JP2003266652A - 印刷装置、印刷方法、プログラム及びコンピュータシステム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、プログラム及びコンピュータシステム

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JP2003266652A
JP2003266652A JP2002070875A JP2002070875A JP2003266652A JP 2003266652 A JP2003266652 A JP 2003266652A JP 2002070875 A JP2002070875 A JP 2002070875A JP 2002070875 A JP2002070875 A JP 2002070875A JP 2003266652 A JP2003266652 A JP 2003266652A
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ink
speed
timing
paper
ink ejecting
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Hitoshi Igarashi
人志 五十嵐
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの吐出のタイミングが、ノズルの移動
速度によって、インクの吐出の基準となるタイミングに
対し、早いタイミングになることを防ぐ。 【解決手段】 本発明の印刷装置は、目標速度に沿うよ
うにインク吐出部を移動させ、前記インク吐出部が所定
の速度で移動するとした場合のインクの吐出のタイミン
グを基準タイミングとし、前記インク吐出部の移動速度
と前記所定の速度とに基づいて、前記基準タイミングか
ら遅延したタイミングで前記インクを吐出する印刷装置
であって、前記インク吐出部の目標速度の最速値は、前
記所定の速度よりも遅いことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙などの被印刷体
にインクを断続的に吐出して印刷を行う印刷装置及び印
刷方法に関する。また、本発明は、このような印刷装置
を制御するプログラムに関する。
【0002】
【背景技術】紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画
像を印刷する印刷装置として、インクを断続的に吐出し
て印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。
インクジェットプリンタでは、インクを吐出するノズル
は移動しながらインクを吐出する。そのため、吐出した
インク滴は、慣性の法則により、ノズルの移動速度でノ
ズルの移動方向に移動しながら、ノズルと被印刷体の間
を飛ぶことになる。したがって、インク滴は、このイン
ク滴を吐出した時のノズルの位置からノズルの移動方向
にずれた位置で紙に着弾する。そこで、従来のインクジ
ェットプリンタでは、インクの着弾位置のずれを考慮
し、ノズルの移動速度に基づいてインクの吐出のタイミ
ングをずらしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクの吐出
のタイミングが、ノズルの移動速度によって、インクの
吐出の基準となるタイミングに対し、早いタイミングに
なったり遅いタイミングなったりすると、計算が複雑に
なってしまう。さらに、インクの吐出のタイミングがヘ
ッドの性能を超えるような早いタイミングであると、正
確な印刷を行うことができなくなる。そこで、本発明
は、正しくインク滴を着弾させるため、目標移動速度の
最速値が、所定の基準速度よりも遅くなるようにしてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の主たる発明は、目標速度に沿うようにインク吐出部を
移動させ、前記インク吐出部が所定の速度で移動すると
した場合のインクの吐出のタイミングを基準タイミング
とし、前記インク吐出部の移動速度と前記所定の速度と
に基づいて、前記基準タイミングから遅延したタイミン
グで前記インクを吐出する印刷装置であって、前記イン
ク吐出部の目標速度の最速値は、前記所定の速度よりも
遅いことを特徴とする。本発明の他の特徴については、
本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0005】
【発明の実施の形態】===開示の概要=== 本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下
の事項が明らかとなる。
【0006】目標速度に沿うようにインク吐出部を移動
させ、前記インク吐出部が所定の速度で移動するとした
場合のインクの吐出のタイミングを基準タイミングと
し、前記インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに
基づいて、前記基準タイミングから遅延したタイミング
で前記インクを吐出する印刷装置であって、前記インク
吐出部の目標速度の最速値は、前記所定の速度よりも遅
いことを特徴とする印刷装置。このような印刷装置によ
れば、インクの吐出のタイミングが、ノズルの移動速度
によって、インクの吐出の基準となるタイミングに対
し、早いタイミングになることを防ぐことができる。
【0007】また、かかる印刷装置であって、前記所定
の速度は、前記インク吐出部がインクを吐出することが
できる周期に基づいて、設定されることが望ましい。ま
た、前記所定の速度は、前記被印刷体に形成されるドッ
トの間隔に基づいて、設定されることが望ましい。この
ような印刷装置によれば、インクの吐出のタイミングが
ヘッドの性能を超えるような早いタイミングになること
を防ぐことができる。
【0008】また、かかる印刷装置であって、前記イン
ク吐出部の移動速度が遅いほど、前記インクを吐出する
タイミングが遅延することが望ましい。このような印刷
装置によれば、正しい位置にインクを着弾させることが
できる。
【0009】また、かかる印刷装置であって、前記イン
ク吐出部の移動速度は、エンコーダによって検出される
ことが望ましい。このような印刷装置であれば、エンコ
ーダの検出結果に基づいて、インクの吐出のタイミング
を制御することができる。
【0010】また、かかる印刷装置であって、前記イン
ク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに基づく前記タ
イミングの制御は、前記インク吐出部が加速又は減速し
て移動しているときに行うことが望ましい。このような
印刷装置によれば、加減速時のようにインク吐出部の速
度が遅い状態であるときでも、インクの吐出のタイミン
グをずらして、正しい位置にインクを着弾させることが
できる。
【0011】また、かかる印刷装置であって、前記所定
の速度は、前記目標速度の最速値よりも、4〜6%だけ
速いことが望ましい。このような印刷装置によれば、実
際のインク吐出部の移動速度が目標速度とずれていて
も、インクの吐出のタイミングが、インクの吐出の基準
となるタイミングに対し、早いタイミングになることを
防ぐことができる。
【0012】また、かかる印刷装置であって、前記イン
ク吐出部の移動速度が前記所定の速度よりも速いとき、
前記基準タイミングでインクを吐出することが望まし
い。このような印刷装置によれば、インクの吐出のタイ
ミングが、インクの吐出の基準となるタイミングに対
し、早いタイミングになることを防ぐことができる。
【0013】目標速度に沿うようにインク吐出部を移動
させ、前記インク吐出部が所定の速度で移動するとした
場合のインクの吐出のタイミングを基準タイミングと
し、前記インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに
基づいて、前記基準タイミングから遅延したタイミング
で前記インクを吐出する印刷装置であって、前記所定の
速度は、前記目標速度の最速値よりも、4〜6%だけ速
く、前記所定の速度は、インク吐出部がインクを吐出す
ることができる周期と、前記被印刷体に形成されるドッ
トの間隔とに基づいて、設定され、前記インク吐出部の
移動速度が遅いほど、前記インクを吐出するタイミング
が遅延し、前記インク吐出部の移動速度は、エンコーダ
によって検出され、前記インク吐出部の移動速度と所定
の速度とに基づく前記タイミングの制御は、前記インク
吐出部が加速又は減速して移動しているときに行い、前
記インク吐出部の移動速度が前記所定の速度よりも速い
とき、前記基準タイミングでインクを吐出することを特
徴とする印刷装置。このような印刷装置によれば、イン
クの吐出のタイミングが、ノズルの移動速度によって、
インクの吐出の基準となるタイミングに対し、早いタイ
ミングになることを防ぐことができる。
【0014】目標速度に沿うようにインク吐出部を移動
させるステップと、前記インク吐出部が所定の速度で移
動するとした場合のインクの吐出のタイミングを基準タ
イミングとし、前記インク吐出部の移動速度と前記所定
の速度とに基づいて、前記基準タイミングから遅延した
タイミングで前記インクを吐出するステップとを有する
印刷方法であって、前記インク吐出部の前記目標速度の
最速値は、前記所定の速度よりも遅いことを特徴とする
