JP2005280273A - 液体噴射装置、及び液体噴射方法 - Google Patents

液体噴射装置、及び液体噴射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴に関する不測の着弾位置ずれを防止する。
【解決手段】液体を噴射するための複数のノズル列42が設けられたヘッド41と、ノズル列42からの液体の噴射を制御する噴射制御部と、ヘッド41を、媒体の表面に沿った所定方向に移動させるヘッド移動部と、を備え、噴射制御部は、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないことを特徴とする。
【選択図】図17

Description

本発明は、各種の液体を媒体に向けて噴射可能な液体噴射装置、及び液体噴射方法に関し、特に、複数のノズル列が設けられたヘッドを、所定方向に移動させながら、液体を噴射させるものに関する。
印刷装置、カラーフィルタ製造装置、染色装置などの液体噴射装置は、液体を噴射させるヘッドを備えている。そして、この液体噴射装置は、ヘッドを所定方向に移動させつつ、液体を媒体に向けて噴射させる。このため、ヘッドにおける媒体対向面には、液体の噴射口となる複数のノズルが設けられている。そして、複数のノズルは、列状に並べられた状態で設けられており、ノズル列を構成している。
ところで、この種の液体噴射装置では、液体を噴射する処理の短縮化が求められている。このため、ヘッドに関し、ノズル列あたりのノズル数は増える傾向にある。例えば、ノズル列あたりのノズル数が180個のヘッドも提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。仮に、これらのノズルが180dpiに相当するピッチで設けられた場合、ノズル列の長さは、1インチ(2.54cm)となる。
特開2003−53968号公報(第4頁,第1図)
この種の液体噴射装置において、ノズル列あたりのノズル数の増加や、ヘッドの移動速度の高速化等に起因して、インク滴が通常の飛翔軌跡からずれて飛翔し、不測の着弾位置ずれを生じさせる現象が確認された。この不測の着弾位置ずれは、種々の問題の原因となる。例えば、印刷装置や捺染装置においては、色むらの原因となる。また、カラーフィルタ製造装置においては、混色の原因となる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液滴に関する不測の着弾位置ずれを防止できる液体噴射装置、及び液体噴射方法を実現することにある。
主たる発明は、
液体を噴射するための複数のノズル列が設けられたヘッドと、
前記ノズル列からの液体の噴射を制御する噴射制御部と、
前記ヘッドを、媒体の表面に沿った所定方向に移動させるヘッド移動部と、
を備え、
前記噴射制御部は、
隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないことを特徴とする液体噴射装置である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、液体を噴射するための複数のノズル列が設けられたヘッドと、前記ノズル列からの液体の噴射を制御する噴射制御部と、前記ヘッドを、媒体の表面に沿った所定方向に移動させるヘッド移動部と、を備え、前記噴射制御部は、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させない液体噴射装置が実現できる。
このような液体噴射装置によれば、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないので、同時に液体を噴射させるノズル列同士の間隔を、最小間隔よりも拡げることができる。これにより、媒体の表面に沿って流れる空気が、一方のノズル列からの液体噴射に伴って生じる空気の流れによって流れを乱されたとしても、他のノズル列による液体噴射への影響を防止できる。その結果、液滴についての不測の着弾位置ずれを防止できる。
かかる液体噴射装置であって、前記複数のノズル列は、3以上の複数であって、隣り合う3つのノズル列における、間のノズル列から端のノズル列までの間隔と、前記間のノズル列から他の端のノズル列までの間隔が異なるように、設けられていること。
このような液体噴射装置によれば、ノズル列同士の間隔が不均一となるヘッドについて、液滴の不測の位置ずれを有効に防止することができる。
かかる液体噴射装置であって、前記複数のノズル列は、3以上の複数であって、隣り合うノズル列同士の間隔が等しくなるように、設けられていること。
このような液体噴射装置によれば、ノズル列同士の間隔が均等なヘッドについて、液滴の不測の位置ずれを有効に防止することができる。
かかる液体噴射装置であって、前記噴射制御部は、同時に液体を噴射させないノズル列を間に挟むようにして、同時に液体を噴射させる複数のノズル列を、定めること。
このような液体噴射装置によれば、同時に液体を噴射させるノズル列同士の間に、同時に液体を噴射させないノズル列が定められるので、同時に液体を噴射させるノズル列同士の間隔を十分空けることができる。これにより、液滴の不測の位置ずれを有効に防止することができる。
かかる液体噴射装置であって、同時に液体を噴射させる複数のノズル列は、同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組を、少なくとも1組有していること。
このような液体噴射装置によれば、同じ種類の液体を複数のノズル列から噴射させるので、処理の高速化が図れる。
かかる液体噴射装置であって、前記同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組は、一のノズル列に属する各ノズルと他のノズル列に属する各ノズルのノズル列方向の位置が異なるように、設けられていること。
このような液体噴射装置によれば、一のノズル列から噴射される液体と、他のノズル列から噴射される液体は、着弾位置がノズル列方向にずれる。このため、1回のパスにおいて、より高い密度で液体を噴射させることができる。その結果、処理の高速化が図れる。
かかる液体噴射装置であって、前記噴射制御部は、前記ノズル列から前記媒体の表面までの間隔が所定間隔以上の場合に、前記隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないこと。
このような液体噴射装置によれば、液滴の不測の着弾位置ずれのし易さに応じた制御ができる。
かかる液体噴射装置であって、前記ヘッドと媒体との間隔を調整する間隔調整部を備えること。
このような液体噴射装置によれば、厚さの異なる種々の媒体に対応することができる。
かかる液体噴射装置であって、前記ヘッドは、前記液体が貯留され、前記ノズル列に沿って設けられる共通液室と、前記共通液室と前記ノズルとの間に設けられる圧力室とを有すること。
このような液体噴射装置によれば、レイアウトの関係でノズル列同士の間隔が制約されることもあり得るが、その場合でも、液滴の不測の着弾位置ずれを有効に防止することができる。
また、液体を噴射するための複数のノズル列が設けられたヘッドと、前記ノズル列からの液体の噴射を制御する噴射制御部と、前記ヘッドを、媒体の表面に沿った所定方向に移動させるヘッド移動部と、前記ヘッドと媒体との間隔を調整する間隔調整部と、を備え、前記ヘッドは、前記液体が貯留され、前記ノズル列に沿って設けられる共通液室と、前記共通液室と前記ノズルとの間に設けられる圧力室とを有し、前記複数のノズル列は、3以上の複数であって、隣り合う3つのノズル列における、間のノズル列から端のノズル列までの間隔と、前記間のノズル列から他の端のノズル列までの間隔が異なるように、若しくは、隣り合うノズル列同士の間隔が等しくなるように、設けられ、前記噴射制御部は、前記ノズル列から媒体表面までの間隔が所定間隔以上の場合に、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させず、同時に液体を噴射させないノズル列を間に挟むようにして、同時に液体を噴射させる複数のノズル列を定めるものであり、前記同時に液体を噴射させる複数のノズル列は、同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組を、少なくとも1組有し、前記同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組は、一のノズル列に属する各ノズルと他のノズル列に属する各ノズルのノズル列方向の位置が異なるように、設けられている液体噴射装置も実現できる。
このような液体噴射装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、液体を噴射するための複数のノズル列が設けられたヘッドを、所定方向に移動させながら、前記ノズル列から媒体に向けて液体を噴射させる液体噴射方法であって、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないことを特徴とする液体噴射方法を、実現することもできる。
===印刷システム===
<説明の対象について>
液体噴射装置には、印刷装置、カラーフィルタ製造装置、ディスプレイ製造装置、半導体製造装置、及びDNAチップ製造装置など、様々な種類があり、全てについて説明することは困難である。そこで、本明細書では、印刷装置としてのプリンタを備えた印刷システムを例に挙げて説明する。
<印刷システムの構成について>
図1は、印刷システム100の外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。なお、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図5を参照。)を例に挙げて説明することにする。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、当該画像に応じた印刷信号PRT(図2を参照。)をプリンタ1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116(図2を参照。)等のユーザーインタフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボード131やマウス132であり、表示装置120に表示されたユーザーインタフェースに沿って、アプリケーションプログラム114の操作やプリンタドライバ116の設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
