JPH1199638A - インクジェット画像記録方法及び装置 - Google Patents

インクジェット画像記録方法及び装置

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JPH1199638A
JPH1199638A JP9265835A JP26583597A JPH1199638A JP H1199638 A JPH1199638 A JP H1199638A JP 9265835 A JP9265835 A JP 9265835A JP 26583597 A JP26583597 A JP 26583597A JP H1199638 A JPH1199638 A JP H1199638A
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JP9265835A
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吉宏 ▲高▼田
Yoshihiro Takada
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の記録領域への画像形成を完成させるの
に必要な走査回数に起因する記録特性の相違を軽減する
こと。 【解決手段】 所定の記録領域への画像形成を1回の走
査で完成させる1パス記録ではテーブルTP 4を採用
し、所定の記録領域への画像形成を4回走査で補完して
完成させる4パス記録ではTP 1を採用することによ
り、1パス記録では4パス記録よりも入力画像データに
対する出力画像データの濃度レベルを減ずるように補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高画質なカラー画像
が得られるカラー画像のインクジェット記録方法および
記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクの小
滴を飛翔させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて記
録を行なうものである。特に、特公昭61−59911
号公報、特公昭61−59912号公報、特公昭61−
59914号公報において開示された、吐出エネルギー
供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをイ
ンクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出さ
せる方式のインクジェット記録方法によれば、記録ヘッ
ドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することが
出来、高解像度及び高品位の画像を高速で記録すること
が出来る。
【0003】しかしながら、従来のインクジェット記録
方法に用いられるインクとしては、水を主成分とし、こ
れに乾燥防止及びノズルの目詰まり防止等の目的でグリ
コール等の水溶性高沸点溶剤が含有されたものが一般的
である為、この様なインクを用い普通紙に記録を行った
場合には、十分な定着性が得られなかったり、記録紙表
面における填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定
される不均一画像が発生する等の問題を生じていた。
又、特にカラー画像を得ようとした場合には、ある色の
インクが記録紙に定着する以前に複数の色のインクが次
々と重ねられることから、記録紙上に記録されたインク
が記録紙に十分吸収されずに記録紙表面で滲んでしま
い、特に記録濃度の高い画像の場合、記録画像の階調再
現性が十分再現できなくなってしまうという問題が発生
していた。
【0004】そこで従来においては、インクジェット記
録方式用の記録紙として、紙を基材とし、表面にCaC
3 やMgCO3 、SiO2 等の塗工層をインク吸収層
とにコーティングした専用コート紙を採用する事によ
り、階調再現性に優れた高画質高品位な画像を記録する
ようにしていた。
【0005】しかしながら、最近、カラー画像記録の低
ランニングコスト化の必要性が高くなってきており、普
通紙への高画質記録の要求が高まってきている。
【0006】このような要求に対し、特開昭55−65
269号公報に、インク中に界面活性剤等の浸透性を高
める化合物を添加する方法が開示されている。
【0007】しかし、インク中に界面活性剤等を添加す
る方法では、記録紙へのインクの浸透性が高まり、イン
クの定着性やブリーディングについてはある程度向上す
るものの、インク中の色材も記録紙の奥深くまで浸透し
てしまう為、画像濃度及び彩度が低下する等の不都合が
生じる。その他、インクの横方向に対する広がりも発生
し、その結果、エッジのシャープさが低下したり、解像
度が低下したりする等の問題も発生していた。
【0008】また、前述したような高密度マルチノズル
記録ヘッドにより記録紙上に画像を記録する場合記録ヘ
ッドの製造プロセスのバラツキにより各マルチノズルの
記録特性がバラツキ、結果として記録画像に記録ヘッド
の記録特性のバラツキに対応した濃度ムラが発生してし
まうという問題も発生していた。
【0009】そこで従来においては、図20(B)に示
したようにこの記録ヘッドの記録特性のバラツキによる
濃度ムラが発生しないように、記録ヘッドの記録ノズル
領域を複数領域に分割して画像を記録する(図20
(B)では4つの領域に分割)、所謂マルチパス記録方
式が採用されている。
【0010】つまり、図20(A)に示したように、記
録ノズル数Mで記録幅L1 の記録ヘッドにより一回の走
査で記録を行なうと記録ヘッドの製造上のバラツキによ
り、記録幅L1 の幅方向に記録濃度のムラ、所謂バンデ
ィングが発生する場合がある。そこで、記録ヘッドの記
録ノズルをM1 、M2 、M3 、M4 の4つのノズルグル
ープに分割し、記録画像領域P4 を記録する際に、記録
ヘッドの記録ノズルグループM1 の記録ノズルを用い、
一回の走査で、記録画像領域P4 の記録画素の1/4画
素を記録し、記録紙を矢印C方向に副走査搬送量L4
け搬送する。その後、記録ヘッドの記録ノズルグループ
2 の記録ノズルを用い、記録画像領域P4 の記録画素
