JP2000118007A - 印刷装置、印刷方法および記録媒体 - Google Patents

印刷装置、印刷方法および記録媒体

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JP2000118007A
JP2000118007A JP10309463A JP30946398A JP2000118007A JP 2000118007 A JP2000118007 A JP 2000118007A JP 10309463 A JP10309463 A JP 10309463A JP 30946398 A JP30946398 A JP 30946398A JP 2000118007 A JP2000118007 A JP 2000118007A
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pixel
ink
pixels
dots
printing
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Yukimitsu Fujimori
幸光 藤森
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタにおいて、黒のベタ
領域の濃度を向上し、鮮明な印刷を実現する。 【解決手段】 画像データに基づいて、ベタ領域の輪郭
画素と骨格画素とを判別する。輪郭画素よりも骨格画素
に多くのインクを吐出してベタ領域の印刷を実行する。
吐出するインク量が可変なヘッドを用いることにより、
骨格画素へのインクの吐出量を多くする。また、黒のノ
ズルが他色のノズルよりも多いヘッドを用いることによ
り、骨格画素には2回以上インクを重ねて吐出する。ベ
タ領域の中央部に近づくにつれて、骨格画素へのインク
量を段階的に増やす。輪郭画素へのインク量はにじみが
生じない程度の量に抑える。こうすることにより、にじ
みなくベタ領域の濃度を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出して
ドットを形成することにより印刷媒体上に画像を印刷す
る印刷装置、印刷方法およびそのためのプログラムを記
録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータの出力装置として、
ヘッドに備えられた複数のノズルから吐出される数色の
インクによりドットを形成して画像を記録するインクジ
ェットプリンタが提案されており、コンピュータ等が処
理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いられて
いる。近年では、階調表現を豊かにするために、各画素
ごとに異なるインク量でドットを形成可能にしたプリン
タも提案されている。
【0003】インクジェットプリンタにおいて、吐出さ
れるインクの濃度は、画像を印刷する際にドットの視認
性を抑え、滑らかな粒状感の画像を印刷可能な濃度に設
定される。インクの濃度を極端に濃くすれば、ドットが
視認されやすくなり、画質を損ねる原因となる。一方、
各画素ごとに吐出可能なインク量は、印刷媒体のインク
の吸収特性に応じて設定される。印刷媒体が単位面積当
たりに吸収可能な範囲を超えるインク量でドットを形成
すれば、ドットににじみが生じ、画質が低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにド
ットの視認性を考慮して設定された濃度のインクを用い
た場合、ドットのにじみを生じない量でインク量を制限
することによって、十分な濃度を表現できないことがあ
った。例えば、文字を印刷する場合には、印刷媒体の地
色とのコントラストがはっきりする程度の濃度で鮮明に
印刷することが望まれる。従来のインクジェットプリン
タでは、インクの吐出量の制限に起因して、十分なコン
トラストで文字を印刷することができなかった。同様
に、コンピュータで作成したグラフなどの2値的な画像
を印刷する場合にも、十分なコントラストを表現するこ
とができなかった。2値的な画像を印刷するための濃度
の濃いインクを別途用意する方法も可能ではあるが、コ
ストの増大という別の課題を招くことになる。
【0005】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、印刷に使用するインクの種類を増や
すことなく、文字やグラフなどの2値的な画像のコント
ラストを向上し、これらの画像を鮮明に印刷可能な印刷
装置および印刷方法を提供することを目的とする。ま
た、2値的な画像のにじみを抑え、これらの画像を鮮明
に印刷可能な印刷装置および印刷方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、
次の構成を採用した。本発明の第1の印刷装置は、イン
クを吐出するヘッドによりドットを印刷媒体上に形成し
て画像を印刷する印刷装置であって、所定色のドットで
形成されるベタ領域内の各画素が、該領域の外縁に位置
する画素である境界画素であるか、その他の画素である
骨格画素であるかを判定する骨格画素判定手段と、前記
ヘッドの駆動を制御し、前記骨格画素には前記輪郭画素
よりも多くのインクを吐出して、前記ベタ領域を形成す
る形成手段とを備えることを要旨とする。
【0007】かかる印刷装置によれば、骨格画素に対し
て輪郭画素よりも多くのインクを吐出してベタ領域を形
成することにより、ベタ領域全体に吐出されるインク量
を増やすことができ、この領域のコントラストを向上す
ることができる。しかも、輪郭画素では、骨格画素に比
較してインク量を抑制することにより、ベタ領域から外
部の領域へのにじみも抑えることができる。この結果、
上記印刷装置によれば、にじみ等による画質の低下を招
くことなく、コントラストが向上した鮮明な印刷を実現
することができる。
【0008】本明細書において、ベタ領域とは、前記所
定色の階調値が実質的に最大濃度を意味する値となって
いる領域をいう。かかる階調値が指定されている限り単
一の画素であってもベタ領域として扱う。ベタ領域とし
ては、例えば文字やコンピュータで作成されたグラフな
どの2値的な画像が挙げられる。
【0009】ベタ領域の一例を図1に示す。この例に基
づき、骨格画素および輪郭画素について定義する。図1
中の破線はドットを形成する画素を示しており、丸印は
それぞれドットを示している。図1中においてハッチン
グを施したドットD0等が形成されている画素が輪郭画
素に相当する。図1において塗りつぶしのドットDIが
形成されている画素が骨格画素に相当する。これらのド
ットが形成されている領域がベタ領域に相当する。白抜
きのドットは、所定色以外のドットが形成されている画
素を意味している。
【0010】図1に示す通り、輪郭画素とは、ベタ領域
内の画素であって、隣接する画素の一方が所定色のドッ
トと異なるドットになっている画素をいう。例えば、図
1中のドットD0が形成される画素は上方に空白の画素
が隣接しているため輪郭画素となる。これに対し、骨格
画素は隣接するいずれの画素にも所定色のドットが形成
される画素をいう。図1中のドットDIが形成される画
素は左右、上下、斜めいずれの方向に隣接する画素も所
定色のドットが形成されているため、骨格画素に相当す
る。ベタ領域が一つの画素で構成される場合には、該画
素は輪郭画素に相当する。
【0011】もちろん、骨格画素および輪郭画素につい
ての上述の定義は一例に過ぎない。図1では、すぐ隣の
画素に形成されるドットに基づいて輪郭画素と骨格画素
とを定義した例を示したが、さらにその外側に隣接する
画素に形成されるドットをも考慮して輪郭画素を定義す
るものとしてもよい。この場合、ベタ領域内で輪郭画素
の占める範囲が図1よりも増えることになる。また、逆
に上下、左右に隣接する画素のみを考慮して輪郭画素を
定義するものとしてもよい。この場合には、ドットDI
‘が形成されている画素のように、斜め方向にのみ空白
の画素が位置する画素は骨格画素に含まれることにな
る。
【0012】輪郭画素と骨格画素のインク量は種々設定
可能である。周囲へのにじみを抑制する観点から、輪郭
画素のインク量は印刷媒体が単位面積当たりに吸収可能
なインク量(以下、インクデューティとよぶ)に基づい
て設定することができる。この際、骨格画素に多くのイ
ンク量が吐出されることを考慮して、インクデューティ
に対して十分小さいインク量を輪郭画素に吐出するイン
ク量として設定するものとしてもよい。骨格画素につい
ては、ベタ領域の濃度を十分確保可能な値にインク量を
設定することができる。
【0013】なお、上記印刷装置は、「骨格画素には前
記輪郭画素よりも多くのインクを吐出」する態様で記載
したが、もちろん、輪郭画素のインク量を骨格画素より
も少なくすると言っても構わない。
【0014】本発明の第1の印刷装置において、ベタ領
域に吐出されるインク量を、骨格画素と輪郭画素とで2
段階に異なる量とすることもできる。また、3段階以上
に設定しても構わない。後者の場合、前記骨格画素判定
手段は、前記骨格画素について、併せて前記ベタ領域の
外縁からの距離を判定する手段であり、前記形成手段
は、前記骨格画素に吐出されるインク量を前記距離の増
大とともに増加させて前記ベタ領域を形成する手段であ
るものとすることができる。
【0015】ベタ領域の面積はまちまちである。骨格画
素のインク量を輪郭画素よりも極端に多くすれば、ベタ
領域の面積が比較的小さい場合や輪郭画素に非常に近い
骨格画素にインクを吐出する場合には、外部ににじみを
生じる可能性もある。かかるにじみを生じない程度のイ
ンク量を骨格画素のインク量として設定すれば、面積の
大きいベタ領域については、コントラストを十分に向上
できない可能性もある。上述の印刷装置によれば、ベタ
領域の内部に行くほど吐出されるインク量を増やすこと
によって、ベタ領域の面積および骨格画素と輪郭画素の
位置関係に応じて適切な量でインクを吐出することがで
き、ベタ領域のコントラストを向上することができる。
【0016】前記ベタ領域の外縁からの距離に応じて骨
格画素へのインク量を増加させる態様は種々設定可能で
ある。例えば、この距離が増大するにつれ、即ちベタ領
域の中央部に近づくにつれ、インク量が急に増加する勾
配で設定することができる。かかる設定にすれば、輪郭
画素付近ではインク量を抑制することができるから、外
部へのにじみをより適切に抑えることができる。逆に、
距離が増大するにつれインク量が緩やかに増加する勾配
で設定するものとしてもよい。こうすれば、ベタ領域の
中央部のみが核状に極端に濃くなることを回避して、全
体に濃度を向上することができる。当然、距離の増大に
つれてインク量が線形に増加するように設定してもよ
い。
【0017】一般に黒で印刷されるベタ領域がコントラ
ストの不足が最も顕著に現れるため、本発明の第1の印
刷装置において、前記所定色は黒であるものとすること
が好ましい。もちろん、所定色は1色に限定する必要は
なく、複数の色に適用してもよい。複数色に適用する場
合には、黒を含むことが望ましい。
【0018】また、本発明の第1の印刷装置において、
所定の印刷モードが指示された場合には、前記骨格画素
判定手段および形成手段を用いて前記ベタ領域を形成
し、その他の場合には骨格画素か輪郭画素かに基づくイ
ンク量の変更を施すことなく前記ベタ領域を形成するも
のとすることが好ましい。
【0019】こうすることにより、画像の種類に応じて
ベタ領域のコントラストを向上することができる。所定
の印刷モードの指示はユーザが入力するものとしてもよ
いし、印刷装置に画像データ中に基づいて前記顔判定手
段および形成手段を用いた印刷が適した画像か否かを判
定する判定手段を備えるものとしてもよい。判定手段と
しては、例えば、画像データ中においてベタ領域に相当
する画素が占める割合に基づいて判定する手段が挙げら
れる。もちろん、所定の印刷モードとしては、前記所定
色のみで印刷するか否かに対応した印刷モードであって
も構わないし、多色で印刷するモードにおいて、さらに
コントラストを向上するモードを設けるものとしてもよ
い。
【0020】本発明の第1の印刷装置において、輪郭画
素と骨格画素とでインク量を変更する方法としては、種
々の方法が可能であり、例えば、前記ヘッドは異なるイ
ンク量でドットを形成可能なヘッドであり、前記形成手
段は、前記ヘッドを1回駆動するごとに吐出されるイン
