JP5333125B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被記録媒体にインクの液滴を噴射して画像を記録する、画像記録装置に関する。
一般的なインクジェットプリンタは、用紙等の被記録媒体に対して所定の走査方向に往復移動可能なキャリッジに搭載され、複数のノズルからインクを噴射するインクジェットヘッドと、被記録媒体を前記走査方向と交差する搬送方向に搬送する搬送機構を備えている。このプリンタは、インクジェットヘッドを前記走査方向に移動させながら被記録媒体へ向けてインクを噴射させる動作と、被記録媒体を前記搬送方向に所定量搬送する動作を、交互に繰り返すことにより、被記録媒体に所望の画像を記録する(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上述したインクジェットプリンタによる画像記録の手法としては、キャリッジが走査方向の一方に移動する時にのみ、インクジェットヘッドからインクを噴射する手法(片方向印字)と、キャリッジの往復走査の両方において、それぞれインクジェットヘッドからインクを噴射する手法(両方向印字)の2つが知られている。さらに、前記両方向印字においては、搬送方向におけるノズル列の配列間隔よりも小さい間隔でドットを形成し、搬送方向に高い印字解像度を実現することを目的として、先の走査によって液滴が噴射される領域と、走査方向が反転した後の走査によって液滴が噴射される領域とを、一部重ならせる印字手法も広く知られている。
ところで、上記のように、先の走査と後の走査とで、液滴噴射領域が重ねられる場合には、次のような問題が生じる。
図11(a)に示すように、先の走査と後の走査とで液滴噴射領域が一部重なる領域において、先の走査によって着弾したインクIaが十分に乾燥していない状態で、後の走査によるインクIbがその上に重ねられると、後のインクIbは先のインクIaの上(図の太線部分)に定着することができず、その多くが、先に形成されたドット(未乾燥のインクIa)の間や周囲から被記録媒体100の内部に浸透してしまうため、表面に定着するインクIbの量が少なくなり、その結果、濃度が低くなる。一方、図11(b)に示すように、先の走査で着弾したインクIaの乾燥がかなり進んだ状態では、後のインクIbは先のインクIaの上に定着しやすく、被記録媒体100の内部に浸透する量が少なくなるため、表面に定着するインクIbの量は、図11(a)と比べて相対的に多くなり、濃度が高くなる。つまり、後の走査で噴射されたインクが着弾する直前における、先のインクの乾燥状態によって濃度が変化することになる。
また、図12は、インクジェットヘッドの3回の走査S1〜S3が連続して行われたときの被記録媒体100上に形成された画像の濃淡を示す図である。尚、図12では、2回の走査(S1とS2、及び、S2とS3)が重なる領域のみハッチングを施してある。走査方向が反転する位置(S1→S2に反転する右端、S2→S3に反転する左端)に近いほど、先の走査(S2に対するS1、及び、S3に対するS2)のインクがほとんど乾燥していない状態のまま、後の走査のインクが着弾する状況となりやすく、反転位置近傍では濃度が非常に低くなってしまう。つまり、後のインクが着弾する直前における、先のインクの乾燥状態が走査方向に関して均一ではないために、図12に示すように濃淡が生じ、印字品質が低下する。
ここで、特許文献1のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドの走査方向が反転する際には常に、記録紙(被記録媒体)と対向しない位置において、インクジェットヘッドにフラッシングを行わせている。これによれば、先の走査が終了して後の走査が開始されるまでのフラッシングが行われる間に、先のインクの乾燥が進行するため、先のインクの乾燥状態の違いによる濃淡の発生が抑制される。
特開2004−195749号公報
特許文献1では、先の走査と後の走査との間に常にフラッシングを行うことから、先のインクの乾燥時間を一定以上に確保することができるものの、その分、画像の印刷(記録)時間が長くなる。即ち、印字速度(画像の記録速度)が遅くなってしまうことから、高い印字速度で画像を印刷する場合には不向きである。
本発明の目的は、先の走査で噴射されたインクの乾燥状態の不均一に起因する画像の濃淡を、印字速度を低下させることなく抑制することが可能な、画像記録装置を提供することである。
第1の発明の画像記録装置は、被記録媒体にインクの液滴を噴射するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを所定の走査方向に沿って往復走査させる走査手段と、前記インクジェットヘッドの往復走査が反転する際に、前記被記録媒体を、前記インクジェットヘッドに対して、前記走査方向と交差した搬送方向に搬送する搬送手段と、前記インクジェットヘッドの往復走査中の液滴噴射動作を制御する噴射制御手段を備え、前記インクジェットヘッドの往動走査時の前記被記録媒体上の液滴噴射領域と復動走査時の前記被記録媒体上の液滴噴射領域が前記搬送方向に関して一部重なるように、前記搬送手段による前記被記録媒体の1回の搬送量は、前記インクジェットヘッドの1回の走査における、前記被記録媒体上の液滴噴射領域の、前記搬送方向に関する長さよりも小さく設定されており、前記噴射制御手段は、前記被記録媒体に画像を記録する際に実行される前記インクジェットヘッドの複数の走査のそれぞれについて、入力された画像データに基づいて基準噴射量を設定する基準噴射量設定手段と、前記液滴噴射領域が一部重なる2回の走査のうちの先の走査における、後の走査と前記液滴噴射領域が重なる領域のうちの、前記インクジェットヘッドの走査方向が反転する側に位置する一部領域のみについて、その領域に対する噴射量を、前記基準噴射量よりも少なくする、噴射量補正手段と、を有することを特徴とするものである。
