JP5493704B2 - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5493704B2
JP5493704B2 JP2009245757A JP2009245757A JP5493704B2 JP 5493704 B2 JP5493704 B2 JP 5493704B2 JP 2009245757 A JP2009245757 A JP 2009245757A JP 2009245757 A JP2009245757 A JP 2009245757A JP 5493704 B2 JP5493704 B2 JP 5493704B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
head
liquid
speed
predetermined temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009245757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011088413A (ja
Inventor
俊也 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009245757A priority Critical patent/JP5493704B2/ja
Publication of JP2011088413A publication Critical patent/JP2011088413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5493704B2 publication Critical patent/JP5493704B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/14Character- or line-spacing mechanisms with means for effecting line or character spacing in either direction
    • B41J19/142Character- or line-spacing mechanisms with means for effecting line or character spacing in either direction with a reciprocating print head printing in both directions across the paper width
    • B41J19/145Dot misalignment correction

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
ヘッドを移動させつつインクを吐出して画像を形成するインクジェット式のプリンタが利用されている。このようなプリンタの中には、ヘッドの往路方向と復路方向の双方においてインクを吐出して画像を形成するものがある。
双方向においてインクを吐出させるプリンタにおいて、媒体に形成される画像の画質を良好にするために、ヘッドが往路方向に移動しているときと復路方向に移動しているときのインクの目標着弾位置が同じ位置の場合には、両者におけるインクの着弾位置を一致させるべきである。そのために、往路におけるインクの着弾位置と復路におけるインクの着弾位置とを検査するためのパターンを印刷し、このパターンに基づいてインクの吐出タイミングを補正する。そして、ヘッドの往路方向における着弾位置と復路方向における着弾位置とを一致するように調整する。
特開2002−205385号公報 特開2003−374743号公報
ところで、使用する液体の特性として、特に低温側において高温側より粘度変化が急峻なものが存在する。このような液体をヘッドから吐出する場合、低温側では吐出速度も急激に低下することになるため、前述のような吐出タイミングの補正では、着弾位置の補正を適切に行えない場合がある。よって、このような場合であっても、液体の着弾位置のずれを軽減することが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、液体の着弾位置のずれを軽減することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
媒体に液体を吐出するヘッドと、
前記ヘッドを移動方向に移動させるヘッド移動部と、
前記ヘッドに関する温度を取得する温度取得部と、
前記ヘッド移動部と前記ヘッドを制御する制御部であって、
前記媒体のページ毎に第1所定温度以下か否かの判定を行い、
前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度を超えるときには、第1の速度で前記ヘッドを移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させる第1モードで制御し、
前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度以下であって該第1所定温度よりも低い第2所定温度を超えるときには、前記第1の速度よりも遅い前記第2の速度で前記ヘッドを移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させる第2モードで制御し、
前記温度取得部が取得した温度が前記第2所定温度以下のときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に前記ヘッドが移動しているときに前記液体を吐出させる第3モードで制御する制御部と、
を備える液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
