JP2006312287A - 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法 - Google Patents

印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】媒体の端部近傍において、吐出させるインク滴の量を抑えつつ媒体の端部にドット未形成部分が生じにくい印刷装置等を実現する。
【解決手段】媒体の端部近傍の単位領域のうち、画像データにかかわらずノズルからインク滴を吐出させない所定の単位領域を、単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいてノズルからインク滴を吐出させる。
【選択図】 図19

Description

本発明は、媒体に向けてインク滴を吐出する印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法に関する。
媒体に向けてインク滴を吐出する印刷装置の1つとして、インクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、前記媒体としての用紙に向けてインク滴を吐出して用紙上に多数のドットを形成し、これらドットによって画像を印刷するものである。
このインクジェットプリンタは「縁無し印刷」という印刷機能を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。この機能は、用紙の端部も含む全領域に亘ってドットを形成することによって、用紙に余白を残さず画像を印刷する機能である。そして、通常は、印刷時の用紙の位置ズレ等に起因して前記端部に意図しないドット未形成部分が生じないように、用紙よりも大きいサイズの画像データを用いる等して、用紙の外側の領域に対してもインク滴を吐出するようにしている。
特開2005−47026号公報
しかしながら、用紙の外側の領域に吐出したインク滴は、プリンタ本来の目的である用紙にドットを形成すること無く捨てられることになる。このため、できるだけ、用紙の外側の領域に吐出するインク滴の量を減らすことが望ましいが、インク滴の量を大幅に削減すると、用紙の端部付近に十分にインク滴が吐出されず、ドット未形成部分が生じ、かすれたようなざらついた画像が印刷される畏れがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、媒体の端部近傍において、吐出させるインク滴の量を抑えつつ媒体の端部にドット未形成部分が生じにくい印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法を実現することにある。
主たる発明は、媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルと、前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させるためのコントローラと、を有することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルと、前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させるためのコントローラと、を有することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、規定情報には、媒体の端部近傍の単位領域のうち、画像データにかかわらずノズルからインク滴を吐出させない所定の単位領域が単位領域毎に規定されているので、媒体の端部近傍に、インク滴が吐出されない単位領域を、単位領域毎に設けることが可能である。このため、媒体の端部近傍に、インク滴が吐出されない単位領域を適宜設けて、媒体の外側に吐出されるインク滴の量を低減させると共に媒体の端部にインク滴を吐出させることが可能である。
ここで、「単位領域」とは、インク滴が吐出されて用紙等の媒体上にドットが形成され
得る位置を規定するために仮想的に定められた方眼状の桝目の1つの領域を示している。すなわち、単位領域は、仮想的な空間を示しており、必ずしも媒体上の領域を示すものではない。例えば、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の仮想領域になる。また、印刷解像度が360dpi×720dpiの場合には、約70.56μm×35.28μm(≒1/360インチ×1/720インチ)の大きさの長方形状の領域になる。そして、媒体上の単位領域毎に理想的にインク滴が吐出された場合には、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が媒体上で広がって単位領域にドットが形成される。一方、媒体の外側の単位領域にインク滴を吐出することは可能であるが、当然のことながら媒体上にドットは形成されず、然るべき手段にて回収される。
かかる印刷装置において、前記ノズルは、所定の移動方向に移動しつつインク滴を吐出して、前記移動方向に沿ったドット列を前記媒体に形成可能であり、前記規定情報には、前記移動方向に並ぶ所定数の前記単位領域毎に設定された単位ブロックの各々の前記単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを、規定する吐出情報が含まれていることが望ましい。
このような印刷装置よれば、規定情報には、インク滴を吐出するか否かを規定する吐出情報が含まれており、吐出情報は、移動方向に並ぶ所定数の単位領域毎に設定された単位ブロック毎に規定する情報なので、すべての単位領域を個々に規定する場合より情報量を少なくすることが可能であり、インク滴を吐出させるように、または、吐出させないように容易に制御することが可能である。
かかる印刷装置において、前記吐出情報は、前記単位ブロックが有する複数の前記単位領域のうちの、インク滴を吐出する前記単位領域が、互いに異なるように規定した複数種類のブロック情報を有し、前記媒体の端部近傍の領域では、前記複数種類のブロック情報から選択されたブロック情報に基づいてインク滴を吐出する動作が順次繰り返されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、ブロック情報は、単位ブロックが有する複数の単位領域のうちの、インク滴を吐出する単位領域が、互いに異なるように規定された複数種類の情報なので、この複数種類のブロック情報から選択されたブロック情報に基づいてインク滴を吐出する動作が順次繰り返されることにより、それぞれ異なる位置の単位領域にてインク滴を吐出させないように制御することが可能である。
かかる印刷装置において、前記規定情報は、前記媒体の端部近傍において、インク滴が吐出されない前記単位領域を含ませる範囲を規定するための範囲情報が含まれていることが望ましい。
このような印刷装置によれば、規定情報には、媒体の端部近傍において、インク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を規定するための範囲情報が含まれているので、範囲情報に基づいて、所望の範囲にインク滴が吐出されない単位領域を含ませることが可能である。また、範囲情報を適宜設定することにより、インク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を任意に設定することが可能である。
かかる印刷装置において、前記媒体より広い領域に画像を印刷するための印刷データに基づいて、前記インク滴が吐出され、前記範囲情報は、前記印刷データに基づいてインク滴が吐出可能なインク滴吐出領域の前記移動方向における端を基準として規定されていることが望ましい。
媒体の端部近傍においては、媒体上であればインク滴を吐出させ、媒体の外側の領域であればインクを吐出させないことが望ましいが、媒体の端部が位置は明確でなく、また、媒体の搬送状況等により端部の位置が異なる場合がある。このため、媒体の外側に位置する可能性が高い、インク滴吐出領域の移動方向における端を基準としてインク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を規定することにより、インク滴が吐出されない単位領域を媒体の外側により多く設けることが可能である。
かかる印刷装置において、前記範囲情報は、前記ブロック情報に基づいて前記単位ブロックにインク滴が吐出される動作が、前記インク滴吐出領域の前記移動方向における端から繰り返し実行される回数にて規定されていることが望ましい。
このような印刷装置によれば、範囲情報は、ブロック情報に基づいて単位ブロックにインク滴が吐出される動作が、インク滴吐出領域の端から繰り返し実行される回数にて規定されているので、媒体の端部近傍にインク滴が吐出されない単位領域を設けるように制御することが容易である。
かかる印刷装置において、前記媒体の端部近傍の領域においてインク滴を吐出させない前記所定の単位領域は、前記移動方向における前記媒体の一端部側と他端部側とで、対称となる位置に配置されていることが望ましい。
このような印刷装置によれば、媒体の端部近傍の一端部側と他端部側との単位領域においてインク滴が吐出されない単位領域の位置を、媒体のいずれの側においても、媒体の端部に対し同様に配置させることが可能である。このため、媒体の端部近傍において、例えば媒体端部側にはインク滴を吐出する単位領域を多く設け、端部より遠い側にはインク滴が吐出される単位領域を少なく設けることにより、インクの媒体外への吐出量を低減させると共に、媒体に形成される画像を端部まで良好に印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記規定情報に基づいて、前記媒体より広い領域に画像を印刷するための画像データに、前記媒体の端部近傍の領域にて前記ノズルからインク滴を吐出させない前記単位領域を規定した規定データを合成することにより、前記規定情報を前記画像データに含ませることとしても良い。
このような印刷装置によれば、画像データに、媒体の端部近傍の領域にてノズルからインク滴を吐出させない単位領域を規定した規定データを合成することにより、規定情報を画像データに含ませるので、画像データと規定データとを合成するだけで、媒体の端部近傍の領域にインク滴を吐出させない単位領域を容易に設けることが可能である。
かかる印刷装置において、前記規定データは、前記移動方向及び前記移動方向と交差する交差方向とのいずれにも複数の前記単位領域を有する規定領域に属する各々の前記単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを規定するデータであることが望ましい。
このような印刷装置によれば、規定データは、移動方向及び交差方向とのいずれにも複数の単位領域を有する規定領域、すなわち所定の面積を有する規定領域に属する各々の単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを規定するので、インク滴を吐出させない単位領域が規定領域毎に規定されるため、さらに簡単な制御により、媒体の端部近傍の領域にインク滴を吐出させない単位領域を設けることが可能である。
また、媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルと、前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させるためのコントローラと、を有し、前記ノズルは、所定の移動方向に移動しつつインク滴を吐出して、前記移動方向に沿ったドット列を前記媒体に形成可能であり、前記規定情報には、前記移動方向に並ぶ所定数の前記単位領域毎に設定された単位ブロックの各々の前記単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを、規定する吐出情報が含まれており、前記吐出情報は、前記単位ブロックが有する複数の前記単位領域のうちの、インク滴を吐出する前記単位領域が、互いに異なるように規定した複数種類のブロック情報を有し、前記媒体の端部近傍の領域では、前記複数種類のブロック情報から選択されたブロック情報に基づいてインク滴を吐出する動作が順次繰り返され、前記規定情報は、前記媒体の端部近傍において、インク滴が吐出されない前記単位領域を含ませる範囲を規定するための範囲情報を有し、前記媒体より広い領域に画像を印刷するための印刷データに基づいて、前記インク滴が吐出され、前記範囲情報は、前記印刷データに基づいてインク滴が吐出可能なインク滴吐出領域の前記移動方向における端を基準として規定され、前記範囲情報は、前記ブロック情報に基づいて前記単位ブロックにインク滴が吐出される動作が、前記インク滴吐出領域の前記移動方向における端から繰り返し実行される回数にて規定され、前記媒体の端部近傍の領域においてインク滴を吐出させない前記所定の単位領域は、前記移動方向における前記媒体の一端部側と他端部側とで、対称となる位置に配置されていることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
