JP4329458B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出部を走査方向に移動させる移動体と、移動方向において異なる位置に配置された複数の支持部と、を備えている液体吐出装置(例えば、プリンタ等)が知られている。このような構成の液体吐出装置では、媒体を支持部で支持する構成なので、媒体
の裏面をインク等によって汚さずに済む。
但し、このような構成だと、支持部に支持される媒体は、波を打つ形状になる。このため、移動方向の位置に応じて、液体吐出部から吐出された液体の着弾位置のずれ方が異なる。
特開2001−38963号公報
このような構成の液体吐出部において、媒体に液体吐出部から液体を吐出して調整用パターンを形成すると、適した調整値が得られないおそれがある。
本発明は、変形した紙に調整用のパターンを形成し、この調整用パターンに基づいて、高精度に液体を着弾させるための調整値を得ることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、液体を吐出する液体吐出部を移動方向に移動させる移動体と、前記移動方向において異なる位置に配置された複数の支持部と、を備え、前記支持部に支持された媒体に、前記液体吐出部から前記液体を吐出して、液体吐出タイミングを調整するためのパターンを複数形成する液体吐出装置において、前記移動方向に沿って形成された複数のパターンが、粗調用のパターン群を構成し、前記移動方向と交差する方向に沿って形成された複数のパターンが、微調用のパターン群を構成し、前記複数のパターンは、それぞれ特定の調整値と対応しており、前記粗調用のパターン群の各パターンの前記調整値の差は、前記微調用のパターン群の各パターンの前記調整値の差の倍であり、前記粗調用のパターン群と前記微調用のパターン群とに含まれるパターンが存在し、前記粗調用のパターン群は、前記微調用のパターン群よりも、多くのパターンを有し、前記支持部の前記移動方向の位置に応じた位置に、前記パターンを形成し、前記媒体を搬送するとき、前記媒体の先端は、前記支持部と接触し、前記複数の支持部は、プラテンに設けられており、前記媒体は、前記プラテンに対して上方から斜め下方に向けて搬送され、前記複数の支持部に支持された媒体は、凹の部分及び凸の部分を有するように、変形し、前記媒体の凹又は凸の部分は、前記媒体の搬送方向に沿っており、前記パターンは、前記媒体の凹の部分と凸の部分との間に形成され、前記パターンは、2つの支持部の中央位置とその支持部の位置との間に形成され、前記媒体と前記液体吐出部との間隔は、前記移動方向の位置に応じて異なり、前記パターンには、複数の罫線が形成され、前記移動体は、双方向に移動可能であり、前記液体吐出部は、前記移動体が双方向に移動する間に、前記液体を吐出し、前記液体は、インクであり、前記液体吐出装置は、前記媒体に画像を形成する印刷装置であることを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、変形した紙に形成された調整用パターンに基づいて、高精度に液体を着弾させるための調整値を得ることができる。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
液体を吐出する液体吐出部を移動方向に移動させる移動体と、
前記移動方向において異なる位置に配置された複数の支持部と、を備え、
前記支持部に支持された媒体に、前記液体吐出部から前記液体を吐出して、液体吐出タイミングを調整するためのパターンを複数形成する液体吐出装置において、
前記移動方向に沿って形成された複数のパターンが、粗調用のパターン群を構成し、
前記移動方向と交差する方向に沿って形成された複数のパターンが、微調用のパターン群を構成する
ことを特徴とする液体吐出装置。
かかる液体吐出装置によれば、各パターンの形状が順番に変化するように、変形する紙に複数のパターンを形成することができる。これにより、変形した紙に形成されたパターンからでも、高精度にインクを着弾させるための調整値を得ることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記複数のパターンは、それぞれ特定の調整値と対応しており、前記粗調用のパターン群の各パターンの前記調整値の差は、前記微調用のパターン群の各パターンの前記調整値の差の倍であることが望ましい。これにより、微調用のパターンの数を実質的に増やすことができる。
かかる液体吐出装置であって、前記粗調用のパターン群と前記微調用のパターン群とに含まれるパターンが存在することが望ましい。これにより、効率よく複数の調整用パターンを配置することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記粗調用のパターン群は、前記微調用のパターン群よりも、多くのパターンを有することが望ましい。これにより、印刷時間を短縮することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記支持部の前記移動方向の位置に応じた位置に、前記パターンを形成することが望ましい。これにより、変形した紙に形成されたパターンからでも、高精度にインクを着弾させるための調整値を得ることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記媒体を搬送するとき、前記媒体の先端は、前記支持部と接触することが望ましい。これにより、紙の腰が強くなる。また、前記複数の支持部は、プラテンに設けられており、前記媒体は、前記プラテンに対して上方から斜め下方に向けて搬送されることが好ましい。これにより、紙の先端がプラテンから大きく浮き上がらず、紙の先端がヘッドを擦ることを防止することができる。また、紙の変形量が毎回同程度になる。
かかる液体吐出装置であって、前記複数の支持部に支持された媒体は、凹の部分及び凸の部分を有するように、変形することが望ましい。また、前記媒体の凹又は凸の部分は、前記媒体の搬送方向に沿っていることが好ましい。これにより、紙を搬送しやすくなる。
かかる液体吐出装置であって、前記パターンは、前記媒体の凹の部分と凸の部分との間に形成されることが望ましい。これにより、優れた画像を媒体に形成することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記パターンは、2つの支持部の中央位置とその支持部の位置との間に形成されることが望ましい。これにより、優れた画像を媒体に形成することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記媒体と前記液体吐出部との間隔は、前記移動方向の位置に応じて異なることが望ましい。これにより、移動方向の位置に応じて液体の着弾位置のずれ方が異なるが、このような状況であっても、高精度に液体を着弾させるための調整値を得ることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記パターンには、複数の罫線が形成されることが望ましい。これにより、1つのパターン内のギャップの差の影響を平均化することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記移動体は、双方向に移動可能であり、前記液体吐出部は、前記移動体が双方向に移動する間に、前記液体を吐出することが望ましい。これにより、双方向印刷によって高画質な画像を得ることができる。
また、前記液体は、インクであり、前記液体吐出装置は、前記媒体に画像を形成する印刷装置である。
