JP3323550B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP3323550B2
JP3323550B2 JP28010392A JP28010392A JP3323550B2 JP 3323550 B2 JP3323550 B2 JP 3323550B2 JP 28010392 A JP28010392 A JP 28010392A JP 28010392 A JP28010392 A JP 28010392A JP 3323550 B2 JP3323550 B2 JP 3323550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の記録モードで画
像を記録することが可能な記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の記録装置においては、一般に搬送
ローラにピンチローラを圧接し、搬送ローラを駆動回転
することによって記録シートを搬送し、搬送された記録
シートに所定記録を行うようにしており、この搬送ロー
ラを駆動するべくステッピングモータ等の駆動がギヤ列
等を用いて伝達される。
【0003】前記記録装置においては、ドット単位で構
成した記録要素をもった記録ヘッドをキャリッジの移動
に伴って駆動して一行記録を行い、一行記録毎に記録シ
ートを前記一行記録分搬送するように構成されている。
【0004】また、最近は記録の高密度化が進み、記録
要素は数ドツト/mmという微小単位に配列されている
ものが多くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
(1)このような記録装置において、例えば高速のキャ
リッジ駆動による記録モード時においても、通常のキャ
リッジ速度による記録モード時においても、シートの搬
送速度は常に一定であった。
【0006】記録モードが高速の場合は、記録そのもの
も間引にて形成されるドラフトモードが一般的で、用途
を考え合わせるとシートの搬送精度はあまり重要ではな
く、重要度としては搬送速度が一番となる。一方、例え
ば、記録モードが高速でない場合は搬送精度、音が重要
視されるのが理想である。
【0007】このとき、搬送精度、音を重視した駆動方
法によって高速の記録モードを行うと、キャリッジの高
速にそぐわない低速の搬送となってしまう問題があっ
た。一方、高速の記録モードに合わせた高速の駆動方法
によって通常の記録モードを行うと、搬送精度が悪いた
め高密度の記録ヘッドによる画像が損なわれてしまう問
題があった。
【0008】また最近では、微小なドット単位での記録
が行われるため、シートの搬送もより精度を増したも
の、また搬送速度も要求され、さらには騒音も押えたい
との要求がある。このような要求を満足させるために
は、搬送を行うための、例えばモータの駆動カーブ等を
細かく制御する必要がでてくる。
【0009】その結果、通常使用されるシートの搬送
量、例えば1/6″送り等に必要な駆動量、すなわちス
テッピングモータ使用時にはステップ数を目一杯使用し
た駆動カーブにて制御を行わなければならない。一方、
シートの搬送量は幾つかの通常使用される搬送量の他
に、さらに細かな搬送量をもっている。そのため前記駆
動カーブにて制御できない、すなわちステッピングモー
タ使用時ではステップ数が足りない場合は、一定のパル
スレートにてステッピングモータを駆動することにな
る。
【0010】しかし、このような一定のパルスレート
(ランプアップダウンなしの自起動駆動)を行うと駆動
速度が遅く、またそのため、騒音を発生してしまうとい
う問題がでてくる。
【0011】短い搬送時においても駆動カーブを理想し
て搬送を行うよう各搬送量全てにおいて駆動カーブを設
定するような構成では、搬送量自体が無数にあるため非
常に繁雑な制御の構成となってしまい、処理時間等も考
え合わせると実際的ではない。小さい搬送量における騒
音等の問題を解決するため、駆動カーブを立ち上げ時と
立下げ時を対称形にしておき、各搬送量においてその立
ち上げカーブの途中までを用い、その対称となる立下げ
の位置より後半の立下げカーブを用いるという方法もあ
る。この場合の所定量以上の送りは、その対称形カーブ
の全立上げカーブと一定速度域と全立下げカーブにて構
成されるカーブにて駆動されることとなるが、前述のよ
うな騒音、速度、精度の要求に対しては立上げ立下げが
対称形という条件がつくため、通常送り時にも不十分な
ものとなってしまう問題があった。 (2)記録速度向上のため、一行内の空白部を記録時よ
りも高速でキャリッジを走査させる、いわゆるスキップ
動作を行なっている。また、キャリッジターンも同様
に、高速でキャリッジを走査させる、いわゆる高速リタ
ーン動作を行なっている。
【0012】上記制御によると、記録速度の向上を図る
ことはできるが、キャリッジが高速で動くため摺動音が
大きくなったり、記録精度が低下してしまい、高画質モ
ードにおいては問題となっていた。 (3)記録方式としてインクジェット方式を採用した場
合、インクジェット記録ヘッドを非記録時に保護するキ
ャッピングや、記録状態を維持するためにワイピングが
行なわれる。
【0013】このとき、高速にキャリッジを走査してワ
イピングを行なうとワイピング動作時の可動音が大きく
なり、記録モードによっては好ましくない。一方、低速
でワイピグ動作を行なうと、全体のスループットが低下
し、高速記録モードでは好ましくない。 (4)同様に、記録方式としてインクジェット方式を採
用した場合、インクジェット記録ヘッドの駆動状態によ
って、特に高速記録モードでは、記録ヘッドの温度上昇
が変化するため、インクの吐出量が変動し、濃度ムラを
生じることがあった。また、吐出したインクをノズル
(吐出部)に再充填するのに必要なリフィル時間が、高
速記録モードでは充分確保されにくい問題も生じてい
た。
【0014】一方では、高画質記録モードにおいて、よ
り濃度の高い記録画像を得ることが望まれている。
【0015】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、複数の記録モードを有する記録装置にお
いて、適切な記録条件で記録を行なうことのできる記録
装置を提供することを目的とする。
【0016】また本発明は、複数の記録モードで画像記
録可能な記録装置において、所定の記録動作後の記録ヘ
ッドに対する記録媒体の相対的な移動を適切に行うこと
が可能な記録装置を提供することにある。また本発明
は、複数の記録モードで画像記録可能な記録装置におい
て、適切な記録ヘッドの走査を行うことが可能な記録装
置を提供することにある。また本発明は、複数の記録モ
ードで画像記録可能な記録装置において、適切なインク
の吐出量制御を行うことが可能な記録装置を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、画像記録を行う記録ヘッドを用いて複数
の記録モードで記録媒体に対し記録を行うことが可能な
記録装置において、前記記録ヘッドによる所定の画像記
録終了後前記記録媒体を前記記録ヘッドに対し相対的に
移動させる移動手段と、前記記録媒体の移動量に応じて
前記移動手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御
手段は、前記移動量が所定量を越える範囲では立上げ、
立下げ用の第1速度パターンを用い、前記移動量が前記
所定量を越えない範囲では立上げ、立下げ用の第2速度
パターンを用いて前記移動手段を動作させる手段であっ
て、前記移動量が前記所定量を越えない範囲では、前記
移動量の違いに応じて前記第2速度パターンの使用部分
を変えて前記移動手段を動作させるとともに、前記複数
の記録モードで前記移動手段による記録媒体の相対移動
速度を異らしめたことを特徴とする。
【0018】
【0019】
【0020】また本発明は、インクを吐出する複数の吐
出口を備え、前記吐出口からインクを吐出し記録を行う
記録ヘッドを用いて複数の記録モードで画像記録を行う
ことが可能な記録装置において、前記記録ヘッドから吐
出するインクの吐出量を制御する吐出量制御手段を有
し、前記吐出量制御手段は前記記録ヘッドの環境温度、
ヘッド温度、及び前記複数の記録モードに応じて前記イ
ンクの吐出量を制御することを特徴とする。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して詳細に説明する。
【0022】まず、本発明が適用される記録装置の全体
構成について、図1の全体斜視図及び図2の給紙部の正
面図を参照して説明する。
【0023】給紙部は、30°〜60°の角度をもって
本体側に取りつけられており、セットされた記録シート
は印字後、水平に排紙される構成となっている。
【0024】給紙部は、給紙ローラー1、分離爪2、可
動サイドガイド3、ベース4、圧板5、図示しない圧板
バネ、駆動ギア、リリースカム、爪バネ、解除カム及び
解除レバー10等から成る。通常はリリースカムが圧板
5を押して下げているので、記録シートは給紙ローラー
