JP2017132192A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017132192A
JP2017132192A JP2016015649A JP2016015649A JP2017132192A JP 2017132192 A JP2017132192 A JP 2017132192A JP 2016015649 A JP2016015649 A JP 2016015649A JP 2016015649 A JP2016015649 A JP 2016015649A JP 2017132192 A JP2017132192 A JP 2017132192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
unit
recording medium
transport direction
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016015649A
Other languages
English (en)
Inventor
善紀 浅香
Yoshiaki Asaka
善紀 浅香
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2016015649A priority Critical patent/JP2017132192A/ja
Publication of JP2017132192A publication Critical patent/JP2017132192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】インクの着弾バラつき及びミストの発生を低減することである。【解決手段】インクジェット記録装置100は、記録媒体Pを搬送する搬送部3と、記録媒体Pの搬送方向Xに沿って配置され、複数のノズルを有するヘッドユニット1と、各ヘッドユニット1の搬送方向Xの上流側から下流側へ流れる気流を生成する吹き出し機構4及び吸引機構5と、を備える。各ノズルは、搬送方向Xの上流側及び下流側の少なくとも一方に、搬送方向Xに垂直な直線部分の辺を有する形状のノズル穴を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
従来、インクジェットヘッドに設けられている複数の微細なノズルからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。近年、インクジェット記録装置により画像形成される画像の高精度化、印刷速度の高速度化の要望に応えるため、複数のインクジェットヘッドを千鳥格子状に配置したラインヘッドを用いて記録媒体の搬送のみで描画を行う1パス描画方式が提案されている。
また、ラインヘッドに用いることが可能なインクジェットヘッドとしては、ノズル穴が四角形のノズルを有するインクジェットヘッドが知られている(特許文献1参照)。
特開2015−133491号公報
インクジェット記録装置は、インクジェットヘッドのノズルからドットを形成する主液滴と共に微小なサテライト滴を吐出する場合がある。サテライト滴は、主液滴に比べて微小であるために空気抵抗の影響を受けやすく、吐出してすぐに飛翔速度が減速し、ミストとなって空中を浮遊し、ヘッドのノズル面等に付着する。これがノズルの吐出の不安定化やインクジェットヘッド周辺の汚損の原因となっていた。
特許文献1に記載のノズル穴が四角形のノズルは、ノズル穴が円形のものよりも、インクの液滴の尾が切れやすいため、記録媒体へのインクの着弾バラつきを低減し、ミストの発生を低減できる。しかし、ノズル穴が四角形のノズルは、ノズル穴が円形のものに比べて形状に偏りがあるため、ノズル付近の気流が発生すれば、その気流の方向によっては、インクの液滴の尾が切れにくくなり、着弾バラつき及びミストの発生が高まるおそれがあった。
本発明の課題は、インクの着弾バラつき及びミストの発生を低減することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のインクジェット記録装置は、
記録媒体を搬送する搬送部と、
前記記録媒体の搬送方向に沿って配置され、複数のノズルを有するインク吐出部と、
前記各インク吐出部の前記搬送方向の上流側から下流側へ流れる気流を生成する気流生成部と、を備え、
前記各ノズルは、前記搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に、前記搬送方向に垂直な直線部分の辺を有する形状のノズル穴を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記気流生成部は、前記各インク吐出部の前記搬送方向の下流側に配置され、空気を吸引する吸引部を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記吸引部は、前記各インク吐出部の前記搬送方向の下流側に隣接して配置される。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記気流生成部は、前記各インク吐出部の前記搬送方向の上流側に配置され、空気を吹き出す吹き出し部を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズル穴の形状は、前記直線部分の辺を有する四角形である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズル穴の形状は、前記搬送方向に平行な辺よりも前記搬送方向に垂直な方向の辺が長い四角形である。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズル穴の形状は、正方形である。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インク吐出部は、ノズル面に複数のノズルからなるノズル列を複数有する。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録媒体は、布であり、
前記インク吐出部のノズル面と、前記搬送される記録媒体との間隔が、布に対応する間隔に設定されている。
請求項11に記載の発明のインクジェット記録方法は、
記録媒体を搬送する工程と、
前記記録媒体の搬送方向に沿って配置され、複数のノズルからインクを吐出する工程と、
前記複数のノズルの前記搬送方向の上流側から下流側へ流れる気流を生成する工程と、を含み、
前記各ノズルは、前記搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に、前記搬送方向に垂直な直線部分の辺を有する形状のノズル穴を有する。
本発明によれば、インクの着弾バラつき及びミストの発生を低減できる。