コンピュータ110にはプリンタドライバ116がインストールされている。プリンタドライバ116は、表示装置120にユーザーインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを印刷信号PRTに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバ116は、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、このプリンタドライバ116は、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。そして、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ110とのシステムを意味する。従って、前述したプリンタドライバ116やアプリケーションプログラム114を組み込んだプリンタも「印刷装置」に含まれる。そして、「液体噴射装置」も、同様に解釈されるものである。
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバ116が行う基本的な処理の概略的な説明図である。なお、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。コンピュータ110では、このコンピュータ110に搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ112、アプリケーションプログラム114、及びプリンタドライバ116などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ112は、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116からの表示命令に従って、例えばユーザーインタフェース等を表示装置120に表示させる機能を有する。アプリケーションプログラム114は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム114のユーザーインタフェースを介して、アプリケーションプログラム114により編集した画像を印刷するための指示を与えることができる。アプリケーションプログラム114は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ116に画像データを出力する。
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から画像データを受け取り、この画像データを印刷信号PRTに変換し、印刷信号PRTをプリンタ1に出力する。ここで、印刷信号PRTとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有する。そして、コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。また、画素データとは、用紙Sへ印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する用紙上の位置に形成されるドットに関し、その色や大きさ等を示すデータである。そして、プリンタドライバ116は、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行い、画像データを印刷信号PRTに変換し、変換された印刷信号PRTをプリンタ1に出力する。以下、プリンタドライバ116が行う各種の処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙Sに画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、印刷解像度ともいう。)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合には、アプリケーションプログラム114から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。
この変換方法としては、画素データの補間や間引きなどがある。例えば、画像データの解像度が、指定された印刷解像度よりも低い場合には、線形補間等を行って隣り合う画素データ同士の間に新たな画素データを生成する。逆に、画像データの解像度が、指定された印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合で画素データを間引く等して、画像データの解像度を前記印刷解像度に揃える。
なお、この画像データ中の各画素データは、RGB色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータである。以下、このRGBの階調値を有する画素データのことをRGB画素データと言い、また、これらRGB画素データから構成される画像データをRGB画像データと言う。
色変換処理は、前記RGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータに変換する処理である。このCMYKは、プリンタ1が有するインクの色である。すなわち、Cはシアンを意味する。また、Mはマゼンタを、Yはイエローを、Kはブラックをそれぞれ意味する。以下、このCMYKの階調値を有する画素データのことをCMYK画素データといい、これらCMYK画素データから構成される画像データのことをCMYK画像データという。この色変換処理は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ116が参照することによって行われる。
ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データを、プリンタ1が表現可能な、少段階の階調値を有するCMYK画素データに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256段階の階調値を示すCMYK画素データが、4段階の階調値を示す2ビットのCMYK画素データに変換される。この2ビットのCMYK画素データは、各色について、例えば、「ドットの形成なし」(2進数の値として「00」)、「小ドットの形成」(同じく「01」)、「中ドットの形成」(同じく「10」)、「大ドットの形成」(同じく「11」)を示すデータである。
このようなハーフトーン処理には、例えばディザ法等が利用され、プリンタ1がドットを分散して形成できるような2ビットのCMKY画素データを作成する。なお、このハーフトーン処理に用いる方法は、ディザ法に限るものではなく、γ補正法や誤差拡散法等を利用しても良い。
ラスタライズ処理は、前記ハーフトーン処理がなされたCMYK画像データを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、前記印刷信号PRTとしてプリンタ1に出力される。なお、本実施形態では、このラスタライズ処理において、インクを噴射させるノズル列(以下、噴射ノズル列ともいう。)と、インクを噴射させないノズル列(以下、不噴射ノズル列ともいう。)が定められる。例えば、ヘッド(図5を参照。)の往路移動時における噴射ノズル列、及び不噴射ノズル列と、復路移動時における噴射ノズル列、及び不噴射ノズル列インクが定められる。なお、噴射ノズル列、及び不噴射ノズル列を定める処理については、後で詳しく説明する。
<プリンタドライバによる設定について>
図3は、プリンタドライバ116のユーザーインタフェースの説明図である。このプリンタドライバ116のユーザーインタフェースは、ビデオドライバ112を介して、表示装置120に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバ116の各種の設定を行うことができる。基本設定としては、画質の設定や用紙種類の設定が用意されている。
===プリンタの構成===
<プリンタの構成について>
図4は、本実施形態のプリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図5は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の概略図である。また、図6は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、これらの図を参照して、本実施形態のプリンタ1の基本的な構成について説明する。
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷信号PRTを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷信号PRTに基づいて各ユニットを制御し、用紙Sに画像を印刷する。プリンタ内の状況はセンサ群50の各センサによって監視されており、各センサは、検出結果をコントローラ60に出力する。各センサから検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下では、搬送方向という。)に所定の搬送量で用紙Sを搬送させるためのものである。ここで、用紙Sの搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向であり、副走査方向と表現することもできる。この搬送ユニット20は、用紙Sを搬送する搬送機構として機能する。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータともいう。)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21はD形の断面形状をしており、円周部分の長さは、搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されている。このため、この円周部分を用紙表面に当接させた状態で給紙ローラ21を回転させることにより、用紙Sを搬送ローラ23まで送ることができる。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送するためのモータであり、たとえばDCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、用紙Sの裏面側から支持する。すなわち、プラテン24には、媒体としての用紙Sが載置される。従って、このプラテン24は、媒体載置部に相当する。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送方向へ搬送するためのローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータともいう。)と、ガイド軸33と、ギャップ調整レバー34とを備える。キャリッジ31には、インクを収容するインクカートリッジ35が着脱可能に取り付けられている。また、キャリッジ31には、ノズル#i(#1,#2…,図8Bを参照。)からインクを噴射するヘッド41が取り付けられている。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を、用紙表面に沿った所定方向(以下では、キャリッジ移動方向という。)に往復移動させるためのモータであり、たとえばDCモータにより構成される。そして、キャリッジ31にはヘッド41が取り付けられているので、キャリッジ31のキャリッジ移動方向への移動によって、ヘッド41及びノズル#iも同じ方向へ移動する。従って、このキャリッジ移動方向が、「所定方向」に相当する。なお、このキャリッジ移動方向は、主走査方向とも表現できる。