ク量を、前記骨格画素において前記輪郭画素よりも増や
す手段であるものとすることができる。かかる手段によ
れば、比較的容易に骨格画素へのインク量を増やすこと
ができる。各画素に対するインクの吐出回数を均一にで
きるため、印刷速度の低下を招くこともない。
【0021】また、前記形成手段は、インクの吐出回数
を、前記骨格画素においては前記輪郭画素よりも増やす
ものとしてもよい。この場合には、前記ヘッドは、複数
色のインクを吐出可能であり、かつ、前記所定色のイン
クを吐出するノズルをその他の色のノズルよりも多く備
えるヘッドであるものとすることが望ましい。
【0022】骨格画素に対する吐出回数を増やす場合、
一定のインク量を吐出可能なヘッドを用いて骨格画素へ
のインク量を増やすことができる。また、骨格画素に対
して複数回に分けてインクを吐出することにより、イン
クが比較的早く乾燥しやすくにじみやこすれなどによる
画質の低下を回避しやすいという利点もある。このよう
に骨格画素に対する吐出回数を増やす場合には、ヘッド
の駆動回数が増えて印刷速度が低下する可能性がある。
かかる印刷を実行する対象となる所定色のノズルをその
他のノズルよりも多く備えるものとすれば、印刷速度の
低下を回避することができる。
【0023】なお、当然、異なるインク量でドットを形
成可能なヘッドを備える印刷装置において、さらに輪郭
画素と骨格画素とでインクの吐出回数を変えるものとし
てもよい。例えば、骨格画素においては、インク量を増
やすとともに、インクの吐出回数を増やすものとしても
よい。その他種々の態様で、インク量とインクの吐出回
数を組み合わせることができる。
【0024】本発明の第2の印刷装置は、インク量の異
なるドットを形成可能なヘッドにより、印刷媒体上にド
ットを形成して画像を印刷する印刷装置であって、印刷
モードを入力する入力手段と、所定色のドットで形成さ
れるベタ領域内の画素であるか否かを判定するベタ領域
判定手段と、所定の印刷モードが指定された場合には、
前記ベタ領域内の画素について、1回当たりのインクの
吐出量をその他の印刷モードの場合よりも少なくすると
ともに、該画素に対するインクの吐出回数を増やしてド
ットを形成する形成手段とを備えることを要旨とする。
【0025】印刷媒体に一定量のインクを1回で吐出す
る場合に比べて、該インクを複数回に分けて吐出した方
がにじみが少なくなる。かかる現象について、必ずしも
原因は明らかではないが、一因として次の事項が挙げら
れる。にじみは印刷媒体を構成する繊維間の微細な空間
に基づき、いわゆる毛細管現象によってインクが広がる
ことが原因と考えられる。インクを少量に分けて複数回
で吐出した場合、1回目に吐出されたインクが乾燥する
ことによって、印刷媒体中の微細な空間をある程度塞ぐ
作用を奏する。この結果、2回目以降に吐出されたイン
クは1回目のインクに比べて毛細管現象による広がりが
生じにくくなり、全体としてにじみが抑制される。ま
た、インクは液体であるため、表面張力がある。インク
を複数回に分けて吐出した場合、2回目に吐出されたイ
ンクは表面張力により1回目に吐出されたインクに引っ
張られる傾向にあり、にじみが抑制されるとも考えられ
る。
【0026】本発明の第2の印刷装置は、印刷媒体にイ
ンクを吐出する際の上述の性質を利用する。つまり、所
定の印刷モードにおいては、ベタ領域への1回当たりの
インク量をその他のモードよりも減らすとともに、該領
域への吐出回数を増やす。こうすることにより、上述の
作用に基づいてベタ領域のにじみを抑制することができ
る。この結果、ベタ領域に吐出するインク量を全体とし
て向上することができ、該領域の濃度およびコントラス
トを向上することができる。
【0027】本発明の第2の印刷装置は、ベタ領域につ
いて、骨格画素か輪郭画素かの判定を行うことなく、コ
ントラストを向上することができるため、印刷を実行す
る際の処理を簡易なものとすることができる利点もあ
る。もちろん、骨格画素と輪郭画素を判定し、両者でイ
ンクの吐出回数やインク量を変更するものとしても構わ
ない。例えば、輪郭画素ではインク量を減らしつつイン
クの吐出回数を増やすものとし、骨格画素ではインク量
を増やすものとしてもよい。当然、骨格画素ではインク
量を増やしつつインクの吐出回数をも増やすものとして
もよいし、インクの吐出回数のみを増やすものとしても
よい。さらに、ベタ領域の中央部に近づくほどインク量
を増やすものとすることも可能である。
【0028】第2の印刷装置では、インク量を少なくす
るとともに、インクの吐出回数を増やすため、全体とし
て印刷速度が低下する可能性もある。そこで、第2の印
刷装置においては、前記ヘッドは、複数色のインクを吐
出可能であり、かつ、前記所定色のインクを吐出するノ
ズルをその他の色のノズルよりも多く備えるヘッドであ
るものとすることが望ましい。こうすれば、印刷速度の
低下を招くことなく、ベタ領域のにじみを抑制し、濃度
およびコントラストを向上することができる。
【0029】以上で説明したそれぞれの印刷装置が、前
記ヘッドを一方向に往復動しつつ、該方向に並ぶドット
を順次形成する主走査手段を備える場合には、前記輪郭
画素について、前記一方向において隣接する画素の一方
がいずれのドットも形成されない空白画素であり、他方
が前記ベタ領域内の画素となっている条件を満たすか否
かを判定する手段と、前記主走査手段を制御して、前記
条件を満たす輪郭画素には、前記他方の画素に少なくと
も1回インクが吐出されて以降にインクを吐出する制御
手段とを備えるものとすることが望ましい。
【0030】かかる構成による作用を図1の例に基づ
き、具体的に説明する。図1において、ヘッドを主走査
しつつ、画素C1〜C8に順次ドットを形成する場合を
考える。ここで、輪郭画素C2は、左側に位置する画素
C1が空白画素であり、右側に位置する画素C3がベタ
領域内の画素であるため、上述の条件を満たす輪郭画素
である。このとき、上記印刷装置によれば、1回目の主
走査では、隣接する画素C3にインクがまだ吐出されて
いない状態なので、画素C2にドットを形成せず、画素
C3にインクを吐出する。2回目の主走査では、画素C
3に1回インクが吐出されているため、画素C2にドッ
トを形成する。画素C3に2回以上インクを吐出する場
合には、2回目の主走査でインクを吐出するものとして
もよい。
【0031】このように隣接する画素C3に1回はイン
クが吐出された後に輪郭画素C2を形成した場合には、
画素C3と同時にインクを吐出した場合に比較して外部
へのにじみを抑えることができる。かかる現象の原因は
必ずしも明らかではないが、先に説明した表面張力の作
用により、画素C2に吐出されたインクが画素C3に既
に形成されたドットに引っ張られることによるものと考
えられる。上記印刷装置によれば、輪郭画素がベタ領域
内の画素とが主走査方向に隣接している場合には、ベタ
領域内の画素よりも後の主走査で該輪郭画素を形成する
ことにより、外部へのにじみを抑制し、ベタ領域をより
鮮明に印刷することができる。
【0032】また、前記ヘッドを一方向に往復動しつ
つ、該方向に並ぶドットを順次形成する主走査手段を備
える印刷装置において、前記輪郭画素について、前記一
方向において隣接する画素の一方は前記所定色以外のド
ットが形成される他色画素である条件を満たすか否かを
判定する手段と、前記主走査手段を制御して、前記条件
を満たす輪郭画素および前記他色画素には吐出されたイ
ンクが乾燥可能な時間を隔ててそれぞれインクを吐出す
る制御手段とを備えるものとすることも望ましい。
【0033】図1を用いて具体的に説明する。ヘッドを
主走査しつつ、画素C1〜C8に順次ドットを形成する
場合を考える。ここで、輪郭画素C7は、右側に位置す
る画素C8が所定色以外のドットが形成される他色画素
であるため、上述の条件を満たす輪郭画素である。この
とき、上記印刷装置によれば、画素C7と画素C8とは
インクが乾燥可能な時間を隔ててインクが吐出される。
例えば、両画素を異なる主走査で形成するものとしても
よい。この場合には、画素C7,C8のいずれを先に形
成するものとしても構わない。また、画素C7にインク
を吐出するノズルと画素C8にインクを吐出するノズル
との間隔を、同一の主走査でインクを吐出しても十分な
乾燥時間が得られる程離してヘッドを構成するものとし
てもよい。
【0034】上記印刷装置によれば、このように色の異
なる画素同士を十分な時間間隔を開けて形成することに
より、両者間でインクの混色が生じるのを回避すること
ができる。この結果、画質を損ねることなく、ベタ領域
をより鮮明に印刷することができる。
【0035】かかる印刷順序によるドットの形成は、本
発明の第1の印刷装置、第2の印刷装置の双方に適用可
能である。当然、図1に示した具体的なドット配置のみ
に限られるものでもない。
【0036】本発明は以下に示す印刷方法の発明として
構成することもできる。本発明の第1の印刷装置に対応
する印刷方法は、インクを吐出するヘッドによりドット
を印刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷方法であっ
て、(a) 所定色のドットで形成されるベタ領域内の
各画素が、該領域の外縁に位置する画素である境界画素
であるか、その他の画素である骨格画素であるかを判定
する工程と、(b) 前記ヘッドの駆動を制御し、前記
骨格画素には前記輪郭画素よりも多くのインクを吐出し
て、前記ベタ領域を形成する工程とを備える印刷方法で
ある。
【0037】本発明の第2の印刷装置に対応する印刷方
法は、インク量の異なるドットを形成可能なヘッドによ
り、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷
方法であって、(a) 印刷モードを入力する入力手段
と、(b) 所定色のドットで形成されるベタ領域内の
画素であるか否かを判定する工程と、(c) 所定の印
刷モードが指定された場合には、前記ベタ領域内の画素
について、1回当たりのインクの吐出量をその他の印刷
モードの場合よりも少なくするとともに、該画素に対す
るインクの吐出回数を増やしてドットを形成する工程と
を備える印刷方法である。
【0038】上述の2つの印刷方法を実行すれば、それ
ぞれ先に説明した印刷装置の作用に基づき、ベタ領域の
コントラストを向上することができ、鮮明な印刷を実現
することができる。また、ベタ領域のにじみを抑制する
ことができる。
【0039】また、本発明は以下に示す記録媒体として
構成することもできる。本発明の第1の記録媒体は、イ
ンクを吐出するヘッドによりドットを印刷媒体上に形成
して画像を印刷する印刷装置に供給する印刷データを生
成するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に
記録した記録媒体であって、各画素ごとに階調値を有す
る画像データを入力する機能と、所定色のドットで形成
されるベタ領域内の各画素が、該領域の外縁に位置する
画素である境界画素であるか、その他の画素である骨格
画素であるかを判定する機能と、前記骨格画素に吐出さ
れるインク量が前記輪郭画素に吐出されるインク量より
も多くなるように、前記ベタ領域の印刷データを設定す
る機能とを実現するプログラムを記録した記録媒体であ
る。
【0040】本発明の第2の記録媒体は、インク量の異
なるドットを形成可能なヘッドにより、印刷媒体上にド
ットを形成して画像を印刷する印刷装置に供給する印刷
データを生成するためのプログラムをコンピュータ読み
取り可能に記録した記録媒体であって、印刷モードを入
力する機能と、所定色のドットで形成されるベタ領域内
の画素であるか否かを判定する機能と、所定の印刷モー
ドが指定された場合には、前記ベタ領域内の画素につい
て、1回当たりのインクの吐出量をその他の印刷モード
の場合よりも少なくするとともに、該画素に対するイン
クの吐出回数を増やす印刷データを設定する機能とを実
現するプログラムを記録した記録媒体である。
【0041】これらの記録媒体に記録されたプログラム
がコンピュータにより実現されることによって、先に説
明した印刷装置および印刷方法を実現することができ
る。この場合の記憶媒体としては、フレキシブルディス
クやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、RO
Mカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号