また、媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズル有する印刷装置に、前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させる機能を、実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
また、コンピュータ、及び、このコンピュータに接続され、媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルと、前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させるためのコントローラと、を有する印刷装置、を有することを特徴とする印刷システムも実現可能である。
また、媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、前記媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、画像データにかかわらず、前記単位領域毎に規定するための規定情報に基づいて、前記ノズルからインクを吐出させるためのインク吐出データを生成するステップと、前記インク吐出データに基づいて前記ノズルからインク滴を吐出させるステップと、を有することを特徴とする印刷方法も実現可能である。
===印刷システムの構成===
<印刷システム>
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。本実施形態の印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。
プリンタ1は、紙、布、フィルム、OHP用紙等の媒体に画像を印刷する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。
<プリンタ>
図2は、印刷装置としてのプリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、紙等の媒体を所定方向(以下、搬送方向という)に搬送するものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータともいう)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の移動方向に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータともいう)とを有する。キャリッジ31は、移動方向の一方側がキャリッジ31の待機位置となるホームポジション側と他方の反ホームポジション側との間を往復移動可能である。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータである。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中に滴状のインク(以下、インク滴という)を断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)が媒体の一例としての用紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御部である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
===ヘッドの吐出機構===
図4は、ヘッド41の下面部に設けられたインク滴の吐出ノズルの配列を示した図である。ヘッド41の下面部には、同図に示すように、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロ(Y)の色毎にノズル列411が設けられている。
各ノズル列411は、それぞれに、複数のノズル♯1〜♯nから構成される。そして、これら複数のノズル♯1〜♯nは、用紙Sの搬送方向に沿う直線上に、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)に配されている。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。なお、各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど小さい番号が付されている(♯1〜♯n)。また、各ノズル列411は、ヘッド41の移動方向であるキャリッジ31の移動方向に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。
なお、後述される説明のなかには、前記ノズル列411が単列であるように説明している箇所もあるが、これは、他のノズル列411によるインク滴の吐出の様子も同じであることから、前記単列に代表させて説明しているためである。
各ノズル♯1〜♯nには、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させるものである。そして、これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯nから吐出される。
図5に、各ノズル♯1〜♯nを駆動するための駆動回路のブロック図を示す。なお、図5において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
この駆動回路は、図2に示すユニット制御回路64内に、4列のノズル列毎に設けられている。この駆動回路は、図5に示すように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222と、間引き処理部224とを備えている。
原駆動信号発生部221は、各ノズル♯1〜♯nに共通して用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一単位領域分の移動期間内(キャリッジ31が一単位領域の間隔を横切る時間内)において、図中の下に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。そして、この生成された原駆動信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
マスク回路222は、ヘッド41のノズル♯1〜♯nをそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。そして、各マスク回路222には、原駆動信号発生部221から原駆動信号ODRVが入力されるとともに、後述する印刷データPDに基づいて印刷信号PRT(i)が入力される。印刷信号PRT(i)は、単位領域に対応する単位領域データであり、一単位領域に対して2ビットの情報を有するシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。そして、このマスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原駆動信号ODRVを遮断したり通過させたりする。すなわち、印刷信号PRT(i)が0レベルのときには、原駆動信号ODRVのパルスを遮断してインク滴を吐出しないようにし、また、印刷信号PRT(i)が1レベルのときには、原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて、これを駆動信号DRV(i)として前記ピエゾ素子に出力し、これによってノズルからインク滴を吐出する。
なお、本実施形態にあっては、このマスク回路222には、前記印刷信号PRT(i)に加えて、間引き処理部224から間引き処理信号SIGが入力される。この間引き処理信号SIGは、後述する縁無し印刷時の間引き処理に供されるものであり、0または1レベルからなる信号である。そして、マスク回路222を通過後の駆動信号DRV(i)がインク滴を吐出する信号になっているか否かは、前記印刷信号PRT(i)と、当該間引き処理信号SIGとの論理積(所謂ANDである)の演算結果で決定する。
なお、図5に示すように、第1実施例の間引き処理信号SIGは、ノズル列411の全ノズルに亘って共通の信号が入力される。従って、この間引き処理信号SIGに基づいてインク滴を吐出しない移動方向の位置は、全ノズルに亘って一致している。
この間引き処理信号SIGは、後で説明する間引き処理を行うように、移動方向の単位領域毎に生成され、印刷信号PRT(i)に対応させながらマスク回路222に入力される。なお、この間引き処理信号SIGの生成方法については後述する。
===印刷方法===
<印刷動作について>
図6は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに印刷条件等の情報と共に含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・ドット形成処理等を行う。
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させ、紙を印刷開始位置に位置決めする。
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッド41からインク滴を断続的に吐出させる処理であり、インク滴が用紙上に吐出されるとドットが形成される。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させ、キャリッジ31の移動中に、印刷データに含まれる単位領域毎のデータ(以下、単位領域データという)に基づいてヘッド41からインクを吐出させる。移動するヘッド41からインク滴が断続的に吐出されるので、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。
搬送処理(S004):搬送処理とは、紙をヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、次のドット形成処理時にドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の紙の排出(排紙)の判断を行う。印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットにて構成される画像を徐々に用紙に印刷する。
排紙処理(S006):印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、その紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<ラスタラインの形成について>
本実施形態のインターレース方式の印刷方法について説明する。ここで、『インターレース方式の印刷』とは、1回のパスで記録されるラスタライン間に、ラスタラインが記録されない単位領域が含まれるような印刷を意味する。また、『パス』とはキャリッジ31が1回移動する間に実行されるドット形成処理を指し、『パスn』とはn回目のドット形成処理を意味する。『ラスタライン』とは、移動方向に並ぶドットの列である。
図7Aは、パスn〜パスn+3におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図7Bは、パスn〜パスn+4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
説明の便宜上、複数あるノズル群のうちの一つのノズル群のみを示し、ノズル群が有するノズル数も少なくしている。また、ヘッド41(又はノズル群)が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はヘッド41と紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動される。また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並ぶことになる(このドットの列がラスタラインである)。もちろん、画素データに応じて、ドットが非形成のこともある。
同図のノズル列において、黒丸で示されたノズルはインクを吐出させるノズルであり、白丸で示されたノズルはインクを吐出させないノズルである。また、同図のドットイメージ(右側)において、黒丸で示されたドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されたドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。
このインターレース方式の印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上、すなわち搬送方向の下流側にて隣接するラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。ここでは、N=7、k=4、F=7・Dである(D=1/720インチ)。