の残りの1/4画素を次の一回の走査で記録する。この
ように、記録画像を記録ヘッドの4つのノズルグループ
で分割して補完記録する、所謂、マルチパス記録方式の
画像記録動作を行なう事により、記録ヘッドの記録幅方
向の記録濃度のムラは、、記録ヘッドの4つのノズルグ
ループの記録ノズル記録特性のバラツキに平均化され
る。このマルチパス記録方式は、濃度ムラのない高品位
な記録画像が得られるという事で、数多くのインクジェ
ットプリンターで実施されてきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このマ
ルチパス記録方式は記録画像領域P1 の全ての記録要素
を記録する為に、記録紙の矢印C方向への搬送量をL4
=L1 /4として記録ヘッドを4回走査させる必要があ
り、矢印C方向への副走査回数も4倍になる。例えば、
A4サイズの記録画像を記録する為に要する時間が図2
0(A)のように記録ヘッドの全ての記録ノズルMで1
回の走査で記録する為に要する時間の約4倍もかかって
しまい、記録時間が著しく遅くなってしまうという問題
があった。
【0012】そこで、記録画像を記録する場合に、1回
の走査(1パス)で記録する「高速モード」と、複数回
の走査(例えば4回の走査の場合、4パス)で記録する
「高画質モード」といったように複数の記録印字モード
を設けて、画像を記録する際の希望に応じて、高速モー
ド」と「高画質モード」をユーザーに選択させるように
している。
【0013】ところが、例えば普通紙のようにインク吸
収性の悪い記録紙に、前述したような1パスで画像を記
録する「高速モード」で画像を記録した場合と、4パス
で画像を記録する「高画質モード」で画像を記録した場
合では、記録紙表面に1度(単位時間当り、例えば1走
査の期間)に打込まれる記録インク量が4倍異なってし
まう為に、記録紙表面に記録された記録インク滴の滲み
の程度が異なってしまう。
【0014】つまり、図21(A)にモデル的に示した
ように、インク吸収性の悪い普通紙のような記録紙に4
パスで記録インク滴を記録した場合は、単位時間当りに
記録紙表面に打込まれる記録インク滴が少ないので、記
録画素ピッチI(μm)に対して適正な記録ドット径d
4 (μm)で画像が記録される(例えば記録解像度が6
00dpiの場合、記録要素ピッチlは42.3μmと
なり、適切記録ドット径d4 は42.3×√2μm=5
9.9μmとなる)。高速で1パスで記録インク滴を記
録した場合は、単位時間当りに記録紙表面に打込まれる
記録インク滴が4パスの場合に比べて4倍多くなってし
まい、記録紙表面上で記録された記録インク滴があふれ
てしまう。結果として図21(B)に示したように、記
録インク滴の滲みが大きくなってしまい適正な記録ドッ
ト径d4 よりも大きくなってしまう(d4 <d1 (μ
m))。その結果、1パスで画像を記録した場合と4パ
スで画像を記録した場合の記録画像特性が異なることと
なる。図22に示したように、記録ドット径の違いによ
る記録画像の記録ドット面積率が異なる事に起因して記
録画像の入力画像データに対する出力階調特性が異なっ
てしまい、1パスの高速記録時の方が4パス記録時に比
較して、高濃度画像領域で、出力階調特性がつぶれ気味
となってしまうという問題が発生していた。
【0015】そこで、本発明の目的は、所定の記録領域
への画像形成を完成させるのに必要な走査回数に起因す
る記録特性の相違を軽減することのできるインクジェッ
ト画像記録方法及び装置を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、1パス記録方
式とマルチパス記録方式とで形成される画像の記録特性
の相違を軽減することのできるインクジェット画像記録
方法及び装置を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、マルチパス記
録方式におけるマルチパス回数に起因する記録画像の記
録特性の相違を軽減することのできるインクジェット画
像記録方法及び装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、入力される画像データに基づいて記録ヘ
ッドからインクを吐出しつつ記録媒体を相対走査して、
記録媒体に画像を記録するインクジェット画像記録方法
において、少なくとも1回の前記相対走査によって記録
媒体の所定の記録領域への画像形成を完成させる走査ス
テップと、前記所定の記録領域への画像形成に要する前
記相対走査の回数に応じて、前記入力画像データの濃度
レベルを補正する補正ステップとを有することを特徴と
する。
【0019】また、本発明は、入力される画像データに
基づいて記録ヘッドからインクを吐出しつつ記録媒体を
相対走査して、記録媒体に画像を記録するインクジェッ
ト画像記録方法において、少なくとも1回の前記相対走
査によって記録媒体の所定の記録領域への画像形成を完
成させる走査ステップと、前記所定の記録領域への画像
形成に要する前記相対走査の回数が少ないほど前記所定
の記録領域へのインクの吐出量の減少量の度合いが大き
くなるように補正する補正ステップとを有することを特
徴とする。
【0020】さらに、本発明は、入力される画像データ
に基づいて記録ヘッドからインクを吐出しつつ記録媒体
を相対走査して、記録媒体に画像を記録するインクジェ
ット画像記録装置において、少なくとも1回の前記相対
走査によって記録媒体の所定の記録領域への画像形成を
完成させる走査制御手段と、前記所定の記録領域への画
像形成に要する前記相対走査の回数に応じて、前記入力
画像データの濃度レベルを補正する補正手段とを有する
ことを特徴とする。
【0021】さらにまた、本発明は、入力される画像デ
ータに基づいて記録ヘッドからインクを吐出しつつ記録
媒体を相対走査して、記録媒体に画像を記録インクジェ
ット画像記録装置において、少なくとも1回の前記相対
走査によって記録媒体の所定の記録領域への画像形成を
完成させる走査制御手段と、前記所定の記録領域への画
像形成に要する前記相対走査の回数が少ないほど前記所
定の記録領域へのインクの吐出量の減少量の度合いが大
きくなるように補正する補正手段とを有することを特徴
とする。
【0022】また、本発明は、コンピュータにインスト
