JP3165720B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッドから被記録
材に対しインクを吐出させて記録を行うインクジェット
記録装置及びインクジェット記録方法に係り、特にイン
ク吐出量の安定化を行うインクジェット記録装置及びイ
ンクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板
等の被記録材上にドットパターンからなる画像を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、記録方
式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマ
ル式、レーザービーム式等に分けることができ、そのう
ちのインクジェット式(インクジェット記録装置)は、
記録ヘッドの吐出口からインク(記録液)滴を吐出飛翔
させ、これを被記録材に付着させて記録するように構成
されている。近年、数多くの記録装置が使用されるよう
になり、これらの記録装置に対して、高速記録、高解像
度、高画像品質、低騒音などが要求されている。このよ
うな要求に応える記録装置として、前記インクジェット
記録装置を挙げることができる。このインクジェット記
録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を
行なう為に非接触で印字が可能であり、このために非常
に安定した記録画像を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクジェッ
ト記録装置ではこの記録ヘッドからインクを吐出させて
記録を行うために、上記要求を満たすのに必要なインク
の吐出安定化を行わなければならない。インクの吐出量
安定化はインクの吐出部のインク温度に影響される部分
が大きい。すなわち、インク温度が低すぎるとインクの
粘度が上昇し吐出量が減少し記録印字濃度が低下してし
まい、逆に高くなるとインク粘度が下がり吐出量が増大
してしまい記録紙上でインクが溢れるなどとして画像品
質の低下を招いてまう。このため、従来のインクジェッ
ト記録装置にあっては、記録ヘッド部に温度センサーを
設け、記録ヘッドの検出温度に基づいて吐出部のインク
の温度を所望範囲に制御する方法や吐出回復処理を制御
する方法が採られていた。
【0004】なお、上記温度制御用のヒータとしては、
記録ヘッド部に接合した加熱用のヒータ部材や、熱エネ
ルギーを利用して液滴を形成して記録を行うインクジェ
ット方式の記録装置、すなわち、インクの膜沸騰による
気泡成長によりインク液滴を吐出させるものに於いては
吐出用ヒータ自体が用いられている場合もある。上記吐
出用ヒータを用いる場合に発泡しない程度に通電する必
要がある。熱エネルギーを用いて、固体インクや液体イ
ンクに気泡を形成することに応じて吐出インク液滴を得
る記録装置に於いては、記録ヘッドの温度により吐出特
性が大きく変化するので、吐出部のインク及びそれに多
大に影響する記録ヘッドの温度管理は特に重要である。
【0005】吐出用ヒータを温度制御用に用いる方法に
於いては、大きく分けて2つの方法が提案されている。
一つは、上述したように単純に吐出用ヒーターを保温用
ヒーターと同様に使用する方法であり、吐出用ヒータに
発泡しない短いパルスを記録を行わない待機中等の非印
字時に、連続的に加えることにより保温を行うものであ
る。他方は、マルチパルスPWM(パルス幅変調)制御
によるものであり、待機中等の非印字時に保温を行うの
ではなく、1吐出あたりに2回のパルスを与え初めのパ
ルスでヒータとの境界部のインクの温度を上昇させ、最
後のパルスで発泡させて吐出を行う方法がある。この方
法に於いて吐出量を変化させる為には、初めにONする
第一のパルスの幅を発泡しない範囲で可変にすることに
より、ヒータに投入するエネルギー量を増加させてヒー
タとの界面部にあるインクの温度を上昇させることによ
り行うものである。
【0006】しかし、吐出量を均一に安定化させる目的
で行われる上述の方法に於いては、以下のような課題を
有していた。
【0007】保温ヒータによる方法に於いては、保温ヒ
ータにより熱容量の大きいヘッド全体をある温度に保温
しなくてはならず、そのためのエネルギーを余分に投入
しなくてはならなかった。また、昇温させるにも時間が
かかり、ファーストプリント時にはウエイトタイムが生
じてしまうことがあった。更に、可搬型のものにあって
は、バッテリーを保温用にも用いなくてはならないた
め、印字可能枚数が減少してしまった。また、保温ヒー
タと吐出ヒータを同時にONさせると、瞬間的に電源や
フレキシブルケーブル等に大きな電流を流せる様にしな
くてはならず、コストアップや装置の小型化を阻害する
要因となっていた。
【0008】一方、マルチパルスPWMを用いる方法に
於いても、第2の発泡の為のパルスの長さを固定にし、
第1のパルスの長さを可変にしてヘッドに投入するエネ
ルギー量を可変にして吐出量を可変にしているために、
最大吐出量を得ようとするとやはり通常よりも大量のエ
ネルギーをヘッドに供給しなくてはならない。従って、
リアルタイム性は上述の保温ヒーターによるものよりも
格段に改善されてはいるものの、やはり瞬間的な電力や
バッテリーに対する負荷に対しては更なる改善が必要で
あった。
【0009】そこで、本発明は上述の課題を解決するた
めになされたもので、高速駆動を行った場合でも吐出量
の安定化とともに、吐出量の可変範囲の拡大を図ること
の可能なインクジェット記録装置及びインクジェット記
録方法を提供することを目的とする。また、本発明は温
度演算を容易に行うことの可能なインクジェット記録装
置及びインクジェット記録方法を提供することを他の目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のインクジェット記録装置は、駆動パルスに応
じた熱エネルギーをインクに供給して膜沸騰による気泡
を形成し、該気泡の形成に基づいてインクを記録ヘッド
から記録媒体上に吐出して記録を行うインクジェット記
録装置において、インク滴の1吐出あたり、インクを吐
出に至らしめないプリ駆動パルスと、インクを吐出に至
らしめるメイン駆動パルスとを休止期間を介して前記記
録ヘッドに供給する駆動手段と、前記駆動パルスを用い
た単位時間当たりの前記記録ヘッドへの通電比率と前記
記録ヘッドの熱時定数とに応じて前記記録ヘッドの温度
を演算する温度演算手段と、この温度演算手段が演算し
た前記記録ヘッドの温度に基づいて前記休止期間を変化
させる休止期間制御手段とを有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、駆動パルス
に応じた熱エネルギーをインクに供給して膜沸騰による
気泡を形成し、該気泡の形成に基づいてインクを記録ヘ
ッドから記録媒体上に吐出して記録を行うインクジェッ
ト記録方法において、インク滴の1吐出あたり、インク
を吐出に至らしめないプリ駆動パルスと、インクを吐出
に至らしめるメイン駆動パルスとを休止期間を介して前
記記録ヘッドに供給する供給工程と、前記駆動パルスを
用いた単位時間当たりの前記記録ヘッドへの通電比率と
前記記録ヘッドの熱時定数とに応じて前記記録ヘッドの
温度を演算する温度演算工程と、この温度演算工程によ
り演算された前記記録ヘッドの温度に基づいて前記休止
期間を変化させる休止期間制御工程とを有することを特
徴とする。
【0011】
【作用】上記構成によれば、第1のパルス(プリ駆動パ
ルス)の幅を変化させるのではなく、第1のパルスと第
2のパルス(メイン駆動パルス)の間のOFFタイム
(休止期間)の長さを可変にしているので、エネルギー
量を増加させることなく、最低限のエネルギー量で伝熱
時間の変化による熱効率を可変にし、ヒータとインクの
界面のインクの活性度を変化させて吐出量を可変にする
ことができる。
【0012】特に思想としては、マルチパルスPWM制
御方法において、最低限のエネルギー量を供給し、イン
クに対する同じ投入エネルギーでも伝熱時間の制御によ
りインク内の熱分布を変化させて発泡効率を可変にする
ものである。ヒータとの界面のインクの活性度を従来よ