インクジェットヘッドの走査方向が反転する側に近い領域ほど、先の走査のインクがほとんど乾燥していない状態で、後の走査のインクが噴射される状況が起こりやすい。そこで、本発明では、インクジェットヘッドの往動走査と復動走査とでそれらの被記録媒体上の液滴噴射領域を一部重ならせる場合に、先の走査において、後の走査と液滴噴射領域が重なる領域のうちの、インクジェットヘッドの走査方向が反転する側に位置する一部領域のみについて、その領域における噴射量を、画像データに基づいて設定される基準噴射量よりも少なくする。これにより、先の走査でインクが着弾しない領域が広くなるため、後の走査において噴射されたインクは、先のインクと重ならずに被記録媒体の上に直接着弾しやすくなる。このように、後の走査で噴射されるインクのうち、先に噴射されたインクの上に重なるインクの量を少なくすることで、先のインクの乾燥の程度が走査方向に均一でなくても、それが、後のインクの定着に及ぼす影響を小さくすることができ、画像の濃淡を抑制することができる。また、先の走査で噴射されたインクを乾燥させるために、インクジェットヘッドの走査方向が反転する際に余計な乾燥時間をとる必要がないことから、印字速度が低下することはなく、高速での画像記録に最適である。
第2の発明の画像記録装置は、前記第1の発明において、前記噴射量補正手段は、前記液滴噴射領域が一部重なる2回の走査のうちの後の走査においては、前記先の走査と前記液滴噴射領域が重なる領域に対する噴射量を、前記基準噴射量よりも多くすることを特徴とするものである。
本発明によれば、先の走査において噴射量を少なくした分、後の走査での噴射量を多くすることで、先の走査と後の走査の噴射量の総和で、画像データに基づいて決定された所定のインク量を確保することができる。
第3の発明の画像記録装置は、前記第1又は第2の発明において、前記噴射量補正手段は、前記先の走査において、前記一部領域に対して噴射される液滴数を少なくすることにより、その領域に対する噴射量を前記基準噴射量よりも少なくすることを特徴とするものである。
このように、先の走査で噴射される液滴の数を少なくすることで、後の走査で噴射されたインクが、先のインクの上ではなく、被記録媒体に直接着弾しやすくなる。
第4の発明の画像記録装置は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記噴射量補正手段は、前記先の走査において、前記一部領域に対して噴射される液滴の体積を小さくすることにより、その領域に対する噴射量を前記基準噴射量よりも少なくすることを特徴とするものである。
このように、先の走査で噴射される液滴の体積を小さくすることで、後の走査で噴射されたインクが、先のインクの上ではなく、被記録媒体に直接着弾しやすくなる。また、先の走査で噴射される個々の液滴体積を小さくすることで、この先のインクが、後の走査が行われるまでに乾燥しやすくなるため、先のインクの走査方向に関する乾燥状態の不均一が小さくなり、その不均一に起因する濃淡の発生が一層抑制される。
の発明の画像記録装置は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記噴射量補正手段は、前記一部領域の、前記走査方向における範囲を、前記インクジェットヘッドの走査速度に基づいて決定することを特徴とするものである。
先の走査の液滴噴射領域のうち、実際に、インクジェットヘッドの反転位置からどの領域までが、先のインクが乾燥していない状態で後の走査が実行される領域になるのかは、インクジェットヘッドの走査速度によって異なるため、噴射量を少なくする前記一部領域の範囲は走査速度に基づいて決定されることが好ましい。
の発明の画像記録装置は、前記第1〜第の何れかの発明において、前記噴射量補正手段は、前記先の走査において、前記一部領域に対する噴射量を、前記インクジェットヘッドの走査方向が反転する側ほど少なくすることを特徴とするものである。
インクジェットヘッドの走査方向が反転する側に近い領域ほど、先の走査のインクがほとんど乾燥していない状態で、後の走査のインクが噴射される状況が起こりやすいため、先の走査における噴射量を、反転する側ほど少なくするようにしてもよい。
本発明によれば、先の走査において、後の走査と液滴噴射領域が重なる領域のうちの、インクジェットヘッドの走査方向が反転する側に位置する一部領域のみについて、その領域における噴射量を少なくすることにより、後の走査において噴射されたインクが被記録媒体の上に直接着弾しやすくなる。これにより、先のインクの乾燥の程度が走査方向に均一でなくても、それが、後のインクの定着に及ぼす影響を小さくすることができ、画像の濃淡を抑制することができる。