印刷システムの外観構成を示した説明図である。 本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。 図3Aは、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図であり、図3Bは、本実施形態のプリンタの全体構成の横断面図である。 図4Aは、リニア式エンコーダ51の構成を概略的に示したものであり、図4Bは、検出部466の構成を模式的に示したものである。 図5A及び図5Bは、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時における検出部466の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。 図6Aは、ヘッド41の構造を説明する図であり、図6Bはヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 図7Aは、ヘッドユニット40の駆動回路の説明図であり、図7Bは、駆動回路の説明図である。 各信号の説明のためのタイミングチャートである。 双方向印刷におけるインクの着弾位置を説明する図である。 図10Aは、インクの着弾位置のずれを検査するためのパターンの説明図であり、図10Bは、インクの吐出タイミングが調整された後のパターンの説明図である。 図11Aは、インクの吐出タイミング調整前の原信号と制御信号との関係を説明する図であり、図11Bは、インクの吐出タイミング調整後の原信号と制御信号との関係を説明する図である。 温度と温度に対するインクの粘度の関係を示す図である。 第1実施形態における印刷処理のフローチャートである。 ヘッド41の移動速度を遅くしたときのインクの着弾位置を説明する図である。 第2実施形態における印刷処理のフローチャートである。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
媒体に液体を吐出するヘッドと、
前記ヘッドを移動方向に移動させるヘッド移動部と、
前記ヘッドに関する温度を取得する温度取得部と、
前記ヘッド移動部と前記ヘッドを制御する制御部であって、前記温度取得部が取得した温度が第1所定温度を超えるときには、第1の速度で前記ヘッドを移動させ前記液体を吐出させ、前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度以下のときには前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記ヘッドを移動させ前記液体を吐出させる制御部と、
を備える液体吐出装置。
このようにすることで、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度以下か否かの判定は、前記媒体のページ毎に行われることが望ましい。このようにすることで、ページ毎にヘッドに関する温度に応じた液体の吐出を行って、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
また、前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度以下か否かの判定は、所定時間毎に行われることとしてもよい。このようにすることで、所定時間毎にヘッドに関する温度に応じた液体の吐出を行って、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
また、前記制御部は、前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度を超えるときには、前記第1の速度で前記ヘッドを移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させる第1モードで制御し、前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度以下であって該第1所定温度よりも低い第2所定温度を超えるときには、前記第2の速度で前記ヘッドを移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させる第2モードで制御し、前記温度取得部が取得した温度が前記第2所定温度以下のときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に前記ヘッドが移動しているときに前記液体を吐出させる第3モードで制御することが望ましい。
このようにすることで、ヘッドに関する温度に応じて、所謂、双方向印刷及び一方向印刷のいずれかを行うこととして、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
また、前記制御部は、前記温度取得部が取得した温度が前記第2所定温度以下であって該第2所定温度よりも低い第3所定温度を超えるときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に前記ヘッドが移動しているときに前記液体を吐出させる第3モードで制御し、前記温度取得部が取得した温度が前記第3所定温度以下のときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に、前記第3モードのときよりも遅い速度で前記ヘッドを移動しているときに前記液体を吐出させる第4モードで制御することが望ましい。
このようにすることで、ヘッドに関する温度に応じて、ヘッドの移動速度を異ならせて、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
また、前記媒体において単位時間あたりに形成される画像の面積が、前記第2モードのときのほうが前記第3モードのときよりも大きくなるように、前記ヘッドの移動速度が設定されることが望ましい。このようにすることによって、印刷速度をできるだけ早めつつ、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
また、前記液体の温度に対する粘度変化は、前記液体が低温ほど急峻であることが望ましい。このようにすることによって、低温ほど粘度変化が急峻な液体を用いる場合であっても、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
媒体に液体を吐出するヘッドに関する温度を取得することと、
前記温度が所定温度を超えるときには、第1の速度で前記ヘッドを移動させ前記液体を吐出させ、前記温度が前記所定温度以下のときには前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記ヘッドを移動させ前記液体を吐出させることと、
を含む液体吐出方法。
このようにすることで、液体の着弾位置のずれを軽減することができる。
===第1実施形態===
<印刷システムの構成>
印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と電気的に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のユーザインタフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボード130Aやマウス130Bであり、表示装置120に表示されたユーザインタフェースに沿って、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバの設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えばフレキシブルディスクドライブ装置140AやCD−ROMドライブ装置140Bが用いられる。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
