JP2004106528A - 画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理時間が短く、簡単な構成でマルチパス記録を実現することを可能とすることにある。
【解決手段】本発明に係る印刷装置は、複数回に分割して記録するマルチパス記録において、各画素に対して重ね打ちするドット数を変化させて多階調記録を行う。その際に、画素の濃度レベルに応じて、何回目の走査で記録を行うか指定したインデックスパターンを、画素の値ごとに用意する。各画素の値について複数のパターンが用意されている場合には、その中からランダムにパターンが選択される。そして、選択されたパターンにより定義される記録パターンに従って、画像を記録する。
【選択図】図1

Description

 本発明は、記録装置及び記録方法に関し、特に、同一ラスタを複数回のスキャンに別けて記録することにより、記録ヘッドにおける各記録素子の性能のばらつきの影響を抑え、記録ヘッドがスキャンする毎に形成される記録バンドのつなぎ目を目立たなくさせるマルチパス記録制御を用いて画像を記録する画像記録方法、画像処理方法、プログラム、記憶媒体および画像記録システムに関するものである。
 プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録媒体上に、ドットパターンからなる画像を記録するように構成されている。このような記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。それらの内、インクジェット式(インクジェット記録装置)は、記録ヘッドの吐出口からインク(記録液)滴を吐出させ、それを被記録媒体に付着させることによって、記録をする記録方式である。近年、数多くの記録装置が使用されるようになり、これらの記録装置に対して、高速記録、高解像度、高画像品質、低騒音などが要求されている。インクジェット記録装置は、このような要求に応えることができる。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させることによって、非接触の記録が可能であるため、多様な被記録媒体に対しても画像を安定して記録することができる。
 インクジェット記録装置では、記録ヘッドの大型化が困難なため、被記録媒体に対して記録ヘッドをシリアルスキャンさせて記録をするシリアル型の記録装置が主流となっている。このシリアル型の記録装置においては、従来、記録画像の画質向上のために種々の提案がなされている。
 例えば、同一ラスタラインを複数回のスキャンに分けて記録することにより、記録ヘッドにおける各記録素子の性能のばらつきの影響を抑えたり、記録ヘッドがスキャンする毎に形成される記録バンドのつなぎ目を目立たなくさせる制御(以下、「マルチパス記録」と呼ぶ)を行っている。マルチパス記録においては、用紙を全く搬送せずにヘッドのスキャンを繰り返すのではなく、記録ヘッドのよる走査を1回行う毎に一定量ずつ用紙が搬送されるのが普通である。たとえば、6パスのマルチパス記録であれば、用紙の搬送方向についてヘッドに配置されたノズル列を6分割し、ノズル列の長さの6分の1の距離だけ1回の走査のつど用紙を搬送する。
 また、「記録する/記録しない」の2値で多階調を得るための手法として、ある解像度の格子(いわゆる、「画素」)内にインク滴を、濃度に応じた数だけ重ねて記録して階調を得る方法(以下ドット重ね方式と呼ぶ)、や出力解像度を入力解像度より細かくし、入力信号レベルに応じたドット配置パターン(インデックス配置パターン)を用いて階調を得る方法(以下インデックス配置記録方式と呼ぶ)などがある。
 さらに、シリアル型記録装置においては記録速度向上のため、往復の両方向の走査で記録する双方向印字が行われている。なお、本明細書においては、往復の一方向を「往」方向と呼び、もう一方向を「復」方向と呼ぶ。
 しかし、双方向印字の場合は、往方向印字と復方向印字とでの着弾位置ずれが発生しやすく、この着弾位置ずれによって、記録画像上にざらつきや色ムラなどの弊害が発生してしまうことがあった。これを防止するために種々の提案がなされている。
 例えば、特許文献1には、レジ(register)調整の方法として、従来用いられていた、往方向と復方向で記録された縦罫線によりドット着弾位置を補正する方法に対して、往復方向印字で記録されたパターンの一様性を判定する事により正確に往復でのレジ調整を可能にするテストプリント方法が提案されている。なお、印刷位置の調整のことをレジ調整と呼ぶ。
 さらに、特許文献2には、複数ドットを連続して記録することで1つの画素を形成する場合に、画素の重心と、その画素について記録される連続ドット全体の重心とをほぼ一致させることにより、双方向ずれによる画像悪化を防止する印刷装置が提案されている。
特開平07−081190号公報 特開2000−225718号公報
 しかしながら、このような従来のマルチパス記録方法においては、各画素について記録すべきドット配置パターンを選択し、その選択されたパターンのドットを間引きマスクを用いて複数回のスキャンに割り振るという処理を行っていたので、構成が複雑になっていた。また、間引きマスクを記憶しておく分のメモリ容量が必要となっており、その分メモリ容量を増大させていた。
 また、マルチパス記録と双方向印字とを組みあわせた場合においては、非常に精密な往方向印字と復方向印字の位置ずれ調整手段が必要とされてしまう。さらに、未調整のままのプリンタでユーザが印字を行ってしまった場合や、いったん位置ずれを調整しても経時変化により再度ずれてしまった場合において、画像への悪影響が大きくなってしまう。
 本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、その目的は、構成が簡単で、マルチパス記録を実現することを可能とする画像記録方法、画像処理方法、プログラム、記憶媒体および画像記録システム及び方法を提供することにある。
 また、本発明の別の目的は、往復方向印字を行った場合に、往方向と復方向との間のレジずれの影響を小さく抑えて、高品位の画像を記録することができる画像記録方法、画像処理方法、プログラム、記憶媒体および画像記録システムおよび方法を提供することにある。
 上記目的を達成するために本発明は次の構成を有する。
 記録媒体上にドットを記録するための記録ヘッドを前記記録媒体上の各画素に対して複数回主走査させ、当該複数回の主走査により前記各画素に対する記録を完成させる画像記録方法であって、
 注目画素に記録されるドットを前記複数回の走査の内どの走査で記録するかを決定するためのパターンを、注目画素に対して割り当てる工程と、
 前記割当てられたパターンにより決定される走査にて前記注目画素に対しドットを記録する記録工程とを有し、
 前記割り当て工程では、前記画素の取り得る濃度レベルの各々に対応した複数のパターンの中から、前記注目画素の濃度レベルに応じて1つのパターンを選択し、当該選択した1つのパターンを前記注目画素に対して割り当てる。
 あるいは、記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させる画像記録方法であって、
 画素の濃度レベルに対応したドットの数と当該ドットが記録される走査とが規定されたパターンを、前記各画素に対して割り当てる工程を有する。
 あるいは、記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させる画像記録方法であって、
 各画素について記録されるドットを、前記複数回の走査の内どの走査で記録するかを決定するためパターンを、前記各画素に対して割り当てる割り当て工程と、
前記各画素に割り当てられたパターンに基づいて、前記ヘッドの各走査で記録されるドットのパターンを生成する生成工程と
 前記生成されたパターンに基づいて、前記各画素に対しドットを記録する工程とを有する。