発明の参考形態に係るインクジェットプリンタを概略構成を示す平面図である。 図1のインクジェットプリンタの制御系を示すブロック図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図3のIV-IV線断面図である。 インクジェットヘッドの連続する2回の走査を示す図であり、(a)は先の走査、(b)は後の走査をそれぞれ示す。 記録用紙上の、先の走査で形成されたドットと後の走査で形成されたドットとを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 変更形態における、記録用紙上の、先の走査で形成されたドットと後の走査で形成されたドットとを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 (a)は、本発明実施形態(走査反転側の一部領域においてのみ噴射量を制限 した形態)を示す図である。(b)は、本発明の別の参考形態(走査方向に関して噴射量を変化させた形態)を示す図である 実施例におけるヘッド位置(A〜E)を示す図である。 実施例における、乾燥時間と制限噴射量の関係を示すグラフである。 先の走査のインクの乾燥が、後のインクの定着に影響を及ぼすことを説明する図である。 インクジェットヘッドの3回の走査S1〜S3が連続して行われたときの被記録媒体上に形成された画像の濃淡を示す図である。
次に、本発明の参考形態について説明する。本参考形態は、インクジェットヘッドから記録用紙100に対してインクの液滴を吐出することにより、記録用紙(被記録媒体)に所望の画像を記録するインクジェットプリンタである。
図1は、本参考形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す平面図、図2は、プリンタの制御系を示すブロック図である。図1、図2に示すように、インクジェットプリンタ1(画像記録装置)は、所定の走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動可能なキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3と、記録用紙100を、走査方向と直交する搬送方向に搬送する搬送機構4(搬送手段)と、プリンタ1の各部をそれぞれ制御する制御装置8(図2参照)等を備えている。
キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に平行に延びる2本のガイドフレーム17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って走査方向に移動するようになっている。
このキャリッジ2にはインクジェットヘッド3が搭載されており、インクジェットヘッド3はキャリッジ2と一体的に走査方向に往復移動可能である。尚、インクジェットヘッド3が搭載されたキャリッジ2を、走査方向に駆動するキャリッジ駆動モータ19が、本願発明における走査手段に相当する。
図3はインクジェットヘッド3の平面図、図4は図3のIV-IV線断面図である。図3、図4に示すように、インクジェットヘッド3は、インク流路が形成された流路ユニット30と、インク流路内のインクに噴射圧力を付与する圧電式のアクチュエータユニット31とを備えている。
流路ユニット30には、図示しないインクカートリッジと接続されるインク供給口32と、このインク供給口32から分岐して搬送方向に沿って延びるマニホールド33と、マニホールド33に連通した複数の圧力室34と、複数の圧力室34にそれぞれ連通する複数のノズル35が形成されている。尚、図3に示すように、マニホールド33は2本設けられ、複数の圧力室34及び複数のノズル35は、2本のマニホールド33に対応した、2列の圧力室列及び2列のノズル列を構成している。また、2列のノズル列の間で、ノズル35の位置が、各列における配列間隔P1の半分だけずれている。つまり、本参考形態では、複数のノズル35の搬送方向に関する間隔、即ち、搬送方向に関する印字解像度はP1/2(=P2)となる。
アクチュエータユニット31は、複数の圧力室34を覆うように流路ユニット30に接合された振動板40と、振動板40の上面に配置された圧電層41と、圧電層41の上面に複数の圧力室34と対応して設けられた複数の個別電極42とを備えている。そして、このアクチュエータユニット31は、ヘッド駆動回路20(図2参照)から個別電極42に所定の駆動パルス信号が供給されたときに、圧電層41に生じる圧電歪みを利用して、振動板40に撓み変形を生じさせるようになっている。この振動板40の撓み変形により圧力室34の容積が変動することで、圧力室34内のインクに圧力が付与され、圧力室34に連通するノズル35からインクの液滴が吐出される。
図1に戻って、搬送機構4は、インクジェットヘッド3よりも搬送方向上流側に配置された給紙ローラ12と、インクジェットヘッド3よりも搬送方向下流側に配置された排紙ローラ13とを有する。給紙ローラ12と排紙ローラ13は、それぞれ、給紙モータ14と排紙モータ15により回転駆動される。そして、この搬送機構4は、給紙ローラ12により、記録用紙100を図1の上方からインクジェットヘッド3へ向けて搬送するとともに、排紙ローラ13により、インクジェットヘッド3によって画像や文字等が記録された記録用紙100を図1の下方へ排出する。
