JP2974484B2 - 温度演算方法及び該方法を用いた記録装置 - Google Patents
温度演算方法及び該方法を用いた記録装置Info
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- JP2974484B2 JP2974484B2 JP1652692A JP1652692A JP2974484B2 JP 2974484 B2 JP2974484 B2 JP 2974484B2 JP 1652692 A JP1652692 A JP 1652692A JP 1652692 A JP1652692 A JP 1652692A JP 2974484 B2 JP2974484 B2 JP 2974484B2
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Description
物へのエネルギー供給に基づいて、該対象物の温度変動
を演算する温度演算方法、及び該方法を用いた記録装置
に関する。
ギーを熱に変換し、該変換熱エネルギーを利用した各種
製品が創造されている。このような熱エネルギーを利用
した製品に於いては、多くの場合該投入エネルギーによ
って対象物がどれほどの時間でどれほどの温度に到達す
るかが重要な管理項目となる。
ッドの吐出口からインク(記録液)滴を吐出飛翔させ、
これを被記録材に付着させて記録を行うインクジェット
記録装置を挙げて以下説明する。このインクジェット記
録装置は、高速記録、高解像度、高画像品質、低騒音な
どの要求に応えるものであり、ノズル内のインク中に熱
エネルギーを印加し発泡を生起し、該発泡力によって記
録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うため、イン
クの吐出の安定化、インクの吐出量の安定化は記録ヘッ
ドの温度に影響される部分が大きい。
にあっては、記録ヘッド部に、コストの高い温度センサ
−を設け、記録ヘッドの検出温度に基づいて該記録ヘッ
ドの温度を所望範囲に制御する方法や吐出回復処理を制
御する方法、いわゆるクロ−ズドル−プ制御が採られる
ものが一般的である。
に代表される可搬型のOA機器の登場により、可搬型の
プリンタ−等に於いても高品位なものが求められるよう
になってきており、上記温度制御の必要性は増大してき
ている。この様な可搬型のものについては、構造上、小
型化設計の為、特にヘッドやインクタンクが一体型にな
った交換可能タイプのものが今後さらに主流になってい
くと考えられる。又、ホ−ムパ−ソナルユ−スのワ−プ
ロ、パソコン、ファクシミリの増大によるメンテナンス
性の面からも、ますます交換可能なカ−トリッジタイプ
のものが主流になっていくと考えられる。
記録ヘッド部に接合した加熱用のヒ−タ部材や、熱エネ
ルギ−を利用して飛翔的液滴を形成し記録を行うインク
ジェット方式の記録装置、すなわち、インクの膜沸騰に
よる気泡成長によりインク液滴を吐出させるものに於い
ては吐出用ヒ−タが用いられる。この吐出用ヒ−タを用
いる場合には、発泡しない程度に通電する必要がある。
の温度センサーを用いて上記クローズドループ構成の温
度制御を厳密に行おうとした場合、大きくは以下の3つ
の問題が潜在する。
ジェット記録装置の場合に当てはめると、温度制御を行
う為に検出したい対象部位は厳密にはインクと接してい
るヒータ面温度や、ヒータ面と接触しているインク温度
である。しかし、温度センサーでは直接上記部位の温度
を検出することは困難であり、検出温度と検出したい部
位との間で時間的な遅れ、即ち応答性の問題が出る。
ある。代表的な温度センサーとしてはサーミスターや熱
電対等、温度に応じて抵抗値や起電力が変化するタイプ
のものであるが、該変動値を検出する際に生じる電気的
なノイズを完全に除去することは極めて困難である。
検出するには、サーミスターや熱電対の他に、検出値の
増幅器や静電対策部品など相応のコストアップにつなが
る。さらに、特に温度制御用の温度センサ−、ヒ−タ等
が交換可能なカ−トリッジに内蔵されてしまうタイプの
場合には、次の様な欠点を有していた。
制御測定値のバラツキ 交換可能なヘッドは消耗品であるがゆえに、プリンタ本
体側から見るとヘッド交換ごとに特性のバラついたセン
サ−が接続されることになってしまう。
し記録を行う記録ヘッドに於いては、吐出用ヒ−タ−が
半導体プロセスで作られている為に、記録ヘッドの温度
検出用のダイオ−ドセンサ−を同一のプロセスで作り込
んでしまうことがコストダウンの面から必須になってい
る。上記ダイオ−ドセンサ−は製造バラツキを有するた
め、選別品の温度センサ−のような精度がなく、環境温
度の測定値に於いて製造ロット間で15℃以上の差が生
じることがあった。
たクロ−ズドル−プ温度制御では、記録ヘッドの温度セ
ンサ−のバラツキを調整工程を入れて調整するか、測定
してランク付けしたものを本体に装置した後に調整用の
切り換えスイッチで補正するという煩雑な調整作業が必
要であった。
勝手の悪化は非常に大きいものとなる。又、それらに伴
う信号処理の増大、クロ−ズドル−プ制御そのものによ
るMPUの処理の大幅な増大は、小型・可搬タイプのプ
リンタ本体側装置設計上の大きな負荷となってしまう。
本体から頻繁に脱着を繰り返すことになる。そのために
本体装置側の接点が、常に露出することになる。又、温
度センサ−の出力が、交換可能なヘッドからキャリッジ
を通り、さらにフレキシブル配線を通してそのままの状
態で本体のプリント板上の回路まで導かれる為に、温度
測定回路は非常に静電気ノイズに弱い回路となる。又、
小型、可搬型に於いては、外装に充分なシ−ルド効果を
もたらせられない為、一層弱いものとなる。
ンサー一つの為に各所に静電シ−ルド、静電対策用パ−
ツを追加しなくてはならなくなり、小形化、コストダウ
ン、品質の点で不利である。
するためになされたもので、対象物に温度センサーを設
けることなく、対象物の温度変動を正確、高速に、演算
する温度演算方法を提供することを目的とする。
を設けることなく、記録ヘッドの温度を検出することの
できる記録装置を提供することを目的とし、更には、吐
出量の安定化や吐出の安定化等、記録の安定化を図るこ
とのできる記録装置を提供することにある。
化した場合にも記録ヘッドの温度を所望範囲に制御する
ことのできる記録装置を提供することにある。
するために、本発明は、投入するエネルギーに応じて変
動する対象物の温度を検出する温度演算方法において、
前記対象物へ単位時間当たりに投入するエネルギーに基
づく該対象物の単位経過時間毎の温度変動を離散値とし
て予め求め、前記単位経過時間毎の離散値を積み重ねる
ことによって、前記対象物の温度変動を演算することを
特徴とする。若しくは、複数の熱伝導時間の異なる部材
を組み合わせて構成され、記録を行うに際し温度変動を
伴う記録ヘッドを用いる記録装置において、前記記録ヘ
ッドにエネルギーを投入するエネルギー投入手段と、前
記記録ヘッドを複数の熱時定数でモデル化するモデル化
手段と、前記記録ヘッドに記録中の単位時間あたりに投
入されたエネルギーと、前記記録ヘッドの温度変動をモ
デル化した複数の熱時定数とに基づいて、記録中の前記
単位時間毎に前記記録ヘッドに投入されるエネルギーを
繰り返し演算する演算手段とを具備したことを特徴とす
る。
み合わせて構成されている記録ヘッドをモデル的に実際
よりも少い数の熱時定数で代用するモデル化手段と、該
モデル単位(熱時定数)毎に必要演算間隔と必要データ
保持時間を分けて個々に演算を行う演算アルゴリズム手
段と、熱源を複数設定し個々の熱源毎に上記モデル化単
位で昇温幅を演算し後に加え合わせてヘッド温度を演算
する複数熱源演算アルゴリズム手段を設けたことを特徴
とする。
理により過去から現在、未来にかけて正確に検出でき、
対象物温度に相関を持つ対象物温度センサ等を備えるこ
と無く最適な温度制御を行い得ることを特徴とするもの
である。概略的には、対象物の温度変化を対象物の熱時
定数と投入可能なエネルギーの範囲内で予め計算したマ
トリックスで評価する事により予測するものである。
つ高応答の記録ヘッドの温度推移に応じて、吐出量の安
定化や吐出の安定化等記録の安定化を図ることのできる
記録装置を提供することが可能になる。
して具体的に説明する。
演算アルゴリズムを適用して温度演算を行う温度演算シ
ステムの説明図である。図1に於いて、1は温度演算の
対象とする対象物であり、記録装置の場合は記録ヘッド
である。1Aは該対象物のうち温度演算を行う温度演算
対象点であり、記録装置の場合は記録ヘッドのうちイン
クと接しているヒータ面である。2は対象物1に熱を与
える熱源、5は温度演算を行い、且つ熱源2を制御する
制御部である。
の、対象物1の温度演算対象点1Aの温度推移を演算す
る温度演算アルゴリズムの詳細を説明する。
的には以下の熱伝達の式に準じる。
(1) ・加熱の途中から冷却 △temp=a{exp[−m(T−T1 )]−exp[−m*T]}……
(2) 但し、 temp ;対象物の昇温温度 a;熱源による対象物の平衡温度 T;経過時間 m;対象物の熱時定数 T1 ;熱源を取り去った時間 記録ヘッド等の対象物1を集中常数系として扱えば、理
論的には上記(1)、(2)式の組み合わせにより温度の挙動
を演算推定することは可能である。しかし、熱源がON
/OFFされる度、記録装置の場合は印字デューティー
に応じて上式(1)、(2) を展開していかねばならず、熱源
が頻繁にON/OFFされる系に於いては処理能力的に
実現が困難である。よって本発明では、上式を以下のよ
うに展開し応用している。
>+<2-3>+----+<2-n>と一致する。ここで、<2ーn> 式;時
刻0からtまで加熱し、時刻tからntまで加熱をOF
Fした場合の、時刻ntに於ける対象物の温度に等し
い。
し、時刻(n-2)tからntまで加熱をOFFした場合の、
時刻ntに於ける対象物の温度に等しい。
し、時刻(n-1)tからntまで加熱をOFFした場合の、
時刻ntに於ける対象物の温度に等しい。
場合の時刻ntに於ける対象物の温度に等しい。
は、対象物1の温度の挙動(昇温温度)を、単位時間あ
たりに投入されたエネルギーによって昇温した対象物1
の温度が、単位時間経過後毎に何度に降温していくかを
求め(各々の<2-1> 式、<2-2> 式、--- 、<2-n> 式に相
当)、現在の対象物1の温度は過去の各単位時間当たり
に昇温した温度が現時点に於いて何度に降温しているか
の総和を求める(<2-1>+<2-2>+----+<2-n>)ことにより
演算推定することが可能であることを示す。
図中、 横 軸 ; 経過時間 縦 軸 ; 昇温温度 曲線a ; 経過時間0〜t3 まで、Duty[X%]で熱源2を
駆動した場合の昇温カーブ 曲線b1; 経過時間 0 〜t1 まで、Duty[X%]で熱源2
を駆動し、以後駆動を中止した昇降温カーブ 曲線b2; 経過時間t1 〜t2 まで、Duty[X%]で熱源
2を駆動し、以後駆動を中止した昇降温カーブ 曲線b3; 経過時間t2 〜t3 まで、Duty[X%]で熱源
2を駆動した場合の昇温カーブ を示す。
3 時の熱源1の連続駆動時の到達温度[ta]を、[ta=tb1
+tb2+tb3]として求める。即ち、単位時間あたりに投入
されたエネルギーによって昇温した温度が、現時点に於
いて何度に昇降温しているかを求め(tb1,tb2,tb3 )、
その総和を演算することによって現時点の温度を推定す
る(求める)。
対象物1の昇降温の温度変化を、対象物1の熱時定数と
投入可能なエネルギーの範囲内で予め計算したマトリッ
クスを表化して設定しておくことにより、演算時間を格
段に減少させている。本実施例では印字dutyは2.