印刷方法。このような印刷方法によれば、インクの吐出
のタイミングが、ノズルの移動速度によって、インクの
吐出の基準となるタイミングに対し、早いタイミングに
なることを防ぐことができる。
【0015】被印刷体に印刷を行う印刷装置に、目標速
度に沿うようにインク吐出部を移動させる機能と、前記
インク吐出部が所定の速度で移動するとした場合のイン
クの吐出のタイミングを基準タイミングとし、前記イン
ク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに基づいて、前
記基準タイミングから遅延したタイミングで前記インク
を吐出する機能とを実現させるプログラムであって、前
記インク吐出部の前記目標速度の最速値は、前記所定の
速度よりも遅いことを特徴とするプログラム。このよう
なプログラムによれば、インクの吐出のタイミングが、
ノズルの移動速度によって、インクの吐出の基準となる
タイミングに対し、早いタイミングになることを防ぐこ
とができるように印刷装置を制御することができる。
【0016】コンピュータ本体と、該コンピュータ本体
に接続可能な印刷装置とを備えたコンピュータシステム
であって、前記印刷装置は、目標速度に沿うようにイン
ク吐出部を移動させ、前記インク吐出部が所定の速度で
移動するとした場合のインクの吐出のタイミングを基準
タイミングとし、前記インク吐出部の移動速度と前記所
定の速度とに基づいて、前記基準タイミングから遅延し
たタイミングで前記インクを吐出する印刷装置であり、
前記インク吐出部の目標速度の最速値は、前記所定の速
度よりも遅いことを特徴とするコンピュータシステム。
このようなコンピュータプログラムによれば、印刷装置
を用いて高精度な印刷を行うことができる。
【0017】===印刷装置(インクジェットプリン
タ)の概要=== <インクジェットプリンタの構成について>図1、図2
および図3を参照しつつ、印刷装置としてインクジェッ
トプリンタを例にとって、その概要について説明する。
なお、図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの
全体構成の説明図である。また、図2は、本実施形態の
インクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図であ
る。また、図3は、本実施形態のインクジェットプリン
タの搬送ユニット周辺の説明図である。本実施形態のイ
ンクジェットプリンタは、紙搬送ユニット10、インク
吐出ユニット20、クリーニングユニット30、キャリ
ッジユニット40、計測器群50、および制御ユニット
60を有する。
【0018】紙搬送ユニット10は、被印刷体である例
えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方
向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙送り方向
という))に所定の移動量で紙を移動させるためのもの
である。紙搬送ユニット10は、給紙挿入口11Aと排
紙口11Bと、給紙モータ12と、給紙ローラ13と、
プラテン14と、紙送りモータ(以下、PFモータとい
う)15と、紙送りモータドライバ(以下、PFモータ
ドライバという)16と、紙送りローラ17Aと排紙ロ
ーラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18
Bと、歯車19Aと歯車19Bと歯車19C、とを有す
る。給紙挿入口11は、被印刷体である紙を挿入すると
ころである。給紙モータ12は、給紙挿入口11に挿入
された紙をプリンタ内に搬送するモータであり、DCモ
ータで構成される。給紙ローラ13は、給紙挿入口11
に挿入された紙をプリンタ内に搬送するローラであり、
給紙モータ12によって駆動される。プラテン14は、
印刷中の紙Sを支持する。PFモータ15は、被印刷体
である例えば紙を紙送り方向に送り出すモータであり、
DCモータで構成される。PFモータドライバ16は、
PFモータ15の駆動を行うためのものである。紙送り
ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ内に
搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラで
あり、PFモータ15によって駆動される。フリーロー
ラ18Aは、紙送りローラ17Aと対向する位置に設け
られ、紙Sを紙送りローラ17Aとの間に挟むことによ
って紙Sを紙送りローラ17Aに向かって押さえる。排
紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタの外
部に排出するローラである。フリーローラ18Bは、排
紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙
ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ロー
ラ17Bに向かって押さえる。歯車19A、歯車19B
および歯車19Cは、PFモータ15によって排紙ロー
ラ17Bを駆動するため、PFモータ15の駆動力を排
紙ローラ17Bに伝達するためのものである。排紙口1
1Bは、印刷が終了した紙をプリンタの外部に排出する
ところである。
【0019】インク吐出ユニット20は、被印刷体であ
る例えば紙にインクを吐出するためのものである。イン
ク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ
22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノ
ズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出す
る。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘ
ッドから断続的にインクを吐出させるためのものであ
る。なお、インクを吐出するタイミングに関しては、後
述する。
【0020】クリーニングユニット30は、ヘッド21
のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリ
ーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピ
ング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21の
ノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを
吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータ
ドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド
21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドラ
イバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピン
グ装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止す
るため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21
のノズルを封止する。
【0021】キャリッジユニット40は、ヘッド21を
所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査
方向という))に走査移動させるためのものである。キ
ャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッ
ジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッ
ジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)
43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイ
ドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向
に移動可能であって、ヘッド21を固定している(した
がって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動
しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリ
ッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48
を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリ
ッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータ
で構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ
42を駆動するためのものである。プーリ44は、CR
モータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベ
ルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレ
ール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。な
お、キャリッジ41の移動等に関しての詳細は、後述す
る。
【0022】計測器群50には、リニア式エンコーダ5
1と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ5
3と、ギャップセンサ54とがある。リニア式エンコー
ダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのもの
である。ロータリー式エンコーダ52は、PFモータ1
5の回転量を検出するためのものである。なお、エンコ
ーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53
は、印刷される紙の終端の位置を検出するためのもので
ある。ギャップセンサ54は、ノズルから紙Sまでの距
離PGを検出するためのものである。なお、ギャップセ
ンサの構成等については、後述する。
【0023】制御ユニット60は、プリンタの制御を行
うためのものである。制御ユニット60は、CPU61
と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASI
C64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有
する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うための
ものであり、DCコントローラ66、PFモータドライ
バ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライ
バ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。
タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信
号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの
外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデー
タの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュー
タ67からインターフェース部63を介して送られてく
る印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波
形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCP
U61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保
するためのものであり、PROM、RAM、EEPRO
M等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、C
PU61から送られてくる制御指令と計測器群50から
の出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモ
ータドライバ43を制御する。
【0024】<エンコーダの構成について>図4は、リ
ニア式エンコーダ51の説明図である。リニア式エンコ
ーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのも
のであり、リニアスケール511と検出部512とを有
する。リニアスケール511は、所定の間隔(例えば、
1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にス
リットが設けられており、プリンタ本体側に固定されて
いる。
【0025】検出部512は、リニアスケール511と
対向して設けられており、キャリッジ41側に設けられ
ている。検出部512は、発光ダイオード512Aと、
コリメータレンズ512Bと、検出処理部512Cとを
有しており、検出処理部512Cは、複数(例えば、4
個)のフォトダイオード512Dと、信号処理回路51
2Eと、2個のコンパレータ512Fa、512Fbと
を備えている。
【0026】発光ダイオード512Aは、両端の抵抗を
介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコ
リメータレンズに入射される。コリメータレンズ512
Bは、発光ダイオード512Aから発せられた光を平行
光とし、リニアスケール511に平行光を照射する。リ
ニアスケールに設けられたスリットを通過した平行光
は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイ
オード512Dに入射する。フォトダイオード512D
は、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオ
ードから出力される電気信号は、コンパレータ512F
a、512Fbにおいて比較され、比較結果がパルスと
して出力される。そして、コンパレータ512Fa、5
12Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスE
NC−Bが、リニア式エンコーダ51の出力となる。
【0027】図5は、リニア式エンコーダ51の2種類
の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図
5Aは、CRモータ42が正転しているときにおける出
力信号の波形のタイミングチャートである。図5Bは、
CRモータ42が反転しているときにおける出力信号の
波形のタイミングチャートである。
【0028】図5A及び図5Bに示す通り、CRモータ
42の正転時および反転時のいずれの場合であっても、
パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90
度ずれている。CRモータ42が正転しているとき、す
なわち、キャリッジ41が主走査方向に移動していると
きは、図5Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルス
ENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、
CRモータ42が反転しているときは、図5Bに示す通
り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90
度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャ
リッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔
(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54c
m))を移動する時間に等しい。
【0029】キャリッジ41の位置の検出は、以下のよ
うに行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bにつ
いて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、
検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント
数に基づいて、キャリッジ41の位置を演算する。カウ
ント数は、CRモータ42が正転しているときに一つの
エッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ4
2が反転しているときに一つのエッジが検出されると
『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケ
ール511のスリット間隔に等しいので、カウント数に
スリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のとき
のキャリッジ41の位置からの移動量を求めることがで
きる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ5
1の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔と
なる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両
方を用いて、キャリッジ41の位置を検出しても良い。
パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリ
ニアスケール511のスリット間隔に等しく、かつ、パ
ルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ず
れているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下
がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウン
トすれば、カウント数『1』は、リニアスケール511
のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント
数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が
『0』のときのキャリッジ41の位置から移動量を求め
ることができる。つまり、この場合におけるリニア式エ
ンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリ
ット間隔の1/4となる。ただし、後述する本実施形態
におけるキャリッジ41の位置は、説明を簡単にするた
め、一つのパルスのみを用いて、検出している。
【0030】キャリッジ41の速度Vcの検出は、以下
のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−B
について、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出
する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウ
ンタによってカウントする。このカウント値から周期T
(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リ
ニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャ
リッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができ
る。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方
を用いて、キャリッジ41の速度を検出しても良い。各
パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出す
ることにより、リニアスケール511のスリット間隔の
1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタ
によってカウントする。このカウント値から周期T(T
=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニア
スケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッ
ジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求める
ことができる。ただし、後述する本実施形態におけるキ
ャリッジ41の速度は、説明を簡単にするため、一つの
パルスのみを用いて、検出していることとする。
【0031】なお、ロータリー式エンコーダ52では、
リニア式エンコーダ51のリニアスケール511がPF
モータ15の回転に応じて回転する回転円板となる点が
異なるだけで、他の構成はリニア式エンコーダ51とほ
ぼ同様である。
【0032】===PGの検出=== 本実施形態では、後述する基準位置を算出するため、ま
た、インクの吐出のタイミングを算出するため(後
述)、ノズルから紙までの距離PGを検出している。図
6は、ノズルから紙までの距離PGを検出するギャップ
センサの説明図である。
【0033】同図において、ギャップセンサ54は、発
光部541と、2つの受光部(第1受光部542及び第
2受光部543)とを有する。発光部541は、発光ダ
イオードを有し、被印刷体である紙Sに光を照射する。
第1受光部542は、受光した光量に応じた電気信号を
出力する受光素子を有する。第2受光部543は、第1
受光部542と同様の受光素子を有している。第2受光
部543は、第1受光部542と比較して、発光部54
1から遠い位置に設けられている。
【0034】発光部541から発せられた光は、紙Sに
入射する。紙Sに入射された光は、紙によって反射され
る。紙Sによって反射された光は、受光素子に入射す
る。受光素子に入射した光は、受光素子によって、入射
した光量に応じた電気信号に変換される。
【0035】ノズルから紙までの距離PGが小さい場
合、紙S1によって反射した光は、主に第1受光部54
2に入射し、第2受光部543には拡散光しか入射しな
い。したがって、第1受光部542の出力信号は、第2
受光部543の出力信号よりも大きくなる。
【0036】一方、ノズルから紙までの距離PGが大き
い場合、紙S2によって反射した光は、主に第2受光部
543に入射し、第1受光部542には拡散光しか入射
しない。したがって、第2受光部543の出力信号は、
第1受光部542の出力信号よりも大きくなる。
【0037】したがって、受光部の出力信号の比と距離
PGとの関係を予め求めていれば、受光部の出力信号の
比に基づいて、ノズルから紙までの距離PGを検出する
ことが可能である。この場合、受光部の出力信号の比と
距離PGとの関係に関する情報をテーブルとしてメモリ
65に記憶しておくのが良い。なお、ノズルから紙まで
の距離PGが小さくなる場合としては、紙S1が厚手の
紙であることが考えられる。また、ノズルから紙までの
距離PGが大きい場合としては、紙S2が薄手の紙であ
ることが考えられる。ところで、後述する『基準距離P
Gs』は、センサによって検出されたものでなく、予め
定められたもので良い。この場合、基準距離PGsは、
センサによって検出される距離PGよりも大きい値に設
定されている。本実施形態では、上記のようにギャップ
センサ54を用いて距離PGを検出しているが、距離P
Gの検出は1箇所に限られるものではなく、例えば以下
のように複数の個所で距離PGを検出しても良い。
【0038】<走査方向に沿って複数のPGを検出>図
7は、ギャップセンサ54が走査方向に沿って複数の個
所で距離PGを計測していることを示す説明図である。
図7は、紙送り方向から見た図であり、紙面の左右方向
が走査方向となる。同図において、同じ構成要素のもの
は同じ符号を付しているので、説明を省略する。同図に
おいて、ギャップセンサ54が、キャリッジ41に設け
られている。したがって、ギャップセンサ54は、キャ
リッジが移動するのに伴って、走査方向に移動可能であ
る。そのため、ギャップセンサ54は、操作方向に沿っ
て、複数の個所で距離PGを検出することができる。ギ
ャップセンサ54が走査方向に沿ったエリア毎の距離P
Gが検出できるので、インク吐出のタイミング(後述)
も走査方向に沿ったエリア毎に制御することができるよ
うになる。そのため、紙Sが印刷時に曲がっていても、
走査方向に沿ったエリア毎にインクの吐出のタイミング
を制御できるので、ノズルが走査方向に沿って断続的に
インクを吐出しても、高精度な印刷を行うことができ
る。なお、紙Sが走査方向に曲がる原因としては、印刷
時のインクの塗布による影響等が考えられる。
【0039】<紙送り方向に沿って複数のPGを検出>
図8は、ギャップセンサ54が紙送り方向に沿って複数
の個所で距離PGを計測していることを示す説明図であ
る。図8は、走査方向から見た図であり、紙面の左右方
向が紙送り方向となる。同図において、同じ構成要素の
ものは同じ符号を付しているので、説明を省略する。同
図において、複数のギャップセンサが、紙送り方向に並
んで、キャリッジに設けられている。したがって、各ギ
ャップセンサの出力に基づいて、紙送り方向に沿って複
数の個所で距離PGを検出することができる。ギャップ
センサ54が紙送り方向に沿って複数の個所で距離PG
を計測することができると、複数のノズルが紙送り方向
に並んでいるので、ノズル毎にインクの吐出のタイミン
グ(後述)を制御することができるようになる。そのた
め、紙Sが印刷時に曲がっていたとしても、ノズル毎に
インクの吐出のタイミングを制御できるので、高精度な
印刷を行うことができる。なお、紙Sが紙送り方向に曲
がる原因としては、紙送りローラ17Aと排紙ローラ1
7Bの回転ずれによる影響等が考えられる。また、ヘッ
ドが大型化し、ノズルが紙送り方向に長く並ぶようにな
ると、各ノズルから紙Sまでの距離PGの偏差が大きく
なる。このような場合に、ノズル毎にインクの吐出のタ
イミングを制御できれば、高精度な印刷に有効である。
【0040】===インクの吐出速度の検出=== 本実施形態では、インクの吐出のタイミングを算出する
ため(後述)インクの吐出の速度Viを検出している。
インクの吐出の速度は、一般に、インクの重量が大きく
なるほど、大きくなる。したがって、プリンタが、イン
クの吐出量を変化させる場合、各インクの吐出量に基づ
いて、インクの吐出の速度Viが変化する。例えば、プ
リンタが大ドット及び小ドットを紙に形成する場合、大
ドットを形成するときのインクの吐出の速度の方が、小
ドットを形成するときのインクの吐出の速度よりも、大
きい。そこで、本実施形態では、各ドットに対応するイ
ンクの吐出の速度に関する情報をテーブルとしてメモリ
65に記憶し、このテーブルに基づいて、インクの吐出
の速度を検出している。すなわち、プリンタが印刷情報
に基づいて印刷動作を行うとき、この印刷情報に基づい
て印刷時に形成するインクの吐出量を求め、求められた
吐出量に基づいてメモリ65に記憶されたテーブルを参
照し、テーブルに基づいてインクの吐出の速度を検出す
る。
【0041】なお、このインクの吐出の速度に関する情
報のテーブルは、さらにインクの色毎に設けられても良
い。ところで、後述する『基準吐出速度Vis』は、検
出されたものでなく、予め定められたもので良い。この
場合、基準吐出速度Visは、検出されるインク吐出速
度Vi以下の値(例えば小ドットの吐出速度以下の値)