液体を吐出する液体吐出部を移動方向に移動させ、
前記移動方向において異なる位置に配置された複数の支持部によって媒体を支持し、
前記支持部に支持された媒体に、前記液体吐出部から前記液体を吐出して、液体吐出タイミングを調整するためのパターンを複数形成する液体吐出方法において、
前記移動方向に沿って形成された複数のパターンが、粗調用のパターン群を構成し、
前記移動方向と交差する方向に沿って形成された複数のパターンが、微調用のパターン群を構成する
ことを特徴とする液体吐出方法。
かかる液体吐出方法によれば、各パターンの形状が順番に変化するように、変形する紙に複数のパターンを形成することができる。これにより、変形した紙に形成されたパターンからでも、高精度にインクを着弾させるための調整値を得ることができる。
コンピュータと、印刷装置とを備えた印刷システムであって、
前記印刷装置は、
液体を吐出する液体吐出部を移動方向に移動させる移動体と、
前記移動方向において異なる位置に配置された複数の支持部と、を備え、
前記支持部に支持された媒体に、前記液体吐出部から前記液体を吐出して、液体吐出タイミングを調整するためのパターンを複数形成する印刷装置であり、
前記移動方向に沿って形成された複数のパターンが、粗調用のパターン群を構成し、
前記移動方向と交差する方向に沿って形成された複数のパターンが、微調用のパターン群を構成する
ことを特徴とする印刷システム。
かかる印刷システムによれば、各パターンの形状が順番に変化するように、変形する紙に複数のパターンを形成することができる。これにより、変形した紙に形成されたパターンからでも、高精度にインクを着弾させるための調整値を得ることができる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と電気的に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のユーザインタフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボード130Aやマウス130Bであり、表示装置120に表示されたユーザインタフェースに沿って、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバの設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えばフレキシブルディスクドライブ装置140AやCD−ROMドライブ装置140Bが用いられる。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ110とのシステムを意味する。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図2は、本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。また、図3は、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。また、図4は、本実施形態のプリンタの全体構成の横断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタは、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、およびコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を形成する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。検出器群50から検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙を搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、紙を搬送する搬送機構(搬送手段)として機能する。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。ただし、搬送ユニット20が搬送機構として機能するためには、必ずしもこれらの構成要素を全て必要とするわけではない。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21は、D形の断面形状をしており、円周部分の長さは搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて紙を搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、DCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、走査方向という)に移動(走査移動)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、走査方向に往復移動可能である。(これにより、ヘッドが走査方向に沿って移動する。)また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を走査方向に移動させるためのモータであり、DCモータにより構成される。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が走査方向に移動すると、ヘッド41も走査方向に移動する。そして、ヘッド41が走査方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、走査方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の走査方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって紙を給紙する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出する。光学センサ54は、光学的に紙の端部を検出するため、機械的な紙検出センサ53よりも、検出精度が高い。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御手段)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<印刷動作について>
図5は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する(S001)。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・インク吐出処理等を行う。
まず、コントローラ60は、給紙処理を行う(S002)。給紙処理とは、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙を搬送ローラ23まで送る。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。紙が印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、紙と対向している。
