JP5483834B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置及びその記録方法に関する。特に、インクを吐出するノズルを集積配列したノズル列を有するマルチノズルインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとも言う)を記録媒体に対し往復走査させてマルチパス記録により画像を形成するインクジェット記録装置及びその記録方法に関する。
コンピュータ等の情報処理機器の普及及び通信環境の整備に伴う通信機器の普及により、それらの機器と共に使用される記録装置の一つとして、インクジェット方式の記録ヘッドを用いてデジタル画像を記録するインクジェット記録装置が急速に普及している。
このインクジェット記録装置として、記録速度の向上のため、複数のノズルを集積配列したノズル列を有する記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置がある。さらに、カラー画像の記録に対応するため、インク吐出口及び液路等からなるノズルを複数集積したノズル列を複数備えた記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置が一般的である。
また、画像品位を向上させることがユーザから要求されてきており、カラー画像を記録する場合、発色性、階調性、一様性などが優れた画像を記録させることが重要である。しかしながら、マルチノズルの記録ヘッドの製造工程で生じるわずかな構造上のばらつきが、記録時における各ノズルのインクの吐出量や吐出方向に影響を及ぼし、記録画像のスジや濃度ムラを生じさせて画像品位を劣化させる原因となっている。
記録画像のスジや濃度ムラの解消のために、マルチパス記録モード(分割記録方法)が提案されている(特許文献1乃至3参照)。これらは、ノズル列を所定の紙送り幅ごとの複数ブロックに分割し、紙送り幅の記録領域を、記録ヘッドの走査と紙送りとを複数回繰り返して、走査ごとに異なるブロックのノズルを用いて分割記録する方法(マルチパス記録方法)を開示している。
マルチパス記録方法は、ノズルの吐出量分布や着弾ヨレによる濃度ムラを低減、往復記録時の色ムラの低減及びインクのにじみ防止等に効果がある。
しかしながら、マルチパス記録方法は1パス記録と異なり、画像の完成に至る記録走査回数の増大をもたらし、スループットが低下する。すなわち、記録画像のスジや濃度ムラは、マルチパスの回数を増やすほど軽減するが、その分、スループットの低下につながってしまう。
そこで、スループットを向上させるために往路方向への走査時の記録動作後に記録ヘッドの走査方向を反転させて復路方向へ走査をさせる際にも記録動作をさせる双方向記録方式が提案されている(特許文献4及び5参照)。
しかしながら、比較的に少ないパス数(2〜6パス)で双方向記録を行うと、「打込順色ムラ」及び「時間差ムラ」が生じることが知られてきており、これらの改善方法が種々検討されてきている。「打込順色ムラ」及び「時間差ムラ」について以下に詳説する。
「打込順色ムラ」
例えば、図15に示すブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色の各インクをインク流路2805、2804を介して吐出口2803から吐出するインク毎のヘッドチップ2802を備えた記録ヘッドJ0010を用いて記録する。この記録ヘッドJ0010を吐出口2803の配列方向と垂直方向(図15中の左右方向)に往復移動して、同一の記録領域に対して3回の走査(3パス)で記録するものとする。
図6を参照して「打込順色ムラ」について説明する。
第一回目の走査である往路走査では図6中の右方向に記録ヘッドを移動させつつ記録を行う。記録パス6−001では、ノズル列のうち記録媒体の搬送方向における上流側(以下、先方)3分の1のノズルを用いて各インクを吐出させ、CMYKの順にインクドットが記録領域6−Aに着弾していることを示している。
続いて、ノズル列の3分の1の幅に相当する分紙送りを行った後、第二回目の走査である復路走査では図6中の左方向に記録ヘッドを移動させつつ記録を行う。記録パス6−002では、ノズル列の先方3分の2のノズルを用いて各インクを吐出させ、KYMCの順にインクドットが記録領域6−A及び6−Bに着弾していることを示している。このとき、ノズル列の先方3分の1では復路方向に走査しつつインクの吐出を行っているため、記録領域6−Bでは第一パスでKYMCの順にインクドットが着弾していることになる。また、記録領域6−Aでは第二パスがKYMCの順にインクドットが着弾していることになる。
さらに、第三回目の走査である往路走査では図6中の右方向に記録ヘッドを移動させつつ記録を行う。記録パス6−003では、ノズル列全てを用いて各インクを吐出させ、CMYKの順にインクドットが各記録領域に着弾していることを示している。
すなわち、記録領域6−Aにおけるインクドットの着弾順序は、第一パスCMYK→第二パスKYMC→第三パスCMYKであり、記録領域6−Bにおけるインクドットの着弾順序は、第一パスKYMC→第二パスCMYK→第三パスKYMCとなる。以降の記録においては、この記録領域6−Aと6−Bの関係が繰り返されて記録される。
このように記録が行われた場合、記録媒体上で形成される色味が記録領域6−Aに相当する部分と記録領域6−Bに相当する部分とで異なることがある。例えば、ある一定領域をシアンインクとイエローインクとを用いてグリーンとなるように記録する場合に、記録領域6−Aに相当する部分は第一パスでシアンインク→イエローインクの順にインクドットが着弾される。この第一パスで記録された部分では先に着弾したシアンインクの色が支配的となり、シアンの色味が強いグリーンのインクドットが形成されることがある。逆に、第二パスでは、第一パスと逆の方向に移動しながら記録するため打ち込み順序も第一パスとは逆になり、イエローの色味が強いグリーンのインクドットが形成されることとなる。最終の第三パスでは、第一パスと同様にシアンの色味が強いグリーンのドットが形成される。
以上のような、同一領域に対して3回の記録走査を繰り返すことにより画像を完成させる場合、記録領域6−Aでは、シアンの色味が強いグリーンのインクドットが支配的となるため、シアンの色味が優勢となる記録領域となる。逆に、記録領域6−Bでは、イエローの色味が強いグリーンのドットが支配的となるため、イエローの色味が優勢となる記録領域となる。
このように、異なる色のインクの打込順に基づいて色味の異なる記録領域(バンド)が交互に現れることとなって、バンドムラとして画質劣化が起こってしまう。図7は、記録媒体上に上記のような記録を行ったときの説明図であり、紙送り幅ごとに色味の異なる領域が発生してしまう様子を示している。
8パスでの記録や16パスでの記録のようにパス数(走査回数)を増大させてマルチパス記録を行うと、上記打込順色ムラは軽減させることができるが、スループットが犠牲になってしまう。また、パス数を増大させてマルチパス記録を行った場合であっても、インクの種類や記録媒体の種類によってはなお打込順色ムラが生じることがあり最良の改善策にはなっていない。
一方、高速記録を実現するために、マルチパスでの双方向記録におけるパス数の低減と記録ヘッドを走査するキャリッジの反転時間の短縮化を同時に満たそうとすると以下の「時間差ムラ」が生じることが知られている。
「時間差ムラ」
図8は、2パス双方向記録を行った場合における時間差ムラを表している。
