JP5764976B2 - ドット形成位置調整装置、記録方法、設定方法、及び、記録プログラム - Google Patents

ドット形成位置調整装置、記録方法、設定方法、及び、記録プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ヘッド部の相対移動方向に対して区分された複数のノズル群のそれぞれが前記相対移動方向の異なる位置にそれぞれノズルを有する流体吐出装置のための技術に関する。
例えば、上記流体吐出装置として、複数のノズルを設けたヘッド部と記録媒体とを相対移動させながらインクを前記複数のノズルから吐出する記録装置が知られている。ヘッド部の相対移動方向(例えば主走査方向)の異なる位置にそれぞれノズル列が設けられた記録装置は、該相対移動方向のある位置にドットを形成するとき該位置に合わせるように複数のノズル列からインクを吐出する。
なお、特許文献1には、空電制御型インクジェット記録装置が開示されている。この記録装置は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各インクジェットヘッドの空気吐出口から流出する空気流の圧力を検知する圧力検出部が固定プラテンに設けられ、その圧力検出部の検知出力の間隔から隣接するインクジェットヘッド間の距離を計測し、各インクジェットヘッド間の吐出遅延量を制御する。
特開平5−254121号公報
しかしながら、上記吐出遅延量の制御は、空電制御型インクジェット記録装置の構造に限定された調整手法であり、汎用性がない。
また、ヘッド部の相対移動方向に対して区分された複数のノズル群のそれぞれが前記相対移動方向の異なる位置にそれぞれノズルを有する流体吐出装置等について記録媒体に形成されるドットの前記相対移動方向への位置精度を向上させることは、この流体吐出装置等で形成される画像の画質を向上させることに繋がる。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、ヘッド部の相対移動方向において含まれる複数のノズル群が該相対移動方向において複数のノズルを含む流体吐出装置により形成されるドットの相対移動方向への位置精度を向上させることにある。
課題を解決するための手段及びその作用・効果
上記目的の一つを達成するため、本発明は、記録媒体と複数のノズルを設けたヘッド部とを相対移動方向へ相対移動させる相対移動手段を有し、ラスターデータに従って前記複数のノズルから流体を吐出する流体吐出装置のためのドット形成位置調整装置であって、
前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成する第一調整用パターン形成手段と、
前記吐出タイミングの設定を受け付けるタイミング設定受付手段と、
前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成する第二調整用パターン形成手段と、
前記調整画素の配分を受け付ける配分設定受付手段と、
前記タイミング設定受付手段で設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、前記配分設定受付手段で設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる制御を行うタイミング制御手段と、
を備えることを態様の一つとしている。
すなわち、ノズル群単位では、タイミング設定受付手段で設定を受け付けた吐出タイミングで流体が吐出することによりドットの位置ずれが補償される。また、ノズル群を構成するノズルについては、配分設定受付手段で設定を受け付けた配分の調整画素でドットの位置ずれが補償される。
以上より、ノズル群を構成するノズルについて、ノズル群単位の吐出タイミングでドットの位置ずれを補償し切れなくても、ラスターデータを構成する調整画素の配分によりドットの位置ずれを補償することができる。吐出タイミングの調整がノズル群単位でしかできない場合、ノズル群の中で相対移動方向のある位置の第一のノズルについてはドットを良好な位置精度とすることができても、同じノズル群の中で相対移動方向の異なる位置の第二のノズルについては前記第一のノズルよりもドットの位置精度が低下することがあり得る。本発明は、前記第二のノズルについてラスターデータを構成する調整画素の配分によりドットを良好な位置精度とすることができる。
従って、本発明は、ヘッド部の相対移動方向において含まれる複数のノズル群が該相対移動方向において複数のノズルを含む流体吐出装置により形成されるドットの相対移動方向への位置精度を向上させることができる。
ここで、ヘッド部と記録媒体との相対移動には、ヘッド部と記録媒体の少なくとも一方を移動させることを意味し、記録媒体に対してヘッド部が移動すること、ヘッド部に対して記録媒体が移動すること、ヘッド部と記録媒体の両方が移動すること、のいずれも含まれる。
上記ノズル群には、ヘッド部を分割した個別の吐出ヘッドに形成されたノズル群、分割されていないヘッド部を区分した各区分に形成されたノズル群、等が含まれる。
上記ノズル群に設けられるノズルには、相対移動方向の異なる位置で該相対移動方向と交わる方向に並んだノズル列、一つのノズル、等が含まれる。
上記流体は、記録媒体にドットを形成することができるものであればよく、液体や粉体等が含まれ、より具体的にはインクやトナー等が含まれる。
上記ドットは、流体の吐出によって記録媒体に形成されるものであればよく、記録媒体への流体の付着物、記録媒体に形成された凹凸、等が含まれる。
上記ラスターデータには、前記記録媒体へのドットの形成状態を表す主画素データと、該ラスターデータの中で前記主画素データの前記相対移動方向に相当する位置を調整するための調整画素を表す調整画素データとが設けられてもよい。前記主画素データには、画素毎にドットを形成するか否かを表すデータ、画素毎にドットの大きさを階調値で表すデータ、等が含まれる。前記調整画素データには、画素毎にドットを形成しないデータ、画素毎に無色のドットを形成するデータ、等が含まれる。
上記第一調整用パターン形成手段と上記タイミング設定受付手段を備えるノズル群タイミング設定部には、吐出タイミングを表す情報の保持部、吐出タイミングを設定する処理を行う手段、等が含まれる。
上記ノズル群タイミング設定部は、前記相対移動方向における基準位置に対して前記ノズル群で形成されるドットの位置ずれを補償するための吐出タイミングが設定されてもよい。前記基準位置には、上記複数のノズルから選ばれる基準ノズルで形成されるドットの相対移動方向における位置、上記複数のノズルで形成されるドットの位置とは関係無い相対移動方向における位置、等が含まれる。
上記第二調整用パターン形成手段と上記配分設定受付手段を備える調整画素設定部は、前記設定された吐出タイミングにおいて前記ノズル群を構成する前記ノズルで形成されるドットの前記相対移動方向における位置ずれを補償するための前記調整画素の配分が設定されてもよい。
上記位置ずれの補償には、ドットの位置ずれが完全に無くなることのみならず、ドットの位置ずれが少なくなることが含まれる。
上記調整画素設定部には、調整画素の配分を表す情報の保持部、調整画素の配分を設定する処理を行う手段、等が含まれる。
ところで、前記吐出タイミングの設定によりドットの形成位置を調整可能な最小単位は、前記ラスターデータを構成する画素の前記相対移動方向におけるピッチよりも小さくされてもよい。すると、ドットの相対移動方向への位置精度を相対移動方向の画素のピッチよりも細かくすることができる。
前記タイミング設定受付手段は、前記相対移動方向における往路及び復路のそれぞれで前記吐出タイミングの設定を受け付けてもよい。前記配分設定受付手段は、前記相対移動方向における往路び復路のそれぞれで前記調整画素の配分の設定を受け付けてもよい。すると、ヘッド部の往路び復路のそれぞれで適切な吐出タイミング及び調整画素配分を設定することができる。
また、前記第一調整用パターン形成手段は、前記複数のノズル群のうち一のノズル群における少なくとも一部のノズルを第一基準ノズルとし、前記複数のノズル群のうち前記一のノズル群を除いたノズル群における少なくとも一部のノズルを第一調整対象ノズルとするとき、前記第一基準ノズルからの流体の基準吐出タイミングを基準とした調整用吐出タイミングで前記第一調整対象ノズルから流体を吐出して前記記録媒体に第一調整用パターンを形成してもよい。前記タイミング設定受付手段は、前記相対移動方向において前記第一基準ノズルと前記第一調整対象ノズルとで形成されるドットの位置を合わせる吐出タイミングの設定を受け付けてもよい。
前記第二調整用パターン形成手段は、前記一のノズル群における少なくとも一部のノズルと、前記一のノズル群を除いたノズル群における少なくとも一部のノズルと、の一方を第二基準ノズルとし、他方を第二調整対象ノズルとするとき、前記第二基準ノズル用の前記調整画素の基準配分を基準として前記相対移動方向への前記調整画素を配分した調整用ラスターデータに従い前記設定された吐出タイミングに合わせて前記第二調整対象ノズルから流体を吐出して前記記録媒体に第二調整用パターンを形成してもよい。前記配分設定受付手段は、前記相対移動方向において前記第二基準ノズルと前記第二調整対象ノズルとで形成されるドットの位置を合わせる前記調整画素の配分の設定を受け付けてもよい。
ここで、前記調整用吐出タイミングには、基準吐出タイミングを基準として段階的にずらした吐出タイミング等が含まれ、簡易的には、基準吐出タイミングと同じ吐出タイミング、基準吐出タイミングからずらした一つの吐出タイミング、等が含まれる。
ドットの位置を合わせることには、ドットの位置を完全に一致させることのみならず、調整対象ノズルで形成されるドットの位置を基準ノズルで形成されるドットの位置に近付けることが含まれる。
基準配分を基準とした配分には、基準配分を基準として段階的にずらした配分等が含まれ、簡易的には、基準配分と同じ配分、基準配分からずらした一つの配分、等が含まれる。
前記流体吐出装置がドット形成に関する複数のドット形成モードで前記記録媒体にドットを形成可能とされてもよい。
前記第一調整用パターン形成手段は、前記ドット形成モードに応じた色の流体を吐出するノズル群により前記第一調整用パターンを形成してもよい。すると、ドット形成モードに応じたドットの相対移動方向への位置合わせを行うことができる。記録媒体に画像を形成する場合、画像の画質を向上させることができる。
複数の前記ノズル群のうち第1のノズル群と第2のノズル群とに、同じ色の流体を吐出するノズルがあってもよい。すると、相対移動方向における同じ色のドットの相対移動方向への位置精度を向上させることができる。記録媒体に画像を形成する場合、画像の画質を向上させることができる。
上述した態様は、ドット形成位置調整装置を内蔵する流体吐出装置、印刷制御装置、印刷装置、例えばノズル群タイミング設定工程や調整画素設定工程といった工程を備える設定方法、さらにタイミング制御工程といった工程を備える記録方法、印刷制御方法、印刷方法、例えばノズル群タイミング設定機能や調整画素設定機能やタイミング制御機能といった機能をコンピューターに実現させる記録プログラム、印刷制御プログラム、印刷プログラム、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、調整用パターン、調整用パターンを記録した媒体、等に適用可能である。
(a)〜(d)はドット形成位置調整の概念を模式的に例示する図。 (a)〜(c)は別のドット形成位置調整の概念を模式的に例示する図。 第一実施形態におけるプリンター11を模式的に例示する図。 プリンター11の構成を例示するブロック図。 (a)はラスターデータDA1の構造を模式的に例示する図、(b)は記録媒体SLに形成される画素の様子を模式的に例示する図、(c)は調整画素PX2の配分設定によりドットDT1の形成位置のずれを補償する様子を模式的に例示する図。 (a)はタイミング調整データDA8の構造を模式的に例示する図、(b)及び(c)は配分データDA9の構造を模式的に例示する図。 印刷タイミング信号生成回路48の電気的構成を例示するブロック図。 (a)及び(b)は調整用チャートの一部を模式的に例示する図。 (a)〜(c)は基準パターンSPと調整用パターンRPの相対位置関係を模式的に例示する図。 (a)〜(d)はパターンの記録(吐出)タイミングを模式的に例示する図。 チャートの記録手順を模式的に例示する図。 記録画素を模式的に例示する図。 プリンター11で行われるドット形成位置調整処理を例示するフローチャート。 (a)及び(b)はプリンター11で行われる調整用チャート記録処理を例示するフローチャート。 変形例においてキャリッジ21の底面を模式的に示す図。 (a)プリンター11とスキャナー81を例示するブロック図、(b)読取りセンサー付きプリンターを模式的に例示する斜視図。 ラインプリンター100を模式的に例示する平面図。 ライン記録式の記録ヘッドとコントローラー97を模式的に例示する図。 変形例においてキャリッジ21の底面を模式的に示す図。 変形例において記録システム200を示すブロック図。 (a)及び(b)は変形例における処理を示すフローチャート。
(1)ドット形成位置調整の概略:
まず、図1(a)〜(d)等を参照して本発明の一態様に係るドット形成位置調整の概略を説明する。
図1(a)は、ヘッド部HE1を設けたキャリッジ21の底面を例示している。ヘッド部HE1は、主走査方向となる相対移動方向DR1へ複数の記録ヘッド(ノズル群)23に分割されている。各記録ヘッド#H(Hは1〜5の整数)は、主走査方向と直交する副走査方向(DR2)へ複数個(例えば180個)のノズル25が並んだノズル列が主走査方向(DR1)に複数並べられている。記録ヘッド#Hの各ノズル列#HA,#HBは、インク等の流体FL1を噴射(吐出)するためのノズル25が副走査方向(DR2)へ所定のノズルピッチkで配列されている。従って、流体吐出装置(11)は、複数のノズル25がヘッド部HE1の相対移動方向DR1に対して複数のノズル群(23)に区分され、該ノズル群(23)のそれぞれが相対移動方向DR1の異なる位置にそれぞれノズル(ノズル列#HA,#HB)を有していることになる。
