JP3297530B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

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JP3297530B2 JP13569494A JP13569494A JP3297530B2 JP 3297530 B2 JP3297530 B2 JP 3297530B2 JP 13569494 A JP13569494 A JP 13569494A JP 13569494 A JP13569494 A JP 13569494A JP 3297530 B2 JP3297530 B2 JP 3297530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出して記録
媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置、およ
びインクジェット記録方法に関するものである。詳細に
は、高画質と高速印字を両立させることが可能なインク
ジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンやワープロ等のOA機器
が広く普及しており、これら機器で入力した情報を記録
媒体上に出力する方式として、例えばワイヤードット方
式、熱転写方式、インクジェット記録方式等、種々の記
録方式が開発され、実用化に至っている。これらの記録
方式は、夫々の方式よりなる印字ヘッドにより、搬送さ
れる記録シートに所定の画像形成を行うものであり、そ
れぞれの印字ヘッドには顕著な差異がある。その中でも
インクジェット記録方式は、記録媒体と非接触のため騒
音が少なく、高画質、高解像度化に有効であるとして近
年注目されている記録方式である。
【0003】インクジェット記録方式における印字ヘッ
ドの構成としては、インクが保持されているシートや、
インクの液路(ノズル)に対応して電気・熱変換体を配
置する構成がある。この構成においては、電気・熱変換
体に、記録情報に対応する駆動信号を印加することによ
り、近接するインクに核沸騰を越える急速な温度上昇を
生じさせる熱エネルギーを電気・熱変換体に発生させ、
印字ヘッドのノズル内の熱作用面に膜沸騰を生じさせ
て、結果的にこの駆動信号に一体一で対応してノズル中
のインク内に気泡を形成させる。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の形成と収縮が行われる
ため、特に応答性に優れたインクの吐出が達成できる。
【0004】インクジェット記録方式の他の構成として
は、インク流路中、或はインク液路周辺に電気・機械変
換体(ヒーターという)を配設し、電気・機械変換体に
記録情報に対応した電圧を印加することにより、電気・
機械変換体が発生する機械的圧力によりインク液滴を飛
翔させ画像を形成する方式も知られている。この吐出エ
ネルギーを発生する手段としての電気・機械変換体とし
ては、ピエゾ素子が広く知られている。
【0005】なお、インクジェット記録方式により高精
細画像を提供するための発明として、特公昭54−41
329号には、大小サイズの異なるドットを用いてドッ
トピッチ(解像度)が異なる画像(文字)を印字速度低
下なしに実現する構成が開示されている。なお、この発
明では、明確に印字速度が低下せずに記録できる説明が
なく、またヘッド駆動回数を減らすための技術的な開示
もされていない。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、高
画質化のための高解像度化に伴い、画像を構成する単位
画素が小さくなるため、単位画素を構成する印字ドット
径も小さくなる。また、その分記録領域の同一面積を印
字ドットによって記録するには、多くのドットが必要に
なる。例えば360dpi(dots per inc
hes)の解像度で記録を行う場合、1インチ平方当り
360×360のドットを印字するのに対して、高解像
記録を行う場合、例えば720×360(dpi)、7
20×720(dpi)の密度で記録する場合は単位面
積当りのドット数が2から4倍になる。通常の記録にお
ける印字ヘッドの駆動周波数は、不安定吐出が発生せず
に記録が行える程度に設定されている。通常の解像度の
記録に比べ、高解像度の場合2〜4倍の数のドットを記
録するため、記録速度を低下させずに高解像度記録を行
うには、印字ヘッドの駆動周波数をさらに2倍から4倍
に増加させ必要がある。駆動周波数を印字ヘッドの性
能以上に高くすると、不安定吐出の発生や、電気・熱変
換体を用いる印字ヘッドヘッドにおいては異常昇温の発
生を招くこととなり、結果として印字品位を極端に低下
させてしまう。そのため、高密度記録を行う際には、印
字速度が低下するという欠点があった。
【0007】また、高解像度記録時には印字ドット数が
多くなるため、印字ヘッドにエネルギーを多量に加える
ことになる。インク吐出の際の吐出エネルギーは、イン
ク吐出に投入エネルギーの全てが消費されるのではな
い。特に、前述の電気・熱変換体を用いて熱エネルギー
によりインクを吐出する方式においては、残余エネルギ
ーが印字ヘッドのインク吐出部近傍に蓄積され、この余
分な熱エネルギーが印字ヘッドの温度を高めてしまう。
記録に用いられるインクは、インクの粘性等の吐出量に
関係する物理特性が熱依存性を有しており、印字ヘッド
に余分な熱が蓄積することによってインク吐出量の制御
に悪影響を及ぼし、結果として記録画像が不均一になる
という欠点があった。
【0008】また、異なるサイズのインク液滴を同一ノ
ズルから吐出する場合、異なるサイズのインク液滴を同
一走査中に混在して吐出しようとすると、インク液滴の
吐出安定性が不利になってしまう。これはインクジェッ
ト方式がインク流路中に電気・熱変換体等のインク吐出
手段を有しているため、異なるサイズのインク液滴を吐
出した場合、インク流路中に一定でないインク流の入出
が生じることによってインク吐出安定性が乱れるためで
ある。
【0009】また、印字ヘッドの寿命は、吐出回数によ
りほぼ規定されるている。高密度印字のとき、同一領域
当りに配置するドットの数が低解像度の画像よりもはる
かに増えるため、1つの印字ヘッドで記録可能な枚数が
高密度印字を行うことにより低下してしまう。従って、
高密度印字を行う場合、低解像度の印字に比べ印字ヘッ
ドの寿命が短くなり、結果として印字ヘッドの交換回数
が増加するためランニングコストを上昇させてしまう。
【0010】本発明を実施する上でのベストモードとし
て、記録媒体によっては異なる解像度の記録を異なる大
きさのドット径で行う場合が挙げられる。この場合、解
像度別に格子点がずれてしまうため、そのまま印字した
のでは記録画像上のわずかなずれが目立つ場合もある。
【0011】印字濃度向上策として同一位置に2度同じ
ドットを記録する2度打ちモードでは同一サイズのイン
ク液滴を同一位置に記録した場合高密度記録された部分
をかえってインクの滲みによって劣化させてしまう場合
があった。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は上述の
問題点に鑑みて成されたもので、特別な記録ヘッドを必
要とすることなく、低解像度と高解像度の画像の形成を
両立することを目的とする。また、高解像度の画像形成
の際に記録するドット数が増えることによ生じる記録ヘ
ッドの寿命の低下を防止することを目的とする。
【0013】本発明は、上述の目的を達成するため、記
録画像が黒画像であるかカラー画像であるかを判別し、
判別した結果に応じて、記録媒体のページ単位の記録毎
