JP3880366B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、詳しくは、記録ヘッドの1回もしくは複数回の走査によりその走査領域の記録を完成する記録において、これらの走査領域の境界もしくはその近傍に生じ得る、いわゆる黒スジなどの濃度むらの低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェットプリンタなどのインクジェット記録装置では、高速で印字したいとするユーザーのニーズが近年高まりつつある。一方、印字品位向上のための一方法として、所定領域の記録を複数回の走査(以下、「パス」ともいう)で完成する、いわゆるマルチパス印字が有効な手段として知られている。このマルチパス印字方式で高速化を重視した印字を行うには、マルチパス印字のパス数を減らすことが直接的な方法である。
【0003】
これは、記録ヘッドの吐出口の数を固定して考えた場合、パス数が多いほど一回の紙送り量は小さくなり、逆にパス数を少なくするほど一回の紙送りの量を大きくすることができることから明らかである。例えば、2パスによる印字が行われているところを1パスで印字するとすれば、単純には約2倍の高速化が図れることになる。すなわち、パス数が少なくなればなるほど所定の印字領域(例えば、1枚の記録媒体)の記録に要する記録ヘッドの走査回数は減り、かつ、一回の紙送り量は大きくなり、結果的にその所定領域を印字するのに要する時間は短くなる。
【0004】
インク(記録液)を吐出する複数の吐出口を持つ記録ヘッドを、吐出口の配列方向とほぼ直交する方向に走査して印字を行う場合、その1回の走査が行われる領域として、図24に示すように上記吐出口の配列幅と同じ幅の帯状の走査領域(以下、「バンド」ともいう)が定まる。このバンドを1パスで印字する場合、一回の走査で被記録媒体上に吐出されるインクの単位面積当たりの量(以下では、形成されるドット数で表すことができ、「デューティー」ともいう)は、1バンドを2回以上の走査で印字するマルチパス印字の場合よりも多くなる。このため、記録媒体やインクの性質により程度の差はあるものの、1パス印字ではデューティーが高い部分において隣接するバンドの境界(以下、単に「つなぎ」ともいう)またはその近傍において濃度が高くなる、いわゆる黒スジが発生し易くなる。これは、図16に関して後述されるように、デューティーが高く記録媒体に打ち込まれるインク量が多いときには、一方のバンドから他方のバンドへインクが流れ込み(滲み)、これによって濃度が高くなるからである。
【0005】
また、この黒スジの発生は、複数の異なる色のインク(シアン、マゼンタ、イエローなど)を吐出する記録ヘッドがその走査方向に沿って配置される、所謂横並びと呼ばれている形態のヘッド配置構成においても、顕著となる。これは各色インクについてつなぎの位置が同じになるためである。横並びの記録ヘッドの模式図を図9に示す。図9に示すように、上記横並びヘッド配置で全吐出口を用いて印字する場合は、各インク色の記録ヘッドの吐出口は同じ領域を走査することになるため、1パスおよびパルチパス印字のいずれの場合も、各色インクについてつなぎ位置を異ならせることができない。このため、バンドにおけるつなぎ近傍に吐出されるインク量も他の部分と同様多くなり、図9に示す例ではY、M、Cの3色分となる。その結果、隣接するバンドから流れ込むインクの量もそれだけ多くなり、黒スジが顕著となる。
【0006】
以上のような、バンドとバンドの境界またはその近傍に生じる黒スジは、つなぎスジあるいはバンディングとも呼ばれており、このつなぎスジが目立つ場合には、印字品位は実使用に耐えがたいレベルとなる。
【0007】
一方、1パス印字においてこのようなつなぎスジを低減して高画質化を図るべく、つなぎスジ補正方法が提案されている。
【0008】
例えば、特開平11−188898号公報には、記録ヘッドを主走査方向に繰り返し走査して1バンド分ずつ画像の記録を完成するときに、記録ヘッドの1回の走査により記録される1バンドの印字データにおける第1ラスタまたは最終ラスタの少なくとも一方を所定数の画素からなる単位領域ごとに分割し、各単位領域について、その領域の印字データに基づき着目した色のインクの吐出量と他の色のインクの吐出量との合計に応じて、着目した色のインクの吐出量を低減させるよう印字データの間引きを行う方法が開示されている。
【0009】
また、特開平04−33470号公報では、印字に用いる記録媒体を識別し、その識別結果に応じて、印字データの補正量を変化させるという方法も提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のつなぎスジを低減する方法は、特に、印字に用いる記録媒体の種類やマルチパス印字におけるパス数との関係で、間引き量制御の精度が十分とはいえず、不要な間引き処理が行なわれたり、また、その処理のために印字速度の低下を招く場合があった。
【0011】
例えば、一般にパス数を増せばつなぎスジが低減するが、これを普通紙の場合に単純に適用すると、間引きの程度が強すぎて逆に白スジが発生し画質を劣化させてしまうことがある。また、用いる記録媒体やマルチパス印字のパス数によっては、間引きによる補正を行う必要がない場合があり、このような場合でも補正に関するデータ処理を行なうことにより、印字速度の低下を招くことがある。
【0012】
本発明は、上述の問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、記録媒体の種類やパス数に拘わらず、つなぎスジの少ないカラー画像を得ることができ、また、つなぎスジの補正を行う必要がない場合には印字速度の低下を防ぐことが可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明では、記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させつつインクを記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録データに付加された記録方法情報に基づき、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンドにおける、当該バンドのつなぎ近傍に前記走査で吐出するインクの量を低減するか否かを判定する判定手段と、該判定手段が前記インク量を低減すると判定したとき、前記記録データに基づき吐出されるべきインク量に応じた低減率で、前記走査で前記つなぎ近傍の所定領域に吐出されるインク量が低減されるよう記録データを補正し、該補正した記録データに基づき前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行ない、前記判定手段が前記インク量を低減しないと判定したとき、前記走査で吐出するインク量を低減する補正は行なわずに、前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なう記録制御手段と、を具えたことを特徴とする。
【0014】
また、記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させつつインクを記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録方法において、記録データに付加された記録方法情報に基づき、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンドにおける、当該バンドのつなぎ近傍に前記走査で吐出するインクの量を低減するか否かを判定し、該判定ステップが前記インク量を低減すると判定したとき、前記記録データに基づき吐出されるべきインク量に応じた低減率で、前記走査で前記つなぎ近傍の所定領域に吐出されるインク量が低減されるよう記録データを補正し、該補正した記録データに基づき前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行ない、前記判定ステップが前記インク量を低減しないと判定したとき、前記走査で吐出するインク量を低減する補正は行なわずに、前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なうよう記録を制御する、ステップを有したことを特徴とする。
【0015】
以上の構成によれば、記録データに付加された記録方法情報から、例えば記録媒体の種類とバンドの記録を完成するのに必要な走査回数を識別でき、その識別結果に基づいて、つなぎ部近傍に打ち込むインク量を低減するか否かを判定し、この判定がつなぎ部近傍への打ち込むインク量を低減する場合は、記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なうとともに、上記つなぎ部近傍の所定領域において記録データに基づいて打ち込まれるべきインク量に応じた低減率で、走査で打ちこむインク量を低減する処理を行ない、一方、上記判定が前記インク量を低減しないと判定したとき、走査で打ちこむインク量を低減せずに、上記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なうので、インク量の低減をする場合は、記録方法が示す記録媒体の種類や走査回数に応じた適切なインク量の低減を行なうことができ、また、インク量の低減を行なわないと判定したときときは、インク量低減を行なわなくてもそのときの記録方法に従うことによって、インク量低減の目的であるつなぎスジの発生を抑制できる。また、不必要にインク量低減処理を行なわずに済む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
なお、以下に記載される「黒スジ」とは、記録ヘッドの走査範囲の境界において濃度の高い部分として認識される「スジ」を意味する。
【0018】
また、画像の濃度が低い部分がスジ状に認識されるものを「白スジ」と称する。
【0019】
本発明の一実施形態では、記録媒体と1パス印字またはマルチパス印字のパス数を識別する。そして、この識別した記録媒体とパス数に応じて、各バンドにおけるつなぎ近傍の印字データ(以下、ヘッドドライバへ供給される最終的な印字データとして「吐出データ」ともいう)について間引き処理を制御する。詳しくは、識別した記録媒体の種類とパス数に応じて、間引き処理が必要か否かを判別する。そして、必要な場合には、上記近傍に付与されるインクの総量に応じた間引き量で吐出データの間引きを行なう。
【0020】
さらに、本実施形態では、上記インク総量に応じた間引き量を定めるに当たり、印字(本明細書では記録ともいう)する色によって、スジの見え方や間引きの効果が異なる点を考慮し、色相またはこれと彩度による色域を判断し、この色域ごとに上記間引き制御を異ならせる。
【0021】
詳しくは、1バンド分の印字データのうち、バンドにおけるつなぎ近傍の印字データを所定の単位領域のデータに区分し、単位領域ごとに吐出データにおける各インク色の吐出数(以下、ドット数ともいう)をカウントし、各インク色毎のドットカウント値からその単位領域の色域(後述する)を判定する。そして、この判定した色域に応じて、上記各インク色毎のドットカウント値の和として得られる各単位領域毎のドットカウント値(すなわち、デューティー)と、予め与えられる間引きランクグラフから、各インク色毎に間引き処理領域の間引きランクを決定し、後述のSMS間引き処理を実行する。
【0022】
以上概略を説明した本実施形態の主要な構成について、以下に説明する。
【0023】
記録媒体およびパス数の識別
