JP2012206355A - 流体噴射装置 - Google Patents

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JP2012206355A
JP2012206355A JP2011073547A JP2011073547A JP2012206355A JP 2012206355 A JP2012206355 A JP 2012206355A JP 2011073547 A JP2011073547 A JP 2011073547A JP 2011073547 A JP2011073547 A JP 2011073547A JP 2012206355 A JP2012206355 A JP 2012206355A
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Kosaku Shinoda
耕作 信田
Norihisa Kobayashi
範久 小林
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】ノズルから噴射された流体の着弾位置ずれを低減すること。
【解決手段】媒体に向けて流体を噴射するノズルが設けられたヘッドと、ヘッドを移動方向に移動する移動機構と、媒体とヘッドとの距離を検出する検出部と、ノズルから流体を噴射するタイミングを決定する制御部であって、検出部が検出した距離に応じたタイミングでノズルから流体を噴射した場合よりも、流体の実際の着弾位置と目標の着弾位置とのずれ量が少なくなるように、検出部が検出した距離よりも大きい距離に基づいて、ノズルから流体を噴射するタイミングを決定する制御部と、を有する流体噴射装置。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体噴射装置に関する。
流体噴射装置として、ノズルからインク(液体)を噴射するヘッドを有するインクジェ
ットプリンター(以下、プリンター)が知られている。ヘッドが移動方向に移動しながら
ノズルからインクを噴射するプリンターでは、ヘッド(ノズル)が目標の着弾位置に到達
する前にノズルからインクを噴射する必要がある。また、ヘッドから媒体までの距離(ペ
ーパーギャップ)や、ドットサイズの大きさによって、インク噴射位置からインク着弾位
置までの移動方向の距離が変動するため、インクの噴射タイミングを調整する方法が提案
されている。
特開2010−142979号公報
しかし、計算上におけるインク噴射位置からインク着弾位置までの移動方向の距離に基
づいて、インクの噴射タイミングを調整しても、実際には、空気抵抗等の影響により、計
算上の着弾位置よりも手前側に(ヘッドが移動する側とは反対側に)、インクが着弾して
しまう。
そこで、本発明では、ノズルから噴射された流体の着弾位置ずれを低減することを目的
とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、媒体に向けて流体を噴射するノズルが設けられ
たヘッドと、前記ヘッドを移動方向に移動する移動機構と、前記媒体と前記ヘッドとの距
離を検出する検出部と、前記ノズルから流体を噴射するタイミングを決定する制御部であ
って、前記検出部が検出した前記距離に応じたタイミングで前記ノズルから流体を噴射し
た場合よりも、流体の実際の着弾位置と目標の着弾位置とのずれ量が少なくなるように、
前記検出部が検出した前記距離よりも大きい前記距離に基づいて、前記ノズルから流体を
噴射するタイミングを決定する制御部と、を有することを特徴とする流体噴射装置である

本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
プリンターの全体構成ブロック図である。 図2Aはプリンターの概略斜視図であり、図2Bはヘッドの下面におけるノズルの配置を示す図である。 図3Aはリニア式エンコーダーを説明する図であり、図3Bはリニア式エンコーダーの出力パルスを説明する図である。 ペーパーギャップを検出するギャップセンサーの説明図である。 基準のインク噴射タイミングを説明する図である。 キャリッジ速度及びペーパーギャップのずれにより生じる着弾位置のずれを説明する図である。 図7A及び図7Bは比較例の補正方法を説明する図である。 計算上の着弾位置と実際の着弾位置とのずれを説明する図である。 図9A及び図9Bは本実施形態の補正方法を説明する図である。 図10Aはドットサイズに基準のインク噴射速度を対応付けたテーブルを示す図であり、図10Bは検出ペーパーギャップに仮想ペーパーギャップを対応付けたテーブルを示す図である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、媒体に向けて流体を噴射するノズルが設けられたヘッドと、前記ヘッドを移動方