===印刷方式===
本実施形態のプリンタ1では、前述したインターレース方式の他に、バンド方式、乱数等を用いて1つのノズルにて形成されるドットを分散させるフル分散方式(FD)、オーバーラップ方式など複数種類の印刷方式にて印刷可能である。本発明の実施例として、以下ではオーバーラップ方式を例に説明するため、ここではオーバーラップ方式について説明する。
<オーバーラップ方式について>
図8Aは、パス1〜パス8におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を説明するための図であり、図8Bは、パス1〜パス12におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を説明するための図である。前述のインターレース方式では、一つのラスタラインは一つのノズルにより形成されていたのに対し、当該オーバーラップ方式では、例えば、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルにより形成されている。
このオーバーラップ方式では、用紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、ラスタライン方向に移動する各ノズルが、数ドットおきに間欠的にインク滴を吐出することによって、キャリッジの移動方向たるラスタライン方向に間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、他のノズルが既に形成されている間欠的なドットを補完するようにドットを形成することにより、1つのラスタラインが複数のノズルにより完成する。このようにM回のパスにて1つのラスタラインが完成する場合、オーバーラップ数Mと定義する。同図では、各ノズルにて、1ドットおきに間欠的にドットが形成されるので、パス毎に奇数番目の単位領域又は偶数番目の単位領域にドットが形成される。そして、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、オーバーラップ数M=2になる。なお、前述のインターレース方式の場合、オーバーラップ数M=1になる。
このオーバーラップ方式において、搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。
同図では、ノズル列は搬送方向に沿って配列された8つのノズルを有する。しかし、ノズル列のノズルピッチ間のドット数kは4なので、オーバーラップ方式を行うための条件である「N/Mとkが互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルを用いることはできない。そこで、8つのノズルのうち、6つのノズルを用いてオーバーラップ方式にて印刷が行われる。また、6つのノズルが用いられるため、用紙Sは搬送量3・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて用紙Sにドットが形成される。また、1つのパスにおいて、各ノズルは移動方向に1ドットおきに間欠的にドットを形成する。図中において、移動方向に2つのドットが描かれているラスタラインは既に完成されている。例えば、図8Aにおいて、最初のラスタラインから6番目のラスタラインまでは、既に完成されている。1つのドットが描かれているラスタラインは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されているラスタラインである。例えば、7番目や10番目のラスタラインは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されている。なお、1ドットおきに間欠的にドットが形成された7番目のラスタラインは、9パス目のノズル♯1が補完するようにドットを形成することによって、完成される。
同図は、最初のラスタラインは3パス目のノズル♯4及び7パス目のノズル♯1が形成し、2番目のラスタラインは2パス目のノズル♯5及び6パス目のノズル♯2が形成し、3番目のラスタラインは1パス目のノズル♯6及び5パス目のノズル♯3が形成し、4番目のラスタラインは4パス目のノズル♯4及び8パス目のノズル♯1が形成し、連続的なラスタラインが形成される様子を示している。なお、1パス目〜6パス目において、ノズル♯1〜ノズル♯6のなかにインクを吐出しないノズルが存在する。これは、1パス目〜6パス目において全てのノズルからインクを吐出すると、連続したラスタラインを用紙Sに形成できないためである。なお、7パス目以降では、6つのノズル(♯1〜♯6)がインクを吐出し、用紙Sが一定の搬送量F(=3・D)にて搬送されて、連続的なラスタラインがドット間隔Dにて形成される。
表1は、それぞれのパスにおいて形成されるドットの移動方向の形成位置を説明するための表である。表中の「奇数」とは、移動方向に並ぶ単位領域のうちの奇数番目の単位領域にドットを形成することを意味する。また、表中の「偶数」とは、移動方向に並ぶ単位領域のうちの偶数番目の単位領域にドットを形成することを意味する。例えば、3パス目では、各ノズルは、奇数番目の単位領域にドットを形成する。1つのラスタラインがM個のノズルにより形成される場合、ノズルピッチ分のラスタラインが完成するためには、k×M回のパスが必要となる。例えば、本実施形態では、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、4つのラスタラインが完成するためには、8回(4×2)のパスが必要となる。表1から分かるとおり、前半の4回のパスは、奇数−偶数−奇数−偶数の順にドットが形成される。この結果、前半の4回のパスが終了すると、奇数番目の単位領域にドットが形成されたラスタラインの隣のラスタラインには、偶数番目の単位領域にドットが形成されている。後半の4回のパスは、偶数−奇数−偶数−奇数の順にドットが形成される。つまり、後半の4回のパスは、前半の4回のパスと逆の順にドットが形成される。この結果、前半のパスにより形成されたドットの隙間を補完するように、ドットが形成される。
===縁無し印刷===
ここで『縁無し印刷』について説明する。『縁無し印刷』とは、印刷用紙Sの端部に余白が形成されないように印刷するための印刷方法である。本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、印刷モードの選択によって、『縁無し印刷』または端部に余白が形成される『通常印刷』のいずれかを択一的に実行可能になっている。
『通常印刷』は、インク滴が吐出される領域であるインク滴吐出領域としての印刷領域Aが、印刷用紙S上に収まるように印刷を行う。図9に『通常印刷』時における印刷領域Aと用紙Sとのサイズの関係を示すが、印刷領域Aは用紙S内に納まるように設定され、用紙Sの先後端部および左右の側端部には余白が形成される。
この『通常印刷』を行うべく、印刷モードとして『通常印刷モード』が設定された場合には、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから与えられた画像データに基づき、印刷領域Aが用紙Sに収まるように印刷データPDを生成する。例えば、印刷領域Aを用紙S内に納められないような画像データを処理する場合には、画像データにより表される画像の一部を印刷対象から外したり、またその画像を縮小するなどして用紙Sに収まるようにする。
図10に『縁無し印刷』時における印刷領域Aと用紙Sとのサイズの関係を示すが、用紙Sの先後端部および左右の側端部からはみ出す領域(以下では、打ち捨て領域Aaと言う)も印刷領域Aとして設定されており、この領域に対してもインク滴が吐出されるようになっている。そして、これによって、紙搬送時の位置決め精度などが原因で用紙Sがヘッド41に対して多少の位置ズレが生じても、用紙Sの端部に向けて確実にインク滴を吐出してドットを形成することができて、もって端部に余白が形成されないようにしている。なお、この『縁無し印刷』は、必ずしも図10に示すように、用紙Sの先後端部および左右の側端部の全てに対して行う必要はなく、これらのうちの一端部に対してのみ実施される場合もある。
この『縁無し印刷』を行うべく、印刷方法として『縁無し印刷モード』が設定された場合には、プリンタドライバ96は、前記画像データに基づき、印刷領域Aが用紙Sから所定幅だけはみ出るような、用紙Sより広い領域に画像を形成するための印刷データPDを生成する。例えば、印刷領域Aが用紙Sよりも小さくなってしまうような画像データを処理する場合には、印刷領域Aが用紙S全体に行き渡って前記所定幅だけはみ出すように画像を拡大する。また、逆に、印刷領域Aが用紙Sから大きくはみ出てしまうような画像データを処理する場合には、用紙Sからのはみ出し代が前記所定幅となるように画像を縮小したり、用紙Sよりはみ出す部分の印刷データを印刷対象から外すような処理を施す。なお、前記所定幅を確保すべく拡縮調整した際に、画像の縦横比が元画像から変化して歪んでしまう場合には、拡縮調整後に画像の一部を印刷対象から外すことによって元画像の縦横比を維持しつつ前記所定幅を確保する場合もある。
この拡縮調整について詳細に説明すると、前記プリンタドライバ96は、用紙Sの規格寸法と同じ大きさの領域を、基準領域Asとして前記メモリ63に記憶している。そして、この基準領域Asを参照して、これよりも走査方向および搬送方向に対して前記所定幅だけ外側にはみ出るサイズに前記画像データを拡大して印刷データPDを生成する。なお、前記所定幅の部分が、用紙Sから外れると判断される領域であり、インク滴が打ち捨てられる打ち捨て領域Aaである。
この基準領域Asおよび前記所定幅は、はがきサイズやA4サイズ等の用紙サイズ毎に前記メモリ63に記憶されており、ユーザによって入力される用紙サイズ情報に基づいてそれぞれに読み出され、上述の拡縮調整に供される。
ちなみに、紙搬送が正確に行われて用紙Sが予め決められた設計位置にきちんと位置決めされた場合には、前記基準領域Asと用紙Sとは合致して基準領域Asの画像が用紙Sに印刷される。しかし、位置ズレした場合には、用紙Sの端部には打ち捨て領域Aaの画像が印刷されることになる。
<打ち捨てられるインクの処理>
『縁無し印刷』において、用紙Sから外れて着弾せずに打ち捨てられるインク滴は、プラテン24に付着してこれを汚す等といった悪影響を及ぼす虞がある。このため、本実施形態に係るプリンタ1のプラテン24は、用紙Sから外れたインク滴を回収するためのインク回収部80を備えている。
図11はインク回収部80の平面図である。このインク回収部80は、図12の断面図に示す第1インク回収部82と、図13の断面図に示す第2インク回収部83との二つに大別される。第1インク回収部82は、用紙Sの先後端部を縁無し印刷する際に用いられ、第2インク回収部83は、用紙Sの左右の側端部を縁無し印刷する際に用いられる。
図11乃至図13に示すように、これら第1および第2インク回収部82,83のいずれも、プラテン24上に断面凹形の溝部として形成されている。その溝部内には、インク滴を吸収するスポンジ等の吸収材84が設けられている。そして、用紙Sに着弾しなかったインク滴は、この吸収材84の上に到達して吸収材84に吸収される。
図12および図13に示す第1インク回収部82の溝部は、キャリッジ31の移動方向に沿って直線状に設けられているとともに、搬送方向における溝部の位置は、前記ヘッド41の略中央部分に対向しており、つまり、ノズル#k〜#k+4に対向している。従って、図12Aに示すように先端部を縁無し印刷する場合には、用紙Sの先端が第1インク回収部82上に到達する以前から、前記ノズル#k〜#k+4だけからインク滴を吐出する。一方で後端部を縁無し印刷する場合には、図12Bに示すように、用紙Sの後端部が前記第1インク回収部82上を通過後においても前記ノズル#k〜#k+4だけからインク滴を吐出する。そして、これら先端部および後端部の印刷時において、前記ノズル#k〜#k+4から吐出されたインク滴のなかで用紙Sに着弾しなかったインク滴は、第1インク回収部82の吸収材84に着弾するため、これら用紙Sに着弾しなかったインク滴がプラテン24上面を汚すことはない。
また、図11および図13に示す第2インク回収部83に係る溝部は、用紙Sの左右の側端部と対向する位置にそれぞれ設けられ、これら溝部は共に、用紙Sの搬送方向に沿って直線状に形成されている。そして、左右の側端部を縁無し印刷する場合には、キャリッジ31の移動において、印刷用紙Sの用紙内の部分を移動している時だけノズルからインク滴を吐出するのではなく、用紙Sの側端部の外側の前記打ち捨て領域Aaを移動している時にもインク滴を吐出する。ここで、この打ち捨て領域Aaにおいて吐出されたインク滴は、前記第2インク回収部83の吸収材84に着弾するため、これら打ち捨てられたインク滴によってプラテン24を汚すことはない。
