JP4533346B2 - インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の記録制御方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の記録制御方法、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の記録制御方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。特に、本発明は、インクジェット記録ヘッドを往復走査させて記録し、記録用紙などの被プリント物に往復記録を行うインクジェット記録装置、インクジェット記録装置の記録制御方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
プリンター、複写機、ファクシミリ等における画像等のプリント手段として、あるいはコンピューターやワードプロセッサー等を含む複合電子機器やワークステーション等のプリント出力機器として記録装置が用いられる。この記録装置は、画像情報(文字情報等すべての出力情報を含む)に基づいて記録用紙やプラスチック薄板等の被記録材(以下、記録媒体とも言う)に文字や画像等の画像情報を記録するように構成されている。
このような記録装置は、その記録方法により、インクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル方式、レーザービーム方式等に分けることが出来る。この中で、インクジェット方式の記録装置(以下、インクジェット記録装置と言う)は、記録ヘッドを含む記録手段から記録媒体にインクを吐出して記録を行う。したがって、他の記録方式に比べて高精細化が容易で、しかも高速で静粛性に優れ、かつ安価であるという、種々の利点を有している。一方、近年では、カラー画像などのカラー出力の重要性も高まり、銀塩写真に匹敵する高画質のカラーインクジェット記録装置も数多く開発され、販売さている。
このようなインクジェット記録装置においては、記録速度の向上のため、複数の記録素子を集積して配列される記録ヘッドとして、複数のインク吐出口及び液路を集積した記録ヘッドを用いる。さらにカラー記録への対応としては、複数のインク吐出口及び液路を集積した複数個の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置が一般的である。
プリンターの記録方式としては様々な方式が知られているが、上述のように、記録用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む等の理由でインクジェット方式が、近年特に注目されている。特に、記録する記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着し、記録用紙等の記録媒体の送り方向と直交する方向に記録ヘッドを往復走査しながら記録を行うシリアル記録方式が、安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
最近では、このようなインクジェット記録装置の高性能化が著しく、レーザビームプリンタ並みに高速な記録速度も実現されてつつある。また、パーソナルコンピュータの処理速度の高性能化やインターネットなどの普及により、カラー画像に対する記録速度の高速化の欲求もますます増大してきている。
さらに近年では、記録速度の高速化に加えて、記録画像の画質向上に対する要求も非常に強い。したがって、これらの要求を両立させるために、インク液滴サイズをより小さくし、かつノズル密度を向上させた記録ヘッドを用いて、高精細に画像の記録が可能な記録装置の開発が進められている。
また、インクジェット記録装置に対する高画質化の要求を受けて、階調表現をより精細に行う目的で、吐出量の異なる液滴を吐出できるノズルを有する記録ヘッドの開発も進められている。すでに、複数のドットサイズ(たとえば、大ドットと小ドット)のインク液滴サイズを記録用紙面上で再現させ、なめらかな階調表現を可能としたインクジェット記録装置が市販されている。
インクジェット方式の中で、バブルジェット(登録商標)記録方式(BJ方式)は、発熱体によりインクを急激に加熱、気化させ、発生した気泡の圧力によりインク液滴をオリフィスから吐出させる方式である。このような構造を有するバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドにおいて発生した気泡は、周囲のインクによって冷却され、気泡内のインクの蒸気が凝縮して液体に戻るため、ついには消滅する。一方、吐出により消費されたインクは、インクを貯留するインクタンクからインク供給路を介して再充填される。
図1の(A)は、このようなインクジェット記録ヘッド101のノズルの配置例を示す図であり、異なるインクの吐出が可能なように複数のノズル列102を持つ。図1の(B)に示すように、各ノズル列102は、インク供給路105の左側に吐出量の大きい吐出口列103L、右側に吐出量の小さい吐出口列103Sが配列され、それぞれ大ドットおよび小ドットを記録用紙上に記録できる。インクはインク供給路105から各ノズル103L及び103Sに対応して設けられたインク流路104を介して供給される。
図1(A)に示す記録ヘッド101は、カラー記録用であって、吐出量が大及び小のノズルの組み合わせをもつノズル列が左右に2組(2色分計4列)配置され、吐出量が同じノズルの組み合わせのノズル列が中央に2列配置されている。そして、左右対称に、シアン(C)とマゼンタ(M)のインク、中央にイエロー(Y)とブラック(BK)のインクを吐出させることでカラー記録を可能にした記録ヘッド101が構成される。
図2は、図1に示す記録ヘッド101を用いて記録用紙P上に記録(以下、単に記録ともいう)を行うためのインクジェット記録装置の主要部の構成を示したものである。同図において、201はインクジェットカートリッジ(記録手段)である。これらは、4色のカラーインクのインクタンクと記録ヘッドとで構成される。すなわち、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)のインクがそれぞれ貯留されたインクタンクと、それぞれのインクに対応した記録ヘッド101とで構成されている。
203は紙送りローラ(副走査手段)であり、補助ローラ204と共に記録用紙Pを挟持しながら図の矢印の方向に回転し、記録用紙PをY方向に間欠的に搬送する。また、205は一対の給紙ローラであり、記録用紙Pの給紙を行う。一対のローラ205は、ローラ203及び204と同様、記録用紙Pを挟持して回転するが、紙送りローラ203よりもその回転速度を低くすることによって記録用紙Pに張力を発生させ、撓みのない搬送を可能としている。
206は4つのインクジェットカートリッジ201を支持しつつ、前記Y方向と直交する主走査方向(図中X方向)へと往復移動(以下、走査またはスキャンとも言う)を行うキャリッジ(主走査手段)である。このキャリッジ206は、記録ヘッド101による記録動作が行われていないとき、あるいは記録ヘッド101の回復処理などが行われているときには、図の破線で示した位置のホームポジションhで待機する。
そして、記録開始前にホームポジションhにあるキャリッジ206は、記録開始命令があると、図2のX方向に走査しながら、記録ヘッド101のN(Nは任意の整数)個のノズルにより、記録用紙P上にN/1200インチの幅の記録を行う。記録用紙Pの端部までの記録が終了するとキャリッジは元のホームポジションhに戻り、再びX方向への記録のための走査を行う。この最初の記録が終了してから2回目の記録が始まる前に、紙送りローラ203が矢印方向へ回転することにより、記録用紙Pは、N/1200インチの幅だけY方向への紙送りされる。
このようにしてキャリッジ206の1走査ごとに、記録ヘッド101によるN/1200インチの幅の記録動作と紙送り動作を繰り返し行うことで、例えば一頁分の画像信号の記録を記録用紙P上に完成させることができる。なお、このように、キャリッジ206の往路走査時のみ記録ヘッド101で1回で記録する記録モードを1パス記録モードという。
また、インクジェット記録装置に用いられる別の記録モードとしてはマルチパス記録モードがある。このマルチパス記録モードとは、同一の記録領域に対し、複数回に分けて重ね打ちを行うことによりその記録領域の記録を完成させる記録モードである。マルチパス記録モードの場合、そのパス数が多いほど画質が向上することは一般的に知られている。
なお、ここではキャリッジ206の往路走査時にのみ記録動作を行う片方向走査記録の場合を示している。しかしながら、より高速な記録を実施する場合は、キャリッジ206の往路走査及び復路走査のいずれにおいても記録を行う双方向走査記録方式が用いられることが一般的である。
インクジェット記録方式を用いて画像を形成する場合、同一の駆動パルスを発熱体に連続して印加すると、ヒータの連続加熱によるヘッドの温度上昇により濃度ムラが発生することが知られている。この濃度ムラに関してはあとで詳細に説明する。
そのため、インクジェット記録方式において高画質記録を行うには、この濃度ムラを低減させることが重要である。この低減する方法としては、一般的に吐出量を均一に制御する手段あるいは、記録データを補正する手段が提案されている。また、前述のマルチパス記録モードを用いることや、あるいは記録速度の低下という弊害はあるが、走査速度を遅め設定することも、濃度ムラを低減させる手段として公知の技術である。
