JP2003266653A - 印刷装置、印刷方法、プログラム及びコンピュータシステム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、プログラム及びコンピュータシステム

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JP2003266653A
JP2003266653A JP2002070876A JP2002070876A JP2003266653A JP 2003266653 A JP2003266653 A JP 2003266653A JP 2002070876 A JP2002070876 A JP 2002070876A JP 2002070876 A JP2002070876 A JP 2002070876A JP 2003266653 A JP2003266653 A JP 2003266653A
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Hitoshi Igarashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルの移動速度に基づいて着弾位置のずれ
を算出する際に、ノズルの加速度を考慮するようにし、
高精度な印刷を行う。 【解決手段】 本発明の印刷装置は、移動するインク吐
出部からインクを断続的に吐出し、被印刷体に印刷を行
う印刷装置において、前記移動するインク吐出部の加速
度に応じて、前記インク吐出部からの前記インクの断続
的な吐出のタイミングを制御することを特徴とする。こ
のような印刷装置によれば、正しい位置にインクを着弾
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙などの被印刷体
にインクを断続的に吐出して印刷を行う印刷装置及び印
刷方法に関する。また、本発明は、このような印刷装置
を制御するプログラム及びコンピュータシステムに関す
る。
【0002】
【背景技術】紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画
像を印刷する印刷装置として、インクを断続的に吐出し
て印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。
インクジェットプリンタでは、インクを吐出するノズル
は移動しながらインクを吐出する。そのため、吐出した
インク滴は、慣性の法則により、ノズルの移動速度でノ
ズルの移動方向に移動しながら、ノズルと被印刷体の間
を飛ぶことになる。したがって、インク滴は、このイン
ク滴を吐出した時のノズルの位置からノズルの移動方向
にずれた位置で紙に着弾する。そこで、従来のインクジ
ェットプリンタでは、ノズルの移動速度を検出し、検出
したノズルの移動速度に基づいて着弾位置のずれを考慮
し、印刷することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ノズルの移動速度を検
出してからインクを吐出するまでに間があると、検出し
たノズルの移動速度とインク吐出時のノズルの移動速度
とが異なる場合がある。したがって、検出したノズルの
移動速度に基づいて着弾位置のずれを考慮しても、イン
ク吐出時のノズルの移動速度が検出したノズルの移動速
度と異なっていると、インクが正しい位置に着弾しな
い。例えば、ノズルが加速又は減速しているときに印刷
を行う場合、ノズルの移動速度を検出してからインクを
吐出するまでに間があると、検出したノズルの移動速度
とインク吐出時のノズルの移動速度とが異なる。そのた
め、従来のインクジェットプリンタのように、単に検出
したノズルの移動速度に基づいてインクの吐出のタイミ
ングを制御するだけでは、ノズルが加減速していると
き、正しい位置に着弾しない。
【0004】そこで、本発明は、正しい位置にインクを
着弾させるため、ノズルの加速度に応じて、インク滴を
吐出するタイミングを制御することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の主たる第1の発明は、移動するインク吐出部からイン
クを断続的に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置に
おいて、前記移動するインク吐出部の加速度に応じて、
前記インク吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタ
イミングを制御することを特徴とする。
【0006】また、上記目的を達成するための主たる第
2の発明は、インクを吐出するタイミングの基準となる
信号を発生し、前記信号を基準としてインク吐出部から
インクを吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置におい
て、前記信号は、前記インク吐出部の加速度に応じて、
発生されることを特徴とする。
【0007】本発明の他の特徴については、本明細書及
び添付図面の記載により明らかにする。
【0008】
【発明の実施の形態】===開示の概要=== 本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下
の事項が明らかとなる。
【0009】移動するインク吐出部からインクを断続的
に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置において、前
記移動するインク吐出部の加速度に応じて、前記インク
吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタイミングを
制御することを特徴とする印刷装置。このような印刷装
置によれば、正しい位置にインクを着弾させることがで
きる。
【0010】また、かかる印刷装置において、前記イン
ク吐出部の位置を検出する位置検出部を有し、前記イン
クの断続的な吐出のタイミングの周期は、前記位置検出
部による位置の検出の周期よりも短いことが望ましい。
このような印刷装置によれば、位置検出部の解像度より
も短い間隔でインクを吐出することができる。
【0011】また、かかる印刷装置において、前記移動
するインク吐出部の加速度が正であるとき、前記インク
の断続的な吐出のタイミングの周期は、短くなり、前記
移動するインク吐出部の加速度が負であるとき、前記イ
ンクの断続的な吐出のタイミングの周期は、長くなるこ
とが望ましい。このような印刷装置によれば、インク吐
出部の加減速に応じて印刷のタイミングを制御すること
ができる。
【0012】また、かかる印刷装置において、前記移動
するインク吐出部の加速度に基づいて、将来の前記イン
ク吐出部の速度を算出し、前記タイミングは、算出され
た前記インク吐出部の速度に基づいて、制御されている
ことが望ましい。このような印刷装置によれば、インク
を吐出する際の速度に基づいて、インクの吐出のタイミ
ングを制御することができる。
【0013】また、かかる印刷装置において、前記イン
ク吐出部の速度を検出し、検出された速度に基づいて、
前記将来のインク吐出部の速度を算出することが望まし
い。このような印刷装置によれば、インクを吐出する際
の速度に基づいて、インクの吐出のタイミングを制御す
ることができる。
【0014】また、かかる印刷装置において、前記算出
されたインク吐出部の速度が、基準となる速度よりも遅
いとき、前記基準となる速度で前記インク吐出部が移動
しているときの前記インクの吐出のタイミングと比較し
て、遅延したタイミングで前記インクを吐出することが
望ましく、前記インク吐出部の移動する速度が遅くなる
ほど、前記インクを吐出するタイミングが遅延すること
が好ましい。このような印刷装置によれば、正しい位置
にインクを着弾させることができる。
【0015】また、かかる印刷装置において、前記算出
されたインク吐出部の速度に基づいて、インク吐出の遅
延量を算出し、前記インク吐出部は、インクを吐出する
タイミングの基準となる信号から前記遅延量を遅延させ
て、インクを吐出することが望ましい。このような印刷
装置によれば、正しい位置にインクを着弾させることが
できる。
【0016】移動するインク吐出部からインクを断続的
に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置において、前
記移動するインク吐出部の加速度に基づいて、将来の前
記インク吐出部の速度を算出し、前記インク吐出部は、
インクを吐出するタイミングの基準となる信号から、前
記算出されたインク吐出部の速度に応じて遅延させたタ
イミングで、インクを吐出し、前記インク吐出部の位置
を検出する位置検出部を有し、前記インクの断続的な吐
出のタイミングの周期は、前記位置検出部による位置の
検出の周期よりも短く、前記移動するインク吐出部の加
速度が正であるとき、前記インクの断続的な吐出のタイ
ミングの周期は短くなり、前記移動するインク吐出部の
加速度が負であるとき、前記インクの断続的に吐出のタ
イミングの周期は長くなることを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、正しい位置にインクを着
弾させることができる。
【0017】移動するインク吐出部からインクを断続的
に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷方法において、前
記移動するインク吐出部の加速度に応じて、前記インク
吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタイミングを
制御する工程を有することを特徴とする印刷方法。この
ような印刷方法によれば、正しい位置にインクを着弾さ
せることができる。
【0018】移動するインク吐出部からインクを断続的
に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置に、前記移動
するインク吐出部の加速度に応じて、前記インク吐出部
からの前記インクの断続的な吐出のタイミングを制御す
る機能を実現させるプログラム。このようなプログラム
によれば、正しい位置にインクを着弾させるように印刷
装置を制御することができる。
【0019】コンピュータ本体と、前記コンピュータ本
体に接続可能な印刷装置とを備えたコンピュータシステ
ムであって、前記印刷装置は、移動するインク吐出部か
らインクを断続的に吐出し、被印刷体に印刷を行い、前
記移動するインク吐出部の加速度に応じて、前記インク
吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタイミングを
制御することを特徴とするコンピュータシステム。この
ようなコンピュータシステムによれば、正しい位置にイ
ンクを着弾させて印刷を行うことができる。
【0020】インクを吐出するタイミングの基準となる
信号を発生し、前記信号を基準としてインク吐出部から
インクを吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置におい
て、前記信号は、前記インク吐出部の加速度に応じて、
発生されることを特徴とする印刷装置。このような印刷
装置によれば、正しい位置で基準信号を発生させること
ができる。
【0021】また、かかる印刷装置において、前記イン
ク吐出部は、前記信号を基準に、前記インク吐出部の加
速度に応じて遅延させたタイミングで、インクを吐出す
ることが望ましい。このような印刷装置によれば、正し
い位置にインクを着弾させることができる。
【0022】===印刷装置(インクジェットプリン
タ)の概要=== <インクジェットプリンタの構成について>図1、図2
および図3を参照しつつ、印刷装置としてインクジェッ
トプリンタを例にとって、その概要について説明する。
なお、図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの
全体構成の説明図である。また、図2は、本実施形態の
インクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図であ
る。また、図3は、本実施形態のインクジェットプリン
タの搬送ユニット周辺の説明図である。本実施形態のイ
ンクジェットプリンタは、紙搬送ユニット10、インク
吐出ユニット20、クリーニングユニット30、キャリ
ッジユニット40、計測器群50、および制御ユニット
60を有する。
【0023】紙搬送ユニット10は、被印刷体である例
えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方
向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙送り方向
という))に所定の移動量で紙を移動させるためのもの
である。紙搬送ユニット10は、給紙挿入口11Aと排
紙口11Bと、給紙モータ12と、給紙ローラ13と、
プラテン14と、紙送りモータ(以下、PFモータとい
う)15と、紙送りモータドライバ(以下、PFモータ
ドライバという)16と、紙送りローラ17Aと排紙ロ
ーラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18
Bと、歯車19Aと歯車19Bと歯車19C、とを有す
る。給紙挿入口11は、被印刷体である紙を挿入すると
ころである。給紙モータ12は、給紙挿入口11に挿入
された紙をプリンタ内に搬送するモータであり、DCモ
ータで構成される。給紙ローラ13は、給紙挿入口11
に挿入された紙をプリンタ内に搬送するローラであり、
給紙モータ12によって駆動される。プラテン14は、
印刷中の紙Sを支持する。PFモータ15は、被印刷体
である例えば紙を紙送り方向に送り出すモータであり、
DCモータで構成される。PFモータドライバ16は、
PFモータ15の駆動を行うためのものである。紙送り
ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ内に
搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラで
あり、PFモータ15によって駆動される。フリーロー
ラ18Aは、紙送りローラ17Aと対向する位置に設け
られ、紙Sを紙送りローラ17Aとの間に挟むことによ
って紙Sを紙送りローラ17Aに向かって押さえる。排
紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタの外
部に排出するローラである。フリーローラ18Bは、排
紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙
ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ロー
ラ17Bに向かって押さえる。歯車19A、歯車19B
および歯車19Cは、PFモータ15によって排紙ロー
ラ17Bを駆動するため、PFモータ15の駆動力を排
紙ローラ17Bに伝達するためのものである。排紙口1
1Bは、印刷が終了した紙をプリンタの外部に排出する
ところである。
【0024】インク吐出ユニット20は、被印刷体であ
る例えば紙にインクを吐出するためのものである。イン
ク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ
22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノ
ズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出す
る。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘ
ッドから断続的にインクを吐出させるためのものであ
る。なお、インクを吐出するタイミングに関しては、後
述する。
【0025】クリーニングユニット30は、ヘッド21
のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリ
ーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピ
ング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21の
ノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを
吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータ
ドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド
21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドラ
イバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピン
グ装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止す
るため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21
のノズルを封止する。
【0026】キャリッジユニット40は、ヘッド21を
所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査
方向という))に走査移動させるためのものである。キ
ャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッ
ジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッ
ジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)
43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイ
ドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向
に移動可能であって、ヘッド21を固定している(した
がって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動
しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリ
ッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48
を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリ
ッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータ
で構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ
42を駆動するためのものである。プーリ44は、CR
モータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベ
ルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレ
ール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。な
お、キャリッジ41の移動等に関しての詳細は、後述す
る。
【0027】計測器群50には、リニア式エンコーダ5
1と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ5
3と、ギャップセンサ54とがある。リニア式エンコー
ダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのもの
である。ロータリー式エンコーダ52は、PFモータ1
5の回転量を検出するためのものである。なお、エンコ
ーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53
は、印刷される紙の終端の位置を検出するためのもので
ある。ギャップセンサ54は、ノズルから紙Sまでの距
離PGを検出するためのものである。なお、ギャップセ
ンサの構成等については、後述する。
【0028】制御ユニット60は、プリンタの制御を行
うためのものである。制御ユニット60は、CPU61
と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASI
C64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有
する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うための
ものであり、DCコントローラ66、PFモータドライ
バ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライ
バ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。
タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信
号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの
外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデー
タの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュー
タ67からインターフェース部63を介して送られてく
る印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波
形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCP
U61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保
するためのものであり、PROM、RAM、EEPRO
M等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、C
PU61から送られてくる制御指令と計測器群50から
の出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモ
ータドライバ43を制御する。
【0029】<エンコーダの構成について>図4は、リ
ニア式エンコーダ51の説明図である。リニア式エンコ
ーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのも
のであり、リニアスケール511と検出部512とを有
する。リニアスケール511は、所定の間隔(例えば、
1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にス
リットが設けられており、プリンタ本体側に固定されて
いる。
【0030】検出部512は、リニアスケール511と
対向して設けられており、キャリッジ41側に設けられ
ている。検出部512は、発光ダイオード512Aと、
コリメータレンズ512Bと、検出処理部512Cとを
有しており、検出処理部512Cは、複数(例えば、4
個)のフォトダイオード512Dと、信号処理回路51
2Eと、2個のコンパレータ512Fa、512Fbと
を備えている。
【0031】発光ダイオード512Aは、両端の抵抗を
介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコ
リメータレンズに入射される。コリメータレンズ512
Bは、発光ダイオード512Aから発せられた光を平行
光とし、リニアスケール511に平行光を照射する。リ
ニアスケールに設けられたスリットを通過した平行光
は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイ
オード512Dに入射する。フォトダイオード512D
は、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオ
ードから出力される電気信号は、コンパレータ512F
a、512Fbにおいて比較され、比較結果がパルスと
して出力される。そして、コンパレータ512Fa、5
12Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスE
NC−Bが、リニア式エンコーダ51の出力となる。
【0032】図5は、リニア式エンコーダ51の2種類
の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図
5Aは、CRモータ42が正転しているときにおける出
力信号の波形のタイミングチャートである。図5Bは、
CRモータ42が反転しているときにおける出力信号の
波形のタイミングチャートである。
【0033】図5A及び図5Bに示す通り、CRモータ
42の正転時および反転時のいずれの場合であっても、
パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90
度ずれている。CRモータ42が正転しているとき、す
なわち、キャリッジ41が主走査方向に移動していると
きは、図5Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルス
ENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、
CRモータ42が反転しているときは、図5Bに示す通
り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90
度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャ
リッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔
(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54c
m))を移動する時間に等しい。
【0034】キャリッジ41の位置の検出は、以下のよ
うに行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bにつ
いて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、
検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント
数に基づいて、キャリッジ41の位置を演算する。カウ
ント数は、CRモータ42が正転しているときに一つの
エッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ4
2が反転しているときに一つのエッジが検出されると
『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケ
ール511のスリット間隔に等しいので、カウント数に
スリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のとき
のキャリッジ41の位置からの移動量を求めることがで
きる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ5
1の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔と
なる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両
方を用いて、キャリッジ41の位置を検出しても良い。
パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリ
ニアスケール511のスリット間隔に等しく、かつ、パ
ルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ず
れているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下
がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウン
トすれば、カウント数『1』は、リニアスケール511
のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント
数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が
『0』のときのキャリッジ41の位置から移動量を求め
ることができる。つまり、この場合におけるリニア式エ
ンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリ
ット間隔の1/4となる。ただし、後述する本実施形態
におけるキャリッジ41の位置は、説明を簡単にするた
め、一つのパルスのみを用いて、検出している。
【0035】キャリッジ41の速度Vcの検出は、以下
のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−B
について、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出
する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウ
ンタによってカウントする。このカウント値から周期T
(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リ
ニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャ
リッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができ
る。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方
を用いて、キャリッジ41の速度を検出しても良い。各
パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出す
ることにより、リニアスケール511のスリット間隔の
1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタ
によってカウントする。このカウント値から周期T(T
=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニア
スケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッ
ジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求める
ことができる。ただし、後述する本実施形態におけるキ
ャリッジ41の速度は、説明を簡単にするため、一つの
パルスのみを用いて、検出していることとする。
【0036】なお、ロータリー式エンコーダ52では、
リニア式エンコーダ51のリニアスケール511がPF
モータ15の回転に応じて回転する回転円板となる点が
異なるだけで、他の構成はリニア式エンコーダ51とほ
ぼ同様である。
【0037】===PGの検出=== 本実施形態では、後述する基準位置を算出するため、ま
た、インクの吐出のタイミングを算出するため(後
述)、ノズルから紙までの距離PGを検出している。図
6は、ノズルから紙までの距離PGを検出するギャップ
センサの説明図である。
【0038】同図において、ギャップセンサ54は、発
光部541と、2つの受光部(第1受光部542及び第
2受光部543)とを有する。発光部541は、発光ダ
イオードを有し、被印刷体である紙Sに光を照射する。
第1受光部542は、受光した光量に応じた電気信号を
出力する受光素子を有する。第2受光部543は、第1
受光部542と同様の受光素子を有している。第2受光
部543は、第1受光部542と比較して、発光部54
1から遠い位置に設けられている。
【0039】発光部541から発せられた光は、紙Sに
入射する。紙Sに入射された光は、紙によって反射され
る。紙Sによって反射された光は、受光素子に入射す
る。受光素子に入射した光は、受光素子によって、入射
した光量に応じた電気信号に変換される。
【0040】ノズルから紙までの距離PGが小さい場
合、紙S1によって反射した光は、主に第1受光部54
2に入射し、第2受光部543には拡散光しか入射しな
い。したがって、第1受光部542の出力信号は、第2
受光部543の出力信号よりも大きくなる。
【0041】一方、ノズルから紙までの距離PGが大き
い場合、紙S2によって反射した光は、主に第2受光部
543に入射し、第1受光部542には拡散光しか入射
しない。したがって、第2受光部543の出力信号は、
第1受光部542の出力信号よりも大きくなる。
【0042】したがって、受光部の出力信号の比と距離
PGとの関係を予め求めていれば、受光部の出力信号の
比に基づいて、ノズルから紙までの距離PGを検出する
ことが可能である。この場合、受光部の出力信号の比と
距離PGとの関係に関する情報をテーブルとしてメモリ
65に記憶しておくのが良い。
【0043】なお、ノズルから紙までの距離PGが小さ
くなる場合としては、紙S1が厚手の紙であることが考
えられる。また、ノズルから紙までの距離PGが大きい
場合としては、紙S2が薄手の紙であることが考えられ
る。ところで、後述する『基準距離PGs』は、センサ
によって検出されたものではなく、予め定められたもの
で良い。この場合、基準距離PGsは、センサによって
検出される距離PGよりも大きい値に設定されている。
本実施形態では、上記のようにギャップセンサ54を用
いて距離PGを検出しているが、距離PGの検出は1箇
所に限られるものではなく、例えば以下のように複数の
個所で距離PGを検出しても良い。
【0044】<走査方向に沿って複数のPGを検出>図
7は、ギャップセンサ54が走査方向に沿って複数の個
所で距離PGを計測していることを示す説明図である。
図7は、紙送り方向から見た図であり、紙面の左右方向
が走査方向となる。同図において、同じ構成要素のもの
は同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0045】同図において、ギャップセンサ54が、キ
ャリッジ41に設けられている。したがって、ギャップ
センサ54は、キャリッジが移動するのに伴って、走査
方向に移動可能である。そのため、ギャップセンサ54
は、操作方向に沿って、複数の個所で距離PGを検出す
ることができる。ギャップセンサ54が走査方向に沿っ
たエリア毎の距離PGが検出できるので、インク吐出の
タイミング(後述)も走査方向に沿ったエリア毎に制御
することができるようになる。そのため、紙Sが印刷時
に曲がっていても、走査方向に沿ったエリア毎にインク
の吐出のタイミングを制御できるので、ノズルが走査方
向に沿って断続的にインクを吐出しても、高精度な印刷
を行うことができる。なお、紙Sが走査方向に曲がる原
因としては、印刷時のインクの塗布による影響等が考え
られる。
【0046】<紙送り方向に沿って複数のPGを検出>
図8は、ギャップセンサ54が紙送り方向に沿って複数
の個所で距離PGを計測していることを示す説明図であ
る。図8は、走査方向から見た図であり、紙面の左右方
向が紙送り方向となる。同図において、同じ構成要素の
ものは同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0047】同図において、複数のギャップセンサが、
紙送り方向に並んで、キャリッジに設けられている。し
たがって、各ギャップセンサの出力に基づいて、紙送り
方向に沿って複数の個所で距離PGを検出することがで
きる。ギャップセンサ54が紙送り方向に沿って複数の
個所で距離PGを計測することができると、複数のノズ
ルが紙送り方向に並んでいるので、ノズル毎にインクの
吐出のタイミング(後述)を制御することができるよう
になる。そのため、紙Sが印刷時に曲がっていたとして
も、ノズル毎にインクの吐出のタイミングを制御できる
ので、高精度な印刷を行うことができる。なお、紙Sが
紙送り方向に曲がる原因としては、紙送りローラ17A
と排紙ローラ17Bの回転ずれによる影響等が考えられ
る。また、ヘッドが大型化し、ノズルが紙送り方向に長
く並ぶようになると、各ノズルから紙Sまでの距離PG
の偏差が大きくなる。このような場合に、ノズル毎にイ
ンクの吐出のタイミングを制御できれば、高精度な印刷
に有効である。
【0048】===インクの吐出速度の検出=== 本実施形態では、インクの吐出のタイミングを算出する
ため(後述)インクの吐出の速度Viを検出している。
インクの吐出の速度は、一般に、インクの重量が大きく
なるほど、大きくなる。したがって、プリンタが、イン
クの吐出量を変化させる場合、各インクの吐出量に基づ
いて、インクの吐出の速度Viが変化する。例えば、プ
リンタが大ドット及び小ドットを紙に形成する場合、大
ドットを形成するときのインクの吐出の速度の方が、小
ドットを形成するときのインクの吐出の速度よりも、大
きい。そこで、本実施形態では、各ドットに対応するイ
ンクの吐出の速度に関する情報をテーブルとしてメモリ
65に記憶し、このテーブルに基づいて、インクの吐出
の速度を検出している。すなわち、プリンタが印刷情報
に基づいて印刷動作を行うとき、この印刷情報に基づい
て印刷時に形成するインクの吐出量を求め、求められた
吐出量に基づいてメモリ65に記憶されたテーブルを参
照し、テーブルに基づいてインクの吐出の速度を検出す
る。なお、このインクの吐出の速度に関する情報のテー
ブルは、さらにインクの色毎に設けられても良い。
【0049】ところで、後述する『基準吐出速度Vi
s』は、検出されたものでなく、予め定められたもので
良い。この場合、基準吐出速度Visは、検出される吐