が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(R
AMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コ
ンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。ま
た、通信経路を介してコンピュータにこれらのプログラ
ムを供給するプログラム供給装置としての態様も含む。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例に基づき説明する。 (1)装置の構成:図2、本発明の実施例としての印刷
装置の構成を示すブロック図である。図示するように、
コンピュータ90にカラープリンタ22が接続されてい
る。このコンピュータ90に所定のプログラムがロード
され実行されることによりプリンタ22と併せて印刷装
置として機能する。このコンピュータ90はバス80に
より相互に接続されたCPU81、ROM82、RAM
83および次の各部を備える。入力インターフェイス8
4は、スキャナ12やキーボード14からの信号の入力
を司り、出力インタフェース85はプリンタ22へのデ
ータの出力を司る。CRTC86はカラー表示可能なC
RT21への信号出力を制御し、ディスクコントローラ
(DDC)87はハードディスク16やCD−ROMド
ライブ15あるいは図示しないフレキシブルディスクド
ライブとの間でデータの授受を制御する。ハードディス
ク16にはRAM83にロードされて実行される各種プ
ログラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プ
ログラムなどが記憶されている。
【0043】このほか、バス80にはシリアル入出力イ
ンタフェース(SIO)88が接続されている。このS
IO88はモデム18に接続されており、モデム18を
介して公衆電話回線PNTに接続されている。コンピュ
ータ90は、このSIO88およびモデム18を介し
て、外部のネットワークに接続されており、特定のサー
バーSVに接続することにより、画像処理に必要なプロ
グラムをハードディスク16にダウンロードすることも
可能である。また、必要なプログラムをフレキシブルデ
ィスクFDやCD−ROMよりロードし、コンピュータ
90に実行させることも可能である。
【0044】図3は本印刷装置のソフトウェアの構成を
示すブロック図である。コンピュータ90では、所定の
オペレーティングシステムの下で、アプリケーションプ
ログラム95が動作している。オペレーティングシステ
ムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が
組み込まれており、アプリケーションプログラム95か
らはこれらのドライバを介して、プリンタ22に転送す
るための印刷データFNLが出力される。アプリケーシ
ョンプログラム95は、文字やグラフを含む画像を生成
可能であり、ビデオドライバ91を介して該画像をCR
Tディスプレイ21に表示する。アプリケーションプロ
グラム95は、同時に写真などの多階調の画像を扱うこ
とも可能である。
【0045】このアプリケーションプログラム95が、
印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドラ
イバ96が、画像データおよび印刷条件をアプリケーシ
ョンプログラム95から受け取り、これをプリンタ22
が処理可能な信号に変換している。ここで入力される印
刷条件としては、例えば印刷媒体の種類や印刷モードが
挙げられる。図3に示した例では、プリンタドライバ9
6の内部には、レンダリングモジュール97、ベタ領域
検出部101、色補正モジュール98および色補正テー
ブルLUT、ハーフトーンモジュール99、およびラス
タライザ100が備えられている。
【0046】アプリケーションプログラム95からは、
画像データとして文字やグラフの形状および印刷位置を
特定したデータが出力される。プリンタ22は、主走査
方向および副走査方向に2次元的な配列でドットを形成
してこれらの画像を印刷する。レンダリングモジュール
97は、アプリケーションプログラム95からの画像デ
ータに基づいて、2次元的に配列された画素ごとの階調
値を設定する。レンダリングモジュール97で設定され
た画像データはRGBの3色の階調値からなる画像情報
である。
【0047】ベタ領域検出部101は、レンダリングモ
ジュール97で設定された画像データに基づいて、ベタ
領域を検出する。検出されたベタ領域の情報は、ベタ領
域テーブルBTに記憶される。この情報は、後述するハ
ーフトーンモジュール99やラスタライザ100に提供
される。本実施例では、ベタ領域とはRGBの階調値が
全て値0の領域、即ち濃度最大の黒が指定されている領
域をいう。かかる濃度が指定されている限り単一の画素
であってもベタ領域として扱う。一般にベタ領域とは、
色彩に関係なく、ドットの記録率が100%となる領域
をいうが、本実施例では、特に黒の文字などのコントラ
ストを高めて印刷する目的から、最大濃度の黒が指定さ
れている領域をベタ領域と呼ぶものとした。
【0048】色補正モジュール98は、色補正テーブル
LUTを参照して、各画素ごとに画像データの色成分を
RGBから、プリンタ22が使用するシアン(C)、マ
ゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色
に変換する。カラー印刷を実行しないという印刷条件が
指定されている場合には、色補正処理は行われない。
【0049】色補正されたデータは例えば256階調等
の広い幅で階調値を有している。ハーフトーンモジュー
ル99は、ドットを分散して形成することによりプリン
タ22でかかる階調値を表現するためのハーフトーン処
理を実行する。本実施例のプリンタ22は、後述する通
りインク量の異なるドットを形成可能な多値プリンタで
ある。ハフトーンモジュール99は、画像データの階調
値に基づいて、各画素ごとにそれぞれのドットのオン・
オフを判定する。こうして処理された画像データは、ラ
スタライザ100によりプリンタ22に転送すべきデー
タ順に並べ替えられて、最終的な印刷データFNLとし
て出力される。
【0050】ハーフトーンモジュール99およびラスタ
ライザ100にはベタ領域に関する情報が提供されてい
る。これらのモジュールはベタ領域に相当する画素につ
いては、他の画素と異なり、印刷時のコントラストを向
上するための処理を施している。これらの処理内容につ
いては、後述する。本実施例では、プリンタ22は印刷
データFNLに従ってドットを形成する役割を果たすの
みであり上述した各モジュールが実行するような画像処
理は行っていないが、もちろんこれらの処理をプリンタ
22側で行うものとしても差し支えない。
【0051】次に、図3によりプリンタ22の概略構成
を説明する。図示するように、このプリンタ22は、紙
送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャ
リッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン2
6の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭
載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出および
ドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ23,
キャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネ
ル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構
成されている。
【0052】キャリッジ31をプラテン26の軸方向に
往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、
キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検
出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0053】なお、このキャリッジ31には、黒インク
(K)用のカートリッジ71とシアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロ(Y)の3色のインクを収納したカラー
インク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッ
ジ31の下部の印字ヘッド28には計4個のインク吐出
用ヘッド61ないし64が形成されている。キャリッジ
31に黒(K)インク用のカートリッジ71およびカラ
ーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各
インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし64へ
のインクの供給が可能となる。
【0054】インクの吐出およびドット形成を行う機構
について説明する。図5はインク吐出用ヘッド28の内
部の概略構成を示す説明図である。図示の都合上イエロ
についての図示を省略した。各色のヘッド61ないし6
4には、各色毎に所定数のノズルNzが設けられており
ピエゾ素子PEが配置されている。図5(a)に示すよ
うに、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導く
インク通路68に接する位置に設置されている。ピエゾ
素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造
が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う
素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設
けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することによ
り、図5(b)に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の
印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側壁を変形さ
せる。この結果、インク通路68の体積はピエゾ素子P
Eの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインク
が、粒子Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に吐
出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着さ
れた用紙Pに染み込むことにより印刷が行われる。
【0055】図6は、インク吐出用ヘッド61〜64に
おけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図で
ある。これらのノズルの配置は、各色ごとにインクを吐
出する4組のノズルアレイから成っている。C,M,Y
の各色については、ノズルピッチkcで24個のノズル
が備えられている。ブラック(K)については、ノズル
ピッチkbで48個のノズルNzが千鳥状に配列されて
いる。C,M,Yのノズルピッチkcは180DPIの
解像度に相当し、Kのノズルピッチkbは360DPI
の解像度に相当する。C,M,Yの各ノズルの副走査方
向の位置は互いに一致している。また、Kのノズルの副
走査方向の位置は一つおきにC,M,Yのノズルと一致
している。
【0056】プリンタ22は、印刷モードに応じて、こ
れらのノズルを使い分けて印刷を実行する。モノクロの
印刷が指定された場合には、Kのヘッドに備えられた4
8個のノズルを用いて高速で印刷を行う。通常のカラー
印刷モードでは、Kのヘッドに備えられた48個のノズ
ルのうち、C,M,Yのノズルと副走査方向の位置が一
致している24個のノズルを用いて印刷を実行する。カ
ラー印刷時に、後述する文字印刷モードが指定された場
合には、C,M,Yの24個のノズルおよびKの48個