向に移動する移動機構と、前記媒体と前記ヘッドとの距離を検出する検出部と、前記ノズ
ルから流体を噴射するタイミングを決定する制御部であって、前記検出部が検出した前記
距離に応じたタイミングで前記ノズルから流体を噴射した場合よりも、流体の実際の着弾
位置と目標の着弾位置とのずれ量が少なくなるように、前記検出部が検出した前記距離よ
りも大きい前記距離に基づいて、前記ノズルから流体を噴射するタイミングを決定する制
御部と、を有することを特徴とする流体噴射装置である。
このような流体噴射装置によれば、ノズルから噴射された流体の着弾位置ずれを低減す
ることができる。
===印刷システムについて===
「流体噴射装置」をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンター
とコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1は、プリンター1の全体構成ブロック図であり、図2Aは、プリンター1の概略斜
視図であり、図2Bは、ヘッド41の下面におけるノズルの配置を示す図である。なお、
図2Bは、ヘッド41の上方からノズルの配列を仮想的に見た図である。
コンピューター60は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画
像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インタ
ーフェース部11はコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うた
めのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である
。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するための
ものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プ
リンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー
10は各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体S(例:用紙、布など)を印刷可能な位置に送り込み、印刷
時には搬送方向に所定の搬送量で媒体Sを搬送するためのものである。
キャリッジユニット30(移動機構に相当)は、インクを噴射するヘッド41を保持し
たキャリッジ31を、搬送方向と交差する移動方向に移動するためのものである。
ヘッドユニット40は、媒体Sにインクを噴射するためのものであり、ヘッド41を有
する。ヘッド41の下面には、図2Bに示すように、インクを噴射するノズルが多数形成
され、各ノズルはインクが充填されたインク室に連通している。また、ヘッド41の下面
では、搬送方向に所定の間隔Dおきにノズルが並んだノズル列が、インクの色(YMCK
)ごとに移動方向に並んで形成されている。
なお、ノズルからのインク噴射方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけてインク
室を膨張・収縮させることによりノズルからインクを噴射させるピエゾ方式でもよいし、
発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってノズルからインクを噴射
させるサーマル方式でもよい。
このようなプリンター1では、移動方向に沿って移動するヘッド41から媒体Sに向け
てインクが噴射される画像形成動作と、媒体Sが搬送方向に搬送される搬送動作と、が繰
り返される。その結果、先の画像形成動作により形成されたドットの位置とは異なる媒体
S上の位置に、後の画像形成動作にてドットが形成されるため、媒体S上に2次元の画像
が印刷される。
===キャリッジ速度Vcの検出方法===
