JP5764976B2 - ドット形成位置調整装置、記録方法、設定方法、及び、記録プログラム - Google Patents
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Description
なお、特許文献1には、空電制御型インクジェット記録装置が開示されている。この記録装置は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各インクジェットヘッドの空気吐出口から流出する空気流の圧力を検知する圧力検出部が固定プラテンに設けられ、その圧力検出部の検知出力の間隔から隣接するインクジェットヘッド間の距離を計測し、各インクジェットヘッド間の吐出遅延量を制御する。
また、ヘッド部の相対移動方向に対して区分された複数のノズル群のそれぞれが前記相対移動方向の異なる位置にそれぞれノズルを有する流体吐出装置等について記録媒体に形成されるドットの前記相対移動方向への位置精度を向上させることは、この流体吐出装置等で形成される画像の画質を向上させることに繋がる。
前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成する第一調整用パターン形成手段と、
前記吐出タイミングの設定を受け付けるタイミング設定受付手段と、
前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成する第二調整用パターン形成手段と、
前記調整画素の配分を受け付ける配分設定受付手段と、
前記タイミング設定受付手段で設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、前記配分設定受付手段で設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる制御を行うタイミング制御手段と、
を備えることを態様の一つとしている。
上記ノズル群には、ヘッド部を分割した個別の吐出ヘッドに形成されたノズル群、分割されていないヘッド部を区分した各区分に形成されたノズル群、等が含まれる。
上記ノズル群に設けられるノズルには、相対移動方向の異なる位置で該相対移動方向と交わる方向に並んだノズル列、一つのノズル、等が含まれる。
上記流体は、記録媒体にドットを形成することができるものであればよく、液体や粉体等が含まれ、より具体的にはインクやトナー等が含まれる。
上記ドットは、流体の吐出によって記録媒体に形成されるものであればよく、記録媒体への流体の付着物、記録媒体に形成された凹凸、等が含まれる。
上記ノズル群タイミング設定部は、前記相対移動方向における基準位置に対して前記ノズル群で形成されるドットの位置ずれを補償するための吐出タイミングが設定されてもよい。前記基準位置には、上記複数のノズルから選ばれる基準ノズルで形成されるドットの相対移動方向における位置、上記複数のノズルで形成されるドットの位置とは関係無い相対移動方向における位置、等が含まれる。
上記第二調整用パターン形成手段と上記配分設定受付手段を備える調整画素設定部は、前記設定された吐出タイミングにおいて前記ノズル群を構成する前記ノズルで形成されるドットの前記相対移動方向における位置ずれを補償するための前記調整画素の配分が設定されてもよい。
上記位置ずれの補償には、ドットの位置ずれが完全に無くなることのみならず、ドットの位置ずれが少なくなることが含まれる。
上記調整画素設定部には、調整画素の配分を表す情報の保持部、調整画素の配分を設定する処理を行う手段、等が含まれる。
前記タイミング設定受付手段は、前記相対移動方向における往路及び復路のそれぞれで前記吐出タイミングの設定を受け付けてもよい。前記配分設定受付手段は、前記相対移動方向における往路及び復路のそれぞれで前記調整画素の配分の設定を受け付けてもよい。すると、ヘッド部の往路及び復路のそれぞれで適切な吐出タイミング及び調整画素配分を設定することができる。
前記第二調整用パターン形成手段は、前記一のノズル群における少なくとも一部のノズルと、前記一のノズル群を除いたノズル群における少なくとも一部のノズルと、の一方を第二基準ノズルとし、他方を第二調整対象ノズルとするとき、前記第二基準ノズル用の前記調整画素の基準配分を基準として前記相対移動方向への前記調整画素を配分した調整用ラスターデータに従い前記設定された吐出タイミングに合わせて前記第二調整対象ノズルから流体を吐出して前記記録媒体に第二調整用パターンを形成してもよい。前記配分設定受付手段は、前記相対移動方向において前記第二基準ノズルと前記第二調整対象ノズルとで形成されるドットの位置を合わせる前記調整画素の配分の設定を受け付けてもよい。
