JP2000071439A - 画像処理装置および方法並びに記録媒体 - Google Patents

画像処理装置および方法並びに記録媒体

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JP2000071439A
JP2000071439A JP10260836A JP26083698A JP2000071439A JP 2000071439 A JP2000071439 A JP 2000071439A JP 10260836 A JP10260836 A JP 10260836A JP 26083698 A JP26083698 A JP 26083698A JP 2000071439 A JP2000071439 A JP 2000071439A
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dots
dot
density evaluation
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JP10260836A
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Shigeaki Sumiya
繁明 角谷
Koichi Yoshizawa
孝一 吉澤
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3値以上の多値化を行う場合、低階調領域に
おいて、階調値の変化に対する小ドットの増加率が高く
画質を損ねることがあった。 【解決手段】 画像データを入力し、該データの色補正
を行った後、3値化を行う画像処理装置をコンピュータ
により構成する。色補正後の階調値とインク重量の関係
につき、低階調領域においてインク重量の変化率が低く
なる非線形な状態に色補正テーブルを設定しておく。か
かるテーブルを用いて色補正をすれば、低階調領域にお
いて、表現されるべき濃度が階調値の変化に対して緩や
かに変化するデータを生成できる。従って、該データを
多値化すれば、階調値の変化に対する小ドットの変化率
が緩やかになる。この結果、低階調領域において画像の
粒状感の変化および画像の濃度の変化を滑らかにするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種類以上のドッ
トの形成の有無を判定して、入力された画像データを3
値以上に多値化する画像処理装置、画像処理方法および
そのためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンピュータの出力装置とし
て、ヘッドに備えられた複数のノズルから吐出される数
色のインクによりドットを形成して画像を記録するイン
クジェットプリンタが提案されており、コンピュータ等
が処理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いら
れている。かかるプリンタでは、通常、各画素ごとには
ドットのオン・オフの2階調しか採り得ない。従って、
原画像データの有する階調をドットの分散性により表現
するための画像処理、いわゆるハーフトーン処理を施し
た上で画像を印刷する。
【0003】近年では、階調表現を豊かにするために、
各画素ごとにオン・オフの2値よりも多い階調表現を可
能としたインクジェットプリンタ、いわゆる多値プリン
タが提案されている。例えば、ドット径やインク濃度を
変化させることにより各ドットごとに3種類以上の濃度
を表現可能としたプリンタや各画素ごとに複数のドット
を重ねて形成することにより多階調を表現可能としたプ
リンタである。かかるプリンタであっても各画素単位で
は原画像データの有する階調を十分表現し得ないため、
ハーフトーン処理が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、3値以上の多
値化に関し、従来、ドットの種類ごとの濃度の差を十分
考慮した多値化は検討されていなかった。従来考えられ
ていた多値化の方法では、以下に示す通り、豊かな階調
表現を画質に十分反映しきれないという課題があった。
なお、本明細書では以下、多値化という用語を3値以上
の多値化に限定して用いるものとする。2値の多値化は
以下、2値化と呼ぶものとする。
【0005】従来より、画像データは階調値と表現され
るべき濃度とがほぼ線形の関係にあるデータであり、こ
の関係に基づいて2値化が行われていた。従って、単一
のドットのオン・オフを判定する2値化の場合には、階
調値が1増えるごとにほぼ一定の割合で形成されるドッ
トの数が増えていた。もちろん、ドットが新たにひとつ
形成されることによる濃度の増加は、ドットの密度によ
っても異なるため、完全に一定の割合で増加するとはい
えないが、基本的には上述の考え方で2値化が行われて
いた。
【0006】3値以上の場合も上述した2値化の考え方
を踏襲して多値化が行われていた。ドットひとつあたり
の濃度が高い「濃ドット」と、濃度が低い「淡ドット」
が用意されている3値化を例にとって説明する。階調値
が比較的低い低階調領域では主として淡ドットが形成さ
れ、高階調領域では主として濃ドットが形成される。一
つのドットあたりで表現される濃度は、淡ドットが濃ド
ットの半分だったとする。いずれの領域においても、階
調値が変化することにより表現される濃度は一様に増加
するように多値化を行う。このとき、高階調領域では、
階調値が1増えるごとに濃ドットは所定の割合a個ずつ
増える。淡ドットは濃ドットの半分の濃度しか表現し得
ないから、低階調領域では、階調値が1増えるごとに淡
ドットは濃ドットの倍の2a個ずつ増える。
【0007】従来は、このような考え方に基づいて、階
調値ごとに各ドットの記録率を設定していた。従って、
低階調領域では、階調値の増加につれて淡ドットの記録
率が急激に増加していた。従来の多値化における記録率
の設定の例を図19に示す。図19は一つのドットあた
りで表現される濃度が異なる3種類のドット、つまり小
ドット、中ドット、大ドットについて、記録率を示した
グラフである。図示する通り、低階調領域における小ド
ットの記録率は階調値の変化に対して急激に増加してい
る。
【0008】小ドットの記録率がこのように急激に増加
していたことによって、低階調領域では階調値のわずか
の変化で形成されるドットの数が大きく変化していた。
小ドットは視認性が比較的低いドットであるとはいえ、
形成されるドットの数が急激に変化すれば、画像の粒状
感が大きく変化する。階調値が変化した部分においてド
ットの数が急変することにより、いわゆる疑似輪郭が視
認されることもあった。従来は、このように階調値に応
じてドット数が大きく変化することによって画質が損な
われることがあった。
【0009】また、このように小ドットが急激な割合で
増加した場合、小ドットを用いて表現可能な濃度を活用
していないことにもなる。例えば、階調値が1増えるご
とに小ドットが3つずつ増えるように図19の記録率が
設定されていた場合、小ドットの数を1つまたは2つ増
やすことによって表現可能な微妙な濃度は活用されない
ことになる。従来の画像処理では、このように、プリン
タが有する階調表現の能力を十分活用しているとはいえ
ず、さらに高画質化を図る余地が残っていた。
【0010】上述の課題点は、ドットの記録率を設定す
るデータという観点から次のように捉えることもでき
る。例えば、図19に示すように各ドットの記録率を設
定した場合を考える。記録率および階調値は、それぞれ
8ビット、すなわち値0〜255の範囲の整数で与えら
れているものとする。ところが、小ドットの記録率は階
調値の変化に対し急激に増加しているから、値0〜25
5の範囲中の離散的な限られた値しか取り得なかった。
この結果、小ドットの記録率は、8ビットのデータ量を
有していながら、それよりも少ないビットで表し得る程
度の情報しか設定されていなかった。これは、小ドット
の記録率を細かく変化させることにより表現可能な濃度
を十分活用できなかったことを意味する。
【0011】このように従来の多値化では、低階調の領
域で主として使用されるドットによる階調表現を十分に
活用することができなかった。また、場合によってはこ
うした階調領域で画質を損ねることもあった。上記説明
において、小ドットを中心に説明したのは、小ドットが
用いられる比較的低階調領域における階調表現が画質に
大きな影響を与えるからである。画質に与える影響の大
小の差こそあるものの、その他のドットが形成される領
域においても同様の課題は生じていた。また、プリンタ
のみならず、各画素ごとに3値以上の濃度を表現可能な
種々の印刷装置においても同様の課題が生じていた。上
述した課題は、多階調からなる画像データを多値化し