りも低く、少し離れた所を従来よりも高く変化させるバ
ランスを可変にすることにより、ヒータの熱をどの吐出
量でも同量効率よくインクに伝熱させ、吐出量を発泡効
率の差で可変にすることができる。
【0013】これにより、エネルギーの大幅増加や過昇
温問題なしに、また、限界点で発生し易い不正発泡等の
吐出不良やヒータにダメージを与えることなく吐出量制
御範囲を広げられ、電源容量の増大やバッテリー駆動時
の過負荷の問題もなく、また手法によっては低温時でも
ウエイトタイムレスで安定した吐出量の制御を行うこと
ができる。さらに、記録ヘッドの温度を演算によって求
めるとき、駆動パルスを用いた単位時間あたりの記録ヘ
ッドへの通電比率と記録ヘッドの熱時定数とに応じて求
めており、演算された温度に応じての吐出量の可変に際
して投入エネルギー量を変化させていないので、通電比
率と熱時定数を用いて温度演算を容易に行うことができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。図1は、本発明が実施もしくは適用
される好適なインクジェット記録装置IJRAの構成を
示す斜視図である。図1において、5001はインクタ
ンク(IT)であり、5012はそれに結合された記録
ヘッド(IJH)である。図2に示すように、5001
のインクタンクと5012の記録ヘッドで一体型の交換
可能なカートリッジ(IJC)を形成するものである。
5014は、そのカートリッジ(IJC)をプリンター
本体に取り付けるためのキャリッジ(HC)であり、5
003はそのキャリッジを副走査方向に走査するための
ガイドである。
【0015】5000は、Pで示す被印字物を主走査方
向に走査させるためのプラテンローラである。5024
は、装置内の環境温度を測定するための温度センサーで
ある。なお、キャリッジ5014には、記録ヘッド50
12に対して駆動のための信号パルス電流やヘッド温調
用電流を流すためのフレキシブルケーブル(図示せず)
が、プリンターをコントロールするための電気回路(上
記温度センサー5024等)を具備したプリント板(図
示せず)に接続されている。
【0016】図2は交換可能なカートリッジを示し、5
029はインク滴を吐出するためのノズル部である。さ
らに、上記構成のインクジェット記録装置IJRAを詳
細に説明する。この記録装置IJRAは駆動モータ50
13の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5
009を介して回転するリードスクリュー5005の螺
旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン
(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動される。
5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわた
って紙をプラテン5000に対して押圧する。500
7、5008はフォトカプラでキャリッジHCのレバー
5006のこの域での存在を確認してモータ5013の
回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段
である。5016は記録ヘッドの前面をキャップするキ
ャップ部材5022を支持する部材で、5015はこの
キャップ内を吸引する吸引手段であり、キャップ内開口
5023を介して記録ヘッド5012の吸引回復を行
う。
【0017】5017は、クリーニングブレードで、5
019はこのブレード5017を前後方向に移動可能に
する部材であり、本体支持板5018にこれらは支持さ
れている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニ
ングブレードが本例に適用できることはいうまでもな
い。また、5021は、吸引回復の吸引を開始するため
のレバーで、キャリッジHCと係合するカム5020の
移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッ
チ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0018】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジション側領域に
きたときに、リードスクリュー5005の作用によって
それらの対応位置で所望の処理が行えるように構成され
ているが、周知のタイミングで所望の作動を行うように
すれば、本例にはいずれも適用できる。
【0019】図3は記録ヘッド5012の詳細を示すも
のであり、支持体5300の上面に半導体製造プロセス
により形成されたヒータボード5100が設けられてい
る。このヒータボード5100に同一の半導体製造プロ
セスで形成された、記録ヘッド5012を保温し、温調
するための温調用ヒータ(昇温用ヒータ)5110が設
けられている。符号5200は前記支持体5300上に
配設された配線基板であって、該配線基板5200と温
調用ヒータ5110及び吐出用(メイン)ヒータ511
3とがワイヤーボンディング等により配線されている
(配線は不図示)。また、温調用ヒータ5110は、支
持体5300等にヒータボード5100とは別のプロセ
スにより形成されたヒータ部材を貼りつけたものでもよ
い。
【0020】5114は吐出用ヒータ5113によって
加熱されて発生したバブルである。5115は吐出され
たインク液滴を示す。5112は吐出用のインクが記録
ヘッド内に流入するための共通液室である。
【0021】(実施例1)次に、上述の記録装置に本発
明を適用した一実施例を図面を参照して、具体的に説明
する。
【0022】(温度予測の概要)本実施例は記録ヘッド
からインク液滴を吐出して記録を行うにあたり、環境温
度を計測する環境温度センサを本体側に持たせ、吐出部
のインクの温度の変動をインクの吐出エネルギーの計算
処理により過去から現在のインク温度を推定することに
より、インク温度に応じた吐出安定化を行うものであ
る。すなわち、記録ヘッドの温度を直接検出するための
温度検知部材を用いない。記録ヘッドの温度を直接検出
するための温度検知部材を本実施例の様なIJCを用い
るインクジェット記録装置に装備するには、コスト的に
難しく、また、温度測定回路のIJCとの接合点の静電
気対策が必要となるなど記録装置がやや複雑化するの
で、そうした面で本実施例は有利である。更に、計算処
理で現在温度を推定するため、温度センサーを用いたも
のよりも早い速度でしかも吐出ヒータ部そのものの温度
やインク温度までも推定出来る為に、本発明の目的の為
には有効である。
【0023】概略的には、記録ヘッドやインクを含めた
吐出部の熱時定数とインク温度に実質的に関係する過去
の範囲の投入エネルギーを、予め計算した温度変化テー
ブルで評価する事により、吐出部のインクの温度変化を
推定するものである。その推定したインク温度に基づい
て、吐出ヒータによるマルチパルスPWM駆動法(PW
M駆動法)により記録ヘッドの駆動を制御するものであ
る。本発明の第1の実施例ではインクの温度に基づいた
後述のPWM吐出量制御で吐出量が一定になるように制
御しようとするものである。すなわち、吐出量の安定化
により、1ライン内の濃度変化やページ内の濃度変化の
解消を図る事が可能となる。また、同時に、記録条件や
回復条件の最適化も行うことにより、吐出不良や記録紙
上のインク溢れによる画像品質の劣化を防止するもので
ある。
【0024】(PWM制御)次に、図面を参照して本実
施例のPWM吐出量制御方法を詳細に説明する。図4
は、既に知られているダイオードマトリックスを使用し
たヘッドに於けるコモン信号とセグメント信号のタイミ
ングチャートである。コモン信号は印字データの内容に
よらず常に記録ヘッドの最小駆動周期内で8回順に出力
され、各コモン信号がONしている間に今度は印字信号
によりON,OFFが決められたセグメント信号がON
するようになっている。吐出ヒータに電流が流れるのは
両信号が同時にONしたときであり、本実施例では64
ノズルに対しそれぞれ吐出のON、OFF制御が可能と