記録ヘッド101の吐出量は、同一の駆動パルスを発熱体に印加する場合、発熱体近辺のインクの温度に依存する。そこで、インクの温度管理を行う必要がある。しかしながら、インクの温度管理は実用上困難であるため、インクの温度の代用として記録ヘッド101の温度を管理することで記録ヘッド101の吐出量を制御する技術が普及している。
たとえば、特許文献1には記録ヘッド内部に記録ヘッドの温度を検知するためのセンサを配置してこのセンサの出力を検出手段であるMPU(CPU)でモニタすることが開示されている。そして、温度が上昇するとヒータ駆動のパルス信号のパルス幅を可変する等して、ヒータの加熱時間を短くして記録ヘッドの温度上昇を抑制し、インクの吐出量を一定にする制御方法(PWM制御)が提案されている。
しかしながら、センサは記録ヘッド近傍に取り付けられており、記録ヘッドの駆動によるノイズのため正確な出力をMPU(CPU)でモニタできない。そのため、正確な温度制御ができず、吐出量の制御が十分でないという問題があった。
これに対し、記録ヘッドに温度センサを設ける以外に、検出した温度出力の増幅機構や検出結果のノイズ対策等の手法を用いる提案もされているが、これらは、コストアップを招いてしまう。そこで温度センサの信頼性を考慮して、記録する画像データにより記録ヘッドの温度を推測する手法が提案され、この手法を代用または兼用する提案がなされている。たとえば、記録データから温度を推定する手法として、次の記録走査を行う前に、画像バッファ等のメモリ領域に一主走査分の画像データを一旦格納する。そして、その画像バッファ内の有効データ数をカウントして、そのカウント結果からヘッド駆動のパルス信号のパルス幅を変更する制御を行い、次記録走査を行う方法が知られている。
さらに、特許文献2や特許文献3には、インクジェット記録装置又はインクジェットヘッドの周辺の温度をセンサ等で取得する手段と、インクジェットヘッドに単位時間当たりに投入される熱量からインクジェットヘッドの温度の上昇を推定する手段とを設ける。そしてこれらにより、インクジェットヘッドの温度を確定する方式が開示されている。
また近年では、記録速度の高速化に伴う吐出周波数の増大、および一ノズル列当たりのノズル数の増大により、従来の温度の推定方法よりもより高精度な手法を用いることが強く要望されてきている。
インクジェットヘッドの温度の推定の高精度化は、温度推定演算の時間間隔を短くすることで達成される。しかし、演算時間の間隔を短くした分、記録装置本体の演算時の負荷が増加するため、演算手段であるMPU(CPU)の高性能化の必要が生じたり、あるいはスループットの低下が生じてしまう。
この問題に対して特許文献3では、記録ヘッドの駆動条件から高精度で演算負荷の少ない温度の推定方法として記録ヘッドの温度を推定し、この推定された温度に応じて前述のPWM制御を実施することでより正確に吐出量制御を行う手法が開示されている。
具体的には、記録ヘッドの駆動条件から記録ヘッドに蓄積される投入熱量に変換し、前の記録走査までのインクジェットヘッドの熱蓄熱分より単位時間経過による放熱後の蓄熱分を演算する。そして、熱時定数ごとに記録ヘッド蓄熱分を記憶し、各投入熱量と放熱後の熱量を加算することで、記録ヘッドの温度上昇を演算するものである。
一方特許文献4では、特に大型記録装置向けの技術であって、画像データからリアルタイムに温度推定、吐出量制御する手法が開示されている。すなわち、画像データの中から有効データをカウントし、そのカウント値が所定の値に達した場合、ヘッド駆動のパルス信号の幅を変更する手法、あるいは記録データを所定量間引くことでデータ補正し、記録する手法が提案されている。
特開平5−31905号公報 特開平5−208505号公報 特開平7−125216号公報 特開平8−156258号公報
上述のように、複数のドットサイズを記録用紙Pの紙面上に記録するために、吐出量の異なる吐出口を備えた記録ヘッドを有するインクジェット記録装置を検討する。この場合、高画質化の要求から大きいサイズの吐出量であっても、画質の特に粒状性の観点から、実際は非常に小さい液滴であることが要求される。たとえば大きい吐出量として5pl程度、小さい吐出量として2plのものが現在市販されており、数年前に比べてインク液滴サイズは格段に小さくなっている。また更なる高画質化には、更なる小液滴化が要求されている。これらの小さい吐出量の記録ヘッドにより記録を行う場合、記録領域を覆うインクドットの数がその記録領域の大きさに影響してくる。
同一の記録領域を同一濃度で記録するために配置すべきドット数は、約半分の小さい吐出量のドットを用いる場合には、図3のように縦横方向それぞれ2倍、総数としては従来の4倍の数のドットが記録される必要がある。記録ヘッドのノズル数およびノズル密度が同一で、吐出周波数が同等の場合、当然のことながら記録速度は著しく低下することになる。
このような液滴サイズの小さい記録ヘッドを用いて従来並みの記録速度を維持するために、記録ヘッド自体の性能を向上させる手段が提案されている。すなわち、ノズル数を増加させ記録幅を増加させる方法、インク液滴の吐出周波数を高速化する方法がある。また記録領域の記録時間の短縮化として主走査ごとの記録速度の高速化、マルチパス記録時のパス数を低下させる等による画像形成方法の改良が必要とされる。
記録ヘッドのインク吐出周波数を上げると一回の走査にかかる記録時間が短縮される。しかしながら、走査中のインク吐出にともなう記録ヘッドの温度上昇も増大し、誤動作による吐出量の増加を招く。さらに、液滴サイズの小型化により記録領域内へ記録するインクドット数も増大するため、更なる記録ヘッドの温度上昇とそれに伴う吐出量の誤増加につながる。このため、これまで以上に1回の記録走査内におけるヘッド温度上昇の程度は増大し、その結果これまで以上の吐出量の増加によって走査ごとに記録領域の濃度ムラが発生する。
また、マルチパス記録方式における記録パス数を少なくした高速記録を行う場合も、一回の走査において吐出されるインクドットの数はパス数に応じて増加する。この場合も同様に、記録ヘッドの昇温による吐出量増加によって記録領域の濃度ムラが発生する。当然ながらインクの高速吐出とパス数の減少を同時に実施した場合、その影響は非常に大きなものとなる。
一方で、記録速度の高速化により温度センサによるヘッド温度の検出は、応答性の点で能力が不足する。また、記録データからの温度の推定手段による検出においても、吐出周波数の高速化による一吐出タイミング内での最大パルス幅が縮小する。そのため、パルス幅の変更可能範囲おける吐出量の制御の可能範囲も狭くなっており、制御能力が十分とは言えない状況になっている。
前記のような1パス記録モードでの高速なインク吐出による記録を、双方向記録方式で行うと、各走査ごとに記録された領域全体が主走査方向に濃度分布をもって記録される。具体的には、図5のように、各走査ごとにバンド状の濃度ムラが発生し、特に記録領域の両端部で顕著に発生する。
図6は、前記の1パス記録モードの任意の一主走査により同一階調のベタ画像を記録した場合の記録領域の状態(図6の(A))と、そのときの記録ヘッド101の温度と吐出量の関係を示すグラフである。
図6において、記録ヘッド101の主走査方向の記録動作に伴いヘッド温度が図6の(B)のように上昇し、この温度上昇に伴って吐出量の小さい吐出口の場合も、吐出量の大きい吐出口の場合も、図6の(C)および(D)のように吐出量が増加してしまう。結果として図6の(A)のように主走査方向に濃度ムラが発生する。
したがって、吐出量の異なる吐出口を具備していても、それぞれ記録ヘッド101の昇温に応じて吐出量の増加の傾向が異なる。また階調再現を上述のように、大きい吐出量の液滴による大きいドットと、小さい吐出量の液滴による小さいドットとの組み合わせで行うと、それぞれの影響を受けて濃度が上昇してしまう結果を生むことになる。
そこで、記録走査の進行に伴う濃度の上昇に応じて、記録するインク量の低減が必要になり、一例として、記録すべき画像データのドットをカウントしつつ、温度上昇に応じた濃度補正を実施する手法を提案する。
その場合に、具体的には、記録ヘッド101の走査領域を走査方向に複数のカウントエリアおよび記録エリアに分割する。そして、カウントエリア内の記録ドット数をカウントし、カウントしたドット数に応じて次の記録エリア内の画像データを変更して画像形成する画像補正方法またはインクジェット記録装置である。画像データの変更は、多階調データをカウントしてデータ変更し、変更した多階調データを2値データに変換して記録する方法が考えられる。
この方法によれば、記録ヘッド101の温度上昇に伴い、記録のドット数を低減させることが可能になり、濃度ムラを低減することが出来る。
しかしながら、吐出量が異なる吐出口から吐出される大ドットと小ドットのそれぞれの画像データを独立に補正位置を決めて低減させると、不用意に画像データを低減させた部分が重なってしまう。その結果、図4の(A)の右側に示すように、その部分のみが著しく薄い記録状態「白抜け」(401)になり、濃度ムラは改善されても、逆に粒状性が悪化してしまうことがあった。
本発明は、吐出量の異なる液滴を吐出し、ドットサイズの異なるドットで画像記録するインクジェット記録方法を提案する。すなわち、高速な記録を行う場合において、インク吐出に影響を受けて記録ヘッド101が昇温することによる吐出量の増加に起因する濃度の上昇を低減する補正方法を提案する。