図3Aは、リニア式エンコーダー51を説明する図である。リニア式エンコーダー51
は、キャリッジ31の位置を検出するためのものであり、リニアスケール511と、検出
部512と、を有する。
リニアスケール511は、所定の間隔λ(例えば、1/180インチ)毎にスリットが
設けられており、プリンター1の本体側に固定されている。検出部512は、リニアスケ
ール511と対向するように、キャリッジ31の背面に設けられている。
検出部512は、発光ダイオード512Aと、コリメータレンズ512Bと、検出処理
部512Cと、を有し、検出処理部512Cは、例えば4個のフォトダイオード512D
と、信号処理回路512Eと、例えば2個のコンパレーター512Fa,512Fbと、
を有している。
発光ダイオード512Aは、抵抗を介して電圧Vaが印加されると光を発し、この光が
コリメータレンズ512Bに入射される。コリメータレンズ512Bに入射した光は、平
行光として、リニアスケール511に照射される。リニアスケール511に設けられたス
リット(白抜き部)を通過した平行光は、各フォトダイオード512Dに入射する。
各フォトダイオード512Dは入射した光を電気信号に変換し、その電気信号は信号処
理回路512Eにて信号処理される。そして、信号処理回路512Eから出力された信号
は、コンパレーター512Fa,512Fbにおいて比較され、比較結果が出力パルスE
NC−A,ENC−Bとして出力される。
図3Bは、リニア式エンコーダー51の出力パルスENC−A,ENC−Bを説明する
図である。キャリッジ31を駆動するモーター(以下、CRモーター)の正転時および反
転時の何れの場合も、出力パルスENC−Aと出力パルスENC−Bは、位相が90度ず
れている。CRモーターの正転時は、図3Bの上図に示すように、出力パルスENC−A
は、出力パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、CRモーターの反
転時は、図3Bの下図に示すように、出力パルスENC−Aは、出力パルスENC−Bよ
りも90度だけ位相が遅れる。
キャリッジ31の位置検出は、以下のように行う。まず、出力パルスENC−A、又は
、出力パルスENC−Bについて、立ち上がりエッジ、又は、立ち下がりエッジを検出し
、検出されたエッジの個数をカウントする。
出力パルスENC−A,ENC−Bの各周期Tは、キャリッジ31(検出部512)が
リニアスケール511のスリット間隔λを移動する時間に等しい。即ち、出力パルスEN
C−A,ENC−Bの各周期Tは、キャリッジ31がリニアスケール511の或るスリッ
トを通過してから次のスリットを通過するまでの時間と等しい。よって、エッジのカウン
ト数にスリット間隔λを乗算すれば、カウント数が「0」の時からのキャリッジ31の移
動量を求めることができ、キャリッジ31の位置を検出することができる。
そして、キャリッジ31の速度Vcの検出は、以下のように行う。まず、出力パルスE
NC−A、又は、出力パルスENC−Bについて、立ち上がりエッジ、又は、立ち下がり
エッジを検出する。このエッジ間の時間間隔をタイマーカウンターによってカウントする
。例えば、或るパルスの立ち上がりエッジを検出してから次の立ち上がりエッジを検出す
るまでの時間間隔をカウントする。このカウント値が、出力パルスENC−A,ENC−
Bの各周期T、即ち、キャリッジ31がリニアスケール511のスリット間隔λを移動す
る時間に相当する。よって、リニアスケール511のスリット間隔λを、タイマーカウン
ト値(周期T)で除算すれば(λ/T)、キャリッジ速度Vcを求めることができる。
===PG(ペーパーギャップ)の検出方法===
図4は、ノズル(ヘッド41の下面)から媒体Sまでの距離(以下、ペーパーギャップ
PG)を検出するギャップセンサー52の説明図である。図2Bに示すように、ギャップ
センサー52は、ヘッド41の下面であり、ノズル列(YMCK)の搬送方向の下流側端
部の近傍に取り付けられている。即ち、ギャップセンサー52は媒体Sと対向可能である
ギャップセンサー52(媒体とヘッドとの距離を検出する検出部に相当)は、発光部5
21と、2つの受光部(第1受光部522、第2受光部523)と、を有する。発光部5
21は、発光ダイオードを有し、媒体Sに光を照射する。第1受光部522、及び、第2
受光部523は、受光した光量に応じた電気信号を出力する受光素子を有する。第2受光