そして、インクジェットヘッド3が、キャリッジ2と一体的に走査方向に沿って往復走査を行いながら、搬送機構4により搬送方向(図1の下方)に搬送される記録用紙100に向けて、多数のノズル35からインクの液滴をそれぞれ噴射することで、記録用紙100に所望の画像が記録される。
次に、インクジェットプリンタ1の制御系について、図2のブロック図を参照して詳細に説明する。図2に示されるプリンタ1の制御装置8は、例えば、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むマイクロコンピュータを備え、ROMに格納されたプログラムがCPUで実行されることにより、以下に説明するような種々の制御を行う。あるいは、制御装置8は、演算回路を含む各種回路が組み合わされたハードウェア的なものであってもよい。
また、制御装置8は、ヘッド制御部50、及び、搬送制御部51を備えている。ヘッド制御部50(噴射制御手段)は、PC60から入力された画像データに基づいて、キャリッジ2を駆動するキャリッジ駆動モータ19、及び、インクジェットヘッド3のアクチュエータユニット31を駆動するヘッド駆動回路20に制御信号を送り、インクジェットヘッド3の往復走査、及び、往復動作中のインクジェットヘッド3の液滴噴射動作を制御する。また、搬送制御部51は、搬送機構4の給紙モータ14及び排紙モータ15に制御信号を送り、給紙ローラ12及び排紙ローラ13による記録用紙100の搬送を制御する。尚、ヘッド制御部50と搬送制御部51の機能は、実際には、上述したマイクロコンピュータの動作、あるいは、演算回路を含む各種回路の動作によってそれぞれ実現される。
図5は、画像記録時のインクジェットヘッド3の動作を示す図である。この図5に示すように、本参考形態のプリンタ1は、まず、図5(a)に示すように、ヘッド制御部50がキャリッジ駆動モータ19を制御してインクジェットヘッド3を走査方向一方(図中右方)に走査させつつ、インクジェットヘッド3のヘッド駆動回路20を制御して、ノズル35から記録用紙100へインクを噴射させる。次に、インクジェットヘッド3の走査方向が右方から左方へ反転する際に、搬送制御部51が搬送機構4を制御して、記録用紙100をインクジェットヘッド3に対して搬送方向へ所定量搬送する。インクジェットヘッド3の走査方向が反転したら、図5(b)に示すように、今度は、インクジェットヘッド3を走査方向他方(図中左方)に走査させつつ、ノズル35から記録用紙100へインクを噴射させる。つまり、インクジェットヘッド3の走査方向一方への走査時(往動走査時)と走査方向他方への走査時(復動走査時)の両方において、ノズル35から記録用紙100に向けてインクを噴射する、いわゆる、両方向印字を行うようになっている。そして、インクジェットヘッド3に、上記の往動走査と復動走査をそれぞれ複数回交互に行わせることによって、記録用紙100に所望の画像を記録する。
また、往復走査時と復動走査時のそれぞれにおける、印刷用紙100上の液滴噴射領域Aの、搬送方向に関する長さは、複数のノズル35の搬送方向の長さLに等しい。そして、搬送制御部51により、インクジェットヘッド3の走査方向が反転する際の、搬送機構4による記録用紙100の搬送量が、液滴噴射領域Aの搬送方向における長さLよりも小さく設定されたときには、図5(b)のように、2回の走査の液滴噴射領域Aが一部重なることになる。このとき、先の走査時に形成されるドットの間に、後の走査時に形成されるドットが配置されることで、搬送方向のドット間隔をノズル配列間隔P2よりも小さくし、搬送方向の印字解像度を高めることができる。
ところで、前述したように、先の走査のインクが乾燥していない状態で後の走査でインクが噴射されると、図11に示すように、後のインクが記録用紙100の内部に浸透しやすくなって濃度が低くなる。また、インクジェットヘッド3の走査方向が反転する側に近いほど、先の走査のインクがほとんど乾燥していない状態のまま、後の走査のインクが着弾する状況となりやすい。つまり、先のインクの乾燥状態が走査方向に関して均一ではないために、図12に示すように画像に濃淡が生じる。
そこで、本参考形態のプリンタ1は、後の走査で噴射されるインクのうち、先のインクの上ではなく、記録用紙100に直接着弾するインクが多くなるように、先の走査で噴射するインクの量を少なくするように構成されている。その具体的構成について以下詳細に説明する。
図2に示すように、ヘッド制御部50は、基準噴射量設定部52(基準噴射量設定手段)と、噴射量補正部53(噴射量補正手段)を備えている。
前述したように、1枚の記録用紙100に所望の画像を形成するために、インクジェットヘッド3は往動走査と復動走査を交互に実行する。そして、基準噴射量設定部52は、PC60から入力された画像データに基づいて、その画像を印刷するためにインクジェットヘッド3が実行する複数の走査のそれぞれについて、基準噴射量を設定する。
ここで、1回の走査毎に設定される基準噴射量とは、その1回の走査の液滴噴射領域に対して噴射すべき、単位面積当たりのインク量のことである。尚、この基準噴射量は記録する画像によって、1回の走査の液滴噴射領域の中でも分布を有する。即ち、1回の走査における液滴噴射領域のうち、画像の濃い部分が形成される領域においては基準噴射量が大きくなり、画像の薄い部分が形成される領域においては基準噴射量が小さくなる。