1から離れている。
【0025】記録シートがセットされた状態で、搬送ロ
ーラーの駆動を駆動ギアにより、給紙ローラー1及びリ
リースカムに伝達する。リリースカムが圧板5より離れ
ると、圧板5が上昇し、給紙ローラー1と記録シートが
接し、給紙ローラー1の回転に伴いピックアップされ、
分離爪2により1枚ずつ分離される。分離された記録シ
ートは送紙部へ送られる。給紙ローラー1とリリースカ
ムは、記録シートを送紙部へ送り込むまで1回転し、再
び圧板5を給紙ローラー1に対してリリースした状態で
送紙ローラー1からの駆動が切られ、このイニシャル状
態を保持する。
【0026】送紙部は、図示しない搬送ローラー、ピン
チローラー、ピンチローラーガイド、ピンチローラーバ
ネ、PEセンサーレバー、PEセンサー、PEセンサー
バネ、上ガイド、プラテン等から成る。送紙部に送られ
た記録シートは、プラテンとピンチローラーガイド、上
ガイドをガイドにして、搬送ローラーとピンチローラー
のローラー対に送られる。このローラー対の前にPEセ
ンサーレバーが設けられており、記録シートの先端を検
知し、記録シート上での印字位置を求めている。ピンチ
ローラーはピンチローラーガイドをピンチローラーバネ
により付勢することで搬送ローラーに押し付けられ、記
録シートの搬送力を生み出している。前記ローラー対に
より送られた記録シートは、LFモータ2によりローラ
ー対が回転することにより、プラテン上を沿って進み、
記録ヘッド27により所定の画像情報に基づいた記録を
行うことができる。
【0027】記録ヘッド27は、インクタンクと一体に
構成され、交換容易なインクジェット記録ヘッドであ
る。記録ヘッド27には、電気変換体を備え、印加され
る熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、
収縮によって生じる圧力変化を利用して吐出口よりイン
クを吐出させ記録を行う。
【0028】キャリッジ部は、記録ヘッド27を取り付
けるキャリッジ28と、キャリッジ28を記録シートの
搬送方向に対し直角方向に往復走査させるためのガイド
軸29と、キャリッジ28の後端を保持し、ヘッド〜紙
間を維持するガイド30、キャリッジモータ48の駆動
をキャリッジ28に伝達するタイミングベルト31、タ
イミングベルト31を張設するアイドルプーリー32、
記録ヘッド27へ電気基板からのヘッド駆動信号を伝え
るためのフレキ基板33等からなる。前記記録ヘッド2
7はキャリッジ28と一体となり、走査されることによ
り、プラテン上を搬送される記録シート上に画像を形成
する。
【0029】排紙部は、排紙ローラー34と、排紙ロー
ラー34に搬送ローラーの駆動を伝える伝達ローラー3
5と排出を補助するための拍車36、排紙トレー37が
設けられている。排紙ローラー34及び拍車36によ
り、排紙トレー37上に記録シート上の画像を汚すこと
なく排紙トレー37に排出される。
【0030】クリーニング部は、記録ヘッド27のクリ
ーニングを行うポンプ42と記録ヘッド27の乾燥を抑
えるためのキャップ49及び搬送ローラーからの駆動を
給紙部及びポンプ42に切り換える駆動切り換えレバー
43から構成されている。給紙時クリーニング時以外は
駆動切り換えレバー43は図1に示した位置にあり、搬
送ローラーの軸芯を中心に回転する不図示の遊星ギヤを
所定の位置で固定しているので、搬送ローラーの駆動は
ポンプ42、そして、給紙部へは伝達されない。キャリ
ッジ28を移動させることで、駆動切り換えレバー43
を矢印A方向に移動させると搬送ローラーの正転、逆転
に応じて、遊星ギヤが移動し、搬送ローラーの正転時に
給紙部に駆動が伝達され、逆転時にポンプ42に駆動が
伝達させる様に構成されている。
【0031】また、搬送ローラー等を駆動するLFモー
ター6及び、キャリッジ28を駆動するキャリッジモー
ター48は、不図示のドライバーより送られる信号に応
じて所定の角度だけ回転するステッピングモーターを用
いている。
【0032】(実施例1)次に、本発明の紙送り制御に
関する実施例1について、図3乃至図7を参照して説明
する。
【0033】図3は、実施例1の回路構成図であり、ホ
ストコンピュータ101からのデータをCPU等を有す
る制御部102が受信する。103、104、105は
記録ヘッド27、搬送モータ26、キャリッジモータ4
8を夫々駆動するドライバである。
【0034】図4と図5乃至図7は、紙送り制御を説明
するためのフローチャート及びテーブルであり、以下、
これに従って説明する。
【0035】データの受信・展開(ステップS1)、印
字(ステップS2)の後、紙送り量が20/360イン
チ以上か否かの判断を行う(ステップS3)。これは紙
送りが1パルス=1/360インチとなっているため、
20パルス以上の送りか、それ未満の微少送りか否かの
判断を行っているものである。
【0036】微少送りの場合は、ステップS4でCの汎
用カーブ(図7)に従って送り量の略半分のランプアッ
プをランプアップテーブルの途中迄行い、残り略半分の
ランプダウンをランプダウンテーブルの途中以降にて行
う。
【0037】次に、微少送りでない場合には、SHQモ
ードか否かの判断を行う。(ステップS5)SHQモー
ドでない場合は、テーブルB(図6)による2−2相の
励磁により紙送りを行う。(ステップS6)この場合の
紙送りは早い速度の紙送りが行われる。SHQモードの
場合には、テーブルA(図5)による1−2相の励磁に
より紙送りが行われる(ステップS7)。この場合は紙
送り速度は遅いが、静かで精度も向上した紙送りが行わ
れる。
【0038】この結果としてSHQモードの紙送りは通
常1−2相,20パルス以下の場合は2−2相にて行わ
れることになる。
【0039】以上のとおり、本実施例では、の微少送
り時のテーブルと通常のテーブルを分ける、HQ、H
Sに対してSHQモードにては静かで精度の出るランプ
アップ定数及び励磁方法(1−2相)をとることを特徴
とする。
【0040】より詳細には、所定量以上の送りを制御す
るための少なくとも一つの専用の立上げ、立下げ時の速
度カーブと、少なくとも一つの汎用の立上げ、立下げ時
の速度カーブとを有し、前記汎用の速度カーブの制御は
送り量に応じて前記速度カーブの立上げ途中までと、立
下げの途中よりを用いるようにしたものである。
【0041】これによれば通常使用する所定量のシート
の搬送時には理想的な立上げ、立下げの制御することが
可能となり、精度、速度、騒音といった要求を満足する
ことが可能となる。一方所定量以下のシートの搬送時
も、どのような搬送量の時にも同一のカーブを用いるこ
とができ、一定パルスレート駆動時に発生する音の問
題、速度の問題も解決できる駆動が可能となる。
【0042】また、複数の画像記録モードに応じて駆動
速度を異なるモードで制御するものである。
【0043】又、前記画像記録モードがサイレント画像
記録モードの場合、シートの駆動手段の駆動方法も音を
重視した制御を行うものである。
【0044】又、前記画像記録モードが高品位画像記録
モードの場合、シートの駆動手段の駆動方法も搬送精度
を重視したモードにて制御するものである。
【0045】これによれば、記録手段とシートの相対移
動時に画像記録モードに合った駆動を行うことが可能と
なる。またサイレントの画像記録モード時には搬送音も
静かであるシート搬送が実現でき、また高品位の画像記
録モード時には搬送精度が良いシート搬送が可能とな
る。
【0046】(実施例2)次に、本発明のスキップ及び
高速リターン制御に関する実施例2について、図8、9
を参照して説明する。
【0047】HQモードにおいては、一般に全体として
の印字速度向上のためにキャリッジ制御として以下の2
点の速度切換えを行っている。 スキップ動作:図8(A)に示すように一行内の印字
中に多くの空白部がある場合には、一連のブロック(図
中では前半の5個のA)を173cpsにて印字後速度
の切換えを行う。この際、173cpsの印字速度より
徐々に248cpsの速度迄変化させる。所定量この速
度にてキャリッジ移動を行った後、徐々に173cps
の速度迄戻す。こうして、次の一連のブロック(図中で
は後半の5個のA)を173cpsの印字速度にて駆動
させる。 高速リターン動作:図に示すように印字をせずキャリ
ッジリターンさせる場合は高速の248cpsにて行
う。
【0048】上記制御によると印字速度の向上は図られ
るが、キャリッジが高速で動くため摺動音が大きくな
り、また高周波の耳障りな音となる問題がある。また速
度を高速から印字速度へ切り換える時に生じる速度ムラ
による印字精度ダウンを完全に防止できない。
【0049】そこで本実施例では、スピードを重視した
HQモードに対して印字精度・音を重視したSHQモー
ドにては、スキップ動作及び高速リターンを止めること
により、速度ムラによる印字の乱れ及び摺動音による音
を小さく抑えることを可能とする。
【0050】次に、図9に示すフローチャートに従っ
て、動作説明を行う。ステップS11でデータ受信を行
い、ステップS12、S13で印字を始める前に現在の
モードがSHQか、HQか、HSかの判断を行う。