て、これらの種々の印刷装置に対し提供する画像処理装
置に対する課題である。
【0012】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、2種類以上のドットの形成の有無を
判定して、入力された画像データを3値以上に多値化す
る画像処理技術において、各ドットごとの濃度差を考慮
した多値化を行うことによって、階調表現に優れた高画
質な印刷を可能とする画像処理技術を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、
次の構成を採用した。本発明の画像処理装置は、2種類
以上のドットの形成の有無を判定して、入力された画像
データを3値以上に多値化する画像処理装置であって、
画像データを入力する入力手段と、階調値と濃度評価値
について設定された所定の関係と、前記画像データに応
じて表現されるべき濃度評価値とに基づいて、前記画像
データを前記階調値からなるデータに変換する変換手段
と、該変換後の階調値に基づいて3値以上の多値化を行
う多値化手段とを備え、前記所定の関係は、階調値と濃
度評価値について、階調値に対する濃度評価値の変化率
が、少なくとも低階調領域においては、該領域で主とし
て増加するドットの濃度評価値に対応した値となるよう
に設定された関係であることを要旨とする。
【0014】かかる画像処理装置によれば、入力された
画像データを別の階調値に一旦変換した上で多値化を行
う。少なくとも低階調領域において、変換後の階調値の
各領域ごとにおける濃度評価値の変化率は、該領域で主
として増加するドットの濃度評価値に対応した傾きとな
っている。例えば、低階調領域において濃度評価値が低
いドット(淡ドットとよぶ)が主として増加する場合、
かかる領域では前記変化率を低く設定する。低階調領域
とは、形成されるドット数の変化が画質に影響を与えや
すい、いわゆるハイライトの領域をいう。その範囲は、
該領域で形成されるドットの種類に応じて、画質への影
響を考慮して定められる。
【0015】階調値と濃度評価値との関係が上述した関
係にあるデータに変換した上で多値化を行うものとすれ
ば、少なくとも低階調領域において主として増加するド
ットの増加率を、画質の面からみて適切な値に制御する
ことができる。例えば、小ドットが主として増加する領
域で濃度評価値の変化率が低くなるように階調値と濃度
評価値との関係が設定されていれば、かかる領域では、
階調値が1増えるごとの小ドットの数の増加を抑制する
ことができる。
【0016】従って、本発明の画像処理装置は、少なく
とも低階調領域において、ドット数の変化に起因する画
像の粒状感の急激な変化、および濃度の急激な変化を制
御することができる。かかる処理に基づいて多値化され
たデータを用いて印刷を実行すれば、粒状感および階調
値がなめらかに変化する高画質な印刷が可能となる。
【0017】本発明の画像処理装置では、各階調領域に
おいて主として増加するドットの濃度評価値に対応した
値となるように、階調値と濃度評価値の変化率との関係
を設定している。これば、必ずしも上記ドットの種類に
応じて、変化率が一定値になることを意味してはいな
い。例えば、低階調領域において主として増加するドッ
トが淡ドットである場合、かかる領域内で上記変化率が
徐々に変化するものとしてもよい。
【0018】上述した変換手段は、画像処理の種々の段
階で適用することができる。多色の画像データを処理す
る場合、入力された画像データの色系を出力機器である
印刷装置の色系に適合するための色補正処理を施してか
ら多値化処理を行うのが通常である。かかる場合には、
上記変換手段をこの色補正処理と同時に行うものとする
ことができる。当然、色補正後のデータに対して新たに
変換手段による処理を施すものとしてもよい。また、多
色の画像データのみならず、単色の画像データに対し
て、かかる変換処理を施すことができるのは当然であ
る。
【0019】前記発明の画像処理装置において、低階調
領域のみならず、その他の領域においても、各領域ごと
に主として増加するドットの濃度評価値に応じて、前記
変化率を設定するものとしてもよい。例えば、前記階調
値と前記主として増加するドットとの関係は、階調値が
大きくなるにつれて各ドットあたりに表現される濃度評
価値が増大する関係にあり、前記所定の関係は、前記変
化率が、階調値の各領域ごとに主として増加するドット
の濃度評価値に対応して、階調値の増加とともに大きく
なる関係であるものとすることができる。
【0020】各領域ごとに主として増加するドットの濃
度評価値は変化するから、上記画像処理装置では、階調
値と濃度評価値との関係は非線形となる。例えば、低階
調領域では淡ドットが主として増加し、高階調領域では
濃ドットが主として増加する場合、低階調領域では濃度
評価値の変化率が低く、高階調領域では変化率が高くな
るように設定することができる。このように設定すれ
ば、低階調領域においてえは、先に説明した作用によっ
て高画質な画像処理が可能となる。また、高階調領域に
おいては、階調値が1増えることによりドット数が着実
に増加し、階調値の変化を反映した表現が可能となる。
高階調領域で濃度変化率を低く設定した場合は、階調値
が変化しても形成されるドットの数が変化しない可能性
があるが、上記発明の画像処理装置では、かかる現象を
回避することができるのである。従って、上記画像処理
装置によれば、低階調の領域から高階調の領域まで、ド
ット数の変化を適切に制御し、高画質な画像処理を実現
することができる。
【0021】一方、本発明の画像処理装置は、濃度評価
値と階調値との関係が非線形の場合のみに限定されるも
のではない。例えば、前記階調値と前記主として増加す
るドットとの関係は、階調値が大きくなるにつれて各ド
ットあたりに表現される濃度評価値が増大する関係にあ
り、前記所定の関係は、前記変化率が、階調値の各領域
ごとに主として増加するドットの濃度評価値に対応し
て、階調値の増加とともに大きくなる関係であるものと
することができる。
【0022】かかる画像処理装置では、濃度評価値の最
大値を抑制することにより低階調領域での変化率を低減
する。従来、最大の階調値に対する濃度評価値が値eで
あったとすると、本画像処理装置では、該階調値に対す
る濃度評価値をそれよりも小さな値c・e(cは0≦c
<1なる実数)に設定するのである。このように設定す
れば、階調値と濃度評価値の関係が線形であっても低階
調領域における変化率を低減することができ、先に説明
した作用に基づいて高画質な画像処理を実現することが
できる。上述の係数cは、低階調領域において主として
増加するドットの濃度評価値に対応して設定することに
なる。もちろん、かかる画像処理装置において、階調値
と濃度評価値との関係を非線形に設定するものとしても
構わない。なお、上記画像処理装置では、濃度評価値の
最大値を低くしたことに伴って、印刷の解像度を高くし
てドットを形成する数を増やすなどの方法により、印刷
された画像の濃度の補償を行っておくことが望ましい。
【0023】各領域における変化率の設定も種々可能で
あり、例えば、少なくとも低階調側の領域では、前記変
換手段で用いられる関係における前記変化率は、前記主
として増加するドット当たりに表現可能な濃度評価値に
ほぼ等しい値に設定することが望ましい。
【0024】さらに、この場合には、前記多値化手段
は、少なくとも低階調側の領域では、前記主として増加
するドットの数の前記階調値に対する増加率が略1にな
る条件下で前記多値化を行う手段であるものとすること
が好ましい。
【0025】低階調の領域では、ドット数の変化に起因
する画像の粒状感の変化が目立ちやすい傾向にある。上
述した関係で、濃度評価値の変化率を設定しておけば、
少なくとも低階調の領域においては、階調値の変化に応
じて緩やかな割合でドットが増加する。また、ドットの
増加率が略1となっていれば、階調値の変化に対して着
実にドットが形成され、それぞれの階調値を適切に表現
可能となる。従って、上記設定に基づく画像処理装置に
よれば、低階調領域における粒状感の変化を滑らかにす
るとともに、きめの細かい階調表現を可能にして、画質
を向上することができる。
【0026】以上で説明した本発明の画像処理装置が対
象とする2種類以上のドットとしては、濃度の異なるイ
ンクを用いて形成されるドットや、異なるインク重量で
形成されるドットなどが挙げられる。濃度評価値も種々
のパラメータを評価値として使用することができる。例
えば、前記2種類以上のドットがインク重量の異なるド
ットである場合には、前記濃度評価値は、インク重量に
よって代表される値とすることができる。
【0027】本発明の画像処理装置は、次に示す通り、
画像処理方法の発明として構成することもできる。2種
類以上のドットの形成の有無を判定して、入力された画