 更に好ましくは、前記画素の濃度レベルの各々について複数のパターンが用意されており、前記割り当て工程では、前記注目画素の濃度レベルに応じて、当該注目画素の濃度レベルに対応した複数のパターンのうちから1つのパターンをランダムに選択、あるいは予め定められた順序で順次選択、画素位置に応じて選択し、当該選択した1つのパターンを前記注目画素に対し割り当てる。
 更に好ましくは、前記複数回の走査は、前記記録ヘッドの往方向への走査と復方向への走査の両方を含み、2ドット以上が記録される画素の濃度レベルに対応したパターンは、記録すべきドットが前記往方向と復方向の両方に振り分けられるよう定められている。
 更に好ましくは、前記複数回の走査は、前記記録ヘッドの往方向への走査と復方向への走査の両方を含み、前記パターンは、記録すべきドットが前記往方向と復方向のいずれか一方に振り分けられるよう定められている。
 更に好ましくは、前記画素の取り得る濃度レベルの各々に対応する前記複数のパターンは、往方向の走査で記録される濃度と、復方向の走査で記録される濃度がそれぞれ相等しくなるように定められている。
 あるいは、記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査させ、当該複数回の走査により各画素に対する記録を完成させるための画像処理方法であって、
 各画素に記録されるドットを前記複数回の主走査の内どの主走査で記録するかを決定するためパターンを、各画素に対して割り当てる工程を有する。
 あるいは、記録媒体上にドットを記録するための記録ヘッドを前記記録媒体上の各画素に対して複数回主走査させ、当該複数回の主走査により前記各画素に対する記録を完成させるための画像処理方法であって、
 注目画素に記録されるドットを前記複数回の走査の内どの走査で記録するかを決定するためのパターンを、注目画素に対して割り当てる工程を有し、
 前記割り当て工程では、前記画素の取り得る濃度レベルの各々に対応した複数のパターンの中から、前記注目画素の濃度レベルに応じて1つのパターンを選択し、当該選択した1つのパターンを前記注目画素に対して割り当てる。
 あるいは、記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させるための画像処理方法であって、
 画素の濃度レベルに対応したドットの数と当該ドットが記録される走査とが規定されたパターンを、前記各画素に対して割り当てる工程を有する。
 本発明によれば、簡単な構成で高品質の画像を形成可能なマルチパス記録を実現できるようになる。
 [第1の実施形態]
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、インクジェット記録装置に対する適用例である。
 まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の基本構成の一例を図1から図2に基づいて説明する。なお、実施形態においてはインクジェット記録装置を単に記録装置あるいは印刷装置と呼ぶ。
 <インクジェット記録装置の基本構成例>
 図1及び図2は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の要部の概略構成図である。
 図1において、記録装置の外装部材内に収納されたシャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成されて、記録装置の骨格を成すものであり、次のような各記録動作機構を保持する。自動給送部M3022は、用紙(被記録媒体)を装置本体内へと自動的に給送する。搬送部M3029は、自動給送部M3022から1枚ずつ送出される用紙を所定の記録位置へと導くと共に、その記録位置から排出部M3030へと用紙を導く。矢印Yは、用紙の搬送方向(副走査方向)である。記録位置に搬送された用紙は、記録部によって所望の記録が行われる。この記録部に対しては、回復部M5000によって回復処理が行われる。M2015は紙間調整レバー、M3006は、LFローラM3001の軸受けである。
 記録部において、キャリッジM4001は、キャリッジ軸M4021によって矢印Xの主走査方向に移動可能に支持されている。このキャリッジM4001には、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドH1001(図2参照)が着脱可能に搭載される。本例の記録ヘッドH1001は、図2のように、インクを貯留するインクタンクH1900と共に、記録ヘッドカートリッジH1000を構成する。インクタンクH1900としては、写真調の高画質なカラー記録を可能とするために、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクが用意されている。これらのインクタンクH1900のそれぞれは、記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
 記録ヘッドH1001は、インクを吐出するためのエネルギーとして、電気熱変換体から発生する熱エネルギーを利用するものであってもよい。その場合には、電気熱変換体の発熱によってインクに膜沸騰を生じさせ、そのときの発泡エネルギーによって、インク吐出口からインクを吐出することができる。
 回復部M5000には、記録ヘッドH1001におけるインク吐出口の形成面をキャップするキャップ(図示せず)が備えられている。このキャップには、その内部に負圧を導入可能な吸引ポンプを接続してもよい。その場合には、記録ヘッドH1001のインク吐出口を覆ったキャップ内に負圧を導入して、インク吐出口からインクを吸引排出させることにより、記録ヘッドH1001の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吸引回復処理」ともいう)をすることができる。また、キャップ内に向かって、インク吐出口から画像の記録に寄与しないインクを吐出させることによって、記録ヘッドH1001の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吐出回復処理」ともいう)をすることができる。
 また、キャリッジM4001には、図1のように、キャリッジM4001上の所定の装着位置に記録ヘッドH1001を案内するためのキャリッジカバーM4002が設けられている。さらに、キャリッジM4001には、記録ヘッドH1001のタンクホルダーと係合して、記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるヘッドセットレバーM4007が設けられている。ヘッドセットレバーM4007は、キャリッジM4001の上部に位置するヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられており、記録ヘッドH1001と係合する係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられている。そのばね力によって、ヘッドセットレバーM4007は、記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する。
 以上のような構成のインクジェット記録装置によって記録を行う場合には、まず、外部I/Fから送出されてきた記録データをプリントバッファに一旦格納する。そして、キャリッジ(CR)モータによってキャリッジM4001と共に記録ヘッドH1001を主走査方向させつつ、記録データに基づいて記録ヘッドH1001からインクを吐出させる記録動作と、ラインフィード(LF)モータによって用紙を副走査方向に所定量搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用紙上に順次画像を記録する。
 <パスの振り分けの説明>
 図3から図5は、上述したインクジェット記録装置にも適応可能な本発明の第1の実施形態を説明するための図である。