そして、記録用紙100上の所定の領域に対して2回の走査で画像を記録するときには、その所定領域に対する1回の走査毎の基準噴射量の設定は例えば以下のようにして行う。まず、PC60から入力された画像データから前記所定領域の濃度情報を取得し、この濃度情報から前記所定領域に対して噴射することが必要な、総インク量を決定する。そして、この総インク量を走査回数(2回)で除すことにより、1回の走査で前記所定領域に対して噴射すべきインク量、即ち、基準噴射量を決定する。
噴射量補正部53は、複数回の走査のそれぞれに対して基準噴射量設定部52で設定された基準噴射量に補正を施して、実際の噴射量を決定する。具体的には、液滴噴射領域Aが一部重なる2回の走査のうちの、図5(a)に示される先の走査S1において、図5(b)に示される後の走査S2と、液滴噴射領域Aが重なる領域A1に対する噴射量については、基準噴射量よりも小さくする。例えば、実際の噴射量を、基準噴射量の70%に設定する。あるいは、基準噴射量が、濃淡が生じる虞のある所定の制限噴射量を超えている領域については、実際の噴射量を前記所定の制限噴射量まで下げる。
図6は、記録用紙100において、先の走査で形成されたドットと後の走査で形成されたドットとを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。この図6において、先の走査で基準噴射量に応じてインクを噴射したときには、本来、搬送方向に等間隔(ノズル配列間隔P2)空けた位置に3つの液滴Daが噴射されて、3つのドットが形成されるものとする。そして、本参考形態では、敢えて、二点鎖線で示される図中中央の位置には液滴Daを噴射しないことで、液滴Daの数を減らすことにより、先の走査における実際の噴射量を基準噴射量よりも少なくしている。これにより、先の走査が終了した段階では、液滴Daが着弾していない領域が、基準噴射量を噴射した場合と比べて広くなっている。
その後、インクジェットヘッド3の走査方向が反転して、後の走査において噴射された液滴Dbは、先の走査で着弾した2つの液滴Daに対して搬送方向にP2/2だけずれた位置にそれぞれ着弾して2つのドットを形成する。このとき、先の走査で液滴Daが着弾していない領域が広くなっていることから、後の走査で噴射された液滴Dbは、先のインクIa(液滴Da)と重ならずに記録用紙100の上に直接着弾しやすくなり、記録用紙100の表面に定着しやすくなる。このように、後の走査で着弾したインクIb(液滴Db)のうち、先に噴射されたインクIaの上に重なるインクの量が少なくなるということは、先のインクIaの乾燥の程度にかかわらず、後のインクIbが一定以上表面に定着することを意味する。従って、先の走査で噴射されたインクIaの乾燥の程度が走査方向に均一でなくても、それが、後のインクIbの定着に及ぼす影響を小さくすることができ、濃淡の発生を抑制することができる。
また、先の走査で噴射されたインクを乾燥させるために、走査方向が反転する際に余計な乾燥時間をとる必要がないことから、印字速度が低下することはなく、高速での画像記録に最適である。
尚、先の走査の噴射量を基準噴射量よりも少なくする一方で、後の走査の噴射量を基準噴射量のままとすると、ある領域に対して噴射されるインクの総量(2回の走査での噴射量の総和)は、画像データから得られた濃度情報に基づいて、その領域に対して算出された所定のインク量(基準噴射量を算出する元となるインク量)よりも少なくなってしまう。そのため、先の走査の噴射量を減らしたことに起因する濃度低下が、後のインクの記録用紙100内部への浸透に起因する濃度低下よりも大きくなってしまうことがないように、先の走査の噴射量の、基準噴射量に対する減少量は、適切な範囲内で設定することが好ましい。
また、画像データから決定された、後の走査の基準噴射量が、全てのノズル35から同時に液滴を噴射したときの噴射量である、最大噴射量に達していない場合には、後の走査の噴射量を、上限を前記最大噴射量として、基準噴射量よりも多くすることが可能である。このように、先の走査において噴射量を少なくした分、後の走査での噴射量を多くすることで、先の走査と後の走査の噴射量の総和で、画像データに基づいて決定される所定のインク量を確保することができる。
尚、先の走査と後の走査で液滴噴射領域が重なるといっても、実際には、先の走査で噴射される液滴と、後の走査で噴射される液滴の着弾位置は、ノズル配列間隔P2(図3、図5参照)の半分だけずれる。従って、先の走査において、ある位置にドットを形成しないことにより噴射量を減らす一方で、後の走査で噴射量を増やす場合に、後の走査で全く同じ位置にドットを形成できるわけではないが、そのような微小なドットのずれは印字品質には全く影響しない。それよりも、そのドットを含む局所的な領域に対する噴射量を、先の走査と後の走査の総和で、画像データから定まる所定のインク量となるようにして、先の走査の噴射量を減少させたことによる濃度低下を抑えるということの方に意義がある。
次に、前記参考形態に変更を加えた変更形態(図7)、本発明の実施形態(図8(a))、本発明の別の参考形態(図8(b))等について説明する。但し、前記参考形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
<変更形態(図7)>