ガイド軸33は、キャリッジ31を支持する部材である。本実施形態のガイド軸33は、その断面が円形状の金属棒によって構成され、キャリッジ移動方向に取り付けられている。従って、キャリッジモータ32が動作すると、キャリッジ31は、このガイド軸33に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。このため、これらのキャリッジモータ32、及びガイド軸33等は、ヘッド41を所定方向に移動させるためのヘッド移動部に相当する。
ギャップ調整レバー34は、ヘッド41の用紙対向面41a、すなわちノズル列42が形成されたノズル列形成面(図8Aを参照。)と、プラテン24の表面(以下、プラテン表面ともいう。)の間隔を調整するためのレバーである。すなわち、このギャップ調整レバー34には、ガイド軸33が取り付けられている。そして、ギャップ調整レバー34を傾倒することにより、ガイド軸33が上下方向に移動され、キャリッジ31及びヘッド41も上下方向に移動する。なお、ギャップ調整レバー34及びガイド軸33については、後で説明する。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを噴射するためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。図8A,図8Bに示すように、ノズル形成面としての用紙対向面41a(媒体対向面に相当する。)には、列状に並べられた複数のノズル#iからなるノズル列42が、複数設けられている。各ノズル列42からは、断続的にインクが噴射される。そして、ヘッド41がキャリッジ移動方向に移動している最中に、ノズル#iからインクを断続的に噴射させると、用紙Sには、キャリッジ移動方向に沿ったドットからなるラスタラインが形成される。なお、ヘッド41の構造等については、後で説明する。
センサ群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、紙幅センサ54、ヘッド位置検出センサ55(図10を参照。)等が含まれている。
リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31(ヘッド41)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものであり、キャリッジ移動方向に沿って架設された帯状のスリット板と、キャリッジ31に取り付けられ、スリット板に形成されたスリットを検出するフォトインタラプタを有する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものであり、搬送ローラ23の回転に伴って回転する円盤状のスリット板と、スリット板に形成されたスリットを検出するフォトインタラプタを有する。
紙検出センサ53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が用紙Sを搬送ローラ23に向かって搬送する途中で、用紙Sの先端位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって用紙Sの先端を検出するメカニカルセンサである。
紙幅センサ54は、キャリッジ31に取り付けられている。この紙幅センサ54は、光学センサであり、発光部から用紙Sに照射された光の反射光を受光部にて受光し、受光部での受光強度に基づいて用紙Sの有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら用紙Sの端部の位置を検出し、用紙Sの幅を検出する。また、紙幅センサ54によって、用紙Sの先端を検出させることも可能である。
ヘッド位置検出センサ55は、ヘッド41の高さ方向の位置を検出するためのものである。本実施形態のヘッド位置検出センサ55は、用紙Sから離隔した上昇位置にヘッド41が位置付けられた際にオン状態となり、用紙Sに近接した下降位置にヘッド41が位置付けられた際にオフ状態となる。なお、このヘッド位置検出センサ55については、後で説明する。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。このコントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶手段を有する。そして、CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従い、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ヘッドの構成について>
図7Aは、ヘッド41の一部分を、ノズル列42とは直交する方向に切断した断面図である。図7Bは、図7Aにおける圧力室付近の拡大図である。図8Aは、ヘッド41の用紙対向面41aに設けられたノズル列42の配置を説明する図である。図8Bは、ヘッド41の内部構造を説明する図であり、ノズル#i、圧力室412d、共通インク室412fの部分を拡大して示した図である。以下、これらの図を参照して、ヘッド41の構成について説明する。
ヘッド41は、ケース411と、このケース411の先端面に接着されている流路ユニット412と、ケース411の内部に取り付けられているピエゾ素子ユニット413とを備えている。ケース411は、ピエゾ素子ユニット413を収容するための収容部411aが内部に形成されたブロック状の部材である。このケース411は、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂によって作製される。収容部411aは、ケース411を貫通して設けられている。具体的には、流路ユニット412との接着面からキャリッジ31への取付面に亘って設けられている。この収容部411aは、1つのピエゾ素子ユニット413に対して1つ設けられる。そして、ピエゾ素子ユニット413は、ノズル列42毎に取り付けられる。本実施形態では、ノズル列42が8列設けられているため、ケース411には8個の収容部411aが設けられ、各収容部411aにピエゾ素子ユニット413が取り付けられている。
流路ユニット412は、流路形成板412aと、流路形成板412aの一方の表面に接合された弾性板412bと、流路形成板412aの他方の面に接合されたノズルプレート412cとを備える。
流路形成板412aは、シリコンウエハーや金属板などから形成されている。この流路形成板412aには、所定形状の溝部及び貫通口が形成されている。例えば、圧力室412dとなる溝部、圧力室412dとノズル#iとの間を連通するノズル連通口412eとなる貫通口、共通インク室412f(「共通液室」に相当する。)となる貫通口、及び圧力室412dと共通インク室412fとの間を連通するインク供給路412g(「液体供給路」に相当する。)となる溝部が形成されている。
弾性板412bは、支持枠412hと、支持枠412hによって支持される弾性膜412iと、ピエゾ素子PZTの先端面が当接されるアイランド部412jとを有する。この弾性板412bにおいて、アイランド部412jは、圧力室412dに対応する部分に形成されている。そして、このアイランド部412jにおける弾性膜412iとの接合面は、圧力室412dとなる溝部の開口形状よりも一回り小さい。このため、アイランド部412jの周囲には、弾性膜412iによる弾性領域が形成される。
ノズルプレート412cは、複数のノズル#iが設けられた薄手の板材である。このノズルプレート412cには、ステンレス鋼が好適に用いられる。このノズルプレート412cに設けられた複数のノズル#iは、列状に並べられている。この実施形態では、180個のノズル#iが一列に並べられており、ノズル列42を構成している。
そして、図8Aに示すように、このノズル列42は、8列設けられている。便宜上、以下の説明では、図8Aにおける左側のノズル列42から順に、第1ノズル列42A、第2ノズル列42B、第3ノズル列42C、…ということにする。従って、このヘッド41は、第1ノズル列42A〜第8ノズル列42Hを有する。また、各ノズル列42におけるノズル#iの配列方向を、ノズル列方向ともいう。
図8Bに示されるように、圧力室412dは、ノズル列方向とは直交する方向に、細長い空間である。また、各圧力室412dは、ノズル列42に沿って並べられた状態に設けられている。そして、1つの圧力室412dは、1つのノズル#iに対応して設けられている。このため、圧力室412dの形成ピッチは、ノズル#iの形成ピッチに揃えられている。また、圧力室412dの一端は、ノズル#iに連通されている。すなわち、ノズル連通口412eは、流路形成板412aの厚さ方向を貫通するように設けられ、圧力室412dの一方の端部とノズル#iとの間を連通している。一方、圧力室412dの他端は、共通液室としての共通インク室412fに連通されている。すなわち、液体供給路としてのインク供給路412gは、圧力室412d毎に設けられ、圧力室412dの他端と共通インク室412fとを連通している。
ピエゾ素子ユニット413は、ピエゾ素子群413aと、一方の表面にピエゾ素子群413aが接着され、他方の表面がケース411に接着される接着基板413bとから構成されている。ピエゾ素子群413aは、圧電体と電極層とを交互に積層したピエゾ基板に、流路ユニット412の各圧力室412dに対応した所定ピッチでスリットを形成することにより、櫛歯状に作製されている。そして、櫛歯の1本1本がピエゾ素子PZTとなっている。従って、1つのピエゾ素子ユニット413は、180本のピエゾ素子PZT(櫛歯)を有している。また、各ピエゾ素子PZTは、先端側の一部が接着基板413bの縁よりも外側に突出された状態で接着されている。すなわち、各ピエゾ素子PZTは、片持ち梁の状態で接着基板413bに接着されている。
このピエゾ素子ユニット413は、ピエゾ素子群413aの先端が流路ユニット412側に向けられた状態で、ケース411の収容部411a内に収容される。そして、この収容状態で、接着基板413bにおけるケース411との接着面が、ケース411の内壁に接着されている。さらに、この接着状態において、ピエゾ素子PZTの各先端面は、対応するアイランド部412jに接着される。各ピエゾ素子PZTは、圧電体を挟んで対向する電極間の電位差を制御することで、積層方向と直交する素子長手方向に伸縮する。ピエゾ素子PZTの伸縮により、アイランド部412jは、圧力室412d側に押されたり、圧力室412dから離隔する側に引かれたりする。このとき、アイランド部周辺の弾性膜412iが変形するので、ノズル#iからインク滴を噴射させることができる。
