JP2001322262A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2001322262A
JP2001322262A JP2000143706A JP2000143706A JP2001322262A JP 2001322262 A JP2001322262 A JP 2001322262A JP 2000143706 A JP2000143706 A JP 2000143706A JP 2000143706 A JP2000143706 A JP 2000143706A JP 2001322262 A JP2001322262 A JP 2001322262A
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昌弘 中西
Motoharu Miki
基晴 三木
Toshinao Ariga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルチパス記録、往復印字記録の際にドット着
弾ずれにより生じる濃度低下やバンディングによる画像
品質の劣化を簡単に低減できるインクジェット記録装置
を提供する。 【解決手段】複数のマスクパターンでそれぞれスキャン
して画像を形成するものにおいて、あるスキャンの際に
他のスキャンの際の他のマスクパターンにおける所定位
置の通常ドットと同じ位置に重複して重複ドットを打ち
込み、この重複ドットと通常ドットが重なった面積の大
きな複合ドットを形成して濃度調整をおこない、これに
より濃度むらを調整して濃度低下やバンディングによる
画像品質の劣化を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置、たとえ
ばインクジェット記録装置において、特に往復印字の際
の着弾ドットの位置ずれによる画像の質の低下を目立た
なくさせる記録装置に関する。
【0002】さらに特定すれば、本発明は上記の着弾ド
ットの位置ずれの補正を機械的な調整を要することな
く、容易に行うことができる記録装置に関する。
【0003】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機器、および通信機器の普及に伴
い、情報を画像として記録する装置、たとえばインクジ
ェット方式による記録ヘッドを用いてデジタル画像記録
を行う記録装置が急速に普及している。
【0004】このような記録装置においては、記録速度
の向上のため、複数の記録素子を集積配列した記録ヘッ
ドすなわちマルチヘッドが用いられ、たとえばインクジ
ェット記録装置においては、複数のインク吐出口および
流路を集積配列したマルチヘッドを備え、またカラー画
像に対応して各色毎の複数のマルチヘッドを備えた記録
装置が一般的となっている。
【0005】図1には、このようなインクジェット記録
装置の記録部分の一般的な構成を示す。このものは、記
録媒体として帯状の記録紙にインクジェット方式で画像
を記録するものである。
【0006】図中の2は、帯状の記録紙1の送り用のス
テップモータであって、このステップモータ2の回転は
駆動ベルト3およびプーリ4を介して搬送ローラ5に伝
達される。そして、この搬送ローラ5とピンチローラ6
とで挟圧された記録紙1は、第1および第2のガイドロ
ーラ7,8に案内され、その長手方向すなわち副走査方
向Yに所定のタイミングで送り出される。
【0007】また、図中の10は、キャリッジを駆動す
る主走査モータであって、この主走査モータ10の出力
軸に取付けられたプーリ11には無端状のタイミングベ
ルト12が掛け渡され、このタイミングベルト12には
キャリッジ13が固定されている。そして、このキャリ
ッジ13は、主走査方向Xと平行に設けられた一対のガ
イド14に案内され、この主走査方向Xに往方向Rおよ
び復方向Lに往復移動するように構成されている。
【0008】また、上記のキャリッジ13には、カラー
画像を記録するため、4色の各色毎の4個のマルチヘッ
ド15,16,17,18が設けられている。図中の1
5は黒のインクを吐出するマルチヘッド、16はシアン
インクを吐出するマルチヘッド、17はマジェンタイン
クを吐出するマルチヘッド、18はイエローインクを吐
出するマルチヘッドである。上記の各マルチヘッド1
5,16,17,18には、インクドロップレットを吐
出する複数の吐出口が配列されている。
【0009】ところで、このマルチヘッドの製造工程の
際の製造誤差等により、上記の複数の吐出口から吐出さ
れるインクドロップレットの大きさや方向にばらつきが
発生する。そして、このようなばらつきにより、印字画
像に濃度のむらが発生し、画像の品質を低下させる不具
合がある。
【0010】次に、上記のような濃度のむらが発生する
過程と、このような濃度のむらを防止する手段について
説明する。図2は、このマルチヘッドたとえばマルチヘ
ッド15と、インクドロップレットの記録媒体上の着弾
ドットのパターン、および濃度分布を示す。図2は、こ
のマルチヘッド15の各吐出口20から吐出されるイン
クドロップレット21の大きさおよび方向が均一な場合
である。このような場合には、これらインクドロップレ
ット21の記録紙上の着弾ドット22の大きさおよび配
列が均一となり、図2の右側に示すように、画像の濃度
分布が均一となる。
【0011】また、図3にはこのマルチヘッド15の各
吐出口20から吐出されるインクドロップレット21の
大きさおよび方向が不均一な場合を示す。このような場
合には、図3の中央部に示すように、これらインクドロ
ップレット21の記録紙上の着弾ドット22の大きさお
よび配列が不均一となり、図3の右側に示すように、画
像の濃度分布が不均一となる。
【0012】この図3に示すように、着弾ドット22大
きさや配列が不均一となると、主走査方向に対して、周
期的にエリアファクター100%を満たせない白紙の部
分が存在したり、また逆に不必要にドットが重なり、ま
た白い筋が発生する。このような不具合は、目視では通
常濃度むらとして感知され、解像度の低下、コントラス
トの低下等、画像の品質の低下を招く。
【0013】次に図4を参照して、上記のような濃度の
むらを防止する手段について説明する。この手段は、1
回の走査で全てのドットを埋めずに、互いに補完する2
つのマスクパターンを用い、これを2回の走査すなわち
2パスで全てのドットを埋めて画像を完成させるもので
ある。
【0014】図4には、これらの各走査すなわちパス
と、吐出されるインクドロップレット21の関係を示
す。マルチヘッド15は図3に示されているものと同一
のものである。このマルチヘッド15には、8個の吐出
口20が形成され、かつ記録紙1は副走査方向にこのマ
ルチヘッド15の半分だけ、すなわち吐出口4個分だけ
走査されるものである。なお、実際の装置では、記録紙
1が副走査方向に移動されるものであるが、この図4で
は、理解を容易にするために、マルチヘッド15を各走
査ごとにこの記録紙1に対して相対的にずらして描いて
ある。
【0015】まず、図5の(a)に示すように、第1回
目すなわち1パスの走査でこの図4および図5に描かれ
た記録すべき画像領域の上半分をマルチヘッド15の下
半分の4個の吐出口20から吐出されるインクドロップ
レットにより、ドット22を記録する。この場合のドッ
トのマスクパターンは、全部のドットの1/2に相当す
る数のドット22を一つおきの千鳥状に配列したパター
ンである。
【0016】次に、図5の(b)に示すように、この記
録紙1をマルチヘッド15の全長の1/2だけ副走査方
向に移動させる。なお、前述のように、この図ではマル
チヘッド15が記録紙1に対して相対的に移動したよう
に描かれている。そして、このマルチヘッド15が2パ
ス目の走査を行い、全部の吐出口20からのインクドロ
ップレットにより、画像領域全体にドット22を形成す
る。この場合のドット22のマスクパターンは、上記の