像データを3値以上に多値化する画像処理方法であっ
て、(a) 画像データを入力する工程と、(b) 階
調値と濃度評価値について設定された所定の関係と、前
記画像データに応じて表現されるべき濃度評価値とに基
づいて、前記画像データを前記階調値からなるデータに
変換する工程と、(c) 該変換後の階調値に基づいて
3値以上の多値化を行う工程とを備え、前記所定の関係
は、階調値と濃度評価値について、階調値に対する濃度
評価値の変化率が、少なくとも低階調領域においては、
該領域で主として増加するドットの濃度評価値に対応し
た値となるように設定された関係である画像処理方法で
ある。かかる方法により画像処理を実行すれば、先に述
べた作用に基づいて、高画質な画像処理を実現すること
ができる。
【0028】また、本発明は次に示す態様で構成するこ
ともできる。入力された画像データの階調値を、所定の
テーブルに基づいて別の階調値からなるデータに一旦変
換した上で、2種類以上のドットの形成の有無を判定し
て3値以上に多値化する画像処理方法に用いられる前記
テーブルの設定方法であって、(a)前記2種類以上の
ドットを代表する基準ドットを選択する工程と、(b)
前記画像データの階調値に対して前記基準ドットの濃度
評価値を与えるテーブルを設定する工程と、(c)前記
変換後の階調値ごとに表現される濃度評価値の変化率
が、少なくとも低階調領域においては、主として増加す
るドットの濃度評価値に対応した値となるように、該階
調値と該濃度評価値との関係を設定する工程と、(d)
前記テーブルの各濃度評価値を、前記工程(c)により
設定された関係に基づいて与えられる階調値に置換する
ことによって、前記画像データに基づいて該階調値を与
えるテーブルを設定する工程とを備える設定方法であ
る。
【0029】かかる設定方法で設定されたテーブルを用
いれば、先に画像処理装置で説明した態様で画像データ
の階調値を変換することができる。この結果、高画質な
画像処理を実現することができる。なお、前記所定のテ
ーブルは、画像データの階調値を変換するための専用の
テーブルであってもよいし、先に説明した色補正に用い
るテーブルと一体化されたテーブルであってもよい。
【0030】以上で説明した本発明の画像処理装置は、
上記多値化をコンピュータにより実現させることによっ
ても構成することができるため、本発明は、かかるプロ
グラムを記録した記録媒体としての態様を採ることもで
きる。2種類以上のドットの形成の有無を判定して、入
力された画像データを3値以上に多値化するプログラム
をコンピュータ読みとり可能に記録した記録媒体であっ
て、画像データを入力する機能と、階調値と濃度評価値
について、階調値に対する濃度評価値の変化率が、少な
くとも低階調領域においては、該領域で主として増加す
るドットの濃度評価値に対応した値となるように設定さ
れた所定の関係と、前記画像データに応じて表現される
べき濃度評価値とに基づいて、前記画像データを前記階
調値からなるデータに変換する機能と、該変換されたデ
ータの階調値に基づいて3値以上の多値化を行う機能と
を実現するプログラムを記録した記録媒体である。
【0031】上記の各記録媒体に記録されたプログラム
が、前記コンピュータに実行されることにより、先に説
明した本発明の画像処理装置を実現することができる。
なお、記憶媒体としては、フレキシブルディスクやCD
−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカート
リッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷さ
れた印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやR
OMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コンピュー
タが読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、コン
ピュータに上記の画像処理装置の多値化機能を実現させ
るコンピュータプログラムを通信経路を介して供給する
プログラム供給装置としての態様も含む。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例に基づき説明する。 (1)装置の構成:図1は、本発明の一実施例としての
画像処理装置を適用した印刷システムの構成を示すブロ
ック図である。図示するように、コンピュータ90にス
キャナ12とカラープリンタ22とが接続されている。
このコンピュータ90に所定のプログラムがロードされ
実行されることにより画像処理装置として機能する。こ
のコンピュータ90は、プログラムに従って画像処理に
関わる動作を制御するための各種演算処理を実行するC
PU81を中心に、バス80により相互に接続された次
の各部を備える。ROM82は、CPU81で各種演算
処理を実行するのに必要なプログラムやデータを予め格
納しており、RAM83は、同じくCPU81で各種演
算処理を実行するのに必要な各種プログラムやデータが
一時的に読み書きされるメモリである。入力インターフ
ェイス84は、スキャナ12やキーボード14からの信
号の入力を司り、出力インタフェース85は、プリンタ
22へのデータの出力を司る。CRTC86は、カラー
表示可能なCRT21への信号出力を制御し、ディスク
コントローラ(DDC)87は、ハードディスク16や
CD−ROMドライブ15あるいは図示しないフレキシ
ブルドライブとの間のデータの授受を制御する。ハード
ディスク16には、RAM83にロードされて実行され
る各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供され
る各種プログラムなどが記憶されている。
【0033】このほか、バス80には、シリアル入出力
インタフェース(SIO)88が接続されている。この
SIO88は、モデム18に接続されており、モデム1
8を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。コ
ンピュータ90は、このSIO88およびモデム18を
介して、外部のネットワークに接続されており、特定の
サーバーSVに接続することにより、画像処理に必要な
プログラムをハードディスク16にダウンロードするこ
とも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブ
ルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピ
ュータ90に実行させることも可能である。
【0034】図2は本画像処理装置のソフトウェアの構
成を示すブロック図である。コンピュータ90では、所
定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーショ
ンプログラム95が動作している。オペレーティングシ
ステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ9
6が組み込まれており、アプリケーションプログラム9
5からはこれらのドライバを介して、プリンタ22に転
送するための画像データFNLが出力されることにな
る。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログ
ラム95は、スキャナ12から画像を読み込み、これに
対して所定の処理を行いつつビデオドライバ91を介し
てCRTディスプレイ21に画像を表示している。スキ
ャナ12から供給されるデータORGは、カラー原稿か
ら読みとられ、レッド(R),グリーン(G),ブルー
(B)の3色の色成分からなる原カラー画像データOR
Gである。
【0035】このアプリケーションプログラム95が、
印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドラ
イバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム9
5から受け取り、これをプリンタ22が処理可能な信号
(ここではシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各
色についての多値化された信号)に変換している。図2
に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解
像度変換モジュール97と、色補正モジュール98と、
色補正テーブルLUTと、ハーフトーンモジュール99
と、ラスタライザ100とが備えられている。
【0036】解像度変換モジュール97は、アプリケー
ションプログラム95が扱っているカラー画像データの
解像度、即ち単位長さ当たりの画素数をプリンタドライ
