JP2010214882A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】シングルパスのインクジェットヘッドにおいて外乱要因により吐出方向安定性が悪化してもすじムラを目立ち難くする。
【解決手段】シングルパス印字用のインクジェットヘッドであって、インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に搬送しながら前記記録媒体に向けてノズル開口部からインクを吐出するためのノズルが前記インクジェットヘッドのインク吐出面に複数形成され、前記ノズル開口部の断面形状は、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向の幅よりも、該相対搬送方向と略直交する方向の幅が大きく形成されたことを特徴とするインクジェットヘッドを提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェットヘッドに係り、特に、シングルパスのインクジェットヘッドにおいて、吐出方向の曲がりによる印字ムラを目立ち難くしたインクジェットヘッドに関する。
従来、インクジェットヘッドにインクを供給し、インクジェットヘッドのノズルから記録用紙に向けて、インクを微小なインク滴として吐出させて記録を行うインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、ノズルからインクを吐出させることによって記録を行っているため、吐出したインクの一部が微細なミスト状となって飛散する。インクの吐出を繰り返していると、このように霧状となって飛散したインクミスト等がインクジェットヘッドのノズルの周りに付着する。そして、ノズルの近傍がこのようにインクミストや紙片あるいはごみ等によって汚れると、ノズルから吐出されるインク滴の吐出方向が変化して、狙い通りのところに打滴することができず、高画質の印字ができなくなる。
そこで従来これに対して、例えば、インクが射出されるオリフィスを長軸と短軸を有する細長い非円形の形状とし、互いに接触すなわち干渉することなく小さな間隔で配置し、オリフィスの非円形の形状によってインクメニスカスにより大きな復元力を与えることによって、インク滴の尾がより早く、またオリフィス板により近い位置でインク滴を切り離し、インク滴の尾を短くして、霧の発生を大幅に低減するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、ノズルプレート接合時に接着剤がインク吐出口へ侵入して障害物となってインク吐出方向の曲がりなどの吐出不安定要因となる場合に、インク吐出口側開口部の形状を長軸と短軸とを有する長円とすることによって、インク噴射の吐出安定化を図るようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
特開平9−131877号公報 特開2004−175038号公報
しかしながら、上記従来技術のように、長軸と短軸を有する細長い開口を持ったノズルにすると、ノズル周辺に付着したインクを拭き取るメンテナンスにおいて拭き残しノズル周辺に残留したインクや、ノズルから溢れたインク、あるいは吐出時に生じる微細なインク飛沫、またノズル周辺の撥液膜の均一性、その経時劣化等による吐出方向性に対する外乱要因があった場合に、ノズル開口部の長軸及び短軸の方向に対して、吐出の方向安定性(吐出方向誤差)が悪くなりやすいという問題があるが、上記従来のものはこれに対する対応がなされていないという問題がある。
吐出方向誤差があると、意図した位置からずれたところにインクが着弾してしまう。吐出方向安定性が悪くなり、着弾するインクのピッチが狙った位置からずれると、特にシングルパスのインクジェットヘッドにおいては、ヘッドと記録媒体との相対移動方向に平行な方向のすじムラが目立ちやすくなるため重要な問題である。
さらに、市販のインクジェットプリンタで用いられているインクに対し、より定着性の良いインクを用いて印刷を行うインクジェットプリンタの場合、定着性の良いインクは逆にヘッドのノズル面にインク飛沫が汚れとして付着した場合には、拭き取り難くなりやすいため問題はより深刻となる。
なお、市販の多くのインクジェットヘッドのようにシングルパスでないインクジェットの場合、多重書きやシングリングあるいはインターリーブなどと呼ばれる手法により、吐出方向誤差が目立ちにくくなるような印字方法をとることでこの問題を解決している。
しかし、この場合は、インクジェットヘッドは一つの部分を描画するために複数回同じ部分を通過して印字を行う必要があり、シングルパスのインクジェットヘッドに要求される高速な印字を行うことが難しいという問題がある。
この点で、上記特許文献1においては、シングルパスで描画する際の問題点についての開示はなく、さらにノズル開口部の長軸方向と用紙との相対移動方向についての開示もない。また上記特許文献2においては、吐出の安定性についてはテーパノズルとすることで飛翔が安定すること、及び細長すぎると吐出安定性が良くないという実験データを開示してはいるが、ノズル開口部の長軸方向の向きとの関係については開示がない。
このように、上記特許文献に記載の発明は、いずれもシングルパスではないインクジェットプリンタを対象としたものであり、上述したようなシングルパスで描画する際の問題に対処するものではなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてメンテナンスにおけるノズル周辺のインク拭き残しや吐出時に生じる微細なインク飛沫の付着等の外乱要因があった場合に吐出方向安定性が悪化してもすじムラの目立ちにくいインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シングルパス印字用のインクジェットヘッドであって、インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に搬送しながら前記記録媒体に向けてノズル開口部からインクを吐出するためのノズルが前記インクジェットヘッドのインク吐出面に複数形成され、前記ノズル開口部の断面形状は、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向の幅よりも、該相対搬送方向と略直交する方向の幅が大きく形成されたことを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
また、請求項2に示すように、前記ノズル開口部の断面形状が、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向の幅をa、該相対搬送方向と略直交する方向の幅をbとするとき、1.5≦b/aであることを特徴とする。
これにより、ヘッドのノズル形成面に対してインク滴が付着するなどの外乱要因が発生した際に、ノズル幅が狭い側の長さの長いノズル縁にその外乱要因がより多くなるようにすることで、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてピッチムラが目立ち難い方向に吐出方向曲がりを誘導することができ、シングルパスで描画する場合に特に目立つすじムラを視認し難くすることができる。さらに、ノズル幅が広い側の長さの短いノズル縁に発生した外乱要因は、インク滴からの距離が遠くなり、吐出曲がりに対する影響が小さくなって、先の効果をより大きくしている。
