本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
従来、ノズルから液体のインク滴を吐出して画像の記録を行うカラーインクジェット方式が提案されている。このカラーインクジェット方式は、構造が簡単で印字の音が小さい記録装置であるため、小型プリンタに適した技術である。しかし、インク滲みのない高品位な画像を得るためにはインク吸収層を設けたコート紙等を使用する必要があり、コピー用紙など普通紙では、色と色の境界部分でのインク滲みを起こし易いという欠点があった。
これに対して、インクの用紙に対する浸透性を高めることにより色間の滲みを抑える方法が提案されている。しかし、この方法では、特に黒インクにおいて線、文字等のエッジがシャープでなくなる(フェザリング)という問題がある。
このため、線、文字の画像品位を高めるべく、黒インクに浸透性が低いインクを、カラーインクに浸透性が高いインクを用いることにより、線、文字の画像品位を高くし、カラーインク間の滲みを抑えた方法が提案されている。しかし、この方法では浸透速度が異なる黒インクとカラーインクによる印字部の隣接部分における滲みは防ぐことが出来ない。この問題を解決する従来例として、以下のものが提案されている。
特許文献1記載の装置では、画像中の黒インクとカラーインクで形成される領域の境界において、印字画素の変換を行うことにより、黒インクとカラーインクによる滲みを防止するというものである。
また、特許文献2記載の装置は、黒インクとカラーインクの記録紙への着弾に時間差を設けて、インクの滲みを防止するというものである。また、特許文献3記載の装置は、画像データから記録濃度を計数し、記録濃度に応じて、1主走査単位で複数の記録モードを切り替えるというものである。
さらに、黒インクによる印字品質を向上させるため、浸透速度が遅い黒インクを用いると、定着速度が遅いため高速印字時に印字物同士の重なりによって、インクの転写などが発生するという問題がある。この問題を解決する従来技術として、インクの定着速度を向上させるために、浸透性の高いカラーインクを黒インクに先駆けて印字しておくことや黒インクとカラーインクの化学反応を利用する方法が提案されている。
特開平6−113155号公報
特開平10−67125号公報
特開平11−77992号公報
しかしながら、特許文献1記載の装置では、インクの滲みを防ぐための画素変換を過剰に適用すると、黒画素と隣接する境界領域のカラー画素を空白データに置き換えた場合、境界が白線となって見えてしまう。また、カラー画素と隣接する境界領域の黒画素をカラーインクで置き換えた場合、置き換えた領域の明度が黒インクよりも下がるため明度が高くなり十分な濃度が得られず黒領域の画像品位が損なわれる。このため、極端な画素変換が必要とされるような場合には、滲みを防ぐための画素変換処理が、別の画像劣化を引き起こしてしまうという問題がある。
また、特許文献2記載の装置では、滲みが問題となるインクがそれぞれ一定の時間間隔を置いて用紙上に形成されるため滲みを防ぐ効果は大きいが、実質的な印字速度が大きく損なわれてしまうという問題がある。
また、特許文献3記載の装置では、滲みはそれほど問題にならないイメージデータでも記録モードが変更されてしまい、不必要な印字速度の低下が発生してしまうという問題がある。
また、第4の従来技術では、黒インクより先にカラーインクが用紙上に形成されている必要があるが、黒インクとカラーインクの走査を分けて印字した場合、印字速度の低下を招いてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、印字速度の低下や画像劣化を起こすことのなく、インクの滲みを抑制できるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、請求項1に記載のように、黒インクを吐出する黒色用プリントヘッドと、黒インクより記録紙に対する浸透性の良いカラーインクを吐出するカラー用プリントヘッドを用いて、各プリントヘッドのノズルを複数のブロックに分割して、各記録領域を異なったノズルで複数回走査して記録するマルチパス記録を行うインクジェット記録装置において、入力データに基づいて、黒インクを用いて記録される黒画像領域、カラーインクを用いて記録されるカラー画像領域、カラーインクを着滴させるべき画素から2画素以内の黒インクを着滴させるべき画素群である黒画像境界領域、及び黒インクを着滴させるべき画素から2画素以内のカラーインクを着滴させるべき画素群であるカラー画像境界領域を検出する領域検出手段と、検出された黒画像境界領域及び黒画像領域から黒画像境界領域を除いた黒画像内部領域のそれぞれに対して、黒画素を間引き、間引いた画素にカラー画素を追加する画素変換を行う画素変換手段と、画素変換が行われた黒画像内部領域に対しては、黒画素より先にカラー画素を打ち込み、画素変換が行われた黒画像境界領域に対しては、カラー画素の打ち込みと同時に黒画素を打ち込むことを決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
請求項1記載の発明よれば、黒画像領域とカラー画像領域の判別結果に基づいて、黒インク又はカラーインクのいずれを先に記録紙上に記録するかを決定するようにしたので、マルチパス記録の際のインク滲みを抑制できる。また、マルチパス印字は通常通り行われるので、印字スピードが低下することはない。また、従来問題となっていた画素変換処理による画像劣化を引き起こすこともない。さらに、領域の検出結果に応じて、黒インク又はカラーインクのいずれを先に記録紙上に記録するかを決定できる。さらに、所定の画素変換規則に従って画素変換を行うようにしたので、インクの滲みを更に防止することができる。さらに、黒画像領域は、黒インクを記録する前に、黒インクを記録する箇所に対してカラーインクが記録されるので、インクの浸透性が良くなり、黒インクの乾燥性、定着性を改善することができる。
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1記載のインクジェット記録装置において、画素変換手段は、検出されたカラー画像境界領域に対して、カラー画素を間引く画素変換を行い、決定手段は、画素変換が行われたカラー画像境界領域に対し、画素変換が行われた黒画像内部領域に対する黒画素の打ち込みと同時にカラー画素を打ち込むことを決定することを特徴とする。請求項2記載の発明によれば、黒画像境界領域を記録する走査よりも後の走査でカラー画像境界領域を記録するようにしたので、黒インクを記録してからカラーインクを記録するまでの時間間隔を設けることができるため、黒インクとカラーインクによる滲みを抑制することができる。
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記黒画素及び前記カラー画素を間引くためのマスクパターンを生成するマスクパターン生成手段をさらに含むことを特徴とする。請求項3記載の発明によれば、インク滲みの少ないカラー画像内部領域以外の領域を間引いて記録するようにしたので、画像境界領域での滲みの抑制を行い、かつ滲みの発生の無い部分に対しては不必要な間引きを行わないため、不必要な画質変化を避けることが出来る。
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記マルチパス記録の走査回数が偶数であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、単位当たりの前記ブロックに含まれるノズルの数は、前記ノズルの数を前記走査回数で割った数であることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、請求項6に記載のように、黒インクを吐出する黒色用プリントヘッドと、黒インクより記録紙に対する浸透性の良いカラーインクを吐出するカラー用プリントヘッドを用いて、各プリントヘッドのノズルを複数のブロックに分割して、各記録領域を異なったノズルで複数回走査して記録するマルチパス記録を行うインクジェット記録方法において、入力データに基づいて、黒インクを用いて記録される黒画像領域、カラーインクを用いて記録されるカラー画像領域、カラーインクを着滴させるべき画素から2画素以内の黒インクを着滴させるべき画素群である黒画像境界領域、及び黒インクを着滴させるべき画素から2画素以内のカラーインクを着滴させるべき画素群であるカラー画像境界領域を検出する領域検出ステップと、検出された黒画像境界領域及び黒画像領域から黒画像境界領域を除いた黒画像内部領域のそれぞれに対して、黒画素を間引き、間引いた画素にカラー画素を追加する画素変換を行う画素変換ステップと、画素変換が行われた黒画像内部領域に対しては、黒画素より先にカラー画素を打ち込み、画素変換が行われた黒画像境界領域に対しては、カラー画素の打ち込みと同時に黒画素を打ち込むことを決定する決定ステップと、を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明よれば、黒画像領域とカラー画像領域の判別結果に基づいて、黒インク又はカラーインクのいずれを先に記録紙上に記録するかを決定するようにしたので、マルチパス記録の際のインク滲みを抑制できる。また、マルチパス印字は通常通り行われるので、印字スピードが低下することはない。また、従来問題となっていた画素変換処理による画像劣化を引き起こすこともない。さらに、領域の検出結果に応じて、黒インク又はカラーインクのいずれを先に記録紙上に記録するかを決定できる。さらに、所定の画素変換規則に従って画素変換を行うようにしたので、インクの滲みを更に防止することができる。さらに、黒画像領域は、黒インクを記録する前に、黒インクを記録する箇所に対してカラーインクが記録されるので、インクの浸透性が良くなり、黒インクの乾燥性、定着性を改善することができる。
