JP3278682B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JP3278682B2
JP3278682B2 JP20668893A JP20668893A JP3278682B2 JP 3278682 B2 JP3278682 B2 JP 3278682B2 JP 20668893 A JP20668893 A JP 20668893A JP 20668893 A JP20668893 A JP 20668893A JP 3278682 B2 JP3278682 B2 JP 3278682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head
temperature
pulse
recording head
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20668893A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0752388A (ja
Inventor
規文 小板橋
均 錦織
弘光 平林
重泰 名越
仁 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP20668893A priority Critical patent/JP3278682B2/ja
Priority to EP94303812A priority patent/EP0626266B1/en
Priority to AT94303812T priority patent/ATE214336T1/de
Priority to DE69430083T priority patent/DE69430083T2/de
Priority to US08/250,509 priority patent/US6224182B1/en
Publication of JPH0752388A publication Critical patent/JPH0752388A/ja
Priority to US09/776,921 priority patent/US6631969B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3278682B2 publication Critical patent/JP3278682B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッドの吐出状態
を安定にして、画像品位と吐出信頼性の向上を可能にす
るインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板
等の被記録材上にドットパターンからなる画像を記録し
ていくように構成されている。
【0003】記録装置は、記録方式によりインクジェッ
ト式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式
等に分けることができ、そのうちインクジェット式(イ
ンクジェット記録装置)は、記録ヘッドの吐出口からイ
ンク(記録液)滴を吐出飛しょうさせ、これを被記録材
に付着させて記録するように構成されている。
【0004】近年、数多くの記録装置が使用されるよう
になり、これらの記録装置に対して、高速記録、高解像
度、高画像品質、低騒音などが要求されている。このよ
うな要求に応える記録装置として、前記インクジェット
記録装置を挙げることができる。このインクジェット記
録装置では、ノズル内のインク中に熱エネルギーを印加
して発泡を生起し、該発泡力によって記録ヘッドからイ
ンクを吐出させて記録を行うため、上記要求を満たすの
に必要なインクの吐出の安定化、インク吐出量の安定化
は記録ヘッドの温度管理及びインクを吐出するための駆
動方法が非常に重要になっている。
【0005】このため、従来のインクジェット記録装置
にあっては、ヘッドの温度管理をする場合、記録ヘッド
部に、温度検知手段を設けてヘッドの温度を検出するい
わゆるクローズドループ方式や、ヘッドへの投入エネル
ギーからヘッド温度の推移を演算推定する温度演算方式
によってヘッド温度を検出し、該記録ヘッドの検出温度
に基づいて該記録ヘッドの温度を所望範囲に制御する方
法、あるいは上記2つを併用する方法が採られていた。
【0006】例として、特開平5−31906号公報で
は、熱的に安定な状態で記録ヘッド上の温度検知手段か
らの検知温度と、演算推定された演算温度との差を用い
て演算時に使用する値(テーブル等)を補正して高精度
化を達成している。また、特開平5−31918号公報
では、記録ヘッド上の温度検知手段を非記録時、あるい
は温度変化の無いタイミングに記録装置本体内蔵の環境
温度検知手段によって上記記録ヘッドの温度検知手段の
補正を行っている。さらに、特開平5−64890号公
報では、上記温度検知手段による検知温度と上記演算温
度との比を演算温度補正に用いている。これらの例は、
交換方式の記録ヘッドの問題点である上記温度検知手段
のバラツキや記録ヘッド個々の熱時定数の差や吐出時の
熱効率の差などのヘッド特性を補正する方法である。
【0007】上記温度演算方式の手段の概略は、対象物
の温度の挙動(昇温温度)を、単位時間あたりに投入し
たエネルギーによって昇温した対象物の温度が単位時間
経過後毎に何度に降温していくかを予め設定しておき、
現在の対象物の温度を過去の各単位時間あたりに昇温し
た温度が現時点に於いて何度に降温しているかの総和を
演算することにより推定するものである。
【0008】上記温度制御用のヒータとしては、記録ヘ
ッド部に接合した加熱用のヒータ部材や、熱エネルギー
を利用して飛しょう液滴を形成し、記録を行うインクジ
ェット方式の記録装置、すなわち、インクの膜沸騰によ
る気泡成長によりインク液滴を吐出させるものに於いて
は吐出ヒータが用いられる。また、上記吐出ヒータを用
いる場合には、発泡しない程度に通電する必要がある。
【0009】また、インクを吐出させるための記録ヘッ
ドの駆動方法としては、インクを発泡させて吐出させる
ものでは、シングルパルスやダブルパルスなどのマルチ
パルスの電流を吐出ヒータに流して記録ヘッドを駆動す
る方法がある。特に、ダブルパルス波形での駆動では、
インクの吐出量などの吐出状態を制御しやすいため、例
えば、前述した記録ヘッドの温度の値などに応じて波形
制御が行われている。
【0010】また、記録ヘッドの駆動条件を設定する場
合には、予め記録ヘッドの駆動条件を測定しておき、そ
の情報をヘッド上に切り欠きとして刻設したり、あるい
は、メモリに記憶させるなどして、装置本体上でそれを
読み取ることによって設定を行っている。
【0011】また、近年になってラップトップパソコン
に代表される可搬型のOA機器の登場により、可搬型の
プリンター等に於いても、高品位なものが求められるよ
うになってきた。そのような可搬型のものについては、
構造上、小型化設計の為、特にヘッドやインクタンクが
交換可能タイプのものが今後さらに主流になっていくと
考えられる。また、ホームパーソナルユースのワープ
ロ、パソコン、ファクシミリの増大によるメンテナンス
性の面からも、ますます交換可能なカートリッジタイプ
のものが主流になっていくと考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
インクジェット記録装置で安定した吐出を行わせるため
には、記録ヘッドの温度管理、及びインクを吐出させる
ための記録ヘッドの駆動方法が重要であり、各種方法に
より行おうとしている。特に、記録ヘッドの駆動方法
は、ヘッド個々のバラツキによってそれぞれ最適な駆動
条件が必要である。
【0013】一方、予め、記録ヘッドの最適駆動条件を
測定しておき、その情報をメモリに記憶させるなどした
場合、測定を行うことや、メモリ等を装着することがヘ
ッドのコストアップの原因となる。
【0014】上記したヘッド個々のバラツキは、特に記
録ヘッドの特性に依存することが分かってきている。例
えば、吐出ヒータに通電し、その際発生する熱によって
インクを発泡させ、インク滴を飛しょうさせるようなイ
ンクジェット記録ヘッドでは、吐出ヒータの抵抗値のバ
ラツキがヘッドに投入されるエネルギーや発泡の仕方に
影響を及ぼす。
【0015】また、記録ヘッドの蓄熱や放熱の特性も、
インクを発泡させる際の熱の伝わり方によって、発泡の
特性を変化させるものであり、記録ヘッドの駆動条件に
影響を及ぼす。
【0016】本発明は、このような技術的背景の下にな
されたもので、記録ヘッドの特性のバラツキにかかわら
