JP2004338303A - 印刷装置、印刷方法および印刷システム - Google Patents

印刷装置、印刷方法および印刷システム Download PDF

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Abstract

【課題】センサが紙の一端を検出できない場合であっても、その一端側のインクの吐出開始位置や吐出終了位置を適切に定めることができる。
【解決手段】本発明は、媒体の端を検出するためのセンサ、及び、インクを吐出するノズル、を移動方向に往復移動させるキャリッジを備え、前記キャリッジが前記移動方向に往復移動する際に、前記センサが前記移動方向における前記媒体の端を検出し、前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する印刷装置に関する。そして、本発明の印刷装置は、前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。
【選択図】 図15

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置、印刷方法、および、印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ノズルからインクを吐出して媒体(紙、布、OHPシートなど)にドットを形成し、媒体に印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタは、紙の端を検出するためのセンサ、及び、インクを吐出するノズル、を移動方向に往復移動させるキャリッジを備えている。そして、キャリッジが往復移動する際にセンサが紙の両側端を検出し、前記センサによる前記端の検出結果に応じて、インクの吐出開始位置や吐出終了位置を定め、無駄なインクの吐出を抑える技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−103721号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
印刷速度を速めるため、又は、装置の寸法を小さくさせるため、キャリッジの往復移動の範囲は狭いことが望ましい。しかし、キャリッジの往復移動の範囲が狭くなると、センサが紙の両側端を検出できない場合がある。
本発明は、このようにセンサが紙の一端を検出できない場合であっても、その一端側のインクの吐出開始位置や吐出終了位置を適切に定めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための主たる発明は、媒体の端を検出するためのセンサ及びインクを吐出するノズルを移動方向に往復移動させるキャリッジを備え、前記キャリッジが前記移動方向に往復移動する際に、前記センサが前記移動方向における前記媒体の端を検出し、前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する印刷装置に関する。そして、この印刷装置は、前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0006】
【発明の実施の形態】
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも以下の事項が明らかとなる。
媒体の端を検出するためのセンサ及びインクを吐出するノズルを移動方向に往復移動させるキャリッジを備え、前記キャリッジが前記移動方向に往復移動する際に、前記センサが前記移動方向における前記媒体の端を検出し、前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する印刷装置に関する。そして、この印刷装置は、前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。
このような印刷装置によれば、センサが紙の一端を検出できない場合であっても、その一端側のインクの吐出開始位置や吐出終了位置を適切に定めることができる。
【0007】
かかる印刷装置であって、前記幅情報は、外部装置(例えばコンピュータ)から受信した印刷データの中の情報から取得されることが望ましい。このような印刷装置によれば、紙の両側端を検出できなくても、紙幅情報を取得することができる。
【0008】
かかる印刷装置であって、前記幅情報は、前記センサの検出結果に基づいて、取得されることが望ましい。また、前記媒体への印刷を開始する際の最初のキャリッジの移動のときに、前記センサが前記一端を検出することが好ましい。また、前記印刷装置は、前記キャリッジが所定の範囲を往復移動して前記媒体に印刷を行い、前記最初のキャリッジの移動の開始位置は、前記所定の範囲の外側であることが良い。このような印刷装置によれば、センサが紙の両側端を検出した後のキャリッジの往復移動の範囲を狭めることができる。
【0009】
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、前記幅情報に基づいて、前記媒体の一端の位置を算出することが望ましい。このような印刷装置によれば、センサが紙の一端を検出できない場合であっても、その位置を算出することができる。
【0010】
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、前記幅情報に基づいて、その幅に対応する画素数を算出することが望ましい。このような印刷装置によれば、画素を基準にして、前記開始位置及び前記終了位置の少なくとも一方の位置を求めることができる。また、前記印刷装置は、前記媒体に印刷を行うときの解像度に関する解像度情報と前記幅情報とに基づいて、前記画素数を算出することが好ましい。解像度に応じて画素の前記移動方向の長さが異なるので、このような印刷装置によれば、解像度に基づいて前記開始位置及び前記終了位置の少なくとも一方の位置を求めることができる。また、前記解像度情報は、外部装置から受信した印刷データの中の情報から取得されることが良い。解像度に基づいて前記開始位置等を算出する場合、解像度に関する情報が必要となるが、このような印刷装置によれば、外部装置から受信した印刷データに基づいて解像度情報を取得することができる。
【0011】
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、前記キャリッジが所定の範囲を往復移動して前記媒体に印刷を行い、前記所定の範囲の前記一端側に前記キャリッジがあるとき、前記センサの検出範囲が前記媒体上にあることが望ましい。また、前記センサと前記ノズルは、移動方向に沿って配置されることが好ましい。また、前記所定の範囲の前記一端側にキャリッジがあるとき、前記ノズルは、前記媒体の外側にあることが良い。このような印刷装置によれば、キャリッジの往復移動する範囲を狭めることができる。その結果、例えば、印刷速度を速めることができ、又は、装置の寸法を小さくすることができる。
【0012】
かかる印刷装置であって、縁なし印刷を行う際に、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化することが望ましい。このような印刷装置によれば、紙に着弾しないインクの量を減らすことができる。
【0013】
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、外部装置から受信した印刷データの内容を他のデータに置き換えて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置を変化させることが望ましい。このような印刷装置によれば、置き換えるデータの範囲を定めることにより、前記開始位置等を決定することができる。
【0014】
ノズルが移動方向に往復移動する際に、センサが前記移動方向における媒体の端を検出し、前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置を変化させる印刷方法に関する。そして、この印刷方法は、前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置を変化させる。