===縁無し印刷時のインク滴の間引き処理について===
前述したように『縁無し印刷』をするためには前記打ち捨て領域Aaを設定せざるを得ないが、この打ち捨て領域Aaに向けて吐出されるインク滴の大半は、画像の形成に寄与せずに無駄となってしまうため、そのインク滴数は極力少ないのが望ましい。また、そもそも、この打ち捨てられるインク滴は、用紙Sの端部に余白を形成しないようにする目的で吐出されるものであり、この点を勘案すると、前記端部に余白と視認されるような画像の欠落部分が形成されない程度に、すなわち目立たない程度にインク滴数を間引いてインク滴数を減らすのが良いと考えられる。
従って、本発明にあっては、見た目に目立たない程度に、用紙Sから外れる、または、外れる可能性があると判断される領域たる前記打ち捨て領域Aaに向けて吐出されるべきインク滴のなかから適宜数だけインク滴を間引いて吐出するようにしている。
図14は、打ち捨て領域Aaでの間引き状態を概念的に示す平面図である。同図では、印刷データPDに基づく印刷領域Aを、用紙Sに相当する前記基準領域Asに重ね合わせて示している。なお、図中、インク滴を吐出する画素を黒丸で示すとともに、間引かれてインク滴を吐出しない画素を白丸で示している。また、説明の便宜上、図中の一番上のラスタラインを第1ラスタラインR1と呼び、以下、図の下方に向かうに従って第2ラスタラインR2、第3ラスタラインR3、…と続いているものとする。
図14に示す例は、第1ラスタラインR1は間引かず、その下の第2ラスタラインR2は、その両端から1画素ずつ間引き、更にその下の第3ラスタラインR3は、その両端から2画素ずつ間引くようにしており、以降のラスタラインR4,R5,…においてはこれを順次繰り返している。そして、このようにして間引かれた打ち捨て領域Aaには、平面視で三角形形状の間引き領域が、搬送方向に沿って複数形成されている。ところで、用紙Sの大きさに相当する基準領域Asから遠く離れた位置ほど、その位置まで実際の用紙Sが位置ズレする可能性は低いため、インク滴の間引きの影響が、用紙S上の画像の欠落部分として顕在化する可能性が低い。このため、ラスタライン方向の端に向かう程、インク滴を間引く割合を高くすることが望ましい。
===間引き処理の第1実施例===
第一実施例では、はやいモード、きれいモード、高精細モード等の印刷モードをさらに用紙の搬送量にて分類される記録方法に対応させて、間引き処理が設定されている。
各記録方法に対応する間引き処理は、記録方法毎に間引き処理における複数のパラメータの組み合わせを違えた複数の間引き処理の設定にて縁無しの画像を印刷し、用紙の端部付近にて画像への影響が小さいものが予め選択されて設定されている。そして、記録方法毎の間引き処理の設定を示す間引き処理設定テーブルとしてコントローラ60が有するメモリ63に記憶されている。
また、記録方法に対応付けられた間引き処理を規定するための規定情報も記憶されている。第1実施例では、規定情報として、ヘッド41の移動方向に並ぶ所定数の単位領域を1つの単位として区画する単位ブロックとし、各単位ブロックが有する各々の単位領域にてインク滴を吐出するか否かを単位領域毎に規定するブロック情報としての吐出情報と、用紙Sの端部近傍における打ち捨て領域Aa、すなわち、インク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を規定する範囲情報とが、メモリ63に記憶されている。詳細は後述する。
図15は、間引き処理設定テーブルの一例を示す図である。図16は、吐出情報を説明するための図である。図17は、間引き処理を説明するためのフローチャートである。以下、図15に示された記録方法80〜82を例に挙げて説明する。
記録方法は、印刷する際の印刷指令と共に例えばホストコンピュータから入力される印刷情報に基づいて設定され、印刷モード(印刷解像度)、及び、印刷方式が同じであっても、印刷する際に用紙を搬送する搬送量の相違により分けられている。そして、コントローラ60は、印刷指令及び印刷情報等が入力される(S101)と、入力された印刷情報に基づいて、記録方法を特定し、間引き処理設定テーブルの記録方法に対応付けられた印刷条件などの情報と、この情報に対応付けられた吐出情報及び範囲情報とに基づいて、間引き処理信号SIGを生成する(S102)。
そして、生成された間引き処理信号を、マスク回路222に入力される印刷信号PRT(i)に対応させて同マスク回路222に入力する。すなわち、マスク回路222には、前記印刷信号PRT(i)に加えて間引き処理信号SIGが入力され、その印刷信号PRT(i)に対応する単位領域に向けてインク滴を吐出するか否かは、印刷信号PRT(i)と、間引き処理信号SIGとの論理積(所謂AND)として決定される。この間引き処理信号SIGは、インク滴を吐出しない単位領域に対しては0レベルが、またインク滴を吐出する単位領域に対しては1レベルが設定されている。そしてコントローラ60は、受信した印刷信号PRT(i)と生成された間引き処理信号SIGとに基づいて、画像を印刷する(S103)。
<間引き処理信号の生成方法>
各記録方法における間引き処理は、「繰り返し使用する吐出モード数(繰り返し回数ともいう)」「各吐出モードの設定」とにより規定され、「各吐出モードの設定」は、吐出情報と範囲情報とによりパス毎に規定されている。
そして、間引き処理信号SIGは、プリンタ1に入力される印刷データにてドットが形成可能なすべての単位領域に対応するように生成される。すなわち、印刷データに基づいてインク滴を吐出可能なインク滴吐出領域に含まれる、すべての単位領域に対応するように生成される。このため、印刷データPDに基づいて生成される印刷信号PRT(i)が対応する、キャリッジ31の移動方向に並ぶ単位領域の数と、間引き処理信号SIGが対応する、キャリッジ31の移動方向に並ぶ単位領域の数とは一致している。すなわち、1つ単位領域に印刷信号と間引き処理信号とが各々対応付けられている。
吐出情報は、キャリッジ31の移動方向に並ぶ全ての単位領域を、所定数の単位領域ずつに分けた単位ブロックにて規定している。そして、キャリッジ31の1回の移動(1回のパス)にて通過する打ち捨て領域Aaに存在する単位ブロック内では、吐出情報として規定された複数種類のブロック情報のうち、記録方法にて対応付けられたブロック情報にて規定された単位領域にインク滴が吐出される。
また吐出情報は、図16に示すようにインクを吐出させる周波数に対応付けて設定されている。ここでは、インクを吐出させる周波数を1/180DPIの範囲に吐出されるインク滴の数により規定している。すなわち、180DPIの間隔でドットを形成する周波数であれば、1/180DPIの領域にドットは1つ形成可能であるため、吐出情報を規定する単位ブロックには単位領域が1つ含まれ、1つの単位領域にインク滴を吐出するか否かが規定されている。同様に、360DPIの間隔でドットを形成する周波数であれば、吐出情報を規定する単位ブロックには単位領域が2つ含まれ、2つの単位領域にインク滴を吐出するか否かが規定され、720DPIの間隔でドットを形成する周波数であれば、吐出情報を規定する単位ブロックには単位領域が4つ含まれ、4つの単位領域にインク滴を吐出するか否かが規定されている。
範囲情報は、打ち捨て領域Aa、すなわち、インク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を、打ち捨て領域Aaとする単位ブロックの数にて規定している。本実施例では、例えば、範囲情報を2桁の情報とし、十の位の数にてキャリッジ31のホームポジション側の打ち捨て領域Aaの範囲を規定し、一の位の数にてホームポジションと反対側(反ホームポジション側)の打ち捨て領域Aaの範囲を規定している。例えば、範囲情報が「44」の場合には、ホームポジション側の打ち捨て領域Aa、及び、反ホームポジション側の打ち捨て領域Aaの範囲は、いずれも単位ブロック4つ分と規定されていることになる。このとき、インクを吐出させる周波数が360DPI相当の場合には、単位ブロックに2つのドットが形成されるため、8ドットが形成可能な8つの単位領域分が打ち捨て領域Aaの範囲として規定される。さらに、1ラスタラインを2パスにて形成するオーバーラップ方式の場合には、2回のパスに対し8単位領域分が打ち捨て領域Aaとなるため、計16個の単位領域分が打ち捨て領域Aaの範囲として規定されることになる。
図18は範囲情報にて規定される打ち捨て領域を説明するための図である。図示するように、打ち捨て領域Aaは、ホームポジション側及び反ホームポジション側のいずれも印刷データの端、すなわち印刷データに基づいてインク滴を吐出可能な印刷領域の端を基準として規定されている。
例えば、キャリッジ31の移動方向における打ち捨て領域Aaが範囲情報「44」にて規定されて、打ち捨て領域Aaに4つの単位ブロックが存在し、各単位ブロックが2つの単位領域を有している場合であって、ブロック情報が「10」の場合には、「10」の信号が4つ連続して出力されるように「10101010」という信号が、打ち捨て領域に対応する間引き処理信号SIGとして生成される。すなわち、印刷領域の端から8つの単位領域において、インク滴を吐出する単位領域とインク滴を吐出しない単位領域とが交互に存在することになる。
このとき、1ラスタを2パスにて形成するオーバーラップ方式の場合には、交互に存在するインク滴を吐出する単位領域とインク滴を吐出しない単位領域との間に、別のパスにてインク滴を吐出可能な空白の単位領域が存在することになる。用紙Sにおけるキャリッジ31の移動方向の両側の打ち捨て領域Aaの間は基準領域Asとなり、間引き処理信号SIGによりマスクされることなく印刷データに基づいてインクが吐出される。すなわち、基準領域Asでは、ブロック情報は「11」が連続して出力される。そして、キャリッジ移動方向の他方側の打ち捨て領域Aaでは、一方側の打ち捨て領域にて出力された「10101010」という間引き処理信号SIGを反転させた信号、すなわち「01010101」が出力されるような間引き処理信号SIGが生成される。このように、一方側の打ち捨て領域Aaと、他方側の打ち捨て領域Aaとの間引き処理信号SIGとを反転させることにより、一方側の打ち捨て領域Aaと、他方側の打ち捨て領域Aaとにてインク滴が吐出される単位領域の位置を、用紙の両側の端部近傍において対称に配置させることが可能である。
<記録方法80の間引き処理例>
記録方法80は、キャリッジ移動方向、及び、用紙の搬送方向の解像度がいずれも720DPIであり、印刷方式は、すべてのラスタラインが複数のノズルから吐出されたインク滴にて形成されるフルオーバラップ(FOL)方式にて印刷される。この例では、すべてのラスタラインが2つのノズルから吐出されたインクにて形成される。このため、キャリッジ31の1回のパスにて、360DPI相当の間隔でドットが形成され、同じラスタラインを形成する他のノズルにてインク滴を吐出する他のパスにて、既に形成されたドット間に新たなドットが形成されていく。また、用紙の搬送量は、最初のパスの後の1回目の搬送にて6ラスタライン分搬送され、2回目の搬送にて5ラスタライン分搬送され、3回目の搬送にて6ラスタライン分搬送され、4回目の搬送にて3ラスタライン分搬送されるような、用紙の搬送が繰り返される。
図19は、記録方法80における間引き処理を説明するための図である。同図では、用紙Sの左側の端部近傍における各ラスタラインが、どのパスで何れのノズルによって形成されていくかを示している。図中の左側の部分には、各パスにおける用紙Sに対するノズル列の相対位置を示している(以下では左図と言う)。なお、この左図では、説明の便宜上、ノズル列を各パス毎に搬送量ずつ図の下方へ移動させて示しているが、実際には用紙Sの方が搬送方向に移動する。また、ノズル列におけるノズル番号を、丸印で囲って示し、ノズルの数、及び、搬送量等は実際の量より小さく設定した例である。
この左図の右側には、基準領域Asおよび打ち捨て領域Aaに向けてインク滴を吐出する様子を示している(以下では右図と言う)。この右図の四角のマス目は、それぞれ単位領域を示している。また、単位領域内に示した白丸はインク滴が吐出されないことを示している。単位領域内に示した黒丸はインク滴が吐出されていることを示している。
ここで、右図は間引き処理を説明するため、ここでは印刷データとしてはすべての単位領域にドット形成するような印刷データ、すなわち間引き処理が実行されない場合にはすべての単位領域にてインク滴が吐出されるような印刷データが入力されているものとする。
また、図中において、インク滴吐出位置と示されているのは、各パスにて吐出したインク滴が着弾する位置を示している。2パスのオーバーラップ印刷では、インク滴吐出位置が「1」または「2」で示されており、キャリッジ移動方向に並ぶ単位領域において、印刷データ、すなわち印刷領域の端から奇数番目の単位領域にインクを吐出する場合には「1」が設定され、印刷領域の端から偶数番目の単位領域にインクを吐出する場合には「2」が設定されている。