 図3は本実施形態において適用可能なインクジェット記録ヘッドの一例の説明図である。本実施形態の記録ヘッドには、2つの吐出口列L1、L2が形成されており、これら吐出口列L1、L2の各々は所定方向に配列された複数の吐出口から構成されている。吐出口列L1、L2のそれぞれは、300dpiの記録密度に相当する間隔Pyで吐出口が所定方向に配列され、吐出口列L1、L2のそれぞれは32個の吐出口を有している。また、吐出口列L1、L2における吐出口は、600dpiの記録密度に相当する間隔(Py/2)だけ吐出口の配列方向(上記した所定方向)に対し互いにずらされて配置されている。このような記録ヘッドを用いることにより、図1の副走査方向(吐出口の配列方向)Yについて、600dpiのドット密度で画像を記録することができる。この記録ヘッドは、例えば図4のように複数組み合わせて、それぞれの記録ヘッドから異なる種類のインクを吐出させても良い。その場合には、例えば、それぞれの記録ヘッドからシアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出させることによって、カラー画像を記録することができる。
 図5は、記録媒体上にドットを重ねて記録した様子を示す模式図である。本実施形態では、記録密度が600dpiであり、各画素に相当する正方格子に複数のドットを重ねて記録する記録装置を例にとって説明する。図5における格子点の間隔は1/600インチすなわち42μmになる。本実施形態で使用される図3の記録ヘッドは、1回の吐出動作で約5pl(ピコリットル)のインク滴を吐出する。吐出されたインクが被記録媒体上に着弾したときのインクドットの直径は約40μmである。入力解像度は600×600dpiである。600×600dpiの各格子には0、1、2、3、4のいずれかの数のインクドットが重ねられて階調記録が行われる。すなわち、本実施形態では、階調レベル(以下、「濃度レベル」ともいう)0〜4の5値で階調表現がなされるのである。また、本実施形態では、記録媒体の同一領域(同一ラスタ領域、あるいは同一画素領域)に対して記録ヘッドを複数回主走査させ、当該複数回の主走査にて上記領域に対する記録を完成させるマルチパス記録を採用しており、具体的には、6回の走査で記録を完了する6パス記録を行っている。なお、図5では、図示しやすいように、1つの格子に重ねられるドットをずらして表示しているが、実際には、格子内の同一地点に複数のドットを重ねるようにして階調記録を行っている。1つの画素に着目した場合、その着目画素についてドットを記録するパスの組みあわせについては幾通りもの候補がある。たとえば、濃度レベルが1(以下、濃度レベルを単にレベルと呼ぶ。)の画素については、6パスのうちのいずれかひとつのパスでドットを記録すればよい。また、レベルが2の画素については、いずれか2つのパスでドットを記録すればよい。このように、画素のレベルに応じてドットを記録するパスを第1パス〜第6パスに割り当てることを、パス振り分けと呼び、ドットを記録するパスの組み合わせを定めるパターンを「パス振り分けパターン」と呼ぶ。
 因みに、本実施形態では、各格子内の同一位置にインクを吐出する構成に限定されるものではなく、各格子内の異なる位置にインクを吐出して階調記録を行う形態を採用してもよい。
 図6は本発明の第1実施形態に適用されるパス振り分けパターンの例である。本実施形態では、同一格子(同一画素)に0〜4発のドットを6回のスキャン内で記録する。これを実現するために、パス振り分けパターンとして、スキャン数と同じマス目を有するパターン(スキャン数と同じ数に区分けされたパターン)を複数持ち、このパターンを用いることで、注目格子(注目画素)に対して記録すべきドットを6パスのうちのいずれのパスで記録するかを指定(決定)する。ここでは、6つのマス目の左上から右方向に1パス目、2パス目、3パス目とし、次に左下から右方向へと4パス目、5パス目、6パス目に記録するドットを表示している。そして、1つの濃度レベルについて複数のパス振り分けパターンが存在している場合もあるので、各振り分けパターンにはインデックス番号が付される。なお、図に示す振り分けパターンは視覚化するためにマス目で示したものであって、プリンタは、このパターンに相当する表をROM等のメモリに有する。たとえば、パス振り分けパターンは、ドットを記録するパスを“1”で、記録しないパスを“0”で示した表として表される。
 例えば図6のレベル2におけるパス振り分けパターンは3つある。そのインデックスナンバー1は、上段と下段の最左端のマス目が黒く塗りつぶされ、そのマス目に相当するパスでドットが記録されることを示す。すなわち、6回のスキャンのうち1パス目と4パス目にドットが記録され、1つの注目画素に対して合計2つのインクドットが記録されることを示す。
 記録装置は、画素密度が600dpiで1画素がとり得る階調が5値の入力画像データ(以下、600dpiの5値データと呼ぶ)に対して、画素のレベルに応じて図6に示したパターンを割り当てて記録を行う。なお、6パス記録の場合、同一格子(同一画素)に1、2、3、4ドットを記録するパス振り分けパターンとしては、それぞれ、6、15、20、15通りのパターンが存在する。全ての組み合わせのパターンを持つように構成しても良いが、記録装置のメモリや計算負荷を低減するために、本実施形態では、パターン数をレベル1では6パターン、レベル2では3パターン、レベル3では2パターン、レベル4では3パターンとした。
 図7はパス振り分けパターンの本実施例の表示方法と、それに対応した実際の記録方法との対応を説明する図である。図7のパス振り分けパターンAは、1パス目と4パス目に記録が行われることを示す。パス振り分けパターンBは2パス目と6パス目に記録が行われることを示す。なお、パターンBは図6の例には含まれていない。画素701はパス振り分けパターンAにしたがってドットが記録され、画素702はパス振り分けパターンBにしたがってドットが記録される。
 まず、図7の1パス目は左から右の往路印字(往方向への主走査中での記録)である。1パス目において、パターンAにしたがって画素701に1ドットを記録する。図7の2パス目は右から左の復路印字(復方向への主走査中での記録)である。2パス目において、パターンBにしたがって画素702に1ドットを記録する。図7の3パス目は左から右の往路印字である。3パス目においては記録を行わない。図7の4パス目は右から左の復路印字である。4パス目においてはパターンAにしたがって画素701に1ドットを記録する。図7の5パス目は左から右の往路印字である。5パス目においては記録を行わない。図7の6パス目は右から左の復路印字である。6パス目においては、パターンBにしたがって画素702に1ドットを記録する。
 図8は本実施形態におけるパス振り分け制御の詳細について説明するフロー図である。まず、ステップ1において記録すべき原画像に対応するデータ(例えば、256階調で表現される輝度データ)に対して様々な画像処理を行い画像データ、例えば600dpiの5値の画像データを得る。本実施形態では、600dpiの5値データを例として説明するが、もちろん、画素密度は600dpi以外でもよく、階調数は5階調以外でもよい。例えば、画素密度は、使用されるプリンタで記録可能な値であればどのような値であってもよいし、また、階調数も2値あるいは3値等、プリンタにより記録可能な値であればどのような値であってもよい。
 次に、ステップ2において、上記のようにして得られた画像データ(600dpiの5値データ)を記録する際の記録条件(例えば、記録パス数)を判別し、この記録条件に基づいて、使用するパス振り分けパターンのグループ(例えば、図6のようなパス振り分けパターンのグループ)を設定する。ここで、図6のパス振り分けパターンは6パス記録の際に使用するインデックスパターンのグループであるが、この他にも2〜5パス記録用のインデックスパターンのグループが予め設けられている。すなわち、本実施形態では、各パス数に対応したパス振り分けパターンのグループが予め設けられているのである。そして、これらのグループの中から、記録パス数に対応したパス振り分けパターンのグループを選択し、記録に使用されるように設定するのである。