次に、コントローラ60は、ドット形成処理を行う(S003)。ドット形成処理とは、走査方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する処理である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を走査方向に移動させる。そして、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッドからインクを吐出させる。ヘッドから吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。
次に、コントローラ60は、搬送処理を行う(S004)。搬送処理とは、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータを駆動し、搬送ローラを回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
次に、コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う(S005)。印刷中の紙に印刷するためのデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷するためのデータがなくなるまでドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。印刷中の紙に印刷するためのデータがなくなれば、コントローラ60は、その紙を排紙する。コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、印刷した紙を外部に排出する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う(S006)。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<ノズルについて>
図6は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720)である場合、k=4である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の下流側に位置している。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。また、光学センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯180とほぼ同じ位置にある。
===搬送処理===
<搬送処理について>
図7は、搬送ユニット20の構成の説明図である。なお、これらの図において、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
搬送ユニット20は、コントローラからの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。また、搬送モータ22は、この駆動力を用いて排紙ローラ25を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23と排紙ローラ25は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23と排紙ローラ25が所定の回転量にて回転すると、紙は所定の搬送量にて搬送される。搬送ローラ23と排紙ローラ25は同期して回転しているため、搬送ローラ23及び排紙ローラ25の少なくとも一方に紙が接触していれば、紙は搬送ユニット20によって搬送可能である。
紙の搬送量は、搬送ローラ23の回転量に応じて定まる。したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、紙の搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
<ロータリー式エンコーダの構成について>
図8は、ロータリー式エンコーダの構成の説明図である。なお、これらの図において、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
ロータリー式エンコーダは52、スケール521と検出部522とを有する。
スケール521は、所定の間隔毎に設けられた多数のスリットを有する。このスケール521は、搬送ローラ14に設けられている。つまり、スケール521は、搬送ローラ23が回転すると、一緒に回転する。例えば、搬送ローラ23が紙Sを1/1440インチ分の搬送を行うように回転すると、スケール521は、検出部522に対して、1スリット分だけ回転する。
検出部522は、スケール521と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。検出部522は、発光ダイオード522Aと、コリメータレンズ522Bと、検出処理部522Cとを有しており、検出処理部522Cは、複数(例えば、4個)のフォトダイオード522Dと、信号処理回路522Eと、2個のコンパレータ522Fa、522Fbとを備えている。
発光ダイオード522Aは、両端の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズに入射される。コリメータレンズ522Bは、発光ダイオード522Aから発せられた光を平行光とし、スケール521に平行光を照射する。スケールに設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード522Dに入射する。フォトダイオード522Dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオードから出力される電気信号は、コンパレータ522Fa、522Fbにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ522Fa、522Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、ロータリー式エンコーダ52の出力となる。
<ロータリー式エンコーダの信号について>
図9Aは、搬送モータ22が正転しているときの出力信号の波形のタイミングチャートである。図9Bは、搬送モータ22が反転しているときの出力信号の波形のタイミングチャートである。
図に示された通り、搬送モータ12の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。搬送モータ22が正転しているとき、すなわち、紙Sが搬送方向に搬送されているときは、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、搬送モータ22が反転しているとき、すなわち、紙Sが搬送方向とは逆方向に搬送されているときは、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、搬送ローラ23がスケール521のスリットの間隔(例えば、1/1440インチ(1インチ=2.54cm))分だけ回転する時間に等しい。
コントローラがパルス信号の数をカウントすれば、搬送ローラ23の回転量を検出できるので、紙の搬送量を検出することができる。また、コントローラが各パルスの1周期Tを検出すれば、搬送ローラ23の回転速度を検出できるので、紙の搬送速度を検出することができる。
<搬送フローについて>
図10は、搬送処理のフロー図である。以下に説明される各種の動作は、プリンタ1内のメモリに格納されたプログラムに基づいて、コントローラが搬送ユニット20を制御することによって、実現される。また、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