【0051】SHQモードの場合は印字速度が124c
psに設定され、スキップ及び高速リターンはなしと設
定される(ステップS14〜S16)。一方、HQモー
ドの場合は印字速度が173cpsに設定され、スキッ
プは高速の248cpsにまたリターン時も高速の24
8cpsに設定される(ステップS17〜S19)。H
Sモードの場合は、スキップ及び高速リターンはなく印
字及びリターン時ともに248cpsに設定される(ス
テップS20〜S21)。
【0052】その後、ステップS23で設定されたスキ
ップ、リターンモードに応じた印字を行なう。
【0053】(実施例3)次に、キャッピング及びワイ
ピング制御に関する実施例3について、図10、11を
参照して説明する。
【0054】本実施例のインクジェット記録装置は、イ
ンクを吐出して、記録媒体に画像を形成する記録ヘッ
ド、記録ヘッドを搭載して左右方向に往復移動するキャ
リッジ、キャリッジを案内するガイド軸、ヘッドフェイ
ス面の紙粉等のゴミや、付着したインクを除去するワイ
パー、ヘッドフェイス面のノズルの目詰まりを防止した
り、さらには吸引回復を行なうためのキャップ等から構
成される。
【0055】以上のような構成において、記録媒体を記
録ヘッドと対向する位置に保持するプラテン面に、紙送
りモータによって駆動された送紙ローラにより、記録媒
体が送給され、キャリッジがガイド軸に沿って往復移動
することにより、記録媒体に画像が形成される。そし
て、右側のキャップ近傍にキャリッジが移行することに
よりワイピング動作が行なわれる。なお、記録の速度は
往復移動するキャリッジの速度によって決まる。このイ
ンクジェット記録装置においては、記録ヘッドの性能を
フルに生かした標準の印字速度モード(以後HQモー
ド)と、記録状態を多少劣化させた(吐出するインク滴
の量を間引いて印字するため、印字濃度が薄くなる)高
速モード(以後HSモード)、さらには高画質印字が要
求される今日の状況に対応した高詳細・低騒音モード
(以後SHQモード)の3種類の印字速度モードを有し
ている。
【0056】ここで、上述したワイピング動作の詳細を
図10を用いて以下に説明していく。
【0057】図10において、201はワイパー104
を保持するワイパーホルダー、202はカム面202A
を有し、そのカム面をキャリッジ102のレバー押下部
102Aが通過することにより、押下するワイパーレバ
ー、201Aはワイパーレバー202をワイパーホルダ
ー201に回転自在に取り付けるためのレバー軸であ
り、これに取り付けられたワイパーレバー202は同図
中のX方面には回転自在、Y方向には未回転となるよう
に取り付けられ、さらに、不図示のバネ等の付勢力によ
り、つねに図2の状態を保つようになっている。203
はワイパーホルダー201を常に上方(ワイピング位
置)に押上げているホルダーバネである。
【0058】ここで、キャリッジ102が、キャップ1
05の方向に移動すると、レバー押下部102Aとカム
面202Aは突き当たり、キャリッジ102のさらなる
移動によりワイパーホルダー201はワイパーレバー2
02と共に押下される。これによりワイパー104は下
方向に下がるためヘッドフェイス面101Aとワイパー
104は非接触となり、ワイピングは行なわれない。そ
して、ヘッドフェイス面101Aとキャップ105が対
向したのち、印字等の命令により、キャリッジ102は
印字領域へと移動を開始する。
【0059】このとき、レバー側トリガー部202Bと
キャリッジ側トリガー部102Bが突き当たり、ワイパ
ーレバー202は図10中矢印X方向に回転させられ、
それにより、ワイパーホルダー201はホルダバネ20
3の圧力により、上昇し、ワイピングが可能な状態とな
り、さりに、キャリッジ102が印字領域側に進むと、
ヘッドフェイス面101Aとワイパー104が接触し、
ワイピングがなされる。
【0060】しかしながら、従来の制御では次のような
欠点があった。 上述した3種類の印字速度モードを切換えて動作させ
たとき、SHQ(高精細及び低騒音)モードのときに、
上述したワイピング動作時の可動音が大きく、SHQモ
ードの特長を生かしきれない。 ワイピング動作時の可動音を小さくしようとするとワ
イピング動作時のキャリッジの速度を遅くせざるをえな
いため、他のHQ・HS(標準・高速)モードで、記録
媒体全体を印字するときのトータル的な印字速度が遅く
なるという欠点が生じる。
【0061】そこで本実施例では、ワイピング動作時の
動作モードを標準タイプ(HQ、HSモード用)のもの
と、低騒音タイプ(SHQモード用)のものの2種類を
保有し、各印字モードに対して、上記ワイピング動作モ
ードを切り換えて使用することにより、記録装置の標準
スペックをそこなうことなく、装置の低騒音化を図れる
ものである。
【0062】ここで、実施例の動作を図11を用いて説
明する。まず、ユーザーに印字モードを選択し、KEY
スイッチ等で命令をする(S1)。そして、それを記録
装置が判断(S2)し、撰択されたモードに印字モード
がセットされ、それと同時に回復係のワイピング動作の
モードも各印字モードに対応したものにセットされる
(S3)。
【0063】ここで、本実施例では、HQ・HSモード
のときに標準速度のワイピング動作モードを行ない、S
HQモードの時にワイピング速度は遅いが、騒音の少な
いワイピング動作モードを行なうようにしている。
【0064】以上のように複数の印字速度モードに対し
て、ワイピング動作のモードも複数個保有し、各印字モ
ードの特長を生かすようにワイピング動作のモードを撰
択することにより、記録装置のトータル的なスペックU
Pが可能となる。
【0065】(実施例4)次に、制御構成に関する実施
例4について、図12乃至図18を参照して説明する。
【0066】図12は本発明を実施した記録装置の制御
回路の構成要素を示すブロック図である。301はCP
U、302はROM、303はRAM、304はインタ
ーフェース、305はプリンタコントロールIC、30
6は記録ヘッド、307はヘッドドライバ、308はプ
リンタユニット、309はモータドライバ、310は操
作パネルである。
【0067】CPU301はホストコンピュータから受
信したコマンド、データ類を解析し、最終的な記録内容
に対応したビットイメージデータを作成すると共に、記
録装置全体を制御するものである。ROM302にはC
PU301の制御のためのプログラムが格納されてい
る。RAM303はインターフェース304から受信し
たデータを一時的に格納すると共に、前記受信データを
CPU301が解析して得られた記録データを格納す
る。インターフェース304はホストコンピュータとの
接続部である。プリンタコントロールIC305はCP
U301のバスラインに接続され、CPU301からの
指令に基づきRAM303、インターフェース304、
記録ヘッド306を制御する。記録ヘッド306は64
ノズル(吐出口)の熱エネルギーを用いるインクジェッ
ト方式であり、インクタンク一体型でユーザーが交換可
能なものである。ヘッドドライバ307はプリンタコン
トロールIC305が出力するヘッド制御信号を、記録
ヘッドの駆動可能な電圧・電流レベルに変換する。プリ
ンタユニット308は記録動作を行う機構部であり、キ
ャリッジモータを駆動源として記録ヘッドを走査するキ
ャリッジ系、紙送りモータを駆動源として記録紙を搬送
する紙送り系、キャリッジ位置検出センサ、紙検出セン
サ等で構成される。モータドライバ309はキャリッジ
モータドライバと紙送りモータドライバで構成される。
操作パネル310はスイッチと表示ランプで構成され
る。
【0068】次にプリントモードについて説明する。プ
リントモードにはHS、HQ、SHQの3種類があり、
HSモードでは印字速度が最も早くなりSHQモードで
は印字品位が最も良くなる。HQは印字速度、品位とも
中間的なモードである。ユーザーは操作パネル10を操
作してモードを設定することが可能である。また、ホス
トコンピュータからコマンドを送ることによってもモー
ドを変更することができる。
【0069】図13に操作パネル310のモード設定部
の外観を示す。321はモードスイッチ、322はHS
モード表示ランプ、323はHQモード表示ランプであ
る。プリンタの電源ON時にはHQモードが設定され、
表示ランプ323のみが点灯する。モードスイッチ32
1を一回押すとSHQモードとなり表示ランプ322、
323がともに点灯する。モードスイッチ321をもう
一回押すとHSモードとなり表示ランプ322のみが点
灯する。さらにモードスイッチ321を押すとHQモー
ドに戻り、以後同様にしてモードを循環的に変更でき
る。
【0070】図14にコマンドによるモード設定方法を
示す。モードを設定するコマンドは ESC“x”n の3バイトであり、nの値でモードを指定する。n=0
のときはHSモードとなり、n=1のときはHQまたは
SHQモードのうち、以前に設定されていた方のモード
に戻る。
【0071】図15に記録ヘッドの電気的な構成を説明
するための回路図を示す。341はヒータ抵抗、342