<インクジェットプリンタの構成について>
図2は、本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。また、図3Aは、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。また、図3Bは、本実施形態のプリンタの全体構成の横断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタは、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、およびコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を形成する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。検出器群50から検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙を搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、紙を搬送する搬送機構として機能する。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。ただし、搬送ユニット20が搬送機構として機能するためには、必ずしもこれらの構成要素を全て必要とするわけではない。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21は、D形の断面形状をしており、円周部分の長さは搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて紙を搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、DCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能である。(これにより、ヘッドが移動方向に沿って移動する。)また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータであり、DCモータにより構成される。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。ヘッドユニット40は、プリンタ本体側の制御ユニットから、ケーブル45を介して、ヘッドを駆動するためのデータを取得する。このケーブル45は、柔軟な帯状のケーブルであり、プリンタ本体とキャリッジ31とを電気的に連結する。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって紙を給紙する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出する。光学センサ54は、光学的に紙の端部を検出するため、機械的な紙検出センサ53よりも、検出精度が高い。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニットである。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
図4Aは、リニア式エンコーダ51の構成を概略的に示したものである。リニア式エンコーダ51は、リニア式エンコーダ符号板564と、検出部566とを備えている。リニア式エンコーダ符号板564は、図3Aに示すように、インクジェットプリンタ1内部のフレーム側に取り付けられている。一方、検出部566は、キャリッジ31側に取り付けられている。キャリッジ31がガイドレール36に沿って移動すると、検出部566がリニア式エンコーダ符号板564に沿って相対的に移動する。これによって、検出部566は、キャリッジ31の移動量を検出する。
<検出部の構成>
図4Bは、検出部566の構成を模式的に示したものである。この検出部566は、発光ダイオード552と、コリメータレンズ554と、検出処理部556とを備えている。検出処理部556は、複数(例えば4個)のフォトダイオード558と、信号処理回路560と、例えば2個のコンパレータ562A、562Bとを有している。
発光ダイオード552の両端に抵抗を介して電圧Vccが印加されると、発光ダイオード452から光が発せられる。この光はコリメータレンズ554により平行光に集光されてリニア式エンコーダ用符号板564を通過する。リニア式エンコーダ用符号板564には、所定の間隔(例えば1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
リニア式エンコーダ用符号板564を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード558に入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード558から出力される電気信号は信号処理回路560において信号処理され、信号処理回路560から出力される信号はコンパレータ562A、562Bにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ562A、562Bから出力されるパルスENC−A、ENC−Bがリニア式エンコーダ51の出力となる。
<出力信号>
図5A及び図5Bは、キャリッジモータ32の正転時及び逆転時における検出部566の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。図5A及び図5Bに示すように、キャリッジモータ32の正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ32が正転しているとき、即ち、キャリッジ31がガイドレール36に沿って移動しているときは、図5Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ32が逆転しているときは、図5Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ41がリニア式エンコーダ用符号板564のスリット間隔を移動する時間に等しい。