ールされ、入力される画像データに基づいて記録ヘッド
からインクを吐出しつつ記録媒体を相対走査して記録媒
体に画像を記録するインクジェット画像記録装置に前記
画像データを供給するプリンタドライバにおいて、少な
くとも1回の前記相対走査によって記録媒体の所定の記
録領域への画像形成を完成させるのに必要な画像データ
を前記インクジェット画像記録装置に供給するコード
と、前記所定の記録領域への画像形成に要する前記相対
走査の回数に応じて、前記入力画像データの濃度レベル
を補正するコードとを有することを特徴とする。
【0023】(作用)本発明によれば、マルチパス記録
を行なう際に、マルチパス記録方式が異なるモードで画
像を記録する場合でも、記録特性の異なる事のない、常
に安定な画像を記録する事ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施例1)以下、本発明の実施例を図面を参照して詳
細に説明する。
【0025】図1は本発明の一実施例を示す。これは複
数の吐出口を有する記録ヘッドにより画像を記録するよ
うにしたインクジェット記録装置の例である。
【0026】図において、記録ヘッド1は、256個の
吐出口を有し、熱により気泡を形成してその圧力でイン
ク滴を吐出するようになっており、図示しないインクタ
ンクからインクチューブを介してインクが供給されてい
る。記録ヘッド1に供給されたインクは、制御部15か
らの記録情報に応じて、図示しない記録ヘッドドライバ
により駆動された各記録素子からインク滴として吐出さ
れる。
【0027】紙送りモータ8は記録用紙2を間欠送りす
るための駆動源であり、紙送りローラ4、給紙ローラ5
を駆動するものである。主走査モータ6は主走査キャリ
ッジ3を主走査ベルト10を介して、矢印A、Bの方向
に走査させるための駆動源である。本実施例では、正確
な紙送り制御が必要なことから紙送りモータ8および主
走査モータ6にパルスモータを使用している。
【0028】紙送りモータ8および給紙ローラクラッチ
11は、記録用紙2が給紙ローラ5に到達するとオンし
て記録用紙2を紙送りローラ4までプラテン7上を搬送
し、記録用紙2が紙送りローラ4に到達するとオフする
ようになっている。紙検知センサ12はプラテン7上に
設けてあり、記録用紙2を検知するものである。センサ
情報は位置制御およびジャム制御等に利用されている。
【0029】記録用紙2が紙送りローラ4に到達して、
給紙ローラクラッチ11および紙送りモータ8がオフし
た場合、プラテン7の内側から、図示しない吸引モータ
により吸引動作が行なわれ、記録用紙2が画像記録領域
上であるプラテン7上へ密着されるようになっている。
【0030】記録用紙2への画像記録動作に先立って、
ホーム・ポジション・センサ9の位置に走査キャリッジ
3を移動し、ついで、矢印Aの方向に往路走査を行な
い、所定の位置よりインクを記録ヘッド1から吐出して
画像記録を行なう。所定の長さ分の画像記録を終了した
後、走査キャリッジ3を停止し、逆に、矢印Bの方向に
復路走査を開始し、ホーム・ポジション・センサ9の位
置まで走査キャリッジ3を戻す。復路走査の間、紙送り
モータ8により紙送りローラ4を駆動して、記録ヘッド
1で記録した長さ分の紙送りを矢印Cの方向に行なう。
【0031】走査キャリッジ3がホーム・ポジション・
センサ9で検知されるホーム・ポジションに停止する
と、図示しない回復装置により記録ヘッド1の回復動作
を行なう。この回復動作は安定した記録動作を行なうた
めの処理であり、記録ヘッド1のノズル。
【0032】以上説明した動作を繰り返すことにより記
録紙上全面に画像記録が行なわれる。
【0033】図2は本実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【0034】スキャナー等の画像読取り手段により読取
られた画像信号や、コンピュータ上で作成されたCG画
像等のデジタル画像信号からなる画像入力信号D1 は通
常、8bitから20bitといった多値のデジタルデ
ータとして入力される。例えばR、G、Bの3色のカラ
ー画像入力信号の場合、対数変換部30でC、M、Yの
3色の濃度データD2 に変換され、黒抽出/UCR部3
1で、例えば
【0035】
【外1】 といったようにBk色信号を含む画像信号D3 へと変換
される。
【0036】その後、マスキング処理部32により、記
録画像の色再現性最適化処理の為に、
【0037】
【外2】 等の演算処理が行なわれた画像信号D4 へと変換された
後、出力階調補正部35で記録画像の階調特性が線型に
なるような画像信号D5 へと変換される。
【0038】その後、画像信号は、量子化処理部36で
量子化処理され、8bitから20bitといった多値
のデジタル入力信号は2値から10値といったレベルに
量子化されたドットデータへと変換される。以上の処理
はコンピュータ内のいわゆるプリンタドライバーによっ
てなされてもよい。
【0039】そして、この量子化されたドットデータは
周期メモリ37へと一時的に記憶され、設定された記録
印字モードに応じてヘッドドライズ38へと転送された
後、記録ヘッド1によりマテリアル上へと画像へと画像
として記録される。
【0040】ここで、記録マテリアル種類の選択は、操
作部41により作業者が選択、設定できるようにしても
よいし、図示していないマテリアル検知手段によりマテ
リアルの種類を自動的に識別し、識別選択されたマテリ
アル種に応じて記録印字モードが自動的に選択、設定さ
れるようにする。
【0041】図中、ROM45にはマスキング係数テー
ブル43と出力階調補正テーブル44が記憶されてお
り、選択された記録ヘッドのマルチパス記録方式の印字
モードに応じて、テーブルの値を切換えるようにしてい
る。なお、以下の説明では、便宜上、1回の走査で所定
(記録ヘッドの幅)の記録領域を形成する1パス記録方
式もマルチパス記録方式のパス回数が1の方式としてい
る。
【0042】記録ヘッドによるマルチパス記録として前
述したように、1回の走査で(1パス)記録する「高速
モード」の記録印字モードの場合、1パス記録印字モー
ドに対応したマスキング係数テーブルと出力階調補正テ
ーブルにより画像信号D3 が画像信号D4 ,D5 に変換