即ち、本発明の目的は、吐出量の異なるインクを吐出して画像形成するインクジェットシステムにおいても、粒状性の劣化を生じさせない濃度ムラの低減、および画質劣化の低減が可能なインクジェット記録方式を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の実施形態においては、第1のサイズのドットを記録する第1の記録素子列と前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズのドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1のサイズのドットおよび第2のサイズのドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置において、
前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割手段と、
前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリアの前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1のサイズの記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2のサイズの記録ドット数を取得する取得手段と、
前記第1のエリア内の前記第1のサイズの記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2のサイズの記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更手段とを備え、
前記画像データ変更手段は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データで階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定手段を含む、ことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
また、上記目的を達成するため、本発明の実施形態においては、第1のサイズのドットを記録する第1の記録素子列と前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズのドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1のサイズのドットおよび第2のサイズのドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置の記録制御方法において、
前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割工程と、
前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリアの前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1のサイズの記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2のサイズの記録ドット数を取得する取得工程と、
前記第1のエリア内の前記第1のサイズの記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2のサイズの記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更工程とを備え、
前記画像データ変更工程は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データで階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定工程を含む、ことを特徴とする記録制御方法を提供する。
また、上記目的を達成するため、本発明の実施形態においては、第1の明度のドットを記録する第1の記録素子列と前記第1の明度よりも低い第2の明度のドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1の明度のドットおよび第2の明度のドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置において、
前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割手段と、
前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリアの前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1の明度の記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2の明度の記録ドット数を取得する取得手段と、
前記第1のエリア内の前記第1の明度の記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2の明度の記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更手段とを備え、
前記画像データ変更手段は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データで階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定手段を含む、ことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
さらに、上記目的を達成するため、本発明の実施形態においては、第1の明度のドットを記録する第1の記録素子列と前記第1の明度よりも低い第2の明度のドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1の明度のドットおよび第2の明度のドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置の記録制御方法において、
前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割工程と、
前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリア内の前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1の明度の記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2の明度の記録ドット数を取得する取得工程と、
前記第1のエリアの前記第1の明度の記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2の明度の記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更工程とを備え、
前記画像データ変更工程は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データで階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定工程を含む、ことを特徴とする記録制御方法を提供する。
上記目的を達成するため、本発明の、さらに他の実施形態においては、前記実施形態に記載されたインクジェット記録装置の記録制御方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
上記目的を達成するため、本発明の、さらに他の実施形態においては、前記実施形態に記載されたインクジェット記録装置の記録制御方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
本発明によれば、吐出量の異なるインクを吐出して画像形成するインクジェットシステムにおいて、粒状性の劣化を生じさせない濃度ムラの低減、および画質劣化の低減が可能なインクジェット記録が可能となる。
図7は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。なお、本実施形態のインクジェット記録装置の機械的な部分の構成、は図2に示したものと同様な構造を有する。
図7において、CPU700はメインバスライン705を介して装置各部の制御及びデータ処理を実行する。すなわち、CPU700は、ROM701に格納されるプログラムに従い、ヘッド駆動制御回路715、キャリッジ駆動制御回路716などをはじめとする後述の各部の制御及びデータ処理を行う。RAM702は、このCPU700によるデータ処理等のワークエリア等としても用いられている。