に吐出されるインク滴の量を変更して画像の形成を行う
ことを特徴とする。また、本発明は、記録画像のデータ
が比較的低解像度の画像データであるか、または高解像
度の画像データであるかを判別し、この判別結果に応じ
て、記録媒体のページ単位の記録毎に吐出されるインク
滴の量を変更して画像の形成を行うことを特徴とする。
【0014】また本発明は、高密度画像中のある領域を
低密度記録すなわち大ドットに変換して記録することを
特徴とする。
【0015】更に本発明は、異なるドット径どうしの配
置を印字ヘッドピッチの1/4単位で主走査、副走査方
向に移動・調整可能とした。また副走査方向に印字ヘッ
ドピッチの1/2単位でずらした2個のヘッドを用いて
主走査、副走査方向に移動、調整可能とすることを特徴
とする。
【0016】また、本発明は、2度打ちモード時には、
印字の1度目と2度目を異なった大きさのインク液滴あ
るいは異なる解像度のインク液滴を用いて記録すること
を特徴とする。
【0017】
【実施例】
(第1実施例)図7に本発明が適用されるシリアル方式
インクジェットカラープリンターの例を示す。
【0018】印字ヘッド1は複数のノズル列を有し、イ
ンク滴を吐出することにより記録媒体上にドット形成に
より画像記録を行うデバイスである。本実施例では、異
なる大きさのインク滴径(つまりは異なるインク吐出
量)を積極的に生成するために電気・機械変換体である
ピエゾ素子を用いている。ピエゾ素子に印加する電圧値
を制御することによって、同一ノズルから異なる吐出量
のインクをが吐出することが可能である。また異なる印
字ヘッドからは異なる色インクが吐出され、これらのイ
ンク滴の混色により記録媒体上にカラー画像が形成され
る。印字ヘッド列1K(黒)、1C(シアン)、1M
(マゼンタ)、1Y(イエロー)はキャリッジ201上
に搭載されており、片方向の一走査中ではこの順番で記
録媒体上に画像を形成する。
【0019】図6(b)は、各色の印字ヘッド列とイン
クタンクの構成を示す図である。例えばレッド(以下
R)の画像を形成する場合、まずマゼンタ(以下M)の
インク滴が記録媒体上に着弾され、そのあとMの記録ド
ット上にイエロー(以下Y)が着弾されて混色し、レッ
ドのドットとして見えるようになる。以下同様にグリー
ン(以下G)の画像を形成する場合はC、Yの順番に、
ブルー(以下B)の画像を形成する場合はC、Mの順番
にそれぞれインク滴を着弾し、カラー画像を形成する。
【0020】キャリッジ201はキャリジ駆動モーター
8からの動力をベルト6、7により伝達されて摺動軸上
を移動する。この主走査方向の動作中に桁方向の印字が
行われる。回復ユニット400は印字ヘッドの状態を常
に良好に保つ機能を有しており、非印字状態ではキャッ
プ列420が印字ヘッドの吐出面を閉塞し乾燥等を防止
する。このためキャリッジ201が回復ユニット400
と対向する位置をホームポジション(以下HP)と称し
ている。通常印字動作はこのHPからキャリッジが移動
し印字を行うので本例では図12左から右に印字を行う
ことになる。副走査方向の送りは不図示の紙送りモータ
ーにより記録媒体が送られる。図7に示すA方向が紙送
り方向である。9は記録ヘッドへの電気信号を供給する
フレキシブルケーブルである。またインクの供給はキャ
リッジ201上に搭載されたインクカセット10K、1
0C、10M、10Yから行われる。インクの供給は、
図示の構成に限らず、記録装置本体に設けたインクタン
クから、フレキシブルケーブルと同様にインク供給のた
めのチューブ列を設けることによりキャリッジ上の印字
ヘッドまで各色毎に供給する構成であっても良い。
【0021】図5は図6に示す記録ヘッドの詳細を示
す。記録ヘッドの構成としては、例えば、特開昭63ー
237669号公報に示すような、電気機械変換体を使
用した構成の記録ヘッドが用いられる。電気機械変体で
ある圧電素子38を使用し、圧電素子を駆動する駆動条
件を変化させて2種の異なるインク体積を得ることが可
能である。駆動条件とは、駆動エネルギーである電圧値
や駆動時間を制御することであり、また、駆動波形の制
御でもよい。
【0022】図23は、本実施例における記録装置の機
能ブロック図である。記録モードを決定するためのデー
タとして記録データもしくは印字モードデータ等を受け
た記録装置は記録モード判別手段501によってどの記
録モードを行うか決定する。記録モード判別の基準は、
記録画像の種類等により行う。例えば、 1.記録データが文字か否か、 2.記録データが黒画像かカラー画像か、 3.低解像度か高解像度か、 4.どの記録媒体が選択されているか、 5.ビットイメージデータか否か、(ビットイメージデ
ータのみ高解像度印字) 等により記録モードの判別を行うことができる。今、第
2の記録モードである高密度印字モードが選択された場
合、「第2の液滴吐出設定502」によって駆動する印
字ヘッドの条件(この場合小ドットの吐出を行う駆動条
件)等が設定される。次の「高解像化処理503」で
は、通常の印字密度に対応して与えられたデータを、高
解像度の記録に対応した記録データへ変換する処理など
を行う。続く「データ部分加工処理504」では低解像
度データには存在しなかった位置への小ドットデータ生
成処理等を行う。そして「第2の記録条件設定505」
部では詳細な印字モードの条件が決定される。即ち、記
録媒体の搬送量やキャリッジの移動速度、印字パス数等
である。これらの情報を「記録装置制御系508」が受
け、実際に印字ヘッドの駆動や記録媒体搬送モータ等の
駆動制御を行う。これらの制御は、印字ヘッドの数行分
のデータ展開を行い、予め数走査分の情報を本体が有し
ているためキャリッジの走査毎に記録モードの切り替え
を行うことが可能な設定になっている。また上記の記録
モード判別基準は画像出力の目的によって変更すること
が可能であり、一例として文字や黒画像であれば必ず高
解像度記録を行うとは限らず、カラー重視の設定ならば
文字や黒画像以外を高解像度記録モードに設定しても良
い。また、記録モードの設定を手動で行い、判別手段5
01が判別する構成も本実施例に含まれる。
【0023】上記の一連の処理の内、記録装置制御系の
手前までの処理の一部あるいは全部に関して、記録装置
本体が行わなくても記録装置とデータを送受信可能な装
置、例えばホストコンピュータ等で処理しても構わな
い。
【0024】<マルチパス記録方式(ファイン記録方
式)>イメージ画像を印字するに当っては、発色性、階
調性、一様性など様々な要素が必要となる。特に一様性
に関しては、印字ヘッド製造工程中に生じるわずかなノ
ズル単位のばらつきが、印字したときに、各ノズルの吐
出量や吐出方向に影響を及ぼし、最終的には印字画像の
濃度ムラとして画像品位を劣化させる原因となる。
【0025】濃度ムラ発生の例を、簡略化のため単色の
印字ヘッドを例として図18、19を用いて説明する。
図18は、ノズル単位のばらつきが無く、吐出量、吐出
方向等の特性が均一な記録ヘッドによる印字例を示す。
図18(a)において、91は印字ヘッドであり、簡略
化のため8個のノズルにより構成された場合を示す。9
3はマルチノズル92によって吐出されたインクドロッ
プレットであり、本図に示すように一定の吐出量で、一
定方向にインクが吐出されるのが理想である。もし、こ
の様な吐出が行われれば、図18(b)に示したように
紙面上に揃った大きさのドットが着弾される。図18
(c)は各記録ドットの記録画像濃度相対的に示したも
ので、図から明らかなように、全体的にも濃度ムラの無
い一様な画像が得られる。
【0026】しかし、実際には先にも述べたようにノズ
ル1つ1つにはそれぞれバラツキがあり、そのまま上記