なるわけである。本実施例ではその中のセグメント信号
をインターバルタイム制御によるマルチパルスPWM化
することにより、ON、OFFのみならず吐出量制御ま
でを行おうとするものである。
【0025】図5は本発明の一実施例にかかる分割パル
スを説明するための図である。同図において、VOPは
駆動電圧、T1は複数の分割されたヒートパルスの最初
のパルスであって発泡まで至らないパルス(以下、プレ
パルスという)のパルス幅、T2はインターバルタイ
ム、T3は2番目のパルスであって発泡に至るパルス
(以下、メインパルスという)のパルス幅である。駆動
電圧VOPはこの電圧を印加される電気熱変換体がヒー
タボードと天板とによって構成されるインク液路内のイ
ンクに熱エネルギーを発生させるために必要な電気エネ
ルギーを示すものの一つである。その値は電気熱変換体
の面積,抵抗値,膜構造や記録ヘッドの液路構造によっ
て決まる。
【0026】本実施例のPWM吐出量制御はインターバ
ルタイム幅変調駆動法とも言え、例えばトリプルパルス
の場合はひとつのインク液滴の吐出に際して、T1、T
2、T3の幅で順次パルスを与えるのである。このと
き、インク温度や吐出量変調信号に応じてインターバル
タイムT2の幅を変調するものである。プレパルスは主
に液路内のインク温度に発泡しない程度の熱エネルギー
を与えるためのパルスである。インターバルタイムは、
インク液路内のインクへのプレパルスのエネルギー伝達
のための時間を制御するものであり、本実施例の中で重
要な役割を示す物である。メインパルスは液路内のイン
ク中に発泡を生ぜしめ、吐出口よりインクを吐出させる
ためのものであり、その幅T3は電気熱変換体の面積,
抵抗値,膜構造や記録ヘッドのインク液路の構造によっ
て概略決定するのが好ましい。
【0027】例えば、図6(A)および(B)に示すよ
うな構造の記録ヘッドにおけるプレパルスの作用につい
て説明する。同図(A)および(B)は、本発明を適用
可能な記録ヘッドの一構成例を示すそれぞれインク液路
に沿った概略縦断面図および概略正面図である。同図に
おいて、電気熱変換体(吐出ヒータ)は上記分割パルス
の印加によって熱を発生する。この電気熱変換体はこれ
に分割パルスを印加するための電極配線等とともにヒー
タボード上に配設される。ヒータボードはシリコンによ
り形成され、記録ヘッドの基板をなすアルミ板によって
支持される。天板には、インク液路等を構成するための
溝が形成されており、天板とヒータボード(アルミ板)
とが接合することにより、インク液路や、これにインク
を供給する共通液室が構成される。また、天板には吐出
口が形成され、それぞれの吐出口にはインク液路が連通
している。
【0028】ここで、既に提案された例について説明す
る。図6に示される記録ヘッドにおいて、駆動電圧VO
P=18.0(V),メインパルス幅T3=5.000
[μsec]とし、プレパルス幅T1を0〜3.000
[μsec]の範囲で変化させた場合、図7に示すよう
な吐出量Vd[pl/drop]とプレパルス幅P1
[μsec]との関係が得られている。
【0029】図7は第1の例に於ける吐出量のプレパル
ス幅依存性を示す線図であり、図において、V0はP1
=0[μsec]のときの吐出量を示し、この値は図6
に示すヘッド構造によって定まり、ここでは、環境温度
TR=23℃の場合でV0=70.0[pl/dro
p]であった。図7の曲線aに示されるように、プレパ
ルスのパルス幅T1の増加に応じて、吐出量Vd はパル
ス幅T1が0からT1LIMITまで線形性を有して増
加し、パルス幅T1がT1LIMITより大きい範囲で
はその変化が線形性を失い、パルス幅T1MAXで飽和
し最大となる。
【0030】このように、パルス幅T1の変化に対する
吐出量Vd の変化が線形性を示すパルス幅T1LIMI
Tまでの範囲は、パルス幅T1を変化させることによる
吐出量の制御を容易に行える範囲として有効である。因
に、曲線aに示す例ではT1LIMIT=2.00(μ
s)であり、このときの吐出量はVLIMIT84.0
[pl/drop]であった。また、吐出量Vd が飽和
状態となるときのパルス幅T1MAXは、T1MAX=
2.1[μs]であり、このときの吐出量VMAX=8
7.5[pl/drop]であった。
【0031】しかし、パルス幅がT1MAXより大きい
場合、吐出量Vd はVMAXより小さくなる。この現象
は上記範囲のパルス幅を有するプレパルスが印加される
と電気熱変換体上に微小な発泡(膜沸騰の直前状態)を
生じ、この気泡が消泡する前に次のメインパルスが印加
され、上記微小気泡がメインパルスによる発泡を乱すこ
とによって吐出量が小さくなる。この領域をプレ発泡領
域と呼び、この領域ではプレパルスを媒介にした吐出量
制御は困難なものとなってしまい、これが本例での原理
的な制御限界となっていた。又、更にこのプレ発泡領域
がヘッドの個体差により異なる為に製品レベルで考える
と制御側ではそのために制御範囲をヘッドのばらつきの
最低値に合わせなくてはならず制御可能領域が更に狭ま
ってしまう欠点を有していた。
【0032】すなわち、図7中曲線b,cは他の記録ヘ
ッドの場合を示しており、記録ヘッドが異なると、その
吐出特性が変化することが分かる。このように、記録ヘ
ッドが異なるとプレパルスP1の上限値P1LMTが異なる
ため、制御可能範囲を狭くするか、または記録ヘッド毎
の上限値P1LMTを予め測定して記録ヘッドに設けた記憶
手段を書き込み、記録ヘッド毎に吐出量制御を行うとい
うような手法を用いなければならなかった。
【0033】さらに、本例においては、吐出量を増加さ
せるにはT1のパルス幅を増加させて記録ヘッドに投入
する熱エネルギーそのものを増加させる必要があるた
め、連続的に大きいT1のパルス値が入力されるとヘッ
ドの自己昇温を招いてしまう。その結果、記録ヘッドそ
のものの温度上昇の為に、次に吐出量を下げようとした
ときに吐出量が所望の吐出量に戻らなくなる場合があっ
た。
【0034】又、本体側の電源設計においても、上述の
制御で行うと最大吐出量になるようにすると約40%の
電力を更に投入しなくてはならず、始めからその最大値
で電源、フレキ等を設計する必要があった。そのための
コストアップは非常に大きいものであった。更に、可搬
型のプリンタにおいては、バッテリー駆動をしなくては
ならず、電力アップは印字可能枚数の低減化を招いてし
まう。特に、低温ではパルス幅が大きい方へシフトする
ため、バッテリー能力が低下する環境で一層印字可能枚
数が低下してしまう欠点を有していた。
【0035】そこで、本発明による実施例においては、
前述の様にT1のプレパルスの幅は一定にして、T1の
プレパルスとT3のメインパルスの間のT2で示される
インターバルタイムを可変にして熱伝導時間の制御によ
る吐出量制御を可能としたものである。これによれば、
上記例の欠点のほとんどを解消することが可能となる。
以下に、本実施例のPWM制御手段について述べる。
【0036】上記例と同じ図6に示される記録ヘッドに
おいて、駆動電圧VOP=18.0(V),メインパル
ス幅T3=4.000[μsec]とし、プレパルス幅
T1を1.000[μsec]とし、T2のインターバ
ルタイムを0から10[μsec]まで変化させると図
8に示すような吐出量Vd[pl/drop]とインタ
ーバルタイムT2[μsec]との関係が得られる。
【0037】図8は第2の例に於ける吐出量のプレパル
ス幅依存性を示す線図であり、図において、V0はT2
=0[μsec]のときの吐出量を示し、この値は図6
に示すヘッド構造によって定まる。本実施例でのV0は
環境温度TR=23℃の場合でV0=70.0[pl/
drop]であった。図8の曲線に示されるように、イ
ンターバルタイムT2の増加に応じて、吐出量Vd はあ
る領域までは非線形に飽和点まで増加し、しばらく飽和
した特性を示してそれ以上では緩やかな下降カーブを示
す。
【0038】このようにインターバルタイムT2の変化
に対する吐出量Vd の変化が飽和を示すパルス幅までの
範囲は、インターバルタイムT2を変化させることによ
る吐出量の制御を容易に行える範囲として有効である。
図8の曲線に示す第2の例ではT2は実用的には=8.