そして、リニア式エンコーダ51の出力パルスENC−A、ENC−Bの各々の立ち上がりエッジが検出され、検出されたエッジの個数が計数され、この計数値に基づいてキャリッジモータ32の回転位置が演算される。この計数はキャリッジモータ32が正転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。パルスENC−A及びENC−Bの各々の周期は、リニア式エンコーダ用符号板564の、あるスリットが検出部566を通過してから次のスリットが検出部566を通過するまでの時間に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数のカウント値「1」はリニア式エンコーダ用符号板564のスリット間隔の1/4に対応する。これにより上記計数値にスリット間隔の1/4を乗算すれば、その乗算値に基づいて、計数値が「0」に対応する回転位置からのキャリッジモータ32の移動量を求めることができる。このとき、リニア式エンコーダ51の解像度はリニア式エンコーダ用符号板564のスリットの間隔の1/4となる。
図6Aは、ヘッド41の構造を説明する図である。図には、ノズルNz、ピエゾ素子PZT、インク供給路402、ノズル連通路404、及び、弾性板406が示されている。
インク供給路402には、不図示のインクタンクからインクが供給される。そして、これらのインク等は、ノズル連通路404に供給される。ピエゾ素子PZTには、後述する駆動信号のパルスが印加される。パルスが印加されると、パルスの信号に従ってピエゾ素子PZTが伸縮し、弾性板406を振動させる。そして、パルスの振幅に対応する量のインク滴がノズルNzから吐出されるようになっている。
また、ヘッド41には、サーミスタ502(温度取得部に相当)が取り付けられている。そして、その温度はコントローラ60に出力されるようになっている。このようにヘッド41にサーミスタ502と取り付けることによって、ヘッド41の温度を取得することができるようになっている。
<ノズルについて>
図6Bは、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720)である場合、k=4である。
各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の下流側に位置している。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
<ヘッドの駆動について>
図7Aは、ヘッドユニット40の駆動回路の説明図である。この駆動回路は、前述のユニット制御回路64内に設けられており、同図に示すように、原駆動信号発生部644Aと、駆動信号整形部644Bとを備えている。このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路は、ノズル群ごと、即ち、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の各色のノズル列ごとに各々設けられている。また、ノズルごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。図中に各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインク量が、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
原駆動信号発生部644Aは、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原信号ODRVを生成する。この原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)に複数のパルスを含む信号である。
駆動信号整形部644Bには、原駆動信号発生部644Aから原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRTがシリアルデータとして入力される。
図7Bは、駆動回路の説明図である。印刷信号PRTは、図7Bにあるような回路により、360個のシフトレジスタを用いてシリアルパラレル変換され、各ノズルのON/OFFを表すPRT(i)に変換される。駆動信号整形部644Bは、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを整形し、駆動信号DRV(i)として各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子は、駆動信号整形部644Bからの駆動信号DRVに基づき駆動される。
<ヘッドの駆動信号について>
図8は、各信号の説明のためのタイミングチャートである。すなわち、同図には、原信号ODRVと、印刷信号PRT(i)と、駆動信号DRV(i)の各信号のタイミングチャートが示されている。ここで、PRT(i)は、PRTより形成される。
原信号ODRVは、原駆動信号発生部644Aからノズル♯1〜♯180に共通に供給される信号である。本実施形態では、原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジが一画素の間隔を横切る時間内)において、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む。なお、この原信号ODRVは、原駆動信号発生部644Aから駆動信号整形部644Bに出力される。
印刷信号PRT(i)は、一画素に対して割り当てられている画素データに対応した信号である。つまり、印刷信号PRT(i)は、印刷データに含まれる画素データに応じた信号である。本実施形態では、印刷信号PRT(i)は、ノズル♯iに対して、一画素につき2ビットの情報を有する信号になる。なお、この印刷信号PRT(i)の信号レベルに応じて、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVを整形し、駆動信号DRVを出力する。
駆動信号DRVは、印刷信号PRTのレベルに応じて原信号ODRVを遮断することによって得られる信号である。すなわち、印刷信号PRT(i)が1レベルのとき、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとする。一方、印刷信号PRTが0レベルのとき、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVのパルスを遮断する。なお、駆動信号整形部644Bは、ノズル毎に設けられているピエゾ素子に駆動信号DRVを出力する。そして、ピエゾ素子は、この駆動信号DRVに応じて駆動される。
制御信号S1は、図7Bに示すように、ラッチ回路及びデータセレクタに入力される。制御信号S2は、データセレクタに入力される。制御信号S1、S2は、図8のように印刷信号PRT(i)が変化するタイミングを示すものである。