本実施形態では、図8A及び図8Bに示されるように、左から奇数番目のノズル列42(42A,42C,42E,42G)と、偶数番目のノズル列42(42B,42D,42F,42H)とが近接するように設けられ、ノズル列対となっている。具体的には、第1ノズル列42Aと第2ノズル列42Bとが近接して設けられており、第1のノズル列対G1となっている。また、第3ノズル列42Cと第4ノズル列42Dとが近接して設けられており、第2のノズル列対G2となっている。同様に、第5ノズル列42Eと第6ノズル列42Fが、第3のノズル列対G3となっており、第7ノズル列42Gと第8ノズル列42Hが第4のノズル列対G4となっている。
すなわち、各ノズル列42は、隣り合うノズル列同士の間隔が不均等であり、或るノズル列42の一側に隣接するノズル列42までの間隔と、反対側に隣接する他のノズル列42までの間隔とが異なっている。言い換えると、隣り合う3つのノズル列42において、各ノズル列42は、間のノズル列42から端のノズル列42までの間隔と、間のノズル列42から他の端のノズル列42までの間隔が異なるように、設けられている。例えば、第1ノズル列42A、第2ノズル列42B、及び第3ノズル列42Cについて検討すると、第2ノズル列42Bと第1ノズル列42Aの間隔は、第2ノズル列42Bと第3ノズル列42Cの間隔よりも十分狭い。また、第2ノズル列42B、第3ノズル列42C、及び第4ノズル列42Dについて検討すると、第3ノズル列42Cと第4ノズル列42Dの間隔は、第2ノズル列42Bと第3ノズル列42Cの間隔よりも十分狭い。そして、間隔の狭い側のノズル列同士がノズル列対となっている。ここで、前述した第1のノズル列対G1から第4のノズル列対G4に関し、対となるノズル列同士の間隔は、揃えられている。このため、これらの第1のノズル列対G1から第4のノズル列対G4は、「隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対」に相当する。
このように、隣り合うノズル列同士の間隔が不均等になっているのは、インクの噴射を安定化するためである。この種のヘッド41において、ピエゾ素子PZTの伸張時に生じる応力は、接着基板413bを介してケース411に伝達される。本実施形態では、ケース411に伝達された応力が、インクの噴射に影響を及ぼし難くなるように、ピエゾ素子ユニット413が取り付けられている。つまり、各ピエゾ素子ユニット413は、接着基板413bがノズル列42から離れるように取り付けられている。その結果、隣り合うピエゾ素子ユニット同士は、互いに向きが異なっている。これに応じて、隣り合うノズル列同士の間隔が、不均等になっている。本実施形態において、同じノズル列対に属するノズル列同士の間隔W1、例えば第1ノズル列42Aと第2ノズル列42Bの間隔は、2.5mmである。また、隣り合うノズル列同士であって、異なるノズル列対に属するノズル列同士の間隔W2、例えば第2ノズル列42Bと第3ノズル列42Cの間隔は、7.5mmである。
なお、ケース411の剛性が十分に確保されている場合などにおいては、各ピエゾ素子ユニット413を、向きを揃えて取り付けることができる。そして、この場合には、隣り合うノズル列同士の間隔を均等にすることができる。隣り合うノズル列同士の間隔が均等な実施形態については、後で説明する。
また、本実施形態において、ノズル#iの形成ピッチNPは、各ノズル列42で共通である。本実施形態において、各ノズル#iは、180dpiに相当するピッチで形成されている。このため、各ノズル列42は、その長さが1インチ(2.54cm)となる。そして、同じノズル列対において、一方のノズル列42に属する各ノズル#iと、他方のノズル列42に属する各ノズル#iは、ノズル列方向における形成位置が揃えられている。例えば、図8Bに示されるように、第1ノズル列42Aの1番目のノズル#1と、第2ノズル列42Bの1番目のノズル#1は、キャリッジ移動方向に並んで設けられている。また、第1ノズル列42Aの2番目のノズル#2、及び第2ノズル列42Bの2番目のノズル#2と、第1ノズル列42Aの3番目のノズル#3、及び第2ノズル列42Bの3番目のノズル#3も同様に、キャリッジ移動方向に並んで設けられている。これは、同じノズル列対に属する2つのノズル列42は、同時にインクを噴射させないためである。なお、このような制限を設けた理由については、後で詳しく説明する。
また、或るノズル列対に属する各ノズル#iと、隣に設けられたノズル列対に属する各ノズル#iは、ノズル列方向の位置を異ならせている。図8Bに示すように、第2のノズル列対G2に属する各ノズル#iは、第1のノズル列対G1に属する各ノズル#iに対して、ノズル#iの形成ピッチNPの半分に相当する距離1/2NPだけ、位置がずらされている。これにより、第1のノズル列対G1のノズル列42と、第2のノズル列対G2のノズル列42から同時にインクを噴射させることにより、1パスにおける解像度を、ノズル#iに対応する解像度の倍にできる。本実施形態では、各ノズル列42に属するノズル#iが180dpiに相当するピッチで設けられているため、360dpiの解像度で印刷ができる。
なお、第3のノズル列対G3は、ノズル列方向の位置に関し、第1のノズル列対G1と同じ位置に設けられている。また、第4のノズル列対G4は、ノズル列方向の位置に関し、第2のノズル列対G2と同じ位置に設けられている。従って、第3のノズル列対G3と第4のノズル列対G4の間でも、第1のノズル列対G1と第2のノズル列対G2と同様の関係が成立する。
<ヘッドの駆動について>
このようなヘッド41に対しては、ノズル列毎、及びノズル毎に、インクの噴射制御が可能である。また、ホームポジションから遠ざかる方向へ移動する往路移動時と、ホームポジションへ向かってくる復路移動時のそれぞれで、インクの噴射制御が可能である。この噴射制御は、例えば、先述したプリンタドライバ116によってなされる。このプリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から受け取った画像データを印刷信号PRTに変換し、プリンタ1に出力する。プリンタ1は、受け取った印刷信号PRTに従ってノズル#iからインクを噴射させる。このため、プリンタドライバ116からプリンタ1への印刷信号PRTの与え方次第で、種々の噴射制御が実現される。
ここで、図9は、印刷信号PRTに基づいてヘッド41を駆動するヘッド駆動部43、及びその周辺部を説明する図である。ヘッド駆動部43は、各ノズル#iからインク滴を噴射させるため、シリアル伝送される印刷信号PRTに基づき、対応するピエゾ素子PZTを駆動する。このヘッド駆動部43は、ノズル列毎に設けられる。そして、ヘッド駆動部43は、第1シフトレジスタ群431と、第2シフトレジスタ群432と、ラッチ回路群433と、デコーダ群434と、スイッチ群SWとを備えている。なお、図9において、スイッチ群SWの各スイッチやピエゾ素子PZT等に付した括弧内の数字は、部材(又は信号)が対応するノズル#iの番号を示している。
印刷信号PRTは、ノズル数分の画素データをシリアル伝送する信号である。このシリアル伝送される印刷信号PRTは、ヘッド駆動部43に入力され、ノズル毎のパルス選択データである印刷信号PRT(i)に変換される。そして、この印刷信号PRT(i)は、デコーダからスイッチSW(i)に出力される。駆動信号DRV(i)は、各ピエゾ素子PZT(i)を駆動する信号である。本実施形態の駆動信号DRV(i)は、原駆動信号ODRVのピエゾ素子PZT(i)への供給を、印刷信号PRT(i)に基づいて制御することで得られる。この駆動信号DRV(i)がピエゾ素子PZT(i)に入力されると、駆動信号DRV(i)の電圧変化に応じてピエゾ素子PZT(i)が変形する。ピエゾ素子PZT(i)が変形すると、圧力室412dの一部を区画する弾性膜412i(側壁)が変形し、ノズル#iからインクが噴射されたり、ノズル#iのメニスカスが微振動されたりする。
<ヘッドの高さ調整について>
図10は、ギャップ調整レバー34及びガイド軸33によるヘッド41の上下方向の移動の様子を説明する図である。すなわち、図10Aは、ヘッド41の用紙対向面41aがプラテン表面に接近した状態を説明する図である。図10Bは、ヘッド41の用紙対向面41aがプラテン表面から離隔した状態を説明する図である。図10Cは、ヘッド41の用紙対向面41aの位置の違いを説明する図である。
まず、ギャップ調整レバー34とガイド軸33について説明する。ギャップ調整レバー34は、回転軸34a(図1を参照。)を中心にして傾倒可能に取り付けられている。そして、ガイド軸33は、このギャップ調整レバー34に対し、回転軸34aからずれた位置に取り付けられている。このため、ギャップ調整レバー34を傾倒することにより、ガイド軸33は、上下方向に移動される。これに伴い、ヘッド41は、用紙Sに近付く方向と、用紙Sから離隔する方向とに移動される。
このようなガイド軸33とギャップ調整レバー34によるヘッド41の高さ調整機構は、ガイド軸33を上下方向に動かすことで、ヘッド41の高さ方向の位置を調整するものであるため、構造の簡素化が図れる。また、これらのギャップ調整レバー34及びガイド軸33は、ヘッド41の用紙対向面41a(ノズル列形成面)と、プラテン24に載置された用紙Sの表面との間隔を調整する。このため、これらのギャップ調整レバー34及びガイド軸33は、「間隔調整部」に相当する。言い換えれば、これらのギャップ調整レバー34及びガイド軸33について、ヘッド41を用紙Sに近付く方向と離隔する方向に移動させる、他のヘッド移動部と表現することもできる。
図10Aに示すように、ヘッド41の用紙対向面41aは、ギャップ調整レバー34がほぼ真上に向いているとき、プラテン表面に最も近接した状態になる。つまり、ヘッド41は下降位置に位置付けられる。このヘッド41の下降位置において、ヘッド41の用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔PG1は、例えば1.5mmとなる。そして、図10Bに示すように、ギャップ調整レバー34が用紙搬送方向の上流側(この図における右側)に傾倒されると、ギャップ調整レバー34の回転に伴い、ガイド軸33は例えば0.5mm上昇する。これにより、キャリッジ31及びヘッド41も上昇する。すなわち、図10Cに示すように、ヘッド41は、点線で示す下降位置から実線で示す上昇位置に移動する。この上昇位置において、ヘッド41の用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔PG2は、例えば2.0mmとなる。そして、このようなヘッド41の高さ調整機構を設けたことにより、厚さの異なる複数種類の用紙Sに対して、印刷を行うことができる。
そして、ヘッド41の用紙対向面41aが上昇位置にあるとき、つまり、ギャップ調整レバー34が傾倒状態にあるとき、ヘッド位置検出センサ55はオン状態となり、対応する検出信号を出力する。この例におけるヘッド位置検出センサ55は、ギャップ調整レバー34の傾倒状態を検出するスイッチであり、例えばマイクロスイッチによって構成される。従って、このヘッド位置検出センサ55は、ギャップ調整レバー34の当接によってオン状態になる。このようなヘッド位置検出センサ55は、他のヘッド移動部としてのガイド軸33及びギャップ調整レバー34によって定められるヘッド41の位置を検出する。