出速度Vi以下の値(例えば小ドットの吐出速度以下の
値)になるように設定されている。
【0050】===キャリッジの速度履歴=== 図9は、本実施形態のキャリッジの移動速度の時間変化
を示すグラフである。同図において、縦軸はキャリッジ
の移動速度Vcであり、横軸は時間tである。
【0051】図に示す通り、キャリッジ41は、停止し
た状態(t=0)から、所定の速度Vaまで加速され
(0<t<t1)、一定の速度(以下、走査速度とい
う)で走査し(t1<t<t2)、減速して停止する
(t2<t<t3)。そして、次は逆方向に、同様な加
速移動、走査移動、減速移動を行う。これを繰り返すこ
とにより、キャリッジ41は、走査方向に往復して移動
する。
【0052】印刷は、キャリッジ41が走査速度で移動
する領域(以下、定速領域という)のみを使って行って
も良い。しかし、定速領域のみを使って印刷をすること
にすると、印刷領域の幅だけ定速領域を確保する必要が
あるので、プリンタが大型化してしまう。そこで、本実
施形態では、キャリッジ41が加速移動する領域と減速
移動する領域(以下、加減速領域という)においても、
印刷を行うこととしている。
【0053】一方、加減速中は走査速度よりも低速でキ
ャリッジが移動しているので、加減速領域において走査
領域と同様のタイミングでインクを吐出すると、インク
滴は、紙の着弾目標位置よりも手前に着弾する。つま
り、加減速領域において印刷を行うときは、走査領域に
おけるインクの吐出のタイミングよりも遅延させてイン
クを吐出する必要がある。この遅延させるタイミングに
関しては、後述する。本実施形態では、加減速領域にお
いても印刷を行うことができるので、プリンタの小型化
を図ることができる。
【0054】ところで、後述する『基準速度Vs』は、
検出されたものでなく、予め定められたもので良い。こ
の場合、基準速度Vsは、キャリッジの移動速度Vcよ
りも大きい値に設定されている。
【0055】===インクの吐出のタイミング=== <インク滴の軌跡について>図10は、ノズルからイン
クを吐出したときのインク滴の軌跡についての説明図で
ある。図10Aは、ノズルが停止している状態(キャリ
ッジ41が停止している状態)におけるインク滴の軌跡
についての説明図である。図10Bおよび図10Cは、
ノズルが移動している状態(キャリッジ41が移動して
いる状態)におけるインク滴の軌跡についての説明図で
ある。なお、実際にはノズルから断続的にインクが吐出
されることになるが、図10でのインク滴の数は、説明
を簡単にするため、制限している。
【0056】図10Aでは、ノズルが停止している状態
なので、インク滴は、このインク滴を吐出した時のノズ
ルの位置の真下で紙に着弾する。ノズルから吐出された
インク滴の鉛直方向(紙に向かう方向)の速度(インク
吐出速度)をViとし、ノズルから紙までの距離(ギャ
ップ)をPGとすると、インク滴は、吐出されてから、
時間PG/Viの後に、紙に着弾する。なお、インク滴
が吐出されてから紙に着弾するまでの時間を『飛翔時
間』と呼ぶことにする。また、インク吐出速度が基準と
なる速度(以下、基準インク吐出速度という)Visで
あり、ノズルから紙までの距離が基準となる距離(以
下、基準距離という)PGsであるときのインクの飛翔
時間を『基準飛翔時間』と呼ぶことにする。
【0057】図10Bでは、キャリッジは、基準となる
速度(以下、基準速度という)Vsで走査方向(紙面の
左右方向)に移動している。キャリッジ41の速度がV
sであると、ノズルも走査方向にVsの速度で移動して
いる。一方、インク滴の鉛直方向の速度を基準インク吐
出速度Visとし、ノズルから紙までの距離を基準距離
PGsとすると、インク滴は、吐出されてから、基準飛
翔時間経過後に、紙に着弾する。そうすると、インク滴
は、慣性の法則により、このインク滴を吐出した時のノ
ズルの位置から距離Vs×PGs/Visだけ走査方向
にずれた位置で紙に着弾する。したがって、紙の所定の
位置(以下、着弾目標位置という)にインク滴を着弾さ
せるためには、ノズルが着弾目標位置から距離Vs×P
Gs/Visだけ手前に位置するタイミングで、ノズル
からインク滴を吐出する必要がある。
【0058】本実施形態では、キャリッジ41が基準速
度Vsで移動しているときに、着弾目標位置にインク滴
を着弾させるために、ノズルがインク滴を吐出する位置
を『基準位置』と呼ぶことにする。つまり、キャリッジ
41が基準速度Vsで移動し、ノズルから紙までの距離
が基準距離PGsであり、基準インク吐出速度Visで
インク滴を吐出するときに、キャリッジ41が基準位置
にくるタイミングでノズルからインク滴を吐出すれば、
目標着弾位置にインク滴を着弾させ、紙の所定の位置に
ドットを形成することができる。本実施形態では、基準
位置は、着弾目標位置からVs×PGs/Visだけ手
前の位置として算出される。
【0059】図10Cでは、キャリッジ41が基準速度
Vsよりも低速のVcで移動し、ノズルから紙までの距
離PGが基準距離PGsよりも小さく、基準インク吐出
速度Visよりも速いインク吐出速度Viでインク滴を
吐出している。この場合、インク滴が着弾する位置は、
インク滴を吐出した時のノズルの位置からVc×PG/
Viだけ走査方向にずれた位置である。仮に、基準位置
でインクを吐出すると、インク滴は、着弾目標位置より
も(Vs×PGs/Vis)−(Vc×PG/Vi)だ
け手前に着弾する。したがって、着弾目標位置にインク
滴を着弾させる(紙の所定の位置にドットを形成させ
る)ためには、ノズルが(Vs×PGs/Vis)−
(Vc×PG/Vi)だけ基準位置を通り越えたタイミ
ングで、ノズルからインク滴を吐出する必要がある。言
いかえると、キャリッジ41が基準速度Vsよりも低速
で移動し、ノズルから紙までの距離PGが基準距離PG
sよりも小さく、基準インク吐出速度Visよりも速い
インク吐出速度Viでインク滴を吐出する場合、着弾目
標位置にインク滴を着弾させるには、インク滴を吐出す
るタイミングを、キャリッジ41が基準位置に到達して
から所定の時間だけ遅延させる必要がある。
【0060】すなわち、本実施形態では、遅延させるタ
イミングを求めるときに、キャリッジの移動速度Vc、
ノズルから紙までの距離PG及びインク吐出速度Viを
考慮していることになる。なお、予め設定する基準速度
Vsが走査速度Vaよりも速ければ、後述するインクの
吐出のタイミングは、加減速領域だけでなく、走査領域
についても適用することができる。
【0061】<遅延させるタイミングについて>上記の
通り、着弾目標位置にインク滴を着弾させるには、ノズ
ルが基準位置を(Vs×PGs/Vis)−(Vc×P
G/Vi)だけ通り越すような遅延したタイミングで、
ノズルからインク滴を吐出する必要がある。そこで、本
実施形態では、下記の通り、リニア式エンコーダ51の
パルスENCの周期をn分割し、遅延量に相当するm段
目を算出し、インク滴の吐出のタイミングを制御してい
る。
【0062】図11Aは、リニア式エンコーダ51の出
力信号の波形を示している。リニア式エンコーダ51か
ら1周期分のパスルENCが出力されることは、キャリ
ッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔を移
動することを意味する。例えば、リニアスケール511
のスリット間隔が1/180インチであるときに、リニ
ア式エンコーダ51から1周期分のパルス信号が出力さ
れると、キャリッジ41が1/180インチ移動したこ
とになる。つまり、この場合のリニア式エンコーダ51
によるキャリッジ41の位置検出の解像度は、1/18
0インチである。
【0063】図11Bは、キャリッジ41が基準速度V
sで移動し、ノズルから紙までの距離が基準距離PGs
であり、基準インク吐出速度Visでインク滴を吐出す
るときのヘッド駆動信号である。ヘッド21のノズル
は、このヘッド駆動信号が入力されるタイミングに応じ
て、インクを吐出する。この場合のキャリッジ41は基
準速度Vsで移動しているので、ヘッド駆動信号は、キ
ャリッジ41が基準位置に到達したときに発せられる。
なお、キャリッジ41の位置の検出はリニア式エンコー
ダ51の解像度の範囲内で行われているので、ヘッド駆
動信号は、リニア式エンコーダ51のパルス信号の立ち
上がりエッジと同じタイミングで発せられる。
【0064】図11Cは、キャリッジ41が速度Vc
(<Vs)で移動し、ノズルから紙までの距離がPG
(<PGs)であり、インク吐出速度がVi(>Vi
s)であるときのヘッド駆動信号である。ヘッド21の
ノズルは、このヘッド駆動信号が入力されるタイミング
に応じて、インクを吐出する。この場合のヘッド駆動信
号は、キャリッジ41が基準位置に到達した後、遅延し
て発せられる。つまり、図11Cのヘッド駆動信号は、
図11Bのヘッド駆動信号のタイミングと比較すると、
遅延したタイミングで発せられている。本実施形態で
は、リニア式エンコーダ51のパルスENCの周期をn
分割し、遅延量に相当するm段目を算出し、m段目に相
当するタイミングでヘッド駆動信号を発するように制御
している。
【0065】すなわち、まず、リニア式エンコーダ51
のパルスENCの直前の周期Tをn分割している。1周
期をn分割した場合、リニアスケール511のスリット
間隔がλであると、1段がλ/nに相当する。例えば、
1周期を128分割した場合、リニアスケール511の
スリット間隔が1/180インチであると、1段が約
1.1μmに相当する。なお、nは、制御ユニット60
の計算の都合のため、2の累乗であることが望ましい。