のノズルの全てを用いて印刷を実行する。
【0057】本実施例のプリンタ22は、4種類のイン
ク重量でドットを形成することができる。この原理につ
いて説明する。図7は、インクが吐出される際のノズル
Nzの駆動波形と吐出されるインクIpとの関係を示し
た説明図である。図7において破線で示した駆動波形が
通常のドットを吐出する際の波形である。区間d2にお
いて一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子PEに
印加すると、先に図5で説明したのとは逆にインク通路
68の断面積を増大する方向にピエゾ素子PEが変形す
る。ノズルへのインクの供給速度には限界があるため、
インク通路68の拡大に対してインクの供給量が不足す
る。この結果、図7の状態Aに示した通り、インク界面
MeはノズルNzの内側にへこんだ状態となる。図7の
実線で示す駆動波形を用い、区間d2に示すように電圧
を急激に低くすると、インクの供給量はさらに不足した
状態となる。従って、状態aで示す通りインク界面は状
態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態となる。
【0058】次に、ピエゾ素子PEに高い電圧を印加す
ると(区間d3)、先に説明した原理に基づいてインク
が吐出される。このとき、インク界面があまり内側にへ
こんでいない状態(状態A)からは状態Bおよび状態C
に示すごとく大きなインク滴が吐出され、インク界面が
大きく内側にへこんだ状態(状態a)からは状態bおよ
び状態cに示すごとく小さなインク滴が吐出される。こ
のように、駆動電圧を低くする際(区間d1,d2)の
変化率に応じて、ドット径を変化させることができる。
【0059】プリンタ22は4種類の駆動波形を連続的
に出力する。この様子を図8に示した。図示の都合上、
2種類の駆動波形W1,W2のみを示した。駆動波形W
1,W2の順に吐出されるインク量が増大する。駆動波
形W1により吐出される小さなインク滴IPsは飛翔速
度が比較的小さく、駆動波形W2により吐出される大き
なインク滴IPmは飛翔速度が大きい。従って、キャリ
ッジ31が主走査方向に移動しながら、インク量が少な
い順に4種類の駆動波形を連続して出力すれば、飛翔速
度の差に基づいて、それぞれのインク滴を同一画素に吐
出することができる。プリンタ22では、駆動波形の出
力タイミングおよびキャリッジ31の移動速度を調節
し、それぞれの画素にインク量の異なる4種類のドット
を形成可能としている。なお、それぞれのドットを形成
するインク量は種々の値に設定可能である。プリンタ2
2では、カラー印刷モードが指定された場合、C,M,
Yの各色については10ng、20ng、30ng、4
0ngの4種類でドットを形成するものとしており、K
については12.5ng、15ng、17.5ng、2
0ngでドットを形成するものとしている。また、モノ
クロ印刷が指定された場合、Kについて40ng単一の
インク量でドットを形成可能としている。
【0060】次にプリンタ22の制御回路40の内部構
成を説明する。図9は制御回路40の内部構成を示す説
明図である。図示する通り、この制御回路40の内部に
は、CPU41,PROM42,RAM43の他、コン
ピュータ90とのデータのやりとりを行うPCインタフ
ェース44と、紙送りモータ23、キャリッジモータ2
4および操作パネル32などとの信号をやりとりする周
辺入出力部(PIO)45と、計時を行うタイマ46
と、ヘッド61〜64にドットのオン・オフの信号を出
力する駆動用バッファ47などが設けられており、これ
らの素子および回路はバス48で相互に接続されてい
る。また、制御回路40には、所定周波数で駆動波形を
出力する発信器51、および発信器51,52,53か
らの出力をヘッド61〜64に所定のタイミングで分配
する分配器55も設けられている。発信器51は、C,
M,Yのノズルに対する駆動波形を出力し、発信器52
はカラー印刷モード時にKのノズルに対する駆動波形を
出力し、発信器53はモノクロ印刷モード時にKのノズ
ルに対する駆動波形を出力する。
【0061】制御回路40は、コンピュータ90で処理
された印刷データFNLを受け取り、これを一時的にR
AM43に蓄え、所定のタイミングで駆動用バッファ4
7に出力する。駆動用バッファ47は、印刷データFN
Lに従って各画素ごとに駆動波形のオン・オフを決定
し、分配出力器55に出力する。この結果に応じて、そ
れぞれの駆動波形が各ノズルに出力され、種々のインク
量でドットが形成される。
【0062】図6に示す通り、ヘッド61〜64は、キ
ャリッジ31の搬送方向に沿って配列されているから、
それぞれのノズル列が用紙Pに対して同一の位置に至る
タイミングはずれている。図示を省略したが、分配出力
器55の出力側にはディレイ回路が設けられており、ヘ
ッド61〜64の各ノズルの位置のずれおよびキャリッ
ジ31の搬送速度に応じ、各ノズルにより形成されるド
ットの主走査方向の位置が合うタイミングで駆動波形が
出力されている。CPU41は、このヘッド61〜64
の各ノズルの位置のずれを勘案した上で、必要なタイミ
ングで各ドットのオン・オフの信号を駆動用バッファ4
7を介して出力し、各色のドットを形成している。ま
た、各ヘッド61〜64のノズルが2列に形成されてい
る点も同様に考慮してオン・オフの信号の出力が制御さ
れている。
【0063】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ22は、紙送りモータ23により用紙Pを搬送し
つつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリ
ッジモータ24により往復動させ(以下、主走査とい
う)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61〜64の
ピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、
ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
【0064】なお、本実施例では、上述の通りピエゾ素
子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリン
タ22を用いているが、他の方法によりインクを吐出す
るプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク
通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生す
る泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリン
タに適用するものとしてもよい。
【0065】(2)ドット形成制御:次に本実施例にお
けるドット形成の制御処理について説明する。ドット形
成制御処理ルーチンのフローチャートを図10に示す。
また、ベタ領域判定処理ルーチンのフローチャートを図
11に、多値化処理ルーチンのフローチャートおよび説
明図を図12、図13に、ラスタライズ処理ルーチンの
フローチャートを図14に示す。図11、図12および
図14に示した処理は、それぞれドット形成制御処理ル
ーチンの中で実行される処理である。なお、これらの処
理は、コンピュータ90のCPU81が実行する処理で
ある。
【0066】ドット形成制御処理ルーチンが開始される
と、CPU81は、画像データおよび印刷条件を入力す
る(ステップS100)。この画像データは、図2に示
したアプリケションプログラム95から受け渡され、レ
ンダリングされたデータであり、画像を構成する各画素
ごとにR,G,Bそれぞれの色について、値0〜255
の256段階の階調値を有するデータである。
【0067】印刷条件としては、印刷用紙の種類、カラ
ー印刷を実行するか否かの指定、そして文字印刷モード
の指定などがある。文字印刷モードとは、カラー印刷に
おいて、黒のベタ領域のコントラストを高める印刷モー
ドを意味する。先に説明した通り、本実施例の印刷装置
は、印刷モードに応じてノズルを使い分ける。モノクロ
印刷が指定された場合には、ヘッドに備えられたKのノ
ズル48個を用いて高速での印刷を実行する。カラー印
刷が指定された場合には、C,M,Yの24個のノズル
およびKの半分のノズルを用いて印刷を実行する。文字
印刷モードが指定された場合には、C,M,Yの24個
のノズルおよびKの48個のノズル全てを用いて印刷を
行う。以下では、本実施例に特徴的な文字印刷モードに
おける処理を中心に説明する。
【0068】CPU81は、文字印刷モードが指定され
ている場合には、ベタ領域判定処理を実行する(ステッ
プS110、ステップS200)。文字印刷モードでな
い場合には、ベタ領域判定処理をスキップする(ステッ
プS110)。ベタ領域判定処理ルーチンのフローチャ
ートを図11に示す。判定内容については、図15に示
す具体例も参照して説明する。図15中の記号の意味
は、図1と同様である。但し、図1では骨格画素を塗り
つぶしの丸印で示したのに対し、図15では数字を囲ん
だ丸印で示した。アルファベットの「C」を付した画素
および「W」を付した画素の意味については後述する。
【0069】ベタ領域判定処理ルーチンでは、CPU8
1は画像データの各画素についてベタ領域に該当するか
否かを設定する。設定結果は、ベタ領域に関する情報を
記憶するベタ領域テーブルに記憶する。本実施例では、
ベタ領域テーブルを記憶するために、コンピュータ90
のRAM83に画素数に対応するメモリ領域が設けられ
ている。
【0070】このルーチンが開始されると、CPU81
は判定対象となる画素(ix,iy)のデータを入力す
る(ステップS202)。以下、この画素を対象画素と
呼ぶ。ix、iyは主走査方向、副走査方向に配列され
た画素について、それぞれの方向における位置を特定す
る画素番号である。次に対象画素の階調値R,G,Bが
全て値0であるか否かに基づき、ベタ領域に含まれる画
素か否かを判定する(ステップS204)。対象画素の
階調値R,G,Bが全て値0である場合には、該画素は
黒のベタ領域であると判定する。R,G,Bいずれかの
値が0でない場合には、該画素はベタ領域に含まれない
と判定する。
【0071】まず、R,G,Bの階調値が値0である場
合、つまり対象画素がベタ領域に含まれると判定された
場合の処理について説明する。この場合には、輪郭画素
と骨格画素との判別を行う。本実施例では、骨格画素に
ついては、ベタ領域の外縁からの距離に応じて3段階に
分類して判定を行っている。具体的な処理内容は次の通
りである。
【0072】ステップS204において、対象画素がベ
タ領域に含まれると判定された場合には、対象画素を中
心として主走査方向、副走査方向に3画素ずつの合計9
画素のデータを入力し(ステップS206)、これら全
ての画素の階調値R,G,Bが値0であるか否かを判定
する(ステップS208)。この条件を満たさない場合
には、対象画素は輪郭画素であると判定し、ベタ領域テ
ーブルに記憶される変数BDに輪郭画素を意味する値1
を代入する(ステップS210)。本実施例では、ベタ
領域の濃度レベルを4段階設定している。最も濃度レベ
ルの低い画素、つまりレベル1の画素が輪郭画素に当た
る。レベル2〜レベル4の濃度レベルの画素が骨格画素
に当たる。
【0073】図15の具体例に基づき説明する。例え
ば、図15中の画素P1について判定をする場合を考え
る。この画素は、ベタ領域に含まれる画素である。画素
P1を中心として3×3画素の領域A1には、ベタ領域
に含まれない画素が存在する。従って、画素P1は輪郭
画素となる。同様にして、図15中に示したドットのう
ち、ハッチングを示したドットが上述の輪郭画素と判定
される。これに対し、画素P2については、3×3画素
の領域A2が全てベタ領域に含まれる。従って、画素P
2は輪郭画素には相当しない。つまり、画素P2は骨格
画素である。
【0074】図11のステップS208において、3×
3画素の領域内に存在する全画素の階調値R,G,Bが
値0である場合、つまり、対象画素が骨格画素に相当す
る場合には、領域を広げて主走査方向、副走査方向に5
画素ずつの合計25画素のデータを入力し(ステップS
212)、これら全ての画素の階調値R,G,Bが値0
であるか否かを判定する(ステップS214)。この条