本実施形態において、ヘッド41の高さは、高低の2段階に切り替えることができる。そして、ヘッド41の高さが「高」の場合、つまりヘッド41が上昇位置に位置付けられている場合、ヘッド位置検出センサ55からの検出信号(オン状態に対応する検出信号)がコントローラ60に入力される。このため、コントローラ60は、ヘッド位置検出センサ55からの検出信号を監視することで、ヘッド41の高さを認識することができる。例えば、図11に示すように、プリンタ1のメモリ63(図4を参照。)には、検出信号に基づくヘッド位置検出センサ55の状態と、ヘッド41の高さ方向の位置と、用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔PG1,PG2との関係を示すテーブル情報が格納されている。そして、コントローラ60は、このテーブル情報を参照することで、ヘッド41の高さを認識することができる。
<印刷動作について>
図12は、印刷時の動作のフローチャートである。以下に説明される各動作は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷信号PRTのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷信号PRTに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを制御して、以下の給紙動作、搬送動作、ドット形成動作等を行う。
給紙動作(S002):次に、コントローラ60は、給紙動作を行う。給紙動作とは、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂、頭出し位置)に位置決めする処理である。すなわち、コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。続いて、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。
ドット形成動作(S003):次に、コントローラ60は、ドット形成動作を行う。ドット形成動作とは、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に噴射させ、用紙Sにドットを形成する動作である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31をキャリッジ移動方向に移動させる。また、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷信号PRTに基づいてヘッド41(ノズル#i)からインクを噴射させる。そして、ヘッド41から噴射されたインクが用紙上に着弾すれば、用紙上にドットが形成される。
搬送動作(S004):次に、コントローラ60は、搬送動作を行う。搬送動作とは、用紙Sを、ヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータ22を駆動し、搬送ローラ23を回転させて用紙Sを搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先程のドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することができる。
排紙判断(S005):次に、コントローラ60は、印刷中の用紙Sについて排紙の判断を行う。この判断時において、印刷中の用紙Sに印刷するためのデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷するためのデータがなくなるまでドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に用紙Sに印刷する。印刷中の用紙Sに印刷するためのデータがなくなったならば、コントローラ60は、排紙を行う判断をする。
排紙処理(S006):次に、コントローラ60は、印刷された用紙Sの排紙を行わせる。すなわち、コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることにより、印刷済みの用紙Sを外部に排出させる。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙Sに印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の用紙Sの給紙動作を開始する。次の用紙Sに印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
===本実施形態の特徴===
<インク滴の着弾位置ずれについて>
本実施形態の特徴を説明する前に、まず、インク滴の着弾位置ずれについて説明する。ここで、図13A及び図13Bは、インク滴の生成過程を説明する模式図である。また、図14Aは、インク滴の飛行軌跡を説明する模式図である。図14Bは、メインのインク滴とサテライトのインク滴の着弾位置ずれを示す模式図であって、通常生じる着弾位置ずれを示したものである。
この種のプリンタ1において、ノズル#iから噴射されたインク滴は、メインのインク滴Imとサテライトのインク滴Isとに分かれて飛翔する。これは、インク滴が生成される過程において、ノズル#iから押し出されたインクが柱状に延びる段階(図13Aを参照。)と、このインク柱が表面張力によって分断される段階(図13Bを参照。)とを経るためと考えられる。なお、サテライトのインク滴Isの発生しやすさは、インクの粘度やインクの飛翔速度によって違いがある。例えば、使用環境が約10〜40℃の温度範囲において、使用するインクの粘度は、約2.0〜12.0mPa・secの範囲内である。具体的には、通常のインクとしては、粘度が約2.0〜6.5mPa・secの範囲内のものが挙げられ、高粘度である顔料インクとしては、粘度が約8〜11mPa・secの範囲内のものが挙げられる。このようなインクの粘度の違いがあったとしても、前述した構成のヘッド41で噴射できるインクを前提に考えた場合、サテライトのインク滴Isを発生させないように制御することは困難である。
このように生成されたメインのインク滴Imとサテライトのインク滴Isは、キャリッジ31の移動に伴い用紙表面(「媒体の表面」に相当する。)に沿って流れる空気(この例では水平方向の風。便宜上、以下の説明では、横風Wsともいう。)の影響を受ける。また、これらのインク滴は、用紙Sへ向かう方向(この例では垂直方向)への飛翔速度が異なっており、サテライトのインク滴Isはメインのインク滴Imよりも飛翔速度が遅い。さらに、サテライトのインク滴Isはメインのインク滴Imに比べて少ない量である。従って、サテライトのインク滴Isは、メインのインク滴Imに比べて横風の影響を強く受ける。その結果、サテライトのインク滴Isは、メインのインク滴Imよりも、横風の風下側に着弾する。
<風紋現象について>
ところで、前述したように、1つのノズル列42を構成するノズル#iの数は増え、キャリッジ31(ヘッド41)の移動速度は高速化し、インクの噴射周波数は高くなる傾向にある。このような状況下において、近接した2列のノズル列42から同時にインクを噴射させた際に、インク滴の着弾位置が正規の位置から大きくずれ、不測の着弾位置ずれが生じる現象が確認された。ここで、図15は、不測の着弾位置ずれを模式的に示した図である。
この図15に示すように、サテライトのインク滴Isにおける不測の着弾位置ずれにより、用紙表面には、砂丘の表面などに風によってできた模様(つまり、風紋)と似た模様が形成される。便宜上、以下の説明では、この風紋と似た模様が形成される現象のことを、風紋現象ということにする。この風紋と似た模様は、サテライトのインク滴Is及びメインのインク滴Imの着弾位置ずれが原因となって形成される。すなわち、本来であれば、図14Bに示すように、メインのインク滴Imとサテライトのインク滴Isとは、キャリッジ移動方向に並んで着弾する。しかし、風紋現象が発生している場所において、これらのインク滴は、着弾位置が大きくずれている。このような風紋と似た模様は、画質の低下を招き、高画質化の妨げとなる。従って、風紋現象の発生を防止することが求められている。
ここで、風紋現象の発生原因について考察する。前述したように、風紋現象は、インク滴Im,Isが正規の位置からずれて着弾することによって生じる。このことから、風紋現象には、主に横風Wsの乱れが関与していると考えられる。すなわち、これらのインク滴Im,Isに関し、そのインク重量は、メインのインク滴Imで例えば5.0ng、サテライトのインク滴Isで例えば2.7ngである。また、その飛翔速度は、メインのインク滴Imで例えば9m/s、サテライトのインク滴Isで例えば6m/sである。このように重量が小さいため、これらのインク滴Im,Isは、横風Wsの影響を受けやすい。そのため、横風Wsの乱れによって、インク滴の着弾位置ずれが生じたと考えられる。
次に、横風Wsの乱れについて考察する。ここで、図16は、互いに近接したノズル列同士からインク滴(Im,Is)を噴射させた場合における横風Wsを模式的に示した図である。
シミュレーションによれば、キャリッジ31の移動中において、横風Wsはキャリッジ31が進む方向とは反対向きに流れる。また、ノズル列42から繰り返しインク滴が噴射されることにより、下向きの風Wv(図14Aを参照。)、つまり、用紙Sに向かう方向の空気の流れが生じる。この下向きの風Wvは、エアカーテンと同じような作用をすると考えられる。このため、以下の説明では、この下向きの風Wvを、エアカーテンということもある。
従って、キャリッジ31(ヘッド41)を移動させつつ、近接したノズル同士からインクを噴射させた場合、横風Wsは、キャリッジ移動方向の前方に形成されるエアカーテンにあたる。すなわち、横風Wsは、前方のノズル列42から噴射されるインク滴によって生じる下向きの風Wvに衝突する。
そして、この横風Wsの一部は、隣り合うインク滴同士の間を抜けて流れる。すなわち、横風Wsの一部は、下向きの風Wv(エアカーテン)を通り抜ける。下向きの風Wvを通り抜けることにより、横風Wsは、その流れが乱される。このため、キャリッジ移動方向の後側に形成される下向きの風Wv(エアカーテン)には、乱された横風Wsが作用する。ここで、この乱された横風Wsの力が強い場合、キャリッジ移動方向の後側で噴射されるインク滴は、この横風Wsによって流される。その結果、後側で噴射されるインク滴の着弾位置が正規の位置からずれ、前述した風紋現象が生じたと考えられる。
この場合において、前方のエアカーテンを通り抜ける横風Wsの量、及び強さは、キャリッジ31の移動速度(図14Aを参照。)が速くなるほど、つまり横風Wsの流れが速くなるほど多くなり、且つ強くなる。そして、乱された横風Wsは、時間の経過によって、その流れが整えられる。
<本実施形態の要点>
このように風紋現象は、前方のエアカーテンを通り抜ける際に乱された横風Wsが、後方のエアカーテンに作用することで生じると考えられる。この点を考慮して本実施形態では、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないことにした。