なお、右図は用紙の端部近傍の打ち捨て領域Aaにインク滴が吐出される状態を示しているが、打ち捨て領域Aaの基準は印刷領域の端なので、図中には印刷領域の端は示しされているが用紙端部は現れていない。
このような図面上の表記方法は、以下の図においても同様である。
記録方法80に規定されている繰り返し使用する吐出モード数は「4」であり、4つの吐出モードが規定されている。第1吐出モード及び第4吐出モードは、吐出情報として「10」のブロック情報にて規定されており、単位ブロック内の2つの単位領域において先の単位領域にてインク滴を吐出し、後の単位領域にてインクを吐出しないように規定されている。また、第2吐出モード及び第3吐出モードは、吐出情報として「01」のブロック情報にて規定されており、単位ブロック内の2つの単位領域において先の単位領域にてインク滴を吐出せず、後の単位領域にてインクを吐出するように規定されている。そして、打ち捨て領域Aaは、第1〜第4吐出モードのいずれも範囲情報「44」にて規定され、ホームポジション側の打ち捨て領域、及び、反ホームポジション側の打ち捨て領域の範囲は、いずれも単位ブロック4つ分と規定されている。
まず、印刷指令と共に印刷データ及び印刷情報を受信すると、用紙を給紙して所定の位置まで搬送させる。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる最初のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。この最初のパスにて、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる2回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。この2回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、対応付けられたブロック情報は「01」なので、基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、最初のパスにてインク滴が吐出された搬送方向に隣接する単位領域の中間に位置する単位領域の位置である。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる3回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第3吐出モードにてインク滴を吐出する。この3回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「01」なので、基準となる印刷データの端から4番目、8番目、12番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から4番目、8番目、12番目、16番目の単位領域と、それらの間の基準領域における偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、最初のパスと2回目のパスとにてインク滴が吐出された単位領域にて挟まれる2つの単位領域のうちの一方の単位領域の位置である。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる4回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第4吐出モードにてインク滴を吐出する。この4回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「10」なので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域における偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、搬送方向には最初のパスと2回目のパスとにてインク滴が吐出された単位領域にて挟まれる2つの単位領域のうち3回目のパスにてインク滴が吐出されなかった単位領域の位置である。
次に用紙が3ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる5回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインクを吐出する。5回目のパスでは、最初のパスにてラスタラインが形成された単位領域と、搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この5回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「10」の第1吐出モードなので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる6回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。6回目のパスでは、2回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この6回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「01」の第2吐出モードなので、基準となる印刷データの端から4番目、8番目、12番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域における偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にはインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる7回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第3吐出モードにてインク滴を吐出する。7回目のパスでは、3回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この7回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「01」の第3吐出モードなので、基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域における奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にはインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる8回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第4吐出モードにてインクを吐出する。8回目のパスでは、4回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向に同じ位置の単位領域にインク滴が吐出される。この8回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「10」の第4吐出モードなので、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域における奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にはインク滴が吐出されたことになる。そして、3ラスタライン分用紙が搬送されて、9回目のパスが実行される。
このような8回のパスによる印刷動作が、以降9回目のパスから繰り返される。そして、打ち捨て領域Aaには、図19に示すように、正方形状の4つの単位領域毎にインク滴が吐出された単位領域と、インク滴が吐出されなかった単位領域とが、印刷データの端から交互に存在することになる。
<記録方法81の間引き処理例>
記録方法81も、キャリッジ移動方向、及び、用紙の搬送方向の解像度がいずれも720DPIであり、印刷方式は、フルオーバラップ(FOL)方式である。この例でも、すべてのラスタラインが2つのノズルから吐出されたインクにて形成されることは記録方法80と同様である。また、用紙の搬送量は、最初の搬送にて6ラスタライン分搬送され、次の搬送にて5ラスタライン分搬送されるというように、6ラスタライン分の搬送と5ラスタライン分の搬送とが繰り返される。
図20は、記録方法81における間引き処理を説明するための図である。同図における表記方法は、図19と同様である。
記録方法81に規定されている繰り返し使用する吐出モード数は「2」であり、2つの吐出モードが規定されている。第1吐出モード及び第2吐出モードは、いずれもブロック情報「10」にて示されるように、単位ブロック内の2つの単位領域において先の単位領域にてインク滴を吐出し、後の単位領域にてインクを吐出しないように規定されている。そして、打ち捨て領域Aaは、範囲情報「44」にて示されるように、ホームポジション側の打ち捨て領域、及び、反ホームポジション側の打ち捨て領域の範囲は、いずれも単位ブロック4つ分と規定されている。
まず、プリンタ1は印刷指令と共に印刷データ及び印刷情報を受信すると、用紙を給紙して所定の位置まで搬送させる。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる最初のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインクを吐出する。この最初のパスにて、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域における奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる2回目のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインクを吐出する。この2回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「10」なので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、最初のパスにてインク滴が吐出された隣接する単位領域の中間に位置する単位領域の位置である。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる3回目のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。この3回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「10」なので、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、最初のパスと2回目のパスにてインク滴が吐出された単位領域にて挟まれる2つの単位領域のうちの一方の単位領域の位置である。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる4回目のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。この4回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「10」なので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、搬送方向には最初のパスと2回目のパスにてインク滴が吐出された単位領域にて挟まれる2つの単位領域のうち3回目のパスにてインク滴が吐出されなかった単位領域の位置である。