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項6記載のインクジェット記録方法において、画素変換ステップは、検出されたカラー画像境界領域に対して、カラー画素を間引く画素変換を行い、決定ステップは、画素変換が行われたカラー画像境界領域に対し、画素変換が行われた黒画像内部領域に対する黒画素の打ち込みと同時にカラー画素を打ち込むことを決定することを特徴とする。請求項7記載の発明によれば、黒画像境界領域を記録する走査よりも後の走査でカラー画像境界領域を記録するようにしたので、黒インクを記録してからカラーインクを記録するまでの時間間隔を設けることができるため、黒インクとカラーインクによる滲みを抑制することができる。
本発明によれば、印字速度の低下や画像劣化を起こすことのなく、インクの滲みを抑制できるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明する。
図1は第1実施例に係るインクジェット記録装置のブロック図である。インクジェット記録装置1は、各プリントヘッドのノズルを複数のブロックに分割して、各記録領域を異なったノズルで複数回走査して記録するマルチパス記録を行う。
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、画像処理装置2、プリントヘッド駆動部3、プリントヘッド4、モータ駆動部5、紙送りモータ6、キャリッジモータ7を備える。画像処理装置2は、色補正処理部21、n値化処理部22、画素処理部23、記録データ格納部204、マスクパターン生成部205、マルチパス印字データ生成部206を有する。
なお、画像処理装置2は、例えばCPU(Central Processing Unit)30、ROM(Read Only Memory)31、RAM(Random Access Memory)32により実現される。CPU30は、ROM31内の画像処理プログラムをRAM32にロードして画像処理やモータ駆動部5の制御等を行う。
色補正部201は、RGB(レッド、グリーン、ブルー)データとなる画像情報を入力し、その入力画像情報に対してガンマ補正等の補正処理を施すと共に、CMKY(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)データへの色変換処理及び各種調整処理を行う。
n値化部202は、色補正部201からの各色成分(C、M、Y、K)の画像データ(階調データ)を所定の閾値を用いてn値化して各色成分のビット値(01または00)で構成される印字データを生成する。具体的には、色補正部201からの画像データに対して、横方向にNI個(0番目〜NI-1番目)、縦方向にNJ個(0番目〜NJ-1番目)配列された各画素(i,j)に対応させてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及び黒(K)の各色成分に対するビット値Cij、Mij、Yij、Kijで構成される印字データPij={Cij,Mij,Yij,Kij}を生成する。
画像処理部203は、領域検出部203a、画素変換部203bを有する。領域検出部203aは、領域検出手段に相当し、供給された印字データに基づいて
黒インクを用いて記録される黒画像領域、カラーインクを用いて記録されるカラー画像領域、黒画像領域の所定領域に位置する黒画像境界領域、及び前記カラー画像領域の所定領域に位置するカラー画像境界領域を検出する。ここでいう所定領域とは黒画素とカラー画素が隣接している領域を指す。すなわち、黒画像境界領域は、カラーインクの印字領域に接する黒インクの所定印字領域(例えば、カラーインクを着滴させるべき画素からp画素以内の黒インクを着滴させるべき画素郡)である。カラー画像境界領域は、黒インクの印字領域に接するカラーインクの所定印字領域(例えば黒インクを着滴させるべき画素からq画素以内カラーインクを着滴させるべき画素郡)である。なお、以下において、黒画像領域のうち黒画像境界領域を除いた黒画素に囲まれた部分を黒画像内部領域といい、カラー画像領域のうちカラー画像境界領域を除いたカラー画素に囲まれた部分をカラー画像内部領域というものとする。また、上記いずれの領域にも含まれない領域、すなわち白部分(無印字部分)と隣接する黒およびカラー画素領域24は本発明による処理には関わらないため、以下の図中などに特に明示はしていない。
画素変換部203bは、画素変換手段に相当し、画素の領域判定結果に基づきn値化後のCMKデータに対して、所定の画素変換規則に従って、黒画像領域又はカラー画像領域の画素を所定の画素に変換し、また、付加情報の埋め込みを行う。ここで、画素変換処理では、画素変換規則に従って、黒画像境界領域及びカラー画像境界領域の黒画素領域では、黒画素をカラー画素へ置換又はカラー画素の追加を行う。また、カラー画素領域では、カラー画素の間引きを行う。また、黒画像内部領域では、黒画素の間引き、カラー画素への置換又はカラー画素の追加を行う。なお、画素変換規則は、領域毎又は用紙印字モードなど他の要因によって複数の設定値から選択されて適用されるようにしてもよい。また、画素変換部203bでは、画素変換を行われず付加情報の組み込みだけを行うようにしてもよい。
上記のように画素変換部203bにて得られた変換後の画素単位の印字データは、記録データ格納部204の所定領域に格納される。マスクパターン生成部205は、マスクパターン生成手段に相当し、付加情報に基づき、データマスク処理のためのマルチパスマスクパターンを生成し、生成したマルチパスマスクパターンをマルチ印字データ生成部26へ出力する。また、マスクパターン生成部205は、各プリントヘッド4の走査回数に応じて、各走査において使用するマスクパターンを生成するようにしてもよい。
マルチパス印字データ生成部206は、決定手段に相当し、印字主走査ごとに、付加情報が付加された印字データに基づいて、黒画像領域とカラー画像領域を判別し、判別結果に基づいて、黒インク又はカラーインクのいずれを先に記録紙上に記録するかを決定する。つまり、各画素がマルチパス印字の際に先のパスで打たれるべきか(用紙上に先に形成するべき画素か)、後のパスで打たれるべきか(用紙上に後に形成されるべき画素か)を決定する。また、マルチパス印字生成部206は、マスクパターン生成部205が生成したマスクパターンを用いて、プリントヘッド4に与えるデータの印字率を制御する。マルチパス印字データ生成部206は、マルチパス印字データを生成し、生成したマルチパス印字データをプリントヘッド駆動部3へ出力する。なお、マルチパス記録の走査回数は偶数であると良い。これは記録用紙上の各走査記録領域における印字が、常に同じヘッドの印字方向から開始できることにより印字色順が変わることが無いため、色むらなどの発生を避ける目的のために有効である。また、各プリントヘッド4を分割するブロック数は、各プリントヘッドのノズルの数を走査回数で割った数であるとよい。
プリントヘッド駆動部3は、マルチパス印字データ生成部206から供給される印字データの色成分のビット値に基づいてその色成分に対応したインクヘッド4a〜4dのオン/オフ駆動制御を行う。プリントヘッド4は、4つのインクヘッド、即ち、黒インク(K)を吐出する黒インクヘッド4a、イエローインク(Y)を吐出するイエローインクヘッド4b、マゼンタインク(M)を吐出するマゼンタインクヘッド4c及びシアンインクを吐出するシアンインクヘッド4dを有し、プリントヘッド駆動部3により駆動が制御される。第1実施例では、相対的に浸透速度の遅い黒インクと相対的に浸透速度の速いカラーインクを用いている。