前記参考形態では、先の走査における噴射量を基準噴射量よりも少なくすることを、噴射する液滴の数を減らすことで実現しているが、1つのノズル35から、体積の異なる複数種類の液滴を選択的に噴射することができる場合には、図7に示すように、先の走査で噴射される、個々の液滴Daの体積を小さくすることにより噴射量を基準噴射量よりも少なくするようにしてもよい。尚、1つのノズル35から体積の異なる複数種類の液滴を噴射する手法は、従来から知られている。例えば、前記参考形態の圧電式のアクチュエータユニット31(図3、図4参照)によりノズル35から液滴を噴射させる場合においては、ヘッド駆動回路20から個別電極42に印加する駆動パルス信号の波形を変化させる、即ち、個別電極42と共通電極としての振動板40との間の電圧の切り換えタイミングを変更し、インクに与えるエネルギーを変化させることによって、容易に実現できる。また、個別電極42に印加する駆動パルス信号の電圧値を変更して、インクに与えるエネルギーを変化させてもよい。この場合には、アクチュエータユニット31に駆動パルス信号を供給するヘッド駆動回路20を2つ備え、アクチュエータユニット31の、紙送り方向上流側に位置するノズル35に対応する個別電極42と、紙送り方向下流側に位置するノズル35に対応する個別電極42を、互いに異なるヘッド駆動回路20に接続することで、容易に実現できる。
このように、先の走査で噴射される液滴Daの体積を小さくすることによっても、後の走査で噴射されたインクIbが、先のインクIaの上ではなく、記録用紙100に直接着弾しやすくなる。これに加えて、さらに、液滴Daの体積が小さいと、この液滴Daの単位体積(単位液滴量)に対する表面積が大きくなるため、液滴Daが短い時間で乾燥するという作用も奏する。従って、先の走査で噴射される個々の液滴Daの体積を小さくする場合では、前記参考形態のように、液滴Daの大きさは変えずに液滴Daの数を少なくした場合と比べて、先に噴射されたインクIaが、後の走査が行われるまでに乾燥しやすくなり、先のインクIaの走査方向に関する乾燥状態の不均一自体を小さくできることから、濃淡の発生が一層抑制される。また、液滴Daの数を少なくするとともに、さらに、個々の液滴Daの体積をも小さくすることによって、先の走査における噴射量を基準噴射量に対して少なくするようにしてもよい。
<本発明の実施形態(図8(a))>
前記参考形態では、噴射量補正部53は、先の走査において、後の走査と液滴噴射領域が重なる領域全域において、噴射量を基準噴射量よりも少なくしていた。しかし、先にも述べたように、2回の走査の液滴噴射領域が重なる領域のうち、インクジェットヘッド3の走査方向が反転する側に近い領域ほど、先の走査のインクがほとんど乾燥していない状態で、後の走査のインクが噴射される状況が起こりやすいために、反転位置に近い領域ほど濃度が低くなる(図12参照)。そこで、本発明の実施形態では、図8(a)に示すように、噴射量補正部53は、先の走査S1の、後の走査S2と液滴噴射領域Aが重なる領域A1のうち、走査方向が反転する側の一部領域A1aにおいてのみ、噴射量を基準噴射量よりも少なくする
尚、先の走査S1の領域A1のうち、実際に、インクジェットヘッド3の反転位置からどの領域までが、先のインクが乾燥していない状態で後の走査が実行される領域になるのかは、インクジェットヘッド3(キャリッジ)の走査速度によって異なるため、噴射量補正部53は、噴射量を少なくする前記一部領域A1aの範囲を走査速度に基づいて決定することが好ましい。
<別の参考形態(図8(b))>
本発明の別の参考形態では、図8(b)に示すように、噴射量補正部53が、先の走査S1の、後の走査S2と液滴噴射領域Aが重なる領域A1(A1a、A1b、A1c)に対する噴射量を、インクジェットヘッド3の走査方向が反転する側ほど少なくなるように設定する。具体的には、基準噴射量に所定の減少率を一律に乗じて、先の走査における実際の噴射量を制限する場合には、前記減少率を反転位置に近いほど大きく設定する。また、基準噴射量が所定の噴射量を超えている領域のみ、噴射量を前記所定の制限噴射量以下に制限する場合には、前記所定の制限噴射量の値を反転位置に近いほど低くする。尚、基準噴射量が走査方向に均一である場合であれば、反転位置に近いほど実際の噴射量も少なくなるのであるが、実際には、画像の濃度情報によって定まる基準噴射量が走査方向に均一でないことが多く、記録する画像によっては、実際の噴射量が反転位置に近いほど必ず少なくなるとは限らない。
<本発明の変更形態>
噴射量補正部53が、先の走査の噴射量を、走査方向が反転する側の一部領域においてのみ基準噴射量よりも少なくし、さらに、その一部領域の中でも、反転位置に近い領域ほど噴射量を少なくするようにしてもよい。
インクジェットヘッド3が、複数色のインクを噴射するカラーインクジェットヘッドである場合など、複数種類のインクを噴射可能である場合に、噴射するインクの特性によって、インクの乾燥時間や記録用紙100への浸透速度が異なる。また、色によって濃淡の目立ちやすさが異なる(例えば、イエローのような薄い色のインクであるほど濃淡が目立ちにくい)。さらに、紙質や表面処理等の条件が異なる複数種類の記録用紙100を使用する場合には、記録用紙100の種類によっても、インクの乾燥時間や記録用紙100への浸透速度が異なる。そこで、インクの種類や記録用紙100の種類に応じて、先の走査における噴射量を基準噴射量からどの程度減少させるか、あるいは、噴射量を基準噴射量よりも少なくする領域の範囲等を、適宜変更してもよい。