シリアル伝送される印刷信号PRTは、以下に説明するようにして、180個の2ビットデータ(パラレルデータ)に変換される。まず、印刷信号PRTが360個のシフトレジスタに入力される。制御信号S1のパルスがラッチ回路に入力されると、各シフトレジスタの360個のデータがラッチされる。データセレクタは、ラッチ回路にラッチされているデータを選択して出力する。制御信号S1のパルスがラッチ回路に入力されるとき、制御信号S1のパルスがデータセレクタにも入力される。データセレクタは、制御信号S1が入力されると、初期状態になる。初期状態のデータセレクタは、ラッチされる前にはシフトレジスタW2−iに格納されていたデータを選択し、PRT(i)として出力する。次に、制御信号S2のパルスにより、データセレクタは、ラッチされる前にはシフトレジスタW1−iに格納されていたデータを選択し、PRT(i)として出力する。このようにして、シリアル伝送される印刷信号PRTが、180個の2ビットデータに変換される。そして、制御信号S1により第2パルスW2に関する吐出/非吐出が決定され、制御信号S2により第1パルスW1に関する吐出/非吐出が決定される。
印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「01」に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、紙には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「10」に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、紙には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「11」に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいインク滴が吐出され、紙には大きいドット(大ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「00」に対応しているとき、第1パルスW1も第2パルスW2も出力されない。これにより、この区間では、インクが非吐出であり、ドットは形成されない。
以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の4つの異なる値に応じて互いに異なる4種類の波形を有するように整形されている。
図9は、双方向印刷におけるインクの着弾位置を説明する図である。図には、往路及び復路においてインクが吐出されたときの速度がベクトル表示されている。ここでは、往路においても復路においても、ヘッド41の移動速度はVtとしている。このとき、往路におけるインクの目標着弾位置と復路におけるインクの目標着弾位置をともに図中のAとする。よって、インクの用紙Sに対する吐出速度をV1としてDV1のベクトルの方向を狙った着弾位置Aに向け、往路においても復路においても着弾位置が図中のAになるようにすることが望ましい。
しかしながら、インクの吐出速度がV1よりも遅い場合も起こりうる。図には、吐出速度が遅くなった場合として、インクの吐出速度V2が示されている。このように、吐出速度が遅くなると、上記と同じタイミングでインクを吐出した場合であっても、DV2のベクトルの方向はAには向かず、目標着弾位置Aよりもヘッドの移動方向の先行した側でインクが着弾することになる。そうすると、往路におけるインクの着弾位置と復路におけるインクの着弾位置がヘッドの移動方向においてずれてしまうことになる。
図10Aは、インクの着弾位置のずれを検査するためのパターンの説明図である。図には、往路において形成されたパターンと復路において形成されたパターンとで構成されたパターンP1が示されている。往路において形成されるパターンも復路において形成されるパターンも、ノズルが並ぶノズル列方向にドットが並ぶように形成されている。
ここでも、ヘッドの往路及び復路において、所定の吐出タイミングでインクを吐出してこれらのパターンを形成するが、上述と同様の理由により、往路におけるパターンのラインと復路におけるパターンのラインの位置が、ヘッドの移動方向についてΔxだけずれてしまっている。インクの着弾位置がどれだけずれているか(ここではΔx)を把握できれば、ヘッドの移動速度は予め決められているものであるので、どれだけの時間、吐出タイミングをずらすべきかを求めることができる。
図10Bは、インクの吐出タイミングが調整された後のパターンの説明図である。ここでは、図10Aの場合と比して、復路におけるインクの着弾位置がΔxだけ図中の右方向にずれるように、復路におけるインクの吐出タイミングが調整された結果、往路及び復路において吐出されたインクはヘッドの移動方向において一致するように並んでいる。
図11Aは、インクの吐出タイミング調整前の原信号と制御信号との関係を説明する図である。図11Aでは、前述の図8におけるタイミングチャートから、1画素分の主走査期間に対応する期間の原信号ODRV及び制御信号S1,S2を抜き出して示してある。
ところで、制御信号S1、S2は、共にPTS(Pulse Timing Signal)信号に基づき生成される。PTS信号は、これら制御信号S1、S2においてパルスが発生するタイミングを規定する信号である。PTS信号のパルスは、リニア式エンコーダ51(検出部566)からの出力パルスENC−A、ENC−Bに基づき生成される。すなわち、PTS信号のパルスは、キャリッジ31の移動量に応じて発生する。
よって、制御信号S1、S2に対する原信号ODRVの生成タイミングをずらすことができれば、制御信号S1、S2に対して吐出タイミングを変化させることができるから、用紙Sに対するヘッド41の移動方向の位置に対する吐出タイミングも変化させることができることになる。
図11Bは、インクの吐出タイミング調整後の原信号と制御信号との関係を説明する図である。図11Aの各信号と比較すると、原信号ODRVの形状は同一のものである。しかしながら、原信号ODRVの生成タイミングが、制御信号S1、S2に対して、図11AのものよりもΔtだけ先行して生成されている。
このようにΔtだけ原信号ODRVの生成タイミングがずらされると、これに応じて駆動信号DRVの生成タイミングもΔtだけ先行することになる。インクは、駆動信号DRVがヘッド41のピエゾ素子PZTに印加されることによって吐出されるから、駆動信号DRVの生成タイミングがΔtだけ先行すると、これに応じてインクの吐出タイミングがΔtだけ先行するようになる。
よって、吐出タイミングを調整する方法として、前述の図10AのΔxに対応する分の吐出タイミングの補正量としてΔtを予めプリンタのメモリー63に記憶しておく。そして、双方向印刷の復路方向におけるインクの吐出タイミングをΔtだけ早めるために、原信号ODRVの生成タイミングもΔtだけ早めることによって、図10Bに示すように往路と復路の着弾位置を一致させることができる。
尚、原信号ODRVの生成タイミングの変更は、原駆動信号発生部644Aにおいて原信号ODRVの生成タイミングを変更させることで行われる。