モータ駆動部5は、CPU30に制御され、紙送りモータ6及びキャリッジモータ7の駆動を制御する。紙送りモータ6は、記録紙を移動するためのものである。キャリッジモータ7は、プリントヘッド4を移動させるためのものである。
次に、領域検出部203aが行う画像データの領域検出について説明する。図2は、領域検出部203aによる画素データの領域検出を説明するための図であり、同図(a)は入力画像を示す図、同図(b)は画素変換及び情報付加の対象領域の例を示す図である。同図(a)において、符号10は黒インクの印字領域、11はカラーインクの印字領域をそれぞれ示している。
同図(b)において、符号20は黒画像内部領域、21は黒画像境界領域、22はカラー画像内部領域、23はカラー画像境界領域をそれぞれ示している。黒画像内部領域20及び黒画像境界領域21が黒インクの印字領域10に、カラー画像内部領域22及びカラー画像境界領域23がカラーインクの印字領域11にそれぞれ対応する。
領域検出部203aは、n値化部202からの印字データに基づいて黒インク(K)の印字領域とカラーインク(C、M、Y)の印字領域の境界部に属する黒画像境界領域21とカラー画像境界領域23とを検出する。ここで、黒画像境界領域21は、カラーインクの印字領域11に接する黒インクの所定印字領域であり、図2に示す例では、カラーインクを着滴させるべき画素から2画素以内の黒インクを着滴させるべき画素郡である。
また、カラー画像境界領域23は、黒インクの印字領域10に接するカラーインクの所定印字領域であり、例えば黒インクを着滴させるべき画素から2画素以内のカラーインクを着滴させるべき画素郡である。このように、領域検出部203aは、黒画像境界領域21とカラー画像境界領域23とを検出して、黒インクとカラーインクの境界領域における滲みを防止する。
次に、図3及び図4を用いて、画素変換23bが行う画素変換を説明する。図3は画素変換のためのテーブルである。画素変換部203bは、図3に示すような変換規則を示すテーブルを参照して、領域検出部21で検出された黒画像内部領域20、黒画像境界領域21、カラー画像内部領域22、カラー画像境界領域23の画素変換を行う。また、画素変換部203bは、印字の際に画素変換に必要な情報を付加情報として印字データに埋め込む。
具体的には、黒画像内部領域20では、黒画素を間引いて、カラー画素の追加を行い、黒画像境界領域21では、黒画素を間引いて、カラー画素の追加を行い、カラー画像内部領域22では、通常印字を行うために、黒画素やカラー画素の変換を行わず、カラー画像境界領域23では、カラー画素の間引きを行う。上記以外の領域(記号24)では、通常印字を行うために、黒画素及びカラー画素の変換を行わない。
図4は、画素変換例を示す図であり、同図(a)は入力画像データを示す図、同図(b)は画素変換後の画像データを示す図である。同図(a)において、符号10は黒インクの印字領域、11はカラーインクの印字領域をそれぞれ示している。同図(b)において、符号20は黒画像内部領域、21は黒画像境界領域、22はカラー画像内部領域、23はカラー画像境界領域をそれぞれ示している。
黒画像内部領域20では、黒画素20aを間引いて、間引いた画素にカラー画素20bの追加を行い、黒インクの乾燥性を向上させてインク滲みを防止する。黒画像境界領域21では、画素21aの間引きを行い、間引いた画素にカラー画素21bを追加して、黒インクの乾燥性を向上させてインク滲みを防止する。カラー画像境界領域23に含まれる画素の間引きを行う。このように、領域毎に画素変換を行うことにより黒インクとカラーインクの滲みを防止することができる。
次に、図5及び図6を用いて、マルチパス印字データ生成部206が生成するマルチパス印字データについて説明する。第1実施例では、各記録画像領域を記録ヘッド2回の走査で形成する2パス記録方式を採っている。図5は、第1実施例の印字順序を決定するためのテーブルを示す図である。図5において、入力画素データの各値はデータ値を示しており、入力画素データは、黒画像内部領域20、黒画像境界領域21は、黒画素で形成され、カラー画像内部領域22、カラー画像境界領域23はカラー画素で形成されている。
マルチパス印字データ生成部206は、記録データ格納部204から入力画素データを受け取ると、図5に示したテーブルを参照して、各画素がマルチパス印字の際に先のパスで打たれるべきか又は後のパスで打たれるべきかを以下のように決定する。また、上記22から23いずれの領域とも判定されない領域24については、印字パス順序を特に規定しない通常のマルチパス印字を行う。
黒画像内部領域20では、カラー画素を先の走査で打ち込み(「11」)、黒画素を後の走査で打ち込む(「11」)。黒画像境界領域21では、黒画素を先の走査で打ち込む(「10」)。カラー画像内部領域22では、付加情報に基づく印字制御は行わない。カラー画像境界領域23では、カラー画素を後の走査で打ち込む(「10」)。また、上記以外の領域24では付加情報に基づく印字制御は行わない。
このように、相対的に、浸透速度の遅い黒インクと相対的に浸透速度の速いカラーインクを用いた場合、黒インクとカラーインクが隣接するような印字領域では、黒インクを先に印字し、十分な浸透および乾燥時間を置いた後、隣接するカラーインクを印字することにより、滲みの発生が軽減される。また、黒インクの面積が大きい印字領域では、黒インクを印字する前に、浸透性の高いカラーインクを印字することにより、黒インクの乾燥性(定着性)を高めることができる。
マルチパス印字生成部26は、各領域の印字順序を決定すると、次にプリントヘッドの印字率を設定する。図6はマルチパス印字におけるプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。図6において、プリントヘッド4のノズルは1〜N番目まであるものとしている。
マルチパルス印字生成部6bは、1回目の走査で、プリントヘッド4のノズルの内の1〜N/2番目までのノズルを使って、半分の領域にインクを打ち込むようにし、2回目の走査で、プリントヘッド4のノズルの内の(N/2)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むように、プリントヘッド4の印字率を設定する。
図6において、「0%」はそのときの走査でその領域を印字しないことを示しており、「100%」はそのときの走査でその領域の全ての画素を印字することを示しており、「50%」は2回の走査で画像が完全に補完されるよう構成されたマスクパターンの対であり、そのときの1走査でその領域を半分に間引いて印字することを示している。なお、間引き率についてはマスクパターン生成部205が生成するマスクパターンに従って決定する。
黒画像内部領域20では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/2番目までのノズルを使って、カラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N番目のノズルを使って、黒インクの打ち込むようプリントヘッド4の印字率を設定する。
黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/2番目までのノズルを使って、黒インクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。カラー画像境界領域23では、1回目の走査で、インクの打ち込みは行わず、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N番目のノズルを使って、カラーインクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
カラー画像内部領域22では、1回目の走査で、プリントヘッド4の内の1〜N/2番目までのノズルを使って、1/2に間引いてカラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N番目のノズルを使って、カラーインクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
