、2回目のフラッシュの定着開始エネルギーβ以上の発光エネルギー量が、濃淡を左右することに着目し、重複部のエネルギーを、下記(3)式により計算する。
【0033】
重複部エネルギー=重ねる前のエネルギー+(重ねるエネルギー −β) (3)
ただし、上式の括弧内の値が「0」以下の場合は、「0」に置き換えて計算する。
【0034】
また、重複部の長さLは、上記反射板15の開口幅Wを用いて、下記式(4)から求めることができる。
【0035】
L=W−v/f (4)
そして、重複部エネルギーが、中央部(一フラッシュ部)のエネルギーh(x)に等しくなれば、完全にフラットな溶融エネルギー分布が得られる。即ち、下記式(5)が成立することにより、理想的な完全フラットな連続時の溶融エネルギー分布となる。
【0036】
g(x)+g’(v/f+x)−β=h(x) (5)
ここで、従来技術では、発光エネルギー分布をフラットにするには、図5(A)に示すように、発光エネルギーの最大値eの半分(e/2)で1回目のフラッシュ光F1と、2回目のフラッシュ光F2が交差するような重ね合わせを目標としていた。しかし、このような重ね合わせでは、発光エネルギー分布をフラットにできても、濃淡ムラは防止できない。即ち、重複部で中央部より濃度が薄くなる。
【0037】
本発明は、図4で説明したように、トナーは、定着開始エネルギー以下では、定着しないが、いったん定着開始エネルギーを与えると、定着開始エネルギー以上の発光エネルギー量が、図25に示したはみ出し面積を決定するとの理論に基づく。
【0038】
そして、本発明は、フラッシュ部と重複部との発光エネルギー分布をフラットにするのではなく、濃淡(はみ出し面積)を左右する定着開始エネルギー以上のエネルギー(以下、「溶融エネルギー」という)分布をフラットにするものである。
【0039】
このため、重ね合わせ条件として、定着開始エネルギーβを加えている。即ち、図5(B)に示すように、1回目のフラッシュ光F1と、2回目のフラッシュ光F2が交差する交点エネルギーを定着開始エネルギーβより大きくして、図5(C)に示すように、定着開始エネルギー以上の溶融エネルギー分布をフラットにしている。第(3)式は、これを意味する。従って、図5(B)の鎖線に示すように、重複部の発光エネルギーは、中央部の発光エネルギーと異なり、発光エネルギー分布は、フラットとならないが、図5(C)に示すように、溶融エネルギーはフラットとなり、濃淡を防止できる。
【0040】
但し、理想的な溶融エネルギー分布を実現することは、例えば反射板の精度、形状、フラッシュランプの配置精度、発光エネルギー等の差に起因して、困難な場合が多い。そこで、本発明では、観察者により濃淡むらと認識される範囲を調べることにより、(5)式の条件を緩和して実現化を容易にする。
【0041】
図7は、どの程度の濃淡のムラまで、観察者が濃淡むらと実際に認識するかを調べた結果を示す。図7は、前述のように、発光周波数を変化して得た9個のサンプルと、主観評価の関係図である。各サンプルは、濃淡ムラが異なり、この濃淡ムラは、定着結果のスキャナ出力値から、以下の式で計算した。
【0042】
濃淡ムラ=[1フラッシュ部(発光中央部)の出力値−重複部の出力値]
/1フラッシュ部(発光中央部)の出力値
又、主観評価は、無作為に選出した20名の評価者に、サンプルを見せ、5段階評価(全くムラ無し;5、ムラが目立つ;1)させ、平均3.5以上を、○(ムラ無し)、3.5未満を、×(ムラ有り)と判定した。なお、溶融エネルギーのむらは、濃淡むらの数値と同一である。
【0043】
印字結果を数値化した濃淡ムラで±7%、溶融エネルギーのムラで±7%を超えると,濃淡ムラが目立ち始め、主観評価で不合格となる。従って、溶融エネルギーのムラとしては、±7%までは許容できることがわかる。
【0044】
この観察者の主観評価の結果に基づいて、(5)式は、(6)式のように緩和することができる。
【0045】
g(x)+g’(v/f+x)−β=H±7% (6)
但し、Hは、h(x)の中心値である。
【0046】
即ち、本発明は、中央部の発光エネルギー分布がほぼ一定となる反射板15を用いたフラッシュ定着器を使用し、重複部の重ね合わされた溶融エネルギーが、中央部の溶融エネルギーとほぼ同一となるように、重複幅(即ち、フラッシュランプの発光周波数と搬送速度)を決定する。図1の構成では、搬送速度vが、予め決まっているため、フラッシュ制御ユニット19が制御するフラッシュランプ1の発光周波数fを、第(6)式を満足するように設定する。