2パス双方向記録では、第一回目の走査で図8の左端の記録開始位置から記録ヘッドを走査させ、ノズル列の先方2分の1のノズルにより、所望の画像を形成するために必要なインクドット数の略半分のインクドット数のインクを吐出させて記録する。続いて、図8の右端でキャリッジを高速に反転させ、かつ、所定の紙送り量(ノズル列の半分の長さに相当する量)の紙送りをする。
続いて、第二回目の走査でノズル列のうち記録媒体の搬送方向における下流側(以下、後方方)2分の1のノズルにより記録される領域では、第一回目の走査での記録によるインクドットを補完する位置にインクドットを着弾させるようにして記録させる。また、同時に、ノズル列の先方2分の1のノズルにより記録される領域に、第一回目の走査での記録と同様、所望の画像を形成するために必要なインクドット数の略半分のインクドット数のインクを吐出させて記録する。
続いて、キャリッジを記録開始位置で高速に反転させ、かつ、所定の紙送り量の紙送りをした後、第三回目の走査での記録を行う。このとき、ノズル列の先方2分の1のノズルにより、第一回目の走査での記録と同様の記録をし、ノズル列の後方2分の1のノズルにより、第二回目の走査での記録によるインクドットを補完する位置にインクドットを着弾させるようにして記録させる。
上記のように記録させたとき、画像の書き出しの記録領域Aに着目すると、第一パスでの記録が行われてから第二パスでの記録が行われるまでの時間間隔は、画像幅分の記録動作にかかる時間とキャリッジの反転動作にかかる時間との合計時間である。また、キャリッジの反転と同時に行われる紙送りにかかる時間がキャリッジの反転動作にかかる時間より長ければその差分も加わることになる。
一方、記録領域Aと隣接する記録領域Bでは、キャリッジの反転動作及び紙送りにかかる時間が主である非常に短時間の時間間隔で、第一パスでの記録が行われてから第二パスでの記録が行われることになる。
このことから、記録される画像幅が広いほど、記録領域Aにおける第一パスでの記録が行われてから第二パスでの記録が行われるまでの時間差(パス間時間差)と記録領域Bにおけるパス間時間差との差が大きくなる。例えばA4サイズ以上の大判記録を行う場合、この差はとても大きくなる。このように、記録画像の両端において、隣接するバンド間の画像濃度及び色調が異なることとなり、紙送りピッチの濃度ムラが生じることがあった。
この現象は図14に示すように、例えばシアンインクとマゼンタインクを順に着弾させたときの着弾時間差ΔTが小さい場合は、インク中の色材が記録媒体に深くまで分布するのに対し、着弾時間差が大きい場合は浅く分布することが要因と考えられる。
上記の説明では、簡単のために2パス双方向記録の場合を説明したが、2パスよりも多いマルチパスでの双方向記録の場合でも、インクの着弾時間差によって画像濃度及び色調が異なってしまうことにより濃度ムラが生じることがあった。そこで、時間差ムラが2パス記録の場合に限らず2パスよりも多いマルチパス記録の場合でも生じる例として、4パス記録の場合に生じる例を図9及び図10を用いて説明する。
図9の記録領域9−Aについて、第一記録走査9−001で所望の画像を形成するために必要なインクドット数の略1/4のインクドット数のインクを吐出させて記録する。続いて、第二記録走査9−002で所望の画像を形成するために必要なインクドット数の略1/4のインクドット数のインクを吐出させて記録する。この記録領域9−Aの一部分に相当する図10の記録領域Aでは、第一パスでの記録が行われてから第二パスでの記録が行われるまでに、画像幅分の記録動作にかかる時間とキャリッジの反転動作にかかる時間との合計時間分の時間がかかる。続いて、第三記録走査9−003では、第二パスでの記録が行われてからほぼキャリッジの反転動作にかかる時間のみの時間差で記録される。そして、第四記録走査9−004では、第三パスでの記録が行われてから画像幅分の記録動作にかかる時間とキャリッジの反転動作にかかる時間との合計時間分の時間差で記録される。
一方、記録領域9−Bの一部分に相当する図10の記録領域Bでは、第一パスでの記録が行われてからほぼキャリッジの反転動作にかかる時間のみの時間差で第二パスでの記録が行われる。また、第二パスでの記録が行われてから画像幅分の記録動作にかかる時間とキャリッジの反転動作にかかる時間との合計時間分の時間差で第三パスでの記録が行われる。そして、第三パスでの記録が行われてからほぼキャリッジの反転動作にかかる時間のみの時間差で第四パスでの記録が行われる。
図9に示すように記録領域9−Aでは、CMYK−時間差大−KYMC−時間差小−CMYK−時間差大−KYMCというインクの吐出順番及び時間差間隔で記録されている。また、記録領域9−Bでは、KYMC−時間差小−CMYK−時間差大−KYMC−時間差小−CMYKというインクの吐出順番及び時間差間隔で記録されている。
よってインクの吐出順番及び時間差間隔が異なることを要因の一つとして、図9に示したようなバンド間の濃度(色調)ムラが画像の端部で発生する。また、図10に示したように、同一のバンドにおいて、左端の部分と右端の部分で濃度差も生じてしまい、それが交互に現れることで櫛歯状のバンドムラが発生する。
以上説明してきた様に、記録ヘッドの複数回の記録走査により画像形成を行うインクジェット記録装置において双方向記録をする際に、低パス数で高画質を実現するには、「打込順色ムラ」及び「時間差ムラ」を解消しなければならない。
しかしながら、公知の技術では、最近の高画質化の要求にもあいまって、「打込順色ムラ」に対してはある程度の改善がなされているが、「時間差ムラ」に関しては十分な改善がなされていないのが現状である。
特に「時間差ムラ」は記録ヘッドの反転(キックバック)を高速で行う場合と大きなサイズ(A4程度以上:大判)の画像を記録する場合に特に顕著になる。このため、特に大判画像を記録する際にスループットを向上するためには時間差ムラの解消は重要である。
この時間差ムラに関連する技術として、往復の2度(2パス双方向)の記録走査で画像を完成させる場合に、第一パスでの記録走査において走査方向に対する記録配分を徐々に増やしていき、第二パスで補完する位置に記録するものがある(特許文献6参照)。これは、2パス記録の場合に、第一パスと第2パスにおける記録走査間の時間差が大となる記録位置において第一パスでの記録配分を減らし、時間差が小となる記録位置において第一パスでの記録配分を増やすものである。
さらに関連する技術として、濃度が高い画像領域において先行するパスの記録比率を低減させる技術が開示されている(特許文献7参照)。
一方、マルチパス記録における各パスでの記録比率の配分を異ならせる技術が開示されている。例えば、マルチパス記録モードにおける先行するパスでの記録比率が高くなるように記録する技術が開示されている(特許文献8参照)。例えば、4パスで7発のインクドットからなる画素を記録する場合に、1から3パス目までは2発ずつ、4パス目では1発のインクドットを吐出させて記録する。また、マルチパス記録における全てのパスにおいて、後半のパスにおける記録比率が徐々に低い記録比率となるようにする技術が開示されている(特許文献9参照)。さらに、マルチパス記録モードにおける先行するパスでの記録比率が低くなるように記録する技術が開示されている(特許文献10参照)。
米国特許第4748453号公報 特開昭58−194541号公報 特開昭55−113573号公報 特開2001−80093号公報 米国特許第6086181号公報 特開2004−82624号公報 特開2004−209943号公報 特開平6−286161号公報 特開2003−182051号公報 特開2001−063015号公報