はダイオードであり、共に記録ヘッドのチップボード上
に作成される。ヒータ抵抗341は全部で64個あり、
記録ヘッドの各ノズル部に配置される。ダイオード34
2も同様に64個存在する。
【0072】ヒータ抵抗341の一端は8本づつまとめ
て接続された上で各電流流入端子CM1〜CM8に接続
されている。以後、CM1〜CM8端子をコモン端子と
称する。ヒータ抵抗341の他端は、それぞれダイオー
ド342のアノード側に接続されている。ダイオード3
42のカソード側は、コモン端子側の接続と直交する形
で8本毎に接続され、電流流出端子SG1〜SG8に接
続されている。以後、SG1〜SG8端子をセグメント
端子と称する。
【0073】記録ヘッドはコモン端子側からセグメント
端子側に電流を流すことによって駆動される。駆動はコ
モン端子毎に行われる。最初、CM1端子に接続されて
いるドライバをONすることによって、CM1端子に接
続されている8本のヒータ抵抗に通電することが可能と
なる。その際、セグメント側のドライバのON/OFF
を制御することによって通電するヒータ抵抗を選択す
る。ONされたセグメント端子に接続されたヒータ抵抗
は通電により発熱して近傍のインクを発泡させる。この
発泡の圧力によってノズルからインク滴が吐出される。
以下、CM2からCM8まで順次コモン側のドライバを
ONしていくことにより全てのヒータ抵抗に通電が可能
となる。
【0074】図16はヘッドドライバ307の回路構成
を示すブロック図である。351はプリドライバ、35
2はコモンドライバ、353はセグメントドライバであ
る。プリンタコントロールIC305はコモン制御信号
COM1〜COM8とセグメント制御信号SEG1〜S
EG8を出力する。プリドライバ351はプリンタコン
トロールIC305が出力したコモン制御信号COM1
〜COM8を、コモンドライバ352を駆動可能なレベ
ルに変換する。コモンドライバ352はソース型のドラ
イバで記録ヘッド6のコモン端子CM1〜CM8に電流
を流し込む。セグメントドライバ353はソース型のド
ライバであり、プリンタコントロールIC305が出力
したセグメント制御信号SEG1〜SEG8により、記
録ヘッド306のセグメント端子SG1〜SG8から電
流を吸い出す。
【0075】図17はHQおよびSHQモードにおける
ヘッド制御信号のタイミングチャートである。図17に
おいてはコモン制御信号COM1〜COM8が順次駆動
され、各コモン制御信号がONされている間にセグメン
ト制御信号SEG1〜SEG8が記録データに対応して
選択的にONされる。セグメント制御信号は先に奇数セ
グメントSEG1、3、5、7が駆動され、続いて偶数
セグメントSEG2、4、6、8が駆動される。セグメ
ント制御信号を2度に分けて駆動することにより、コモ
ン端子CM1〜CM8に流れる電流は全セグメントを同
時に駆動する場合に比べて半減するので、コモンドライ
バ352の許容電流容量を減らして回路の小型化と低価
格化を計ることができる。また同時に駆動されるノズル
数が半減するのでインク滴の吐出によって発生するヘッ
ド内のインクの振動が低減される。インクの振動はイン
ク滴の均一な吐出を妨げ、印字品位の悪化の原因となる
ので、インクの振動の低減は印字品位の向上に寄与す
る。
【0076】図18はHSモードにおけるヘッド制御信
号のタイミングチャートである。HSモードにおいては
奇数カラム印字時には奇数セグメントSEG1、3、
5、7のみが駆動され、偶数カラム印字時には偶数セグ
メントSEG2、4、6、8のみが駆動される。そのた
め、印字結果は千鳥上にドットが間引かれた形となる。
HQやSHQモードと同様、HSモードにおいても同時
に駆動されるセグメント数は全セグメントの半分となる
ので、コモンドライバ352の許容電流容量を減らして
回路の小型化と低価格化を計ることができる。また、H
Sモードではセグメントを2度に分けて駆動する必要が
ないので、HQやSHQモードに比べてコモン信号のO
N時間が短くなりヘッドの駆動時間が短縮される。その
ためヘッドの駆動周波数を高くして印字速度を上げるこ
とができる。
【0077】以上説明したように、HQおよびSHQモ
ードでは同時に駆動するセグメントを奇数と偶数に分け
て時分割で駆動することにより、またHSモードではカ
ラム毎に奇数セグメントと偶数セグメントを交互に駆動
することにより、共にコモンドライバ352の許容電流
容量を減らして回路の小型化と低価格化を計ることがで
きる。
【0078】HQおよびSHQモードではセグメントを
時分割で駆動することにより、ヘッド内のインクの振動
を低減させ、印字品位の向上が可能となる。
【0079】HSモードでは印字を千鳥状に間引くこと
によってそのためヘッドの駆動時間を短縮して印字速度
を上げることができる。
【0080】(実施例5)次に、吐出量制御とヘッド駆
動制御に関する実施例5について、図19乃至図37を
参照して説明する。
【0081】本実施例では印字モード、環境温度とヘッ
ドチップ温度に応じて記録ヘッドの駆動条件を制御す
る。印字モードとしてHQモード、SHQモード、HS
モードの3モードを有し、吐出量を増減させる駆動制御
を行っており、環境温度やヘッドチップ温度の変化にと
もなう吐出量変化を矯正し高画像品位を実現している。
【0082】インクジェット記録装置に於いて、記録ヘ
ッドの温度を一定領域内に制御することによって吐出、
吐出量の安定化が図られ、高画像品位の記録が可能にな
る。安定した高画像品位の記録を実現する為の、記録ヘ
ッドの温度の演算検出手段、該温度に応じた最適駆動制
御方法等の概要を以下に記す。
【0083】(1)目標温度の設定 以下説明する吐出量安定化の為のヘッド駆動制御は、ヘ
ッドのチップ温度を制御の基準とする。即ちヘッドのチ
ップ温度を、その時点で吐出している1ドットあたりの
吐出量を検出する代用特性としている。しかし、チップ
温度が一定であってもタンク内のインク温度は環境温度
に依存するので吐出量は異なる。この差異を解消する目
的で、環境温度別に(即ちインク温度別に)吐出量が同
等になるヘッドのチップ温度を定めた値が目標温度であ
る。目標温度は目標温度テーブルとして予め設定してお
く。本実施例で使用する目標温度テーブルを図19に記
す。
【0084】(2)記録ヘッド温度の演算手段 記録ヘッド温度を過去の投入エネルギーから推定演算す
る。演算方法としては、記録ヘッドの温度推移を単位時
間当たりの離散値の積み重ねとして扱うもので、該離散
値に応じた記録ヘッドの温度の温度推移を投入可能なエ
ネルギーの範囲内で予め演算しておきテーブル化してお
く。ここで、このテーブルを単位時間当たりの投入エネ
ルギーと経過時間の2次元のマトリックス(2次元テー
ブル)で構成しておく。
【0085】また、本実施例に於ける温度演算アルゴリ
ズム手段に於いては、複数の熱伝導時間の異なる部材を
組み合わせて構成されている記録ヘッドを、実際よりも
少い数の熱時定数で代用してモデル化し、該モデル単位
(熱時定数)毎に必要演算間隔と必要データ保持時間を
分けて個々に演算を行う。さらには、熱源を複数設定
し、個々の熱源毎に上記モデル化単位で昇温幅を演算
し、これを後に加え合わせてヘッド温度を演算すること
を特徴とする。
【0086】チップ温度をセンサーを用いてセンシング
せず、投入エネルギーから演算推定する理由は、 センサーを用いるよりも演算推定した方がレスポンス
に優れる。→チップ温度の変化に対して敏速な対処が出
来る。
【0087】コストダウン である。上記演算推定されたヘッド温度が、本実施例で
の吐出駆動、サブヒータ駆動の基準となる。
【0088】(3)PWM制御 各環境下でヘッドが上記目標温度テーブルに記されてい
るチップ温度で駆動が行われれば吐出量の安定化は図ら
れる。しかしながら、チップ温度は印字duty等に応
じて時々変動しており一定ではない。そのため、吐出量
の安定化を図る目的でヘッドの駆動をマルチパルスPW
M駆動にし、温度に依存させずに吐出量の制御を行う手
段がPWM制御である。本実施例では、ヘッド温度とそ
の環境下での目標温度との差により、その時点で最適な
波形/幅のパルスを規定したPWMテーブルを予め設定
して於き、吐出駆動条件を定める。
【0089】(4)サブヒータ駆動制御 PWM駆動を行っても所望の吐出量が得られない場合
に、印字の直前にサブヒータを駆動することによってヘ
ッド温度を目標温度に近づける制御が、サブヒータ制御
である。ヘッド温度とその環境下での目標温度との差に
より、その時点で最適なサブヒータ駆動時間を予め設定
して於き、サブヒータの駆動条件を定めている。
【0090】次に本実施例の主要をなす個々の制御の詳
細を以下に記す。
【0091】(温度予測制御)概略的には、ヘッドの温
度変化をヘッドの熱時定数と投入可能なエネルギーの範
囲内で予め計算したマトリックスで評価することにより
演算する。
【0092】記録ヘッドの温度推定は、基本的には以下
の熱伝導の一般式に準じる。
【0093】・加熱時 Δtemp=a{1−exp[−m*T]}……(1) ・加熱の途中から冷却 Δtemp=a{exp[−m(T−T1 )]−exp