次に、マルチパス印字データに基づく記録動作について説明する。図7は第1実施例におけるマルチパス印字データに基づく記録動作を説明するための図であり、同図(a)は元画像データを示す図、同図(b)は従来技術による2パス印字時の画素形成をパスごとに示す図、同図(c)は第1実施例における画像形成過程を示す図である。なお、図7に示す例では、プリントヘッド4のノズル数が18個である場合を例にとって説明する。従って、図6においてN=18となる場合の例である。ここで、上記黒とカラーの境界領域あるいは内部領域のいずれにも該当しないその他の領域(24:図示せず)については、情報付加および画素変換のいずれも行うことなく、従来例と同様のマルチパス印字を行うことになり、以下の説明においても同様である。
図7(a)において、符号20は黒画像内部領域、21は黒画像境界領域、22はカラー画像内部領域、23はカラー画像境界領域をそれぞれ示している。図7(b)に示すように、従来、黒画像内部領域20及び黒画像境界領域では、1回目の走査(パス1)で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上半分の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22及びカラー画像境界領域23では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20及び黒画像境界領域では、2回目の走査(パス2)で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上半分の領域に黒インクを打ち込み、同領域の画像を完成させる。この時、同時にプリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、下半分の領域に黒インクを打ち込む。
また、カラー画像内部領域22及びカラー画像境界領域23では、2回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上半分の領域にカラーインクを打ち込み、同領域の画像を完成させる。この時、同時にプリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20及び黒画像境界領域21では、3回目の走査(パス3)で1回目の走査と同一方向にプリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、下半分の領域に黒インクを打ち込み、同領域の画像を完成させる。
カラー画像内部領域22及びカラー画像境界領域23では、3回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、下半分の領域にカラーインクを打ち込み、同領域の画像を完成させる。しかし、この従来例では、黒画像境界領域21とカラー画像境界領域23を同一の走査で形成しているため、黒インクとカラーインクとが滲んでしまう。
図7(c)に示すように、第1実施例においては、黒画像内部領域20では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。このとき、同領域に黒インクは打ち込まない。黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、上半分の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、1回目の走査で全くインクを打ち込まない。このため、境界領域では、黒インクとカラーインクにおけるインク滲みは発生しない。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、2回目の走査で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、上半分の領域に黒インクを打ち込む。この黒画像内部領域20には先にカラー画素が印字され、インクの浸透性が改善されているので、黒インクの乾燥・定着性が著しく改善される。また、この時、同時に、プリントヘッド4の1〜9番目のノズルで、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、2回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目のノズルで、下半分の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、2回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目のノズルで、マスクパターンを用いて、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時に、プリントヘッド4の1〜9番目のノズルで、マスクパターンを用いて、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。
また、カラー画像境界領域23では、2回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目のノズルで、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。隣接する黒画像境界領域21は既に1回目の走査で形成されているため、隣接するカラーインクによる滲みを抑制することが出来る。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、3回目の走査で1回目の走査と同一方向にプリントヘッド4の10〜18番目までのノズルで、下半分の領域に黒インクを打ち込む。この黒画像内部領域20では先にカラー画素が印字され、インクの浸透性が改善されているので、黒インクの乾燥・定着性が著しく改善される。
カラー画像内部領域22では、3回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目のノズルで、マスクパターンを用いて、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、3回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目のノズルで、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。
第1実施例によれば、境界部の所定領域に位置するカラー画像領域を記録する走査を、黒画像領域を記録する走査よりも後の走査で行うようにしたので、黒インクを記録してからカラーインクを記録するまでの時間間隔を設けることができるため、黒インクとカラーインクによる滲みを抑制することができる。また、マルチパス印字は通常通り行われるので、印字スピードが低下することはない。また、従来問題となっていた画素変換処理による画像劣化を引き起こすこともない。
また、黒画像領域の所定領域は、黒インクを記録する前に、黒インクを記録する箇所に対しカラーインクを記録するようにしたので、インクの浸透性が良くなり、黒インクの乾燥性、定着性を改善することができる。また、カラーインクを記録する走査は、黒画像領域の所定領域を黒インクで記録する走査よりも先の走査で行われるので、黒インクの乾燥性を改善することができるため、滲みを防止することができる。
なお、図7では画素変換による操作は黒画像内部領域20のカラー画素追加のみを例示したが、カラー画像境界領域における間引きなどを必要に応じて行うようにすることにより、最適化が可能である。また、ここでマルチパス印字データは領域情報に基づいて付加されているので、先打ち後打ちの打ち分けが必要ない領域データには何ら変更が無いため、必要以上にプリントヘッド4内の噴射ノズルの噴射頻度にはほとんど偏りをもたらさない。
次に、第2実施例について説明する。第2実施例は、第1実施例と動作のみ異なるものであるため、第1実施例で説明したカラーインクジェット記録装置1を用いて説明する。第2実施例では、第1実施例と同様に、相対的に浸透速度の遅い黒インクと相対的に浸透速度の速いカラーインクを用いた例について説明する。まず、図8及び図9を用いて、マルチパス印字データ生成部206が生成するマルチパス印字データについて説明する。第2実施例では、各記録画像領域をプリントヘッド4回の走査で形成する4パス記録方式を採っている。
図8は、印字順序を決定するためのテーブルである。図8において、入力画素データの各値はデータ値を示しており、入力画素データは、黒画像内部領域20、黒画像境界領域21は、黒画素で形成され、カラー画像内部領域22、カラー画像境界領域23はカラー画素で形成されている。
マルチパス印字データ生成部206は、記録データ格納部204から入力画素データを受け取ると、図8に示したテーブルを参照して、各画素がマルチパス印字の際に先のパスで打たれるべきか又は後のパスで打たれるべきかを以下のように決定する。