まず、コントローラは、目標搬送量を設定する(S041)。目標搬送量とは、搬送ユニット20が目標とする搬送量で紙Sを搬送するため、搬送ユニット20の駆動量を決める値である。この目標搬送量は、コンピュータ側から受信した印刷データの中に含まれている搬送コマンドデータ(目標搬送量に関する情報)に基づいて、決定される。また、この目標搬送量は、コントローラがカウンタの値を設定することによって、設定される。以下の説明では、目標搬送量をXとしているので、コントローラは、カウンタの値をXに設定する。
次に、コントローラは、搬送モータ22を駆動する(S042)。搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23が所定の回転量にて回転する。そして、搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、搬送ローラ23に設けられたスリット521も回転する。
次に、コントローラは、ロータリー式エンコーダのパルス信号のエッジを検出する(S043)。すなわち、コントローラは、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。例えば、コントローラが1個のエッジを検出すれば、搬送ローラ23が1/1440インチの搬送量にて紙Sを搬送したことを意味する。
コントローラがロータリー式エンコーダのパルス信号のエッジを検出したら、コントローラは、カウンタの値を減算する(S044)。つまり、カウンタの値がXのときに、コントローラがパルス信号のエッジを1つ検出したら、コントローラはカウンタの値をX−1に設定する。
そして、コントローラは、カウンタの値がゼロになるまで、S042〜S044の動作を繰り返す(S045)。つまり、最初にカウンタに設定された値のパルス数が検出されるまで、コントローラは、搬送モータ22を駆動することになる。これにより、搬送ユニット20は、最初にカウンタに設定された値に応じた搬送量で、紙Sを搬送方向に搬送する。
例えば、搬送ユニット20が紙Sを90/1440インチだけ搬送するとき、コントローラは、目標搬送量を設定するため、カウンタの値を90に設定する。そして、コントローラは、ロータリー式エンコーダのパルス信号の立ち上りエッジ又は立ち下りを検出するたびに、カウンタの値を減算する。そして、カウンタの値がゼロになったとき、コントローラは、搬送動作を終了する。90個のパルス信号を検出すれば、搬送ローラ23が90/1440インチで紙Sを搬送したことを意味するからである。したがって、コントローラが目標搬送量の設定としてカウンタの値を90に設定すれば、搬送ユニット20は、90/1440インチで紙Sを搬送することになるのである。
なお、上記の説明では、コントローラは、パルスENC−A又はENC−Bの立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出していたが、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方のエッジを検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はスケール521のスリット間隔に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、コントローラが各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのいずれかを検出することは、搬送ローラ23が1/5760インチで印刷用紙を搬送することを意味する。この場合、コントローラがカウンタの値を90に設定すれば、搬送ユニット20は、90/5760インチで紙Sを搬送することになる。
上記の説明は、1回の搬送動作に関するものである。プリンタが複数回の搬送動作を間欠的に行う場合、コントローラは各搬送動作が終わるたびに目標搬送量を設定し(カウンタの値を設定し)、搬送ユニット20は、設定された目標搬送量に従って紙Sを搬送する。
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。つまり、搬送ローラ23と紙Sとの間に滑りが生じていれば、搬送ローラ23の回転量と紙Sの搬送量が一致しないため、ロータリー式エンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。このように、搬送ローラ23と紙Sとの間に滑りが生じている場合、搬送ユニット20が紙Sを目標搬送量で搬送するためには、コントローラは目標搬送量よりも大きい搬送量で搬送ローラ23を回転させる必要がある。そこで、コントローラは、紙Sを最適な搬送量で搬送するため、目標搬送量を補正し、補正された目標搬送量に応じた値にカウンタを設定することが可能である。
===プラテンの構成===
「縁なし印刷」と呼ばれる印刷方式がある。この印刷方式は、紙の全体に余白を作らずに画像を形成する印刷方式である。プリンタは、「縁なし印刷」を行うとき、紙よりも広い領域にインクを吐出し、紙の全体にインクを塗布し、紙の全体に画像を形成している。
「縁なし印刷」の場合、紙よりも広い領域にインクが吐出されるので、紙に着弾せずプラテンに着弾するインクが存在する。しかし、プラテンに着弾したインクが紙の裏側に付着すると、紙が汚れてしまうため望ましくない。そこで、紙の裏側の汚れを防ぐため、プラテン24は突起(支持部)を備え、インク滴が付着した部分に紙が接触しないようにしている。
図11Aは、プラテン24周辺の構成要素の斜視図である。図11Bは、搬送ローラ23によって搬送される紙の斜視図である。図12A及び図12Bは、紙が搬送される様子を横(走査方向)から見た図である。同図において、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
プラテン24は、複数の突起242(凸部とも呼ぶ)を備えている。この突起242は、走査方向に沿って複数並んで配置されている。これにより、それぞれの突起242は、走査方向において異なる位置に配置されている。走査方向に並ぶ複数の突起によって、突起群を構成している。
突起群(走査方向に並ぶ複数の突起242)は、搬送方向に沿って複数配置されている。これにより、突起群と突起群との間に、走査方向に沿った溝部(凹部とも呼ぶ)が、形成される。突起242の走査方向の位置は、いずれの突起群であっても、ほぼ同じ位置である。したがって、突起と突起との間に、搬送方向に沿った溝部が、形成される。
溝部には、縁なし印刷のときに紙に着弾しなかったインクが着弾する。プリンタは色々なサイズの紙(例えば、ハガキ、B5用紙、A4用紙等)に対して縁なし印刷を行うので、各サイズの紙の側端の位置に対応させて、搬送方向に沿った溝部が複数設けられている。また、紙の上端や下端にも縁なし印刷を行う必要があるので、走査方向に沿った溝部が、少なくとも2つ形成される。逆にいえば、このような溝を形成するように、複数の突起242が形成されている。
搬送ローラ23によって搬送された紙は、プラテン24に対して上方から斜め下方に向けて搬送されている(図12A)。斜めに搬送された紙の先端は、プラテン24の突起242に接触する。突起242に接触した紙の先端は、走査方向に沿って配置された突起242に接触すると、搬送方向から見て波状になる。搬送ローラが紙の搬送を続けると、プラテン24の突起242に支持されている紙は、走査方向に沿って波を打ち(起伏し)、蛇腹状(アコーディオン状)になる。但し、紙は、搬送方向には起伏のない形状である。つまり、波を打つ紙の山の部分は搬送方向に沿っており、谷の部分も搬送方向に沿っている。そして、紙の山の部分と谷の部分は、走査方向に交互に現れている。