【0047】
なお、中央部(一回フラッシュ部)における発光エネルギーの最小値とβ値を等しくなるように設定することで、エネルギーの効率化が可能になる。逆に、前記最小値がβ値よりも大きい場合は過剰エネルギーであり、非効率で好ましくないが、逆に、フラッシュランプ1のフラッシュ電圧を下げ、最小値をβ値と略等しくすることで、最適化が可能である。
【0048】
ところで、発光エネルギー分布において、中央部(一回フラッシュ部)は、上述の如く、中心値Hを中心に例えば±7%の範囲に属する部分に規定され、重複部は、それ以外の両端部に規定される。従って、この±7%の範囲に属する部分(即ち、中央部の長さ)を可能な限り大きくすることができれば、第(6)式を満たす発光周波数が小さくなり、それ故に消費エネルギーを低減することが可能である。
【0049】
[反射板]
次に、図2及び図8、図9等を参照して、図4に示すような台形型の1回の発光エネルギー分布を実現する、本発明による反射板15の構造について詳細に説明する。
【0050】
図8は、第1実施例として図2に示す本発明の反射板15の概略断面図である。図9は、図2に示す反射板15の拡大図であり、反射板15の配光制御の説明図である。ただし、図9は、反射板15が左右対称であるとして、反射板15の片側半分を図示している。
【0051】
本実施例の反射板15は、図2で説明したように、4本のフラッシュランプ1a,1b,1c,1dを取り囲むように設けられ、光透過板16に対して開口幅Wで開口している。具体的には、反射板15は、図8及び図9に示すように、フラッシュランプ1aに対する側面板22a、天面板24及び側面板22bと、フラッシュランプ1bに対する側面板22c、天面板25及び側面板22dと、フラッシュランプ1cに対する側面板22e、天面板26及び側面板22fと、フラッシュランプ1dに対する側面板22g、天面板27及び側面板22hとから構成されている。なお、これらの側面板22a〜22h及び天面板24〜27は、フラッシュランプ1の中心軸に沿って延在している(図2参照)。また、隣接する側面板と天面板、及び隣接する2つの側面板は、放熱性を考慮して相互に離間されてもよい。
【0052】
反射板15の両端となる側面板22a,22hは、上述の重複部における減少特性を実現するように構成され、各フラッシュランプ1a〜1d間を仕切る側面板22b〜22gは、上述の中央部におけるフラットな特性を実現するように構成されている。具体的には、両端の側面板22a,22hの傾斜角は、図10に示すように、発光エネルギーの重複を考慮した所望の減少特性を実現するように大きく設定され、光線23が両端のフラッシュランプ1a,1dの直下に集光するようにし、且つ、中央側の側面板ほど同傾斜が緩やかに設定され、光線23が広く平均的に行き渡るようにする。即ち、両端のフラッシュランプ1a,1dの中心を結ぶ線分BL(以下、「基準線BL」という)と側面板22a〜22hとが成す鋭角∠αa〜∠αhの関係は、αa>αb>αc>αd、αh>αg>αf>αeを満たすように設定される(図9参照)。
【0053】
これら鋭角∠αa〜∠αhの具体的な値に関して、最端の側面板22a,22hに係る鋭角αa,αhは、好ましくは63°±4°の範囲であり、側面板22b,22fに係る鋭角αb,αgは、好ましくは53°±3°の範囲であり、側面板22c,22gに係る鋭角αc,αfは、好ましくは42°±4°の範囲であり、側面板22d,22eに係る鋭角αd,αeは、好ましくは21°±11°の範囲である。
【0054】
また、両端のフラッシュランプ1a,1dに対応する天面板24,27は、図9に示すように、フラッシュランプ1a,1dの中心軸から見た断面で凹形状を有している。両端の天面板24,27の形状は、図4中の発光エネルギー分布が減少特性を示す位置(即ち、発光エネルギー分布の中央部の終了位置)をシフトさせるのに有効であり、凹形状にすることによって、発光エネルギー分布の中央部(1フラッシュ部)の範囲を増大させることが可能となる。
【0055】
また、反射板15の側面板22は、好ましくは、図9に示すように、フラッシュランプ1の断面形状に同心のフラッシュランプ同心円40に外接するように設置される。フラッシュランプ同心円40の外径kの範囲は、好ましくはL<k<1.3Lである。ここで、Lは、リーク放電を発生しない安全限界円41の直径とする。この安全限界円41は、フラッシュランプ管に沿うように設けられているトリガワイヤ(図示せず)の外径に依存する。なお、各側面板22a〜22hの接する同心円40の外径kは、同一である必要はなく、L<k<1.3Lであれば相互に異なっても良い。