件を満たさない場合には、対象画素はレベル2の画素で
あると判定し、変数BDに値2を代入する(ステップS
216)。
【0075】図15の例において、画素P2は3×3画
素の領域A2は全てベタ領域に含まれるため骨格画素に
相当するが、5×5画素の領域A3には空白画素が含ま
れる。従って、画素P2はレベル2の画素であると判定
される。同様に図15において、番号2を付した画素が
レベル2の画素に相当する。
【0076】図11のステップS214において、5×
5画素の領域内に存在する全画素の階調値R,G,Bが
値0である場合、には、領域を広げて主走査方向、副走
査方向に7画素ずつの合計49画素のデータを入力し
(ステップS218)、これら全ての画素の階調値R,
G,Bが値0であるか否かを判定する(ステップS22
0)。この条件を満たさない場合には、対象画素はレベ
ル3の画素であると判定し、変数BDに値3を代入する
(ステップS222)。図15の例では、番号3を付し
た画素がレベル3の画素に相当する。
【0077】ステップS220において、7×7画素の
領域内に存在する全画素の階調値R,G,Bが値0であ
る場合、には、対象画素はレベル4の画素であると判定
し、変数BDに値4を代入する(ステップS224)。
図15の例では、番号4を付した画素がレベル3の画素
に相当する。
【0078】以上の処理により、ベタ領域の画素が4段
階の濃度レベルに分類して特定されたことになる。濃度
レベルへの分類方法は、上記方法に限らず種々の方法が
適応可能である。また、さらに多くの濃度レベルに分類
するものとしてもよいし、輪郭画素と骨格画素の2段階
で分類するものとしても構わない。
【0079】次に、ステップS204において、R,
G,Bのいずれかの階調値が値0でない場合、つまり対
象画素がベタ領域に含まれないと判定された場合の処理
について説明する。この場合には、CPU81は対象画
素に対し主走査方向に隣接する2つの画素のデータを入
力し(ステップS230)、いずれかの画素の階調値
R,G,Bが値0であるか否かを判定する(ステップS
232)。
【0080】隣接するいずれかの画素の階調値R,G,
Bが値0である場合には、対象画素がベタ領域に隣接し
ていることを意味している。階調値R,G,Bが値0と
なる画素が隣接していない場合には、対象画素はベタ領
域に隣接していないと判断される。後者の場合には、対
象画素はベタ領域と関連がない画素であるため、そのこ
とを意味する値0を変数BDに代入する(ステップS2
36)。例えば、図15中の画素P3がかかる画素に相
当する。
【0081】対象画素がベタ領域に隣接する場合には、
対象画素の階調値R,G,Bが全て値255であるか否
かを判定する(ステップS234)。本実施例では、画
像データは値0〜255で階調値を有している。R,
G,Bの全ての階調値が値255である場合、対象画素
はドットが形成されない空白画素であることを意味す
る。対象画素が空白画素であると判定された場合には、
変数BDに空白画素を意味する値Wを代入する(ステッ
プS238)。値Wは他の画素で用いられる可能性のあ
る値0〜4と明確に識別可能な値であれば、いかなる値
を用いてもよい。図15中にアルファベットの「W」を
付して示した画素がBD=Wの画素に相当する。
【0082】一方、ステップS234において、対象画
素のいずれかの階調値R,G,Bが値255でない場
合、つまり対象画素が空白画素でない場合には、対象画
素には黒以外のドットが形成される可能性がある他色画
素であることを意味する。対象画素が他色画素であると
判定された場合には、変数BDに他色画素を意味する値
Cを代入する(ステップS240)。値Cは値0〜4お
よび値Wと明確に識別可能な値であれば、いかなる値を
用いても良い。図15中にアルファベットの「C」を付
して示した画素がBD=Cの画素に相当する。
【0083】以上の処理によって、一つの画素について
ベタ領域テーブルに記憶されるべき変数BDの値が設定
された。CPU81は、全ての画素について以上の処理
を実行した後(ステップS226)、ベタ領域判定処理
ルーチンを終了し、ドット形成制御処理ルーチンに戻
る。なお、本実施例では、文字印刷モードが指定され
ず、ベタ領域判定処理ルーチンが実行されなかった場合
には、ベタ領域テーブルの値BDはデフォルト値として
全画素で値0となっている。
【0084】次に、CPU81は、色補正処理を行う
(ステップS295)。色補正処理とはR,G,Bの階
調値からなる画像データをプリンタ22で使用するC,
M,Y,Kの各色の階調値のデータに変換する処理であ
る。この処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせか
らなる色をプリンタ22で表現するためのC,M,Y,
Kの組み合わせを予め記憶した色補正テーブルLUTを
用いて行われる。色補正テーブルLUTを用いて色補正
する処理自体については、公知の種々の技術が適用可能
であり、例えば補間演算による処理が適用できる。この
処理により画像データは、C,M,Y,Kの各色ごとに
256階調を有するデータに変換される。例えば、黒の
ベタ領域、つまり階調値R,G,Bの値が全て0の画素
は、色補正を施すことによりKの階調値が値255、
C,M,Yの階調値が値0のデータを有する画素とな
る。
【0085】本実施例では、文字印刷モードでは黒のベ
タ領域のコントラストを向上する印刷を実行している。
各画素が黒のベタ領域であるか否かの判定は、色補正処
理前のR,G,Bの階調値の段階で行うのが容易である
ため、本実施例ではベタ領域判定処理(図10のステッ
プS200)を色補正処理(ステップS295)に先立
って実行するものとした。もちろん、色補正処理後の階
調値に基づいてベタ領域判定処理を実行することも可能
である。
【0086】次に、CPU81は色補正された画像デー
タに対して、多値化処理を行う(ステップS300)。
多値化とは、原画像データの階調値(本実施例では25
6階調)をプリンタ22が各画素ごとに表現可能な階調
値に変換することをいう。先に説明した通り、本実施例
では、インク量の異なる4種類のドットを形成可能であ
る。従って、ドットの非形成も含めて5階調への多値化
を行っている。もちろん、プリンタ22が形成可能なド
ットの種類に応じて更に多くの階調への多値化を行うも
のとしてもよい。本実施例における多値化処理の内容を
図12を用いて説明する。なお、図12では図の煩雑さ
を避けるため、文字印刷モードが指定された場合の処理
内容についてのみ示した。
【0087】本実施例では、多値化処理としていわゆる
誤差拡散法による処理を適用している。この処理が開始
されると、CPU81は画像データCDを入力する(ス
テップS302)。ここで入力される画像データCDと
は、色補正処理を施され、C,M,Y,Kの各色につき
256階調を有するデータである。
【0088】この画像データに対し、CPU81は拡散
誤差補正データCDXの生成を行う(ステップS30
4)。誤差拡散処理は処理済みの画素について生じた濃
度誤差をその画素の周りの画素に所定の重みを付けて予
め配分しておくので、ステップS304では該当する誤
差分を読み出し、これを今から処理しようと着目してい
る画素に反映させるのである。着目している画素PPに
対して、周辺のどの画素にどの程度の重み付けで、この
誤差を配分するかを、図13に例示した。着目している
画素PPに対して、キャリッジ31の走査方向で数画
素、および用紙Pの搬送方向後ろ側の隣接する数画素に
対して、濃度誤差が所定の重み(1/4,1/8、1/
16)を付けて配分される。誤差拡散処理については後
で詳述する。
【0089】次に、CPU81は着目画素がベタ領域で
あるか否かを判定する(ステップS306)。この判定
は、先に設定したベタ領域テーブルに記憶されている変
数BDの値を参照することにより、容易に行うことがで
きる。つまり、変数BDの値が値1〜4であれば着目画
素はベタ領域であることになる。
【0090】本実施例では、文字印刷モードにおいて
は、誤差拡散法によるドットのオン・オフ判定に依ら
ず、ベタ領域を十分なコントラストで印刷できるように
画素に形成すべきドットを設定する。つまり、ステップ
S306において、着目画素がベタ領域に相当すると判
定された場合には、ドットのオン・オフを特定する結果
値RDにベタ領域テーブルに記憶されている変数BDの
値を代入する(ステップS308)。先に説明した濃度
レベルに応じて結果値RDには1〜4までの値が代入さ
れることになる。
【0091】ステップS306において、着目画素がベ
タ領域に該当しないと判定された場合には、誤差拡散法
による多値化処理を継続する。まず、生成された拡散誤
差補正データCDXと第1の閾値TH0との大小を比較
し(ステップS310)、データCDXが閾値TH0以
上である場合には、多値化結果を表す値RDに最もイン
ク量の大きいドット(以下、特大ドットという)の形成
を意味する値4を代入する(ステップS312)。閾値
TH0はこのように特大ドットのオン・オフを判定する
基準となる値である。この閾値TH0は、いずれの値に
設定することもできるが、本実施例では特大ドットの濃
度評価値と、次にインク量の大きいドット(以下、大ド
ットという)の濃度評価値との平均値に設定されてい
る。濃度評価値とは、各ドットで表現可能な濃度を画像
データの階調値に対応させて表した値である。
【0092】補正データCDXが第1の閾値TH0より
も小さい場合には、次に補正データCDXと第2の閾値
TH1との大小を比較する(ステップS314)。補正
データCDXが第2の閾値TH1以上である場合には、
多値化結果を表す値RDに大ドットの形成を意味する値
3を代入する(ステップS316)。閾値TH1もいか
なる値にも設定可能であるが、本実施例では大ドットの
濃度評価値と、次にインク量の大きいドット(以下、中
ドットという)の濃度評価値との平均値に設定されてい
る。
【0093】補正データCDXが第2の閾値TH1より
も小さい場合には、次に補正データCDXと第3の閾値
TH2との大小を比較する(ステップS318)。補正
データCDXが第3の閾値TH2以上である場合には、
多値化結果を表す値RDに中ドットの形成を意味する値
2を代入する(ステップS320)。閾値TH2もいか
なる値にも設定可能であるが、本実施例では中ドットと
インク量が最小のドット(以下、小ドットという)の濃
度評価値との平均値に設定されている。
【0094】補正データCDXが第3の閾値TH2より
も小さい場合には、次に補正データCDXと第4の閾値
TH3との大小を比較する(ステップS322)。補正
データCDXが第4の閾値TH3以上である場合には、
多値化結果を表す値RDに小ドットの形成を意味する値
1を代入する(ステップS324)。閾値TH3もいか
なる値にも設定可能であるが、本実施例では小ドットの
濃度評価値の半分の値に設定されている。
【0095】補正データCDXが第4の閾値TH3より
も小さい場合には、いずれのドットも形成すべきでない
と判断して、多値化結果を表す値RDにドットのオフを
意味する値0を代入する(ステップS326)。以上の
処理により、各画素について「ドットのオフ」「小ドッ
トの形成」「中ドットの形成」「大ドットの形成」「特
大ドットの形成」のいずれかの状態が割り当てられ、5
値化が行われたことになる。本実施例では以上の処理に
より5値化を行っているが、形成可能なドットの種類が
増え、更に多くの多値化を行う必要がある場合には、上
述の閾値を増やすことにより同様に処理可能である。
【0096】次に、CPU81は、多値化により生じた
誤差Errを計算し、その誤差を周辺の画素に拡散する
処理を実行する(ステップS328)。誤差Errとは
多値化後の各ドットにより表現される濃度評価値から原
画像データの階調値を引いた値をいう。例えば、原画像
データにおける階調値255の画素を考え、特大ドット
の形成による濃度の評価値を階調値255相当、中ドッ
トの形成による濃度の評価値を階調値128相当とす
る。ドットを形成しない場合の濃度評価値は階調値0相
当である。この画素について、特大ドットを形成するも
のと判定された場合は、原画像データの階調値と表現さ
れる濃度評価値は共に値255で一致しているため誤差
Err=0である。中ドットを形成するものと判定され
た場合はErr=128−255=−127の誤差を生
じる。また、ドットが形成されなければ、誤差Err=