つなぎスジの発生は、記録媒体のインク吸収特性や単位時間もしくは単位面積当たりの打ち込み量に大きく影響される。一般に、インクジェット記録装置で用いられる主な記録媒体は、普通紙、コート紙、光沢紙、光沢フィルム、ОHP用紙などが挙げられる。これらの記録媒体はインク吸収特性が異なり、例に挙げた中では普通紙が最もインク浸透が早く、隣接するバンド間で一方のバンドに先に打込まれたインクに対し、他方のバンドに後から打ち込まれたインクが浸透によって流れ込みやすい。このため、普通紙では黒スジが生じ易いといえる。
【0024】
マルチパス印字の2パス印字の場合、1回のパスにおけるインク打ち込み量は、おおよそ1パス印字の場合の半分となり、上述したインクの流れ込みも抑えられるためつなぎスジの発生の程度は1パス印字に比べ低い。このようにパス数を増やしていくと、例えば4パス印字などではつなぎスジの補正を行なわなくてもインクの流れ込みが抑制され、逆に、間引きによるつなぎスジ補正を行う場合には白スジが発生し印字品位の劣化を招くこともある。このようにパス数によっては、つなぎスジ補正を行なわなくても画像品位を劣化させるほどの黒スジが生じない場合がある。このため、本実施形態では、印字において設定されているパス数を識別し、その識別結果に応じてつなぎスジ補正を実施するか否かを定める。これにより、黒スジおよび不必要な補正による白スジなどの画像品位の劣化を防ぐことが可能となる。
【0025】
また、印字に用いる記録媒体のうち、光沢紙、光沢フィルムは、紙表面にインク受容層が設けられ、これにより、インクの浸透を紙表面の浅い部分で抑え、高濃度、高発色性などを実現できる。このような記録媒体で高デューティーの1パス印字を行うと、単位時間当たりのインク打ち込み量が多すぎ紙表面でのインクあふれ(ビーディング)を生じ易い。そのため、単位時間当たりのインク打ち込み量を制限すべくマルチパス印字方式が用いられる。このように、インク受容層を設けた記録媒体にマルチパス印字を行う場合はつなぎスジが発生しづらく、つなぎスジ補正を行なう必要性は少ない。また、つなぎスジ補正に関わる一連の処理を行わなければそれによる印字速度の低下もない。このため、本実施形態では、印字に用いる記録媒体をも識別し、その結果に応じてつなぎスジ補正を実施かするか否かを定める。
【0026】
間引き処理範囲
吐出データの間引き処理を行う領域は、図8(a)に示すように、隣接するバンドの境界を挟んだ双方のつなぎ近傍領域のうち、一方の領域の数ラスタ(図8(a)に示す例では、4ラスタ)とする。図8(a)に示す例では、先に走査が行なわれるバンドのつなぎ近傍の4ラスタが間引き処理を行なう領域となる。なお、間引きを行なう領域はこれに限られず後の走査が行われるバンド、あるいは双方のバンドのつなぎ近傍としても良い。いずれにしろ、先に走査されるバンドのインクが多少にじんだ状態で定着が促進しているところに次の走査が行なわれるバンドのつなぎ近傍のインクが引き寄せられる現象に対し、つなぎ近傍に打ち込まれるインク量を減らすことを行なう。つまり印字データを間引くことにより上記の引き寄せの量が少なくなれば良い。また、間引きを数ラスタにわたって行なう際、その中でラスタ毎、あるいはより小さな数ラスタ単位で間引きの度合い(本実施形態では、後述のランクグラフ)を独立に設定することで、例えば、つなぎに近い部分ほど間引きの度合いを上げるように設定することができ、間引き処理の精度を上げることができる。
【0027】
ドットカウント領域
ドットカウントを行う領域は、同様に図8(a)に示すように、つなぎ部を跨いで隣接するバンドにおける16ラスター×16画素の領域を単位領域とし、これを走査方向に繰り返した領域である。詳細が後述されるように、このドットカウント領域は、上述した間引きを行なう領域よりも大きい領域とし、かつ、つなぎ部を跨いで隣接する両バンドの印字データからドットをカウントすることにより、つなぎ部におけるにじみの状況を適切に把握することを可能とするものである。
【0028】
間引き処理方法
本実施形態においては、後述のSMS(シーケンシャルマルチスキャン)間引き処理と呼ばれる間引き方式を用いて、印字データの間引き処理を実行する。間引き処理方法としては他に、パターンマスクによる方法や、誤差拡散(ED)といった方法が考えられる。
【0029】
しかし、パターンマスクによる方法では、例えば、図25(a)に示す千鳥配列(チェッカーパターン配列)の間引きマスクを用い(白抜き部分に対応する画素のデータを間引く)、図25(b)、図25(c)に示すような、打ち込み画素は異なるが打ち込み量(デューティー)の等しい印字データについてそれぞれ間引き処理をすると、処理後のデータは図25(d)、図25(e)に示すものとなり、これらの図中、×で示される画素の印字データの間引きが行われる。この二つの図からわかるように、パターンマスクによる方法では、同じインク打ち込み量(デューティー)のデータであっても、印字データ(の画素位置)によって間引き量が異なり、間引き量を均等に制御できない場合が生じる。
【0030】
また、EDによる方法は、その一例として以下のような処理が考えられる。
・量子化された画像データの処理を行う画素に印字すべきデータがあれば、あらかじめ求めたノズル補正値に基づいて多値の値を割り当てる。
・周囲の画素からの誤差を加算する。
・所定のしきい値と比較して画素の印字データを間引くかどうかを決める。
・その判定により発生した誤差を算出する。
・その誤差を周囲の所定の画素へ振り分ける。
・量子化された画像データの処理を行う画素に印字すべきデータがなければ、周囲の画素からの誤差を取得し、それを周囲の所定の画素に振り分ける。
・誤差を振り分ける画素は、つなぎスジ処理の走査方向の画素と、それ以外に処理中の画素のデータ列からみて、次に処理を行うデータ列の画素のうち、少なくとも1つの画素に誤差を振り分ける。
【0031】
しかし、このような処理は、現在、多く用いられつつある高密度ノズルの記録ヘッドで、特に1パス印字を行う場合には、ノズルの数が多く印字データが多くなることからその処理に比較的多くの時間を要する場合がある。その結果、間引き処理のために印字動作の中断を招き、1パス印字を行うことによる印字の高速化を逆に阻害することにもなる。
【0032】
このため、本実施形態においては、間引き量の均等制御と高速処理を達成するため、SMS間引き処理を採用する。ここで、SMS間引き処理とは、間引きする領域の画素について順次処理を進めて行き、印字データがある(吐出データが“1”)画素では、カウンタ(レジスタ)により指定されるカウント値(特定のビット、例えばMSB)を読み、それが1ならばその印字データを間引かず(吐出が行なわれる)、一方、上記カウンタ値が0であるなら印字データを間引く(吐出が行われない)。そして、カウンタを右へ一つ移動(ビットをシフト)する。また、カウンタは一番右まで移動すると再び一番左へと戻る(サイクリックにシフトする)。この処理を画素の印字データがある毎に繰り返すことで、間引きドットを確定して(間引き処理をして)行く処理方法である。このように、印字データのある画素に対してのみ間引きか非間引きかを決定するので、間引き処理が印字データのパターンに同調することはない。
【0033】
間引きテーブル
使用するインクの記録媒体上への吐出順番によって印字端部における発色が異なることがある。記録インクの記録媒体への浸透の一例を模式的に図26(a)、図26(b)に示す。なお、インクの浸透の様子は、用いるインクの種類や記録媒体、印字環境、吐出時間差等により異なることは勿論である。
【0034】
図26(a)、図26(b)に示すように、通常、先に打込まれるインク231の下に、後に打込まれるインク232が潜り込む。このように、記録媒体上の同一位置に記録された異なるインクは、完全に交じり合って発色しているわけではなく、図26(a)に示すような状態となって発色している。この際、図26(b)中の円で示した印字領域の端部233は印字領域の内部234と発色が異なり、後に打たれた記録インクの発色が強いことがわかる。この発色の違いによってもつなぎスジを生じる。このため、先に吐出を行うインクと後から吐出を行うインクについて同じ間引き率を用いても、色の違いによるつなぎスジは解消することができない。
【0035】
そこで、本実施形態においては、インクが記録媒体に付着する順序を考慮して間引率を決定する。
【0036】
次に、本実施形態における間引率を決定するための間引きランクグラフについて説明する。そのグラフの一例を図13(a)に示す。
【0037】
この間引きランクグラフは、インクの色毎に設定されるものであり、上述したドットカウント領域のドットカウント数に応じた間引き率(間引きランク)を示すものである。間引きランクグラフは、スタートドット数、ドット間隔、MAXランクの三つのパラメータによる組み合わせによって指定することができる。また、間引きランクグラフから導かれる間引き率は複数の値が予め定まっている。例えば、本実施形態では間引き率として、0%、12.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75%、87.5%、100%の9ランクが設定されており、この中から上記ドットカウント値に応じた間引き率が決定されることになる。
【0038】
それぞれのパラメータの説明をすると、まず、スタートドット数は、間引き率12.5%(間引きランク1)を使用し始めるときのトータルドットカウント値を意味する。また、ドット間隔とは、次の間引き率(例えば12.5%の次ならば25%)に移行するまでのドットカウント数、すなわち、同じ間引き率を使用するドットカウントの範囲を意味する。MAXランクとは最大間引き率のことであり、これを超えた間引き率を選択することはなく、間引き率がMAXランクに達すると、その後ドット間隔分のドットカウント値があっても、間引き率を上げることはせずに、MAXランクの間引き率を保持することを意味する。
【0039】
このように3つのパラメータによって間引きランク、すなわち間引き率を設定できることにより、例えば、スタートドット数が3ビット(8段階)、ドット間隔が3ビット(8段階)、MAXランクが2ビット(4段階)のように、一つの間引きランクグラフを1バイト(8ビット)のデータとして表現することができる。
【0040】
なお、各パラメータの分解能を高めるためには、それぞれのパラメータのビット数を多くしても良い。あるいは、ビット数はそのままとし、これにさらに、間引きランクグラフ共通のオフセットをスタートドット数、ドット間隔、MAXランクの各々に対し1バイトずつで与えることによっても、パラメータのより精度の高い設定を行うことができる。
【0041】
このようにして、間引きランクグラフを設定するのに必要なデータ量を少なくすることができ、データ量を削減することができることは、本実施形態において有効である。それは、1パス印字のように印字スピードを重視する印字モードにおいて、本実施形態のような、つなぎ処理を行うためには、ソフトウエアで実施することは難しく、ハードウエアでの実施が望ましいからである。すなわち、ソフトウエアでデータ処理を行うと、記録ヘッドの走査スピードにデータの生成が間に合わず、印字データ待ちが生じ、印字速度を低下させることになる。このため、ハードウエア、例えばゲートアレイによる実施が望ましいが、必要なデータ数はゲート数に直接反映されるため、データ数が少ないほど回路規模の点で望ましい。
【0042】
間引きランクの他の例を、図13(b)に示す。この例は、ドットカウント値に応じた間引きランクの変化率を変更したい場合に有効なものである。
【0043】
すなわち、この例では、上記間引きランクを記述するために必要な3つのパラメータの他に、二つ目のランク変化率を規定するために、変更の開始点を示す変更ドット数とそれ以降の変化率を規定するドット間隔2を持たせるものである。このようなパラメータ設定を行えばより精度の高い処理が可能となる。
【0044】
色域判定