本技術の特徴の一つは、(A)記録ヘッド#H単位でインクの吐出タイミングを調整する「PTS調整」と、(B)記録ヘッド#Hに含まれるノズル列#Hiによるドットの形成位置をラスターデータのシフトにより調整する「画素ずらし」とを組み合わせたことにある。
上記(A)の「PTS調整」は、印刷タイミング信号PTSによる調整を意味し、インク吐出タイミングの制御単位である記録ヘッド#H毎に吐出タイミングを調整することができる。例えば、調整対象の記録ヘッド#Hによるドットの形成位置を基準位置に合わせるように該記録ヘッド#H用の印刷タイミング信号PTSを基準タイミングから遅延させることにより、該記録ヘッド#Hのインク吐出タイミングを調整することができる。むろん、インク吐出タイミングの調整単位は記録ヘッドに限定されず、吐出対象はインクに限定されず、吐出タイミング調整は印刷タイミング信号PTSの調整に限定されない。
上記(B)の「画素ずらし」は、ラスターデータにおいてドットの形成状態を表す各主画素PX1のデータを画素単位で主走査方向にずらす調整を意味し、記録ヘッド#Hに含まれるノズル列#Hi毎にラスターデータを調整することができる。例えば、調整対象のノズル列#Hiによるドットの形成位置を基準位置に合わせるように該ノズル列#Hiのラスターデータの主画素をずらすことにより、インク吐出タイミング調整では補償し切れないノズル列Hi毎のドット形成位置を調整することができる。
図1(a)の例における複数のノズル25は、吐出する流体FL1の色毎に分けられている。該色毎のノズル25は、複数のノズル群(23)から選ばれる二以上のノズル群(23)に含まれている。前記二以上のノズル群(23)に含まれる同じ色の流体FL1を吐出するノズル25で形成されるドットDT1は、副走査方向(DR2)に並べられている。
具体的には、相対移動方向DR1へ並んだノズル列の最も外側にマゼンタ(M)のノズル列#1A,#5B、これらの内側にシアン(C)のノズル列#1B,#5A、これらの内側にライトブラック(Lk)のノズル列#2A,#4B、これらの内側にイエロー(Y)のノズル列#2B,#4A、最も内側にブラック(K)のノズル列#3A,#3Bが配置されている。例えば、マゼンタ(M)に着目する場合、記録ヘッド#1が第1のノズル群となり、記録ヘッド#5が第2のノズル群となる。むろん、記録ヘッド#5を第1のノズル群とし、記録ヘッド#1を第2のノズル群としてもよい。また、シアン(C)に着目する場合も、記録ヘッド#1,#5の一方が第1のノズル群となり、他方が第2のノズル群となる。ライトブラック(Lk)に着目する場合には、記録ヘッド#2,#4の一方が第1のノズル群となり、他方が第2のノズル群となる。各ノズル25がヘッド部HE1の中心を基準として点対称に配置されることにより、キャリッジ21の往動時と復動時の双方で印刷を行う双方向印刷(Bi−d印刷)時に吐出される流体FL1の色の順番が同じとなる。これにより、往動時と復動時とで色が違ってしまうという色むらが抑制され、良好な画質の印刷結果が得られる。
キャリッジ21は、図4に例示する相対移動手段U41により主走査方向へ往復駆動される。この相対移動手段U41は、複数のノズル25を設けたヘッド部HE1と記録媒体SLとを相対移動させることになる。
流体吐出装置(11)は、図1(d)及び図5(a)に例示するラスターデータDA1に従って複数のノズル25から流体FL1を吐出する。ラスターデータDA1には、主画素データDA11と調整画素データDA12とが設けられている。主画素データDA11は、記録媒体SLへのドットDT1の形成状態を画素(PX1)毎に表すデータである。調整画素データDA12は、ラスターデータDA1の中で主画素データDA11の相対移動方向DR1に相当する位置を調整するための調整画素PX2を表すデータである。
図1(c)に例示するように、上記流体吐出装置(11)のためのドット形成位置調整装置10は、ノズル群タイミング設定部U1、調整画素設定部U2、タイミング制御手段U3、を備えている。ドット形成位置調整装置10は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働した具体的手段により構成されてもよいし、基本的にソフトウェアがコンピューターに読み込まれた具体的手段により構成されてもよいし、ASIC(Application Specific IC;特定用途向け集積回路)といった集積回路など基本的にハードウェア資源で構成されてもよい。
ノズル群タイミング設定部U1は、相対移動方向DR1における基準位置(第一基準パターンSP1)に対して記録ヘッド23で形成されるドットDT1の位置ずれGA1を補償するための吐出タイミング(タイミング調整データDA8)を設定している。図1(a),(c)の例におけるノズル群タイミング設定部U1は、記録ヘッド#H毎に、二以上の記録ヘッド23に含まれる同じ色の流体FL1を吐出するノズル25で形成されるドットDT1の相対移動方向DR1における位置ずれGA1を補償するための吐出タイミング(DA8)が設定される。タイミング調整データDA8は、上記「PTS調整」のための設定データに相当する。
調整画素設定部U2は、上記設定された吐出タイミング(DA8)において記録ヘッド23を構成するノズル25で形成されるドットDT1の相対移動方向DR1における位置ずれGA3を補償するための調整画素PX2の配分(配分データDA9)を設定している。図1(a)〜(d)における調整画素設定部U2は、ノズル列#HA,#HB毎に、二以上の記録ヘッド23に含まれる同じ色の流体FL1を吐出するノズル25で形成されるドットDT1の相対移動方向DR1における位置ずれGA3を補償するための調整画素PX2の配分(DA9)が設定される。配分データDA9は、上記「画素ずらし」のための設定データに相当する。
タイミング制御手段U3は、上記ラスターデータDA1に対しては、調整画素データDA12を調整画素設定部U2で設定された配分(DA9)の調整画素PX2を表すデータとして調整済ラスターデータDA2を生成する。また、ノズル群タイミング設定部U1で設定された吐出タイミング(DA8)に合わせて調整済ラスターデータDA2に従い複数のノズル25から流体FL1を吐出する制御を行う。すなわち、上記「PTS調整」及び上記「画素ずらし」に相当する調整がタイミング制御手段U3により行われる。
近年の流体吐出装置の解像度は、2880dpi、1440dpi、720dpi、等とかなり高い。このため、記録媒体に形成されるドットの間隔は、8.8μm、18μm、35μm、等と非常に小さい。従って、ドットの形成位置の精度を向上させることが望まれる。
記録ヘッドが複数に分割されている場合、キャリッジに組み付けられた記録ヘッドの主走査方向の間隔が僅かにばらつき、ドットDT1の形成位置に誤差が生じることがある。むろん、記録ヘッド内のノズル列の間隔も僅かにばらつく。また、キャリッジに組み付けられた記録ヘッドが僅かに傾き、ドットDT1の形成位置に誤差が生じることがある。
ここで、図1(a)に例示するように、符号25a,25b,25c,25dをそれぞれ上記第一基準ノズル、上記第一調整対象ノズル、上記第二基準ノズル、上記第二調整対象ノズルとする。第一基準ノズル25aは、複数の記録ヘッド#Hのうち一の記録ヘッド(#Hsとする)における少なくとも一部のノズルとされる。第一調整対象ノズル25bは、複数の記録ヘッド#Hのうち前記一の記録ヘッド#Hsを除いた記録ヘッド(#Hrとする)における少なくとも一部のノズルとされる。前記一の記録ヘッド#Hsにおける少なくとも一部のノズルと、前記一の記録ヘッド#Hsを除いた記録ヘッド#Hrにおける少なくとも一部のノズルと、の一方が第二基準ノズル25cとされ、他方が第二調整対象ノズル25dとされる。図1(a)の例では#1Bが第二基準ノズル25cの列で#5Aが第二調整対象ノズル25dとされているものの、#5Aが第二基準ノズル25cの列で#1Bが第二調整対象ノズル25dとされてもよい。
また、図1(b)の符号SP1,RP1は、それぞれ上記第一基準パターン(基準位置)、上記第一調整用パターンを例示している。相対移動方向DR1において#1Aの第一基準ノズル25aと#5Bの第一調整対象ノズル25bとで形成されるドットDT1の位置ずれをGA1、相対移動方向DR1において#1Bの第二基準ノズル25cと#5Aの第二調整対象ノズル25dとで形成されるドットDT1の位置ずれをGA2とする。上述したように、ヘッドの間隔、特性、傾き、等に僅かな誤差があるため、GA1とGA2は同じになるとは限らない。
記録ヘッド#H単位でしか流体FL1の吐出タイミングを変えることができない場合、図1(c)に示すようにノズル列#1A,#5Bによるドットの位置ずれGA1を補償するように吐出タイミングを設定するものとする。この場合、ノズル列#1B,#5Aによるドットの位置ずれGA3が生じることがある。例えば、位置ずれGA2をGA1だけ補償すれば、理論上、GA3=GA2−GA1となり、GA1とGA2が異なればノズル列#1B,#5Aによるドットの位置ずれGA3が生じる。
なお、上記補償は、ドットの位置ずれGA1を完全に無くすことのみならず、ドットの位置ずれGA1を少なくすることが含まれる。例えば、2880dpi相当の8.8μm単位で吐出タイミングを調整することができる場合、±4.4μmのごく僅かな誤差が生じ得る。しかし、吐出タイミングで合わせることのできないノズル列#1B,#5Aによるドットの位置ずれGA3は、±4.4μmのごく僅かな誤差よりも大きくなり得る。
そこで、第一基準ノズル25aと第一調整対象ノズル25bとによるドットの形成位置を合わせる吐出タイミングにおいて、第二基準ノズル25cと第二調整対象ノズル25dとで形成されるドットの相対移動方向DR1における位置ずれGA3を補償するように調整画素PX2の配分を変えることにしている。図1(c)の符号SP2,RP2は、それぞれ上記第二基準パターン、上記第二調整用パターンを例示している。
調整画素PX2の配分による補償は、ドットの位置ずれGA3を完全に無くすことのみならず、ドットの位置ずれGA3を少なくすることが含まれる。例えば、2880dpi相当の8.8μm単位よりは大きいものの、720dpi相当の35μm単位で吐出タイミングを調整することができる場合、±17.5μmの誤差が生じ得る。しかし、位置ずれGA3が±17.5μmを超える場合、調整画素PX2の配分によりドット位置の誤差を±17.5μm以内に調整することができるのである。従って、本ドット形成位置調整は、記録ヘッド#H単位の吐出タイミング調整しか行わない場合と比べて、ドットの位置精度が向上する。
また、調整画素PX2の配分調整しか行わない場合、第一基準ノズル25aと第一調整対象ノズル25bとによるドット位置にも±17.5μmの誤差が生じ得る。従って、本ドット形成位置調整は、調整画素PX2の配分調整しか行わない場合と比べても、ドットの位置精度が向上する。
以上より、ヘッド部HE1の相対移動方向DR1において含まれる複数の記録ヘッド23が相対移動方向DR1において複数のノズル25を有する流体吐出装置により形成されるドットDT1の相対移動方向DR1への位置精度が向上する。
図2(a)〜(c)は、別のドット形成位置調整の概念を模式的に例示している。
本ドット形成位置調整は、ノズル群(23)単位でドットDT1の位置ずれを補償しきれなくても、ラスターデータDA1中の主画素データDA11の相対移動方向DR1に相当する位置を調整することによりドットDT1の位置ずれを補償することを一つの特徴とする。図2(a)の例は、ノズル列#1A,#1Bのノズルが第一基準ノズル25aとされ、ノズル列#5A,#5Bのノズルが第一調整対象ノズル25bとされている。符号SP1,RP1は、それぞれ上記第一基準パターン(基準位置)、上記第一調整用パターンを例示している。相対移動方向DR1において、ノズル列#1A,#5Bで形成されるドットの位置ずれをGA1、ノズル列#1B,#5Aで形成されるドットの位置ずれをGA2とする。
GA1とGA2が異なる場合、平均をとって(GA1+GA2)/2だけ位置ずれを補償しても、理論上、(GA2−GA1)/2の位置ずれが生じる。そこで、#1A,#1Bの第一基準ノズル25aと#5A,#5Bの第一調整対象ノズル25bとで形成されるドットの相対移動方向DR1における位置ずれGA4,GA5を補償するように調整画素PX2の配分を変えてもよい。実際には、ドットの位置精度を向上させるため、ノズル列#1A,#5Bで形成されるドットの位置ずれGA1を画素単位の位置ずれGA4となるように補償すれば、図2(c)に例示するように、調整画素PX2の配分を調整することによってノズル列#1A,#5Bで形成されるドットの位置を非常に精度良く合わせたうえでノズル列#1B,#5Aで形成されるドットの位置も精度良く合わせることができる。むろん、ノズル列#1B,#5Aで形成されるドットの位置ずれGA1を画素単位の位置ずれGA5となるように補償してもよい。
(2)第一実施形態:
次に、図3〜14を参照して、本技術をインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態を説明する。
図3に示す本実施形態のプリンター(流体吐出装置)11は、シリアルタイプのインクジェット式の記録装置とされている。プリンター11は、長尺状のシートとされた印刷用紙である記録媒体SLが巻回されたロールRSから記録媒体SLを少しずつ送り出し搬送する搬送装置12を備えている。
第1のモーター13により軸部材14が所定方向に回転駆動することで、ロールRSから長尺状の記録媒体SLが搬送経路に沿って送り出される。搬送装置12は、ロールRSからシート状の記録媒体SLを少しずつ送り出すための送出し部15と、この送出し部15の搬送方向下流側に配置される搬送ローラー対16とを備えている。送出し部15は、第2のモーター18が駆動されることによって送出しローラー17aが回転しかつ従動ローラー17bが従動回転することにより、記録媒体SLを搬送方向下流側へ送り出す。