部523は、第1受光部522よりも、発光部521から離れた位置に設けられている。
発光部521から媒体Sに向けて照射された光は、媒体Sによって反射され、各受光部
522,523の受光素子に入射する。受光素子に入射した光は、受光素子によって、入
射した光量に応じた電気信号に変換される。
ペーパーギャップPGが小さい場合、媒体S1によって反射した光は、主に第1受光部
522に入射し、第2受光部523には拡散光しか入射しない。従って、第1受光部52
2の出力信号は、第2受光部523の出力信号よりも大きくなる。
一方、ペーパーギャップPGが大きい場合、媒体S2によって反射した光は、主に第2
受光部523に入射し、第1受光部522には拡散光しか入射しない。従って、第2受光
部523の出力信号は、第1受光部522の出力信号よりも大きくなる。
よって、第1受光部522,第2受光部523からの出力信号の比と、ペーパーギャッ
プPGと、の関係を予め求めていれば、実際の印刷時におけるペーパーギャップPGを検
出することができる。
例えば、或る地点の媒体Sに向けて発光部521が光を照射し、各受光部522,52
3からの出力信号比を取得する。そして、メモリー13に記憶されている「各受光部52
2,523の出力信号比とPGの関係を示すテーブル」に、取得した各受光部522,5
23からの出力信号比を対応付けることで、その地点のペーパーギャップPGを検出でき
る。
===基準のインク噴射タイミング===
図5は、基準のインク噴射タイミングを説明する図である。本実施形態のプリンター1
では、ヘッド41がキャリッジ31と共に移動方向に移動しながら、ノズルからインク滴
が噴射される。従って、ノズルから噴射されたインク滴は、慣性の法則により、図示する
ような軌跡に沿って媒体Sに着弾する。即ち、ノズルから噴射されたインク滴は、噴射位
置の真下ではなく、噴射位置からヘッド41が移動する側(図では移動方向の右側)にず
れた媒体S上の位置に着弾する。そのため、ヘッド41(ノズル)が目標の着弾位置に到
達する前に、ノズルからインク滴を噴射する必要がある。
ここで、基準となるキャリッジ31(ヘッド41)の速度を「Vcs」とし、基準とな
るノズルからのインク噴射速度を「Vms」とし、基準のペーパーギャップを「PGs」
とする。この場合、ノズルからインク滴が噴射された位置から、基準の飛翔距離「Ls=
(Vcs×PGs)/Vms」だけ、ヘッド41の移動する側にずれた位置に、インク滴
が着弾する。
従って、目標の着弾位置にインク滴を着弾させるためには、ノズルが目標の着弾位置か
ら基準の飛翔距離Ls(=(Vcs×PGs)/Vms)だけ手前側(キャリッジ31が
移動する側とは反対側)に位置するタイミングで、ノズルからインク滴を噴射する必要が
ある。
ここで、基準のキャリッジ速度Vcsであり、基準のペーパーギャップPGsであり、
基準のインク噴射速度Vmsである場合に、インク滴が目標の着弾位置に着弾するように
ノズルからインク滴を噴射する位置を「基準の噴射位置」と呼ぶ。基準の噴射位置は、上
述のように、目標の着弾位置から基準の飛翔距離Ls(=(Vcs×PGs)/Vms)
だけ手前側にずれた位置である。また、ノズルが基準の噴射位置にてインク滴を噴射する
タイミングを「基準のインク噴射タイミング」と呼ぶ。
===着弾位置のずれ===
図6は、キャリッジ速度Vc、及び、ペーパーギャップPGのずれにより生じる着弾位
置のずれを説明する図である。ここで、前述の方法により検出された実際のキャリッジ速
度(以下、検出キャリッジ速度Vcd)が、基準のキャリッジ速度Vcsよりも遅く(V
cd<Vcs)、また、検出された実際のペーパーギャップ(以下、検出ペーパーギャッ
プPGd)が、基準のペーパーギャップPGsよりも小さいとする(PGd<PGs)。
なお、インクの噴射速度Vmは一定であるとする(即ち、基準のインク噴射速度Vmsで
あるとする)。
この場合、インク滴が噴射された位置からインク滴が着弾する位置までの移動方向の距
離(以下、計算上の飛翔距離Ld)は、「Ld=(Vcd×PGd)/Vms」となり、
基準の飛翔距離Lsよりも短くなる。従って、この場合に、基準の噴射位置で(基準のイ
ンク噴射タイミングで)ノズルからインク滴を噴射すると、インク滴は、計算上、目標の
着弾位置よりも手前側に着弾してしまう。
つまり、検出キャリッジ速度Vcdや検出ペーパーギャップPGdが基準の値からずれ