バ96が扱うことができる解像度に変換する役割を果た
す。こうして解像度変換された画像データはまだRGB
の3色からなる画像情報であるから、色補正モジュール
98は色補正テーブルLUTを参照しつつ、各画素ごと
にプリンタ22が使用するシアン(C)、マゼンダ
(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のデー
タに変換する。こうして色補正されたデータは例えば2
56階調等の幅で階調値を有している。ハーフトーンモ
ジュール99は、ドットを分散して形成することにより
プリンタ22でかかる階調値を表現するためのハーフト
ーン処理を実行する。本実施例における色補正モジュー
ル98およびハーフトーンモジュール99が、本発明に
おける画像処理装置に含まれる。こうして処理された画
像データは、ラスタライザ100によりプリンタ22に
転送すべきデータ順に並べ替えられて、最終的な画像デ
ータFNLとして出力される。本実施例では、プリンタ
22は画像データFNLに従ってドットを形成する役割
を果たすのみであり画像処理は行っていないが、もちろ
んこれらの処理をプリンタ22で行うものとしても差し
支えない。
【0037】後述する通り、本実施例では、プリンタ2
2に転送される画像データFNLは、各画素ごとのドッ
トの形成に関する4値の情報から構成されている。4値
とは、「多いインク重量で形成されるドット(以下、大
ドットという)の形成」「中間のインク重量で形成され
るドット(以下、中ドットという)の形成」「少ないイ
ンク重量で形成されるドット(以下、小ドットという)
の形成」および「ドットの非形成」の4つの状態を意味
している。本実施例の印刷システムに適用されているプ
リンタ22は、各画素ごとにこれらの4つの状態でドッ
トの記録を行い画像を印刷することができる。
【0038】図3により本実施例に適用されているプリ
ンタ22の概略構成を説明する。図示するように、この
プリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬
送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッ
ジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、
キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動して
インクの吐出およびドット形成を行う機構と、これらの
紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド
28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制
御回路40とから構成されている。
【0039】キャリッジ31をプラテン26の軸方向に
往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、
キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検
出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0040】このプリンタ22のキャリッジ31には、
黒インク(K)用のカートリッジ71とシアン(C),
マゼンタ(M),イエロ(Y)の3色のインクを収納し
たカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。
キャリッジ31の下部の印字ヘッド28には計4個のイ
ンク吐出用ヘッド61ないし64が形成されている。キ
ャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタ
ンクからのインクを導くインク通路68が設けられてい
る。
【0041】図4はインク吐出用ヘッド28の内部の概
略構成を示す説明図である。図示の都合上、黒インク
(K)、シアン(C),マゼンダ(M)を吐出する部分
について示した。実際には、図5の平面図に示す通り、
各色のヘッド61〜64が配列されている。インク用カ
ートリッジ71,72がキャリッジ31に装着される
と、各色のインクは図4に示すインク通路を通じて印字
ヘッド28の各色ヘッド61〜64に供給される。
【0042】ヘッド61ないし64には、複数のノズル
Nzが設けられており、各ノズル毎に電歪素子の一つで
あって応答性に優れたピエゾ素子PEが図4(a)に示
すように配置されている。ピエゾ素子PEは、周知のよ
うに、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に
電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例
では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定
時間幅の電圧を印加することにより、図4(b)に矢印
で示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸
張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結
果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応
じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ip
となって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。こ
のインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに
染み込むことにより、印刷が行われる。
【0043】図5は、インク吐出用ヘッド61〜64に
おけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図で
ある。これらのノズルの配置は、各色ごとにインクを吐
出する4組のノズルアレイから成っており、48個のノ
ズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されて
いる。各ノズルアレイの副走査方向の位置は互いに一致
している。なお、各ノズルアレイに含まれる48個のノ
ズルNzは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直
線上に配置されていてもよい。但し、図6に示すように
千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく
設定し易いという利点がある。
【0044】本発明のプリンタ22は、図5に示した一
定の径からなるノズルNzを用いて大ドット、中ドッ
ト、小ドットという3種類のインク重量の異なるドット
を形成することができる。この原理について説明する。
図6は、インクが吐出される際のノズルNzの駆動波形
と吐出されるインクIpとの関係を示した説明図であ
る。図6において破線で示した駆動波形が通常のドット
を吐出する際の波形である。区間d2において一旦、ピ
エゾ素子PEの電位を低電位にすると、先に図5を用い
て説明したのとは逆にインク通路68の断面積を増大す
る方向にピエゾ素子PEが変形する。この変形はインク
通路68からのインクの供給速度よりも高速に行われる
ため、メニスカスと呼ばれるインク界面Meは、図6の
状態Aに示した通りノズルNzの内側にへこんだ状態と
なる。一方、図6の実線で示す駆動波形を用い、区間d
1に示すように電位を急激に低下させると、インク通路
68の変形速度は更に高速になるから、メニスカスは状
態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態となる(状態
a)。次に、ピエゾ素子PEへの印加電圧を正にすると
(区間d3)、先に図5を用いて説明した原理に基づい
てインクが吐出される。このとき、メニスカスがあまり
内側にへこんでいない状態(状態A)からは状態Bおよ
び状態Cに示すごとく大きなインク滴が吐出され、メニ
スカスが大きく内側にへこんだ状態(状態a)からは状
態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴が吐出さ
れる。
【0045】かかる原理に基づいて、ピエゾ素子PEの
電位を低くする際(区間d1,d2)の変化率、つまり
ノズルを駆動する駆動波形に応じて、吐出されるインク
重量を変化させることができる。本実施例では、小ドッ
トIP1を形成するための駆動波形と、中ドットIP2
を形成するための駆動波形の2種類を用意している。図
7に本実施例において用いている駆動波形を示す。駆動