になるように設定されている。
【0042】===キャリッジの速度履歴=== 図9は、本実施形態のキャリッジの移動の目標速度の時
間変化を示すグラフである。同図において、縦軸はキャ
リッジの目標移動速度Vcであり、横軸は時間tであ
る。なお、キャリッジは、CRモータによって、この目
標速度に沿うように移動させられる。
【0043】図に示す通り、キャリッジ41は、停止し
た状態(t=0)から、所定の最高速度Vmaxまで加速
され(0<t<t1)、一定の速度(以下、走査速度と
いう)で走査し(t1<t<t2)、減速して停止する
(t2<t<t3)。そして、次は逆方向に、同様な加
速移動、走査移動、減速移動を行う。これを繰り返すこ
とにより、キャリッジ41は、走査方向に往復して移動
する。
【0044】印刷は、キャリッジ41が走査速度で移動
する領域(以下、定速領域という)のみを使って行って
も良い。しかし、定速領域のみを使って印刷をすること
にすると、印刷領域の幅だけ定速領域を確保する必要が
あるので、プリンタが大型化してしまう。そこで、本実
施形態では、キャリッジ41が加速移動する領域と減速
移動する領域(以下、加減速領域という)においても、
印刷を行うこととしている。
【0045】一方、加減速中は走査速度よりも低速でキ
ャリッジが移動しているので、加減速領域において走査
領域と同様のタイミングでインクを吐出すると、インク
滴は、紙の着弾目標位置よりも手前に着弾する。つま
り、加減速領域において印刷を行うときは、走査領域に
おけるインクの吐出のタイミングよりも遅延させてイン
クを吐出する必要がある。この遅延させるタイミングに
関しては、後述する。本実施形態では、加減速領域にお
いても印刷を行うことができるので、プリンタの小型化
を図ることができる。
【0046】ところで、後述する『基準速度Vs』は、
検出されたものでなく、予め定められたもので良い。こ
の場合、基準速度Vsは、キャリッジの移動速度Vcよ
りも大きい値に設定されている。
【0047】===インクの吐出のタイミング=== <インク滴の軌跡について>図10は、ノズルからイン
クを吐出したときのインク滴の軌跡についての説明図で
ある。図10Aは、ノズルが停止している状態(キャリ
ッジ41が停止している状態)におけるインク滴の軌跡
についての説明図である。図10Bおよび図10Cは、
ノズルが移動している状態(キャリッジ41が移動して
いる状態)におけるインク滴の軌跡についての説明図で
ある。なお、実際にはノズルから断続的にインクが吐出
されることになるが、図10でのインク滴の数は、説明
を簡単にするため、制限している。
【0048】図10Aでは、ノズルが停止している状態
なので、インク滴は、このインク滴を吐出した時のノズ
ルの位置の真下で紙に着弾する。ノズルから吐出された
インク滴の鉛直方向(紙に向かう方向)の速度(インク
吐出速度)をViとし、ノズルから紙までの距離(ギャ
ップ)をPGとすると、インク滴は、吐出されてから、
時間PG/Viの後に、紙に着弾する。なお、インク滴
が吐出されてから紙に着弾するまでの時間を『飛翔時
間』と呼ぶことにする。また、インク吐出速度が基準と
なる速度(以下、基準インク吐出速度という)Visで
あり、ノズルから紙までの距離が基準となる距離(以
下、基準距離という)PGsであるときのインクの飛翔
時間を『基準飛翔時間』と呼ぶことにする。
【0049】図10Bでは、キャリッジは、基準となる
所定の速度(以下、基準速度という)Vsで走査方向
(紙面の左右方向)に移動している。キャリッジ41の
速度がVsであると、ノズルも走査方向にVsの速度で
移動している。一方、インク滴の鉛直方向の速度を基準
インク吐出速度Visとし、ノズルから紙までの距離を
基準距離PGsとすると、インク滴は、吐出されてか
ら、基準飛翔時間経過後に、紙に着弾する。そうする
と、インク滴は、慣性の法則により、このインク滴を吐
出した時のノズルの位置から距離Vs×PGs/Vis
だけ走査方向にずれた位置で紙に着弾する。したがっ
て、紙の所定の位置(以下、着弾目標位置という)にイ
ンク滴を着弾させるためには、ノズルが着弾目標位置か
ら距離Vs×PGs/Visだけ手前に位置するタイミ
ングで、ノズルからインク滴を吐出する必要がある。
【0050】本実施形態では、キャリッジ41が所定の
基準速度Vsで移動しているときに、着弾目標位置にイ
ンク滴を着弾させるために、ノズルがインク滴を吐出す
る位置を『基準位置』と呼ぶことにする。また、ノズル
が基準位置にくるタイミングを『基準タイミング』とい
う。つまり、キャリッジ41が基準速度Vsで移動し、
ノズルから紙までの距離が基準距離PGsであり、基準
インク吐出速度Visでインク滴を吐出するときに、キ
ャリッジ41が基準タイミングでノズルからインク滴を
吐出すれば、目標着弾位置にインク滴を着弾させ、紙の
所定の位置にドットを形成することができる。本実施形
態では、基準位置は、着弾目標位置からVs×PGs/
Visだけ手前の位置として算出される。
【0051】図10Cでは、キャリッジ41が基準速度
Vsよりも遅い速度Vcで移動し、ノズルから紙までの
距離PGが基準距離PGsよりも小さく、基準インク吐
出速度Visよりも速いインク吐出速度Viでインク滴
を吐出している。この場合、インク滴が着弾する位置
は、Vc×PG/Viだけ走査方向にずれた位置であ
る。仮に、基準位置でインクを吐出すると、インク滴
は、着弾目標位置よりも(Vs×PGs/Vis)−
(Vc×PG/Vi)だけ手前に着弾する。したがっ
て、着弾目標位置にインク滴を着弾させる(紙の所定の
位置にドットを形成させる)ためには、ノズルが(Vs
×PGs/Vis)−(Vc×PG/Vi)だけ基準位
置を通り越えたタイミングで、ノズルからインク滴を吐
出する必要がある。言いかえると、キャリッジ41が基
準速度Vsよりも低速で移動し、ノズルから紙までの距
離PGが基準距離PGsよりも小さく、基準インク吐出
速度Visよりも速いインク吐出速度Viでインク滴を
吐出する場合、着弾目標位置にインク滴を着弾させるに
は、インク滴を吐出するタイミングを、基準タイミング
から遅延させる必要がある。
【0052】すなわち、本実施形態では、遅延させるタ
イミングを求めるときに、キャリッジの移動速度Vc、
ノズルから紙までの距離PG及びインク吐出速度Viを
考慮していることになる。なお、予め設定する基準速度
Vsが走査速度Vmaxよりも速ければ、後述するイン
クの吐出のタイミングは、加減速領域だけでなく、走査
領域についても適用することができる。
【0053】<遅延させるタイミングについて>上記の
通り、着弾目標位置にインク滴を着弾させるには、ノズ
ルが基準位置を(Vs×PGs/Vis)−(Vc×P
G/Vi)だけ通り越すような遅延したタイミングで、
ノズルからインク滴を吐出する必要がある。そこで、本
実施形態では、下記の通り、リニア式エンコーダ51の
パルスENCの周期をn分割し、遅延量に相当するm段
目を算出し、インク滴の吐出のタイミングを制御してい
る。
【0054】図11Aは、リニア式エンコーダ51の出
力信号の波形を示している。リニア式エンコーダ51か
ら1周期分のパスルENCが出力されることは、キャリ
ッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔を移
動することを意味する。例えば、リニアスケール511
のスリット間隔が1/180インチであるときに、リニ
ア式エンコーダ51から1周期分のパルス信号が出力さ
れると、キャリッジ41が1/180インチ移動したこ
とになる。つまり、この場合のリニア式エンコーダ51
によるキャリッジ41の位置検出の解像度は、1/18
0インチである。
【0055】図11Bは、キャリッジ41が基準速度V
sで移動し、ノズルから紙までの距離が基準距離PGs
であり、基準インク吐出速度Visでインク滴を吐出す
るときのヘッド駆動信号である。ヘッド21のノズル
は、このヘッド駆動信号が入力されるタイミングに応じ
て、インクを吐出する。この場合のキャリッジ41は基
準速度Vsで移動しているので、ヘッド駆動信号はキャ
リッジ41が基準位置に到達したタイミングで発せら
れ、そのタイミングでインクが吐出される。ここで、キ
ャリッジ41の位置の検出はリニア式エンコーダ51の
解像度の範囲内で行われているので、ヘッド駆動信号
は、リニア式エンコーダ51のパルス信号の立ち上がり
エッジと同じタイミングで発せられる。
【0056】図11Cは、キャリッジ41が速度Vc
(<Vs)で移動し、ノズルから紙までの距離がPG
(<PGs)であり、インク吐出速度がVi(>Vi
s)であるときのヘッド駆動信号である。ヘッド21の
ノズルは、このヘッド駆動信号が入力されるタイミング
に応じて、インクを吐出する。この場合のヘッド駆動信
号は、キャリッジ41が基準位置に到達した後に遅延し
て発せられる。つまり、図11Cのヘッド駆動信号は、
図11Bのヘッド駆動信号のタイミング(基準タイミン
グ)と比較すると、遅延したタイミングで発せられてい
る。そのため、この場合、インク滴は、基準タイミング
から遅延したタイミングで吐出される。本実施形態で
は、リニア式エンコーダ51のパルスENCの周期をn
分割し、遅延量に相当するm段目を算出し、m段目に相
当するタイミングでヘッド駆動信号を発するように制御
している。
【0057】すなわち、まず、リニア式エンコーダ51
のパルスENCの直前の周期Tをn分割している。1周