ているのにも拘らず、基準の噴射位置で(基準のインク噴射タイミングで)ノズルからイ
ンク滴を噴射してしまうと、計算上、目標の着弾位置から移動方向にずれた位置にインク
滴が着弾してしまう。その結果、印刷画像の画質が劣化してしまう。特に、ヘッド41の
往復移動時にノズルからインク滴を噴射する印刷方法(所謂、双方向印刷)を実施する場
合、往路で印刷する画像と復路で印刷する画像とのずれ量が大きくなり、印刷画像の画質
がより劣化してしまう。
なお、本実施形態では、基準のキャリッジ速度Vcs、及び、基準のペーパーギャップ
PGsを比較的に大きな値に設定し、インク噴射タイミングの補正の方向を一定にする。
即ち、基準のインク噴射タイミングから遅らせる補正が行われるようにする。
===比較例の補正方法===
図7A及び図7Bは、比較例の補正方法を説明する図である。前述のように、検出ペー
パーギャップPGdが基準のペーパーギャップPGsよりも小さく、検出キャリッジ速度
Vcdが基準のキャリッジ速度Vcsよりも遅いにも拘らず、基準のインク噴射タイミン
グ(基準の噴射位置)で、インク滴を噴射すると、インク滴は目標の着弾位置よりも「距
離Lr(1)」だけ手前側に着弾してしまう。
この距離Lr(1)が、ペーパーギャップPGやキャリッジ速度Vcのずれにより生じ
る目標の着弾位置からのずれ量、即ち、インク噴射位置の補正距離である(以下、「第1
の補正距離Lr(1)」と呼ぶ)。第1の補正距離Lr(1)は、以下の式で表される。

Lr(1)={(Vcs×PGs)/Vms−(Vcd×PGd)/Vms}
従って、比較例の補正方法では、ノズルが第1の補正距離Lr(1)だけ基準の噴射位
置から通り過ぎたタイミングで、ノズルからインク滴を噴射する。言い換えると、ノズル
(キャリッジ31)が第1の補正距離Lr(1)を移動する時間分だけ、基準のインク噴
射タイミングから遅延させたタイミングで、ノズルからインク滴を噴射する。
ここで、リニア式エンコーダー51からの出力パルス(図7Bでは出力パルスENC−
A)の立ち上がりエッジのタイミングが、基準のインク噴射タイミングに等しいとする。
従って、基準のキャリッジ速度Vcs、基準のペーパーギャップPGs、基準のインク噴
射速度Vmsである場合、ノズルからインク滴を噴射するためのヘッド駆動信号LATで
は、リニア式エンコーダー51の出力パルスと同じタイミングでパルスが発生する(同じ
タイミングで立ち上がりエッジが発生する)。なお、ヘッド駆動信号LATのパルスが入
力されるタイミングに応じてノズルからインク滴が噴射される。
一方、検出ペーパーギャップPGdが基準のペーパーギャップPGsよりも小さく、検
出キャリッジ速度Vcdが基準のキャリッジ速度Vcsよりも遅い場合、基準のインク噴
射タイミングよりも遅延したタイミングでインク滴が噴射されるように、ヘッド駆動信号
LATにおけるパルスの発生タイミングを遅延させる。即ち、リニア式エンコーダー51
の出力パルスENC−Aでパルスが発生するタイミングよりも、ヘッド駆動信号LATで
パルスが発生するタイミングを遅延させる。
比較例の補正方法では、図7Bに示すように、リニア式エンコーダー51からの出力パ
ルス(ENC−A、又は、ENC−B)の1周期Tをn分割し、遅延量に相当するm段目
を算出する(n分割したうちのm段分を遅延させる)。そして、基準のインク噴射タイミ
ングからm段目にインク滴が噴射されるように(ヘッド駆動信号LATでパルスが発生す
るように)、インク滴の噴射タイミングを補正する。
リニア式エンコーダー51の出力パルス(ENC−A、又は、ENC−B)の1周期T
をn分割した場合、リニアスケール511のスリット間隔がλであると、1段当たりの移
動方向の長さが「λ/n」となる。例えば、1周期を128分割した場合、リニアスケー
ル511のスリット間隔が1/180インチであると、1段当たりの移動方向の長さが約
1.1μmとなる。
実際の印刷時に、プリンター1のコントローラー10は、検出キャリッジ速度Vcdや
検出ペーパーギャップPGd等に基づいて、ヘッド駆動信号LATのパルス発生を遅延さ
せる量が何段目に相当するのかを算出する。基準のインク噴射タイミングからの遅延量を
m段目とすると、mは、以下の式で算出される。
m=(第1の補正距離Lr(1))÷(1段当たりの移動方向の長さ)
Figure 2012206355
なお、mは整数にする必要があるため、上式でmが整数とならないときは、例えば、切