ここで、前記調整用吐出タイミングには、基準吐出タイミングを基準として段階的にずらした吐出タイミング等が含まれ、簡易的には、基準吐出タイミングと同じ吐出タイミング、基準吐出タイミングからずらした一つの吐出タイミング、等が含まれる。
ドットの位置を合わせることには、ドットの位置を完全に一致させることのみならず、調整対象ノズルで形成されるドットの位置を基準ノズルで形成されるドットの位置に近付けることが含まれる。
基準配分を基準とした配分には、基準配分を基準として段階的にずらした配分等が含まれ、簡易的には、基準配分と同じ配分、基準配分からずらした一つの配分、等が含まれる。
前記第一調整用パターン形成手段は、前記ドット形成モードに応じた色の流体を吐出するノズル群により前記第一調整用パターンを形成してもよい。すると、ドット形成モードに応じたドットの相対移動方向への位置合わせを行うことができる。記録媒体に画像を形成する場合、画像の画質を向上させることができる。
まず、図1(a)〜(d)等を参照して本発明の一態様に係るドット形成位置調整の概略を説明する。
図1(a)は、ヘッド部HE1を設けたキャリッジ21の底面を例示している。ヘッド部HE1は、主走査方向となる相対移動方向DR1へ複数の記録ヘッド(ノズル群)23に分割されている。各記録ヘッド#H(Hは1〜5の整数)は、主走査方向と直交する副走査方向(DR2)へ複数個(例えば180個)のノズル25が並んだノズル列が主走査方向(DR1)に複数並べられている。記録ヘッド#Hの各ノズル列#HA,#HBは、インク等の流体FL1を噴射(吐出)するためのノズル25が副走査方向(DR2)へ所定のノズルピッチkで配列されている。従って、流体吐出装置(11)は、複数のノズル25がヘッド部HE1の相対移動方向DR1に対して複数のノズル群(23)に区分され、該ノズル群(23)のそれぞれが相対移動方向DR1の異なる位置にそれぞれノズル(ノズル列#HA,#HB)を有していることになる。
具体的には、相対移動方向DR1へ並んだノズル列の最も外側にマゼンタ(M)のノズル列#1A,#5B、これらの内側にシアン(C)のノズル列#1B,#5A、これらの内側にライトブラック(Lk)のノズル列#2A,#4B、これらの内側にイエロー(Y)のノズル列#2B,#4A、最も内側にブラック(K)のノズル列#3A,#3Bが配置されている。例えば、マゼンタ(M)に着目する場合、記録ヘッド#1が第1のノズル群となり、記録ヘッド#5が第2のノズル群となる。むろん、記録ヘッド#5を第1のノズル群とし、記録ヘッド#1を第2のノズル群としてもよい。また、シアン(C)に着目する場合も、記録ヘッド#1,#5の一方が第1のノズル群となり、他方が第2のノズル群となる。ライトブラック(Lk)に着目する場合には、記録ヘッド#2,#4の一方が第1のノズル群となり、他方が第2のノズル群となる。各ノズル25がヘッド部HE1の中心を基準として点対称に配置されることにより、キャリッジ21の往動時と復動時の双方で印刷を行う双方向印刷(Bi−d印刷)時に吐出される流体FL1の色の順番が同じとなる。これにより、往動時と復動時とで色が違ってしまうという色むらが抑制され、良好な画質の印刷結果が得られる。
流体吐出装置(11)は、図1(d)及び図5(a)に例示するラスターデータDA1に従って複数のノズル25から流体FL1を吐出する。ラスターデータDA1には、主画素データDA11と調整画素データDA12とが設けられている。主画素データDA11は、記録媒体SLへのドットDT1の形成状態を画素(PX1)毎に表すデータである。調整画素データDA12は、ラスターデータDA1の中で主画素データDA11の相対移動方向DR1に相当する位置を調整するための調整画素PX2を表すデータである。
ノズル群タイミング設定部U1は、相対移動方向DR1における基準位置(第一基準パターンSP1)に対して記録ヘッド23で形成されるドットDT1の位置ずれGA1を補償するための吐出タイミング(タイミング調整データDA8)を設定している。図1(a),(c)の例におけるノズル群タイミング設定部U1は、記録ヘッド#H毎に、二以上の記録ヘッド23に含まれる同じ色の流体FL1を吐出するノズル25で形成されるドットDT1の相対移動方向DR1における位置ずれGA1を補償するための吐出タイミング(DA8)が設定される。タイミング調整データDA8は、上記「PTS調整」のための設定データに相当する。