と同じように印字を行ってしまうと、図19(a)に示
したようにそれぞれのノズルより吐出されるインクドロ
ップの大きさ及び向きにバラツキが生じ、紙面上におい
ては図19(b)に示すように着弾される。図19
(b)は、印字ヘッドの吐出特性のばらつきが原因とな
り、ヘッド主走査方向に対し、インクが着弾されずにエ
リアファクター100%を満たせない白紙(未印字)の
部分で白スジが発生したり、また逆に必要以上にドット
が重なりあって印字濃度が高い部分に黒スジが発生して
しまうことを示している。このような状態で着弾された
ドットの集まりはノズル並び方向に対し、図19(c)
に示すような濃度分布となり、結果的には、通常人間の
目でみた限りで、これらの現象が濃度ムラとして感知さ
れる。また、紙送り量のバラツキに起因するスジも目立
つ場合もある。図20及び図21によりその方法を簡単
に説明する。この方法によると図18及び図19で示し
た印字領域を完成させるのに印字ヘッド91を3回スキ
ャンして印字を行っており、その記録ヘッドの記録幅の
半分である4画素単位の領域は連続する2回のパスで完
成している。この場合印字ヘッドの8ノズルは、上4ノ
ズルと、下4ノズルの2つのグループに分けられ、1ノ
ズルが1回のスキャンで印字するドットは、規定の画像
データを、ある所定の配列に従い、約半分に間引いたも
のである。そして2回目のスキャン時に紙送りを行った
後、1回目のスキャンとは異なるノズルを用いて、1回
目のスキャンで記録されなかった残りの画像データへド
ットを埋め込み、補完記録を行うことで4画素単位領域
の印字を完成させる。以上の様な記録方式をファイン記
録法と称す。この記録法を用いると、図19で示した印
字ヘッドと同様に吐出特性にばらつきがあるヘッドを使
用しても、同一記録領域を複数のノズルにより画像形成
するため、各ノズル固有の特性による印字画像への影響
が減少するので、印字された画像は図20(b)の様に
なり、図19(b)に見られるような黒スジや白スジが
目立たなくなる。従って記録画像上に見られた濃度ムラ
も図20(c)に示すように、図19の例と比べ、かな
り緩和される。
【0027】上述の様なファイン記録を行う際、1スキ
ャン目と2スキャン目では、画像データを、ある決った
配列に従い互いに相補的となるように埋め合わせる形で
分割するが、通常この配列(間引きパターン)とは図2
1に示す様に、縦横1画素毎に、丁度千鳥格子になるも
のを用いるのが最も一般的である。従って、単位印字領
域(ここでは4画素単位)に於ては千鳥格子を印字する
1スキャン目と、逆千鳥格子を印字する2スキャン目に
よって印字が完成されるものである。図21(a)、2
1(b),21(c)はそれぞれこの千鳥、逆千鳥パタ
ーンを用いた時に一定領域の記録がどのように完成され
ていくかを図18、図19と同様、8ノズルを持った印
字ヘッドを用いて説明したものである。まず1スキャン
目では、図21(a)に示すように下4ノズルを用いて
千鳥パターンの記録を行う。次に2スキャン目には、図
21(b)に示すように紙送りを4画素(全ノズル幅の
1/2)だけ行い、逆千鳥パターンの記録を行う。更に
3スキャン目には図21(c)に示すように再び4画素
(全ノズル幅の1/2)だけの紙送りを行い、再び千鳥
パターンの記録を行う。この様にして順次4画素単位の
紙送りと、千鳥、逆千鳥パターンの記録を交互に行うこ
とにより、4画素単位の記録領域を1スキャン毎に完成
させていく。以上説明したように、同じ領域内を異なる
2種類のノズルにより印字することにより、濃度ムラの
低減された高画質な画像を得ることが可能である。ま
た、目的に応じて千鳥・逆千鳥以外のさまざまな間引き
のためのマスクパターンを使用してもよい。また、2回
の走査により記録領域の記録を完成させるのではなく、
例えば3回や4回の走査により補完的となるパターンを
用いて記録を行ってもよい。
【0028】次に、本発明の実施例における画像形成に
ついて説明する。
【0029】本実施例における画像形成は主に2つの印
字モードを切換えることにより行われる。一つは、通常
の画素密度で印字を行う高速印字モード(高密度記録に
比較して高速で印字が行えるため、高速印字と称する)
であり、もう一つは高解像度で印字を行う高密度印字モ
ードである。また、高速印字モードは、高解像度に比較
して低解像であることから、低解像度モードとも称する
こととする。
【0030】<高速印字モード>まず、本実施例の高速
印字モードについて説明する。
【0031】本実施例の高速印字モードは印字ヘッドの
吐出ノズルを全て用い、一回の走査中に印字を行う(以
下1パス印字)。図14は1パス両方向記録の例であ
り、印字ヘッドが16個の吐出口を有する場合を示して
いる。本例の高速印字モードでは低解像度の画像を印字
するモードとして定義しており、図14中の記録ドット
は縦横(主走査、副走査)ともに360dpiの記録密
度となっている。本例の場合、印字ヘッド中のインク吐
出口の間隔(ピッチ)が低解像度に相当している。記録
密度が低いため単位画素当りのインク滴径は高解像度印
字に比べ大きめのものが適している。インクの特性によ
って異なるが、本実施例では吐出するインク滴体積の比
を低解像度の記録に吐出されるドット(大インク滴)と
高解像度の記録のときに吐出される比較的小さいドット
(小インク滴)とで、ほぼ2:1としている。本例にお
いては、大インク滴の吐出量を約80pl、小インク滴
の吐出量を約40plとして説明する。図8に前述の1
パス印字で記録された低解像度画像のドット配置を詳し
く示す。同図横方向がキャリッジの移動する主走査方向
であり上下方向が記録媒体搬送方向とインク吐出口の並
んでいる副走査方向である。本図の点線で示される縦
線、横線の交点が360dpiの記録密度における格子
点となる。図8の印字例では、360dpiの格子点の
みにd1に示すドットを配置して画像形成している。図
8に示す画像を構成しているドット数は、大インク滴の
ドットが40個である。
【0032】<高密度印字モード>次に、本実施例の高
密度印字モードについて説明する。
【0033】図8の記録画像に対して、図9は、主走査
方向の画像密度が2倍の720dpiで記録を行った例
を示している。この印字方式では、原画像が360dp
iの解像度であっても、主走査方向に記録ドットを追加
あるいは削減することによって疑似的に高解像度記録を
達成している。図9に示す例では、主走査方向に360
dpiの画素密度の1画素内に2ドット配置する。図9
でも点線で示す縦横線の交点を360dpiの格子点と
している。図9中のグレーで塗りつぶされたドット(d
2)が前記の格子点上に配置された記録ドットであり、
d3で示す斜線で表したドットが格子点から720dp
iずらして配置した記録ドットであることを示してい
る。
【0034】図9に示す画像を形成する記録ドット数
は、図8に示す画像の倍の80個である。図9に示すよ
うに主走査方向に高密度の印字を行う具体的な印字方式
としては、インク吐出の周波数は通常の印字モードと同
一にし、印字ヘッドを搭載したキャリッジの移動速度を
通常の印字モードの半分にする方法がある。あるいは、
前述のマルチパス記録方式を用いて、データを間引くこ
となく記録するとともに、2回目のスキャン時の記録ド
ットを、1回目のスキャンによる記録ドットの位置から
主走査方向に半画素分ずらした位置に記録することによ
っても高密度記録が達成される。図15は後者の方式に
より主走査方向の記録密度を高める方式を示している。
図9中のグレーで塗られたドット(d2)は360dp
iの格子点に配置される記録ドットであり、図15に示
す往走査(図面左から右方向へスキャンして印字する)