千鳥状のマスクパターンを補完するような逆の千鳥状の
パターンである。これにより、この画像領域の上半分の
画像が完成する。
【0017】次に、図5の(c)に示すように、再び記
録紙1をマルチヘッド15の全長の1/2だけ副走査方
向に移動させ、次いでマルチヘッド15の3パス目の走
査を行い、上半分の4個の吐出口20からのインクドロ
ップレットにより、画像領域の下半分にドットを形成す
る。この場合のマスクパターンは、前述の千鳥状のパタ
ーンである。これにより、この画像領域全体の画像が完
成する。
【0018】なお、上記の図4および図5では、所定の
1単位の画像領域のみ描かれているので、この画像領域
の上半分、下半分を別々のパスにより記録するように説
明されているが、実際のものでは、この画像領域は上下
に連続しているので、1パス目の走査では、マルチヘッ
ド15の上半分の4個の吐出口20からのインクドロッ
プレットにより上に隣接する画像領域の下半分に千鳥状
のパターンでドットを形成し、また3パス目の走査で
は、マルチヘッド15の下半分の4個の吐出口20から
のインクドロップレットにより下に隣接する画像領域の
上半分に千鳥状のパターンでドットを形成するものであ
る。したがって、実際には、千鳥状、逆千鳥状の2つの
マスクパターンで2パスで画像を完成する。
【0019】このようにして形成されたドットパターン
は、図4の中央部に示すように、ドット22の大きさや
間隔の不均一が分散され、濃度のむらを解消する。な
お、上記のものでは、2パスで画像を完成させている
が、このように複数パスで画像を完成させる方法、すな
わちマルチパス記録法では、パス数が多くなる程濃度が
より均一化する。たとえば、全ドット数の1/4の互い
に補完する4個のマスクパターンで4パスで画像を完成
させるものでは、濃度がより均一化する。
【0020】なお、このようにパス数が多くなると、単
位画像領域の画像を完成させるに必要な時間が長くな
り、印字速度が遅くなる不具合がある。このような不具
合を防止するには、マルチヘッドの往動時にのみ印字走
査をおこなわせるだけでなく、復動時にも印字走査をお
こなう往復印字走査と云う記録方法もある。このような
方法によれば、キャリッジが例えば図1の往方向Rに移
動するときだけでなく、復方向Lに移動するときにも印
字走査が行われ、記録時間を半分にすることができる。
【0021】ところで、上記のようなマルチパス記録で
は、インクドロップレットの大きさや方向のばらつきに
よる濃度の不均一は防止できるが、その他の要因、たと
えば往復印字走査の場合に、復動印字の際のインクドロ
ップレットの吐出タイミングの遅れや、マルチヘッドの
取付け角度のずれ等に起因して、濃度低下や規則的に濃
度が相違する部分が帯状に発生する等の不具合が発生す
ることが判明した。
【0022】このような不具合は、上記のマルチパス記
録の場合の規則性に基づくものである。すなわち、たと
えば4パスで往復印字走査を行う場合には、マルチヘッ
ドの複数の吐出口が4群に分けられ、各群では全記録画
素のうち互いに1/4ずつの互いに相違する4個のマス
クパターンを用いて、往動または復動走査で各単位画像
領域にインクドロップレットを記録媒体に着弾させる。
【0023】このため、このような方法では、4個の単
位画像領域が形成され、各単位画像領域では、どの群の
吐出口から吐出されたインクドロップレットが単位画像
領域のどの位置に着弾してドットを形成するか、および
このドットが往動走査で形成されたのか、または復動走
査で形成されたのかが、各単位領域ごとに相違するが、
この着弾ドットのパターンは規則的であり、4個の画像
領域単位で反復する。
【0024】もちろん、各インクドロップレットが所定
の位置に正確に着弾すれば問題はないが、前記のように
インクドロップレットの吐出タイミングのずれ、マルチ
ヘッドの取付け角度のずれ等が発生すると、各ドットの
位置ずれが発生する。前述の各インクドロップレットの
大きさや吐出角度のずれは、ランダムであるので、この
ようなマルチパス記録法により濃度むらを解消できる
が、上記のようなインクドロップレットの吐出タイミン
グのずれ、マルチヘッドの取付け角度のずれ等は規則的
であるので、この規則性と上記のマルチパス記録の規則
性とが重畳し、これらに起因するドットのずれは規則的
に現れ、濃度の低下を招き、また濃度の相違する縞が現
れる不具合が生じ、このような不具合はバンディングと
称されている。
【0025】以下、この濃度低下やバンディング発生の
原理について図7ないし図12を参照して説明する。な
お、実際のドットは、図2に示すように、これらドット
が正規に着弾した場合において隣接するドットの一部が
互いに重なり、記録媒体上にドットで覆われていない無
地の部分が形成されないように設定されている。しか
し、以降の図では、ドットの位置およびずれの関係を明
確にするために、各ドットが正規の配列パターンの場合
には、隣接するドットが互いに重ならないような大きさ
に各ドットを図示してある。
【0026】まず、図7および図12を参照して各走査
におけるマスクパターンと、当該マスクパターンよって
記録されるドットとの関係について説明する。なお、こ
れ以降、第1回目の走査を「第1スキャン」、第2回目
の走査を「第2スキャン」、第3回目の走査を「第3ス
キャン」、第4回目の走査を「第4スキャン」と呼称す
ることとする。また、この図7では、一つのマルチヘッ
ド例えばマルチヘッド15について説明してあるが、他
のマルチヘッド16,17,18についても同様であ
る。また、実際の装置では、記録紙が副走査方向に移動
するものであるが、この図7ではマルチヘッド15が記
録紙に対して相対的に移動したように描かれており、か
つ各スキャンごとのマルチヘッド15の位置を描いてあ
る。
【0027】まず、上記のマルチヘッド15は、インク
ドロップレットの吐出口20が16個配列されており、
これらは4個ずつ、A,B,C,Dの4群に分けられて
いる。また、上記の記録紙は、副走査方向にこのマルチ
ヘッド15の長さの1/4ずつ、すなわち各群の4個の
吐出口分ずつ移動され、この移動ごとにマルチヘッド1
5が往動および復動スキャンを行い、図12に示される
それぞれ異なる4個のマスクパターンでドットを形成す
る。ここでマスクパターンの黒丸で示され画素が記録画
素、白丸で示されるのが非記録画素である。
【0028】このような作動では、記録紙上に第1画像
領域から第4画像領域の4個の単位画像領域が形成され
る。そして、各画像領域では、往動の第1スキャンで第
1スキャン用のマスクパターンを用いてD群の吐出口2
0からのインクドロップレットでドットDが形成され、
また復動の第2スキャンで第2スキャン用のマスクパタ
ーンを用いてC群の吐出口20からのインクドロップレ
ットでドットCが形成され、また往動の第3スキャンで
第3スキャン用のマスクパターンを用いてB群の吐出口
20からのインクドロップレットでドットBが形成さ
れ、また復動の第4スキャンで第4スキャン用のマスク
パターンを用いてA群の吐出口20からのインクドロッ
プレットでドットAが形成され、以下、このような作動
を繰り返して画像を完成させてゆくものである。
【0029】次に、このような走査により画像を形成す
る際に、インクドロップレットの吐出タイミングがずれ
た場合に生じる記録媒体上でのドットの配列パターンへ
の影響を説明する。なお、ドット内の右向きの矢印は往
動時に、左向きの矢印は復動時に着弾されたことを示し
ている。また、図8ないし図11については、図中上か
ら順に第1ないし第4画像領域を示している。この各画
像領域は、説明と理解を容易にするために、間隔を空け
て図示している。
【0030】図8には、上記のずれが全く無い正規の場
合のドットパターンが示されている。この場合には、ド
ットA、ドットB、ドットC、ドットD、は、正確に格
子状に配列され、それらの間隔は均一である。
【0031】次に、たとえば復動すなわち復路におい
