JP2017154340A - 画像処理方法、画像処理装置、および印刷システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印刷データの生成方法には、ノズル毎に、印刷画像を構成するドットを形成するためのインク滴吐出データをドット位置に対応する位置に並べたドットマップデータを生成する工程と、ドットマップデータに応じて形成される所定ドット位置に対する実ドット位置のずれ量を示す位置ずれ情報に基づき、ドットマップデータにおけるインク滴吐出データの位置を走査方向において補正して補正ドットマップデータを生成する第1補正工程と、補正ドットマップデータ、および印刷画像を構成するために使用するノズルの組合せ情報に基づき、補正ドットマップデータにおけるインク滴吐出データの位置を走査方向において補正する第2補正工程と、を含む。
【選択図】図12
Description
<印刷システム>
図1は、実施形態1に係る印刷システム1の構成を示す正面図、図2は、同ブロック図である。
印刷システム1は、印刷装置100および印刷装置100に接続される「画像処理装置」としてのパーソナルコンピューター110(以下PC110と言う)から構成される。印刷装置100は、PC110から受信する印刷データに基づいて、ロール状に巻かれた状態で供給される長尺状の印刷媒体5に所望の画像を印刷するインクジェットプリンターである。
PC110は、プリンター制御部111、入力部112、表示部113、記憶部114などを備え、印刷装置100に印刷を行わせる印刷ジョブの制御を行う。
PC110が動作するソフトウェアには、印刷する画像データを扱う一般的な画像処理アプリケーションソフトウェア(以下アプリケーションと言う)や、印刷装置100の制御や、印刷装置100に印刷を実行させるための印刷データを生成するプリンタードライバーソフトウェア(以下プリンタードライバーと言う)が含まれる。
入力部112は、ヒューマンインターフェイスとして情報入力手段である。具体的には、例えば、キーボードや情報入力機器が接続されるポートなどである。
表示部113は、ヒューマンインターフェイスとしての情報表示手段(ディスプレー)であり、プリンター制御部111の制御の基に、入力部112から入力される情報や、印刷装置100に印刷する画像、印刷ジョブに関係する情報などが表示される。
記憶部114は、ハードディスクドライブ(HDD)やメモリーカードなどの書き換え可能な記憶媒体であり、PC110が動作するソフトウェア(プリンター制御部111で動作するプログラム)や、印刷する画像、印刷ジョブに関係する情報などが記憶される。
メモリー118は、CPU115が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。また、メモリー118には、後述する「印刷データ空間」が形成される。
印刷装置100は、印刷部10、印刷媒体移動部20、制御部30などから構成されている。PC110から印刷データを受信した印刷装置100は、制御部30によって印刷部10、印刷媒体移動部20を制御し、印刷媒体5に画像を印刷(画像形成)する。
印刷データは、例えば、デジタルカメラなどによって得られた一般的な画像データ(例えば、RGBのデジタル画像情報)を、PC110が備えるアプリケーションおよびプリンタードライバーによって印刷装置100で印刷できるように変換処理した画像形成用のデータであり、印刷装置100を制御するコマンドを含んでいる。
印刷媒体移動部20は、走査部40、搬送部50などから構成されている。走査部40は、キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーター(図示省略)などから構成されている。搬送部50は、供給部51、収納部52、搬送ローラー53、プラテン55などから構成されている。
なお、インク滴を吐出する方式は、これに限定するものではなく、インクを液滴状に噴射させ、印刷媒体上にドット群を形成する他の記録方式であってもよい。例えば、小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子などで機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インクを記録情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射し記録する方式(サーマルジェット方式)などであってもよい。
ガイド軸42は、走査方向に延在しキャリッジ41を摺接可能な状態で支持し、また、キャリッジモーターは、キャリッジ41をガイド軸42に沿って往復移動させる際の駆動源となる。つまり、走査部40(キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーター)は、制御部30の制御の下にキャリッジ41を(つまりは、印刷ヘッド11を)ガイド軸42に沿って走査方向に移動させる。