このような印刷方法によれば、センサが紙の一端を検出できない場合であっても、その一端側のインクの吐出開始位置や吐出終了位置を適切に定めることができる。
【0015】
コンピュータと印刷装置とを備えた印刷システムであって、前記印刷装置は、媒体の端を検出するためのセンサ、及び、インクを吐出するノズル、を移動方向に往復移動させるキャリッジを備え、前記キャリッジが前記移動方向に往復移動する際に、前記センサが前記移動方向における前記媒体の端を検出し、前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。そして、この印刷システムは、前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。
このような印刷システムによれば、センサが紙の一端を検出できない場合であっても、その一端側のインクの吐出開始位置や吐出終了位置を適切に定めることができる。
【0016】
===印刷システムの構成===
次に、印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
【0017】
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と電気的に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のユーザインタフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボード130Aやマウス130Bであり、表示装置120に表示されたユーザインタフェースに沿って、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバの設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えばフレキシブルディスクドライブ装置140AやCD−ROMドライブ装置140Bが用いられる。
【0018】
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
【0019】
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ110とのシステムを意味する。
【0020】
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図2はプリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
コンピュータ110では、コンピュータに搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ112やアプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ112は、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116からの表示命令に従って、例えばユーザインターフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム114は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザは、アプリケーションプログラム114のユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラム114により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム114は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ116に画像データを出力する。
【0021】
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンタに出力する。ここで、印刷データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。ここで、コマンドデータとは、プリンタに特定の動作の実行を指示するためのデータ(例えば、給紙動作や搬送動作の実行コマンドなどのデータ)や、印刷条件を指示するためのデータ(例えば、用紙サイズなどのデータ)である。また、画素データとは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する紙上の位置に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)である。
【0022】
<プリンタドライバの設定について>
図3は、プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバのユーザインターフェースは、ビデオドライバ112を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
【0023】
ユーザーは、この画面上から、用紙サイズを選択することができる。例えば、ユーザーは、用紙サイズとしてA4サイズの用紙を選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された用紙のサイズに合わせて、画像データを印刷データに変換する。
また、ユーザーは、この画面上から、印刷方向を選択することができる。例えば、ユーザーは、用紙の縦方向に印刷するか、若しくは、用紙の横方向に印刷するかを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された印刷方向に合わせて、画像データを印刷データに変換する。
【0024】
プリンタドライバは、用紙サイズに関する情報(用紙サイズ情報)と印刷方向に関する情報(印刷方向情報)に基づいて、紙の幅を導き出すことができる。例えば、用紙サイズ情報が「A4」の場合に、印刷方向情報が「縦」であれば、プリンタドライバは、紙の幅が「210mm」であることを導くことができる。また、例えば、用紙サイズ情報「A4」の場合に、印刷方向情報が「縦」であれば、プリンタドライバは、紙の幅が「297mm」であることを導くことができる。このように、本実施形態のプリンタドライバは、ユーザーが設定した印刷条件(用紙サイズや印刷方向など)に基づいて紙の幅に関する情報(紙幅情報)を取得し、紙幅情報を含ませて印刷データをプリンタに送信する。
【0025】
また、ユーザーは、この画面上から、印刷品質を選択することができる。例えば、ユーザーは、「きれい」に印刷するか、「はやい」印刷を行うかを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された印刷品質に合わせて、画像データを印刷データに変換する。なお、印刷品質は、印刷の際の解像度に対応している。そのため、印刷品質が選択されれば、プリンタドライバは、選択された印刷品質に基づいて、解像度に関する情報(解像度情報)を取得することができる。例えば、印刷品質が「はやい」印刷であれば低画質の180dpiの解像度に対応し、印刷品質が「きれい」印刷であれば高画質の720dpiの解像度に対応している。本実施形態のプリンタドライバは、取得した解像度情報を含ませて、印刷データをプリンタに送信する。
【0026】
このように、プリンタドライバは、ユーザインターフェースを介して設定された条件に従って、画像データを印刷データに変換する。なお、ユーザーは、この画面上から、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
【0027】
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図4は、本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。図5は、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。また、図6は、本実施形態のプリンタの全体構成の横断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