−255となる。
【0097】こうして演算された誤差Errは図13に
示した割合で周辺の画素に拡散される。例えば、着目し
ている画素PPにおいてErr=4の誤差が算出された
場合、隣の画素P1には誤差の1/4である階調値1に
相当する誤差が拡散される。その他の画素についても同
様に図13で示した割合で誤差が拡散される。こうして
拡散された誤差が、先に説明したステップS304で画
像データCDに反映され、拡散誤差補正データCDXが
生成されるのである。
【0098】なお、本実施例では、画素がベタ領域であ
る場合には、無条件に誤差Err=0とし、ベタ領域に
形成されるドットの種類によって、その周囲のドットの
オン・オフに影響が出ないようにしている。以上の繰り
返しにより、全画素分の処理が終了すると(ステップS
330)、CPU81は誤差拡散による多値化処理を終
了し、ドット形成制御処理ルーチン(図10)に戻る。
【0099】図12では、文字印刷モードが指定された
場合の多値化処理ルーチンを示した。文字印刷モードが
指定されていない場合には、ステップS306およびS
308の処理を省略して多値化処理を実行する。つま
り、全ての画素について、閾値TH0〜TH3と画像デ
ータCDXとの大小関係に基づいてドットのオン・オフ
を設定する。
【0100】なお、多値化処理は種々の方法が適用可能
である。例えば、周知の技術であるディザ法による多値
化を行うものとしても構わない。また、誤差拡散法を図
12とは異なる態様で適用するものとしてもよい。さら
に、小ドット、中ドット、大ドット、特大ドットの一部
のドットをディザ法により判定し、残余のドットを誤差
拡散法により判定するものとしてもよい。
【0101】次に、CPU81はラスタライズを行う
(ステップS400)。これは、1ラスタ分のデータを
プリンタ22のヘッドに転送する順序に並べ替えること
をいう。プリンタ22がラスタを形成する記録方法には
種々のモードがある。最も単純なのは、ヘッドの1回の
往運動で各ラスタのドットを全て形成するモードであ
る。この場合には1ラスタ分のデータを処理された順序
でヘッドに出力すればよい。他のモードとしては、いわ
ゆるオーバラップがある。例えば、1回目の主走査では
各ラスタのドットを例えば1つおきに形成し、2回目の
主走査で残りのドットを形成する記録方法である。この
場合は各ラスタを2回の主走査で形成することになる。
かかる記録方法を採用する場合には、各ラスタのドット
を1つおきにピックアップしたデータをヘッドに転送す
る必要がある。このようにプリンタ22が行う記録方法
に応じてヘッドに転送すべきデータを作成するのが上記
ステップS400での処理である。ステップS100で
入力した印刷条件により指定された内容に基づいて実行
すべきラスタライズの内容が選択される。ここでは、ヘ
ッドが往復動する双方向でドットの形成を実行してオー
バラップ方式の印刷を実現する場合を例にとり、ラスタ
ライズ処理ルーチンの内容を説明する。
【0102】図14はラスタライズ処理ルーチンのフロ
ーチャートである。図の煩雑さを避けるために文字印刷
モードが指定された場合の処理のみを示した。この処理
が開始されると、CPU81はまず、各ノズルに対応し
て印刷を実行すべきラスタの番号を特定する(ステップ
S402)。図6に示した通り、プリンタ22は副走査
方向にノズルピッチkb,kcで配列された複数のノズ
ルを備えている。CPU81はヘッドと印刷媒体の位置
関係に応じて、画像データのうち、次に印刷を実行する
ラスタを各ノズルごとに特定するのである。文字印刷モ
ードにおいては、C,M,Yの処理を実行する際には2
4本のラスタを特定し、Kの処理を実行する際には48
本のラスタを特定する。
【0103】ここで、プリンタ22のノズルとラスタと
の関係について説明する。プリンタ22は、Kのノズル
を他の色の倍だけ備えるため、C,M,Yのノズルが全
ラスタを形成可能な送り量で副走査を行った場合、Kの
ノズルは各ラスタを他色の倍通過する。図16にこの様
子を示した。図16(a)はC,M,Yのノズルとラス
タとの対応関係を示しており、図16(b)はKの対応
関係を示している。図示の都合上、C,M,Yは4ドッ
トピッチで3つのノズルを備えるものとして示し、Kは
2ドットピッチで6つのノズルを備えるものとして示し
た。両者のノズル数の比は、プリンタ22と等しい。
【0104】図16(a)には、左側から順に各主走査
におけるC,M,Yのノズルの副走査方向の位置を示し
た。数字を丸で囲んで示したのがノズルを意味してい
る。各主走査ごとに3ラスタに相当する送り量で副走査
を実行すると、図16(a)に示す印刷可能領域におい
て、各ラスタをいずれかのノズルが1回ずつ通過して画
像を印刷することができる。図16(b)には、同様の
形式でKの副走査方向の位置を示した。C,M,Yのノ
ズルと対応する位置にあるKのノズルは1〜3の番号で
示し、その他のノズルはa,b,cのアルファベットで
示した。以下の説明では、前者を対応ノズルと呼び、後
者を非対応ノズルと呼ぶ。プリンタ22はKのヘッドに
48個のノズルを備えるが、同様に、C,M,Yと副走
査方向の位置が対応した24個のノズルを対応ノズルと
呼び、その他のノズルを非対応ノズルと呼ぶものとす
る。
【0105】C,M,Yと同じく3ラスタ相当の送り量
で副走査を実行すると、図示する通り、印刷可能領域に
おいてそれぞれ2つのノズルが通過して画像を印刷する
ことができる。以下では説明の便宜上、Kのノズルにつ
いて、各ラスタを最初に通過するノズルを先行ノズルと
呼び、次に通過するノズルを後行ノズルと呼ぶものとす
る。例えば、図16(b)中のラスタRSでは、3番ノ
ズルが先行ノズルとなり、aノズルが後行ノズルとな
る。
【0106】CPUは、ラスタライズ処理として、各色
の各ノズルごとに、特定されたラスタの画像データを並
び替える処理を実行する。C,M,Yの各色のノズルに
ついてラスタライズを実行し、最後にKのノズルについ
てラスタライズを実行する。ラスタ番号を特定した後、
CPU81は処理対象となるノズルがブラック(K)の
ノズルであるか否かを判定する(ステップS404)。
Kのノズルでない場合には、各ラスタをノズルが1回往
復するだけなので、該ラスタに存在する全ドットを対象
としてラスタライズを実行する(ステップS406)。
【0107】ここでは、主走査の往復双方向でドットを
記録することとしている。従って、往動時用のデータと
してラスタの奇数番目の画素に対応した結果値RDを順
次ピックアップしてノズルに出力するデータとする。こ
の際、偶数番目の画素については、ドットを形成しない
ことを意味するマスクデータが設定される。こうして生
成されたデータがプリンタ22に出力されると、ヘッド
が往動しながら、多値化処理で設定した結果値RDに応
じたドットが奇数番目の画素に形成される。復動中のデ
ータを用意する場合には、逆にラスタの偶数番目の画素
の結果値RDをピックアップしてノズルに出力するデー
タとする。但し、ヘッドの移動方向が往動中と逆になる
ため、往動時とは逆の順序でデータを並べる。こうして
生成されたデータがプリンタ22に出力されると、ヘッ
ドが復動しながら、多値化処理で設定した結果値RDに
応じたドットが偶数番目の画素に形成される。
【0108】処理対象となるノズルがKのノズルである
場合は、各ラスタを先行ノズルと後行ノズルの2つのノ
ズルが通過する。従って、CPU81はラスタライズの
対象となるノズルが先行ノズルであるか否かを判定し
(ステップS408)、その判定結果に応じたラスタラ
イズを実行する。
【0109】先行ノズルに供給するデータを用意する際
には、CPU81は、さらに対象となるノズルが対応ノ
ズルであるか否かを判定する(ステップS410)。対
応ノズルの場合には、第1にベタ領域テーブルにおいて
隣接画素の値がCおよびWとなっている輪郭画素を除く
画素を対象としてラスタライズを実行する(ステップS
410)。つまり、図15中においてアルファベットの
「C」および「W」を付した画素に隣接する輪郭画素に
はドットを形成しないようにラスタライズを行う。これ
らの2種類の画素に隣接する輪郭画素を除外した理由は
次の通りである。
【0110】対応ノズルはC,M,Yと副走査方向が一
致しているノズルである。アルファベットの「C」が付
された他色画素には、C,M,Yのノズルによりドット
が形成される可能性がある。対応ノズルにより、他色画
素に隣接する輪郭画素にブラックのインクを吐出した時
点では、他色画素に吐出されたインクが乾燥していない
可能性があり、他色画素に吐出されたインクとの間でに
じみや混色を生じる可能性がある。本実施例の印刷装置
では、対応ノズルの場合には、他色画素に隣接する輪郭
画素をドットの形成対象から除外することにより、かか
る態様での画質の低下を回避している。
【0111】一方、アルファベットの「W」を付した画
素は、空白画素を意味している。空白画素に輪郭画素が
隣接している場合には、該輪郭画素の他方に隣接する画
素にドットが形成された後、該輪郭画素のドットを形成
することが望ましい。かかる順序でドットを形成するこ
とにより、輪郭画素に吐出されたインクでベタ領域の外
部ににじみが生じることを抑制できることが知られてい
る。かかる現象が生じる原因については、完全には明ら
かでないが、インクの表面張力に依るものと考えられ
る。つまり、上記順序でドットを形成した場合には、輪
郭画素に吐出されたインクが隣接する画素上のインクに
引っ張られることによって、ベタ領域の外部方向に広が
ることが抑制され、にじみが抑えられるものと考えられ
る。
【0112】本実施例の印刷装置では、先行ノズルが対
応ノズルに該当する場合には、上述の通り、他色画素お
よび空白画素に隣接する画素を除外してラスタライズを
行うことにより、にじみや混色を抑制した印刷を実現せ
んとしている。かかる画素を除いた画素については、先
に説明した通り、ヘッドの往動用には奇数番目の画素を
ピックアップしてデータを設定し、ヘッドの復動用には
偶数番目の画素をピックアップしてデータを設定する。
上述の条件に該当する輪郭画素には、往復いずれの方向
のデータにおいてもマスクデータが設定される。
【0113】ステップS410において、先行ノズルが
対応ノズルではないと判定された場合には、隣接画素の
変数BDが値Wとなっている輪郭画素のみを除いてラス
タライズを実行する(ステップS414)。対応ノズル
でない場合には、C,M,Yのインクは十分乾燥してい
ると考えられるため、他色画素に隣接する輪郭画素を除
外しない。ラスタライズの方法は対応ノズルである場合
と同様である。
【0114】後行ノズルに供給するデータを用意する場
合も同様に、CPU81は対象となるノズルが対応ノズ
ルであるか否かを判定する(ステップS416)。対象
となるノズルが対応ノズルであると判定された場合に
は、隣接画素の変数BDが値Wとなっている輪郭画素、
つまり空白画素に隣接する輪郭画素および骨格画素を対
象としてラスタライズを実行する(ステップS41
8)。空白画素に隣接する輪郭画素は先行ノズルによっ
てドットが形成されないため、後行ノズルによるドット
の形成対象とする。また、骨格画素については、先行ノ
ズルでドットが形成されているが、ベタ領域の濃度の向
上を図るため、後行ノズルにより再度インクを吐出す
る。
【0115】対象となるノズルが対応ノズルでない場合
には、隣接画素の変数BDが値CおよびWとなっている
輪郭画素、つまり空白画素に隣接する輪郭画素および骨
格画素を対象としてラスタライズを実行する(ステップ
S420)。後行ノズルが非対応ノズルの場合、先行ノ
ズルは対応ノズルとなっており、他色画素に隣接する輪
郭画素にドットは形成されないため、後行ノズルによる
ドットの形成対象とする。空白画素に隣接する輪郭画素
および骨格画素をドットの形成対象とする理由はステッ
プS418と同じである。
【0116】ベタ領域内の画素については、多値化処理
において結果値RDに変数BDの値が代入されている。
従って、以上の処理でラスタライズされたデータがノズ
ルに供給されると、ベタ領域の画素の濃度レベルに応じ
たインク量でドットが形成される。画素の濃度レベルが
高くなるほど、つまりベタ領域の中央部に近づく程、イ
ンク量の多いドットが形成される。また、骨格画素に
は、先行ノズルと後行ノズルの双方によりドットが形成
される。もちろん、骨格画素に対し、いずれか一方のノ