ず、安定したインク滴の吐出をさせるための駆動ができ
るインクジェット記録装置を提供することを主たる目的
とするものである。
【0017】本発明の他の目的は、記録ヘッドのヒータ
の長寿命化を図ることができるインクジェット記録装置
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明が提供するインク
ジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載したインクジェ
ット記録装置であって、前記記録ヘッドのヘッド特性情
報に応じて、記録ヘッドの駆動条件を設定する駆動条件
設定手段を具備したものである。
【0019】上記駆動条件としては、ダブルパルスの基
本波形が設定される。ヘッド特性情報としては、吐出ヒ
ータの抵抗や記録ヘッドの熱特性等及びそれらを組み合
わせたものが使用され、これらの情報を記録装置本体上
で測定する手段も設けられている。
【0020】また、各種駆動パルスのPWM制御,予備
吐出,短パルス温調等は、設定された上記ダブルパルス
の基本波形を基本として、変形する等の制御手段によ
り、行われる。
【0021】
【作用】本発明によれば、記録ヘッドの特性にバラツキ
があっても、記録ヘッドからのインクの吐出を安定して
行わせることができるとともに、記録ヘッドのヒータの
長寿命化を実現することができる。
【0022】
【実施例】
(第1実施例)図12は、本実施例のシリアル方式イン
クジェットカラープリンターを示す。記録ヘッド1は、
複数のノズル列を有しインク滴を吐出することにより記
録媒体上にドット形成により画像記録を行うデバイスで
ある。( 本図では、記録ヘッド固定レバーに被われて直
接図中には示されていない。)また、後述のように、本
例では、複数色のインク滴を吐出可能なように、複数の
印字ヘッドが一体となって記録ヘッド1を形成してい
る。異なる印字ヘッドからは異なる色インクが吐出さ
れ、これらのインク滴の混色により記録媒体12上に色
画像が形成される。印字データはフレキシブルケーブル
10によりプリンタ本体の電気回路から印字ヘッドに伝
達される。印字ヘッド列1K(黒)、1C(シアン)、
1M(マゼンタ)、1Y(イエロー)は、本図では4色
分の記録ヘッドが一体となって構成されている。
【0023】そして、記録ヘッド1はキャリッジ3に着
脱自在になっている。往走査では、この順番でインクを
吐出する。例えば、レッド(以下R)を作る場合、まず
マゼンタ(以下M)が記録媒体12上に着弾され、その
あとMのドット上にイエロー(以下Y)が着弾されてレ
ッドのドットとして見えるようになる。以下同様に、グ
リーン(以下G)の場合はC、Yの順番に、ブルー(以
下B)の場合はC、Mの順番にそれぞれ着弾し色を形成
する。ただし、各印字ヘッドは一定間隔(P1)をもっ
て配置されているため、例えば、Gのベタ印字をすると
きCを印字した後、2*P1分遅れてYの印字が行われ
る。即ち、Cベタの上にYベタを印字することになる。
【0024】このキャリッジ3は、不図示の位置検知手
段によりキャリッジの走査速度及び印字位置を検出して
主走査方向の移動制御を行う。この動力源はキャリジ駆
動モータであり、タイミングベルト8により伝達されて
ガイド軸6、7上を矢印a,b方向に移動する。この主
走査動作中に印字が行われる。桁方向の印字動作には片
方向印字と両方向印字がある。通常、片方向印字はキャ
リッジがホームポジション(以下HP)から反対方向に
移動する時(往方向)のみ印字し、HPに戻る方向(復
方向)は印字動作を行わない。すなわち、高精度の印字
が可能となる。それに対して両方向印字は、往、復両方
向とも印字動作を行う。よって高速度の印字が可能にな
る。
【0025】副走査方向の送りは不図示の紙送りモータ
ーにより駆動されたプラテンローラ11により記録媒体
12が送られる。同図矢印c方向に給紙され、印字位置
に到達したら上記印字ヘッド列により印字動作が行われ
る。
【0026】次にキャリッジ3上の記録ヘッド1につい
て述べる。図15および図16示すように、キャリッジ
3内にはK、C、M、Yのインクを各々吐出する4つの
印字ヘッド(図13)とインクを貯蔵、供給するインク
タンク2bk、2c、2m、2yとが搭載されている。
これら4つのインクタンクは各々キャリッジ3に着脱可
能な構成で、インクが無くなった時点で新たなインクタ
ンクを色別に交換することができる。
【0027】記録ヘッド固定レバー4は、記録ヘッド1
をキャリッジ3に位置ぎめ固定するためのものであり、
キャリッジ3のボス3bと記録ヘッド固定レバー4の穴
4aが回転自在に嵌合しており、記録ヘッド1は上記レ
バーの開閉によって交換可能になる。また、記録ヘッド
固定レバー4とキャリッジ3のストッパ3dが噛み合う
ことによって上記記録ヘッド1をキャリッジ3上に正確
に固定することができる。さらに、記録ヘッド1上部の
接点群111は不図示の記録ヘッド固定レバーにある対
応接点群と接合する。これら接点群が接合することによ
り、4色分の印字ヘッドの吐出ヒータ及びサブヒータ駆
動の駆動信号、前述のヘッド特性、ダイオードセンサ値
等が記録装置本体から送信あるいは検知可能となる。
【0028】記録ヘッド1の詳細について説明する。図
13、図14に示すように、印字ヘッド1は、列状に設
けられた複数個の吐出口Aよりインク滴を吐出させるた
めに、印加電圧が供給され熱エネルギーを発生させる電
気熱変換体(以下吐出ヒータB)が各吐出口毎にヒータ
ボード20G上に配設されている。そして、駆動信号の
印加によって、前記吐出ヒータBを加熱しインク滴を吐
出させる。ヒータボード20Gには、吐出ヒータBが複
数個並んで配置された吐出ヒータ列20Dが配設され、
その近傍にインク滴を吐出しないダミー抵抗20Eが配
設されている。前記ダミー抵抗20Eは、吐出ヒータB
と同様の条件で作成されたものであるため、この抵抗値
を測定することにより、一定電圧を印加した場合の吐出
ヒータBの生成エネルギー(Watt/時)が検知できる。
吐出ヒータBの発生エネルギーは、印加電圧をV(Vol
t)、吐出ヒータ抵抗値をR(Ω)としたときV2 /R
で算出できるので、上記抵抗体のバラツキによって吐出
ヒータBの特性が変ることになる。これら抵抗体は、製
作時のバラツキとして、例えば±15%のバラツキを有
する場合がある。この吐出ヒータ特性のバラツキを検知
して各記録ヘッド毎に最適な駆動条件を設定することに
より記録ヘッドの高寿命化、高画質化が可能となる。
【0029】また、本方式のインクジェットプリンタ
は、インクに熱エネルギーを投入しインク吐出をさせて
いるため、記録ヘッドの温度管理が必要となる。そのた
め、ヒータボード上には、ダイオードセンサ20Cが配
設され、これによって吐出ヒータ近傍の温度を測定し、
インク吐出あるいは温度調節用の投入エネルギーを制御
している。
【0030】また、インクの物性として低温時の高粘度
化等による吐出不良を防止するため、インク吐出とは別
に、ヒータボード上に電気熱変換体(以下サブヒータ2
0F)が設けられている。サブヒータ20Fに投入され
るエネルギーもダイオードセンサ20Cによる温度管理
がなされる。サブヒータ20Fも吐出ヒータBと同様の
条件で作成されたため、前記ダミー抵抗20Eの抵抗値
を測定することにより、それらの抵抗値のバラツキを検
知できる。
【0031】ここで、ヘッド温度演算アルゴリズムにつ
いて説明する。
【0032】(制御全体の流れの概要)前述の通り、イ
ンクジェット記録装置にあっては、記録ヘッドの温度を
一定領域内に制御することによって吐出及び吐出量の安
定化が図られ、高画像品位の記録が可能になる。該安定
した高画像品位の記録を実現する為の、記録ヘッドの温
度の演算検出手段、該温度に応じた最適駆動制御方法等
の概要を以下に説明する。
【0033】(1)目標温度の設定 以下に説明する吐出量安定化の為のヘッド駆動制御は、
ヘッドのチップ温度の制御の基準とする。即ち、ヘッド
のチップ温度を、その時点で吐出している1ドットあた
りの吐出量を検出する代用特性としている。しかし、チ
ップ温度が一定であってもタンク内のインク温度は環境
温度に依存するので吐出量は異なる。この差異を解消す
る目的で、環境温度別に(即ち、インク温度別に)吐出
量が同等になるヘッドのチップ温度を定めた値が目標温
度である。目標温度は目標温度テーブルとして予め設定
しておく。本実施例で使用する目標温度テーブルを図1
7に示す。
【0034】(2)記録ヘッド温度の演算手段 記録ヘッド温度を過去の投入エネルギーから推定演算す
る。演算手段は、記録ヘッドの温度推移を単位時間当た