また、その他の記憶装置として、必要に応じてハードディスク等が接続されることもある。画像入力部703はホスト装置とのインターフェースを有し、ホスト装置から入力した画像データを一時的に保持する。画像信号処理部704は、色変換、2値化、マスク処理等を行うデータ変換部718、各種のデータ処理を実行するデータ補正部719を備える。操作部706はキーやマウス等を備え、これによりオペレータによる制御入力等を可能にする。回復系制御回路707では、RAM702に格納される回復処理プログラムに従って予備吐出等の回復動作を制御する。すなわち、回復系モータ708は、記録ヘッド101(図1と同じ)とこれに対向離間するクリーニングブレード709、キャップ710、及び吸引ポンプ711などを駆動する。また、ヘッド駆動制御回路715は、記録ヘッド101のインク吐出用の電気熱変換体の駆動を制御し、通常、予備吐出や記録のためのインク吐出を記録ヘッド101に行わせる。さらに、キャリッジ駆動制御回路716及び紙送り制御回路717も同様に制御プログラムに従い、キャリッジの移動及び紙送りをそれぞれ制御する。また、記録ヘッド101のインク吐出用の電気熱変換体が設けられている基板には、保温ヒータが設けられており、記録ヘッド101内のインク温度を所望の設定温度に加熱調整することが出来る。又、サーミスタ712は、同様に上記基板に設けられているもので、記録ヘッド101内のインクの実質的な温度を測定するためのものである。サーミスタ712も同様に、基板ではなく外部に設けられていても良く、また記録ヘッド101の周囲の近傍に設けられていても良い。
以上の装置構成に基づき、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施形態1>
記録ヘッド101は、図1に示した記録ヘッド101であって、大きい吐出量のインクを吐出するノズル列と小さい吐出量のインクを吐出するノズル列が組み合わされて構成される。そして、各ノズルのインク流路などの内部構成は先の説明と同様である。また、装置構成として図2で示した構成とし、同一の記録領域に対して1回の主記録走査を行って画像を完成させる1パス記録を行うものとなっており、この点も上記従来技術にて示したものと同様である。
インクジェット記録ヘッド101の吐出量を決定する要因として、吐出部のインク温度(記録ヘッド101の温度で代用できる場合がある)がある。図8は駆動パルスの条件を固定した場合の、インク吐出量の温度依存性を示すグラフである。同図の実線Aに示すように、記録ヘッド温度T(この場合はスタティックな温度特性なので吐出部のインク温度と等しい)の増加に対し、吐出量Vdは直線的に増加する。この直線の傾きを温度依存係数KTと定義すると、温度依存係数KTは
KT=△VdT/△T(pl/℃・ドット)となる。この温度依存係数KTは駆動条件によらず、記録ヘッド101とインクの物性等によって定まる。図8において他の記録ヘッドの場合を同様に破線B、一点鎖線Cで示す。
本実施形態においては、上述したインク温度の変動による吐出量の変動を、記録する画像データのドット総数を変更する画像補正を用いて記録媒体P上の記録濃度が一定となるよう制御し、画像データの補正方法として多値データを変更する方法を用いている。
すなわち、ホスト装置から入力され、画像入力部703に保持された画像データに対し、画像信号処理部704内のデータ変換部718は、入力された多値の画像データの各画素が示す階調値“K”に対応する2値パターンを作成する。例えば、4ビット(16階調)で表現される多値画像データが画像入力部703に入力された場合、データ変換部718でこの入力データを2値データに変換する。尚、ここでは入力された画像データの2値化処理には、1例として、面積階調による変換処理を用いる場合を説明する。
図10の(A)の画素データ1000で示すように、外部のホスト装置から、1画素のサイズが(1/300)インチ四方(解像度300×300dpi)で画像データが送られてくる場合を例示する。本実施形態では、図1に示す記録ヘッド101において、吐出量の大きいLCおよび吐出量の小さいSC、吐出量の大きいLMおよび吐出量の小さいSM、吐出量の大きいLY、吐出量の大きいLBKを組み合わせて記録する場合について述べる。この場合、各大小および各色につき4ビット(16階調)の入力データが送られてくるものとする。
シアンCおよびマゼンタMで吐出量の異なるノズル列を用いるため、入力される画像データを、それぞれの吐出量のノズル列が担う記録データに変換する一例を以下に示す。図9に示すように、入力の画像データの入力値に応じてLUT(Look Up Table)を参照し、小ドットによる記録データと大ドットによる記録データに変換する。それぞれが後述の2値化方法で2値化され、図9の矢印で示した階調では、図11に示すような、大ドットと小ドットが混在した状態で記録が行われ、入力された画像データの階調に対応した濃度が記録用紙P上に再現されることになる。
そのため、各大小および各色の入力データ毎に、擬似中間調処理及び解像度変換処理を行う。具体的には、入力の画像データの1画素に対して縦横それぞれ4画素を割り当て、この4×4の格子を1つの単位マトリクスとして階調値0から15までをそれぞれ単位マトリクス内の吐出“1”ドット数0から15で置き換える処理を行う。
1ドットが主走査方向、副走査方向ともに(1/1200)インチ四方(解像度1200×1200dpi)とする。そして、LC、SC、LM、SM、LY、LBK各大小および各色につき1画素当り1ビット(2階調)で表される、元の1画素データ1000に対する記録データ1001(1002〜1017)を生成し、この記録データ1001に基づいて記録を行う。
図10の(B)は、ホスト装置から送られてきた、画素値が“9h”(hは16進数をあらわす)の1画素(4ビット)の画素データ1020(解像度300×300dpi)の変換を示す。すなわち、画素データ1020が、1画素当り1ビットで表される記録データ(ドット解像度1200×1200dpi)で構成された9ドットからなる記録データ1021に変換された例を示す図である。
擬似中間調処理及び解像度変換処理の手法として種々の手法が提案されている。ここでは、ホスト装置から送られてくる1画素当り4ビットの記録データ(解像度300×300dpi)を、その値に応じて、予め用意してある1ドット当り1ビットで表わされる記録データ(解像度1200×1200dpi)を用いて16階調に変換する。そしてテーブル参照(LUT)の手法により、擬似中間調処理及び解像度変換処理を同時に行う。
ここでは、入力の画像データの大小ドットへの分離をLUT用いた場合、また入力画像データの2値化処理として、面積階調法による解像度変換処理を用いた。しかしながら、これには限られず、大ドット用および小ドット用の記録データを作成してもよく、擬似中間調処理も平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の処理方法で行うことができる。
本実施形態では、シアンとマゼンタとで用いられる、大ドットのノズル列128個のノズルと小ドットのノズル列128個の1色分の、大ドット小ドットそれぞれについて所定数のエリアに分割してカウントし、画像データの補正をする。
図12は、本実施形態で用いられる、記録ドット数をカウントするためのカウントエリアおよび記録データのドット数を変更する記録エリアの概念を模式的に説明する図である。図12においては、説明を理解しやすくするため、カウントエリアと記録エリアを同一のサイズとなるよう設定してあり、本発明の実施形態において、以後、説明はすべてこの設定を用いるものとする。
本実施形態において、記録領域全体をl=L回の走査により記録を行う場合について説明する。第l回目の走査において記録ヘッド101の一主走査分の記録データ、すなわち(ノズル数)×(走査方向の1行の記録画素数)分のデータに相当する入力データを図13で示す。すなわち、縦方向(ノズル配列方向)にN個、横方向(走査方向)にM個に分割され、それぞれが同数の多値情報をもつ画素を含んだ縦N個×横M個のカウントエリアおよび記録エリアに分割される。
具体的には、たとえば、大小あわせて256個のノズルを持つ記録ヘッド101を用いる場合、解像度を300×300dpiとする。この場合、縦方向(ノズル配列方向)64画素(=256/4)をN=1として分割し、横方向(走査方向については記録幅8インチをM=20として分割する。記録幅は2400画素(=8×300)である。したがって、各カウントエリアおよび記録エリアの大きさは縦64×横120に設定した。カウントエリアおよび記録エリア内の各画素について、階調値0から15のデータが対応するものとする。
また、各カウントエリアにおけるカウント結果として、横方向のm番目、縦方向のn番目のカウントエリア内の多値データ階調値を積算して得られるそのエリアの液滴吐出回数をドットカウント値Et(m、n)で表すものとする。また、縦方向のn番目の各カウントエリアにおける液滴吐出回数の横方向の積算液滴吐出回数を積算ドットカウント値Smt(m、n)で表すものとする。同様に、記録開始から直前の走査までの記録による積算液滴吐出回数の総数を総ドットカウント値Sat(l−1)、各記録エリアごとに算出される補正量をHt(m、n)で表すものとする。
具体的には、Smt(3、1)で示される値は、図13において、縦方向に1番目のカウントエリアの横方向3番目のカウントエリアまでの液滴吐出回数であるEt(1、1)からEt(3、1)を加算した和である。また、Sat(1)は、各走査における横方向の全カウントエリアの積算液滴吐出回数であるSmt(20、1)と同じ値を表す。さらに、Ht(1、1)は、横方向の1番目および縦方向1番目の記録エリアにおける記録データ補正量(ドット数)を表す。
図14は、本実施形態1の処理フローの概略図である。また、図15は、本実施形態1において各走査ごとに各吐出量の画像データごとに行われる画素データのドット数をカウントする処理と、カウントした結果をもとに画素データを補正するための処理等を示すフローチャートである。