5%刻み、単位時間(温度推定間隔)は0.1秒とし
た。但し、ここでのdutyとは単位時間(本実施例で
は0.1秒)の間に熱源2が駆動(ON)されていた時
間の比を示す。尚、本実施例で使用する対象物は、経過
時間が1.5秒には単位時間あたりに昇温した温度はほ
ぼ0℃に降温する為、1.6秒経過以降の降温テーブル
は持たないが、熱伝導の遅い熱時定数を有する対象物の
場合には、昇温温度が0℃に降温し影響がなくなるまで
のテーブルを持つようにする。
用いて記録ヘッド温度を推定する制御について、図4の
テーブル及び図5のフローチャートを参照して説明す
る。
000で[0.1秒タイマー]がリセット/セットされ
る。そして、該タイマーセットと共に0.1秒間の熱源
駆動dutyをモニターし続ける。本実施例では前記の
通り熱源2の駆動(ON)時間を0.1秒で割った値か
ら0.1秒間の平均dutyを算出する(S1010、
S1020)。0.1秒刻みの、過去1.5秒間のdu
tyデータ(15個のデータ)と、予め設定されている
duty毎のヘッド温度昇降温テーブル(図3)から、
現在の対象物(記録ヘッド)の温度を積み重ね演算(S
1030)し、再びステップ1000に戻って0.1秒
タイマーをリセット/セットし、0.1秒間の印字ドッ
ト数のカウント状態に入る。
ね演算の例を、図4を参照して説明する。図4では、
0.1秒の経過時間ごとにduty(%)が100、1
00、95、0と変化した場合を示している。
は、dutyが100であるので、図3のdutyが1
00の欄の0.1秒刻みの15個のテーブル値を、メモ
リM1〜M15に設定する。この時、メモリM1の値が
その時点での対象物の温度であり、メモリM2〜M15
の値はその後の経過時間0.1秒ごとの対象物の温度を
示す。次に、経過時間0.2秒を示す同図bでは、メモ
リM1〜M15の値を左にシフトすることで、以前に投
入したエネルギーによるこの時点における対象物の温度
を設定すると共に、dutyが100であるので、同図
aと同様のテーブル値をメモリM1〜M15の値に加算
する。この時、やはり、メモリM1の値がその時点での
対象物の温度であり、メモリM2〜M15の値はその後
の経過時間0.1秒ごとの対象物の温度を示す。
cでは、メモリM1〜M15の値を左にシフトすると共
に、図3のdutyが95のテーブル値をメモリM1〜
M15の値に加算する。経過時間0.4秒を示す同図d
では、メモリM1〜M15の値を左にシフトすると共
に、図3のdutyが0のテーブル値をメモリM1〜M
15の値に加算する。この時、やはり、メモリM1の値
がその時点での対象物の温度であり、メモリM2〜M1
5の値はその後の経過時間0.1秒ごとの対象物の温度
を示す。
ルギーを印加する系に於いて、(1) 対象物の温度変
動を、単位時間当たりの離散値の積み重ねとして扱うこ
と、(2) 該離散値に応じた対象物の温度の温度変位
(変動)を、投入可能なエネルギーの範囲内で予め演算
しておきテーブル化すること、(3) さらには、該テ
ーブルが単位時間当たりの投入エネルギーと経過時間の
2次元のマトリックスで構成すること、で、温度を演算
しているため、
になる。
電気的ノイズ等の温度センサーの測定誤差をなくすこと
が可能になる。
る直接的、間接的なコストアップの問題を解消すること
が可能になる。
り、また将来に対象物に印加する投入エネルギーが判っ
ていれば、将来に渡っての対象物の温度の推移を予測す
ることもできるので、実際のエネルギー印加前に各種制
御を行うことが可能となり、より適切な制御を行うこと
ができる。また本アルゴリズムは主には、温度変動を予
め演算して作成したテーブルの参照と、データの加算演
算だけで温度演算が可能なので、演算制御も簡易とな
る。
ゴリズムをインクジェット方式の記録装置に応用した場
合の実施例について説明する。
好適なインクジェット記録装置IJRAの構成を示す斜
視図である。同図において、5001はインクタンク
(IT)であり、5012はそれに結合された記録ヘッ
ド(IJH)である。図2に示すように、5001のイ
ンクタンクと5012の記録ヘッドで一体型の交換可能
なカ−トリッジ(IJC)を形成するものである。50
14は、そのカ−トリッジ(IJC)をプリンタ−本体
に取り付けるためのキャリッジ(HC)であり、500
3はそのキャリッジを副走査方向に走査するためのガイ
ドである。
向に走査させるためのプラテンロ−ラである。5024
は、装置内の環境温度を測定するための温度センサ−で
ある。なお、キャリッジ5014には、記録ヘッド50
12に対して駆動のための信号パルス電流やヘッド温調
用電流を流すためのフレキシブルケ−ブル(図示せず)
が、プリンタ−をコントロ−ルするための電気回路(上
記温度センサ−5024等)を具備したプリント板(図
示せず)に接続されている。
029はインク滴を吐出するためのノズル部である。さ
らに、上記構成のインクジェット記録装置IJRAを詳
細に説明する。この記録装置IJRAは駆動モ−タ50
13の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5
009を介して回転するリ−ドスクリュ−5005の螺
旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン
(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動される。
5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわた
って紙をプラテン5000に対して押圧する。500
7、5008はフォトカプラでキャリッジHCのレバ−
5006のこの域での存在を確認してモ−タ5013の
回転方向切換等を行うためのホ−ムポジション検知手段
である。5016は記録ヘッドの前面をキャップするキ
ャップ部材5022を支持する部材で、5015はこの
キャップ内を吸引する吸引手段であり、キャップ内開口
5023を介して記録ヘッド5012の吸引回復を行
う。
019はこのブレ−ド5017を前後方向に移動可能に
する部材であり、本体支持板5018にこれらは支持さ
れている。ブレ−ドは、この形態でなく周知のクリ−ニ
ングブレ−ドが本例に適用できることはいうまでもな
い。また、5021は、吸引回復の吸引を開始するため
のレバ−で、キャリッジHCと係合するカム5020の
移動に伴って移動し、駆動モ−タからの駆動力がクラッ
チ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
引回復は、キャリッジHCがホ−ムポジション側領域に
きたときに、リ−ドスクリュ−5005の作用によって
それらの対応位置で所望の処理が行えるように構成され
ているが、周知のタイミングで所望の作動を行うように
すれば、本例にはいずれも適用できる。
のであり、支持体5300の上面に半導体製造プロセス
により形成されたヒ−タボ−ド5100が設けられてい
る。このヒ−タボ−ド5100に同一の半導体製造プロ
セスで形成された、記録ヘッド5012を保温し、温調
するための温調用ヒ−タ(昇温用ヒ−タ)5110が設
けられている。符号5200は前記支持体5300上に
配設された配線基板であって、該配線基板5200と温
調用ヒ−タ5110及び吐出用(メイン)ヒ−タ511
3とがワイヤ−ボンディング等により配線されている
(配線は不図示)。また、温調用ヒ−タ5110は、支
持体5300等にヒ−タボ−ド5100とは別のプロセ
スにより形成されたヒ−タ部材を貼りつけたものでもよ
い。
加熱されて発生したバブルである。5115は吐出され
たインク液滴を示す。5112は吐出用のインクが記録
ヘッド内に流入するための共通液室である。
実施例2について、図面を参照して具体的に説明する。
行うにあたり、環境温度を計測する環境温度センサを本
体側に持たせ、この環境温度に対する記録ヘッドの温度
の挙動を上述した計算処理により過去から現在、さらに
は未来にかけて全て知る事により、記録ヘッドの温度を
演算するものである。これによって、記録ヘッド温度に
相関を持つヘッド温度センサ等を備えることなく、最適
な温度制御、吐出制御を行い得ることを特徴とするもの
である。
ゴリズムにより演算したヘッド温度に基づいて、ヘッド
を昇温させるヒータ(サブヒータ)、及び吐出ヒータの
分割パルス幅変調駆動法(PWM駆動法)によりヘッド
を制御しようとするものである。この制御の駆動方法の
一つとしては、温度制御目標値との偏差の大きい場合に
サブヒータを用いて目標値近傍まで昇温させ、残りの温
度偏差分をPWM吐出量制御で吐出量が一定になるよう
に制御しようとするものがある。よって、高応答のヘッ
ドの吐出量制御手段であるPWMを用いるに当たり、ヘ
ッドの温度センサを用いた場合の様なセンサの位置によ
る温度検出の応答遅れやノイズ等による検出誤差等が計
算処理であるために発生せず、このメリットを最大限に
生かした制御が可能となるものである。これにより、上
述の様にヘッドの温度センサを有することなくライン内
のPWMを可能とする事ができ、1ライン内の濃度ムラ
やページ内の濃度ムラの解消を図る事が可能となる。
度変化をヘッドの熱時定数と投入可能なエネルギーの範
囲内で予め計算したマトリックスで評価する事により演
算する。記録ヘッドの温度の挙動を演算推定する具体的
な手段は、前記実施例1同様、加熱時には上式(1) の熱
伝達の式に、加熱の途中から冷却には上式(2) の熱伝達