 なお、上記の記録条件としては、記録パス数(スキャン回数)の他に、例えば、記録媒体の種類、記録モード(記録品位と記録速度)などがある。上記説明では、記録パス数に応じて使用するパス振り分けパターンのグループを決定する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、記録媒体の種類と記録モードに基づいて、使用するパス振り分けパターンのグループを決定するようにしてもよい。すなわち、一般に、記録バス数は、記録媒体の種類(普通紙、高品位専用紙、光沢紙、OHP用紙等)と記録モード(きれい、標準、はやい等)に対応するものであり、例えば、記録モードが「はやい」で記録媒体の種類が「普通紙」の場合は、記録パス数が「2」になるよう予め定められる。また、記録モードが「きれい」で記録媒体の種類が「光沢紙」の場合、記録パス数が「6」となるように予め定められる。また、記録モードが「標準」で記録媒体の種類が「高品位専用紙」の場合、記録パス数が「4」となるように予め定められている。従って、記録媒体の種類と記録モードとに応じて記録パス数が自動的に決定される印刷装置においては、記録条件として、記録媒体の種類および記録モードを判定するようにし、記録媒体の種類および記録モードに応じて使用するパス振り分けパターンのグループを決定するようにしてもよい。もちろん、これは単なる一例に過ぎず、他の方法に従って、記録条件に応じたパス振り分けパターンのグループを決定することもできる。
 画像データが600dpiの5値データである場合には、5値データをそのまま記録するために、記録パスは最低4パス必要である。しかし、本実施形態では、4パス記録とはせず、記録ヘッドの特性ばらつき等によるテクスチャを十分に抑制するべく、6パス記録としている。そこで、この例では、記録パス数を「6」とし、1つの濃度レベルに対応するパターンの数も同じく最大6パターンと決定する。
 次に、ステップ3において、600dpiの5値の濃度レベルで表現される各画素に対して、当該各画素の濃度レベルに対応したパス振り分けパターンを割り当てる。パターンの割り当ては、パス数ごとに予め定められているパス振り分けパターンを割り当てていく。本例では、図6に示した6パス記録用パス振り分けパターンを用いる。この場合、濃度レベル0について1パターン、濃度レベル1について6パターン、濃度レベル2について3パターン、濃度レベル3について2パターン、濃度レベル4について3パターンのパス振り分けパターンのいずれかを、各画素に対し、当該各画素の濃度レベルに応じて割り当てることとなる。
 次に、ステップ4において、上記のようにして割り当てられたパス振り分けパターンに従って、5値の画像データを各パス(第1パス〜第6パス)ごとに分割し、各パスで記録される2値画像データを得る。例えば、画像データが600dpiの5値データであれば、各パスで記録される600dpiの2値データが得られる。その後、ステップ5で、各パスに対応して生成された600dpiの2値データに基づき、各パスでのドット記録を行なう。
 図9(A)〜(D)は、パス振り分けパターンの割り当て方法を示す例である。図9(A)は、各画素値(濃度レベル)1〜4について、1からパターン数までを不規則(ランダム)に選択する範囲を示す。すなわち、パス振り分けインデックスパターンの選択の範囲は、各画素値に対応するパス振り分けパターンの数であり、同じ画素値に対応する複数のパス振り分けパターンの出現確率はほぼ等しくなるものとする。本実施例では図6に示したように、濃度レベル0で1つ、濃度レベル1で6つ、濃度レベル2で3つ、濃度レベル3で2つ、濃度レベル4で3つのパス振り分けパターンを有する。そのため、図8のステップ3においては、パス振り分けパターンを不規則(ランダム)に選択するために、注目画素の濃度レベルが「0」の場合にはインデックスナンバー1、濃度レベルが「1」の場合にはインデックスナンバー1から6、濃度レベルが「2」の場合にはインデックスナンバー1から3、濃度レベルが「3」の場合にはインデックスナンバー1から2、濃度レベルが「4」の場合はインデックスナンバー1から3の中からパス振り分けパターンを不規則に選択することとなる。このように、パス振り分けパターンの選択をランダムに行っているので、ある濃度レベルに対応する複数のパス振り分けパターンのなかから各パス振り分けパターンが選択される確率はほぼ等しくなる。例えば、図6の濃度レベル2の場合、パス振り分けインデックスナンバー1・2・3は略等確率で選択される。
 図9(B)は、濃度レベルが「4,4,4,4,2,2,1,1,1,2、...」という配列の画像データを示している。図9(C)は、図9(B)の画像データに対してパス振り分けパターンを割り当てる方法を示している。先頭から第4番目までの濃度レベル4の各画素に対しては、濃度レベル4に対応するパス振り分けパターンを、インデックスナンバー1〜3の中からそれぞれ1つランダムに選択する。第5、6、10番目の濃度レベル2の各画素に対しては、濃度レベル2に対応するパス振り分けパターンを、インデックスナンバー1〜3の中から1つランダムに選択する。第7番目から9番目の濃度レベル1の各画素に対しては、濃度レベル1に対応するパス振り分けパターンを、インデックスナンバー1〜6の中から1つランダムに選択する。
 ランダムに選択するためには、たとえば乱数を発生して、その乱数をパターン数で除算して剰余を求め、その剰余をインデックス番号とすればよい。
 図9(D)は、各画素に対するパス振り分けパターンの割り当て結果であり、各画素に対して割り当てられたインデックスナンバーが示されている。上段に各画素の濃度レベル、下段に各画素に対して割り当てられたパス振り分けパターンのインデックスナンバーを表示している。すなわち、先頭の画素についてはインデックスナンバー1が割り当てられ、2番目の画素についてはインデックスナンバー2が割り当てられている。
 図10(A)−10(C)は、記録媒体上にドットが記録されるまでの画像データの流れについて説明する図である。図10(A)は、画像データの例である。格子内の数値は画素値(濃度レベル)を示す。この画像データは、図8のステップ1で画像処理を実施した後に得られる階調値データ(この例では、5値データ)である。なお、数字は画素の濃度レベルである。
 図10(B)は、各画素に対し、各画素の濃度レベルに応じたパス振り分けパターンのインデックス番号(図6のパス振り分けパターンを用いている。)を割り当てた様子を示した図である。すなわち、図10(A)の画像データに対して、図8のステップ3で示したパス振り分けパターンの割り当て処理を行った結果示している。ハイフンで結ばれた1対の数値の内、左側が画像データの各画素データが示す濃度レベルを、右側がパス振り分けパターンのインデックスナンバーを表示している。このように、画素データと対応付けて、パス振り分けパターンが割り当てられる。
 なお、パス振り分けパターンの割り当て方法としては、図9で示したように、注目画素の濃度レベルに対応する複数のパス振り分けパターンの中からランダムに1つのパス振り分けパターンを選択(例えば、濃度レベル4の場合、3つのパターン中からランダムに1つのパターンを選択)し、選択されたパターンを注目画素に割り当てる方法が有効であるが、これ以外の方法も適用可能である。例えば、各濃度レベル毎に、画素位置とパス振り分けパターンとを予め対応付けておく。そして、注目画素の画素位置と濃度レベルに応じて使用するパターンを割り当てる方法でもよい。詳しくは、濃度レベル4の場合、左端から1、2、3、・・・、N番目の画素位置に対し、それぞれインデックスナンバー1、2、3のいずれかのパターンが予め対応付けられている。例えば、濃度レベルが4で画素位置が左端から2番目であればインデックスナンバー2のパス振り分けパターンが割り当てられるようになっているのである。