このように構成することで、同時に液体を噴射させるノズル列同士の間隔を、最小間隔よりも拡げることができる。これにより、前方のエアカーテンによって横風Wsの流れが乱されたとしても、この横風Wsは、後方のエアカーテンに到達するまでに、整流されたり、その力が弱められたりする。その結果、後方のエアカーテンを構成するインク滴について、不測の着弾位置ずれ、つまり風紋現象を防止できる。
<風紋現象を防止する制御について>
プリンタドライバ116は、「噴射制御部」として機能する。すなわち、プリンタドライバ116は、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないように制御する。例えば、プリンタドライバ116は、キャリッジ31(ヘッド41)の往路移動時と復路移動時とでインクを噴射させるノズル列42を定める。そして、プリンタドライバ116は、定めたノズル列42からインク滴を噴射させる印刷信号PRTを、ヘッド41に出力する。以下、詳細に説明する。
ここで、図17Aは、同時にインクが噴射されるノズル列42を説明する図である。図17Bは、噴射されるインクの色、及びインクを噴射させる時期(往路移動時,復路移動時)を、ノズル列毎に示したテーブル情報である。なお、このテーブル情報は、例えば、プリンタ1のメモリ63に記憶されている。
これらの図に示すように、このヘッド41において、第1ノズル列42AからはブラックインクBKが噴射される。そして、第2ノズル列42BからはマゼンタインクMが噴射される。また、第3ノズル列42CからはブラックインクBKが噴射され、第4ノズル列42DからはマゼンタインクMが噴射される。同様に、第5ノズル列42E及び第7ノズル列42GからはイエローインクYが噴射され、第6ノズル列42F及び第8ノズル列42HからはシアンインクCが噴射される。すなわち、このヘッド41は、同じ色のインク(「同じ種類の液体」に相当する。)が噴射されるノズル列42を合計4組有している。
前述したように、第1のノズル列対G1と第2のノズル列対G2の間では、各ノズル#iのノズル列方向における形成位置が、ノズル#iの形成ピッチNPの半分に相当する距離1/2NPだけずらされている。また、第3のノズル列対G3と第4のノズル列対G4との間も同様である。
従って、同じ色のインクが噴射されるノズル列同士の間、詳しくは、ブラックインクBKが噴射される第1ノズル列42Aと第3ノズル列42Cの間、マゼンタインクMが噴射される第2ノズル列42Bと第4ノズル列42Dの間、イエローインクYが噴射される第5ノズル列42Eと第7ノズル列42Gの間、及びシアンインクCが噴射される第6ノズル列42Fと第8ノズル列42Hの間も、各ノズル#iの形成位置がノズル列方向にずらされる。これにより、同じ色のインク滴を噴射する一方のノズル列42から噴射されたインク滴と、他方のノズル列42から噴射されたインク滴とは、用紙Sにおける着弾位置がノズル列方向にずれる。本実施形態では、ずれ量が、ノズル#iの形成ピッチNPの半分に相当する距離1/2NPであるため、一方のノズル列42から噴射されたインク滴同士の中間に、他方のノズル列42から噴射されたインク滴が着弾する。そして、後述するように、同じ色のインク滴を噴射するノズル列同士からは、同時に(同じパスで)インク滴が噴射される。このため、1回のパスにおいて、より高い密度でインクを噴射させることができる。その結果、処理の高速化が図れる。
そして、プリンタドライバ116は、同じノズル列対に属するノズル列同士からは、同時にインクを噴射させないように、印刷信号PRTをヘッド41に出力する。具体的には、図17Bに示すように、キャリッジ31の往路移動時には、ブラックインクBKを噴射させる第1ノズル列42A及び第3ノズル列42Cと、イエローインクYを噴射させる第5ノズル列42E及び第7ノズル列42Gからインクを噴射させる。また、キャリッジ31の復路移動時には、マゼンタインクMを噴射させる第2ノズル列42B及び第4ノズル列42Dと、シアンインクCを噴射させる第6ノズル列42F及び第8ノズル列42Hからインクを噴射させる。言い換えると、プリンタドライバ116は、キャリッジ31の移動方向に応じて、インクを噴射させるノズル列42を、奇数番目のノズル列42と偶数番目のノズル列42に切り替えている。このため、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間には、インクを噴射させないノズル列42が挟まれている。
このようにインク滴を噴射させるノズル列42を定めることで、前述した風紋現象を有効に防止することができる。すなわち、この実施形態では、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時にインクを噴射させていない。このため、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間隔を、最小間隔よりも拡げることができる。この例においては、間隔が最小となるノズル列対は、第1のノズル列対G1(第1ノズル列42A,第2ノズル列42B)〜第4のノズル列対G4(第7ノズル列42G,第8ノズル列42H)であり、その間隔は例えば2.5mmである。一方、同時に液体を噴射させるノズル列42は、奇数番目のノズル列42、若しくは、偶数番目のノズル列42であり、その間隔は例えば10mmである。このように、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間隔を十分に確保できるので、キャリッジ移動方向の前方に形成された下向きの風Wv(エアカーテン)を通過したことで、横風Wsの流れが乱されたとしても、この横風Wsは、次の下向きの風Wvに到達するまでに、整流されたり、その力が弱められたりする。その結果、次の下向きの風Wvに対応するインク滴について、不測の着弾位置ずれを防止でき、ひいては風紋現象を防止できる。
また、この例では、同じ色のインクは、同じパスで噴射されている。このため、テキスト印刷や単色印刷などにおいて、1パスにおける記録密度を、1つのノズル列42におけるノズル#iの形成密度よりも高めることができる。その結果、速度を落とさずに印刷することができる。
<第2実施形態について>
ところで、前述した第1実施形態は、インクが噴射されるノズル列同士の間に、インクが噴射されないノズル列42(不噴射ノズル列)が挟まれていた。しかしながら、間隔が最小のノズル列同士でなければ、隣り合うノズル列同士であっても、インクを同時に噴射させることができる。以下、このように構成した第2実施形態について説明する。ここで、図18Aは、同時にインクが噴射されるノズル列42を説明する図である。図18Bは、ヘッド41の内部構造を説明する図であり、ノズル#i、圧力室412d、共通インク室412fの部分を拡大して示した図である。図18Cは、噴射されるインクの色、及びインクを噴射させる時期を、ノズル列毎に示したテーブル情報である。なお、以下の説明は、主に、第1実施形態と異なる点について行い、共通する部分については省略することにする。
本実施形態において、同じノズル列対に属する2つのノズル列42は、ノズル列方向における形成位置が異なっている。すなわち、一方のノズル列42に属する各ノズル#iは、他方のノズル列42に属する各ノズル#iに対して、ノズル#iの形成ピッチNPの半分に相当する距離1/2NPだけ、位置がずらされている。図18Bに一部分が示されているが、偶数番目のノズル列42(42B,42D,42F,42H)は、奇数番目のノズル列42(42A,42C,42E,42F)に対して、ノズル列方向にずれた位置に形成されている。そして、このヘッド41では、第1ノズル列42A及び第4ノズル列42DからはブラックインクBKが噴射され、第2ノズル列42B及び第3ノズル列42CからはマゼンタインクMが噴射される。同様に、第5ノズル列42E及び第8ノズル列42HからはイエローインクYが噴射され、第6ノズル列42F及び第7ノズル列42GからはシアンインクCが噴射される。従って、この第2実施形態でも、同じ色のインクを噴射するノズル列同士は、各ノズル#iのノズル列方向の形成位置が互いに異なっている。
そして、プリンタドライバ116は、同じノズル列対に属するノズル列同士からは、同時にインクを噴射させないように、印刷信号PRTをヘッド41に出力する。すなわち、プリンタドライバ116は、図18Cに示すように、隣り合うノズル列同士であっても、属するノズル列対が異なる場合には、同時にインクを噴射させる。具体的には、キャリッジ31の往路移動時において、ブラックインクBK用の第1ノズル列42A及び第4ノズル列42Dと、イエローインクY用の第5ノズル列42E及び第8ノズル列42Hからインクを噴射させる。すなわち、第4ノズル列42Dと第5ノズル列42Eは、隣に位置するノズル列同士であるが、属するノズル列対が異なるので、インクを同時に噴射させている。また、キャリッジ31の復路移動時には、マゼンタインクM用の第2ノズル列42B及び第3ノズル列42Cと、シアンインクC用の第6ノズル列42F及び第7ノズル列42Gからインクを噴射させる。これらのノズル列同士も隣に位置しているが、やはり、属するノズル列対が異なっているので、同時にインクを噴射させている。
本実施形態でも、前述した風紋現象を有効に防止することができる。すなわち、この実施形態でも、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時にインクを噴射させていない。このため、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間隔を、最小間隔よりも拡げることができる。例えば、間隔が最小となるノズル列対は、第1のノズル列対G1〜第4のノズル列対G4であり、その間隔は例えば2.5mmである。これに対し、同時に液体を噴射させるノズル列42の間隔は、異なるノズル列対に属するノズル列同士を選択することから、例えば7.5mm若しくは12.5mmとなる。すなわち、間に2本の不噴射ノズル列を挟むノズル列同士の間隔、例えば、ブラックインクBKが噴射される第1ノズル列42Aと第4ノズル列42Dの間隔、及びマゼンタインクMが噴射される第3ノズル列42CとシアンインクCが噴射される第6ノズル列42Fの間隔は、例えば12.5mmとなる。また、間に不噴射ノズル列を挟まないノズル列同士の間隔、例えば、ブラックインクBKが噴射される第4ノズル列42DとイエローインクYが噴射される第5ノズル列42Eの間隔、及びシアンインクCが噴射される第6ノズル列42Fと第7ノズル列42Gの間隔は、例えば7.5mmとなる。従って、この実施形態においても、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間隔を十分に確保でき、インク滴の不測の着弾位置ずれに起因する風紋現象を防止できる。
<第3実施形態について>