紙がこのような形状になって搬送方向に搬送されるので、紙は反らずに搬送される。これにより、紙を搬送する途中において、走査方向に沿って形成された溝部に紙の先端が入ってしまい紙が詰まったり、紙の先端がプラテン24から浮き上がってヘッドを擦ったりすることを防止することができる。
図13は、ヘッド(ノズル)と紙との間隔の説明図である。同図は、搬送される紙の様子を搬送方向から見た図である。上記の通り、紙は、プラテン上にて蛇腹状になっている。つまり、紙は、印刷領域(ノズルによりインクが塗布される領域)において、蛇腹状になっている。このため、走査方向の位置によって、ヘッドと紙との間隔(以下、「ギャップ」と呼ぶ)は異なっている。
図14Aは、ギャップによるインク着弾位置変化の説明図である。キャリッジ36は、走査方向に速度VCRにて移動している。また、ヘッドから吐出されたインク滴は、鉛直方向に速度Viにて飛翔し、紙に着弾する。ギャップが大きい場合、インク滴が飛翔する距離が大きくなるため、着弾するまでの時間が長くなり、ギャップが小さい場合と比較して着弾位置が移動方向下流側にずれる。
図14Bは、双方向印刷時におけるインク着弾位置ずれの説明図である。キャリッジ36が往復移動する間に、ヘッドからインクが吐出される。所定のギャップL0では、往路におけるインク着弾位置と復路におけるインク着弾位置とが一致するように、双方向印刷時のインク吐出タイミングが調整されている。ギャップが標準ギャップL0と異なると、図に示す通り、双方向印刷時の着弾位置がずれてしまう。
本実施形態では、図13のように走査方向の位置によってギャップが異なっているので、走査方向の位置に応じて、着弾位置のずれが異なっている。しかし、着弾位置のずれが大きいと画質が低下するため、着弾位置のずれは小さいことが望ましい。そこで、本実施形態では、以下に説明するようにテストパターンを形成し、インク吐出タイミングを調整している。
===テストパターンの作成===
<調整値の決定手順について>
図15は、調整値の決定手順を説明するためのフロー図である。以下に説明されるプリンタの各種の動作は、プリンタ内のメモリ63に格納されたプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
プリンタは、まず、テストパターンの印刷を指示する指示信号を受ける(S101)。この指示信号は、コンピュータ本体から受信しても良いし、プリンタ本体に設けられたボタンから入力されても良い。コンピュータ本体からテストパターンの印刷を指示する場合、例えば図16に示されるようなユーザインターフェースが、コンピュータ本体に接続された表示装置に表示される。表示装置に表示されたウィンドウW1内には、インク吐出タイミング調整用のテストパターンの印刷を指示するためのボタンが表示されている。ユーザがこのボタンをクリックすると、コンピュータ本体からプリンタ1側にテストパターンの印刷を指示する信号が送信される。
次に、プリンタは、テストパターンを印刷する(S102)。指示信号を受信したプリンタは、メモリ63内にあるテストパターンのうち、インク吐出タイミング調整用のテストパターンに関する情報を検索する。そして、プリンタは、このテストパターンに関する情報に従って、紙にテストパターンを印刷する。なお、インク吐出タイミング調整用のテストパターンの印刷方法については、後述する。
テストパターンの印刷後、ユーザは、テストパターンとして印刷された複数の調整用パターンの中から、最適な調整用パターンの選択を行う(S103)。この最適なパターンの選択は、コンピュータ本体側で行っても良いし、プリンタ本体側で行っても良い。コンピュータ本体側で最適なパターンの選択を行う場合、例えば図17に示されるようなユーザインターフェースが、コンピュータ本体に接続された表示装置に表示される。表示装置に表示されたウィンドウW2内には、印刷された複数の調整用パターンに対応するように、複数のボタンが表示されている。そして、ユーザがこのボタンをクリックすることによって、クリックされたボタンに対応する調整用パターンが、最適なパターンとして選択される。なお、表示装置に表示される複数のボタンは、テストパターンの複数の調整用パターンの配置と同様に配置されている(調整用パターンの配置については後述する)。
選択された最適パターンの番号(選択番号)が3〜5以外の場合(S104;NO)、再度テストパターンを印刷する。但し、再度テストパターンを印刷する前に調整値を変更し(S105)、選択された最適パターンが次のテストパターンの中心位置(No=4の位置)に形成されるようにする。
選択番号が3〜5の場合(S104;YES)選択番号に応じた調整値が、プリンタに保存(記憶)される(S106)。コンピュータ本体側で最適なパターンの選択を行った場合、選択番号に対応する調整値が、コンピュータ本体側からプリンタ側に送信される。そして、プリンタは、受信した調整値をプリンタ内のメモリ63に保存する。
なお、紙に画像を印刷する場合、プリンタは、メモリ63に記憶されている調整値を読み出し、その調整値に基づいて、ノズル(ヘッド)のインク吐出タイミングを調整する。その結果、インクの着弾位置が調整され、画質を向上させることができる。
<テストパターンの印刷方法について>
図18は、本実施形態のテストパターンの説明図である。
テストパターンは、複数の調整用パターンを有している。テストパターンは、走査方向に沿って配置された5つの調整用パターン(No=1、2、4、6、7の調整用パターン)を有している。また、この5つの調整パターンのうちの中央の調整用パターン(No=4の調整用パターン)の搬送方向上流側及び下流側に、それぞれ1つ調整用パターン(No=3、5の調整用パターン)が配置されている。なお、走査方向に沿って配置された調整用パターンの間隔は、搬送方向に沿って配置された調整用パターンの間隔よりも、広い。
図19Aは、往路パターンの説明図である。図19Bは、復路パターンの説明図である。図19Cは、最適パターンの説明図である。図19Dは、往路パターンに対して復路パターンが右にずれたときの調整用パターンの説明図である。図19Eは、往路パターンに対して復路パターンが左にずれたときの調整用パターンの説明図である。
テストパターンの各調整用パターンは、往路パターンと復路パターンとを重ね合わせて形成されている。往路パターンは、キャリッジが往路方向に移動する間に形成されるパターンである。復路パターンは、キャリッジが復路方向に移動する間に形成されるパターンである。往路パターンは、搬送方向に長い長方形状のパターンを3つ有し、2つの空白部分を有する。復路パターンは、搬送方向に長い長方形状のパターンを2つ有する。往路パターンに対して適したインク吐出タイミングで復路パターンを形成すれば、往路パターンの空白部分に復路パターンが形成され、正方形状の塗りつぶしパターンができる。逆に、往路パターンに対してインク吐出タイミングがずれた状態で復路パターンを形成すれば、往路パターンの空白部分が全て塗りつぶされず、2本の白い罫線が調整用パターンに形成される。