[−m*T]}……(2) 但し、temp;対象物の昇温温度 a;熱源による対象物の平衡温度 T;経過時間 m; 対象物の熱時定数 T1 ;熱源を取り去った時間
【0094】記録ヘッドを集中定数系として扱えば、熱
時定数毎に印字Dutyに応じて上記(1),(2)を
計算する事により、理論上は記録ヘッドのチップ温度は
推定できる。
【0095】しかし一般には処理速度の問題から上記演
算をそのまま行う事は困難である。
【0096】・厳密には全ての構成部材が異なる時定数
を持っており、また部材間で時定数が生じるので、演算
回数が膨大になる。
【0097】・一般的にはMPUでは直接指数演算は行
えないので、近似計算を行うか換算表から求めるなどし
なくてはならず演算時間が短縮できない。
【0098】上記問題を本実施例では次にあげるモデル
化、及び演算アルゴリズムで解決している。
【0099】(1)モデル化 本発明者は、前記構成よりなる記録ヘッドにエネルギー
を投入し、該記録ヘッドの昇温過程のデータをサンプリ
ングしたところ、図20に示すような結果を得た。上記
構成よりなる記録ヘッドは、厳密には多くの熱伝導時間
の異なる部材の組み合わせで構成されているが、上記ロ
グ変換を行った昇温データと経過時間の関数の微分値が
一定である範囲に於いては(即ち、傾きが一定である
A、B、Cの範囲に於いては)、実用上単一部材の熱伝
導として扱えることを示している。
【0100】以上の結果から本実施例では、熱伝導に関
するモデルに於いては記録ヘッドを2つの熱時定数で取
り扱うこととする。なお、上記結果では、3つの熱時定
数を持つモデル化を行う方がより正確に回帰が行えるこ
とを示しているが、同図のBとCのエリアに於ける傾き
がほぼ等しいと判断し演算効率を優先して本実施例では
2つの熱時定数で記録ヘッドをモデル化している。具体
的には、一方の熱伝導は0.8秒で平衡温度まで昇温す
る時定数を有するもののモデル化であり(同図ではAの
領域に相当)、もう一方は512秒で平衡温度まで昇温
する時定数を有するもののモデル化である(同図ではB
及びCの領域のモデル化である)。
【0101】更には、本実施例では記録ヘッドを以下の
ように扱いモデル化する。 ・熱伝導中の温度分布は無視できるものとし、全て集中
定数系で扱う。 ・熱源は、印字のためのヒートと、サブヒータのヒート
の2つを想定する。
【0102】図21に、本実施例でモデル化した熱伝導
の等価回路を記す。同図に於いては、熱源を1つしか示
していないが、2つの場合は直列の構成とすれば良い。
【0103】(2)演算アルゴリズム 本実施例でのヘッド温度の演算は、演算処理を簡易にす
るため、前記の熱伝導の一般式を以下のように展開して
用いる。
【0104】 〈熱源ON後nt時間経過後の温度変動〉 a{1−exp[−m*n*t]}…〈1〉 =a{exp[−m*t]−exp[−m*t]+exp[−2*m*t]− exp[−2*m*t]+……+exp[−(n−1)*m*t] −exp[−(n−1)*m*t]+1−exp[−n*m*t]} =a{1−exp[−m*t]} +a{exp[−m*t]−exp[−2*m*t]} +a{exp[−2*m*t]−exp[−3*m*t]} …… +a{exp[−(n−1)*m*t]−exp[−n*m*t]} =a{1−exp[−mt]}…〈2−1〉 +a{exp[−m*(2t−t)]−exp[−m*2t]}…〈2−2 〉 +a{exp[−m*(3t−t)]−exp[−m*3t]}…〈2−3 〉 …… +a{exp[−m*(nt−t)]−exp[−m*nt]}…〈2−n 〉
【0105】以上のように展開したことにより、〈1〉
式が〈2−1〉+〈2−2〉+〈2−3〉+…+〈2−
n〉と一致する。ここで、 〈2−n〉式;時刻0からtまで加熱し、時刻tからn
tまで加熱をOFFした場合の、時刻ntに於ける対象
物の温度に等しい。
【0106】〈2−3〉式;時刻(n−3)tから(n
−2)tまで加熱し、時刻(n−2)tからntまで加
熱をOFFした場合の、時刻ntに於ける対象物の温度
に等しい。
【0107】〈2−2〉式;時刻(n−2)tから(n
−1)tまで加熱し、時刻(n−1)tからntまで加
熱をOFFした場合の、時刻ntに於ける対象物の温度
に等しい。
【0108】〈2−1〉式;時刻(n−1)tからnt
まで加熱した場合の時刻ntに於ける対象物の温度に等
しい。上記式の合計が〈1〉式に等しいということは、
即ち対象物1の温度の挙動(昇温温度)を、単位時間あ
たりに投入されたエネルギーによって昇温した対象物1
の温度が、単位時間経過後毎に何度に降温していくかを
求め(各々の〈2−1〉式、〈2−2〉式、…、〈2−
n〉式に相当)、現在の対象物1の温度は過去の各単位
時間あたりに昇温した温度が現時点に於いて何度に降温
しているかの総和を求める(〈2−1〉+〈2−1〉+
…+〈2−n〉)ことにより演算推定することが可能で
あることを示す。
【0109】以上から本実施例では、前記のモデル化に
より記録ヘッドのチップ温度の演算は4回(熱源2*熱
時定数2)行う。4回の演算の為のそれぞれの必要演算
間隔、データ保持時間は図22に示す通りである。ま
た、前記ヘッド温度を演算する、投入エネルギーと経過
時間の2次元のマトリックスからなる演算表を、図23
から図26に記す。ここで、図23は、熱源;吐出ヒー
タ、時定数;ショートレンジの部材群、の演算表、図2
4は、熱源;吐出ヒータ、時定数;ロングレンジの部材
群、の演算表、図25は、熱源;サブヒータ、時定数;
ショートレンジの部材群、の演算表、図26は、熱源;
サブヒータ、時定数;ロングレンジの部材群、の演算
表、である。
【0110】各図に記す通り、0.05秒間隔で、
(1)ショートレンジで代表される熱時定数の部材が、
吐出の為のヒータの駆動で何度昇温しているか(ΔTm
h)、(2)ショートレンジで代表される熱時定数の部
材が、サブヒータの駆動で何度昇温しているか(ΔTs
h)、1.0秒間隔で、(3)ロングレンジで代表され
る熱時定数の部材が、吐出の為のヒータの駆動で何度昇
温しているか(ΔTmb)、(4)ロングレンジで代表
される熱時定数の部材が、サブヒータの駆動で何度昇温
しているか(ΔTsb)、以上の演算を適時行い、ΔT
mh、ΔTsh、ΔTmb、ΔTsbを加え合わせる事
によって(=ΔTmh+ΔTsh+ΔTmb+ΔTs
b)、その時点でのヘッド温度を演算する事が出来る。
【0111】上記のように、複数の熱伝導時間の異なる
部材を組み合わせて構成されている記録ヘッドを、モデ
ル的に実際よりも少い数の熱時定数で代用することによ
り、・忠実に全ての熱伝導時間の異なる部材及び部材間
の熱時定数別に演算処理を行うのと比較して、演算精度
をさほど落とすことなく格段に演算処理量を減少するこ
とができる。
【0112】・また、時定数を判断基準としてモデル化
したことにより、少ない処理回数で且つ演算精度を落と
さずに演算処理することが可能となる。例えば上記の例
で説明すれば、時定数毎にモデル化をしなかった場合、
必要演算処理間隔は時定数の小さいA領域で定まり50
msecが必要演算間隔になる。一方離散化データのデ
ータ保持時間は時定数の大きいB,C領域で定まるた
め、512secが必要データ保持時間となる。即ち、
50msec間隔で過去512秒分の10240データ
を積み上げ演算処理することとなり、本実施例の場合と
比較して数百倍の演算処理回数となる。
【0113】以上のように、(1)記録ヘッドの温度推
移を単位時間当たりの離散値の積み重ねとして扱うこ
と、(2)該離散値に応じた記録ヘッドの温度の温度推
移を、投入可能なエネルギーの範囲内で予め演算してお
きテーブル化すること、(3)さらには、該テーブルが
単位時間当たりの投入エネルギーと経過時間の2次元の
マトリックスで構成すること、による温度演算アルゴリ
ズムに加え、複数の熱伝導時間の異なる部材を組み合わ
せて構成されている記録ヘッドをモデル的に実際よりも
少い数の熱時定数で代用し、該モデル単位(熱時定数)
毎に必要演算間隔と必要データ保持時間を分けて個々に
演算を行い、さらには、熱源を複数設定し個々の熱源毎
に上記モデル化単位で昇温幅を演算し、後に加え合わせ
てヘッド温度を演算する(複数熱源演算アルゴリズム)
ことにより、記録ヘッドに温度センサーは設けることな
く、安価な記録装置に於いても記録ヘッドの温度の推移
を全て演算処理にて演算処理することが可能となる。
【0114】更には、上述した記録ヘッドの温度を一定
領域内に制御するPWM駆動制御、サブヒータ制御が適
切に行え、吐出、吐出量の安定化が図られ、高画像品位
の記録が可能になる。
【0115】尚、前記説明した構成の記録ヘッドを用
い、本項で説明したヘッド温度演算手段で推定した記録
ヘッド温度と、実測した記録ヘッド温度の比較を図27
に記す。同図に於いて、 横軸;経過時間(sec) 縦軸;昇温温度(Δt) 印字パターン;(25%Duty*5Line+50%
Duty*5Line+100%Duty*5Lin
e)*5回(延べ75Line印字) 図27(A);ヘッド温度演算手段で推定した記録ヘッ