搬送ローラー対16は、搬送モーター19の駆動によって搬送ローラー16aが回転しかつ従動ローラー16bが従動回転することにより、記録媒体SLを搬送方向下流側へ搬送する。
また、長尺状の記録媒体SLの搬送方向Y(「副走査方向」ともいう)における中途位置には、記録媒体SLに対して記録を施す記録ユニット20が設けられている。搬送方向Yは、主走査方向Xと直交する副走査方向であり、相対移動方向DR1と交わる方向DR2である。記録ユニット20には、キャリッジ21がガイド軸22に案内されて主走査方向Xに往復移動可能な状態で設けられている。キャリッジ21は記録媒体SLと対向する部分に、複数の記録部の一例として複数の記録ヘッド(ノズル群)23を有している。この記録ヘッド23には、プリンター11に着脱自在に装着された図示しないインクカートリッジからインク(流体FL1)が供給される。キャリッジモーター24が正逆転駆動されることによってキャリッジ21は主走査方向Xに往復移動し、この移動途中で記録ヘッド23内の駆動素子PE1が駆動されることで各ノズル25から記録媒体SLの表面(図3では上面)に向けてインク滴が噴射される。ガイド軸22とキャリッジモーター24は、相対移動手段U41を構成する。
そして、キャリッジ21と共に記録ヘッド23が主走査方向Xに1回(1パス)移動して行われる1行分の印刷動作と、記録媒体SLを次行の記録位置まで搬送する搬送装置12による搬送動作とが略交互に行われることにより、記録媒体SLの表面に印刷が施される。本実施形態では、記録媒体SLには例えば写真などの印刷画像が印刷される。なお、記録ヘッド23と記録媒体SLを挟んで対向する位置には、記録媒体SLを支持する支持部材26が記録媒体SLの幅方向(主走査方向X)に沿って延びるように設けられている。
また、記録ユニット20の搬送方向下流側(図3では左側)の切断位置では、切断用モーター32からの駆動力により切断ユニット30のカッター31が記録媒体SLの幅方向(主走査方向X)へ移動することにより、長尺状の記録媒体SLから記録済み部分が切り離される。また、切断ユニット30の搬送方向下流側には、記録媒体SLから切り離されたカットシートSCを搬送方向最下流へ排出する排出ユニット34が設けられている。
排出ユニット34は、搬送方向Yに沿って配置される複数の排出ローラー対35,36を備えている。排出用モーター37が駆動されると、記録済みのカットシートSCを搬送方向に沿った二位置で挟持しつつローラー35a,35bとローラー36a,36bとがそれぞれ回転し、カットシートSCは搬送方向下流側へ排出され、排出トレイ38に積層状態に収容される。なお、搬送ローラー対16よりも搬送方向Yにおける上流側位置には、記録媒体SLの先端を検出するための検出センサー39が設けられている。この検出センサー39からの検出信号は、プリンター11を制御するコントローラー40に出力され、記録媒体SLの搬送位置制御などに用いられる。
図1(a)に示したように、キャリッジ21の底面には、主走査方向X(相対移動方向DR1)の異なる複数の位置にそれぞれ記録ヘッド23が組み付けられている。同じ記録ヘッドの2列のノズル列#HA,#HBは、副走査方向(DR2)へ互いに半ピッチ(k/2)ずれ、各ノズル25がいわゆる千鳥状に配置されている。
プリンター11の印刷解像度はかなり高いため、ノズル25から噴射されたインク滴により形成されるドットDT1の間隔は非常に小さい。このため、複数の記録ヘッド23を主走査方向Xに位置精度よく組付ける必要があるが、取付け位置のばらつきにより必要な印刷精度が確保できる組付位置精度で組み付けることは困難となっている。
図4は、搬送装置12及びその駆動制御系を省略してプリンター11の内部構成の概略を示している。以下、プリンター11の電気的構成について説明する。
プリンター11は、その内部にコントローラー40を備えている。このコントローラー40は、I/F(インターフェイス)部41を介してホスト装置HCのプリンタードライバーPDから印刷データを受信する。
コントローラー40は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリー及びRAM(Random Access Memory)を有している。ROMには、各種制御プログラム及び各種データなどが記憶されている。不揮発性メモリーには、ファームウェアプログラムを始めとする各種プログラム及び印刷処理に必要な各種データなどが記憶されている。RAMは、CPUの演算結果等を一時的に記憶する他、ホスト装置HCから受信した印刷データ、印刷データの処理途中及び処理後のデータなどを格納するバッファーとして用いられる。
コントローラー40は、I/F部41の他、受信バッファー42、コマンド解析部43、画像処理部44、制御部45、イメージバッファー46、不揮発性メモリー47、印刷タイミング信号生成回路48、ヘッド駆動部49、キャリッジ駆動部50、搬送駆動部51などを備えている。また、プリンター11には、ユーザーが入力操作を行うための操作部53が設けられ、操作部53の操作による入力値はI/F部41を介して制御部45に入力される。なお、コマンド解析部43、画像処理部44及び制御部45は、ROMに記憶された制御プログラムを実行するCPU(ソフトウェア)とASIC(ハードウェア)の少なくとも一方により実現されている。もちろん、各部43〜45は、ソフトウェアとハードウェアの協働により構築される以外に、ソフトウェアだけで構成されたり、ハードウェアだけで構成されたりしてもよい。また、受信バッファー42及びイメージバッファー46はRAMにより構成されている。
キャリッジ21は、キャリッジモーター24の駆動軸に連結された駆動用のプーリー55と従動用のプーリー56に巻き掛けられたタイミングベルト57の一部と固定されている。キャリッジモーター24が正逆転駆動されることにより、キャリッジ21は、正転・逆転するタイミングベルト57を介して主走査方向Xに往復移動する。キャリッジ21の移動経路の背面側の位置には、キャリッジ21の移動位置(キャリッジ位置)を検出するためのリニアエンコーダー58が設けられている。
リニアエンコーダー58は、一定ピッチ(例えば1/180インチ=1/180×2.54cm)毎に多数のスリットが形成されたテープ状の符号板58aと、キャリッジ21に設けられた発光素子と受光素子とを有するセンサー58bとを有している。キャリッジ21が移動するときに発光素子から出射されて符号スリットを透過した光を受光素子が受光することで、センサー58bが検出パルスを出力する。コントローラー40は、リニアエンコーダー58から入力した検出パルス(A相とB相の90度位相のずれた2つのパルス)の例えばパルスエッジを計数するCR位置カウンター(図示せず)を内蔵している。そして、そのCR位置カウンターの計数値をキャリッジが反ホーム位置側へ移動するときにインクリメントし、ホーム位置側へ移動するときにデクリメントすることで、ホーム位置HPを原点とするキャリッジ21の位置を把握する。
プリンタードライバーPDは、モニター表示用の表色系(例えばRGB表色系)の画像データに対し、公知の色変換処理、解像度変換処理、ハーフトーン処理及びラスタライズ処理などを行って印刷データを生成する。この印刷データには、制御コマンドや印刷画像データが含まれる。
ヘッダーに記述された上記制御コマンドは、印刷条件データ及び上記印刷画像データに基づいて作成されたもので、給紙動作、紙送り動作、排紙動作等の搬送系コマンドや、キャリッジ動作及び記録ヘッド動作(記録動作)等の印字系コマンドなどの各種コマンドからなる。本例の場合、印刷条件の1つとして複数種用意された印刷モードのうち1つを選択すると、その選択された印刷モードに応じて、「双方向印刷」又は「一方向印刷」が選択される。
受信バッファー42は、I/F部41を介して受信された印刷データが一時格納される記憶領域(格納領域)である。コマンド解析部43は、受信バッファー42から印刷データのヘッダーを読み出してその中の制御コマンド等を取得し、プリンター記述言語で記述された制御コマンドを解析する。コマンド解析結果は制御部45のヘッド制御部63、キャリッジ制御部64及び搬送制御部65に送られる。
画像処理部44は、ラスターデータDA1を含む上記印刷画像データを受信バッファー42から一行分(主走査ライン)ずつ読み出し、所定の画像処理を行い、画像処理後のヘッドイメージデータをイメージバッファー46に格納する。本画像処理部44は、配分データDA9で表される調整画素配分の情報を制御部45から入力し、ラスターデータDA1の調整画素データDA12を前記調整画素配分(DA9)の調整画素PX2を表すデータとして調整済ラスターデータDA2を生成する。
制御部45は、調整部61、指示部62、ヘッド制御部63、キャリッジ制御部64及び搬送制御部65を備えている。
調整部61は、操作部53から入力される情報に基づいて吐出タイミング及び調整画素配分の調整値を取得する。調整部61は、吐出タイミング及び調整画素配分を決定するうえで必要な各種の演算を行うための演算部67を有している。指示部62は、各記録ヘッド23の吐出タイミングを個別に調整する。これにより、制御部45は、各記録ヘッド23の吐出タイミングの組合せを少しずつ変化させて図8(a)に例示する調整用チャートCT1を印刷するための処理を行う。ヘッド制御部63は、コマンド解析部43からのコマンド解析結果に従ってヘッド駆動部49を制御する。キャリッジ制御部64は、リニアエンコーダー58から入力されるA相・B相の二相のエンコーダーパルス信号ESの位相差に基づきキャリッジ21の移動方向を認識する。キャリッジ制御部64は、エンコーダーパルス信号ESのエッジを検出する度に、キャリッジ用のカウンターを往動時にインクリメント、復動時にデクリメントすることにより、キャリッジ21の原点位置(例えばホームポジション)からの移動位置を検出する。このキャリッジ21の主走査方向Xにおける位置は、キャリッジモーター24の速度制御に用いられる。搬送制御部65は、コマンド解析部43からのコマンド解析結果に従って、記録媒体SLを搬送駆動する搬送駆動部51を制御する。
不揮発性メモリー47には、チャート印刷用データCP、タイミング調整データDA8、配分データDA9、等が記憶されている。不揮発性メモリーには、フラッシュメモリーといった不揮発性メモリー、ハードディスクといった磁気ディスク、等を用いることができる。
チャート印刷用データCPは、図8(a),(b)に例示する調整用チャートCT1,CT2を形成するための印刷データである。吐出タイミング調整用の調整用チャートCT1を形成する印刷データのラスターデータは、図5(c)の中段に例示するように調整画素PX2を基準配分AL1とした基準ラスターデータDA3とされる。調整画素配分用の調整用チャートCT2を形成する印刷データのラスターデータは、図5(c)の上段から下段までに例示するように相対移動方向DR1へ主画素PX1を1画素ずつずらした調整用ラスターデータDA4とされる。
タイミング調整データDA8は、相対移動方向DR1における基準位置(図8の第一基準パターンSP1)に対して記録ヘッド23で形成されるドットDT1の位置ずれを補償するための吐出タイミングの設定が表されたデータである。図6(a)に例示するタイミング調整データDA8は、キャリッジ21の往動時と復動時とで記録ヘッド#H毎に調整値を有している。本タイミング調整データDA8は、ヘッド#1を基準ヘッドとしているため、ヘッド#1の調整値が0とされている。むろん、基準ヘッドの調整値は、0以外でもよい。
配分データDA9は、タイミング調整データDA8で表される吐出タイミングにおいて記録ヘッド#Hを構成するノズル列#HA,#HBで形成されるドットDT1の相対移動方向DR1における位置ずれを補償するための調整画素配分の設定が表されたデータである。図6(b)に例示する配分データDA9は、キャリッジ21の往動時と復動時とでノズル列#1B,#2B,#3B,#4A,#5Aについて調整値を有している。本配分データDA9は、ノズル列#1Bを基準ノズル列としているため、ノズル列#1Bの調整値が0とされている。むろん、基準ノズル列の調整値は、0以外でもよい。また、図6(c)に例示するように、全ノズル列#HA,#HBのぞれぞれについて調整値が設けられてもよい。
次に、図5(a)〜(c)を参照して、上記調整画素配分によるドット形成位置調整について、説明する。図5(a)に示すラスターデータDA1は、主走査方向(相対移動方向DR1)において主画素データDA11の両側に調整画素データDA12が配置され、これらのデータが副走査方向(DR2)に並んだ構造とされている。主画素データDA11を構成する主画素PX1には、記録媒体SLへのドットDT1の形成状態を表すデータが格納される。調整画素データDA12を構成する調整画素PX2は、例えば、主画素PX1の主走査方向の位置を調整するために用いられるドットを形成しない画素とすることができる。むろん、調整画素PX2はラスターデータDA1の中で主画素データDA11の相対移動方向DR1に相当する位置を調整するための画素であればよいため、画質調整インクといった無着色等のドットを形成する画素でもよい。
図5(b)は、流体吐出装置(11)により記録媒体SL上に形成される画素PX1,PX2の様子を模式的に例示している。記録媒体SLの主走査方向(DR1)の中央部には主画素PX1が配列され、その両端には調整画素PX2が配列される。主画素PX1上には、プリンタードライバーPDから受け取った画像を再現するためのドットが形成される。このため、主画素PX1は、主走査方向(DR1)及び副走査方向(DR2)の二次元的に配列され、二次元画像データを構成する。調整画素PX2は、ドットの形成位置のずれに応じて画像の形成位置を主走査方向に調整するために使用される。