波形W1が小ドットIP1を形成するための波形であ
り、駆動波形W2が中ドットIP2を形成するための波
形である。図7に示す通り、インク重量が大きくなる
程、飛翔速度が大きい。これらの駆動波形を使い分ける
ことにより、一定のノズル径からなるノズルNzからド
ット径が小中の2種類のドットを形成することができ
る。本実施例のプリンタ22では、これらの駆動波形を
キャリッジ31の移動とともにW1,W2の順で連続的
かつ周期的に出力している。
【0046】また、図7の駆動波形W1,W2の双方を
使ってドットを形成することにより、大ドットを形成す
ることができる。この様子を図7の下段に示した。図7
下段の図は、ノズルから吐出された小ドットおよび中ド
ットのインク滴IPs、IPmが吐出されてから用紙P
に至るまでの様子を示している。図7の駆動波形を用い
て小中2種類のドットを形成する場合、中ドットの方が
インク滴IPmが勢いよく吐出される。このようなイン
クの飛翔速度差およびキャリッジ31の主走査方向への
移動速度に応じて、小ドットのインク滴IPsと中ドッ
トのインク滴IPmを連続して吐出するタイミングを調
節すれば、両インク滴をほぼ同じタイミングで用紙Pに
到達させることができる。本実施例では、このようにし
て図7上段の2種類の駆動波形から最もドット径が最も
大きい大ドットを形成している。
【0047】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ22は、紙送りモータ23により用紙Pを搬送し
つつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリ
ッジモータ24により往復動させ(以下、主走査とい
う)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61〜64の
ピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、
ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
【0048】なお、本実施例では、上述の通りピエゾ素
子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリン
タ22を用いているが、他の方法によりインクを吐出す
るプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク
通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生す
る泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリン
タに適用するものとしてもよい。
【0049】(2)ドット形成制御:次に本実施例にお
けるドット形成の制御処理について説明する。ドット形
成制御処理ルーチンの流れを図8に示す。これは、コン
ピュータ90のCPU81が実行する処理である。
【0050】この処理が開始されると、CPU81は、
画像データを入力する(ステップS100)。この画像
データは、図2に示したアプリケションプログラム95
から受け渡されるデータであり、画像を構成する各画素
ごとにR,G,Bそれぞれの色について、値0〜255
の256段階の階調値を有するデータである。この画像
データの解像度は、原画像のデータORGの解像度等に
応じて変化する。
【0051】CPU81は、入力された画像データの解
像度をプリンタ22が印刷するための解像度に変換する
(ステップS105)。画像データが印刷解像度よりも
低い場合には、線形補間により隣接する原画像データの
間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。
逆に画像データが印刷解像度よりも高い場合には、一定
の割合でデータを間引くことにより解像度変換を行う。
なお、解像度変換処理は本実施例において本質的なもの
ではなく、かかる処理を行わずに印刷を実行するものと
しても構わない。
【0052】次に、CPU81は、色補正処理を行う
(ステップS110)。色補正処理とはR,G,Bの階
調値からなる画像データをプリンタ22で使用するC,
M,Y,Kの各色の階調値のデータに変換する処理であ
る。この処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせか
らなる色をプリンタ22で表現するためのC,M,Y,
Kの組み合わせを記憶した色補正テーブルLUT(図2
参照)を用いて行われる。色補正テーブルLUTを用い
て色補正する処理自体については、公知の種々の技術が
適用可能であり、例えば補間演算による処理(特開平4
−144481記載の技術等)が適用できる。
【0053】本実施例では、この色補正処理において、
C,M,Y,Kの各階調値と各色の濃度とが非線形に対
応したテーブルを用いた。かかるテーブルの内容に関し
ては、後に詳述する。
【0054】こうして色補正された画像データに対し
て、CPU81は多値化処理を行う(ステップS20
0)。多値化とは、原画像データの階調値(本実施例で
は256階調)をプリンタ22が各画素ごとに表現可能
な階調値に変換することをいう。後述する通り、本実施
例では「ドットの形成なし」「小ドットの形成」「中ド
ットの形成」「大ドットの形成」の4階調への多値化を
行っているが、更に多くの階調への多値化を行うものと
してもよい。多値化を行う処理には種々の手法を適用可
能である。本実施例では、いわゆるディザ法を用いた。
本実施例における多値化処理の内容を図9を用いて説明
する。
【0055】多値化処理では、CPU81は画像データ
を入力する(ステップS205)。ここで入力される画
像データCDとは、色補正処理(図8のステップS11
0)を施され、C,M,Y,Kの各色につき256階調
を有するデータである。このデータに対し、大ドット・
レベルデータLVLの生成を行う(ステップS21
0)。
【0056】レベルデータLVLの設定について図10
を用いて説明する。図10は、各ドットの記録率と階調
値との関係を示したグラフである。図10中の曲線S
D、MD、LDはそれぞれ小ドット、中ドット、大ドッ
トの記録率を示している。なお、ドットの記録率とは、
ある均一な階調領域を形成する際に該領域内に形成され
るドットが、該領域内の画素に対して占める割合をい
う。
【0057】レベルデータLVLとは、ドットの記録率
を値0〜255の256段階に変換したデータをいう。
ステップS210では、曲線LDから階調値に応じたレ
ベルデータを読みとる。例えば、図10に示した通り、
画像データの階調値がgrであれば、レベルデータLV
Lは曲線LDを用いてldと求められる。実際には、曲
線LDを1次元のテーブルとしてROM82に記憶して
おき、該テーブルを参照してレベルデータを求めてい
る。
【0058】次に、こうして設定されたレベルデータL
VLと閾値THとの大小を比較する(ステップS21
5)。いわゆるディザ法によるドットのオン・オフ判定
を行うのである。閾値THはいわゆるディザマトリック
スにより各画素ごとに異なる値が設定される。本実施例
では16×16の正方形の画素に値0〜255までが現
れるブルーノイズマスク型のマトリックスを用いてい
る。
【0059】図11にディザ法によるドットのオン・オ
フ判定の考え方を示す。図示の都合上、一部の画素につ
いてのみ示す。図11に示す通り、レベルデータLVL
の各画素とディザテーブルの対応箇所の大小を比較す
る。レベルデータLVLの方がディザテーブルに示され
た閾値よりも大きい場合にはドットをオンにし、レベル
データLVLの方が小さい場合にはドットをオフとす
る。図11中でハッチングを付した画素がドットをオン
にする画素を意味している。
【0060】ステップS215において、レベルデータ
LVLが閾値THよりも大きい場合には、大ドットをオ
ンにすべきと判断して、CPU81は結果値を示す変数
REに2進数で値11を代入する(ステップS28
0)。結果値REの各ビットはそれぞれ、図7に示した
駆動波形W1,W2のオン・オフに対応している。結果
値REが値11が駆動用バッファ47に転送されると、
駆動波形W1,W2の双方でインクを吐出するため大ド
ットが形成される。以上で説明した処理(図12のDI
で示した処理)により、ディザ法を用いて大ドットの形
成のオン・オフが判定されたことになる。
【0061】一方、ステップS215において、レベル
データLVLが閾値THよりも小さい場合には、大ドッ
トを形成すべきではない判断して、次に中ドットのオン
・オフの判定に移行する。中ドットのオン・オフの判定
の方法は、大ドットの場合と同じである。つまり、図1
0に示したドットの記録率データに基づき、レベルデー