て、インクドロップレットの吐出タイミングに遅れが発
生した場合のドットの配列を図9に示す。この図9で
は、この遅れが2/10ドットピッチ(360dpiの
場合には0.014mm)ずれた場合を示しているが、
各ドットの大きさは実際とは相違し、説明のために模式
的に示してある。なお、図9の左端には、A,B,C,
Dの各ドットのずれ量を示してあり、復路のドット、す
なわち図中左向きの矢印が付されたドットのみ正規の位
置(図中上下方向に延在する線分)より左側にずれてい
る。
【0032】この図9から明らかなように、主走査方向
のドットライン上において、復動時のドットB,Dが隣
接する往動時のドットA,Cと一部重なるか、もしくは
ドットの間隔が広がる。隣接ドットの間隔が広がると、
インクドロップレットが着弾されていない無地の部分が
増えることになり、このため各画像領域ではその濃度が
低下し、コントラストの低下、解像度の低下等、画像の
品質の低下を招く。なお、この場合には、各画像領域に
おけるドットの配列パターンはほぼ同じであるので、単
に全画像領域の濃度が平均的に低下したように見え、全
画像領域全体としての品質の劣化はさほど目立たない。
【0033】次に、マルチヘッド15が主走査方向と副
走査方向とを含む平面内で正規の取付け角度からマルチ
ヘッド15の上部を中心に傾いた場合のドットの配列パ
ターンを図10に示す。なお、図10の左端には、A,
B,C,Dの各ドットのずれ量を示してあり、ドットA
を中心(正規の位置)に、ドットBが1/10ドットピ
ッチ、ドットCが2/10ドットピッチ、ドットDが3
/10ドットピッチだけ正規の位置から右方にずれてい
る。
【0034】この図10から明らかなように、主走査方
向のドットライン上において、ドットAとドットDの間
隔が広くなっており、インクドロップレットの着弾され
ていない無地の部分が増えている。このため各画像領域
ではその濃度が低下し、コントラストの低下、解像度の
低下等、画像の品質の低下を招く。なお、この場合に
も、各画像領域におけるドットの配列パターンはほぼ同
じであるので、単に全画像領域の濃度が平均的に低下し
たように見え、全画像領域全体としての品質の劣化はさ
ほど目立たない。
【0035】このように、単にインクドロップレットの
吐出タイミングがずれただけ、あるいは、マルチヘッド
15が正規の取付角度からずれただけでは、記録される
画像の品質の劣化はそれほど目立たない。しかしなが
ら、この両者が同時に発生した場合には、記録される画
像の品質の劣化が顕著に目立ってしまう。
【0036】図11には、復動すなわち復路においてイ
ンクドロップレットの吐出タイミングに遅れが発生し、
かつマルチヘッド15が正規の取付角度から傾けられて
取付けられた場合のドットの配列パターンが示されてい
る。
【0037】なお、図11の左端には、タイミングの遅
れと角度の傾きが複合された場合のA,B,C,Dの各
ドットのずれ量が示されている。なお、吐出タイミング
のずれ(遅れ量)、さらにマルチヘッド15の取付角度
のずれ(方向、量)は、それぞれ前述した場合と同じで
あり、両者のずれ量が重畳されている。このため各ドッ
トの正規の位置からのずれ量は第1、第3画像領域で
は、ドットAが左方に2/10ドットピッチ、ドットB
が右方に2/10ドットピッチ、ドットCが0、ドット
Dが右方に3/10ドットピッチずれることになり、ま
た第2、第4画像領域ではドットAが0、ドットBが左
方に1/10ドットピッチ、ドットCが右方に2/10
ドットピッチ、ドットDが左方に1/10ドットピッチ
だけずれる。
【0038】この図から明らかなように、第1画像領域
と第3画像領域とはほぼ同じドット配列パターンであ
り、第2画像領域と第4画像領域とはほぼ同じドット配
列パターンとなっているが、第1、第3画像領域と第
2、第4画像領域とは異なるドット配列パターンとなっ
ている。そして、主走査方向におけるドットライン上で
の隣接ドットの最大間隔が第1,3画像領域の方が第
2,4画像領域に対して大きいため、画像濃度が低く見
える。つまり、記録媒体上の第1ないし第4画像領域が
順に形成されると、濃度レベルが低、高、低、高、低・
・・と繰り返されることになり、画像領域ごとに濃度む
らが交互に現れるいわゆるバンディングが現れ、画像領
域全体の画像の品質の劣化が顕著に目立ってしまう。
【0039】上記のように、インクドロップレットの吐
出タイミングのずれ、またはマルチヘッドの取付け角度
のずれのみの場合には、解像度、コントラストの低下
等、画像品位の低下を招き、好ましくはない。また、イ
ンクドロップレットの吐出タイミングのずれ、およびマ
ルチヘッドの取付け角度のずれが重なった場合には、各
単位画像領域ごとの縞状の濃度むらすなわちバンディン
グが発生し、画像品位の大幅な低下を招く。
【0040】もちろん、このような不具合を防止するに
は、インクドロップレットの吐出タイミングや、マルチ
ヘッドの取付け角度等を較正すればよい。しかし、上記
の吐出タイミングや取付け角度の較正は面倒な作業であ
るとともに、この記録装置の使用期間中にこれら吐出タ
イミングや取付け角度が経時的に変化し、これらを常に
正確に調整、較正することは困難であった。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
基づいてなされたもので、マルチパス記録法において発
生する濃度低下やバンディング等による画像品質の低下
を効果的に低減し、かつインクドロップレットの吐出タ
イミングや、マルチヘッドの取付け角度等の調整や較正
を特に必要とせず、簡単に画像品質の劣化を低減できる
記録装置を提供するものである。
【0042】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、非記録画素と記録画素とが配列され、各記録走査毎
に互いに補完するマスクパターンを複数設定し、インク
を吐出する複数の吐出部を有する記録ヘッドを記録媒体
の同一記録領域に対して複数回走査することにより画像
を完成するインクジェット記録装置において、上記の記
録ヘッドからのインクの吐出タイミングのずれまたは上
記の記録ヘッドの取付角度のずれの少なくともいずれか
に起因する画像の濃度むらを、記録媒体上の単位面積当
たりに付着されるインクの量を、正規のインクの量に対
する比率であるインクデューテイ比を100%以上とす
ることにより低減する濃度補正手段を備えたことを特徴
とするものである。
【0043】前述したように、インクの吐出のタイミン
グのずれ、または記録ヘッドの取付角度のずれ、または
その両方が重なった場合には、これによる画像への悪影
響は濃度の低下あるいは濃度むらとなって現れる。よっ
て、このような不具合が発生した場合には、インクデュ
ーティー比を100%以上とし、濃度を高くすることに
より上記の濃度低下あるいは濃度むらによる画像品質の
低下を防止できる。
【0044】このような発明によれば、インクの吐出タ
イミングの調整、記録ヘッドの取付角度の調整などの面
倒な調整作業をおこなうことなく、単にインクデューテ
ィー比を大きくして濃度を高くするだけで、これらのず
れによる画像品質の劣化を低減することができ、調整が
極めて簡単である。
【0045】なお、本明細書における「インクデューテ
ィー比」とは、記録媒体の単位面積当たりに付着される
インクの正規の量を100%とした場合に、実際に記録
媒体上の単位面積当たりに付着されるインクの量の比率
を示すものとする。
【0046】なお、このインクデューティー比を100
%以上とする手段は、後述するように、記録媒体のピク
セル上にドットを二度打ちする場合、または記録ヘッド
に印加する電圧や駆動デューティー比を調整して吐出さ
れるインクドロップレットの量を変更する場合、その他
の場合を含むものとする。
【0047】また、請求項2に記載の本発明は、前記の
濃度補正手段は、上記の複数のマスクパターンのうちの