図5(c)は、調整画素配分を調整することによりドットDT1の形成位置のずれを補償する様子を模式的に例示している。例えば、本来の画素よりも左側にずれてドットが形成される場合を考える。5番目の画素にドットを形成するためのタイミングでインク(流体FL1)を吐出した場合に4番目の画素にずれてドットDT1が形成される場合を考える。この場合、ラスターデータDA1を調整し、6番目の画素にドットDT1を形成するためのタイミングでインクを吐出する。すると、5番目の画素にドットが形成される。つまり、ずれ量を考慮してラスターデータを調整することにより、本来形成されるべき画素にドットを形成することができる。調整画素の配分設定は、かかる原理によって、ドットの形成位置のずれを補償するために行われる。
図5(c)の番号1〜9を付した画素は、主画素PX1である。図5(c)の中段には、調整画素PX2を両端にそれぞれ3つずつ設けたラスターデータDA1を示している。該ラスターデータDA1における5番目の主画素PX1の黒丸は、5番目の主画素PX1にドットDT1を形成することを意味している。ドットDT1の形成位置が左側に1画素分ずれて形成される特性を有しているノズル25に対しては、本来5番目の主画素PX1に形成されるべきドットDT1を一つ右の画素に形成するようにラスターデータDA1を変更すればよい。この場合の調整済ラスターデータDA2を図5(c)の上段に示している。該調整済ラスターデータDA2は、全体が右側に1画素分シフトした状態、すなわち、本来両側に3画素ずつ配分される調整画素PX2の配分を、左側に4画素、右側に2画素に変更した状態とされている。一方、ドットDT1の形成位置が右側に1画素分ずれて形成される特性を有しているノズル25に対しては、本来5番目の主画素PX1に形成されるべきドットDT1を一つ左の画素に形成するようにラスターデータDA1を変更すればよい。かかる調整済ラスターデータDA2に基づいて印刷を実行すれば、本来形成されるべき位置にドットDT1が形成されることになる。
調整画素PX2の配分は、図6(b),(c)に示す配分データDA9として設定される。図6(b)の配分データDA9は、吐出タイミング調整によってノズル列#1A,#2A,#3A,#4B,#5Bの吐出タイミングが互いに調整されることを前提として、ノズル列#1B,#2B,#3B,#4A,#5Aについて調整値を有している。6(c)の配分データDA9は、ヘッド#H単位の吐出タイミング調整が行われる前提において、全てのノズル列#HA,#HBについて調整値を有している。むろん、単方向印刷のようにヘッド部HE1の一方の主走査でのみインクを吐出する場合、復動時の調整値は無くてもよい。
次に、図7に示す印刷タイミング信号生成回路48の構成を説明する。印刷タイミング信号生成回路48は、例えばASIC内に設けられ、リニアエンコーダー58から入力したエンコーダーパルス信号ESを基に印刷タイミング信号PTSを生成する。
印刷タイミング信号生成回路48は、エッジ検出回路71、内部タイミング信号生成回路72、ディレイ信号生成回路73、内部パルス計数回路74、ディレイカウンター75、ディレイ設定値用レジスター76、出力パルス制御回路77、等を備えている。
エッジ検出回路71は、リニアエンコーダー58のセンサー58bから入力されるエンコーダーパルス信号ESの立ち上がりエッジを検出する度にパルスを発生させることで基準パルス信号RS1を生成する。この基準パルス信号RS1は、内部タイミング信号生成回路72、ディレイ信号生成回路73、内部パルス計数回路74に入力される。
印刷タイミング信号生成回路48が行う信号生成処理には、基準パルス信号RS1の周期を分割(逓倍)してその1周期を複数分割した周期のパルスを発生させる周期分割処理(逓倍処理)と、周期分割処理で得られたパルス信号をキャリッジ21の移動速度及び移動方向(往動と復動の違い)などに応じて決定されるディレイ時間だけ遅延させて印刷タイミング信号を生成する遅延処理とが含まれる。
内部タイミング信号生成回路72には、エッジ検出回路71から基準パルス信号RS1が入力されると共に、クロック回路78からクロック信号CKが入力される。こうした内部タイミング信号生成回路72は、基準パルス信号RS1の周期を16分割する周期分割処理を行って周期(1/16)のパルスを有する内部タイミング信号TS1を生成する。そして、内部タイミング信号生成回路72は、生成した内部タイミング信号TS1をディレイ信号生成回路73及び内部パルス計数回路74に出力する。
ディレイ信号生成回路73には、エッジ検出回路71から基準パルス信号RS1が入力されると共に、クロック回路78からクロック信号CKが入力され、さらに内部タイミング信号生成回路72から内部タイミング信号TS1が入力される。こうしたディレイ信号生成回路73は、内部タイミング信号TS1の周期の1/128周期のパルスを有するディレイ信号DS1を、基準パルス信号RS1の周期を分割する周期分割処理を行って生成する。そして、ディレイ信号生成回路73は、生成したディレイ信号DS1をディレイカウンター75に出力する。
内部パルス計数回路74には、エッジ検出回路71から基準パルス信号RS1が入力されると共に、内部タイミング信号生成回路72から内部タイミング信号TS1が入力される。こうした内部パルス計数回路74は、内部タイミング信号TS1のパルスを計数し、その計数結果が「15」になる度、及び基準パルス信号RS1のパルスを入力した場合に、パルスが発生する新たな内部タイミング信号TS2を出力する。そして、内部パルス計数回路74は、基準パルス信号RS1のパルス入力によりリセットされた場合に、次の周期の1回目の内部タイミング信号TS2のパルスを出力する。こうして、内部パルス計数回路74は、基準パルス信号RS1の1周期の間に16個のパルスが含まれる内部タイミング信号TS2を出力する。この内部タイミング信号TS2は、インク滴を吐出する吐出タイミング(駆動タイミング)を決定する基準信号として用いられ、ディレイカウンター75へ出力される。
ディレイカウンター75には、内部パルス計数回路74から内部タイミング信号(基準信号)TS2が入力されると共に、ディレイ信号生成回路73からディレイ信号DS1が入力される。ディレイカウンター75は、ディレイ設定値用レジスター76に記憶されるディレイ設定値Dcに基づき内部タイミング信号TS2をディレイ時間だけ遅らせて出力する機能を有している。ディレイ設定値Dcの最小単位は、調整済ラスターデータDA2を構成する画素PX1,PX2の相対移動方向DR1におけるピッチx(図12参照)よりも小さくされている。従って、ディレイカウンター75は、画素のピッチxよりも小さい単位で相対移動方向DR1におけるドットDT1の形成位置を調整させるように内部タイミング信号TS2を遅らせる。
ディレイ設定値Dcは、図6(a)に示すタイミング調整データDA8に基づく。単方向印刷のようにヘッド部HE1の一方の主走査でのみインクを吐出する場合、復動時の調整値は無くてもよい。ディレイ設定値Dcは、記録ヘッド23毎に設けられる。
出力パルス制御回路77は、予備タイミング信号PSのパルス1個につきパルス1個の割合で印刷タイミング信号PTSを出力する。この印刷タイミング信号PTSは、出力パルス制御回路77に電気的に接続されたヘッド駆動部49に出力される。
本ヘッド駆動部49は、内部の駆動信号生成回路により3種類の吐出波形パルスを生成する。ここで、電圧差の最も大きい吐出波形パルスが大ドットのインク滴を吐出するための電圧パルスであり、電圧差の最も小さい吐出波形パルスが小ドットのインク滴を吐出するための電圧パルスであり、中間の電圧差の吐出波形パルスが中ドットのインク滴を吐出するための電圧パルスである。大中小ドット及びドット無しを表す4階調の値として、例えば、階調値「0」、「1」、「2」、「3」をそれぞれ「ドット無し」、「小ドット」、「中ドット」、「大ドット」に対応付けることができる。むろん、ヘッド駆動部には、3種類以外、すなわち、1種類、2種類、又は、4種類以上の吐出波形パルスを生成するものも使用可能である。ヘッド駆動部49は、入力される階調値データに基づいて3種類の吐出波形パルスのうち階調値に応じた所定の少なくとも1つを選択して印刷タイミング信号PTSに基づいたタイミングでその選択された吐出波形パルスを記録ヘッド23内の各圧電素子に印加する。この結果、各圧電素子のうち階調値データで非吐出の値以外の値をとる画素を打つノズルに対応する圧電素子には吐出波形パルス(駆動電圧)が印加され、その圧電素子に対応するノズルからインク滴が噴射される。本実施形態の印刷タイミング信号生成回路48は、図7に示す構成の回路部が記録ヘッド23毎に設けられている。従って、記録ヘッド23毎に吐出タイミングを設定することができる。
図8(a)は、各記録ヘッド23の相対移動方向DR1における吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT1を示している。調整用チャートCT1は、第一基準パターンSP1と第一調整用パターンRP1の組合せPG1が複数、記録媒体SLに記録されて構成される。一例として、各ヘッド#Hを代表するノズル列#1A,#2A,#3A,#4B,#5B同士でノズル列#1Aを基準として吐出タイミングを合わせる場合を考える。むろん、各ヘッド#Hを代表するノズル列は、種々の組合せが可能である。
上記の例の場合、例えば、#1Aのノズルを第一基準ノズル25aとし、#2A,#3A,#4B,#5Bのノズルを第一調整対象ノズル25bとして、ノズル列#1A,#2Aによる調整用チャートCT1、ノズル列#1A,#3Aによる調整用チャートCT1、ノズル列#1A,#4Bによる調整用チャートCT1、ノズル列#1A,#5Bによる調整用チャートCT1、の4種類を形成すればよい。それぞれの調整用チャートCT1において、複数組のパターン(PG1)のうち最適な一組のパターンに対応する数値(調整値)を操作部53からプリンター11に操作入力すると、入力された数値に対応するディレイ値が設定され、ヘッド#H間の吐出タイミングが調整される。ここで、入力される数値は、基準パルスからのディレイパルス数に対応する数値である。
図8(a)の例では、調整値「0」を中心として調整値を「−10,−8,−6,−4,−2,−1,0,1,2,4,6,8,10」の13種類で変化させている。調整値「0」の第一調整用パターンRP1は、基準吐出タイミングTM1で第一調整対象ノズル25bからインクを吐出することにより形成される。調整値「0」以外の第一調整用パターンRP1は、基準吐出タイミングTM1を基準として異ならせた調整用吐出タイミングTM2で第一調整対象ノズル25bからインクを吐出することにより形成される。図8(a)の例のように調整用チャートCT1が印刷された場合、数値「2」のときのパターンがドットDT1を最適位置に印刷できるパターンである。
なお、異なる記録ヘッド23の同じ色のノズル列について主走査方向(DR1)の位置合わせを重視する場合、ノズル列#1A,#5B間、ノズル列#2A,#4B間、ノズル列#1A,#2A間、ノズル列#1A,#3A間、のそれぞれについて調整用チャートCT1を形成してもよい。ここで、ノズル列#1Aに対するノズル列#5Bの吐出タイミングの調整量をh15、ノズル列#2Aに対するノズル列#4Bの吐出タイミングの調整量をh24、ノズル列#1Aに対するノズル列#2Aの吐出タイミングの調整量をh12、ノズル列#1Aに対するノズル列#3Aの吐出タイミングの調整量をh13、とする。ノズル列#1Aに対するノズル列#4Bの吐出タイミングの調整量h14は、h12+h24となる。従って、例えばノズル列#1Aを基準としてノズル列#2A,#3A,#4B,#5Bの調整量をぞれぞれh12,h13,h14,h15とすることができる。
図8(b)は、調整画素配分を調整するための調整用チャートCT2を示している。調整用チャートCT2は、第二基準パターンSP2と第二調整用パターンRP2の組合せPG2が複数、記録媒体SLに記録されて構成される。一例として、ノズル列#1A,#2A,#3A,#4B,#5Bの吐出タイミングが互いに調整されることを前提として、ノズル列#1B,#2B,#3B,#4A,#5A同士でノズル列#1Bを基準として調整画素配分を調整する場合を考える。むろん、調整画素配分を調整するノズル列は、各ヘッド#Hを代表するノズル列に応じて種々の組合せが可能である。また、図6(c)に示すように、全ノズル列同士で調整画素配分を調整してもよい。
上記の例の場合、例えば、#1Bのノズルを第二基準ノズル25cとし、#2B,#3B,#4A,#5Aのノズルを第二調整対象ノズル25dとして、ノズル列#1B,#2Bによる調整用チャートCT2、ノズル列#1B,#3Bによる調整用チャートCT2、ノズル列#1B,#4Aによる調整用チャートCT2、ノズル列#1B,#5Aによる調整用チャートCT2、の4種類を形成すればよい。それぞれの調整用チャートCT2において、複数組のパターン(PG2)のうち最適な一組のパターンに対応する数値(調整値)を操作部53からプリンター11に操作入力すると、画像処理部44に対する調整画素配分が設定され、ノズル列#1B,#2B,#3B,#4A,#5A同士のドットの位置ずれが画素単位で補償される。ここで、入力される数値は、調整画素配分に対応する数値である。
図8(b)の例では、調整値「0」を中心として調整値を「−2,−1,0,1,2」の5種類で変化させている。調整値「0」の第二調整用パターンRP2は、調整画素PX2の調整用配分AL2を基準配分AL1とした調整用ラスターデータDA4に従い第二調整対象ノズル25dからインクを吐出することにより形成される。調整値「0」以外の第二調整用パターンRP2は、調整画素の基準配分AL1を基準として主走査方向への調整画素PX2を配分した調整用ラスターデータDA4に従い第二調整対象ノズル25dからインクを吐出することにより形成される。調整用配分AL2は、基準配分AL1を基準とした配分である。図8(b)の例のように調整用チャートCT2が印刷された場合、数値「0」のときのパターンがドットDT1を最適位置に印刷できるパターンである。