前記参考形態では、画像のそれぞれの領域を2回の走査の重ね合わせで形成しているが、3回以上の走査を重ね合わせて形成してもよい。この場合、3回以上の走査のうち、先に行われる走査ほど、噴射量を基準噴射量に対して少なくするようにする。
次に、本発明の具体的な実施例について、以下の(1)(2)の2つの実施例を挙げてそれぞれ説明する。
(1)噴射量を基準噴射量に対して少なくする手法に関する実施例
(前提条件)
・ノズルの搬送方向配列間隔P2(図3参照):300dpi
・記録画像の解像度:走査方向600dpi×搬送方向600dpi
・アクチュエータ駆動周波数(液滴の噴射周期の逆数):26kHz
・ヘッド走査速度:上記の走査方向解像度とアクチュエータ駆動周波数から、43.3ips
(液滴体積)
1つのノズルから体積の異なる3種類の液滴(大玉、中玉、小玉)を噴射可能。尚、大玉体積を16pl、中玉体積を5pl、小玉体積を3plとする。
(濃淡の発生防止のための噴射量制限)
上記の前提条件で、走査方向全域にわたって全てのノズルから大玉を噴射させたときの噴射量(100%デューティ)で、往復走査を重ねて行うと濃淡が生じるが、先の走査における噴射量をその70%以下に抑えれば、濃淡の発生が防止されることがわかった。
ここで、走査方向解像度が600dpiであるから、1インチあたりのドット数は最大600ドットである。そして、これら600ドットを全て大玉としたときの噴射量は、16pl×600ドット=9600plとなる。さらに、この噴射量を70%以下に制限する場合には、その制限時の噴射量は、9600pl×0.7=6720plとなる。つまり、先の走査の噴射量を6720pl/inch以下にすれば、濃淡の発生を防止できる。
尚、全てのドットを小玉や中玉とすると、3pl(小玉)×600ドット=1800pl、5pl(中玉)×600ドット=3000plとなり、上述した制限噴射量(6720pl)に達しない。つまり、全てのドットを小玉や中玉にした場合には、そもそも、濃淡が発生しないということになる。
上記の噴射量制限の具体的な手法としては、先の参考形態(図6)で示した通り、ドット(液滴)の数を減らすか、先の変更形態(図7)で示した通り、個々のドットの大きさ(液滴体積)を小さくするかの、2つを選択できる。
1)大玉の数を70%に減らす場合
噴射量は、16pl×600×0.7=6720pl/inchとなる。
2)ドット数は変えずに、大玉の一部を中玉に変更する場合
45%のドットを大玉から中玉に変更すると、そのときの噴射量は、16pl(大玉)×600×0.55+5pl(中玉)×600×0.45=6630pl/inchとなり、制限値である6720pl/inch以下を実現できる。
(2)走査方向に噴射量の制限値を変化させる実施例
図9は、走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3の代表的な位置を示す図であり、Aは右端反転位置、Bは記録用紙100の右端、Cは記録用紙100上の記録領域の右端、Dは右端(C)から1インチ左の位置、Eは右端(C)から2インチ左の位置をそれぞれ示す。尚、記録用紙100の右端Bと記録領域の右端Cとの距離は0.05インチであり、この距離は画像の周囲の余白部分を示している。
そして、
・ノズルの搬送方向配列間隔P2(図3参照):300dpi
・画像解像度:走査方向600dpi×搬送方向600dpi
・走査速度:43.3ips
の条件で、インクジェットヘッド3を右方向に走査させ、Aの位置で反転させた後、左方向に走査させた。このときに、先の走査(右方向への走査)における噴射量を、3つの走査方向位置(C,D,E)に応じて100%デューティに対して変化させるとともに、後の走査を100%デューティで行ったときに、位置C,D,Eで濃淡が生じない噴射量を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0005333125
表1において、ヘッド位置は図9の位置C,D,Eの何れかであり、先の走査における、各々のヘッド位置での噴射量を、噴射量制限の欄に記載したデューティまで制限したときに、そのヘッド位置では濃度低下が生じない(そのヘッド位置よりも左側の領域と比べて濃度が低くならない)ことを示す。例えば、条件1は、先の走査(右方向走査)において、記録領域の右端Cに到達したときの噴射量を、100%デューティ(9600pl/inch)の70%の噴射量にしたときには、後の走査が終了した後に位置Cにおける濃度低下が発生していないということを示している。また、条件2は、先の走査において、位置Dに到達したときの噴射量を100%デューティの90%の噴射量にすることで、位置Dにおける濃度低下が発生しなくなることを示す。また、条件3は、位置Eにおいては、先の走査の噴射量を制限しなくても濃度低下が発生しないことを示している。