期をn分割した場合、リニアスケール511のスリット
間隔がλであると、1段がλ/nに相当する。例えば、
1周期を128分割した場合、リニアスケール511の
スリット間隔が1/180インチであると、1段が約
1.1μmに相当する。なお、nは、制御ユニット60
の計算の都合のため、2の累乗であることが望ましい。
【0058】次に、ヘッド駆動信号を遅延させるに必要
な量が、何段目に相当するかを算出する。遅延量に相当
するタイミングをm段目とすると、m=(補正距離)/
(λ/n)となる。なお、補正距離は、上記の通り、
(Vs×PGs/Vis)−(Vc×PG/Vi)であ
る。つまり、mは、以下の式で算出される。
【0059】
【数1】 ただし、mは整数にする必要があるので、上式でmが整
数とならないときは、例えば切り下げ、四捨五入、又は
切り上げ等を行い、mを整数にする。
【0060】そして、ヘッド駆動信号は、リニア式エン
コーダ51のパルス信号の立ち上がりエッジからm段目
に相当する時間になったら発せられる。すなわち、ヘッ
ド駆動信号は、リニア式エンコーダ51のパルス信号の
立ち上がりエッジからm段目に相当する遅延したタイミ
ングで発せられる。これにより、ノズルが基準位置を
(Vs×PGs/Vis)−(Vc×PG/Vi)だけ
通り越すような遅延したタイミングで、ノズルからイン
ク滴を吐出することができる。
【0061】上記の数1式からも分かる通り、キャリッ
ジ41の速度Vcが小さいほど、大きく遅延させたタイ
ミングでインクを吐出する。一方、速度Vcが大きいほ
ど、小さく遅延させたタイミングでインクを吐出する。
また、ノズルから紙までの距離PGが小さいほど、大き
く遅延させたタイミングでインクを吐出する。一方、距
離PGが大きいほど、小さく遅延させたタイミングでイ
ンクを吐出する。また、インク滴の鉛直方向の吐出速度
Viが遅いほど、小さく遅延させたタイミングでインク
を吐出する。一方、吐出速度Viが速いほど、大きく遅
延させたタイミングでインクを吐出する。
【0062】本実施形態によれば、ノズルからのインク
の吐出のタイミングが、キャリッジの移動速度Vc、ノ
ズルから紙までの距離PG及びインク吐出速度Viに基
づいて、基準位置から遅延したタイミングになるように
制御されている。これにより、本実施形態にプリンタ
は、精密な印刷ができる。なお、上述した実施形態で
は、説明を簡単にするため、インク滴の数を制限してい
るが、ノズルからインクが断続的に吐出される場合であ
っても、各インク滴の吐出のタイミングは、同様に制御
されている。
【0063】===基準速度の設定=== 次に、上述した基準速度をどのような速度に設定するか
を説明する。
【0064】<ヘッドの駆動周期の限界について>図1
2は、ヘッド駆動信号の波形を示している。ヘッドのノ
ズルはインクを断続的に吐出するので、ヘッドには、所
定の周期でインク吐出のための駆動信号が入力される。
ヘッドにはインクを吐出するための素子としてピエゾ素
子が設けられており、ピエゾ素子に所定の形状の駆動信
号が入力されることによって、ピエゾ素子が変位し、ノ
ズルからインクが吐出される。
【0065】ヘッド駆動信号のうちの最初の時間Ts
は、ピエゾ素子を変位させるのに必要な時間である。次
に、ヘッド駆動信号のうちの時間Trは、変位したピエ
ゾ素子が元の状態に戻るのに必要な時間である。次に、
ヘッド駆動信号のうちの時間Twは、次の信号が入力さ
れるまでの待機時間である。図において、インクの断続
的な吐出の周期は、Tc(=Ts+Tr+Tw)であ
る。
【0066】次に、ヘッドの駆動周期の限界について考
える。ノズルからインクを吐出するためには、ピエゾ素
子に必要な変位を与えるための時間Tsは確保する必要
がある。さらに、時間Trが確保されないと、ピエゾ素
子が元の状態に戻っていないので、次の信号が入力され
ても正しくインクを吐出することができない。一方、時
間Twが大きいと、インクの断続的な吐出の周期が遅く
なるので、プリンタの印刷速度が遅くなる。したがっ
て、ヘッドの駆動周期の限界は、Ts+Tr(=Tl)
である。なお、インクの吐出量に応じてピエゾの変位量
が異なるので、時間Tsはインクの吐出量に応じて異な
る。このような場合にヘッドの駆動周期の限界を考える
ときは、Tsが最大のもの(例えば大ドットを形成する
ときのTs)を基準にする。
【0067】<基準速度について>紙に形成するドット
の間隔は、プリンタの設定や性能により、定まってい
る。例えば、プリンタの設定が180dpiの場合、紙
に形成するドットの間隔は、1/180インチである。
基準速度Vsは、このドットの間隔で印刷することがで
きる最大のキャリッジ速度として定められる。ここで、
ヘッドの限界駆動周期をTlとし、紙に形成するドット
の間隔をLとすると、基準速度Vsは、Vs=L/Tl
として設定される。なお、基準速度よりも速い速度でキ
ャリッジ(すなわちノズル)が移動した場合、(1)ヘ
ッドが駆動周期の限界でインクを吐出すれば、ドットの
間隔が広がってしまい、(2)ドットの間隔を維持すれ
ば、時間Trが確保されず、ピエゾ素子が元の状態に戻
っていないので、正しくインクを吐出することができな
い。
【0068】<基準速度と目標速度の関係>図13は、
図9に示したキャリッジの目標移動速度と、エンコーダ
によって検出されたキャリッジの移動速度に関するグラ
フである。同図に示す通り、検出されたキャリッジの移
動速度(すなわちノズルの移動速度)は、モータのコギ
ングやプーリのむらによって、目標移動速度と異なった
値となっている。同図の通り、基準速度Vsは、目標移
動速度の最速値Vmaxよりも速いように設定されてい
る(つまり、目標移動速度の最速値Vmaxは、基準速
度よりも遅いように設定されている)。これにより、キ
ャリッジが加減速領域にあるときであっても、キャリッ
ジが定速領域にあるときであっても、インク吐出のタイ
ミングの遅延量mを同様の計算によって、算出すること
ができる。さらに、基準速度Vsは、目標移動速度の最
速値よりも、4〜6%(より望ましくは4〜5.5%)
だけ速い。これにより、実際のキャリッジの移動速度
(検出されたキャリッジの移動速度)が目標移動速度と
一致していなくても、実際のキャリッジの移動速度が基
準速度よりも速くなる事態を避けることができる。そし
て、その結果、ヘッドは、正しくインクを吐出すること
ができる。なお、基準速度Vsが目標移動速度の最速値
よりも4〜6%だけ速くなるように設定されているの
は、(1)モータのコギングやプーリのむらによる目標
移動速度に対するずれが、0.2〜1.5%程度である
ので、4〜6%も確保すれば十分であるためであり、
(2)基準速度と目標速度との差が大きすぎると、キャ
リッジの移動速度が遅くなってしまい、プリンタの印刷
速度の低下が大きくなってしまうためである。
【0069】<基準速度とVcの関係>以上説明したよ
うに、検出されたキャリッジの移動速度は、基準速度V
sを越えることは原則として無いことになる。したがっ
て、通常は、遅延量mの計算に用いられるキャリッジの
速度Vcは、エンコーダによって検出されたキャリッジ
の速度をそのまま用いれば良い。しかし、例えばキャリ
ッジに何らかの負荷がかかり、キャリッジの移動速度が
基準速度Vsを越えてしまうと、ヘッドの駆動周期の限
界を超えてヘッド駆動信号が出力されてしまう事態や、
インク吐出のタイミングの遅延量mがマイナスになる事
態が生じてしまい、印刷ができなくなることがある。そ
こで、図14の太線に示すように、検出されたキャリッ
ジの移動速度が基準速度Vsを越えてしまった場合、遅
延量mの計算に用いられるキャリッジの速度Vcは、基
準速度Vsと等しいものとする(つまり、遅延量mはゼ
ロとなり、基準速度Vsでキャリッジが移動していたと
きと同じタイミングでインクを吐出する)。これによ
り、できるだけ正しい位置にインク滴を着弾させつつ、
ヘッドの能力を超えて印刷を行う事態を避けることがで
きる。
【0070】===コンピュータシステム等の構成==
= 次に、本発明に係る実施形態の一例であるコンピュータ
システム、コンピュータプログラム、及び、コンピュー
タプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、
図面を参照しながら説明する。
【0071】図15は、コンピュータシステムの外観構
成を示した説明図である。コンピュータシステム100
0は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104
と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装
置1110とを備えている。コンピュータ本体1102
は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されてい
るが、これに限られるものではない。表示装置1104
は、CRT(CathodeRay Tube:陰極線管)やプラズマ
ディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的
であるが、これに限られるものではない。プリンタ11
06は、上記に説明されたプリンタが用いられている。
入力装置1108は、本実施形態ではキーボード110
8Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限