の式に準じる。
例1同様、上記各式<2-1>、 <2-2> 、<2-3> 、 ---、<2-n>
のように展開する。すなわち、ヘッドの温度の挙動(昇
温温度)を、単位時間あたりに投入されたエネルギーに
よって昇温したヘッド温度が、単位時間経過後毎に何度
に降温していくかを求め(各々の<2-1> 式、<2-2> 式、-
--、<2-n>式に相当)、現在のヘッド温度は過去の各単位
時間あたりに昇温した温度が現時点に於いて何度に降温
しているかの総和を求める(<2-1>+<2-2>+---+<2-n> )
ことにより演算推定してる。また、ヘッドの昇降温の温
度変化の演算時間は、ヘッドの熱時定数と投入可能なエ
ネルギーの範囲内で予め計算したマトリックスを表化し
て設定しているので、実施例1と同様に格段に減少させ
ている。本実施例では、図9に示すように、印字dut
yは2.5%刻み、単位時間(温度推定間隔)は0.1
秒とした。
時間が60.0秒には単位時間当たりに昇温した温度は
ほぼ0℃に降温する為、60.1秒経過以降の降温テー
ブルは有していない。一方、熱伝導の遅い熱時定数を有
するヘッドの場合には、昇温温度が0℃に降温し、影響
がなくなるまでのテーブルを持つようにすることが好ま
しい。
施例の吐出量制御方法を詳細に説明する。図10は本実
施例にかかる分割パルスを説明するための図である。同
図において、VOPは駆動電圧、P1 は複数の分割された
ヒートパルスの最初のパルス(以下、プレヒートパルス
という)のパルス幅、P2 はインターバルタイム、P3
は2番目のパルス(以下、メインヒートパルスという)
のパルス幅である。T1 ,T2 ,T3はP1 ,P2 ,P3
を決めるための時間を示している。駆動電圧VOPは、
この電圧を印加される電気熱変換体がヒータボードと天
板とによって構成されるインク液路内のインクに熱エネ
ルギーを発生させるために必要な電気エネルギーを示す
ものの一つである。その値は電気熱変換体の面積,抵抗
値,膜構造や記録ヘッドの液路構造によって決まる。分
割パルス幅変調駆動法は、P1 ,P2 ,P3 の幅で順次
パルスを与えるものであり、プレヒートパルスは、主に
液路内のインク温度を制御するためのパルスであり、本
発明の吐出量制御の重要な役割を荷っている。このプレ
ヒートパルス幅はその印加によって電気熱変換体が発生
する熱エネルギーによってインク中に発泡現象が生じな
いような値に設定される。
とメインヒートパルスが相互干渉しないように一定時間
の間隔を設けるため、およびインク液路内インクの温度
分布を均一化するために設けられる。メインヒートパル
スは液路内のインク中に発泡を生ぜしめ、吐出口よりイ
ンクを吐出させるためのものであり、その幅P3 は電気
熱変換体の面積,抵抗値,膜構造や記録ヘッドのインク
液路の構造によって決まる。
ような構造の記録ヘッドにおけるプレヒートパルスの作
用について説明する。同図(A)および(B)は、本発
明を適用可能な記録ヘッドの一構成例を示すそれぞれイ
ンク液路に沿った概略縦断面図および概略正面図であ
る。同図において、電気熱変換体(吐出ヒータ)は上記
分割パルスの印加によって熱を発生する。この電気熱変
換体はこれに分割パルスを印加するための電極配線等と
ともにヒータボード上に配設される。ヒータボードはシ
リコンにより形成され、記録ヘッドの基板をなすアルミ
板によって支持される。天板には、インク液路等を構成
するための溝が形成されており、天板とヒータボード
(アルミ板)とが接合することによりインク液路や、こ
れにインクを供給する共通液室が構成される。また、天
板には吐出口が形成され、それぞれの吐出口にはインク
液路が連通している。
動電圧 VOP=18.0(V),メインヒートパルス幅
P3 =4.114[μsec]とし、プレヒートパルス
幅P1 を0〜3.000[μsec]の範囲で変化させ
た場合、図12に示すような吐出量Vd [ng/do
t]とプレヒートパルス幅P1 [μsec]との関係が
得られる。
を示す線図であり、図において、V0 はP1 =0[μs
ec]のときの吐出量を示し、この値は図11に示すヘ
ッド構造によって定まる。因に、本実施例でのV0は環境
温度TR =25℃の場合でV0 =18.0[ng/do
t]であった。図12の曲線aに示されるように、プレ
ヒートパルスのパルス幅P1 の増加に応じて、吐出量V
d はパスル幅P1 が0からP1LMTまで線形性を有して増
加し、パルス幅P1 がP1LMTより大きい範囲ではその変
化が線形性を失い、パルス幅P1MAXで飽和し最大とな
る。
吐出量Vd の変化が線形性を示すパルス幅P1LMTまでの
範囲は、パルス幅P1 を変化させることによる吐出量の
制御を容易に行える範囲として有効である。因に、曲線
aに示す本実施例ではP1LMT=1.87[μsec]で
あり、このときの吐出量はVLMT =24.0[ng/d
ot]であった。また、吐出量Vd が飽和状態となると
きのパルス幅P1MAXはP1MAX=2.1[μsec]であ
り、このときの吐出量VMAx =25.5[ng/do
t]であった。
Vd はVMAX より小さくなる。この現象は上記範囲のパ
ルス幅を有するプレヒートパルスが印加されると電気熱
変換体上に微小な発泡(膜沸騰の直前状態)を生じ、こ
の気泡が消泡する前に次のメインヒートパルスが印加さ
れ、上記微小気泡がメインヒートパルスによる発泡を乱
すことによって吐出量が小さくなる。この領域をプレ発
泡領域と呼び、この領域ではプレヒートパルスを媒介に
した吐出量制御は困難なものとなる。
範囲の吐出量とパルス幅との関係を示す直線の傾きをプ
レヒートパルス依存係数と定義すると、プレヒートパル
ス依存係数:KP は KP = ΔVdP / ΔP1 [ng/μsec・dot] となる。この係数KP は温度によらずヘッド構造・駆動
条件・インク物性等によって定まる。すなわち、図12
中曲線b,cは他の記録ヘッドの場合を示しており、記
録ヘッドが異なるとその吐出特性が変化することが分か
る。このように、記録ヘッドが異なるとプレヒートパル
スP1の上限値P1LMTが異なるため、後述するように記
録ヘッド毎の上限値P1LMTを定めて吐出量制御を行う。
因に,本実施例の曲線aで示される記録ヘッドおよびイ
ンクにおいては、KP =3.209[ng/μsec・
dot]であった。
する別の要因として、記録ヘッドの温度(インク温度)
がある。図13は吐出量の温度依存性を示す線図であ
る。同図の曲線aに示すように、記録ヘッドの環境温度
TR (=ヘッド温度TH )の増加に対して吐出量Vd は
直線的に増加する。この直線の傾きを温度依存係数と定
義すると、温度依存係数:KT は KT = ΔVdT / ΔTH [ng/℃・dot] となる。この係数KT は駆動条件にはよらず、ヘッドの
構造・インク物性等によって定まる。図13においても
他の記録ヘッドの場合を曲線b,cに示す。因に本実施
例の記録ヘッドにおいてはKT =0.3[ng/℃・d
ot]であった。
いることによって,本実施例にかかる吐出量制御を行う
ことができる。
するインクジェット記録装置に於いて、上記実施例1に
加えて、(4) 温度演算アルゴリズムによって演算さ
れたヘッド温度に応じて、ヘッドを昇温させるヒータ
(サブヒータ)及び吐出ヒータの分割パルス幅変調駆動
法(PWM駆動法)等によりヘッドを制御すること、に
より、 4、 ヘッド温度を制御することが可能となり、吐出の
安定化及び吐出量の制御が可能になる。また、PWM制
御などライン内の吐出制御が可能となり1ライン内の濃
度ムラやページ内の濃度ムラの解消を図る事が可能とな
る。
であり、また将来にヘッドに印加する投入エネルギーが
判っていれば、将来に渡ってのヘッドの温度の推移を予
測することができるので、実際のエネルギー印加前に各
種制御を行うことが可能となり、より適切な制御を行う
ことができる。
演算して作成したテーブルの時間軸は等差数列となって
いるが、必ずしも等差である必要はない。即ち、テーブ
ルの為のメモリーを節約する為に、温度変化の微少な領
域では既演算テーブルの時間軸を荒く設定しておき、各
単位時間の昇降温データは前後のデータから演算推定す
る手段であっても良い。
ゴリズムを複写装置に応用した場合の実施例について説
明する。図14は、本発明が実施もしくは適用される好
適な複写装置の熱定着ローラの斜視図である。同図に於
いて、2は定着上ローラ3aに熱エネルギーを印加する
熱源であり、3bは定着上ローラの対ローラである定着
下ローラであり、Pは記録媒体である。図中矢印は記録
媒体Pの搬送方向を現す。
像が不図示の転写ドラム上に描かれ、該静電気的潜像上
に記録材であるトナーが乗り、該転写ドラム上のトナー
を記録媒体に転写する。その後、未定着トナーが乗った
記録媒体は熱定着ローラ上を通過することにより定着が
完了し、装置外へ排出される。即ち、熱定着ローラ上を
通過する時点で、熱定着ローラの熱によりトナーが融解
し圧を掛けられることにより記録媒体上に定着する。
記録媒体に確実に定着させる為に、上記熱定着ローラの
温度管理は重要な要素である。よって、一般的には定着
ローラの表層に温度センサーを設けて、該温度センサー
の検出値に応じて熱源をON/OFFする制御が行われ
ている。この様に、複写装置の定着器に温度センサーを
用いての温度制御を行う場合、前記のような弊害が懸念
される。
アルゴリズムにより熱定着ローラの温度推移を演算し、
該演算値に応じて温度制御を行うことで、上記弊害の発
生を防止しようとするものである。