00(μs)程度まで使用可能であり、このときの最大
吐出量は15℃環境で85.0[pl/drop]、2
3℃環境で91[pl/drop]であった。
【0039】しかし、パルス幅が更に大きい場合、吐出
量Vd は最大値よりも徐々に小さくなる。この現象は次
の理由によって起こるものである。上記吐出量制御の原
理は、プレパルスが印加されて電気熱変換体とインクの
境界面のインクが発泡しない範囲で加熱されると、イン
クの熱伝導速度が遅いためインクの電気熱変換体面の極
近傍だけが熱せられ、その部分の活性度が上昇すること
によりその部分がその活性度に応じて次のメインパルス
で気化する量が変化し、この結果、吐出量が制御可能と
なるものである。そのため、熱伝導時間を取りすぎると
(パルス幅が大きい場合)、インク中に熱が拡散し過ぎ
て、次のメインパルスによって実際に発泡する範囲での
インクの活性化の度合いが低下してくるためである。
【0040】インターバルタイムT2を大きくすること
で吐出量が増加する点につき、より具体的に説明する。
図21に示す様に、ヒーター表面には保護膜等の多層コ
ーティングがなされているため、ヒーター中心が一番高
い温度を示しインクとの界面に向かうに従い多少低下
し、インクの界面で急激な変化の温度分布が出来てそれ
以降はなだらかな分布を示す。図22は、従来のシング
ルパルス駆動とマルチパルス駆動方法において、ヒータ
ー面に垂直な方向の断面の1次元の温度分布を示したも
のである。図22に示した温度分布は、プレパルスT1
投入後インターバルタイムT2を経過しT3のメインパ
ルス中の膜沸騰を起こす直前の温度分布である。又、シ
ングルパルスのものに於いてはやはりシングルパルスを
投入し膜沸騰を起こす直前の状態の温度分布を示してい
る。
【0041】このとき、インク内の温度分布は図に示す
様になっており、インクのピーク温度は低いが温度が高
くなっているインク層がマルチパルス方式の方が厚くな
っていることを示している。この状態に於いて、次の瞬
間に膜沸騰を起こすと、斜めの点線で示した温度の所よ
り上の部分が実際に気化して発泡に関与する部分とな
る。つまり、インク内部温度のグラフの所の縦の点線で
示されるインクの厚み部分が気化するものであり、マル
チパルス方式の方が発泡体積が大となることにより、結
果的に吐出量が増えるものである。
【0042】インターバルタイム制御方式のマルチパル
スPWMでは、投入エネルギを最低限の一定値にし、気
化するインク層の厚み(発泡体積)を、プレパルスT1
後から膜沸騰を開始するまでの伝熱時間により制御する
ことを特徴としている。すなわち、インターバルタイム
を増加させることで、インクのピーク温度は低下するも
のの、次に供給されるメインパルスによって実際に気化
して発泡に関与する(活性化した)インク層の領域を増
加させるものである。
【0043】また、本実施例では、制御領域としてはイ
ンターバルタイムが0から吐出量が飽和を示す値(図8
では8μsec)までを用いているので、高速駆動に適
するものである。つまり、吐出量が飽和を示す値(図8
では8μsec)以降を制御領域として使用することも
可能であるが、1吐出に要する時間が増大するため、高
速駆動には適さない。たとえば、上述のようにプレパル
ス幅T1を1.000[μsec]、メインパルス幅T
3=4.000[μsec]とし、T2のインターバル
タイムを0から8[μsec]まで変化させる場合に
は、1吐出に要する時間は最大13[μsec]である
が、T2のインターバルタイムを8から20[μse
c]まで変化させる場合には25[μsec]必要とな
る。
【0044】以上説明したように、本実施例においては
T1のプレパルスの幅を変化させるのでは無く、すなわ
ち、熱伝導率の悪いインクに無理矢理膜沸騰の起こる直
前の活性レベルまで急激に大きな温度勾配で熱エネルギ
ーを投入するのではなく、T2のインターバルタイムを
変化させて吐出量を制御する、すなわち、活性レベルの
インク層の厚みを最低限必要な一定量の熱量を投入して
からの伝熱時間により制御して吐出量制御を行ってい
る。
【0045】上述の新しい原理により、次の様な効果が
生じる。第1は、上述の様に制御可能範囲の拡大であ
る。吐出量を増加させるため、プレパルス幅T1を大き
くしていくとプレ発泡領域に近づいて行くが、本実施例
では全くその様な心配が無いため、記録ヘッドの個体差
に捕らわれるとこなく制御範囲を広げることができる。
【0046】第2は、省エネルギー効果である。本実施
例では、基本的に発泡効率のアップを伝熱時間による熱
効率アップという手法で実現しているため、記録ヘッド
に対する投入エネルギーを増加させること無く、すなわ
ち、最低エネルギーレベルとすることができる。言い換
えれば、本実施例いおいては吐出量を上げるほど熱効率
が良くなり、単位吐出体積当たりの必要熱量は逆に低下
することになる。よって、上述の様に本体電源やフレキ
シブルケーブル、コネクター、バッテリーの設計に於い
ても最低容量で済むことになる。また、プレパルス幅を
制御する方式では、吐出量を上げ続けるにはパルス幅を
増加させる必要があるため、最大40%程投入エネルギ
ーが増加することになり記録ヘッドの自己昇温を助長し
てしまっていたが、本実施例では変化が無く、むしろ自
己昇温が熱効率の改善された分だけ押さえられる方向に
なる。
【0047】実際の吐出量制御方法としては、図9でP
WM領域と示した温度範囲が吐出量を安定化できる温度
範囲であり、本実施例では吐出部のインク温度が15〜
35℃の範囲である。図9ではインターバルタイムを1
0ステップで変化させた場合の吐出部のインク温度と吐
出量の関係を示している。吐出部のインク温度が変化し
てもインク温度に応じて温度ステップ幅△T毎にインタ
ーバルタイムを変えることにより、目標吐出量Vd0に
対して△Vの幅で吐出量を制御することができる。
【0048】(温度予測制御)次に、上記構成よりなる
記録装置を用いて記録を行う場合の動作について、図1
0乃至図11のフローチャートを参照して説明する。
【0049】ステップS100で電源がONされると、
機内昇温補正タイマーをリセット/セットする(S11
0)。次に、本体プリント基板(以下、PCBという)
上の温度センサー(以下、基準サーミスターという)の
温度を読みとり(S120)、周囲環境温度を検出す
る。しかし基準サーミスターはPCB上にあるためにP
CB上の発熱体(例えばドライバー)等の影響を受けて
正確なヘッドの周囲環境温度を検出できない場合があ
る。よって、本体電源ONからの経過時間によって検出
値を補正し周囲環境温度を求める。即ち、機内昇温補正
タイマーから電源ONからの経過時間を読みとり(S1
30)、図12の機内昇温補正テーブルを参照して発熱
体の影響を補正した正確な周囲環境温度を求める(S1
40)。