タイミング制御手段U3は、上記ラスターデータDA1に対しては、調整画素データDA12を調整画素設定部U2で設定された配分(DA9)の調整画素PX2を表すデータとして調整済ラスターデータDA2を生成する。また、ノズル群タイミング設定部U1で設定された吐出タイミング(DA8)に合わせて調整済ラスターデータDA2に従い複数のノズル25から流体FL1を吐出する制御を行う。すなわち、上記「PTS調整」及び上記「画素ずらし」に相当する調整がタイミング制御手段U3により行われる。
記録ヘッドが複数に分割されている場合、キャリッジに組み付けられた記録ヘッドの主走査方向の間隔が僅かにばらつき、ドットDT1の形成位置に誤差が生じることがある。むろん、記録ヘッド内のノズル列の間隔も僅かにばらつく。また、キャリッジに組み付けられた記録ヘッドが僅かに傾き、ドットDT1の形成位置に誤差が生じることがある。
なお、上記補償は、ドットの位置ずれGA1を完全に無くすことのみならず、ドットの位置ずれGA1を少なくすることが含まれる。例えば、2880dpi相当の8.8μm単位で吐出タイミングを調整することができる場合、±4.4μmのごく僅かな誤差が生じ得る。しかし、吐出タイミングで合わせることのできないノズル列#1B,#5Aによるドットの位置ずれGA3は、±4.4μmのごく僅かな誤差よりも大きくなり得る。
また、調整画素PX2の配分調整しか行わない場合、第一基準ノズル25aと第一調整対象ノズル25bとによるドット位置にも±17.5μmの誤差が生じ得る。従って、本ドット形成位置調整は、調整画素PX2の配分調整しか行わない場合と比べても、ドットの位置精度が向上する。
本ドット形成位置調整は、ノズル群(23)単位でドットDT1の位置ずれを補償しきれなくても、ラスターデータDA1中の主画素データDA11の相対移動方向DR1に相当する位置を調整することによりドットDT1の位置ずれを補償することを一つの特徴とする。図2(a)の例は、ノズル列#1A,#1Bのノズルが第一基準ノズル25aとされ、ノズル列#5A,#5Bのノズルが第一調整対象ノズル25bとされている。符号SP1,RP1は、それぞれ上記第一基準パターン(基準位置)、上記第一調整用パターンを例示している。相対移動方向DR1において、ノズル列#1A,#5Bで形成されるドットの位置ずれをGA1、ノズル列#1B,#5Aで形成されるドットの位置ずれをGA2とする。
次に、図3〜14を参照して、本技術をインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態を説明する。
図3に示す本実施形態のプリンター(流体吐出装置)11は、シリアルタイプのインクジェット式の記録装置とされている。プリンター11は、長尺状のシートとされた印刷用紙である記録媒体SLが巻回されたロールRSから記録媒体SLを少しずつ送り出し搬送する搬送装置12を備えている。
プリンター11の印刷解像度はかなり高いため、ノズル25から噴射されたインク滴により形成されるドットDT1の間隔は非常に小さい。このため、複数の記録ヘッド23を主走査方向Xに位置精度よく組付ける必要があるが、取付け位置のばらつきにより必要な印刷精度が確保できる組付位置精度で組み付けることは困難となっている。
調整部61は、操作部53から入力される情報に基づいて吐出タイミング及び調整画素配分の調整値を取得する。調整部61は、吐出タイミング及び調整画素配分を決定するうえで必要な各種の演算を行うための演算部67を有している。指示部62は、各記録ヘッド23の吐出タイミングを個別に調整する。これにより、制御部45は、各記録ヘッド23の吐出タイミングの組合せを少しずつ変化させて図8(a)に例示する調整用チャートCT1を印刷するための処理を行う。ヘッド制御部63は、コマンド解析部43からのコマンド解析結果に従ってヘッド駆動部49を制御する。キャリッジ制御部64は、リニアエンコーダー58から入力されるA相・B相の二相のエンコーダーパルス信号ESの位相差に基づきキャリッジ21の移動方向を認識する。キャリッジ制御部64は、エンコーダーパルス信号ESのエッジを検出する度に、キャリッジ用のカウンターを往動時にインクリメント、復動時にデクリメントすることにより、キャリッジ21の原点位置(例えばホームポジション)からの移動位置を検出する。このキャリッジ21の主走査方向Xにおける位置は、キャリッジモーター24の速度制御に用いられる。搬送制御部65は、コマンド解析部43からのコマンド解析結果に従って、記録媒体SLを搬送駆動する搬送駆動部51を制御する。