にて記録を行なう。また図9に斜線で示されるドットd
2は、ドットd1の記録位置から360dpiの半画素
ずらして配置される記録ドットであり復走査(図面右か
ら左に印字する)にて記録を行なう。往復走査の、それ
ぞれの走査における記録密度は360dpiであり通常
の低解像度記録のままであるため、キャリッジの移動ス
ピードとインク吐出周波数は低解像度記録のままで良
い。結果としては記録領域を複数回に分割して記録する
ため同一面積を画像記録する時間は高速印字モードより
分割回数分遅くなるが、前述のマルチパス印字で説明し
たように異なるノズルを用いてラスター方向の画像を形
成するため印字ヘッドの吐出特性のばらつきによる濃度
ムラを低減させる効果がある。
【0035】上述の2通りの印字モードを本例では画像
の種類が文字データか否かによって切り替える。通常文
字データは共通の制御コードを含んでいるためこの情報
を検知することによって画像データ中に文字が存在する
か否かの判定が可能である。この検出部は画像データを
扱うホストコンピュータ(CPU)で行なっても良い
し、記録装置内部に上記検出部を有していても構わな
い。文字データは連続した斜線部や曲線部を有している
ため、上記の高密度印字モードを用いて高画質を実現さ
せることができる。また文字データ以外の画像に対して
は、比較的に孤立したドットが多いことが想定されるた
め、高速印字モード(低解像度記録)を行なう。
【0036】図24に示される機能ブロック図は、51
1にて入力されるデータの判断を行う。判断を行う基準
は前述の如く、黒画像かカラー画像か、または、ビット
イメージを含むか、等が挙げられる。また、どのような
画像を高解像記録により記録するか、ユーザの指定によ
り切り換えられる構成であってもよく、この場合、ユー
ザの所望の記録画像を得ることができる。このデータの
判別は前述の如く記録装置側で行っても良く、また、ホ
スト側で判別を行う構成でも良い。
【0037】このように画像データに応じて印字モード
を切り替えることで画像データに適した記録で記録時間
の短縮が実現できる。即ち、高密度記録が必要な画像に
ついてのみ記録速度の低い印字モードで高画質記録を行
ない、記録密度が低くても問題の少ない画像については
高速印字モードによって記録時間を短縮することができ
る。
【0038】また、上記の記録モードを切り替えるタイ
ミングは、本実施例ではページ単位で行なっている。1
ページの印字途中で印字モードの切り替え(例えば図1
4の印字方式と図15の印字方式の切り替え)を行わな
いため、複数の異なる種類の画像データが同一ページ内
に混在する場合でも、印字スピードが変更されることが
ない。ページ内の画像データが同一の場合に有効である
切り替えタイミングである。また、ページ内画像データ
の種類判別はページの最初のデータから決定する方式や
ページ内の画像データを全て参照してどちらの画像が割
合として多いかで決定しても構わない。
【0039】以上説明したように、画像データによって
異なる記録インク液滴径あるいは異なるインク吐出量で
画像形成し、上記インク液滴径あるいはインク吐出量印
字モードに対応した印字モードを切り替えて記録動作を
行なうことによって、高密度で記録するデータに関し
て、記録品位に優れた画像を形成することが可能とな
る。
【0040】また、高密度の記録だけを行う場合に比較
して記録時間を短縮することができる。
【0041】(第2実施例)本実施例では、第1実施例
で説明した高密度印字の例を基に、低解像度の記録の時
吐出されるインク吐出量と、高解像度の記録の時吐出さ
れる吐出量との体積比を異ならせた例を示す。
【0042】本実施例では、吐出するインク滴体積の比
を低解像度の記録に吐出されるドット(大インク滴)と
高解像度の記録のときに吐出される比較的小さいドット
(小インク滴)とで、ほぼ4:1としている。360d
pi×360dpiで形成される1画素中に、約80p
lのインク液滴を配置するとして、大インク滴の吐出量
を約80pl、小インク滴の吐出量を約20plとす
る。本実施例においても、第1実施例同様に高密度印字
モードと高速印字モードとを分けて印字することによっ
て記録画像の種類に対応して印字時間の短縮化を可能と
するとともに、高密度印字を必要とする画像においては
高解像で記録品位に優れた記録画像を形成することがで
きる。
【0043】図10に高密度印字モードのドット配置を
示す。大小サイズの異なるドットの吐出量比が4:1で
あることから360×360dpiの1画素中に大イン
ク滴によるドットを1つ形成する代りに小インク滴が4
つ配置されることになる。前述の図1と同様に点線の縦
横線の交点が360dpiの格子点である。よって実線
で示される縦横線上に配置されるドットは360dpi
の半画素分(720dpiの1画素分)ずらした位置に
記録されたことを示している。また、グレーで塗りつぶ
したドットd4は主走査方向に720dpiの密度、副
走査方向に360dpi単位で記録されたものである。
また、斜線で示されたドットd5は、ドットd4を副走
査方向に360dpiの画素の半画素分ずらした位置に
記録されたドットである。本実施例では小インク滴によ
るドットを176個配置して記録を行っている。
【0044】図10に示される高解像度の記録画像を得
るとき、入力される記録データは図8に示されるような
低解像度の画像に対応するものであるため、高解像度記
録のための記録データを作成することが必要である。以
下、図8の低解像度の画像データから、図10に示す高
解像度の画像を記録するための画像データを得る手順を
説明する。
【0045】まず、図8の原画像データを、原画像デー
タを中心にして、「原画像データ」、「原画像データの
右」、「原画像データの下」、「原画像データの右下」
の4つの位置に縦横各2倍の解像度で原画像4倍の記録
位置に対応するデータを作成する。続いて、作成された
データをもとに、縦横両方向についてエッジ部が連続す
る2ドットのコーナーであれば、そのコーナーに高解像
度記録単位での1ドットのデータを加える。ただし、そ
のエッジ部が横方向または縦方向のどちらかに4ドット
以上連続していれば、加えるデータはないものとする。
【0046】以上の処理により図8の画像データから図
10の画像データを得る。この方法は、スムージング処
理の1例としても適用されるものであり、スムージング
処理そのものは、この方法以外の他の方法を適用しても
良い。
【0047】図16を用いて本実施例の記録方法を説明
する。本実施例では、副走査方向(記録紙搬送方向)に
も720dpiの画素密度で記録を行うため、ノズルが
配置される360dpiの半画素分ずらした紙送り動作
が必要になる。本図では1ヘッド内のインク吐出口数を
16個として説明する。まず、図面左から右に記録ヘッ
ドを走査(往方向走査)して記録する時は副走査方向で
360dpiの画素密度で印字を行う。図16中ではグ
レーの丸部で示される。次に、図面右から左にヘッドを
走査しながら記録する時(復方向走査)は、往方向走査
時の記録から副走査方向に360dpiの半画素分ずら
した位置に印字を行っている。即ち、記録媒体の搬送量
Lを7.5ノズル分とすることによって図10の斜線で
示すドットd5の記録が可能となる。図16中では、見
やすいように白丸部で示している。続いて、記録媒体を
搬送量L’(8.5ノズル分)だけ搬送し、副走査方向
に360dpiの密度で記録を行う。これらの動作を繰
り返すことによって、往復の走査により全吐出口幅であ
る16ノズル分の搬送が行われる。この様に360dp
iの半画素分ずらした記録媒体の搬送とマルチパス記録
方式とを併用することによって、主走査方向および副走