搬送ローラー53は、印刷媒体5を走査方向と交差する搬送方向(図1に示すY軸方向)に移動させる駆動ローラーや印刷媒体5の移動に伴って回転する従動ローラーなどから成り、印刷媒体5を供給部51から印刷部10の印刷領域(プラテン55の上面で印刷ヘッド11が走査移動する領域)を経由し、収納部52に搬送する搬送経路を構成する。
インターフェイス部31は、PC110のプリンターインターフェイス部119に接続され、PC110と印刷装置100との間でデータの送受信を行う。
CPU32は、印刷装置100全体の制御を行うための演算処理装置である。
メモリー33は、CPU32が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
CPU32は、メモリー33に格納されているプログラム、およびPC110から受信した印刷データに従って、駆動制御部34を介して印刷媒体移動部20(走査部40、搬送部50)、印刷部10(印刷ヘッド11)を制御すると共に、駆動データセット部35を介して後述するヘッド駆動データを順次印刷ヘッド制御部12に送出する。
図3は、プリンタードライバーの基本機能の説明図である。
印刷媒体5への印刷は、PC110から印刷装置100に印刷データが送信されることにより開始される。印刷データは、プリンタードライバーによって生成される。
以下、印刷データの生成処理について、図3を参照しながら説明する。
マトリクス状に配置された画素の内の所定の方向に並ぶ1列分の画素に対応する画素データを、ラスタデータと言う。なお、ラスタデータに対応する画素が並ぶ所定の方向は、画像を印刷するときの印刷ヘッド11の移動方向(走査方向)と対応している。
この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYK色系データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)に基づいて行われる。なお、色変換処理後の画素データは、CMYK色系空間により表される例えば256階調のCMYK色系データである。
4×4のマトリクスに並ぶd1〜d16は、それぞれドットの形成位置に対応する2ビットデータであり、ハーフトーン処理によって得られた[00]、[01]、[10]、[11]のいずれかのデータが入る。
印刷時のドット形成順序に従って並べ替えが完了した画素データの配列が、本願発明における「ドットマップデータ」である。ドットマップデータは、画像データに基づき、ノズル毎に、印刷画像を構成するドットを形成するためのインク滴吐出データをドット位置に対応する印刷データ空間の位置に並べたデータである。また、上述した解像度変換処理からラスタライズ処理(パス割り付け処理)までの工程が、本願発明における「マッピング工程」である。
プリンタードライバーによるこれらの処理は、CPU115の制御の元にASIC116およびDSP117(図2参照)によって行われ、生成された印刷データは、プリンターインターフェイス部119を介して印刷装置100に送信される。
図5は、印刷ヘッド11の下面から見た、ノズルの配列の例を示す模式図である。
図5に示すように、印刷ヘッド11は、各色のインクを吐出するための複数のノズルが並んで形成されたノズル列(図5に示す例は、それぞれ♯1〜♯400の400個のノズルから成るブラックインクノズル列K、シアンインクノズル列C、マゼンタインクノズル列M、イエローインクノズル列Y、グレーインクノズル列LK、ライトシアンインクノズル列LC)を備えている。
例えば、図6は、ノズル列がY軸方向に対して角度θ斜めに取り付けられた場合の例を示している。図6には、Y軸方向に対して角度θ斜めに取り付けられたノズル列と、そのノズル列が走査方向(X軸方向)に移動しながらインク滴を吐出することによって形成された4列のドット列の例を示している。
ドット形成位置の所定ドット位置からのずれは、インク滴を吐出するタイミングを変えることで、ある程度補正することができる。吐出タイミングの補正は、PC110(画像処理装置)のプリンタードライバーにおいて、パス割り付け処理が完了したドットマップデータを補正することにより行う。具体的には、ドットマップデータ上でインク滴吐出データの位置をずらすことにより行う。本実施形態では、以下に説明する従来技術による第1補正工程に加え、本実施形態を特徴付ける第2補正工程を行うことで、より高品質の印刷を行えるようにしている。
なお、以下、説明を簡単にするために、ノズル列は、15個のノズルから構成されている例で説明する。また、実際には傾きθはごく小さな値であるため、傾きθによるY軸方向のドット間隔の変化については考慮していない。
図6のようにノズル列がY軸方向に対して斜めに取り付けられた結果として発生する走査方向(X軸方向)のドット位置ずれを補正する場合を例に説明する。