チャート印刷用データCPは、図8(a),(b)に例示する調整用チャートCT1,CT2を形成するための印刷データである。吐出タイミング調整用の調整用チャートCT1を形成する印刷データのラスターデータは、図5(c)の中段に例示するように調整画素PX2を基準配分AL1とした基準ラスターデータDA3とされる。調整画素配分用の調整用チャートCT2を形成する印刷データのラスターデータは、図5(c)の上段から下段までに例示するように相対移動方向DR1へ主画素PX1を1画素ずつずらした調整用ラスターデータDA4とされる。
配分データDA9は、タイミング調整データDA8で表される吐出タイミングにおいて記録ヘッド#Hを構成するノズル列#HA,#HBで形成されるドットDT1の相対移動方向DR1における位置ずれを補償するための調整画素配分の設定が表されたデータである。図6(b)に例示する配分データDA9は、キャリッジ21の往動時と復動時とでノズル列#1B,#2B,#3B,#4A,#5Aについて調整値を有している。本配分データDA9は、ノズル列#1Bを基準ノズル列としているため、ノズル列#1Bの調整値が0とされている。むろん、基準ノズル列の調整値は、0以外でもよい。また、図6(c)に例示するように、全ノズル列#HA,#HBのぞれぞれについて調整値が設けられてもよい。
ディレイ設定値Dcは、図6(a)に示すタイミング調整データDA8に基づく。単方向印刷のようにヘッド部HE1の一方の主走査でのみインクを吐出する場合、復動時の調整値は無くてもよい。ディレイ設定値Dcは、記録ヘッド23毎に設けられる。
上記の例の場合、例えば、#1Aのノズルを第一基準ノズル25aとし、#2A,#3A,#4B,#5Bのノズルを第一調整対象ノズル25bとして、ノズル列#1A,#2Aによる調整用チャートCT1、ノズル列#1A,#3Aによる調整用チャートCT1、ノズル列#1A,#4Bによる調整用チャートCT1、ノズル列#1A,#5Bによる調整用チャートCT1、の4種類を形成すればよい。それぞれの調整用チャートCT1において、複数組のパターン(PG1)のうち最適な一組のパターンに対応する数値(調整値)を操作部53からプリンター11に操作入力すると、入力された数値に対応するディレイ値が設定され、ヘッド#H間の吐出タイミングが調整される。ここで、入力される数値は、基準パルスからのディレイパルス数に対応する数値である。
上記の例の場合、例えば、#1Bのノズルを第二基準ノズル25cとし、#2B,#3B,#4A,#5Aのノズルを第二調整対象ノズル25dとして、ノズル列#1B,#2Bによる調整用チャートCT2、ノズル列#1B,#3Bによる調整用チャートCT2、ノズル列#1B,#4Aによる調整用チャートCT2、ノズル列#1B,#5Aによる調整用チャートCT2、の4種類を形成すればよい。それぞれの調整用チャートCT2において、複数組のパターン(PG2)のうち最適な一組のパターンに対応する数値(調整値)を操作部53からプリンター11に操作入力すると、画像処理部44に対する調整画素配分が設定され、ノズル列#1B,#2B,#3B,#4A,#5A同士のドットの位置ずれが画素単位で補償される。ここで、入力される数値は、調整画素配分に対応する数値である。
制御部45は、吐出タイミング調整用の調整用チャートCT1の印刷実行指示を受け付けると、画像処理部44に対する調整画素配分を基準配分AL1に設定する。そして、制御部45の指示部62は、不揮発性メモリー47に保存された吐出タイミング調整用のチャート印刷用データを画像処理部44に送るとともに、ヘッド制御部63、キャリッジ制御部64、搬送制御部65に指示して、該チャート印刷用データに基づく調整用チャートCT1の印刷動作を行わせる。このとき、画像処理部44は、送られてきたチャート印刷用データの画像処理を行う。画像処理を経て得られたヘッド制御データ、及び、基準配分AL1の調整画素PX2を有するラスターデータは、イメージバッファー46を介してヘッド駆動部49へ送られる。
ドット形成位置調整処理が開始すると、制御部45は、吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT1を記録する処理を行う(S102)。5個の記録ヘッド#Hで双方向印刷を行う場合、往動時における記録ヘッド#H間の吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT1を4種類形成し、復動時における記録ヘッド#H間の吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT1を4種類形成する。
S220では、カウンターnを初期値「1」に設定する。nは、調整パターンを印刷する際のパス数に対応し、パターンのずれ量δnを決めるために使用される。