【0028】
本実施形態のプリンタは、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ50、およびコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を形成する。プリンタ1内の状況はセンサ50によって監視されており、センサ50は、検出結果をコントローラ60に出力する。センサから検出結果を受けたコントローラは、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0029】
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙を搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、紙を搬送する搬送機構(搬送手段)として機能する。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。ただし、搬送ユニット20が搬送機構として機能するためには、必ずしもこれらの構成要素を全て必要とするわけではない。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21は、D形の断面形状をしており、円周部分の長さは搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて紙を搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、DCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
【0030】
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、走査方向という)に移動(走査移動)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、走査方向に往復移動可能である。(これにより、ヘッドが走査方向に沿って移動する。)また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を走査方向に移動させるためのモータであり、DCモータにより構成される。
【0031】
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が走査方向に移動すると、ヘッド41も走査方向に移動する。そして、ヘッド41が走査方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、走査方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
【0032】
センサ50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の走査方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって紙を給紙する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出する。光学センサ54は、光学的に紙の端部を検出するため、機械的な紙検出センサ53よりも、検出精度が高い。
【0033】
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御手段)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0034】
<印刷動作について>
図7は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
【0035】
コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する(S001)。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・インク吐出処理等を行う。
【0036】
まず、コントローラ60は、給紙処理を行う(S002)。給紙処理とは、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙を搬送ローラ23まで送る。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。紙が印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、紙と対向している。
【0037】
次に、コントローラ60は、ドット形成処理を行う(S003)。ドット形成処理とは、走査方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する処理である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を走査方向に移動させる。そして、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッドからインクを吐出させる。ヘッドから吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。
【0038】
次に、コントローラ60は、搬送処理を行う(S004)。搬送処理とは、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータを駆動し、搬送ローラを回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
【0039】
次に、コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う(S005)。印刷中の紙に印刷するためのデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷するためのデータがなくなるまでドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。印刷中の紙に印刷するためのデータがなくなれば、コントローラ60は、その紙を排紙する。コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、印刷した紙を外部に排出する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
【0040】
次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う(S006)。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
【0041】
<ノズルとセンサの配置について>
図8は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720)である場合、k=4である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の下流側に位置している。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
【0042】
光学センサ54とノズル(又はヘッド41)は、走査方向に並んで配置されている。そして、光学センサ54がノズルに対して図中の左側に位置するように、両者は走査方向に並んで配置されている。なお、光学センサ54は、搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯180とほぼ同じ位置に配置されている。
【0043】
===縁なし印刷===
図9は、縁なし印刷の説明図である。「縁なし印刷」では、紙の全表面を対象として印刷を行う。この「縁なし印刷」により、紙の4辺の縁にも余白なくインクを吐出して印刷することができるので、写真と同じイメージの出力結果が得られる。このため、「縁なし印刷」が可能なインクジェットプリンタが、近年人気を集めている。