上記特許文献6の技術によれば、2パス記録においての時間差ムラは低減することができる。しかしながら、2パスより多いマルチパスにおいての適応については開示されていない。このため、2パスより多いマルチパスにおいては記録走査方向に記録配分を変更させるには別途工夫が必要となる。
上記特許文献7の技術によれば、紙送り幅ごとに生じるつなぎ部のブリーディングを低減することができる。しかしながら、この技術は紙送り幅ごとに生じるつなぎ部のブリーディングを低減する技術であり、時間差ムラの改善に必要な記録比率の配分については説明していない。
一方、本発明者らが鋭意検討した結果、マルチパス記録を行う際の各パスでの記録比率の配分を最適にすることで、上述の「打込順色ムラ」や「時間差ムラ」を低減可能であるということを見出した。例えば、染料インクを用いてインク受容層をコートしたインクジェット専用紙に4パスで記録をする場合、最初のパスと最後のパスを低記録比率とすることで上記ムラを低減することができた。しかしながら、各パスで記録比率の配分を異ならせる上記特許文献8及び上記特許文献9の技術は、記録媒体の「あふれ」の状態を記録媒体で均一化するために、先行するパスにおける記録比率を高くするものであり、上記ムラの低減を改善する技術ではない。なお、記録媒体の「あふれ」とは、記録媒体に記録されたインクが記録媒体のインク受容層などのインクを吸収させる領域からあふれてしまうことであり、インクの定着性の低下に基づく画質の低下を招くものである。すなわちインクの浸透定着過程において受容層の湿潤状態により色材の定着状態が変わることを示唆しており、画像が形成されるまでの過程でこの「あふれ」の状態を制御することが上述の「打込順ムラ」「時間差ムラ」の低減に効果的である。そのため、最終パスで低記録比率とすること、また、最終パスが低記録比率であるとともに、最初のパスも同様に低記録比率であることが効果をもたらすものと推察される。
マルチパス記録を行う際の各パスでの記録比率を異ならせる技術においては、上記特許文献9にも記載されているとおり、ノズルの使用頻度に偏りが生じる。この偏りにより、使用頻度の高いノズルは経時劣化が激しくなり、記録ヘッドとしての寿命は短くなってしまう。また、インクを吐出することで生じる気流の影響により、記録比率が低い部分を記録するノズルと記録比率が高い部分を記録するノズルとで記録された部分のつなぎ目につなぎスジが発生しやすくなる。
そこで、本発明の目的は、マルチパス記録を行う際、ノズルの使用頻度を平準化するとともに、つなぎスジを生じさせることなく、打込順色ムラ及び時間差ムラを解消することが可能なインクジェット記録装置及びその記録方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、
インクを吐出するための複数の吐出口を有する記録ヘッドと記録媒体上の所定領域との往方向走査及び復方向走査を含む複数回の相対的な走査を行いながら、前記所定領域に対する各回の走査に対して定められた記録比率に従って前記複数回の各走査で異なる前記吐出口から前記所定領域にインクを吐出することにより画像の記録を行うための画像処理装置であって、
前記画像のデータに基づいて前記記録媒体の端部の単位領域に吐出するインクの量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記インクの量に応じて前記端部の前記所定領域に対応する前記記録比率を決定する決定手段と、
を有し、
前記決定手段は、前記インクの量が所定値のときの前記端部の前記所定領域への記録における最終回の走査の前記記録比率より、前記インクの量が前記所定値よりも大きいときの前記最終回の前記記録比率を小さくし、かつ、前記インク量が所定値のときの前記端部の所定領域への記録における前記最終回の走査の前記記録比率と前記最終回の走査以外の各走査の記録比率の平均との差は前記インク量が所定値よりも大きいときの前記端部の所定領域への記録における前記最終回の走査の前記記録比率と前記最終回の走査以外の各走査の記録比率の平均との差より小さくなるように、前記記録比率を決定する。
本発明によれば、マルチパス記録モードにおいて、特にインク打込量の多い画像領域における各パスでの記録比率の配分を必要量だけ変更することで、打込順色ムラ及び時間差ムラなどのバンドムラを低減する。すなわち、記録比率の配分を変更する必要のないの画像領域において記録比率の配分を変更することがないため、記録ヘッドのノズル列における記録比率の分布を異ならせたことによる気流の乱れに伴う色味変化を抑えられる。
さらに、記録素子の使用頻度の偏りを低減することができるため、記録素子の経時変化を均一化でき、結果として記録ヘッドの寿命を伸ばすことにつながるという効果を有する。
本発明により、パス数が少ないマルチパス記録モードにおいてもバンドムラが低減でき、ノズルの使用頻度を平準化できる。また同時につなぎスジを生じさせることなく、高画質で高速なプリント物が得ることが可能になる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口乃至これに連通する液路及びインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
本発明の実施例においては、記録媒体の同一領域に対して往路方向(往路走査)及び復路方向(復路走査)に複数回走査させながら記録を行うマルチパス記録の各走査で用いる記録データを生成する。記録データの生成にあたっては、入力多値画像データを画像記録に用いる2値の記録データに変換し、その後、記録データを分割マスクにしたがって分割記録データに分割し、各記録走査で記録する。
また、本発明においては、入力多値データを多値の状態で配分比率情報に基づいて分割し、分割された分割多値データを2値化して分割記録データとする場合にも適応する。
また、本発明においては、記録中に記録動作が一時停止してしまった場合、その後に記録する画像の再分配を行って記録する。
本発明のインクジェット記録装置及びその記録方法について以下に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るホスト装置として機能するパーソナルコンピュータ(以下、単にPCとも言う)の主にハードウェア及びソフトウェアの構成を示すブロック図である。
このホスト装置は、プリンタ104で記録する画像データを生成する。
図1において、ホスト装置であるPC100は、オペレーティングシステム(OS)102によって、アプリケーション101、プリンタドライバ103、モニタドライバ105の各ソフトウェアを動作させる。
アプリケーション101は、ワープロ、表計算、インターネットブラウザなどに関する処理を行う。モニタドライバ105は、モニタ106に表示する画像データの作成などを行う。
プリンタドライバ103は、アプリケーション101からOS102へ発行される各種描画命令(イメージ描画命令、テキスト描画命令、グラフィクス描画命令など)に従って描画処理する。そして、最終的にプリンタ104で用いる多値又は2値の画像データを生成する。詳しくは、図2で後述される画像処理をすることにより、プリンタ104で用いる複数の色のインクそれぞれに対応した多値又は2値の画像データを生成する。
PC100は、以上のソフトウェアを動作させるための各種ハードウェアとして、CPU108、ハードディスク(HD)107、RAM109、ROM110などを備える。CPU108は、ハードディスク107やROM110に格納されている上記のソフトウェアプログラムに従ってその処理を実行し、RAM109はその処理の際にワークエリアとして用いられる。