査方向ともに720dpiの高密度記録が可能になる。
【0048】本実施例では、記録モードの切り替え基準
となる記録画像の種類を、例えばカラー画像か、黒画像
かによって切り替える。通常、色データに比べ、黒画像
を高密度記録した方が印字結果を良好にする効果が高
い。これは黒が記録画像中において目立ち易いこと、黒
画像として文字のような曲線の再現性を要する画像が多
いこと等が挙げられる。黒画像かカラー画像かはホスト
コンピュータ上で画像データを解析して判別しても構わ
ないし、この判別機能を記録装置本体に持たせても構わ
ない。また、黒ヘッドを駆動するデータが有るか否かの
判断で上述の記録モードの切り替えを行っても構わな
い。
【0049】また、上記印字モードの切り替えは、本実
施例ではページ内で行う。ページ内で印字モードを切り
替えれば高密度記録が必要な行は(本実施例では黒画
像)720dpiの高密度による記録が行われ、記録画
像がカラー画像に変ると図8に示されるような低解像度
の高速印字モードで印字する。なおカラー記録の場合、
二次色等の混色が発生するため黒インク滴に比べインク
量が少ない場合がある。一例として、カラーインク(C
MY)の大小サイズの異なるインク液滴の吐出体積比が
4:1の場合、40(pl):10(pl)のようにな
る。
【0050】図17は、ページ内で印字モードの切り替
えが行われることを想定した印字データによる画像の配
置例を示す。図17に示される画像例は、複数の種類の
画像の組み合せを記録媒体上に配置した例を示してい
る。本実施例では黒画像かカラー画像かで印字モードの
判別を行うため図17のA、D、E、Gで示される領域
は黒画像が存在するため高密度印字モードによる印字と
なる。それ以外の画像領域で黒データが無い場合は図8
に示した低解像度の高速印字モードによる印字となる。
ただし、本例ではカラー画像中の黒画像は黒を優先する
ため黒画像とした。また、これ以外にも、1行中に黒デ
ータしかない場合を黒画像と定義する場合もある。この
定義によれば図17の領域Aのみが高密度記録モードに
なり、それ以外の領域は黒データの有無で印字モードが
変ることになる。
【0051】また、上記例では記録画像の種類による印
字モード切り替えを、解像度別に行っても構わない。そ
の例としては、記録画像の解像度が印字ヘッドの解像度
より高いか低いかで切り替えても構わないし、しきい値
となる解像度(360dpiや300dpi等)を設定
してそれより画像データの解像度が高いか低いかで切り
替えても構わない。
【0052】(第3実施例)本実施例により記録された
ドットの配置例を図11に示す。本実施例では画像デー
タがある値以上連続している領域では、小インク滴によ
る高解像度記録を行うのではなく大ドットによる低解像
度記録を行うもので、記録画像中に低解像度の記録を行
う大インク滴のドットと高解像度の記録を行う小インク
滴によるドットの混在配置を行う。
【0053】図11に示す例では縦、横に連続する線の
み低解像度の記録を行うように変換したが、この限りで
はない。本実施例によれば、印字ヘッドの高寿命化を達
成することが可能である。
【0054】第1実施例で示したように、印字ヘッドの
インク吐出手段としてピエゾ素子を用いる記録方式であ
れば、ピエゾ素子に駆動信号を印加することによって電
気・機械変換が行われ、インクが吐出される。またイン
ク吐出手段として電気・熱変換体を用いる方式であれ
ば、インク吐出手段としてヒータ部に通電することによ
り発熱、発泡を生じさせ、吐出口からインク滴を吐出さ
せる。いずれの方式においても、吐出回数(駆動回数)
が多ければその分、機械的、熱的摩耗や劣化によってイ
ンク吐出性能が変化し、最悪にはその吐出性能を劣化さ
せることになる。そこで画像種類に応じて、駆動を行わ
なくて済む部分については、インク吐出部の駆動回数を
減少させることによって印字ヘッドの寿命(1ヘッド記
録できる記録媒体の枚数)を増やすことができる。
【0055】図11に示されるドット配置の印字方式を
説明する。前述の例と同様に、点線で示される縦横線の
交点が360dpi画素の格子点であり、d1,d4で
示されるドットは、副走査方向に360dpiの格子点
上に記録されるドットである。また、d1で示されるド
ットは、主走査方向および副走査方向に360dpiの
低解像度で記録されるドットであり、d4で示すドット
は、主走査方向については720dpiの高解像度で記
録される。また、斜線で示すドットd5は、360dp
iの格子点から、副走査方向に半画素分ずらしてた位置
に配置されている。図11から明らかなように、同一ラ
スター内(主走査方向)に大小のドットが混在している
ため、以下のような手順で印字を行う。以下、図16に
従って説明する。
【0056】副走査方向に360dpiの画素単位で印
字するドットd1およびd4は、まず最初に往方向の走
査で低解像度で記録される大インク滴によるドットd1
を記録し、次に記録媒体を搬送することなくキャリッジ
の戻り走査である復方向走査で高解像度で記録される小
ドットd4を記録する。それから記録媒体をL巾搬送し
て副走査方向に360dpiの半画素分だけずらした格
子点上に高解像度のドットd5の記録を行う。このよう
に主走査方向に解像度の異なるのドットが混在するに
は、記録媒体の搬送を行わない往・復の主走査で、それ
ぞれ同じ格子点上に記録される低解像度のドットと高解
像度のドットの記録を行い、用紙搬送後、360dpi
の格子点から半画素分ずらした位置に低解像度のドット
の記録を行えば良い。
【0057】図11に示される本実施例の印字例には、
大小サイズの異なるドットが合わせて97個配置されて
いる。それに対し、図3で示されるような、全て小イン
ク滴で構成される高解像度の画像に記録されるドットは
全部で176個である。この様に、画像データが連続す
る領域、例えば本実施例で示したような縦横に連続する
線部については、大インク滴による低解像度記録を行う
ことにより、一画像中にサイズの異なるドットを混在さ
せることによって一定領域中に配置するドット数、即ち
印字ヘッドを駆動する回数が減少できる。実際に、大イ
ンク滴によるドットは、小インク滴によるドットとの吐
出量比によるものの、小インク滴による記録ドットの複
数個分に相当する領域を記録可能であり、記録画像に応
じて印字ヘッドの駆動回数を大幅に減らすことが可能で
ある。また、大インク滴による低解像度で記録される領
域は画像データが連続する領域であるので、高解像度の
記録による画像と比較した場合、そのエッジ部分の微細
な差を除いては大きな差は見られない。
【0058】本実施例で示した構成により、印字ヘッド
で記録可能は記録媒体の枚数(寿命)を増加すること可
能になった。
【0059】また、別の印字方式として、記録装置内に
インク吐出口のピッチを副走査方向に低解像度の画像ピ
ッチの半分ずらした位置に印字可能な印字ヘッドを配置
することによって、図16を用いて説明した方式で3回
の走査(往走査および副走査をそれぞれ1回とカウント
したとする)による印字を、2回の走査で可能にするこ
とができる。この印字ヘッドを図6(a)に示す。ブラ
ックのヘッドのみ吐出口列を2列(1K,1K’)設
け、CMYの吐出口列ははそれぞれ1列づつ並んでい
る。ブラックのヘッドの一つヘッド1K’は副走査方向
に半画素分(インク吐出口ピッチの半分)ずれた位置に
印字可能に設けられている。よって高解像度の記録を行
うとき、図11に示されるドットd4は図6(a)のヘ
ッド1Kで印字を行い、ドットd5は、その隣に半画素
ずれた位置に記録可能に設けられたヘッド1K’で同時
走査中に印字が行える。また、低解像度で記録される大