図中の内側の実線の四角形は、紙の大きさを示している。また、図中の外側の実線の四角形は、印刷データの大きさを示している。縁なし印刷では、紙よりも大きい領域にインクを吐出して、紙の全面に印刷を行っている。そのため、印刷データの大きさは紙の大きさよりも大きい。しかし、プリンタは、紙の範囲外にもインクを吐出することになる。
紙に着弾しないインクの量が多いと、インクの消費量が多くなり、望ましくない。そのため、印刷データの一部をNULLデータに置き換えて、インクを吐出する範囲を少なくし、インクの無駄を防いでいる(なお、印刷データがNULLデータの場合、ヘッドからインクが吐出されない)。図中の点線の四角形は、周囲をNULLデータに置き換えられた印刷データに基づいてプリンタがインクを吐出する範囲を示すものである。インクの吐出範囲は、光学センサ54の出力に基づいてコントローラが決定している。
【0044】
<参考例について>
図10Aは、参考例の紙の側端の検出の説明図である。同図において、既に説明された構成要素には同じ符号を付しているので、説明を省略する。ただし、説明の都合上、光学センサ54とヘッド41は、搬送方向にずれて描かれている。図中の斜線部は、紙にドットが形成される領域(印刷される領域)を示している。キャリッジ31が走査方向に移動している間、ヘッド41が断続的にインクを吐出し、図中の斜線部にドットが形成されて、紙に帯状の画像片が印刷される。ドット形成処理の際にキャリッジが走査方向に往復移動するため、光学センサ54も走査方向に往復移動し、光学センサ54は、紙の両側端の位置を検出することができる。
【0045】
図10Bは、参考例の縁なし印刷における側端処理の説明図である。なお、「側端処理」とは、紙の幅に合わせて印刷データの一部をNULLデータに置き換えることをいう。図中の帯状の四角形は、1パス分の印刷データを示す。なお、1パスとは、キャリッジ31が1回走査方向に移動する動作を意味する。つまり、図中の帯状の四角形は、ノズル♯1〜ノズル♯180が1パスの間にインクを吐出するのに必要なデータを示している。図中の斜線部分の印刷データは、ヘッド41からインクを吐出するときに用いられた印刷データを示している。一方、図中の斜線のない印刷データは、NULLデータに置き換えられて、ヘッド41からインクが吐出されなかった印刷データを示している。
【0046】
本来ならば、検出された紙の内側に対応する印刷データだけを用いてインクを吐出すれば、紙の全面に印刷ができるので、縁なし印刷が完成するはずである。しかし、紙が斜めに搬送されていると、紙の側端に余白ができてしまい、きれいな縁なし印刷ができない。そのため、紙が斜めに搬送された分を見込んで所定のマージンを持たせて印刷データをNULLデータに置き換え、インクを吐出する領域を紙の側端よりも若干広めにしている。
【0047】
参考例の側端処理では、光学センサ54が紙の両側端を検出しているため、その検出結果に基づいて、インクを吐出する領域(例えば図10Bの斜線部)を決定することができる。
【0048】
<キャリッジの移動範囲について>
ヘッド41からインクを吐出する場合、ヘッドは所定の速度で移動している必要がある。つまり、ヘッドがインクの吐出開始位置にあるときに、ヘッドが所定の速度に達している必要がある。そのため、吐出開始位置の外側に助走区間が設けられる。
【0049】
図11Aは、助走区間が大きい場合の参考例のキャリッジの移動範囲の説明図である。同図において、既に説明された構成要素には同じ符号を付しているので説明を省略する。図中のキャリッジの位置は、キャリッジの助走開始位置を示している。つまりキャリッジが往復移動するとき、キャリッジは、図中の位置に停止しており、そこから紙Sに向かって加速する。そして、ヘッド41のノズルがインクの吐出開始位置に達したら、ノズルからのインクの吐出が開始される。
助走区間が大きければ、キャリッジがどちらの助走開始位置にあるときにも、光学センサ54の検出範囲が紙の外側に位置している。そのため、助走区間が大きければ、キャリッジが往復移動する際に、光学センサ54は紙の両側端を検出することができる。
【0050】
図11Bは、助走区間が小さい場合のキャリッジの移動範囲の説明図である。図11Aの参考例と比較すると、キャリッジの助走区間は短くなっている。そのため、図中の右側のキャリッジを見て分かるとおり、キャリッジが図中の右側の助走開始位置にあるときに、光学センサ54の検出範囲は、紙の内側に位置している。そのため、助走区間が小さければ、キャリッジが印刷時に往復移動しても、光学センサ54は、紙の右側の側端を検出することができない。
【0051】
図11Cは、参考例のキャリッジの移動範囲の説明図である。この参考例では、光学センサ54が紙の両側端を検出できるようにするため、図中の右側の「助走区間」と「インクを吐出する領域」との間に、「側端検出のための区間」が設けられている。図中の右側だけに「側端検出のための区間」が設けられているのは、キャリッジに、図中の右側にヘッド41が設けられ、図中の左側に光学センサ54が設けられているからである。そのため、図中の右側のキャリッジを見て分かるとおり、キャリッジが図中の右側の助走開始位置にあるときに光学センサ54の検出範囲が紙の外側に位置する必要があるため、ヘッド41は紙から大きく離れた位置になる(ヘッド41はインクの吐出開始位置から助走区間よりも大きく離れた位置になる)。その結果、キャリッジの往復移動範囲は大きくなり、キャリッジの往復時間が長くなるため、印刷に時間がかかってしまう。
【0052】
印刷速度を速くするためには、助走区間が短い方が望ましい。また、助走区間が短ければ、プリンタ本体の走査方向の寸法を小さくすることができるので、装置がコンパクトになる。そのため、例えば、キャリッジの加減速中にもインクを吐出できるようにする等して、助走区間を短くしている。
しかし、助走区間が短くなっても、光学センサ54が紙の両側端を検出しようとすると、キャリッジの往復移動範囲が大きくなってしまう(図11C参照)。その結果、印刷速度が遅くなり、プリンタ本体の走査方向の寸法も大きくなってしまう。
【0053】
そこで、本実施形態では、印刷速度を速くし、プリンタ本体の走査方向の寸法を小さくするため、キャリッジの往復移動範囲が小さくなるようにしている(図11B参照)。そのため、キャリッジが往復移動する際に、光学センサ54は紙の両側端を検出することができなくなる。光学センサ54が紙の両側端を検出できなければ、参考例の側端処理を行うことはできない。
そこで、本実施形態では、光学センサ54が紙の一端を検出できなくても、他端の検出結果と紙幅情報とに基づいて紙の他端の位置を算出し、算出された他端の位置に基づいて、側端処理を行っている。
【0054】
なお、助走区間を短くする方法としては、加減速印刷と呼ばれる方法がある。この方法は、キャリッジの加速中又は減速中にもノズルからインクを吐出して印刷を行う方法である。キャリッジが加速している間は、通常のキャリッジの移動速度と比較してキャリッジの速度が遅いので、加減速印刷では、通常のキャリッジの移動速度における吐出タイミングよりもインクの吐出タイミングを遅らせて、インクを吐出する(なお、通常の印刷では、キャリッジが一定速度で移動中に、所定の間隔のタイミングにて間欠的にインクがノズルから吐出される)。これにより、キャリッジが加速しているときにノズルからインクを吐出しても、吐出されたインクは、画素に対応する紙上の位置に着弾する。インクの吐出タイミングは、リニア式エンコーダ51の検出結果から得られるキャリッジの移動速度に基づいて、コントローラ60により制御される。キャリッジの加速中又は減速中にもノズルからインクを吐出して印刷を行うことができるので、助走開始位置からインクの吐出開始位置までの距離が短くなる。
【0055】
===本実施形態の印刷動作===