黒画像内部領域20では、カラー画素を先の走査で打ち込み(「11」)、黒画素を後の走査で打ち込む(「11」)。黒画像境界領域21では、黒画素を先の走査で打ち込む(「10」)。カラー画像内部領域22では、付加情報に基づく印字制御は行わない。カラー画像境界領域23では、カラー画像を後の走査で打ち込む(「10」)。
このように、相対的に、浸透速度の遅い黒インクと相対的に浸透速度の速いカラーインクを用いた場合、黒インクとカラーインクが隣接するような印字領域では、黒インクを先に印字し、十分な浸透および乾燥時間を置いた後、隣接するカラーインクを印字することにより、滲みの発生が軽減される。また、黒インクの面積が大きい印字領域では、黒インクを印字する前に、浸透性の高いカラーインクを印字することにより、黒インクの乾燥性(定着性)を高めることができる。
マルチパス印字生成部26は、各領域の印字順序を決定すると、次にプリントヘッドの印字率を設定する。図9はマルチパス印字におけるプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。マルチパルス印字生成部6bは、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4番目までのノズルを使って、1/4の領域にインクを打ち込むようにし、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むようにし、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むようにし、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むようにし、プリントヘッド4の印字率を設定する。
図9において、「0%」はそのときの走査でその領域を印字しないことを示しており、「50%」はそのときの走査でその領域を半分に間引いて印字することを示しており、「25%」は4回の走査で画像が完全に補完されるよう構成されたマスクパターンの組であり、そのときの走査でその領域を1/4に間引いて印字することを示している。なお、間引き率についてはマスクパターン生成部205が生成するマスクパターンに従って決定する。
領域毎に見ると、黒画像内部領域20では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4番目までのノズルを使って、1/4の領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2までのノズルを使って、同領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いて黒インクを打ち込み、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いて黒インクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4までのノズルを使って、1/4の領域を25%に間引いて黒インクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2までのノズルを使って、同領域を25%に間引いて黒インクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
カラー画像境界領域23では、1回目の走査及び2回目の走査では、カラーインクの打ち込みを行わず、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、1/4の領域を50%に間引いてカラーインクを打ち込み、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域を50%に間引いてカラーインクの打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
カラー画像内部領域23では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4番目までのノズルを使って、1/4の領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
次に、マルチパス印字データに基づく記録動作について説明する。図10は、第2実施例におけるマルチパス印字データに基づく記録動作を説明するための図であり、同図(a)は元画像データ、同図(b)は従来技術による4パス印字時の画像形成をパスごとに示す図、同図(c)は第2実施例における画像形成過程を示す図である。なお、図10に示す例では、プリントヘッド4のノズル数が20個である場合を例にとって説明する。従って、図9においてN=20となる場合の例である。
図10(a)において、符号20は黒画像内部領域、21は黒画像境界領域、22はカラー画像内部領域、23はカラー画像境界領域をそれぞれ示している。図10(b)において、従来、黒画像境界領域21では、1回目の走査(パス1)で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、2回目の走査(パス2)で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、2回目の走査で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、2回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、2回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、3回目の走査(3パス)で、1回目の走査と同一方向に、プリントヘッド4の6〜10番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域に黒インクを打ち込む。この時、同時に、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時に、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、4回目の走査(パス4)で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、4回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、4回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルで、マスクパターンを用いて上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、4回目の走査で、プリントヘッド4のから16〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上1/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、5回目の走査(パス5)で、1回目の走査とは同一方向にプリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、5回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、5回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、5回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、6回目の走査(パス6)で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。黒画像境界領域21では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像境界領域21では、7回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、7回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、7回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込み、画像が形成される。しかし、この従来では、黒画像境界領域21とカラー画像境界領域23を同一走査で形成しているため、インクが滲んでしまうという問題がある。