図14で示すように、記録走査ごとに、まずステップS1400で、大ドットに対する多階調データに対して後述する閾値マトリックスを用いて順次画像補正を行う変更画素位置を決定し画素値を変換する。つづいて、ステップS1401で、小ドットに対する多階調データの補正を開始する際に、すでに大ドットによる変換を実施した閾値マトリックスの値以降から、小ドットの補正を施す画素位置が指定されるように、小ドットの補正開始位置を変更する。その後、ステップS1402で、小ドットの多階調データに対する画像補正処理を実施することになる。
図15は具体的な各多階調データに対する補正処理の動作のフローチャートであり、以下に詳述する。各走査ごとにこの処理が起動される。まず、ステップS1500で、処理にの注目カウントエリアEt(m、n)をm=1、n=1、l=1として定め、また、Smt(1、1)〜Smt(M、N)、Sat(0)〜Sa(L)の値を格納するレジスタ等のメモリ領域を初期化する。
次に、ステップS1501では、第l回目の記録データに相当する入力データのデータ先頭位置に、カウントエリアのカウント開始先頭位置を一致させる。ステップS1502では、横方向第1番目の全カウントエリアm=1、n=1の値で特定される注目カウントエリアにおける階調値の和をカウントし、そのカウントエリアのドットカウント値をEt(1、1)としてメモリ領域に一時格納する。
ステップS1503では、注目しているカウントエリアが横方向の1番目かどうか、すなわち走査方向の先頭位置かどうかを判断する。注目しているカウントエリアが横方向の1番目の場合にはステップS1504へ進み、それ以外の場合はステップS1505へ進む。
ステップS1504では、記録開始から直前の走査の記録までで吐出した総ドットカウント値Sat(0)(この時点では、第1回目の記録走査すなわちl=1なので直前の吐出はないため0回である)のカウントデータを元に処理が行われる。すなわち、吐出量増加による濃度上昇予測値を演算し、横方向第1番目の記録エリアm=1、n=1の値で特定されるエリアの記録データの補正量Ht(1、1)を算出する。そして、この記録エリア内のカウント値と同一値であるEt(1、1)に算出された補正量Ht(1、1)を演算したカウント値を新たなEt(1、1)とする。
ステップS1506では、横方向の積算ドットカウント値Smt(m、n)の値に上記で求めたEt(1、1)を加算し、新たなSmt(1、1) の値としてその対応するメモリ領域に格納する。
ステップS1507では、横方向第1番目の記録エリア内の記録データに対し前記補正量Ht(1、1)に相当する補正を実施し、記録エリア内の記録データ数を変更する。記録データの変更は、記録エリア内の画素に対し補正量に相当する数値分の画素階調値を閾値マトリックスマスクの順番に基づき階調値を変更することで実施される。
さらにステップS1508では、m>M(=20)を判断し、m<MであればステップS1509に進み、mの値について1だけインクリメントし、カウントエリアを記録走査方向に1つずらす。その後、ステップS1502に戻る。
次に、m=2としてステップS1502からステップS1509の処理を繰り返し、記録エリア内の記録データの補正を実施する。まずステップS1502で、横方向第2番目の注目カウントエリアのドットカウント値をEt(2、1)とし、メモリ領域に一時的に格納する。ステップS1503では、注目しているカウントエリアが横方向2番目であるので、今度はステップS1505へ進む。
ステップS1505は次のようになる。すなわち、2種類のカウント値Et(1、1)、Smt(1、1)および、記録開始から直前の走査の記録までで吐出した総ドットカウント値Sat(0)(l=1なので直前の吐出はないため0回である)の3種類のカウントデータを元に処理を行う。すなわち、吐出量増加による濃度上昇予測値を演算し、横方向第2番目の記録エリアm=2、n=1の値で特定されるエリアの記録データの補正量Ht(2、1)を算出する。そして、この記録エリア内のカウント値と同一値であるEt(2、1)に算出された補正量Ht(2、1)を演算したカウント値を新たなEt(2、1)とする。
次のステップS1506では、前回の横方向の積算ドットカウント値Smt(1、1)に上記で求めたEt(2、1)を加算し、新たな横方向の積算ドットカウント値Smt(2、1) の値としてその対応するメモリ領域に格納する。
ステップS1507では、横方向第2番目の記録エリア内の記録データに対し前記補正量Ht(2、1)に相当する補正を実施し、記録エリア内の記録データ数を変更する。さらにステップS1508では、m>M(=20)を判断し、m<Mであれば、ステップS1509に進み、mの値について1だけインクリメントし、カウントエリアを記録走査方向に1つずらす。その後、ステップS1502に戻る。
以下同様に、ステップS1502からステップS1509の処理を全てのm(1〜M)について繰り返し、対応する記録エリア内の記録データの補正を完了する。
次にステップS1510において、横方向の積算ドットカウント値Smt(m、n)の値、(この時点ではSmt(20、1)と一致)を新たな総ドットカウント値Sat(l)、(この時点ではl=1)としメモリ領域に格納する。さらに、補正されたデータを、図7の画像処理部704内にあるデータ変換部718で処理する。すなわち、1画素(4ビット)の画素データ(解像度300×300dpi)を、1画素当り1ビットで表されるデータ(解像度1200×1200dpi)で構成されるドットからなる記録データへ変換する解像度変換処理を実施する。さらに、この変換された記録データを記録ヘッド101に転送し、一主走査分の記録幅の記録を実施する。この記録動作と同時に次の記録の主走査分の記録データに対する補正処理を開始する。
ステップS1511では、l>Lを判断し、l>Lであれば処理を終了する。しかし、l<LであればステップS1512に進み、lの値について1だけインクリメントし、カウントエリアを縦方向に1つずらす。そしてステップS1513では、前の走査においてカウントされた値のうち、注目カウントエリア内のカウント値Et(m、n)、および横方向の積算ドットカウント値Smt(m、n)が一時的に格納されているメモリを0に初期化する。以下、ステップS1501からステップS1513までの処理を繰り返すことで記録データのカウントと補正処理を順次実施しながら補正された記録データに基づいて記録ヘッド101よりインクを吐出させ画像を完成させる。なお、本実施形態においては、画像データの補正方法として多値データの階調値レベルを変化させる方法を適用している。
図16は、記録データの任意の領域における多値の入力画像データを模式的に示したものである。このとき、記録データのドット総数と入力データの階調値の積算値とは一致している。
まずはじめに、大ドットに対する多階調データにおいて、図15のフローチャートのステップS1504およびステップS1505において、補正量として入力データのデータ階調値の積算値から減らす数値を計算する。このとき入力データの任意の画素階調値を1レベル減らし、補正量に相当する値まで繰り返す。このとき階調値を減らす対象画素の選択方法として、カウントエリアと同サイズの閾値マトリックスマスクを用意し選択する方法を用いる。この閾値マトリックスは、マスクサイズ(64×120画素)内の各画素に0から7679(=64×120)までの数値が与えられたマトリックスマスク1701であり、図17に示される。このときの画素に対する数値の配置順序としては、任意の番号における全数値の配置位置の分散性が高くなるように配置される。
次に、この閾値マトリックス170の数値順に従い、入力データ上で対応する画素の階調値を1レベル減らす処理を行う。階調値を減らす総数が算出された補正値に達するまで閾値アレイの順番に従い、入力データの画素の階調値を減らしていく。図18はこのときの処理を詳細に説明した模式図である。
あるカウントエリア内に入力データ1801がある場合であって、積算ドットカウント値3000、補正量として減らす値が300と算出された場合を考える。この場合、全7680画素のうち閾値マトリックス1802の画素位置で0から299に対応する入力データの階調値を1減らす処理を実施する。変更されたデータはデータ1803で示すようになる。データ1803においてカッコで括った数値がデータ変更された画素をあらわしている。
例えば、図25で示すように大ドットの入力データ2501の画素数が7680(=64×120)画素(300dpi)で階調値の積算値が40000、補正量として減らす値が9000と算出されたとする。この場合、減らす値が7680より大きいため全7680画素の階調値を1レベル減らす。さらに残りの1320(=9000−7680)画素に対する補正として閾値マトリックスの画素位置で0から1319に対応する入力データの階調値をさらに1減らす処理を実施する。このときの変更後データは2503で示すようになり、カッコで括った部分に関し、その階調値は2レベル減らされている。
大ドットの多階調データの補正する画素位置の決定に引き続き、小ドットの補正する画素位置を順次決定していく。例えば小ドットの入力データ2601の画素数が7680(=64×120)画素(300dpi)で階調値の積算値が30000、補正量として減らす値が2000と算出された場合を考える。この場合、閾値マトリックスの画素位置で1320から3319に対応する入力データの階調値を1減らす処理を実施する。その結果、大ドットを2レベル減らす位置と小ドットを1レベル減らす位置が重なることは無くさらに分散性良く分布させることができる。大ドットは全体にすでに1レベルは減らされているのでその補正と小ドットの補正が干渉することはない。