りの離散値の積み重ねとして扱う離散値積み重ね演算手
段と、該離散値に応じた記録ヘッドの温度の温度推移を
投入可能なエネルギーの範囲内で予め演算しておきテー
ブル化した既演算テーブル手段と、該テーブルが単位時
間当たりの投入エネルギーと経過時間の2次元のマトリ
ックスで構成されている2次元テーブル構成手段とを有
する。
【0035】本発明に於ける温度演算アルゴリズム手段
に於いては、更に、複数の熱伝導時間の異なる部材を組
み合わせて構成されている記録ヘッドをモデル的に実際
よりも少い数の熱時定数で代用するモデル化手段と、該
モデル単位(熱時定数)毎に必要演算間隔と必要データ
保持時間を分けて個々に演算を行う演算アルゴリズム手
段と、熱源を複数設定し個々の熱源毎に上記モデル化単
位で昇温幅を演算し後に加え合わせてヘッド温度を演算
する複数熱源演算アルゴリズム手段が設けられている。
【0036】(3)PWM制御 各環境下で記録ヘッドが上記目標温度テーブルに記され
ているチップ温度で駆動されれば吐出量の安定化は図ら
れる。しかし、チップ温度は印字duty等に応じて時
々変動しており一定ではない。吐出量の安定化を図る目
的で、ヘッドの駆動をマルチパルスPWM駆動にし、温
度に依存させずに吐出量の制御を行う手段がPWM制御
である。本実施例では、ヘッド温度とその環境下での目
標温度との差により、その時点で最適な波形/幅のパル
スを規定したPWMテーブルを予め設定しておき、吐出
駆動条件を定める。
【0037】(4)サブヒータ駆動制御 PWM駆動を行っても所望の吐出量が得られない場合
に、サブヒータを駆動することによってヘッド温度を目
標温度に近づける制御がサブヒータ制御である。ヘッド
温度を所定の温調温度に制御する。
【0038】(温度予測制御)本装置に於いて記録ヘッ
ドの温度を推定する基本式は、以下の熱伝導の一般式に
準じる。
【0039】 加熱時 △temp=a{1−exp[−m*T]} ……(1) 加熱の途中から冷却 △temp=a{exp[−m(T−T1 )]−exp[−m*T]}……(2) 但し、 temp;物体の昇温温度 a;熱源による物体の平衡温度 T;経過時間 m;物体の熱時定数 T1 ;熱源を取り去った時間 記録ヘッドを集中定数系として扱えば、熱時定数毎に印
字Dutyに応じて上記(1),(2) 式を計算することによ
り、理論上は記録ヘッドのチップ温度は推定できる。
【0040】しかし、一般には処理速度の問題から上記
演算をそのまま行うことは困難である。
【0041】厳密には全ての構成部材が異なる時定数を
持っており、また部材間で時定数が生じるので、演算回
数が膨大になる。
【0042】一般的にMPUでは直接指数演算は行えな
いので、近似計算を行うか換算表から求めるなどしなく
てはならず、演算時間を短縮できない。
【0043】そこで、上記問題は、次にあげるモデル化
と演算アルゴリズムで解決している。
【0044】(1)モデル化 前記構成よりなる記録ヘッドにエネルギーを投入し、該
記録ヘッドの昇温過程のデータをサンプリングしたとこ
ろ、図18のような結果を得た。図中、縦軸は、Ln
(1ー△t/a)(a;平衡温度)、横軸は、経過時間
である。
【0045】上記構成よりなる記録ヘッドは、厳密には
多くの熱伝導時間の異なる部材の組み合わせで構成され
ているが、上記ログ変換を行った昇温データと経過時間
の関数の微分値が一定である範囲に於いては(即ち、図
18に於ける傾きが一定であるA、B,Cの範囲に於い
ては)、実用上、単一部材の熱伝導として扱えることを
示している。
【0046】以上の結果から、本実施例では、熱伝導に
関するモデルに於いては、記録ヘッドを2つの熱時定数
で取り扱うこととする。(上記結果では、3つの熱時定
数を持つモデル化を行う方がより正確に回帰が行えるこ
とを示しているが、上表のBとCのエリアに於ける傾き
がほぼ等しいと判断し、演算効率を優先して本実施例で
は2つの熱時定数で記録ヘッドをモデル化する。)具体
的には、一方の熱伝導は0.8秒で平衡温度まで昇温す
る時定数を有するもののモデル化であり(上表ではAの
領域に相当)、もう一方は512秒で平衡温度まで昇温
する時定数を有するもののモデル化(上表ではB及びC
の領域のモデル化)である。
【0047】更に、本実施例では記録ヘッドを以下のよ
うに扱いモデル化する。
【0048】熱伝導中の温度分布は無視できるものと
し全て集中定数系で扱う。
【0049】熱源は、印字のためのヒートと、サブヒ
ータのヒートの2つを想定する。
【0050】図19にモデル化した熱伝導の等価回路を
記す。
【0051】(2)演算アルゴリズム 本実施例でのヘッド温度の演算は、前記の熱伝導の一般
式を以下のように展開して用いる。
【0052】<EX.熱源ON後nt時間経過後の温度
の推定手段>
【0053】
【数1】
【0054】以上のように展開したことにより、<1> 式
が<2ー1>+<2-2>+<2-3>+----+<2-n>と一致する。ここで、 <2ーn> 式;時刻0からtまで加熱し、時刻tからntま
で加熱をOFFした場合の、時刻ntに於ける対象物の
温度に等しい。
【0055】<2ー3> 式;時刻(n-3) から(n-2) まで加熱
し、時刻(n-2) からntまで加熱をOFFした場合の、
時刻ntに於ける対象物の温度に等しい。
【0056】<2ー2> 式;時刻(n-2) から(n-1) まで加熱
し、時刻(n-1) からntまで加熱をOFFした場合の、
時刻ntに於ける対象物の温度に等しい。
【0057】<2ー1> 式;時刻(n-1) からn まで加熱した
場合の時刻ntに於ける対象物の温度に等しい。
【0058】上記式の合計が<1> 式に等しいということ
は、即ち、対象物の温度の挙動(昇温温度)を、単位時
間あたりに投入されたエネルギーによって昇温した対象
物1の温度が、単位時間経過後毎に何度に降温していく
かを求め(各々の<2-1> 式、<2-2> 式---<2-n>式に相
当)、現在の対象物1の温度は過去の各単位時間あたり
に昇温した温度が現時点に於いて何度に降温しているか
の総和を求める(<2-1>+<2-1>+-----<2-n>)ことにより
演算推定することが可能であることを示す。
【0059】本実施例では、前記のモデル化により記録
ヘッドのチップ温度の演算は4回(熱源2*熱時定数
2)行った。
【0060】4回の演算の為の夫々の、必要演算間隔、
データ保持時間を図20に示す。
【0061】また、前記ヘッド温度を演算する、投入エ
ネルギーと経過時間の2次元のマトリックスからなる演
算表を図21〜図24に示す。
【0062】図21は、熱源;吐出ヒータ、時定数;シ
ョートレンジの部材群、の演算表、図22は、熱源;吐
出ヒータ、時定数;ロングレンジの部材群、の演算表、
図23は、熱源;サブヒータ、時定数;ショートレンジ
の部材群、の演算表、図24は、熱源;サブヒータ、時
定数;ロングレンジの部材群、の演算表、である。
【0063】上図に示す通り、0.05秒間隔で、
(1)ショートレンジで代表される熱時定数の部材が、
吐出の為のヒータの駆動で何度昇温しているか(△Tm
h)、(2)ショートレンジで代表される熱時定数の部
材が、サブヒータの駆動で何度昇温しているか(△Ts
h)、1.0秒間隔で、(3)ロングレンジで代表され
る熱時定数の部材が、吐出の為のヒータの駆動で何度昇
温しているか(△Tmb)、(4)ロングレンジで代表
される熱時定数の部材が、サブヒータの駆動で何度昇温
しているか(△Tsb)、以上の演算を適時行い、△T
mh、△Tsh、△Tmb、△Tsbを加え合わせるこ
とによって(=△Tmh+△Tsh+△Tmb+△Ts
b)その時点でのヘッド温度を演算することができる。
【0064】上記のように、複数の熱伝導時間の異なる
部材を組み合わせて構成されている記録ヘッドをモデル
的に実際よりも少い数の熱時定数で代用するモデル化手
段を用いたことにより、 忠実に全ての熱伝導時間の異なる部材及び部材間の
熱時定数別に演算処理を行うのと比較して、演算精度を
さほど落とすことなく格段に演算処理量を減少すること
ができる。
【0065】 また、時定数を判断基準としてモデル
化したことにより、少ない処理回数で且つ演算精度を落
とさずに演算処理することが可能となる。(例えば、上
記の例で説明すれば、時定数毎にモデル化をしなかった
場合、必要演算処理間隔は時定数の小さいA領域で定ま
り50msecが必要演算間隔になり、離散化データの
データ保持時間は時定数の大きいB,C領域で定まり5
12secが必要データ保持時間となる。即ち、50m
sec間隔で過去512秒分の10240データを積み
上げ演算処理することとなり、本実施例の場合と比較し