【0066】次に、ヘッド駆動信号を遅延させるに必要
な量が、何段目に相当するかを算出する。遅延量に相当
するタイミングをm段目とすると、m=(補正距離)/
(λ/n)となる。なお、補正距離は、上記の通り、
(Vs×PGs/Vis)−(Vc×PG/Vi)であ
る。つまり、mは、以下の式で算出される。
【0067】
【数1】 ただし、mは整数にする必要があるので、上式でmが整
数とならないときは、例えば切り下げ、四捨五入、又は
切り上げ等を行い、mを整数にする。
【0068】そして、ヘッド駆動信号は、リニア式エン
コーダ51のパルス信号の立ち上がりエッジからm段目
に相当する時間になったら発せられる。すなわち、ヘッ
ド駆動信号は、リニア式エンコーダ51のパルス信号の
立ち上がりエッジからm段目に相当する遅延したタイミ
ングで発せられる。これにより、ノズルが基準位置を
(Vs×PGs/Vis)−(Vc×PG/Vi)だけ
通り越すような遅延したタイミングで、ノズルからイン
ク滴を吐出することができる。
【0069】上記の数1式からも分かる通り、キャリッ
ジ41の速度Vcが小さいほど、大きく遅延させたタイ
ミングでインクを吐出する。一方、速度Vcが大きいほ
ど、小さく遅延させたタイミングでインクを吐出する。
また、ノズルから紙までの距離PGが小さいほど、大き
く遅延させたタイミングでインクを吐出する。一方、距
離PGが大きいほど、小さく遅延させたタイミングでイ
ンクを吐出する。また、インク滴の鉛直方向の吐出速度
Viが遅いほど、小さく遅延させたタイミングでインク
を吐出する。一方、吐出速度Viが速いほど、大きく遅
延させたタイミングでインクを吐出する。
【0070】本実施形態によれば、ノズルからのインク
の吐出のタイミングが、キャリッジの移動速度Vc、ノ
ズルから紙までの距離PG及びインク吐出速度Viに基
づいて、基準位置から遅延したタイミングになるように
制御されている。これにより、本実施形態のプリンタ
は、精密な印刷ができる。
【0071】なお、上述した実施形態では、説明を簡単
にするため、インク滴の数を制限しているが、ノズルか
らインクが断続的に吐出される場合であっても、各イン
ク滴の吐出のタイミングは、同様に制御されている。
【0072】===キャリッジの速度変化分の補完==
= <遅延量mの算出について>キャリッジが一定の速度で
移動中であれば、キャリッジの移動する速度Vcは、リ
ニア式エンコーダ51のパルス周期Tとリニアスケール
のスリット間隔λとから、Vc=λ/Tとして算出する
ことができる。しかし、キャリッジが加速又は減速して
移動している場合、キャリッジの移動する速度VcをV
c=λ/Tとしてインク吐出の遅延量mを算出しても、
インクを吐出するときのキャリッジの速度はλ/Tと異
なっているので(すなわち、周期Tが過去のものである
ので)、目標位置にインクを着弾できない。そこで、本
実施形態では、インクを吐出するときのキャリッジの速
度Vcを求めるため、キャリッジの加速度(すなわちノ
ズルの加速度)を考慮して、速度Vcを算出している。
【0073】図12は、キャリッジが加速しているとき
のリニア式エンコーダ51の出力信号の波形を示してい
る。なお、キャリッジは、Aの位置にあるものとする。
したがって、区間A〜Dの信号は既に出力された信号で
あり、区間A〜Xの信号は、将来予想される出力信号で
ある。同図では、キャリッジが加速しているため、速度
が徐々に速くなっていくので、周期Tは、徐々に短くな
っている。したがって、将来予想される出力信号の周期
T0は、直前のT1よりも短くなることが予想される。
そのため、仮に、スリット間隔λを周期T1(または、
それ以前の周期T2等)で割ってVcを算出し、そのV
cに基づいて区間A〜Xでのインク吐出の遅延量mを算
出したとすると、遅延量が大きくなってしまう。
【0074】そこで、より正確な遅延量を算出するた
め、本実施形態では、以下のようにして区間A〜Xでの
速度Vcを算出し、遅延量mを算出している。まず、区
間C〜Bの周期T2に基づいて、この区間でのキャリッ
ジの速度V2を検出する。同様に、区間B〜Aの周期T
1に基づいて、この区間でのキャリッジの速度V1を検
出する。なお、検出された速度は、メモリに記憶されて
いる。そして、検出された速度V1とV2の差分に基づ
いて、キャリッジの加速度を検出する。キャリッジの加
速度が分かれば、区間A〜Xでの将来予想されるキャリ
ッジの速度V0及び将来予想される周期T0を算出する
ことができる。キャリッジの速度V0が算出できれば、
その速度V0をVcとして利用し、遅延量mを算出する
ことができる。なお、インクの吐出のタイミングは、A
の立ち上がりエッジを基準として、この基準から遅延量
mだけ遅延させたところである。
【0075】以上の説明では、区間C〜B及び区間B〜
Aでの速度V2、V1に基づいて、加速度を算出し、基
準Aからの遅延量mを算出していた。しかし、遅延量m
の算出に時間を要することがある。そこで、区間D〜C
及び区間C〜Bでの速度V3、V2を検出し、区間B〜
Aにおいて加速度とV0と遅延量mとを算出し、基準A
から遅延量mだけ遅延させたタイミングでインクを吐出
しても良い。また、キャリッジが遅延量分だけ移動する
間もキャリッジの速度が変化しているので、この遅延量
をも考慮して、キャリッジの加速度に基づいて、速度V
cを算出しても良い。
【0076】本実施形態では、キャリッジの加速度が正
であるので、周期Tが徐々に短くなり、インク吐出のタ
イミングの周期も短くなる。一方、キャリッジの加速度
が負であるとき(キャリッジが減速しているとき)は、
周期Tが徐々に長くなり、インク吐出のタイミングの周
期は長くなる。
【0077】<基準信号の発生について>リニア式エン
コーダ51の位置検出の解像度よりも短い間隔でインク
滴の吐出を行う場合がある。例えば、リニア式エンコー
ダ51の解像度が1/180インチであるときに、1/
720インチの間隔でインクの吐出を行う場合である。
このような場合、通常は、リニア式エンコーダのパルス
周期Tを例えば4分割した間隔で基準信号を発生させ、
この基準信号をトリガーとしてインクの吐出を行ってい
た。しかし、キャリッジが加速又は減速して移動してい
る場合、パルス周期Tを分割した間隔が均等であると、
インクが等間隔に着弾されない。そこで、本実施形態で
は、インクが着弾する間隔を等間隔にするため、キャリ
ッジの加速度(すなわちノズルの加速度)を考慮して、
インクを吐出するタイミングの基準となる信号を発生さ
せている。
【0078】図13Aは、図12の区間A〜Xでの将来
予想される出力信号の波形を示している。なお、この出
力信号の周期T0は、上述した通り、キャリッジの加速
度に基づいて算出したものである。
【0079】図13Bは、パルス周期T0を分割しない
場合の基準信号の波形を示している。同図の基準信号
は、リニア式エンコーダ51の立ち上がりエッジに基づ
いて、発生される。つまり、パルス周期T0を分割しな
いときは、リニア式エンコーダ51の立ち上がりエッジ
に基づいて、基準信号を発生させることができる。した
がって、このような場合は、基準信号を発生させるとき
に、キャリッジの加速度を必要としない。ただし、この
基準信号を基準に、キャリッジの加速度に応じた遅延量
mのタイミングで、インクが吐出される。
【0080】図13Cは、パルス周期T0を4分割した
ときの基準信号の波形を示している。同図では、キャリ
ッジが加速しているため、速度が徐々に速くなっていく
ので、基準信号Pa〜Pdの間隔は、徐々に短くなって
いる。ここで、基準信号Paは、リニア式エンコーダ5
1の立ち上がりエッジに基づいて、発生される。そし
て、基準信号Pbは、基準信号Paから時間T0aを経
た後に発生される。この時間T0aの算出は、キャリッ
ジの加速度に基づいて、Pa〜Pb間での将来予想され
るキャリッジの速度を算出して、求められる。但し、キ
ャリッジの加速度の検出は、上述したものと同様であ
る。さらに、時間T0b、T0cは、時間T0aの算出
と同様に、キャリッジの加速度に基づいて求められる。
基準信号Pdと次の基準信号との間の時間は、特に計算
する必要はない。基準信号Pdの次の基準信号は、リニ
ア式エンコーダ51の立ち上がりエッジに基づいて発生
させれば良いからである。
【0081】なお、インクの吐出のタイミングは、各基
準信号から遅延量mだけ遅延させたところである。ただ
し、遅延量mの算出は、上述したものと同様である。本
実施形態では、キャリッジの加速度が正であるので、基
準信号の間隔が短くなり、インク吐出のタイミングの周
期も短くなる。一方、キャリッジの加速度が負であると
き(キャリッジが減速しているとき)は、基準信号の間
隔が長くなり、インク吐出のタイミングの周期は長くな
る。
【0082】以上のように、キャリッジの加速度(つま
りノズルの加速度)に基づいて、インク吐出の遅延量及
び基準信号を算出すれば、目標位置にインクを着弾させ
ることができるので、高精度な印刷を行うことができ
る。
【0083】===コンピュータシステム等の構成==
= 次に、本発明に係る実施形態の一例であるコンピュータ
システム、コンピュータプログラム、及び、コンピュー
タプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、
図面を参照しながら説明する。
【0084】図14は、コンピュータシステムの外観構
成を示した説明図である。コンピュータシステム100
0は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104