【0056】
なお、フラッシュランプ1と連続用紙2の距離は、離れるに従って、効率が低下し、近づきすぎると未定着トナー像がガラス面に接し、印字を乱してしまう。フラッシュランプ1の中心と、連続用紙2との距離62は、26〜32mmに設定することが好ましい。なお、各フラッシュランプ1a〜1dの中心位置は、同一である必要はなく、26〜32mmであれば相互に異なっても良い。但し、フラッシュランプ1の配列は、好ましくは左右対称である。
【0057】
また、隣接するフラッシュランプ間のピッチ63は近過ぎると、非効率で、遠ざけすぎると、フラッシュランプ間の照度が低下し、発光エネルギーのムラの原因となるため、最適なピッチ63を設定する必要がある。フラッシュランプ間のピッチ63は、44〜50mmに設定することが好ましい。
【0058】
図11は、本実施例の反射板15を用いた時の発光エネルギー分布を、モンテカルロ法による光線追跡で計算した結果である。図11から明らかなように、本実施例の反射板15によれば、1回のフラッシュにより、照射領域の中央部でほぼ一定となり、端部で前記中央部から離れるに従い減少する特性をもつ発光エネルギー分布を実現することができる。
【0059】
なお、この結果をもとに、前述した方法でβを求め、式(6)を満足するように各値を設定すると、図12(B)に示すように、測定濃度が出力値「210」を中心にほとんど変化がなく、濃淡ムラのない印字結果を得ることができる。なお、図12(A)には、フラッシュランプ1a〜1d及び反射板15が、図12(B)に対応した位置関係で示されており、破線により、重ね打ちのフラッシュを行った際のフラッシュ定着ユニット13と連続用紙2の相対位置が併せて示されている。
【0060】
図13(B)、図14(B)は、図12(B)の結果と対照的な印字結果を示す。図13(A)のような反射板15、フラッシュランプ1a〜1d、連続用紙2の位置関係で、得られた印字結果は、図13(B)に示すように濃淡変化が顕在化している。これは、中央の側面板15a,15b直下で光量が片寄っているのと、フラッシュ光が重複している部分でトナーの溶融エネルギーが大きくなっていることを示している。さらに、図14(A)に示すように、同一の傾斜角の側面板を有する反射板21をフラッシュランプ1a〜1dに対応して設ける場合にも、図14(B)に示すようにフラッシュランプ直下とランプ間の濃度に差が生じて、ムラになっている。これらの結果から、側面板の傾斜角が、発光エネルギー分布及びそれに伴う印字結果の濃淡に大きく影響を及ぼすことがわかる。
【0061】
ところで、上述では、好ましい傾斜角範囲として、最端の側面板22aに係る鋭角αaを63°±4°とし、それ以外の側面板22b、22c、22dに係る鋭角αb, αc, αdを53°±3°, 42°±4°, 21°±11°としている。次に、かかる好ましい傾斜角範囲の導出の基礎となる本発明者による計算結果について言及する。
【0062】
図15乃至図18は、各側面板22a〜dの鋭角を範囲外±1°にした時の発光エネルギー分布をモンテカルロ法によりシミュレーションした結果を示す。なお、図15乃至図18には、中心値H(約0.182)を中心とした前述の(6)式の±7%の許容範囲(約0.168〜0.194)が、1回のフラッシュ内濃淡ムラ許容範囲61として併せて示されている。なお、中心値Hは、第1実施例に係る発光エネルギー分布(図11)に基づいて算出されている。上述の如く、中央部(1フラッシュ部)h(x)は、濃淡ムラ許容範囲61内に定義され、重複部は、それ以外の両端部に定義される。
【0063】
図15を参照するに、上述の第1実施例に係る発光エネルギー分布(図中、実線)は、搬送方向中心位置(100mm)を中心として約140mmの範囲で上記の許容範囲に収まっている。
【0064】
一方、側面板22aの鋭角を68°(範囲外+1°)とした時の発光エネルギー分布(図中、破線)は、中央部の両端付近(40mm,160mm)で濃淡ムラ許容範囲61から減少方向に逸脱し、また、中央部の縁部(30mm,170mm)で濃淡ムラ許容範囲61から増加方向に逸脱している。従って、濃淡むらが発生することになる。
【0065】
また、側面板22aの鋭角を58°(範囲外-1°)とした時の発光エネルギー分布(図中、一点鎖線)は、中央部の両端付近(40mm,160mm)で濃淡ムラ許容範囲61から減少方向に逸脱している。この場合、発光周波数を大きく設定することで濃淡ムラを防止することが可能であるが、消費エネルギーの観点からは不利となる。