一般に使用するインクと記録媒体との関係によって、印字を行った際の記録媒体上でのインクの挙動が異なり、また、印字する色によって、つなぎスジの見え方や間引きがつなぎスジ低減に与える効果が異なる。
【0045】
例えば、白から、青そしてUC(アンダーカラー、YMCの混色)に向かうように変化する色では、青に向かうところではシアンインクとマゼンタインクを用いて印字をしており、青の彩度もしくは階調が最大になった点でシアン、マゼンタはそれぞれベタ印字のデータ、すなわち最大のデューティーのデータとなる。この青の最大点の色に対して、上述の間引き率の決定によれば、シアン、マゼンタに対して高い間引き率の間引きを行なう。
【0046】
そして、仮に、これと同じ間引きパラメータを、異なる色である、例えば白から赤、そしてUCに向かうように変化する色に適用することを考える。ここでは、赤の階調もしくは彩度が最大の点からUCに向かう点において始めてシアンインクを使用し始める。この点での打ち込み量は、マゼンタ、イエローそれぞれが最大のデューティーであり、このデューティーは上述した白、青、UCの変化における青からUCに向かう場合のものと等しいため、シアンおよびマゼンタに対して適用した間引き率と同じ高い間引き率で間引きを行うことになる。この結果、シアンを使用し始めて未だまばらな状態にしかドットが配置されていないシアンのドットを間引くことになり、シアンドットの抜けが目立つといった弊害が発生する。
【0047】
このように、本実施形態では、記録ヘッドの走査に係るバンドの端部である境界近傍の領域に付与されるインク(ドット)の総量に加えて、この領域の色相またはこれと彩度の情報、さらに、どの色のインクを用いて印字を行うかについての情報を得、それらの情報に応じて間引き率を設定する。このため、本実施形態では各色のドットカウント値から、処理にかかる着目領域(単位領域)の印字される色相またはこれと彩度の判定を行う。本明細書では、これらの判定される色相、または色相および彩度によって判定される色を色域と言う。
【0048】
以上説明した実施形態によれば、記録媒体の種類とバンドの記録を完了するために必要な記録ヘッドのパス数とに応じて、間引き処理の実行を制御するので、例えば、記録媒体の種類とそのときのパス数によっては間引きが過剰となって別のつなぎスジを生じるような弊害を防止でき、設定されている記録媒体の種類やパス数がどのようなものであっても、常につなぎスジが低減された記録を行なうことが可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、つなぎ近傍の記録データの数(形成するドット数)から着目領域の色域を判定し、この色域に応じて使用するインクの色毎に、また、記録位置毎に間引きランク(間引き率)の設定ができ、このように設定された間引きランクを用いて、各インク毎に間引き処理を行うことにより、1パス印字におけるバンド間において発生するつなぎスジの程度を緩和させることができる。
【0050】
他の実施形態
上記で説明した実施形態では、間引き率を定めるのに、所定領域のドットカウント値から間引き率(間引きランク)を求めるのに加え、色域を判定してこれを間引き率決定に反映させるものとしたが、本発明の適用はこの形態に限られない。例えば、間引き率を定めるのに当たり、上記色域を考慮しない場合でも、記録媒体の種類やパス数に応じて間引き処理の実行の有無を制御し、間引きを実行する際には上記ドットカウントに基づいて間引き率を定めることにより、記録媒体の種類やパス数にかかわらず、常につなぎスジが低減された良好な記録を行なうことが可能となる。
【0051】
以下、図面を参照して本発明をインクジェットプリンタに適用した具体的実施例のいくつかについて説明する。なお、各図において、同一符号で示す要素はそれぞれ同一または対応する要素とする。
(第1実施例)
第1実施例は、複数の記録ヘッドから記録媒体上にインクを吐出して印字を行うインクジェット記録装置に関するものである。
【0052】
記録装置の構成例
図1は本発明を適用したインクジェットプリンタの実施例の要部構成を示す模式的斜視図である。図1において、複数(3個)のヘッドカートリッジ1A、1B、1Cがキャリッジ2に交換可能に搭載されている。各カートリッジ1A〜1Cのそれぞれには、記録ヘッド部とこれを駆動する信号を、制御部から受けるためのコネクターが設けられている。なお以下の説明では上記記録手段を構成するヘッドカートリッジ1A〜1Cの全体または任意の一つを指す場合、単に記録手段(記録ヘッドまたはヘッドカートリッジ)1で示すことにする。
【0053】
上記複数のカートリッジ1は、それぞれ異なる色のインクを吐出するものであり、それらのインクを収納したインクタンク部を具えるものである。インクタンク部には例えばシアン、マゼンタ、イエローなどの異なる色のインクが収納されている。各記録手段1はキャリッジ2に位置決めして交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、上記コネクターを介して各記録手段1に駆動信号等を伝達するためのコネクターホルダー(電気接続部)が設けられている。
【0054】
キャリッジ2は、主走査方向に沿って装置本体に設置されたガイドシャフト3によってその移動が案内される。そしてキャリッジ2は、主走査モーター4により、モータプーリー5、従動プーリー6、及びタイミングベルト7を介して駆動され、その位置及び移動を制御される。記録媒体である用紙やプラスチック薄板等の記録材8は、2組の搬送ローラーの回転により記録ヘッド1の吐出口面と対向する位置(記録部)を通して搬送(紙送り)される。なお記録材8は、記録部において平坦な記録面を形成できるように、その裏面をプラテン(不図示)により支持されている。この場合、キャリッジ2に搭載された各カートリッジ1は、それらの吐出口面がキャリッジ2から下方へ突出して上記二組の搬送ローラー対の間で記録材8と平坦になるように保持されている。
【0055】
記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。すなわち、記録ヘッド1は上記電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮の際の圧力変化よって、吐出口(以下、ノズルともいう)よりインクを吐出するものである。
【0056】
本実施例に用いる複数の記録ヘッドのノズル構成を図9に示す。同図に示すように、本実施例ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インクについて記録ヘッドが用いられ、それぞれ複数の吐出口を備える。各ノズルは記録材8の搬送方向(排紙方向)に配列され、一方、これらのノズルを備えた各記録ヘッドは上記ノズル配列と略直交する方向である、主走査方向において走査される。
【0057】
図2は、記録ヘッド1のインク吐出部13の主要部構造を部分的に示す模式的斜視図である。記録材と所定の隙間(約0.5〜2[mm]程度)をおいて対面する吐出口面21には、所定のピッチ(ここでは、360dpi)で複数(ここでは、256個)の吐出口22が形成され、共通液室23と吐出口22とを連通させる流路24には上記の電気熱変換体(以下、吐出ヒータともいう)25が配設されている。本例においては、記録ヘッド1は吐出口22がキャリッジ2の走査方向と交差する方向に並ぶような位置関係で、キャリッジ2に搭載されている。こうして画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体25を駆動(通電)して、流路24内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口22からインクを吐出させる記録ヘッド1が構成されている。
【0058】
図3は、図1に示したインクジェット記録装置における制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0059】
図3において、コントローラ100は主制御部であり、例えばマイクロ・コンピュータ形態のCPU101、プログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納したROM103、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM105を有する。ホスト装置110は、本例のプリンタ位対し、印字データなどを供給するデータの供給源である。このホスト装置は、例えばプリントに係る印字データ等のデータ作成、処理等を行うコンピュータとすることができ、あるいは画像読み取り用のリーダ部等の形態とすることもできる。ホスト装置が処理した印字データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100と送受信される。
【0060】
操作部120は操作者が指示入力を行なうためのスイッチ群を有し、例えば電源スイッチ122、印字開始を指示するためのスイッチ124、吸引回復の起動を指示するための回復スイッチ126等を有する。
【0061】
ヘッドドライバ140は、印字データに応じて記録ヘッド1の吐出ヒータ25を駆動してインク吐出を行わせる。すなわち、ヘッドドライバ140は、吐出データを吐出ヒータ25の位置に対応させて整列させるシフトレジスタ、この吐出データを所定のタイミングでラッチするラッチ回路、駆動タイミング信号に同期して吐出ヒータを作動させる論理回路素子、その他、ドット形成位置合わせのために駆動タイミング(吐出タイミング)を適切に設定するタイミング設定部等を有する。
【0062】
記録ヘッド1には、また、サブヒータ142が設けられている。サブヒータ142はインクの吐出特性を安定させるための温度調整を行うために用いられるものであり、吐出ヒータ25と同時にプリント・ヘッド基板上に形成された形態および/またはプ記録ヘッド本体ないしはヘッドカートリッジに取り付けられる形態とすることができる。
【0063】
モータドライバ150はキャリッジ2(図1)の移動の駆動源となる主走査モータ152を駆動するドライバであり、副走査モータ162は記録材8(図1)を搬送(副走査)するために用いられるモータであり、モータドライバ160はそのドライバである。
【0064】
印字データ処理
図4は、本例にかかる、印字データを受信した後に、それらのデータについてバンド間でのデータ補正の判断処理、すなわち、つなぎ近傍の印字データについて間引きを行なうか否かを判定する処理の手順を示すフローチャートである。
【0065】
本処理は、ホスト装置110からの印字データの受信によって起動され、ステップS41で一連のデータ受信のための処理を行なうと、ステップS42において、ステップS41で受信された印字データの先頭(ヘッダー)部分に付加された記録方法情報を解析する。このステップS41で取得される記録方法情報は、本例では、記録に用いられる記録媒体の種類と印字パス数である。印字データの先頭部分は、通常はページ単位で付加されているため、本処理はページ単位で実行されることになる。
【0066】
ステップS43では、ステップS42で識別された記録媒体について、バンド間でのデータ補正処理、すなわち、間引き処理が必要か否かを図5にて後述する印字モードテーブルに基づき判断する。
【0067】
ここで補正が不要と判断した場合は、本処理を終了して通常記録、つまり間引き処理のない通常記録を開始する。なお、この通常記録は周知であるため説明を省略する。
【0068】