と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装
置1110とを備えている。コンピュータ本体1102
は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されてい
るが、これに限られるものではない。表示装置1104
は、CRT(CathodeRay Tube:陰極線管)やプラズマ
ディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的
であるが、これに限られるものではない。プリンタ11
06は、上記に説明されたプリンタが用いられている。
入力装置1108は、本実施形態ではキーボード110
8Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限
られるものではない。読取装置1110は、本実施形態
ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとC
D−ROMドライブ装置1110Bが用いられている
が、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet
Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Ve
rsatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0085】図15は、図14に示したコンピュータシ
ステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本
体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ
1202と、ハードディスクドライブユニット1204
等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリ
ンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録
媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等
に記録され、読取装置1110により読みこまれる。ま
た、コンピュータプログラムは、インターネット等の通
信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウ
ンロードされるようにしても良い。
【0086】なお、以上の説明においては、プリンタ1
106が、コンピュータ本体1102、表示装置110
4、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続
されてコンピュータシステムを構成した例について説明
したが、これに限られるものではない。例えば、コンピ
ュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリン
タ1106から構成されても良く、コンピュータシステ
ムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置
1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例
えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体110
2、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取
装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持って
いても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処
理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、
デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録し
た記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等
を有する構成としても良い。また、上述した実施形態に
おいて、プリンタを制御するコンピュータプログラム
が、制御ユニット60のメモリ65に取り込まれていて
も良い。そして、制御ユニット60が、このコンピュー
タプログラムを実行することにより、上述した実施形態
におけるプリンタの動作を達成しても良い。
【0087】このようにして実現されたコンピュータシ
ステムは、システム全体として従来システムよりも優れ
たシステムとなる。
【0088】===その他の実施の形態=== 以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を
説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易に
するためのものであり、本発明を限定して解釈するため
のものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することな
く、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物
が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる
実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれる
ものである。
【0089】<距離PGの検出について>前述の実施形
態によれば、ヘッド21のノズルから紙までの距離PG
は、ギャップセンサ54によって検出されていた。しか
し、ノズルから紙までの距離PGの検出は、ギャップセ
ンサ54を用いるものに限られるものではない。例え
ば、被印刷体である紙の種類についての情報を予め得て
いれば、紙の種類から紙の厚さが分かるので、ノズルか
ら紙までの距離PGを検出することが可能である。この
場合、紙の種類と距離PGとの関係に関する情報をテー
ブルとしてメモリ65に記憶しておくのが良い。また、
この場合、プリンタ又はプリンタに接続されるコンピュ
ータが、印刷される紙の種類を入力する入力手段を有し
ているのが良い。例えば、ユーザがユーザーインターフ
ェースによって印刷する紙の種類を入力し、コンピュー
タ又はプリンタが、メモリに記憶されたテーブルに基づ
いて、紙の種類から距離PGを検出しても良い。さら
に、プリンタが、被印刷体である紙を収容するトレイを
複数有しているならば、トレイに関する情報から収容し
ている紙の情報を得ることもできるので、トレイに関す
る情報に基づいて、ノズルから紙までの距離PGを検出
することが可能である。この場合、トレイに収容されて
いる紙に関する情報をメモリ65に記憶しておくのが良
い。
【0090】<キャリッジの速度の検出について>前述
の実施形態によれば、キャリッジの速度は、リニア式エ
ンコーダ51によって検出されていた。しかし、キャリ
ッジの速度の検出は、リニア式エンコーダ51を用いる
ものに限られるものではない。例えば、CPU61やD
Cユニット66からCRモータドライブに与えられる駆
動指令に基づいて、キャリッジの速度を検出しても良
い。
【0091】<キャリッジの加速度の検出について>前
述の実施形態によれば、キャリッジの加速度は、リニア
式エンコーダ51によって検出されていた。しかし、キ
ャリッジの加速度の検出は、リニア式エンコーダ51を
用いるものに限られるものではない。例えば、CPU6
1やDCユニット66からCRモータドライブに与えら
れる駆動指令に基づいて、キャリッジの速度を検出して
も良い。
【0092】<インクの速度Viの検出について>前述
の実施形態によれば、インクの速度Viは、吐出するイ
ンクの量によって、検出されていた。しかし、インクの
速度の検出は、これに限られるものではない。例えば、
環境温度の変化に応じてインクの粘度が変化してインク
の速度Viも変わるので、温度に基づいて、インクの速
度を検出しても良い。この場合、インクの速度Viと温
度との関係に関する情報をテーブルとしてメモリ65に
記憶しておくのが良い。また、印刷モードによって吐出
インク量が異なるならば、ユーザがインターフェースに
よって選択した印刷モードに基づいて、インクの速度V
iを検出しても良い。
【0093】<ギャップセンサについて>前述の実施形
態によれば、ギャップセンサ54は、1つの発光部と2
つの受光部とを有しており、この構成によってノズルか
ら紙Sまでの距離PGを検出していた。しかし、ギャッ
プセンサの構成は、これに限られるものではない。例え
ば、2つの発光部と1つの受光部とを有するセンサであ
っても、2つの発光部での発光を切りかえることによ
り、ノズルから紙Sまでの距離PGを検出することがで
きる。また、前述の実施形態によれば、発光部から発せ
られた光のうち、紙Sで正反射した光を受光部で検出し
ていたが、紙Sで拡散した光を検出しても良い。また、
その他の方法によって、ノズルから紙Sまでの距離PG
を検出しても良いことは言うまでもない。
【0094】<ノズルについて>前述の実施形態によれ
ば、ノズルはヘッド21に設けられ、ヘッド21はキャ
リッジ41に設けられていたので、ノズルはキャリッジ
41と一体的に設けられていた。しかし、ノズルやヘッ
ド21の構成は、これに限られるものではない。例え
ば、ノズルやヘッドが、カートリッジ48(図2参照)