り下げ、四捨五入、切り上げなどを行って、mを整数にする。
そして、図7Bに示すように、コントローラー10は、リニア式エンコーダー51から
の出力パルスENC−Aでパルスが発生してからm段目に相当する時間の経過後に、ヘッ
ド駆動信号LATでパルスを発生させる。そうすることで、ノズルが基準の噴射位置から
第1の補正距離Lr(1)だけ通り過ぎたタイミングで、ノズルからインク滴が噴射され
る。その結果、計算上ではインク滴の着弾位置を目標の着弾位置に一致させることができ
る。
図8は、計算上の着弾位置と実際の着弾位置とのずれを説明する図である。ノズルが基
準の噴射位置から第1の補正距離Lr(1)だけ通り過ぎたタイミングでノズルからイン
ク滴を噴射したとしても、空気抵抗等の影響により、実際には、計算上の着弾位置(目標
の着弾位置)よりも手前側の位置に、インク滴が着弾してしまう。
つまり、目標の着弾位置にインク滴が着弾するように、計算上、インク滴の噴射タイミ
ングを補正したとしても、目標の着弾位置よりも手前側の位置にインク滴が着弾し、印刷
画像の画質が劣化してしまう。従って、本実施形態では、実際のペーパーギャップやキャ
リッジ速度のずれにより生じる着弾位置のずれ量(第1の補正距離Lr(1))だけでな
く、空気抵抗等により生じる着弾位置のずれ量(図8に示す「第2の補正距離Lr(2)
」)も補正すること目的とする。
===本実施形態の補正方法===
図9A及び図9Bは、本実施形態の補正方法を説明する図である。計算上のインク噴射
タイミングで(比較例の噴射位置で)インク滴を噴射しても、実際には、目標の着弾位置
よりも手前側にインク滴が着弾してしまう。しかし、図9Aに示すように、ヘッド41か
ら媒体までの距離(ペーパーギャップ)が長ければ、インク滴が噴射されてから媒体に着
弾するまでの時間を長くすることができ、インク滴の着弾位置をキャリッジ31が移動す
る側(図9Aでは移動方向の右側)にずらすことができる。
即ち、ペーパーギャップが実際のペーパーギャップ(検出ペーパーギャップPGd)よ
りも大きいと仮想することで、計算上のインク噴射タイミングで(比較例の噴射位置で)
インク滴を噴射する場合よりも、インク滴の着弾位置を目標の着弾位置に近付けることが
できる。
そこで、本実施形態の補正方法では、ノズルからインク滴を噴射するタイミングを決定
するコントローラー10(制御部に相当)が、検出したペーパーギャップPGdに応じた
タイミングでノズルからインク滴を噴射した場合よりも、インク滴の実際の着弾位置と目
標の着弾位置とのずれ量が少なくなるように、検出ペーパーギャップPGdよりも大きい
ペーパーギャップ(以下、「仮想ペーパーギャップPGi(=PGd+α)」と呼ぶ)に
基づいて、ノズルからインク滴を噴射するタイミングを決定する。
図10Aは、ドットサイズに基準のインク噴射速度Vmsを対応付けたテーブルを示す
図であり、図10Bは、検出ペーパーギャップPGdに仮想ペーパーギャップPGiを対
応付けたテーブルを示す図である。本実施形態では、インクの噴射速度Vmを一定とする
。ただし、ノズルからのインク噴射量の違いにより、インク噴射速度も変動する。通常、
インク噴射量が多いほど(ドットサイズが大きいほど)、インク噴射速度が速くなる。
そこで、本実施形態では、プリンター1が形成可能な各ドットに基準のインク噴射速度
Vmsを対応付けたテーブル(図10A)を、プリンター1のメモリー13が記憶するよ
うにする。ここでは、プリンター1が3種類のドット(小ドット、中ドット、大ドット)
を形成可能とし、3種類のドットサイズにそれぞれ応じた基準のインク噴射速度(Vms
(S),Vms(M),Vms(L))が記憶されている。
また、プリンター1のメモリー13は、図10Bに示すように、異なる複数の検出ペー
パーギャップPGdに対して、各検出ペーパーギャップPGdよりも大きな値である仮想
ペーパーギャップPGiが対応付けられたテーブルを、記憶している。ゆえに、本実施形
態の補正方法では、検出ペーパーギャップPGdが異なれば、異なる仮想ペーパーギャッ
プPGiに基づいて、インク噴射タイミングの遅延量が決定される。
実際の印刷時に、プリンター1のコントローラー10は、印刷データに基づいてノズル
から噴射するドットサイズの情報と、リニア式エンコーダー51からの出力結果に基づく
検出キャリッジ速度Vcdと、ギャップセンサー52からの出力結果に基づく検出ペーパ