られるものではない。読取装置1110は、本実施形態
ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとC
D−ROMドライブ装置1110Bが用いられている
が、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet
Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Ve
rsatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0072】図16は、図15に示したコンピュータシ
ステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本
体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ
1202と、ハードディスクドライブユニット1204
等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリ
ンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録
媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等
に記録され、読取装置1110により読みこまれる。ま
た、コンピュータプログラムは、インターネット等の通
信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウ
ンロードされるようにしても良い。
【0073】なお、以上の説明においては、プリンタ1
106が、コンピュータ本体1102、表示装置110
4、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続
されてコンピュータシステムを構成した例について説明
したが、これに限られるものではない。例えば、コンピ
ュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリン
タ1106から構成されても良く、コンピュータシステ
ムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置
1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例
えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体110
2、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取
装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持って
いても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処
理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、
デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録し
た記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等
を有する構成としても良い。
【0074】また、上述した実施形態において、プリン
タを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット
60のメモリ65に取り込まれていても良い。そして、
制御ユニット60が、このコンピュータプログラムを実
行することにより、上述した実施形態におけるプリンタ
の動作を達成しても良い。
【0075】このようにして実現されたコンピュータシ
ステムは、システム全体として従来システムよりも優れ
たシステムとなる。
【0076】===その他の実施の形態=== 以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を
説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易に
するためのものであり、本発明を限定して解釈するため
のものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することな
く、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物
が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる
実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれる
ものである。
【0077】<タイミング制御を行う領域について>前
述の実施形態によれば、キャリッジが加減速領域及び定
速領域のいずれにあるときでも、遅延量mを求めて、イ
ンク吐出のタイミングを遅延させていた。しかし、これ
に限られるものではない。例えば、キャリッジが加速又
は減速して移動しているときにだけ(又は加速及び減速
して移動しているときにだけ)、遅延量mを求めてイン
ク吐出のタイミングを制御しても良い。定速領域では、
キャリッジの速度変化による着弾位置のずれが小さいの
で、無視できる場合があるからである。
【0078】<n分割する周期について>前述の実施形
態によれば、リニア式エンコーダ51のパルスENCの
直前の周期Tをn分割している。しかし、基準とする周
期Tは、直前のパルスの周期とすることに限られるもの
ではない。例えば、2つ前のパルスの周期に基づいても
良い。このようにすれば、遅延するタイミングを計算す
る時間を得ることができる。また、直前の複数のパルス
の周期を平均したものを基準としても良い。また、その
他の方法によって基準となる周期Tを決定しても良い。
【0079】<距離PGの検出について>前述の実施形
態によれば、ヘッド21のノズルから紙までの距離PG
は、ギャップセンサ54によって検出されていた。しか
し、ノズルから紙までの距離PGの検出は、ギャップセ
ンサ54を用いるものに限られるものではない。例え
ば、被印刷体である紙の種類についての情報を予め得て
いれば、紙の種類から紙の厚さが分かるので、ノズルか
ら紙までの距離PGを検出することが可能である。この
場合、紙の種類と距離PGとの関係に関する情報をテー
ブルとしてメモリ65に記憶しておくのが良い。また、
この場合、プリンタ又はプリンタに接続されるコンピュ
ータが、印刷される紙の種類を入力する入力手段を有し
ているのが良い。例えば、ユーザがユーザーインターフ
ェースによって印刷する紙の種類を入力し、コンピュー
タ又はプリンタが、メモリに記憶されたテーブルに基づ
いて、紙の種類から距離PGを検出しても良い。さら
に、プリンタが、被印刷体である紙を収容するトレイを
複数有しているならば、トレイに関する情報から収容し
ている紙の情報を得ることもできるので、トレイに関す
る情報に基づいて、ノズルから紙までの距離PGを検出
することが可能である。この場合、トレイに収容されて
いる紙に関する情報をメモリ65に記憶しておくのが良
い。
【0080】<キャリッジの速度の検出について>前述
の実施形態によれば、キャリッジの速度は、リニア式エ
ンコーダ51によって検出されていた。しかし、キャリ
ッジの速度の検出は、リニア式エンコーダ51を用いる
ものに限られるものではない。例えば、CPU61やD
Cユニット66からCRモータドライブに与えられる駆
動指令に基づいて、キャリッジの速度を検出しても良
い。
【0081】<インクの速度Viの検出について>前述
の実施形態によれば、インクの速度Viは、吐出するイ
ンクの量によって、検出されていた。しかし、インクの
速度の検出は、これに限られるものではない。例えば、
環境温度の変化に応じてインクの粘度が変化してインク
の速度Viも変わるので、温度に基づいて、インクの速
度を検出しても良い。この場合、インクの速度Viと温
度との関係に関する情報をテーブルとしてメモリ65に
記憶しておくのが良い。また、印刷モードによって吐出
インク量が異なるならば、ユーザがインターフェースに
よって選択した印刷モードに基づいて、インクの速度V
iを検出しても良い。
【0082】<ギャップセンサについて>前述の実施形
態によれば、ギャップセンサ54は、1つの発光部と2
つの受光部とを有しており、この構成によってノズルか
ら紙Sまでの距離PGを検出していた。しかし、ギャッ
プセンサの構成は、これに限られるものではない。例え
ば、2つの発光部と1つの受光部とを有するセンサであ
っても、2つの発光部での発光を切りかえることによ
り、ノズルから紙Sまでの距離PGを検出することがで
きる。また、前述の実施形態によれば、発光部から発せ
られた光のうち、紙Sで正反射した光を受光部で検出し
ていたが、紙Sで拡散した光を検出しても良い。また、
その他の方法によって、ノズルから紙Sまでの距離PG
を検出しても良いことは言うまでもない。
【0083】<ノズルについて>前述の実施形態によれ
ば、ノズルはヘッド21に設けられ、ヘッド21はキャ
リッジ41に設けられていたので、ノズルはキャリッジ
41と一体的に設けられていた。しかし、ノズルやヘッ
ド21の構成は、これに限られるものではない。例え