次に用紙を5ラスタライン分搬送する。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる5回目のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインクを吐出する。5回目のパスでは、2回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と、搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この5回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「10」の第1吐出モードなので、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域における奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる6回目のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。6回目のパスでは、1回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この6回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「10」の第2吐出モードなので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる7回目のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。7回目のパスでは、4回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この7回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、吐出情報「10」の第1吐出モードなので、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域における奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる8回目のパスにて第1ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。8回目のパスでは、3回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向に同じ位置の単位領域にインク滴が吐出される。この8回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「10」の第2吐出モードなので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。そして、5ラスタライン分用紙が搬送されて、9回目のパスが実行される。
このような8回のパスによる印刷動作が、以降9回目のパスから繰り返される。そして、打ち捨て領域Aaには、図20に示すように、印刷データの端から、1、2、5、6、9、10、13、14番目の単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
<記録方法82の間引き処理例>
記録方法82も、キャリッジ移動方向、及び、用紙の搬送方向の解像度がいずれも720DPIであり、印刷方式は、フルオーバラップ(FOL)方式である。この例でも、すべてのラスタラインが2つのノズルから吐出されたインクにて形成される。また、用紙の搬送量は、いずれも5ラスタライン分ずつ搬送される。
図21は、記録方法82における間引き処理を説明するための図である。同図における表記方法は、図19と同様である。
記録方法82に規定されている繰り返し使用する吐出モード数は「2」であり、2つの吐出モードが規定されている。第1吐出モードとしてブロック情報「10」と範囲情報「44」とが、第2吐出モードとしてブロック情報「01」と範囲情報「44」とが規定されている。
まず、プリンタ1は印刷指令と共に印刷データ及び印刷情報を受信すると、用紙を給紙して所定の位置まで搬送させる。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる最初のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインクを吐出する。最初のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されている。この最初のパスにて、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる2回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。この2回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「01」なので、基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、最初のパスにてインク滴が吐出された単位領域の搬送方向上流側に隣接する位置の単位領域である。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる3回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインクを吐出する。この3回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「10」なので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、2回目のパスにてインク滴が吐出された単位領域の搬送方向上流側に隣接する位置の単位領域である。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる4回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。この4回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「01」なので、基準となる印刷データの端から4番目、8番目、12番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から4番目、8番目、12番目、16番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、3回目のパスにてインク滴が吐出された単位領域の搬送方向上流側に隣接する位置の単位領域である。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる5回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。5回目のパスでは、1回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と、搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この5回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「10」の第1吐出モードなので、基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から2番目、6番目、10番目、14番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる6回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。6回目のパスでは、2回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この6回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「01」の第2吐出モードなので、基準となる印刷データの端から4番目、8番目、12番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から4番目、8番目、12番目、16番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる7回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。7回目のパスでは、3回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この7回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「10」の第3吐出モードなので、基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から1番目、5番目、9番目、13番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる8回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインクを吐出する。8回目のパスでは、4回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向に同じ位置の単位領域にインク滴が吐出される。この8回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「01」の第2吐出モードなので、基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から3番目、7番目、11番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。そして、5ラスタライン分用紙が搬送されて、9回目のパスが実行される。
このような8回のパスによる印刷動作が、以降9回目のパスから繰り返される。そして、打ち捨て領域Aaには、図21に示すように、搬送方向の2つの単位領域毎にインク滴が吐出された単位領域と、インク滴が吐出されなかった単位領域とが、印刷データの端から交互に存在し、且つ、搬送方向においてもインク滴が吐出された単位領域と、インク滴が吐出されなかった単位領域とが交互に存在することになる。
以上、説明したように、印刷モードが720DPI×720DPI、印刷方式がフルオーバラップ方式の3つの記録方法80,81,82の間引き処理として、図15に示す間引き処理設定テーブルに基づいて実行すると、上記のようにインク滴が吐出される。この間引き処理設定テーブルは、各記録方法にて、「繰り返し使用する吐出モード数」及び「各吐出モードの設定」を違わせて画像を印刷した際に、画像の端部にて最も間引き処理の影響が小さいものが選択されて設定されたものである。すなわち、例えば記録方法80であっても、図22に示すように、印刷データの端から、1、2、5、6、9、10、13、14番目の単位領域にインク滴を吐出させること、等も可能である。例えば記録方法80では、図示するように、繰り返し使用する吐出モード数は「2」とし、2つの吐出モードとして、第1吐出モード及び第2吐出モード共にブロック情報「10」、範囲情報「44」とすることにより実現される。
また、印刷領域の打ち捨て領域Aaにおいて、インク滴が吐出される単位領域を、用紙から遠い側に多く設定し、インク滴が吐出される単位領域を、用紙に近い側に多く設定することも可能である。
<打ち捨て領域において用紙の端に近い側と遠い側とでインクの吐出量を違えた例>
ここでは、記録方法80を例に説明する。
図23は、打ち捨て領域Aaにおいて用紙の端に近い側と遠い側とでインク滴が吐出される単位領域の数を違えた場合の間引き処理を説明するための図である。
記録方法80は、解像度が720DPI×720DPIのフルオーバラップ(FOL)方式であることは既に述べたとおりである。この例でも、すべてのラスタラインが2つのノズルから吐出されたインクにて形成される。また、用紙の搬送量も、1回目に6ラスタライン分、2回目に5ラスタライン分、3回目に6ラスタライン分、4回目に3ラスタライン分搬送ことも前述した通りである。
記録方法80にて、用紙の端に近い側と遠い側とでインクの吐出量を違える場合には、繰り返し使用する吐出モード数は「2」であり、2つの吐出モードが規定されている。第1吐出モードとしては、ブロック情報「00101011」にて示されるように、単位ブロック内の8つの単位領域において3、5、7、8番目の単位領域にてインク滴を吐出し、他の単位領域にてインク滴を吐出しないように規定されている。また、第2吐出モードとして、ブロック情報「00010101」にて示されるように、単位ブロック内の8つの単位領域において4、6、8番目の単位領域にてインク滴を吐出し、他の単位領域にてインクを吐出しないように規定されている。そして、打ち捨て領域Aaは、第1吐出モード及び第2吐出モードのいずれも範囲情報「44」にて示されるように規定されている。