図12は、前述の「ドット形成処理(S003)」のフロー図である。図13A〜図13Lは、本実施形態のキャリッジの移動の説明図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。また、既に説明された構成要素については同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0056】
まず、コントローラ60は、キャリッジ31を走査方向に沿って移動させる(S031、図13A)。ここでは、まず、コントローラ60は、キャリッジ31を図中の左から右に移動させる。この移動開始前、キャリッジは、キャリッジの往復移動範囲の左端において停止状態である。このキャリッジの停止位置は、「インクを吐出する領域」から「助走区間」だけ離れた位置である。そして、コントローラ60からの駆動信号に応じてキャリッジモータ32が駆動されて、キャリッジ31が紙Sに向かって右方向に加速を始める。
【0057】
次に、コントローラ60は、ヘッド41からのインクの吐出を開始する(S032、図13B)。このとき、コントローラ60は、印刷データに基づいて、ヘッドからインクを吐出させている。ただし、本実施形態では、側端処理(後述)によって印刷データの一部はNULLデータに置き換えられている。このため、NULLデータに置き換えられなかった印刷データに対応する画素に対して、ヘッド41からインクが吐出される。つまり、インクの吐出開始位置において吐出されたインクは、NULLデータに置き換えられなかった印刷データに対応する画素のうちの端の画素に対応する紙上の位置に、着弾する。
【0058】
次に、光学センサ54は、紙の左側端を検出する(S033、図13C)。キャリッジ31が図中の左から右に移動する場合、光学センサ54の出力が「紙なし状態」を示す信号から「紙あり状態」を示す信号に変化したときのキャリッジの位置を、紙の左側端の位置として、メモリに記憶する(S034)。そして、コントローラ60は、光学センサ54の検出結果である紙の左側端位置情報に基づいて、後述する側端処理を行う(S035)。この側端処理により、印刷データの一部がNULLデータに置き換えられ、次のドット形成処理における「インクを吐出する領域」が決定される。なお、次のドット形成処理における「インクを吐出する領域」が決定されれば、次のドット形成処理におけるインクの吐出開始位置と吐出終了位置とが決定される。
【0059】
次に、コントローラ60は、ヘッド41からのインクの吐出を終了する(S036、図13D)。側端処理(後述)によって印刷データの一部がNULLデータに置き換えられているため、印刷データがNULLデータになった時点で、ヘッドからのインクの吐出が終了する。
【0060】
次に、コントローラ60は、キャリッジ31を停止させる(S037、図13E)。ただし、コントローラ60は、次の「インクを吐出する領域」から「助走区間」だけ離れた位置になるように、キャリッジ31を停止させる。ただし、本実施形態では助走区間が短いため、このキャリッジの停止位置では、光学センサ54の検出範囲は紙上に位置している。そのため、本実施形態では、光学センサ54は、紙の右側端の位置を検出することができない。
【0061】
次に、コントローラ60は、搬送処理を行う(S004、図13F)。搬送処理については、既に説明したので、説明を省略する。本実施形態では、次の印刷データが存在するものとして、更に説明を続ける(S005:YES)。
【0062】
コントローラは、キャリッジ31を右から左に移動させる(S031、図13G)。この移動開始前、キャリッジは、キャリッジの移動範囲の右端において停止状態である。このキャリッジの停止位置は、「インクを吐出する領域」から「助走区間」だけ離れた位置である。そして、コントローラ60からの駆動信号に応じてキャリッジモータ32が駆動されて、キャリッジ31が紙Sに向かって左方向に加速を始める。
【0063】
次に、コントローラ60は、ヘッド41からのインクの吐出を開始する(S032、図13H)。このとき、コントローラ60は、印刷データに基づいて、ヘッドからインクを吐出させている。ただし、側端処理(後述)によって印刷データの一部はNULLデータに置き換えられている。このため、NULLデータに置き換えられなかった印刷データに対応する画素に対して、ヘッド41からインクが吐出される。本実施形態では、助走区間が短いため光学センサ54が紙の右側端の位置を検出できないが、後述する側端処理により、適した位置からインクの吐出を開始することができる。
【0064】
次に、光学センサ54は、紙の左側端を検出する(S033、図13I)。キャリッジ31が図中の右から左に移動する場合(図13I)、光学センサ54の出力が「紙あり状態」を示す信号から「紙なし状態」を示す信号に変化したときのキャリッジの位置を、紙の左側端の位置に関する情報(左側端位置情報)として、メモリに記憶する(S034)。そして、コントローラ60は、光学センサ54の検出結果である紙の左側端位置情報に基づいて、後述する側端処理を行う(S035)。この側端処理により、印刷データの一部がNULLデータに置き換えられ、次のドット形成処理における「インクを吐出する領域」が決定される。なお、次のドット形成処理における「インクを吐出する領域」が決定されれば、次のドット形成処理におけるインクの吐出開始位置と吐出終了位置とが決定される。
【0065】
次に、コントローラ60は、ヘッド41からのインクの吐出を終了する(S036、図13J)。側端処理(後述)によって印刷データの一部がNULLデータに置き換えられているため、印刷データがNULLデータになった時点で、ヘッドからのインクの吐出が終了する。
次に、コントローラ60は、キャリッジ31を停止させる(S037、図13K)。ただし、コントローラ60は、次の「インクを吐出する領域」から「助走区間」だけ離れた位置になるように、キャリッジ31を停止させる。本実施形態では助走区間が短いが、光学センサ54はヘッド41よりも左側に設けられているので、インクの吐出終了後のキャリッジの停止位置では、光学センサ54の検出範囲は紙の外側に位置している(そのため、光学センサ54は、紙の左側端の位置を検出することができる)。
次に、コントローラ60は、搬送処理を行う(S004、図13L)。搬送処理については、既に説明したので、説明を省略する。そして、コントローラ60は、印刷するためのデータがなくなるまで、上記の処理を繰り返す。
【0066】
===本実施形態の側端処理===
<概要>
本実施形態では、助走区間が短いため、光学センサ54が紙の右側端を検出することができない。しかし、印刷データの右側部分をNULLデータに置き換えず、右側部分の印刷データに対応してインクを吐出すると、紙に着弾しないインクの量が多くなるため、インクの消費量が多くなってしまい、また、装置内も汚れてしまう。一方、印刷データの右側部分の一定の領域をNULLデータに置き換えることにすると、紙が斜めに搬送された場合、紙の右側端付近にインクが着弾せず、余白ができてしまい、高画質な縁なし印刷を行うことができない。
【0067】
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、印刷データの右側の部分をNULLデータに置き換えて、インクの吐出開始位置及び吐出終了位置を適切な位置にしている。
【0068】
図14は、本実施形態の縁なし印刷における側端処理の概略の説明図である。なお、「側端処理」とは、紙の幅に合わせて印刷データの一部をNULLデータに置き換えることをいう。図中の帯状の四角形は、1パス分の印刷データを示す。なお、1パスとは、キャリッジ31が1回走査方向に移動する動作を意味する。つまり、図中の帯状の四角形は、ノズル♯1〜ノズル♯180が1パスの間にインクを吐出するのに必要なデータを示している。図中の斜線部分の印刷データは、ヘッド41からインクを吐出するときに用いられた印刷データを示している。一方、図中の斜線のない印刷データは、NULLデータに置き換えられて、ヘッド41からインクが吐出されなかった印刷データを示している。
【0069】
本実施形態の側端処理では、光学センサ54は紙の左側端を検出しているため、その検出結果に基づいて、印刷データの左側部分をNULLデータに置き換えることができる。その結果、キャリッジ31が左から右に移動するときのインクの吐出開始位置が決定される。