ド温度の推移、 図27(B);実測した記録ヘッド温度の推移、 であり、同図から、該温度演算手段によりヘッド温度が
正確に推定できる事が分かる。
【0116】(PWM制御)次に、図面を参照して本実
施例の吐出量制御方法を詳細に説明する。
【0117】図28は本発明の一実施例にかかる分割パ
ルスを説明するための図である。同図において、VOP
は駆動電圧、P1は複数の分割されたヒートパルスの最
初のパルス(以下、プレヒートパルスという)のパルス
幅、P2はインターバルタイム、P3は2番目のパルス
(以下、メインヒートパルスという)のパルス幅であ
る。T1,T2,T3はP1,P2,P3を決めるため
の時間を示している。駆動電圧VOPは、この電圧を印
加される電気熱変換体がヒータボードとして天板とによ
って構成されるインク液路内のインクに熱エネルギーを
発生させるために必要な電気エネルギーを示すものの一
つである。その値は電気熱変換体の面積、抵抗値、膜構
造や記録ヘッドの液路構造によって決まる。分割パルス
幅変調駆動法は、P1,P2,P3の幅で順次パルスを
与えるものであり、プレヒートパルスは、主に液路内の
インク温度を制御するためのパルスであり、本発明の吐
出量制御の重要な役割を荷っている。このプレヒートパ
ルス幅はその印加によって電気熱変換体が発生する熱エ
ネルギーによってインク中に発泡現象が生じないような
値に設定される。
【0118】インターバルタイムは、プレヒートパルス
とメインヒートパルスが相互干渉しないように一定時間
の間隔を設けるため、およびインク液路内インクの温度
分布を均一化するために設けられる。メインヒートパル
スは液路内のインク中に発泡を生ぜしめ、吐出口よりイ
ンクを吐出させるためのものであり、その幅P3は電気
熱変換体の面積、抵抗値、膜構造や記録ヘッドのインク
液路の構造によって決まる。
【0119】例えば、図29(A)および(B)に示す
ような構造の記録ヘッドにおけるプレヒートパルスの作
用について説明する。同図(A)および(B)は、本発
明を適用可能な記録ヘッドの一構成例を示すそれぞれイ
ンク液路に沿った概略縦断面図および概略正面図であ
る。同図において、電気熱変換体(吐出ヒータ)は上記
分割パルスの印加によって熱を発生する。この電気熱変
換体はこれに分割パルスを印加するための電極配線等と
ともにヒータボード上に配設される。ヒータボードはシ
リコンにより形成され、記録ヘッドの基板をなすアルミ
板によって支持される。天板には、インク液路等を構成
するための溝が形成されており、天板とヒータボード
(アルミ板)とが接合することによりインク液路や、こ
れにインクを供給する共通液室が構成される。また、天
板には吐出口が形成され、それぞれの吐出口にはインク
液路が連通している。
【0120】図29に示される記録ヘッドにおいて、駆
動電圧 VOP=18.0(V),メインヒートパルス
幅P3=4.114[μsec]とし、プレヒートパル
ス幅P1を0〜3.000[μsec]の範囲で変化さ
せた場合、図30に示すような吐出量Vd[ng/do
g]とプレヒートパルス幅P1[μsec]との関係が
得られる。
【0121】図30は吐出量のプレヒートパルス依存性
を示す線図であり、図において、V0はP1=0[μs
ec]のときの吐出量を示し、この値は図29に示すヘ
ッド構造によって定まる。因みに、本実施例でのV0は
環境温度TR=25℃の場合でV0=18.0[ng/
dog]であった。図30の曲線aに示されるように、
プレヒートパルスのパルス幅P1の増加に応じて、吐出
量Vdはパルス幅P1が0からP1LMTまで線形性を
有して増加し、パルス幅P1がP1LMTより大きい範
囲ではその変化が線形性を失い、パルス幅P1MAXで
飽和し最大となる。
【0122】このように、パルス幅P1の変化に対する
吐出量Vdの変化が線形性を示すパルス幅P1LMTま
での範囲は、パルス幅P1変化されることによる吐出量
の制御を容易に行える範囲として有効である。因みに、
曲線aに示す本実施例ではP1LMT=1.87[μs
ec]であり、このときの吐出量はVLMT=24.0
[ng/dot]であった。また、吐出量Vdが飽和状
態となるときのパルス幅P1MAXは、P1MAX=
2.1[μsec]であり、このときの吐出量VMAX
=25.5[ng/dot]であった。
【0123】パルス幅がP1MAXより大きい場合、吐
出量VdはVMAXより小さくなる。この現象は上記範
囲のパルス幅を有するプレヒートパルスが印加されると
電気熱変換体上に微小な発泡(膜沸騰の直前状態)を生
じ、この気泡が消泡する前に次のメインヒートパルスが
印加され、上記微小気泡がメインヒートパルスによる発
泡を乱すことによって吐出量が小さくなる。この領域を
プレ発泡領域と呼びこの領域ではプレヒートパルスを媒
介にした吐出量制御は困難なものとなる。
【0124】図30に示すP1=0〜P1LMT[μs
ec]の範囲の吐出量とパルス幅との関係を示す直線の
傾きをプレヒートパルス依存係数と定義すると、プレヒ
ートパルス依存係数:KPは KP=ΔVdP/ΔVP1[ng/μsec・dot] となる。この係数KPは温度によらずヘッド構造・駆動
条件・インク物性等によって定まる。すなわち、図30
中曲線b,cは他の記録ヘッドの場合を示しており、記
録ヘッドが異なると、その吐出特性が変化することが分
かる。このように、記録ヘッドが異なるとプレヒートパ
ルスP1の上限値P1LMTが異なるため、後述するよ
うに記録ヘッド毎の上限値P1LMTを定めて吐出量制
御を行う。因みに本実施例の曲線aで示される記録ヘッ
ドおよびインクにおいては、KP=3.209[ng/
μsec・dot]であった。
【0125】インクジェット記録ヘッドの吐出量を決定
する別の要因として、記録ヘッドの温度(インク温度)
がある。図31は吐出量の温度依存性を示す線図であ
る。同図の曲線aに示すように、記録ヘッドの環境温度
TR(=ヘッド温度TH)の増加に対して吐出量Vdは
直線的に増加する。この直線の傾きを温度依存係数と定
義すると、温度依存係数:KTは KT=ΔVdT/ΔTH[ng/℃・dot] となる。この係数KTは駆動条件にはよらず、ヘッドの
構造・インク物性等によって定まる。図31においても
他の記録ヘッドの場合を曲線b,cに示す。因みに本実
施例の記録ヘッドにおいてはKT=0.3[ng/℃・
dot]であった。
【0126】以上、図30および図31に示す関係を用
いることによって本実施例にかかる吐出量制御を行うこ
とができる。
【0127】本実施例では、ダブルパルスでのPWM駆
動制御を行っているが、トリプルパス等マルチパルスで
あっても良く、また、シングルパルスでメインパルス幅
を変調するメインパルスPWM駆動方式であっても良
い。
【0128】本実施例では、前記目標温度と、ヘッド温
度の温度差(ΔT)から一元的にPWM値が設定される
よう制御する。該ΔTとPWM値の関係を図32に記
す。同図中、「温度差」とは上記ΔTを現し、「プレヒ
ート」とは上記P1を現し、「インターバル」とは上記
P2を現し、「メイン」とは上記P3を現す。また「セ
ットアップタイム」とは記録命令が入力されてから実際
に上記P1が立ち上がるまでの時間を現す。主には、ド
ライバーの立ち上がりまでの余裕時間であり、本発明の
要部をなす値ではない。また「重み」とは、ヘッド温度
を演算する為に検出する印字ドット数に掛け合わせる重
み係数である。同じドット数を印字していても、例えば
7μsecのパルス幅で印字しているのと4.5μse
cのパルス幅で印字しているのとではヘッド温度の昇温
に差が生じてしまう。このパルス幅変調に伴う温度の差
を、どのPWMテーブルが選択されているかによって補
正する手段として、該「重み」を用いる。
【0129】(サブヒータ駆動制御)PWM駆動手段を
行っても、なお実吐出量が基準吐出量を下回る場合は、
印字直前にサブヒータ駆動を行い吐出量を基準吐出量に
合わせ込む。サブヒータの駆動時間は、目標温度と実ヘ
ッド温度の差(Δt)に応じてサブヒータテーブルから
設定される。サブヒータテーブルは「急加速サブヒータ
テーブル」と「ノーマルサブヒータテーブル」の2種類
があり、以下に記す条件により使い分ける(図33参
照)。
【0130】[印字休止中からの印字再開時]前回印字
終了点から10sec以上経過していた場合には、「急
加速サブヒータテーブル」を用いる。10sec未満の
場合には「ノーマルサブヒータテーブル」を用いる。
【0131】[連続印字時]印字休止状態から印字を再
開して5sec以上経過後は「ノーマルサブヒータテー
ブル」を用いる。5sec未満の場合には上記印字開始
時に用いたテーブルを継承する。即ち、急加速サブヒー
タテーブルを用いていた場合には「急加速サブヒータテ
ーブル」を用い、ノーマルサブヒータテーブルを用いて
いた場合には「ノーマルサブヒータテーブル」を用い
る。
【0132】2つのテーブルを使い分けて、急加速サブ
ヒータテーブルを用いる意味は、サブヒータによる吐出
量制限手段は、ヘッド温度を上げることによって吐出量
を制御する手法なので昇温の為に時間を要し、キャリッ
ジのランプアップ時間内に所望の昇温が完了しなかった