インク滴によるドットは記録媒体の搬送を行わずにヘッ
ド1Kにより記録を行う。ブラックのヘッドが2つに設
けられることから、1ヘッド当りの印字ドット数は減少
する。本実施例で示すところの効果は図10と図11に
示される画像を形成するドットの数を比較すれば明かで
ある。
【0060】上記実施例では、大インク滴の吐出を行い
画像を形成する走査と、小インク滴の吐出を行い画像を
形成する走査とを分けて、低解像度の記録画像と高解像
度の記録画像とを混在させている。複数の走査に分ける
ため、異なる吐出量のインク滴を同時に吐出したとき発
生するようなインク流入の乱れはほとんどなく安定して
吐出を行うことができる。
【0061】(第4実施例) 以上説明した第3実施例までは、低解像度である大イン
ク滴による大ドットの代りに、小インク滴による小ドッ
トを低解像度上での1画素中に複数個配置して高密度、
高精細記録を実現した。図11の記録画像はオリジナル
の画像図8に比べて小ドット部分が図面中の右下方向に
移動したようになっている。これは360dpiの画素
密度による格子点と720dpiの画素密度による格子
点を混在させてドットを配置したために発生したもので
ある。記録媒体の種類や画像データによってはこのわず
かなドットずれが目立つ場合もある。よって本実施例で
は本発明のベストモードとして解像度によるドット配置
のずれを減らすように大インク滴によるドットと小イン
ク滴によるドットの配置する位置を設定する。図12
(a)は大ドットを小ドットと印字する走査を分割して
印字開始タイミング自体をずらすことで主走査方向のズ
レを補正している。図7に示されるキャリッジ201が
印字を開始する位置が低解像度の記録を行う印字走査と
高解像度の記録を行う印字走査で、360dpiを1画
素単位として1/4画素分ずらしておけば図12(a)
のグレー丸部のような大小ドットの配置が可能になる。
図12(b)は高解像度による記録ドットを、360d
piを1画素単位として1/4画素だけ主走査方向にず
らして印字開始した場合を示す。図12(a)および図
12(b)のいずれも、図11に比べて低解像度記録に
よるドットと高解像度記録によるドットの位置関係が適
切になったことが明らかである。
【0062】また、図6(a)に示されるような2つの
ブラックヘッドを半画素分ずらした位置に印字可能に設
けたヘッドを用い、副走査方向に360dpiを画素単
位として1/4画素だけずらした位置にドットを印字す
ることも可能である。このような構成のヘッドを用いた
画像形成の過程を図13を用いて説明する。まず、往方
向のキャリッジ走査で上述のような2個のヘッドを共に
駆動して図13に示す高解像度の記録ドットd6を記録
する。次に図9に示す印字ヘッドを例とすると、副走査
の送り量LをL=16/2-1/4=7.75(画素分)とし、記録
媒体を搬送する。つぎに、復方向のキャリッジ走査で図
6(a)のブラックヘッド1K,1K’の一方を使用し
て副走査方向に360dpiの画像密度で低解像度の記
録を行う。副方向の走査で記録されるドットは、図13
中にドットd7で示されるドットである。次の記録に備
えて記録媒体を搬送量L’=16/2+1/4=8.25画素分搬送
し、往方向の走査による印字を行う。このように往走査
では高解像度記録による小インク滴のドットのみを記録
し、副方向の走査では低解像度で記録される大インク滴
のドットのみ印字することで、副走査方向に大ドットが
360dpiピッチ並ぶ間に720dpiの画素ピッチ
でインク滴によるドットが2つ配置される。この様に、
印字ヘッドのピッチの4倍の密度(360dpiの1/
4画素単位)で低解像度による記録ドットと高解像度に
よる記録ドットの配置を可能としたことで画像ずれの無
い、良好な印字結果が得られるようになった。
【0063】(第5実施例)本実施例では、2度打ちモ
ードにおいて、異なるサイズのドットあるいは異なる解
像度のドット位置にインク滴を配置することによって高
解像度印字の効果を低めることなく画像の濃度向上を達
成する。図22に本実施例の2度打ち印字によるドット
配置を示す。本例では大インク滴によるドットの上には
再び大インク滴によりドットを重ね打ちし、また、高解
像度記録に用いられる小インク滴によるドットの上には
低解像度記録に用いる大インク滴によるドットを低解像
度記録の格子点(360dpi)上にドットを重ねて記
録している。
【0064】高密度記録された画像の上に、再び高密度
で小ドットを複数配置すると、画像領域上のインクの量
が多くなり、にじみや流れ出しにより画像のエッジが潰
れてしまう場合がある。このような問題を防止するた
め、図22に示すように、小ドットd9に2度目のイン
ク滴がかからないよう、高解像度記録の格子点とは異な
る低解像度格子点上に大インク滴によるドットを配置し
ている。この構成により、インクの打込み量過多が原因
となる画像エッジ部の劣化を発生させることなく画像の
濃度向上を達成している。また2度打ちをしてドット重
ねをする場所は全ての領域である必要はなく、例えば小
ドット部分のみに大ドットを重ねるようにしても構わな
い。
【0065】(その他の実施例)以上各実施例におい
て、図7に示したインクジェット記録装置を例に本発明
を説明した。図7に示したインクジェット記録装置は、
前述の如くインクを吐出する手段として電気・機械変換
手段であるピエゾ素子を用いたものである。
【0066】本発明は、上述の記録装置に限らず幅広く
適用可能なものである。
【0067】図1は、本発明を適用可能な他の例であ
り、電気・熱変換手段によりインクを吐出させる方式の
インクジェット記録装置の斜視図を示す。記録装置10
0の給紙位置に挿入された記録媒体106は、送りロー
ラ109によって記録ヘッドユニット103の記録可能
領域へ搬送される。記録可能領域における記録媒体の下
部には、金属製のプラテン108が設けられる。キャリ
ッジ101は、2つのガイド軸104と105によって
定められた方向に移動可能な構成となっており、記録領
域を往復走査する。キャリッジ101には、4色のイン
クを供給するインクタンクとそれらのインクを吐出する
記録ヘッドとを含む記録ヘッドユニット103が搭載さ
れている。本実施例のインクジェット記録装置に設けら
れる4色のインクは、ブラック(Bk)、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)である。10
7はスイッチと表示パネルであり、各種記録モードの設
定や記録装置の状態を表示する。
【0068】図2は、記録ヘッドユニットの斜視図であ
る。ブラックインクを収容するブラックインクタンク2
1と、他の三色のカラーインクが一体となって収容され
るカラーインクタンク20は、それぞれパイプにより記
録ヘッド102に連結され、各タンクのインクが記録ヘ
ッド102に供給される。吐出口面22には、Bk、
C、M、Y、の各色に対応した複数の吐出口からなる吐
出口列23がある。各色の吐出口の数はそれぞれ32個
である。各色32個ある吐出口の間隔は、ドットピッチ
が約70μmとなる、360dpiの密度で直線状に配
置している。また、各色の吐出口列は、8ドットピッチ
分の間隔を設けて配置されている。また各色の吐出口
は、Bk,C,M,Yの順に記録されるように配列され
ている。
【0069】図3は、記録ヘッドの電気熱変換体付近の
拡大断面図、図4は、記録ヘッドの電気熱変換体付近の
拡大正面図である。
【0070】記録ヘッドの電気・熱変換体である発熱体
30は、図4に示すように、全てのノズルに対してそれ
ぞれ独立に発熱可能な構成の2個の発熱体、H1とH2
が設けられている。