また、本実施形態の側端処理では、光学センサ54は紙の右側端を検出していない。しかし、コントローラ60が紙幅を把握していれば、光学センサ54が検出した左側端の位置から右側端の位置を算出することができる。そして、プリンタ内のメモリには、コンピュータから受信した印刷データに含まれる紙幅情報が記憶されている。そこで、本実施形態では、光学センサ54が紙の右側端を検出できなくても、左側端の検出結果(左側端位置情報)と紙幅情報とに基づいて紙の右側端の位置を算出し、算出された右側端の位置に基づいて、印刷データの右側の部分をNULLデータに置き換えている。
【0070】
なお、本来ならば、検出された紙の内側に対応する印刷データだけを用いてインクを吐出すれば、紙の全面に印刷ができるので、縁なし印刷が完成するはずである。しかし、紙が斜めに搬送されていると、紙の側端に余白ができてしまい、きれいな縁なし印刷ができない。そのため、紙が斜めに搬送された分を見込んで所定のマージンを持たせて印刷データをNULLデータに置き換え、インクを吐出する領域を紙の側端よりも若干広めにしている。
【0071】
<NULL置き換えについて>
NULLデータへの置き換えについて、以下に詳述する。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、メモリ内に記憶されている印刷データの画素データを書き換え処理することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
【0072】
図15A〜図15Eは、プリンタ内のメモリに格納されているデータの説明図である。図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であって、画像を構成する際の最小構成単位である画素に対応している。実際のメモリには、データが連続的に格納されているが、メモリ内のデータを画素に対応させて表現すれば、このようになる。なお、前述の図14は、図15A〜図15Eの概略を表したものである。
【0073】
各画素には、「00」、「01」、「10」又は「11」の2ビットデータが割り当てられている。画素に対応するデータ(画素データ)は、その画素の色(階調)を示す情報になる。そして、画素データが「00」(NULLデータ)である画素に対応する紙上の位置には、ドットは形成されない。また、画素データが「01」である画素に対応する紙上の位置には、小ドットが形成される。また、画素データが「10」である画素に対応する紙上の位置には、中ドットが形成される。また、画素データが「11」である画素に対応する紙上の位置には、大ドットが形成される。すなわち、2ビットのデータによって、一つの画素について4つの階調を表現することができる。
【0074】
図中の一番上の行の画素データは、ノズル♯1の1パス分の印刷データに相当する。例えば、図15Aにおいて、ノズル♯1は、一番左に位置する画素に対して大ドットを吐出し、左から2番目の画素に対して中ドットを吐出することになる。このように1パス分の印刷データが、各ノズルに割り当てられている。
【0075】
図15Aは、コンピュータから受信した印刷データをプリンタ内に格納したときのデータの説明図である。図中のデータは、コンピュータから受信した印刷データに含まれる画素データに対応している。
【0076】
図15Bは、紙の左側端の位置に対応する画素の説明図である。コントローラ60は、前述のS034において、紙の左側端位置情報を記憶している。コントローラ60は、この左側端位置情報に基づいて、検出された紙の左側端位置情報に対応する画素の場所を算出する。例えば、本実施形態では、左から7番目の画素が、光学センサ54によって検出された紙の左側端位置情報に対応する画素である。すなわち、この画素に対応するインクがノズルから吐出された場合、紙の傾き等の誤差要素がなければ、紙の左側端にインクが着弾する。
【0077】
紙の左側端に対応する画素よりも左側の画素は、紙の外側に対応している。そのため、本来ならば、左側端に対応する画素よりも左側の画素に対してインクを吐出しなくても、紙の前面に印刷ができるので、縁なし印刷が完成するはずである。しかし、左側端に対応する画素よりも左側の画素データをNULLデータに置き換えた場合、紙が斜めに搬送されていると、紙の側端に余白ができてしまい、きれいな縁なし印刷ができない。そのため、紙が斜めに搬送された分を見込んで所定のマージンを持たせて印刷データをNULLデータに置き換えている。
【0078】
図15Cは、マージンを持たせて印刷データをNULLデータに置き換えている様子の説明図である。本実施形態では、左側端に対応する画素より3画素分のマージンを持たせている。コントローラは、そのマージン分よりも更に左側に位置する画素データのみをNULLデータに置き換えている。これにより、キャリッジが左から右に移動する場合、左から4画素目に対応する位置が、インクの吐出の開始位置になる。逆に、キャリッジが右から左に移動する場合、左から4画素目に対応する位置が、インクの吐出の終了位置になる。したがって、光学センサ54が検出した紙の左側端の位置に応じて、インクの吐出の開始位置や終了位置が変化する。
【0079】
図15Dは、紙の右側端の位置に対応する画素の説明図である。本実施形態では、紙の右側端の位置は、光学センサ54では検出することができない。しかし、紙の右側端は、左側端から紙幅だけ離れたところに位置していると考えられる。そこで、コントローラは、左側端位置情報と紙幅情報とに基づいて、紙の右側端位置を算出する。ここで、紙の右側端位置の算出に用いられる左側端位置情報は、前述のS034においてメモリに記憶されている左側端位置情報である。また、紙の右側端位置の算出に用いられる紙幅情報は、コンピュータから受信した印刷データに含まれる紙幅情報である。なお、この紙幅情報は、コンピュータ側のプリンタドライバが印刷条件(例えば用紙サイズや印刷方向)に基づいて取得し、プリンタに送信する印刷データに含ませたものである。プリンタは、コンピュータから受信した紙幅情報をメモリに格納している。
【0080】
右側端の位置を算出するため、コントローラ60は、紙幅が何画素分に相当するかを計算する。例えば、180dpiの解像度の印刷の場合に紙幅が10インチであれば、紙幅は1800画素分に相当する。つまり、コントローラは、紙幅情報と解像度情報に基づいて、紙幅に相当する画素数を計算する。なお、この解像度情報は、コンピュータ側のプリンタドライバが印刷条件に基づいて取得し、プリンタに送信する印刷データに含ませたものである。プリンタは、コンピュータから受信した解像度情報をメモリに格納している。そして、前述の左側端に対応する画素から、紙幅に相当する画素数だけ右側にある画素が特定されれば、その画素が紙の右側端に対応する画素になる。本実施形態では、右から9番目の画素が、算出された右側端位置に対応する画素である。すなわち、この画素に対応するインクがノズルから吐出された場合、紙の傾き等の誤差要素がなければ、紙の右側端にインクが着弾する。
【0081】
図15Eは、マージンを持たせて印刷データをNULLデータに置き換えている様子の説明図である。本実施形態では、左側端の場合と同様に、右側端に対応する画素より3画素分のマージンを持たせている。コントローラは、そのマージン分よりも更に右側に位置する画素データのみをNULLデータに置き換えている。これにより、キャリッジが右から左に移動する場合、右から6画素目に対応する位置が、インクの吐出の開始位置になる。逆に、キャリッジが左から右に移動する場合、右から6画素目に対応する位置が、インクの吐出の終了位置になる。したがって、光学センサ54が検出した紙の左側端の位置と紙幅とに応じて、インクの吐出の開始位置や終了位置が変化する。
【0082】
コントローラ60は側端処理した印刷データ(一部をNULLデータに置き換えられた印刷データ)をヘッドユニット40に送信し、ヘッドユニット40はコントローラ60から受信した印刷データに応じてインクを吐出する。なお、キャリッジ31が右から左に移動するときは、コントローラ60は、図15Eの右側のデータから順番にヘッドユニット40に送信する。一方、キャリッジ31が左から右に移動するときは、コントローラ60は、図15Eの左側のデータから順番にヘッドユニット40に送信する。