ズルによってのみインクを吐出するようにしても構わな
い。
【0117】CPU81は以上の処理を全ノズルについ
て実行し(ステップS414)、ラスタライズ処理ルー
チンを終了する。こうしてプリンタ22に転送するデー
タが用意されると、CPU81はそのデータを順次プリ
ンタ22に出力する(図10のステップS500)。プ
リンタ22は、このデータを受け取って各画素にそれぞ
れのドットを形成し、画像を印刷する。
【0118】以上の処理によりドットを形成する様子を
図17に例示する。図17は、図15に示した画像につ
いて、上方のラスタR1〜R4までにドットを形成する
様子を示している。図17(a)はこれらのラスタのそ
れぞれについて先行ノズルおよびC,M,Yのノズルの
主走査が終了した時点で形成されたドットを示してい
る。
【0119】図中の白抜きの丸印は他色画素を示してい
る。これらの画素については、図14のステップS40
6の処理に基づき、ヘッドの往復動で全てのドットが形
成される。ベタ領域内では、両側に隣接する画素がとも
にベタ領域内に含まれる画素についてのみドットが形成
される。図17(a)では、かかる条件を満たす画素
を、ハッチングおよび数字の「2」を付したドットで示
した。ハッチングを付したドットは輪郭画素を意味して
いる。数字の「2」を付したドットは濃度レベル2の骨
格画素を意味している。輪郭画素には、Kのノズルから
吐出される最小のインク量(12.5ng)でドットが
形成される。レベル2の骨格画素には、15ngのイン
ク量でドットが形成される。図17(a)において、破
線でドットを示した画素は、先行ノズルではドットが形
成されない。
【0120】図17(b)は後行ノズルの主走査が終了
した時点で形成されたドットの様子を示している。C,
M,Yには後行ノズルが存在しないため、他色画素(図
中の白抜きの丸印)に形成されるドットは、図17
(a)と図17(b)とで一致している。図17(b)
では、ベタ領域に形成されるドットが相違する。まず、
図17(a)において破線でドットを示した画素に新た
にドットが形成される。この画素は輪郭画素であり、最
小のインク量でドットが形成される。図17(b)では
細かいハッチングを付して示した。これと同時に図17
(b)では、先行ノズルによりドットが形成されたベタ
領域内の骨格画素について再度インクが吐出される。図
17(b)ではかかるドットを塗りつぶして示した。
【0121】以上で説明した本実施例の印刷装置によれ
ば、図15に示した通り、ベタ領域内の画素に対して、
中央部に行く程多くのインクを吐出して印刷を行うこと
ができる。また、先行ノズルと後行ノズルの双方により
インクを吐出することができる。この結果、ベタ領域内
に吐出されるインクの量を全体として増やすことがで
き、該領域の濃度およびコントラストを向上して、鮮明
な印刷を実現することができる。
【0122】また、本実施例の印刷装置は、ベタ領域内
の輪郭画素では、比較的少量のインクを1回だけ吐出す
ることによって、ベタ領域の外部ににじみが生じること
を抑制することができる。従って、にじみによる画質の
低下を招くことなく、ベタ領域の濃度を向上し、鮮明な
画像を印刷することができる。
【0123】プリンタ22は、Kのノズルを他の色のノ
ズルよりも多く備えることにより、先行ノズルと後行ノ
ズルとを用いて骨格画素のドットを形成することができ
る。このため、本実施例の印刷装置は、印刷速度を低下
させることなく、ベタ領域の濃度を向上することができ
る。
【0124】本実施例の印刷装置は、図17に示した通
り、空白画素に隣接する輪郭画素は、後行ノズルで形成
する。また、他色画素に隣接する輪郭画素は非対応ノズ
ルで形成する。かかる方法でドットを形成することによ
り、本実施例の印刷装置は、先に説明した作用に基づい
て、ベタ領域のにじみおよび混色を抑制しつつ、濃度お
よびコントラストを向上し、鮮明な画像を印刷すること
ができる。
【0125】上述の実施例では、ブラックのベタ領域に
ついて濃度を向上するための印刷を実行した。これに対
し、その他の色について同様の方法で濃度を向上するも
のとしてもよい。当然、複数の色について濃度を向上す
るための印刷を行うものとしてもよい。
【0126】上述の実施例では、ブラックのノズルを他
色のノズルよりも多く備えるプリンタ22を適用した。
当然、全色について同数のノズルを備えるプリンタに適
用することも可能である。かかる場合、ベタ領域にイン
クを吐出する回数を他の画素よりも増やすものとすれば
印刷速度の低下を免れないため、インク量のみを増やす
態様で適用することがより望ましい。
【0127】上述の実施例では、インク量の異なるドッ
トを形成可能なヘッドを用いた場合を例にとって説明し
た。これに対し、一定量のインクを吐出するヘッドを用
いるものとしてもよい。かかる場合でも骨格画素に2回
インクを吐出することにより、ベタ領域の濃度を向上す
ることができる。もちろん、骨格画素へのインクの吐出
回数を更に増やすものとしてもよいし、ベタ領域の中央
部に近づくほど吐出回数を増やすものとしてもよい。
【0128】上述の実施例では、文字印刷モードを含む
カラー印刷モードにおいて、Kのノズルを駆動する駆動
波形は、モノクロ印刷モードにおける駆動波形と異なる
ものとした。これは、文字印刷モードにおいて、骨格画
素に最大のインク量で2回インクを吐出しても印刷用紙
が破れたりしない範囲でインク量を設定したことによる
ものである。Kのノズルから吐出するインク量は種々の
値に設定可能であり、両者を統一してもよい。両者を統
一すれば、駆動波形の出力部を減らすことができ、印刷
装置のコストを低減することができる。
【0129】(3)第2実施例:次に、本発明の第2実
施例としての印刷装置について説明する。第2実施例の
印刷装置はハードウェア構成としては、第1実施例と同
じである。また、ドット形成制御処理ルーチンも第1実
施例(図10)と同じである。第2実施例では、ベタ領
域判定処理ルーチンの内容が第1実施例と相違する。
【0130】第2実施例におけるベタ領域判定処理ルー
チンのフローチャートを図18に示す。この処理は第1
実施例と同様、コンピュータ90内のCPU81が実行
する処理である。この処理が開始されると、CPU81
は、判定画素(ix,iy)のデータを入力し(ステッ
プS602)、その階調値R,G,Bが全て値0である
か否かを判定する(ステップS604)。ここまでの処
理は第1実施例と同様である。
【0131】階調値R,G,Bが全て値0である場合に
は、CPU81はベタ領域テーブルに記憶される変数B
Dに値1を代入する(ステップS605)。第1実施例
では、ベタ領域内の画素について、外縁からの距離に応
じて濃度レベルを設定したが、第2実施例では濃度レベ
ルの設定は行わない。
【0132】一方、R,G,Bのいずれかの階調値が値
0でない場合には、判定画素に対して主走査方向に隣接
する画素のデータを入力する(ステップS630)。次
に、隣接するいずれかの画素の階調値R,G,Bが全て
値0であるか否かを判定し(ステップS632)、階調
値R,G,Bが値0となる画素が隣接していない場合に
は、ベタ領域と関連がない画素であることを意味する値
0を変数BDに代入する(ステップS636)。
【0133】対象画素がベタ領域に隣接する場合には、
対象画素の階調値R,G,Bが全て値255であるか否
か、つまり空白画素であるか否かを判定する(ステップ
S634)。対象画素が空白画素であると判定された場
合には、変数BDに空白画素を意味する値Wを代入する
(ステップS638)。対象画素のいずれかの階調値
R,G,Bが値255でない場合は、変数BDに他色画
素を意味する値Cを代入する(ステップS640)。以
上の処理を全画素について実行し(ステップS62
6)、ベタ領域判定処理ルーチンを終了する。
【0134】次にCPU81は第1実施例と同様(図1
0参照)、色補正処理(ステップS295)、多値化処
理(ステップS300)を実行する。これらの処理内容
は第1実施例と同様である。多値化されたデータのラス
タライズ(ステップS400)も第1実施例とほぼ同様
の処理であるが、第1実施例ではヘッドの往動時には奇
数番目の画素を形成し、復動時には偶数番目の画素を形
成していたのに対し、第2実施例では、往動および復動
の双方でベタ領域の全画素を形成するようにラスタライ
ズを実行する。つまり、各画素には先行ノズルの往復動
時、後行ノズルの往復動時の合計4回に亘ってインクが
吐出されることになる。こうして処理されたデータはプ
リンタ22に出力される(ステップS500)。プリン
タ22はかかるデータを受け取り、印刷を実行する。
【0135】第2実施例によりドットが形成される順序
は、第1実施例について図17に示したのと同じであ
る。但し、第1実施例では、ベタ領域の内部に近づくに
つれてインク量を増やしてドットを形成したが、第2実
施例ではベタ領域内でインク量は一定である。第2実施
例では、ベタ領域内に最大のインク量、即ち20ngで
インクが吐出される。上述の通り、第2実施例ではベタ
領域内の各画素に4回インクが吐出されるから、合計8
0ngのインクが吐出される。もちろん、空白画素およ
び他色画素に隣接する輪郭画素については先行ノズルま
たは後行ノズルの一方によってのみドットが形成される
から、合計40ngのインクが吐出される。
【0136】本実施例のプリンタ22はモノクロ印刷時
には、40ngのインクを吐出して画像を印刷する。こ
のインク量が、インクデューティに基づいて設定された
基準の量である。第2実施例の文字印刷モードにおいて
ベタ領域に吐出されるインク量は上述の通り80ngで
あり、標準のインク量を大きく上回る。また、かかるイ
ンク量は骨格画素、輪郭画素の区別なく吐出される。
【0137】以上で説明した第2実施例の印刷装置は、
ベタ領域の画素について1回当たりに吐出するインク量
を標準のインク量よりも少なくするとともに、インクを
2回吐出することによって、合計で標準状態よりも多く
のインク量を吐出する。第2実施例の印刷装置は、多量
のインクを吐出することによりベタ領域の濃度を向上す
ることができる。また、1回当たりに吐出されるインク
量を抑制することにより、第2実施例の印刷装置は、ベ
タ領域のにじみを抑制することができる。にじみを抑制
することができる効果について、その理由は完全に明ら
かではないが、以下の通りと考えられる。
【0138】にじみは印刷用紙を構成する繊維間の微細
な空間に基づき、いわゆる毛細管現象によってインクが
広がることが原因と考えられる。インクを少量に分けて
複数回で吐出した場合、1回目に吐出されたインクが乾
燥することによって、印刷媒体中の微細な空間をある程
度塞ぐ作用を奏する。この結果、2回目以降に吐出され
たインクは1回目のインクに比べて毛細管現象による広
がりが生じにくくなり、全体としてにじみが抑制され
る。また、インクは液体であるため、表面張力がある。
インクを複数回に分けて吐出した場合、2回目に吐出さ
れたインクは表面張力により1回目に吐出されたインク
に引っ張られる傾向にあり、にじみが抑制されるとも考
えられる。
【0139】第2実施例の印刷装置は、上記作用に基づ
き、1回当たりに吐出されるインク量を抑制することに
より、ベタ領域のにじみを抑制することができる。ま
た、該領域に合計で吐出されるインク量を標準状態より
も多くすることができ、ベタ領域全体の濃度およびコン
トラストを向上することができる。第2実施例の印刷装
置は、これらの作用によって鮮明な画像を印刷すること
ができる。
【0140】第2実施例の印刷装置では、ベタ領域内の
画素について濃度レベルを設定することなく印刷を実行
した。これに対して濃度レベルを判定し、印刷を行って
もよい。例えば、ベタ領域の中央部に近づくにつれてイ
ンクの吐出回数を増やすものとしてもよい。また、ベタ
領域の中央部に近づくにつれてインク量を増やすものと
してもよい。例えば、輪郭画素に対しては、少量のイン
ク量12.5ngを4回吐出し、中央部に近づくにつれ
て15ng、17.5ng、20ngのインクをそれぞ
れ4回吐出するようにしてもよい。こうすれば、ベタ領
域におけるにじみをより適切に防止しつつ、濃度を向上
することができる。もちろん、第2実施例においても文
字印刷モードとモノクロ印刷モードでKの駆動波形を一
致させることも可能である。
【0141】第1実施例と第2実施例とを組み合わせて
適用することもできる。例えば、輪郭画素については、