されて量子化処理部36で量子化される。量子化された
ドットデータは同期メモリ37へと一時的に記憶され、
ヘッドドライバ38へと転送されると、プリンタ制御C
PU40によりプリンタ部駆動系39が制御され、記録
ヘッド1を搭載したキャリッジ3を走査方向A方向に走
査して、1回の走査で記録紙上への画像記録が行なわれ
る。そして一回の走査による画像記録動作が終了する
と、紙送り54が駆動され、記録紙2が矢印C方向に記
録ヘッド1の全ノズル数Mで記録した際の画像記録幅L
1 の量だけ搬送されて、記録紙上への記録動作がくり返
し継続される。
【0043】また、記録ヘッドによるマルチパス記録と
して、4回の走査で(4パス)記録する「高画質モー
ド」の記録印字モードの場合、4パス記録印字モードに
対応したマスキング係数テーブルと出力階調補正テーブ
ルにより、画像信号D3 が画像信号D4 ,D5 に変換さ
れて、ドットデータへと量子化される。同期メモリ37
に記憶された後、同期メモリ37に記録された画像ドッ
トデータは、記録ヘッド1のノズル数Mをノズル領域、
1 ,M2 ,M3 ,M4 (M1 +M2 +M3 +M4
M)の4つの領域に対応させた4つの画像ドットデータ
グループP1 ,P2,P3 ,P4 へと分割される。各画
像ドットデータグループの画像ドットデータはさらに4
つの画像ドットデータサブグループへと分割される。こ
の関係を図3に示す。
【0044】そして、プリンタ制御CPU40により記
録ヘッド1によるマテリアル上への画像記録が開始され
ると、キャリッジ3が走査される記録ヘッド1のノズル
領域M4の記録ノズルにより画像ドットデータサブグル
ープP11のドットデータが記録される。その後紙送りロ
ーラ4が駆動されて、マテリアル2は矢印C方向に、ノ
ズル領域M1 で記録した際の画像記録幅L4 の量だけ搬
送される。
【0045】その後の2回目の走査で、ノズル領域M4
の記録ノズルにより画像ドットデータサブグループM21
が、ノズル領域M3 の記録ノズルにより画像ドットデー
タサブグループP12が夫々記録される。以下、図4に示
したように、記録走査を繰り返す事により、マテリアル
上に画像を記録し、記録ヘッド1での走査記録を4回く
り返す事により、1つの画像ドットデータグループが記
録完了するようにして、画像を記録する。
【0046】図5,図6は、インク吸収性の異なる記録
紙として普通紙とインク吸収層をコーティング処理した
コート紙にマルチパス記録モードとして1パスと4パス
で画像を記録する際の本実施例の出力階調補正テーブル
を示したモデル図である。
【0047】図5は4パス記録モード時の、図6は1パ
ス記録モード時の出力階調補正テーブルを示している。
【0048】インク吸収層をコーティング処理したコー
ト紙にマルチパス記録モードとして1パスと4パスで画
像を記録した場合は、コート紙の吸収層で記録インク滴
が十分吸収される。このため、コート紙表面での記録イ
ンク滴の滲み方に大きな違いがない為、1パス記録印字
モード時の出力階調補正テーブルTC1と4パス記録印字
モード時の出力階調補正テーブルTC4は、ほぼ同様な補
正テーブルで画像信号を補正すればよい。
【0049】ところが、前述したように、普通紙のよう
にインク吸収性の悪い記録紙に、1パスで画像を記録す
る「高速モード」で画像を記録した場合と、4パスで画
像を記録する「高画質モード」で画像を記録した場合で
は、記録紙表面に1度に打込まれる記録インク量が4倍
異なってしまう為に、記録紙表面に記録された記録イン
ク滴の滲みの程度が異なってしまう。記録ドット径の違
いによる記録画像の記録ドット面積率が異なる事から、
記録画像の入力画像データに対する出力階調特性が異な
ってしまい、1パスの高速記録時の方が4パス記録時に
比較して、高濃度画像領域で、出力階調特性がつぶれ気
味となってしまうという問題が発生していた。
【0050】そこで、本実施例においては、インク吸収
性の悪い普通紙に画像を記録する際に、1パス記録印字
モード時の記録インク滴量が4パス記録印字モード時の
記録インク滴量よりも少なくなるように、出力階調補正
テーブルで画像信号を減算演算処理して変換するように
している。
【0051】つまり、図5に示したように、4パス記録
印字モードで普通紙に画像を記録する場合は、1回の走
査で、一度に記録紙表面上に記録される記録インク滴量
が少ないので、記録紙上での記録インク滴の滲みはそれ
程大きくなく、コート紙の場合よりも若干、記録ドット
径が大きくなる程度で済む。この事から、出力階調補正
テーブルTP4で、入力画像データD4 に対して出力画像
データD5 をコート紙の場合よりも若干減算側に補正し
たテーブルで画像信号を補正すればよい。一方、1パス
記録印字モードで画像を記録する場合は、1回の走査で
一度に記録紙表面上に記録される記録インク滴量が多く
なってしまうので、図6に示すように、この1パス記録
印字モード時の出力階調補正テーブルTP1では、入力画
像データD4 に対する出力画像データD5 の減算量を4
パス記録印字モードの出力階調補正テーブルTP4よりも
大きくなるように補正する。
【0052】さらに、入力画像データの大きい高濃度画
像領域での最大記録インク量を4パス記録印字モード時
よりも少なくなるように、入力画像データに対して出力
画像データD5 の最大値がDM <255(8bit入力
画像データの場合)となるように、出力画像データD5
の最大値に上限値DM を設定するようにセレクタ33で
切換えて制御するようにしている。
【0053】そして図7に示したように、本実施例のよ
うに、インク吸収性の悪い普通紙に画像を記録する際
に、マルチパス記録時の記録走査回数の異なる記録印字
モードに応じて、出力階調補正テーブルを切換えて入力
画像信号を補正し、各記録印字モードに対して最適な記
録インク滴量の記録インク滴を普通紙上に記録する事に
より、各記録印字モードにおいて、出力階調特性の異な
る事のない安定な画像を記録できるようになる。
【0054】なお、上記処理をいわゆるプリンタドライ
バーで行なう場合、ソフトウェアによる処理でも実現で
きる。
【0055】(実施例2)図8は本発明の実施例2を説
明する為のモデル図である。
【0056】インク吸収性の悪い普通紙に画像を記録す