ここでは、復路方向の吐出タイミングをΔtだけ早めることとしたが、往路の吐出タイミングをΔtだけ早めることによって、図10Bに示すように往路と復路の着弾位置を一致させるようにしてもよい。また、往路及び復路の吐出タイミングをΔt/2ずつ早めることによって、図10Bに示すように往路と復路の着弾位置を一致させるようにしてもよい。
また、ここでは、インクの吐出タイミングを遅らせる方法について説明を行ったが、原信号ODRVの生成タイミングを制御信号S1、S2に対してΔtだけ遅れて生成することとすれば、インクの吐出タイミングを遅らせることができることは言うまでもない。
また、原信号ODRVが1つだけ生成されている場合について説明を行ったが、複数のインク色においてそれぞれの色の吐出タイミングが調整される場合には、それぞれのインク色に対応する原信号を生成する。そして、それぞれの原信号ごとに制御信号S1、S2に対する生成タイミングを調整すればよい。
また、制御信号S1、S2に対する原信号の生成タイミングを変化させることにより、インクの吐出タイミングを調整することとしたが、印刷される画素の位置を画素データにおいてずらすように入れ替えを行うことによって、インクの吐出タイミングを調整することもできる。
図12は、温度と温度に対するインクの粘度の関係を示す図である。図には、あるインクの温度に対する粘度が示されている。一般的に温度が低下すると粘度が上昇する傾向にあるが、特に、低温側ではその粘度の上昇度合いが大きい。このようなインクを用いたときにおいて、仮に、インクの温度が低くなりすぎた場合、インクの粘度の急激な増加により吐出速度も急激に遅くなることがある。そうすると、前述のようにインクの吐出タイミングを早めても、インクの着弾位置の調整をしきれず、往路における目標着弾位置と復路における目標着弾位置とが同じ位置であるときに、両者における着弾位置を一致させることができない場合が生ずる。
よって、本実施形態では、以下に示すように、ヘッド41に関連する温度が所定温度よりも高いときには通常通り吐出タイミングの補正を行いつつ双方向印刷を行って印刷品質を確保しつつ、印刷速度を速めることとする。一方、ヘッド41に関連する温度が所定温度以下のときには、もはやインクの吐出速度が遅すぎて吐出タイミングの補正を行っても所定の印刷品質を確保できないことから、ヘッド41の移動速度を遅くすることで往路における目標着弾位置と復路における目標着弾位置を一致させるようにする。
図13は、第1実施形態における印刷処理のフローチャートである。
印刷が開始されると、サーミスタ502を介してヘッド41の温度が取得される(S102)。このヘッド41の温度の取得は、印刷しようとする用紙Sのページ毎に行われる。つまり、1枚の用紙Sを印刷する直前にヘッド41の温度を取得することとしている。
次に、取得された温度が所定温度以下か否かについて判定がされる(S104)。ここで、所定温度は、摂氏10℃に設定されている。ヘッド41に関連する温度が所定温度より高いときには、前述のように吐出タイミングを調整した状態で、往路及び復路においてインクを吐出させて印刷を行う(S106)。このときのヘッドの移動速度は、予め設定された通常の速度であり、図9に示したVtに相当する速度である。
一方、ステップS104において、取得された温度が所定温度以下(すなわち、取得された温度が10℃以下)であるときには、インクの着弾位置が適切になるようにヘッド41の移動速度を遅くしつつ印刷を行う(S108)。
図14は、ヘッド41の移動速度を遅くしたときのインクの着弾位置を説明する図である。図には、取得された温度が所定温度よりも高いときのインクの吐出速度V1と、通常の速度でヘッド41を移動させたときの速度Vtとがベクトル表示されている。また、図には、取得された温度が所定温度以下のときのインクの吐出速度V2が示されている。取得された温度が所定温度以下のときにおいて、インクの粘度は所定温度よりも高いときと比べて高くなっていることから、吐出速度は遅くなる。よって、吐出速度V2は吐出速度V1よりも遅くなっている。
このように吐出速度が遅くなっているときにおいて、ヘッド41の移動速度を通常の移動速度Vtで移動させると、インクの着弾位置は、ヘッド41の移動方向についてより先行した位置に着弾することになるのは、図9において説明した通りである。よって、本実施形態では、前述のように、インクの着弾位置が適切になるようにヘッド41の移動速度を遅くして印刷を行う。図には、移動速度を遅くしたヘッド41の移動速度Vsが示されている。このときのヘッド41の移動速度Vsは、インクの吐出速度V2と合成したベクトルDV3が、DV1と重なるような速度に設定される。このように、吐出速度が遅くなった分だけ、ヘッド41の移動速度を遅くすることで、インクの着弾位置を適切な位置に調整することができる。そして、往路における目標着弾位置と復路における目標着弾位置とが主走査方向において同じ位置である場合において、両者の着弾位置を一致させることができる。
上述のような印刷方法で、ステップS106又はステップS108で1枚の用紙Sの印刷が完了すると、この印刷処理は終了する。尚、ここで、さらに印刷する用紙がある場合には、上記印刷処理が同様に繰り返して行われることになる。
尚、本実施形態におけるプリンタは、複数の色のインクを吐出するために複数のノズル列を備えている。よって、双方向の印刷が行われる場合には、前述のように吐出タイミングの補正がノズル列毎に行われることは言うまでもない。
===第2実施形態===
図15は、第2実施形態における印刷処理のフローチャートである。
第2実施形態では、ヘッドに関連する温度が低くなるにつれて、(1)ヘッド41の移動速度を双方向印刷の通常速度Vtにして双方向印刷(2)ヘッド41の移動速度を双方向印刷の遅い速度Vsにして双方向印刷(3)ヘッド41の移動速度を一方向印刷の通常速度にして一方向印刷、(4)ヘッド41の移動速度を一方向印刷の遅い速度にして一方向印刷、のように切り替える。尚、以下に温度の閾値として、第1温度、第2温度、及び、第3温度が示されるが、これらの温度は、第1温度、第2温度、第3温度の順に高いものとする。例えば、これらの温度は、第1温度が10℃であり、第2温度が5℃であり、第3温度が0℃である。
印刷が開始されると、サーミスタ502を介してヘッド41の温度が取得される(S202)。ここでも、ヘッド41の温度の取得は、印刷しようとする用紙Sのページ毎に行われる。
次に、取得された温度が第1温度以下であるか否かについて判定される(S204)。そして、取得された温度が第1温度以下でないときには、前述の補正値で吐出タイミングを補正しつつ、往路及び復路でインクを吐出して印刷を行う(S206)。
一方、取得された温度が第1温度以下である場合には、取得された温度が第2温度以下であるか否かについて判定される(S208)。そして、取得された温度が第2温度以下ではない場合には、ヘッド41の移動速度を遅くし、往路における目標着弾位置と復路における目標着弾位置とが同じ位置の場合に、両者の着弾位置が一致するようにインクを吐出して印刷を行う(S210)。遅くしたヘッド41の移動速度については、第1実施形態において説明したものと同様のものであるので、説明を省略する。