第1補正工程は、ノズル毎の走査方向におけるドットが形成される所定ドット位置に対する実ドット位置のずれ量を示す「位置ずれ情報」に基づき、ドットマップデータにおけるインク滴吐出データの位置を走査方向においてずらす補正をして補正ドットマップデータを生成する工程である。
図7に示すように、傾きによってずれてしまった量(位置ずれ情報)に対し、走査方向(X軸方向)における画素ピッチ(ドットピッチDp)を単位として所定ドット位置に近づけることができる。図7に示す例では、両端の画素については、3Dp分、その内側の6つの画素については2Dp分、更にその内側の4画素については1Dp分を所定ドット位置に近づけることで、所定ドット位置に対してドット中心位置が±0.5Dpの範囲内に補正できる様子を示している。なおドットピッチDpは、所定ドット位置の間隔(以下、理想ピッチDpとも言う)である。
第1補正工程におけるインク滴吐出データの位置の補正は、図8に示すように、ノズル列毎の印刷データ空間において、ノズル毎に、上述した画素ピッチ(ドットピッチDp)を単位とした補正量分だけ(つまりは、データの個数分だけ)インク滴吐出データのラスタライン方向の並びごとずらすことによって行われる。
この補正が行われたドットマップデータは、補正ドットマップデータとして得られる。
図10に示す画像の形成方法は、2パスで画像を形成する領域Mwがある印刷方法であり、最初のパスで1ドット置きにドットを形成し、次に印刷媒体5を送り量Fd移動させ、次のパスで間隔が空いたドット部分が埋まるようにドットを形成する方法である。2パスで画像を形成する領域Mwでは、走査方向に並ぶドットのピッチがばらばらとなり、印刷品質が低下している。これは、所定ドット位置に対してドット中心位置が±0.5Dpの範囲内でばらつき(補正の残差)があるため、ドットの組合せによっては、ドットのピッチずれが最大1Dp程度までに顕在化してしまうことによる。
第2補正工程は、第1補正工程によってノズル毎に補正して生成された補正ドットマップデータ、および印刷画像を構成するために使用するノズルの組合せ情報に基づき、補正ドットマップデータにおけるインク滴吐出データの位置を走査方向において更に補正する工程である。
印刷画像を構成するために使用するノズルの組合せ情報とは、上述したように、マルチパスで画像を形成する場合に使用するノズルの組み合わせと、それぞれのノズルの位置関係の情報であり、具体的には、走査方向に隣り合うドットを形成するノズルの組み合わせ情報である。
図11に示す例は、2つのノズル(白丸で示すドットを形成するノズルAと、白丸にXで示すドットを形成するノズルB)によるマルチパスで画像を形成する場合の例である。図11の中央から左側の図には、それぞれのノズルによって形成されるドットの所定ドット位置(理想位置)に対するX軸上での位置関係の例を示し、右側には、それぞれのノズルによって交互にドットを形成した様子を示している。なお、左側の図は、分かり易くするために、それぞれのノズルのドットを上下に分けて示しており、ドットの上下方向の位置関係は、意味を成さない。
(b)は、所定ドット位置からのずれ量が第1補正工程によって±0.5ピッチ内に補正されているが、それぞれの残差(補正されたドット位置の所定ドット位置に対する残差)が逆方向であるためにドットが重なってしまっている(ドットサイズによっては必ずしも重ならないが、近接してしまう)ことを示している。
図11における(d)は、(c)がノズルBのインク滴吐出データの位置を+方向にずらす補正であったのに対して、ノズルAの補正を行った結果を示している。すなわち、+X方向に0.4ピッチずれているノズルAのインク滴吐出データの位置を−方向にずらす補正(すなわち、ドット形成位置を−X方向に1Dpずらす補正、つまりは、ドットマップデータにおいて、インク滴吐出データの位置を−X方向に1つずらす補正)をしている。
以下、第2補正工程について、ラスタラインを2つのノズルで形成する場合を例に具体的に説明する。
まず、補正の対象となるノズル(ラスタラインの形成を担当する2つのノズル)を抽出する(ステップS1)。上述したように、ハーフトーン処理の後にパス割り付け処理が完了したドットマップデータを参照すると、各ラスタラインの形成を担当するノズルが分かる。これは、本願発明における印刷画像を構成するために使用するノズルの組合せ情報である。この情報よりラスタラインの形成を担当する2つのノズルを抽出する。
次に、抽出されたノズルの残差(補正されたドット位置の所定ドット位置に対する残差)の値を抽出する(ステップS2)。この残差は、位置ずれ情報(計測して得られている所定ドット位置に対する実ドット位置のずれ量)と補正ドットマップデータを生成する際の補正量とから導出することができる。なお、残差は、第1補正工程が完了している場合には、位置ずれ情報(ずれ量)をDpで除した余りであるため、位置ずれ情報のみから算出できる。