て数百倍の演算処理回数となる。)以上のように、記録
ヘッドの温度推移を単位時間当たりの離散値の積み重ね
として扱う離散値積み重ね演算手段と、該離散値に応じ
た記録ヘッドの温度の温度推移を投入可能なエネルギー
の範囲内で予め演算しておきテーブル化した既演算テー
ブル手段と、該テーブルが単位時間当たりの投入エネル
ギーと経過時間の2次元のマトリックスで構成されてい
る2次元テーブル構成手段とを有する従来の温度演算ア
ルゴリズムに加え、複数の熱伝導時間の異なる部材を組
み合わせて構成されている記録ヘッドをモデル的に実際
よりも少い数の熱時定数で代用するモデル化手段と、該
モデル単位(熱時定数)毎に必要演算間隔と必要データ
保持時間を分けて個々に演算を行う演算アルゴリズム手
段と、熱源を複数設定し個々の熱源毎に上記モデル化単
位で昇温幅を演算し後に加え合わせてヘッド温度を演算
する複数熱源演算アルゴリズム手段を設けたことによ
り、記録ヘッドの温度の推移を全て演算処理にて処理す
ることが可能となる。
【0066】更には、後述する記録ヘッドの温度を一定
量域内に制御するPWM駆動制御、サブヒータ制御が適
切に行え、吐出、吐出量の安定化が図られ、高画像品位
の記録が可能になる。
【0067】(PWM制御)次に、図面を参照して本実
施例の吐出量制御方法を詳細に説明する。
【0068】図26は分割パルスを説明するための図で
ある。同図において、VOPは駆動電圧、P1 は複数の分
割されたヒートパルスの最初のパルス(以下、プレヒー
トパルスという)のパルス幅、P2 はインターバルタイ
ム、P3 は2番目のパルス(以下、メインヒートパルス
という)のパルス幅である。T1 ,T2 ,T3 はP1
2 ,P3 を決めるための時間を示している。駆動電圧
OPは、この電圧を印加される電気熱変換体がヒートボ
ードと天板とによって構成されるインク液路内のインク
に熱エネルギーを発生させるために必要な電気エネルギ
ーを示すものの一つである。その値は電気熱変換体の面
積,抵抗値,膜構造や記録ヘッドの液路構造によって決
まる。分割パルス幅変調駆動法は、P1 ,P2 ,P3
幅で順次パルスを与えるものであり、プレヒートパルス
は、主に液路内のインク温度を制御するためのパルスで
あり、本発明の吐出量制御の重要な役割を荷っている。
このプレヒートパルス幅はその印加によって電気熱変換
体が発生する熱エネルギーによってインク中に発泡現象
が生じないような値に設定される。
【0069】インターバルタイムは、プレヒートパルス
とメインヒートパルスが相互干渉しにないように一定時
間の間隔を設けるためと、インク液路内インクの温度分
布を均一化するために設けられる。メインヒートパルス
は液路内のインク中に発泡を生ぜしめ、吐出口よりイン
クを吐出させるためのものであり、その幅P3 は電気熱
変換体の面積,抵抗値,膜構造や記録ヘッドのインク液
路の構造によって決まる。
【0070】例えば、図27(A)及び(B)に示すよ
うな構造の記録ヘッドにおけるプレヒートパルスの作用
について説明する。同図(A)及び(B)は、実施例の
記録ヘッドのインク液路に沿った概略縦断面図及び概略
正面図である。同図において、電気熱変換体(吐出ヒー
タ)は上記分割パルスの印加によって熱を発生する。こ
の電気熱変換体はこれに分割パルスを印加するための電
極配線等とともにヒータボード上に配設される。ヒータ
ボードはシリコンにより形成され、記録ヘッドの基板を
なすアルミ板によって支持される。天板には、インク液
路等を構成するための溝が形成されており、天板とヒー
タボード(アルミ板)とが接合することによりインク液
路や、これにインクを供給する共通液室が構成される。
また、天板には吐出口が形成され、それぞれの吐出口に
はインク液路が連通している。
【0071】図28は、吐出量のプレヒートパルス依存
性を示す線図であり、図において、V0 はP1 =0[μ
sec]のときの吐出量を示し、この値は図27に示す
ヘッド構造によって定まる。図28の曲線aに示される
ように、プレヒートパルスのパルス幅P1 の増加に応じ
て、吐出量Vdはパルス幅P1 が0からP1LMTまで線形
性を有して増加し、パルス幅P1 がP1LMTより大きい範
囲ではその変化が線形性を失い、パルス幅P1MAXで飽和
し最大となる。
【0072】このように、パルス幅P1 の変化に対する
吐出量Vdの変化が線形性を示すパルス幅P1LMTまでの
範囲は、パルス幅P1 を変化させることによる吐出量の
制御を容易に行える範囲として有効である。
【0073】パルス幅がP1MAXより大きい場合、吐出量
VdはVMAX より小さくなる。この現象は、上記範囲の
パルス幅を有するプレヒートパルスが印加されると電気
熱変換体上に微小な発泡(膜沸騰の直前状態)を生じ、
この気泡が消泡する前に次のメインヒートパルスが印加
され、上記微小気泡がメインヒートパルスによる発泡を
乱すことによって吐出量が小さくなるために生じる。こ
の領域をプレ発泡領域と呼び、この領域ではプレヒート
パルスを媒介にした吐出量制御は困難なものとなる。
【0074】図28に示すP1 =0〜P1LMT[μs]の
範囲の吐出量とパルス幅との関係を示す直線の傾きをプ
レヒートパルス依存係数と定義すると、プレヒートパル
ス依存係数Kpは、 Kp=△VdP/ △P1 [ng/μsec・dot] となる。この係数Kpは温度によらずヘッド構造・駆動
条件・インク物性等によって定まる。すなわち、図28
中、曲線b,cは他の記録ヘッドの場合を示しており、
記録ヘッドが異なると、その吐出特性が変化することが
分かる。このように、記録ヘッドが異なるとプレヒート
パルスの上限値P1LMTが異なるため、後述するように記
録ヘッド毎の上限値P1LMTを定めて吐出量制御を行う。
すなわち、インクジェット記録ヘッドの吐出量を決定す
る別の要因として、記録ヘッドの温度(インク温度)が
ある。
【0075】図29は吐出量の温度依存性を示す線図で
ある。同図の曲線aに示すように、記録ヘッドの環境温
度TR (=ヘッド温度TH )の増加に対して吐出量Vd
は直線的に増加する。この直線の傾きを温度依存係数K
T と定義すると、温度依存係数KT は、 KT =△VdT/△TH [ng/℃・dot] となる。この係数KT は駆動条件にはよらず、ヘッドの
構造・インク物性等によって定まる。図29においても
他の記録ヘッドの場合を曲線b,cで示す。
【0076】上述の図28および図29に示す関係を用
いることによって、本実施例における吐出量制御を行う
ことができる。
【0077】本実施例では、前記目標温度とヘッド温度
(ヘッド演算温度)の温度差(△T)から一元的にPW
M値が設定されるよう制御する。該△TとPWM値の関
係を図25に示す。
【0078】図中、「温度差」とは上記△Tを現し、
「プレヒート」とは上記P1 を現し、「インターバル」
とは上記P2 を現し、「メイン」とは上記P3 を現す。
また「セットアップタイム」とは記録命令が入力されて
から実際に上記P1 が立ち上がるまでの時間を現す。
(主にはドライバーの立ち上がりまでの余裕時間であ
り、本発明の要部をなす値ではない)。また「重み」と
は、ヘッド温度を演算する為に検出する印字ドット数に
掛け合わせる重み係数である。同じドット数を印字して
いても、例えば7μsのパルス幅で印字しているのと
4.5μsのパルス幅で印字しているのとではヘッド温
度の昇温に差が生じてしまう。このパルス幅変調に伴う
昇温の差を、どのPWMテーブルが選択されているかに
よって補正する手段として該「重み」を用いる。
【0079】(スタンバイ後の全体フロー制御)次に、
図30、図31を用いて制御系全体の流れを説明する。
【0080】図30は、吐出の為のPWM駆動値、及び
サブヒータ駆動時間を設定するための割り込みルーチン
である。本割り込みルーチンは50msec毎に発生す
る。よって印字中なのか休止中なのか、またサブヒータ
の駆動が必要な環境なのか不要な環境なのかには関係な
く、常に50msec毎にPWM値、サブヒータ駆動時
間が更新される。まず、50msecの割り込みがかか
ると、直前までの50msec間の印字duytが参照
される(S2010)。但し、この時参照される印字d
utyとは、(PWM制御)の項で説明したように、実
際に吐出したドット数にPWM値毎の重み係数が掛け合
わされた値である。該50msec間のdutyと過去
0.8秒間の印字履歴から熱源が吐出ヒータで、時定数
がショートレンジの部材群の昇温温度(△Tmh)を演
算する(S2020)。次に同様に50msec間のサ
ブヒータの駆動dutyが参照され(S2030)、該
50msec間のサブヒータの駆動dutyと過去0.