上述のように大ドットの補正を画素位置で0から299に対応する位置で補正を実施し、続く小ドットの補正は300の画素位置から開始することになる。すなわち、小ドットの当該カウントエリアの補正量が700と算出された場合、当該閾値マトリックスの300から999までの画素位置に対応する入力データの階調値を1減らす処理を実施する。閾値マトリックスの数字配列が分散性よく設計されていることで、大ドットの補正位置を排他的に回避しかつ分散性よく小ドットの補正位置を決定することができる。本実施形態においては、閾値マトリックスを大小個別に用意することなく1種類ですむことからメモリの節約にもなり好都合である。
以上説明したように、本実施形態によれば、記録走査方向の大ドットの記録データを、複数エリアに分割しこれらのエリアごとに吐出データの数をカウントし、このカウントした吐出データのデューテイに応じて記録エリアの吐出ドット数を変更する。そして、この大ドットの補正を施した画素位置と排他的に小ドットの補正位置を決定することが、閾値マトリックスの補正開始位置を変更するのみで可能となる。このように補正された記録データで記録を行うことにより、主走査方向に生じる吐出量増加に起因した濃度ムラを低減させる際に、大ドットは分散性よく補正される。そして、図4の(B)に示すように、さらに大ドットと小ドットの補正位置が干渉しあって粒状性が劣化することが無く、小ドットも分散性良く補正されることが可能である。
本実施形態においてはカウントエリアの数として、横方向に20個を設定した場合を説明したが、このカウントエリアの数としては記録ヘッド101の温度上昇特性や、液滴サイズに応じて任意の分割数に設定することが可能である。たとえば図19に示すように、カウントエリアの分割数、サイズを走査ごとに異ならせるようにしても良いし、図20に示すように、カウントエリアのサイズを異ならせるように設定しても良い。
また図21で示すように、カウントエリアのサイズが同サイズの場合も総サイズが最大画像サイズより大きくなるように設定し、走査ごとにカウントエリアの境界位置をずらすように設定することも可能である。
さらに、本実施形態では、カウントエリアのサイズとそれに対応する記録エリアのサイズが等しい場合について説明したが、たとえば図22で示すように、カウントエリアと記録エリアのサイズが異なる場合においても十分適用可能である。この場合、カウントエリアによりカウントされたデータをもとに記録エリア内の画像データ補正をする場合、どちらかのエリアが重複して補正処理がされる。そのため、境界部分での補正効果の向上が可能である。
さらに本実施形態において画像データの補正方法として、多値の入力データの階調値を変更する手法について一例をあげて説明したが、多値の入力データの補正手法としてこれに限定されるものでない。
例えば、実施形態と同様に閾値マトリックスを用いる場合の他の手法として、図23に示す例を説明する。すなわち、このマトリクス2301では、マスクサイズをカウントエリアと同サイズであるが64×64画素とする。そしてマスク内を、例えば8×8画素ごとの単位マトリックスの集合体で構成し、マスク内の各単位マトリックスのマトリックッス位置に対し0から63までの数値を与える。同様に、2302で示すように、各単位マトリクス内についても各画素位置に対し0から63までの数値を与え、いわゆるサブマトリックス構成のマスクを用いることも可能である。
この場合、入力データの階調値の変更方法は、補正量に対し、単位マトリックスの番号順かつ単位マトリックッス内の番号順に従いその位置に対応する入力データの階調値を減らす処理をする。この処理を補正量に相当する値になるまで順に繰り返す。このようなサブマトリックスを用いることは、閾値マトリックスサイズ自体を小さいマスクで構成可能であるため、装置コストを重視する場合の手法として有効である。
さらに、閾値マトリックスの番号の割り振り方として、実施形態においては任意の番号における全配置の分散性が高くなるような割り振り方をしている。しかしながら、図24に示すように、番号の小さいものを走査方向に対し先行側に出現させ、番号が大きくなるに従い走査方向の後方へ出現するように割り振ることも可能である。この手法は、特にヘッドの温度上昇傾向が非常に高い特性を持つ場合、カウントエリアの境界部での急激な濃度変化を低減させるため効果的である。
この他に多値データを変更する手法として、エリア内の階調値の高いものから優先的に階調値を減らす方法等も適用可能である。
多値データの補正処理を用いることは、高画質が要求される写真調の画像記録に対する効果は非常に高いものであるので適用することは効果的である。本実施形態では、画像データの補正量の算出方法として、対象カウントエリア内のドットカウント数、横方向の積算ドットカウント数、記録開始から直前の走査の記録までで吐出した総ドットカウント数の3種類のカウント結果を元に補正量の算出を行行った。しかしながら、補正量の算出方法は、算出精度と装置コストを考慮したうえで最適なものを選択することが望ましい。
また、補正のタイミングについても本実施形態のように、一主走査分の記録データすべてに対する補正を実施してから記録動作を開始する方法について説明したが、当然これに限られるものではない。たとえば複数走査分のデータを常に先行して処理しておくような方法や、記録データの補正終了と同時にヘッドへ転送しリアルタイムに記録を実施する手法を用いることも可能である。つまり、記録時の記録速度、カウントエリアサイズ、ノズル数といった条件に応じて最適な手法を用いることが望ましい。
さらに本実施形態において、記録モードとして記録ヘッド101による全ヘッド幅の記録と紙送りを繰り返し行うことにより画像を完成させる1パス記録モードにより記録する場合について説明した。しかし、別の記録モードとして用いられるマルチパス記録モードに適用することも可能である。このマルチパス記録モードに適用する場合は、同一の記録領域に対し、複数回に分けて重ね打ちを行い記録したり、各走査当たりの記録ドット数が少ないことなどの条件を考慮して各パスにおける記録データの補正量を算出することが望ましい。
その他、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備えるインクジェット記録に適用できる。すなわち、熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式のインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置において優れた効果をもたらす。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である。特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加する。それにより、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他の構成も可能である。すなわち、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。また複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成の特開昭59−123670号公報や、熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成の特開昭59−138461号公報に基づく構成とすることも出来る。すなわち、記録ヘッドの形態にかかわらず、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことが可能である。
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドでも本発明は適用できる。あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。具体的には、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段を挙げることができる。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよい。また、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明の実施形態においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよい。あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。
さらに、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれも熱エネルギの記録信号に応じてインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始める等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されている。すなわち、インクは、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられる。その他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