識別された記録媒体についてデータ補正処理が必要と判断したときは、ステップS44でパス数について同様の判断を行なう。すなわち、ステップS44では、ステップS42で識別された印字パス数が、データ補正処理が必要なものか否かを、ステップS43と同様に図5(a)、5(b)に示す印字モードテーブルを参照して判断する。ここで補正が不要と判断した場合には本処理を終了し通常記録を行う。一方、補正が必要なパス数と判断した場合には、ステップS45においてバンド間のデータ補正を行った間引き記録を行う。このデータ補正を行った間引き記録の詳細は図7に示されており、詳細は後述する。このように、本例では、印字に用いる記録媒体とその記録のパス数の双方が補正が必要であるときに、バンド間でのデータ補正処理を行なう。
【0069】
図5(a)および5(b)は、ステップS43およびS44における判断の内容を説明する図であり、具体的には、記録媒体とパス数に応じて間引き処理実行の有無を定めるデータを格納した印字方法テーブルを示す図である。
【0070】
本例では、ホスト装置から送られる印字データに付加された記録方法情報である記録媒体の種類と各バンドの記録を完成するのに必要なパス数に応じて、図5(a)または図5(b)に示すテーブルを参照し間引き処理を実行するか否かを定める。なお、この記録方法情報は、ホスト装置110におけるプリンタドライバを介し、ユーザーが記録媒体の種類と印刷品位に対応したパス数の組合せとして選択設定できるものである。
【0071】
図5(a)および5(b)は、本例では、プリンタの環境温度に応じて選択されるテーブルの二例を示している。それぞれの図において、ON/OFFは、間引きによるデータ補正処理実行のそれぞれ有/無を示している。なお、これらの図において、ONまたはOFFの記載がない欄は、本例のプリンタで設定されていない記録媒体とパス数の組合せにかかるものであり、こららの図に示すテーブルには本来的にデータがないものである。
【0072】
例えば図5(a)に示すテーブルでは、記録方法情報が示す記録媒体が、例えば、普通紙で、パス数がそれぞれ1、2、4パスのとき、つなぎ近傍の、上述した給紙側4ラスターの印字データについて、間引き処理を行なう。これは、普通紙の場合は、特に高温、高湿環境でパス数を多くしても比較的つなぎスジが生じ易いため、1パスや2パス以外に、4パスのときも間引き処理を行なうようにするためである。一方、コート紙が記録方法情報によって指示され、同様に指示されているパス数が、4パスまたは6パスのときは、このテーブルは間引き処理を行なわない旨のデータを出力する。これは、前述したように、コート紙のようにインクの浸透をその表面の比較的浅い部分に留めるような記録媒体では、つなぎスジが発生し難いため、4パスや6パスなどパス数を多くすることだけでつなぎスジを低減する効果は十分であり、さらに間引きをする必要がないからである。また、過剰に間引きを行なうことにより白スジが発生することも防止する必要がある。これにより、間引き処理および印字動作に不必要な時間を費やすことを未然に防止することも可能となる。
【0073】
図5(b)に示すテーブルでは、パス数が4パス印字以上の場合にはどの記録媒体においても間引き処理をOFFとし、且つ4パス印字未満のモードで間引き補正をONとするため、印字パス数のみ識別すれば、間引き処理実行の有無を判定することができる。このように印字モードの設定によっては印字パス数のみで間引き処理実行の有無を判定することも可能であり、判断処理(図4のステップS43)のための負荷を軽減することができる。
【0074】
つなぎを介したバンド間でのインクの流れ込みは、プリンタが使用される環境温度によって大きく左右される。このため、本例ではプリンタに内臓された温度センサによって検出した温度に応じて、テーブルを図5(a)に示す常・高温環境用と、図5(b)に示す低温環境用とで切替える。なお、環境の温度だけでなく、湿度などを考慮して上記のテーブルの選択を行なってもよい。また、記録媒体、パス数に応じて、間引き処理の実行の有無だけでなく、間引き量自体を上記ドットカウント数と合わせて考慮し、可変としても良い。
【0075】
図7は、図4のステップS45に示した、バンド間でのデータ補正処理の詳細を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS1では各色のインクに対応する1走査分の印字に関するデータ補正処理に必要な量の印字データを受信により取得する。この必要な印字データは、1走査の印字にかかる1バンド分のデータに加え、次の走査が行なわれるバンドのドットカウント領域分のデータが必要となる。ここで、1バンドとは、これまで説明してきたように1回の記録ヘッドの走査において形成される印字領域のことである。
【0077】
以上のように受信して得た印字データについて、単位領域ごとに以下のステップS2〜S5の処理を行なう。この単位領域は、図8(a)に示した16ラスター×16画素の領域であり、この領域毎に、まずステップS2でドット数をカウントし、ステップS3で色域判定を行ない、ステップS4で間引きランク決定を行ない、ステップS5でつなぎの近傍の4ラスター分の印字データについてSMS間引き処理を行う。ステップS6では、単位領域を走査方向にシフトして、上記の処理を1バンド分終了するまで繰り返す。以下に、これら処理の詳細について説明する。
【0078】
バンドの定義
図6(a)および6(b)は、パス回数に関する印字方法の二例を示す図である。図6(a)、6(b)はそれぞれ1パス印字、2パス印字の場合をそれぞれ示し、つなぎスジの発生する部分が異なる。つなぎスジは先の走査で打ち込まれたンクとその後の走査で打ち込まれれたインクの境界で発生するため、2パス印字が1パス印字の半分の紙送り量で形成されていれば、これらの図に示すように、このインクの境界であるつなぎも1パス印字のほぼ紙送り方向で半分の位置に存在することになる。このように印字パス数によって1バンドの領域は異なり、上述のバンド管理も紙送り幅を考慮して行う必要がある。
【0079】
ドットカウント
本例において、ドットカウントを行う領域はバンドのつなぎを含む16ラスター分の幅とする。
【0080】
ドットカウントは、本例のプリンタが搭載している記録インク全て、すなわち、シアン、マゼンタ、イエローの各色の吐出データである2値のデータに基づいて行い、これらインク全ての2値データのうち、インクを吐出することを意味する“1”のデータを1ドットとカウントし、その総和をドットカウントの結果のドットカウント値(もしくはトータルドットカウント値)とする。
【0081】
ここで、ドットカウント値について補足すると、1画素について「ドットカウント値が1である」とは、1画素にドットを一つ形成することであり、2の場合は1画素にドットを二つ形成することを示している。
【0082】
ドットカウントは、これまで説明したように、用紙の搬送方向に16ラスター、記録ヘッドの走査方向に16画素分の大きさの単位領域ごとに行なわれる。このため、トータルドットカウント値の最大値は、16(ラスター)×16(画素)×3(色数)=768となる。
【0083】
本例の間引き処理は、このドットカウントにより得られるトータルドットカウント値から、間引きランクを決定し、SMS間引き処理を実施するという手順で行う。また、各色のドットカウント値から単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得することが可能となり、この相対情報から単位領域の色域(色相、または色相および彩度)をも判定する。
【0084】
このような処理を、1バンド分全てにおいて走査方向に繰り返し行い、さらに、1ページ分の全てのバンドに対して処理を行うことによって、印字データを生成する。
【0085】
このため例えば、1バンドを形成するのに、360dpi、A4フルスキャン(A4用紙の幅方向にスキャンする長さであり、8インチとする)の場合には、360(dpi)×8(インチ)÷16=180となり、180の単位領域について計算を行うことになる。
【0086】
なお、トータルドットカウント値として、本例においては単純にシアン、マゼンタ、イエローのドットカウント値の総和としているが、色によってつなぎスジの発生への影響度が違う場合には各色毎に重み付けをしても良い。例えば、イエローインクが入るとつなぎスジの程度が悪化する場合は、イエローのドットカウント値に対して重み付けしてもよいし(例えばイエローのドットカウント値のみ1.2倍する)、また色により吐出量が異なる(例えばある色だけ吐出量が大きい)などの条件があるときは、それも考慮に入れてもよいことはもちろんである。
【0087】
以上のようなドットカウント処理によれば、1バンドのうちつなぎ近傍(すなわちノズル端部に対応)にある小領域のデータ処理ですむので、処理にかかる負荷は小さく、1パスのように印字速度を重視する関係上、その処理に割り当てられる時間が短い場合においても十分対処することが可能となる。
【0088】
また、つなぎ部を跨いだ16ラスター×16画素の領域をドットカウント単位領域とした理由について説明する。
【0089】
この場合、上述のとおり、トータルドットカウント値の最大値は、16×16×3(色数)=768となり、また、1バンドを形成するのに、360dpiでは180回、単位領域の計算を行なう。また、600dpi、A4フルスキャン(約8インチ)の場合には、600(dpi)×8(インチ)÷16=300となり、300回の計算を行うことになる。具体的には、図8(a)に示すように、レングス設定の全範囲に対して、ドットカウント単位領域毎にドットカウントを順次行い、全ドットカウント単位領域に対して計算を行ない、1バンド分のドットカウントを完了する。
【0090】
このようにつなぎ部を跨いだ領域をドットカウント単位領域とすることにより、つなぎ部前後の印字ドットの状態を把握することができる。つまり、つなぎスジが発生しやすいインク打ち込みがなされているか否かを判断することができ、より高精度なつなぎスジ補正処理を実施することが可能となる。これに対し、1バンド内のみでドットカウントを行う場合には、その領域内でのつなぎスジの要因となるインクにじみの量を想定することはできるが、次のバンドへの影響を把握することはできない。次のバンドのつなぎ近傍に打ち込まれるインク量によりつなぎスジの発生具合は異なる。例えば、次のバンドにある程度のインクが打込まれる場合は、相互のインクにじみによりつなぎスジは発生しやすくなるが、打ち込まれるインク量が少ない場合は、先行する走査にかかるバンドのインクにじみは発生する可能性はあるものの、つなぎスジになる可能性は少ない。
【0091】
ここで、つなぎスジの発生メカニズムの詳細を、図16(a)および16(b)を参照して説明する。
【0092】
先行する走査のバンドのインクが多少にじんだ状態で定着が促進しているところに、次の走査で隣接するバンドの記録が行われる。このとき、次のバンド内のインクが紙内部もしくは表面に浸透していく過程で、先行する走査のバンドに次の走査で隣接するバンドに新たに打ち込まれたインクが引き寄せられていくと考えられる。そして、この場合につなぎ近傍の印字データについてに何ら処理を施していないと、図16(a)に示すように、バンド間のつなぎを越えて流れ込むインク量が多くなり、つなぎ近傍の濃度が他の部分より増し、つなぎスジが発生すると想定される。
【0093】
従って、このようなつなぎスジの発生を抑制するためには、図16(b)に示すように、ドットの間引き処理を施し、隣接する少なくとも一方のバンドのインク量を低減させることが有効である。
【0094】
以上のように、つなぎスジは、つなぎに隣接する双方のバンドに打ち込まれるインク量に大きく依存するものであり、従って、つなぎを跨いだ領域をドットカウントの領域とすることにより、つなぎスジ補正処理の効果を向上させ、有効なつなぎ処理を実施することができる。
【0095】
また、つなぎに隣接するバンドについて、ドットカウントの際に、先行するバンドとの後の走査のバンドとで重み付けをしても良い。例えば、つなぎスジの発生が先行するバンドのインク量に起因する傾向が高ければ、先行するバンドのドットカウント値を1.2倍する等して、先行バンドのインク量により敏感反応する制御を実施することもできる。