まず、印刷指令と共に印刷データ及び印刷情報を受信すると、用紙を給紙して所定の位置まで搬送させる。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる最初のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。最初のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されている。この最初のパスにて、基準となる印刷データの端から5番目、9番目、13番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から5番目、9番目、13番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる2回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。この2回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「00010101」なので、基準となる印刷データの端から7番目、11番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から7番目、11番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、最初のパスにてインク滴が吐出された隣接する単位領域の中間に位置する単位領域の位置である。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる3回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。この3回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「00101011」なので、基準となる印刷データの端から6番目、10番目、14番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から6番目、10番目、14番目、16番目の単位領域と、それらの間の基準領域における偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、最初のパスと2回目のパスにてインク滴が吐出された単位領域の搬送方向上流側に隣接する位置の単位領域である。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる4回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。この4回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報は「00010101」なので、基準となる印刷データの端から8番目、12番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から8番目、12番目、16番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき、インク滴が吐出される搬送方向の位置は、搬送方向には最初のパスにてインク滴が吐出された単位領域の搬送方向上流側に隣接する位置の単位領域である。
次に用紙が3ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる5回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。5回目のパスでは、1回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と、搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この5回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「00101011」の第1吐出モードなので、基準となる印刷データの端から6番目、10番目、14番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から6番目、10番目、14番目、16番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる6回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。6回目のパスでは、2回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この6回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、偶数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「00010101」の第2吐出モードなので、基準となる印刷データの端から8番目、12番目、16番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から8番目、12番目、16番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける偶数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が5ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の右から左方向に移動させる7回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第1吐出モードにてインク滴を吐出する。7回目のパスでは、3回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向において同じ位置に位置する単位領域にインク滴が吐出される。この7回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「00101011」の第1吐出モードなので、基準となる印刷データの端から5番目、9番目、13番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から5番目、9番目、13番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。
次に用紙が6ラスタライン分搬送される。そして、キャリッジ31を図の左から右方向に移動させる8回目のパスにて第2ノズル〜第11ノズルを用いて第2吐出モードにてインク滴を吐出する。8回目のパスでは、4回目のパスにてラスタラインが形成された単位領域と搬送方向に同じ位置の単位領域にインク滴が吐出される。この8回目のパスは、インク滴が吐出される位置が、奇数番目の単位領域に設定されており、ブロック情報「00010101」の第2吐出モードなので、基準となる印刷データの端から7番目、11番目、15番目の単位領域と、用紙の反対側における基準となる印刷データの端から7番目、11番目、15番目の単位領域と、それらの間の基準領域Asにおける奇数番目の単位領域にそれぞれインク滴が吐出される。このとき基準領域Asの範囲において同じラスタラインが形成されるべきすべての単位領域にインク滴が吐出されたことになる。そして、3ラスタライン分用紙が搬送されて、9回目のパスが実行される。
このような8回のパスによる印刷動作が、以降9回目のパスから繰り返される。そして、打ち捨て領域Aaには、図23に示すように、用紙の端に近い側にインク滴が吐出された単位領域が多く、用紙の端から遠い側にインク滴が吐出されなかった単位領域が多く設けられることになる。
上記第1実施形態の印刷システム100及びプリンタ1によれば、メモリ63に記憶されている規定情報、すなわち間引き処理設定テーブル、吐出情報(ブロック情報)、範囲情報により、用紙の端部近傍の単位領域のうち、画像データにかかわらずノズルからインク滴を吐出させない所定の単位領域が、単位領域毎に規定されているので、用紙の端部近傍にインク滴が吐出されない単位領域を、単位領域毎に設けることが可能である。すなわち、インク滴を吐出させない単位領域を、単位領域毎に設けることが可能なので、高い自由度にてインク滴を吐出させないように設定することが可能である。
また、吐出情報は、移動方向に並ぶ所定数の単位領域毎に設定された単位ブロック毎に、インク滴が吐出されない単位領域を規定する情報なので、すべての単位領域を個々に規定する場合より情報量を少なくすることが可能であり、インク滴を吐出させる、または、吐出させないように容易に制御することが可能である。
また、第1実施形態の印刷システム100及びプリンタ1では、単位ブロックが有する複数の単位領域のうちの、インク滴を吐出する単位領域が、互いに異なるように規定された複数種類のブロック情報から選択されたブロック情報に基づいてインク滴を吐出する動作が順次繰り返されることにより、それぞれ異なる位置の単位領域においてインク滴を吐出させないように制御することが可能である。
規定情報に含まれる範囲情報は、用紙の端部近傍において、インク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を規定しているので、この範囲情報に基づいて、所望の範囲にインク滴が吐出されない単位領域を含ませることが可能である。また、範囲情報を適宜設定することにより、インク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を任意に設定することが可能である。
また、用紙の端部近傍においては、用紙上であればインク滴を吐出させ、用紙の外側の領域であればインク滴を吐出しないことが望ましいが、用紙の端部が位置は明確でなく、また、用紙の搬送状況により異なる場合がある。このため、用紙の外側に位置する可能性が高い、印刷領域の移動方向における端を基準としてインク滴が吐出されない単位領域を含ませる範囲を規定することにより、インク滴が吐出されない単位領域を用紙の外側により多く設けることが可能である。
また、範囲情報は、ブロック情報に基づいて単位ブロックにインク滴が吐出される動作が、印刷領域の端から繰り返し実行される回数にて規定されているので、用紙の端部近傍にインク滴が吐出されない単位領域を設けるように制御することが容易である。
また、用紙の端部近傍の一端部側(ホームポジション側)と他端部側(反ホームポジション側)との単位領域において、インク滴が吐出されない単位領域の位置を、用紙のいずれの側においても、用紙の端部に対し同様に配置させることが可能である。このため、用紙の端部近傍において、例えば用紙端部側にはインク滴が吐出される単位領域を多く配置し、端部より遠い側にはインク滴が吐出される単位領域を少なく配置することにより、インク滴の用紙外への吐出量を低減させると共に、用紙に形成される画像を端部まで良好に印刷することが可能である。
===間引き処理の第2実施例===
上記第1実施例では、印刷すべき記録方法を特定し、間引き処理設定テーブルの記録方法に対応付けられた情報に基づいて、間引き処理信号SIGを生成し、印刷信号PRT(i)と、生成した間引き処理信号SIGとの論理積に基づいてインク滴を吐出することとした。第2実施例では、所定の規定領域に属する各単位領域にて、単位領域毎にインク滴を吐出するか否かを規定するための規定データを複数種類有しており、印刷すべき記録方法を特定し、間引き処理設定テーブルの記録方法に対応付けられた規定データに基づいて、インク滴を吐出させることとする。ここで規定領域とは、キャリッジ31の移動方向及びこの移動方向と交差する搬送方向のいずれにも複数の単位領域を有する規定された領域である。この規定領域は、例えば第1実施例の図19に示す例では、8回のパスですべての単位領域にインク滴を吐出可能となる領域内の打ち捨て領域Aaに属する部分とする。具体的には、キャリッジ31の移動方向には、基準となる印刷領域、すなわち印刷データの端から16個の単位領域分の幅を有し、搬送方向には6個分の単位領域を有する領域である。規定領域の大きさは、記録方法、印刷モード、印刷方式、1ラスタラインを形成するノズル数、繰り返し使用する吐出モード数、各吐出モードの設定等、諸条件により相違する。
図24は、図15に示す記録方法80に対応付けられた規定データのイメージを示す図である。図25は、図15に示す記録方法81に対応付けられた規定データのイメージを示す図である。図26は、図15に示す記録方法82に対応付けられた規定データのイメージを示す図である。このような規定データが、各記録方法に対応付けられて記憶されている。
そして、これら規定データは、印刷すべき記録方法に基づいて選択され、ラスタライズ処理前の画像データにおける打ち捨て領域Aaに相当する部分に合成される。すなわち、印刷データの状態では、既に打ち捨て領域Aaにてインク滴を吐出しない単位領域が設定されているため、印刷データに基づく印刷信号PRT(i)と間引き処理信号SIGとの論理積を求めるような処理を必要としない。このため、制御が容易でありスループットを向上させることが可能である。規定データと画像データとを合成する処理は、印刷データをプリンタドライバがインストールされたホストコンピュータ110で生成する場合には、ホストコンピュータ110にて実行し、プリンタ1が印刷データを生成する機能を有している場合には、プリンタ1のコントローラ60にて実行してもよい。
第2実施例によれば、画像データに、用紙の端部近傍の領域にてノズルからインク滴を吐出させない単位領域を規定した規定データを合成することにより、規定情報を画像データに含ませるので、用紙の端部近傍の領域にインク滴を吐出させない単位領域を、簡単な制御により設けることが可能である。