また、表1における反転時間は、図9のB→A→Bを移動する間の時間である。また、乾燥時間はヘッド位置(C,D,Eの何れか)と右端Bとの間の往復時間に、上記反転時間を足した時間であり、先の走査(右方向走査)で上記ヘッド位置にインクが着弾した後に、後の走査(左方向走査)で同じヘッド位置にインクが着弾するまでの時間を表している。例えば、条件2であれば、ヘッド位置がDで右端Bまでの距離は1インチである。従って、まず、ヘッド位置Dと位置Bとの間の往復時間は、1インチ×2/43.4ips=0.046secとなる。これに、反転時間0.05secを加えて、乾燥時間は0.096secとなる。
表1の乾燥時間と制限噴射量の関係は、乾燥時間をx(msec)、制限噴射量をy(pl/inch)とすると、y=−0.255x+81.63x+3147.9という2次関数で表現される。図10はこの乾燥時間と制限噴射量の関係をグラフに示したものである。この関係に基づいて、走査速度やヘッド位置というパラメータを変更したときの、そのヘッド位置での濃度低下が生じないような、先の走査の制限噴射量を推測することが可能となる。その一例を表2に示す。
Figure 0005333125
表2では、表1と比較して走査速度を変更しており、その結果、ヘッド位置が同じであっても乾燥時間が変化している。そして、それらの乾燥時間を上記の関係に代入することで、制限噴射量を算出している。尚、噴射量制限の欄は、上記関係式から算出された制限噴射量を、100%デューティの噴射量(9600pl)で除した値である。表2から分かるように、走査速度が低い条件5では、ヘッド位置がDの位置であっても噴射量の制限をかける必要はない。逆に、走査速度が高い条件9では、ヘッド位置がEの位置であっても噴射量の制限をかける必要があることが分かる。以上の実施例は、あくまで一例であり、インクの種類と記録用紙100の種類に応じて、制限噴射量を変更することが好ましい。
1 インクジェットプリンタ
3 インクジェットヘッド
4 搬送機構
8 制御装置
19 キャリッジ駆動モータ
50 ヘッド制御部
52 基準噴射量設定部
53 噴射量補正部
A 液滴噴射領域
A1 重なる領域
A1a 一部領域
S1 先の走査
S2 後の走査

Claims (6)

  1. 被記録媒体にインクの液滴を噴射するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを所定の走査方向に沿って往復走査させる走査手段と、
    前記インクジェットヘッドの往復走査が反転する際に、前記被記録媒体を、前記インクジェットヘッドに対して、前記走査方向と交差した搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記インクジェットヘッドの往復走査中の液滴噴射動作を制御する噴射制御手段を備え、
    前記インクジェットヘッドの往動走査時の前記被記録媒体上の液滴噴射領域と復動走査時の前記被記録媒体上の液滴噴射領域が前記搬送方向に関して一部重なるように、前記搬送手段による前記被記録媒体の1回の搬送量は、前記インクジェットヘッドの1回の走査における、前記被記録媒体上の液滴噴射領域の、前記搬送方向に関する長さよりも小さく設定されており、
    前記噴射制御手段は、
    前記被記録媒体に画像を記録する際に実行される前記インクジェットヘッドの複数の走査のそれぞれについて、入力された画像データに基づいて基準噴射量を設定する基準噴射量設定手段と、
    前記液滴噴射領域が一部重なる2回の走査のうちの先の走査における、後の走査と前記液滴噴射領域が重なる領域のうちの、前記インクジェットヘッドの走査方向が反転する側に位置する一部領域のみについて、その領域に対する噴射量を、前記基準噴射量よりも少なくする、噴射量補正手段と、
    を有することを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記噴射量補正手段は、
    前記液滴噴射領域が一部重なる2回の走査のうちの後の走査においては、前記先の走査と前記液滴噴射領域が重なる領域に対する噴射量を、前記基準噴射量よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記噴射量補正手段は、
    前記先の走査において、前記一部領域に対して噴射される液滴数を少なくすることにより、その領域に対する噴射量を前記基準噴射量よりも少なくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 前記噴射量補正手段は、
    前記先の走査において、前記一部領域に対して噴射される液滴の体積を小さくすることにより、その領域に対する噴射量を前記基準噴射量よりも少なくすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像記録装置。
  5. 前記噴射量補正手段は、
    記一部領域の、前記走査方向における範囲を、前記インクジェットヘッドの走査速度に基づいて決定することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像記録装置。
  6. 前記噴射量補正手段は、
    前記先の走査において、前記一部領域に対する噴射量を、前記インクジェットヘッドの走査方向が反転する側ほど少なくすることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の画像記録装置。
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