と一体的に設けられ、キャリッジ41に対して着脱可能
であっても良い。
【0095】
【発明の効果】本発明に係る印刷装置によれば、インク
吐出部の加速度を考慮して、インクを吐出するタイミン
グを制御することができる。これにより、従来と比較し
て、高精度な印刷を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの全体構
成の説明図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタのキャリ
ッジ周辺の概略図である。
【図3】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の説明図である。
【図4】リニア式エンコーダの構成の説明図である。
【図5】リニア式エンコーダの出力信号の波形を示すタ
イミングチャートである。
【図6】ギャップセンサの構成の説明図である。
【図7】走査方向に沿って複数の個所で距離PGを検出
していることを示す説明図である。
【図8】紙送り方向に沿って複数の個所で距離PGを検
出していることを示す説明図である。
【図9】キャリッジの移動速度の時間変化を示す図であ
る。
【図10】インク滴の軌跡についての説明図である。
【図11】インクの吐出のタイミングの説明図である。
【図12】キャリッジが加速しているときのエンコーダ
の出力信号の波形である。
【図13】キャリッジが加速しているときの基準信号の
波形の説明図である。
【図14】コンピュータシステムの外観構成を示す説明
図である。
【図15】コンピュータシステムの構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
10 紙搬送ユニット 11A 給紙挿入口 11B 排紙口 12 給紙モータ 13 給紙ローラ 14 プラテン 15 紙送りモータ(PFモータ) 16 紙送りモータドライバ(PFモータドライバ) 17A 紙送りローラ 17B 排紙ローラ 18A、18B フリーローラ 19A、19B、19C 歯車 20 インク吐出ユニット 21 ヘッド 22 ヘッドドライバ 30 クリーニングユニット 31 ポンプ装置 32 ポンプモータ 33 ポンプモータドライバ 35 キャッピング装置 40 キャリッジユニット 41 キャリッジ 42 キャリッジモータ(CRモータ) 43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライ
バ) 44 プーリ 45 タイミングベルト 46 ガイドレール 50 計測器群 51 リニア式エンコーダ 511 リニアスケール 512 検出部 512A 発光ダイオード 512B コリメータレンズ 512C 検出処理部 512D フォトダイオード 512E 信号処理回路 512F コンパレータ 52 ロータリー式エンコーダ 53 紙検出センサ 60 制御ユニット 61 CPU 62 タイマ 63 インターフェース部 64 ASIC 65 メモリ 66 DCコントローラ 67 ホストコンピュータ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動するインク吐出部からインクを断続
    的に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置において、 前記移動するインク吐出部の加速度に応じて、前記イン
    ク吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタイミング
    を制御することを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の印刷装置において、 前記インク吐出部の位置を検出する位置検出部を有し、 前記インクの断続的な吐出のタイミングの周期は、前記
    位置検出部による位置の検出の周期よりも短いことを特
    徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の印刷装置におい
    て、 前記移動するインク吐出部の加速度が正であるとき、前
    記インクの断続的な吐出のタイミングの周期は、短くな
    り、 前記移動するインク吐出部の加速度が負であるとき、前
    記インクの断続的な吐出のタイミングの周期は、長くな
    ることを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装
    置において、 前記移動するインク吐出部の加速度に基づいて、将来の
    前記インク吐出部の速度を算出し、 前記タイミングは、算出された前記インク吐出部の速度
    に基づいて、制御されていることを特徴とする印刷装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の印刷装置において、 前記インク吐出部の速度を検出し、 検出された速度に基づいて、前記将来のインク吐出部の
    速度を算出することを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の印刷装置におい
    て、 前記算出されたインク吐出部の速度が、基準となる速度
    よりも遅いとき、 前記基準となる速度で前記インク吐出部が移動している
    ときの前記インクの吐出のタイミングと比較して、遅延
    したタイミングで前記インクを吐出することを特徴とす
    る印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の印刷装置において、 前記インク吐出部の移動する速度が遅くなるほど、前記
    インクを吐出するタイミングが遅延することを特徴とす
    る印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の印刷装
    置において、 前記算出されたインク吐出部の速度に基づいて、インク
    吐出の遅延量を算出し、 前記インク吐出部は、インクを吐出するタイミングの基
    準となる信号から前記遅延量を遅延させて、インクを吐
    出することを特徴とする印刷装置。
  9. 【請求項9】 移動するインク吐出部からインクを断続
    的に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置において、 前記移動するインク吐出部の加速度に基づいて、将来の
    前記インク吐出部の速度を算出し、 前記インク吐出部は、インクを吐出するタイミングの基
    準となる信号から、前記算出されたインク吐出部の速度
    に応じて遅延させたタイミングで、インクを吐出し、 前記インク吐出部の位置を検出する位置検出部を有し、
    前記インクの断続的な吐出のタイミングの周期は、前記
    位置検出部による位置の検出の周期よりも短く、 前記移動するインク吐出部の加速度が正であるとき、前
    記インクの断続的な吐出のタイミングの周期は、短くな
    り、 前記移動するインク吐出部の加速度が負であるとき、前
    記インクの断続的に吐出のタイミングの周期は、長くな
    ることを特徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】 移動するインク吐出部からインクを断
    続的に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷方法におい
    て、 前記移動するインク吐出部の加速度に応じて、前記イン
    ク吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタイミング
    を制御する工程を有することを特徴とする印刷方法。
  11. 【請求項11】 移動するインク吐出部からインクを断
    続的に吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置に、 前記移動するインク吐出部の加速度に応じて、前記イン
    ク吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタイミング
    を制御する機能を実現させるプログラム。
  12. 【請求項12】 コンピュータ本体と、前記コンピュー
    タ本体に接続可能な印刷装置とを備えたコンピュータシ
    ステムであって、 前記印刷装置は、 移動するインク吐出部からインクを断続的に吐出し、被
    印刷体に印刷を行い、 前記移動するインク吐出部の加速度に応じて、前記イン
    ク吐出部からの前記インクの断続的な吐出のタイミング
    を制御することを特徴とするコンピュータシステム。
  13. 【請求項13】 インクを吐出するタイミングの基準と
    なる信号を発生し、前記信号を基準としてインク吐出部
    からインクを吐出し、被印刷体に印刷を行う印刷装置に
    おいて、 前記信号は、前記インク吐出部の加速度に応じて、発生
    されることを特徴とする印刷装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の印刷装置におい
    て、 前記インク吐出部は、前記信号を基準に、前記インク吐
    出部の加速度に応じて遅延させたタイミングで、インク
    を吐出することを特徴とする印刷装置。
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