タLVMを設定し(ステップS225)、このレベルデ
ータLVMが閾値THMより大きいか否かによって中ド
ットのオン・オフを判定する(ステップS230)。閾
値THMは大ドットと同様、所定のディザマトリックス
によって与えられる。レベルデータLVMが閾値THM
よりも大きい場合には、結果値REに2進数で値01を
代入する(ステップS235)。このデータによって図
7の駆動波形W2のみでインクが吐出され、中ドットが
形成される。
【0062】レベルデータLVMが閾値THM以下であ
る場合には、小ドットのオン・オフの判定に移行する。
小ドットのオン・オフの判定の方法は、大ドットおよび
中ドットと同じである。つまり、図10に示したドット
の記録率データに基づき、レベルデータLVSを設定し
(ステップS240)、このレベルデータLVSが閾値
THSより大きいか否かによって小ドットのオン・オフ
を判定する(ステップS245)。閾値THSは、所定
のディザマトリックスによって与えられる。レベルデー
タLVSが閾値THSよりも大きい場合には、結果値R
Eに2進数で値10を代入する(ステップS250)。
このデータによって図7の駆動波形W1のみでインクが
吐出され、小ドットが形成される。また、レベルデータ
LVSが閾値THSよりも小さい場合には、結果値RE
にドットのオフを意味する値00を代入する(ステップ
S255)。
【0063】以上の処理により、一つの画素が4値化さ
れる。CPU81は、全画素について4値化が終了する
まで、以上の処理(ステップS210〜S255)を繰
り返し実行する(ステップS260)。
【0064】なお、上記処理において、本実施例では、
各ドットのオン・オフに関与する閾値THL,THM,
THSを与えるディザマトリックスはそれぞれ異なるマ
トリックスとしている。ディザ法によるドットのオン・
オフ判定は、レベルデータと閾値との大小関係によって
行われれる。大ドット、中ドット、小ドットで同じディ
ザマトリックスを使用した場合には、各ドットの判定に
関与する閾値THL,THM、THSは同じ値になる。
かかる閾値を用いてドットのオン・オフを判定すれば、
大ドットがオフと判定された場合に、他のドットもオフ
となる可能性が高くなってしまう。本実施例では異なる
マトリックスを用いてデータを設定することによりいず
れのドットも図10に示した記録率で記録されるように
図っている。
【0065】もっとも、本実施例では、全く異なるディ
ザマトリックスを3種類用意するのではなく、次に示す
方法によって、一つの基本的なマトリックスから他の2
つのマトリックスを生成している。図12に本実施例で
使用したマトリックスの関係を示す。図12中のTMは
基本となるマトリックスである。図示の都合上、4×4
のマトリックスとして示したが、現実には64×64の
マトリックスである。このマトリックスがROM82に
記憶されている。図12中のUMは基本マトリックスT
Mから生成されたマトリックスである。マトリックスU
Mは基本マトリックスの各成分の位置を上下方向に対象
に移動することにより生成したものである。例えば、基
本マトリックスTMにおいて左上に位置する閾値1は、
マトリックスUMでは左下に位置する。基本マトリック
スの各成分を左右方向に対象に移動すれば、さらに異な
るマトリックスを生成することができる。本実施例で
は、このように基本マトリックスの成分を入れ替えるこ
とによって2種類のマトリックスを生成している。こう
することにより、マトリックスを記憶するためのメモリ
量を節約している。
【0066】こうして多値化処理が終了すると、CPU
81はラスタライズを行う(ステップS300)。これ
は、1ラスタ分のデータをプリンタ22のヘッドに転送
する順序に並べ替えることをいう。プリンタ22がラス
タを形成する記録方法には種々のモードがある。最も単
純なのは、ヘッドの1回の往運動で各ラスタのドットを
全て形成するモードである。この場合には1ラスタ分の
データを処理された順序でヘッドに出力すればよい。他
のモードとしては、いわゆるオーバラップがある。例え
ば、1回目の主走査では各ラスタのドットを例えば1つ
おきに形成し、2回目の主走査で残りのドットを形成す
る記録方法である。この場合は各ラスタを2回の主走査
で形成することになる。かかる記録方法を採用する場合
には、各ラスタのドットを1つおきにピックアップした
データをヘッドに転送する必要がある。さらに別の記録
モードとしていわゆる双方向記録がある。これはヘッド
の往運動のみならず復運動時にもドットを形成するもの
である。かかる記録モードを採用する場合には、往運動
時用のデータと復運動時用のデータとは転送順序を逆転
する必要が生じる。このようにプリンタ22が行う記録
方法に応じてヘッドに転送すべきデータを作成するのが
上記ステップS240での処理である。こうしてプリン
タ22が印刷可能なデータが生成されると、CPU81
は該データを出力し、プリンタ22に転送する(ステッ
プS310)。
【0067】なお、上記実施例では、ディザ法による多
値化処理を行った。誤差拡散法などその他の多値化処理
を適用するものとしてもよい。また、ドットの種類に応
じて、ディザ法による多値化と誤差拡散法による多値化
とを組み合わせて使用するものとしてもよい。
【0068】ここで、本実施例の色補正処理について、
その詳細な内容を説明する。図13は色補正テーブルの
内容を示す概念図である。先に説明した通り、本実施例
で処理する画像データは、R,G,Bの各色について0
〜255の範囲の階調値を有するデータである。これら
の階調値の組み合わせを設定すれば、図13に示した格
子状の立方体の一点を特定することができる。本実施例
の色補正テーブルは、図13に示した立方体の格子点ご
とにC,M,Y,Kのそれぞれの階調値を有する3次元
テーブルである。本実施例では色補正処理として、入力
された画像データのR,G,Bそれぞれの階調値に対応
するデータを図13の色補正テーブルLUTから読みと
ることによって、プリンタ22で印刷可能なC,M,
Y,Kそれぞれの階調値に置換している。
【0069】本実施例における色補正テーブルLUTお
よびドットの記録率(図10)の設定方法について、図
14の工程図に基づき説明する。色補正テーブルLUT
を設定する際には、まず階調領域とドットの種類との対
応関係を設定する(ステップS10)。本実施例では、
図10に示したように、低階調の領域では小ドットを主
として使用し、中間階調の領域では中ドットを主として
使用し、高階調の領域では大ドットを主として使用する
ように設定した。ここでは、各ドットの記録率までは設
定する必要はない。
【0070】次に、こうして設定された対応関係に基づ
いて、色補正後の階調値とインク重量との関係を設定す
る(ステップS20)。色補正後の階調値とは、ここで
設定しようとしている色補正テーブルによって変換され
た後のC,M,Y,Kそれぞれの階調値を意味する。イ
ンク重量とは、色補正後の階調値に応じて表現されるべ
き濃度と等価なパラメータである。色補正後の階調値と
インク重量との関係の設定例を図15に示す。図中の破
線C1が一般的に適用されている関係である。かかる関
係下では、色補正データが増加するにつれて、インク重
量が一定の割合で増加する。図中の曲線C2は、本実施
例における色補正データとインク重量の関係を示してい
る。図示する通り、本実施例では非線形な関係に設定さ
れている。
【0071】曲線C2は、図10の対応関係を踏まえて
設定した。小ドットが主として用いられる階調領域As
ではインク重量の変化率を緩やかにし、中ドットが主と
して用いられる階調領域Am、大ドットが主として用い
られる階調領域Alでは変化率が急になるように設定し
た。低階調領域での変化率は、小ドット一つ当たりの濃
度評価値に基づいて設定した。例えば、小ドットの濃度
評価値が大ドットの濃度評価値の1/3であるとすれ
ば、領域Asにおける変化率を領域Alにおける変化率
の1/3に設定するのである。他の領域では、大ドット
の濃度評価値に応じてインク重量の変化率を設定した。
このように設定すると、インク重量が折れ線状に設定さ
れる。色補正データの全階調値についてインク重量が滑
らかに変化するような曲線を、上記折れ線に基づいて設
定したのが、図15の曲線C2である。
【0072】次に、インク重量と階調値とが線形の関係
にある場合の色補正テーブルを用意する(ステップS3
0)。ここでいう色補正テーブルとは、従来の画像処理
において一般に用いられている色補正テーブルを意味す
る。かかるテーブルは、R,G,Bからなる画像データ
の階調値で特定される色を、C,M,Y,Kの組み合わ
せで表現する際の各色のインク量を実験的に求めること
により設定される。該テーブルの設定については、周知
の技術であるため、詳細な説明は省略する。なお、この