8秒間のサブヒータの駆動履歴から熱源がサブヒータ
で、時定数がショートレンジの部材群の昇温温度(△T
sh)を演算する(S2040)。そして、後述するメ
インルーチンで計算されている、熱源が吐出ヒータで、
時定数がロングレンジの部材群の昇温温度(△Tmb)
と、熱源がサブヒータで、時定数がロングレンジの部材
群の昇温温度(△Tsb)を参照し、それらを加え合わ
せることによって(=△Tmh+△Tsh+△Tmb+
△Tsb)ヘッド温度推移を算出する(S2050)。
【0081】次に、目標温度を目標温度テーブルから設
定し(S2060)、ヘッド温度と目標温度との温度差
(△T)を求める(S2070)。該温度差△TとPW
Mテーブル及びサブヒータテーブルから、△Tに応じた
最適ヘッド駆動条件であるPWM値、及びサブヒータ駆
動時間が設定される(S2080〜S2100)。
【0082】図31はメインルーチンである。印字命令
が入ると(S3010)、過去1秒間の印字dutyを
参照する(S3020)。但し、この時参照される印字
dutyとは、(PWM制御)の項で説明したように、
実際に吐出したドット数にPWM値毎の重み係数が掛け
合わされた値である。該1秒間のdutyと過去512
秒間の印字履歴から、熱源が吐出ヒータで、時定数がロ
ングレンジの部材群の昇温温度(△Tmb)を演算し、
50msec後との割り込み時に容易に参照できるよう
に定められたメモリー位置に格納更新する(S303
0)。次に、同様に、1秒間のサブヒータの駆動dut
yが参照され(S3040)、該1秒間のサブヒータの
駆動dutyと過去512秒間のサブヒータの駆動履歴
から、熱源がサブヒータで、時定数がロングレンジの部
材群の昇温温度(△Tsb)を演算する。△Tmbを格
納更新した場合と同様、50msec毎の割り込み時に
容易に参照できるように定められたメモリー位置に格納
更新する(S3050)。そして、50msec毎の割
り込みが入る毎に更新されていくPWM値、及びサブヒ
ータ駆動時間に従って印字及びサブヒータの駆動を行う
(S3060〜S3070)。
【0083】また、ヘッドチップ温度が印字目標温度よ
りも高温で、小さいエネルギーのPWMで駆動していて
もヘッドチップ温度を低下させ得ない時などには、キャ
リッジの走査速度を制御しても良く、またはキャリッジ
の走査開始タイミングを制御しても良い。
【0084】(ヘッド特性測定)前述のように最適なヘ
ッド駆動を行うには、記録ヘッドの各種特性を記録装置
本体が認識しなくてはならない。さらに、本例では、記
録ヘッド1は交換可能な構成になっているため、ヘッド
交換時には必ず上記ヘッド特性を測定する。測定項目は 吐出ヒータ特性(ダミーヒータ抵抗値) ダイオードセンサ特性(ダイオードセンサ出力) サブヒータ熱特性 吐出ヒータ熱特性 の4種類である。
【0085】ヘッド特性測定の全体構成のブロック図を
図3に示す。ヘッド特性を本体側が測定する項目は上記
4種類である。図3中、aは吐出ヒータ特性、bはDiセ
ンサ特性、cは吐出ヒータ特性、dはサブヒータ熱特性
の測定を表す。各々本体側とヘッドとの間にエネルギー
投入及び温度測定等の入出力があり、その測定結果を受
けて各ヘッド特性の認定を行う。その後、第2実施例で
示すような暫定あるいは確定の定義付けを行っても良
い。ヘッド特性の認定が終了すれば、記録モードに入り
記録可能な状態になる。あるいは、ヘッド特性結果が異
常値を示す場合にはエラーモードに入り本体はエラー表
示を行う。また、各ヘッド特性値は記憶装置に格納さ
る。この記憶値を用いてヘッドが交換されたかあるいは
同一ヘッドであるかの判別を行う。
【0086】以下、各ヘッド特性及びそれに応じた駆動
パルス波形等の詳細を述べる。
【0087】第1に、吐出ヒータ特性は、ダミー抵抗2
0E(図14)の抵抗値を測定する。印字ヘッドの駆動
に定電圧駆動を用いる場合、吐出ヒータの抵抗値が判れ
ば、どの程度エネルギーを投入すればよいか判る。本例
では、吐出ヒータ抵抗値のバラツキに対応して駆動電圧
波形を可変にし最適駆動を行っている。即ち、吐出ヒー
タ特性(ヘッドランク)毎に図5と図25に示すような
基本波形及びPWMテーブルを別々に有している。
【0088】ここで、ヘッドトランクに対応した、駆動
パルスの基本波形について説明する。(以下、本実施例
における、ヘッドランクに対応した駆動パルスの基本波
形を単に”基本波形”と呼ぶ。)この駆動パルスの基本
波形は重要であり、これをもとに各種の記録ヘッドの駆
動を行う。
【0089】まず、1つ目には、印字時の駆動は上記基
本波形を基本として行う。ヘッドランクに応じ、記録ヘ
ッドの吐出状態が安定であり、かつ吐出ヒーターの高寿
命化が達成できるよう、駆動波形を設定している。よっ
て、通常の環境下においては、記録ヘッドが特に高デュ
ーティーな印字により自己昇温していなければ、基本波
形のままで印字を行っても良い。本実施例では、基本波
形としてダブルパルス波形を用いている。記録ヘッド温
度が所定の温度より小さい場合は、上記サブヒーターに
よる温度調節を行い吐出量を補償する。逆に、記録ヘッ
ドの温度が所定の温度以上の場合、相対的に先のパルス
(プレヒートパルス)のパルス幅を短い方向に変調する
こと(PWM制御)により吐出量の調節を行う。
【0090】2つ目には、予備吐出の駆動は上記基本波
形に基づいて行う。予備吐出は記録ヘッドの吐出ノズル
内のリフレッシュを目的に行うものであり、記録ヘッド
が高温となり吐出量が増大しても、吐出量を調節する必
要はない。プレヒートパルスのパルス幅は、最大のもの
(すなわち、基本形のパルス波形そのもの)を用い、回
復性を良くする。
【0091】前述のPWM制御を行う場合、基本波形の
プレヒートパルスのパルス幅が十分に長いことが要求さ
れる。すなわちPWM制御では、記録ヘッドの温度が高
温になるに従いプレヒートパルスを短くするため、基本
波形におけるプレヒートパルスの幅が短ければ、PWM
制御における制御可能温度範囲が狭くなってしまう。よ
って上記基本波形のプレヒートパルスの幅をあまり小さ
く設定することは好ましくない。
【0092】しかしながら、吐出ヒーターの抵抗値(つ
まり、ヘッドランク)が小さくなると、それに従いプレ
ヒートパルスのパルス幅も短くしないと、プレヒートパ
ルスによるインクの発泡(以下<プレ発泡)が起こって
しまい安定な吐出ができなくなってしまう。
【0093】よって、上記の弊害が発生しない範囲で基
本波形のプレヒートパルスを設定する必要があり、吐出
ヒーターの抵抗値に比例したプレパルス幅の設定にはな
っていない。
【0094】一方、基本波形の相対的に後のパルス(以
下、メインヒートパルスと呼ぶ)もヘッドランクに応じ
て変更しないと安定な吐出状態を得ることができないた
め、図5のように、ヘッドランクが大きくなるに従い、
パルス幅が長くなるように設定している。
【0095】以上の理由により、図5に示すように基本
波形が構成される。
【0096】そして、印字の際には、駆動パルスの制御
が行われ、プレパルスが図25のように変調される。そ
の際、P1 だけを変調すれば良いため、ランクに応じた
1だけのテーブルだけを持てば良い。
【0097】また、吐出ヒータの熱特性を測定する場合
は、発砲しない程度のパルスを印加させるが、本実施例
ではプレパルスのみを用いて駆動させる。よって熱特性
を測定する際の別の駆動パルスのテーブルを持つ必要が
なくなる。
【0098】図1は、以上説明した内容をブロック図に
まとめたものである。同図に示すように、まず、ヘッド
上のダミー抵抗を測定し、ヘッドランクを決定し、その
ヘッドランクに基づいた基本パルス波形が設定される。
その基本パルス波形に基づいてプレパルスを変調する印
字のためのPWM制御、予備吐出、及びプレパルスによ
る熱特性の測定、プレパルスによる短パルス温調が行わ
れる。インク落ち(不吐出)検知を行う際の駆動パルス
も、予備吐出のパルスと同様に設定される。
【0099】第2に、ダイオードセンサ特性の測定をお
こなう。記録装置本体に内蔵されているサーミスタによ
る測定温度から環境温度を測定する。基準温度(例えば
25℃)でのダイオードセンサ基準出力電圧及び温度-
出力電圧特性(傾き値)は予め判っているため、上記環
境温度下でのダイオードセンサ出力電圧を上記傾き値を
用いて基準温度(25℃)条件に換算し、ダイオードセ
ンサ基準出力電圧との比較によってダイオードセンサの
特性を測定する。ダイオードセンサの出力はヘッド温度
によって左右されるため、記録ヘッドが本体温度と異な
ったり、急激な温度変化が有る時には、ダイオードセン
サの特性は測定できず、熱的に安定するまで待つ必要が
ある。
【0100】しかしながら、新しいヘッドと認識された
場合は、それまでの記録ヘッドが本体の置かれた環境に
対して温度差のある環境に放置されているケースが考え
られ、ダイオードランクを測定するためには、記録ヘッ
ドを本体に装着後かなりの時間を待つ必要がある。
【0101】これは、新しいヘッドが全体として、前の
放置環境の温度になじんでいるため、本体の置かれた環
境温度になじむまでの熱時定数が大きいためであり、特
に記録ヘッド全体としての熱容量の大きいものは顕著で
ある。例えば、インクタンクと記録ヘッドが一体となっ
たものは、インク及びインクタンクが熱容量が大きいた
め、なかなかヘッド温度が安定しない。また、本実施例
のように複数の記録ヘッドが一体となって1つのヘッド
を構成しているものでは、複数の記録ヘッドを包む枠内
の空気が大きな熱容量として作用するため、更にヘッド
温度が安定し難くなり、安定するまでに1時間近くかか
る場合もある。
【0102】よって、あまり時間を待たないでダイオー
ドランクを測定すれば、そのランク値の測定誤差が大き
くなり、精度良く記録ヘッドの温度を求めることができ
ない場合がある。その結果、記録ヘッドからのインクの
吐出の安定化や、吐出量の安定化が達成できない場合が
ある。よって記録ヘッドのダイオードセンサーの値の時
間的な変化とそのときの本体内サーミスタ温度とによっ
て、記録ヘッドの温度を推定することで、ダイオードラ
ンクを推定する。
【0103】第3に、サブヒータの熱特性測定を行う。
サブヒータは低温時にインクの吐出特性が低下しないよ
うに一定温度(例えば25℃)にヘッド温度を保つ働き
をする。前述のヘッド温度演算アルゴリズムで述べたよ
うに、温度演算用にサブヒータの演算表を予め記録装置
本体が有している。この演算表の中身は印字ヘッドの温
度変化を一定時間毎に記述したもの(Diセンサからみた
熱の伝わり方)であるが、印字ヘッドの部材間の接合具
合や、吐出量の大小、ヒータ駆動用本体電源のバラツキ