【0096】
色域判定
次に、図7のステップS3に示した色域判定処理について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0097】
まず、図7のステップS2で上述したように各色のドットカウントを行う。ある単位領域におけるドットカウント値の一例を図11に、また、本例に用いる色域の区分を図12に示す。
【0098】
図11に示す例では、ドット数の多い順に、マゼンタ、シアン、イエローとなっている。ここで、シアン、マゼンタ、イエローのうち最も少ないイエローの部分は一般にUC(Under Color)と呼ばれる部分であり、二番目に多いシアンからUCを引いた部分が2次色(D2とも表記する。本例では青)、一番多いマゼンタから二番目に多いシアンを引いたものが1次色(D1とも表記する。本例ではマゼンタ)である。これらD1,D2,UCをステップS31で計算する。
【0099】
これらD1,D2,UCのうちで最も大きい値を取るものを判定することにより(ステップS32)、処理にかかる単位領域が図12に示す領域の中でどの色域にあるかを判定する(ステップS33)。図11に示す例ではD1が最も大きいため、ドットカウント領域はマゼンタの中にある、という判定を行うことになる。
【0100】
なお、D1,D2,UCで、最も大きいものが2つ、あるいは3つ存在する場合には、色域としては、UC、D2、D1の順番(UCとD2が同じならUC、D1とD2が等しいならD2となり、実際はD1が使用されることはない。)で決定することにする。
【0101】
間引きランクグラフ
以上の色域判定のあと、図7のステップS4で間引きランク決定の処理を行なう。図13(a)および13(b)は、上記間引きランク決定処理に用いる間引きランクグラフの二例を示す図である。
【0102】
図13(a)および13(b)において、縦軸に間引きランク(間引き率に対応)、横軸にトータルドットカウント値がとられている。すなわち、上述のドットカウントにより得られた単位領域ごとのトータルドットカウント値から、データの間引き率(SMSでいうところのカウント値)を得ることができる。
【0103】
本例においては、間引きランクとして、間引き率で0%、12.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75%、87.5%、100%が対応する、0〜8の9段階を設定する。この9段階に対応するドットカウンタ値の一例を図14に示す。
【0104】
また、本例における間引きランクグラフの指定方法は、前述したとおり、スタートドット数、ドット間隔、MAXランクの三つの数値による組み合わせによって指定する。図13には、これら三つそれぞれのパラメータが間引きランクグラフのいずれの特徴をに対応するかが示されている。
【0105】
なお、本例においては上記のように三つのパラメータ(スタートドット数、間引き間隔、MAXランク)により間引きランクグラフを指定することにしたが、特にこの方法に限定する必要はないことはもちろんである。例えば、本例のような間引きランクグラフの指定の仕方の場合、トータルドットカウント数と間引き率との関係が線形にしかできないが、これに代えて、間引きランクグラフそのものの形を規定することにより非線型の関係をもできるようにしてもよい。また、間引き率も上に挙げた9段階に限定する必要はなく、必要に応じて間引き率の段階を増減させてよい。
【0106】
図15(a)−15(f)は、本例で用いる間引きランクグラフを示す図である。上述のとおり、間引きランクグラフは、第2例にかかる図22、図23などで後述されるように、各色域毎に適切なものが設定されており、図15(a)−15(f)は本プリンタで用いる複数のインクによる、図12に示す色域のうち、判定されたマゼンタの場合を示している。
【0107】
そして、色域がマゼンタであると判定された領域を印字するのに用いるインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)ごとに間引きランクをそれぞれ指定する。さらに詳細には、それぞれのインク色について、図8(b)に示すように、4ラスターの間引き領域を副走査方向にupperとlowerの二つの領域に分割し、各領域ごとに独立した間引きランクグラフを指定する。このため、図15(a)−15(f)に示すように、マゼンタの色域について、6つの間引きランクグラフ(シアンインクupper、シアンインクlower、マゼンタインクupper、マゼンタインクlower、イエローインクupper、イエローインクlower)を指定する。
【0108】
また、本プリンタでは、これまで説明したように、ユーザの設定に応じ、同じ記録媒体を用いる場合においても印字パス数が異なる印字を行うことができるものである。
【0109】
例えば、図15(a)、15(b)は、シアンインクについて1パス印字用の間引きランクグラフを示している。また、同様に、図15(c),15(d)は、それぞれマゼンタインクに関する1パス印字に用いる間引きランクグラフを示し、図15(e),15(f)は、それぞれイエローインクに関する1パス印字に用いる間引きランクグラフを示している。上述のように色相がマゼンタの色域でると判定された場合においても、その色相は、シアン、マゼンタ、イエローの比率によって表現されるものであり、これら3色のインクによって記録が行なわれることから、図15(a)−15(f)に示す間引きランクグラフを用いて各色のインクそれぞれについて間引きランクが設定される。なお、2パス印字は1パスに比べて発生するつなぎスジの程度が軽く一般的には間引きの程度を軽くする傾向にある。このように色域や記録媒体の種類に加え、印字パス数に応じても間引きランクを異ならせることが好ましい。このため、印字パス数に応じて間引きランクを独立に設定することができる構成となっている。
【0110】
すなわち、本例では、1パス印字用の間引きランクグラフとは別に、図15(g)−15(l)に示す2パス印字用の間引きランクグラフを用意する。所定の領域の画像を完成させるために印字する走査回数が多くなるほど、1回の走査によって記録するドット数が少なくなり、その結果、記録媒体上に吐出されるインク量も減ることになる。従って、印字パス数が多くなるほど、黒スジの発生する程度も少なくなるため、印字パス数が多い場合には、間引き量を減らす必要がある。本例では、図15(g)−15(l)に示すように、2パス印字の場合には間引きの程度を、図15(a)−15(f)に示す1パス印字の場合より少なくしている。
【0111】
以上説明した図15(a)−15(f)は、色域がマゼンタの場合について示したが、実際にはこの組み合わせが、さらにシアン、イエロー、UC、さらに、ブルー、レッド、グリーンについても存在することはもちろんである。
【0112】
以上のように印字する領域の色域および印字に用いるインク毎に間引きランクグラフを指定することで、インクによる記録媒体上での挙動の違いや、異なるインク間での明度や彩度の違いによるスジの見え方の差などに起因して生じる、使用インクの違いによるつなぎスジの程度差に対応することができる。
【0113】
また、間引きランクグラフをインク色毎に指定できるので、つなぎ部において記録媒体への打ちこみ順により生じる端部での色の変化に対応することもできる。
【0114】
ここで、端部での色の変化とは、先に図26(b)を参照して説明したように、記録媒体への記録インクの打ちこみの時間差や記録媒体の性質により挙動は異なるが、本例のような横並びの記録ヘッドのように吐出時間差がごく短い場合において、例えば普通紙上の同一位置にシアン、マゼンタの順番で記録を行うと、後に打ち込まれるマゼンタインクの縁取りのようなものが形成されるというものである。このような端部での色の変化がある場合に、記録インク毎に間引き率を変えることにより、すなわち、先のシアン、マゼンタの打ちこみ順において、マゼンタの間引き率をシアンよりも大きくすることにより、つなぎ部のスジの程度をより良好な状態にすることができる。
【0115】
間引き処理領域
本例では、図8(a)を参照して説明したように、隣接するバンドの印字データのうち、給紙側バンドの端部の4ラスター分を処理することにし、主走査方向には16画素分の領域を単位領域とする。さらに、図8(b)に示すように、処理を行う4ラスターを、上述のようにさらに排紙側2ラスター(upper)、給紙側2ラスター(lower)という二つの領域に分割し、その各々について、間引きランクを決定できるようにする。
【0116】
図8(a)からもわかるように、本例の間引き領域とドットカウント領域は、同一の領域ではなく、ドットカウント領域の一部が間引き領域となっている。このように、間引き領域とドットカウント領域は一致している必要はない。
【0117】
これは、つなぎスジの発生がつなぎ近傍のみで起きている単純な現象ではなく、相互のバンド間でのインクにじみや、つなぎから数ラスタ離れた部分からのインクのにじみ出しがドットのつながり状態に応じて、連鎖的に伝わると考えられるからである。例えば、つなぎ近傍の4ラスター分のみインクが打ち込まれる場合と、つなぎから8ラスター分にインクが打ち込まれる場合とでは、つなぎスジの状態は異なる。後者の方が重度のつなぎスジとなる。これはつなぎから数ラスタ離れた部分からのにじみが徐々に伝わってきて、つなぎ近傍のインク量は比較的多くなるために、よりつなぎスジが発生しやすくなるためである。従って、ドットカウント領域は間引き領域より大きく設定することが望ましく、上記のインクにじみの連鎖的な伝わりを考慮した領域とするのがより好ましい。本例では間引き領域の2倍の領域をドットカウント領域としている。
【0118】
また、間引き領域に関しては、つなぎスジ補正処理を効果的に実施するために、ある程度の大きさの領域を間引き領域にする必要がある。逆に極端に大きすぎると、間引き処理によっては間引いたことによる濃度低下を引き起こしてしまい、例えば白スジを誘発する場合がある。これらの要因と、インクの特性から適切な間引き領域の幅が決定される。本例では、4ラスター(600dpiで約0.17mmの幅)を間引き領域としているが、つなぎスジ抑制の効果があり、且つ、白スジ誘発しない範囲の幅である。
【0119】
なお、本例においては、間引き処理領域を4ラスターとし、それを2分割することとしているが、4ラスターそれぞれに対して、つまり、4分割して間引きランクグラフを指定できるようにしてもよいことはもちろんである。
【0120】
このように、間引き領域内をさらに分割し、その各々に対して独立に間引きテーブルを指定できるようにすることにより、つなぎスジ発生の強さに応じてより適切な間引き率および、間引き領域の設定ができるようになる。
【0121】
上述のようにつなぎスジの発生は、単純なつなぎ部のみの現象ではなく、数ラスター離れた部分からのインクのにじみ出しがドットのつながり状態に応じて、連鎖的に伝わることが要因と考えられる。従って、つなぎ部のみを処理するのではなく、その近傍をインクにじみの観点から処理した方が、より効果的であると考えられる。当然のことながら、つなぎ近傍の1ラスターもしくは2ラスターが最もつなぎスジに大きな影響を与えている。更に、そこから1ラスタ離れた領域、2ラスタ離れた領域、3ラスター離れた領域、と距離に応じて、つなぎスジに影響する度合いが変化し、つなぎ近傍では、ある領域のラスターがつなぎスジ発生の要因となっているが、ラスター毎に影響度が異なる。
【0122】
この点から、間引き領域内を1ラスタもしくは2ラスター毎に、別々に間引きランクを決定し、そのラスターに適した間引き処理を行うことは上述したように好ましいことである。更にはつなぎスジ部からの距離に応じて、間引きランクを決定することにより、つなぎスジ処理の精度をより向上させることができ、ラスター毎の間引き量を更に適正化できるために、今まで以上の高精度なつなぎスジ処理を行うことが可能となる。