ば、ノズルやヘッドが、カートリッジ48(図2参照)
と一体的に設けられ、キャリッジ41に対して着脱可能
であっても良い。
【0084】<インクの吐出方法について>前述の実施
形態によれば、インクの吐出にピエゾ素子を用いてい
た。しかし、インクを吐出するための素子は、これに限
られるものではない。例えば、ヒータによってインクを
沸騰させ、泡によってインクを吐出させるものであって
も良いし、他の素子によってインク滴を吐出するように
しても良い。
【0085】
【発明の効果】本発明の印刷装置によれば、インクの吐
出のタイミングが、ノズルの移動速度によって、インク
の吐出の基準となるタイミングに対し、早いタイミング
になることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの全体構
成の説明図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタのキャリ
ッジ周辺の概略図である。
【図3】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の説明図である。
【図4】リニア式エンコーダの構成の説明図である。
【図5】リニア式エンコーダの出力信号の波形を示すタ
イミングチャートである。
【図6】ギャップセンサの構成の説明図である。
【図7】走査方向に沿って複数の個所で距離PGを検出
していることを示す説明図である。
【図8】紙送り方向に沿って複数の個所で距離PGを検
出していることを示す説明図である。
【図9】キャリッジの目標移動速度の時間変化を示す図
である。
【図10】インク滴の軌跡についての説明図である。
【図11】インクの吐出のタイミングの説明図である。
【図12】ヘッド駆動信号の波形を示す図である。
【図13】キャリッジの目標移動速度とキャリッジの移
動速度の時間変化を示す図である。
【図14】遅延量mの計算に用いられるキャリッジの速
度Vcの説明図である。
【図15】コンピュータシステムの外観構成を示す説明
図である。
【図16】コンピュータシステムの構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
10 紙搬送ユニット 11A 給紙挿入口 11B 排紙口 12 給紙モータ 13 給紙ローラ 14 プラテン 15 紙送りモータ(PFモータ) 16 紙送りモータドライバ(PFモータドライバ) 17A 紙送りローラ 17B 排紙ローラ 18A、18B フリーローラ 19A、19B、19C 歯車 20 インク吐出ユニット 21 ヘッド 22 ヘッドドライバ 30 クリーニングユニット 31 ポンプ装置 32 ポンプモータ 33 ポンプモータドライバ 35 キャッピング装置 40 キャリッジユニット 41 キャリッジ 42 キャリッジモータ(CRモータ) 43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライ
バ) 44 プーリ 45 タイミングベルト 46 ガイドレール 50 計測器群 51 リニア式エンコーダ 511 リニアスケール 512 検出部 512A 発光ダイオード 512B コリメータレンズ 512C 検出処理部 512D フォトダイオード 512E 信号処理回路 512F コンパレータ 52 ロータリー式エンコーダ 53 紙検出センサ 60 制御ユニット 61 CPU 62 タイマ 63 インターフェース部 64 ASIC 65 メモリ 66 DCコントローラ 67 ホストコンピュータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標速度に沿うようにインク吐出部を移
    動させ、 前記インク吐出部が所定の速度で移動するとした場合の
    インクの吐出のタイミングを基準タイミングとし、前記
    インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに基づい
    て、前記基準タイミングから遅延したタイミングで前記
    インクを吐出する印刷装置であって、 前記インク吐出部の目標速度の最速値は、前記所定の速
    度よりも遅いことを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の印刷装置であって、 前記所定の速度は、前記インク吐出部がインクを吐出す
    ることができる周期に基づいて、設定されることを特徴
    とする印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の印刷装置であっ
    て、 前記所定の速度は、前記被印刷体に形成されるドットの
    間隔に基づいて、設定されることを特徴とする印刷装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記インク吐出部の移動速度が遅いほど、前記インクを
    吐出するタイミングが遅延することを特徴とする印刷装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記インク吐出部の移動速度は、エンコーダによって検
    出されることを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに基づ
    く前記タイミングの制御は、前記インク吐出部が加速又
    は減速して移動しているときに行うことを特徴とする印
    刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記所定の速度は、前記目標速度の最速値よりも、4〜
    6%だけ速いことを特徴とする印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記インク吐出部の移動速度が前記所定の速度よりも速
    いとき、前記基準タイミングでインクを吐出することを
    特徴とする印刷装置。
  9. 【請求項9】 目標速度に沿うようにインク吐出部を移
    動させ、前記インク吐出部が所定の速度で移動するとし
    た場合のインクの吐出のタイミングを基準タイミングと
    し、前記インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに
    基づいて、前記基準タイミングから遅延したタイミング
    で前記インクを吐出する印刷装置であって、 前記所定の速度は、前記目標速度の最速値よりも、4〜
    6%だけ速く、 前記所定の速度は、インク吐出部がインクを吐出するこ
    とができる周期と、前記被印刷体に形成されるドットの
    間隔とに基づいて、設定され、 前記インク吐出部の移動速度が遅いほど、前記インクを
    吐出するタイミングが遅延し、 前記インク吐出部の移動速度は、エンコーダによって検
    出され、 前記インク吐出部の移動速度と所定の速度とに基づく前
    記タイミングの制御は、前記インク吐出部が加速又は減
    速して移動しているときに行い、 前記インク吐出部の移動速度が前記所定の速度よりも速
    いとき、前記基準タイミングでインクを吐出することを
    特徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】 目標速度に沿うようにインク吐出部を
    移動させるステップと、 前記インク吐出部が所定の速度で移動するとした場合の
    インクの吐出のタイミングを基準タイミングとし、前記
    インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに基づい
    て、前記基準タイミングから遅延したタイミングで前記
    インクを吐出するステップとを有する印刷方法であっ
    て、 前記インク吐出部の前記目標速度の最速値は、前記所定
    の速度よりも遅いことを特徴とする印刷方法。
  11. 【請求項11】 被印刷体に印刷を行う印刷装置に、 目標速度に沿うようにインク吐出部を移動させる機能
    と、 前記インク吐出部が所定の速度で移動するとした場合の
    インクの吐出のタイミングを基準タイミングとし、前記
    インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに基づい
    て、前記基準タイミングから遅延したタイミングで前記
    インクを吐出する機能とを実現させるプログラムであっ
    て、 前記インク吐出部の前記目標速度の最速値は、前記所定
    の速度よりも遅いことを特徴とするプログラム。
  12. 【請求項12】 コンピュータ本体と、該コンピュータ
    本体に接続可能な印刷装置とを備えたコンピュータシス
    テムであって、 前記印刷装置は、 目標速度に沿うようにインク吐出部を移動させ、 前記インク吐出部が所定の速度で移動するとした場合の
    インクの吐出のタイミングを基準タイミングとし、前記
    インク吐出部の移動速度と前記所定の速度とに基づい
    て、前記基準タイミングから遅延したタイミングで前記
    インクを吐出する印刷装置であり、 前記インク吐出部の目標速度の最速値は、前記所定の速
    度よりも遅いことを特徴とするコンピュータシステム。
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