また、例えば、残差a=−0.2Dp、残差b=0.6Dpの場合、残差aと残差bとの差の大きさは0.8Dpであり、理想ピッチDpの50%を上回るため、補正を行う。
この場合の補正は、残差a=−0.2Dp+DP=0.8DPとする補正、あるいは、残差b=0.6Dp−DP=−0.4Dpとする補正が有効であり、それぞれ、補正後の残差aと残差bとの差の大きさは0.2Dpであり、理想ピッチDpの50%を上回らなくなる。
なお、同じノズル列のノズルに対する補正を同じ方向に行った場合に、画像の走査方向の端部では、ノズル列単位で画像がずれるため、端部において補正した結果が可視化しやすい。そのため、例えば、補正方向が異なる2つのノズルの補正を交互に行うなどして、このように補正した結果が顕在化しないようにすることが好ましい。
所定ドット位置に対する実ドット位置のずれ量を示す位置ずれ情報に基づきドット形成位置が補正される第1補正工程により、ドット形成位置が、ノズル毎に、ドットピッチ単位で最適な範囲に補正される。更に、印刷画像を構成するために使用するノズルの組合せ情報に基づき、インク滴吐出データの位置を走査方向において補正する第2補正工程を含むため、更にドットピッチ単位での最適な補正を行うことが可能となる。具体的には、ドットピッチ単位での位置の補正であっても、ノズルの組合せによって発生する更なる補正の余地に対して補正を行うことが可能となり、より高品質な印刷画像の印刷を行う印刷データを生成することができる。
上述した実施形態では、第2補正工程について、ラスタラインを2つのノズルで形成する場合を例に説明したが、ラスタラインを3つ以上のノズルで形成するマルチパスの場合においても、基本的な考え方は同じである。しかしながら、特定の2つのノズルの関係において、上述したアルゴリズムで第2補正工程の補正処理を行った結果、隣り合う他のノズルが形成するドットとの位置関係が悪化する場合がある。従って、ラスタラインを3つ以上のノズルで形成するマルチパスの場合には、想定されるすべての組合せの第2補正工程による補正処理を行い、その結果から、形成されるラスタラインにおけるドットの間隔のばらつきが最も小さい補正を選択する判定処理を行う。
Claims (6)
- 印刷媒体に対し走査方向に相対移動しながらインク滴を吐出する複数のノズルが形成するドットによって画像データに基づく印刷画像を構成する印刷装置に実行させる印刷データを生成する画像処理方法であって、
前記画像データに基づき、前記ノズル毎に、前記印刷画像を構成するドットを形成するためのインク滴吐出データを前記ドット位置に対応する位置に並べたドットマップデータを生成するマッピング工程と、
前記ドットマップデータに応じて形成される所定ドット位置に対する実ドット位置のずれ量を示す位置ずれ情報に基づき、前記ドットマップデータにおける前記インク滴吐出データの位置を前記走査方向において補正して補正ドットマップデータを生成する第1補正工程と、
前記補正ドットマップデータ、および前記印刷画像を構成するために使用する前記ノズルの組合せ情報に基づき、前記補正ドットマップデータにおける前記インク滴吐出データの位置を前記走査方向において補正する第2補正工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 前記第2補正工程が、
前記走査方向において隣り合う前記ドットを形成する2つのノズルそれぞれの前記補正ドットマップデータから導出される補正された前記インク滴吐出データの位置の前記所定ドット位置に対する残差に基づき、前記ノズル毎の補正の要否を判定する補正要否判定工程を含み、
前記補正要否判定工程で補正要と判定された場合に、前記残差に基づき補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 前記補正要否判定工程が、
前記2つのノズルの一方のノズルの前記残差を残差a、他方のノズルの前記残差を残差bとしたとき、
前記残差aと前記残差bとの差の大きさが前記所定ドット位置の間隔の50%を上回る場合に、補正要と判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。 - 前記補正要否判定工程において、補正要と判定された場合に、
前記残差aと前記残差bとの差の大きさが前記所定ドット位置の間隔の50%以下となる方向に、前記一方のノズルの前記インク滴吐出データの位置を、前記所定ドット位置の間隔分、補正することを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像処理方法に基づいて、前記印刷データを生成することを特徴とする画像処理装置。
- 請求項5に記載の画像処理装置と、前記印刷装置と、を備えることを特徴とする印刷システム。
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