は、概略的には実施例1、2同様、定着ローラの温度変
化を定着ローラの熱時定数と投入可能なエネルギーの範
囲内で予め計算したマトリックスで評価する事により演
算するものである。
体的な手段は、実施例1、2と同様の熱伝達の式に準じ
る。また、演算処理を簡易にするためこの式を実施例
1、2同様に展開し、定着ローラの温度の挙動(昇温温
度)を、単位時間あたりに投入されたエネルギーによっ
て昇温した定着ローラ温度が、単位時間経過後毎に何度
に降温していくかを求め、現在の定着ローラ温度は、過
去の各単位時間あたりに昇温した温度が現時点に於いて
何度に降温しているかの総和を求めることにより、演算
推定することが可能になる。
算時間は、定着ローラの熱時定数と投入可能なエネルギ
ーの範囲内で予め計算したマトリックスを表化して設定
しておくことで、格段に減少させている。本実施例で
は、図15に示す様に、定着ローラの駆動dutyは5
%刻み、単位時間(温度推定間隔)は5秒とした。
経過時間が60.0秒には単位時間当たりに昇温した温
度はほぼ0℃に降温する為、65秒経過以降の降温テー
ブルは有していないが、熱伝導の遅い熱時定数を有する
定着ローラの場合には、昇温温度が0℃に降温し、影響
がなくなるまでのテーブルを持つようにすることが好ま
しい。
の方法は、上限温度(U)と下限温度(L)を予め設定
して於き、該設定温度範囲から熱定着ローラの温度が逸
脱した時点で熱源2のON/OFFを行う。
を印加する複写装置に於いて、上記実施例1に加えて、
(5) 温度演算アルゴリズムによって演算された熱定
着ローラの温度に応じて、熱定着ローラを昇温させる熱
源を制御すること、により、 5、 熱定着ローラの温度を適確に制御することが可能
となり、定着性の信頼性を向上することが可能になる。
様、演算テーブルの時間軸は等差数列となっているが、
必ずしも等差である必要はない。テーブルの為のメモリ
ーを節約する為に、温度変化の微少な領域では演算テー
ブルの時間軸を荒く設定しておき、各単位時間の昇降温
データは前後のデータから演算推定する手段であっても
良い。また、記録媒体の通過等を要因として、演算テー
ブルの昇降温データに補正係数を乗じる等、定着ローラ
の昇降温勾配に最適な補正を掛けても良い。
種々の制御手法は、本発明に於ける温度演算アルゴリズ
ムを用いる場合にも同様に応用することができる。また
個々の熱源制御手段は公知の技術であるので詳細な説明
は省略する。
を記録装置に適用した実施例4について、図面を参照し
て具体的に説明する。
ンクジェット記録装置にあっては、記録ヘッドの温度を
一定領域内に制御する事によって吐出、吐出量の安定化
が図られ、高画像品位の記録が可能になる。該安定した
高画像品位の記録を実現する為の、記録ヘッドの温度の
演算検出手段、該温度に応じた最適駆動制御方法等の概
要を以下に記す。
ッドのチップ温度を制御の基準とする。即ちヘッドのチ
ップ温度を、その時点で吐出している1ドットあたりの
吐出量を検出する代用特性としている。しかし、チップ
温度が一定であってもタンク内のインク温度は環境温度
に依存するので吐出量は異なる。この差異を解消する目
的で、環境温度別に(即ち、インク温度別に)吐出量が
同等になるヘッドのチップ温度を定めた値が目標温度で
ある。目標温度は目標温度テーブルとして予め設定して
おく。本実施例で使用する目標温度テーブルを図16に
示す。
る。温度演算方法としては、記録ヘッドの温度推移を単
位時間当たりの離散値の積み重ねとして扱うもので、該
離散値に応じた記録ヘッドの温度の温度推移を投入可能
なエネルギーの範囲内で予め演算してテーブル化してお
く。ここで、このテーブルを単位時間当たりの投入エネ
ルギーと経過時間の2次元のマトリックス(2次元テー
ブル)で構成しておく。
ズム手段に於いては、複数の熱伝導時間の異なる部材を
組み合わせて構成されている記録ヘッドを、実際よりも
少い数の熱時定数で代用してモデル化し、該モデル単位
(熱時定数)毎に必要演算間隔と必要データ保持時間を
分けて個々に演算を行う。さらには、熱源を複数設定
し、個々の熱源毎に上記モデル化単位で昇温幅を演算
し、これを後に加え合わせてヘッド温度を演算すること
を特徴とする。
せず、投入エネルギーから演算推定する理由は、 センサーを用いるよりも演算推定した方がレスポン
スに優れる。
出来る。
の吐出駆動、サブヒータ駆動の基準となる。
るチップ温度で駆動が行われれば吐出量の安定化は図ら
れる。しかしながら、チップ温度は印字duty等に応
じて時々変動しており一定ではない。そのため、吐出量
の安定化を図る目的でヘッドの駆動をマルチパルスPW
M駆動にし、温度に依存させずに吐出量の制御を行う手
段がPWM制御である。本実施例では、ヘッド温度とそ
の環境下での目標温度との差により、その時点で最適な
波形/幅のパルスを規定したPWMテーブルを予め設定
して於き、吐出駆動条件を定めている。
に、印字の直前にサブヒータを駆動することによってヘ
ッド温度を目標温度に近づける制御が、サブヒータ制御
である。ヘッド温度とその環境下での目標温度との差に
より、その時点で最適なサブヒータ駆動時間を予め設定
して於き、サブヒータの駆動条件を定めている。
詳細を以下に記す。
度変化をヘッドの熱時定数と投入可能なエネルギーの範
囲内で予め計算したマトリックスで評価する事により演
算する。記録ヘッドの温度の挙動を演算推定する具体的
な手段は、前記実施例2同様、加熱時には上式(1) の熱
伝達の式に、加熱の途中から冷却には上式(2) の熱伝達
の式に準じる。
数の熱時定数毎に印字Dutyに応じて上記(1),(2) を
計算する事により、理論上は記録ヘッドのチップ温度は
推定できる。
算をそのまま行う事は困難である。
数を持っており、また部材間で時定数が生じるので、演
算回数が膨大になる。
えないので、近似計算を行うか、換算表から求めるなど
しなくてはならず、演算時間が短縮できない。
化、及び演算アルゴリズムで解決している。
を投入し、該記録ヘッドの昇温過程のデータをサンプリ
ングしたところ、図17に示すような結果を得た。上記
構成よりなる記録ヘッドは、厳密には多くの熱伝導時間
の異なる部材の組み合わせで構成されているが、同図
は、上記ログ変換を行った昇温データと経過時間の関数
の微分値が一定である範囲に於いては(即ち、傾きが一
定であるA、B,Cの範囲に於いては)、実用上単一部
材の熱伝導として扱えることを示している。
するモデルに於いては記録ヘッドを2つの熱時定数で取
り扱うこととする。なお、上記結果では、3つの熱時定
数を持つモデル化を行う方がより正確に回帰が行えるこ
とを示しているが、同図のBとCのエリアに於ける傾き
がほぼ等しいと判断し、演算効率を優先して本実施例で
は2つの熱時定数で記録ヘッドをモデル化している。具
体的には、一方の熱伝導は0.8秒で平衡温度まで昇温
する時定数を有するもののモデル化であり(同図ではA
の領域に相当)、もう一方は512秒で平衡温度まで昇
温する時定数を有するもののモデル化である(同図では
B及びCの領域のモデル化である)。
ように扱いモデル化する。
し、全て集中定数系で扱う。
ータのヒートの2つを想定する。図18に、本実施例で
モデル化した熱伝導の等価回路を示す。同図において
は、熱源を1つしか示していないが、2つの場合は直列
の構成とすれば良い。
るため前記実施例2同様、上記各式<2-1>、 <2-2> 、<2-3
> 、 ---、<2-n> のように展開する。すなわち、ヘッドの
温度の挙動(昇温温度)を、単位時間あたりに投入され
たエネルギーによって昇温したヘッド温度が、単位時間
経過後毎に何度に降温していくかを求め(各々の<2-1>
式、<2-2> 式、---、<2-n>式に相当)、現在のヘッド温度
は過去の各単位時間あたりに昇温した温度が現時点に於
いて何度に降温しているかの総和を求める(<2-1>+<2-2
>+---+<2-n> )ことにより演算推定してる。
より記録ヘッドのチップ温度の演算は4回(熱源2*熱
時定数2)行う。4回の演算の為のそれぞれの必要演算
間隔、データ保持時間は図19に示す通りである。ま
た、前記ヘッド温度を演算する投入エネルギーと経過時
間の2次元のマトリックスからなる演算表を、図20か
ら図23に示す。ここで、図20は、熱源;吐出ヒー
タ、時定数;ショートレンジの部材群、の演算表、図2
1は、熱源;吐出ヒータ、時定数;ロングレンジの部材
群、の演算表、図22は、熱源;サブヒータ、時定数;
ショートレンジの部材群、の演算表、図23は、熱源;
サブヒータ、時定数;ロングレンジの部材群、の演算
表、である。
(1)ショートレンジで代表される熱時定数の部材が、
吐出の為のヒータの駆動で何度昇温しているか(△Tm
h)、(2)ショートレンジで代表される熱時定数の部
材が、サブヒータの駆動で何度昇温しているか(△Ts
h)、1.0秒間隔で、(3)ロングレンジで代表され
る熱時定数の部材が、吐出の為のヒータの駆動で何度昇
温しているか(△Tmb)、(4)ロングレンジで代表
される熱時定数の部材が、サブヒータの駆動で何度昇温
しているか(△Tsb)、以上の演算を適時行い、△T
mh、△Tsh、△Tmb、△Tsbを加え合わせる事
によって(=△Tmh+△Tsh+△Tmb+△Ts
b)、その時点でのヘッド温度を演算する事が出来る。
部材を組み合わせて構成されている記録ヘッドを、モデ
ル的に実際よりも少い数の熱時定数で代用することによ
り、・ 忠実に全ての熱伝導時間の異なる部材及び部材