色補正テーブルの用意は、必ずしも上述したステップS
10,S20の後に行う必要はなく、これらの工程と並
行または先行して行ってもよい。
【0073】次に、図15に示した階調値とインク重量
との関係を用いて色補正テーブルLUTを補正する(ス
テップS40)。補正量の設定について、図15に示す
具体例に基づいて説明する。破線C1で示した従来の対
応関係によれば、色補正後の階調値がa1のとき、ある
インク重量iwに相当する濃度が表現される。これに対
し、曲線C2で示した本実施例の対応関係によれば、イ
ンク重量iwに相当する濃度が表現される階調値はa2
となる。
【0074】図16は画像データと色補正データとの関
係を表した説明図である。図13に示した通り、色補正
データは画像データのR,G,Bの値が3次元的に特定
されて初めて決まる値であるが、図16では模式的に画
像データを1次元的に示した。破線C3が従来の色補正
テーブルを示している。破線C3によれば、画像データ
cdに対して、色補正後の階調値がa1と求められる。
【0075】先に図15で説明した通り、色補正後の階
調値a1はインク重量iwに相当する値である。つま
り、画像データcdに対しては、色補正後の階調値とし
て、インク重量iwに相当する値を設定する必要があ
る。図15に示した通り、インク重量iwに相当する値
は、本実施例の設定(曲線C2)では階調値a2であ
る。従って、図16の色補正テーブルにおいて、画像デ
ータcdに対応する値をa2に修正する必要がある。同
様にして、画像データの各値について色補正テーブルを
修正したものが図16の曲線C4である。画像データに
対し、かかる色補正テーブルを用いて色補正を行えば、
色補正後の階調値とインク重量との関係は図15に示し
た状態になる。
【0076】図16は説明用に模式的に示した図に過ぎ
ず、実際には画像データはR,G,Bの3次元でデータ
を有していることを先に説明した。かかる場合でも、本
実施例における色補正データa2と、従来の色補正デー
タa1との対応関係は図15のグラフから求めることが
できる。両者の対応関係が求まれば、図14のステップ
S30で用意した従来の色補正テーブルLUTの値a1
を値a2に置換することにより本実施例の色補正テーブ
ルを設定することができる。
【0077】こうして色補正テーブルを設定した後、各
ドットの記録率のテーブル(図10)を設定する(図1
4のステップS50)。本実施例では色補正後の階調値
とインク重量との関係は図15の曲線C2に示すように
非線形な関係に設定されている。図15中の領域As、
Am,Alはそれぞれ小ドット、中ドット、大ドットを
主として用いる領域である。従って、各ドットの記録率
は、各領域において主として使用されるドットの種類を
考慮しつつ、図15の曲線C2で示されたインク重量を
表現できるように設定する。
【0078】本実施例では低階調領域でのインク重量の
変化率は、小ドットの濃度評価値に応じて設定してい
る。小ドットの濃度評価値が大ドットの濃度評価値の1
/3程度であれば、小ドットが主として使用される領域
Asにおけるインク重量の変化率は、大ドットが主とし
て使用される領域Asにおけるインク重量の変化率の1
/3になるように設定してある。これは言い換えれば、
階調値が増えるごとに小ドットを一定の割合で増やした
場合のインク重量の変化率を領域Asにおける変化率と
して設定したことに等しい。従って、図15の関係に基
づいて各ドットの記録率を設定すれば、それぞれのドッ
トは階調値が増えるごとに概ね同じ割合で増えるように
設定される。本実施例では、以上の考え方に基づいて、
各ドットの記録率が階調値に対して傾き1で増加するよ
うに、図15の対応関係および図10のドットの記録率
を設定した。従来におけるドットの記録率(図19)に
比較して、階調値64程度までの低階調領域において特
に小ドットの記録率の急激な増加が抑制されていること
が分かる。しかも、この領域では、小ドットの記録率は
概ね傾き1で増加している。
【0079】以上で説明した本実施例の画像処理装置に
よれば、特に、低階調領域において、階調値の変化に対
して小ドットの記録率が急激に増えることを抑制するこ
とができる。この結果、本実施例の画像処理装置によれ
ば、低階調領域において、画像の粒状感が滑らかに変化
する高画質な多値化を実現することができる。また、小
ドットの記録率を緩やかに増加させることにより、特に
低階調領域での微妙な階調表現が可能となる。
【0080】特に本実施例の画像処理装置では、各ドッ
トの記録率が傾き1で増加するように設定している。こ
れは、階調値が1増えるごとに小ドットの記録率が値1
だけ増えることを意味している。かかる設定にすること
により、小ドットの記録率の変化によって表現し得る種
々の濃度値を最も有効に活用することができる。従っ
て、本実施例の画像処理装置によれば、階調表現に優れ
た高画質な多値化を行うことができる。本実施例の画像
処理装置により多値化したデータに基づいて印刷を実行
すれば、画像の粒状感および階調表現に優れた高画質な
印刷を実現することができる。
【0081】上記実施例では、低階調領域において、小
ドットの濃度を考慮してインク重量を設定した。これに
加えて、中ドットが用いられる領域Amでは、中ドット
の濃度評価値に応じてインク重量を設定するものとして
もよい。こうすれば、領域Amにおいても階調表現を向
上することができ、さらに高画質な画像処理が可能とな
る。
【0082】本実施例におけるインク重量およびドット
記録率は、種々の態様で設定することができる。第1の
変形例を図17に示す。図17には、小ドットと中ドッ
トを用いる場合についてインク重量およびドット記録率
の設定を示した。図10では、インク重量の最大値を値
255としていたのに対し、第1の変形例では、インク
重量の最大値を約半分の値128に抑制している。一
方、図10の設定では、インク重量は階調値に対し非線
形であったが、図17の設定では線形となっている。か
かる設定でも、低階調値においてインク重量の変化率を
低くすることができる。小ドットの増加率は概ね傾き1
となっている。この結果、先に説明した実施例と同様、
低階調領域において、小ドットの数を滑らかに増加させ
ることができ、階調表現に優れた高画質な画像処理を実
現することができる。
【0083】図17において、インク重量の最大値を低
く設定したことは、各画素あたりに表現可能な濃度が低
くなることを意味している。本実施例では、かかる条件
下で入力された画像データに応じた印刷を実現するため
に、図17の設定を用いる場合には、通常よりも高解像
度な印刷を実行するものとしている。通常の印刷モード
が主走査方向に720dpi、副走査方向に720dp
iの解像度で印刷するのに対し、図17の設定を用いる
場合には、主走査方向に1440dpi、副走査方向に
720dpiの解像度で印刷している。印刷解像度を高
くしてドットの形成密度を高めることにより、各画素あ
たりに表現可能な濃度が低くなった分を補償している。
【0084】なお、インク重量の最大値は、図17のよ
うに半減させた場合のみならず、種々の値に設定可能で
あることはいうまでもない。また、濃度の補償について
も、上述した解像度の他、印刷用紙を変えることによっ
て補償することも可能である。
【0085】第2の変形例を図18に示す。図18は、
インク重量の最大値を低く設定しつつ、さらにインク重
量と階調値を非線形な関係に設定した例を示している。
インク重量の最大値の設定範囲は、濃度の補償方法によ
ってある程度制限される。かかる制限の下で、インク重
量を設定した結果、低階調領域におけるインク重量の変
化率が小ドットの濃度評価値に対して大きすぎる場合も
生じる。かかる場合には、図18に示すように、インク
重量と階調値の関係をさらに非線形にすれば、低階調領
域において小ドットの濃度評価値に応じた変化率を設定
することができる。図18では、図17に比べて低階調
領域で変化率が低くなるようにインク重量を非線形に設
定しているが、小ドットの濃度評価値によっては、低階
調領域で変化率が高くなるような曲線で設定することも
できる。
【0086】以上の実施例および変形例では大中小の3
種類のドットを形成することにより各画素ごとに3値の
表現が可能なプリンタを例にとって説明したが、さらに
多くの階調値を表現可能な多値プリンタに適用すること
も可能である。例えば、さらに多くの径からなるドット
を形成可能なプリンタや、濃度の異なるインクでドット
を形成可能なプリンタや各画素ごとに複数のドットを重
ねて形成することが許容されているプリンタ等が考えら
れる。
【0087】本実施例では、4色のインクを使用してカ
ラー印刷が可能なプリンタ22に提供するデータを生成
する画像処理装置を例にとって説明した。本発明は、印
刷に使用するインクの色数に関わらず適用可能である。