ステップS208において、ヘッド41の温度が第2温度以下である場合には、温度が第3温度以下であるか否かについて判定される(S212)。そして、温度が第3温度以下ではない場合には、ヘッドの移動速度はステップS206において双方向印刷を行ったときと同じ速度でヘッドを移動させつつ、一方向の移動でのみ(往路及び復路のいずれか一方)インクを吐出させ印刷を行う。このようにすることによって、仮に、往路及び復路の両方でインクを吐出した場合に、これらの目標着弾位置がずれてしまうような場合であっても、一方向でしかインクを吐出しないため、そもそもインクの着弾位置が一致しないという問題が発生しないようにすることができる。但し、印刷時間は、双方向印刷のときよりも要することになる。
尚、ステップS210における印刷時間とステップS214における印刷時間を比較したとき、用紙1枚あたりの印刷速度は少なくともステップS210のときのほうがステップS214のときよりも速くなるように、両者のヘッド41の移動速度は調整される。これは、換言すると、単位時間あたりに形成される画像の面積が、ステップS210における印刷のほうがステップS214における印刷よりも大きくなるように、ヘッド41の移動速度が調整されるということになる。
ステップS212において、ヘッド41の温度が第3温度以下である場合には、ステップS214においてヘッドを移動させた速度よりも遅い速度でヘッド41を移動させつつ、一方向の移動でのみ(往路及び復路のいずれか一方)インクを吐出させ印刷を行う。このようにすることによって、インクの吐出速度がより遅くなった場合であっても、ヘッド41の移動方向についてのインクの着弾位置の間隔が広くならないようにすることができる。
このようにして、ステップS206、ステップS210、ステップS214、又は、ステップS216で1枚の用紙Sの印刷が完了すると、この印刷処理は終了する。尚、ここで、さらに印刷する用紙がある場合には、上記印刷処理が同様に繰り返して行われることになる。
このようにすることで、インクの着弾位置のずれを軽減することができる。
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ、40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、502 サーミスタ、
51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリー、64 ユニット制御回路、
100 印刷システム、110 コンピュータ、120 表示装置、
130 入力装置、130A キーボード、130B マウス、
140 記録再生装置、140A フレキシブルディスクドライブ装置、
140B CD−ROMドライブ装置

Claims (5)

  1. 媒体に液体を吐出するヘッドと、
    前記ヘッドを移動方向に移動させるヘッド移動部と、
    前記ヘッドに関する温度を取得する温度取得部と、
    前記ヘッド移動部と前記ヘッドを制御する制御部であって、
    前記媒体のページ毎に第1所定温度以下か否かの判定を行い、
    前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度を超えるときには、第1の速度で前記ヘッドを移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させる第1モードで制御し、
    前記温度取得部が取得した温度が前記第1所定温度以下であって該第1所定温度よりも低い第2所定温度を超えるときには、前記第1の速度よりも遅い前記第2の速度で前記ヘッドを移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させる第2モードで制御し、
    前記温度取得部が取得した温度が前記第2所定温度以下のときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に前記ヘッドが移動しているときに前記液体を吐出させる第3モードで制御する制御部と、
    を備える液体吐出装置。
  2. 前記制御部は、
    前記温度取得部が取得した温度が前記第2所定温度以下であって該第2所定温度よりも低い第3所定温度を超えるときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に前記ヘッドが移動しているときに前記液体を吐出させる第3モードで制御し、
    前記温度取得部が取得した温度が前記第3所定温度以下のときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に、前記第3モードのときよりも遅い速度で前記ヘッドを移動しているときに前記液体を吐出させる第4モードで制御する、請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記媒体において単位時間あたりに形成される画像の面積が、前記第2モードのときのほうが前記第3モードのときよりも大きくなるように、前記ヘッドの移動速度が設定される、請求項1又は2のいずれかに記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体の温度に対する粘度変化は、前記液体が低温ほど急峻である、請求項1〜のいずれかに記載の液体吐出装置。
  5. 媒体に液体を吐出するヘッドに関する温度を取得することと、
    前記媒体のページ毎に第1所定温度以下か否かの判定を行うことと、
    前記温度が前記第1所定温度を超えるときには、第1の速度で前記ヘッドを当該ヘッドの移動方向に移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させることと、
    前記温度が前記第1所定温度以下であって該第1所定温度よりも低い第2所定温度を超えるときには、前記第1の速度よりも遅い前記第2の速度で前記ヘッドを移動させ、前記移動方向における往路及び復路において前記液体を吐出させることと、
    前記温度が前記第2所定温度以下のときには、前記移動方向における往路及び復路のいずれか一方に前記ヘッドが移動しているときに前記液体を吐出させることと、
    を含む液体吐出方法。