 図10(C)は、上記のようにして割り当てられたパス振り分けパターンを用い、記録すべき全ドットを、各パスで記録されるドットに分割した様子を示している。これは、図8のステップ4で示した処理(記録データを記録パス毎のデータに分割する処理)の結果得られるデータに相当する。図10(B)の最上段の左端の画素10B1は濃度レベル0のため、第1パスから第6パスのいずれのパスでも記録しない。図10(B)の画素10B2は濃度レベル1であり、図6のインデックスナンバー3のパス振り分けパターンが選択されているので、第3パスでドットを記録する。また、図10(B)の画素10B3は、濃度レベル2であり、図6のパス振り分けパターンのインデックスナンバー1が選択されているので、第1パスと第4パスでドットを記録する。その他の画素データについても同様に、選択されたインデックスナンバーに対応するパス振り分けパターンにおいて定義されている第m(本実施形態では、m=1〜6)番目のパスにおいてドットを記録する。なお、第1パスとは、同一ラスターに対する画像記録時における複数回のパスのうちの第1番目のパスをいい、第2、第3パス等も同様に第2番目、第3番目のパスのことである。
 なお、マルチパス記録の場合には、ヘッドの高さをパス数で分割し、1回の走査毎に各分割に相当する高さだけ用紙を搬送するのが通常である。そのため、1回の走査で記録される領域(これをバンドと呼ぶ)には、走査が1回目の部分領域から、走査が最終回の部分領域までが含まれる。これら部分領域は互いに等しい高さを有し、走査方向に沿って分割されている。たとえばパス数を6としよう。この場合には、1回のヘッド走査で記録される領域は高さ方向について6等分され、最も上から走査が第6回目の領域、第5回目の領域、第4回目の領域、第3回目の領域、第2回目の領域、第1回目の領域に分割できる。したがって、走査が第i番目となる領域については、パス振り分けパターンにおいて第i番目のパスに対応するマス目の値を選択し、それをi番目のパスで記録すべき2値データとする。
 パス振り分けパターンの割り当て制御は、ホスト側で行う場合と、記録装置(印刷装置)側で行う場合の両形態が考えられる。図11に、パス振り分け制御を記録装置側で行う場合のフローチャートを示す。まず、ホスト側において、ステップ11で記録すべき原画像に対応するデータ(例えば、256階調で表現される輝度データ)に対して様々な必要な画像処理を行い、所定の画像データ(例えば、600dpiの5値の画像データ)を取得し、この5値データを記録装置へ出力する。次に、ステップ12で記録装置側においてパス振り分け制御を行う。このパス振り分け制御工程は、図8のステップ2・3・4に相当する。このステップ12における制御工程では、ホスト装置から送信された600dpiの5値の画像データをパス振り分けパターンに応じて各パス用の2値データに分割し、インクの吐出・非吐出を示す各パス用の記録データ(600dpiの2値の画像データ)を得る。次に、ステップ13において、記録装置側で、ステップ12で得られたパス振り分け制御後の600dpiの2値の画像データに基づき記録ヘッドからインクを吐出し、複数のドットで構成される画像を記録媒体上に記録する。
 本実施形態で示したパス振り分けインデックスパターンを用いたパス振り分け制御を行うことにより、画像データを各パス用データに分割する処理を簡単な構成で行うことが可能となる。なお、ここでは、パス振り分け制御を記録装置側で行うこととしたため、ホストにおける画像処理は従来の記録装置についてするものと同一でよい。
 図12は、ホスト側でパス振り分け制御を行う場合のフローチャートである。まず、ホスト側において、ステップ21で記録すべき原画像に対応するデータ(例えば、256階調で表現される輝度データ)に対して様々な必要な画像処理を行い、所定の画像データ(例えば600dpiの5値の画像データ)を得る。次に、ステップ22でパス振り分け制御を行う。このパス振り分け制御工程は、図8のステップ2・3・4に相当するものであり、この制御工程では、600dpiの5値の画像データを上記パス振り分けスパターンに応じて各パス用のデータに分割し、インクの吐出・非吐出を示す各パス用の記録データ(600dpiの2値の画像データ)を取得し、この2値データを記録装置へ出力する。次に、記録装置側で実行されるステップ23において、ステップ22で出力された600dpiの2値の画像データに基づいて記録ヘッドからインクを吐出し、複数のドットで構成される画像を記録媒体上に記録する。この場合は、記録装置本体側でパス振り分けを行う場合に比べて、記録装置の出力解像度と等しい600dpiの2値の画像データをホストから記録装置に送るため、記録装置側でデータを処理する必要が無く、また印字バッファとしても1スキャン分の印字バッファがあればよいため、記録装置側は非常に簡単な構成をとることができる。なお、ホストコンピュータで生成する画像データの画素密度は、記録装置の印刷解像度に合わせて選択されている。
 以上のべたように本実施形態においては、「画像データを構成する各画素データを、複数のパスのうちのどのパスで記録するか」というパス振り分けを、各画素の画素値に応じて選択されたパス振り分けパターンを各画素に対して割り当てることにより実行する。
 この結果、本実施形態においては、従来の構成に比べより簡単な構成で、各パスへのデータ割り振り動作を行い、各パス用の2値データの作成を行って記録を実施することが可能になる。すなわち、従来の構成では、各画素に対する記録を行う場合、各画素に関し、当該画素の画素値に応じたドットパターンを選択し、その後、間引きマスク処理を行うことで各パスへの割り振り動作を行っていた。つまり、画素値に応じたドットパターンの選択動作とパス振り分け動作とを別個に行っていた。そのため、処理時間が比較的長くなっていた。また、間引きマスクを記憶しておく分だけのメモリ容量が必要となり、その分メモリ容量を増大させていた。
 これに対し、本実施形態に係る発明では、パス振り分けパターンに、(a)画素値に対応したドットパターン情報と、(b)ドットをどのパスで記録するかを指定するためのパス指定情報とを持たせるように構成し、このようなパス振り分けパターンを各画素に対して割り当てている。このため、画素値に応じたドットパターンの選択動作と各パスへの割り振り動作とを同時に行うことが可能となり、それに伴って、処理時間が大幅に短縮できるようになる。よって、本実施形態では、従来の「画素値に応じたドットパターンの選択」+「間引きマスク処理により各パスへのデータ割り振り」という構成に比べ、処理時間の短縮を図ることが可能になる。さらに、パス分割をホストで行う場合であっても、記録装置で行う場合であっても、記録装置側の構成を簡素化する事が可能となる。また、間引きマスクが不要であるため、その分、メモリ容量を削減できる。
 さらに、ある記録パス数について、ひとつの濃度レベルに複数のパス振り分けパターンを定義し、その中からランダムにひとつのパターンを選択することで、ひとつのラスタに属するすべての同一階調のドットが、記録ヘッドの同一のノズルにより記録されることを防止できる。このため、各ノズルの特性の違いや吐出不良ノズルの発生に起因して生じるテクスチャを軽減できる。
 [第2の実施形態]
 本実施形態では、より好ましいパス振り分けパターンについて説明する。本実施形態では、パス振り分けパターンとして、図6のものに代わって図18のパス振り分けパターンを利用する点を除き、そのほかの構成は第1実施形態と同様である。本実施形態のパス振り分けパターンは、往復印字に起因する画像の劣化が生じにくいという特徴を有している。
 <図6のパターンにおける改善点>
 図13(A)−13(D)は、図6のパス振り分けパターンを用いて記録される濃度レベル1からレベル4の一様な画像を示す。各基本格子点は600dpiで記録される画素サイズを示す。図13(A)に示すレベル1は基本格子点に1ドット、図13(B)に示すレベル2は2ドット、図13(C)に示すレベル3は3ドット、図13(D)に示すレベル4は4ドットが重なって記録されている。
 6パスのマルチパス記録を往復印字と組みあわせた場合、第1・3・5パス目は往方向走査で印字され、第2・4・6パス目は復方向走査で印字される。図14(A)−14(D)に、図13(A)−13(D)に示す各画像について、往方向印字および復方向印字それぞれにおいて記録されるドット配置および濃度の例を示す。図14(A)−14(D)の往方向印字と復方向印字は補完関係にあり、重ね合わせることで本来の画像が完成する。図6から明らかなように、レベル2及びレベル4については、各パスにおいて記録されるドットは選択されるパス振り分けパターンごとに異なる。しかし、いずれのパターンでも、偶数パスで記録する回数と、奇数パスで記録する回数は等しい。そのため偶数パスおよび奇数パスをそれぞれ重ね合わせれば、どのパターンが選択されていても、往方向印字および復方向印字それぞれにおいては同じ濃度でドットが記録される。
 これに対してレベル1及びレベル3については、偶数パスで記録する回数と、奇数パスで記録する回数を等しくすることはできない。そのため、偶数パスおよび奇数パスをそれぞれ重ね合わせれば、選択されるパス振り分けパターンに応じて、往方向印字および復方向印字それぞれにおいて記録されるドットの濃度が異なる。例えば図6のレベル3では、ある画素についてインデックスナンバー1に相当するパス振り分けパターンが選択されると、その画素はすべて奇数パスで記録される。またインデックスナンバー2に相当するパス振り分けパターンが選択されると、その画素はすべて偶数パスで記録される。それらの割合は相等しく、かつランダムに選択される。
 図14(A)−14(D)は、それを示している。すなわち、図14(A)は、レベル1の一様な画像において、左側は奇数パスで記録される画素を、右側は偶数パスで記録される画素を示す。選択されたパス振り分けパターンに応じて、奇数パターンで1回記録された画素と、偶数パターンで1回記録された画素とがある。図14(B)は、レベル2の一様な画像において、左側は奇数パスで記録される画素を、右側は偶数パスで記録される画素を示す。選択されたパス振り分けパターンにかかわらず、奇数パターンでも偶数パターンでも1度ずつ記録されている。図14(C)は、レベル3の一様な画像において、左側は奇数パスで記録される画素を、右側は偶数パスで記録される画素を示す。選択されたパス振り分けパターンに応じて、奇数パターンで3回記録された画素と、偶数パターンで3回記録された画素とがある。図14(D)は、レベル4の一様な画像において、左側は奇数パスで記録される画素を、右側は偶数パスで記録される画素を示す。選択されたパス振り分けパターンにかかわらず、奇数パターンでも偶数パターンでも2度ずつ記録されている。
 図15(A)−15(D)は、往方向走査と復方向走査における記録位置のずれ、すなわち、奇数パスと偶数パスとにおける記録位置がずれた場合の説明図である。図15(A)は、図14(C)の部分14C1および部分14C2を抜き出したものである。
 図15(B)は、往方向の記録位置と復方向の記録位置があっている場合の記録結果である。各格子内に3ドットずつ重なった状態で記録される。図15Cは往方向の記録位置と復方向の記録位置とが0.5画素分ずれた場合の記録結果である。ずれは、復方向印字について左方向に生じている。復方向走査で記録されたドットが、往方向走査で記録されたドットに対して左方向に0.5画素ずれているため、部分15C1で0ドット(全く記録されていないということ)の薄い部分が、部分15C2で6ドット(6回重ねて記録されているということ)の濃い部分が発生する。
 図15(D)は、往方向の記録位置と復方向の記録位置とが1画素分ずれた場合の記録結果である。復方向走査で記録されたドットが、往方向走査で記録されたドットに対して左方向に1画素ずれており、部分15D1で0ドットの薄い部分、部分15D2で6ドットの濃い部分が発生する。
 このように往方向印字と復方向印字の位置ずれがない場合には、レベル3の画素は均一な3ドットの重なりで記録される。ところが、往方向印字と復方向印字の位置ずれが発生すると、往方向走査で記録されるドットと復方向走査で記録されるドットの重なり具合によって、レベル3の画素は、0ドット・3ドット・6ドットのいずれかの数のドットの重なりで記録される。そのために、パターンの一様性が失われて画像のざらつき(テクスチャー)が発生し画像品位の劣化を招いてしまう。
 図16に、重ねて記録されるドット数と濃度との関係を表すグラフを示す。0ドット、1ドット、2ドットと重ねて記録していく場合、図16に示す様に0ドットと1ドットでの濃度差が最も大きいことがわかる。このため図15(D)に部分15D1で示すようなドットが記録されない部分が発生する場合、画像劣化が最も著しくなってしまう。
 図17(A)−17(D)は、図14(A)−14(D)それぞれに示す、往方向走査で記録されるパターン(左側)と復方向走査で記録されるパターン(右側)とを、1画素ずらして重ねた画像である。すなわち図15(D)のように記録した画像である。レベル1(図17(A))およびレベル3(図17(C))においては、先ほど説明したようにドットが重なった部分とドットが無い部分とが発生してしまい、テクスチャーが発生してしまう。
 <より好ましいパス振り分けインデックスパターン>
 図18は本発明の第2実施形態に適応したパス振り分けパターンである。レベル2以上、すなわち同一格子点に2回以上の重ね打ちが必要なレベルについては、往方向印字(偶数パス)と復方向印字(奇数パス)の両方にドットを配分したパス振り分けパターンが定義されている。すなわち、レベル3に対しては、インデックス1から3までの3パターンが定義され、ひとつの画素について、インデックス1が選択されれば第1,3,6パスにおいて、インデックス2が選択されれば第1,2,4パスにおいて、インデックス3が選択されれば第2,3,5パスにおいて、ドットが記録される。
 このため、レベル2以上において、往方向印字と復方向印字のそれぞれで、各基本格子に対して1ドット以上が記録されることとなる。
 図19(A)−19(D)は、図18のパス振り分けパターンを用いた場合に、第1,3,5パス目の往方向走査と第2,4,6パス目の復方向走査とに分けた各走査方向における印字によるドット配置を示す。図14(C)と図19(C)のレベル3のドット配置を比較すると、図14(C)では往方向印字・復方向印字ともに0ドットと3ドットの画素からなり、図19(C)では往方向印字・復方向印字ともに1ドットと2ドットの画素からなることがわかる。
 図20(A)−20(D)は、図18のパス振り分けパターンを用いて、往方向の記録位置と復方向の記録位置が1画素ずれた場合の画像の例である。図17(A)−17(D)は、図6のパターンを使用した場合に往方向の記録位置と復方向の記録位置とが1画素分ずれた画像の例である。このうち、レベル3の画素で構成される図20(C)の画像を、図17(C)の画像と比較すると、図17(C)には0ドット、3ドット、6ドットの画素が存在し、図20(C)には、2ドット、3ドット、4ドットの画素が存在することがわかる。図17(C)における最大の濃度差は、0ドットと6ドットの差である6ドット分の濃度差であるのに対して、図20の最大の濃度差は、2ドットと4ドットの差である2ドット分の濃度差である。このため往方向印字の位置と復方向印字の位置とがずれても著しいテクスチャーの発生が少なく画像の劣化が少なくなる。
 このように、レベル2以上の画素値を有する画素を記録するために、往方向走査と復方向走査とにドットを振り分けたパス振り分けパターンを用いることにより、記録位置のずれが発生した場合においても著しい画像の劣化を抑えることが可能となった。
 [第3の実施形態]
 本実施形態では、レベル1でのテクスチャー発生の軽減方法について説明する。なお、パス振り分けパターン以外については第1実施形態と同様の構成である。