等で実際は各印字ヘッド毎に異なっている。
【0104】一例として、蓄熱し易い印字ヘッドから蓄
熱しにくい印字ヘッドまでの温度変化を3つに分割し、
前述の演算用テーブルを3つ持たせた。テーブルの中身
としては蓄熱し易いヘッドは同じエネルギー(デューテ
ィ)を投入しても温度上昇が高いため数値は大きくな
る。逆に、蓄熱しにくい印字ヘッドはすぐに放熱してし
まうため、テーブル中の数値は小さめの値となる。ここ
では中心的な熱伝導を示す印字ヘッドのテーブルを中心
テーブル2としそれをはさむように温度変化大テーブル
3(蓄熱しやすい)と温度変化小テーブル1(蓄熱しに
くい)を有している。
【0105】このテーブル選択を行うのがサブヒータ熱
特性測定である。同一エネルギー投入時の熱特性毎の昇
降温を図6に示す。中心的な昇降温を線図aに、蓄熱分
が多く昇温が高い場合を線図bに、蓄熱分が低く昇温が
低い場合を線図cに各々示す。まず、エネルギー投入前
にタイミングT1 で温度を測定する。次にエネルギー投
入終了前後のタイミングT2 での温度を測定する。最後
に降温後のタイミングT3 で温度測定を行う。このと
き、テーブル選択のための測定値として 測定値=2×(T2 での温度)- (T1 での温度)-
(T1 での温度) を算出する。もしターゲットの印字ヘッドが蓄熱しやす
ければ、しきい値2よりもおおきな値を示すので演算テ
ーブルは温度変化大テーブル3を選択する。逆に、しき
い値1よりも小さければ、蓄熱しにくいヘッドとして温
度変化小テーブル1を選択する。また上記測定値がしき
い値1としきい値2の間なら標準的な印字ヘッドとして
中心テーブル2を選択する。すなわち、 テーブル1:測定値<しきい値1 テーブル2:しきい値1=<測定値=<しきい値2 テーブル3:しきい値2<測定値 となる。
【0106】本例では、T2 - T1 =T3 - T2 とした
が、しきい値のとり方によってはこの限りではない。
【0107】このように、演算テーブルを個々の印字ヘ
ッド熱特性毎に設定することにより、一律に演算値に熱
特性測定から得られた係数の積算による方式よりも印字
デューティー毎に上記係数が別に設定でき、かつ演算負
荷が低い等の有益な効果が得られる。
【0108】第4に、吐出ヒータの熱特性測定を行う。
測定動作は上記サブヒータ熱特性測定方法と同じである
が、駆動するのは吐出ヒータになる。
【0109】吐出ヒータの熱特性測定の際の駆動条件
は、基本波形のプレパルスを用いて行う。ここで、プレ
パルスを用いるのは、インクを発砲させないようにする
ためであり、同一テーブルを用いるため、テーブルの数
が多くならずに済むという利点があるためである。
【0110】本実施例は、ヘッド特性測定項目に対して 優先順位を設定する。
【0111】一回測定した特性値を数値化して記憶す
る。(ランク分け) 記憶した特性値と新たに測定した特性値とを比較す
る。
【0112】ことにより、記録ヘッド自体の識別(I
D)が設定可能になりヘッド特性測定時間の短縮化・効
率化を図ることができる。
【0113】まず、吐出ヒータ、ダイオードセンサの測
定値をランク分けして管理する。この方式だと過去の測
定値と比較したり、記録装置本体に記憶・保存する場合
に簡単に取り扱いができ、非常に有用である。
【0114】<吐出ヒータ特性>吐出ヒータ特性は前述
のように、ダミー抵抗20Eの値で表される。本実施例
では、上記ダミー抵抗20Eのバラツキが272. 1Ω
±約15%の場合を説明する。図4に示すように抵抗値
のバラツキを13ランクに分割する。中心値をランク7
とし、1ランク中の抵抗値幅は約8Ωで全体バラツキの
約2. 3%となっている。このランク数は細かく分割し
た方が高精度のヘッドランク設定が可能であるが、その
分記録装置本体側のランク読み取り回路も高精度化が必
要である。記録装置がヘッドランクを読み取った後、記
録装置本体中の記憶部材(EEPROM、NVRAM 等)に書き込
む場合、上記1〜13の数字を4ヘッド分各々記憶する
ことになる。
【0115】<ダイオードセンサ特性>前述のヘッドラ
ンクと同様に、ダイオードセンサ(以下Diセンサ)もそ
の特性を同様の理由からランク分けする。Diセンサは、
温度- 出力電圧の比例係数(以下、傾きという)はセン
サ個々でそれほどバラツキが無いが(本例のヘッド温度
管理に用いる場合)、オフセット(同一温度下での出力
値バラツキ)がセンサ個々にかなりバラツキを有してい
る。そのため同一出力電圧を得てもDiセンサの特性(ラ
ンク)が判らないと絶対値としてのヘッド温度が判らな
い。
【0116】Diセンサランクの説明図を図8に示す。横
軸が温度、縦軸がDiセンサの出力電圧であり、各ランク
の中心値を線図にしてある。実際は各ランク毎に電圧値
は幅を有して隣のランクに接している。あるヘッドのDi
センサが20℃(サーミスタ温度とヘッド温度が同一と
見なされる時にサーミスタ温度とDiセンサ温度を一致さ
せる)の時に1. 125Vの出力であったとする。前述
のように傾きはほぼ一定値で、本例の場合、 - 5. 0[mV/℃] である。よって25℃時に換算すると、出力電圧は1.
1Vになる。このようにDiセンサの出力電圧値を傾き値
を用いて25℃環境に換算し、その換算値を予め用意し
てある換算表と比較してランクを決定する。本例のDiセ
ンサは、25℃での出力電圧のバラツキが、 1. 1±0. 05[V] であるため、前述の傾き値- 5. 0mV/℃から同一出
力電圧で±10℃のバラツキが生ずる。よって総ランク
数を10ランクに設定すれば、1ランク中の温度バラツ
キは2℃に、20ランクに設定すれば1℃になり、ヘッ
ド温度管理に必要な精度で上記ランク数が決定される。
ただし、分割ランク数が多くなれば、その分電圧検出幅
が狭くなるため検出回路の精度も必要になる。このよう
に、ランク分けされたDiセンサのランクを各色ヘッド毎
に記憶する。
【0117】<ダイオードセンサーランク推定>図7に
ダイオードセンサーランク推定の全体の構成を示す。記
録ヘッドが新しく装着されたと認識された場合に、ダイ
オードセンサー特性の直接の測定を行わず、推定を行
う。具体的には、まず、ダイオードセンサーランクを標
準値とした場合の記録ヘッドの温度Ts を測定して記憶
し、その後、所定時間tの後に、再び記録ヘッドの温度
Tを測定する。同時に本体内の室温TO をサーミスタに
より測定する。
【0118】上述したところを図9で説明すると、記録
ヘッドはある時定数で環境温度(〜室温)に指数関数的
に集束する(式1となる)ため、その集束する温度を計
算によって求めると(式2)となる。
【0119】 (式1) T=(Ts −TO )・exp(−t1 /tj )+TO (式2) TO =(T−Ts )/(1−A)+Ts = ΔT/(1−A)+Ts ( ΔT=T−Ts 、 A=exp(−t1 /tj )、tj : 時定数 ) この式により求めたTO がサーミスタ温度と一致するよ
うに、ダイオードランクを決定する。新ヘッドの場合、
印字直後等の場合に比べ、時定数 tj が大きく、本実
施例ではt1 =30秒とし、A=0. 94と設定した。
【0120】<サブヒータ・吐出ヒータ特性>サブヒー
タ・吐出ヒータの特性値として、前述の演算テーブル番
号を各ヒータのランク値として記憶する。
【0121】<ヘッド特性測定シーケンスのフロー>図
10に本実施例におけるヘッド特性測定シーケンスのフ
ローを示す。まず、ヘッドランクが同一でない場合は、
別ヘッドが搭載されたとして、Diセンサ近傍に温度変化
が有る無しにかかわらず、ヘッド特性測定を全て行わな
くてはならない。よって、ダイオードセンサーランクの
推定を行い、暫定値として記憶する。もし、ヘッドラン
クが同一とみななされれば、次にDiセンサの温度変化を
調べる。Diセンサは、ランク値が決定していなくても温
度変化は認識できるので、一定時間内の温度バラツキを
調べてDiセンサ近傍の温度が安定しているか判断する。
【0122】一例として、本実施例では、10秒間に
0. 2℃以上の変化を温度変化有りと定義している。こ
れは、ダイオードランク確定の時と違い、印字直後では
熱時定数が小さいため温度変化が大きく、10秒間の変
化で十分確認できる。温度変化有りと判断されたらDiセ
ンサのランク測定には不適当なので、この条件下ではラ
ンク測定(出力電圧測定)を行わず、前回のDiセンサラ
ンク値を利用する。この時、暫定・確定の区別を用い
る。前回記憶のDiセンサランクが確定値であれば、記録
ヘッドは前回特性測定時と同一のものが搭載されている
として前回記憶した特性値を用いる。また、前回記憶の
Diセンサランクが暫定値であったならば、上記暫定値を
用いる。サブヒータ・吐出ヒータ熱特性は、本例では、
再測定を行ったが、Diセンサランクが暫定値であるた
め、サブヒータ・吐出ヒータ熱特性も前回の値、あるい
は前述の中心テーブルを暫定値として用いても構わな
い。この場合、前記印字ヘッド近傍の温度変化の影響を
サブヒータ・吐出ヒータ熱特性測定時に受けずにすむ。
ただし、あくまで暫定値の使用であるため、可能な限り
早急に各ヘッド特性の再測定を行う必要がある。
【0123】上記温度変化が無いと判断された時は、Di
センサランクの測定が短時間で可能であるので測定を行
い、測定結果と前回記憶値と比較して同一であればDiセ
ンサランク確定とし同一ヘッドと見なしてサブヒータ・
吐出ヒータ熱特性は前回記憶値を用いる。また上記比較
の結果同一でなかったらば、Diセンサランクを暫定値、
別ヘッドと見なして、サブヒータ・吐出ヒータ熱特性を
再測定する。
【0124】以上説明したように、新しい記録ヘッドと
認識された場合、本実施例のように、ダイオードランク
を推定することで、その記録ヘッドが本体の置かれた環
境に対して温度差のある環境から持ってこられ、装着さ
れたとしても、比較的短時間で精度良く、ダイオードラ
ンクを設定することができる。よって、たとえ、このラ
ンク値が暫定値だとしても、記録ヘッドの温度は信頼性
にある値となり、単なる暫定値とは違うものとなる。よ
って、その後に得られたヘッド温度によって駆動条件を
変更することで、記録ヘッドからのインクの吐出状態、
及び吐出量を安定なものとすることができる。
【0125】以上説明したように、Diセンサランク測定
前にDiセンサの温度変化によって上記ランク測定を行う
か行わないかの区別をすることにより、正確なランク測
定が達成され、特性値の暫定・確定と組み合わせること
により、上記温度変化が有ってDiセンサランク測定が不
適切な時でも精度の高いランク運用が可能となった。ま
た、ヘッドランクが同一でDiセンサランクが確定値であ