<実施形態2>
本実施形態2に用いる記録ヘッド101、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法の各条件は、実施形態1と同様のものを用いた。補正に使用する閾値マトリックスマスクを図23に示すようなマトリックスを2段階に設定するメインマトリックスとサブマトリックスを用意し、それぞれ大ドット用閾値マトリックスマスクと小ドット用閾値マトリックスマスクを用意した。記録ヘッド101は各ノズルが1200dpi(約21.2μm)ピッチで大小交互に256ノズル配列されて大吐出量128ノズル、小吐出量128ノズルで構成されたノズル列が2組LC、SC、LM、SMとして構成される。また、LY、LBKは大吐出量のノズル列で構成され、1パスによる記録方法、および記録装置の構成も実施形態1と同様である。また各インク滴の体積、色材を含有するインク被プリント材も同様である。
記録データの補正方法についても実施形態1と同様に多値データの階調値のレベルを変更させる方法を用い、
使用する閾値マトリックスは、図23に示すようにマスクサイズをカウントエリアと同サイズであるが64×64画素とし、マスク内を8×8画素ごとの単位マトリックスの集合体で構成する。そして、マスク内の各単位マトリックスのマトリックス位置に対し、0から63までの数値を割り振る。同様に各単位マトリクス内についても各画素位置に対し、0から63までの数値を与えたマスクを用いた。大ノズル用のマトリックスの数値と小ノズル用のマトリックスの数値は反転して設定してあり、大ノズルと小ノズルは、排他的に順次減らされる位置が指定される。
本実施形態2の場合、入力データの階調値の変更方法は、各補正量に対し、単位マトリックスの番号順かつ単位マトリックッス内の番号順に従い、その位置に対応する入力データの階調値を1レベルずつ減らす。そして、この処理を補正量に相当する値になるまで順に繰り返す。
各サブマトリックス内部で、大ドットの多階調データを減らす順序と小ドットの多階調データを減らす順序を排他的になるように数字順序を決定した。マトリックスの種類は増えるが、サブマトリックス構成とすることでより簡易な構成をとることができる。
以上の構成により実施形態1と同様の処理ステップを用いて形成された画像1は、画像の全体に視認されるような濃度差、両端付近での濃度ムラがなくなる。さらに、大ドット、小ドットの多階調データが局在して減らされることに起因する粒状性の劣化がない良好な画像品質を得ることができた。
<実施形態3>
実施形態3は実施形態2と同様な構成、同様なインクジェット記録装置を用いて実施することが出来る。すなわち、各吐出量毎に多階調データをカウントし補正量を算出する代わりに、画像データに対してドットを減じることを行う。これにより、濃度の変化量の大きい吐出量の大きいノズルで記録する記録データをカウントし算出された補正比率をもとに小吐出量の画像記録データを同様に減じる処理が可能となる。多階調データを全ての吐出量でカウントする場合に比べて一部の吐出量の記録データをカウントするため処理負荷の軽減が可能になった。大吐出量の記録データの補正により必要十分な補正が可能となり、また大吐出量の補正比率を小吐出量の補正比率とすることである程度の補正までは可能であった。そのため、実施形態1には及ばないが、画像の全体に視認されるような濃度差、両端付近での濃度ムラがなく、さらに、大ドット、小ドットの多階調データが局在して減らされることに起因する粒状性の劣化がない良好な画像品質を得ることができた。
<実施形態4>
吐出量の大小の代わりに同系色でインク濃度の異なるインクを用意し、図26に示した全て同吐出量のヘッドを用いた。記録ヘッド2601は、256のノズルが配列されたノズル列2602が6組配置され、図の左から(明度の低い)濃シアン、(明度の高い)淡シアン、イエロー、ブラック、淡マゼンタ、濃マゼンタの順にインクが供給される。その他の構成については図1に示した記録ヘッド101と同様である。そなわち、各ノズル列2602は、インク供給路2605の両側に吐出口列2603が配列され、それぞれドットを記録用紙P上に記録できる。インクはインク供給路2605から各ノズル2603に対応して設けられたインク流路2604を介して供給される。
そして、画像データに基づきカラー画像を記録できるものである。実施形態1の処理を大吐出量の処理の代わりに、明度の低いインクの記録データの処理を行い、小吐出量の処理の変わりに明度の高いインクの記録データの処理を行った。本実施形態4においても、画像の全体に視認されるような濃度差、両端付近での濃度ムラがなく、さらに、明度の低いドットおよび明度の高いドットの多階調データが局在して減らされることに起因する粒状性の劣化がない良好な画像品質を得ることができた。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給しても達成可能である。すなわち、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性の半導体メモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合もある。
しかし、さらにそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる場合もあり得る。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の実施形態で使用可能な、インクジェット記録ヘッド吐出口の配置例を示す模式図である。 本発明の実施形態で使用可能な、記録ヘッドを用いて記録用紙上に記録を行うための記録装置の主要部の構成を示した図である。 本発明実施形態における液滴サイズによる記録領域を被覆すべきインクドットの数の説明図である。 本発明における粒状性の劣化を生む記録状態と、改善された記録状態の模式図である。 従来の1パス記録モードで高速なインク吐出による記録を行った際の記録状態を模式的に示す図である。 インクジェット記録装置において、1パス記録モードの任意の1スキャンにより記録濃度の異なる同一階調のベタ画像を記録した場合の記録領域の状態と、そのときの記録ヘッドの記録位置とヘッド温度および吐出量の変化の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態において、インクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 駆動パルスの条件を固定した場合における吐出量の温度依存性を示すグラフである。 本発明の実施形態に用いる入力画像を大小の吐出量で記録する画像変換の説明図である。 中間処理として4ビット(16階調)で表現される多値画像データをさらに1ビット(2階調)で表現される2値画像データへの変換の説明図である。 記録されたドットの状態を示した図である。 本発明の実施形態で用いられる、記録ドット数をカウントするためのカウントエリアおよび記録データのドット数を変更する記録エリアの概念を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態において、記録ドット数をカウントするためのカウントエリアおよび記録データのドット数を変更する記録エリアの分割状態を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態において、各走査ごとに行われる吐出量ごとの処理のフローである。 記録データのドット数をカウントする処理と、カウントした結果をもとに記録データを補正するための処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態において、記録データの任意の領域におけるデータに相当する多値の入力データを模式的に示したものである。 本発明の実施形態において、記録データの補正に用いる閾値マトリックスを示した図である。 本発明の実施形態において、閾値マトリックスの数値順に従い入力データの階調値を変更する処理を模式的に示した図である。 本発明の実施形態において、カウントエリアの分割方法として、分割数、サイズを走査ごとに異ならせるように設定した場合の、カウントエリアおよび記録データのドット数を変更する記録エリアの分割状態を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態において、カウントエリアの分割方法として、分割サイズを走査内で異ならせるように設定した場合の、カウントエリアおよび記録データのドット数を変更する記録エリアの分割状態を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態において、カウントエリアの分割方法として、走査ごとにカウントエリアおよび記録エリアの境界位置をずらすように設定した場合の、カウントエリアおよび記録データのドット数を変更する記録エリアの分割状態を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態において、カウントエリアと記録エリアのサイズが異なるよう設定した場合の、カウントエリアおよび記録データのドット数を変更する記録エリアの分割状態を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態において、記録データの補正に用いる他の閾値マトリックスを模式的に示した図である。 本発明の実施形態において、記録データの補正に用いる他の閾値マトリックスを模式的に示した図である。 本発明の実施形態において、閾値マトリックスの数値順に従い入力データの階調値を変更する処理を模式的に示した図である。 本発明の別の実施形態で用いられる記録ヘッドの説明図である。