第2実施例では、以下のように画像を形成していインクが滲むのを防止している。図10(C)のに示すように、黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、1回目の走査で、カラーインクの打ち込みは行わない。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、2回目の走査で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。黒画像境界領域21では、2回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域に黒インクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、2回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域では、2回目の走査で、カラーインクを打ち込まない。次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、3回目の走査で、1回目の走査と同一方向に、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、3回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込む。この時、同時に、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上1/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、4回目の走査で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、4回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、4回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、4回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上1/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、5回目の走査で、1回目の走査とは同一方向にプリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、5回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、5回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、5回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、カラー画像内部領域22では、7回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、7回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
第2実施例によれば、黒画像内部領域20に黒インクを打ち込む前に、2回目の走査、3回目の走査で、カラーインクを先に下打ちするようにしたので、黒インクの乾燥性が向上する。
また、カラー画像境界領域23にカラーインクを打ち込む前に、黒画像境界領域21に黒インクを先の走査で打ち込むようにしたので、黒インクとカラーインク間で発生するインク滲みを防止することができる。また、従来例との比較からもわかるように同一領域の画像を形成するのに同じ走査数しか必要としないため、印字速度を低下させることはない。
また、各色等幅4ヘッド構成、黒ヘッドと3色一体の2ヘッド構成、黒とカラーヘッドの配置順、又は往復両方向での印字かあるいは片方向での印字か等のようにプリントヘッドの構成及び印字様式等にかかわらず、1ページの印字領域中の全域で均一な効果が得られる。また、黒インクとカラーインクのどちらが先に用紙上に印刷されたかで発生する黒画像内部領域における色目の差については、本実施例では黒画像内部領域20が常に黒インクとカラーインクが一定の順序で用紙上に形成されるため、スワス(SWATH:帯状の印刷された部分)間での色目の差がほとんど発生しない。
なお、第2実施例はあくまでも一例であって、例えば黒画像内部領域のカラーインクの下打ち有無、黒画素自身の間引きおよび間引き率、先打ち後打ちの間隔等を変更してもよい。
次に第3実施例について説明する。第3実施例では、黒インクと相対的に浸透速度の速いカラーインクを用い、かつ黒インクとカラーインク間で化学反応を起こすことにより、滲みや乾燥性(定着性)を向上させるインクを用いた例について説明する。カラーインクには、黒インクと反応性があるカラーインクを用いている。第3実施例では、第1実施例と同様に、各記録画像領域をプリントヘッド2回の走査で形成する2パス記録方式を採っている。
図11は、印字順序を決定するためのテーブルを示す図である。図5において、入力画素データの各値はデータ値を示しており、入力画素データは、黒画像内部領域20、黒画像境界領域21は、黒画素で形成され、カラー画像内部領域22、カラー画像境界領域23はカラー画素で形成されている。マルチパス印字データ生成部206は、記録データ格納部204から入力画素データを受け取ると、図11に示したテーブルを参照して、各画素がマルチパス印字の際に先のパスで打たれるべきか又は後のパスで打たれるべきかを以下のように決定する。
黒画像内部領域20では、カラー画素を先の走査で打ち込み(「11」)、黒画素を後の走査で打ち込む(「11」)。黒画像境界領域21では、カラー画素を先の走査で打つ込み(「11」)、黒画素を後の走査で打ち込む(「11」)。カラー画像内部領域22及びカラー画像境界領域23では、付加情報に基づく印字制限は行わない。第3実施例では、黒画素の先打ち及びカラー後打ちによる制御は行わない。
第3実施例では、黒インクとカラーインク間で化学反応を起こすような特性をもつインクを用いているので、黒インクとカラーインクが隣接する領域および黒画像内部領域で、黒インクより先にカラーインクを用紙上に形成するようにしているため、黒インクの乾燥性(定着性)を高めることができる。マルチパス印字生成部26は、各領域の印字順序を決定すると、次にプリントヘッドの印字率を設定する。
図12は、マルチパス印字におけるプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。図6において、プリントヘッド4のノズルは1〜N番目まであるものとしている。マルチパルス印字生成部6bは、1回目の走査で、プリントヘッド4のノズルの内の1〜N/2番目までのノズルを使って、半分の領域にインクを打ち込むようにし、2回目の走査で、プリントヘッド4のノズルの内の(N/2)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むように、プリントヘッド4の印字率を設定する。
黒画像内部領域20では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/2番目までのノズルを使って、カラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N番目のノズルを使って、黒インクの打ち込むようプリントヘッド4の印字率を設定する。黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/2番目までのノズルを使って、カラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N番目のノズルを使って、黒インクの打ち込むようプリントヘッド4の印字率を設定する。
カラー画像境界領域23では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/2番目までのノズルを使って、カラーインクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。カラー画像内部領域22では、1回目の走査で、プリントヘッド4の内の1〜N/2番目までのノズルを使って、1/2に間引いてカラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N番目のノズルを使って、カラーインクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