場合には、印字の開始を遅らせて昇温の為の時間を費や
さねばならず、スループットを低下させる弊害があるか
らである。
【0133】具体的なサブヒータ駆動条件を図34に記
す。図中、「温度差」とは目標温度と実ヘッド温度の差
(Δt)を表し、「LONG」とは急加速サブヒータテ
ーブルを現し、「SHORT」とはノーマルサブヒータ
テーブルを現す。
【0134】(全体フロー制御)次に図35、図36を
用いて制御系全体の流れを説明する。
【0135】図35は、吐出の為のPWM駆動値、及び
サブヒータ駆動時間を設定するための割り込みルーチン
である。本割り込みルーチンは50msec毎に発生す
る。よって、印字中なのか休止中なのか、またサブヒー
タの駆動が必要な環境なのか不要な環境なのかには関係
なく、常に50msec毎にPWM値、サブヒータ駆動
時間が更新される。
【0136】まず、50msecの割り込みがかかる
と、直前までの50msec間の印字duytが参照さ
れる(S2010)。但し、この時参照される印字du
tyとは(PWM制御)の項で説明した様に、実際に吐
出したドット数にPWM値毎の重み係数が掛け合わされ
た値である。該50msec間のdutyと過去0.8
秒間の印字履歴から熱源が吐出ヒータで、時定数がショ
ートレンジの部材群の昇温温度(ΔTmh)を演算する
(S2020)。次に、同様に50msec間のサブヒ
ータの駆動dutyが参照され(S2030)、該50
msec間のサブヒータの駆動dutyと過去0.8秒
間のサブヒータの駆動履歴から熱源がサブヒータで、時
定数がショートレンジの部材群の昇温温度(ΔTsh)
を演算する(S2040)。そして、後述するメインル
ーチンで計算されている、熱源が吐出ヒータで、時定数
がロングレンジの部材群の昇温温度(ΔTmb)と、熱
源がサブヒータで、時定数がロングレンジの部材群の昇
温温度(ΔTsb)を参照し、それらを加え合わせる事
によって(=ΔTmh+ΔTsh+ΔTmb+ΔTs
b)ヘッド温度を算出する(S2050)。
【0137】次に、目標温度を目標温度テーブルから設
定し(S2060)、ヘッド温度と目標温度との温度差
(ΔT)を求める(S2070)。該温度差ΔTとPW
Mテーブル及びサブヒータテーブルから、ΔTに応じた
最適ヘッド駆動条件であるPWM値を設定する(S20
80)。また。選択したサブヒータテーブル(S209
0)に基づいて、該温度差ΔTに応じた最適ヘッド駆動
条件であるサブヒータ駆動時間が設定される(S210
0)。以上で、割り込みルーチンを終了する。
【0138】図36はメインルーチンである。ステップ
3010で印字命令が入ると過去1秒間の印字duty
を参照する(S3020)。但し、この時参照される印
字dutyとは、(PWM制御)の項で説明した様に実
際に吐出したドット数にPWM値毎の重み係数が掛け合
わされた値である。該1秒間のdutyと過去512秒
間の印字履歴から熱源が吐出ヒータで、時定数がロング
レンジの部材群の昇温温度(ΔTmb)を演算し、50
msec毎の割り込み時に容易に参照できるように定め
られたメモリー位置に格納更新する(S3030)。次
に、同様に1秒間のサブヒータの駆動dutyが参照さ
れ(S3040)、該1秒間のサブヒータの駆動dut
yと過去512秒間のサブヒータの駆動履歴から熱源が
サブヒータで、時定数がロングレンジの部材群の昇温温
度(ΔTsb)を演算する。ΔTmbを格納更新した場
合と同様、50msec毎の割り込み時に容易に参照で
きるように定められたメモリー位置に格納更新する(S
3050)。
【0139】そして、50msec毎の割り込みが入る
毎に更新されていくPWM値、及びサブヒータ駆動時間
に従って印字及びサブヒータの駆動を行い(S306
0)、その後1行分の印字を行う(S3070)。
【0140】本実施例では吐出量、及びヘッド温度を制
御するためにダブルパルス、シングルパルスのPWMを
用いたが、トリプルパルス以上のパルスのPWMを用い
ても良い。また、ヘッドチップ温度が印字目標温度より
も高温で、小さいエネルギーのPWMで駆動していても
ヘッドチップ温度を低下出来ない時などには、キャリッ
ジの走査速度を制御しても良く、またはキャリッジの走
査開始タイミングを制御しても良い。
【0141】この実施例では、温度センサーを用いるこ
となく将来のヘッド温度を予測することができるので、
実際の印字前に種々のヘッド制御を行うことが可能とな
り、より適切な記録を行うことができる。また、モデル
が簡素化されており、且つ演算アルゴリズムが容易な計
算の積み重ねによるものであるので、予測制御も簡易と
なる。本実施例内で用いている温度予測のサイクル(5
0msec間隔と1sec間隔)等の定数は一例であ
り、本発明を拘束するものではない。
【0142】本実施例ではHQモード、SHQモード、
HSモードの3つの印字モードを有する。印字モードに
応じて吐出量を変え、印字モードに応じた駆動制御を行
っている。上述した通り、駆動制御を行うためには、環
境温度により定められるヘッドの目標温度と実際のヘッ
ドチップ温度との差異(Δt)が演算されるが、Δt演
算後、印字モードに応じてΔtを補正する。吐出量の直
接的な制御パラメータであるPWM値やサブヒータの駆
動時間は、Δtにより決定されるので、印字モードに応
じてΔtを補正することにより、吐出量を制御すること
が可能となる。
【0143】以下に各印字モードについて説明する。
【0144】(印字モード)本実施例は通常、HQ(H
igh Quality)モードが設定される。HQモ
ードは高速且つ高画質を同時に実現するモードである。
SQH(SuperHigh Quality)モード
はHQモードにより、更に高画質を追求した超高画質モ
ードである。また、HS(High Speed)モー
ドは高速印字用に設けられたドラフト高速モードであ
る。この3つの各モードの特徴を以下に記す。
【0145】(1)HQモード HQモードは6.25kHzの駆動周波数で、印字速度
173cps(10cpi)の高速印字を行える。この
駆動周波数は1駆動ブロック(コモン)内におけるセグ
メントずらしの効果により初めて可能になった周波数領
域であり、8個のセグメントを同時に駆動する従来の駆
動方法では実現できなかった。
【0146】セグメントずらし駆動とは、本出願人が特
願平4−77411号公報明細書で提案したもので図3
7に示すように1つのブロックのなかでONされる8個
のセグメントのオンタイミングを偶数ノズルと奇数ノズ
ルとで分割駆動となるようにディレイをかける駆動方法
であり、インクのリフィルのピークをずらすことにより
連続吐出時のリフィルの遅延を防止している。また、吐
出ノズルの発泡エネルギーを利用して近傍ノズルのリフ
ィルの支援を行っている。従来のセグメント同時駆動で
は、高周波駆動になるとインクのリフィルが追いつかず
に、ノズル内にインクが充分に満たされていない状態で
吐出が行われてしまい、吐出不良となることが多かっ
た。それが連続して行われると、共通液室内に消泡しき
れなかった気泡が蓄積してしまい、インク落ちの原因と
なってしまう。セグメントずらし駆動はこのような問題
を防止している。同図に於いて、t1は奇数ノズル、t
2は偶数ノズルがコモンがオンされてからそれぞれオン
されるまでの時間である。また、TConはコモンのオ
ン時間であり、本モードでは15.57μsecとなっ
ている。
【0147】本モードは6.25kHzの高い駆動周波
数であるため、一定時間内に投入される電力は大きく、
本実施例のなかで最も高電力になる。高電力で駆動する
と、ヘッド駆動に起因して昇温しやすく、濃度ムラがで
きやすくなってしまう。本実施例では50msec毎に
マルチパルスPWM等の駆動条件を更新しているので、
ライン内及びライン間濃度ムラを防止することができ
る。また、環境温度とヘッドチップ温度との差異から、
その温度差に最適なマルチパルスPWMを制御すること
で、無駄なエネルギー投入を行わずに最適な駆動条件で
行っているので、極力昇温を抑えている。昇温そのもの
をさせないようして濃度ムラを最低限に抑えている。
【0148】(2)SHQモード SHQモードは4.46kHzの駆動周波数で印字速度
124cps(10cpi)の印字を行える超高画質モ
ードである。
【0149】本モードはHQモード同様、環境温度とヘ
ッドチップ温度との差異からマルチパルスPWMを制御
しているが、その温度差から得られるテーブルより、複
数段階大きめのテーブルを選ぶようにしている。例え
ば、図32に於いて温度差が“1.5℃〜”である場合
ら、単にそのテーブルに設定するのではなく、3つテー
ブルをジャンプさせて“10.5℃〜”のテーブルに設
定する。インク吐出量を一定にする観点から最適なテー
ブルより、大きい吐出量を得ることのできるテーブルを
選択している。よって、SHQモードでは吐出量を上げ
て、紙種によらずに高濃度の画像を提供できる。但し、
OHPシート等の極端に定着性の劣る記録媒体に対して
は、本モードよりHQモードを用いる方が好ましい。ま
た、高温環境下では吐出量が大きくなりすぎるのを防ぐ