【0071】通常の低解像度での記録時は360dpi
の記録密度で記録する。この時のインク吐出時には、各
吐出口に対応したH1とH2とが同時に発熱される。発
熱体H1,H2の発熱により急速に加熱されたノズル内
のインクは膜沸騰により気泡を形成し、この気泡生成の
圧力により図3に示すようにインク滴35が記録媒体3
1に向かって吐出され、記録媒体上に文字や画像を形成
する。この場合の吐出される各色のインク滴の量は約4
0ngである。
【0072】これに対し、高解像度記録時は、各ノズル
のH1だけが発熱するよう制御され、吐出される各色の
インク滴の量は低解像度の記録時よりも少ない約20n
gである。
【0073】このように、同一のノズルから異なる体積
を吐出することが可能な記録ヘッドを使用して、小さい
体積のインクのみを使用して、高解像度の記録を行っ
た。異なるインク体積の吐出を得るためには、このよう
に各ノズルに2個の電気熱変換体を使用する方法以外に
も、例えば、インク吐出時に電気熱変換体に与えるパワ
ーを制御したり、インクの温度を制御したりすることに
よっても可能であり、本発明においてはいずれの方法も
適用することができる。
【0074】また、吐出するインク滴の量は上述の例に
限らず、吐出条件やヘッドにより、更に多い体積のイン
ク滴や、少ない体積のインク滴も吐出することができ、
いずれにおいても本発明に適用することができる。
【0075】吐出口23の各々には、吐出口に連通する
インク液路が設けられており、インク液路が配設される
部位の後方にはこれら液路にインクを供給するための共
通液室32が設けられる。吐出口の各々に対応するイン
ク液路には、これら吐出口からインク滴を吐出するため
に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体であ
る発熱体30(図4に示すH1、H2)やこれに電力を
供給するための電極配線が設けられている。これら、発
熱体30や電極配線は、シリコン等からなる基板33上
に成膜技術によって形成される。発熱体30の上にはイ
ンクと発熱体が直接接触しないように保護膜36が形成
されている。さらに、この基板上に樹脂やガラス材より
なる隔壁34を積層することによって上記吐出口、イン
ク液路、共通液室等が構成される。
【0076】このように、電気熱変換体を使用した記録
ヘッドは、インク滴吐出時に熱エネルギー印加により形
成される気泡を使用しているため、通称バブルジェット
記録ヘッドと呼ばれている。
【0077】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液的を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録
装置において優れた効果をもたらすものである。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出
来る。
【0079】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0080】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0081】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0082】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0083】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して2個以上の個数設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付加時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0085】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように低解像度(=印字ヘ
ッド中のインク吐出口ピッチ)の印字ヘッドと異なる大
きさのインク滴径(ドット径)を用いることによって高
解像度の高密度印字モードと低解像度の高速印字モード
を実現し画像記録の高速化を達成した。また小ドットの
代りに大ドットを用いることによって印字ヘッドの駆動
回数を減少させ記録可能な記録媒体数を増加できるよう
になった。(記録装置の高寿命化)
【0087】また、異なる解像度(大小ドット)が混在
するドット配置において、大ドットと小ドットの位置関
係を主走査あるいは副走査、あるいはその両方にインク
吐出口ピッチの1/4単位で移動させることにより解像
度の違いによる画像のずれを無くすことが可能となっ
た。
【0088】また、解像度が異なるとドット配置の格子
点が異なることを利用して高密度記録の利点を生かした
まま画像濃度向上が達成できた。
【0089】上記実施例では、大インク滴の吐出を行い
画像を形成する走査と、小インク滴の吐出を行い画像を
形成する走査とを分けて、低解像度の記録画像と高解像
度の記録画像とを混在させている。複数の走査に分ける
ため、異なる吐出量のインク滴を同時に吐出したとき発
生するようなインク流入の乱れはほとんどなく安定して
吐出を行うことができる。
【0090】なお本文中の説明に低解像度を360dp
i、高解像度を720dpiとしたがこの限りではなく
例えば300と600dpi、400と800dpiの
組み合せであっても本発明の効果は有効である。インク
液滴の大小比あるいは吐出量そのものも本文中の値以外
にも有効である。印字方法として両方向印字について記
述したが片方向のみの印字走査でも本件は有効である。
また記録画像種による印字モード切り替えが黒画像を高
密度印字として説明したが画像出力の目的によってはカ
ラー画像を高密度記録にしても構わない。即ち目的によ
って判断基準は変るが本発明の効果自体は有効である。
【0091】また、本発明での記録方式は多値記録によ
る階調再現性の向上にも適用できる。あるいは濃度の異
なるインクを用いた濃淡インク記録方式に大小ドットの
使い分けを用いても同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用可能なインクジェット記録装置の
斜視図である。
【図2】記録ヘッドユニットの斜視図である。
【図3】記録ヘッドの拡大断面図である。
【図4】記録ヘッドの吐出手段であるヒーターの配置を
示す拡大断面図である。
【図5】吐出手段としてピエゾ素子を用いた記録ヘッド
の詳細を示す図である。
【図6】図6(a)はブラックヘッドを半画素ずらした
構成を示す図、図6(b)は従来の印字ヘッドを示す図
である。
【図7】本発明に適用されるインクジェット記録装置を
示す図である。
【図8】高速(低解像度記録)を示すドット配置であ
る。
【図9】主走査方向の高密度記録を示すドット配置であ
る。
【図10】高密度(高解像度記録)を示すドット配置で
ある。
【図11】高寿命化印字を示すドット配置である。
【図12】異なる解像度データ混在時のドットずれ防止
対策を示す図である。
【図13】異なる解像度データ混在時のドットずれ防止
対策を示す図である。
【図14】1パス両方向印字を示す図である。
【図15】2パス両方向印字を示す図(主走査方向のみ
高密度記録)である。
【図16】主走査、副走査共に高密度記録を行う印字方
式を示す図である。
【図17】記録画像種の組み合せを示す図である。
【図18】マルチパス印字方式を説明する図である。
【図19】マルチパス印字方式を説明する図である。
【図20】マルチパス印字方式を説明する図である。
【図21】マルチパス印字方式を説明する図である。