次に、マルチパス印字データに基づく記録動作について説明する。図13は第3実施例におけるマルチパス印字データに基づく記録動作を説明するための図であり、同図(a)は元画像データを示す図、同図(b)は従来技術による2パス印字時の画像形成をパスごとに示す図、同図(c)は第3実施例における画像形成過程を示す図である。
図13(a)において、符号20は黒画像内部領域、21は黒画像境界領域、22はカラー画像内部領域、23はカラー画像境界領域をそれぞれ示している。なお、図13(b)は図7(b)同じ画像形成過程を示しているため、ここでは説明を省略する。
図13(c)の第3実施例に示すように、黒画像内部領域20および黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20及び黒画像境界領域21では、2回目の走査で、1回目の走査とは反対方向に走査して、プリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、上半分の領域に黒インクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜9番目のノズルを使って、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、2回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上半分の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時に、プリントヘッド4の1〜9番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、2回目の走査で、プリントヘッド4の1〜9番目のノズルを使って、下半分の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータで副走査方向に記録媒体を搬送させる。その後、黒画像内部領域20及び黒画像境界領域21では、3回目の走査で、1回目の走査と同一方向に走査して、プリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、下半分の領域に黒インクを打ち込む。カラー画像内部領域22では、3回目の走査で、プリントヘッド4の10〜18番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、下半分の領域にカラーインクを打ち込み、画像を完成させる。
第3実施例によれば、黒インクとカラーインク間で化学反応を起こすような特性をもつインクを用いて、黒インクとカラーインクが隣接する領域および黒画像内部領域で、黒インクより先にカラーインクを用紙上に形成するようにしたので、滲みや黒インクの乾燥性(定着性)を高めることができる。
次に第4実施例について説明する。第4実施例は、第1実施例と動作のみ異なるものであるため、第1実施例で説明したカラーインクジェット記録装置1を用いて説明する。第4実施例では、第3実施例と同様に、黒インクと相対的に浸透速度の速いカラーインクを用い、かつ黒インクとカラーインク間で化学反応を起こすことにより、滲みや乾燥性(定着性)を向上させるインクを用いた例について説明する。第4実施例では、各記録画像領域をプリントヘッド4回の走査で形成する4パス記録方式を採っている。
図14は印字順序を決定するためのテーブルである。マルチパス印字データ生成部206は、記録データ格納部204から入力画素データを受け取ると、図14に示したテーブルを参照して、各画素がマルチパス印字の際に先のパスで打たれるべきか又は後のパスで打たれるべきかを以下のように決定する。
黒画像内部領域20では、カラー画素を先の走査で打ち込み(「11」)、黒画素を後の走査で打ち込む(「11」)。黒画像境界領域21では、カラー画素を先の走査で打ち込み(「11」)、黒画素を後の走査で打ち込む(「11」)。カラー画像内部領域22は、付加情報に基づく印字制限は行わない。カラー画像境界領域23は、カラー画素を後の走査で打ち込む(「10」)。
このように、黒インクとカラーインクとの間で化学反応を起こす特性をもつインクを用いて、黒インクとカラーインクが隣接する領域および黒インク内部領域で、黒インクより先にカラーインクを用紙上に形成するようにしたので、反応凝固による滲みを防止できる。
マルチパス印字生成部26は、各領域の印字順序を決定すると、次にプリントヘッドの印字率を設定する。図15はマルチパス印字におけるプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。
マルチパルス印字生成部6bは、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4番目までのノズルを使って、1/4の領域にインクを打ち込むようにし、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むようにし、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むようにし、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域にインクを打ち込むようにし、プリントヘッド4の印字率を設定する。
領域毎に見ると、カラー画像内部領域23では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4番目までのノズルを使って、1/4の領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込み、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域を25%に間引いてカラーインクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4番目までのノズルを使って、1/4の領域を50%に間引いてカラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2番目までのノズルを使って、同領域を50%に間引いてカラーインクを打ち込み、更に2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2番目までのノズルを使って、同領域を50%に間引いて黒インクを打ち込み、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、同領域を50%に間引いて黒インクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
カラー画像境界領域23では、1回目の走査及び2回目の走査では、カラーインクの打ち込みを行わず、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、1/4の領域を50%に間引いてカラーインクを打ち込み、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域を50%に間引いてカラーインクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
黒画像内部領域20では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜N/4番目までのノズルを使って、1/4の領域を50%に間引いてカラーインクを打ち込み、2回目の走査で、プリントヘッド4の(N/4)+1〜N/2までのノズルを使って、同領域を50%に間引いてカラーインクを打ち込み、3回目の走査で、プリントヘッド4の(N/2)+1〜N×3/4番目までのノズルを使って、同領域を50%に間引いて黒インクを打ち込み、4回目の走査で、プリントヘッド4の(N×3/4)+1〜N番目までのノズルを使って、同領域を50%に間引いて黒インクを打ち込むようにプリントヘッド4の印字率を設定する。
次に、マルチパス印字データに基づく記録動作について説明する。図16は第4実施例におけるマルチパス印字に基づく記録動作を説明するための図であり、同図(a)は元画像データを、同図(b)は従来技術による4パス印字時の画像形成をパスごとに示す図、同図(c)は第4実施例における画像形成例を示す図である。なお、図10に示す例では、プリントヘッド4のノズル数が20個である場合を例にとって説明する。従って、図9においてN=20となる場合の例である。