第2実施例で示した印刷方法を実行し、骨格画素につい
ては第1実施例の印刷方法を実行するものとしてもよ
い。つまり、輪郭画素には標準状態よりも少ないインク
量を複数回吐出し、骨格画素には多量のインクを吐出す
るものとしてもよい。この場合、骨格画素へのインクの
吐出回数を輪郭画素と同じまたは多くしてもよいし、輪
郭画素よりも少なくしてもよい。
【0142】上述の実施例ではピエゾ素子を備えるイン
クジェットプリンタを例に説明したが、いわゆるノズル
に備えたヒータに通電することによりインク内に生じる
バブルでインクを吐出するタイプのプリンタを始め種々
のプリンタその他の印刷装置に適用可能である。
【0143】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。例えば、上記実施例で説明した種々の
制御処理は、その一部または全部をハードウェアにより
実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベタ領域内の画素を示す説明図である。
【図2】実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図3】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図4】プリンタの概略構成図である。
【図5】プリンタにおけるドット形成原理を示す説明図
である。
【図6】プリンタにおけるノズル配置例を示す説明図で
ある。
【図7】プリンタから吐出されるインク量を変える原理
を説明する説明図である。
【図8】駆動波形とドットの形成位置の関係を示す説明
図である。
【図9】プリンタの制御装置の内部構成を示す説明図で
ある。
【図10】ドット形成制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図11】ベタ領域判定処理ルーチンのフローチャート
である。
【図12】多値化処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図13】拡散誤差の重みを示す説明図である。
【図14】ラスタライズ処理ルーチンのフローチャート
である。
【図15】ベタ領域内の濃度レベルについて示す説明図
である。
【図16】ノズル数とラスタとの対応関係を示す説明図
である。
【図17】ドットの形成の様子を示す説明図である。
【図18】第2実施例のベタ領域判定処理ルーチンのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
12…スキャナ 14…キーボード 15…CD−ROMドライブ 16…ハードディスク 18…モデム 22…カラープリンタ 23…モータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 28…インク吐出用ヘッド 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御装置 45…周辺入出力部 46…タイマ 47…駆動用バッファ 48…バス 51,52,53…発信器 55…分配出力器 61〜64…インク吐出用ヘッド 68…インク通路 71…カートリッジ 72…カラーインク用カートリッジ 80…バス 84…入力インターフェイス 85…出力インタフェース 87…ディスクコントローラ 88…シリアル入出力インタフェース 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…レンダリングモジュール 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…ラスタライザ 101…ベタ領域検出部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/40 H04N 1/40 F Fターム(参考) 2C056 EA11 ED01 ED05 EE08 EE14 FA04 2C057 AF39 AF91 AG15 AG44 BA04 BA14 CA01 CA05 2H086 BA51 5C074 AA02 AA05 BB16 CC26 DD04 DD11 DD16 DD23 DD27 DD28 FF02 FF03 GG08 5C077 LL02 LL19 MP05 NN02 NN08 NN11 PP03 PP15 PP32 PP33 PP37 PP38 PQ12 PQ22 SS02 TT05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するヘッドによりドットを
    印刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷装置であっ
    て、 所定色のドットで形成されるベタ領域内の各画素が、該
    領域の外縁に位置する画素である境界画素であるか、そ
    の他の画素である骨格画素であるかを判定する骨格画素
    判定手段と、 前記ヘッドの駆動を制御し、前記骨格画素には前記輪郭
    画素よりも多くのインクを吐出して、前記ベタ領域を形
    成する形成手段とを備える印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記骨格画素判定手段は、前記骨格画素について、併せ
    て前記ベタ領域の外縁からの距離を判定する手段であ
    り、 前記形成手段は、前記骨格画素に吐出されるインク量を
    前記距離の増大とともに増加させて前記ベタ領域を形成
    する手段である印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記所定色は黒である請求項1記載の印
    刷装置。
  4. 【請求項4】 所定の印刷モードが指示された場合に
    は、前記骨格画素判定手段および形成手段を用いて前記
    ベタ領域を形成し、その他の場合には骨格画素か輪郭画
    素かに基づくインク量の変更を施すことなく前記ベタ領
    域を形成する請求項1記載の印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは異なるインク量でドットを形成可能なヘッ
    ドであり、 前記形成手段は、前記ヘッドを1回駆動するごとに吐出
    されるインク量を、前記骨格画素において前記輪郭画素
    よりも増やす手段である印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記形成手段は、インクの吐出回数を、
    前記骨格画素においては前記輪郭画素よりも増やす請求
    項1記載の印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、複数色のインクを吐出可能であり、か
    つ、前記所定色のインクを吐出するノズルをその他の色
    のノズルよりも多く備えるヘッドである印刷装置。
  8. 【請求項8】 インク量の異なるドットを形成可能なヘ
    ッドにより、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷
    する印刷装置であって、 印刷モードを入力する入力手段と、 所定色のドットで形成されるベタ領域内の画素であるか
    否かを判定するベタ領域判定手段と、 所定の印刷モードが指定された場合には、前記ベタ領域
    内の画素について、1回当たりのインクの吐出量をその
    他の印刷モードの場合よりも少なくするとともに、該画
    素に対するインクの吐出回数を増やしてドットを形成す
    る形成手段とを備える印刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、複数色のインクを吐出可能であり、か
    つ、前記所定色のインクを吐出するノズルをその他の色
    のノズルよりも多く備えるヘッドである印刷装置。
  10. 【請求項10】 請求項1または請求項8記載の印刷装
    置であって、 前記ヘッドを一方向に往復動しつつ、該方向に並ぶドッ
    トを順次形成する主走査手段と、 前記輪郭画素について、前記一方向において隣接する画
    素の一方がいずれのドットも形成されない空白画素であ
    り、他方が前記ベタ領域内の画素となっている条件を満
    たすか否かを判定する手段と、 前記主走査手段を制御して、前記条件を満たす輪郭画素
    には、前記他方の画素に少なくとも1回インクが吐出さ
    れて以降にインクを吐出する制御手段とを備える印刷装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1または請求項8記載の印刷装
    置であって、 前記ヘッドを一方向に往復動しつつ、該方向に並ぶドッ
    トを順次形成する主走査手段と、 前記輪郭画素について、前記一方向において隣接する画
    素の一方は前記所定色以外のドットが形成される他色画
    素である条件を満たすか否かを判定する手段と、 前記主走査手段を制御して、前記条件を満たす輪郭画素
    および前記他色画素には吐出されたインクが乾燥可能な
    時間を隔ててそれぞれインクを吐出する制御手段とを備
    える印刷装置。
  12. 【請求項12】 インクを吐出するヘッドによりドット
    を印刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷方法であっ
    て、(a) 所定色のドットで形成されるベタ領域内の
    各画素が、該領域の外縁に位置する画素である境界画素
    であるか、その他の画素である骨格画素であるかを判定
    する工程と、(b) 前記ヘッドの駆動を制御し、前記
    骨格画素には前記輪郭画素よりも多くのインクを吐出し
    て、前記ベタ領域を形成する工程とを備える印刷方法。
  13. 【請求項13】 インク量の異なるドットを形成可能な
    ヘッドにより、印刷媒体上にドットを形成して画像を印
    刷する印刷方法であって、(a) 印刷モードを入力す
    る入力手段と、(b) 所定色のドットで形成されるベ
    タ領域内の画素であるか否かを判定する工程と、(c)
    所定の印刷モードが指定された場合には、前記ベタ領
    域内の画素について、1回当たりのインクの吐出量をそ
    の他の印刷モードの場合よりも少なくするとともに、該
    画素に対するインクの吐出回数を増やしてドットを形成
    する工程とを備える印刷方法。
  14. 【請求項14】 インクを吐出するヘッドによりドット
    を印刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷装置に供給
    する印刷データを生成するためのプログラムをコンピュ
    ータ読み取り可能に記録した記録媒体であって、 各画素ごとに階調値を有する画像データを入力する機能
    と、 所定色のドットで形成されるベタ領域内の各画素が、該
    領域の外縁に位置する画素である境界画素であるか、そ
    の他の画素である骨格画素であるかを判定する機能と、 前記骨格画素に吐出されるインク量が前記輪郭画素に吐
    出されるインク量よりも多くなるように、前記ベタ領域
    の印刷データを設定する機能とを実現するプログラムを
    記録した記録媒体。
  15. 【請求項15】 インク量の異なるドットを形成可能な
    ヘッドにより、印刷媒体上にドットを形成して画像を印
    刷する印刷装置に供給する印刷データを生成するための
    プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録
    媒体であって、 印刷モードを入力する機能と、 所定色のドットで形成されるベタ領域内の画素であるか
    否かを判定する機能と、 所定の印刷モードが指定された場合には、前記ベタ領域
    内の画素について、1回当たりのインクの吐出量をその
    他の印刷モードの場合よりも少なくするとともに、該画
    素に対するインクの吐出回数を増やす印刷データを設定
    する機能とを実現するプログラムを記録した記録媒体。
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