ったなら、温度変化に無関係に各ヘッド特性を前回の記
憶値を用いるようにしても構わない。
【0126】本例では、前記のヘッド特性測定終了後、
再ヘッド特性測定を行う。通常の記録装置立ち上げ時
(前述のヘッド特性測定を必ず行う場合)には暫定値等
の中心的な特性値を用いて上記立ち上げ時間を短縮し記
録装置を使用可能にする。その後、上記再ヘッド特性測
定(以下ヘッド特性補正)を記録装置をユーザが使用し
てない時に行うことによって、暫定値としてのヘッド特
性値からより正確な確定値を認識してヘッド制御の精度
を高める。
【0127】この時のフローを図11に示す。本例の場
合、Diセンサ測定タイミングとして記録ヘッドが熱発生
しない時間が60分したら行う。この熱発生とは吐出ヒ
ータ駆動およびサブヒータ駆動の時に発生する。従っ
て、過去60分の間に吐出ヒータ及びサブヒータのどち
らも駆動されなかったら熱発生無しと判断し、記録ヘッ
ド近傍の温度変化が無いとしてDiセンサランク測定を実
行する。本例での熱発生無し時間を60分としたのは、
第15、16図に示すように、記録ヘッドが複数個(4
つ)一体となっていること、及び位置ぎめ固定されてい
るキャリッジ3部に放熱用の肉抜きを行うスペースが十
分でなかったためであり、ヘッド、キャリッジ形態ある
いは必要としているDiセンサランクの精度によって上記
時間の長短が決定する。
【0128】次に、測定されたDiセンサランク値を前回
記憶値と比較し、同一だったら確定値として記憶する。
この確定値を用いて再度サブヒータ・吐出ヒータ熱特性
測定を行い最終的な記録ヘッド特性値とする。また上記
Diセンサランクが同一でない場合、この測定結果は暫定
値として記憶し、再び熱発生無し連続60分待ちシーケ
ンスに入る。
【0129】図11では、一回Diセンサランクが確定し
てサブヒータ・吐出ヒータ熱特性を測定したら、上記ヘ
ッド特性補正が終了するが、Diセンサランク確定・サブ
ヒータ・吐出ヒータ熱特性測定終了後に、最初の熱発生
無し連続60分シーケンスに戻って常に補正動作を繰り
返すルーチンにしても構わない。
【0130】さらに、本例は、前述のヘッド特性値であ
るランクに許容範囲を設定して同一ランク、同一ヘッド
の判断を行う。例えば、前述のヘッド特性測定時は、と
りあえず記録装置を使用可能にするために立ち上げ時間
短縮を第一優先として同一ヘッド・同一ランク(Diセン
サ・サブヒータ・吐出ヒータ)の判断を±2ランク以内
の場合とする。このように、判断基準をある程度幅を持
たせて設定することによって、測定等のバラツキ分を含
んでも同一ヘッドと認識可能となり、過去の記憶値を使
用するため立ち上げ時間の短縮が可能となる。ヘッド特
性補正時には正確さを第一優先として同一ランク許容範
囲を±1ランク以内に設定する。このように許容範囲を
狭くしたことで各特性のランク値が確定になった時は正
確なランク値設定が可能となった。このような許容精度
範囲は必要に応じて上記の値に限定されることなはい。
【0131】(第2実施例)第1実施例では、ヘッドラ
ンクのみによって吐出ヒータ駆動の基本パルス波形が設
定されたが、ここでは吐出ヒータの熱特性によって基本
パルス波形が補正される例を図2のブロック図を用いて
説明する。
【0132】まず、記録ヘッド内のダミー抵抗を測定す
ることにより、吐出ヒータの抵抗(ヘッドランク)を測
定する。そして、その情報に従って、第1実施例と同様
に、基本パルス波形・暫定値が設定される。その基本パ
ルス波形・暫定値のプレパルスを用いて吐出ヒータの熱
特性を測定し、その熱特性情報によって基本パルス波形
を補正し、確定値とする。この基本パルス波形に基づい
て、PWM制御,予備吐出等を行う。
【0133】ここで、補正とは、具体的には、プレパル
スとメインパルスのパルス幅を調整することで、熱特性
情報標準値に対して大きければ、小さく、逆に標準値に
対して小さければ、大きく補正することである。すなわ
ち、熱特性値が標準値より大きい場合は、熱が蓄熱しや
すいということを意味するものであり、標準のパルス幅
では、インクを発砲させるためのエネルギーが大きすぎ
るため、パルス幅を小さく補正するものである。
【0134】また、補正の方法としては、パルス幅設定
はそのままで、吐出ヒータに印加する駆動電圧を調整す
る方法もある。すなわち、熱特性値が標準値に対して大
きければ、駆動電圧を小さめに補正する方法である。こ
の方法のメリットは、パルス幅設定用のテーブルは変更
する必要がないというところにある。
【0135】(第3実施例)第2実施例と同様に、ヘッ
ドランクに対応した暫定の基本パルス波形が設定された
後、熱特性を測定した結果が標準より大きい場合、オフ
タイム(インターバルタイム)を短くするように制御し
ても良い。これは、ヘッドの蓄熱の度合いが大きいた
め、オフタイムを十分にとらずとも、所望のインクの吐
出状態、特に吐出量を確保できるためである。熱特性を
測定した結果が標準より小さい場合は、逆にオフタイム
を長く制御する。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録ヘッドのそれぞれの特性情報に応じて駆動条件を設
定しているため、記録ヘッドの特性のバラツキにかかわ
らず、安定した記録ヘッドからのインクの吐出を行わせ
ることが可能となる。
【0137】また、吐出の安定化だけでなく、記録ヘッ
ドの寿命も、特性のバラツキにかかわらず、長くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例における記録ヘッドの駆動を説明
するためのブロック図
【図2】 第2実施例における記録ヘッドの駆動を説明
するためのブロック図
【図3】 記録ヘッド特性の測定全体を説明するための
ブロック図
【図4】 ダミー抵抗の抵抗値とヘッドランクの対応を
示す図
【図5】 ヘッドランクに応じた基本波形を示すテーブ
【図6】 サブヒータの熱特性の測定を説明するための
模式図
【図7】 ダイオードセンサランクの測定全体構成を示
すブロック図
【図8】 ダイオードセンサランクの測定を説明するた
めの模式図
【図9】 ダイオードセンサランクの測定を説明するた
めの模式図
【図10】 記録ヘッドの特性を測定するシーケンスを
示すフローチャート
【図11】 記録ヘッドの特性を測定するシーケンスを
示すフローチャート
【図12】 記録装置全体を示す斜視図
【図13】 記録ヘッドの構造を示す斜視図
【図14】 記録ヘッドのヒーターボード内を示す図
【図15】 キャリッジを示す斜視図
【図16】 記録ヘッドをキャリッジ上に搭載した図
【図17】 環境温度−目標温度変換テーブル
【図18】 記録ヘッドの昇温過程を示す模式図
【図19】 モデル化した熱伝導等価回路
【図20】 温度演算用時間区分一覧表
【図21】 吐出ヒータ・ショートレンジ演算テーブル
【図22】 吐出ヒータ・ロングレンジ演算テーブル
【図23】 サブヒータ・ショートレンジ演算テーブル
【図24】 サブヒータ・ロングレンジ演算テーブル
【図25】 PWM駆動のパルス幅を決めるためのテー
ブル
【図26】 分割パルスを示す模式図
【図27】 印字ヘッドの構造を示す断面図
【図28】 吐出量のDI特性を示す模式図
【図29】 吐出量の温度依存性を示す模式図
【図30】 PWM制御を説明するためのフローチャー
【図31】 PWM制御を説明するためのフローチャー
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インクタンク 3 キャリッジ 4 記録ヘッド固定レバー 6 ガイド軸 7 ガイド軸 8 タイミングベルト 9 プーリ 10 フレキシブルケーブル 11 プラテンローラ 12 記録媒体 A 吐出口 B 吐出ヒータ 20C Diセンサ 20D 吐出ヒータ列 20E ダミー抵抗 20F サブヒータ 20G ヒータボード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名越 重泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−208654(JP,A) 特開 平5−169661(JP,A) 特開 平5−31905(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドを搭載するインクジェット記
    録装置であって、少なくとも 前記記録ヘッドの吐出ヒータの抵抗特性と前
    記記録ヘッドの蓄熱のし易さを示す熱特性とをヘッド特
    性情報として測定する測定手段と、 前記測定手段によって測定されたヘッド特性情報に応じ
    て、前記記録ヘッドの駆動条件を設定する駆動条件設定
    手段を具備することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記測定手段は、前記記録ヘッドの少な
    くともサブヒータと吐出ヒータの熱特性を測定すること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 記録ヘッドを搭載するインクジェット記
    録装置であって、 前記記録ヘッドの吐出ヒータの抵抗特性をヘッド特性情
    報として測定する測定手段と、 前記測定手段によって測定されたヘッド特性情報に応じ
    て、前記記録ヘッドの駆動パルスであるダブルパルスの
    基本波形として、プレパルスのパルス幅とメインパルス
    のパルス幅の両方を設定する駆動条件設定手段を具備す
    ることを特徴とする インクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記ヘッド特性情報は、前記吐出ヒータ
    の抵抗特性と前記記録ヘッドの熱特性の組合せであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記駆動条件設定手段によって設定され
    たダブルパルスの基本波形に基づいて、予備吐出,印字
    を行う駆動手段を有することを特徴とする請求項記載
    のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 記録ヘッドを搭載するインクジェット記
    録装置であって、 前記記録ヘッドの吐出ヒータの抵抗特性をヘッド特性情
    報として測定する測定手段と、 前記測定手段によって測定されたヘッド特性情報に応じ
    て、前記記録ヘッドの駆動パルスであるダブルパルスの
    基本波形を駆動条件として設定する駆動条件設定手段
    と、を具備し、 前記測定手段は、前記基本波形におけるプレパルスによ