ここでも、異なる記録ヘッド23の同じ色のノズル列について主走査方向(DR1)の位置合わせを重視する場合、ノズル列#1B,#5A間、ノズル列#2B,#4A間、ノズル列#1B,#2B間、ノズル列#1B,#3B間、のそれぞれについて調整用チャートCT2を形成してもよい。むろん、ノズル列#1Bに対するノズル列#5Aの調整画素配分の調整量をg15、ノズル列#2Bに対するノズル列#4Aの調整画素配分の調整量をg24、ノズル列#1Bに対するノズル列#2Bの調整画素配分の調整量をg12、ノズル列#1Bに対するノズル列#3Bの調整画素配分の調整量をg13、として、ノズル列#1Bに対するノズル列#4Aの調整画素配分の調整量g14は、g12+g24となる。従って、例えばノズル列#1Bを基準としてノズル列#2B,#3B,#4A,#5Aの調整量をぞれぞれg12,g13,g14,g15とすることができる。
調整用チャートCT1,CT2の印刷は、ユーザーによる操作部53の操作で調整用チャートの印刷実行指示を受け付けたとき、あるいはホスト装置HCの操作部の操作で調整用チャートの印刷実行指示を受け付けたプリンタードライバーPDからの印刷指示信号を受け付けたときに、制御部45が行う。
制御部45は、吐出タイミング調整用の調整用チャートCT1の印刷実行指示を受け付けると、画像処理部44に対する調整画素配分を基準配分AL1に設定する。そして、制御部45の指示部62は、不揮発性メモリー47に保存された吐出タイミング調整用のチャート印刷用データを画像処理部44に送るとともに、ヘッド制御部63、キャリッジ制御部64、搬送制御部65に指示して、該チャート印刷用データに基づく調整用チャートCT1の印刷動作を行わせる。このとき、画像処理部44は、送られてきたチャート印刷用データの画像処理を行う。画像処理を経て得られたヘッド制御データ、及び、基準配分AL1の調整画素PX2を有するラスターデータは、イメージバッファー46を介してヘッド駆動部49へ送られる。
制御部45は、調整画素配分調整用の調整用チャートCT2の印刷実行指示を受け付けると、図5(c)で示したように相対移動方向DR1へ主画素PX1を段階的にずらした調整用ラスターデータDA4からなるチャート印刷用データを画像処理部44に送るとともに、ヘッド制御部63、キャリッジ制御部64、搬送制御部65に指示して、該チャート印刷用データに基づく調整用チャートCT2の印刷動作を行わせる。このとき、画像処理部44は、送られてきたチャート印刷用データの画像処理を行う。画像処理を経て得られたヘッド制御データ、及び、調整用ラスターデータDA4は、イメージバッファー46を介してヘッド駆動部49へ送られる。
図9(a)〜(c)は、基準パターンSPと調整用パターンRPの相対位置関係を模式的に例示している。ここで、吐出タイミングを調整する場合、基準パターンSPは上記第一基準パターンSP1に相当し、調整用パターンRPは上記第一調整用パターンRP1に相当する。調整画素配分を調整する場合、基準パターンSPは上記第二基準パターンSP2に相当し、調整用パターンRPは上記第二調整用パターンRP2に相当する。一組のパターン(PG)は、例えば、基準の記録ヘッドのノズル列で記録される3本の基準パターンSPと、調整対象の記録ヘッドのノズル列で記録される2本の調整用パターンRPと、により構成される。3本の基準パターンSPは同じ長さで同じ幅の矩形パターンにより構成され、各基準パターンSPの主走査方向Xの間隔が調整用パターンRPの幅と等しくなっている。また、2本の調整用パターンRPはそれぞれ同じ長さで同じ幅の矩形パターンにより構成され、各調整用パターンRPの主走査方向Xの間隔が基準パターンSPの幅と等しくなっている。
図9(a)に示すように、ずれ無しの場合、基準パターンSPと調整用パターンRPが隣接して配置される。この状態が最適な印刷タイミングの条件となる。図9(b)に示すように、調整用パターンRPがマイナス側にずれた場合、調整用パターンRPはその左側部分(マイナス側部分)で左隣の基準パターンSPと一部重なり、その右側部分(プラス側部分)で右隣の基準パターンSPとの間に隙間が発生する。図9(c)に示すように、調整用パターンRPがプラス側にずれた場合、調整用パターンRPはその左側部分(マイナス側部分)で左隣の基準パターンSPとの間に隙間が発生し、その右側部分(プラス側部分)で右隣の基準パターンSPと一部重なる。そこで、基準パターンSPと調整用パターンRPとの間に隙間も重複もなく、きれいに隣接して配置されたパターンを探し、そのパターンに対応する数値(調整値)を入力すればよい。
図10(a)〜(d)は、調整用チャートを印刷するときの記録ヘッドの吐出タイミングを模式的に例示している。図10(a)は、基準パターンSPを印刷するときの吐出タイミングを示す。この図10(a)における基準の記録ヘッド(例えば#1)から所定吐出タイミングで噴射したインク滴の着弾位置を主走査方向Xの基準位置とする。このときの基準噴射タイミングを決めているディレイ設定値DcをDsとする(Dc=Ds)。図10(b)は、調整対象の記録ヘッド(例えば#5)で適正パターンが印刷されたときの吐出タイミングを示す。この場合、図9(a)に示すずれなしのパターンの組合せPGが印刷され、このときの基準吐出タイミングを決めているディレイ設定値Dc=Doが記録ヘッドの最適なディレイ設定値となる。
図10(c)は、調整対象の記録ヘッドでマイナス側にずれたパターンが印刷されるときの吐出タイミングを示す。この場合、図9(b)に示すマイナスずれのパターンの組合せPGが印刷され、ディレイ設定値DcはDoに対しマイナス側にずれて設定される(Dc=Do−d)。但し、dはずれ量である。図10(d)は、調整対象の記録ヘッドでプラス側にずれたパターンを印刷するときの吐出タイミングを示す。この場合、図9(c)に示すプラスずれのパターンの組合せPGが印刷され、ディレイ設定値Dcはディレイ設定値Doに対しプラス側にずれて設定される(Dc=Do+d)。
なお、キャリッジ21の往動時と復動時の双方で印刷を行う双方向印刷(Bi−d印刷)時に高い印刷品質を保証するためには、往動過程の着弾位置と復動過程の着弾位置とを一致させる必要がある。このため、往動過程の吐出タイミング、つまりディレイ設定値Dcを変化させたパターンを印刷し、復動過程の吐出タイミング、つまりディレイ設定値Dcを変化させたパターンを印刷する。そして、往動過程に印刷したパターンと、復動過程に印刷したパターンとの主走査方向の位置関係が最適な組合せのパターンを探し、そのパターンに対応する数値を入力する。Bi−d調整値の設定は、ある基準の記録ヘッド(例えば#1)を使って行われる。むろん、#1以外の記録ヘッドを使用してBi−d調整値を設定してもよい。
図11は、吐出タイミング調整用のチャートCT1を印刷するときに用いるチャート印刷用データの構成をキャリッジ21の走査(パス)ごとに分けて説明するものである。なお、3本の基準パターンを模式的に1つの矩形パターンで示し、2本の調整用パターンを模式的に1つの矩形パターンで示している。本実施形態では、チャート印刷に必要なパス数を低減するために、吐出タイミングの切り換えだけでなく、チャート印刷用データにおけるパターンの形成位置を工夫することにより、調整パターンを印刷するのに必要なキャリッジ21のパス数を低減させている。
図12は、記録画素を模式的に例示している。ディレイ設定値Dcの最小単位をΔdとしたときに、主走査方向Xに隣り合う画素PX3のピッチをxとして、x=10・Δdとする。この場合、調整用パターンRPの印刷位置を1画素ピッチx分だけマイナス方向にずらせば、ディレイ設定値Dc=Do(ずれ量0)の吐出タイミングで印刷しても、その印刷結果は、実質的にディレイ設定値Dc=−10の吐出タイミングで印刷したときの印刷位置と同じになる。従って、ディレイ調整量「−10」、「0」、「10」の調整用パターンRPを1パスで印刷できる。むろん、ディレイ調整量「−8」、「2」の調整用パターンRPを1パスで印刷でき、ディレイ調整量「−6」、「4」の調整用パターンRPを1パスで印刷できる。
以上より、例えば、1パス目に、基準の記録ヘッドを用いて所定のディレイ設定値Dc=Dsで基準パターンSPを印刷するとともに、調整対象の記録ヘッドを用いて「−10」、「0」、「10」の調整用パターンRPを印刷することができる。2パス目は、「−8」、「2」の調整用パターンRPを印刷することができる。3パス目は、「−6」、「4」の調整用パターンRPを印刷することができる。4パス目は、「−4」、「6」の調整用パターンを印刷することができる。5パス目は、「−2」、「8」の調整用パターンRPを印刷することができる。なお、6パス目は「−1」の調整用パターンを印刷し、7パス目は「1」の調整用パターンRPを印刷する。
図示を省略したが、調整画素配分調整用のチャートCT2も、同様にして形成することができる。上述したように設定された吐出タイミング(DA8)に合わせてインクを吐出することを前提として、例えば、1パス目に、主走査方向への調整画素PX2を基準配分AL1とする情報を制御部45から画像処理部44へ送り、該基準配分AL1とした基準ラスターデータDA3に従って第二基準ノズル25cからインクを吐出して記録媒体SLに第二基準パターンSP2を形成するとともに、基準配分AL1で調整画素PX2を配分した調整用ラスターデータDA4に従って第二調整対象ノズル25dからインクを吐出して記録媒体SLに「0」の第二調整用パターンRP2を形成する。2パス目は、基準配分AL1から主走査方向の往方向へ主画素PX1を1画素ずらして調整画素PX2を配分する情報を制御部45から画像処理部44へ送り、調整画素PX2を配分した調整用ラスターデータDA4に従って第二調整対象ノズル25dからインクを吐出して記録媒体SLに「1」の第二調整用パターンRP2を形成する。3パス目は、1+1=2画素ずらして調整画素PX2を配分する情報を制御部45から画像処理部44へ送り、「2」の第二調整用パターンRP2を形成する。4パス目は、基準配分AL1から主走査方向の復方向へ主画素PX1を1画素ずらして調整画素PX2を配分する情報を制御部45から画像処理部44へ送り、調整画素PX2を配分した調整用ラスターデータDA4に従って第二調整対象ノズル25dからインクを吐出して記録媒体SLに「−1」の第二調整用パターンRP2を形成する。5パス目は、1+1=2画素ずらして調整画素PX2を配分する情報を制御部45から画像処理部44へ送り、「−2」の第二調整用パターンRP2を形成する。
また、Bi−d印刷可能なプリンターの場合、調整用チャートCTは、往動用と復動用とでそれぞれ設けられる。往動用と復動用とでは、チャート印刷時のキャリッジ移動方向が逆方向になるだけであり、チャートそのものは基本的に同じである。
上述した調整作業は、例えば、プリンター製造過程の工程検査として、ユーザーがプリンター購入後に最初にプリンターを起動させたときの初期化処理の一つとして、或いはユーザーが定期的に行うメンテナンスの一つとして行われる。
なお、図1(a)に示すように、記録ヘッド23はノズル25毎に流体吐出用の駆動素子PE1を内蔵している。例えば、主画素PX1のドット値が「1」のときにヘッド駆動部49から駆動素子PE1に所定駆動波形の電圧が印加されてノズル25からインクが吐出し、主画素PX1のドット値が「0」のときに駆動素子PE1に電圧が印加されずノズル25からインクが吐出しない。駆動素子PE1には、ピエゾ素子といった圧電駆動素子、静電駆動素子、インクを加熱して膜沸騰による気泡(バブル)の圧力を利用してノズルから流体を吐出させるヒーター、等を用いることができる。
次に、図13に例示するフローチャートに従ってドット形成位置調整処理を説明する。この処理は、プリンターの制御部45が主体となって行い、例えば操作部53の操作により不図示の画面に表示されるメニューからヘッド調整項目が選択操作されたときに開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、ステップS102は第一基準パターン形成手段U11及び第一調整用パターン形成手段U12に対応し、ステップS104〜S110はタイミング設定受付手段U13に対応し、ステップS112は第二基準パターン形成手段U21及び第二調整用パターン形成手段U22に対応し、ステップS114〜S120は配分設定受付手段U23に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
ドット形成位置調整処理が開始すると、制御部45は、吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT1を記録する処理を行う(S102)。5個の記録ヘッド#Hで双方向印刷を行う場合、往動時における記録ヘッド#H間の吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT1を4種類形成し、復動時における記録ヘッド#H間の吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT1を4種類形成する。
図14(a)は、S102で行われる吐出タイミング調整用のチャート記録処理をフローチャートにより例示している。この処理も、制御部45が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。図14(a)のフローチャートは、1種類の調整用チャートCT1を記録する処理を示している。従って、4×2種類の調整用チャートCT1を記録する場合、図14(a)の処理を4×2回行うことになる。むろん、往動時の調整用チャートを記録する際にはキャリッジ21の往動時にノズル25からインクを吐出させ、復動時の調整用チャートを記録する際にはキャリッジ21の復動時にノズル25からインクを吐出させる。
チャート記録処理が開始すると、制御部45は、吐出タイミング調整用のチャート印刷データを不揮発性メモリー47から読み出す(S210)。このチャート印刷データは、図8(a)に示す調整用チャートCT1を記録媒体SLに形成させるためのデータである。
S220では、カウンターnを初期値「1」に設定する。nは、調整パターンを印刷する際のパス数に対応し、パターンのずれ量δnを決めるために使用される。