【0050】次に、S150で温度予測テーブル(図1
3)を参照して現状のヘッドチップ温度(β)を予測
し、印字信号の入力を待つ。現状のヘッドチップ温度
(β)の予測は、S140で求めた周囲環境温度に、単
位時間当たりのヘッドの投入エネルギー(通電比率)に
対するヘッド温度と環境温度との温度差のマトリックス
で決まる値を加えて更新することによって行う。電源投
入時では、印字信号が無く(投入エネルギーは0)、ヘ
ッド温度と環境温度との温度差も0なので、マトリック
ス値0(熱平衡)を加えることになる。印字信号の入力
が無ければS160に於いてS120に戻り基準温度サ
ーミスタ温度読み込みから繰り返す。本実施例ではヘッ
ドチップ温度予測のサイクルは0. 1secとした。
【0051】図13の温度予測テーブルは、ヘッドの熱
時定数とヘッドに投入したエネルギーにより決定される
単位時当たりの昇温特性を示したマトリックステーブル
である。通電比率が大きいとマトリックス値も大きくな
り、一方、ヘッド温度と環境温度との温度差が大きくな
ると熱平衡に達しやすくなるので、マトリックス値は小
さくなる。熱平衡には、投入エネルギーと放射エネルギ
ーが等しい時達する。単位時間毎に、常にこのテーブル
に基づいてマトリックス値を積算することにより、ヘッ
ドのその時点の温度を推定できる。さらには、これから
将来の印字、またはサブヒータ等のヘッドへの投入エネ
ルギーをインプットすることで、これからのヘッドの温
度変化を予測することも出来る。
【0052】次に、印字信号が入力された場合には目標
(駆動)温度テーブル(図14)を参照し、現状の環境
温度で最適な駆動が行えるヘッドチップの印字目標温度
(α)を求める(S170)。図14において、環境温
度により目標温度が異なるのは、ヘッドのシリコンヒー
タボード上の温度をある一定に制御してもそこに流入し
てくるインクの温度が低く、熱時定数が大きいために、
結果的にヘッドチップ廻りの系としては平均温度的に考
えると低くなってしまうからである。そのために、環境
温度が低くなるほど、ヘッドのシリコンヒータボードの
目標温度を上げてやる必要が有るからである。それによ
りγ(=α−β)を算出する。
【0053】次に図15を参照してインターバルタイム
T2をPWMの手法を用いることにより吐出量をコント
ロールする目的で決定する(S190)。
【0054】ここで、1ライン印字中にヘッドはその吐
出デューティーによってチップ温度が変化する。即ち、
1ライン中の中でも上記偏差(γ)は時々変化するの
で、その変化に応じて1ライン中にインターバルタイム
値を最適化していく事が望ましい。本実施例では1ライ
ンを印字するのに1.0secの時間を要する。ヘッド
チップの温度予測サイクルが0.1secであるので、
本実施例では1ラインを10のエリアに分割した。先に
設定した印字書き出し時のインターバルタイム値は第1
エリア書き出し時のプレパルス値である。
【0055】次に、第2〜第10エリア書き出し時の
ンターバルタイム値の決め方を述べる。S200でn=
1を設定し、S210でnをインクリメントする。ここ
でnはエリアを示し、第10エリアまでなのでnが10
を越えた時点で以下のループから脱する(S220)。
【0056】まず、ループの1順目は第2エリアの書き
出し時のインターバルタイム値を設定する。方法は、第
1エリアのドット数と第1エリアのPWM値から第1エ
リアの通電比率を算出する(S230)。ここで、通電
比率は温度予測テーブルを参照するときの縦軸の値に相
当する。上記通電比率を温度予測テーブル(図13)に
当てはめて(表を参照して)、第1エリア印字終了(即
ち第2エリア印字開始時)のヘッドチップ温度(β)を
予測する(S240)。ステップS250で前記印字目
標温度(α)と該ヘッドチップ温度(β)の差から、再
び偏差(γ)を求める。そして、該偏差(γ)から第2
エリアを印字するためのインターバルタイムT2を図1
5を参照する事により求め、第2エリアのインターバル
タイム値をメモリー上に設定する(S260)。
【0057】以下、順次前エリアのドット数とインター
バルタイム値から該エリア内通電比率を算出し、該エリ
ア印字終了時のヘッドチップ温度(β)を予測して、印
字目標温度(α)との偏差(γ)から次エリアのインタ
ーバルタイム値を設定していく(S220?S26
0)。その後、1ライン内の10エリア全てのインター
バルタイム値が設定されたらS220からS270へ移
行し、印字前サブヒータ加熱を行った後、設定インター
バルタイム値に従い1ラインの印字を行う。ステップS
270で1ラインの印字が終了したら、ステップS12
0の基準サーミスタ温度読み込みに戻り、上述の制御を
順次繰り返す。
【0058】以上のように制御する事により、実際の吐
出量はインク温度によらず安定して制御できるので、濃
度が均一で高品位な記録画像を得ることができる。
【0059】次に、上記温度予測制御及び吐出量制御を
実行するための制御構成について、図16を参照して説
明する。同図において、60はCPU、61はCPU6
0が実行する制御プログラムを格納するプログラムRO
M、62は各種データを保存しておくバックアップRA
Mである。63は記録ヘッド搬送のための主走査モー
タ、64は記録用紙搬送のための副走査モータで、ポン
プによる吸引動作にも用いられる。65はワイピング用
ソレノイド、66は給紙制御に用いる給紙ソレノイド、
67は冷却用のファン、68は紙幅検知動作のときにO
Nする紙幅検知用LEDである。69は紙幅センサ、7
0は紙浮きセンサ、71は給紙センサ、72は排紙セン
サ、73は吸引ポンプの位置を検知する吸引ポンプ位置
センサである。74はキャリッジのホームポジションを
検知するキャリッジHPセンサである。
【0060】78は4色のヘッドに対する記録データの
供給制御を行うゲートアレイ、79はヘッドを駆動する
ヘッドドライバ、8aは4色分のインクカートリッジ、
8bは4色分の記録ヘッドであり、ここでは8a,8b
としてブラック(Bk)を代表して示す。インクカート
リッジ8aは、インクの残量を検知するインク残量セン
サ8fを有する。ヘッド8bは、インクを吐出させるた
めのメインヒータ8c、ヘッドの温調制御を行うサブヒ
ータ8dを有する。
【0061】図16に於いては外部インターフェイスを
通して送られてくる記録信号等は、ゲートアレイ78の
受信バッファ78aにまず蓄えられる。受信バッファ7
8aに蓄えられた該データは「吐出する/吐出しない」
の2値信号(0、1)に展開され、プリントバッファ7
8bに移される。CPU60は必要に応じて該プリント
バッファ78bから記録信号を参照出来る。
【0062】また、ゲートアレイ78にはラインデュー
ティーバッファ78cが2つ用意されている。記録時の
1ラインを等間隔に(例えば10のエリアに)分解し、