間の熱時定数別に演算処理を行うのと比較して、演算精
度をさほど落とすことなく格段に演算処理量を減少する
ことができる。
化したことにより、少ない処理回数で、且つ演算精度を
落とさずに演算処理することが可能となる。例えば、上
記の例で説明すれば、時定数毎にモデル化をしなかった
場合、必要演算処理間隔は時定数の小さいA領域で定ま
るため、50msecが必要演算間隔になる。一方、離
散化データのデータ保持時間は時定数の大きいB,C領
域で定まるため、512secが必要データ保持時間と
なる。即ち、50msec間隔で過去512秒分の10
240データを積み上げ演算処理することとなり、本実
施例の場合と比較して数百倍の演算処理回数となる。
演算アルゴリズムに加え、本実施例では、複数の熱伝導
時間の異なる部材を組み合わせて構成されている記録ヘ
ッドを、モデル的に実際よりも少い数の熱時定数で代用
し、該モデル単位(熱時定数)毎に必要演算間隔と必要
データ保持時間を分けて個々に演算を行い、さらには、
熱源を複数設定し個々の熱源毎に上記モデル化単位で昇
温幅を演算し、後に加え合わせてヘッド温度を演算する
(複数熱源演算アルゴリズム)ことにより、記録ヘッド
に温度センサ−は設けることなく、安価な記録装置に於
いても記録ヘッドの温度の推移を全て演算にて処理する
ことが可能となる。
量域内に制御するPWM駆動制御、サブヒータ制御が適
切に行え、吐出、吐出量の安定化が図られ、高画像品位
の記録が可能になる。
い、本実施例で説明したヘッド温度演算方法で推定した
記録ヘッド温度と、実測した記録ヘッド温度の比較を図
24に記す。同図に於いて、 横 軸 ; 経過時間(sec) 縦 軸 ; 昇温温度(△t) 印字パターン;(25%Duty*5Line + 50%Duty*5Line + 10
0%Duty*5Line)*5回(延べ75Line印字) 図24(A);ヘッド温度演算手段で推定した記録ヘッ
ド温度の推移 図24(B);実測した記録ヘッド温度の推移 であり、同図から、該温度演算方法によりヘッド温度が
正確に推定できる事が分かる。
同様にダブルパルスでのPWM駆動制御を行っている
が、トリプルパルス等マルチパルスであっても良く、ま
た、シングルパルスでメインパルス幅を変調するメイン
パルスPWM駆動方式であっても良い。
標温度とヘッド温度の温度差(△T)から、一元的にP
WM値が設定されるよう制御する。該△TとPWM値の
関係を図25に示す。同図中、「温度差」とは上記△T
を現し、「プレヒート」とは上記P1を現し、「インタ
ーバル」とは上記P2を現し、「メイン」とは上記P3
を現す。また「セットアップタイム」とは記録命令が入
力されてから実際に上記P1が立ち上がるまでの時間を
示す。主には、ドライバーの立ち上がりまでの余裕時間
であり、本発明の要部をなす値ではない。また「重み」
とは、ヘッド温度を演算する為に検出する印字ドット数
に掛け合わせる重み係数である。同じドット数を印字し
ていても、例えば7μsのパルス幅で印字しているのと
4.5μsのパルス幅で印字しているのとでは、ヘッド
温度の昇温に差が生じてしまう。このパルス幅変調に伴
う昇温の差を、どのPWMテーブルが選択されているか
によって補正する手段として、該「重み」を用いる。
行っても、なお実吐出量が基準吐出量を下回る場合に
は、印字直前にサブヒータ駆動を行い吐出量を基準吐出
量に合わせ込む。サブヒータの駆動時間は、目標温度と
実ヘッド温度の差(△t)に応じてサブヒータテーブル
から設定される。サブヒータテーブルは「急加速サブヒ
ータテーブル」と「ノーマルサブヒータテーブル」の2
種類あり、以下に示す条件により使い分ける(図26参
照)。
終了点から10sec以上経過していた場合には、「急
加速サブヒータテーブル」を用いる。10sec未満の
場合には、「ノーマルサブヒータテーブル」を用いる。
開して5sec以上経過後は、「ノーマルサブヒータテ
ーブル」を用いる。5sec未満の場合には、上記印字
開始時に用いたテーブルを継承する。即ち、急加速サブ
ヒータテーブルを用いていた場合には「急加速サブヒー
タテーブル」を用い、ノーマルサブヒータテーブルを用
いていた場合には「ノーマルサブヒータテーブル」を用
いる。
ヒータテーブルを用いる理由は、サブヒータによる吐出
量制御手段は、ヘッド温度を上げることによって吐出量
を制御する手法なので昇温には時間を要し、キャリッジ
のランプアップ時間内に所望の昇温が完了しなかった場
合には、印字の開始を遅らせて昇温の為の時間を費やさ
ねばならず、スループットを低下させる弊害があるから
である。
す。図中、「温度差」とは目標温度と実ヘッド温度の差
(△t)を現し、「LONG」とは急加速サブヒータテ
ーブルを現し、「SHORT」とはノーマルサブヒータ
テーブルを現す。
を用いて制御系全体の流れを説明する。
サブヒータ駆動時間を設定するための割り込みルーチン
である。本割り込みルーチンは50msec毎に発生す
る。よって、印字中なのか休止中なのか、またサブヒー
タの駆動が必要な環境なのか不要な環境なのかには関係
なく、常に50msec毎にPWM値、サブヒータ駆動
時間が更新される。
と、直前までの50msec間の印字duytが参照さ
れる(S2010)。但し、この時参照される印字du
tyとは(PWM制御)の項で説明した様に、実際に吐
出したドット数にPWM値毎の重み係数が掛け合わされ
た値である。該50msec間のdutyと過去0.8
秒間の印字履歴から熱源が吐出ヒータで、時定数がショ
ートレンジの部材群の昇温温度(△Tmh)を演算する
(S2020)。次に、同様に50msec間のサブヒ
ータの駆動dutyが参照され(S2030)、該50
msec間のサブヒータの駆動dutyと過去0.8秒
間のサブヒータの駆動履歴から熱源がサブヒータで、時
定数がショートレンジの部材群の昇温温度(△Tsh)
を演算する(S2040)。そして、後述するメインル
ーチンで計算されている、熱源が吐出ヒータで、時定数
がロングレンジの部材群の昇温温度(△Tmb)と、熱
源がサブヒータで、時定数がロングレンジの部材群の昇
温温度(△Tsb)を参照し、それらを加え合わせる事
によって(=△Tmh+△Tsh+△Tmb+△Ts
b)ヘッド温度を算出する(S2050)。
定し(S2060)、ヘッド温度と目標温度との温度差
(△T)を求める(S2070)。該温度差△TとPW
Mテーブルから、△Tに応じた最適ヘッド駆動条件であ
るPWM値を設定する(S2080)。また、選択した
サブヒータテーブル(S2090)に基づいて、該温度
差△Tに応じた最適ヘッド駆動条件であるサブヒータ駆
動時間を設定する(S2100)。以上で、割り込みル
ーチンを終了する。
S3010で印字命令が入ると過去1秒間の印字dut
yを参照する(S3020)。但し、この時参照される
印字dutyとは、(PWM制御)の項で説明した様に
実際に吐出したドット数にPWM値毎の重み係数が掛け
合わされた値である。該1秒間のdutyと過去512
秒間の印字履歴から熱源が吐出ヒータで、時定数がロン
グレンジの部材群の昇温温度(△Tmb)を演算し、5
0msec毎の割り込み時に容易に参照できるように定
められたメモリー位置に格納更新する(S3030)。
次に、同様に1秒間のサブヒータの駆動dutyが参照
され(S3040)、該1秒間のサブヒータの駆動du
tyと過去512秒間のサブヒータの駆動履歴から熱源
がサブヒータで、時定数がロングレンジの部材群の昇温
温度(△Tsb)を演算する。△Tmbを格納更新した
場合と同様、50msec毎の割り込み時に容易に参照
できるように定められたメモリー位置に格納更新する
(S3050)。
毎に更新されていくPWM値、及びサブヒータ駆動時間
に従って、まずサブヒータの駆動を行い(S306
0)、その後1行分の印字を行う(S3070)。
御するためにダブルパルス、シングルパルスのPWMを
用いたが、トリプルパルス以上のパルスのPWMを用い
ても良い。また、ヘッドチップ温度が印字目標温度より
も高温で、小さいエネルギーのPWMで駆動していても
ヘッドチップ温度を低下出来ない時などには、キャリッ
ジの走査速度を制御しても良く、またはキャリッジの走
査開始タイミングを制御しても良い。
となく将来のヘッド温度を予測することができるので、
実際の印字前に種々のヘッド制御を行うことが可能とな
り、より適切な記録を行うことができる。また、モデル
が簡素化されており、且つ演算アルゴリズムが容易な計
算の積み重ねによるものであるので、予測制御も簡易と
なる。本実施例内で用いている温度予測のサイクル(5
0msec間隔と1sec間隔)等の定数は一例であ
り、本発明を拘束するものではない。
いて印字比率(以下、印字dutyという)から現在の
温度を推定し、吐出の安定化を図るために回復シーケン
スを制御する方法について説明する。なお、上述したP
WM制御を行わない時には、印字dutyは通電比率に
等しい。
て、現在のヘッドの温度を印字dutyから推定して、
ヘッドの推定温度に応じて吸引条件を変えている。吸引
条件の制御は吸引圧(初期ピストン位置)ないしは吸引
量(体積変化量あるいは負圧保持時間)によって行われ
る。図30に負圧保持時間と吸引量のヘッド温度依存性
を示す。一定の区間は負圧保持時間によって吸引量を制
御できるが、それ以外では吸引量は負圧保持時間によら
なくなる。また、印字dutyから推定したヘッド温度
によって吸引量は影響されるが、ヘッド推定温度に応じ
て負圧保持時間を変化させる。このようにすることでヘ