【0066】
図16乃至図18に示すシミュレーション結果についても同様な考察をすることができる。即ち、上述の側面板22a〜dの好ましい鋭角の範囲を逸脱すると、図16乃至図18に示すように、発光エネルギー分布が濃淡ムラ許容範囲61からはみ出ることになり、好ましくない印字結果を生むことが理解できる。
【0067】
図19は、図9で説明した反射板15の接する同心円40の外径kを、1.35Lとしたときの発光エネルギー分布を示す。図19には、同心円40の外径kがL<k<1.3Lを満たすときの発光エネルギー分布が実線により併せて示されている。図19に示すように、フラッシュランプ同心円40の外径kを1.3Lより大きく設定すると、発光エネルギー分布が台形ではなく、山形になる。かかる場合、濃淡ムラを防止するには、発光周波数を大きく設定する必要があり、消費エネルギーの観点から不利となる。
【0068】
次に、本発明の第2実施例として、2本のフラッシュランプと、それに対応する反射板とを備えたフラッシュ定着ユニット13について言及する。図20は、第2実施例のフラッシュ定着ユニット13の概略断面図を示す。
【0069】
本実施例において、最端の側面板70aに係る鋭角αaは、好ましくは、上述の第1実施例の最端の側面板22aに係る鋭角αaの範囲(63°±4°)と同一である。中央の側面板70bに係る鋭角αbは、好ましくは11°±2°である。これにより、図21に示すような台形型の発光エネルギー分布をもつことが可能になる。従って、上述の第1実施例と同じ発光周波数の決定方法を用いて、フラッシュランプ2本の場合でも、濃淡ムラのない画像を得ることができる。
【0070】
図22及び図23は、側面板70a,70bの鋭角αa, αbを範囲外±1°にした時の、発光エネルギー分布をモンテカルロ法によりシミュレーションした結果を示す。このときの発光エネルギー分布は、図22及び図23に示すように、1回のフラッシュ内濃淡ムラ許容範囲61からはみ出ることになり、好ましくない印字結果を生むことが予測される。なお、本実施例の1回のフラッシュ内濃淡ムラ許容範囲61は、中心値H(約0.175)を中心とした前述の(6)式の±7%の範囲(約0.163〜0.187)として定められている。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0072】
例えば、上述した実施例では、理解の容易のため、反射板15の各側面板22a〜22h、70a,70bの好ましい傾斜角範囲を、これら各側面板が平らな面であるとして特定している。しかしながら、図24(A)のように、反射板15の各側面板22a〜22h、70a,70bに、屈曲部42を形成することや、側面板の折り曲げ半径43を変更することが可能である。かかる場合、屈曲部42を除く側面板の反射面の傾斜角は、好ましくは、上述の好ましい傾斜角範囲に基づいて設定される。更に、屈曲部42に対して中央部側の側面板の反射面44bは、好ましくは、反射面44aに比してより小さい傾斜角を有する。
【0073】
また、図24(B)のように、反射板15の各側面板22a〜22h、70a,70bを曲面で形成することも可能である。かかる場合、その曲面のすべての接線と基準線BLとが成す鋭角αa1,αa2,…は、好ましくは、上述の好ましい傾斜角範囲に基づいて設定される。更に、この鋭角αa1,αa2,…に関して、好ましくは、(連続用紙2の搬送方向での)照射領域の中心(図11参照)に近い点での接線ほど小さく設定されてよい。即ち、αa1>αa2>…である。
【0074】
また、上述では、印刷媒体として連続用紙を例に説明されているが、本発明は、特に連続用紙に限ることなく枚葉紙等に対しても適用できる。また、枚葉紙に関しては、本発明による台形型の一回のフラッシュ発光エネルギー分布により、フラッシュ光を重ね合わせることなく濃淡ムラを防止しうる。即ち、枚葉紙の搬送方向の長さが上述の中央部(1フラッシュ部)より小さい場合には、フラッシュ光を重ね合わせることなく、濃淡むらのない印字結果を得ることができる。
【0075】
なお、特許請求の範囲の「側部反射面」は、発明の詳細な説明に記載した「側面板」に対応し、「上部反射面」は、発明の詳細な説明に記載した「天面板」に対応する。
【0076】