    記録ヘッドの蓄熱のし易さを示す熱特性を測定するこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動条件設定手段によって設定され
    たダブルパルスの基本波形におけるプレパルスを用いて
    温調を行う駆動手段を有することを特徴とする請求項
    記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 記録ヘッドを搭載するインクジェット記
    録装置であって、 前記記録ヘッドの吐出ヒータの抵抗特性をヘッド特性情
    報として測定する測定手段と、 前記測定手段によって測定されたヘッド特性情報に応じ
    て、前記記録ヘッドの駆動条件を設定する手段であっ
    て、 1つのヘッド特性により暫定の記録ヘッドの駆動条
    件を設定し、その暫定的な記録ヘッドの駆動条件を基本
    として測定された他のヘッド特性情報により確定的な記
    録ヘッドの駆動条件を設定する駆動条件設定手段と、を
    具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 ダブルパルスの基本波形のプレパルスの
    立ち下がりタイミング、及びメインパルスの立ち上がり
    タイミングが設定されることを特徴とする請求項3記載
    のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記暫定的な記録ヘッドの駆動条件
    は、ダブルパルスの基本波形であり、前記確定的な記録
    ヘッドの駆動条件は前記基本波形のプレパルスの立ち下
    がり時間が変更されることを特徴とする請求項8記載の
    インクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記確定的な記録ヘッドの駆動条件
    は、前記暫定的な記録ヘッドの駆動条件に対して、駆動
    電圧が変更されることを特徴とする請求項8記載のイン
    クジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記暫定的な記録ヘッドの駆動条件
    は、ダブルパルスの基本波形であり、前記確定的な記録
    ヘッドの駆動条件は前記基本波形のインターバルタイム
    が変更されることを特徴とする請求項8記載のインクジ
    ェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは熱エネルギーによっ
    てインクを吐出することを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェット記録装置。
JP20668893A 1993-05-27 1993-08-20 インクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP3278682B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20668893A JP3278682B2 (ja) 1993-08-20 1993-08-20 インクジェット記録装置
EP94303812A EP0626266B1 (en) 1993-05-27 1994-05-26 Recording apparatus controlled with head characteristics and recording method
AT94303812T ATE214336T1 (de) 1993-05-27 1994-05-26 Aufzeichnungsvorrichtung durch druckkopfcharakteristiken gesteuert und aufzeichnungsverfahren
DE69430083T DE69430083T2 (de) 1993-05-27 1994-05-26 Aufzeichnungsvorrichtung durch Druckkopfcharakteristiken gesteuert und Aufzeichnungsverfahren
US08/250,509 US6224182B1 (en) 1993-05-27 1994-05-27 Recording apparatus controlled with head characteristics and recording method
US09/776,921 US6631969B2 (en) 1993-05-27 2001-02-06 Recording apparatus controlled with head characteristics and recording method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20668893A JP3278682B2 (ja) 1993-08-20 1993-08-20 インクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0752388A JPH0752388A (ja) 1995-02-28
JP3278682B2 true JP3278682B2 (ja) 2002-04-30

Family

ID=16527471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20668893A Expired - Fee Related JP3278682B2 (ja) 1993-05-27 1993-08-20 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3278682B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4666810B2 (ja) * 2001-05-24 2011-04-06 キヤノン株式会社 画像記録装置およびその制御方法
JP4716000B2 (ja) * 2005-03-04 2011-07-06 ブラザー工業株式会社 インクジェットヘッドの検査方法、検査システム、及びインクジェットプリンタ
JP2007015174A (ja) 2005-07-06 2007-01-25 Canon Inc 記録ヘッド及び記録装置
JP2007276359A (ja) 2006-04-10 2007-10-25 Canon Inc インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP4208888B2 (ja) 2006-04-10 2009-01-14 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0752388A (ja) 1995-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6302507B1 (en) Method for controlling the over-energy applied to an inkjet print cartridge using dynamic pulse width adjustment based on printhead temperature
JP3235753B2 (ja) インクジェット記録装置及び同装置における温度センサからの出力に応じた信号を補正する補正方法
US20030142159A1 (en) Estimating local ejection chamber temperature to improve printhead performance
EP0626266B1 (en) Recording apparatus controlled with head characteristics and recording method
JPH0564890A (ja) 記録装置
US10562300B2 (en) Adaptive print head calibration process
JP3372821B2 (ja) インクジェット装置、該装置用インクジェットヘッドの温度推定方法および制御方法
JP3337912B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動方法及びこれを実行するインクジェット装置
US5673069A (en) Method and apparatus for reducing the size of drops ejected from a thermal ink jet printhead
JP3428690B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3278682B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3247404B2 (ja) インクジェット記録ヘッドの吐出制御方法およびインクジェット記録装置
EP0600648B1 (en) Method and apparatus for the control of thermal ink jet printers
JPH0752408A (ja) インクジェット記録装置
JP2974484B2 (ja) 温度演算方法及び該方法を用いた記録装置
JP3313751B2 (ja) インクジェット記録ヘッドの吐出制御方法
JP3323583B2 (ja) 記録装置および記録ヘッド認識方法
JP3066927B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2952083B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3262384B2 (ja) 記録装置
JP3190184B2 (ja) 記録装置及び記録装置の補正方法
EP0650836B1 (en) Temperature control of thermal ink-jet print heads by using synchronous non-nucleating pulses
JPH08150713A (ja) インクジェット記録装置および該装置の不吐出検出方法
JP4510259B2 (ja) 記録装置及び温度推定方法
JP3165720B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees