JP2004209765A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の記録装置において画質向上を図ると、高解像度の記録データをプリントバッファに格納するため必要なプリントバッファの容量が大きくなるという問題が生じる。
【解決手段】画素毎のドット配置位置を示す記録データに対し、記録データのドット配置位置に基づいてドットを形成する記録走査を決定し、決定された記録走査に基づいてドットを形成する記録位置を決定し、決定された記録位置に従って記録媒体に記録を行う。それにより、記録データのドット配置より高い解像度の記録を行うことができ、プリントバッファには記録解像度よりも低い解像度の記録データを格納するため、プリントバッファの容量を抑えつつ、高解像度記録を実現する画像記録方法を提供することが可能となる。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置及び記録制御方法に関し、特に、インクジェット記録ヘッドを用いてインク液滴を記録媒体に吐出し、マルチパス記録方法に従って記録を行う記録装置及び記録制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置として、画像情報に基づいたドットパターンを、紙やプラスチック薄板等の被記録媒体上に形成することで画像を記録する記録装置が挙げられる。このような記録装置は、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等、様々な記録方式の記録装置があり、近年、記録装置に対しては、高速記録、高画像品質(高解像度)、低騒音などが要求されている。これらの要求に応える記録装置として、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)がある。このインクジェット式の記録装置は、記録ヘッドの吐出口から吐出したインク(記録液)滴を、被記録媒体に付着させることにより画像が形成される。また、非接触で記録を行うことが可能であるため、幅広い被記録媒体に対して安定した画像を記録することができる。
【0003】
このインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドは、インク滴を吐出する微細なノズルを配列しており、不吐出などの欠陥ノズルが発生することもあるため、記録ヘッドの大型化が困難であった。そのため、インクジェット方式の記録装置においては、記録ヘッドを被記録媒体に対してシリアルスキャンさせて画像を形成するシリアル型の記録装置が主流となっている。従来より、このシリアル型の記録装置においては、記録画像の画質向上のために種々の記録方法が実施されている。
【0004】
例えば、インク滴の吐出量を小さくし、記録密度を高めることで、画像の粒状感を軽減させることやや、解像度の向上が図られている。
【0005】
また、特開平7−52390号公報には、記録する2値データを複数回のスキャンにより画像を形成する記録分割方法が記載されている。この公報では、インクを吐出する記録ヘッドを同一記録領域に対して複数回走査させ、各走査でランダムマスクパターンを用いた間引きパターンに従って間引き画像を形成させる構成が記載されている。このランダムマスクパターンを用いることにより、同一記録領域に対して複数回走査させて記録を行うときに発生するモアレ(濃度ムラの周期性)を軽減させることが可能となる。
【0006】
さらに、特開平9−46522号公報や特開2002−29097号公報には、画像データの解像度よりも高解像度で記録を行う構成が記載されている。特開平9−46522号公報には、300dpiの画像データから擬似中間処理によって得られた300dpi5値(5階調)のデータに対して、各画素の階調レベルに基づいて600dpi2値のドット配置を示すドットパターンを用いて展開することにより、600dpiの記録データを作成する構成が記載されている。特開2002−29097号公報には、同様の方法を用いて600dpiの画像データに対して2400dpiの記録データを作成する構成が記載されている。また、各画素の階調レベルに対するドットパターンが1種類しかない場合、均一なパターンが記録されるため、ノズルのヨレや吐出量のバラツキによって、スジやムラなどの画像弊害が生じる問題が発生する。このため、各画素の階調レベルに対して複数のドットパターンを持ち、複数のドットパターンから選択することにより、均一なパターンを避け、画質を向上させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−52390号公報に記載の方法では、プリントバッファに格納された記録データに対してランダムマスクパターンを用いて間引きパターンを作成するため、高解像度の記録を行う場合には、高解像度の記録データを格納するためにプリントバッファの容量が大きくなるという問題が生じる。また、同一のマスクパターンを用いないように、発生させたマスクパターンを複数種類のマスクパターンを格納できる容量のメモリが必要となる。
【0008】
また、特開平9−46522号公報や特開2002−29097号公報に記載の方法においても、プリントバッファに格納される記録データは、記録を行う解像度と同じ解像度の記録データであり、高解像度の記録データであればデータ量が大きくなるため、高解像度の記録を行う場合には、プリントバッファの容量が大きくなるという問題が生じる。また、記録される画像を構成する画素のパターンが均一なパターンとなることを避けるために、各画素の階調レベルに対して複数種類のドットパターンを用いており、これら複数のドットパターンを格納できる容量のメモリが必要となる。
【0009】
このように、従来の記録装置では、画質向上や、高解像度の記録を行う場合に、展開した記録データを格納するプリントバッファの容量が大きくなっていた。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、プリントバッファの容量を抑えつつ、高解像度記録を実現する画像記録方法を提供することを目的とする。さらに、必要なメモリ容量を抑えつつ、ドット配置のパターン数を大幅に増加させることで、高品位な画像記録を可能とする画像記録方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画素毎に対応した多値のレベルを示す画像データに基づき記録媒体に対して記録を行う記録装置において、前記画像データの多値のレベル毎に対応した画素領域内のドットの配置を示すドット配置パターンを格納するメモリと、画素毎の前記画像データのレベルに対応する前記ドット配置パターンに従って生成される、ドット配置位置を示す記録データを格納するプリントバッファと、前記プリントバッファに格納された前記記録データに基づいて記録を行う記録手段と、を有し、前記記録手段は、前記記録データが示す前記ドット配置より高い解像度となる記録を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、複数のインク吐出口を配列した記録ヘッドと、前記記録ヘッドを主走査方向に往復走査する走査手段と、画素毎のドット配置位置を示す記録データを格納したプリントバッファとを有し、前記記録データの各画素の領域を、前記走査手段によるP回(Pは2以上の整数)の走査を行うことで、前記記録データに基づいた記録を行う記録装置において、前記P回の走査のうち前記記録媒体にドットを形成する記録走査を、前記記録データの前記ドット配置位置に基づいて決定する記録走査決定手段と、前記記録走査決定手段によって決定された前記記録走査に基づいて、前記記録データが示すドット配置よりも高い解像度となる、前記記録媒体にドットを形成する記録位置を決定する記録位置決定手段と、を有し、前記記録位置に従って前記記録媒体に記録を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、画素毎に対応した多値レベルを示す画像データにおける多値レベル毎に対応した画素領域内のドットの配置を示すドット配置パターンを格納するメモリと、プリントバッファとを有し、前記画像データに基づき記録媒体に対して記録を行う記録装置における記録方法であって、画素毎の前記画像データのレベルに対応する前記ドット配置パターンに従って生成される、ドット配置位置を示す記録データを、プリントバッファに格納するステップと、前記プリントバッファに格納された前記記録データに基づいて記録を行う記録ステップと、からなり、前記記録ステップは、前記記録データが示すドットの配置より高い解像度となる記録を行うことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、複数のインク吐出口を配列した記録ヘッドと、前記記録ヘッドを主走査方向に往復走査する走査手段と、画素毎のドット配置位置を示す記録データを格納したプリントバッファとを有し、前記記録データの各画素の領域を、前記走査手段によるP回(Pは2以上の整数)の走査を行うことで、前記記録データに基づいた記録を行う記録装置における記録方法であって、前記P回の走査のうち前記記録媒体にドットを形成する記録走査を、前記記録データの前記ドット配置位置に基づいて決定する記録走査決定ステップと、前記記録走査決定ステップによって決定された前記記録走査に基づいて、前記記録データが示すドット配置よりも高い解像度となる、前記記録媒体にドットを形成する記録位置を決定する記録位置決定ステップと、からなることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、インクジェット記録装置に対する適用例である。
【0016】
まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の基本構成の一例を図1から図2に基づいて説明する。なお、実施形態においてはインクジェット記録装置を単に記録装置あるいは印刷装置という。
【0017】
図1及び図2は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の要部の概略構成図である。
【0018】
図1において、記録装置の外装部材内に収納されたシャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成されて、記録装置の骨格を成すものであり、次のような各記録動作機構を保持する。自動給送部M3022は、用紙(被記録媒体)を装置本体内へと自動的に給送する。搬送部M3029は、自動給送部M3022から1枚ずつ送出される用紙を所定の記録位置へと導くと共に、その記録位置から排出部M3030へと用紙を導く。図1のY方向は、用紙の搬送方向(副走査方向)である。搬送部M3029により所定の記録位置に搬送された用紙は、記録部によって所望の記録が行われる。回復部M5000は、記録部に対して回復処理を行う。M2015は紙間調整レバー、M3006は、LFローラM3001の軸受けである。
【0019】
記録部において、キャリッジM4001は、キャリッジ軸M4021によって図1のX方向である主走査方向に往復移動が可能に支持されている。このキャリッジM4001には、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドH1001(図2参照)が着脱可能に搭載される。本実施の形態では、記録ヘッドH1001と、インクを貯留するインクタンクH1900とで、記録ヘッドカートリッジH1000が構成される。記録ヘッドH1001は、インクを吐出するためのエネルギーとして、電気熱変換体から発生する熱エネルギーを利用するものが考えられる。その場合には、電気熱変換体の発熱によってインクに膜沸騰を生じさせ、そのときの発泡エネルギーによって、インク吐出口からインクを吐出する。また、インクタンクH1900としては、写真調の高画質なカラー記録を可能とするために、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクが用意されており、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0020】
図3に、本実施の形態において適用可能なインクジェット記録ヘッドの一例を示す。本実施形態の記録ヘッドには、2つの吐出口列L1、L2が形成されており、これら吐出口列L1、L2の各々は所定方向に配列された複数の吐出口から構成されている。吐出口列L1、L2のそれぞれは、300dpiの記録密度に相当する間隔Pyで吐出口が所定方向に配列され、吐出口列L1、L2のそれぞれは32個の吐出口を有している。また、吐出口列L1、L2における吐出口は、600dpiの記録密度に相当する間隔(Py/2)だけ吐出口の配列方向(上記した所定方向)に対し互いにずらされて配置されている。このような記録ヘッドを用いることにより、ヘッドの副走査方向(吐出口の配列方向)において、600dpiのドット密度で画像を記録することができる。この記録ヘッドは、例えば図4のように複数組み合わせて、それぞれの記録ヘッドから異なる種類のインクを吐出させても良い。その場合には、例えば、それぞれの記録ヘッドからシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタのインクを吐出させることによって、カラー画像を記録することができる。
【0021】
また、キャリッジM4001には、図1のように、キャリッジM4001上の所定の装着位置に記録ヘッドH1001を案内するためのキャリッジカバーM4002が設けられている。さらに、キャリッジM4001には、記録ヘッドH1001のタンクホルダーと係合して、記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるヘッドセットレバーM4007が設けられている。ヘッドセットレバーM4007は、キャリッジM4001の上部に位置するヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられており、記録ヘッドH1001と係合する係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられている。そのばね力によって、ヘッドセットレバーM4007は、記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する。
【0022】
回復部M5000には、記録ヘッドH1001におけるインク吐出口の形成面をキャップするキャップ(図示せず)が備えられている。このキャップには、その内部に負圧を導入可能な吸引ポンプを接続してもよい。吸引ポンプを接続した場合には、記録ヘッドH1001のインク吐出口を覆ったキャップ内に負圧を導入して、インク吐出口からインクを吸引排出させることにより、記録ヘッドH1001の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吸引回復処理」ともいう)をすることができる。また、キャップ内に向かって、インク吐出口から画像の記録に寄与しないインクを吐出させることによって、記録ヘッドH1001の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吐出回復処理」または「予備吐出」ともいう)をすることができる。
【0023】
以上のような構成のインクジェット記録装置によって記録を行う場合には、キャリッジ(CR)モータによってキャリッジM4001と共に記録ヘッドH1001を主走査方向に往復走査させつつ、記録データに基づいて記録ヘッドH1001からインクを吐出させる記録動作と、ラインフィード(LF)モータによって用紙を副走査方向に所定量搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用紙上に順次画像を記録する。
【0024】
図5に、ホストコンピュータ501とインクジェット記録装置502とを含む画像記録システムにおける画像情報の流れを示す。
【0025】
図5において、点線で囲まれた領域501はホストコンピュータ501における処理を示している。ここでは多値の画像データ510(例えば、8ビット(256値)の画像データ)を、記録要素分離手段511により各記録要素(例えば各色に対応した記録データ)毎の多値データに分離する。次にn値化処理手段512を用いて、多値の画像データを各記録要素毎にn値化する処理を行い、各記録要素毎に1画素当たりn値の画像情報に変換する。本実施の形態においては、1画素あたり5値の画像情報に変換する。次に記録コード化手段513を用いて、そのn値化された画像情報をインクジェット記録装置502で認識できる命令形態のコードに変換する。そして、そのコードをインターフェース514を介して記録装置502に伝送する。
【0026】
記録装置502では、インターフェース514を介して伝送されたコードを受け取って受信バッファ515に記憶する。次にコード解析手段516を用いて、受信バッファ515に記憶しているコードを解析する。こうして解析されたデータに基づいて、記録データ展開手段517によりプリントイメージに展開し、そのイメージに展開した画像データを、各記録要素の画像データ毎にプリントバッファ518に展開する。こうしてプリントバッファ518に展開された各記録要素に対応する画像データに基づいて、各記録要素に対応する記録素子を駆動して記録媒体上にカラー画像を形成する。
【0027】
次に、図6〜図10を用いて主走査方向、副走査方向それぞれの解像度が、画像データよりも高解像度となるように記録を行う記録方法について示す。本実施の形態においては、300dpi5値の画像データを基に、16パスで1200dpi×600piの記録を行う。図6は、本実施の形態における低解像度の画像データから高解像度の記録ドット配置として展開する流れを示す図である。図7は、階調レベルに対応するドット配置パターンを示す図である。図8は、データに基づき記録パスを指定する図である。図9は、従来より使用されているマスクパターンを用いた記録パスを決定する図である。図10は、記録パスに基づき記録位置を指定する図である。
【0028】
図6(1)は、ホストコンピュータ501から送出され、受信バッファ515に記憶されている300dpi5値の画像データを示す。ここでは、全ての画素が300dpiの1画素対して1ドット吐出する(Level1)画像データとなっている。
【0029】
図6(2)は、図6(1)の300dpi5値のデータの各画素に対して、図7のLevel1に対応する4種類のドット配置パターンから、一つのドット配置パターンがランダムに選択され、展開された記録データである。図7は、本実施の形態で使用する階調レベルに対応するドット配置パターンの一例であり、Level0は1パターン、Level1は4パターン、Level2は6パターン、レベル3は4パターン、レベル4は1パターン準備されている。このようなドット配置パターン(INDEXパターンともいう)を用いることにより、画像データを低解像度多値データとして処理し、これをドット配置パターンを用いて高解像度の2値データに展開する。なお、このドット配置パターンは、画像データの多値レベル毎に対応した画素領域内におけるドットの配置を示したものである。図6(3)の上方の図は、図6(2)で決定されたドット配置パターンに基づきプリントバッファに格納された記録データを示す。このとき、プリントバッファに格納されている記録データは、600dpi2値のデータである。この記録データが示す各画素のドットが配置される位置と、実際に記録媒体上にドットが形成された位置は異なるが、本実施の形態においては、画像データの各画素のレベルに対応したドット配置パターンに従って生成されたデータを記録データとしている。
【0030】
次に、プリントバッファに格納された記録データから記録を行うパス(記録走査ともいう)を絞る。まず、図8(a)に示すように、300dpiの画素を2×2のマス(1マスの大きさは600dpiである)に分割し、各マスに対してI〜IVと番号を振ったとき、I〜IVの各マスに対応する位置のデータを記録するパスを図8(b)に示すように決定する。つまり、ドット配置パターンに基づき、マスIに対応する位置にドットが配置されている場合には、1〜4パスのいずれかで記録を行う。同様に、マスIIに対応する位置は、5〜8パスのいずれかで、マスIIIに対応する位置は、9〜12パスのいずれかで、マスIVに対応する位置は、13〜16パスのいずれかで記録を行う。
【0031】
次に、プリントバッファに格納されている記録データ各画素の各マスのデータを抽出して、記録を行うパスを決定する。図6(3)の中央の図は、図6(3)の上方の図の各画素におけるマスIのデータを抽出した図を示す。この図6(3)の中央の図に示すような各マスを抽出したデータに対してマスクを用いることで、記録を行うパスを決定する。マスクを用いて記録パスを決定するとき、図9に示す従来より用いられているようなマスク処理を行う。図9(1)に示す元データと、図9(2)の4パス時の25%固定マスクパターンとの、AND(論理積)をとることで、印字データを生成する。図9(3)は、マスクパターンを用いて生成された各パス毎の印字データである。本実施の形態においても、図9(2)に示すマスクパターンを用いて、マスIのドットに対して、1〜4パスのいずれかで記録を行うことを決定する。同様に、5〜8、9〜12、12〜16パスに対してもそれぞれマスクパターンを用いて一つのパスで記録を行うことを決定する。
【0032】
図6(3)の下方の図は、上記方法で決定された記録パスに基づいて、記録位置を指定された図である。このとき、ドットを記録するパスと、紙面上での記録位置とを対応させた図10に基づいて記録位置を決定する。図10は、1パス目で記録を行うことが決定された場合には、図10のaの位置に記録ドットが配置されることを示しており、同様に、2パス目のときはcの位置に、3パス目のときはdの位置に、4パス目のときはbの位置に記録される。また、同様に、5〜16パス目で記録を行うことが決定されたデータも記録位置を指定すると、図6(4)のようになる。
【0033】
従って、各パスにおいて、上述のように決定された記録位置に従って記録媒体上にドットを形成すると、図6(4)のようになる。このとき、複数回のパスによるキャリッジの走査時に、主走査方向の印字開始位置を1200dpiずらすことにより、主走査方向の記録位置も1200dpiずつずれる。その結果、主走査方向に1200dpiの解像度の記録を実現することができる。このように、プリントバッファに格納された600dpi2値の記録データから、主走査方向の解像度が1200dpi、副走査方向の解像度が600dpiの記録結果を得ることが可能となる。このとき、プリントバッファに格納されているデータは、記録を行う解像度1200×600dpiよりもデータ容量の小さい600dpi2値のデータであるため、記録を行う解像度のデータをプリントバッファに格納するような従来の方法に比べてプリントバッファの容量が小さくすることができる。ここで、プリントバッファに格納された記録データの解像度とは、この記録データの通りに記録を行ったときの記録解像度である。
【0034】
図11に、本実施の形態に適応される記録方法のフローチャートを示す。
【0035】
まず、ステップ1では、所定のパスに対する印字スタートの信号を得る。
【0036】
次に、ステップ2では、ホストコンピュータが送出された300dpi5値の画像データを、記録装置のメモリ内にあらかじめ記憶しているIndexパターンに従って600dpi2値のデータへと展開し、プリントバッファに格納する。画像データをIndexパターンに従って展開するときに、図7のように同一レベルに対応するIndexパターンが複数ある場合には、複数のIndexパターンからランダムに選択されるものとする。
【0037】
次に、ステップ3では、プリントバッファに格納された記録データのうち、1回のキャリッジの走査において記録を行う記録データ(1スキャン分の記録データ)に対して、データ・記録パス指定手段により、所定のパスに応じたマス目を抽出する。具体的には、図8の(a)、(b)のI〜IVのマスと記録パスの対応図を基に、所定のパスに対応するマス目のデータを抽出する。ここで、データ・記録パス指定手段とは、ドット配置パターン内のドットが配置される位置と、ドットを記録するパスとを対応付けたデータ(テーブル等)である。
【0038】
次に、ステップ4では、ステップ3において抽出したデータに対してマスクをかけて、所定のパスにおいて記録を行うデータを決定する。このとき、本実施の形態においては、ステップ3で抽出したデータに対して25%の固定マスクを用いることで、記録パスを4分割している。
【0039】
次に、ステップ5では、記録パス・記録位置指定手段により、ステップ4において決定された記録を行うデータの記録位置を決定する。具体的には、図10に示す記録パスと記録位置の対応図を基に、所定のパスにおいて記録媒体に記録を行う位置である、ドット配置位置を決定する。ここで、記録パス・記録位置指定手段とは、記録パスと、1画素内にドットを形成する記録位置とを対応させたデータ(テーブル等)である。
【0040】
次に、ステップ6では、ステップ5において決定されたドット配置位置に記録を行い、ステップ7では、記録が終了したか否かを判定する。
【0041】
図12に、300dpi5値のデータのうち、Level1に関して本実施の形態を用いた場合のドット配置位置を示す。600dpi2値に展開した場合は、図12(ア)に示すように、300dpi格子の中の4つのポジションをとる4種類のIndexパターンに対して、本実施の形態を適応した場合には、図9(イ)に示すように300dpi格子の中で8つのポジションをとる8種類(2×4=8通り)のドット配置位置が指定されることがわかる。図13に300dpi5値のデータのうち、Level2に関して本実施の形態を用いた場合のドット配置位置を示す。600dpi2値に展開した場合は、6種類のIndexパターンに対して、本実施の形態を適応した場合には、48種類(3×4^2=48通り)のドット配置位置が指定されることがわかる。また、同様に、本実施の形態を適応した場合には、Level3では126種類、Level4では256種類のドット配置位置が指定される。このように、本実施の形態においては、少ない種類のIndexパターンから、膨大な種類のドット配置位置をとることが可能となるため、Indexパターンを記憶させるメモリの容量を少なくすることが可能となる。
【0042】
上記構成により、ホストコンピュータから受信した300dpi5値の画像データを記録する際に、600dpi2値のドット配置パターンを展開するプリントバッファ容量のままで、主走査方向1200dpi×副走査方向600dpiの高解像度記録が可能となった。また、低解像度である300dpi5階調のIndexパターンから、高解像度である1200dpi×600dpiの複数種類のドット配置位置に展開することが可能となった。このため、少ないプリントバッファ容量でも、高解像度印字を可能とし、さらに、少ない種類のIndexパターンから多くのドット配置パターンを取り得るので、記録媒体上に記録されるドット配置のパターン数が増加し、記録ヘッドの各ノズルのヨレ・吐出量のばらつきなどの影響が少なくなるランダム性を向上し、画質の向上をはかることが可能な記録装置を提供することができる。
【0043】
なお、本実施の形態においては、記録すべき原画像に対応するデータ(例えばRGB各256階調で表現されたデータ)に対して様々な画像処理を行い、300dpi5値の画像データを記録する記録装置の説明をした。また、この記録装置を用いて、ホストコンピュータから300dpi5値のデータを受信し、記録を行う例を説明したが、もちろん、画像データの画素密度は150dpiや600dpiなど300dpi以外でも良く、また、階調数は9値などの5階調以外でも良い。
【0044】
なお、記録媒体の種類や、記録モードに応じた記録解像度、階調数、記録パス数に基づいて、図8のデータ・記録パス指定手段、図10の記録パス・記録位置指定手段を、それぞれ複数用意してもよい。
【0045】
本実施の形態と異なるデータ・記録パス指定手段、記録パス・記録位置指定手段をそれぞれ図14、15に示す。図14は、2×2に分割したデータのうち、左上のマスIは1・5・9・13パス目のいずれかで記録される事を示す。同様に、右上のマスIIは2・6・10・14パス目のいずれかで、左下のマスIIIは3・7・11・15パス目のいずれかで、右下のマスIVは4・8・12・16パス目のいずれかで記録される。左上のマス目を例に取ると、該データに対して図9に示すような25%の固定マスクを用いて4分割し、1・5・9・13パスにおいてスキャン間で印字開始位置をずらすことによって、図15の上半分のa・b・c・dいずれかに記録されることとなる。また、右下のマス目は4・8・12・16パス目で、左上のマス目と同様に、図15の上半分のいずれかに記録される。このため、本実施の形態における左上のパターンと右下のパターンは等価となる。このように、図8、図10に限定する必要はなく、図14、図15のようにしても同様の効果を得ることができる。図14のデータ・記録パス指定手段、図15の記録パス・記録位置指定手段を用いて、300dpi5値のデータのうちLevel1に関するドット配置位置を図16に、Level2に関するドット配置位置を図17にそれぞれ示す。図16、17より、図14、15のデータ・記録パス指定手段、記録パス・記録位置指定手段を用いても本実施の形態と同様に、Level1に関しては8種類のドット配置位置が、Level2に関しては48通りのドット配置位置が指定されることがわかる。同様に、Level3では126種類、Level4では256種類のドット配置位置が指定される。
【0046】
また、本実施の形態においては記録条件として16パスでの記録を例に取ったが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、6パスや8パスでもよい。16パス以外のパス数で記録を行う場合には、図8、14のデータ・記録パス指定手段、図10、15の記録パス・記録位置指定手段を記録パスに合わせて変更すればよい。仮に6パスで1200dpi×600dpiの記録を行う場合には、記録パス・記録位置指定手段の2×4の8マスのうち、特定のマスにはドットを配置しないような記録パス・記録位置指定手段を用いることが考えられる。
【0047】
また、本実施の形態においては、データ・記録パス指定手段は、2×2の4マスのものを用いているが、1×2の2マスのようなデータ・記録パス指定手段を用いてもよい。同様に、記録パス・記録位置指定手段も異なるマス目のものを用いてもよい。
【0048】
また、本実施の形態の記録装置において、ホストコンピュータから受信した300dpi5値の画像データを600dpi2値の記録データに展開しているが、ホストコンピュータから600dpi2値のデータを受信することで、展開を省くことも可能である。このような記録装置に接続されるホストコンピュータにおいて、600dpi2値の記録データに展開する場合には、ホストコンピュータにおける記録データを格納するメモリの容量を減らすことが可能となる。
【0049】
また、記録を行うパスを決定する記録分割方法として非有効画素と有効画素とが配列された固定のマスクパターンを用いたが、特開平7−52390に開示されるような非有効画素と有効画素とが乱数的に配列されたランダムマスクを用いてもよい。
【0050】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、ノズル密度が副走査方向の記録密度より低い記録ヘッドを用いた記録装置において、本発明を適応した場合について説明する。第1の実施の形態と異なる点は、本実施形態では、記録ヘッドの解像度が異なる点と、図14、15のデータ・記録パス指定手段、および記録パス・記録位置指定手段を用いる点であり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0051】
図16に本実施の形態で使用するヘッドを示す。本実施形態の記録ヘッドは、2つの吐出口列L1、L2が形成されており、これら吐出口列L1、L2の各々は所定方向に配列された複数の吐出口から構成されている。吐出口列L1、L2のそれぞれは、間隔Py=150dpiで、吐出口列L1、L2のそれぞれは10個の吐出口を有している。また、吐出口列L1、L2における吐出口は、300dpiの記録密度に相当する間隔(Py/2)だけ吐出口の配列方向(上記した所定方向)に対し互いにずらされて配置されている。このような記録ヘッドを用いると、矢印の副走査方向(吐出口の配列方向)において、300dpiのドット密度で画像を記録することとなってしまう。このような低解像度の記録ヘッドを用いて、高解像度の記録を行う方法として、従来よりインターレース記録方法が知られている。本実施の形態では、このインターレース記録と本発明とを同時に使用して、主走査・副走査方向ともに記録解像度を向上させる記録方法について説明する。
【0052】
図19は本実施の形態でのインターレース記録の説明図である。
【0053】
本実施の形態では、300dpi・20ノズルのヘッドを用いて、記録密度が副走査方向に2倍の600dpiで、16パスで記録する場合を例にとって説明する。まず、1パス目(1スキャン目ともいう)で副走査方向にヘッドのノズル密度300dpiで1画素紙送りを行い、記録開始ラスターを記録する。次に、2パス目でノズル密度300dpiで1.5画素分の副走査方向への紙送りを実施することにより、ノズル密度より高い600dpiでの記録を可能としている。3パス目は1画素、4パス目は1.5画素、と図17に示す様に紙送りを繰り返して記録することにより、16スキャンで記録ヘッドのノズル幅分の記録を行うことができる。
【0054】
このようなインターレース記録を行うことによって、記録解像度に対してヘッドのノズル密度を低くすることが可能となる。これにより、記録ヘッドの駆動回路数やヘッドへの処理データ量を減らすことが可能となり、ヘッドの製造コストや記録データ処理負荷などを減らすことが可能となる。
【0055】
図16に、300dpi5値のデータのうち、Level1に関して本実施の形態を用いた場合のドット位置を示す。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、印字開始位置のずらし量を1200dpiとすることで、主走査方向の記録解像度向上を実現している。
【0056】
このように、本発明とインターレース記録とを組み合わせることにより、コストが低く、処理データの少ない低解像度の記録ヘッドを用いることが可能となり、さらに、第1の実施例と同様にプリントバッファ容量を抑えつつ、高解像度印字を可能となる。また、少ないIndexパターンから多くのドット配置パターンを取り得るので、記録媒体上に記録されるドット配置のパターン数が増加し、ランダム性を向上させる、実施の形態1と同様の制御が可能となる。これにより記録ヘッドの各ノズルのヨレ・吐出量のばらつきなどの影響が少なくなるランダム性を向上し、画質の向上をはかることが可能な記録装置を提供することができる。
【0057】
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、ある所定の階調のドット配置を固定とする場合について説明する。特に、本実施の形態においては、図20に示すようにLevel1に関するIndexパターンを1種類とし、このIndexパターンで印字されるドット配置が固定となるような記録パス・記録位置指定手段を用いることでLevel1のドット配置を固定としている。
【0058】
図21は、本実施の形態において用いる記録パス・記録位置指定手段の図である。図20に示すLevel1の固定Indexパターンから、図14のデータ・記録パス指定手段、図21の記録パス・記録位置指定手段を用いることで、1種類のドット配置位置が指定される。このように、所定階調でのIndexパターンを固定とし、そのパターンで印字されるドット配置を記録パス・記録位置指定手段で固定とすることで、特定階調のドット配置を固定とすることができる。
【0059】
図22(1)に、本実施の形態を適応した場合のLevel1の記録ドット配置を、図22(2)に、本実施の形態を適応しない場合のLevel1の記録ドット配置をそれぞれ示す。エリアファクターの小さい低階調においては、ドットが重なることにより粒状感が悪化する場合があるため、このようにドット配置を固定とし、ドットの重なりによる粗密を排除することが、特に有効となる。
【0060】
図23に、図21の記録パス・記録位置指定手段を使用した場合のLevel2でのドット配置を示す。本実施の形態を適応することにより、Level1でのドット配置を固定として制限したにもかかわらず、Level2では6種類のIndexパターンに対して、27種類のドット配置をとることが可能となる。
【0061】
従って、本実施の形態では、ある特定階調のドット配置を固定としてドットの重なりを排除し粒状性を向上させた上で、その他の階調においては多数のドット配置を可能とすることで、記録ヘッドの各ノズルのヨレ・吐出量のばらつきなどの影響が少なくなるランダム性を向上し、画質の向上をはかることが可能な記録装置を提供することができる。
【0062】
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、記録色毎に異なる記録パス・記録位置指定手段を持つことを特徴とする。明度の低いシアンとマゼンタはドットが重なることによりさらに粒状性が悪化するため、本実施の形態を用いて記録色の重なりを避ける。また、ドットが重なることにより色の「にごり」が発生してしまうため、発色性の観点からもドットの重なりを避けることは重要である。
【0063】
図24(1)にデータ・記録パス指定手段を、図24(2)にシアンインクの記録パス・記録位置指定手段を、図24(3)にマゼンタインクの記録パス・記録位置指定手段を、図24(4)にイエローインクの記録パス・記録位置指定手段をそれぞれ示す。これらの手段を用いることにより、記録色の重なりを避けることが可能となる。なお、図24に示すデータ・記録パス指定手段、および記録パス・記録位置指定手段を用いると、600dpi2値のドット配置パターンを展開するプリントバッファ容量のままで、主走査方向2400dpi×副走査方向600dpiの高解像度記録が可能となる。
【0064】
また、図25は、第4の実施の形態に適応した別の記録パス・記録位置指定手段を示す図であり、図25(1)〜(3)は、それぞれシアン、マゼンタ、イエローの記録パス・記録位置指定手段を示している。この図25に示す記録パス・記録位置指定手段は、ドット配置に角度を持つことを特徴とする。
【0065】
図24(2)に示すシアンインクのドット配置は、300dpi格子内の左側半分にドットが集中しているため、記録ドットの形状や濃度によっては300dpi周期の縦筋が発生することがある。このような筋に関しては、人間の視覚特性として、水平・垂直方向にくらべ斜め方向の感度が低いことが知られている。このため、特に筋の目立つ明度の低い記録色に関しては、図25のような斜め方向のドット配置とすることが望ましい。シアンのドット配置を45度に傾けたものを図25(1)に示す。さらに、このドット配置の角度を色毎に異ならせることにより、色毎のドット配置の干渉であるモアレの発生を抑えることが可能となる。図25(2)、(3)の記録パス・記録位置指定手段は、にシアンとドット配置の角度を変えたマゼンタ・イエローの記録パス・記録位置指定手段であることがわかる。
【0066】
よって本実施の形態により、記録色の重なりを考慮する高品位の画像記録が可能となる。さらに、モアレの発生を抑えた画像記録も可能となる。
【0067】
なお、本実施の形態では図25に示すように、色毎にドット配置を異ならせたが、特定色だけ異なるようにし、記録色の重なりが目立たない色に関しては同じパターンを用いてもよい。また、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを例にとったが、これにブラック・ライトシアン・ライトマゼンタを加えた6色を異なるパターンとしてもよく、1色のみの単色のパターンとしてもよい。
【0068】
[第5の実施の形態]
第1〜4の実施の形態においては、データ・記録パス指定手段によって記録パスを決定する際に、25%のマスクを使用していたが、本実施の形態では、50%のマスクを使用することにより、ドット配置パターンを大幅に増加させることが可能となる。
【0069】
ドット配置パターンが増加する理由について以下に詳述する。図26は、本実施の形態において使用する各指定手段と、Level1におけるドット配置パターンを示す図である。
【0070】
まず、図26(ア)に示すデータ・記録パス指定手段により、プリントバッファに展開された記録データを記録するパスを決定する。次に、図26(イ)に示す記録パス・記録位置指定手段により、ドット配置位置を指定するが、本実施の形態では50%マスクを使用するために、Level1で2ドットが記録されることとなる。ここで、この時のドット配置を(ウ)「ドット配置」を用いて説明する。図26(ア)の左上のマス目は、図26(イ)のa〜dの4箇所のうち重なりを含んだ任意の2箇所を取ることが可能である。
【0071】
これにより、Level1のパターン1−Aの場合には、図26(ウ)の上段に示すように10種類のドット配置が可能となる。同様に、Level1のパターン1−Bの場合にも10種類のドット配置が可能である。なお、図26(ア)の左上のマス目(Level1のパターン1−A)に対応するドット配置と、左下のマス目(Level1のパターン1−C)に対応するドット配置は同じドット配置となり、右上のマス目(Level1のパターン1−B)に対応するドット配置と、右下のマス目(Level1のパターン1−D)に対応するドット配置は同じドット配置となる。このようにして、Level1では20種類のドット配置が可能となる。また、Level2でのドット配置は、100種類以上にもなる。
【0072】
従って、本実施の形態を用いることにより、少ないプリントバッファでも、高解像度印字を可能とし、ドット配置の多様性を増加させ、高品位な画像の記録を可能としている。本実施の形態は、単位面積あたりのドット数が多くなる微小液滴の場合に特に有効である。
【0073】
以上、本発明では、Indexパターンとして4bit5値、2×2のパターンを用いて説明したが、その他のBit数・階調数でも適応可能である。また、2×2以外の、1×4などのパターンについても適応可能である。
【0074】
[その他の実施の形態]
第1〜5の実施の形態において、Indexパターンを元にデータ・記録パス指定手段、記録パス・記録位置指定手段を用いて複数のドット配置に指定する方法を説明したが、記録媒体の種類や記録モードに応じて、記録解像度を変更するようにしてもよい。つまり、記録媒体が普通紙であったり、記録速度が速い記録モードが選択されている場合には、Indexパターンを展開した低解像度の記録データで記録を行い、また、記録媒体が光沢紙であったり、記録品質がきれいな記録モードが選択されている場合には、記録画質を向上させるために、Indexパターンを元にデータ・記録パス指定手段、記録パス・記録位置指定手段を用いて複数のドット配置に基づく記録を行うようにする。このように記録媒体の種類や、記録モードに応じて記録解像度を変更することで、ユーザーの求める記録速度、記録品質の記録を行うことが可能となる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プリントバッファの容量を抑えた上で、高解像度記録を実現する記録装置を提供することができる。また、少ない種類のIndexパターンから多くのドット配置パターンを取り得るので、Indexパターンを記憶させるメモリの容量を少なくすることが可能となる。さらに、記録媒体上に記録されるドット配置のパターン数を増加させることが可能となったので、記録ヘッドの各ノズルのヨレ・吐出量のばらつきなどの影響が少なくなり、画質の向上をはかる記録装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の主要部の斜視図である。
【図2】インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの斜視図である。
【図3】第1の実施の形態における記録ヘッドの図である。
【図4】記録ヘッドを複数組み合わせた記録ヘッドの図である。
【図5】第1の実施の形態における画像記録システムにおける画像情報の流れを示す図である。
【図6】第1の実施の形態における低解像度の画像データから高解像度の記録ドット配置として展開する流れを示す図である。
【図7】第1の実施の形態における階調レベルに対応するドット配置パターンを示す図である。
【図8】第1の実施の形態におけるデータ・記録パス指定手段を示す図である。
【図9】25%のマスクパターンを用いて記録パスを決定する図である。
【図10】第1の実施の形態における記録パス・記録位置指定手段を示す図である。
【図11】第1の実施の形態における記録方法のフローチャートを示す図である。
【図12】第1の実施の形態におけるLevel1に関する展開されたドット配置パターンと、ドット配置位置を示す図である。
【図13】第1の実施の形態におけるLevel2に関する展開されたドット配置パターンと、ドット配置位置を示す図である。
【図14】データ・記録パス指定手段を示す図である。
【図15】記録パス・記録位置指定手段を示す図である。
【図16】Level1に関する展開されたドット配置パターンと、ドット配置位置を示す図である。
【図17】Level2に関する展開されたドット配置パターンと、ドット配置位置を示す図である。
【図18】第2の実施の形態における記録ヘッドの図である。
【図19】インターレース記録について説明した図である。
【図20】第3の実施の形態におけるLevel1に関する展開されたドット配置パターンと、ドット配置位置を示す図である。
【図21】第3の実施の形態における記録パス・記録位置指定手段を支援する図である。
【図22】第3の実施の形態を適応した場合と、適応しなかった場合のドット配置について説明した図である。
【図23】第3の実施の形態におけるLevel2に関する展開されたドット配置パターンと、ドット配置位置を示す図である。
【図24】第4の実施の形態におけるデータ・記録パス指定手段と、記録パス・記録位置指定手段を示す図である。
【図25】第4の実施の形態における別の記録パス・記録位置指定手段を示す図である。
【図26】第5の実施の形態における各手段と、Level1に関する展開されたドット配置パターンとドット配置位置を示す図である。
【符号の説明】
M2015 紙間調整レバー
M3001 LFローラ
M3006 軸受け
M3019 シャーシ
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4001 キャリッジ
M4007 ヘッドセットレバー
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復部
H1001 インクジェット記録ヘッド
H1900 インクタンク
L1、L2 吐出口列
501 ホストコンピュータ
502 インクジェット記録装置
510 多値の画像データ
511 記録要素分離手段
512 n値化緒利手段
513 記録コード化手段
514 インターフェース
515 受信バッファ
516 コード解析手段
517 記録データ展開手段
518 プリントバッファ
519 記録素子駆動手段

Claims (19)

  1. 画素毎に対応した多値のレベルを示す画像データに基づき記録媒体に対して記録を行う記録装置において、
    前記画像データの多値のレベル毎に対応した画素領域内のドットの配置を示すドット配置パターンを格納するメモリと、
    画素毎の前記画像データのレベルに対応する前記ドット配置パターンに従って生成される、ドット配置位置を示す記録データを格納するプリントバッファと、
    前記プリントバッファに格納された前記記録データに基づいて記録を行う記録手段と、を有し、
    前記記録手段は、前記記録データが示す前記ドット配置より高い解像度となる記録を行うことを特徴とする記録装置。
  2. 複数のインク吐出口を配列した記録ヘッドを主走査方向に往復走査する走査手段をさらに有し、前記画像領域内を前記複数の走査を行うことで記録を行う記録装置において、
    前記記録手段は、前記ドット配置位置に基づいて、前記複数の走査のうち記録を行う走査を決定し、決定された前記記録を行う走査に基づいて記録媒体上にドットを形成する記録位置を決定し、決定された前記記録位置に従って記録を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 複数のインク吐出口を配列した記録ヘッドと、前記記録ヘッドを主走査方向に往復走査する走査手段と、画素毎のドット配置位置を示す記録データを格納したプリントバッファとを有し、前記記録データの各画素の領域を、前記走査手段によるP回(Pは2以上の整数)の走査を行うことで、前記記録データに基づいた記録を行う記録装置において、
    前記P回の走査のうち前記記録媒体にドットを形成する記録走査を、前記記録データの前記ドット配置位置に基づいて決定する記録走査決定手段と、
    前記記録走査決定手段によって決定された前記記録走査に基づいて、前記記録データが示すドット配置よりも高い解像度となる、前記記録媒体にドットを形成する記録位置を決定する記録位置決定手段と、を有し、
    前記記録位置に従って前記記録媒体に記録を行うことを特徴とする記録装置。
  4. 記録走査決定手段は、前記P回の走査のうち、所定回数目の走査を前記記録走査とする、M種類(M<P)の前記記録走査を決定する第1の記録走査決定手段と、
    前記M種類の記録走査のうち、所定の走査を前記記録走査として決定する第2の記録走査決定手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記第1の記録走査決定手段は、前記記録データの前記ドット配置位置に対応させて前記M種類の記録走査を決定することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記第2の記録走査決定手段は、非有効画素と有効画素とが配列された所定サイズのマスクパターンを用いて、前記M種類の記録走査のうち、所定の走査を前記記録走査として決定することを特徴とする請求項4または5に記載の記録装置。
  7. 前記マスクパターンは、前記非有効画素と、前記有効画素とが乱数的に配列されるランダムマスクパターンであることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記記録位置決定手段は、前記記録走査と前記記録位置とを対応付けたテーブルを用いて前記記録位置を決定することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の記録装置。
  9. 前記記録ヘッドを複数用い、該複数の記録ヘッドにより異なる色の記録を行うカラー記録装置において、
    前記記録位置決定手段は、前記異なる色それぞれに対応する前記テーブルを有することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 前記記録位置決定手段は、所定の色に対応する前記テーブルによって決定される前記記録位置と、前記所定の色とは異なる色に対応する前記テーブルによって決定される前記記録位置とが異なることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記テーブルは、前記異なる色それぞれにおいて、異なる密度でドットを配置するテーブルであることを特徴とする請求項9または10に記載の記録装置。
  12. 前記所定の階調値において、特定の前記ドット配置パターンを用いた場合に、前記記録位置が固定となるような前記記録走査決定手段と前記記録位置決定手段とを有することを特徴とする請求項5乃至11のいずれかに記載の記録装置。
  13. 前記画像データの1画素に対応する前記記録データを、N分割(Nは1以上の整数)したとき、前記P=N×Mとなるように前記第1の記録走査決定手段は、M種類の前記記録走査を決定することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  14. 前記第2の記録走査決定手段は、前記M種類の記録走査のうち、複数種類を前記記録走査として決定することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  15. 画像毎に対応した多値のレベルを示す画像データにおける多値のレベル毎に対応した画素領域内のドットの配置を示すドット配置パターンを格納するメモリと、
    画素毎の前記画像データのレベルに対応する前記ドット配置パターンに従って前記記録データに展開する展開手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項3乃至14のいずれかに記載の記録装置。
  16. 画素毎に対応した多値レベルを示す画像データにおける多値レベル毎に対応した画素領域内のドットの配置を示すドット配置パターンを格納するメモリと、プリントバッファとを有し、前記画像データに基づき記録媒体に対して記録を行う記録装置における記録方法であって、
    画素毎の前記画像データのレベルに対応する前記ドット配置パターンに従って生成される、ドット配置位置を示す記録データを、プリントバッファに格納するステップと、
    前記プリントバッファに格納された前記記録データに基づいて記録を行う記録ステップと、からなり、
    前記記録ステップは、前記記録データが示すドットの配置より高い解像度となる記録を行うことを特徴とする記録方法。
  17. 複数のインク吐出口を配列した記録ヘッドと、前記記録ヘッドを主走査方向に往復走査する走査手段と、画素毎のドット配置位置を示す記録データを格納したプリントバッファとを有し、前記記録データの各画素の領域を、前記走査手段によるP回(Pは2以上の整数)の走査を行うことで、前記記録データに基づいた記録を行う記録装置における記録方法であって、
    前記P回の走査のうち前記記録媒体にドットを形成する記録走査を、前記記録データの前記ドット配置位置に基づいて決定する記録走査決定ステップと、
    前記記録走査決定ステップによって決定された前記記録走査に基づいて、前記記録データが示すドット配置よりも高い解像度となる、前記記録媒体にドットを形成する記録位置を決定する記録位置決定ステップと、
    からなることを特徴とする記録方法。
  18. 前記走査決定ステップは、前記P回の走査のうち、所定回数目の走査を前記記録走査とする、M種類(M<P)の前記記録走査を決定する第1の記録走査決定ステップと、
    前記M種類の記録走査のうち、所定の走査を前記記録走査として決定する第2の記録走査決定手段とからなることを特徴とする請求項17に記載の記録方法。
  19. 前記第1の記録走査決定ステップは、前記記録データの前記ドット配置位置に対応させて前記M種類の記録走査を決定することを特徴とする請求項18に記載の記録方法。
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