 図21は本発明の第3の実施形態に適応したパス振り分けパターンである。図21のパス振り分けパターンは、レベル1の画素については、奇数パス(往路)のみで記録されるように構成されている。図22(A)−図22(D)は、濃度レベル1−4それぞれの画像を、図21のパス振り分けインデックスパターンを用いて記録する場合の、1・3・5パス目の往方向走査と2・4・6パス目の復方向走査とで記録されるドット配置を示す。図の左側が往方向走査で、右側が復方向走査で記録されるドットのパターンを示す。図22(A)に示すレベル1の画像は、往方向印字のみで記録されるため、往方向印字と復方向印字の位置ずれの影響は全くうけない。
 図23(A)−図23(D)は、図21のパス振り分けパターンを用いて印刷を行った場合に、往方向印字の位置と復方向印字の位置とがずれた場合の画像である。図23(A)では、図20(A)で発生していたテクスチャーが抑えられていることがわかる。これは、図20(A)では、0ドット、1ドット、2ドットの組み合わせの画素が存在していたのに対して、図23(A)はすべて1ドットの画素となるためである。
 なお、本実施例では、レベル1の画素が往方向走査のみで記録されるようなパス振り分けパターンを用いたが、その他の濃度レベルでも実施することで同様の効果を得ることができる。また、復路のみとしても良い。
 このように往方向走査もしくは復方向走査のどちらかのパスのみにドットを振り分けるパス振り分けパターンを用いることにより、記録位置のずれが発生した場合においても著しい画像の劣化を抑えることが可能となった。
 [第4の実施形態]
 本実施形態では、レベル3の画像で発生する濃度ムラをさらに低減する方法について説明する。なお、パス振り分けパターン以外については第1実施形態と同様の構成である。
 図24は第4の実施形態でのパス振り分けパターンである。レベル3には9つのパターンが定義されている。いずれのパターンも、ひとつの画素について奇数パスで2回、偶数パスで1回記録することでレベル3の画素を記録するためのパターンとなっている。
 図25(A)−図25(D)は、濃度レベル1−4の画像を、図24のパス振り分けパターンを用いて記録する場合の、1・3・5パス目の往方向走査と2・4・6パス目の復方向走査とに分けた各走査方向で記録されるドット配置を示す。図25(C)のレベル3は往方向印字で2ドット、復方向印字で1ドット記録される。いずれのレベルについても、どのパターンが選択されたとしても、往方向印字で記録される濃度(ドット数)は等しく、復方向印字で記録される濃度(ドット数)も等しいことが分かる。
 図26(A)−図26(D)は、図24のパス振り分けパターンを用いて印刷を行った場合に、往方向印字の位置と復方向印字の位置とがずれた場合の画像である。図26(C)では、図20(C)に示された濃度ムラが抑えられている事がわかる。これは、図20(C)が2ドット、3ドット、4ドットの組み合わせで記録されていたのに対して、図26(C)はすべて3ドットで記録されているためである。同様に、本実施形態では、図26(A)−図26(D)に示すように、全階調について、レジずれによるテクスチャの発生を抑制することに成功している。
 このように、本実施形態では、ある濃度に着目した場合、着目濃度については、いずれのパス振り分けパターンを用いても、往方向走査において記録されるドット数は相等しく、復方向走査において記録されるドット数も相等しくなるように、パス振り分けパターンを定義した。このため、記録位置のずれが発生した場合でも、画像品質の劣化を軽減することが可能となる。
 なお、上記第1〜第4実施形態の説明では、同一点にドットを重ねる方式を用いて説明を行ったが、記録解像度を向上させるなどのためにパス毎のドット着弾位置をずらして記録する方法においても本発明を適用することは可能である。
 また実施形態の説明では6パスを用いたが、他のパス数においても適応可能である。
 さらに、パス振り分けパターンの割り当て方法として、図9に不規則なパターンの割り当て方法の例に挙げたが、不規則なパターンの発生方法はこれに限るものではない。また、パス振り分けパターンの割り当て方法としては、規則的であっても良く、例えば、同一濃度レベルに対応した複数のパターンを予め決まった順序で順次選択していく方法(いわゆるシーケンシャルな選択方法)でもよいし、あるいは、画素位置とパターンとを予め対応付けておき、注目画素の位置に応じてパターンを選択する方法でもよい。
 また、上記実施形態では色数については特に述べていないが、多色であってもよい。本発明の実施形態では、吐出量を5pl、濃度レベルを5値、ドット直径が40μm、重ねて記録するインク滴が0〜4ドットの記録装置を例にとって説明したが、このほかの吐出量、濃度レベル、ドット直径、重ねるインク滴数の記録装置にも適応可能である。
 なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
 また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
 この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体およびプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
 また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
 さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
 以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成でマルチパス記録を実現できるようになる。
インクジェット記録装置の要部の斜視図である。 インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの斜視図である。 ヘッド例の図である。 組ヘッド例の図である。 記録媒体上にドットを重ねて記録した場合の模式図である。 本発明を適応した第1実施形態のパス振り分けパターンの図である。 パス振り分けパターン表示方法と、それに対応した実際の記録方法との対応を説明する図である。 第1実施形態のパス振り分け制御の詳細について説明するフロー図である。 パス振り分けパターンの決定方法を説明する図である。 (A)(B) 濃度レベルに対応したパス振分けパターンが各画素に対し割当てられる例を示した図である。 (C) 図10(B)のパターンに従って各パスにおいて記録されるドットパターンを示す図である。 パス振り分け制御を記録装置側で行うフロー図である。 ホスト側でパス振り分け制御を行うフロー図である。 第3実施形態のパス振り分けパターンを用いた各階調の画像結果の図である。 第1実施形態のパス振り分けパターンを用いて、一様な画像を形成する場合の、第1・3・5パス目の往方向印字と第2・4・6パス目の復方向印字とにおいて記録されるドット配置の一例を示す図である。 往復レジがずれた場合の説明図である。 重ねて記録されるドット数と濃度との関係を表す図である。 第1実施形態のパス振り分けパターンで、往復レジがずれた場合の図である。 第3実施形態のパス振り分けインデックスパターンの図である。 第3実施形態のパス振り分けパターンの1・3・5パス目の往方向印字と2・4・6パス目の復方向印字とに分けた各印字でのドット配置の図である。 第3実施形態のパス振り分けパターンで、往復レジがずれた場合の図である。 第3実施形態のパス振り分けパターンの図である。 第3実施形態のパス振り分けパターンの1・3・5パス目の往方向印字と2・4・6パス目の復方向印字とに分けた各印字でのドット配置の図である。 第3実施形態のパス振り分けパターンで、往復レジがずれた場合の図である。 第4実施形態のパス振り分けパターンの図である。 第4実施形態のパス振り分けパターンの1・3・5パス目の往方向印字と2・4・6パス目の復方向印字とに分けた各印字でのドット配置の図である。 第4実施形態のパス振り分けインデックスパターンで、往復レジがずれた場合の図である。

Claims (16)