【0123】
SMS間引き処理
次に、図7に示すステップS5のSMS間引き処理について説明する。この処理は、前述したように、単位領域の画素について順次処理を進めて行き、吐出する旨のデータ“1”があるたびに、カウンタ(レジスタ)により指定されるカウント値(特定のビット、ここではMSB)を読み、これが1のときはその画素について吐出データを“1”のままとして吐出する旨のデータとする。一方、カウンタ値が0であるときは、吐出データ“1”を“0”としてデータの間引きを行う。そして、カウンタを右へ一つ移動する。カウンタは一番右まで移動すると再び一番左へと戻る。この処理を画素について吐出する旨のデータ“1”があるたび繰り返すことにより、間引き画素を確定して行く。
【0124】
SMS間引きについて、より具体的に図17(a)−17(d)および図18(a)−18(f)を参照して説明する。
【0125】
図17(a)−17(d)および図18(a)−18(f)において、吐出データのうち、吐出する旨のデータを○で、また、吐出しない、すなわち、吐出データが“0”のデータを×で示す。また、処理にかかる注目しているデータを太字で示す。カウンタ値については、印字を行うところを1で、印字データを間引くところを0で示し、カウンタにより指定されているカウンタ値を太字で示した。
【0126】
図17(a)において、1つ目の印字データは○であり、カウンタ値が0であるので、1つ目のデータは間引かれる。そのため、処理後の1つ目の印字データは×となり、またカウンタは右へ一つ移動する(図17(b))。次のデータは印字しないので、×そのままであり、カウンタも移動することなくそのままの位置に残る(図17(c))。3つ目の印字データでは、カウンタの移動がなくカウンタ値が1のままであるので、印字データは間引かれずそのまま残り、カウンタが右へと一つ移動される。このようにして、印字データは4つに1つの割合で間引かれることになる(図17(d))。
【0127】
また、図18(a)−18(f)は、間引き処理領域が4ラスタであることから、主走査方向に8画素、副走査方向に4ラスターの領域(本例での間引き処理の単位領域を図示の簡略化のため主走査方向に半分にした領域)を、間引きランクを排紙側2、給紙側4とした場合について、間引き処理前と間引き処理後のデータを説明する図である。
【0128】
説明の簡略化のため、図18(a)に示すように、排紙側のほうから第1ラスタ、第2ラスタ、第3ラスタ、第4ラスタと呼ぶことにする。
【0129】
ここで、SMS間引き処理は排紙側のラスタから、ラスタ毎に行うものとし、1つのラスタの処理を終了すると、次のラスタの処理に移ることにする。このときSMSカウンタは間引きランクが変わっても初期位置には戻さないものとしてある。また、SMSカウンタは本例においては間引き処理領域が一つのバンド内で隣の領域に移っても初期位置に戻すことはせず、カウンタ位置は一つのバンド内においては保存される。なお、次のバンドの処理で間引き領域が他のバンドに移った場合には、カウンタ位置を初期位置に戻すことにする。
【0130】
さらに、カウンタの1バンドのはじめ処理領域での初期位置は、ランダムに指定することにする。その結果、第1ラスタから第4ラスタは、それぞれ図18(b)−18(e)に示すように処理がなされ、全体としては図18(f)に示すようになる。
【0131】
以上説明したように、本例のつなぎスジ補正によれば、つなぎ近傍の記録データの数(形成するドット数)から、着目領域の色域を判定し、この色域に応じて、使用するインク色毎に間引きランクを設定できる。このように設定された間引きランクにより各インク毎に間引き処理を行うことにより、バンド間でのつなぎスジの発生の程度を緩和させることができる。
【0132】
(第2実施例)
本発明の第2の具体的な実施例は、以上説明した第1例と同様に、複数の記録ヘッドにより被記録媒体上にインクを吐出して記録を行なう方式に関するものである。
【0133】
本例に用いるインクジェット記録装置の構成、間引き処理領域、SMS間引き処理は上述の第1例と同じである。
【0134】
ドットカウント
本実施例におけるドットカウントのための単位領域は、上記実施例1と同様とする。
【0135】
本例で用いるヘッド構成を図19(a)に示す。
【0136】
この構成では、黒インクのノズル数を、カラーインクのノズル数の倍以上とし、黒のみのデータの際、例えば文字等の文書データのみを印字する際には黒ノズルを全て用いて印字スピードを増すようにするものである。また、黒とカラーが混在する画像等を印字をするときは、黒インクとカラーインクとの間のブリードを防止するため、黒インクの使用ノズル数を減らし、黒インクとカラーインクの吐出相互で、少なくとも1スキャンのブランクをあけるようにする。
【0137】
以上のような構成に基づき、黒のみの印字を行う場合の模式図を図19(b)に、黒、カラー混在の画像等を印字するときの状態を図19(c)に示す。
【0138】
つなぎスジが発生しやすいのは、記録媒体上へインク量を多く吐出するカラー画像などを印字するときである。その際に黒インクの吐出は、本例のようなノズル構成では、カラーの各インクの吐出に先立って行われ、カラーインクを吐出する際にはすでに黒インクの吐出は完了し、記録媒体へ定着しているので、黒インクのつなぎスジ発生に対する影響は少ない。
【0139】
以上により、本例においては、黒インクのドットカウントは行わずに、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)のみのドットカウントを行ない、これに基づいてつなぎ処理を行う。
【0140】
色域判定
本例における色域の区分を図20に示し、このときの色域決定方法の一例を次に説明する。
【0141】
まず、色相の決定方法を説明する。ここで、色相とは、図20における一番外側の円周に沿ってどの位置にあるか、すなわち1次色(シアン、マゼンタ、イエロー)か、2次色(青、緑、赤)か、その中間の色かを示すものである。
【0142】
図21(a)は、1次色、2次色、その中間色の決定の仕方を説明する図であり、横軸に1次色のドットカウント値を、縦軸に2次色のドットカウント値(二つの1次色のドットカウント値の和)をとったものである。この図に示すように、色相がドットカウント値に応じた、1次色、2次色、その中間のいずれに属するかを決定する方法は、1次色のドットカウント値を2で割ったものと、2次色のドットカウント値と比較し、2次色のドットカウント値より1次色のドットカウント値を2で割ったものの方が大きいときは、色相は1次色であると判断する。
【0143】
一方、1次色のドットカウント値と、2次色のドットカウント値を2で割ったものとの比較を行い、2次色のドットカウント値を2で割ったものの方が大きいときは、色相は2次色に、また、それ以外のときは中間の色相にあると判断する。
【0144】
次に、彩度、すなわち、図20に示す円おいて中心に近いか、円周に近いかその中間かの判定を行う。
【0145】
図21(b)は、横軸に1次色と2次色のドットカウント値の和をとり、縦軸にUCのドットカウント値をとり、高彩度、低彩度およびこれらの中間の色相の決定の仕方を説明する図である。この図に示すように、1次色と2次色のドットカウント値の和を2で割ったものとUCのドットカウント値との比較を行い、1次色と2次色のドットカウント値の和を2で割ったものの方が大きいとき、彩度は一番円周に近い側の領域、すなわち高彩度の色域と判定できる。
【0146】
一方、UCのドットカウント値を2で割ったものと、1次色と2次色のドットカウント値の和との比較を行い、UCの値を2で割ったものの方が大きいときは、彩度は一番中心に近い側の領域、すなわち、低彩度の色域(本例では、図20に示すようにUC)と判定する。それ以外はその中間の彩度の領域として判定する。
【0147】
以上の、色相、彩度の判定方法をより簡単に表現すると以下のようになる。
【0148】
Figure 0003880366
【0149】
Figure 0003880366
【0150】
このように、色域を細かく分割することにより、インクによるつなぎスジの程度差に、より対応しやすくなり、また、使用する色毎のつなぎスジの挙動の違いにも対応しやすくなる。
【0151】
間引きランクグラフ
本例に用いる間引きランクグラフの一例を図22(a)−22(f)に示す。図に示す例は、図20に示す青の色域について用いる間引きランクグラフを示し、上述した第1例と同様、印字に用いる3種類のインクそれぞれについてupperとlowerの間引きランクグラフが用意される。
【0152】
本例では、図20に示した色域のうち7つの領域(シアン、マゼンタ、イエロー、青、緑、赤、UC)について使用するインク毎の間引きランクをそれぞれ指定することとし、それ以外の中間領域の間引きランクグラフについては、この7つの領域のグラフから計算によって算出する。これにより、ランクグラフのデータ量を低減することが可能となる。
【0153】
グラフの算出方法は、例えば、色相の中間領域については、その中間領域の両側の色相である、1次色(シアン、マゼンタ、イエローのいずれか)と2次色(青、緑、赤のいずれか)それぞれの間引きランクを求め、その平均を算出することにより、その中間色相の間引きランクとする。同様に、彩度の中間領域については高彩度と低彩度(UC)の間引きランクの高いものを取ることとする。さらに、色相と彩度がともに中間となる色域の間引きランクは、例えば、1次色および2次色それぞれの彩度が中間となる色域の間引きランクをそれぞれ求め、これらの色域の間引きランクの平均を算出することにより、色相と彩度がともに中間となる色域の間引きランクを求める。
【0154】
以上から明らかなように、本例において用意する間引きランクグラフの数は、インク毎(シアン、マゼンタ、イエロー)に間引きランクを指定し、間引き領域を2分割することから、7(色域)×3(インク数)×2(間引き領域の分割数)=42個となる。
【0155】
このうち、例えば上記色域判定で着目している単位領域が青であると判定されたときは、実際に使うのは42個のグラフのうち、色域が青用の間引きランクグラフとなる。図22(a)−22(f)はこれを示すものである。また、同様に色域が赤の間引きランクグラフを図23(a)−23(f)に示す。
【0156】
以上のように用いる間引きランクグラフが決定すると、前述のとおり求めたトータルドットカウント数によりこのグラフを参照し、SMS間引き処理に使用する間引きランクを決定する。
【0157】
以上説明した例のように、間引きランクグラフを、分割された色域全てに対して用意するのではなく、基本となるグラフを容易し、その中間の領域については計算で求めるようにすれば、データ量を減らすことができる。
【0158】
ランク決定後は第1例と同様に単位領域に対してSMS間引きを行い、以上を1バンド分行った後、1走査分の記録を行う。
【0159】
ここで、先に説明した白から、青そしてUCに向かうような色を印字する場合の間引き処理について、図22(a)−22(f)を参照して説明する。
【0160】
青に向かうところではシアンインクとマゼンタインクを用いて印字をしており、青の彩度もしくは階調が最大である色を印字する場合、シアン、マゼンタはそれぞれベタ印字のデータ(最大デューティーのデータ)となる。すなわち、その単位領域のドットカウント値は512(16ラスター×16画素×2色)となる。このとき、図22(a)−22(f)に示す色域が青の間引きランクグラフが用いられ、ドットカウント値512で各間引きランクグラフを参照し、例えば、シアンインクlowerについてはランク5(図22(a))、マゼンタインクlowerについてはランク5(図22(c))の高率の間引きが行なわれる。