S230では、上記チャート印刷データに基づいて、第一基準パターンSP1、及び、ずれ量δnの第一調整用パターンRP1を記録媒体SLに記録する。図11に示したように、1パス目は、例えば、第一基準パターンSP1、及び、ずれ量「−10,0,10」の3つの第一調整用パターンRP1の記録とすることができる。ここで、第一基準パターンSP1は、基準の記録ヘッド(例えば#1)における第一基準ノズル25a(例えばノズル列#1A)から基準吐出タイミングTM1でインクを吐出して記録媒体SLに形成されるパターンである。この第一基準パターンSP1の形成が第一基準パターン形成手段U11に対応している。また、第一調整用パターンRP1は、基準の記録ヘッド#Hsを除いた記録ヘッド#Hrにおける少なくとも一部のノズルを第一調整対象ノズル25b(例えばノズル列#5B)とするとき、基準吐出タイミングTM1を基準とした調整用吐出タイミングTM2で第一調整対象ノズル25bからインクを吐出して記録媒体SLに形成されるパターンである。この第一調整用パターンRP1の形成が第一調整用パターン形成手段U12に対応している。
S240では、カウンターnを「1」増やす。S250では、上記チャート印刷データに基づいて、ずれ量δnの第一調整用パターンRP1を記録媒体SLに記録する。例えば、図11の2パス目は、ずれ量「−8,2」の2つの第一調整用パターンRP1の記録とすることができる。むろん、この第一調整用パターンRP1の形成も第一調整用パターン形成手段U12に対応している。
S260では、カウンターnがKに達したか否かを判断する。ここで、Kは、第一調整用パターンRP1の印刷に必要なパス数に相当する2以上の整数である。制御部45は、n=Kでなければ処理をS240に戻し、n=Kであればチャート記録処理を終了させる。
上記チャート記録処理で図8(a)に示すような調整用チャートCT1が形成されると、制御部45は、パターンの組合せPG1を選択するための入力を例えば操作部53又はホスト装置HCから受け付ける(図13のS104)。ユーザーは、各組合せPG1を見て、第一基準パターンSP1に対して最も位置ずれの小さい第一調整用パターンRP1に対応した数値(情報)N1を操作部53等で操作入力すればよい。4×2種類の調整用チャートCT1を記録した場合、8種類の数値を入力することになる。
S106では、S104で入力された情報に従って、往動時の相対移動方向DR1において第一調整対象ノズル25bで形成されるドットDT1の位置を第一基準ノズル25aで形成されるドットDT1の位置に合わせる吐出タイミングを表すタイミング調整データDA8を生成し、不揮発性メモリー47に記憶する。図8(a)の調整用チャートCT1において数値「2」が選択された場合、数値「2」に対応した調整用吐出タイミングTM2を表すタイミング調整データDA8を生成することになる。
S108では、Bi−d調整値R1を取得する。S108の処理は、例えば、予め設定されたBi−d調整値R1を不揮発性メモリー47から読み出す処理とすることができる。Bi−d調整値R1は、例えば、図9(a)に示すように、基準の記録ヘッドにおける基準ノズル列を使用して、往動時と復動時のディレイ値の組合せ(つまりディレイ値の組合せの差分であるずれ量)を変化させて印刷したBi−d調整用のパターンの中から一番ずれの小さなパターンを選択し、その選択したパターンに対応する調整値R1を設定したものである。
S110では、S104で入力された情報、及び、上記Bi−d調整値R1に従って、復動時の相対移動方向DR1において第一調整対象ノズル25bで形成されるドットDT1の位置を第一基準ノズル25aで形成されるドットDT1の位置に合わせる吐出タイミングを表すタイミング調整データDA8を生成し、不揮発性メモリー47に記憶する。図8(a)の調整用チャートCT1において数値N1が選択された場合、Bi−d調整値R1を加味したうえで、数値N1に対応した調整用吐出タイミングTM2を表すタイミング調整データDA8を生成することになる。
上述したS104〜S110の処理により、プリンター11は、相対移動方向DR1において両ノズル25a,25bで形成されるドットDT1の位置を合わせる吐出タイミングの設定を受け付ける。
S112では、調整画素配分を調整するための調整用チャートCT2を記録する処理を行う。5個の記録ヘッド#Hで双方向印刷を行う場合、往動時における記録ヘッド#H間の吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT2を4種類形成し、復動時における記録ヘッド#H間の吐出タイミングを調整するための調整用チャートCT2を4種類形成する。
図14(b)は、S112で行われる調整画素配分調整用のチャート記録処理をフローチャートにより例示している。この処理も、制御部45が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。図14(b)のフローチャートは、1種類の調整用チャートCT2を記録する処理を示している。従って、4×2種類の調整用チャートCT1を記録する場合、図14(b)の処理を4×2回行うことになる。むろん、往動時の調整用チャートを記録する際にはキャリッジ21の往動時にノズル25からインクを吐出させ、復動時の調整用チャートを記録する際にはキャリッジ21の復動時にノズル25からインクを吐出させる。
チャート記録処理が開始すると、制御部45は、調整画素配分調整用のチャート印刷データを不揮発性メモリー47から読み出す(S310)。このチャート印刷データは、図8(b)に示す調整用チャートCT2を記録媒体SLに形成させるためのデータである。
S320では、カウンターmを初期値「1」に設定する。mは、調整パターンを印刷する際のパス数に対応し、パターンのずれ量δmを決めるために使用される。
S330では、主走査方向への調整画素PX2を基準配分AL1とする情報を画像処理部44へ送り、上記チャート印刷データに基づいて、第二基準パターンSP2、及び、ずれ量δmの第二調整用パターンRP2を記録媒体SLに記録する。1パス目は、例えば、第二基準パターンSP2、及び、ずれ量「0」の第二調整用パターンRP2の記録とすることができる。
ここで、第二基準パターンSP2は、上記設定された吐出タイミング(DA8)に従い基準の記録ヘッド(例えば#1)における第二基準ノズル25c(例えばノズル列#1B)からインクを吐出して記録媒体SLに形成されるパターンである。この第二基準パターンSP2は、相対移動方向DR1への調整画素PX2を基準配分AL1とした基準ラスターデータDA3に従ったパターンである。この第二基準パターンSP2の形成が第二基準パターン形成手段U21に対応している。
また、第二調整用パターンRP2は、基準の記録ヘッド#Hsを除いた記録ヘッド#Hrにおける少なくとも一部のノズルを第二調整対象ノズル25d(例えばノズル列#5A)とするとき、上記設定された吐出タイミング(DA8)に従い第二調整対象ノズル25dからインクを吐出して記録媒体SLに形成されるパターンである。この第二調整用パターンRP2は、相対移動方向DR1への調整画素PX2を基準配分AL1とした調整用ラスターデータDA4に従ったパターンである。この第二調整用パターンRP2の形成が第二調整用パターン形成手段U22に対応している。
S340では、カウンターmを「1」増やす。S350では、上記チャート印刷データに基づいて、ずれ量δmの第二調整用パターンRP2を記録媒体SLに記録する。例えば、2パス目は、基準配分AL1から主走査方向の往方向へ主画素PX1を1画素ずらして調整画素PX2を配分する情報を画像処理部44へ送り、上記チャート印刷データに基づいて、ずれ量δmの第二調整用パターンRP2を記録媒体SLに記録する。むろん、この第二調整用パターンRP2の形成も第二調整用パターン形成手段U22に対応している。
S360では、カウンターmがKに達したか否かを判断する。ここでのKは、第二調整用パターンRP2の印刷に必要なパス数に相当する2以上の整数である。制御部45は、m=Kでなければ処理をS340に戻し、m=Kであればチャート記録処理を終了させる。
上記チャート記録処理で図8(b)に示すような調整用チャートCT2が形成されると、制御部45は、パターンの組合せPG2を選択するための入力を例えば操作部53又はホスト装置HCから受け付ける(図13のS114)。ユーザーは、各組合せPG2を見て、第二基準パターンSP2に対して最も位置ずれの小さい第二調整用パターンRP2に対応した数値(情報)N2を操作部53等で操作入力すればよい。4×2種類の調整用チャートCT2を記録した場合、8種類の数値を入力することになる。
S116では、S114で入力された情報に従って、往動時の相対移動方向DR1において第二調整対象ノズル25dで形成されるドットDT1の位置を第二基準ノズル25cで形成されるドットDT1の位置に合わせる調整画素PX2の配分を表す配分データDA9を生成し、不揮発性メモリー47に記憶する。図8(b)の調整用チャートCT2において数値「0」が選択された場合、数値「0」に対応した調整用配分AL2を表す配分データDA9を生成することになる。数値「1」が選択された場合、数値「1」に対応した調整用配分AL2を表す配分データDA9が生成される。
S118では、S114で入力された情報に従って、復動時の相対移動方向DR1において第二調整対象ノズル25dで形成されるドットDT1の位置を第二基準ノズル25cで形成されるドットDT1の位置に合わせる調整画素PX2の配分を表す配分データDA9を生成し、不揮発性メモリー47に記憶する。図8(b)の調整用チャートCT2において数値N2が選択された場合、数値N2に対応した調整用配分AL2を表す配分データDA9を生成することになる。
上述したS114〜S118の処理により、プリンター11は、相対移動方向DR1において第二調整対象ノズル25dで形成されるドットDT1の位置を第二基準ノズル25cで形成されるドットDT1の位置に合わせる調整画素PX2の配分の設定を受け付ける。
吐出タイミング及び調整画素配分が設定されると、記録ヘッド23単位で吐出タイミング調整によりドットの位置ずれが補償され、記録ヘッド23を構成するノズル列については調整画素配分によりドットの位置ずれが補償される。
ラスターデータDA1を有する印刷データは、図4に示すように、ホスト装置HCからI/F部41に入力されると、受信バッファー42を経て画像処理部44に入力される。画像処理部44は、配分データDA9で表される調整画素配分の情報に従って、図5に示すように、ラスターデータDA1の調整画素データDA12を配分データDA9に応じた調整画素PX2を表すデータとして調整済ラスターデータDA2を生成する。この調整済ラスターデータDA2は、イメージバッファー46を経てヘッド駆動部49へ送られる。
一方、印刷タイミング信号生成回路48は、タイミング調整データDA8に基づいたディレイ設定値Dcに従って、タイミング調整データDA8に応じた吐出タイミングを表す印刷タイミング信号PTSを生成し、ヘッド駆動部49に供給する。その結果、ヘッド駆動部49は、タイミング調整データDA8で表される吐出タイミングに合わせて調整済ラスターデータDA2に従い複数のノズル25からインクを吐出する。記録媒体SLには、印刷データに対応した画像が形成される。
以上より、本プリンター11は、設定された吐出タイミング(DA8)でインクが吐出することにより記録ヘッド23単位でドットの位置ずれが補償されたうえ、記録ヘッド23を構成するノズル25について、設定された配分の調整画素PX2でラスターデータDA1中の主画素データDA11の相対移動方向DR1に相当する位置が調整されることによりドットの位置ずれが補償される。
吐出タイミング(DA8)の調整が記録ヘッド23単位でしかできない場合、記録ヘッド23の中で相対移動方向DR1のある位置の第一のノズルについてはドットDT1を良好な位置精度とすることができても、同じ記録ヘッド23の中で相対移動方向DR1の異なる位置の第二のノズルについては前記第一のノズルよりもドットDT1の位置精度が低下することがあり得る。本技術は、図1(a)〜(d)に例示するように、記録ヘッド23を構成するノズル25について、記録ヘッド23単位の吐出タイミング(DA8)でドットDT1の位置ずれGA1を補償し切れない場合でも、ラスターデータDA1を構成する調整画素PX2の配分によりドットDT1の位置ずれGA3が補償される。従って、複数の記録ヘッド23のそれぞれが相対移動方向DR1の異なる位置にそれぞれノズル25を有する流体吐出装置11により形成されるドットDT1の相対移動方向DR1への位置精度が向上する。記録媒体SLに画像を形成する場合、形成画像の画質を向上させることができる。
また、吐出タイミング調整でドットの形成位置を調整可能な最小単位が相対移動方向DR1の画素ピッチxよりも小さいので、ドットの相対移動方向DR1への位置精度が良好である。
なお、図15に例示するキャリッジ21を備える流体吐出装置など、流体吐出装置には様々な装置を用いることができる。図15のキャリッジ21の底面には、2分割された記録ヘッドA,Bが組み付けられている。記録ヘッドAには、Yインクを吐出する第一基準ノズル25aの列A1、及び、Mインクを吐出する第二基準ノズル25cの列A2が形成されている。記録ヘッドBには、Cインクを吐出する第二調整対象ノズル25dの列B1、及び、Kインクを吐出する第一調整対象ノズル25bの列B2が形成されている。この例は、異なる記録ヘッドに含まれる同じ色のノズル列で形成されるドットの位置を合わせるものではないが、異なる記録ヘッドに含まれる異なる色のノズル列で形成されるドットの位置を合わせて形成画像の画質を向上させる。
(3)第二実施形態:
次に、図16(a),(b)を参照して、第二実施形態を説明する。本実施形態は、調整用チャートCT1,CT2を読取手段(81,82)で読み取って画像解析を行うことにより最適な調整値を自動で設定する点が第一実施形態と異なる。