なお、1.5=b/aである場合、前記ノズル開口部の断面形状が長方形である例では、ノズル縁の長さを考えると、前記記録媒体の相対搬送方向の幅aと平行な方向の縁がノズル縁全体に占める割合は (1/(1.5+1))×100(%)=40(%)となる。通常のノズルは1=b/aであるので、ムラが目立ちやすい方向に吐出曲がりが発生する割合は10%程度減ることが期待できる。さらに、1.5<b/aである場合は、この効果が大きくなることが期待できる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、シングルパス印字用のインクジェットヘッドであって、インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に搬送しながら前記記録媒体に向けてノズル開口部からインクを吐出するためのノズルが前記インクジェットヘッドのインク吐出面に複数形成され、前記ノズル開口部の周辺に沿って、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向と略直交する方向における前記ノズル開口部の端部から前記ノズル開口部の中央を通り、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向に平行な軸、に向かって、次第に幅が狭くなるような溝が形成されたことを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
これにより、ノズル周囲に、幅を変えることで表面張力を部分で異ならせた溝を設けたことにより、ノズル面に付着インクが発生しても、ノズル縁部のヘッドと記録用紙の相対搬送方向における中央寄りにインクを寄せることができ、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてピッチムラが目立ち難い方向に吐出方向曲がりを誘導することができ、シングルパスで描画する場合に特に目立つすじムラを視認し難くすることができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、シングルパス印字用のインクジェットヘッドであって、インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に搬送しながら前記記録媒体に向けてノズル開口部からインクを吐出するためのノズルが前記インクジェットヘッドのインク吐出面に複数形成され、前記インク吐出面は撥液処理が施されており、各ノズル開口部の周囲の撥液性は、前記ノズル開口部の前記相対搬送方向の縁部よりも、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるように形成されていることを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
また、請求項5に示すように、前記ノズル開口部の前記相対搬送方向の縁部に、部分的に撥液膜が形成されていない部分を形成することによって、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるようにしたことを特徴とする。
また、請求項6に示すように、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部に、撥液膜を形成するとともに、微細な溝を形成することによって、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるようにしたことを特徴とする。
これにより、ノズル面に付着インクが発生しても、ノズル縁部のヘッドと記録用紙の相対搬送方向における中央寄りにインクを寄せ、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてピッチムラが目立ち難い方向に吐出方向曲がりを誘導することができ、シングルパスで描画する場合に特に目立つすじムラを視認し難くすることができる。
また、請求項7に示すように、請求項1または2に記載のインクジェットヘッドであって、さらに、前記ノズル開口部の周辺に沿って、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向と略直交する方向における前記ノズル開口部の端部から前記ノズル開口部の中央を通り、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向に平行な軸、に向かって、次第に幅が狭くなるような溝が形成されたことを特徴とする。
また、請求項8に示すように、請求項1または2に記載のインクジェットヘッドであって、さらに、前記インク吐出面は撥液処理が施されており、各ノズル開口部の周囲の撥液性は、前記ノズル開口部の前記相対搬送方向の縁部よりも、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるように形成されたことを特徴とする。
このように、ノズル開口部の断面形状を前記記録媒体の相対搬送方向に細長い扁平形状とするとともに、ノズル開口部の周辺に幅の異なる溝、あるいは撥液性の異なる部分を形成することにより、より一層確実に、ノズル縁部のヘッドと記録用紙の相対搬送方向における中央寄りにインクを寄せることができる。
また、請求項9に示すように、請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェットヘッドであって、さらに、該インクジェットヘッドのインク吐出面を清掃する払拭機構を有し、該払拭機構による前記インク吐出面の払拭方向は、前記相対搬送方向と略同じ方向であることを特徴とする。
これにより、確実にノズル縁部のヘッドと記録用紙の相対搬送方向における中央寄りにインクを寄せることができる。
また、請求項10に示すように、請求項1または2に記載のインクジェットヘッドであって、さらに、各ノズルに対応して、吐出力を発生する圧力室から前記ノズルへ連通する流路を有し、該流路は、その前記インク吐出面に平行な断面形状の前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向の幅の方が該相対搬送方向と略直交する方向の幅よりも大きく形成された部分を有することを特徴とする。
これにより、吐出インクの液柱に振動を励起して液柱が早いタイミングで確実に切れるようにすることができ、吐出時のインク飛沫の発生を抑制することができる。
また、請求項11に示すように、請求項1〜10に記載のインクジェットヘッドであって、さらに前記ノズルから吐出するインクが、少なくとも顔料か、乾燥によって硬化する樹脂成分を含んだインクであることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、ヘッドのノズル形成面に対してインク滴が付着するなどの外乱要因が発生した際に、ノズル幅が狭い側にその外乱要因がより多くなるようにすることで、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてピッチムラが目立ち難い方向に吐出方向曲がりを誘導することができ、シングルパスで描画する場合に特に目立つすじムラを視認し難くすることができる。
本発明に係るインクジェットヘッドが組み込まれたインクジェット記録装置を模式的に示す構成図である。 インクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 インクヘッドの構成例を示す平面透視図である。 図3中4−4線に沿った圧力室ユニットを示す断面図である。 インクジェット記録装置のインク供給系の構成を示す概要図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 (a)〜(d)は、本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドにおけるノズル開口部の形状を示す説明図である。 本発明の第1実施形態のノズルを拡大して示す説明図である。 本発明の第2実施形態のノズルを拡大して示す説明図である。 (a)、(b)は、本発明の第3実施形態のノズルを拡大して示す説明図である。 (a)、(b)は、本発明の第3実施形態の他の例に係るノズルを拡大して示す説明図である。 本発明の第5実施形態のノズル周辺を示す立体的な概念図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインクジェットヘッドについて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドが組み込まれたインクジェット記録装置の一実施形態を模式的に示す構成図である。
図1は、本発明に係る液体流路の接着構造を備えたインクジェットヘッドが組み込まれたインクジェット記録装置の一実施形態を模式的に示す構成図である。
図1に示すように、この画像形成装置としてのインクジェット記録装置100は、主として、記録媒体122を給紙する給紙部110と、給紙部110から給紙された記録媒体122の記録面に所定の処理液を付与する処理液付与部112と、処理液が付与された記録媒体122の記録面にインク滴を打滴して画像を描画する印字部114と、画像が描画された記録媒体122の記録面を乾燥させる乾燥部116と、記録面に形成された画像を定着させる定着部118と、画像が記録された記録媒体122を回収する排紙部120とで構成されている。
給紙部110は、記録媒体122を格納するマガジン140を備えており、このマガジン140から記録媒体122が1枚ずつ給紙トレイ150に給紙される。給紙トレイ150に給紙された記録媒体122は、渡し胴152を介して処理液付与部112の処理液ドラム154に受け渡される。
処理液ドラム154は、渡し胴152から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第1の中間搬送ドラム124に受け渡す。処理液付与部112では、この処理液ドラム154によって回転搬送される記録媒体122に対して所定の処理液を一定の厚みで付与する。処理液の付与は、処理液付与装置156によって行われ、処理液付与装置156は、例えば、表面に処理液が付与された塗布ローラを記録媒体122の記録面に当接させて、処理液を付与するが、これに限定されるものではない。例えば、後述するインクヘッドと同様のヘッドによって処理液を吐出して付与するようにしても良い。処理液が付与された記録媒体122は、さらにドライヤ158とヒータ160で乾燥されたのち、第1の中間搬送ドラム124に受け渡される。
なお、この処理液付与部112で付与される処理液は、後段の印字部114で付与されるインク中の色材(顔料又は染料)を凝集又は増粘させる成分を含有する処理液である。このような処理液をインクの打滴前に付与することにより、ブリーディング等を防止でき、高品質な画像を印字することが可能になる。
第1の中間搬送ドラム124は、処理液ドラム154から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、印字部114の印字ドラム170に受け渡す。
印字ドラム170は、第1の中間搬送ドラム124から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第2の中間搬送ドラム126に受け渡す。印字部114では、この印字ドラム170によって回転搬送される記録媒体122に対して、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクジェットヘッド(以下、単にインクヘッドと言う。)172C、172M、172Y、172Kからインク滴を打滴して、画像を印字する。
各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kは、所定の隙間をもって印字ドラム170に対向して配置されており、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順で印字ドラム170の回転方向上流側から配置されている。また、各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kは、ラインヘッドで構成されており、記録媒体122の記録幅に対応して形成されている。
図2に、インクジェット記録装置100の印字部114周辺の要部平面図を示す。
図2に示すように、印字部114は、各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kを、図に矢印Aで示す用紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置し、記録媒体122における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有する、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。
各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kは、本インクジェット記録装置100が対象とする最大サイズの記録媒体122の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録媒体122の搬送方向(図2に矢印Aで表示)に沿って上流側(図2の右側)からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の順に各色インクに対応したインクヘッド172C、172M、172Y、172Kが配置されている。記録媒体122を搬送しつつ各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kからそれぞれ色インクを吐出することにより記録媒体122上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部114によれば、用紙搬送方向(副走査方向)について記録媒体122と印字部114を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録媒体122の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル(シリアル)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録媒体の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録媒体の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。また、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録媒体の搬送方向(図2に矢印Aで表示)が副走査方向であり、それに直交する方向(図2における各ヘッドの長手方向)が主走査方向ということになる。
再び図1にもどり、各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kでインクが打滴された記録媒体122は、印字ドラム170から第2の中間搬送ドラム126に受け渡される。第2の中間搬送ドラム126は、印字ドラム170から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、乾燥部116の乾燥ドラム176に受け渡す。
乾燥ドラム176は、第2の中間搬送ドラム126から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第3の中間搬送ドラム128に受け渡す。乾燥部116では、この乾燥ドラム176によって回転搬送される記録媒体122を第1、第2のヒータ178、182、及び、ドライヤ180によって乾燥させる。
乾燥された記録媒体122は、乾燥ドラム176から第3の中間搬送ドラム128に受け渡される。第3の中間搬送ドラム128は、乾燥ドラム176から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、定着部118の定着ドラム184に受け渡す。
定着ドラム184は、第3の中間搬送ドラム128から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、排紙部120のコンベア196に受け渡す。定着部118では、この定着ドラム184によって回転搬送される記録媒体122に対して、第1、第2の定着ローラ186、188で加熱、加圧して、印字された画像を定着させる。
また、定着部118には、印字部114による印字結果を読み取るインラインセンサ189が設けられている。インラインセンサ189は、印字部114の印字結果(各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kの打滴結果)を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、このイメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックするものである。
インラインセンサ189は、複数の検出画素(読取素子)が記録媒体122の幅方向に沿って一列に並べられたラインCCD(又は、複数の検査画素が2次元状には配置されたエリアセンサ)と、ラインCCD(又はエリアセンサ)よって記録媒体122の幅方向を一括して読取れるように配置された縮小レンズと、を含む構成であり、印字部114の各インクヘッド172C、172M、172Y、172Kの記録解像度よりも低い読取解像度を有している。
画像が定着された記録媒体122は、定着ドラム184から排紙部120のコンベア196に受け渡される。コンベア196は、定着ドラム184から記録媒体122を受け取り、排紙部120に備えられた排紙トレイ192に搬送し、排紙トレイ192に回収する。
以上のように構成されたインクジェット記録装置100によれば、印字部114において、各インクジェットヘッド(インクヘッド)から安定したインクの吐出ができるので、安定した画像の形成が可能となる。
次に、印字部114に配置されるインクヘッド172C、172M、172Y、172Kの構造について説明する。なお、インクヘッド172C、172M、172Y、172Kの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号12によってインクヘッドを示す。
図3は、インクヘッド12の構造例を示す平面透視図である。
図3に示すように、ヘッド本体12には、インクに圧力を付与してノズル22から液滴として吐出させる圧力室ユニット20が、所定の配列パターン(本実施形態では千鳥格子状のパターン)に従って2次元的に配列され、さらに各圧力室ユニット20にインクを供給するためのインク流路(図示省略)が高密度に配置されている。
圧力室ユニット20は、インクを液滴として吐出するノズル22と、インクを貯留し、貯留したインクに圧力を付与してノズル22から液滴として吐出させる圧力室24と、圧力室24にインクを導入(供給)するインク導入(供給)口26とを備えて構成されている。本実施形態では、図3に示すように、圧力室24の平面形状が正方形状に形成されており、その対角線の一方の端にノズル22、他方の端にインク導入口26が形成されている。インクは、図示しない共通流路(図4参照)からインク導入口26を介して圧力室24に導入され、圧力室24で圧力が付与されて、ノズル22から液滴として吐出される。
図4は、圧力室ユニット20の概略構成を示す図3中の4−4線に沿った縦断面図であり、インク室ユニット20の立体的構成を示す断面図である。。
図4に示すように、圧力室24は、供給口26を介して共通流路25と連通されている。共通流路25は、インク供給源たるインク供給タンク(図示省略)と連通しており、インク供給タンクから供給されるインクは共通流路25を介して圧力室24に分配供給されるようになっている。
圧力室24の天面を構成し共通電極と兼用される振動板28には個別電極32を備えた圧電素子30が接合されており、個別電極32に駆動電圧を印加することによって圧電素子30が変形してノズル22からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路25から供給口26を通って新しいインクが圧力室24に供給されるようになっている。
なお、ここに示した例では、インクヘッド12に設けられたノズル22から吐出させるインクの吐出力発生手段としての圧電素子30を適用したが、圧力室24内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用するようにしてもよい。
図5は、インクジェット記録装置100におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インク供給タンク70は、インクヘッド12(172C、172M、172Y、172K)にインクを供給する基タンクであり、インク供給タンク70の態様には、インク残量が少なくなった場合に図示を省略した補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
また、図5に示すように、インク供給タンク70とインクヘッド12の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ72が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、インクヘッド12の近傍又はインクヘッド12と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、インクヘッド12の内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置100には、ノズル22(図4参照)の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ74と、インクヘッド12のインク吐出面12Aの清掃手段としてクリーニングブレード76が設けられている。
これらキャップ74及びクリーニングブレード76を含むメンテナンスユニットに対してインクヘッド12は、図示を省略した移動機構によって相対移動可能に構成されており、必要に応じて記録のための位置からメンテナンスのためにメンテナンス上方の位置に移動される。
またキャップ74は、やはり図示を省略した昇降機構によってインクヘッド12に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ74を所定の上昇位置まで上昇させ、インクヘッド12に密着させることにより、ノズル面をキャップ74で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル22の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子30(図4参照)が動作してもノズル22からインクが吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(圧電素子30の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子30を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ74(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、あるいはダミー吐出などとも呼ばれる)が行われる。
また、インクヘッド12内のインク(圧力室24(図4参照)内のインク)に気泡が混入した場合、圧電素子30が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはインクヘッド12にキャップ74を当てて、吸引ポンプ77で圧力室24内の気泡が混入したインクを吸引により除去し、この吸引除去したインクを回収タンク78へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、あるいは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室24内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。従って、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード76はゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりインクヘッド12のインク吐出面12Aに摺動可能となっている。インク吐出面12Aにインク液滴または異物が付着した場合、クリーニングブレード76をインク吐出面12Aに接触させて、図に矢印Bで示す方向に摺動させることでインク吐出面12Aを拭き取り、インク吐出面12Aを清掃する。
なお、記録媒体122のインクヘッド12に対する相対搬送方向は図に矢印Aで示されており、記録媒体122の相対搬送方向(矢印A)と、メンテナンス時のクリーニングブレード76によるインク吐出面12Aの拭き取り方向(矢印B)は同じ方向である。
なお、インラインセンサ189(図1参照)の読取結果に応じて吐出異常となったノズルを判断した場合には、吐出異常ノズルに対して回復処理が行われるが、この回復処理としては上述した予備吐出や吸引が含まれる。
図6は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。
インクジェット記録装置100は、通信インターフェース80、システム制御部(システムコントローラ)82、画像メモリ84、モータドライバ86、ヒータドライバ88、プリント制御部90、メンテナンス制御部92、ヘッドドライバ94等を備えている。
通信インターフェース80は、ホストコンピュータ96から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース80にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。ホストコンピュータ96から送出された画像データは通信インターフェース80を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ84に記憶される。
画像メモリ84は、通信インターフェース80を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システム制御部82を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ84は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システム制御部82は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システム制御部82は、通信インターフェース80、画像メモリ84、モータドライバ86、ヒータドライバ88等の各部を制御し、ホストコンピュータ96との間やヒータ99を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ84には、システム制御部82のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ84は、書き換え不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書き換え可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ84は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域として利用するようにしてもよい。
また、システム制御部82には、各種制御プログラムを格納したEEPROM85や画像データに対して各種画像処理を施す画像処理部87が接続されている。システム制御部82からの指令に応じて、EEPROM85から制御プログラムが読み出され、実行される。なお、EEPROM85は、動作パラメータ等の記憶手段と兼用するようにしてもよい。
モータドライバ86は、システム制御部82からの指示にしたがってモータ98を駆動するドライバである。図6には、インクジェット記録装置100の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号98で表示している。例えば、図6のモータ98には、図1の中間搬送ドラム124、126、128や渡し胴152、処理液ドラム154、印字ドラム170、乾燥ドラム176、定着ドラム184などを駆動するモータなどが含まれる。
ヒータドライバ88は、システム制御部82からの指示にしたがって、ヒータ99を駆動するドライバである。図6には、インクジェット記録装置100に備えられる複数のヒータを代表して符号99で表示している。例えば、図6に示すヒータ99には、図1に示す処理液付与部112のヒータ160や乾燥部116のヒータ178、182などが含まれる。
なお、システム制御部82には、この他にメンテナンス制御部92が接続されている。メンテナンス制御部92は、システム制御部82からの指示にしたがって、キャップ74及びクリーニングブレード76を含むメンテナンスユニットを駆動するメンテナンス駆動部93を制御するものである。
プリント制御部90は、システム制御部82の制御に従い、画像メモリ84内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、印字に先立ち、処理液付与ドライバ95を制御して、処理液付与装置156から記録媒体122に対して処理液を付与するとともに、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ94に供給する制御部である。プリント制御部90において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ94を介してインクヘッド12の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
インライン検出部91は、インラインセンサ189から得られる情報に基づいて、吐出異常ノズルを判断する不吐出検出を行うものである。
インライン検出部91が不吐出検出を行う場合には、吐出異常ノズルを判断するとともに、画像補正によって当該吐出異常ノズルの補正が可能である場合には、画像補正を実行するように、システム制御部82を介して各部へ制御信号を送出する。また、画像補正によって対応できない場合には、当該吐出異常ノズルに対して予備吐出や吸引等の回復動作を行うようにシステム制御部82を介して各部へ制御信号を送出する。
本発明は、シングルパスのインクジェットヘッドにおいて、ノズル周辺のメンテナンス状態等の外乱要因によって吐出方向安定性(吐出方向誤差)が悪化してもすじムラが目立たないようにするものであり、そのために基本的に、ノズル開口部の形状を、記録媒体とヘッドの相対搬送方向に略直交する方向に細長い形状としたものである。
このように、相対搬送方向に直交する方向に細長い形状とすることにより、メンテナンス状態や吐出時に生じる微小なインク飛沫などの残留インクがノズルの細長い形状の左右両端部ではなく中央部に集まるようにして、吐出方向が曲がったとしても相対搬送方向に曲がるようにし向けるようにして、シングルパスの場合に特に目立つ相対搬送方向におけるすじムラを目立たなくさせるようにするものである。
なお、シングルパスのインクジェットヘッドは、固定したヘッドに対して、記録媒体が移動するものが一般的であるが、ここでは、一般的な家庭用のプリンタと同様に、ヘッドが記録用紙上を往復して印字する構成であっても、ヘッドの印字幅の大部分で、一度の走査だけで所定の幅の印字を行う場合には、シングルパスと考えるものとする。
この場合、各走査において印字される部分のつなぎ目部分は、シングルパスである構成と、2回の走査で印字が重なり合って印字される構成が考えられる。つまり、シングルパス印字である場合は、一つのノズルが連続した画素を描画する。よって、シングルパス印字では、ベタ画像を印字した場合、個々のノズルに吐出方向性の癖があると、すじ状のムラが目立ちやすい。そのため、本発明は、特にシングルパスのインクジェットにおいて有効である。
また、本発明は、使用するインクが記録用紙に対して強固に定着しやすいインクの場合に好適である。それは、このようなインクは固形化しやすく、接着力の強いインクであり、その特性故、ノズルブレードのメンテナンス時に拭き残りが起きやすいためである。
さらに、吐出時に発生し得るインク飛沫についても、上記のようなインクであると、吐出時のインク滴の尾が長くなりやすいためインク飛沫が発生する可能性が高まったり、インク飛沫が発生してノズルプレート面に付着した場合、拭き取り難く、拭き残りが起きやすかったりする。
また、本発明の実施形態としては、図3に示すような2次元マトリクスヘッドであるが、これに限らず、ノズルが1列に並んだインクジェットヘッドや、ノズルが2列に千鳥状に並んだインクジェットヘッドでも有効である。また、ノズルプレートのメンテナンスではシリコンゴム製のクリーニングブレード76(ワイパー)によって図5に示したようにインク吐出面12Aの払拭が行われる。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態に係るインクジェットヘッドは、インク吐出面12A(図5参照)に形成される各ノズル22(図4等参照)の開口部の形状をインクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向に略直交する方向に細長い扁平な断面を有する形状としたものである。
図7に、このようなノズル開口部の形状の例を示す。
ノズル開口部の形状は、図7(a)に示すような楕円、図7(b)に示すような角丸長方形(2本の等長平行線と2つの半円からなる陸上競技場のトラックの形で、長円形という場合もある。)、図7(c)に示すような菱形、図7(d)に示すような長方形などが好適に例示される。また、図7に示した矢印Aは記録媒体122のインクヘッド12に対する相対搬送方向であり、図7に示す各ノズル開口部の形状(断面形状)はいずれもこの相対搬送方向Aにおいては幅が狭く、相対搬送方向Aに略直交する方向に細長い扁平形状となっている。すなわち、各ノズル開口部断面形状はその長軸が相対搬送方向に略直交する方向と一致するように配置されている。
ノズル開口部の断面形状をこのように扁平な形とし、その長軸を相対搬送方向と略直交する方向に配置することにより、ノズル開口部が、この相対搬送方向に向いた周(縁部分)をより多く持つようにしている。これによって、吐出方向の外乱要因となるノズル開口部へのインクの付着等の発生箇所が、このノズル開口部の相対搬送方向に向いた周(特に長軸方向の中央における縁部分)により多く集中するようにしている。
またノズル開口部の断面形状を扁平形状とする扁平の度合いは、吐出方向の外乱要因をなるべく長軸の中央部分に集めるという目的からは扁平度が大きい程効果的であり、インクヘッド12と記録媒体122の相対搬送方向のノズル開口部の幅をa、これと直交する方向のノズル開口部の幅(長軸の長さ)をbとするとき、1.5≦b/a、となることが好ましい。
なお、1.5=b/aである場合、前記ノズル開口部の断面形状が長方形である例では、ノズル縁の長さを考えると、前記記録媒体の相対搬送方向の幅aと平行な方向の縁がノズル縁全体に占める割合は (1/(1.5+1))×100(%)=40(%)となる。通常のノズルは1=b/aであるので、ムラが目立ちやすい方向に吐出曲がりが発生する割合は10%程度減ることが期待できる。さらに、1.5<b/aである場合は、この効果が大きくなることが期待できる。この効果については、図8を用いて後述する。
また、扁平の度合いb/aの上限は、上記目的からは特に制限はないが、インクヘッド12としての吐出性能から、b/a≦5程度とすることが好ましい。
なお、このようなノズル開口部の形状とすることは、前述したように吐出方向性の外乱要因によって各ノズルからのインク吐出方向変動が起きた際に、吐出方向が変動する方向を各ノズルが描画する線のピッチ誤差が小さくなる方向、すなわちインクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向に集中させ、結果としてピッチ誤差によるすじムラを視認され難くするためである。
すなわち、上記のような向きに細長い形状の開口部を有するノズルとすることで、例えば図8に示すように、ノズル22の縁にインク23が付着するようなことが発生するとしても、インクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向に直交する方向におけるノズル端部ではなく、相対搬送方向におけるノズル端部に付着インク23が着く確率を高めることができる。
インク吐出時にこのような付着インク23があると、次にノズル22から吐出されるインクに対して表面張力のアンバランスを発生させ、略付着インク23がある方向にインク吐出方向を曲げる力を発生させる。
例えば、図8においては、吐出方向の誤差により意図した位置からΔdだけずれてインクが記録媒体に着弾する場合、この誤差Δdによる本来ノズル22が描画すべき線のピッチ誤差をΔpとし、吐出誤差方向とインクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向とのなす角をθとすると、Δp=Δd×sinθ、となる。これより、θが小さい程、すなわち、吐出曲がり方向がインクヘッド12と記録媒体122の相対搬送方向に近い程、ピッチ誤差Δpが小さくなり、ムラとして視認され難くなる。
そこで本実施形態においては、ノズル開口部の形状をインクヘッド12と記録媒体122の相対搬送方向に略直交する方向に細長い扁平形状としてこの相対搬送方向に面したノズル開口部の縁部の割合を多くしたことにより、ノズル22周辺に付着インク23が付着するにしても、付着インク23がノズル開口部の長軸の中央部に集中しやすくなり、これによって上記θを小さくすることができ、ムラを視認し難くしている。
よって、インクの付着に限らず、従来問題とされていたような確率的に起こり得る吐出方向性の外乱要因による吐出方向性誤差に対して、本実施形態においては、これらの外乱が原因で吐出方向を曲げる力の方向を、インクヘッドと記録媒体との相対搬送方向(扁平ノズルの長軸中央部)により向くようにすることができるため、吐出時にインク滴が曲がる方向をなるべくインクヘッドと記録媒体との相対搬送方向に近い方向にすることができ、吐出方向ばらつきによるピッチ誤差で発生するムラを小さく抑えることができる。
特に、シングルパスのインクジェットで描画する場合、個々のノズルが描画する線の間の位置ずれ誤差が特にムラとして目立ちやすく、これと直交する方向の位置ずれは、線の微細なぶれ、いわゆるジッタとなるためムラとして目立ち難い。従って、本実施形態においては、シングルパスでの描画時の線間位置ずれが小さくなり、全体としてムラが目立ち難くなるという効果を有する。
このように、第1実施形態によれば、シングルパスのインクジェットヘッドにおいて、ノズルの吐出口形状をヘッドと記録用紙との相対搬送方向に幅が狭く、これと略直交する方向に広くしたため、ヘッドのノズル形成面に対してインク滴が付着するなどの外乱要因が発生した際に、ノズル開口部の幅が狭い側にその外乱要因がより多くなるようにすることで、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてピッチムラが目立ち難い方向に吐出方向曲がりを誘導することができ、シングルパスで描画する場合に特に目立つすじムラを視認し難くすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前述した第1実施形態においては、ノズル開口部の断面形状をインクヘッドと記録媒体との相対搬送方向に略直交する方向に細長い扁平形状とすることにより、この相対搬送方向に向いたノズル開口部の縁部の割合を多くし、吐出方向性の外乱要因の発生箇所をこの相対搬送方向に向いたノズル開口部の縁部(上記扁平形状の長軸方向の中央部)により多くなるようにしていた。
これに対して、本第2実施形態は、上記第1実施形態のようなノズル開口部の形状に加えて、さらにノズル開口部付近に、この部分に残留インクを導く溝を形成するようにしたものである。
図9に、第2実施形態のノズル22周辺を示す。図9に示すように、ノズル22の開口部形状は図8に示す第1実施形態のものと同様であり、本実施形態においては、このノズル22の周囲に沿って複数の溝27が形成されている。
溝27は、インクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向Aに直交する方向において、ノズル22端部ほど幅が広く、ノズル22中央に行くほど幅が狭くなるように形成されている。これにより、例えば図9に示すように溝27の幅広の端部にインク23が付着したとしても、溝27の幅の違いによる毛管力の差によって、インク23は溝27の幅が狭いノズル開口部の中央側縁部に引き寄せられる。