ッド温度が変化する場合でも吐出量を一定(最適量)に
維持でき、吐出の安定化を図れる。
ッドの配列に応じた放熱補正を行うことにより、ヘッド
温度の推定をより正確に行う。キャリッジ端部は中央部
に比べて放熱しやすく、温度分布にばらつきが生じてし
まうため、温度に大きく影響される吐出もばらついてし
まう。そこで、端部での放熱を100%、中央部での放
熱を95%として補正している。この補正によって熱的
なばらつきを防いで、安定した吐出を可能としている。
さらに、ヘッド毎にヘッドの特徴や状態に応じて吸引条
件を変えても良い。
度降下推定を行う。環境温度とヘッド温度との差がある
場合、吸引によって高温状態のインクは排出され、イン
クタンクから新たに低温のインクが供給される。その供
給されたインクによって高温状態のヘッドは冷却され
る。図31に環境温度とヘッド推定温度との差と吸引時
の温度降下補正を示す。印字dutyからヘッド温度を
推定する場合、環境温度との差から吸引時の温度降下を
補正することができ、吸引後のヘッド温度も同時に予測
することができる。
の温度推定が必要となる。インクタンクはヘッドに密接
しているため、吐出による温度上昇がインクタンクへ影
響を与える。そこで過去10分間の温度平均からインク
タンク温度を推定している。これにより、吸引時の温度
降下にフィードバックすることができる。
ンクタンクが離れているため、供給されるインクの温度
が環境温度と等しく、インクタンクの温度予測しなくと
も良い。
合には、インクが高温状態の時に吸引しても吸引量が多
くなってしまうため、液面引き上げ効果が期待できなく
なり、インクの供給不良の原因となってしまう可能性も
ある。そこで印字dutyから予測されるヘッド温度が
高温である時、吸引回数増やして十分に液面引き上げ効
果があるようにする。図33に環境温度とヘッド推定温
度との差と吸引回数の関係を示す。ヘッドの推定温度と
環境温度との差があるほど吸引回数を多くするように設
定している。これによって液面引き上げ効果が損なわれ
ないようにしている。
ッド温度を印字dutyから推定しているが、本実施例
ではヘッドの推定温度に応じて予備吐出条件を変化させ
ている。
てしまい、無駄な予備吐出をしてしまう可能性がある。
そこで、このような場合には予備吐出のパルス幅を小さ
くするように制御すれば良い。図34にヘッド推定温度
とパルス幅の関係を示す。高温時ほど吐出量は増えるの
で、パルス幅を小さくして吐出量を抑制している。
きが大きくなるため、予備吐出数分布を最適にする必要
がある。図35にヘッド推定温度と予備吐出のパルス数
の関係を示す。常温時でもノズル端部と中央部では予備
吐出数に差をもたせて、温度のばらつきによる影響を抑
制している。また、ヘッドが高温になるほど端部と中央
部での温度差は大きくなるので、予備吐出数の差も大き
くしている。これによってノズル間の温度分布のばらつ
きを抑え、効率的(必要最低限)な予備吐出が可能とな
って安定した吐出ができる。
に予備吐出の温度テーブルを変えても良い。図36に温
度テーブルの例を示す。ヘッド温度が高温の場合、Y
(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)に比べ
て、染料の多いBk(ブラック)は増粘しやすいので予
備吐出数を多めにする必要がある。また高温時ほど吐出
量が多くなるので、予備吐出数を抑えるように設定して
いる。
(A)のようにノズルを分割してヘッド温度の推定を行
う方法も可能である。それぞれのノズル領域毎に独立に
印字dutyを求めるカウンタ1、2を設け、独立に求
めた印字dutyからヘッド温度を推定して、それぞれ
独立に予備吐出条件を設定することができる。これによ
り、印字dutyによるヘッド温度予測の誤差を軽減す
ることができ、より安定した吐出が期待できる。
過去の平均ヘッド温度を、本体に設けた基準温度センサ
と印字DUTYとから推定して、平均ヘッド温度に応じ
て最適に設定される間隔で所定の回復手段を作動する例
を示す。本実施例で平均ヘッド温度に応じて制御する回
復手段は、吐出の安定化を図るために印字中(キャップ
開放時)に所定の時間毎に行う予備吐出およびワイピン
グである。予備吐出は、インクジェット技術では周知の
如く、ノズル口からのインクの蒸発によって生ずる不吐
出や濃度変化などを防止する目的で行われるものであ
る。インクの蒸発がヘッド温度によって異なることに着
目して、本実施例では平均ヘッド温度に応じて最適の予
備吐出間隔および予備吐出数を設定して時間的にあるい
はインク消費の面から効率的な予備吐出を行うものであ
る。
ループ温度制御、すなわち本体に設けた基準温度センサ
の検出温度と過去の印字dutyとからその時点の温度
を算出・推定する方式では、本実施例で必要となる過去
の所定期間のヘッドの平均温度を容易に得ることができ
る。インクの蒸発は各々の時点でのヘッド温度に関係し
ており、所定期間のインク蒸発の総量はその期間の平均
ヘッド温度と強い相関があることに本実施例では着目し
た。一方、ヘッドの温度を直接検出する方式では、各々
の時点のヘッド温度に応じてリアルタイムで制御するの
は比較的容易であるが、本実施例の制御に必要な過去の
平均ヘッド温度を得るためには特別な記憶・演算回路が
必要となる。
手段であるワイピングは、オリフィス形成面上に付着し
たインクや水蒸気などの不要な液体や、紙粉やほこりな
どの固形異物を除去する目的で行うものである。本実施
例では、インクなどによる濡れ量がヘッドの温度によっ
て異なること、さらにはインクや異物の除去を難しくす
る濡れの蒸発がヘッド温度(オリフィス形成面の温度)
に関係することに着目して、ヘッドの過去の平均温度に
応じて最適なワイピング間隔を設定することにより効率
的なワイピングを行うものである。ワイピングに関係す
る上記の濡れ量や濡れの蒸発は、ワイピングを実施する
時点のヘッド温度よりも過去のヘッドの平均温度の方が
相関が強いので、本実施例のヘッド温度推定手段が好適
である。
置の印字時の概略シーケンスを示すフローチャートであ
る。印字信号が入力されるとプリントシーケンスが実行
され、まず、予備吐出タイマーがその時点の平均ヘッド
温度に応じて設定され、スタートする。さらに、ワイピ
ングタイマーも同様にその時点の平均ヘッド温度に応じ
て設定されスタートする。次に、紙が無ければ給紙した
後、データの入力が完了次第、キャリッジ走査(印字ス
キャン)を行い1行分印字する。
バイ状態にもどり、印字を続ける場合は所定量の紙送り
をして紙後端チェックを行う。次に、ヘッドの平均温度
に応じて設定されているワイピングタイマー及び予備吐
出タイマーのチェック&再設定を行い、必要に応じてワ
イピングあるいは予備吐出を行い再スタートさせる。こ
のとき、動作の実施有無に関わらず平均ヘッド温度の算
出を行い、それに応じてワイピングタイマーおよび予備
吐出タイマーの再設定を行う。
ヘッド温度の変化に応じてワイピング及び予備吐出のタ
イミングをきめ細かく再設定することで、インクの蒸発
や濡れの状況に応じた最適なワイピングおよび予備吐出
を行うことができる。所定の回復動作後にデータ入力の
完了を待って、再び印字スキャンを行うように上述のス
テップを繰り返す。
の平均ヘッド温度に応じた予備吐出の間隔および予備吐
出数の対応表であり、また、ワイピングの間隔に関して
は過去48秒間の平均ヘッド温度に応じた対応表であ
る。本実施例では、平均ヘッド温度が高くなるにしたが
って間隔を短く予備吐出数を少なくなるように、逆に平
均ヘッド温度が低くなるにしたがって間隔を長く予備吐
出数を多くなるように設定している。このような設定は
インクの蒸発・増粘特性に応じた吐出特性と濃度変化な
どの特性を考慮して適宜設定すれば良く、不揮発性の溶
剤量が多く蒸発による粘度増加よりも温度上昇による粘
度減少が想定されるインクの場合は逆に、高温時に予備
吐出の間隔が長くなるように設定しても良い。
では温度が高くなるにしたがって濡れの量や除去の困難
さが増す傾向にあるので、本実施例では高温時に頻繁に
ワイピングを行うようにしている。本実施例では、記録
ヘッドがひとつの場合について説明したが、複数のヘッ
ドを用いてカラー化や高速化を実現している装置の場合
には、記録ヘッド毎に平均ヘッド温度による回復条件の
制御を行っても良く、また、最も短い間隔の記録ヘッド
に併せて同時に動作させても良い。
ド温度は現時点での推定温度に限らず将来のヘッド温度
をも容易に予測できる。よって、将来の吐出状況も加味
して最適予備吐出間隔、予備吐出発数を設定する様にし
ても良い。
様、平均ヘッド温度の推定に基づく回復制御の例とし
て、比較的長時間に亘る過去の平均ヘッド温度の推定値
に応じた吸引回復の例を示す。インクジェット記録装置
の記録ヘッドはノズル口でのメニスカス形状安定化の目
的で、ノズル口で負の水頭圧になるように構成する場合
がある。インク流路の不如意な気泡はインクジェット記
録装置における各種の問題の原因となるが、負の水頭圧
に維持された系では、特に問題となり易い。
放置するだけで、インク中の溶存気体の解離や流路構成
部材を介してのガス交換などにより、正常な吐出の障害
となる気泡が流路中に成長してきて問題となる。吸引回
復手段はそうした流路中の気泡やノズル口先端部で蒸発
により増粘したインクの除去を目的として用意されるも
のである。インクの蒸発は前述の如くヘッドの温度によ
り変化するが、流路中の気泡の成長はさらにヘッド温度
の影響を受け易く高温ほど発生しやすい。本実施例で