異なるマスクパターン間で同一画素について記録画素が
重複する重複記録画素を設定し、かつこの重複記録画素
の数を調整可能としたものである。
【0048】このような操作を行うのは、バンディング
すなわち画像領域の間で全体の濃度に差が発生した場合
であり、この場合には、各画素は所定の正規の配列位置
からずれている。したがって、他のマスクパターン、す
なわち他のスキャンで記録されるマスクパターンの同一
画素に重複して画素を重ねれば、これらの画素は必ず互
いにずれて記録され、ドットの径が実質的に大きくな
る。よって、この領域においては、ドットで覆われる部
分の面積が広くなり、エリアファクターが増大するので
この領域の濃度が高くなり、濃度の低下や規則的に現れ
る濃度の相違する縞を解消し、バンディングを防止でき
る。
【0049】また、このような操作は、単にドットを重
複して記録するだけの簡単な操作であり、インクドロッ
プレットの吐出タイミングや、マルチヘッドの取付け角
度等の調整、較正を必要とせず、マルチヘッドの制御回
路を変更するだけで簡単に実施でき、また装置の構造も
複雑になることはない。
【0050】また、上記の重複記録画素の数は調整可能
であるので、記録紙の紙質、インクの種類、その他の条
件に対応して重複記録画素の数、すなわちこの画像領域
の濃度を適切に設定することができ、画像の品質の低
下、バンディングをより効果的に防止できる。
【0051】また、請求項3に記載の本発明は、前記の
濃度補正手段は、上記の各マスクパターン毎の各記録走
査毎に、上記の記録ヘッドに印加する電圧を変化させる
ものである。
【0052】従って、この電圧を変化させることによ
り、吐出されるインクドロップレットの径が大きくな
り、着弾ドットの径も大きくなる。よって、この領域の
濃度を高くし、濃度の低下や領域ごとの濃度の差を解消
し、バンディングを防止できる。
【0053】また、このような操作は、単に記録ヘッド
に印加する電圧を変化させるだけの簡単な操作であり、
インクドロップレットの吐出タイミングや、マルチヘッ
ドの取付け角度等の調整、較正を必要とせず、マルチヘ
ッドの駆動回路を変更するだけで簡単に実施でき、また
装置の構造も複雑になることはない。
【0054】また、上記の電圧すなわちインクドロップ
レットの径は調整可能であるので、記録紙の紙質、イン
クの種類、その他の条件に対応してドットの径、すなわ
ちこの画像領域の濃度を適切に設定することができ、バ
ンディングをより効果的に防止できる。
【0055】また、請求項4に記載の本発明は、前記の
濃度補正手段は、上記の各マスクパターン毎の各記録走
査毎に、上記の記録ヘッドの各吐出部に対応するヒータ
の駆動デューティを変化させるものである。
【0056】従って、バブルジェット(登録商標)方式
の記録ヘッドでは、このヒータの駆動デューティを変化
させることにより、吐出されるインクドロップレットの
径が大きくなり、着弾ドットの径も大きくなる。よっ
て、この領域の濃度を高くし、濃度の低下や領域ごとの
濃度の差を解消し、バンディングを防止できる。
【0057】また、このような操作は、単に記録ヘッド
のヒータの駆動デューティを変化させるだけの簡単な操
作であり、インクドロップレットの吐出タイミングや、
マルチヘッドの取付け角度等の調整、較正を必要とせ
ず、マルチヘッドの駆動回路を変更するだけで簡単に実
施でき、また装置の構造も複雑になることはない。
【0058】また、上記の駆動デューティすなわちイン
クドロップレットの径は調整可能であるので、記録紙の
紙質、インクの種類、その他の条件に対応してドットの
径、すなわちこの領域の濃度を適切に設定することがで
き、バンディングをより効果的に防止できる。
【0059】また、請求項5に記載の本発明は、前記の
濃度補正手段は、前記の記録ヘッドにより形成されたテ
ストパターンのドットを検出し、このテストパターンの
ドットの分布から前記の記録ヘッドからのインクの吐出
タイミングのずれまたは上記の記録ヘッドの取付角度の
ずれの少なくともいずれかを検出し、これに対応して前
記のインクデューテイ比を設定するものである。
【0060】前述のように、インクの吐出タイミングの
ずれ、記録ヘッドの取付角度のずれによる影響は、濃度
低下、濃度むらとなって現れ、これにより画像の品質が
劣化する。このような影響は、画像の目視により判定し
なければならず、その判定に熟練を必要とするが、この
発明によれば、テストパターンのドットの分布から、イ
ンクの吐出タイミングや記録ヘッドの取付角度のずれを
検出でき、これらから着弾ドットの配列パターンを予め
判別し、濃度低下や濃度むらの態様を予め判定して適切
な濃度の補正が自動的にできる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
形態を説明する。図6、7および図13ないし図46を
参照して本発明の第1の実施形態を説明する。この実施
形態は、インクジェット記録装置であって、互いに記録
画素配列が異なる4個のマスクパターンを用いて4パス
記録を行うマルチパス記録法で、かつキャリッジの往路
および復路の両方で印字をおこなう往復印字走査を行う
記録装置に本発明を適用したものである。
【0062】図6には、この記録装置の要部を概略的に
示したもので、この装置の記録部分の構成は前述の図1
に示したものと略同様である。すなわち、図中の2は、
帯状の記録紙1の送り用のステップモータであって、こ
のステップモータ2の回転は駆動ベルト3およびプーリ
4を介して搬送ローラ5に伝達される。そして、この搬
送ローラ5とピンチローラ6とで挟圧された記録紙1
は、第1および第2のガイドローラ7,8に案内され、
その長手方向すなわち副走査方向Yに所定のタイミング
で送り出される。
【0063】また、図中の10は、キャリッジを駆動す
る主走査モータであって、この主走査モータ10の出力
軸に取付けられたプーリ11には無端状のタイミングベ
ルト12が掛け渡され、このタイミングベルト12には
キャリッジ13が固定されている。そして、このキャリ
ッジ13は、主走査方向Xと平行に設けられた一対のガ
イド14に案内され、この主走査方向Xに往方向Rおよ
び復方向Lに往復移動するように構成されている。
【0064】また、上記のキャリッジ13には、カラー
画像を記録するため、4色の各色毎の4個のマルチヘッ
ド15,16,17,18が設けられている。図中の1
5は黒のインクを吐出するマルチヘッド、16はシアン
インクを吐出するマルチヘッド、17はマジェンタイン
クを吐出するマルチヘッド、18はイエローインクを吐
出するマルチヘッドである。
【0065】上記のステップモータ2、主走査モータ1
0およびキャリッジ13のマルチヘッド15,16,1
7,18等は、制御部30によって制御されるように構
成されている。また、この制御部30には、操作部31
からの信号が入力されるように構成され、記録紙の紙
質、印字モードやその他の各種設定値が設定可能となっ
ている。
【0066】また、上記のマルチヘッド15,16,1
7,18からのインクドロップレットの吐出のパターン
すなわちマスクパターンは、パターン設定器32により
制御されている。また、このパターン設定器32では、
正規のパターンでインクドロップレットの吐出を制御す
る他に、所定のパターンで重複したドットを形成するよ
うに構成されている。なお、このパターン設定器32の
作用は後述する。
【0067】次に、上記のようなバンディングを解消す
る手段について説明する。本発明の基本的な手段は、ド
ットの径を大きくし、記録媒体上の単位面積当たりに付
着するインクの量、すなわちインクデューティー比を大
きくし、これにより濃度を高めて濃度むらを解消するも
のである。
【0068】この実施形態の場合には、記録媒体上の記
録されるべき全ピクセルに対してインクドロップレット
を着弾させるとともに、記録されるべき全ピクセルより
も少ない数のピクセルに対してさらにインクドロップレ