本発明の第1の実施の形態のインクジェット記録装置の概略を示す模式図である。 ヘッドユニット周辺を図3のW−W線に沿った断面で図示した側面図である。 ヘッドユニット周辺を図2のV−V線に沿った断面で図示した平面図である。 第1のヘッドユニット周辺の底面図である。 第1のノズル基板のノズル面の平面図である。 ヘッドユニットと吸引機構とを分離した構成を示す側面図である。 (a)は、第2のノズル穴を示す図である。(b)は、第3のノズル穴を示す図である。(c)は、第4のノズル穴を示す図である。 第2のノズル基板のノズル面の平面図である。 第2のヘッドユニット周辺の底面図である。 第2の実施の形態のインクジェット記録装置の概略を示す模式図である。 第3の実施の形態のインクジェット記録装置の概略を示す模式図である。
添付図面を参照して本発明に係る第1〜第3の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100について説明する。図1は、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100の概略を示す模式図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、ライン式のインクジェットプリンタであり、インク吐出部としてのインクジェットヘッド12から記録媒体Pに対してインクを吐出し、記録媒体P上に画像を形成する。ライン式のインクジェットプリンタは、複数のインクジェットヘッドを有するヘッドユニットが搬送方向に直交する媒体幅方向について画像形成可能な最大幅と同じ範囲に渡ってノズルを備えており、当該ヘッドユニットを媒体幅方向に沿って移動させることなく、搬送される記録媒体に画像形成を行うものをいう。また、下記に例示するインクジェット記録装置100は、記録媒体Pとしてシート状のカット紙、フィルム基材の平面に対して画像形成を行う。
なお、以下の説明では、記録媒体Pは後述する搬送部3により画像形成位置において水平に搬送されるものとし、当該搬送方向をXと規定する。また、同じく水平であって搬送方向Xに直交する方向を媒体幅方向Yとする。また、搬送方向X及び媒体幅方向Yに垂直な高さ方向をZとする。
インクジェット記録装置100は、インク吐出部としてのヘッドユニット1と、支持フレーム2と、搬送部3と、気流生成部20と、供給部6と、排出部7と、気流ガイド板8と、を備える。気流生成部20は、吹き出し部としての吹き出し機構4と、吸引部としての吸引機構5と、を有する。
[搬送部]
図1に示すように、搬送部3は、各ヘッドユニット1の下方を通過するように記録媒体Pを搬送する。搬送部3は、駆動ローラー30と、従動ローラー31と、駆動ローラー30及び従動ローラー31に架け渡された無端状の搬送ベルト33と、駆動ローラー30を回転させるモーター(図示略)と、を備える。
駆動ローラー30及び従動ローラー31は、掛け渡された搬送ベルト33のうち、少なくともヘッドユニット1のノズル面(インクの吐出を行う面)に対向する部分が平面をなすように必要な間隔をあけて配置されている。
搬送ベルト33は、記録媒体Pの幅よりも広い幅を有しており、そのベルト面には複数の吸引孔(図示略)が形成されている。搬送ベルト33の内側には、吸着チャンバ34を設け、その内部をファンにより負圧にすることによって記録媒体Pが搬送ベルト33上に吸着保持される。搬送ベルト33は、モーターの駆動により駆動ローラー30が回転すると駆動ローラー30と従動ローラー31との間を図1における時計回り方向に周回してその上面に載置された記録媒体Pを搬送方向Xに沿って搬送する。
[供給部]
図1に示すように、供給部6は、搬送部3に対して記録媒体Pの搬送方向Xにおける上流側に設けられており、搬送部3に記録媒体Pを供給するものである。供給部6は、記録媒体Pを積層して収納するカセット61と、カセット61から記録媒体Pを引き出す引き出しローラー62と、引き出しローラー62により引き出された記録媒体Pを搬送部3に向けて送る送りローラー63と、を備える。
カセット61には、一定の大きさにカットされた記録媒体Pが積層されて収納されている。引き出しローラー62は、収納された記録媒体Pの上面に押し当てられている。引き出しローラー62は、自身の回転により、記録媒体Pとの摩擦力で記録媒体Pをカセット61から引き出す。送りローラー63は、記録媒体Pの搬送経路を挟んで対向する位置に設けられている。送りローラー63は一対のローラーからなり、互いに逆方向に回転し、引き出しローラー62から引き出された記録媒体Pを挟持して搬送部3に向けて送り出すことができる。
なお、記録媒体Pはカット紙のように所定サイズにカットされたものに限らず、例えばロールから繰り出される帯状の長尺シートでも良い。その場合には、供給部は、ロールを回転可能に支持し、送りローラー63と同様のローラーにより搬送方向Xの下流側に繰り出す構成とすることが望ましい。
[排出部]
図1に示すように、排出部7は、搬送部3に対して記録媒体Pの搬送方向Xにおける下流側に設けられており、画像の形成が完了した記録媒体Pを外部に排出するものである。排出部7は、画像形成が完了した記録媒体Pを搬送ベルト33から取り出して排出する排出ローラー71と、画像形成が完了した記録媒体Pが載置されるソーター72と、を備える。
なお、記録媒体Pを前述したロールから繰り出される長尺シートとする場合には、排出部7は、画像形成後の記録媒体Pをモーターにより巻き取る構成とするか、長尺シートを所定長さでカットする切断部とカットされたシートのストッカーとを有する構成とすることが望ましい。
[ヘッドユニット]
図2は、ヘッドユニット1周辺を図3のW−W線に沿った断面で図示した側面図である。図3は、ヘッドユニット1周辺を図2のV−V線に沿った断面で図示した平面図である。図4は、ヘッドユニット1周辺の底面図である。図5は、ノズル基板121のノズル面の平面図である。このノズル基板121のノズル面には、撥インク処理により、撥インク膜が形成されており、ノズルの周りにインクが残る事による、ノズルから吐出する液滴の曲りを防止する。
五つのヘッドユニット1は、上流側から下流側にかけて順番に、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各プロセスカラーのインクを内蔵しており、これらの液滴を搬送される記録媒体Pに向かって垂直下方に吐出する。
各ヘッドユニット1が内蔵する各色彩のインクはいずれもインクの主溶媒の密度よりも顔料の密度が大きいものが使用される。また、インクの密度は一般に1.1[kg/l]程度だが、各ヘッドユニット1が内蔵する各色彩のインクの密度は1.2〜1.5[kg/l]程度のものが使用される。特に、ホワイト(W)のインクは顔料に金属を含んでいるため、顔料の密度が主溶媒の密度よりも大きくなり、インクそのものの密度も大きくなる傾向にある。このように、通常よりも密度が大きく、特に、顔料の密度が主溶媒よりも大きなインクの場合には、吐出の際に、主溶媒中の顔料分散が不均一になりやすいため、液滴がまとまらずサテライトが生じやすい傾向にある。