本実施例のプリンタ104は、インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体に対して走査し、その間にインクを吐出して記録を行ういわゆるシリアル方式のプリンタである。記録ヘッドは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)等のそれぞれのインクに対応して用意され、これらがキャリッジに装着されることにより、記録用紙などの記録媒体に対して走査される。それぞれの記録ヘッドは、吐出口の配列密度が1200dpiであり、それぞれの吐出口から4.5ピコリットル等のインク滴を吐出する。また、例えば、各記録ヘッドは1280個の吐出口を有している。
プリンタ104はマルチパス記録を実行可能な記録装置である。マルチパス記録を実行するために後述の各実施例で説明されるマスクが所定のメモリに格納されており、記録の際、走査方向、走査回数及びインクの色ごとに決められるマスクをメモリから参照し2値の分割記録データを生成する処理を行う。また、プリンタ104へ入力される画像データが多値の画像データである場合、後で説明する配分比率情報に従って、多値の画像データを分割し、その後分割された多値の画像データを分割記録データに変換する。
図2は、図1のプリンタ104で記録を行う際のPC100及びプリンタ104における主なデータ処理過程を説明するブロック図である。
本実施例のインクジェット方式のプリンタ(インクジェットプリンタ)104は、上述したようにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクによって記録を行う。そのため、これら4色のインクを吐出する記録ヘッドJ0010を備える。
PC100のアプリケーション101で、ユーザはプリンタ104で記録する画像データを作成することができる。そして、記録を行うときはアプリケーション101で作成された画像データがプリンタドライバ103に渡される。
プリンタドライバ103は、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、2値化処理J0005及び記録データ作成J0006の各処理を実行する。
前段処理J0002では、アプリケーション画面の表示器の色域をプリンタ104の色域に変換する色域変換を行う。具体的には、R、G、B夫々が8ビットで表現された画像データを3次元LUTにより、プリンタの色域内の8ビットデータに変換する。
次いで、後段処理J0003では、前段処理J0002で変換された画像データの色域をインクの色で再現するためこの画像データが表現する色をインクの色に分解する。具体的には、前段処理J0002にて得られた8ビットデータが表すR、G、Bの色成分の色を再現するため、インクの色に対応したC、M、Y、Kの色成分の8ビットデータを求める処理を行う。
γ補正J0004では、後段処理J0003で得られたC、M、Y、Kの色成分のデータ夫々についてγ補正を行う。具体的には、後段処理J0003で得られた8ビットのC、M、Y、K夫々のデータがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。なお、この段階でプリンタ104に入力多値画像データとして転送することもある。
次いで、2値化処理J0005では、γ補正がなされた8ビットのC、M、Y、Kそれぞれのデータを1ビットのC、M、Y、Kのデータに変換する量子化処理を行う。
最後に、記録データ作成J0006では、量子化前の多値データ或いは2値化された1ビットのC、M、K、Yのデータである画像データに記録制御データなどを付して記録データを作成する。ここで、2値の画像データは、ドットの記録を示すドット記録データと、ドットの非記録を示すドット非記録データを含む。なお、記録制御データは、「記録媒体情報」、「記録品位情報」、及び給紙方法等のような「その他制御情報」とから構成されている。
以上のようにして生成された記録データは、プリンタ104へ供給される。
一方、プリンタ104は、外部の装置であるPC100から入力された記録データに含まれる2値の画像データに対しマスクデータ変換処理J0008を行う。マスクデータ変換処理J0008では、予めプリンタ104の所定のメモリに格納されている後述の各実施例で説明されるマスクパターンを用い、入力された2値の画像データをAND処理し、2値の分割記録データとする。また、多値の入力画像データを後述する配分比率情報に基づいて分割された多値データに変換したのち2値化し、2値の分割記録データとする。これにより、マルチパス記録におけるそれぞれの走査で用いられる2値の分割記録データが生成されると共に、実際にインクが吐出されるタイミングが決定される。なお、2値の分割記録データには、ドット記録データとドット非記録データが含まれる。
図3は、インクジェットプリンタ104を示す斜視図である。
キャリッジM4000は、記録ヘッド及びこれにシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)それぞれのインクを供給するインクタンクH1900を搭載してある。キャリッジM4000は、この状態で図のX方向(主走査方向)に移動し、記録ヘッドの各ノズル(記録素子)は、2値の分割記録データに基づき所定のタイミングでインクを吐出する。記録ヘッドの1回の走査が終了すると、記録媒体は主走査方向と交差する方向である図のY方向(副走査方向)に所定量だけ搬送される。その後、順次主走査方向の双方向走査記録と、副走査方向の所定量の記録媒体の搬送を繰り返し、走査領域ごとに画像が記録され、プリント物を出力することができる。
以下は、画像データが2値の記録データに変換されてインクジェットプリンタに入力された後、分割マスクで2値の分割記録データに分割され、この分割記録データに基づいて記録されるまでを説明する。
図4は、2パス記録を説明するために、記録ヘッド、マスクパターン及び記録媒体を模式的に示した図である。ここでは、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを用いて記録する場合の例について説明する。
各色のインクを吐出するそれぞれのノズル群(各色ノズル群)は第1グループ及び第2グループの2つのグループに分割され、各グループには640個ずつのノズルが含まれている。各グループにはマスクパターンが対応付けられており、各マスクパターンの大きさは、後述の実施例では任意に決めることになるが、ここでは、各グループのノズル個数と同じで主走査方向640画素分、副走査方向640画素分とする。また、同色のインクのノズル群に対応する2つのマスクパターン(Y1とY2、M1とM2、C1とC2)は互いに補完の関係にあり、これらを重ね合わせると640×640画素に対応した領域の記録が完成される構成となっている。ただし、このようなマスクパターンに限定されない。
各色ノズル群はノズルの配列方向と略直交する方向(図の矢印で示した「記録ヘッドの走査方向」)へ移動しながら記録媒体にインクを吐出する。この例では、各領域に対してC、M、Y、のインク吐出が行われる。また、記録ヘッドの走査が終了するたびに、記録媒体は走査方向と直交する方向(図の矢印で示した「記録媒体の搬送方向」)に1つのグループの幅分(ここでは、640画素分)ずつ搬送される。こうして、このグループの幅に対応する幅の記録媒体上の領域は2回の走査によって画像が完成する。