各エリアの印字デューティー(比率)を演算して蓄えて
いる。「ラインデューティーバッファ78c1」は現在
印字中のラインの各エリア毎の印字デューティーデータ
が格納されている。「ラインデューティーバッファ78
c2」には現在印字中の次のラインの各エリア毎の印字
デューティーデータが格納されている。CPU60は必
要に応じていつでも現在印字中のライン、及び次ライン
の各エリア毎の印字デューティーを参照できる。CPU
60は、上述した温度予測制御中にラインデューティー
バッファ78cを参照することで、各エリアの印字デュ
ーティーを得ることができる。従って、CPU60の演
算負荷を軽減することができる。なお、本実施例内で用
いている1ライン中のエリア分割数(10分割)や温度
予測のサイクル(0.1sec)等の定数は一例であ
り、本発明を拘束するものではない。
【0063】(実施例2)次に吐出量の制御領域を広げ
ることが可能な本発明の実施例2について説明する。
【0064】前記実施例1では、ダブルパルスのPWM
駆動におけるインターバルタイムを制御することによ
り、全環境下に於いて吐出量の制御を行ったが、実施例
2は環境温度に応じてサブヒータを併用することによ
り、吐出量を制御できる記録ヘッドの温度範囲を広げる
ものである。
【0065】まず前記実施例1における吐出量の制御可
能な記録ヘッドの温度範囲について述べる。但し、実施
例1、2で用いる記録ヘッドの特性及び画像形成に最適
な1ドットの吐出量は以下に記すとおりである。
【0066】インターバルタイムを操作して制御できる
吐出量変化幅;+30% 温度依存係数(KT);0. 8[pL/℃] 最適吐出量;85pL 装置が用いられ印字濃度を保証する環境温度の範囲を1
5℃以上35℃以下と想定すると、環境温度15℃(記
録ヘッド温度15℃)で、吐出量が最大となるPWM値
(以下PWMmaxと称する)の設定で、85pLの吐出
量となる記録ヘッド構成にする必要がある。またこの
時、吐出量が最小となるPWM値(以下PWMminと
称する)の設定では65plの吐出量となる。ここで該ヘ
ッドが環境温度35℃で用いられた場合、温度依存係数
0. 8なので吐出量は16pl上昇しPWMminでも8
1plとなる。最適吐出量までの差が4pl、即ち記録ヘッ
ドの印字による自己昇温が5℃までは最適吐出量に実吐
出量を合わせ込むことが可能になるが、記録ヘッドの自
己昇温が5℃を越えた場合、実吐出量の制御は不可能と
なってしまう。記録ヘッドの使用可能な温度幅を制限し
ている要因は、PWM駆動による吐出量制御幅と温度依
存係数の2点であり、吐出量変化幅が20pl、温度依存
係数が0. 8であれば、必然的に記録ヘッドの使用可能
温度範囲は25℃に限定されてしまう。
【0067】そこで、本実施例では環境温度が低温時に
於いてはサブヒータを用いて記録ヘッドを加熱する制御
を、実施例1に追加して行うことにより、記録ヘッド温
度が低温である場合を想定する必要がなく、使用可能温
度範囲を上限側へシフトすることができ、実使用上、使
用可能温度の条件を延長することが可能となる。また、
本実施例ではサブヒータを併用して制御してはいるもの
の、プレパルスを増加させることなく実施例1の方法に
より吐出量の制御を図っているため、投入エネルギー変
換効率を高くする事が可能である。そのため、温度上昇
も低く抑えられ、従来技術と同等の印字を行う場合でも
吐出量を制御できる範囲を更に拡大することが可能とな
る。
【0068】以下図面を参照して具体的に説明する。本
実施例では実吐出量の許容変動範囲を85から90plと
し、PWM値の設定は4ランク設定とする。吐出量の少
ない方からPWM1,PWM2,PWM3,PWM4と
する。PWM4はPWM1の吐出量比の1. 3であり、
他は等分となるよう設定されている。各PWM値のプレ
パルス幅、インターバルタイム、メインパルス幅など詳
細は図18に記す。また、本実施例ではPWM値の設定
値の変更は毎行印字直前に行うものとした。
【0069】図17は、記録ヘッド温度とPWM値の選
択値、及びその時の吐出量の関係を示した図である。同
図には30℃以下の設定が無いが、これは、記録ヘッド
温度が30℃以下であった場合にはサブヒータを駆動し
て記録ヘッド温度を30℃以上に調整するからである。
記録ヘッド温度の検出は、前記実施例1で説明した温度
予測制御手段により推定する。記録ヘッド温度が30℃
以上36. 25℃未満の範囲では最大吐出量が得られる
PWM4により記録ヘッドの駆動を行い、記録ヘッドの
温度が36. 25℃を越えた時点でPWM3に切り替え
る。以下順次、記録ヘッド温度の昇温が6. 25℃を越
えるごとにPWM2,PWM1とPWM値の設定を切り
替えていく。
【0070】次に、前記構成よりなる記録装置を用いて
記録を行う場合の動作について、図19のフローチャー
トを参照して説明する。
【0071】ステップS1000で印字命令が入ると、
記録ヘッド温度の温度推定を実行する(S1100)。
ここで、記録ヘッドの温度が30℃以下であった場合、
単位時間サブヒータを駆動して記録ヘッド温度を昇温さ
せる。以上を繰り返すことにより、記録ヘッド温度を3
0℃以上に調整する(S1200、S1300)。ステ
ップS1200で記録ヘッド温度が30℃を越えていた
ならば、ステップS1400に進み、記録ヘッド温度か
らPWM値のランク設定を行う。図18から該ランクに
応じたプレパルス幅、インターバルタイム、メインパル
ス幅を求め、求めた値に従い、1行印字を行い(S15
00)、印字待機状態に戻る。
【0072】以上のように制御を行うことにより、前記
実施例1と比較して吐出量を制御できる記録ヘッド温度
の上限値を引き上げることが可能となる。また、記録ヘ
ッドと環境温度との温度差が広がるので、記録ヘッドの
降温速度が速くなる。これにより吐出量を制御できる記
録ヘッドの温度幅は同じであっても、記録ヘッドの昇温
を低く抑えることが可能となり、投入エネルギーに対す
る記録ヘッド温度の制御範囲を拡大することが可能とな
る。
【0073】なお、本実施例ではPWM値を4ランクに
設定したので許容吐出量範囲が5plとなったが、PWM
値のランク設定を増やすことによって許容吐出量範囲を
狭めることが可能となる。また、PWM値の切り替えた
タイミングを、本実施例では毎行印字直前と設定した
が、印字中に複数回切り替わるように制御を行っても良
い。
【0074】サブヒータを用いて30℃以上に記録ヘッ
ドを昇温させる制御方法は、本実施例では印字直前に行
っていたが、印字中も含め常時駆動しておく方式であっ
ても良い。また、昇温/保温温度は、記録ヘッドの構成
やインクの組成で最適値が定まるので、本実施例の30
℃に限定される値ではない。サブヒータ駆動制御手段以
外の構成及び作用は、前記実施例と同様であるので説明