  1. 記録媒体上にドットを記録するための記録ヘッドを前記記録媒体上の各画素に対して複数回主走査させ、当該複数回の主走査により前記各画素に対する記録を完成させる画像記録方法であって、
     注目画素に記録されるドットを前記複数回の走査の内どの走査で記録するかを決定するためのパターンを、注目画素に対して割り当てる工程と、
     前記割当てられたパターンにより決定される走査にて前記注目画素に対しドットを記録する記録工程とを有し、
     前記割り当て工程では、前記画素の取り得る濃度レベルの各々に対応した複数のパターンの中から、前記注目画素の濃度レベルに応じて1つのパターンを選択し、当該選択した1つのパターンを前記注目画素に対して割り当てることを特徴とする画像記録方法。
  2. 記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させる画像記録方法であって、
     画素の濃度レベルに対応したドットの数と当該ドットが記録される走査とが規定されたパターンを、前記各画素に対して割り当てる工程を有することを特徴とする画像記録方法。
  3. 記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させる画像記録方法であって、
     各画素について記録されるドットを、前記複数回の走査の内どの走査で記録するかを決定するためパターンを、前記各画素に対して割り当てる割り当て工程と、
    前記各画素に割り当てられたパターンに基づいて、前記ヘッドの各走査で記録されるドットのパターンを生成する生成工程と
     前記生成されたパターンに基づいて、前記各画素に対しドットを記録する工程とを有することを特徴とする画像記録方法。
  4. 前記画素の濃度レベルの各々について複数のパターンが用意されており、前記割り当て工程では、前記注目画素の濃度レベルに応じて、当該注目画素の濃度レベルに対応した複数のパターンのうちから1つのパターンをランダムに選択、あるいは予め定められた順序で順次選択、画素位置に応じて選択し、当該選択した1つのパターンを前記注目画素に対し割り当てることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記複数回の走査は、前記記録ヘッドの往方向への走査と復方向への走査の両方を含み、2ドット以上が記録される画素の濃度レベルに対応したパターンは、記録すべきドットが前記往方向と復方向の両方に振り分けられるよう定められていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 前記複数回の走査は、前記記録ヘッドの往方向への走査と復方向への走査の両方を含み、前記パターンは、記録すべきドットが前記往方向と復方向のいずれか一方に振り分けられるよう定められていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記画素の取り得る濃度レベルの各々に対応する前記複数のパターンは、往方向の走査で記録される濃度と、復方向の走査で記録される濃度がそれぞれ相等しくなるように定められていることを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の画像記録方法。
  8. 記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査させ、当該複数回の走査により各画素に対する記録を完成させるための画像処理方法であって、
     各画素に記録されるドットを前記複数回の主走査の内どの主走査で記録するかを決定するためパターンを、各画素に対して割り当てる工程を有することを特徴とする画像処理方法。
  9. 記録媒体上にドットを記録するための記録ヘッドを前記記録媒体上の各画素に対して複数回主走査させ、当該複数回の主走査により前記各画素に対する記録を完成させるための画像処理方法であって、
     注目画素に記録されるドットを前記複数回の走査の内どの走査で記録するかを決定するためのパターンを、注目画素に対して割り当てる工程を有し、
     前記割り当て工程では、前記画素の取り得る濃度レベルの各々に対応した複数のパターンの中から、前記注目画素の濃度レベルに応じて1つのパターンを選択し、当該選択した1つのパターンを前記注目画素に対して割り当てることを特徴とする画像処理方法。
  10. 記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させるための画像処理方法であって、
     画素の濃度レベルに対応したドットの数と当該ドットが記録される走査とが規定されたパターンを、前記各画素に対して割り当てる工程を有することを特徴とする画像処理方法。
  11. 一定回数のヘッドの走査により記録される1又は複数のドットにより1画素を形成するプリンタであって、
     画素の値ごとに、ドットを記録する走査の順番を示す1または複数のパターンを記憶するメモリと、
     注目画素の値に応じて、前記メモリに記憶された1また複数のパターンから1のパターンを選択し、走査毎に記録する2値データを生成するジェネレータと、
     前記2値データに従って、前記ヘッドの走査ごとに前記ヘッドによりドットを記録させる記録手段とを備えることを特徴とするプリンタ。
  12. 記録媒体上にドットを記録するための記録ヘッドを前記記録媒体上の各画素に対して複数回主走査させ、当該複数回の主走査により前記各画素に対する記録を完成させる画像記録装置であって、
     画素の濃度レベルに対応したドットの数と当該ドットが記録される走査とが規定された複数のパターンを記憶したメモリと、
     前記メモリに記憶された複数のパターンの中から、注目画素の濃度レベルに対応したパターンを選択し、当該選択されたパターンを前記注目画素に対し割り当る割当手段と、
     前記割当てられたパターンで規定される走査にて前記注目画素に対しドットを記録する記録制御手段とを有することを特徴とする画像記録装置。
  13. 記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させるプリンタで使用されるデータをコンピュータにより生成するためのコンピュータプログラムであって、
     各画素について記録されるドットを、前記複数回の走査の内どの走査で記録するかを決定するためパターンを、前記各画素に対して割り当てる割り当て工程のコードと、
     前記割り当てられたパターンに基づいて、前記ヘッドの各走査で記録されるドットのパターンを生成する生成工程のコードとを有することを特徴とするプログラム。
  14. 前記割り当て工程のコードでは、注目画素の濃度レベルに対応したパターンの中から1つのパターンを選択し、当該選択した1つのパターンを前記注目画素に対し割り当てることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
  15. 前記画素の濃度レベルの各々について複数のパターンが用意されており、前記割り当て工程のコードでは、前記注目画素の濃度レベルに応じて、当該注目画素の濃度レベルに対応した複数のパターンのうちから1つのパターンをランダムに選択、あるいは予め定められた順序で順次選択、画素位置に応じて選択することを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
  16. 記録媒体上にドットを記録する記録ヘッドを前記記録媒体上に対して複数回走査し、当該複数回の走査により各画素の記録を完成させるプリンタで使用されるデータをコンピュータにより生成するためのコンピュータプログラムであって、
    画素の濃度レベルに対応したドットの数と当該ドットが記録される走査とが規定されたパターンを、前記各画素に対して割り当てる工程のコードを有することを特徴とするプログラム。
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