このようなインクを引き寄せる効果が非常に大きければ、インクヘッド12のインク吐出面に付着した不要なインクをノズルから離れた位置まで導くことができるが、実際にはノズルの縁に掛かったインクをノズルの縁から引き剥がし、そのような長距離移動させることは難しいため、本実施形態のような微小距離の移動に留まっている。
この溝27は、深さ2〜20μm、広い方の幅は約15μm、狭い方の幅は約2μmであり、ノズルプレート材料をエッチングして形成される。なお、図9においては、溝27はノズル22の周囲に沿って一重に形成されているが、同心円状に複数形成してもよい。また、ノズルプレート材料は、シリコンであるが、これに限定されることなく、例えばステンレス等の金属材料や、ポリイミド等の樹脂材料でもよい。また、溝27の形成方法も、エッチングに限定されるものではなく、その他メッキや放電加工あるいは金型成形などの方法が考えられる。
なお、このような溝27を設けることによって、残留インクをインクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向側に寄せることができるので、ノズル22の開口部形状は必ずしも上述したような扁平形状でなくとも良いが、扁平形状とした方がより効果的であり、望ましい。
このように、第2実施形態によれば、ノズル周囲に、幅を変えることで表面張力を部分で異ならせた溝を設けたことにより、ノズル面に付着インクが発生しても、ノズル縁部のヘッドと記録用紙の相対搬送方向における中央寄りにインクを寄せることができ、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてピッチムラが目立ち難い方向に吐出方向曲がりを誘導することができ、シングルパスで描画する場合に特に目立つすじムラを視認し難くすることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
前述した第2実施形態においては、ノズルの周囲に沿って溝を設け、この溝に沿って残留インクをインクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向側に寄せるようにしたものであるが、本第3実施形態は、ノズル周囲に溝の代わりに撥液性の異なる部分を設けることで上記第2実施形態と同様の効果を発揮するようにしたものである。
第3実施形態の基本的な考え方は、ノズル開口部の、インクヘッドと記録媒体の相対搬送方向に向かう側の縁部はこの相対搬送方向に直交する側のノズル開口部の縁部よりも撥液性が低くなるようにし、相対搬送方向に直交する側のノズル開口部の縁部ではじかれたインクを、相対搬送方向に向かう側(相対搬送方向に直交する方向の中央部)の縁部に導くようにするものである。
図10に、第3実施形態のノズル周辺の様子を示す。
図10(a)に示すように、ノズル22の周囲において、インクヘッドと記録媒体の相対搬送方向Aに向いた縁部40(相対搬送方向Aに直交する方向におけるノズル22中央部)は、撥液膜を含む割合を減らし親液部分を多くする一方、相対搬送方向Aに直交する側のノズル22の縁部44には撥液処理を行った部分のみを形成して左右両側の縁部44よりも撥液性を低くする。
具体的には、図10(b)にインクヘッドと記録媒体の相対搬送方向Aに向いた縁部40を拡大して示すように、この縁部40は、親液部分を多くして撥液性を低くするために、撥液膜処理部分41の中に、撥液処理をしていない親液部分42を微小面積で配置するようにする。
ノズル周辺をこのような構成とすることにより、例えば図10(a)に示すように、ノズル付近に付着したインク23は、ノズルプレート表面に分布した(撥液性の相違から生じる)表面張力差によって、図中に矢印で示したように、相対搬送方向Aに向かう側(相対搬送方向Aに直交する方向の中央部)の縁部に導かれる。
なお、図10(a)においては、撥液処理だけの部分44と、撥液膜の割合を減らして親液部分を多くした部分40とをはっきりと分けて表示しているが、実際にはこれらの間は境界をはっきりとさせずに連続的に状態が変わっていくようにしてもよい。
また、本実施形態のようにノズル周辺を構成する場合に、ノズル周辺のみを撥液処理してもよいが、ノズルプレート面全体を撥液処理しておき、撥液性を低くする部分に対して親液部分を微小面積で配置するようにしてもよい。
また、図11に本実施形態の他の例を示す。
図11(a)に示すように、インクヘッドと記録媒体の相対搬送方向Aに向いたノズル22の上下の縁部40は、撥液処理だけの部分とし、相対搬送方向Aに直交する側のノズル22の左右の縁部44は、超撥液状態にしても同様の効果を得ることができる。
この左右の縁部44を超撥液状態とするには、図11(b)にこの縁部44を拡大して示すように、例えば、ノズルプレート面に断面形状が2μm×2μm程度の溝46を設け、この溝46にも撥液膜を付けると、微小な溝形状による撥液性との相乗作用によって超撥液状態となる。
この状態により、図11(a)に示すように、ノズル22の端部に付着したインク23は、ノズルプレート表面に分布した表面張力差によって、図中に矢印で示したように、相対搬送方向Aに向かう側(相対搬送方向Aに直交する方向の中央部)の縁部の方へ移動しやすくなり、上記例と同様の効果を有する。
なお、本例の構成は、ノズル周辺全体が撥液処理されるため、前述した図10の構成よりも好ましい。また、このときノズル周辺に対してのみ撥液処理するのではなく、超撥液状態とする部分に対して微小な溝形状を形成しておき、ノズルプレート面全体に対して撥液処理を施すようにしてもよい。ノズルプレート面全体に対して撥液膜を付ける方が作業が簡単になる。
なお、図10の例と同様に、図11の例においても、超撥液部分と撥液処理だけの部分とをはっきりと分けずに、これらの間の境界をはっきりさせずに連続的に状態が変化していくように溝46の密度や本数を調整するようにしてもよい。
また、撥液処理を異ならせた部分を設けることにより、残留インクを相対搬送方向Aに向かう側に導くことができるため、ノズル22の断面形状は必ずしも相対搬送方向Aに直交する方向に細長い扁平形状でなくともよいが、扁平形状とした方がより効果的であり好ましい。
このように第3実施形態によれば、ノズル周囲の撥液性をヘッドと記録用紙の相対搬送方向に対し、これと直交する方向におけるノズル端部で撥液性が高い構成とすることにより、ノズル面に付着インクが発生しても、ノズル縁部のヘッドと記録用紙の相対搬送方向における中央寄りにインクを寄せることができ、シングルパスのインクジェットヘッドにおいてピッチムラが目立ち難い方向に吐出方向曲がりを誘導することができ、シングルパスで描画する場合に特に目立つすじムラを視認し難くすることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
これは、上述した第1〜第3実施形態において、ノズル面(インク吐出面12A)のメンテナンス時におけるクリーニングブレード76による拭き取り方向も、インクヘッド12と記録媒体122の相対搬送方向Aと同方向にするものである。
図5に矢印Bで示すように、ノズルプレートのメンテナンスにおいては、シリコンゴム製のクリーニングブレード76(ワイパー)によって、ノズル面(インク吐出面12A)が相対搬送方向Aと同じ方向に払拭が行われる。
この結果、拭き取り後にノズル近傍に微量残るインク、もしくは残渣や異物等が付着する場所が、ノズル22に対し、インクヘッド12と記録媒体122との相対搬送方向側に集中するため、上述した第1〜第3実施形態と合わせて実行すると、より効果的である。
このように第4実施形態によれば、ノズルのメンテナンスにおける払拭方向をヘッドと記録用紙の相対搬送方向とすることにより、メンテナンスによる残渣等の発生が、ノズル幅が狭い側になるようにすることで上記各実施形態の効果をより高めることができる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図12に、第5実施形態のノズル周辺を立体的な概念図で示す。