ところで、前述した第1実施形態、及び第2実施形態は、いずれも隣り合うノズル列同士の間隔が不均等であったが、この構成に限定されるものではない。以下、隣り合うノズル列同士の間隔が均等な第3実施形態について説明する。ここで、図19Aは、同時にインクが噴射されるノズル列42を説明する図である。図19Bは、ヘッド41の内部構造を説明する図であり、ノズル#i、圧力室412d、共通インク室412fの部分を拡大して示した図である。図19Cは、噴射されるインクの色、及びインクを噴射させる時期を、ノズル列毎に示したテーブル情報である。なお、以下の説明も、主に、第1実施形態と異なる点について行い、共通する部分については省略することにする。
本実施形態において、各ノズル列42は、隣り合うノズル列同士の間隔が均等になるように設けられている。例えば、各ノズル列42は、例えば5mm間隔で設けられている。この場合、隣り合うノズル列同士の間隔が均等であるため、隣り合う1対のノズル列42が、「隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対」に相当する。例えば、第1ノズル列42Aと第2ノズル列42Bは、間隔が最小となるノズル列対に相当する。同様に、第2ノズル列42Bと第3ノズル列42Cも、間隔が最小となるノズル列対に相当する。一方、第1ノズル列42Aと第3ノズル列42Cは、間隔が最小となるノズル列対には相当しない。
また、これらのノズル列42のうち、第1ノズル列42Aから第4ノズル列42Dまでの4つのノズル列42に関し、各ノズル#iは、ノズル列方向における形成位置が揃えられている。同様に、第5ノズル列42Eから第8ノズル列42Hまでの4つのノズル列42に関しても、各ノズル#iは、ノズル列方向における形成位置が揃えられている。そして、第1ノズル列42Aから第4ノズル列42Dに属する各ノズル#iと、第5ノズル列42Eから第8ノズル列42Hに属する各ノズル#iとは、ノズル列方向における形成位置が異なっている。具体的には、図19Bにその一部分を示すように、第5ノズル列42Eから第8ノズル列42Hに属する各ノズル#iは、第1ノズル列42Aから第4ノズル列42Dに属する各ノズル#iに対して、ノズル#iの形成ピッチNPの半分に相当する距離1/2NPだけ、位置がずらされている。そして、このヘッド41では、第1ノズル列42A及び第5ノズル列42EからはブラックインクBKが噴射され、第2ノズル列42B及び第6ノズル列42FからはイエローインクYが噴射される。同様に、第3ノズル列42C及び第7ノズル列42GからはマゼンタインクMが噴射され、第4ノズル列42D及び第8ノズル列42HからはシアンインクCが噴射される。従って、この第3実施形態でも、同じ色のインクを噴射するノズル列42の組は、各ノズル#iのノズル列方向の形成位置が、互いに異なっている。そして、これらのノズル列42の組からインクを同時に噴射させることにより、1パスにおける解像度を、ノズル#iの形成ピッチNPに対応する解像度の倍にすることができる。
そして、プリンタドライバ116は、 隣り合うノズル列同士からは、同時にインクを噴射させないように、印刷信号PRTをヘッド41に出力する。すなわち、プリンタドライバ116は、図19Cに示すように、キャリッジ31の往路移動時において、ブラックインクBKを噴射させる第1ノズル列42A及び第5ノズル列42Eと、マゼンタインクMを噴射させる第3ノズル列42C及び第7ノズル列42Gからインクを噴射させる。また、キャリッジ31の復路移動時には、イエローインクYを噴射させる第2ノズル列42B及び第6ノズル列42Fと、シアンインクCを噴射させる第4ノズル列42D及び第8ノズル列42Hからインクを噴射させる。要するに、本実施形態でも、プリンタドライバ116は、キャリッジ31の移動方向に応じて、インクを噴射させるノズル列42を、奇数番目のノズル列42(42A,42C,42E,42F)と偶数番目のノズル列42(42B,42D,42F,42H)に切り替えている。その結果、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間には、インクを噴射させないノズル列42が挟まれることとなる。
本実施形態でも、前述した風紋現象を有効に防止することができる。すなわち、この実施形態でも、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時にインクを噴射させていない。このため、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間隔を、最小間隔よりも拡げることができる。例えば、間隔が最小となるノズル列対は、隣り合う1対のノズル列42で構成されるので、その間隔は例えば5mmである。一方、同時に液体を噴射させるノズル列42の間隔は、間に1つのノズル列42が挟まれていることから、例えば10mmとなる。従って、この実施形態においても、同時にインクを噴射させるノズル列同士の間隔を十分に確保でき、インク滴の不測の着弾位置ずれに起因する風紋現象を防止できる。
<第4実施形態について>
ところで、前述した各実施形態は、ヘッド41の用紙対向面41a(つまり、ノズル列42)から用紙表面までの距離を考慮していなかった。しかし、風紋現象の発生のし易さは、エアカーテンの高さ、すなわち、インクの用紙方向への飛翔距離に応じて変化すると考えられる。これは、インクの用紙方向への飛翔距離が短いほど、横風Wsが下向きの風Wvを通り抜け難くなると考えられるためである。そこで、用紙対向面41aから用紙表面までの間隔が所定間隔以上となっていることを条件に、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時にインクを噴射させないようにしてもよい。以下、このように構成した第4実施形態について説明する。
ここで、図20Aは、用紙種類と用紙厚さの関係を示すテーブル情報の図である。図20Bは、画質と印刷モードの関係を示すテーブル情報の図である。図20Cは、隣接ノズル列対による同時噴射制限を説明する図である。また、図21は、プリンタドライバ116で行われるラスタライズ処理の各動作を説明するフローチャートである。そして、プリンタドライバ116は、各動作を実行するためのコードを有する。
このラスタライズ処理において、プリンタドライバ116は、まず、ヘッド41の用紙対向面41aから用紙表面までの間隔を取得する(S011)。例えば、プリンタドライバ116は、ヘッド41の用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔の情報、及び用紙Sの厚さの情報を取得する。そして、これらの情報に基づいて、用紙対向面41aから用紙表面までの間隔を演算する。この場合、プリンタドライバ116は、プリンタ1コントローラ60に対して、用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔の情報、及び用紙Sの厚さの情報を要求する。この要求を受け取ったプリンタ1コントローラ60は、メモリ63から対応する情報を読み出し、プリンタドライバ116に対して出力する。
ここで、表1は、ヘッド41の用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔が1.5mmの場合における、用紙対向面41aから用紙表面までの間隔を、用紙Sの種類毎に示した表である。また、表2は、ヘッド41の用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔が2.0mmの場合における、用紙対向面41aから用紙表面までの間隔を、用紙Sの種類毎に示した表である。これらの表に示すように、ヘッド41の用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔が1.5mmの場合は、用紙対向面41aから用紙表面までの間隔は1.5mm以下になる。また、用紙対向面41aからプラテン表面までの間隔が2.0mmの場合は、用紙対向面41aから用紙表面までの間隔PGaは1.5mm以上になる。
Figure 2005280273
Figure 2005280273
ヘッド41の用紙対向面41aから用紙表面までの間隔を取得したならば、プリンタドライバ116は、設定されている印刷モードを取得する(S012)。本実施形態では、印刷モードとして「普通」と「きれい」の2種類が用意されている。このため、プリンタドライバ116は、このステップにて、「普通」が「きれい」のいずれかの印刷モードを取得する。
設定されている印刷モードを取得したならば、プリンタドライバ116は、間隔が最小となるノズル列対に対する噴射制御が必要か否かを判断する(S013)。ここでの判断基準は、プリンタ1の種類によって相違するが、本実施形態では、ヘッド41の用紙対向面41a(ノズル列42)から用紙表面までの間隔が所定間隔以上の場合、例えば、この間隔が1.5mm以上の場合に、噴射制御が必要と判断する。これは、用紙対向面41aから用紙表面までの間隔が拡がる程にインク滴の飛翔速度が遅くなり、風紋現象が発生しやすくなるからである。従って、この場合には、用紙Sの種類に関わらず、ヘッド41が上昇位置にある場合に、間隔が1.5mm以上となる。その結果、図20Cに示すように、ヘッド41が上昇位置にある場合に、噴射制御が必要と判断される。
なお、風紋現象は、キャリッジ31の移動速度が遅くなる程に、また、インクの噴射周波数が低くなる程に発生し難くなると考えられる。このため、画質が「きれい」の場合には、ヘッド41が上昇位置にあっても、噴射制御は不要と判断させてもよい。
そして、前述した条件を満たさなかった場合、プリンタドライバ116は、間隔が最小となるノズル列対に対する噴射制限無しと判断する(S014)。この場合には、間隔が最小となるノズル列対であっても、同時にインクを噴射させる。従って、プリンタドライバ116は、並べ替え動作(S015)にて、全てのノズル列42を対象にしてデータの並べ替えを行い、プリンタ1に出力する。
一方、前述した条件が満たされた場合には、同時にインクを噴射可能なノズル列42が制限される(S016)。この制限は、前述した各実施形態で説明した通りである。従って、プリンタドライバ116は、並べ替え処理(S017)にて、キャリッジ31の往路移動時と復路移動時とに分けて、データの並べ替えを行う。これにより、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体が噴射されないことになる。その結果、インク滴に関する不測の着弾位置ずれを防止でき、風紋現象を防止できる。
===その他の実施の形態===
<ノズル列の噴射制限を行う主体について>
なお、上記の実施形態では、ノズル列42の噴射制限をプリンタドライバ116によって行わせたが、それに代えてプリンタ1のコントローラ60に行わせてもよい。
<ヘッドが有するノズル列の数について>
前述の実施形態では、8列のノズル列42を有するヘッド41を例に挙げて説明したが、これに限定されない。ノズル列42は4列や6列であってもよいし、また2列であってもよい。また、前述した各実施形態では、同じ色のインク(同じ種類の液体)を噴射させるノズル列42の組を4組有するヘッド41を例示したが、1組であってもよい。例えば、テキストの印刷に多く使用されるブラックインクBKに関し、2つのノズル列42を1組として用いてもよい。さらに、3つ以上のノズル列42を1組としてもよい。