さらに具体的に説明すると、第1走査では記録媒体上の領域Aに対して、第1グループのノズル群を用いてC、M、Yの順番で記録が行われる。そして、この第1走査で領域Aを記録する際は、マスクパターンC1、M1、Y1が用いられる。次に、第2走査では、第1走査での記録が終了した領域Aに対して、第2グループのノズル群をY、M、Cの順番で用いて第1走査での記録を補完する位置に記録が行われる。また、これとともに、未記録状態の領域Bに対して、第1グループのノズル群を用いてY、M、Cの順番で記録が行われる。したがって、第2走査で記録する際は、領域Aに対してはマスクパターンC2、M2、Y2が用いられるとともに、領域Bに対してはマスクパターンC1、M1、Y1が用いられる。そして、さらにこのような動作を続けることで記録媒体の各領域に記録が行われていく。
図5のP0003及びP0004は、2パス記録によって完成する画像を、それを構成するドット配置で示している。
なお、この画像は、説明を容易にするため、総ての画素にドットを形成するいわゆるベタ画像である。したがって、マスクP0002(マスクパターンP0002A及びマスクパターンP0002B)の記録許容画素の配置がそのまま反映されたドット配置で記録される。
第1走査では、第1グループのドット記録データは、マスクパターンP0002Aを用いて生成される。そして、記録媒体は図の矢印の方向にノズルグループの幅分ずつ搬送される。次の第2走査では、上記搬送された分ずれた領域に対する第1グループのドット記録データは、同じくマスクパターンP0002Aを用いて生成される。上記第1グループで記録された領域に対して記録を行う第2グループのドット記録データは、マスクパターンP0002Bを用いて生成される。こうして、この2回の記録走査によってノズルグループの幅分の領域における画像の記録が完成する。以上の記録走査と記録媒体の搬送とを交互に繰り返すことにより、マルチパス記録で画像が順次形成されていく。
さらに3パス、4パスとマルチパス記録におけるパス数を増やすことで、同一領域を通過する記録走査回数が増大し、スループットは低下するが、スジやムラの少ない画質が得られることとなる。
以下では、上述の記録システムにおいて用いられる、マルチパスでの双方向記録により画像を完成する本発明の具体的特徴部分についての実施例を説明する。
本実施例は、画像を記録する位置に応じて、メモリに用意したマスクを組合せて使用し、記録する場合についての実施例である。また、本実施例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各インクについて4回の走査で画像を完成する4パスによるマルチパス記録を実施した。
4パスによる記録の各過程について最初に図9を用いて説明する。なお、記録ヘッドは1色あたりノズル数1280個のノズル列(記録素子列)を有しており、各インクのノズル列は平行に並べられている。
第一回目の記録走査9−001でノズル列の先方4分の1のノズル(320ノズル)を用いて往路記録としてCMYKの順番でインクを吐出させて記録する。記録画像における図中の右端部まで記録した後、記録ヘッドの走査方向を反転させ、ノズル列の4分の1の幅に相当する分(320画素分)の紙送りを行う。
第二回目の記録走査9−002でノズル列の先方4分の2のノズルを用いて復路記録としてKYMCの順番でインクを吐出させて記録画像における図中の左端部まで戻りながら記録する。その後、記録ヘッドの走査方向を反転させ、紙送りをノズル列4分の1の幅に相当する分行う。この第二回目の記録走査において、ノズル列の先方4分の1のノズルでは第二回目の記録走査で初めて記録が行われる領域に第一パスの分割記録データに基づいて記録する。そして、ノズル列の中央側4分の1のノズルでは第一回目の記録走査で記録を行った領域に第二パスの分割記録データに基づいて記録している。
続いて第三回目の記録走査9−003でノズル列の先方4分の3のノズルを用いて往路記録としてCMYKの順番でインクを吐出させて記録し、紙送りをノズル列4分の1の幅に相当する分行う。そして、第四回目以降の記録走査においてもこれらの動作を繰り返すことにより画像の記録を完成させる。
したがって、第一回目の記録走査で記録が行われた領域(記録バンドともいう)では、第一パスではCMYKの順番でインク液滴が着弾し、第二パスではKYMCの順番でインク液滴が着弾する。続いて、第三パスではCMYKの順となり、第四パスではKYMCの順となる。
また、第二回目の記録走査で初めて記録が行われた領域では、第一パスでKYMCの順番でインク液滴が着弾し、第二パスではCMYKの順番でインク液滴が着弾する。続いて、第三パスではKYMCの順となり、第四パスではCMYKの順となる。
なお、本実施例では大判(A4サイズ以上)画像であるA0サイズの画像を記録した。そのため、記録ヘッドの走査方向(主走査方向)の記録画像の幅が広く、上述の課題として説明したパス間時間差の大小が、記録画像における主走査方向の端部の位置を記録する際に発生し、このパス間時間差の大小がバンドごとに組み合わされる。記録画像の端部においてパス間時間差が小になる部分における記録走査間の時間間隔は、先行の記録走査の後、数cm程度の加減速を行う空送距離を置いて反転し記録するため、0.2秒程度である。一方、記録画像の端部においてパス間時間差が大になる部分における記録走査間の時間間隔は、記録時のキャリッジ速度を25インチ/秒とした場合、往路記録、キャリッジの反転及び復路記録にかかる時間を合わせて、2.2秒程度となる。
次に、本発明の記録方法について図20のフローチャートを用いて説明する。
最初に、ステップS110で、画像データ及び記録制御情報を読み込む。PCから記録する画像の多値の画像データを読み込み、本実施例では記録装置において誤差拡散法により二値化する。また、同時に記録制御の指示であるマルチパス回数や記録画像の幅などの記録に必要な制御情報を読み込む。
次に、ステップS120で、記録画像における各位置のインク吐出量(インク打込量)を読み取る。ステップS110で読み込んだ画像データ及び画像の濃度とインク打込量との関係を示すルックアップテーブル(LUT)に基づいて、各インクの打込量を図11で示すように40画素×40画素で構成される画像領域ごとに読み出す。すなわち、記録画像における各位置の前記画像領域において総インク打込量(総インク吐出量)を取得する。なお、この画像領域のサイズは上記サイズより大きくても小さくてもよく、また、この画像領域は正方形及び長方形以外の形においても適応されうる。
次に、ステップS130で、各記録領域におけるパス間時間差を算出する。上記のとおり、記録画像の端部においてパス間時間差が小になる部分における記録走査間の時間間隔は0.2秒程度であり、パス間時間差が大になる部分における記録走査間の時間間隔は2.2秒程度である。このため、第一パスと第二パスとの間の時間間隔が2.2秒となる領域では、第二パスと第三パスとの間の時間間隔は0.2秒、第三パスと第四パスとの間の時間間隔は2.2秒となる。また、この領域のバンドと隣接するバンドにおけるこの領域と隣接する領域では、第一パスと第二パスとの間の時間間隔が0.2秒、第二パスと第三パスとの間の時間間隔は2.2秒、第三パスと第四パスとの間の時間間隔は0.2秒となる。