【0083】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
【0084】
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0085】
<紙幅情報の取得について>
前述の実施形態によれば、プリンタは、コンピュータ側から受信した印刷データに含まれる情報から紙幅情報を取得していた。しかし、紙幅情報の取得方法は、これに限られるものではない。例えば、光学センサ54が紙の幅を検出しても良い。
図16A〜図16Gは、印刷開始の際の最初のキャリッジの移動の説明図である。なお、図16Gにおいて紙が搬送された後の状態は、前述の図13Aと同じ状態である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。また、既に説明された構成要素については同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0086】
図16Aは、印刷開始の際の最初のキャリッジの位置を示している。図13Eにおけるキャリッジの位置と比較すると分かるように、印刷開始の際の最初のキャリッジの位置は、通常の往復移動の範囲の外側に位置している。そして、印刷開始の際の最初のキャリッジの位置では、光学センサ54の検出範囲は紙の外側にある。そのため、印刷開始の際にキャリッジ31が図中の右から左に移動すると、光学センサ54は、紙の右側端を検出することができる(図16B)。一方、そのままキャリッジの移動を継続し、紙に対する最初の印刷を続ければ、光学センサ54は、紙の左側端の位置を検出することができる(図16D)。本実施形態では、印刷開始の際の最初のキャリッジの位置を通常の往復移動の範囲の外側にすることによって、印刷開始の際に光学センサ54が紙の両側端を検出することができる。これにより、コントローラ60は、印刷開始の際に検出された両側端の位置に基づいて、紙の幅を算出することができ、これにより紙幅情報を取得することができる。なお、コントローラ60は、算出した紙幅に関する情報をメモリに格納する。そして、これ以降の印刷処理において光学センサ54が紙の右側端を検出できなくても、コントローラ60は、最初に取得した紙幅情報を利用して、紙の左側端の位置から紙の右側端の位置を算出することができる。
【0087】
<最初のインクの吐出範囲について>
前述の実施形態によれば、インクの吐出範囲は、光学センサ54が検出した紙の左側端の位置に基づいて、定められていた。しかし、印刷開始の際には、まだ光学センサ54は紙の左側端の位置を検出していない。そのため、プリンタは、印刷開始の際の最初のインクの吐出範囲を、紙の左側端の位置に基づいて定めることができない。そこで、プリンタは、例えば、以下のような方法で、印刷開始の際の最初のインクの吐出範囲を定めている。
【0088】
(1)第1の方法として、印刷開始の際、側端処理(印刷データの一部をNULLデータに置き換える処理)を行わないことが挙げられる。このように印刷すれば、少なくとも紙に余白は生じないので、高品質な画像を得ることができる。また、印刷開始の際の最初のインクの吐出範囲が大きくなるだけあり、それ以降のインクの吐出範囲は左側端の位置(印刷開始の際に検出された左側端の位置)に基づいて定められる。そのため、紙に着弾しないインクの量を抑えることができる。
【0089】
(2)第2の方法として、印刷開始の際のインクの吐出範囲を紙幅情報に基づいて定めることが挙げられる。例えば、A4サイズの紙を印刷する場合、その紙がプリンタのどの辺り給紙されているかは、プリンタの設計時にある程度定まるものである。そこで、プリンタは、例えばコンピュータ本体から受信した印刷データに含まれる紙幅情報に基づいて、最初のインクの吐出範囲を定めても良い。ただし、この場合、光学センサ54を用いて紙の位置を検出するほど、紙の位置は正確に定められない。そのため、印刷データをNULLデータに置き換えるとき、前述のマージンの量を大きくすることが望ましい。このようにしても、紙に着弾しないインクの量を抑えることができる。
【0090】
(3)第3の方法として、インクを吐出せずにキャリッジを移動させ、光学センサ54が左側側端を検出した後に、再度キャリッジを移動させてインクを吐出させることが挙げられる。この場合、最初の印刷開始前に、キャリッジの移動が必要となる。そのため、印刷開始が遅れてしまい、印刷速度が低下する。しかし、このような方法であっても、紙に着弾しないインクの量を抑えることができる。
【0091】
(4)第4の方法として、最初のキャリッジの移動時のセンサの検出結果を利用して、最初のインクの吐出範囲を定めても良い。例えば、図16Bにおいて、ヘッド41がインクの吐出を開始すべき位置(図16C)に到達する前に、光学センサ54は、紙の右側端を検出することができる。そのため、コントローラ60は、最初のキャリッジの移動時に検出された紙の右側端位置情報に基づいて、紙の右側のインクの吐出開始位置を計算することができる。また、例えば、図16Dにおいて、ヘッドがインクの吐出を終了すべき位置(図16E)に到達する前に、光学センサ54は、紙の左側端を検出することができる。そのため、コントローラ60は、最初のキャリッジの移動時に検出された紙の左側端位置情報に基づいて、紙の左側のインクの吐出終了位置を計算することができる。ただし、この場合、コントローラ60は、光学センサ54の検出結果を素早く処理し、印刷データをNULLデータに置き換える必要がある。そのため、コントローラ60の演算処理の負荷は大きくなる。しかし、このような方法であっても、紙に着弾しないインクの量を抑えることができる。
【0092】
<右側端を検出できない理由について>
前述の実施形態によれば、キャリッジの助走区間が短いために、光学センサ54が紙の右側端を検出することができなかった。しかし、光学センサ54が紙の右側端を検出できない理由は、これに限られるものではない。
図17は、光学センサ54が紙の右側端を検出できない他の理由の説明図である。本実施形態では、キャリッジ31が左から右に移動する間でインクを吐出すべきデータがなくなり、キャリッジ31が紙の途中でターンしている。この場合であっても、光学センサ54は紙の右側端を検出することができない。しかし、前述の実施形態と同様に、左側端位置情報と紙幅情報とに基づいてインクの吐出範囲を定めれば、同様の効果を得ることができる。
【0093】
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較して省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
【0094】
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
【0095】
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【0096】
【発明の効果】
本発明は、センサが紙の一端を検出できない場合であっても、その一端側のインクの吐出開始位置や吐出終了位置を適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの全体構成の説明図である。
【図2】プリンタドライバが行う処理の説明図である。
【図3】プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。
【図4】プリンタの全体構成のブロック図である。
【図5】プリンタの全体構成の概略図である。
【図6】プリンタの全体構成の横断面図である。
【図7】印刷時の処理のフロー図である。
【図8】ノズルの配列を示す説明図である。
【図9】縁なし印刷の説明図である。
【図10】図10Aは、参考例の紙の側端の検出の説明図である。図10Bは、参考例の縁なし印刷における側端処理の説明図である。