往路パターンと復路パターンとの位置関係は、それぞれの調整用パターンによって異なっている。例えば、No=4の調整用パターンを基準とすると、各調整用パターンの往路パターンに対する復路パターンの位置は、以下の通りである。No=1の調整用パターンの復路パターンは、往路パターンに対して、2/720インチだけ右側に形成されている(キャリッジが復路に移動するときのインクの吐出タイミングが、デフォルトのタイミングよりも2/720インチだけ早いタイミングである)。No=2の調整用パターンの復路パターンは、往路パターンに対して、1/720インチだけ右側に形成されている。No=3の調整用パターンの復路パターンは、往路パターンに対して、1/1440インチだけ右側に形成されている。No=5の調整用パターンの復路パターンは、往路パターンに対して、1/1440インチだけ左側に形成されている。No=6の調整用パターンの復路パターンは、往路パターンに対して、1/720インチだけ左側に形成されている。No=7の調整用パターンの復路パターンは、往路パターンに対して、2/720インチだけ左側に形成されている。
これにより、各調整用パターンに対応する調整値が異なっている。No=4の調整用パターンに対応する調整値をゼロとすると、No=1の調整用パターンに対応する調整値は−2/720インチであり、No=2の調整用パターンに対応する調整値は−1/720インチであり、No=3の調整用パターンに対応する調整値は−1/1440インチであり、No=5の調整用パターンに対応する調整値は1/1440インチであり、No=6の調整用パターンに対応する調整値は1/720インチであり、No=7の調整用パターンに対応する調整値は2/720インチである。
つまり、本実施形態では、走査方向に沿って配置された5つの調整用パターンの調整値は、1/720インチ毎に異なっている。また、搬送方向に沿って配置された3つの調整用パターンの調整値は、1/1440インチ毎に異なっている。
最適パターンは、白い罫線のない調整用パターン、又は、白い罫線の太さが最も細い調整用パターンである。そして、最適パターンに対応する調整値によって、インク吐出タイミングが調整される。
仮にNo=5の調整用パターンが最適パターンとして選択された場合(S104でYES)、インク吐出タイミングの調整値は、1/1440インチになる。この場合、キャリッジが復路に移動するときのインクの吐出タイミングは、デフォルトのタイミングよりも1/1440インチだけ遅いタイミングになる。この結果、復路におけるインク着弾位置が、デフォルトのインク着弾位置よりも1/1440インチだけ左側に移動する。
また、仮にNo=2の調整用パターンが最適パターンとして選択された場合(S104でNO)、インク吐出タイミングの調整値をデフォルト値(ゼロ)から−1/720インチに変更する。そして、変更された調整値に基づいて、再度テストパターンを形成する。再度形成されたテストパターンでは、No=4の調整用パターンに対応する調整値はー1/720インチである。なお、No=2の調整用パターンに対応する調整値は−2/720インチであり、No=3の調整用パターンに対応する調整値は−3/1440インチ(−1/720インチ−1/1440インチ)である。
<調整用パターンの形成位置について>
図20は、本実施形態のテストパターンの各調整用パターンの形成位置の説明図である。同図は、搬送方向から見た図である。同図において、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。既に説明した通り、紙は、突起242によって支持されており、搬送方向から見ると、波状(凹凸)になっている。また、波の盛り上がっている部分(山の部分、凸の部分)は、突起242によって支持されている部分である。逆に、波の下がっている部分(谷の部分、凹の部分)は、突起242と突起242との間に位置している。
図中の黒い矢印は、調整用パターンの形成位置を示している。本実施形態では、調整用パターンは、2つの突起242の中央位置とその突起242の位置との間に形成されている。つまり、調整用パターンは、波打つ紙の山の部分と谷の部分との間の中腹に位置するように、形成されている。山の部分や谷の部分の位置が突起242の位置に応じて既知なので、山の部分と谷の部分との間の中腹に位置も、突起242の位置に応じて決定することができる。
各調整用パターンを図中の黒い矢印の位置に形成すれば、各調整用パターンの形成位置における紙とヘッドとの間隔(ギャップ)が、ほぼ同じになる。これにより、各調整用パターンの往路パターンに対する復路パターンの位置関係が、調整用パターンの番号順に変化する。
図21は、参考例のテストパターンの調整用パターンの形成位置の説明図である。参考例では、調整用パターンが、波状の紙の山の部分及び谷の部分に形成されている。このため、各調整用パターンの形成位置におけるギャップが、異なっている。この結果、参考例のテストパターンでは、各調整用パターンの往路パターンに対する復路パターンの位置関係が、調整用パターンの番号順に変化しない。また、参考例のテストパターンでは、最適パターンが2つ存在するおそれがある。したがって、参考例のテストパターンでは、インク吐出タイミングの調整値を正しく取得することができない。
図22は、別の参考例のテストパターンの調整用パターンの形成位置の説明図である。この参考例では、調整用パターンが、波状の紙の山の部分にのみ形成されている。この場合、各調整用パターンの形成位置におけるギャップは、ほぼ同じになる。このため、テストパターンは、正常に印刷される。
しかし、この参考例の場合、テストパターンによって決定された調整値によって印刷を行うと、山の部分に形成される画像の質は良いが、谷の部分に形成される画像の質は、非常に悪くなる。これは、山の部分で調整用パターンを作成して調整値を決定すると、山の部分のギャップと谷の部分のギャップとの差が大きいため、谷の部分でドットの着弾位置が大きくずれるからである。
また、この参考例の場合、谷の部分の周期に沿って低画質な画像が印刷されるので、低画質な画像の出現周期が大きい。低画質な画像の出現周期が大きいと、画質の低下が目立ち、画像全体の画質が悪化する。
一方、本実施形態では、本実施形態では、調整用パターンは、波打つ紙の山の部分と谷の部分との間の中腹に位置するように、形成されている。そのため、中腹の部分のギャップと山の部分(又は谷の部分)のギャップとの差は小さい。よって、ドットの着弾位置が大きくずれることはなく、画質の低下を抑えることができる。
また、本実施形態では、低画質な画像は山の部分及び谷の部分で現れるため、その出現周期は短くなる(前述の参考例と比較して、半分の周期になる)。低画質な画像の出現周期が短いと、画質の低下が目立ちにくくなり、画像全体の画質の低下を抑えることができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体吐出装置、印刷方法、記録方法、液体吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較して省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<まとめ>
(1)前述の実施形態では、プリンタ(液体吐出装置・印刷装置)は、ノズル(液体を吐出する液体吐出部)を走査方向(移動方向)に移動させるキャリッジ(移動体)と、走査方向において異なる位置に配置された複数の突起242(支持部)と、を備えている。紙を突起242で支持する構成なので、プリンタが「縁なし印刷」を行っても、紙に着弾しないインクによって紙の裏面を汚さずに済む。但し、このような構成だと、突起に支持される紙は、図11Bに示すように、波を打つ形状になる。
このような状態において、複数の調整用パターンを走査方向に並べると、各調整用パターンの形状が、紙の変形の影響(紙とヘッドとの間隔の影響)を受ける。このため、仮に微調用の調整用パターン群を走査方向に並べると、各パターンの形状が順番に変化せず、例えば最適パターンが2つ出現する等の不具合が生じる。