は省略する。
【0075】(実施例3)次に、PWM駆動による吐出
量の制御幅を拡大する本発明の他の実施例3について説
明する。
【0076】前述の通り、記録ヘッドの使用可能な温度
幅を制限している要因は、PWM駆動による吐出量制御
幅と吐出量温度依存係数の2点である。前記実施例2で
は吐出量変化幅が+30%(20pl)、温度依存係数が
0. 8であったため、記録ヘッドの使用可能温度範囲が
25℃(20pl/0. 8)に限定されてしまっていた。
よって、サブヒータを用いて記録ヘッド温度の最低温度
を30℃以上に制御することにより、前記記録ヘッドの
使用可能温度範囲の25℃を上限側にシフトして効果的
に制御を行っていた。
【0077】しかし、記録直前にサブヒータを駆動し印
字時にはサブヒータを切る制御にあっては、記録ヘッド
温度が規定の30℃に昇温するまで印字を待たねばなら
ず、スループット(記録時間)を低下させる可能性があ
り、高速化が望まれる製品では実現が困難である場合が
ある。また、常時サブヒータを駆動して記録ヘッド温度
を30℃に制御する為には、印字中にもサブヒータが駆
動できるだけの電源容量が必要であり、コストアップの
要因にもなり本来の目的の省エネルギーに対しても改善
効果が圧縮される可能性がある。
【0078】そこで、本実施例3では、吐出量の制御幅
を増大させることにより記録ヘッドの使用可能温度範囲
を拡大させて、サブヒータ等による記録ヘッドの急昇温
や保温に伴う上記弊害を低減するものである。
【0079】以下図面を参照して具体的に説明する。図
5に於いて、T1はプレパルス、T3はメインパルス、
T2はプレパルスT1とメインパルスT3の間のインタ
ーバルタイムである。前記実施例で述べたように、T1
は変化させずにT2を変えることにより吐出量は制御で
きる。また、T2は変化させずにT1を変えることによ
っても吐出量は制御できる。よって、本実施例ではT1
とT2の双方を記録ヘッド温度に応じて最適に制御する
ことにより、更なる吐出量の制御幅の拡大を図り、サブ
ヒータ等による外的補助を利用すること無く、記録ヘッ
ドの使用可能温度範囲を拡大することが可能となる。
【0080】図20はT1,T2を変化させた時の吐出
量の変動割合を記した図である。図20から明らかなよ
うに、T1,T2の双方を変化させることにより、吐出
量は本実施例の場合は50%増加できる。ここで、プレ
パルスT1は吐出ヒータ周辺のインク温度を上昇させる
ことが目的であり、パルスの長さに相関してインク温度
の上昇が図られる。しかし、プレパルスT1で発泡現象
を起こしてしまうと、メインパルス印加時に不正発泡を
起こす可能性がある為、T1の上限は発泡を起こさない
最大パルス幅で決まる。前記実施例2では如何なる環境
下に於いてもプレパルスT1のパルス幅は変えない為、
T1の値は省エネルギーと昇温抑制の為上限に設定しな
かったが、本実施例では最大効率のPWM効果を出す為
に、T1をも制御するものである。
【0081】本実施例ではインク温度が15℃の時には
図20における最大吐出量制御幅が達成できるT1=3
μsを設定し、15℃の環境下で最大の吐出量アップ
(50%アップ)を実現させることを可能としたもので
ある。インク温度15℃の場合の吐出量増加幅が50%
達成できることから、本実施例における吐出量変化幅は
28pl(85ー85/1. 5)、温度依存係数は0. 8
であるので、必然的に記録ヘッドの使用可能温度範囲は
35℃(28/0. 8)となる。
【0082】以上のように制御を行うことにより、吐出
量を最適吐出量に制御できる記録ヘッド温度の使用範囲
を、15℃から50℃の範囲(35℃幅)に拡大するこ
とが可能となる。プレパルス幅制御手段以外の構成及び
作用は、前記実施例と同様であるので説明は省略する。
【0083】以上説明したように、上記実施例ではマル
チパルスPWM制御方法に於いて、第1のパルス(プレ
パルス)の幅を変化させるのではなく、第1のパルスと
第2のパルス(メインパルス)の間のOFFタイム(イ
ンターバルタイム)の長さを可変にしている。すなわ
ち、エネルギー量を増加させることなく、最低限のエネ
ルギー量で伝熱時間の変化により熱効率を可変にし、ヒ
ータとインクの界面のインクの活性度を変化させること
により、吐出量を可変にしている。
【0084】これにより、エネルギーの増加や昇温問題
無しに又、限界点で発生し易い不正発泡等の吐出不良や
ヒータにダメージを与えること無く、制御範囲を広げる
ことができる。したがって、電源容量の増大やバッテリ
ー駆動時の過負荷の問題も無く、又手法によっては低温
時でもウエイトタイムレスで安定した吐出量の制御が行
える。
【0085】更に、第1のパルスとインターバルタイム
を両方独立に制御することにより、吐出量の可変範囲を
格段に増大させることができる。又、サブヒーターを併
用してインク温度を制御することで、制御可能範囲を広
げることも可能である。
【0086】記録に先立って推定した記録時の吐出部の
インク温度に応じて、吐出の安定化を図ることで濃度の
一様性に優れた高品位の画像を得ることができる。ま
た、記録ヘッドに温度センサーを設けることなくインク
温度の推定を行うことで、記録装置本体及び記録ヘッド
を簡略化することができる。
【0087】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用する方式の記録ヘッド、記録
装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0088】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の
米国特許第4313124号明細書に記載されている条
件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができ
る。
【0089】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、マルチ
パルスPWM制御方法に於いて、第1のパルス(プレパ
ルス)の幅を変化させるのではなく、第1のパルスと第
2のパルス(メインパルス)の間のOFFタイム(イン
ターバルタイム)の長さを可変にしている。すなわち、
エネルギー量を増加させることなく、最低限のエネルギ
ー量で伝熱時間の変化により熱効率を可変にし、ヒータ
とインクの界面のインクの活性度を変化させることによ
り、吐出量を可変にしている。
【0091】これにより、エネルギーの増加や昇温問題
なしに又、限界点で発生し易い不正発泡等の吐出不良や
ヒータにダメージを与えることなく、制御範囲を広げる
ことができる。さらに、記録ヘッドの温度を演算によっ
て求めるとき、駆動パルスを用いた単位時間あたりの記
録ヘッドへの通電比率と記録ヘッドの熱時定数とに応じ