ーギャップPGdと、を取得する。
そして、まず、コントローラー10は、ドットサイズとインク噴射速度Vmsが対応付
けられたテーブル(図10A)を参照し、インク噴射速度Vmsを決定する。次に、コン
トローラー10は、検出ペーパーギャップPGdと仮想ペーパーギャップPGiが対応付
けられたテーブル(図10B)を参照し、検出ペーパーギャップPGdに応じた仮想ペー
パーギャップPGiを決定する。例えば、検出ペーパーギャップPGdが1.75である
場合、コントローラー10は仮想ペーパーギャップPGiを2.06とする。
そして、コントローラー10は、取得した情報に基づいて、ヘッド駆動信号LATのパ
ルス発生を遅延させる量が何段目に相当するのかを算出する。基準のインク噴射タイミン
グからの遅延量をm段目とすると、mは、以下の式で算出される。
Figure 2012206355
この時、検出ペーパーギャップPGdではなくて、検出ペーパーギャップPGdよりも
大きな値である仮想ペーパーギャップPGiを、上記の式に代入することで、遅延量を示
すm段目をより大きな値にすることができる。
即ち、本実施形態では、計算上のインク噴射タイミング(比較例のインク噴射タイミン
グ)よりも遅延したタイミングで、ノズルからインク滴を噴射することができる。換言す
ると、図9Bに示すように、本実施形態の噴射位置を、比較例の噴射位置よりも、キャリ
ッジ31が進む側の位置(目標の着弾位置に近付く側の位置)にすることができる。ゆえ
に、空気抵抗等により手前側にインク滴が着弾してしまう問題があっても、実際の着弾位
置を目標の着弾位置に近付けることができる。
つまり、本実施形態の補正方法では、実際のペーパーギャップやキャリッジ速度のずれ
により生じる着弾位置のずれ量(第1の補正距離Lr(1))と空気抵抗等により生じる
着弾位置のずれ量(第2の補正距離Lr(2))が補正されるように、検出ペーパーギャ
ップPGdよりも大きな仮想ペーパーギャップPGiを設定する。そして、その仮想ペー
パーギャップPGiに基づいて、基準のインク噴射タイミングから実際にインク滴を噴射
するタイミングの遅延量(m段目)を決定する。そうすることで、図9Bに示すように、
実際にインク滴を噴射するタイミングをより遅延させることができる。その結果、インク
滴の実際の着弾位置と目標の着弾位置とのずれ量を低減することができ、印刷画像の画質
劣化を抑制することができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として流体噴射装置について記載されているが、上記の実施形態
は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのもの
ではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明
にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
<流体噴射装置について>
前述の実施形態では、流体噴射装置としてインクジェットプリンターを例示しているが
、これに限らない。流体噴射装置は、様々な工業用装置に適用可能であり、例えば、布地
に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等の
ディスプレイ製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダー、52 ギャップセンサー、
60 コンピューター

Claims (1)

  1. 媒体に向けて流体を噴射するノズルが設けられたヘッドと、
    前記ヘッドを移動方向に移動する移動機構と、
    前記媒体と前記ヘッドとの距離を検出する検出部と、
    前記ノズルから流体を噴射するタイミングを決定する制御部であって、前記検出部が検
    出した前記距離に応じたタイミングで前記ノズルから流体を噴射した場合よりも、流体の
    実際の着弾位置と目標の着弾位置とのずれ量が少なくなるように、前記検出部が検出した
    前記距離よりも大きい前記距離に基づいて、前記ノズルから流体を噴射するタイミングを
    決定する制御部と、
    を有することを特徴とする流体噴射装置。
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