図16(a)において、符号20は黒画像内部領域、21は黒画像境界領域、22はカラー画像内部領域、23はカラー画像境界領域をそれぞれ示している。図16(b)の画像形成処理は、図10(b)の画像形成処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。図16(c)の第3実施例に示すように、黒画像境界領域21では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、1回目の走査で、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、1回目の走査で、カラーインクの打ち込みは行わない。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、2回目の走査で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。黒画像境界領域21では、2回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域に黒インクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、2回目の走査で、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域では、2回目の走査で、カラーインクを打ち込まない。
次に、紙送り用のモータで副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、3回目の走査で、1回目の走査と同一方向に、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込む。この時、同時にプリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、3回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上1/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、4回目の走査で、1回目の走査とは反対方向にプリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、4回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、4回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から1/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の1〜5番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、4回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上1/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、5回目の走査で、1回目の走査とは同一方向にプリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。
黒画像境界領域21では、5回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、5回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の6〜10番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、5回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から2/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目のノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、黒画像内部領域20では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域に黒インクを打ち込む。黒画像境界領域21では、6回目の走査で、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域に黒インクを打ち込む。
カラー画像内部領域22では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
カラー画像境界領域23では、6回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から3/4の領域にカラーインクを打ち込み、プリントヘッド4の11〜15番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
次に、紙送りモータ6で副走査方向に記録紙を搬送させる。その後、カラー画像内部領域22では、7回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。カラー画像境界領域23では、7回目の走査で、プリントヘッド4の16〜20番目までのノズルを使って、マスクパターンを用いて、上から4/4の領域にカラーインクを打ち込む。
第4実施例によれば、反応型インクを用いているので黒画像内部領域20及び黒画像境界領域21ともにカラーインクを先打ちすることにより、黒インクの定着を促進し、黒画像境界領域21及びカラー画像境界領域23における滲みおよび黒画像内部領域20での乾燥性(定着性)を向上させることができる。
さらに、カラー画像境界領域23では反応型インクによる滲み防止効果だけでなく、黒印字後のカラー印字時間までの時間間隔を設けることにより、さらに黒画像境界領域21及びカラー画像境界領域23における滲みの発生を抑制することができる。
また、第4実施例で説明したように、4パス印字の際には、2パス印字の場合よりも、複雑なマルチパス印字データ生成規則を適用することができるので、従来例では得られない改善効果を得ることができる。なお、第1から第3実施例と同様に、画素変換処理については説明を省略するが、画素変換処理を合わせて行うようにしてもよい。
以上各実施例で説明したように、印字画像の境界判定による情報付加とこれに基づく印字制御により、印字速度の低下を伴うことなく、黒画像境界領域21及びカラー画像境界領域23の滲みおよび乾燥性を改善できる。また、滲みや乾燥性に対してより条件厳しい用紙を用いる場合は、画素変換処理を併用することにより、より改善効果を高めることができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
第1実施例に係るカラーインクジェット記録装置のブロック図である。
領域検出部による画素データの領域検出を説明するための図である。
第1実施例の画素変換のためのテーブルである。
画素変換例を示す図であり、(a)は入力画像データを示す図、(b)は画素変換後の画像データを示す図である。
第1実施例の印字順序を決定するためのテーブルを示す図である。
第1実施例におけるマルチパス印字のプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。
第1実施例におけるマルチパス印字データに基づく記録動作を説明するための図である。
第2実施例の印字順序を決定するためのテーブルである。
第2実施例のマルチパス印字におけるプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。
第2実施例におけるマルチパス印字データに基づく記録動作を説明するための図である。
第3実施例の印字順序を決定するためのテーブルを示す図である。
第3実施例のマルチパス印字におけるプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。
第3実施例のマルチパス印字データに基づく記録動作を説明するための図である。
第4実施例の印字順序を決定するためのテーブルである。
第4実施例におけるマルチパス印字のプリントヘッドの印字率の設定例を示す図である。
第4実施例におけるマルチパス印字に基づく記録動作を説明するための図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 画像処理装置
3 プリントヘッド駆動部
4 プリントヘッド
5 モータ駆動部
6 紙送りモータ
7 キャリッジモータ
201 色補正部
202 n値化部
203 画像処理部
203a 領域検出部
203b 画素変換部
204 記録データ格納部
205 マスクパターン生成部
206 マルチパス印字データ生成部