【0161】
また、白から赤、そしてUCに向かうような変化をする色の場合は、赤の彩度もしくは階調が最大からUCに向かうポイントにおいて始めてシアンインクを使用し始めることになる。そして、この点では、マゼンタ、イエローそれぞれが最大デューティーのデータとなる。従って、この色を印字する場合のドットカウント値は、上述の青の最大のドットカウント値と等しい512であり、また、色域は当然赤となる。そのため、図23(a)−23(f)に示す間引きランクグラフが用いられ、シアンインクlowerについてはランク3(図23(a))、マゼンタインクlowerについてはランク5(図23(c))の間引き率を用いて間引きを行うことになる。このように、シアンインクについては比較的低い間引き率とされ、これにより、この赤の最大ではシアンインクのデータが入りはじめで、まばらな状態にドットが配置されるシアンのドットはそれほど間引かれることがなく、シアンドットの抜けが目立つといった弊害は発生しない。
【0162】
なお、上記第1、第2例においてドットカウント単位領域として16画素(主走査方向)×16ラスター(副走査方向)の大きさの領域を使用しているが、特にこの大きさに限る必要はなく、単位領域の大きさは、つなぎスジの程度や、データの処理にかかる負荷、出力解像度等などの諸要因により決定することが望ましい。
【0163】
さらに、ドットカウントを行う部分として、上記第1,2例では、例えば図8(a)に示したように、両方のバンド間でのつなぎ部をまたいだ領域でドットカウントを行ったが、これに限定されるものではない。先の走査の下端部のみを対象としてもよいし、つなぎ部に対し、後の走査の上端部にてドットカウント値を算出しこれにより処理を行うこととしてもよい。
【0164】
SMS間引き処理を行う部位についても特に先の走査の下端部に限るというものではなく、後の走査の上端、あるいはその両方すなわち、バンド間のつなぎ部をまたいだ領域で行うとしてももちろんよい。
【0165】
このようなドットカウント領域もしくは、SMS間引き処理領域は、使用する記録媒体と、インクの組み合わせ等により随時最適と思われる部分を指定できることが望ましい。そのため、用いる記録媒体に応じて、ドットカウント領域とSMS間引き処理領域、もしくはそのいずれかを適時変更するのも望ましい処理である。
【0166】
これとともに、区分する色域数は、上記実施例においては、2種類のパターンを示したが、この2つに限定されるものでないことはもちろんである。
【0167】
また、上記例においては基本的に1パスによる印字を例にして説明した、これは1パスにおいて、つなぎスジの発生が最も顕著であるからである。しかし、マルチパス印字時においてもつなぎスジは程度の差こそあるものの発生する。そのため、マルチパス用に、パス数に応じた間引きランクグラフを用意しておき、それを用いてマルチパス印字時においても間引き処理を行うことも有効である。
【0168】
つなぎスジは、前述したように、主に記録媒体上での記録インクのにじみによるところがあるので、例えば高温多湿の環境においては記録インクのにじみ具合は大きくなりつなぎの程度は大きくなる(より目立つ)。そこで、使用する外部環境に応じて、間引きランクグラフや、間引き領域を変更する閾値を複数持っておき、可変できるようにすることは有効である。
【0169】
上記実施例の構成では、使用する記録インクはシアン、マゼンタ、イエロー、黒としているが、通常の所謂レギュラーインクを希釈したフォトインクと呼ばれるものを用いるシステムにおいても、本発明を適用することができる。
【0170】
さらに、上述の各実施例では各インクの打ち込み量に関するデータとしてY,M,Cの2値データの形態を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。インクの打ち込み量に対応するデータであれば、R,B,Gの多値データであってもよい。この場合、インク量はデータの間引きによって低減するのではなく、多値のデータに低減係数をかけても良い。
【0171】
(その他)
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0172】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。
【0173】
この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて、書く沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印可することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが出来る。
【0174】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に記載されているような吐出口、液路電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことが出来るようになるからである。
【0175】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0176】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定出来るので、好ましいものである。これらを具体的にあげれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段をあげることができる。
【0177】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個設けられるものであっても良い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個によるかのいずれでも良いが、異なる色の複数カラー、または、混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明はきわめて有効である。
【0178】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以上で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°以上70°以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によってはじめて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対してもっとも有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0179】
さらに加えて、本発明インクジェット方式の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0180】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録データに付加された記録方法情報から、例えば記録媒体の種類とバンドの記録を完成するのに必要な走査回数を識別でき、その識別結果に基づいて、つなぎ部近傍に打ち込むインク量をを低減するか否かを判定し、この判定がつなぎ部近傍への打ち込むインク量を低減する場合は、記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なうとともに、上記つなぎ部近傍の所定領域において記録データに基づいて打ち込まれるべきインク量に応じた低減率で、走査で打ちこむインク量を低減する処理を行ない、一方、上記判定が前記インク量を低減しないと判定したとき、走査で打ちこむインク量を低減せずに、上記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なうので、インク量の低減をする場合は、記録方法が示す記録媒体の種類や走査回数に応じた適切なインク量の低減を行なうことができ、また、インク量の低減を行なわないと判定したときは、インク量低減を行なわなくてもそのときの記録方法に従うことによって、インク量低減の目的であるつなぎスジの発生を抑制できる。また、不必要にインク量低減処理を行なわずに済む。
【0181】
この結果、何れの記録媒体、走査回数においてもつなぎスジの少ない画像を得ることができ、また、補正を行う必要がない場合に印字速度の低下を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるインクジェット記録装置の概略構成を一部破断で示す斜視図である。
【図2】図1に示した記録ヘッドの主要部の構造を模式的に示す斜視図である。
【図3】図1に示したインク・ジェット記録装置における主に制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施例にかかるバンド間データ補正処理の実行の有無を判定する処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】 (a)および(b)は、図4に示した第1実施例の上記判定処理で用いるテーブルを示す図である。
【図6】 (a)および(b)は、1パスと2パスそれぞれの場合の間引きを実施する部位を説明する図である。
【図7】上記第1実施例における間引き処理に関する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】 (a)および(b)は、上記第1実施例における印字データのドットカウントを行う領域と間引きを行う領域を説明する図である。
【図9】上記第1実施例の記録装置で用いられる記録ヘッドの構成を示す模式図である。
【図10】上記第1実施例における色域判定の手順を示すフローチャートである。
【図11】上記第1実施例におけるある単位領域におけるドットカウント値の一例を示す模式図である。
【図12】上記第1実施例における色域の区分の一例を示す図である。
【図13】 (a)および(b)は、上記第1実施例における間引きランクグラフの一例を示す図である。
【図14】上記第1実施例におけるSMS処理のカウンタ値の一例を示す図である。
【図15】 (a)〜(l)は、上記第1実施例における間引きランクグラフの一例を示す図である。
【図16】 (a)および(b)は、バンドのつなぎ部にスジが生じる原理を説明する図である。
【図17】 (a)〜(d)は、上記第1実施例におけるSMS処理による印字データの処理を説明するための図である。
【図18】 (a)〜(f)は、上記第1実施例におけるSMS処理による印字データの処理を説明するための図である。
【図19】 (a)〜(c)は、本発明の第2実施例で用いる記録ヘッドの構成を示す模式図である。
【図20】上記第2実施例における色域の区分の一例を示す図である。
【図21】 (a)および(b)は、上記第2実施例における色域内での分割方法の一例を説明するための図である。
【図22】 (a)〜(f)は、上記第2実施例における間引きランクグラフの一例を示す図である。
【図23】 (a)〜(f)は、上記第2実施例における間引きランクグラフの他の色にかかる例を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態におけるバンドおよび境界部を説明するための概念図である。
【図25】 (a)〜(e)は、本発明の実施の形態におけるマスクによる間引き処理を説明するための概念図である。
【図26】 (a)および(b)は、本発明の実施の形態における被記録媒体上での記録インクを説明するための概念図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C ヘッドカートリッジ
2 キャリッジ