また、規定データは、移動方向及び搬送方向のいずれにも複数の単位領域を有し、所定の面積を有する規定領域に属する各々の単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを規定するので、規定領域毎にインク滴を吐出させない単位領域を所定の面積の範囲にて規定するため、さらに簡単に制御することが可能であり、用紙の端部近傍の領域にインク滴を吐出させない単位領域を容易に設けることが可能である。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として印刷システムについて記載されているが、その中には、プリンタ1、印刷装置、印刷方法等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としての印刷システム等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、印刷装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1のノズルから染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に気泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<インクを吐出するキャリッジ移動方向について>
前述の実施形態では、キャリッジ31の往復たる双方向移動時にインクを吐出する所謂双方向印刷を例に説明したが、これに限るものではなく、キャリッジ31の往方向の移動時にのみインクを吐出する単方向印刷を行っても良い。
<印刷に用いるインク色について>
前述の実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色のインクを用紙S上に吐出してドットを形成する多色印刷を例に説明したが、インク色はこれに限るものではない。例えばこれらインク色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)及びライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)等のインクを用いて6色としたり、薄いブラックLK及びさらに薄いブラックLLKを用いて8色としても良い。さらに、4色のインクを用いて印刷するモードと6色または8色のインクを用いて印刷するモードを切り替えられるように設定されていても良い。この場合には、インク色の数毎に、各記録方法にて間引き処理を違えた画像を印刷し、各々に適した間引き処理設定テーブルを備えておくことが望ましい。
また、逆に、上記4つのインク色のいずれか一つだけを用いて単色印刷を行っても良い。
印刷システムの構成を説明する図である。 印刷装置としてのプリンタの全体構成のブロック図である。 図3Aは、プリンタの全体構成の概略図である。図3Bは、プリンタの全体構成の断面図である。 ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 各ノズルを駆動するための駆動回路のブロック図である。 印刷時の処理のフロー図である。 図7Aは、パスn〜パスn+3におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図7Bは、パスn〜パスn+4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。 図8Aは、1パス目〜4パス目におけるノズル位置と、そのノズルにてドットの形成の様子を示す図である。図8Bは、1パス目〜6パス目におけるノズル位置とドットの形成の様子を示す図である。 『通常印刷』時における印刷領域Aと用紙Sとのサイズの関係を示す図である。 『縁無し印刷』時における印刷領域Aと用紙Sとのサイズの関係を示す図である。 インク回収部の平面図である。 図12Aは第1インク回収部と用紙先端との相対位置を説明するための図である。図12Bは第1インク回収部と用紙後端との相対位置を説明するための図である。 第2インク回収部の断面図である。 打ち捨て領域Aaでの間引き状態を概念的に示す平面図である。 間引き処理設定テーブルの一例を示す図である。 吐出情報を説明するための図である。 間引き処理を説明するためのフローチャートである。 範囲情報にて規定される打ち捨て領域を説明するための図である。 記録方法80における間引き処理を説明するための図である。 記録方法81における間引き処理を説明するための図である。 記録方法82における間引き処理を説明するための図である。 記録方法80における図19と異なる間引き処理を説明するための図である。 打ち捨て領域において用紙の端に近い側と遠い側とでインク滴が吐出される単位領域の数を違えた場合の間引き処理を説明するための図である。 図15に示す記録方法80に対応付けられた規定データのイメージを示す図である。 図15に示す記録方法81に対応付けられた規定データのイメージを示す図である。 図15に示す記録方法82に対応付けられた規定データのイメージを示す図である。
符号の説明
1 プリンタ(インクジェットプリンタ),
20 搬送ユニット,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジユニット,31 キャリッジ,32 キャリッジモータ,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,50 検出器群,
51 リニア式エンコーダ,52 ロータリー式エンコーダ,
53 紙検出センサ,54 光学センサ,60 コントローラ,
61 インターフェース部,62 CPU,63 メモリ,
64 ユニット制御回路,80 インク回収部,
82 第1インク回収部,83 第2インク回収部,84 吸収材,
100 印刷システム,110 コンピュータ,120 表示装置,
130 入力装置,140 記録再生装置,
221 原駆動信号発生部,222 マスク回路,
224 間引き処理部,411 ノズル列,
Aa 打ち捨て領域,As 基準領域

Claims (13)

  1. 媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルと、
    前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させるためのコントローラと、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記ノズルは、所定の移動方向に移動しつつインク滴を吐出して、前記移動方向に沿ったドット列を前記媒体に形成可能であり、
    前記規定情報には、前記移動方向に並ぶ所定数の前記単位領域毎に設定された単位ブロックの各々の前記単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを、規定する吐出情報が含まれていることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置において、
    前記吐出情報は、前記単位ブロックが有する複数の前記単位領域のうちの、インク滴を吐出する前記単位領域が、互いに異なるように規定した複数種類のブロック情報を有し、
    前記媒体の端部近傍の領域では、前記複数種類のブロック情報から選択されたブロック情報に基づいてインク滴を吐出する動作が順次繰り返されることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記規定情報は、前記媒体の端部近傍において、インク滴が吐出されない前記単位領域を含ませる範囲を規定するための範囲情報が含まれていることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記媒体より広い領域に画像を印刷するための印刷データに基づいて、前記インク滴が吐出され、
    前記範囲情報は、前記印刷データに基づいてインク滴が吐出可能なインク滴吐出領域の前記移動方向における端を基準として規定されていることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置において、
    前記範囲情報は、前記ブロック情報に基づいて前記単位ブロックにインク滴が吐出される動作が、前記インク滴吐出領域の前記移動方向における端から繰り返し実行される回数にて規定されていることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記媒体の端部近傍の領域においてインク滴を吐出させない前記所定の単位領域は、前記移動方向における前記媒体の一端部側と他端部側とで、対称となる位置に配置されていることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記規定情報に基づいて、前記媒体より広い領域に画像を印刷するための画像データに、
    前記媒体の端部近傍の領域にて前記ノズルからインク滴を吐出させない前記単位領域を規定した規定データを合成することにより、前記規定情報を前記画像データに含ませることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項8に記載の印刷装置において、
    前記規定データは、前記移動方向及び前記移動方向と交差する交差方向とのいずれにも複数の前記単位領域を有する規定領域に属する各々の前記単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを規定するデータであることを特徴とする印刷装置。
  10. 媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルと、
    前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させるためのコントローラと、
    を有し、
    前記ノズルは、所定の移動方向に移動しつつインク滴を吐出して、前記移動方向に沿ったドット列を前記媒体に形成可能であり、
    前記規定情報には、前記移動方向に並ぶ所定数の前記単位領域毎に設定された単位ブロックの各々の前記単位領域にて、インク滴を吐出するか否かを、規定する吐出情報が含まれており、
    前記吐出情報は、前記単位ブロックが有する複数の前記単位領域のうちの、インク滴を吐出する前記単位領域が、互いに異なるように規定した複数種類のブロック情報を有し、
    前記媒体の端部近傍の領域では、前記複数種類のブロック情報から選択されたブロック情報に基づいてインク滴を吐出する動作が順次繰り返され、
    前記規定情報は、前記媒体の端部近傍において、インク滴が吐出されない前記単位領域を含ませる範囲を規定するための範囲情報を有し、
    前記媒体より広い領域に画像を印刷するための印刷データに基づいて、前記インク滴が吐出され、
    前記範囲情報は、前記印刷データに基づいてインク滴が吐出可能なインク滴吐出領域の前記移動方向における端を基準として規定され、
    前記範囲情報は、前記ブロック情報に基づいて前記単位ブロックにインク滴が吐出される動作が、前記インク滴吐出領域の前記移動方向における端から繰り返し実行される回数 にて規定され、
    前記媒体の端部近傍の領域においてインク滴を吐出させない前記所定の単位領域は、前記移動方向における前記媒体の一端部側と他端部側とで、対称となる位置に配置されていることを特徴とする印刷装置。
  11. 媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズル有する印刷装置に、
    前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させる機能を、実現させるためのコンピュータプログラム。
  12. コンピュータ、及び、
    このコンピュータに接続され、
    媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルと、
    前記媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、画像データにかかわらず前記ノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、前記単位領域毎に規定するための規定情報、に基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させるためのコントローラと、を有する印刷装置、
    を有することを特徴とする印刷システム。
  13. 媒体の端部近傍の前記単位領域のうち、前記媒体にドットを形成すべく当該媒体に向けて単位領域毎にインク滴を吐出するためのノズルからインク滴を吐出させない所定の前記単位領域を、画像データにかかわらず、前記単位領域毎に規定するための規定情報に基づいて、前記ノズルからインクを吐出させるためのインク吐出データを生成するステップと、
    前記インク吐出データに基づいて前記ノズルからインク滴を吐出させるステップと、
    を有することを特徴とする印刷方法。

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