は、図39に示す如く、過去12時間の平均ヘッド温度
に応じて吸引回復の間隔を設定しており、平均ヘッド温
度が高いほど頻繁に吸引回復を行うようにしている。平
均温度の再設定は、例えば1頁毎に行っても良い。
過去の平均ヘッド温度の推定を行う場合には、図40に
示すように、複数のヘッドを熱的に結合させた上で、複
数のヘッドの平均dutyと本体の基準温度センサとか
ら平均ヘッド温度の推定を行い、複数のヘッドがほぼ同
一であるとして簡略に制御しても良い。図40における
ヘッドの熱的な結合は、熱伝導性に優れたアルミニウム
などの材料で、ヘッドの共通支持部を含めた一部分ない
しは全体が構成されたキャリッジに、記録ヘッドの熱伝
導性に優れた基材部を直接当接するように取り付けるこ
とによって実現している。
ド温度は現時点での推定温度に限らず将来のヘッド温度
をも容易に予測できる。よって、将来の吐出状況も加味
して最適吸引回復制御を設定する様にしても良い。
デューティー印字を行ったときに吐主不良が心配であっ
ても、将来高デューティー印字を行わない事が判ってい
れば吸引動作を先延ばしにすることで、記録媒体の給排
紙時に吸引を行うようにし、トータルの印字時間を短縮
することができる。
センサと印字dutyとから推定した温度の履歴に応じ
て回復系の制御を行う例を示す。
堆積して吐出方向を偏奇させたり、時には、吐出不良と
なったりする場合がある。そうした、吐出特性の劣化の
回復手段としてワイピング手段が設けられるが、さらに
強い摺擦力を有する拭き部材が準備される場合やワイピ
ング条件の一時的な変更により拭き取り性を増す場合も
ある。本実施例では、ゴムブレードにより構成されたワ
イピング部材のオリフィス形成面への侵入量(食い込み
量)を大きくして、拭き取り性を一時的に増大させてい
る(擦り取りモード)。
インク量とワイピング時の拭き残り量およびその蒸発に
関わり、吐出回数と吐出時の温度との相関が強いことが
実験的に確認された。そこで、本実施例では、擦り取り
モードをヘッドの温度で重み付けした吐出回数に応じて
制御している。図41は、印字dutyから推定された
ヘッドの温度に応じて印字dutyの基データである吐
出回数に乗ずる重み付け係数を示すものである。すなわ
ち、濡れないし拭き残りが発生しやすい高温時ほど堆積
物の指標となる吐出回数が制御上大きくなるようにして
いる。
したら擦り取りモードを動作させるようにしている。擦
り取りモードは堆積物の除去には効果があるが、摺擦力
が強いのでオリフィス形成面への機械的なダメージも生
ずる場合もあるので、必要最小限にすることが望まし
く、本実施例のように、異物の堆積に直接的に相関のあ
るデータを基に制御することは構成が簡易であり、かつ
確実性が高い。複数のヘッドを有するシステムでは、例
えば、色毎に印字dutyを管理して、堆積特性の異な
るインク色毎に擦り取りモードの制御を行っても良い。
ド温度は現時点での推定温度に限らず将来のヘッド温度
をも容易に予測できる。よって、「重み付け吐出回数」
の算出に将来の吐出状況も加味した「重み付け吐出回
数」を用い、最適制御を設定するようにしても良い。
同様に吸引回復の例を示すが、本実施例では放置による
気泡の増加(放置泡)の推定に加えて、印字時に生ずる
気泡(印字泡)の推定を行うことによって、より精度良
く流路内の泡の推定が可能となる。前述の如くインクの
蒸発はヘッドの温度により変化するが、流路中の気泡の
成長はさらにヘッド温度の影響を受け易く高温ほど発生
しやすい。このことから、放置泡の推定はヘッド温度に
よって重み付けした放置時間を計数すればよいことがわ
かる。
生し易くまた、吐出回数にも当然正の相関がある。そこ
で、印字泡もヘッド温度によって重み付けした吐出回数
を計数すれば良いことがわかる。本実施例では、図42
に示す如く、放置時間に応じたポイント数(放置泡)と
吐出回数に応じたポイント数(印字泡)を設定し、合計
のポイントが1億ポイントに達した場合、流路内の気泡
が吐出に影響を与える恐れがあると判断して吸引回復を
行い、気泡を除去する。
度条件一定でそれぞれの要因単独で吐出不良が生ずると
きのポイントが同一になるように実験的に求めた。ま
た、温度に応じた重み付けも実験的に求めて換算した値
である。気泡の除去手段としては、本実施例の吸引手段
でも、加圧手段でも良く、さらに意識的に流路中のイン
クをなくしたのち吸引手段を作動させるようにしても良
い。
ド温度は現時点での推定温度に限らず将来のヘッド温度
をも容易に予測できる。よって、「インクの蒸発特性」
や「流路中の気泡の成長」の推定、予測に将来の吐出状
況をも加味した「インクの蒸発特性」や「流路中の気泡
の成長」を用い、最適制御を設定するようにしても良
い。
で説明した吐出量制御を合わせておこなっても良いし、
行わなくても良い。吐出量制御を行わない場合は、PW
M制御やサブヒート制御にかかわるステップを省略すれ
ば良い。
ルギーの指標として通電時間を用いたが、これに限られ
るものではない。例えば、PWM制御を行わないか、ま
たは高精度の温度予測が要求されない場合は、単に印字
ドット数用いても良い。更に、印字デューティーに大き
な変動が無い場合には印字時間と、非印字時間とを用い
ても良い。
実行するための制御構成について、図43を参照して説
明する。同図において、60はCPU、61はCPU6
0が実行する制御プログラムを格納するプログラムRO
M、62は各種データを保存しておくバックアップRA
Mである。63は記録ヘッド搬送のための主走査モー
タ、64は記録用紙搬送のための副走査モータで、ポン
プによる吸引動作にも用いられる。65はワイピング用
ソレノイド、66は給紙制御に用いる給紙ソレノイド、
67は冷却用のファン、68は紙幅検知動作のときにO
Nする紙幅検知用LEDである。69は紙幅センサ、7
0は紙浮きセンサ、71は給紙センサ、72は排紙セン
サ、73は吸引ポンプの位置を検知する吸引ポンプ位置
センサである。74はキャリッジのホームポジションを
検知するキャリッジHPセンサである。
供給制御を行うゲートアレイ、79はヘッドを駆動する
ヘッドドライバ、8aは4色分のインクカ−トリッジ、
8bは4色分の記録ヘッドであり、ここでは8a,8b
としてブラック(Bk)を代表して示す。インクカ−ト
リッジ8aは、インクの残量を検知するインク残量セン
サ8fを有する。ヘッド8bは、インクを吐出させるた
めのメインヒータ8c、ヘッドの温調制御を行うサブヒ
ータ8dを有する。
通して送られてくる記録信号等は、ゲートアレイ78の
受信バッファ78aにまず蓄えられる。受信バッファ7
8aに蓄えられた該データは「吐出する/吐出しない」
の2値信号(0、1)に展開され、プリントバッファ7
8bに移される。CPU60は必要に応じて該プリント
バッファ78bから記録信号を参照出来る。
ティーバッファ78cが2つ用意されている。記録時の
1ラインを等間隔に(例えば10のエリアに)分解し、
各エリアの印字デューティー(比率)を演算して蓄えて
いる。「ラインデューティーバッファ78c1」は現在
印字中のラインの各エリア毎の印字デューティーデータ
が格納されている。「ラインデューティーバッファ78
c2」には現在印字中の次のラインの各エリア毎の印字
デューティーデータが格納されている。CPU60は必
要に応じていつでも現在印字中のライン、及び次ライン
の各エリア毎の印字デューティーを参照できる。CPU
60は、上述した温度予測制御中にラインデューティー
バッファ78cを参照することで、各エリアの印字デュ
ーティーを得ることができる。従って、CPU60の演
算負荷を軽減することができる。なお、本実施例内で用
いている1ライン中のエリア分割数(10分割)や温度
予測のサイクル(0.1sec)等の定数は一例であ
り、本発明を拘束するものではない。
中でも熱エネルギーを利用する方式の記録ヘッド、記録
装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の
米国特許第4313124号明細書に記載されている条
件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができ
る。
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
入エネルギーに対する対象物の温度変化を、対象物に温
度センサ−を設けることなく演算推定することができる
ので、温度センサーの誤差、精度や応答性能に依存する
ことなく適時性格に対象物の温度を求めることが可能に
なる。
異なる部材を組み合わせて構成されている記録ヘッドを
モデル的に実際よりも少い数の熱時定数で代用するモデ
ル化手段と、該モデル単位(熱時定数)毎に必要演算間
隔と必要データ保持時間を分けて個々に演算を行う演算
アルゴリズム手段と、熱源を複数設定し個々の熱源毎に
上記モデル化単位で昇温幅を演算し後に加え合わせてヘ
ッド温度を演算する複数熱源演算アルゴリズム手段とを
設けたことにより、記録ヘッドに温度センサ−は設ける
ことなく安価な記録装置に於いても記録ヘッドの温度の
推移を全て演算処理にて演算処理することが可能とな
る。更には上記演算によって求められた正確且つ高応答
の記録ヘッドの温度推移に応じて吐出量の安定化や吐出
の安定化等記録の安定化を図ることのできる記録装置を
提供することが可能となる。
ある。
トである。
ジェット記録装置の構成を示す斜視図である。
示すそれぞれインク液路に沿った概略縦断面図および概
略正面図である。
である。