<間隔設定部について>
前述した各実施形態では、ヘッド41を上下方向に移動させることで、ヘッド41の用紙対向面41aとプラテン表面との間の間隔を設定するようにしたプリンタ1を例に挙げて説明したが、このプリンタ1に限定されない。例えば、プラテン24を上下方向に移動させるものであってもよい。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、染料インク又は顔料インクをノズル#iから吐出していた。しかし、ノズル#iから吐出される液体は、このようなインクに限られるものではない。
<インクの噴射について>
前述の実施形態では、ピエゾ素子PZTを用いてインクを噴射させていた。しかし、インクを噴射させる方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
印刷システムの外観構成を示した説明図である。 プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。 プリンタドライバのユーザーインタフェースの説明図である。 プリンタの全体構成のブロック図である。 プリンタの全体構成の概略図である。 プリンタの全体構成の横断面図である。 図7Aは、ヘッドの一部分を、ノズル列とは直交する方向に切断した断面図である。図7Bは、図7Aにおける圧力室付近の拡大図である。 図8Aは、ヘッドの用紙対向面に設けられたノズル列の配置を説明する図である。図8Bは、ヘッドの内部構造を説明する図であり、ノズル、圧力室、共通インク室の部分を拡大して示した図である。 ヘッド駆動部、及びその周辺部を説明する図である。 図10Aは、ヘッドの用紙対向面がプラテン表面に接近した状態を説明する図である。図10Bは、ヘッドの用紙対向面がプラテン表面から離隔した状態を説明する図である。図10Cは、ヘッドの用紙対向面の位置の違いを説明する図である。 メモリに格納されるテーブル情報を説明する図である。 印刷時の動作のフローチャートである。 図13A及び図13Bは、インク滴の生成過程を説明する模式図である。 図14Aは、インク滴の飛行軌跡を説明する模式図である。図14Bは、メインのインク滴とサテライトのインク滴の着弾位置ずれを示す模式図であって、通常生じる着弾位置ずれを示したものである。 不測の着弾位置ずれを模式的に示した図である。 互いに近接したノズル列同士からインク滴を噴射させた場合における横風Wsを模式的に示した図である。 図17Aは、同時にインクが噴射されるノズル列を説明する図である。図17Bは、噴射されるインクの色、及びインクを噴射させる時期を、ノズル列毎に示したテーブル情報である。 図18Aは、同時にインクが噴射されるノズル列を説明する図である。図18Bは、ヘッドの内部構造を説明する図であり、ノズル、圧力室、共通インク室の部分を拡大して示した図である。図18Cは、噴射されるインクの色、及びインクを噴射させる時期を、ノズル列毎に示したテーブル情報である。 図19Aは、同時にインクが噴射されるノズル列を説明する図である。図19Bは、ヘッドの内部構造を説明する図であり、ノズル、圧力室、共通インク室の部分を拡大して示した図である。図19Cは、噴射されるインクの色、及びインクを噴射させる時期を、ノズル列毎に示したテーブル情報である。 図20Aは、用紙種類と用紙厚さの関係を示すテーブル情報の図である。図20Bは、画質と印刷モードの関係を示すテーブル情報の図である。図20Cは、隣接ノズル列対による同時噴射制限を説明する図である。 プリンタドライバで行われるラスタライズ処理の各動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 プリンタ,20 搬送ユニット,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,30 キャリッジユニット,
31 キャリッジ,32 キャリッジモータ,33 ガイド軸,
34 ギャップ調整レバー,34a 回転軸,35 インクカートリッジ,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,41a 用紙対向面,411 ケース,
411a 収容部,412 流路ユニット,412a 流路形成板,412b 弾性板,
412c ノズルプレート,412d 圧力室,412e ノズル連通口,
412f 共通インク室,412g インク供給路,412h 支持枠,
412i 弾性膜,412j アイランド部,413 ピエゾ素子ユニット,
413a ピエゾ素子群,413b 接着基板,42 ノズル列,
42A 第1ノズル列,42B 第2ノズル列,42C 第3ノズル列,
42D 第4ノズル列,42E 第5ノズル列,42F 第6ノズル列,
42G 第7ノズル列,42H 第8ノズル列,43 ヘッド駆動部,
431 第1シフトレジスタ群,432 第2シフトレジスタ群,50 センサ群,
51 リニア式エンコーダ,52 ロータリー式エンコーダ,53 紙検出センサ,
54 紙幅センサ,55 ヘッド位置検出センサ,60 コントローラ,
61 インターフェース部,62 CPU,63 メモリ,64 ユニット制御回路,
100 印刷システム,110 コンピュータ,112 ビデオドライバ,
114 アプリケーションプログラム,116 プリンタドライバ,120 表示装置,
130 入力装置,131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,142 CD−ROMドライブ装置,
PRT 印刷信号,PZT ピエゾ素子,SW スイッチ群,Ws 横風,
Wv 下向きの風

Claims (11)

  1. 液体を噴射するための複数のノズル列が設けられたヘッドと、
    前記ノズル列からの液体の噴射を制御する噴射制御部と、
    前記ヘッドを、媒体の表面に沿った所定方向に移動させるヘッド移動部と、
    を備え、
    前記噴射制御部は、
    隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
    前記複数のノズル列は、
    3以上の複数であって、
    隣り合う3つのノズル列における、間のノズル列から端のノズル列までの間隔と、前記間のノズル列から他の端のノズル列までの間隔が異なるように、
    設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
    前記複数のノズル列は、
    3以上の複数であって、
    隣り合うノズル列同士の間隔が等しくなるように、
    設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の液体噴射装置であって、
    前記噴射制御部は、
    同時に液体を噴射させないノズル列を間に挟むようにして、
    同時に液体を噴射させる複数のノズル列を、定めることを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の液体噴射装置であって、
    同時に液体を噴射させる複数のノズル列は、
    同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組を、少なくとも1組有していることを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項5に記載の液体噴射装置であって、
    前記同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組は、
    一のノズル列に属する各ノズルと他のノズル列に属する各ノズルのノズル列方向の位置が異なるように、設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の液体噴射装置であって、
    前記噴射制御部は、
    前記ノズル列から前記媒体の表面までの間隔が所定間隔以上の場合に、
    前記隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないことを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項7に記載の液体噴射装置であって、
    前記ヘッドと媒体との間隔を調整する間隔調整部を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の液体噴射装置であって、
    前記ヘッドは、
    前記液体が貯留され、前記ノズル列に沿って設けられる共通液室と、前記共通液室と前記ノズルとの間に設けられる圧力室とを有することを特徴とする液体噴射装置。
  10. 液体を噴射するための複数のノズル列が設けられたヘッドと、
    前記ノズル列からの液体の噴射を制御する噴射制御部と、
    前記ヘッドを、媒体の表面に沿った所定方向に移動させるヘッド移動部と、
    前記ヘッドと媒体との間隔を調整する間隔調整部と、を備え、
    前記ヘッドは、
    前記液体が貯留され、前記ノズル列に沿って設けられる共通液室と、前記共通液室と前記ノズルとの間に設けられる圧力室とを有し、
    前記複数のノズル列は、
    3以上の複数であって、
    隣り合う3つのノズル列における、間のノズル列から端のノズル列までの間隔と、前記間のノズル列から他の端のノズル列までの間隔が異なるように、若しくは、隣り合うノズル列同士の間隔が等しくなるように、設けられ、
    前記噴射制御部は、
    前記ノズル列から前記媒体の表面までの間隔が所定間隔以上の場合に、隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させず、
    同時に液体を噴射させないノズル列を間に挟むようにして、同時に液体を噴射させる複数のノズル列を定めるものであり、
    前記同時に液体を噴射させる複数のノズル列は、
    同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組を、少なくとも1組有し、
    前記同じ種類の液体を噴射させるノズル列の組は、
    一のノズル列に属する各ノズルと他のノズル列に属する各ノズルのノズル列方向の位置が異なるように、設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  11. 液体を噴射するための複数のノズル列が設けられたヘッドを、所定方向に移動させながら、前記ノズル列から媒体に向けて液体を噴射させる液体噴射方法であって、
    隣り合うノズル列同士の間隔が最小となるノズル列対からは、同時に液体を噴射させないことを特徴とする液体噴射方法。
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