また、特許請求の範囲の用語に関して注記するに、「側方、側部」とは、請求項の記載の簡潔性を考慮して用いたものであり、例えば両端に配列された2本のフラッシュランプの中心軸の双方に直交する方向で解釈されるべきであり、「両端、配列中心」についても、同方向で解釈されるべきである。また、「上方、上部」とは、請求項の記載の簡潔性を考慮して用いたものであり、例えば、基準面の垂線方向で上記基準面に対する印刷媒体の方向とは逆方向である。
【0077】
ここで、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
【0078】
(付記1) トナー像をフラッシュ光で定着させるためのフラッシュ定着装置であって、
互いに平行に配列された複数本のフラッシュランプと、
フラッシュランプに対して側方から対向する側部反射面を、それぞれのフラッシュランプに対応して含む反射板とを具備し、
両端に配列された2本のフラッシュランプの2つの中心軸を含む面を基準面とした時、
上記基準面に対して成す鋭角が、上記複数本のフラッシュランプの配列中心に近い側部反射面ほど小さく設定されたことを特徴とする、フラッシュ定着装置。
【0079】
(付記2) 上記反射板の各側部反射面が、略平らな面を有しており、
両端の側部反射面が、該両端の側部反射面より上記配列中心側に位置する側部反射面に比して、上記基準面に対してより大きい鋭角を成す、付記1記載のフラッシュ定着装置。
【0080】
(付記3) 上記反射板は、フラッシュランプに対して上方から対向する上部反射面を更に含み、
両端に配列された2本のフラッシュランプに対応する2つの上部反射面のうち少なくとも一方の上部反射面が、上記フラッシュランプの中心軸方向から見て凹形状を有する、付記1又は2記載のフラッシュ定着装置。
【0081】
(付記4) フラッシュランプの中心軸と、該フラッシュランプに対応する2つの側部反射面との間の最短距離が、略同一である、付記1乃至3のうちいずれかのフラッシュ定着装置。
【0082】
(付記5) 上記最短距離は、フラッシュランプと該フラッシュランプに対応する2つの側部反射面との間にリーク電流が発生しうる最大距離より大きく、該最大距離の1.3倍より小さい、付記1乃至4のうちいずれかのフラッシュ定着装置。
【0083】
(付記6) トナー像をフラッシュ光で定着させるためのフラッシュ定着装置であって、
互いに平行に配列された複数本のフラッシュランプと、
フラッシュランプを部分的に取り囲むように構成された側部反射面及び上部反射面を、それぞれのフラッシュランプに対応して有し、上記複数本のフラッシュランプが発する光を照射領域に向けて反射させる反射板とを具備し、
上記複数本のフラッシュランプによる一回のフラッシュ光によって得られる発光エネルギー分布が、上記照射領域の中央領域でほぼ一定となり、且つ、上記中央領域から上記照射領域の両縁部にかけて徐々に減少する特性を有する、フラッシュ定着装置。
【0084】
(付記7) 上記照射領域に対して相対移動する上記複数本のフラッシュランプの発光を制御する制御部を更に具備し、
上記制御部は、上記中央領域の略縁部に、次回のフラッシュ光により、トナーが定着を開始するエネルギーが付加されるような発光周波数で上記複数本のフラッシュランプを発光制御することを特徴とする、付記1乃至6のうちいずれかのフラッシュ定着装置。
【0085】
(付記8) 所定の搬送速度で搬送される媒体のトナー像を形成する印刷装置であって、
上記媒体にトナー像を形成する像形成手段と、
上記媒体のトナー像をフラッシュ光で定着するための付記1乃至6のうちいずれかのフラッシュ定着装置とを有する、印刷装置。
【0086】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。本発明によれば、照射領域の中央部でほぼ一定となり、照射領域の両端で中央部から離れるに従い減少する特性をもつ、一回のフラッシュによる発光エネルギー分布の実現が可能となる。この結果として、溶融エネルギー分布の均一化が容易に可能となり、高解像度のハーフトーン画像を印字した場合でも、発光周波数ピッチの濃淡ムラの発生がなく、高品質な画像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の印刷装置の構成図である。
【図2】図1のフラッシュ定着ユニット13の構成図である。
【図3】図2の光透過板16の光学特性図である。
【図4】図2のフラッシュ定着ユニットの発光エネルギー分布のモデル図である。
【図5】図5(A)は従来技術によるフラッシュ光重ね合わせ方法の説明図であり、図5(B)は本発明によるフラッシュ光重ね合わせ方法の説明図であり、図5(C)は本発明の重ね合わせ方法による溶解エネルギーの均一化の説明図である。