JP2009245757A 2009-10-26 2009-10-26 液体吐出装置及び液体吐出方法 Active JP5493704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009245757A JP5493704B2 (ja) 2009-10-26 2009-10-26 液体吐出装置及び液体吐出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009245757A JP5493704B2 (ja) 2009-10-26 2009-10-26 液体吐出装置及び液体吐出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011088413A JP2011088413A (ja) 2011-05-06
JP5493704B2 true JP5493704B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=44107117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009245757A Active JP5493704B2 (ja) 2009-10-26 2009-10-26 液体吐出装置及び液体吐出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5493704B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6191236B2 (ja) * 2013-05-20 2017-09-06 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP7070832B2 (ja) * 2018-07-11 2022-05-18 ブラザー工業株式会社 印刷装置、および、制御プログラム
JP7343831B2 (ja) * 2019-06-28 2023-09-13 ブラザー工業株式会社 制御装置、および、コンピュータプログラム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2675910B2 (ja) * 1990-07-30 1997-11-12 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
JP2001096733A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Seiko Epson Corp 双方向記録装置,双方向記録装置の記録補正方法および双方向記録装置の記録補正処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2001315315A (ja) * 2000-05-12 2001-11-13 Nec Kofu Ltd 印字装置および方法
JP2002316424A (ja) * 2001-02-15 2002-10-29 Canon Inc インクジェット記録装置およびその記録制御方法
JP2004009383A (ja) * 2002-06-04 2004-01-15 Seiko Epson Corp 記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011088413A (ja) 2011-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4894881B2 (ja) 液体吐出装置
US8950843B2 (en) Printing apparatus and printing method
US7571982B2 (en) Liquid ejecting apparatus, liquid ejecting system, and liquid ejecting method
JP2009028913A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP5428648B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
US20150116393A1 (en) Ink jet printing contol method utilizing and process liquid
JP5493704B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
US20160339693A1 (en) Ink jet printing apparatus and method for controlling inkjet printing apparatus
JP2011136518A (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出方法
JP4329459B2 (ja) 液体吐出装置
JP2011115986A (ja) 液体吐出装置及び吐出タイミング補正方法
JP2009241605A (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法及び印刷システム
JP4449394B2 (ja) 印刷装置、印刷方法、及び、印刷システム
JP3951961B2 (ja) 印刷装置及び印刷システム
JP4720103B2 (ja) 印刷装置及びテストパターン製造方法
US7524012B2 (en) Printing method, test pattern, method of producing test pattern, and printing apparatus
JP5304587B2 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP4122886B2 (ja) 印刷装置、印刷方法、印刷物製造方法、プログラム及びコンピュータシステム
JP4572579B2 (ja) 印刷装置、テストパターン製造方法及び印刷システム
JP2011116041A (ja) 液体吐出装置、及び、吐出タイミング補正方法
JP2012153061A (ja) 印刷装置、印刷方法、及びプログラム
JP5741027B2 (ja) 距離算出方法、印刷装置、及びプログラム
JP2010184442A (ja) 記録装置、及び、記録制御方法
JP2011136519A (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出方法
JP4329458B2 (ja) 液体吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120723

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5493704

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350