【図11】図11Aは、助走区間が大きい場合の参考図である。図11Bは、助走区間が小さい場合の説明図である。図11Cは、参考例のキャリッジの移動範囲の説明図である。
【図12】ドット形成処理のフロー図である。
【図13】図13A〜図13Lは、本実施形態のキャリッジの移動の説明図である。
【図14】本実施形態の側端処理の概略の説明図である。
【図15】図15A〜図15Eは、プリンタ内のメモリに格納されているデータの説明図である。
【図16】図16A〜図16Gは、印刷開始の際の説明図である。
【図17】右側端を検出できない他の理由の説明図である。
【符号の説明】
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 センサ、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路
100 印刷システム
110 コンピュータ、
112 ビデオドライバ、 114 アプリケーションプログラム、
116 プリンタドライバ
120 表示装置、
130 入力装置、130A キーボード、130B マウス、
140 記録再生装置、140A フレキシブルディスクドライブ装置、
140B CD−ROMドライブ装置、

Claims (17)

  1. 媒体の端を検出するためのセンサ、及び、インクを吐出するノズル、を移動方向に往復移動させるキャリッジを備え、
    前記キャリッジが前記移動方向に往復移動する際に、前記センサが前記移動方向における前記媒体の端を検出し、
    前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する
    印刷装置であって、
    前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、
    前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記幅情報は、外部装置から受信した印刷データの中の情報から取得される。
  3. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記幅情報は、前記センサの検出結果に基づいて、取得される。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記媒体への印刷を開始する際の最初のキャリッジの移動のときに、前記センサが前記一端を検出する。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、前記キャリッジが所定の範囲を往復移動して前記媒体に印刷を行い、
    前記最初のキャリッジの移動の開始位置は、前記所定の範囲の外側である。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、前記幅情報に基づいて、前記媒体の一端の位置を算出する。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、前記幅情報に基づいて、その幅に対応する画素数を算出する。
  8. 請求項7に記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、前記媒体に印刷を行うときの解像度に関する解像度情報と前記幅情報とに基づいて、前記画素数を算出する。
  9. 請求項8に記載の印刷装置であって、
    前記解像度情報は、外部装置から受信した印刷データの中の情報から取得される。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、前記キャリッジが所定の範囲を往復移動して前記媒体に印刷を行い、
    前記所定の範囲の前記一端側に前記キャリッジがあるとき、前記センサの検出範囲が前記媒体上にある。
  11. 請求項10に記載の印刷装置であって、
    前記センサと前記ノズルは、移動方向に沿って配置される。
  12. 請求項11に記載の印刷装置であって、
    前記所定の範囲の前記一端側にキャリッジがあるとき、前記ノズルは、前記媒体の外側にある。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の印刷装置であって、
    縁なし印刷を行う際に、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、外部装置から受信した印刷データの内容を他のデータに置き換えて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置を変化させる。
  15. 媒体の端を検出するためのセンサ、及び、インクを吐出するノズル、を移動方向に往復移動させるキャリッジを備え、
    前記キャリッジが前記移動方向に往復移動する際に、前記センサが前記移動方向における前記媒体の端を検出し、
    前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する
    印刷装置であって、
    前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、
    前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化し、
    前記幅情報は、外部装置から受信した印刷データの中の情報から取得され、
    前記印刷装置は、前記幅情報に基づいて、前記媒体の一端の位置を算出し、
    前記印刷装置は、前記媒体に印刷を行うときの解像度に関する解像度情報と前記幅情報とに基づいて、前記画素数を算出し、
    前記解像度情報は、外部装置から受信した印刷データの中の情報から取得され、
    前記印刷装置は、前記キャリッジが所定の範囲を往復移動して前記媒体に印刷を行い、前記所定の範囲の前記一端側に前記キャリッジがあるとき、前記センサの検出範囲が前記媒体上にあり、
    前記センサと前記ノズルは、移動方向に沿って配置され、
    前記所定の範囲の前記一端側にキャリッジがあるとき、前記ノズルは、前記媒体の外側にあり、
    縁なし印刷を行う際に、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化し、
    前記印刷装置は、外部装置から受信した印刷データの内容を他のデータに置き換えて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置を変化させる。
  16. ノズルが移動方向に往復移動する際に、センサが前記移動方向における媒体の端を検出し、
    前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置を変化させる
    印刷方法であって、
    前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、
    前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置を変化させる。
  17. コンピュータと印刷装置とを備えた印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    媒体の端を検出するためのセンサ、及び、インクを吐出するノズル、を移動方向に往復移動させるキャリッジを備え、
    前記キャリッジが前記移動方向に往復移動する際に、前記センサが前記移動方向における前記媒体の端を検出し、
    前記センサによる前記端の検出結果に応じて、移動するノズルからのインクの吐出の開始位置及び終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化し、
    前記センサが前記移動方向における前記媒体の一端を検出しなかった場合、前記センサによる前記媒体の他端の検出結果と前記媒体の幅に関する幅情報とに応じて、前記開始位置及び前記終了位置のうちの少なくとも一方の位置が変化する。
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