【図6】発光エネルギー分布と印刷濃度の関係図である。
【図7】濃淡ムラと主観評価の関係図である。
【図8】本発明の第1実施例の反射板15の概略断面図である。
【図9】第1実施例の反射板15の詳細図である。
【図10】本発明の反射板15の傾斜角設定による配光制御の説明図である。
【図11】本発明の第1実施例の反射板を用いた時の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図12】図12(A)は本発明のフラッシュ定着器と印刷媒体の位置関係を示し、図12(B)は本発明のフラッシュ定着器による印刷結果の説明図である。
【図13】図13(A)は比較例のフラッシュ定着器と印刷媒体の位置関係を示し、図13(B)は、比較例のフラッシュ定着器による印刷結果を示す図である。
【図14】図14(A)はその他の比較例のフラッシュ定着器と印刷媒体の位置関係を示し、図14(B)は、比較例のフラッシュ定着器による印刷結果を示す図である。
【図15】側面板22aを範囲外±1°にした場合の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図16】側面板22bを範囲外±1°にした場合の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図17】側面板22cを範囲外±1°にした場合の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図18】側面板22dを範囲外±1°にした場合の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図19】直径1.35Lの同心円に接するように反射板を設定した場合の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図20】第2実施例のフラッシュ定着ユニットの概略断面図である。
【図21】本発明の第2実施例の反射板を用いた時の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図22】側面板70aを範囲外±1°にした場合の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図23】側面板70bを範囲外±1°にした場合の発光エネルギー分布(シミュレーション結果)を示す図である。
【図24】図24(A)は本発明の反射板の傾斜角の変形例を示す図であり、図24(B)は本発明の反射板の傾斜角のその他の変形例を示す図である。
【図25】従来技術の問題である濃淡ムラの原因の説明図である。
【符号の説明】
1 フラッシュランプ
2 連続用紙
13 フラッシュ定着器
14 フラッシュ制御ユニット
15 反射板
16 透過板
22a〜22h 側面板
24〜27 天面板
Claims (4)
- トナー像をフラッシュ光で定着させるためのフラッシュ定着装置であって、
互いに平行に配列された複数本のフラッシュランプと、
フラッシュランプに対して側方から対向する側部反射面を、それぞれのフラッシュランプに対応して含む反射板とを具備し、
両端に配列された2本のフラッシュランプの2つの中心軸を含む面を基準面とした時、
上記基準面に対して成す鋭角が、上記複数本のフラッシュランプの配列中心に近い側部反射面ほど小さく設定されたことを特徴とする、フラッシュ定着装置。 - 上記反射板の各側部反射面が、略平らな面を有しており、
両端の側部反射面が、該両端の側部反射面より上記配列中心側に位置する側部反射面に比して、上記基準面に対してより大きい鋭角を成す、請求項1記載のフラッシュ定着装置。 - 上記反射板は、フラッシュランプに対して上方から対向する上部反射面を更に含み、
両端に配列された2本のフラッシュランプに対応する2つの上部反射面のうち少なくとも一方の上部反射面が、上記フラッシュランプの中心軸方向から見て凹形状を有する、請求項1又は2記載のフラッシュ定着装置。 - 所定の搬送速度で搬送される媒体のトナー像を形成する印刷装置であって、
上記媒体にトナー像を形成する像形成手段と、
上記媒体のトナー像をフラッシュ光で定着するための請求項1乃至3のうちのいずれか1項のフラッシュ定着装置とを有する、印刷装置。
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