て求めており、演算された温度に応じての吐出量の可変
に際して投入エネルギー量を変化させていないので、通
電比率と熱時定数を用いて温度演算を容易に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施もしくは適用される好適なインク
ジェット記録装置の構成を示す斜視図である。
【図2】交換可能なカートリッジを示す斜視図である。
【図3】記録ヘッドの断面図である。
【図4】本実施例の最小吐出駆動周期内でのコモン信号
とセグメント信号の関係を示すタイミングチャートであ
る。
【図5】本実施例のセグメント信号のマルチパルス波形
を示す説明図である。
【図6】本発明を適用可能な記録ヘッドの一構成例を示
す図である。
【図7】吐出量のプレパルス依存性を示す線図である。
【図8】吐出量のインターバルタイム依存性を示す線図
である。
【図9】吐出量制御に関する説明図である。
【図10】温度予測制御方式での吐出量制御に関するフ
ローチャートである。
【図11】温度予測制御方式での吐出量制御に関するフ
ローチャートである。
【図12】機内昇温補正のためテーブルである。
【図13】温度予測テーブルである。
【図14】環境温度とヘッドの目標温度の関係を示すテ
ーブルである。
【図15】温度偏差とマルチパルスPWMのインターバ
ルタイムとの関係を示すテーブルである。
【図16】記録制御フローを実行するための制御構成を
示すブロック図である。
【図17】サブヒータを併用した吐出量制御に関する説
明図である。
【図18】マルチパルスPWMの設定を示すテーブルで
ある。
【図19】サブヒータを併用した温度予測制御方式での
吐出量制御に関するフローチャートである。
【図20】マルチパルスPWM制御に於けるメインパル
スとインターバルタイム変調と吐出量変化率関係を示す
表である。
【図21】記録ヘッドのヒーターボード部の断面の一例
を示す図である。
【図22】記録ヘッドのヒーターボード近傍部の断面の
ヒーターボードに垂直な方向の1次元温度分布を示す図
である。
【符号の説明】 8b 記録ヘッド 8c 吐出用(メイン)ヒーター 8d サブヒーター 9 キャリッジ 60 CPU 78 ゲートアレイ 78b プリントバッファ 78c ラインデューティーバッファ 5012 記録ヘッド 5013 吐出用(メイン)ヒーター 5014 サブヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−121852(JP,A) 特開 平2−30545(JP,A) 特開 平3−227642(JP,A) 特開 平1−202466(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/365

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動パルスに応じた熱エネルギーをイン
    クに供給して膜沸騰による気泡を形成し、該気泡の形成
    に基づいてインクを記録ヘッドから記録媒体上に吐出し
    て記録を行うインクジェット記録装置において、 インク滴の1吐出あたり、インクを吐出に至らしめない
    プリ駆動パルスと、インクを吐出に至らしめるメイン駆
    動パルスとを休止期間を介して前記記録ヘッドに供給す
    る駆動手段と、前記駆動パルスを用いた単位時間当たりの前記記録ヘッ
    ドへの通電比率と前記記録ヘッドの熱時定数とに応じて
    前記記録ヘッドの温度を演算する温度演算手段 と、 この温度演算手段が演算した前記記録ヘッドの温度に基
    づいて前記休止期間を変化させる休止期間制御手段とを
    有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記休止期間制御手段は、前記休止期間
    を変化させることにより前記プリ駆動パルスによる熱エ
    ネルギーが伝達して膜沸騰による気泡の形成に関わるイ
    ンク領域を変化させることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】環境温度を検出するための環境温度検出手
    段と、該環境温度に応じて前記記録ヘッドの目標温度を
    設定する手段とをさらに有し、前記休止期間制御手段
    は、前記温度演算手段が演算した前記記録ヘッドの温度
    前記目標温度との偏差に基づいて、前記休止期間を制
    御することを特徴とする請求項1または2記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記温度演算手段が演算した前記記録ヘ
    ッドの温度が所定温度以下の場合、前記記録ヘッドを前
    記所定温度になるまで加熱する温度制御手段をさらに有
    することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 駆動パルスに応じた熱エネルギーをイン
    クに供給して膜沸騰による気泡を形成し、該気泡の形成
    に基づいてインクを記録ヘッドから記録媒体上に吐出し
    て記録を行うインクジェット記録方法において、 インク滴の1吐出あたり、インクを吐出に至らしめない
    プリ駆動パルスと、インクを吐出に至らしめるメイン駆
    動パルスとを休止期間を介して前記記録ヘッドに供給す
    る供給工程と、前記駆動パルスを用いた単位時間当たりの前記記録ヘッ
    ドへの通電比率と前記記録ヘッドの熱時定数とに応じて
    前記記録ヘッドの温度を演算する温度演算工程 と、 この温度演算工程により演算された前記記録ヘッドの温
    度に基づいて前記休止期間を変化させる休止期間制御工
    程とを有することを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  6. 【請求項6】 前記休止期間制御工程は、前記休止期間
    を変化させることにより前記プリ駆動パルスによる熱エ
    ネルギーが伝達して膜沸騰による気泡の形成に関わるイ
    ンク領域を変化させることを特徴とする請求項5記載
    のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】環境温度を検出するための環境温度検出工
    程と、該環境温度に応じて前記記録ヘッドの目標温度を
    設定する工程とをさらに有し、前記休止期間制御工程
    は、前記温度演算工程により演算した前記記録ヘッドの
    温度と前記目標温度との偏差に基づいて、前記休止期間
    を制御することを特徴とする請求項5または6記載の
    インクジェット記録方法。
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