図2及び図3に示すように、ヘッドユニット1と吸引機構5とは一体化されている。即ち、一つの筐体11にヘッドユニット1と吸引機構5の構成が配置されている。この筐体11は、略直方体状であり、その長手方向が媒体幅方向Yに沿った状態で支持フレーム2に取り付けられている。また、筐体11の底面は、水平状態を維持し、その下方に位置する搬送ベルト33の上面に対して所定の距離を維持した状態で対向している。また、搬送される記録媒体Pの反りの発生や凹凸がある場合を考慮して、筐体11の底面は搬送ベルト33の上面に対して、記録媒体Pの通過に支障がない範囲で近接するように高さが調節されている。そして、搬送方向Xにおける上流側から下流側へ、吹き出し機構4のダクト41、インクジェットヘッド12の格納部13、吸引機構5のダクト51、となっている。
インクジェットヘッド12の格納部13は、その底部が広く開口されており、下方から見ると、図4に示すとおり、開口部の内側に7つのインクジェットヘッド12が媒体幅方向Yに沿って千鳥状に配列されている。インクジェットヘッド12は、その全体形状が略直方体状をなし、その底部には、ノズル基板121が設けられている。また、インクジェットヘッド12の両端部には、格納部13に固定するためのフランジ122が設けられている。
また、インクジェットヘッド12には、ヘッドユニット1内に設けられた図示しないインク貯留部から供給されるインクをノズル基板121に形成された複数のノズルまで導くインク経路と、当該インク経路の途中で内部のインクに吐出圧を付与してインクの液滴を吐出させる駆動機構が内蔵されている。この駆動機構は圧電素子を駆動源としており、ヘッドユニット1には各インクジェットヘッド12の圧電素子を駆動させる図示しない駆動回路が設けられ、個々のインクジェットヘッド12の駆動を制御している。
インクジェットヘッド12は、ノズル基板121のノズル面(下側(―Z方向側)の面)が水平状態を維持し、当該ノズル面が筐体11の底面と同じ高さとなるように格納部13内に取り付けられている。また、図5に示すように、ノズル基板121のノズル面には、媒体幅方向Yに沿って並んで形成されたノズル穴h1を有するノズルからなるノズル列が搬送方向Xに複数並べられている。各ノズル列のノズルピッチは均一であり、隣接するノズル列は各ノズルの配置が媒体幅方向Yについてドットピッチ単位でオフセットしている。なお、ドットピッチとは、このインクジェットヘッド12によって媒体幅方向Yについて形成可能な最小のドット間隔をいう。インクジェットヘッド12は、ノズルを上記配置としたことにより、全ノズルからの吐出によって上記ドットピッチでドット列を形成することが可能となっている。
また、筐体11の格納部13に千鳥状に配列された7つのインクジェットヘッド12は、ドット形成領域が媒体幅方向Yについてドット形成の隙間を生じないように、端部同士で重複するように配置されている。そして、これにより、ヘッドユニット1は、媒体幅方向Yについて図4に示す画像形成可能な最大幅wの範囲についてドット形成を行うことができる。
ノズル穴h1は、搬送方向Xに平行な対向する直線部分の2つの辺と、搬送方向Xに垂直な方向(媒体幅方向Y)に平行な対向する直線部分の上流側の辺h11及び下流側のh12と、からなる正方形の形状を有する。
[吹き出し機構]
図2に示すように、吹き出し機構4は、搬送方向Xにおけるヘッドユニット1の上流側に形成されたダクト41と、ダクト41内に設けられたファン42と、を備えている。
ダクト41は、その内部が空洞であって、ダクト41の上面に設けられた吸引口411と、筐体11の底面部からダクト41内に貫通する吹き出し口412と、を備える。ファン52は、吸引口411からダクト41の内部を通じて吹き出し口412へ気体を流動させる方向に送風している。なお、吹き出し機構4は、ダクト41内を通過する気体が全て通過するようにダクト41の内壁にフィルターを取り付けた構成としてもよい。また、このフィルターは着脱可能とし、交換できるようにしても良い。
吹き出し口412は、媒体幅方向Yに沿ったスリット状に形成されている。また、この吹き出し口412は、ヘッドユニット1の各インクジェットヘッド12のノズル基板121のノズル面と同じ高さに形成されている。また、前述したように、五つの吹き出し機構4、ヘッドユニット1及び吸引機構5が搬送方向Xに沿って並んで配置されているが、各吹き出し機構4の吹き出し口412は、筐体11によって一体化されたヘッドユニット1(搬送方向Xの上流側で隣接するヘッドユニット1)から所定距離をあけるようにその配置が設定されている。
[吸引機構]
図2に示すように、吸引機構5は、筐体11の搬送方向Xにおけるヘッドユニット1の下流側に形成されたダクト51と、ダクト51内に設けられたファン52と、ダクト51内に吸引したサテライト滴を捕集するフィルター53とを備えている。
ダクト51は、その内部が空洞であって、筐体11の底面部からダクト51内に貫通する吸引口511と、ダクト51の上面に設けられた排気口512と、を備える。ファン52は、吸引口511からダクト51の内部を通じて排気口512へ気体を流動させる方向に送風している。また、フィルター53は、ダクト51内を通過する気体が全て通過するようにダクト51の内壁に取り付けられている。なお、このフィルター53は、吸引口511又は排気口512の開口全体を覆うように取り付けても良い。また、フィルター53は着脱可能とし、交換できるようにしても良い。
吸引口511は媒体幅方向Yに沿ったスリット状に形成されている。また、この吸引口511は、ヘッドユニット1の各インクジェットヘッド12のノズル基板121のノズル面(下側の面)と同じ高さに形成されている。また、前述したように、五つの吹き出し機構4、ヘッドユニット1及び吸引機構5が搬送方向Xに沿って並んで配置されているが、各吸引機構5の吸引口511は、筐体11によって一体化されたヘッドユニット1(搬送方向Xの上流側で隣接するヘッドユニット1)に最も近接するようにその配置が設定されている。即ち、吸引口511から搬送方向Xの上流側で隣接するヘッドユニット1までの搬送方向Xにおける距離(厳密には、吸引口511の搬送方向Xにおける中心位置から搬送方向Xの上流側で隣接するヘッドユニット1の千鳥配置されたインクジェットヘッド12とインクジェットヘッド12の丁度中間位置までの搬送方向Xにおける距離)をbとする。また、吸引口511から搬送方向Xの下流側で隣接するヘッドユニット1までの搬送方向Xにおける距離(厳密には、吸引口511の搬送方向Xにおける中心位置から搬送方向Xの下流側で隣接するヘッドユニット1の千鳥配置されたインクジェットヘッド12とインクジェットヘッド12の丁度中間位置までの搬送方向Xにおける距離)をaとする。これらの場合、距離bが距離aよりも短くなるように、互いに隣接する各吸引機構5(及びヘッドユニット1)同士の間隔が設定されている。
また、吹き出し機構4、ヘッドユニット1及び吸引機構5の媒体幅方向Yの両端に、搬送方向X及び高さ方向Z(XZ平面)に延在した気流ガイド板8が設けられている。気流ガイド板8は、吹き出し機構4、ヘッドユニット1及び吸引機構5の媒体幅方向Yの両端の隙間から空気が流出したり、当該隙間から空気が流入することにより、吹き出し機構4から吸引機構5へ流れる気流が不安定になることを防ぐ。
[インクジェット記録装置による画像形成]
インクジェット記録装置100では、記録媒体Pが供給部6から引き出しローラー62及び送りローラー63を経て搬送部3に供給される。搬送部3では、搬送ベルト33の上部に記録媒体Pを吸着しつつ各ヘッドユニット1に向かって搬送する。各ヘッドユニット1では、その下側を搬送される記録媒体Pに対して、各インクジェットヘッド12のノズルから形成画像に応じて選択的にインクの吐出が行われる。この際、各ヘッドユニット1から主液滴が吐出されると、これに伴って、サテライト滴が発生する。
しかし、ノズル穴h1の形状が四角形であるため、四角形の辺により、主液滴の尾が切れやすい。これは、円形のノズル穴の場合には均一にノズルメニスカスが変化するが、ノズル穴h1の直線部分の辺により、表面張力によってメニスカスを引き戻しやすいために、主液滴の尾が切れやすくなるのである。主液滴の尾が切れやすいと、インクの着弾バラつきを低減し、サテライト滴の発生も低減される。また、ノズル穴h1の形状が四角形であるため、ノズルに付着するごみの影響を受けにくい。つまり、ノズル穴の角にゴミが付着しても、ノズル穴が円形のノズルに比べて、主液滴の飛翔バラつきへの影響が少ない。さらに、ノズル穴h1の形状が四角形であるため、液滴の落下時に辺方向に曲がりやすいが、ノズル穴h1の四角形が正方形であるため、4つの辺が偏り少なく配置されるため、主液滴の落下時の曲りが低減され、着弾バラつきが低減される。
また、搬送部3による搬送方向Xへの記録媒体Pの移動によりノズル基板121のノズル面には、自然に小さな気流の流れが起き、吹き出し機構4の空気の吹き出しにより、当該ノズル面に一定の気流の流れが形成される。さらに、各ヘッドユニット1のインクジェットヘッド12のノズル基板121のノズル面と記録媒体Pとの間には、吹き出し機構4による空気の吹き出しと吸引機構5による空気の吸引とにより搬送方向Xの下流側に向かって一定の気流が発生する。このため、ノズル穴h1が、気流の方向(搬送方向X)に垂直な媒体幅方向Yに平行な2つの辺h11,h12を有するため、主液滴の尾がさらに切れやすく、全てのノズルでインクが同じ方向に飛翔しやすい。
そして、各ヘッドユニット1により画像形成が行われた記録媒体Pは、搬送部3から排出部7に渡り、排出ローラー71によってソーター72に排出されて動作が完了する。
[インクジェット記録装置の技術的効果]
インクジェット記録装置100は、記録媒体Pを搬送する搬送部3と、記録媒体Pの搬送方向Xに沿って配置され、複数のノズルを有するヘッドユニット1と、各ヘッドユニット1の搬送方向Xの上流側から下流側へ流れる気流を生成する気流生成部20、とを備える。各ノズルは、搬送方向Xの上流側及び下流側に、搬送方向に垂直な直線部分の辺を有する形状のノズル穴を有する。
このため、ノズル穴が上流側及び下流側に、搬送方向に垂直な直線部分の辺を有するので、同面積の円形のノズル穴に比べて、主液滴の尾が切れやすく、インクの着弾バラつきを低減でき、記録画像の画質を向上できる。また、主液滴の尾が切れやすいので、サテライト滴の低減によりミストの発生を低減でき、各インクジェットヘッド12に対するミスト(インク)の付着を防止して、ヘッドユニット1等の汚損を防ぎ、より良好なインク吐出を実現できる。また、ノズル穴が気流の方向(搬送方向X)に垂直な媒体幅方向Yに平行な2つの辺h11,h12を有するため、主液滴の尾がより切れやすく、全てのノズルでインクが同じ方向に飛翔しやすく、着弾バラつきをより低減でき、記録画像の画質をより向上でき、ミストの発生をより低減でき、汚損を防ぎ、より良好なインク吐出を実現できる。
また、気流生成部20は、各ヘッドユニット1の搬送方向Xの下流側に配置され、空気を吸引する吸引機構5を有する。空気を吸引することで、ノズル基板121のノズル面に気流の流れを形成でき、気流の流れを整えて安定化できる。搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に、搬送方向に垂直な直線部分の辺を有する形状のノズル穴を有する事との組み合わせで、主液滴の尾がより切れやすく、全てのノズルでインクが同じ方向により飛翔しやすく、記録媒体Pへの着弾バラつきをさらに低減でき、ミストの発生をさらに低減できる。気流の影響により、液滴の尾の中心から遠い位置にある、辺h11の両端部若しくは、辺h12の両端部からある程度同じタイミングで尾が切れ始める為と思われる。気流が無くても尾は切れるが、気流があり気流の方向がノズルの一辺と垂直である事が最も好ましい。
また、吸引機構5は、各ヘッドユニット1の搬送方向Xの下流側に隣接して配置される。このため、気流の整流効果を高められ、流れを整えてより安定化でき、全てのノズルでインクが同じ方向にさらに飛翔しやすく、着弾バラつきをさらに低減できる。またミストが発生した場合でも吸引機構5で吸引する事により、記録媒体へのサテライト液滴の付着を削減する事ができる。
また、気流生成部20は、各ヘッドユニット1の搬送方向Xの上流側に配置され、空気を吹き出す吹き出し機構4を有する。このため、空気を吹き出すことで、ノズル基板121のノズル面に気流の流れを形成でき、気流の流れを整えて安定化でき、主液滴の尾がより切れやすく、全てのノズルでインクが同じ方向により飛翔しやすく、着弾バラつきをさらに低減でき、ミストの発生をさらに低減できる。気流の影響により、液滴の尾の中心から遠い位置にある、辺h11の両端部若しくは、辺h12の両端部からある程度同じタイミングで尾が切れ始める為と思われる。気流が無くても尾は切れるが、気流があり気流の方向がノズルの一辺と垂直である事が最も好ましい。
また、ノズル穴h1の形状は、直線部分の辺h11,h12を有する四角形である。四角形だと辺が二つある為、本発明に好ましい。またノズルに角が明確に存在する為、角の部分から尾が切れ始める効果があり好ましい。
ノズル穴の形状は、正方形である事が最も好ましい。主液滴の落下時の曲りを低減でき、着弾バラつきをさらに低減でき、記録画像の画質を向上できる。これは正方形が最も中心対称性の高い四角形の為である。気流の影響で尾が安定して切れるため最も直進性が高く、着弾バラつきを低減でき、ミストの発生をさらに低減できる。
さらに正方形のノズル穴形状である事に関わらず、ノズルの周囲を含むノズル面に撥インク膜を形成したインクジェットヘッドであると、液滴の尾がノズル周囲に引き寄せられることが少なく、液滴直進性が高められる。
[ヘッドユニットと吸引機構の他の配置例]
上記第1の実施の形態の変形例として、ヘッドユニットと吸引機構との配置を異にした装置例を説明する。図6は、ヘッドユニット1と吸引機構5とを分離した構成を示す側面図である。
図6に示すように、各ヘッドユニット1と各吸引機構5とは、それぞれ別の筐体14,15に個別に格納して、分離した配置としても良い。この場合も、図6に示すように、各吸引機構5について、吸引口511から搬送方向Xの下流側で隣接するヘッドユニット1までの搬送方向Xにおける距離aよりも吸引口511から搬送方向Xの上流側で隣接するヘッドユニット1までの搬送方向Xにおける距離bが短くなるように配置することが望ましい。
吸引機構5を分離配置した場合も、図2の配置の構成と同様に、インク吐出時のサテライト滴の吸引を良好に行い、各ヘッドユニット1と記録媒体Pとの間の気流の安定化を図り、形成画像の画質向上を図ることが可能である。さらに、ヘッドユニット1の筐体14と吸引機構5の筐体15との間に隙間が形成されているので、吸引時にこの隙間からの気流がヘッドユニット1からの気流を加速させ、サテライト滴をより良好に吸引することが可能となる。また、メンテナンス時において、ヘッドユニット1の筐体14と吸引機構5の筐体15のいずれか必要な方だけを取り外すことができ、作業効率を向上させることができる。また、同様に、ヘッドユニット1又は吸引機構5が不良或いは故障を生じた場合に、ヘッドユニット1又は吸引機構5のみを交換することができ、コスト性が良いという利点がある。
[ノズル穴の他の例]
上記第1の実施の形態の変形例として、ノズル穴の形状を異にした装置例を説明する。図7(a)は、ノズル穴h2を示す図である。図7(b)は、ノズル穴h3を示す図である。図7(c)は、ノズル穴h4を示す図である。
図7(a)に示すように、上記第1の実施の形態のインクジェット記録装置100のノズル基板121のノズルのノズル穴h1を、ノズル穴h2に変更する構成としてもよい。ノズル穴h2は、搬送方向Xに垂直な方向(媒体幅方向Y)に平行な上流側及び下流側の直線部分である2つの辺h21、h22を有し、辺h22が上流側の辺h21よりも長い台形である。なお、ノズル穴を、搬送方向Xに垂直な方向に平行な下流側の辺が上流側の辺よりも短い台形としてもよい。
また、図7(b)に示すように、ノズル基板121のノズルのノズル穴h1を、ノズル穴h3に変更する構成としてもよい。ノズル穴h3は、搬送方向Xに垂直な方向(媒体幅方向Y)に平行な下流側の1つの辺h31を有する弓形(円弧及び直線からなる図形)である。なお、ノズル穴を、搬送方向Xに垂直な方向に平行な上流側の1つの辺を有する弓形としてもよく、同じく上流側及び下流側の2つの辺を有する弓形としてもよい。
また、図7(c)に示すように、ノズル基板121のノズルのノズル穴h1を、ノズル穴h4に変更する構成としてもよい。ノズル穴h4は、搬送方向Xに平行な2つの辺と、搬送方向Xに平行な2つの辺よりも長く搬送方向Xに垂直な方向(媒体幅方向Y)に平行な2辺と、を有する長方形である。ノズル穴h4とすることにより、主液滴の尾がより切れやすくなるので、着弾バラつきをさらに低減でき、記録画像の画質を向上できるとともに、ミストの発生を低減でき、各インクジェットヘッド12に対するミストの付着を防止して、より良好なインク吐出を実現できる。
ノズル穴h2,h3,h4は、いずれも、搬送方向Xに垂直な方向に平行な上流側及び下流側の少なくとも1つの直線部分である辺を有する。
[ノズルヘッドの他の例]
上記第1の実施の形態の変形例として、ノズルヘッドを異にした装置例を説明する。図8は、ノズル基板121Aのノズル面の平面図である。
図8に示すように、上記第1の実施の形態のインクジェット記録装置100のノズル基板121を、ノズル基板121Aに代える構成としてもよい。ノズル基板121Aのノズル面には、媒体幅方向Yに沿って並んで形成されたノズル穴h1のノズルからなるノズル列が搬送方向Xに一列並べられている。各ノズル列のノズルピッチは均一であり、隣接するノズル列は各ノズルの配置が媒体幅方向Yについてドットピッチ単位でオフセットしている。
[インク吐出部の他の例]
上記第1の実施の形態の変形例として、ノズルヘッドを異にした装置例を説明する。図9は、ヘッドユニット1A周辺の底面図である。
上記第1の実施の形態のインクジェット記録装置100において、前述したインク吐出部としてのヘッドユニット1は、格納部13内に複数のインクジェットヘッド12を備える構成としたが、これに限らず、ヘッドユニット1を、図9に示すヘッドユニット1Aに代えた構成としてもよい。ヘッドユニット1Aは、格納部13内に単体のインクジェットヘッド12Aを格納する。
インクジェットヘッド12Aは、その全体形状が媒体幅方向Yについてインクジェットヘッド12よりも長い略直方体状をなしている。また、インクジェットヘッド12Aは、その底部にノズル基板121Aが設けられ、その両端部には格納部13に固定するためのフランジ122Aが設けられている。ノズル基板121Aには、媒体幅方向Yに沿ったノズル穴h1を有する複数のノズルからなる複数のノズル列が搬送方向Xに並んで形成され、ノズル基板121A単体により画像形成可能な最大幅wの範囲ついてドット形成を行う。また、インクジェットヘッド12Aには、インクをノズル基板121Aの各ノズルまで導くインク経路と、インクの液滴を吐出させる駆動機構とが内蔵されている。なお、図9では、インクジェットヘッド12Aが筐体11の格納部13に格納される場合を例示したが、インクジェットヘッド12Aは筐体に格納しなくとも良い。また、吸引機構5は、前述した分離式の筐体15に格納することも可能である(図6参照)。
[記録媒体の他の例]
上記第1の実施の形態の変形例として、記録媒体Pを異にした例を説明する。上記第1の実施の形態のインクジェット記録装置100では、記録媒体Pが紙(カット紙)やフィルム(フィルム基材)等、比較的表面が平滑なものに記録する。しかし、これに限定されるものではなく、記録対象の記録媒体が布であることとしてもよい。
記録媒体としての布は、表面が平滑でないため、記録媒体Pを用いる場合に比べて、ヘッドユニット1のインクジェットヘッド12のノズル面と、搬送される布との間に、より大きな間隔が必要である。この間隔が大きいと、従来のインクジェット記録装置では、インクの着弾ずれも大きくなる。
しかし、インクジェット記録装置100を用い、記録媒体は、布であり、インクジェットヘッド12のノズル面と、搬送される記録媒体との間隔が、布に対応する間隔に設定されている。このため、インクジェットヘッド12のノズル面と、搬送される記録媒体との間隔が大きくても、インクの着弾バラつきを低減できて、記録画像の画質を向上できるとともに、ミストの発生を低減でき、各インクジェットヘッド12に対するミストの付着を防止して、より良好なインク吐出を実現できる。
(第2の実施の形態)
図10を参照して、本発明に係る第2の実施の形態であるインクジェット記録装置100Bについて説明する。図10は、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100Bの概略を示す模式図である。インクジェット記録装置100Bの構成について、第1の実施形態のインクジェット記録装置100と同一の構成については同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
インクジェット記録装置は、インクジェット記録装置100のように記録媒体Pをベルトにより搬送する構成に限られるものではなく、例えば、図10に示すように、ドラム方式のライン式インクジェットプリンタに適用してインクジェット記録装置100Bとすることも可能である。
インクジェット記録装置100Bは、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインク吐出を行う五つのヘッドユニット1と、支持フレーム2Bと、搬送部3Bと、各ヘッドユニット1の搬送方向上流側に設けられた五つの吹き出し機構4と、各ヘッドユニット1の搬送方向下流側に設けられた五つの吸引機構5と、供給部6と、排出部7と、を備える。
搬送部3Bは、図示しないモーターの駆動により、図10における時計方向(搬送方向Xとする)に回転し、記録媒体Pをその外周面に密着させた状態で各ヘッドユニット1に搬送する搬送ドラム31Bと、供給部6から搬送ドラム31Bにかけて記録媒体Pを搬送する中継部32Bと、搬送ドラム31Bから排出部7にかけて記録媒体Pを搬送する中継部33Bと、を備える。なお、本実施の形態では、搬送方向Xは水平とならず、搬送ドラム31Bの外周面に沿った円周方向となる。また、媒体幅方向Yは搬送ドラム31Bの回転中心線に沿った方向となる。
搬送ドラム31Bは、その表面全体にわたって記録媒体Pのサイズに合わせた領域に小さな孔が多数穿孔され、搬送ドラム31Bの内側から吸引することで記録媒体Pを搬送ドラム31Bの表面に密着させて搬送する。また、記録媒体Pの先端部を爪の様な部材(図示せず)で挟持して搬送してもよい。
中継部32Bは、供給部6の送りローラー63から繰り出された記録媒体Pを搬送ドラム31Bの外周面に案内するガイド321Bと、記録媒体Pを搬送ドラム31Bの外周面に密着させる圧接ローラー322Bと、を備える。
また、中継部33Bは、剥離ローラー331Bと、中継ベルト332Bと、中継ベルト332Bから排出部7まで記録媒体Pを案内するガイド333Bと、ガイド333Bの各部に設けられたローラー対334Bと、を備える。剥離ローラー331Bは、図示しないモーターにより回転駆動が可能である。また、剥離ローラー331Bは、搬送ドラム31Bの外周面における各ヘッドユニット1の搬送方向Xの下流側であって中継部32Bの圧接ローラー322Bよりも搬送方向Xの上流側に設けられている。そして、剥離ローラー331Bは、内部を減圧され、その外周面に設けられた小孔により記録媒体Pを吸着し、搬送ドラム31Bから剥離させる。また、この剥離ローラー331Bは、その外周面下部に位置する中継ベルト332Bとの接触位置で吸着状態を解除して中継ベルト332B側に記録媒体Pを受け渡すことが可能となっている。
中継ベルト332Bは、その両端部が駆動源を備える一対のローラーに張設されており、中継ベルト332Bの上部に記録媒体Pを載置した状態でガイド333Bまで搬送することができる。ガイド333Bの各所に設けられたローラー対334Bはいずれも図示しないモーターにより駆動を行い、ガイド333Bに沿って記録媒体Pを排出部7まで搬送することが可能となっている。
各ヘッドユニット1は、インクジェットヘッド12のノズル面が搬送ドラム31Bの外周面に対向するように配置されており、搬送方向Xの上流側から順番に、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各プロセスカラーのインクを内蔵している。また、各ヘッドユニット1の搬送方向Xの上流側に所定距離をおいて吹き出し機構4が設けられ、同じく各ヘッドユニット1の下流側に一体的に吸引機構5が設けられている。
インクジェット記録装置100Bは、供給部6から中継部32Bを経て搬送ドラム31Bに記録媒体Pを供給し、搬送ドラム31Bは記録媒体Pを吸着しつつ各ヘッドユニット1に向かって搬送する。各ヘッドユニット1では、その下側を搬送される記録媒体Pに対して、各インクジェットヘッド12のノズルから形成画像に応じて選択的にインクの吐出が行われる。この際、各ヘッドユニット1と記録媒体Pとの間には吹き出し機構4及び吸引機構5により搬送方向Xの下流側に向かって一定の気流が発生する。発生するサテライト滴は、各ヘッドユニット1の下流側に設けられた吸引機構5により吸引される。そして、記録媒体Pに画像形成が行われた後には、中継部33Bを経て記録媒体Pは排出部7に渡り、排出ローラー71によってソーター72に排出されて動作が完了する。
このように、ドラム搬送式のインクジェット記録装置100Bの場合も、インクジェット記録装置100と同じ技術的効果を得ることが出来る。即ち、インクジェット記録装置100Bにより、主液滴の尾が切れやすく、インクの着弾バラつきを低減でき、記録画像の画質を向上できるとともに、ミストの発生を低減でき、より良好なインク吐出を実現できる。
(第3の実施の形態)
図11を参照して、本発明に係る第3の実施の形態であるインクジェット記録装置100Cについて説明する。図11は、第3の実施の形態のインクジェット記録装置100Cの概略を示す模式図である。インクジェット記録装置100Cの構成について、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100と同一の構成については、同じ符号を付して重複する説明は省略するものとする。
第1、第2の実施の形態のインクジェット記録装置100,100Bはいずれも記録媒体として紙又はシート体を対象としていたが、インクジェット記録装置100Cでは、セラミックタイルからなる記録媒体Qに対して画像形成を行う。但し、セラミックタイルの記録媒体Qは紙やシート体よりも厚みがあるので、各ヘッドユニット1、吹き出し機構4及び吸引機構5は、搬送ベルト33の上面に対して、記録媒体Qの厚み分だけ余分に離して配置している。
インクジェット記録装置100Cは、搬送部3に記録媒体Qを供給する供給部6Cと、搬送部3から記録媒体Qを機外に排出する排出部7Cと、がインクジェット記録装置100の供給部6及び排出部7と異なっている。即ち、セラミックタイルは厚みがあって硬質なので、供給部6Cは、記録媒体Qの下面に接するローラー62C,63Cによりトレー61Cにセットされた記録媒体Qを搬送部3に搬送する。同様に、排出部7Cは、画像が形成された記録媒体Qの下面に接するローラー71Cによりトレー72Cに排出する。
セラミックタイルである記録媒体Qは、画像形成後に焼成工程が控えているので、各ヘッドユニット1が吐出するインクは焼成に適したものが使用される。この焼成用インクは、顔料の密度が主溶媒の密度よりも大きく、インクそのものの密度も高いものが使用される(例えば、1.2〜1.5[kg/l])。上記のような顔料密度及びインクそのものの密度が大きなインクは、インク吐出時に、主溶媒中の顔料分散が不均一になりやすいため、液滴がまとまらずサテライト滴が生じやすく、インクジェットヘッド12の汚損が生じやすいが、吹き出し機構4及び吸引機構5を設けているので、サテライト滴を効果的に吸引し、ミストの発生を低減できる。また、このインクジェット記録装置100Cの場合も、ノズル穴h1のノズルにより、主液滴の尾が切れやすく、インクの着弾バラつきを低減でき、記録画像の画質を向上できるとともに、ミストの発生を低減でき、より良好なインク吐出を実現できる。
[観察評価]
次に、第1の実施の形態のインクジェット記録装置100を使用して、ヘッドユニット1のノズル基板121のノズル穴の形状を変更した各種のパターンによる比較試験の観察評価結果を次表1に示す。
Figure 2017132192
気流生成部20により、ヘッドユニット1のインクジェットヘッド12のノズル面には、インクジェットヘッド12と搬送される紙の記録媒体Pとの間で巻き起こる気流と、気流生成部20によって巻き起こる気流の合計が搬送方向Xに1[m/sec]になるように気流を発生させた。またこの時使用したインクジェットヘッド12には、ノズル面に撥インク処理を行いノズルの周囲を含むノズル面に撥インク膜を形成したヘッドを使用した。
そして、ノズル穴の形状が、円、下流側に直線の弓形(ノズル穴h3)、上流側に直線の弓形、搬送方向Xに平行な2辺が搬送方向Xに垂直な2辺よりも長い長方形、正方形(ノズル穴h1)のそれぞれについて、インクジェット記録装置100で、インクジェットヘッド12の全ノズルからインクを噴射(吐出)しながら、紙の記録媒体を搬送し、単一色のべた画像を記録した。そして、100人の観察者が、各ノズル穴でのべた画像が記録された記録媒体を目視により画質を所定の基準の点数で評価した。ノズル穴の形状毎に、画像評価の点数の平均値を算出し、各平均値を、普通、良い、非常に良い、の3段階で表した。
べた画像の画像評価結果は、ノズル穴の形状が円である場合に普通となり、搬送方向Xに垂直な方向に直線部の辺がある場合に円よりも良くなり、ノズル穴の形状が正方形である場合にさらに良くなった。
[その他]
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る好適なインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、上流側から下流側にかけて順番に、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各ヘッドユニット1を配置する構成としたが、これに限定されるものではない。ヘッドユニット1の配列順序は、適宜変更することも可能である。また、使用されるインクの色、色数は、これに限定されず、例えば、淡いインクであるライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の他の色を使用することも可能である。また、ホワイト(W)による下塗りが不要である場合には、ホワイト(W)のヘッドユニット1を除いた構成としても良い。
また、一部又は全部のヘッドユニット1について、密度が1.2[kg/l]未満のインクを吐出する構成としても良いし、一部又は全部のヘッドユニット1について、顔料の密度が主溶媒の密度以下のインクを吐出する構成としても良い。これらのインクもサテライト滴は生じ得るので、その場合でも効果的に吸引可能である。
また、以上の実施の形態におけるインクジェット記録装置100,100B,100Cを構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100,100B,100C インクジェット記録装置
1,1A ヘッドユニット
3,3B 搬送部
30 駆動ローラー
31 従動ローラー
33 搬送ベルト
34 吸着チャンバ
31B 搬送ドラム
32B,33B 中継部
321B ガイド
322B 圧接ローラー
331B 剥離ローラー
332B 中継ベルト
333B ガイド
334B ローラー対
20 気流生成部
4 吹き出し機構
41 ダクト
411 吸引口
412 吹き出し口
42 ファン
5 吸引機構
51 ダクト
511 吸引口
512 排気口
52 ファン
53 フィルター
6,6C 供給部
61 カセット
61C トレー
62 引き出しローラー
62C,63C ローラー
63 送りローラー
7,7C 排出部
71 排出ローラー
71C ローラー
72 ソーター
72C トレー
8 気流ガイド板
11,14,15 筐体
12,12A インクジェットヘッド
121,121A ノズル基板
122,122A フランジ
13 格納部

Claims (10)

  1. 記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記記録媒体の搬送方向に沿って配置され、複数のノズルを有するインク吐出部と、
    前記各インク吐出部の前記搬送方向の上流側から下流側へ流れる気流を生成する気流生成部と、を備え、
    前記各ノズルは、前記搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に、前記搬送方向に垂直な直線部分の辺を有する形状のノズル穴を有するインクジェット記録装置。
  2. 前記気流生成部は、前記各インク吐出部の前記搬送方向の下流側に配置され、空気を吸引する吸引部を有する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吸引部は、前記各インク吐出部の前記搬送方向の下流側に隣接して配置される請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記気流生成部は、前記各インク吐出部の前記搬送方向の上流側に配置され、空気を吹き出す吹き出し部を有する請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ノズル穴の形状は、前記直線部分の辺を有する四角形である請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ノズル穴の形状は、前記搬送方向に平行な辺よりも前記搬送方向に垂直な方向の辺が長い四角形である請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記ノズル穴の形状は、正方形である請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インク吐出部は、ノズル面に複数のノズルからなるノズル列を複数有する請求項1から7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録媒体は、布であり、
    前記インク吐出部のノズル面と、前記搬送される記録媒体との間隔が、布に対応する間隔に設定されている請求項1から8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 記録媒体を搬送する工程と、
    前記記録媒体の搬送方向に沿って配置され、複数のノズルからインクを吐出する工程と、
    前記複数のノズルの前記搬送方向の上流側から下流側へ流れる気流を生成する工程と、を含み、
    前記各ノズルは、前記搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に、前記搬送方向に垂直な直線部分の辺を有する形状のノズル穴を有するインクジェット記録方法。
JP2016015649A 2016-01-29 2016-01-29 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Pending JP2017132192A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016015649A JP2017132192A (ja) 2016-01-29 2016-01-29 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016015649A JP2017132192A (ja) 2016-01-29 2016-01-29 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017132192A true JP2017132192A (ja) 2017-08-03

Family

ID=59503313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016015649A Pending JP2017132192A (ja) 2016-01-29 2016-01-29 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017132192A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3587128A1 (en) 2018-06-28 2020-01-01 Seiko Epson Corporation Inkjet printer and method for separating inkjet printer
CN111038101A (zh) * 2018-10-15 2020-04-21 柯尼卡美能达株式会社 纸张输送装置以及喷墨图像形成装置
JP7369560B2 (ja) 2019-07-30 2023-10-26 セーレン株式会社 インクジェット記録装置
JP7434817B2 (ja) 2019-11-11 2024-02-21 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000043209A1 (en) * 1999-01-19 2000-07-27 Stork Digital Imaging B.V. Print head having air suction
JP2005271314A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Canon Inc 雰囲気調整システムおよびインクジェット記録装置
JP2009119773A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Konica Minolta Holdings Inc 液体吐出ヘッド用ノズルプレート及び液体吐出ヘッド用ノズルプレート製造方法
JP2010214882A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fujifilm Corp インクジェットヘッド
JP2012000932A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000043209A1 (en) * 1999-01-19 2000-07-27 Stork Digital Imaging B.V. Print head having air suction
JP2005271314A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Canon Inc 雰囲気調整システムおよびインクジェット記録装置
JP2009119773A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Konica Minolta Holdings Inc 液体吐出ヘッド用ノズルプレート及び液体吐出ヘッド用ノズルプレート製造方法
JP2010214882A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fujifilm Corp インクジェットヘッド
JP2012000932A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3587128A1 (en) 2018-06-28 2020-01-01 Seiko Epson Corporation Inkjet printer and method for separating inkjet printer
US10752024B2 (en) 2018-06-28 2020-08-25 Seiko Epson Corporation Inkjet printer and method for separating inkjet printer
CN111038101A (zh) * 2018-10-15 2020-04-21 柯尼卡美能达株式会社 纸张输送装置以及喷墨图像形成装置
CN111038101B (zh) * 2018-10-15 2021-09-21 柯尼卡美能达株式会社 纸张输送装置以及喷墨图像形成装置
JP7369560B2 (ja) 2019-07-30 2023-10-26 セーレン株式会社 インクジェット記録装置
JP7434817B2 (ja) 2019-11-11 2024-02-21 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015087862A1 (ja) インクジェット記録装置
JP4785172B2 (ja) 画像記録装置
JP2004216652A (ja) インクジェット式プリンタ
JP2004216651A (ja) インクジェット式プリンタ
JP2008080526A (ja) 液体噴射装置
JP2004216653A (ja) インクジェット式プリンタ
JP2017132192A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2016137672A (ja) インクジェット印刷装置
JP4055482B2 (ja) 記録媒体搬送装置及び記録装置
JP5932737B2 (ja) インクジェット記録装置
US20120050398A1 (en) Inkjet printing apparatus
JP2010023374A (ja) 画像記録装置
JP7324123B2 (ja) インクジェット印刷装置およびインクジェット印刷方法
JP5302786B2 (ja) ベルト搬送装置及びこれを備えたインクジェット記録装置
JP6341648B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6417234B2 (ja) インクジェット印刷装置
US10232644B2 (en) Printing apparatus and platen
JP2016120657A (ja) インクジェット印刷装置
JP6245169B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2018069583A (ja) インクジェット記録装置
JP5593281B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2016137574A (ja) インクジェット印刷装置
JP6311583B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2015182237A (ja) インクジェット記録方法
JP6350346B2 (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200421