る。
る。
すグラフである。
ある。
保持時間を示す表である。
ンジの部材群としたときの演算テーブルである。
ジの部材群としたときの演算テーブルである。
ンジの部材群としたときの演算テーブルである。
ジの部材群としたときの演算テーブルである。
録ヘッド温度と、実測した記録ヘッド温度を比較して示
すグラフである。
ルス幅を示すPWMテーブルである。
フである。
ブヒーター駆動制御時間を示すテーブルである。
するための割り込みルーチンを示すフローチャートであ
る。
る。
度依存性を示すグラフである。
温度降下補正を示すテーブルである。
の関係を示すテーブルである。
を示すテーブルである。
を示すテーブルである。
る場合の温度テーブルを示す。
合を示す図である。
ローチャートである。
備吐出数及びワイピングの間隔を示すテーブルである。
ある。
数を示すテーブルである。
ポイント数を示すテーブルである。
示すブロック図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 投入するエネルギーに応じて変動する対
象物の温度を検出する温度演算方法において、 前記対象物へ単位時間当たりに投入するエネルギーに基
づく該対象物の単位経過時間毎の温度変動を離散値とし
て予め求め、 前記単位経過時間毎の離散値を積み重ねることによっ
て、前記対象物の温度変動を演算することを特徴とする
温度演算方法。 - 【請求項2】 前記対象物の単位経過時間毎の温度変動
を、投入可能なエネルギーの範囲内で予め演算してテー
ブル化した演算テーブルを用いて離散値として求めるこ
とを特徴とした請求項1記載の温度演算方法。 - 【請求項3】 前記テーブルが単位時間当たりの投入エ
ネルギーと経過時間の2次元のマトリックスで構成され
ていることを特徴とした請求項2記載の温度演算方法。 - 【請求項4】 前記対象物が熱時定数に従った温度変動
を伴う記録ヘッドであることを特徴とした請求項1記載
の温度演算方法。 - 【請求項5】 前記演算された温度変動に基づいて、さ
らに前記記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項
4記載の温度演算方法。 - 【請求項6】 熱エネルギーを用いて吐出部からインク
を吐出して記録を行う記録ヘッドと、 環境温度を測定する温度測定手段と、 前記記録ヘッドの熱時定数と基準期間における前記記録
ヘッドへのエネルギー供給に基づいて、前記記録ヘッド
の単位経過時間毎の温度変動を離散値として予め求め、
前記単位経過時間毎の離散値を積み重ねることによって
前記記録ヘッドの温度変動を演算する温度演算手段と、 この温度演算手段によって演算された温度変動と前記温
度測定手段によって測定された環境温度に基づいて、前
記記録ヘッドの温度を推定する推定手段と、 この温度推定手段によって推定された推定温度に基づい
て、前記吐出口から吐出されるインク吐出量を制御する
吐出量制御手段と、 を具備したことを特徴とする記録装置。 - 【請求項7】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーによっ
てインクに状態変化を生起させ、該状態変化に基いてイ
ンクを吐出させることを特徴とする請求項6記載の記録
装置。 - 【請求項8】 前記吐出量制御手段は、前記記録ヘッド
に供給する駆動信号を前記予測温度に基づいて変更する
ことを特徴とする請求項6記載の記録装置。 - 【請求項9】 前記駆動信号はプレヒートパルスとメイ
ンヒートパルスを有し、吐出量制御手段は該プレヒート
パルスのパルス幅を前記予測温度に基づいて変更するこ
とを特徴とする請求項8記載の記録装置。 - 【請求項10】 複数の熱伝導時間の異なる部材を組み
合わせて構成され、記録を行うに際し温度変動を伴う記
録ヘッドを用いる記録装置において、 前記記録ヘッドにエネルギーを投入するエネルギー投入
手段と、 前記記録ヘッドを複数の熱時定数でモデル化するモデル
化手段と、 前記記録ヘッドに記録中の単位時間あたりに投入された
エネルギーと、前記記録ヘッドの温度変動をモデル化し
た複数の熱時定数とに基づいて、記録中の前記単位時間
毎に前記記録ヘッドに投入されるエネルギーを繰り返し
演算する演算手段と、 を具備したことを特徴とする記録装置。 - 【請求項11】 前記モデル化手段は、前記記録ヘッド
を実際よりも少い数の熱時定数でモデル化することを特
徴とした請求項10記載の記録装置。 - 【請求項12】 前記モデル化された熱時定数毎に個別
の、前記演算を行う間隔である演算時間間隔と履歴の保
持時間を用いて演算を行う演算アルゴリズム手段を有す
ることを特徴とした請求項10記載の記録装置。 - 【請求項13】前記記録ヘッドに温度変動を生じさせる
熱源を複数設定し、個々の熱源毎に前記モデル化された
熱時定数単位で昇温幅を演算し、後に加え合わせて前記
演算を行うことを特徴とした請求項10もしくは請求項
12に記載の記録装置。 - 【請求項14】 環境温度を測定する環境温度測定手段
と、 前記環境温度測定手段によって測定された環境温度と前
記温度演算手段によって演算された温度変動に基づい
て、前記記録ヘッドを制御する制御手段と、 を更に具備したことを特徴とする請求項10記載の記録
装置。 - 【請求項15】 熱エネルギーを用いて吐出口からイン
クを吐出して記録を行う記録ヘッドと、 環境温度を測定する温度測定手段と、 前記記録ヘッドの熱時定数と基準期間における前記記録
ヘッドへのエネルギー供給に基づいて、前記記録ヘッド
の単位経過時間毎の温度変動を離散値として予め求め、
前記単位経過時間毎の離散値を積み重ねることによって
前記記録ヘッドの温度変動を演算する温度演算手段と、 この温度演算手段によって演算された温度変動と前記温
度測定手段によって測定された環境温度に基づいて、前
記記録ヘッドの温度を推定する推定手段と、 この推定手段によって推定された推定温度に応じた吐出
安定化制御を行う吐出安定化制御手段と、 を具備したことを特徴とする記録装置。 - 【請求項16】 前記吐出安定化制御手段は、前記記録
ヘッドの回復処理を前記予測温度に応じた条件で行うこ
とを特徴とする請求項15記載の記録装置。 - 【請求項17】 前記吐出安定化制御手段は、前記記録
ヘッドの予備吐出を前記予測温度に応じた条件で行うこ
とを特徴とする請求項15記載の記録装置。 - 【請求項18】 前記吐出安定化制御手段は、前記記録
ヘッドの吸引回復を前記予測温度に応じた条件で行うこ
とを特徴とする請求項15記載の記録装置。 - 【請求項19】 前記吐出安定化制御手段は、前記記録
ヘッドの温度制御を前記予測温度に応じた条件で行うこ
とを特徴とする請求項15記載の記録装置。 - 【請求項20】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーによ
ってインクに状態変化を生起させ、該状態変化に基いて
インクを吐出させることを特徴とする請求項15記載の
記録装置。
Priority Applications (18)
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CA002296912A CA2296912C (en) | 1991-08-01 | 1992-07-29 | Ink jet recording apparatus having temperature control function |
CA002296905A CA2296905C (en) | 1991-08-01 | 1992-07-29 | Ink jet recording apparatus having temperature control function |
CA002296908A CA2296908C (en) | 1991-08-01 | 1992-07-29 | Ink jet recording apparatus having temperature control function |
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DE69232398T DE69232398T2 (de) | 1991-08-01 | 1992-07-30 | Farbstrahlaufzeichnungsgerät mit temperaturüberwachung |
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EP98200172A EP0838334B1 (en) | 1991-08-01 | 1992-07-30 | Ink jet recording apparatus having temperature control function |
DE69227226T DE69227226T2 (de) | 1991-08-01 | 1992-07-30 | Farbstrahlaufzeichnungsgerät |
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DE69233217T DE69233217T2 (de) | 1991-08-01 | 1992-07-30 | Farbstrahlaufzeichnungsgerät mit Temperaturüberwachung |
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