【図22】大小のサイズの異なるドットを用いた2度打
ちモードのドット配置を示す図である。
【図23】本発明の装置を説明する機能ブロック図であ
る。
【図24】本発明の装置を説明する機能ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 印字ヘッド 2 排紙ローラ 4 キャリッジ軸 400 印字ヘッド回復装置 420 保護キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小板橋 規文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後藤 史博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−162339(JP,A) 特開 平3−10843(JP,A) 特開 平6−316074(JP,A) 特開 平2−184441(JP,A) 特開 平5−96807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/21 B41M 5/00 G06T 1/00 H04N 1/23 H04N 1/52

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する吐出手段を備え、記録
    媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置におい
    て、 前記吐出手段から吐出されるインク滴の量を制御する吐
    出量制御手段と、 前記吐出手段により吐出されるインク滴の量を、記録さ
    れる画像に応じて前記吐出量制御手段により変更して画
    像を形成する記録制御手段と、 を有し、 前記記録制御手段は、記録画像が黒画像であるかカラー
    画像であるかを判別した結果に応じて、前記記録媒体の
    ページ単位の記録毎に吐出されるインク滴の量を変更し
    て画像の形成を行うことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  2. 【請求項2】 インクを吐出する吐出手段を備え、記録
    媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置におい
    て、 前記吐出手段から吐出されるインク滴の量を制御する吐
    出量制御手段と、 前記吐出手段により吐出されるインク滴の量を、記録さ
    れる画像に応じて前記吐出量制御手段により変更して画
    像を形成する記録制御手段と、 を有し、 前記記録制御手段は、記録画像のデータが比較的低解像
    度の画像データであるか、または高解像度の画像データ
    であるかを判別した結果に応じて、前記記録媒体のペー
    ジ単位の記録毎に吐出されるインク滴の量を変更して画
    像の形成を行うことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記吐出手段は、複数のノズルと、各ノ
    ズル毎にそれぞれ独立に発熱可能な複数の電気熱変換体
    とを備え、前記吐出量制御手段は、各ノズルに設けられ
    た前記複数の電気熱変換体の駆動を制御することによ
    り、吐出されるインク滴の量を制御することを特徴とす
    る請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出手段は圧電素子を有し、前記吐
    出量制御手段は前記圧電素子の駆動の条件を変えること
    により吐出されるインク滴の量を制御することを特徴と
    する請求項1または2に記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 記録画像に対応したデータに基づいて、
    インクを吐出する吐出手段により記録媒体上にインクを
    吐出して画像を形成するインクジェット記録方法におい
    て、記録画像のデータが比較的低解像度の画像データである
    か、または高解像度の画像データであるかを判別する
    別ステップと、 前記判別ステップに応じて前記インク吐出手段により吐
    出されるインク滴の量を、前記記録媒体の1ページ単位
    の記録毎に変更して画像の形成を行う記録ステップとか
    らなることを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 高解像度と低解像度の少なくとも2種の
    記録密度に対応した記録制御手段を有し、各々の解像度
    に対応した異なるサイズのインク滴を吐出可能なインク
    ジェット記録装置において、 印字ヘッドの記録走査を異なる解像度の記録毎に分けて
    行う制御手段を備えることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  7. 【請求項7】 インクを吐出する吐出手段を備え、記録
    媒体上にインクを吐出して画像を形成するインクジェッ
    ト記録装置において、 前記吐出手段から吐出されるインク滴の量を制御する吐
    出量制御手段と、 記録媒体の同一位置にインク液滴を複数回に分けて重ね
    て配置する重ね印字制御手段とを備え、 前記重ね印字制御手段は、複数回の記録走査において、
    前記吐出量制御手段によりそれぞれ異なる吐出量のイン
    ク滴を複数回に分けて画像上に重ね印字することを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 インクを吐出する吐出手段を備え、記録
    媒体上にインクを吐出して画像を形成するインクジェッ
    ト記録装置において、 複数の異なる画素密度で記録可能な記録制御手段と、 記録媒体の同一位置にインク液滴を複数回に分けて重ね
    て配置する重ね印字制御手段とを備え、 前記重ね印字制御手段は、記録媒体の同一位置に対し
    て、それぞれ異なる画素密度で記録されるインク液滴を
    複数回の走査に分けて重ね印字することを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 高解像度と低解像度の少なくとも2種の
    記録密度で記録可能な記録制御手段を有し、各々の解像
    度に対応した異なるサイズのインク滴を記録媒体上に形
    成可能なインクジェット記録装置において、 水平及び垂直方向に連続的に並んだドット列は比較的大
    きいサイズのインク滴により低解像度の画像を形成する
    制御手段を有することを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、前記低解像度の画像
    以外のドットは比較的小さなインク滴により高解像度の
    画像を形成することを特徴とする請求項17に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 高解像度と低解像度の少なくとも2種
    の記録密度で記録可能な記録制御手段を有し、各々の解
    像度に対応した異なるサイズのインク滴を記録媒体上に
    形成可能なインクジェット記録装置において、 高解像度の画像を形成するとき、低解像度で形成される
    ドットの1画素中に比較的小さなインク滴を複数配置す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
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