ために吐出量を逆に小さくするようにしている。これに
より高濃度の高画質モードである本モードの使用できる
温度範囲を広げることができる。
【0150】本モードでは画質を重要視しているので、
速度は若干落としても、より高精度で本体を制御できる
ようにしている。例えば、ヘッドの取付角度が称呼値で
ある場合、ライン間罫線ズレは、HQモードでは5.1
μmであるのに対して本モードでは4.2μmになるよ
うにしている。更に騒音の面でもHQモードが42dB
であるのに対し、本モードでは40dBと高静粛性を持
っている。
【0151】本モードは吐出安定性を維持するために、
HQモード同様にセグメントずらし駆動を行っている。
セグメントずらしにより、記録ヘッド内のインクのゆら
ぎを小さくしているが、超高画質を実現するために、周
波数的に不安定な領域では使わないようにしている。し
たがって、HQモードに比べると4.46kHzと低周
波数であり、この領域はゆらぎが少なく、吐出安定性も
非常に優れている。特に、低温環境下では吐出量をアッ
プしたことがより効果的であり、吐出安定性も優れてい
るので低温環境下で発生し易い、インクのリフィル不足
による吐出不良等を防止している。低温環境下でも超高
画質を維持しており、HQモードに比べて画質的に高い
レベルにある。
【0152】(3)HSモード HSモードは8.93kHzの駆動周波数で印字速度2
48cps(10cps)の印字を行える高速モードで
ある。
【0153】本モードはSHQモードの2倍の印字速度
を有し、パルス分割のドラフト印字を行うことで、高速
印字を可能としている。画像より速度を重要視している
ので、ゆらぎ等をあまり考慮していない。また、ドラフ
ト印字なので、吐出量も少なく、経済的にも有利なモー
ドである。
【0154】以上説明してきたようにそれぞれの印字モ
ードで、独自の特徴をもった印字を行える。それぞれが
ユーザーのニーズに合わせた設定になっており、ユーザ
ー判断により選択できる。
【0155】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用する方式の記録ヘッド、記録
装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0156】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的
にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の気泡
を形成出来るので有効である。この気泡の成長、収縮に
より吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として、
米国特許第4463359号明細書、同第434526
2号明細書に記載されているようなものが適している。
尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0157】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。
【0158】更にまた、本発明は上記実施例1〜5単独
であっても、上述のとおり優れた作用・効果を奏するも
のであるが、2つまたはそれ以上組み合わせて構成する
ことによって、更に優れた作用・効果を得ることがで
き、極めて有効である。
【0159】
【発明の効果】本発明によれば、複数の記録モードを有
する記録装置において、記録モードに応じて適切な記録
条件で記録を行うことができる。
【0160】また、記録モードに応じて紙送り制御を行
うことができるので、記録速度、記録精度、記録品位、
記録音等において適切な条件で記録を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリアル記録装置の全体斜視図である。
【図2】給紙部の正面図である。
【図3】実施例1の制御構成である。
【図4】紙送り制御のフローチャートである。
【図5】紙送り制御のテーブルである。
【図6】紙送り制御のテーブルである。
【図7】紙送り制御のテーブルである。
【図8】キャリッジ制御の説明図である。
【図9】キャリッジ制御のフローチャートである。
【図10】ワイピングの構成図である。
【図11】ワイピング制御のフローチャートである。
【図12】制御回路のブロック図である。
【図13】モード設定の外観を示す図である。
【図14】モード設定方法を示す図である。
【図15】記録ヘッドの構成を示す回路図である。
【図16】ヘッドドライバ307の回路構成を示すブロ
ック図である。
【図17】HQおよびSHQモードにおけるヘッド制御
信号のタイミングチャートである。
【図18】HSモードにおけるヘッド制御信号のタイミ
ングチャートである。
【図19】本実施例で使用する目標温度テーブルであ
る。
【図20】実施例における記録ヘッドの昇温過程を示す
グラフである。
【図21】実施例でモデル化した熱伝導の等価回路であ
る。
【図22】温度演算を行うための必要演算間隔とデータ
保持時間を示す表である。
【図23】熱源を吐出ヒータとし、時定数をショートレ
ンジの部材群としたときの演算テーブルである。
【図24】熱源を吐出ヒータとし、時定数をロングレン
ジの部材群としたときの演算テーブルである。
【図25】熱源をサブヒータとし、時定数をショートレ
ンジの部材群としたときの演算テーブルである。
【図26】熱源をサブヒータとし、時定数をロングレン
ジの部材群としたときの演算テーブルである。
【図27】実施例のヘッド温度演算手段で推定した記録
ヘッドと、実測した記録ヘッドを比較して示すグラフで
ある。
【図28】分割パルス幅変調駆動法の説明図である。
【図29】本発明を適用可能な記録ヘッドの一構成例を
示すそれぞれインク液路に沿った概略縦断面図および概
略正面図である。
【図30】吐出量のプレヒートパルス依存性を示す線図
である。
【図31】吐出量の温度依存性を示す線図である。
【図32】目標温度とヘッド温度の温度差に対する各パ
ルス幅を示すPWMテーブルである。
【図33】サブヒータ駆動制御を説明するためのグラフ
である。
【図34】目標温度とヘッド温度の温度差に対する各サ
ブヒータ駆動制御時間を示すテーブルである。
【図35】PWM駆動値及びサブヒータ駆動時間を設定
するための割り込みルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図36】メインルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図37】セグメントずらし駆動の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 和宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−273268(JP,A) 特開 平5−84994(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 11/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像記録を行う記録ヘッドを用いて複数
    の記録モードで記録媒体に対し記録を行うことが可能な
    記録装置において、 前記記録ヘッドによる所定の画像記録終了後前記記録媒
    体を前記記録ヘッドに対し相対的に移動させる移動手段
    と、 前記記録媒体の移動量に応じて前記移動手段を制御する
    制御手段と、 を有し、 前記制御手段は、前記移動量が所定量を越える範囲では
    立上げ、立下げ用の第1速度パターンを用い、前記移動
    量が前記所定量を越えない範囲では立上げ、立下げ用の
    第2速度パターンを用いて前記移動手段を動作させる手
    段であって、前記移動量が前記所定量を越えない範囲で
    は、前記移動量の違いに応じて前記第2速度パターンの
    使用部分を変えて前記移動手段を動作させるとともに、 前記複数の記録モードで前記移動手段による記録媒体の
    相対移動速度を異らしめたことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは、前記複数の吐出口に
    対応する吐出口毎に設けられ、インクに熱による状態変
    化を生起させ、該状態変化に基づいてインクを前記吐出
    口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エネルギー発
    生手段とを有したことを特徴とする請求項1に記載の記
    録装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の記録モードは、通常モード、
    高品位モード、高速記録モードの3モードから成ること
    を特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
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