ットを着弾させる、いわゆる二度打ちを行うように各ス
キャンのマスクパターンを設定している。すなわち、ド
ットが2つ着弾されたピクセル上のドット径は、実質的
に他の(1つしか着弾されていない)ピクセル上のドッ
ト径より大きくなり、これによって濃度低下の原因であ
る記録媒体上の無地部分を覆うようにするものである。
なお、記録媒体のピクセル上に着弾された2つのドット
から形成された径の大きなドットを複合ドットと称し、
さらに、各マスクパターンの正規の記録画素に対応して
着弾するドットを通常ドットと称し、各マスクパターン
で他のマスクパターンの通常ドットに重ねて二度打ちさ
れるドットを重複ドットと称する。また、重複ドットに
相当するマスクパターン上の記録画素を重複記録画素と
称する。
【0069】図12の従来の8×8画素のマスクパター
ンは、記録媒体上の記録されるべき全ピクセルに対して
インクドロップレットがそれぞれ1つずつ着弾される、
いわゆる印字デューティー比100%の場合のマスクパ
ターンを示している。(黒丸が記録画素、白丸が非記録
画素)これに対して本実施形態のマスクパターンは、図
13に示すように、図12のマスクパターンに比べて、
印字デューティー比が106%となるように、各スキャ
ンにおけるマスクパターンにそれぞれ重複記録画素を1
個設けている。図中でハッチングを付した丸が重複記録
画素である。これらのマスクパターンを用いて4パス記
録を行うと、重複記録画素に基づいて重複インクドロッ
プレットが吐出され、記録媒体上に通常ドットと重ねて
重複ドットが二度打ちされ、複合ドットを形成すること
になる。
【0070】なお、上記のようなマスクパターンを用い
て記録媒体上にドットを着弾させる過程を図47ないし
図52を参照して説明する。まず最初に、第1スキャン
用のマスクパターンを用い往動の第1スキャンで図47
に示すようなドットパターンで通常ドットDを着弾させ
る。この場合に、この画像領域の2行2列の位置P1の
ピクセルに重複記録画素に対応して重複ドットDが着弾
する。
【0071】次に、第2スキャン用のマスクパターンを
用い、復動の第2スキャンで図48に示すように通常ド
ットCを着弾させる。さらに、第3スキャン用のマスク
パターンを用い往動の第3スキャンで図49に示すよう
なドットパターンで通常ドットBを着弾させる。この場
合に、2行2列の位置P1のピクセルに上記の重複ドッ
トDが着弾しているので、この上に通常ドットBが着弾
して2個のドットが重なった複合ドットが形成される。
なお、上記のように、重複ドットDと通常ドットBとの
着弾順序は、どちらが先でもよく、この場合のように重
複ドットDが着弾した後に通常ドットBが着弾する場合
もある。
【0072】さらに、第4スキャン用のマスクパターン
を用い、復動の第4スキャンで図50に示すように通常
ドットAを着弾させる。この場合に、この画像領域の4
行7列の位置P2に重複記録画素に対応して重複ドット
Aが着弾する。この重複ドットAは、先に着弾している
通常ドットCと重なり、複合ドットを形成する。
【0073】図51には、通常ドットBと重複ドットD
がずれて着弾した場合に形成される複合ドット22Dの
一例を示す。このように、ドットがずれた場合には、略
長円方の大きな複合ドット22Dが形成される。また、
図52には、通常ドットBと重複ドットDとが同じ位置
に着弾した場合に形成される複合ドット22Dの例を示
す。この場合には、この複合ドット22Dは略円形にな
り、図51の複合ドット22Dより面積はやや小さくな
るが、通常の1個のドットの場合より大径となる。
【0074】なお、この重複ドットすなわち複合ドット
の位置は、バンディングを解消するに適した位置に均一
に分散するように設定する。前述した図9ないし図11
に示すように、インクドロップレットの吐出タイミング
のずれ、またはマルチヘッドの取付け角度のずれ、また
はこれらが両方重なった場合のドットのパターンのず
れ、すなわちバンディングの態様は、予め解析しておく
ことができる。よって、このような予備的な解析に基づ
いて、重複ドットの位置を適宜設定しておくことができ
る。
【0075】この図13に示したようなマスクパターン
で重複ドットを設定した場合の効果を示す。図19ない
し図22には、上記のようなマルチヘッドの取付け角度
のずれと往復時のインクドロップレットの吐出タイミン
グの遅れとが重なった場合に、重複ドットを打たなかっ
た場合の第1ないし第4の画像領域の全ドットの着弾パ
ターンを示す。そして、図23ないし図26には、同様
な場合に図13に示すマスクパターンで重複ドットを打
った場合の全ドットの着弾パターンを示す。これらの図
を比較すると、各画像領域ごとの濃度の差が縮小し、バ
ンディングが減少していることが示されている。
【0076】また、図14には、印字デューティ比が1
13%となるように、各スキャンごとに2個の重複ドッ
トを設定した場合のマスクパターンを示す。そして、こ
の場合のドットの着弾パターンを図27ないし図30に
示す。この場合にも、図19ないし図22と比較して、
各画像領域ごとの濃度の差が縮小し、バンディングが減
少していることが示されている。
【0077】また、図15には、印字デューティ比が1
19%となるように、各スキャンごとに3個の重複ドッ
トを設定した場合のマスクパターンを示す。そして、こ
の場合のドットの着弾パターンを図31ないし図34に
示す。この場合にも、図19ないし図22と比較して、
各画像領域ごとの濃度の差が縮小し、バンディングが減
少していることが示されている。
【0078】また、図16には、印字デューティ比が1
25%となるように、各スキャンごとに4個の重複ドッ
トを設定した場合のマスクパターンを示す。そして、こ
の場合のドットの着弾パターンを図35ないし図38に
示す。この場合にも、図19ないし図22と比較して、
各画像領域ごとの濃度の差が縮小し、バンディングが減
少していることが示されている。
【0079】なお、上記の各例では、重複ドットは、同
一方向の主走査方向、すなわち往動スキャン、または復
動スキャンの場合にのみ打つようにしたが、往動スキャ
ンおよび復動スキャンの両方で重複ドットを打つように
設定してもよい。
【0080】また、図17には、印字デューティ比が1
13%となるように、各スキャンごとに2個の重複ドッ
トを設定した場合のパターンを示す。そして、この場合
のドットの着弾パターンを図39ないし図42に示す。
この場合にも、図19ないし図22と比較して、各画像
領域ごとの濃度の差が縮小し、バンディングが減少して
いることが示されている。
【0081】一般に、ドットの位置ずれはヘッドの走査
方向にずれる場合が多い。したがって、上記の例では、
このような走査方向のずれが生じた場合、通常ドットに
対する重複ドットの位置ずれ量が大きくなり、図51に
示すように、より大きな面積の複合ドットが形成され
る。よって、濃度の低下、バンディングをより効果的に
低減させ、より高い品質の画像が得られる。
【0082】また、図18には、印字デューティ比が1
13%となるように、各スキャンごとに2個の重複ドッ
トを設定し、かつこれら重複ドットを偶数ライン、奇数
ラインに分配した場合のマスクパターンを示す。そし
て、この場合のドットの着弾パターンを図43ないし図
46に示す。この場合にも、図19ないし図22と比較
して、各画像領域ごとの濃度の差が縮小し、バンディン
グが減少していることが示されている。
【0083】このように、重複ドットを偶数ライン、奇
数ライン上に配置することにより、全ライン上に重複ド
ットすなわち複合ドットが配置される。よって、記録媒
体たとえば記録紙の送り量にむらが発生した場合でも、
画像の品質の低下を少なくすることができる。
【0084】なお、上述の通常ドット、着弾ドットおよ
び複合ドットの大きさ等は、各種の条件、たとえば記録
媒体である記録紙の紙質、インクの粘性等により変化す
る。したがって、上記のような重複ドットを設定するた
めのマスクパターンは、これらの条件および発生するバ
ンディングの予備的な解析結果等から、複数のマスクパ
ターンを設定しておき、これらは前述したパターン設定
器32に記憶されている。
【0085】なお、本発明者らの実験の結果、この重複
ドットの配置パターンは、印字デューティ比が106%
〜125%の範囲がバンディング解消に有効である。ま
た、前述のようにこの重複ドットにより形成される複合
ドットの径は大きくなるので、これら重複ドットをあま
り近接させて配置すると、画像のざらつきが大きくな
り、画像品位を低下させるので、これら重複ドットは互
いに離れるように均一に配置することが好ましい。
【0086】そして、この装置の操作者は、上記の各種
の条件に基づいて入力指示部すなわち操作部31を操作
し、最適の重複ドットパターンに対応したマスクパター
ンを選択する。たとえば、記録紙のインク吸収性が大き
い場合には、ドットの大きさが大きくなるので、その分
だけ印字デューティ比が小さくなるようなマスクパター
ンを選択するようにすればよい。
【0087】なお、この実施形態では、上記の重複ドッ
トのパターンは装置の操作者が設定するように構成され
ているが、たとえば制御部30または外部のコンピュー
タ等に、記録媒体である記録紙の紙質、インクの種類等
の条件に対応して最適の重複ドットのパターンを選択す
るようなプログラムを設定しておき、各種の条件を入力
するだけで自動的に最適の重複ドットのパターンを選択
するようにしてもよい。
【0088】なお、本発明は上記の第1の実施形態には
限定されない。たとえば、図53には、本発明の第2の
実施形態を示す。このものは、記録ヘッドすなわちマル
チヘッド15,16,17,18に印加する電圧を設定
する電圧設定器42を備えている。この電圧設定器42
は、この記録ヘッドに用いられている電気機械変換体、
たとえばピエゾ素子に印加させる電圧を所定の割合で高
くし、より径の大きなインクドロップレットを吐出さ
せ、着弾ドットを大きくして隣接するドットの間の最大
間隙を減少させるようにしたものである。
【0089】この実施形態では、印加電圧を高くするの
は、4回のスキャンのうち第4のスキャンによりインク
ドロップレットを吐出する場合についてである。この電
圧設定器42には、少なくとも2つの値のヘッド駆動電
圧V1およびV2が設定されている。代の電圧V1は、
所定の印字モードに適した電圧である。第2の電圧V2
は、より大きなインクドロップレットを吐出させるため
のヘッド駆動電圧である。
【0090】この大きなインクドロップレットにより着
弾ドットの径を大きくすることにより、各画像領域で生
じる濃度のむらによるバンディングを解消する。この径
の大きなインクドロップレットを吐出するのは、第4ス
キャンに限らず、その他の一つまたは2つのスキャンの
際でもよい。
【0091】また、印加電圧はV1とV2の2個の値に
限らず、複数の印加電圧値を印加するようにしてもよ
い。この場合に、各スキャンごとに印加電圧を変えても
よい。このようにすることにより、インクの種類や記録
紙の種類等に応じて、最適の径のインクドロップレット
を吐出させることがてきる。
【0092】この実施形態のものは、インクドロップレ
ットのインク量を大きくすることによりドット径を大き
くするもので、その作用効果は前記の第1の実施形態と
同様である。なお、この実施形態のものは、上記の点以
外は前記の第1の実施形態と同様の構成であり、図53
中で第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を付
し、その説明は省略する。
【0093】また、図54には、本発明の第3の実施形
態を示す。このものは、記録ヘッドすなわちマルチヘッ
ド15,16,17,18がバブルジェット方式のイン
クドロップレット吐出機構を採用している場合のもので
ある。この実施形態のものは、この記録ヘッドの電気熱
変換体であるヒータの駆動デューティを変化させるデュ
ーティ設定器52を備えている。このものは、ヒータの
駆動デューティを大きくし、より大きな径のインクドロ
ップレットを吐出させるもので、これ以外は前記の第2
の実施形態と同様の構成である。なお、図54中で上記
の第1または第2の実施形態に対応する部分は同じ符号
を付してその説明は省略する。
【0094】また、図55には本発明の第4の実施形態
を示す。このものは、キャリッジ13にドットスキャナ
61を設け、印字に先立って行われる各マスクパターン
のテストパターンの印字のドットの配列パターンをこの
ドットスキャナ61により検出するように構成されてい
る。そして、このドットの配列パターンは、テストパタ
ーン判定部62で処理され、前述したようなインクドロ
ップレットの吐出タイミングの遅れや、マルチヘッドの
取付角度のずれ等が判定される。
【0095】そして、これにより前述のような印字の際
のドットの配列パターンおよびこれに基づく濃度の低下
や濃度むら等が予め判定され、これらに基づいて最適の
マスクパターンの印字デューティー比の選択等の濃度調
整が自動的に行われる。
【0096】前述のように、インクドロップレットの吐
出タイミングの遅れや、マルチヘッドの取付角度のずれ
等による画像への影響は、濃度低下、濃度むら等となっ
て現れ、これにより画像の品質が劣化する。このような
画像品質の劣化は、目視により判定されなければならな
いが、正確な劣化判定には熟練を必要とする。しかし、
この実施形態のものは、テストパターンから吐出タイミ
ングのずれや記録ヘッドの取付角度のずれを自動的に判
定して最適の濃度調整ができ、非熟練者であっても、容
易に操作でき、かつ正確な濃度調整が可能であり、より
高品質の画像が得られる。
【0097】なお、図55中で上記の第1の実施形態に
対応する部分は同じ符号を付してその説明は省略する。
また、この実施形態では、濃度調整は前記の第1の実施
形態と同様に重複ドットによる印字デューティー比の調
整によりおこなっているが、前述の第2または第3の実
施形態のように、ヘッドへの印加電圧の調整、駆動デュ
ーティーの調整などにより行っても良い。
【0098】さらに、本発明は、上記のような実施形態
にも限定されず。たとえば濃度調整手段は、全インクド
ロップレットの径すなわちインク量の調整により行って
もよく、要は記録媒体上の単位面積当たりに付着される
インクの量を正規の場合より多くして濃度調整を行えば
良い。
【0099】また、本発明は上記の実施形態にも限定さ
れず、たとえばインクジェット方式の記録装置に限ら
ず、レーザプリンタ等の他のデジタル形の記録方式のも
のにも適用が可能である。
【0100】なお、上述したように、本明細書には以下
のような発明が開示され、かつ含まれている。
【0101】(1) 非記録画素と記録画素とが配列さ
れ、各記録走査毎に互いに補完するマスクパターンを複
数設定し、インクを吐出する複数の吐出部を有する記録
ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査す
ることにより画像を完成するインクジェット記録装置に
おいて、上記の記録ヘッドからのインクの吐出タイミン
グのずれまたは上記の記録ヘッドの取付角度のずれの少
なくともいずれかに起因する画像の濃度むらを、記録媒
体上の単位面積当たりに付着されるインクの量を、正規
のインクの量に対する比率であるインクデューテイ比を
100%以上とすることにより低減する濃度補正手段を
備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0102】(2) 非記録画素と記録画素とが配列さ
れ、各記録走査毎に互いに補完するマスクパターンを複
数設定し、インクを吐出する複数の吐出部を有する記録
ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査す
ることにより画像を完成するインクジェット記録装置に
おいて、上記の複数のマスクパターンのうちの異なるマ
スクパターン間で同一画素について記録画素が重複する
重複記録画素を設定し、かつこの重複記録画素の数を調
整可能としたことを特徴とするインクジェット記録装
置。
【0103】(3) 前記の(2)において、前記の重
複記録画素は、同一方向の走査時に用いられる複数のマ
スクパターンに設定されていることを特徴とするインク
ジェット記録装置。
【0104】(4) 前記の(2)において、前記の重
複記録画素は、異なる方向の走査時に用いられる複数の
マスクパターンに設定されていることを特徴とするイン
クジェット記録装置。
【0105】(5) 前記の(2)において、キャリッ
ジが主走査方向に往復移動している間にインクを吐出し
て画像記録を行う双方向記録モードと、キャリッジが主
走査方向に往動している間のみにインクを吐出して画像
記録を行う片方向記録モードと、を有し、前記の双方向
記録モードのマスクパターン群に設定される重複記録画
素数を、前記の片方向記録モード時のマスクパターン群
に設定される重複記録画素数よりも増加させることを特
徴とするインクジェット記録装置。
【0106】(6) 前記の(2)において、前記の重
複記録画素数の設定値ごとに複数種のマスクパターン群
を有し、これら複数種のマスクパターン群から1つを選
択させるインクジェット記録装置。
【0107】(7) 前記(6)において、操作者がマ
スクパターンを指示するための入力指示部を有すること
を特徴とするインクジェット記録装置。
【0108】(8) 前記の(7)において、操作者が
前記の記録媒体の種類を入力する入力部と、前記の入力
部の入力値に応じてマスクパターンを選択する選択部と
を有するインクジェット記録装置。
【0109】(9) 非記録画素と記録画素とが配列さ
れ、各記録走査毎に互いに補完するマスクパターンを複
数設定し、インクを吐出する複数の吐出部を有する記録
ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査す
ることにより画像を完成するインクジェット記録装置に
おいて、上記の各マスクパターン毎の各記録走査毎に、
上記の記録ヘッドに印加する電圧を変化させることを特
徴とするインクジェット記録装置。
【0110】(10) 前記の(9)において、キャリ
ッジが主走査方向に往復移動している間にインクを吐出
して画像記録を行う双方向記録モードと、キャリッジが
主走査方向に往動している間のみにインクを吐出して画
像記録を行う片方向記録モードと、を有し、前記の双方
向記録モード時の印加電圧を、前記の片方向記録モード
時の印加電圧よりも大きくすることを特徴とするインク
ジェット記録装置。
【0111】(11) 前記の(9)または(10)に
おいて、各記録走査ごとに前記記録ヘッドに印加する電
圧値を複数用意しておき、前記の複数の電圧値から所望
の電圧値を選択することを特徴とするインクジェット記
録装置。
【0112】(12) 前記(11)において、操作者
が印加電圧を指示するための入力指示部を有することを
特徴とするインクジェット記録装置。
【0113】(13) 前記の(11)において、操作
者が前記の記録媒体の種類を入力する入力部と、前記の
入力部の入力値に応じて印加電圧を選択する選択部とを
有するインクジェット記録装置。
【0114】(14) 非記録画素と記録画素とが配列
され、各記録走査毎に互いに補完するマスクパターンを
複数設定し、インクを吐出する複数の吐出部を有する記
録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査
することにより画像を完成するインクジェット記録装置
において、上記の各マスクパターン毎の各記録走査毎
に、上記の記録ヘッドの各吐出部に対応するヒータの駆
動デューティを変化させることを特徴とするインクジェ
ット記録装置。
【0115】(15) 前記の(14)において、キャ
リッジが主走査方向に往復移動している間にインクを吐
出して画像記録を行う双方向記録モードと、キャリッジ
が主走査方向に往動している間のみにインクを吐出して
画像記録を行う片方向記録モードと、を有し、前記の双
方向記録モード時の駆動デューティを、前記の片方向記
録モード時の駆動デューティよりも大きくすることを特
徴とするインクジェット記録装置。
【0116】(16) 前記の(14)または(15)
において、前記の駆動デューティを複数用意しておき、
前記の複数の駆動デューティーから所望の駆動デューテ
ィを選択することを特徴とするインクジェット記録装
置。
【0117】(17) 前記(16)において、操作者
が駆動デューティを指示するための入力指示部を有する
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0118】(18) 前記の(16)において、操作
者が前記の記録媒体の種類を入力する入力部と、前記の
入力部の入力値に応じて駆動デューティを選択する選択
部とを有するインクジェット記録装置。
【0119】(19) 非記録画素と記録画素とが配列
され、各記録走査毎に互いに補完するマスクパターンを
複数設定し、インクを吐出する複数の吐出部を有する記
録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査
することにより画像を完成するインクジェット記録装置
において、上記の記録ヘッドからのインクの吐出タイミ
ングのずれまたは上記の記録ヘッドの取付角度のずれの
少なくともいずれかに起因する画像の濃度むらを、記録
媒体上の単位面積当たりに付着されるインクの量を、正
規のインクの量に対する比率であるインクデューテイ比
を100%以上とすることにより低減する濃度補正手段
を備え、この濃度補正手段は、前記の記録ヘッドにより
形成されたテストパターンのドットを検出し、このテス
トパターンのドットの分布から前記の記録ヘッドからの
インクの吐出タイミングのずれまたは上記の記録ヘッド
の取付角度のずれの少なくともいずれかを検出し、これ
に対応して前記のインクデューテイ比を設定するもので
あることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0120】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、マルチパス
記録かつ往復印字で記録する場合におけるインクドロッ
プレットの着弾ずれや記録ヘッドの取付け角度のずれに
より生じる濃度低下や濃度むらを減少させて画像品質の
劣化を減少させることができ、かつインクドロップレッ
トの吐出タイミングや記録ヘッドの取付け角度のずれ等
を調整、較正する必要もなく、容易に実施できる等、そ
の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のインクジェット記録装置の要部の概略
図。
【図2】従来のインクジェット記録装置のドットパター
ンの説明図。
【図3】従来のインクジェット記録装置のドットパター
ンの説明図。
【図4】従来のインクジェット記録装置のドットパター
ンの説明図。
【図5】従来のインクジェット記録装置のマスクパター
ンの説明図。
【図6】本発明の第1の実施形態のインクジェット記録
装置の要部の概略図。
【図7】本発明の第1の実施形態のインクジェット記録
装置のドットパターンの説明図。
【図8】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図9】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図10】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図11】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図12】第1の実施形態のマスクパターンの説明図。
【図13】第1の実施形態のマスクパターンの説明図。
【図14】第1の実施形態のマスクパターンの説明図。
【図15】第1の実施形態のマスクパターンの説明図。
【図16】第1の実施形態のマスクパターンの説明図。
【図17】第1の実施形態のマスクパターンの説明図。
【図18】第1の実施形態のマスクパターンの説明図。
【図19】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図20】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図21】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図22】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図23】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図24】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図25】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図26】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図27】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図28】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図29】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図30】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図31】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図32】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図33】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図34】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図35】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図36】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図37】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図38】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図39】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図40】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図41】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図42】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図43】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図44】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図45】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図46】第1の実施形態のドットパターンの説明図。
【図47】ドット着弾の過程を示すドットパターンの説
明図。
【図48】ドット着弾の過程を示すドットパターンの説
明図。
【図49】ドット着弾の過程を示すドットパターンの説
明図。
【図50】ドット着弾の過程を示すドットパターンの説
明図。
【図51】複合ドットの説明図。
【図52】複合ドットの説明図。
【図53】本発明の第2の実施形態のインクジェット記
録装置の要部の概略図。
【図54】本発明の第3の実施形態のインクジェット記
録装置の要部の概略図。
【図55】本発明の第4の実施形態のインクジェット記
録装置の要部の概略図。
【符号の説明】
1 記録紙 13 キャリッジ 15,16,17,18 マルチヘッド 20 吐出口 21 インクドロップレット 22 ドット 32 パターン設定器 42 電圧設定器 52 デューティ設定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有賀 俊直 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA06 EA07 EB27 EB42 EC08 EC28 EC42 EC71 EC74 EC75 EC77 ED01 FA11 2C057 AF25 AF30 AF39 AN02 AR04 CA01 CA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非記録画素と記録画素とが配列され、各
    記録走査毎に互いに補完するマスクパターンを複数設定
    し、インクを吐出する複数の吐出部を有する記録ヘッド
    を記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査すること
    により画像を完成するインクジェット記録装置におい
    て、 上記の記録ヘッドからのインクの吐出タイミングのずれ
    または上記の記録ヘッドの取付角度のずれの少なくとも
    いずれかに起因する画像の濃度むらを、記録媒体上の単
    位面積当たりに付着されるインクの量を、正規のインク
    の量に対する比率であるインクデューテイ比を100%
    以上とすることにより低減する濃度補正手段を備えたこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記の濃度補正手段は、上記の複数のマ
    スクパターンのうちの異なるマスクパターン間で同一画
    素について記録画素が重複する重複記録画素を設定し、
    かつこの重複記録画素の数を調整可能としたものである
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記の濃度補正手段は、上記の各マスク
    パターン毎の各記録走査毎に、上記の記録ヘッドに印加
    する電圧を変化させるものであることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記の濃度補正手段は、上記の各マスク
    パターン毎の各記録走査毎に、上記の記録ヘッドの各吐
    出部に対応するヒータの駆動デューティを変化させるも
    のであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記の濃度補正手段は、前記の記録ヘッ
    ドにより形成されたテストパターンのドットを検出し、
    このテストパターンのドットの分布から前記の記録ヘッ
    ドからのインクの吐出タイミングのずれまたは上記の記
    録ヘッドの取付角度のずれの少なくともいずれかを検出
    し、これに対応して前記のインクデューテイ比を設定す
    るものであることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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