次に、ステップS140で、各パスでの記録比率を変更する画像領域の位置を特定するために第1の閾値であるインク打込量の閾値を設定する。本実施例では、パス間時間差が1.2秒を超える位置についてこの閾値を設定する。なお、この基準となるパス間時間差は、記録ヘッドの走査速度、キックバック反転に係る時間、記録に用いるインク及び記録媒体の種類などに応じて変更できる。パス間時間差が1.2秒を超える位置として、図11の画像左端部領域11A及び画像右端部領域11B(それぞれ画像の両端部20cm)を設定した。また、本実施例では、画像左端部領域11Aと画像右端部領域11Bとでキャリッジの反転にかかる時間が異なっていたために、バンドムラの状態から記録比率配分を変える必要のあるインク打込量が異なっていた。そのため、本実施例では画像左端部領域(一端)については12ml/mをインク打込量の閾値として設定し、画像右端部領域(他端)については18ml/mをインク打込量の閾値として設定した。
次に、ステップS150で、ステップS140で設定した閾値と比較してこの閾値を超える比較結果となった位置の画像領域について各パスでの記録比率を設定する。画像領域の位置ごとの総インク打込量から、インク及び記録媒体ごとにパラメータとして設定される任意の閾値となるインク打込量を超える画像の領域を抽出する。本実施例では、40×40画素の領域を単位領域とし、この単位領域ごとに抽出した。図11のインク打込量の閾値を超える領域11C及びインク打込量の閾値以下の領域11Dのうち、領域11Cがこの抽出された画像領域であり、インクの打込量及び画像における位置からバンドムラが出やすい領域が選択されている。選択された領域は、バンドムラを防止するために別途設計された記録比率配分となるマスクを適応する位置になる。
図12は、図11の一部を拡大して示したものである。図12の白抜きの領域は、通常の4パス記録をした領域であり、記録比率を24%、26%、26%、24%とし4回に配分して記録した領域である。また、インク打込量の閾値を超えている斜線領域は、別途の実験することにより決定した、1パス目に30%、2パス目に30%、3パス目に30%、4パス目に10%という配分の記録比率で記録した領域である。図18に、インク打込量の閾値を超える領域11C(第1の閾値を超える領域)に割り当てる記録比率配分と、インク打込量の閾値以下の領域11D(第1の閾値以下の領域)に割り当てる記録比率配分の設定値を図示する。
このように、本例では、インク打込量が大きく、特に時間差ムラの影響が生じやすい領域についてのみ、30:30:30:10という記録比率配分に設定する。なお、インク打込量が大きい領域で時間差ムラの影響が大きいのは、先に打たれたインクが乾燥されにくく、記録媒体が濡れた状態となっているために、後から打たれたインクの浸透を促進させて、濃度が低くなりやすいためである。
次に、ステップS160で、ステップS110で二値化した二値化データを、ステップS150で設定した各パスでの記録比率に基づき、各パスにおける記録ヘッドのそれぞれのノズルからの吐出及び非吐出を改めて定めた記録データに変換する。ここでは、図12で示されるこの領域全体のマスクをするマスクと、この各領域である40画素×40画素のサイズのマスクとを組み合わせて前記吐出及び非吐出を定めた記録データに変換する。なお、これらの2組のマスクの境界部分の画素においてマスクする画素が不用意に連続しないようにするのが好ましい。
そして、ステップS170で、ステップS160で生成した記録データに基づいて4パスでの記録する。
上記手順により記録された記録物は、つなぎスジが目立たず、また、ノズルの使用頻度も平準化され、インク打込量が多い画像領域についてもバンドムラが低減されていた。
なお、本実施例における実験条件として、記録媒体は「厚口コート紙:LFM−CPA00S:A0サイズ:キヤノン株式会社製」を使用した。また、インクはimagePROGRAPH iPF700用のインクタンク「PFI−102 C、M、Y、K:キヤノン株式会社製」に内包するインクを使用した。また、図15で示した記録ヘッドを用い、記録周波数15kHz、記録ヘッドの走査速度25インチ/秒で記録を行った。また、記録ヘッドは、各インクに対応して、約4.5plのインク滴を吐出するノズルを1200dpiの解像度で1280個配列されたものを用いた。また、記録画像の幅は大判サイズである36インチ画像とした。
本実施例は、実施例1と同様の装置を用い、多値の状態で画像データをPCから入力し、この多値の画像データを多値の状態で分割し、この多値の分割データを各パスの記録で使用する記録データに変換する際に2値化するものである。本実施例における記録までの主なデータ処理過程を表すブロック図を図17に示す。
本実施例の記録方法について図20のフローチャートを用いて説明する。
実施例1の場合と同様、最初に、ステップS110で画像データ及び記録制御情報を読み込む。ただし、本実施例ではこのステップにおいて画像データの二値化は行わない。以下、ステップS120からステップS150までは実施例1の場合と同様である。
ステップS160において、ステップS110で読み込んだ多値の画像データを、ステップS150で設定した各パスでの記録比率に基づき、各パスで記録するための多値のデータに分割する。さらに、この分割された多値の画像データを記録する際に使用する吐出及び非吐出を定めた二値の記録データに変換する。各画像領域の境界部分は、誤差拡散処理による上記二値化で滑らかにつながり、領域サイズピッチのテクスチャーの発生を未然に防ぐことができる。以下のステップS170の処理は実施例1の場合と同様である。
上記手順により記録された記録物は、バンドムラやつなぎスジが目立たず、また、ノズルの使用頻度も平準化され、インク打込量が多い画像領域についてもバンドムラが低減されていた。
本実施例は、記録過程において、PCからの画像データの入力が遅延した場合や、記録ヘッドのメンテナンスにより、通常の記録におけるパス間時間差以上のパス間時間差が発生した場合について記述する。例えば、記録比率配分を変更する必要が無い画像データに基づいて、全ての記録走査で均一の記録比率で記録するものとして記録が開始されていながら、途中に上記の理由から記録ヘッドが所定の位置に退避してしまった場合が挙げられる。このような場合にも本発明は適応される。具体例として、PCからのデータ転送が何らかの要因で時間がかかり、記録過程における第1の記録走査を終了した時点で、5秒の待ち時間が発生した場合について説明する。
この場合、第一の記録走査により25%分の記録が終了している。このとき、残りの3回の記録走査で、残りの75%分を記録することになるが、この待ち時間の間、記録ヘッドは画像の右端部で休止しているため、画像の左端部では次の記録走査までの待ち時間が2.2秒と5秒の加算値である7.2秒となる。記録当初は画像データから換算したインクの総打込量から記録比率の配分を変更して記録を行う必要が無かった画像領域において、パス間時間差が増したことにより記録比率の配分を変更して記録を行う必要が生じた。なお、この画像領域は、インク打込量が12ml/mを超える領域である。よって、インク打込量の閾値を12ml/mから8ml/mに下げ、記録比率の配分を残りの3回の記録走査で4:4:2に振り分けた。こうして、図13に示したように、新たなインク打込量となる第2の閾値を超えることとなった画像領域を指定し、この指定した画像領域を30:30:15の記録比率で記録した。
つまり、本実施例を一般化すると以下のようになる。記録媒体の同一領域に対してn回走査させて記録を行っている際に記録装置が記録を休止した場合は、休止した際(休止後)にnより小さいm回目の記録を行った画像領域における端部領域において、総インク打込量と、新たに定めた第2の閾値とを比較している。そして、この第2の閾値を超える端部領域について、m+1回目以降の各走査でのインク吐出量を改めて分配して記録している。