4 主走査モータ
8 記録媒体
13 記録ヘッド部
22 吐出口
100 コントローラ
101 CPU
103 ROM
105 RAM
110 ホスト装置

Claims (29)

  1. 記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させつつインクを記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    記録データに付加された記録方法情報に基づき、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンドにおける、当該バンドのつなぎ近傍に前記走査で吐出するインクの量を低減するか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段が前記インク量を低減すると判定したとき、前記記録データに基づき吐出されるべきインク量に応じた低減率で、前記走査で前記つなぎ近傍の所定領域に吐出されるインク量が低減されるよう記録データを補正し、該補正した記録データに基づき前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行ない、前記判定手段が前記インク量を低減しないと判定したとき、前記走査で吐出するインク量を低減する補正は行なわずに、前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なう記録制御手段と、
    を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録方法情報は、記録媒体の種類および前記バンドの記録を完成するのに要する前記走査の回数の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録制御手段は、前記記録データに基づき吐出されるべきインク量を、前記つなぎ近傍のカウント領域における2値の前記記録データの数をカウントすることで取得するカウント手段、前記低減率として2値の記録データの間引率を決定する間引き率決定手段、および前記間引率に基づいて前記所定領域の2値の記録データを間引くことにより補正を行なう低減手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録ヘッドは複数色のインクを吐出し、前記間引き率決定手段は、前記カウント手段により獲得されたインク量に関する情報に基づき、前記所定領域の色相、または色相および彩度を判定する色域判定手段を有し、この色域判定手段により判定された当該所定領域の色相、または色相および彩度と、前記カウント領域に吐出されるべきインク量に対応したデータ数に基づいて、前記間引率を決定することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記複数色のインクを吐出する記録ヘッドは、インク色毎に異なる記録ヘッドにより構成され、該複数の記録ヘッドは当該走査の方向に配置されることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記間引き率決定手段は、前記色域判定手段により判定された当該所定領域の色相または色相および彩度と、前記カウント領域に打ち込まれるべき各インクに対応したデータ数の和に基づいて、前記間引率を決定することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記カウント手段は、各インク色毎に獲得したデータ数に対し、各インク毎の重み付けをすることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記間引き率決定手段は、前記所定領域が複数に分割された分割領域について間引き率を決定することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記分割領域は、前記所定領域を前記走査の方向とは異なる方向に分割した領域であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記間引き率決定手段は、前記色域判定手段により判定される色相ごとに、または色相および彩度の組み合わせごとに設定されている間引率から一つの間引き率を決定することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記間引き率決定手段は、使用する各インク毎に独立に設定されている間引き率から一つの間引き率を決定することを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記間引き率決定手段はその間引率を、所定の離散値である間引きランクとして決定することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記低減手段は前記分割領域毎に決定される間引率に基づいて間引きを行うことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記間引き処理は、各インク色毎に独立に行なわれることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  15. 記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させつつインクを記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録方法において、
    記録データに付加された記録方法情報に基づき、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンドにおける、当該バンドのつなぎ近傍に前記走査で吐出するインクの量を低減するか否かを判定し、
    該判定ステップが前記インク量を低減すると判定したとき、前記記録データに基づき吐出されるべきインク量に応じた低減率で、前記走査で前記つなぎ近傍の所定領域に吐出されるインク量が低減されるよう記録データを補正し、該補正した記録データに基づき前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行ない、前記判定ステップが前記インク量を低減しないと判定したとき、前記走査で吐出するインク量を低減する補正は行なわずに、前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なうよう記録を制御する、
    ステップを有したことを特徴とするインクジェット記録方法。
  16. 前記記録方法情報は、記録媒体の種類および前記バンドの記録を完成するのに要する前記走査の回数の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記記録制御手段は、前記記録データに基づき吐出されるべきインク量を、前記つなぎ近傍のカウント領域における2値の前記記録データの数をカウントすることで取得するカウントステップ、前記低減率として2値の記録データの間引率を決定する間引き率決定ステップ、および前記間引率に基づいて前記所定領域の2値の記録データを間引く低減ステップをさらに有することを特徴とする請求項15または16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記記録ヘッドは、複数の色のインクを吐出し、前記間引き率決定ステップは、前記カウントステップにより獲得されたインク量に関する情報に基づき、前記所定領域の色相、または色相および彩度を判定する色域判定ステップを有し、この色域判定ステップにより判定された当該所定領域の色相、または色相および彩度と、前記カウント領域に吐出されるべきインク量に対応したデータ数に基づいて、前記間引率を決定することを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  19. 前記複数の色のインクを吐出する記録ヘッドは、インク色毎に異なる記録ヘッドにより構成され、該複数の記録ヘッドは当該走査の方向に配置されることを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  20. 前記間引き率決定ステップは、前記色域判定ステップにより判定された当該所定領域の色相または色相および彩度と、前記カウント領域に打ち込まれるべき各インクに対応したデータ数の和に基づいて、前記間引率を決定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  21. 前記カウントステップは、各インク色毎に獲得したデータ数に対し、各インク毎の重み付けをすることを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  22. 前記間引き率決定ステップは、前記所定領域が複数に分割された分割領域について間引き率を決定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  23. 前記分割領域は、前記所定領域を前記走査の方向とは異なる方向に分割した領域であることを特徴とする請求項22に記載のインクジェット記録方法。
  24. 前記間引き率決定ステップは、前記色域判定ステップにより判定される色相ごとに、または色相および彩度の組み合わせごとに設定されている間引率から一つの間引き率を決定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  25. 前記間引き率決定ステップは、使用する各インク毎に独立に設定されている間引き率から一つの間引き率を決定することを特徴とする請求項24に記載のインクジェット記録方法。
  26. 前記間引き率決定ステップはその間引率を、所定の離散値である間引きランクとして決定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  27. 前記低減手段は、前記分割領域毎に決定される間引率に基づいて間引きを行うことを特徴とする請求項22に記載のインクジェット記録方法。
  28. 前記間引き処理は、各インク色毎に独立に行なわれることを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録方法。
  29. 記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させつつインクを記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録装置で用いるデータの処理方法において、
    記録データに付加された記録方法情報に基づき、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンドにおける、当該バンドのつなぎ近傍に前記走査で吐出するインクの量を低減するか否かを判定し、
    該判定ステップが前記インク量を低減すると判定したとき、前記記録データに基づき吐出されるべきインク量に応じた低減率で、前記走査で前記つなぎ近傍の所定領域に吐出されるインク量が低減されるよう記録データを補正し、該補正した記録データに基づき前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行ない、前記判定ステップが前記インク量を低減しないと判定したとき、前記走査で吐出するインク量を低減する補正は行なわずに、前記記録方法情報が示す記録方法に従って記録を行なうよう処理する、
    ステップを有したことを特徴とするデータの処理方法。
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