上述したS104〜S110の処理により、プリンター11は、相対移動方向DR1において両ノズル25a,25bで形成されるドットDT1の位置を合わせる吐出タイミングの設定を受け付ける。
S320では、カウンターmを初期値「1」に設定する。mは、調整パターンを印刷する際のパス数に対応し、パターンのずれ量δmを決めるために使用される。
また、第二調整用パターンRP2は、基準の記録ヘッド#Hsを除いた記録ヘッド#Hrにおける少なくとも一部のノズルを第二調整対象ノズル25d(例えばノズル列#5A)とするとき、上記設定された吐出タイミング(DA8)に従い第二調整対象ノズル25dからインクを吐出して記録媒体SLに形成されるパターンである。この第二調整用パターンRP2は、相対移動方向DR1への調整画素PX2を基準配分AL1とした調整用ラスターデータDA4に従ったパターンである。この第二調整用パターンRP2の形成が第二調整用パターン形成手段U22に対応している。
上述したS114〜S118の処理により、プリンター11は、相対移動方向DR1において第二調整対象ノズル25dで形成されるドットDT1の位置を第二基準ノズル25cで形成されるドットDT1の位置に合わせる調整画素PX2の配分の設定を受け付ける。
一方、印刷タイミング信号生成回路48は、タイミング調整データDA8に基づいたディレイ設定値Dcに従って、タイミング調整データDA8に応じた吐出タイミングを表す印刷タイミング信号PTSを生成し、ヘッド駆動部49に供給する。その結果、ヘッド駆動部49は、タイミング調整データDA8で表される吐出タイミングに合わせて調整済ラスターデータDA2に従い複数のノズル25からインクを吐出する。記録媒体SLには、印刷データに対応した画像が形成される。
次に、図16(a),(b)を参照して、第二実施形態を説明する。本実施形態は、調整用チャートCT1,CT2を読取手段(81,82)で読み取って画像解析を行うことにより最適な調整値を自動で設定する点が第一実施形態と異なる。
以上より、本実施形態は、複数の記録ヘッド23の最適な印刷タイミングを自動で設定することができる。
次に、図17,18を参照して、本技術をインクジェット記録方式のラインプリンターに具体化した第三実施形態を説明する。
また、図19に例示するように、吐出タイミングの調整は、複数の記録ヘッドの位置関係を調整することにより行われてもよい。図19に示すキャリッジ21には、複数の記録ヘッドA,Bがガイドレール111に案内されて主走査方向X(相対移動方向DR1)に移動可能な状態で取り付けられている。各記録ヘッドA,Bには、それぞれ、主走査方向Xに移動(変位)させることが可能なアクチュエーター112が設けられている。アクチュエーター112には、例えば電歪作用で駆動する圧電アクチュエーター等を使用することができる。ディレイ設定値Dcによる調整に限界があると考えられる場合、まず、アクチュエーター112を駆動させて記録ヘッドA,Bの主走査方向Xの相対位置を粗調整し、必要に応じて調整用チャートCT1を再度印刷し、最適な一組のパターン(PG)に対応する数値を取得すればよい。調整部61は、取得した数値を基に演算した調整値をタイミング調整データDA8の一部として設定すればよい。
図20に例示する記録システム200のように、流体吐出装置(プリンター11)とホスト装置HCとにわたってドット形成位置調整装置10が設けられてもよい。
本例のホスト装置HCは、調整画素設定部U2、及び、ホスト側のタイミング制御手段U3を備えている。このホスト側のタイミング制御手段U3は、ラスターデータDA1の調整画素データDA12を調整画素設定部U2で設定された配分(DA9)の調整画素PX2を表すデータとして調整済ラスターデータDA2を生成する。この調整済ラスターデータDA2は、プリンター11へ送信される。
以上より、本記録システム200は、複数のノズル群(23)のそれぞれが相対移動方向DR1の異なる位置にそれぞれノズル25を有するプリンター11により形成されるドットの相対移動方向DR1への位置精度が良好である。
流体吐出装置は、解像度、記録速度、記録パス数、記録画像の種類、記録媒体の種類、等に応じて複数のドット形成モードを有していてもよい。このとき、パターン形成手段U11,U12,U21,U22は、ドット形成モードに応じた色の流体FL1を吐出するノズル25から該色の流体FL1を吐出して記録媒体SLに基準パターンSP1,SP2や調整用パターンRP1,RP2を形成してもよい。