図16(a)に例示する記録システムは、プリンター11とスキャナー81とコントローラー40とが互いに接続されている。むろん、記録システムは、プリンター11と一体にスキャナー81が設けられた複合機等でもよい。
また、図16(b)に例示する読み取りセンサー付きプリンターは、キャリッジ21の走行エリアよりも搬送方向下流側に、シート状の記録媒体SLの印刷面を記録媒体SLの幅方向全域に亘って読み取り可能な長さを有するイメージセンサー82が設けられている。イメージセンサー82は、例えば複数のCCD素子が記録媒体SLの幅方向に沿って配列されてなる。むろん、キャリッジ21に搭載されたイメージセンサーにより、キャリッジ21が主走査方向に移動する過程で、記録媒体SL上に印刷されたパターンを読み取ってもよい。
読取手段(81,82)により調整用チャートCTを読み取って得られるチャート画像データは、コントローラー40内の受信バッファー42に格納される。コントローラー40の制御部45内に設けられた画像解析部85は、受信バッファー42から読み出したチャート画像データを画像解析し、基準パターンSPと調整用パターンRPとが一番合っている一組のパターン(PG)を特定し、該パターンの組合せPGに対応する調整値を取得する。制御部45は、図8(a)に例示する調整用チャートCT1から得られる調整値からタイミング調整データDA8を生成し、図8(b)に例示する調整用チャートCT2から得られる調整値から配分データDA9を生成する。
以上より、本実施形態は、複数の記録ヘッド23の最適な印刷タイミングを自動で設定することができる。
プリンター11は、ラスターデータDA1の調整画素データDA12を配分データDA9で表される配分の調整画素PX2を表すデータとして調整済ラスターデータDA2を生成し、タイミング調整データDA8で表される吐出タイミングに合わせて調整済ラスターデータDA2に従い複数のノズル25からインクを吐出する。従って、プリンター11により形成されるドットの相対移動方向への位置精度が向上する。
(4)第三実施形態:
次に、図17,18を参照して、本技術をインクジェット記録方式のラインプリンターに具体化した第三実施形態を説明する。
図17に例示するラインプリンター100は、複数本のローラー91〜93に巻き掛けられた搬送ベルト94上へローラー95を介してシート状の記録媒体SLが搬入される。搬送ベルト94の搬送方向略中央部には、記録ユニット96が配置されている。この記録ユニット96は、搬送ベルト94のベルト面から上方(図17では紙面直交方向手前側)へ所定のギャップを隔てた位置とされている。
図18に例示するように、記録ユニット96は、複数の記録ヘッドが最大用紙幅全域に渡って配置された、所謂マルチヘッドタイプである。図17に示すコントローラー97が搬送モーター98を駆動することで搬送ベルト94上を記録媒体SLが搬送方向Y下流側(図17では左側)へ一定速度で搬送される。搬送ベルト94の側縁部にはリニアエンコーダー99が設けられ、リニアエンコーダー99のセンサー99Aから出力されるエンコーダーパルスから生成された吐出タイミング信号に基づいて記録ヘッド101A〜104A,101B〜104Bの吐出タイミングがコントローラー97により制御されるようになっている。
図18に示すように、記録ユニット96の本体96Aの底面側に設けられた記録ヘッド101A〜104A,101B〜104Bは、搬送方向Y(相対移動方向DR1)に隣り合って配置された2個を一組とする計4組が千鳥配置で配列されている。各記録ヘッド101A〜104A,101B〜104Bは、第一実施形態のコントローラー40と同様のコントローラー97と電気的に接続され、コントローラー97により噴射制御される。
搬送方向上流側に位置する記録ヘッド101A〜104Aには、Yインクを吐出する第一基準ノズルの列A1、及び、Mインクを吐出する第二基準ノズルの列A2が形成されている。搬送方向下流側に位置する記録ヘッド101B〜104Bには、Cインクを吐出する第二調整対象ノズルの列B1、及び、Kインクを吐出する第一調整対象ノズルの列B2が形成されている。従って、第一実施形態と同様、列A1のインク吐出による第一基準パターンと列B2のインク吐出による第一調整用パターンとから吐出タイミング調整用の調整値を取得して記録ヘッドA,Bの吐出タイミングを調整し、記録ヘッド単位でドットの位置ずれを補償することができる。また、列A2のインク吐出による第二基準パターンと列B1のインク吐出による第二調整用パターンとから調整画素配分調整用の調整値を取得して調整画素配分を調整することにより、記録ヘッド単位で補償し切れないドット位置ずれを補償することができる。
むろん、搬送方向Yに配置する記録ヘッドの個数は、図1(a)に例示するヘッド部HE1のように、3個以上でもよい。
(5)第四実施形態:
また、図19に例示するように、吐出タイミングの調整は、複数の記録ヘッドの位置関係を調整することにより行われてもよい。図19に示すキャリッジ21には、複数の記録ヘッドA,Bがガイドレール111に案内されて主走査方向X(相対移動方向DR1)に移動可能な状態で取り付けられている。各記録ヘッドA,Bには、それぞれ、主走査方向Xに移動(変位)させることが可能なアクチュエーター112が設けられている。アクチュエーター112には、例えば電歪作用で駆動する圧電アクチュエーター等を使用することができる。ディレイ設定値Dcによる調整に限界があると考えられる場合、まず、アクチュエーター112を駆動させて記録ヘッドA,Bの主走査方向Xの相対位置を粗調整し、必要に応じて調整用チャートCT1を再度印刷し、最適な一組のパターン(PG)に対応する数値を取得すればよい。調整部61は、取得した数値を基に演算した調整値をタイミング調整データDA8の一部として設定すればよい。
(6)第五実施形態:
図20に例示する記録システム200のように、流体吐出装置(プリンター11)とホスト装置HCとにわたってドット形成位置調整装置10が設けられてもよい。
本例のホスト装置HCは、調整画素設定部U2、及び、ホスト側のタイミング制御手段U3を備えている。このホスト側のタイミング制御手段U3は、ラスターデータDA1の調整画素データDA12を調整画素設定部U2で設定された配分(DA9)の調整画素PX2を表すデータとして調整済ラスターデータDA2を生成する。この調整済ラスターデータDA2は、プリンター11へ送信される。
本例のプリンター11は、ノズル群タイミング設定部U1、及び、プリンター側のタイミング制御手段U3を備えている。調整画素設定部U2及びホスト側のタイミング制御手段U3に相当する機能は、プリンター11に不要であるが、プリンター11に設けられていてもよい。プリンター側のタイミング制御手段U3は、ノズル群タイミング設定部U1で設定された吐出タイミング(DA8)に合わせて調整済ラスターデータDA2に従い複数のノズル25から流体FL1を吐出する制御を行う。
以上より、本記録システム200は、複数のノズル群(23)のそれぞれが相対移動方向DR1の異なる位置にそれぞれノズル25を有するプリンター11により形成されるドットの相対移動方向DR1への位置精度が良好である。
(7)第六実施形態:
流体吐出装置は、解像度、記録速度、記録パス数、記録画像の種類、記録媒体の種類、等に応じて複数のドット形成モードを有していてもよい。このとき、パターン形成手段U11,U12,U21,U22は、ドット形成モードに応じた色の流体FL1を吐出するノズル25から該色の流体FL1を吐出して記録媒体SLに基準パターンSP1,SP2や調整用パターンRP1,RP2を形成してもよい。
例えば、解像度のドット形成モードは、高解像度モード(例えば2880×1440dpi)、中解像度モード(例えば1440×720dpi)、低解像度モード(例えば720×360dpi)、等の解像度モードを設けることができる。記録速度のドット形成モードは解像度とトレードオフの関係でもあり、高解像度モード、中解像度モード、低解像度モードをそれぞれ高品質モード、通常モード、高速モードに読み替えてもよい。記録パス数のドット形成モードは、1ラスターのドットを1パスで形成する1パスモード、1ラスターのドットを2パスで形成する2パスモード、等のパス数モードを設けることができる。記録速度は記録パス数にも依存するため、1パスモードを高速モードに読み替え、2パスモードを通常モードに読み替えてもよい。
記録画像の画質は、解像度や記録速度や記録パス数等に依存する。そこで、記録画像の種類に応じて解像度や記録速度や記録パス数等を設定し、記録画像の種類に応じたドット形成モードを設けてもよい。例えば、記録画像が写真を主体とする場合、色むらを抑制するため、1ラスターのドットを2パスで形成する設定等とすることが考えられる。記録画像が文字を主体とする場合、ドット形成を高速とするため、1ラスターのドットを1パスで形成する設定等とすることが考えられる。
また、記録媒体に形成される画像の画質は、記録媒体の種類に依存する。そこで、記録媒体の種類に応じて解像度や記録速度や記録パス数等を設定し、記録画像の種類に応じたドット形成モードを設けてもよい。例えば、写真用紙といった光沢紙等の塗被紙を使用する場合、色むらを抑制するため、1ラスターのドットを2パスで形成する設定等とすることが考えられる。普通紙や再生紙等の非塗被紙を使用する場合、ドット形成を高速とするため、1ラスターのドットを1パスで形成する設定等とすることが考えられる。
図21(a)は、上記ドット形成モードを設定するための流体吐出装置(プリンター11)の処理をフローチャートにより例示している。この処理は、プリンターの制御部45が主体となって行い、例えば操作部53の操作により不図示の画面に表示されるメニューからモード選択項目が選択操作されたときに開始し、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ドット形成モード設定処理は、ホスト装置HCで行われてもよい。
ドット形成モード設定処理が開始すると、制御部45は、操作部53にモード選択画面DP1を表示し、複数のドット形成モードの中からいずれかのドット形成モードを選択するための操作入力を受け付ける(S402)。図21(a)に示すように、モード選択画面DP1には、例えば、写真モード、テキストモード、等のドット形成モードの項目が表示される。ここで、写真モードは2パスモードなど写真主体の画像を形成する設定とし、テキストモードは1パスモードなど文字主体の画像を形成する設定とする。
その後、制御部45は、受け付けたドット形成モードを表すモード情報を不揮発性メモリー47等に記憶させ(S404)、ドット形成モード設定処理を終了させる。
図21(b)は、ドット形成モードに応じた色のパターンを優先して形成するための調整用チャート記録処理をフローチャートにより例示している。この処理は、図13のS102,S112で行われる処理であり、プリンターの制御部45が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。また、処理の前提として、ドット形成モードとパターン色(色の組合せを含む)とを対応付けた情報テーブルである形成色テーブルTA1が不揮発性メモリー47等に記憶されているものとする。図21(b)に示す形成色テーブルTA1において、写真モードには、「M(#5B/#1A)」(ノズル列#1AのMに対するノズル列#5BのM)、及び、「C(#5A/#1B)」(ノズル列#1BのCに対するノズル列#5AのC)が対応付けられている。ドットの位置合わせに比較的低明度の有彩色(色の組合せを含む)を用いることにより、有彩色の高画質が求められやすい写真等の形成画像の高画質化に好適となる。一方、テキストモードには、「KM(#3B/#1A)」(ノズル列#1AのMに対するノズル列#3BのK)、及び、「KC(#3A/#1B)」(ノズル列#1BのCに対するノズル列#3AのK)が対応付けられている。ドットの位置合わせに比較的低明度の無彩色(色の組合せを含む)を用いることにより、比較的低明度の無彩色が用いられやすい文字等の形成画像の高画質化に好適となる。
なお、比較的高い解像度設定の高解像度モード、比較的遅い記録速度設定の高品質モード、比較的多いパス数設定の多パスモード、も、写真モードと同様、比較的低明度の有彩色である「M(#5B/#1A)」及び「C(#5A/#1B)」等の色(色の組合せを含む)が対応付けられてもよい。前記高解像度モードよりも低い解像度設定の解像度モード、前記高品質モードよりも速い記録速度設定の記録速度モード、前記多パスモードよりも少ないパス数設定のパスモード、も、テキストモードと同様、比較的低明度の無彩色を含む「KM(#3B/#1A)」及び「KC(#3A/#1B)」等の色(色の組合せを含む)が対応付けられてもよい。
調整用チャート記録処理が開始すると、制御部45は、上記モード情報を不揮発性メモリー47等から読み出す(S422)。S424では、形成色テーブルTA1を参照して前記読み出したモード情報に対応した色情報を取得する。例えば、モード情報が写真モードである場合、「M(#5B/#1A)」及び「C(#5A/#1B)」が取得される。S426では、チャート印刷データを不揮発性メモリー47から読み出す。吐出タイミングを調整する場合には吐出タイミング調整用のチャート印刷データを読み出し、調整画素配分を調整する場合には調整画素配分調整用のチャート印刷データを読み出す。
その後、制御部45は、取得された色(色の組合せを含む)に対応した基準パターン、及び、調整用パターンを記録媒体SLに形成し(S428)、調整用チャート記録処理を終了させる。吐出タイミングを調整する場合、図14(a)のS220〜S260で示したような処理を行って、第一基準パターンSP1、及び、ずれ両δnの第一調整用パターンRP1を記録する。調整画素配分を調整する場合、図14(b)のS320〜S360で示したような処理を行って、第二基準パターンSP2、及び、ずれ両δmの第二調整用パターンRP2を記録する。むろん、写真モードであれば、MのパターンSP1,RP1、及び、CのパターンSP2,RP2が優先して形成される。テキストモードであれば、Mの第一基準パターンSP1及びKの第一調整用パターンRP1、並びに、Cの第二基準パターンSP2及びKの第二調整用パターンRP2が優先して形成される。