一方、全ての調整用パターンを搬送方向に並べると、紙の変形の影響は受けないが、パターン形成に時間がかかるだけでなく、多くの調整用パターンを効率的に紙に配置することができない。
そこで、前述の実施形態では、走査方向(移動方向)に沿って形成されたNo=1、2、4、6、7の調整用パターンが、粗調用のパターン群を構成し、搬送方向(移動方向と交差する方向)に沿って形成されたNo=3〜5の調整用パターンが、微調用のパターン群を構成している。なお、粗調用のパターン群は、1/720インチの調整を行うためのパターン群であり、微調用のパターン群は、1/1440インチの調整を行うためのパターン群である。
前述の実施形態では、粗調用のパターン群を走査方向に並べているので、紙の変形の影響を受けても、各パターンの形状は順番に変化する。一方、微調用のパターン群は搬送方向に並べているので、紙の変形の影響を受けず、各パターンの形状は順番に変化する。
したがって、前述の実施形態によれば、各パターンの形状が順番に変化するように、変形する紙に複数のパターンを形成することができる。これにより、変形した紙に形成された調整用パターンからでも、高精度にインクを着弾させるための調整値を得ることができる。
但し、複数のパターンの配置は、前述の実施形態の配置に限られるものではない。例えば、図23に示すように、微調用のパターン群の数(搬送方向に並ぶ調整用パターンの数)を2つにしても良い。また、例えば、図24に示すように、全ての粗調用の調整用パターンの搬送方向上流側及び下流側に、それぞれ1つずつ微調用の調整用パターンを配置しても良い。
(2)前述の実施形態では、複数の調整用パターンは、それぞれ特定の調整値と対応している。粗調用のパターン群では、各調整用パターンに対応する調整値が1/720インチ毎に段階的に変化している。微調用のパターン群では、各調整用パターンに対応する調整値が1/1440インチ毎に段階的に変化している。つまり、前述の実施形態では、粗調用のパターン群の各調整用パターンの調整値の差(1/720インチ)は、微調用のパターン群の各調整用パターンの調整値の差(1/1440インチ)の倍である。
これにより、前述の実施形態では、No=2〜6の調整用パターン群の調整値が1/1440インチ毎に変化するので、微調用のパターンの数を実質的に増やすことができる。
(3)前述の実施形態では、粗調用のパターン群と微調用のパターン群とに含まれる調整用パターンが存在する。具体的には、No=4の調整用パターンが、粗調用のパターン群にも微調用のパターン群にも属している。
これにより、効率よく複数の調整用パターンを配置することができる。
(4)前述の実施形態では、粗調用のパターン群は、微調用のパターン群よりも、多くのパターンを有している。具体的には、前述の実施形態では、粗調用の調整用パターンは5つであり、微調用の調整用パターンは3つである。
粗調用のパターン群は走査方向に並んでいるので、粗調用のパターン群のパターン数が増えても、キャリッジの移動動作は変わらず、印刷時間は多くならない。しかし、微調用のパターン群は搬送方向に並んでいるので、微調用のパターン群のパターン数が増えると、キャリッジの移動動作や搬送ローラの搬送動作等が増えてしまい、印刷時間が多くなってしまう。
したがって、前述の実施形態によれば、印刷時間を短縮することができる。
(5)前述の実施形態では、突起242(支持部)の走査方向(移動方向)の位置に応じた位置に、調整用パターン形成することにしている。
これにより、紙の変形を考慮した位置に調整用パターンを形成しているので、変形した紙に形成された調整用パターンからでも、高精度にインクを着弾させるための調整値を得ることができる。
(6)前述の実施形態では、紙(媒体)を搬送するとき、紙の先端が突起(支持部)と接触している。突起は移動方向に沿って複数あるので、突起と接触した紙の先端は、波を打つ形状になる。紙の先端が波を打つ形状になると、紙の腰が強くなり、紙が反らずに搬送される。
(7)前述の実施形態では、複数の突起242(支持部)はプラテン24に設けられており、紙(媒体)は、プラテンに対して上方から斜め下方に向けて搬送されている。これにより、紙は、その先端が突起242に接触するように搬送される。また、紙が突起に接触した後は、紙の反りがなくなるので、紙の先端がプラテンから大きく浮き上がらず、紙の先端がヘッドを擦ることを防止することができる。また、紙が斜めに搬送されて突起に接触するので、紙が突起に強く接触し、紙の変形量が毎回同程度になる。
なお、プラテンに対して斜めに紙を搬送しなくても良い。このようにしても、各パターンの形状が順番に変化するように、変形する紙に複数のパターンを形成することができる。但し、この場合、上記の効果を得ることができない。
(8)前述の実施形態では、複数の突起242(支持部)に支持された紙(媒体)は、谷の部分(凹の部分)及び山の部分(凸の部分)を有するように、変形している。このように紙が変形するのは、紙を複数の突起で支持したためである。
(9)前述の実施形態では、紙の谷又は山の部分(凹又は凸の部分)は、紙の搬送方向に沿っている。これにより、搬送方向に関して紙の腰が強くなり、紙を搬送しやすくなる。
(10)前述の実施形態では、調整用パターン(パターン)は、紙の山の部分と谷の部分との間の中腹(媒体の凹凸の間)に形成されている。このような位置に調整用パターンを形成すると、以下のような効果がある。
第1に、ドットの着弾位置が大きくずれることはない。仮に紙の山の部分に調整用パターンを形成してインク吐出タイミングを調整すると、紙の谷の部分でドットの着弾位置が大きくずれてしまう。一方、中腹に調整用パターンを形成すれば、中腹の部分のギャップ(紙とノズルとの間隔)と山の部分のギャップとの差は小さいので、ドットの着弾位置のずれは小さい。
第2に、画質の低下が目立ちにくくなる。仮に紙の山の部分に調整用パターンを形成してインク吐出タイミングを調整すると、紙の谷の部分で画像が低下し、低画質な画像が大きい周期で出現し、画質の低下が目立つ。一方、中腹に調整用パターンを形成すれば、低画質な画像は山の部分及び谷の部分で現れるため、低画質な画像の出現周期が短くなり、画質の低下が目立ちにくくなる。
このような2つの効果により、優れた画像を紙に形成することができる。
但し、調整用パターンの形成位置は、これに限られるものではない。例えば、上記の2つの効果は得られなくなるが、紙の山の部分(又は谷の部分)に調整用パターンを形成しても良い。このような場合であっても、各パターンの形状が順番に変化するように、変形する紙に複数のパターンを形成することができる。
(11)前述の実施形態では、調整用パターンは、2つの突起242の中央位置とその突起242の位置との間に形成される。これにより、調整用パターンは、紙の山の部分と谷の部分との間の中腹に形成される。このような位置に調整用パターンを形成すると、以下のような効果がある。
第1に、ドットの着弾位置が大きくずれることはない。仮に紙の山の部分に調整用パターンを形成してインク吐出タイミングを調整すると、紙の谷の部分でドットの着弾位置が大きくずれてしまう。一方、中腹に調整用パターンを形成すれば、中腹の部分のギャップ(紙とノズルとの間隔)と山の部分のギャップとの差は小さいので、ドットの着弾位置のずれは小さい。
第2に、画質の低下が目立ちにくくなる。仮に紙の山の部分に調整用パターンを形成してインク吐出タイミングを調整すると、紙の谷の部分で画像が低下し、低画質な画像が大きい周期で出現し、画質の低下が目立つ。一方、中腹に調整用パターンを形成すれば、低画質な画像は山の部分及び谷の部分で現れるため、低画質な画像の出現周期が短くなり、画質の低下が目立ちにくくなる。