る際に、マルチスキャン記録時の記録走査回数の異なる
記録印字モードに応じて、出力階調補正テーブルを切換
えて入力画像信号を補正する。本実施例では、各記録印
字モードに対して最適な記録インク滴量の記録インク滴
を普通紙上に記録する際に、マルチパス記録時の記録走
査回数が少なくなる程、入力画像データD4 に対する出
力画像データD5 の減算量が大きくなるように出力階調
補正テーブル44を設定している。本実施例によれば、
図9に示したように記録走査回数の異なる各マルチパス
記録動作時の各記録印字モードにおいて、出力階調特性
の異なる事のない安定な画像を記録できるようになる。
【0057】つまり、インク吸収性の悪い普通紙に画像
を記録する場合に、一回の走査で一度に記録紙表面に記
録される記録インク滴量が多い程、記録紙表面での記録
インク滴の滲みは大きくなり、出力階調特性は高濃度画
像領域側でつぶれ気味になる。従って、4パス記録印字
モードの出力階調補正テーブルTP4よりも2パス記録印
字モードの出力階調補正テーブルTP2の方が、また、2
パス記録印字モードの出力階調補正テーブルTP2よりも
1パス記録印字モードの出力階調補正テーブルTP1の方
が、入力画像データD4 に対する出力画像データD5
減算量を大きくなるように補正をする。
【0058】さらに、入力画像データの大きい高濃度画
像領域での、最大記録インク量を4パス記録印字モード
時よりも2パス記録印字モード時の方が少なくなるよう
に、入力画像データに対して出力画像データD5 の最大
値がDM2<255(8bit入力画像データの場合)と
なるようにする。
【0059】また、入力画像データの大きい高濃度画像
領域での最大記録インク量を2パス記録印字モードの時
よりも1パス記録印字モードの時の方が少なくなるよう
に、入力画像データに対して出力画像データD5 の最大
値がDM1<DM2となるようにする。このようにマルチパ
ス記録動作の走査回数が少くなる程、画像信号の補正量
を多くするようにしている。
【0060】ここで本発明者の実験結果によると、マル
チパス記録動作時の記録インク滴の滲みの程度は、1パ
ス記録印字モードの時の滲みの程度が最も悪く、2パス
記録印字モードの時には記録ドットの滲み、出力階調特
性の高濃度領域のつぶれが4パス記録印字モード時に対
して若干程度が悪くなる程度までに改善される。この事
から、4パス記録印字モード時から2パス記録印字モー
ド時への出力階調補正テーブルの減算量は、2パス記録
印字モード時から1パス記録印字モード時への出力階調
補正テーブルの減算量よりも少くするように設定し、出
力画像データの最大値DM1,DM2は|255−DM2|<
|DM2−DM1|となるように設定するようにしている。
【0061】(実施例3)図10は本発明の実施例3と
説明する為のモデル図である。
【0062】本実施例においては、インク吸収性の悪い
普通紙に画像を記録する際に、マルチパス記録時の記録
走査回数の異なる記録印字モードに応じて、マスキング
係数テーブル43を切換えて入力画像信号を補正する。
各記録印字モードに対して最適な記録インク滴量の記録
インク滴を普通紙上に記録する際に、マルチパス記録時
の記録走査回数が少なくなる程、入力画像データD4
対する出力画像データD5の減算量が大きくなるように
マスキング係数テーブル43を設定している。本実施例
によれば、図11に示したように記録走査回数の異なる
各マルチパス記録動作時の各記録印字モードにおいて、
出力階調特性の異なる事のない安定な画像を記録できる
ようになる。
【0063】つまり、インク吸収性の悪い普通紙に画像
を記録する場合に、一回の走査で一度に記録紙表面に記
録される記録インク滴量が多い程、記録紙表面での記録
インク滴の滲みは大きくなり、出力階調特性は高濃度画
像領域側でつぶれ気味になる。従って、図11に示した
ように、4パス記録印字モードのマスキング係数テーブ
ルF4 、よりも1パス記録印字モードのマスキング係数
テーブルF1 の方が、入力画像データD4 に対する出力
画像データD5 の減算量を大きくなるように補正する。
【0064】さらに、入力画像データの大きい高濃度画
像領域での最大記録インク量を4パス記録印字モード時
よりも1パス記録印字モード時の方が少なくなるように
し、図10に示したようにC,M,Y,Bkの総入力画
像データに対して、1画素中に記録される最大記録イン
ク量Vmax (dot/画素)が4パス記録印字モード時
max4よりも1パス記録印字モード時Vmax1の方が小さ
く(Vmax4>Vmax1)なるようにマスキング係数F1
4 を設定する。このようにマルチパス記録動作が1パ
ス記録か4パス記録かで、画像信号をマスキング係数F
1 で演算するか、マスキング係数F4 で演算するかを切
換え制御するようにしている。
【0065】なお、2パス記録においては、1パス記録
と4パス記録の間のインク量となるよう制御される。こ
のとき、実施例2と同様の理由で、 |Vmax4−Vmax2|<|Vmax2−Vmax1| となるように、マスキング係数F2 が設定されている。
【0066】(実施例4)上記実施例1〜3では、マル
チパスの回数に応じて入力画像信号を補正したが、以下
に説明する実施例では記録ヘッドの駆動条件を補正して
いる。なお、記録装置の構成は、先に説明した図1と同
様であるので、その説明を省略する。
【0067】図12は、本実施例の構成を示すブロック
図で、対数変換部30,黒抽出/UCR部31,マスキ
ング演算部32,出力階調補正演算部35,量子化処理
部36は先に説明した図2と同様である。量子化された
ドットデータは同期メモリ37へと一時的に記憶され、
マルチパス記録のパス回数に対応した「高速モード」や
「高画質モード」等の記録印字モードに応じてドットデ
ータが同期メモリ37からヘッドドライバ38へと転送
される。また、プリンタ制御CPU40によりプリンタ
部駆動系39が制御され、記録ヘッド1を搭載したキャ
リッジ3を走査方向A方向に走査して、記録紙上への画
像記録が行なわれる。そして、画像記録動作が終了する
と、紙送りローラ4が駆動され、記録紙2が矢印C方向
に記録印字モードに応じた幅の量だけ搬送されて、記録
紙上への記録動作がくり返し継続される。
【0068】この時、記録ヘッドの駆動条件は、マルチ