調整用チャート記録処理が終了すると、図13のS104〜S110,S114〜S118で示したような処理を行うことにより、吐出タイミングや調整画素配分を設定することができる。
すなわち、写真モード、高解像度モード、高品質モード、多パスモード、においては、有彩色の高画質が求められやすいため、高画質化に好適である。テキストモード、比較的低い解像度設定の解像度モード、比較的速い記録速度設定の記録速度モード、比較的少ないパス数設定のパスモード、においては、比較的低明度の無彩色の高画質が求められやすいため、高画質化に好適である。
(8)変形例:
上述した実施形態は、以下のような形態に変更することもできる。
上述した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、図13において、S110の復動時吐出タイミング設定の後にS106の往動時吐出タイミング設定を行ってもよいし、S118の復動時調整画素配分設定の後にS116の往動時調整画素配分設定を行ってもよい。
吐出タイミングや調整画素配分の調整は、往動時のみ行ってもよいし、復動時のみ行ってもよい。三以上のノズル群があり、一部のノズル群でのみ吐出タイミングが調整される場合も、本技術に含まれる。
複数のノズルを複数に区分するノズル群は、印刷タイミング信号生成回路48のような吐出タイミングを決める手段の制御単位であればよく、分割された記録ヘッドに限定されない。例えば、4以上に分割された記録ヘッドがあり、吐出タイミングを決める手段が記録ヘッドを2個単位で制御する場合、2個の記録ヘッドが一つのノズル群となる。記録ヘッドが分割されていなくても、吐出タイミングを決める手段がノズル列をp列単位(pは2以上の整数)で制御する場合、p列のノズル列が一つのノズル群となる。
各ノズル群に設けられるノズルは、2列以外にも、3列以上とされてもよく、列と呼ばれない状態に配置されても本技術に含まれる。ノズル群が3以上あり、3以上のノズル群にある同色の流体を吐出するノズルによるドットの位置を合わせる場合も、本技術に含まれる。むろん、各ノズルから吐出する流体の色は、上述したC,M,Y,K,Lk以外にも、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、ダークイエロー(DY)、Lkよりも淡いLLk、無色、等の様々な色とすることができる。また、単色機のように全てのノズルから同じ色の流体を吐出する場合も、本技術を適用可能である。
上述したパターンは、様々な形状及び数とすることができる。例えば、パターンの形状は、矩形以外の多角形、楕円、等でもよい。基準パターンは、1本、2本、或いは4本以上でもよい。調整用パターンは、1本、或いは3本以上でもよい。基準パターン及び調整用パターンの組合せも、様々な組合せとすることができる。基準パターンと調整用パターンとの相対位置関係の違いが分かれば、各パターンは任意の形状及び個数を採用可能である。
記録ヘッドと記録媒体とが1回相対移動(例えば1パス)するときに各記録ヘッドの記録タイミングを変更できる構成を採用してもよい。この構成によれば、調整用チャートを印刷するために必要なパス数を減らすことができる。
記録媒体は、紙の他、樹脂シート、金属製フィルム、布、フィルム基板、樹脂基板、半導体ウェハ、光ディスクや磁気ディスクといった記憶媒体、等でもよい。記録媒体の形状は、長尺状の他、単票紙といったカットシート、立体形状、等でもよい。
プリンターは、インクジェット式プリンターの他、ドットインパクト式プリンター、レーザープリンター、等でもよい。
本発明を適用可能な流体吐出装置は、プリンターの他、微小量の液滴を噴射(吐出)する液体吐出ヘッド等を備える液体吐出装置等、インク以外の流体を吐出する装置でもよい。ここでいう液滴は、液体吐出装置から吐出される液体の状態を言い、粒状、涙状、糸状に尾を引くもの等を含まれる。ここでいう液体は、液体吐出装置が吐出させることができるような材料であればよく、例えば、物質が液相であるときの状態のものとして、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、等が含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子といった固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたもの等が含まれる。インクや液晶等は、液体の代表的な例である。前記インクは、一般的な水性インク及び油性インク、並びに、ジェルインク、ホットメルトインク、等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置には、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造等に用いられる電極材や色材といった材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置が含まれる。また、液体吐出装置には、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置、マイクロディスペンサ、時計やカメラといった精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)等を形成するために紫外線硬化樹脂といった透明樹脂液を基板上に吐出する装置、基板等をエッチングするために酸やアルカリといったエッチング液を吐出する装置、等が含まれる。
また、流体は、トナー等の粉粒体でもよい。
なお、吐出タイミングを設定する際、第一基準パターンSP1は必須ではなく、第一調整用パターンRP1を基準位置と対比することができればよい。調整画素配分を設定する際、第二基準パターンSP2は必須ではなく、第二調整用パターンRP2を基準位置と対比することができればよい。
また、「PTS調整」のような吐出タイミング設定で調整可能なドット形成位置の最小単位は、「画素ずらし」のような調整の単位となる主走査方向の画素ピッチよりも小さいことが好ましいものの、これに限定されない。
むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる装置、方法、プログラム、調整用パターン、等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、ヘッド部の相対移動方向において含まれる複数のノズル群が前記相対移動方向において複数のノズルを含む流体吐出装置により形成されるドットの相対移動方向への位置精度を向上させる技術等を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能であり、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能である。従って、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成等も含まれる。
10…ドット形成位置調整装置、11…プリンター(流体吐出装置)、21…キャリッジ、22…相対移動手段の一例を構成するガイド軸、23…記録ヘッド(ノズル群)、24…相対移動手段の一例を構成するキャリッジモーター、25…ノズル、25a…第一基準ノズル、25b…第一調整対象ノズル、25c…第二基準ノズル、25d…第二調整対象ノズル、40…コントローラー、44…画像処理部、45…制御部、47…不揮発性メモリー、48…印刷タイミング信号生成回路、49…ヘッド駆動部、50…キャリッジ駆動部、200…記録システム、AL1…基準配分、AL2…基準配分を基準とした調整用配分、DA1…ラスターデータ、DA2…調整済ラスターデータ、DA3…基準ラスターデータ、DA4…調整用ラスターデータ、DA11…主画素データ、DA12…調整画素データ、DA8…タイミング調整データ、DA9…配分データ、DR1…相対移動方向、DR2…相対移動方向と交わる方向、DP1…モード選択画面、DT1…ドット、FL1…流体、HE1…ヘッド部、GA1〜GA5…ドットの位置ずれ、PX1…主画素、PX2…調整画素、PX3…画素、RP1…第一調整用パターン、RP2…第二調整用パターン、SL…記録媒体、SP1…第一基準パターン(基準位置)、SP2…第二基準パターン、TA1…形成色テーブル、TM1…基準吐出タイミング、TM2…基準吐出タイミングを基準とした調整用吐出タイミング、U1…ノズル群タイミング設定部、U2…調整画素設定部、U3…タイミング制御手段、U11…第一基準パターン形成手段、U12…第一調整用パターン形成手段、U13…タイミング設定受付手段、U21…第二基準パターン形成手段、U22…第二調整用パターン形成手段、U23…配分設定受付手段、U41…相対移動手段。

Claims (8)

  1. 記録媒体と複数のノズルを設けたヘッド部とを相対移動方向へ相対移動させる相対移動手段を有し、ラスターデータに従って前記複数のノズルから流体を吐出する流体吐出装置のためのドット形成位置調整装置であって、
    前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
    前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
    前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成する第一調整用パターン形成手段と、
    前記吐出タイミングの設定を受け付けるタイミング設定受付手段と、
    前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成する第二調整用パターン形成手段と、
    前記調整画素の配分を受け付ける配分設定受付手段と、
    前記タイミング設定受付手段で設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、前記配分設定受付手段で設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる制御を行うタイミング制御手段と、
    を備えるドット形成位置調整装置。
  2. 前記吐出タイミングの設定によりドットの形成位置を調整可能な最小単位は、前記ラスターデータを構成する画素の前記相対移動方向におけるピッチよりも小さい、請求項1に記載のドット形成位置調整装置。
  3. 前記タイミング設定受付手段は、前記相対移動方向における往路及び復路のそれぞれで前記吐出タイミングの設定を受け付け
    前記配分設定受付手段は、前記相対移動方向における往路及び復路のそれぞれで前記調整画素の配分の設定を受け付ける、請求項2に記載のドット形成位置調整装置。
  4. 前記流体吐出装置は、ドット形成に関する複数のドット形成モードで前記記録媒体にドットを形成可能であり、
    前記第一調整用パターン形成手段は、前記ドット形成モードに応じた色の流体を吐出するノズル群により前記第一調整用パターンを形成する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のドット形成位置調整装置。
  5. 複数の前記ノズル群のうち第1のノズル群と第2のノズル群とに、同じ色の流体を吐出するノズルがある、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のドット形成位置調整装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のドット形成位置調整装置を内蔵する流体吐出装置。
  7. 記録媒体と複数のノズルを設けたヘッド部とを相対移動方向へ相対移動させる相対移動手段を有し、ラスターデータに従って前記複数のノズルから流体を吐出する装置のためのドット形成位置調整方法であって、
    前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
    前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
    前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成し、
    前記吐出タイミングの設定を受け付け
    前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成し、
    前記調整画素の配分を受け付け
    設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる、
    ドット形成位置調整方法。
  8. 記録媒体と複数のノズルを設けたヘッド部とを相対移動方向へ相対移動させる相対移動手段を有し、ラスターデータに従って前記複数のノズルから流体を吐出する装置のためのプログラムであって、
    前記複数のノズルは、前記相対移動方向において、複数のノズル群を含み、
    前記ノズル群は、前記相対移動方向において、複数のノズルを含み、
    前記ノズル群毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための吐出タイミングを調整するための第一調整用パターンを形成する機能と、
    前記吐出タイミングの設定を受け付ける機能と、
    前記ノズル毎に形成されるドットの位置を前記相対移動方向に調整するための調整画素の配分を調整するための第二調整用パターンを形成する機能と、
    前記調整画素の配分を受け付ける機能と、
    設定を受け付けた前記吐出タイミングに基づいて、設定を受け付けた前記調整画素の配分に基づいて生成された前記ラスターデータに従って流体を吐出させる機能と、
    をコンピューターに実現させるプログラム。
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