また、記録媒体に形成される画像の画質は、記録媒体の種類に依存する。そこで、記録媒体の種類に応じて解像度や記録速度や記録パス数等を設定し、記録画像の種類に応じたドット形成モードを設けてもよい。例えば、写真用紙といった光沢紙等の塗被紙を使用する場合、色むらを抑制するため、1ラスターのドットを2パスで形成する設定等とすることが考えられる。普通紙や再生紙等の非塗被紙を使用する場合、ドット形成を高速とするため、1ラスターのドットを1パスで形成する設定等とすることが考えられる。
その後、制御部45は、受け付けたドット形成モードを表すモード情報を不揮発性メモリー47等に記憶させ(S404)、ドット形成モード設定処理を終了させる。
すなわち、写真モード、高解像度モード、高品質モード、多パスモード、においては、有彩色の高画質が求められやすいため、高画質化に好適である。テキストモード、比較的低い解像度設定の解像度モード、比較的速い記録速度設定の記録速度モード、比較的少ないパス数設定のパスモード、においては、比較的低明度の無彩色の高画質が求められやすいため、高画質化に好適である。
上述した実施形態は、以下のような形態に変更することもできる。
上述した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、図13において、S110の復動時吐出タイミング設定の後にS106の往動時吐出タイミング設定を行ってもよいし、S118の復動時調整画素配分設定の後にS116の往動時調整画素配分設定を行ってもよい。
吐出タイミングや調整画素配分の調整は、往動時のみ行ってもよいし、復動時のみ行ってもよい。三以上のノズル群があり、一部のノズル群でのみ吐出タイミングが調整される場合も、本技術に含まれる。
各ノズル群に設けられるノズルは、2列以外にも、3列以上とされてもよく、列と呼ばれない状態に配置されても本技術に含まれる。ノズル群が3以上あり、3以上のノズル群にある同色の流体を吐出するノズルによるドットの位置を合わせる場合も、本技術に含まれる。むろん、各ノズルから吐出する流体の色は、上述したC,M,Y,K,Lk以外にも、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、ダークイエロー(DY)、Lkよりも淡いLLk、無色、等の様々な色とすることができる。また、単色機のように全てのノズルから同じ色の流体を吐出する場合も、本技術を適用可能である。
本発明を適用可能な流体吐出装置は、プリンターの他、微小量の液滴を噴射(吐出)する液体吐出ヘッド等を備える液体吐出装置等、インク以外の流体を吐出する装置でもよい。ここでいう液滴は、液体吐出装置から吐出される液体の状態を言い、粒状、涙状、糸状に尾を引くもの等を含まれる。ここでいう液体は、液体吐出装置が吐出させることができるような材料であればよく、例えば、物質が液相であるときの状態のものとして、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、等が含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子といった固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたもの等が含まれる。インクや液晶等は、液体の代表的な例である。前記インクは、一般的な水性インク及び油性インク、並びに、ジェルインク、ホットメルトインク、等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置には、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造等に用いられる電極材や色材といった材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置が含まれる。また、液体吐出装置には、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置、マイクロディスペンサ、時計やカメラといった精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)等を形成するために紫外線硬化樹脂といった透明樹脂液を基板上に吐出する装置、基板等をエッチングするために酸やアルカリといったエッチング液を吐出する装置、等が含まれる。
また、流体は、トナー等の粉粒体でもよい。
また、「PTS調整」のような吐出タイミング設定で調整可能なドット形成位置の最小単位は、「画素ずらし」のような調整の単位となる主走査方向の画素ピッチよりも小さいことが好ましいものの、これに限定されない。
むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる装置、方法、プログラム、調整用パターン、等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能であり、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能である。従って、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成等も含まれる。
Claims (8)
- 記録媒体と複数のノズルを設けたヘッド部とを相対移動方向へ相対移動させる相対移動手段を有し、ラスターデータに従って前記複数のノズルから流体を吐出する流体吐出装置のためのドット形成位置調整装置であって、
前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成する第一調整用パターン形成手段と、
前記吐出タイミングの設定を受け付けるタイミング設定受付手段と、
前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成する第二調整用パターン形成手段と、
前記調整画素の配分を受け付ける配分設定受付手段と、
前記タイミング設定受付手段で設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、前記配分設定受付手段で設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる制御を行うタイミング制御手段と、
を備えるドット形成位置調整装置。 - 前記吐出タイミングの設定によりドットの形成位置を調整可能な最小単位は、前記ラスターデータを構成する画素の前記相対移動方向におけるピッチよりも小さい、請求項1に記載のドット形成位置調整装置。
- 前記タイミング設定受付手段は、前記相対移動方向における往路及び復路のそれぞれで前記吐出タイミングの設定を受け付け、
前記配分設定受付手段は、前記相対移動方向における往路及び復路のそれぞれで前記調整画素の配分の設定を受け付ける、請求項2に記載のドット形成位置調整装置。 - 前記流体吐出装置は、ドット形成に関する複数のドット形成モードで前記記録媒体にドットを形成可能であり、
前記第一調整用パターン形成手段は、前記ドット形成モードに応じた色の流体を吐出するノズル群により前記第一調整用パターンを形成する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のドット形成位置調整装置。 - 複数の前記ノズル群のうち第1のノズル群と第2のノズル群とに、同じ色の流体を吐出するノズルがある、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のドット形成位置調整装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のドット形成位置調整装置を内蔵する流体吐出装置。
- 記録媒体と複数のノズルを設けたヘッド部とを相対移動方向へ相対移動させる相対移動手段を有し、ラスターデータに従って前記複数のノズルから流体を吐出する装置のためのドット形成位置調整方法であって、
前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成し、
前記吐出タイミングの設定を受け付け、
前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成し、
前記調整画素の配分を受け付け、
設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる、
ドット形成位置調整方法。 - 記録媒体と複数のノズルを設けたヘッド部とを相対移動方向へ相対移動させる相対移動手段を有し、ラスターデータに従って前記複数のノズルから流体を吐出する装置のためのプログラムであって、
前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成する機能と、
前記吐出タイミングの設定を受け付ける機能と、
前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成する機能と、
前記調整画素の配分を受け付ける機能と、
設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる機能と、
をコンピューターに実現させるプログラム。
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