Claims (7)

  1. 第1のサイズのドットを記録する第1の記録素子列と前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズのドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1のサイズのドットおよび第2のサイズのドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置において、
    前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割手段と、
    前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリア内の前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1のサイズの記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2のサイズの記録ドット数を取得する取得手段と、
    前記第1のエリア内の前記第1のサイズの記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2のサイズの記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更手段とを備え、
    前記画像データ変更手段は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データで階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定手段を含む、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記決定手段は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画素を決定した後に、前記第1の記録素子列に対する多階調画像データの階調値を減らす画素とは異なる画素から前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画素を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 第1のサイズのドットを記録する第1の記録素子列と前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズのドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1のサイズのドットおよび第2のサイズのドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置の記録制御方法において、
    前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割工程と、
    前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリアの前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1のサイズの記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2のサイズの記録ドット数を取得する取得工程と、
    前記第1のエリア内の前記第1のサイズの記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2のサイズの記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更工程とを備え、
    前記画像データ変更工程は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データで階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定工程を含む、ことを特徴とする記録制御方法。
  4. 第1の明度のドットを記録する第1の記録素子列と前記第1の明度よりも低い第2の明度のドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1の明度のドットおよび第2の明度のドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置において、
    前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割手段と、
    前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリア内の前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1の明度の記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2の明度の記録ドット数を取得する取得手段と、
    前記第1のエリア内の前記第1の明度の記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2の明度の記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更手段とを備え、
    前記画像データ変更手段は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データで階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定手段を含む、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 第1の明度のドットを記録する第1の記録素子列と前記第1の明度よりも低い第2の明度のドットを記録する第2の記録素子列とを有する記録ヘッドを前記第1の記録素子列および第2の記録素子列における複数の記録素子の配列方向とは異なる主走査方向に走査させ、1画素の階調表現を行うための前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データおよび前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データに基づいて前記第1の明度のドットおよび第2の明度のドットが混在した画素を含む画像を記録媒体上に記録するインクジェット記録装置の記録制御方法において、
    前記主走査方向における、前記記録ヘッドによる一主走査分の記録領域を複数の前記画素から成るエリアの複数に分割する分割工程と、
    前記複数のエリアにおいて着目する第1のエリア内の前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第1の明度の記録ドット数を取得し、前記第1のエリア内の前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データより当該エリア内の前記第2の明度の記録ドット数を取得する取得工程と、
    前記第1のエリア内の前記第1の明度の記録ドット数に応じて、記録走査中の次の第2のエリア内において、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らし、前記第1のエリア内の前記第2の明度の記録ドット数に応じて、前記第2のエリア内において、前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値を減らす画像データ変更工程とを備え、
    前記画像データ変更工程は、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データと前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データの階調値で階調値を減らす画素が互いに異なるように、前記第1の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素と前記第2の記録素子列に対応する多階調画像データにおいて階調値を減らす画素を決定する決定工程を含む、ことを特徴とする記録制御方法。
  6. 請求項3または5に記載されたインクジェット記録装置の記録制御方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  7. 請求項6に記載されたインクジェット記録装置の記録制御方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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