図12に示すように、ノズル22の断面形状は、上述した第1〜第3の実施形態と同様に、インクヘッド12と記録媒体122の相対搬送方向Aに略直交する方向に細長い扁平形状であり、ノズル22断面の長軸22aが相対搬送方向Aと略直交するように配置されている。
このとき、本実施形態においては、ノズル22に通ずるノズル内部のノズル連通路21の断面形状も扁平形状となるようにしたものである。またこのときノズル連通路21の扁平な断面形状の長軸21aが、ノズル22断面の長軸22aと略直交するように形成されている。
すなわち、ノズル連通路21もその断面が扁平形状となっているが、ノズル22の断面とは90°ねじれた状態となっており、連続的にノズル開口部へとつながるようになっている。
前述した第1〜第3実施形態においては、ノズル22の断面形状を扁平化することで、吐出直後に液柱の断面がやや扁平になり、液中の太さ方向の振動が励起されるため、液柱がくびれやすくなって、円形のノズルから吐出した場合よりも、液柱が早く切れて、液中部分から飛沫(ミスト)が発生し難くなるという効果があった。
これに加え、本第5実施形態においては、さらにノズル内部のノズル連通路21の断面形状も扁平化し、その長軸21aの方向をノズル22断面の長軸22aの方向と略直交するようにすることで、図12に示すように、ノズル22から吐出されたインク29が形成する液柱の太さ方向の振動を、図中符号Qで示すように発生させて、液柱をよりくびれやすくすることができる。これにより、吐出特性の安定化と共に、インク飛沫の発生をより効果的に抑制することが可能となる。
このように、第5実施形態によれば、扁平な断面形状を有するノズルに連通するノズル連通路を、ノズル長軸方向と直交する方向に長軸を持つ扁平なノズル連通路とすることにより、吐出インクの液柱に振動を励起し、液柱が早いタイミングで確実に切れるようにすることができ、吐出時のインク飛沫の発生を抑制することができる。
以上、本発明のインクジェットヘッドについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
12…インクヘッド、20…圧力室ユニット、21…ノズル連通路、22…ノズル、24…圧力室、26…インク導入口、27…溝、28…振動板、30…圧電素子、40…相対搬送方向Aに向いたノズルの縁部、44…相対搬送方向Aに直交する側のノズルの縁部、76…クリーニングブレード

Claims (11)

  1. シングルパス印字用のインクジェットヘッドであって、
    インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に搬送しながら前記記録媒体に向けてノズル開口部からインクを吐出するためのノズルが前記インクジェットヘッドのインク吐出面に複数形成され、
    前記ノズル開口部の断面形状は、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向の幅よりも、該相対搬送方向と略直交する方向の幅が大きく形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記ノズル開口部の断面形状が、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向の幅をa、該相対搬送方向と略直交する方向の幅をbとするとき、1.5≦b/aであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. シングルパス印字用のインクジェットヘッドであって、
    インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に搬送しながら前記記録媒体に向けてノズル開口部からインクを吐出するためのノズルが前記インクジェットヘッドのインク吐出面に複数形成され、
    前記ノズル開口部の周辺に沿って、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向と略直交する方向における前記ノズル開口部の端部から前記ノズル開口部の中央を通り、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向に平行な軸、に向かって、次第に幅が狭くなるような溝が形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. シングルパス印字用のインクジェットヘッドであって、
    インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に搬送しながら前記記録媒体に向けてノズル開口部からインクを吐出するためのノズルが前記インクジェットヘッドのインク吐出面に複数形成され、
    前記インク吐出面は撥液処理が施されており、
    各ノズル開口部の周囲の撥液性は、前記ノズル開口部の前記相対搬送方向の縁部よりも、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるように形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 前記ノズル開口部の前記相対搬送方向の縁部に、部分的に撥液膜が形成されていない部分を形成することによって、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部に、撥液膜を形成するとともに、微細な溝を形成することによって、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  7. 請求項1または2に記載のインクジェットヘッドであって、さらに、前記ノズル開口部の周辺に沿って、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向と略直交する方向における前記ノズル開口部の端部から前記ノズル開口部の中央を通り、前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向に平行な軸、に向かって、次第に幅が狭くなるような溝が形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 請求項1または2に記載のインクジェットヘッドであって、さらに、前記インク吐出面は撥液処理が施されており、
    各ノズル開口部の周囲の撥液性は、前記ノズル開口部の前記相対搬送方向の縁部よりも、前記相対搬送方向に略直交する方向の縁部の撥液性が高くなるように形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェットヘッドであって、さらに、該インクジェットヘッドのインク吐出面を清掃する払拭機構を有し、該払拭機構による前記インク吐出面の払拭方向は、前記相対搬送方向と略同じ方向であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 請求項1または2に記載のインクジェットヘッドであって、さらに、各ノズルに対応して、吐出力を発生する圧力室から前記ノズルへ連通する流路を有し、該流路は、その前記インク吐出面に平行な断面形状の前記インクジェットヘッドと前記記録媒体の相対搬送方向の幅の方が該相対搬送方向と略直交する方向の幅よりも大きく形成された部分を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 請求項1〜10に記載のインクジェットヘッドであって、さらに前記ノズルから吐出するインクが、少なくとも顔料か、乾燥によって硬化する樹脂成分を含んだインクであることを特徴とするインクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017132192A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2018079619A (ja) * 2016-11-16 2018-05-24 富士フイルム株式会社 払拭装置、液体吐出装置、及び液体吐出面払拭方法

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