本実施例においても、新たに待ち時間が発生することにより生じるバンドムラを低減するとともに、気流の乱れによるものと推察されるスジの乱れを防ぐことができた。さらに、必要以上のノズルの使用頻度の偏りを防ぐことができた。
本実施例では、インク打込量の閾値を超える画像領域について、記録比率の配分を図19に示すように10:40:40:10とし、その他の条件は実施例1と同様にして記録を行った。すなわち、抽出した画像領域では最初のパスと最後のパスを、抽出した画像領域以外の領域に比べて、低い記録比率で記録した。
本実施例においても、つなぎスジとバンドムラの低減を両立すると共に、ノズルの使用頻度の偏りも減じることができた。
上述のとおり、待ち時間が発生することで、バンドムラが顕著になることが有る。例えば、大判プリンタを用いてA3サイズ以下の比較的に小さな画像を記録する場合、第一の記録走査において、この記録走査における画像の記録が終了した後すぐに反転動作をしない場合がある。すなわち、書き出し側と反対の端部まで記録ヘッドを移動させ、そこで予備吐動作などをさせてから記録ヘッドを反転させ逆方向に記録走査させる場合がある。このときは、書き出し側となる画像の左端部にバンドムラが発生する。このような場合にも本発明は適応できる。
主走査方向における画像の書き出し側にあたる画像の左端部において記録比率の配分を30:30:30:10とし、画像の右端部において記録比率の配分を24:26:26:24とする。すなわち左端部においてはそれ以外の領域に比べて、最終パスでの記録比率がより小さくなる別の記録比率で画像を完成させることになる。画像の左端部及び右端部それぞれについての判断は、記録動作をせずに記録ヘッドが走査する距離である空送距離に応じて判断される。本実施例では、この空送距離がA0の記録媒体の走査距離に相当する距離となる場合において、実施例1と同様に画像の端部から20cmまでの領域を画像の左端部及び右端部とした。そして、この領域におけるインク打込量の閾値を超える領域について記録比率の配分を変更して記録することで、良好な記録結果を得ることができた。
以上の各実施例は、予め定められた閾値を超える端部領域について、各インクにおいて、最後の走査で記録する際の記録比率が最後以外の走査で記録する際の平均の記録比率よりも少なくなるようにしている。
ここで、マルチパス記録の各パスに対して上述の記録比率の配分とすることが、バンドムラの低減に効果的であることについての説明を行う。
記録の行われる記録媒体には、サイズの異なる様々な空隙が形成されている。
例えば、マットコート紙のように、基紙上にシリカなどからなるインク受容層を構成してある場合には、数μmオーダーの空隙と、シリカ粒子塊内部のそれ以下のオーダーの空隙が形成されていると考えられている。
そして、記録ヘッドから吐出されたインクが記録媒体表面に着弾すると、インク(色材)は、まず比較的サイズの大きい空隙内へと浸透し、その後、比較的サイズの小さい空隙内へと移動して定着することになる。
先に吐出されたインクと後から吐出されたインクとの間に充分な時間差がある場合には、先のインクは比較的サイズの大きい空隙内へと浸透した後、比較的サイズの小さい空隙内へとすでに移動している。また、後のインクは記録媒体内の比較的サイズの大きい空隙内へと浸透できる。一方、先のインクと後のインクとの時間差が充分でないと、先のインクが未だ比較的サイズの大きい空隙内に残存しているために、後のインクは記録媒体に浸透できないものと考えられる。また、先のインクが既に小さい空隙へと移動した大きい空隙を伝って、後のインクはより深くに浸透して定着するとも考えられる。このように、先のインクと後のインクとの間の時間差によって、後のインクが記録媒体の浅い位置に浸透して高濃度になるか、若しくは記録媒体の深い位置まで浸透して高濃度になる。つまり、記録画像の濃度変動という観点では、複数のインクが吐出される場合、最後に吐出されるインクの影響が重要であるといえる。。
そのため、マルチパス記録においては、最終パスで吐出されるインクが各バンドの濃度に大きく影響することになる。ただし、最終パスの記録比率が小さければ、濃度に影響するインク量自体が少ないことになるので、時間差が大きい状態で最終パスが記録された領域と、時間差が小さい状態で最終パスが記録された領域との濃度の差は低減される。
そこで、マルチパス記録において、最終パスの記録比率を下げて、最後の走査での記録比率が最後以外の走査での平均の記録比率よりも少なくすることで、時間差の大小に伴う領域ごとの濃度変動を軽減し、時間差ムラの影響を抑制することができる。
また、打ち込み順ムラに関しても、最後に吐出されるインクの記録順がバンド毎の色味に最も影響を与えるため、同様に、最後の走査での記録比率が最後以外の走査での平均の記録比率よりも少なくすることで、上記ムラの影響を低減できる。
さらに、この打ち込み順ムラに関しては、図14の浸透現象に基くと、先と後に打たれるインクの浸透の深さが異なることから、初期のパスにおいてどの色が先に打たれたかが、表層に定着するインク色を決定することになる。よって、初期のパスにおいての記録比率を下げることで、打ち込み順ムラへの影響の低減が可能になると考えられ、図19に示した記録比率配分がムラの低減を可能にする。
また、上記の各実施例では、気流によるノズル列端部の吐出よれ等を考慮して、閾値以下となる端部領域における記録比率の配分を24:26:26:24と略均等としたが、25:25:25:25と完全に均等としてもよい。この場合には、ノズルの使用頻度をさらに平準化することができる。
またさらに、閾値以下となる端部領域においても、例えば、26:26:26:22のように、最後の走査での記録比率が最後以外の走査での平均の記録比率よりも少なくなるようにしてもよい。但し、閾値以下となる端部領域については、バンドムラの影響が軽微な領域であるので、最後以外の走査での平均の記録比率に対して最後の走査での記録比率を小さくしすぎた場合に生じ得る使用ノズルの偏りや気流の変化による悪影響を考慮することが望ましい。したがって、閾値以下となる端部領域における最後の走査での記録比率が最後以外の走査での平均の記録比率との差は、閾値を超える端部領域における最後の走査での記録比率が最後以外の走査での平均の記録比率との差よりも小さいことが好適である。
また、以上の各実施例は、染料インクとマット調の厚口コート紙を用いた例を示したが、顔料インクや、インクジェット光沢紙や上質紙などのコート紙以外を用いてもよい。また、濃度の薄い淡インク(淡シアンインク、淡マゼンタインク)や、レッド、ブルー、グリーンなどの特色インクを用いてもよい。
また、図16で示されるようなカラーインクのノズル列を対称に設けた構成の記録ヘッドを用いても良い。さらに、同じ色のインクを異なる吐出体積で吐出する構成の記録ヘッドを用いてもよい。
また、本発明は、上述した通り、色材を含有するインク以外の液体を用いることができる。このような液体としては、インク中の色材を凝集あるいは不溶化させる反応液が挙げられる。反応液を用いる場合、少なくとも1種のインクと反応液とを打込む際の時間差に基因するムラの発生を予防できる。
また、以上の実施例では走査回数4回の4パス記録を例示したが、5パス記録や6パス記録でもよい。
また、以上の実施例では複数色の記録ヘッドに一律にマスクをかける例を説明したが、一部の色にのみマスクをかける構成でも良い。例えば、一部のシアンインクのように凝集しやすい色材をもつインクは、打込順ムラや時間差ムラが発生しやすいことが知られており、このようなシアンインクにのみ本発明を適応する構成としてもよい。