パス記録動作に応じてプリンタ制御CPU40によりセ
レクタ33を切換えて、ヘッド駆動条件テーブル34内
にあらかじめ記憶させておいた対応する記録印字モード
のヘッド駆動条件が選択されるようにしてある。
【0069】図13は、本発明の記録ヘッドの駆動条件
の制御方法として、記録ヘッドの設定温度TH (℃)を
制御した場合のインク吐出量を示したグラフである。図
14はインク吸収性の異なる記録紙として普通紙とイン
ク吸収層をコーティング処理したコート紙に画像を記録
する際、マルチパス記録動作の印字モードの記録走査回
数と図13に示したヘッド設定温度TH の制御の内容を
示した表である。
【0070】つまり、インク吸収層をコーティング処理
したコート紙にマルチパス記録モードとして1パスと4
パスで画像を記録した場合は、コート紙のインク吸収量
で記録インク滴が十分吸収されるので、コート紙表面で
の記録インク滴の滲み方に大きな違いがない為、1パス
記録印字モード時の記録ヘッドの設定温度TH と4パス
記録印字モード時の記録ヘッドの設定温度TH は同じ設
定温度TH4で記録ヘッドを駆動すればよい。
【0071】一方、本実施例においては、インク吸収性
の悪い普通紙に画像を記録する際に、1パス記録印字モ
ード時の記録インク滴量が4パス記録印字モード時の記
録インク滴量よりも少なくするように、1パス記録印字
モード時には記録ヘッドの設定温度TH を2パス,4パ
ス記録印字モード時よりも低くなるように制御して記録
ヘッドを駆動するようにしている。
【0072】つまり、4パス記録印字モードで普通紙に
画像を記録する場合は、1回の走査で、一度に記録紙表
面上に記録される記録インク滴量が少ないので、記録紙
上での記録インク滴の滲みは、それ程大きくなく、コー
ト紙の場合とほぼ同程度である事から、記録ヘッドの設
定温度TH はコート紙の場合の設定温度TH4と同じ設定
温度で記録ヘッドを駆動して画像を記録すればよい。1
パス記録印字モードで画像を記録する場合は、1回の走
査で一度に記録紙表面上に記録される記録インク滴量が
多くなってしまうので、この1パス記録印字モード時の
記録ヘッドの設定温度TH1はセレクタ33によりヘッド
駆動条件テーブル34に記憶された4パス記録印字モー
ド時の記録ヘッドの設定温度TH4よりも低い温度に設定
され(TH1<TH4)、1パス記録印字モード時の記録ヘ
ッドからのインク吐出量V1 (pl/dot)を4パス
記録印字モード時のインク吐出量V4 (pl/dot)
よりも少くなるようにして画像を記録するようにしてい
る(V1 <V4 )。
【0073】そして、図14に示したように、普通紙に
画像を記録する際に各記録印字モードに対して、1パス
時、2パス時、4パス時の記録ヘッドの設定温度TH
H1,TH2,TH4,その時の記録ヘッドのインク吐出量
D を、V1 ,V2 ,V4 が、 TH1<TH2<TH4,V1 <V2 <V となるようにセレクタ33により、ヘッド駆動条件テー
ブル34内に記憶された条件に従って制御する。
【0074】この制御によって、各記録印字モードに対
して最適な記録インク滴量の記録インク滴を普通紙上に
記録する事が可能となり、各記録印字モードにおいて、
出力階調特性の異なる事のない安定な画像を記録できる
ようになる。
【0075】また、本実施例では、マルチパス記録時の
記録走査回数が少なくなる程、記録ヘッドの設定温度T
が低くなるように、記録ヘッドの駆動条件を制御す
るようにしているが、本発明者の実験結果によると、マ
ルチパス記録動作時の記録インク滴の滲みの程度は、1
パス記録印字モードの時の滲みの程度が最も悪く、2パ
ス記録印字モードの時には記録ドットの滲み、出力階調
特性の高濃度領域でつぶれが4パス記録印字モード時に
対して若干程度が悪くなる程度までに改善される。この
事から、4パス記録印字モード時の設定温度TH4からの
2パス記録印字モード時の設定温度TH2への温度変化量
が、2パス記録印字モード時の設定温度TH2からの1パ
ス記録印字モード時の設定温度TH1への温度変化量より
も少なくなるように、つまり |TH4−TH2|<|TH2−TH1| となるように設定すればよい事が判明した。このとき、 |V4 −V2 |<|V2 −V1 | となっている。
【0076】(実施例5)図15は本発明の実施例5を
説明する為のモデル図で、本実施例においては、インク
吸収性の悪い普通紙に画像を記録する際に、マルチパス
記録時の記録走査回数の異なる記録印字モードに応じ
て、記録ヘッドへの印加駆動パルス条件を制御する。各
記録印字モードに対して最適な記録インク滴量の記録イ
ンク滴を普通紙上に記録する際に、マルチパス記録時の
記録走査回数が少なくなる程、記録ヘッドへの印加駆動
パルス幅を小さくなるように制御する。本実施例によれ
ば、記録走査回数の異なる各マルチパス記録動作時の各
記録印字モードにおいて、出力階調特性の異なる事のな
い安定な画像を記録できるようになる。
【0077】つまり、図16に示したように、記録ヘッ
ドへの印加駆動パルスをサブパルスP1 と休止パルスP
2 、メインパルスP3 からなるような複数の駆動パルス
で駆動する際に、インク吸収性の悪い普通紙に画像を記
録する場合に、一回の走査で一度に記録紙表面に記録さ
れる記録インク滴量が多い程、記録紙表面での記録イン
ク滴の滲みは大きくなり、出力階調特性は高濃度画像領
域側でつぶれ気味になる事から、1パス記録印字モード
時の記録ヘッドへ印加駆動パルスのメインパルス幅P31
(μsec)を2パス記録印字モード時のメインパルス
幅P32(μsec)よりも小さく、また、2パス記録印
字モード時のメインパルス幅P32(μsec)を4パス
記録印字モード時のメインパルス幅P34(μsec)よ
りも小さくする。これにより、1パス,2パス,4パス
の各記録印字モード時の記録ヘッドからのインク吐出量
D (pl/dot)をV1 <V2 <V3 (pl/do
t)となるようにし、図17に示したように、各記録印
字モードに対して最適な記録インク滴量の記録インク滴
を普通紙上に記録する。この事により、各記録印字モー
ドにおいて出力階調特性の異なる事のない安定な画像を
記録できるようになる。このとき、 |P34−P32|<|P32−P31| |V4 −V2 |<|V2 −V1 | となっている。
【0078】(実施例6)図18は本発明の実施例6を
説明する為のモデル図である。この実施例では、ヘッド
温度の変動に起因する吐出量の変動を抑制する為に、サ
ブパルスP1 を制御している。
【0079】さらに、本実施例においては、マルチパス
記録時の記録走査回数の異なる記録印字モードに対し
て、記録ヘッドへの印加駆動パルス条件として、サブパ
ルスP 1 (μsec)のパルス幅制御幅を制御して、各
記録印字モードに対して最適な記録インク滴量の記録イ
ンク滴を記録するようにしている。
【0080】つまり、図18に示したように、記録ヘッ
ドへの印加駆動パルスのサブパルス幅P1 (μsec)
を変化させる事により、記録ヘッドからのインク吐出量
D(pl/dot)が変化する事から、1パス記録印
字モード時の記録ヘッドへの印加駆動パルスのサブパル
ス幅P1 (μsec)の記録ヘッド温度T(℃)の温度
制御範囲ΔT=Tmax −Tmin の時のパルス幅制御幅W
1 (W1 ;P1a〜P1b(μsec))を、図19に示す
ように、4パス記録印字モード時の記録ヘッドへの印加
駆動パルスのサブパルス幅P1 のパルス幅制御幅W4
(W4 ;P1e〜P1f(μsec))よりも、パルス幅時
間の短い領域で駆動制御する(P1a<P1e,P1b
1f)。これにより、1パス記録印字モード時の記録ヘ
ッドからのインク吐出量VD を4パス記録印字モード時
よりも少なく制御でき、記録走査回数の異なる各マルチ
パス記録動作時の各記録印字モードにおいて、出力階調
特性の異なる事のない安定な画像を記録できるようにな
る。
【0081】なお、2パス記録においては、1パス記録
と4パス記録の間のインク吐出量となるようにサブパル
ス幅P1 が制御される。このとき先の実施例と同様の理
由で、 |Ve −Vc |<|Vc −Va |, |Vf −Vd |<|Vd −Vb | となるように、パルス幅制御幅W2 (W2 ;P1e〜P1d
(μsec))が設定されている。
【0082】なお、本発明は1パス,2パス,4パスの
マルチパス記録に限定されるものではなく、3パス,8
パス等の回数で所定の記録領域を補完して形成するもの
でもよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の記録領域への画像形成に要する相対走査の回数に
応じて、入力画像データの濃度レベルを補正しているの
で、所定の記録領域への画像形成を完成させるのに必要
な走査回数に起因する記録特性の相違を軽減することが
できる。
【0084】また、所定の記録領域への画像形成に要す
る相対走査の回数が少ないほど入力画像データの濃度レ
ベルを相対的に減ずるように補正しているので、1パス
記録方式とマルチパス記録方式とで形成される画像の記
録特性の相違を軽減することができる。
【0085】さらに、所定の記録領域への画像形成に要
する相対走査の回数が少ないほど所定の記録領域へのイ
ンクの吐出量の減少量の度合いが大きくなるように補正
しているので、マルチパス記録方式におけるマルチパス
回数に起因する記録画像の記録特性の相違を軽減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の構造を示す
図である。
【図2】本発明の実施例1〜3の構成を示すブロック図
である。
【図3】画像ドットデータグループと画像ドットデータ
サブグループの関係を示す表である。
【図4】マルチパス記録で記録される画像ドットデータ
サブグループと走査の関係を示す表である。
【図5】4パス記録時の出力階調補正テーブルのモデル
図である。
【図6】1パス記録時の出力階調補正テーブルのモデル
図である。
【図7】記録印字モードと出力階調補正テーブルの関係
を示した表である。
【図8】本発明の実施例2の出力階調補正テーブルのモ
デル図である。
【図9】本発明の実施例2の記録印字モードと出力階調
補正テーブルの関係を示した表である。
【図10】本発明の実施例3の記録印字モードと最大記
録インク量の関係を示した図である。
【図11】本発明の実施例3のマスキング係数テーブル
の関係を示した表である。
【図12】本発明の実施例4〜6の構成を示すブロック
図である。
【図13】本発明の実施例4の記録ヘッドの設定温度の
制御の関係を示したモデル図である。
【図14】記録印字モードと記録ヘッドの設定温度の関
係を示した表である。
【図15】本発明の実施例5の駆動パルス条件を示した
図である。
【図16】記録ヘッドの駆動パルスを示した図である。
【図17】本発明の実施例5の印字モードと駆動パルス
条件の関係を示した表である。
【図18】本発明の実施例5の駆動パルス条件を示した
図である。
【図19】本発明の実施例5の印字モードと駆動パルス
条件の関係を示した表である。
【図20】記録ヘッドによる印字方法を説明する為の説
明図である。
【図21】印字パス数と記録ドットの関係を示す図であ
る。
【図22】印字パス数と出力階調特性の関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 記録用紙 3 キャリッジ 16 メインCPU 32 マスキング部 33 セレクタ部 34 ヘッド駆動条件テーブル 35 出力階調補正部 36 量子化処理部 37 同期メモリ 38 ヘッドドライバ 39 プリンタ部駆動系 40 プリンタ制御CPU 41 操作部 43 マスキング係数テーブル 44 出力階調補正テーブル 45 ROM

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される画像データに基づいて記録ヘ
    ッドからインクを吐出しつつ記録媒体を相対走査して、
    記録媒体に画像を記録するインクジェット画像記録方法
    において、 少なくとも1回の前記相対走査によって記録媒体の所定
    の記録領域への画像形成を完成させる走査ステップと、 前記所定の記録領域への画像形成に要する前記相対走査
    の回数に応じて、前記入力画像データの濃度レベルを補
    正する補正ステップとを有することを特徴とするインク
    ジェット画像記録方法。
  2. 【請求項2】 前記補正ステップは、前記相対走査の回
    数が少ないほど前記入力画像データの濃度レベルを相対