このような2つの効果により、優れた画像を紙に形成することができる。
但し、調整用パターンの形成位置は、これに限られるものではない。例えば、上記の2つの効果は得られなくなるが、2つの突起の中央位置(又は突起の位置)に調整用パターンを形成しても良い。このような場合であっても、各パターンの形状が順番に変化するように、変形する紙に複数のパターンを形成することができる。
(12)前述の実施形態では、紙(媒体)とノズル(液体吐出部)とのギャップ(間隔)は、走査方向(移動方向)の位置に応じて異なっている。このような場合、インク滴の飛翔距離が異なることになるので、走査方向の位置に応じてインクの着弾位置ずれが異なることになる。しかし、突起242の走査方向の位置に応じてパターンを形成しているので、その影響を軽減することが可能である。
(13)前述の実施形態では、調整用パターンには2本の白い罫線が形成されている。
調整用パターンが形成される位置では、紙が斜めになっている。このため、調整用パターンの中でもギャップの差が存在する。調整用パターンに複数の罫線を形成するようにしたのは、1つの調整用パターン内のギャップの差の影響を平均化するためである。これにより、最適パターンを正しく選択することが可能になる。
なお、調整用パターンは、前述の実施形態のものに限られない。例えば、調整用パターンが、往路によって形成される縦罫線と、復路によって形成される縦罫線と、から構成されていても良い。この場合、2つの縦罫線が1直線となる調整用パターンが、最適パターンとして選択される。但し、このような調整用パターンでは、上記の平均化効果を得ることはできない。
(14)前述の実施形態では、キャリッジ(移動体)は双方向に移動可能であり、ノズル(液体吐出部)はキャリッジが双方向に移動する間に、インク(液体)を吐出する。
このように双方向印刷を行う場合、往路のインク吐出タイミングと復路のインク吐出タイミングとを調整する必要がある。ただし、インク吐出タイミングを調整しても、調整したときのギャップと異なるギャップであれば、インクの着弾位置がずれてしまう。前述の実施形態では、このような場合であっても、画質の大きな低下を抑えることができる。
但し、インクの着弾位置ずれの問題は、双方向印刷時に限られるものではない。例えば、片方向印刷時であっても、あるノズル群(例えばブラックインクノズル群)のインク吐出タイミングと、他のノズル群(例えばシアンインクノズル群)のインク吐出タイミングとを調整する場合にも、同様の問題が生じる。したがって、前述の実施形態の調整用パターンは、双方向印刷時のインク吐出タイミングの調整用パターンだけでなく、他のノズル群との間のインク吐出タイミングの調整用パターンであっても良い。
印刷システムの全体構成の説明図である。 プリンタの全体構成のブロック図である。 プリンタの全体構成の概略図である。 プリンタの全体構成の横断面図である。 印刷時の処理のフロー図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 搬送ユニットの構成の説明図である。 ロータリー式エンコーダの構成の説明図である。 図9Aは、正転時の出力信号の波形のタイミングチャートである。図9Bは、反転時の出力信号の波形のタイミングチャートである。 搬送処理のフロー図である。 図11Aは、プラテン周辺の構成要素の斜視図である。図11Bは、搬送ローラによって搬送される紙の斜視図である。 図12A及び図12Bは、紙が搬送される様子を横(走査方向)から見た図である。 ヘッド(ノズル)と紙との間隔の説明図である。 図14Aは、ギャップによるインク着弾位置変化の説明図である。図14Bは、双方向印刷時におけるインク着弾位置ずれの説明図である。 調整値の決定手順を説明するためのフロー図である。 テストパターンの印刷指示を行うユーザーインターフェースの説明図である。 最適パターンの選択指示を行うユーザーインターフェースの説明図である。 本実施形態のテストパターンの説明図である。 図19Aは、往路パターンの説明図である。図19Bは、復路パターンの説明図である。図19Cは、最適パターンの説明図である。図19Dは、往路パターンに対して復路パターンが右にずれたときの調整用パターンの説明図である。図19Eは、往路パターンに対して復路パターンが左にずれたときの調整用パターンの説明図である。 各調整用パターンの形成位置の説明図である。 参考例のテストパターンの調整用パターンの形成位置の説明図である。 別の参考例のテストパターンの調整用パターンの形成位置の説明図である。 他の実施形態の調整用パターンの配置の説明図である。 他の実施形態の調整用パターンの配置の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
521 スケール、 522 検出部、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路

100 印刷システム
110 コンピュータ、
120 表示装置、
130 入力装置、130A キーボード、130B マウス、
140 記録再生装置、140A フレキシブルディスクドライブ装置、140B CD−ROMドライブ装置

Claims (1)

  1. 液体を吐出する液体吐出部を移動方向に移動させる移動体と、
    前記移動方向において異なる位置に配置された複数の支持部と、を備え、
    前記支持部に支持された媒体に、前記液体吐出部から前記液体を吐出して、液体吐出タイミングを調整するためのパターンを複数形成する液体吐出装置において、
    前記移動方向に沿って形成された複数のパターンが、粗調用のパターン群を構成し、
    前記移動方向と交差する方向に沿って形成された複数のパターンが、微調用のパターン群を構成し、
    前記複数のパターンは、それぞれ特定の調整値と対応しており、
    前記粗調用のパターン群の各パターンの前記調整値の差は、前記微調用のパターン群の各パターンの前記調整値の差の倍であり、
    前記粗調用のパターン群と前記微調用のパターン群とに含まれるパターンが存在し、
    前記粗調用のパターン群は、前記微調用のパターン群よりも、多くのパターンを有し、
    前記支持部の前記移動方向の位置に応じた位置に、前記パターンを形成し、
    前記媒体を搬送するとき、前記媒体の先端は、前記支持部と接触し、
    前記複数の支持部は、プラテンに設けられており、
    前記媒体は、前記プラテンに対して上方から斜め下方に向けて搬送され、
    前記複数の支持部に支持された媒体は、凹の部分及び凸の部分を有するように、変形し、
    前記媒体の凹又は凸の部分は、前記媒体の搬送方向に沿っており、
    前記パターンは、前記媒体の凹の部分と凸の部分との間に形成され、
    前記パターンは、2つの支持部の中央位置とその支持部の位置との間に形成され、
    前記媒体と前記液体吐出部との間隔は、前記移動方向の位置に応じて異なり、
    前記パターンには、複数の罫線が形成され、
    前記移動体は、双方向に移動可能であり、
    前記液体吐出部は、前記移動体が双方向に移動する間に、前記液体を吐出し、
    前記液体は、インクであり、
    前記液体吐出装置は、前記媒体に画像を形成する印刷装置である
    ことを特徴とする液体吐出装置。
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