以上の各実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために熱エネルギーを発生する手段を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。ただし、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式以外のピエゾ方式などでもよい。
また、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドを用いることができる。このような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドの他、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましい。具体的には、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
また、本発明実施例に於いては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、若しくは液体であるものでもよい。
さらに、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体又は別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
本発明の実施例に係るホスト装置として機能するPCの主にハードウェア及びソフトウェアの構成を示すブロック図である。 プリンタで記録を行う際のPC及びプリンタにおける主なデータ処理過程を説明するブロック図である。 本発明の実施例に係るインクジェット記録装置の斜視図である。 2パス記録を説明するために、記録ヘッド、マスクパターン及び記録媒体を模式的に示した図である。 2パスのマルチパス記録を説明するために、記録ヘッド及び記録パターンを模式的に示した図である。 打込順色ムラを説明する図である。 打込順色ムラが発生している例を示す図である。 時間差ムラが発生している例を示す図である。 時間差ムラを説明する図である。 時間差ムラが発生している例を示す図である。 本発明の実施例の記録方法を説明するために使用する図である。 本発明の実施例の記録方法を説明するために使用する図である。 本発明の実施例の記録方法を説明するために使用する図である。 インクの着弾時間差が短い場合及び長い場合における色材が記録媒体中に分布する深さを説明する図である。 本発明に用いる記録ヘッドを説明する図である。 本発明に用いる記録ヘッドを説明する図である。 本発明の実施例における記録までの主なデータ処理過程を表すブロック図である。 本発明の実施例におけるインク打込量の閾値を超える画像領域及びインク打込量の閾値以内の画像領域について記録比率の配分を説明する図である。 本発明の実施例におけるインク打込量の閾値を超える画像領域及びインク打込量の閾値以内の画像領域について記録比率の配分を説明する図である。 本発明の実施例の記録方法について示すフローチャートである。
符号の説明
104 プリンタ
108 CPU
J0010 記録ヘッド

Claims (6)

  1. インクを吐出するための複数の吐出口を有する記録ヘッドと記録媒体上の所定領域との往方向走査及び復方向走査を含む複数回の相対的な走査を行いながら、前記所定領域に対する各回の走査に対して定められた記録比率に従って前記複数回の各走査で異なる前記吐出口から前記所定領域にインクを吐出することにより画像の記録を行うための画像処理装置であって、
    前記画像のデータに基づいて前記記録媒体の端部の単位領域に吐出するインクの量を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記インクの量に応じて前記端部の前記所定領域に対応する前記記録比率を決定する決定手段と、
    を有し、
    前記決定手段は、前記インクの量が所定値のときの前記端部の前記所定領域への記録における最終回の走査の前記記録比率より、前記インクの量が前記所定値よりも大きいときの前記最終回の前記記録比率を小さくし、かつ、前記インクの量が所定値のときの前記端部の所定領域への記録における前記最終回の走査の前記記録比率と前記最終回の走査以外の各走査の記録比率の平均との差は前記インクの量が所定値よりも大きいときの前記端部の所定領域への記録における前記最終回の走査の前記記録比率と前記最終回の走査以外の各走査の記録比率の平均との差より小さくなるように、前記記録比率を決定する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記決定手段は、前記インクの量が前記所定値のときに、前記複数回の走査それぞれの前記記録比率が等しくなるように前記記録比率を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記走査の方向における前記記録媒体の一方の前記端部の所定領域への記録と他方の前記端部の所定領域への記録とで、前記所定値が異なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 記録が休止された場合に、前記休止までに前記端部の前記単位領域に吐出されたインクの量を取得する手段を更に有し、
    前記決定手段は、取得された前記休止までに前記単位領域に吐出されたインクの量に基づいて、前記休止から記録再開後の前記複数回の走査の各走査の記録比率を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. インクを吐出するための複数の吐出口を有する記録ヘッドと記録媒体上の所定領域との往方向走査及び復方向走査を含む複数回の相対的な走査を行いながら、前記所定領域に対する各回の走査に対して定められた記録比率に従って前記複数回の各走査で異なる前記吐出口から前記所定領域にインクを吐出することにより画像の記録を行うための画像処理方法であって、
    前記画像のデータに基づいて前記記録媒体の端部の単位領域に吐出するインクの量を取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記インクの量に応じて前記端部の前記所定領域に対応する前記記録比率を決定する決定工程と、
    を有し、
    前記決定工程は、前記インクの量が所定値のときの前記端部の前記所定領域への記録における最終回の走査の前記記録比率より、前記インクの量が前記所定値よりも大きいときの前記最終回の前記記録比率を小さくし、かつ、前記インク量が所定値のときの前記端部の所定領域への記録における前記最終回の走査の前記記録比率と前記最終回の走査以外の各走査の記録比率の平均との差は前記インク量が所定値よりも大きいときの前記端部の所定領域への記録における前記最終回の走査の前記記録比率と前記最終回の走査以外の各走査の記録比率の平均との差より小さくなるように、前記記録比率を決定する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  6. 前記決定工程は、前記インクの量が前記所定値のときに、前記複数回の走査それぞれの前記記録比率が等しくなるように前記記録比率を決定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
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