    的に減ずるように補正することを特徴とする請求項1記
    載のインクジェット画像記録方法。
  3. 【請求項3】 前記補正ステップは、前記相対走査の回
    数が少ないほど前記入力画像データの濃度レベルの減少
    量の度合いが大きくなるように補正することを特徴とす
    る請求項2記載のインクジェット画像記録方法。
  4. 【請求項4】 前記補正ステップは前記入力画像データ
    の減算演算量を切り換えて前記入力画像データの濃度レ
    ベルを補正することを特徴とする請求項2記載のインク
    ジェット画像記録方法。
  5. 【請求項5】 前記補正ステップは、出力階調補正演算
    とマスキング係数演算の少なくとも1つによって前記入
    力画像データの減算演算量を切り換えて前記入力画像デ
    ータの濃度レベルを補正することを特徴とする請求項4
    記載のインクジェット画像記録方法。
  6. 【請求項6】 前記補正ステップは、前記相対走査の回
    数が少ないほど前記入力画像データの減算演算量を多く
    するように切り換えて前記入力画像データの濃度レベル
    を補正することを特徴とする請求項2記載のインクジェ
    ット画像記録方法。
  7. 【請求項7】 前記補正ステップは、前記相対走査の回
    数が少ないほど前記入力画像データの減算演算量の度合
    いを多くするように切り換えて前記入力画像データの濃
    度レベルを補正することを特徴とする請求項6記載のイ
    ンクジェット画像記録方法。
  8. 【請求項8】 入力される画像データに基づいて記録ヘ
    ッドからインクを吐出しつつ記録媒体を相対走査して、
    記録媒体に画像を記録するインクジェット画像記録方法
    において、 少なくとも1回の前記相対走査によって記録媒体の所定
    の記録領域への画像形成を完成させる走査ステップと、 前記所定の記録領域への画像形成に要する前記相対走査
    の回数が少ないほど前記所定の記録領域へのインクの吐
    出量の減少量の度合いが大きくなるように補正する補正
    ステップとを有することを特徴とするインクジェット画
    像記録方法。
  9. 【請求項9】 前記補正ステップは、前記入力画像デー
    タの濃度レベルを補正することによって前記所定の記録
    領域へのインクの吐出量を補正することを特徴とする請
    求項8記載のインクジェット画像記録方法。
  10. 【請求項10】 前記補正ステップは、前記記録ヘッド
    の駆動条件を補正することによって前記所定の記録領域
    へのインクの吐出量を補正することを特徴とする請求項
    9記載のインクジェット画像記録方法。
  11. 【請求項11】 前記補正ステップは、前記記録ヘッド
    の設定温度を補正することにより前記所定の記録領域へ
    のインクの吐出量を補正することを特徴とする請求項1
    0記載のインクジェット画像記録方法。
  12. 【請求項12】 前記補正ステップは、前記相対走査の
    回数が少ないほど前記記録ヘッドの設定温度を低くする
    度合いを大きくすることにより前記所定の記録領域への
    インクの吐出量を補正することを特徴とする請求項11
    記載のインクジェット画像記録方法。
  13. 【請求項13】 前記補正ステップは、前記記録ヘッド
    の駆動パルス幅を補正することにより前記所定の記録領
    域へのインクの吐出量を補正することを特徴とする請求
    項10記載のインクジェット画像記録方法。
  14. 【請求項14】 前記補正ステップは、前記相対走査の
    回数が少ないほど前記記録ヘッドの駆動パルス幅を小さ
    くする度合いを大きくすることにより前記所定の記録領
    域へのインクの吐出量を補正することを特徴とする請求
    項13記載のインクジェット画像記録方法。
  15. 【請求項15】 前記記録ヘッドは熱によりインクを吐
    出することを特徴とする請求項1乃至14の少なくとも
    1に記載のインクジェット画像記録方法。
  16. 【請求項16】 入力される画像データに基づいて記録
    ヘッドからインクを吐出しつつ記録媒体を相対走査し
    て、記録媒体に画像を記録するインクジェット画像記録
    装置において、 少なくとも1回の前記相対走査によって記録媒体の所定
    の記録領域への画像形成を完成させる走査制御手段と、 前記所定の記録領域への画像形成に要する前記相対走査
    の回数に応じて、前記入力画像データの濃度レベルを補
    正する補正手段とを有することを特徴とするインクジェ
    ット画像記録装置。
  17. 【請求項17】 入力される画像データに基づいて記録
    ヘッドからインクを吐出しつつ記録媒体を相対走査し
    て、記録媒体に画像を記録するインクジェット画像記録
    装置において、 少なくとも1回の前記相対走査によって記録媒体の所定
    の記録領域への画像形成を完成させる走査制御手段と、 前記所定の記録領域への画像形成に要する前記相対走査
    の回数が少ないほど前記所定の記録領域へのインクの吐
    出量の減少量の度合いが大きくなるように補正する補正
    手段とを有することを特徴とするインクジェット画像記
    録装置。
  18. 【請求項18】 コンピュータにインストールされ、入
    力される画像データに基づいて記録ヘッドからインクを
    吐出しつつ記録媒体を相対走査して記録媒体に画像を記
    録するインクジェット画像記録装置に前記画像データを
    供給するプリンタドライバにおいて、 少なくとも1回の前記相対走査によって記録媒体の所定
    の記録領域への画像形成を完成させるのに必要な画像デ
    ータを前記インクジェット画像記録装置に供給するコー
    ドと、 前記所定の記録領域への画像形成に要する前記相対走査
    の回数に応じて、前記入力画像データの濃度レベルを補
    正するコードとを有することを特徴とするプリンタドラ
    イバ。
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