例えば、シアン、マゼンダの2色については濃淡2種類
のインクを用意して、合計6色のインクを用いて印刷を
実行するプリンタに提供するデータを生成する装置にも
適用可能であるし、単色で印刷するプリンタに提供する
データを生成する装置にも適用可能である。単色で印刷
する場合には、通常色補正処理は行われないが、図16
に示した補正テーブルを用いた階調値の変換処理を設け
れば、本発明を難なく適用することができる。
【0088】また、上述の画像処理装置は各画素ごとに
ドットを割り当てて画像を表現する装置であれば、プリ
ンタ以外の画像表示装置にも適用可能である。さらに、
上述の実施例ではピエゾ素子を備えるインクジェットプ
リンタを例に説明したが、いわゆるノズルに備えたヒー
タに通電することによりインク内に生じるバブルでイン
クを吐出するタイプのプリンタを始め種々のプリンタそ
の他の印刷装置に適用可能である。
【0089】以上で説明した画像処理装置および印刷装
置は、コンピュータによる処理を含んでいることから、
かかる処理を実現するためのプログラムを記録した記録
媒体としての実施の態様を採ることもできる。このよう
な記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−R
OM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッ
ジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された
印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROM
などのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータ
が読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、コンピ
ュータに上記で説明した画像処理等を行うコンピュータ
プログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給
装置としての態様も可能である。
【0090】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。例えば、上記実施例で説明した種々の
制御処理は、その一部または全部をハードウェアにより
実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の画像処理装置を適用した印刷システ
ムの概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】プリンタ22の概略構成図である。
【図4】プリンタ22のドット形成原理を示す説明図で
ある。
【図5】プリンタ22のノズル配置例を示す説明図であ
る。
【図6】プリンタ22により径の異なるドットを形成す
る原理を説明する説明図である。
【図7】プリンタ22により大ドットを形成する原理を
説明する説明図である。
【図8】ドット形成制御処理ルーチンのフローチャート
である。
【図9】多値化処理ルーチンのフローチャートである。
【図10】本実施例におけるドットの記録率を示すテー
ブルである。
【図11】ディザ法によるドットのオン・オフ判定の考
え方を示す説明図である。
【図12】本実施例におけるディザマトリックス相互の
関係を示す説明図である。
【図13】色補正テーブルの概念を示す説明図である。
【図14】本実施例における色補正テーブルおよびドッ
トの記録率のテーブルの設定方法を示す工程図である。
【図15】色補正後の階調値とインク重量との関係を示
すグラフである。
【図16】画像データの階調値と色補正後の階調値との
関係を示すグラフである。
【図17】第1の変形例としてのドットの記録率を示す
テーブルである。
【図18】第2の変形例としてのドットの記録率を示す
テーブルである。
【図19】従来におけるドットの記録率を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
12…スキャナ 14…キーボード 15…CD−ROMドライブ 16…ハードディスク 18…モデム 21…カラーディスプレイ 22…カラープリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 61、62、63、64…インク吐出用ヘッド 67…導入管 68…インク通路 71…黒インク用のカートリッジ 72…カラーインク用カートリッジ 80…バス 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェイス 85…出力インタフェース 86…CRTC 87…ディスクコントローラ(DDC) 88…シリアル入出力インタフェース(SIO) 90…パーソナルコンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…解像度変換モジュール 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…ラスタライザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EC76 ED01 ED05 EE03 2C057 AF39 CA01 CA05 2C262 AA02 AB07 BB06 BB10 BB19 5B021 LG07 LG08 5C077 LL19 MP08 NN02 NN05 NN08 PP15 PP20 PP32 PP33 PP37 PP38 PQ22 PQ23 RR16 SS02 TT05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上のドットの形成の有無を判定
    して、入力された画像データを3値以上に多値化する画
    像処理装置であって、 画像データを入力する入力手段と、 階調値と濃度評価値について設定された所定の関係と、
    前記画像データに応じて表現されるべき濃度評価値とに
    基づいて、前記画像データを前記階調値からなるデータ
    に変換する変換手段と、 該変換後の階調値に基づいて3値以上の多値化を行う多
    値化手段とを備え、 前記所定の関係は、階調値と濃度評価値について、階調
    値に対する濃度評価値の変化率が、少なくとも低階調領
    域においては、該領域で主として増加するドットの濃度
    評価値に対応した値となるように設定された関係である
    画像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像処理装置であって、 前記階調値と前記主として増加するドットとの関係は、
    階調値が大きくなるにつれて各ドットあたりに表現され
    る濃度評価値が増大する関係にあり、 前記所定の関係は、前記変化率が、階調値の各領域ごと
    に主として増加するドットの濃度評価値に対応して、階
    調値の増加とともに大きくなる関係である画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の画像処理装置であって、 前記低濃度領域において主として増加するドットは、濃
    度評価値の低いドットであり、 前記所定の関係は、前記階調値と濃度評価値を単調増加
    の関係とした上で、濃度評価値の最大値を抑制すること
    により、少なくとも低階調領域における前記変化率を低
    減した関係である画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の画像処理装置であって、 少なくとも低階調側の領域では、前記所定の関係は、前
    記変化率が前記主として増加するドット当たりに表現可
    能な濃度評価値にほぼ等しい値である画像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の画像処理装置であって、 前記多値化手段は、少なくとも低階調側の領域では、前
    記主として増加するドットの前記階調値に対する増加率
    が略1になる条件下で前記多値化を行う手段である画像
    処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の画像処理装置であって、 前記2種類以上のドットは、インク重量の異なるドット
    であり、 前記濃度評価値は、インク重量によって代表される値で
    ある画像処理装置。
  7. 【請求項7】 2種類以上のドットの形成の有無を判定
    して、入力された画像データを3値以上に多値化する画
    像処理方法であって、(a) 画像データを入力する工
    程と、(b) 階調値と濃度評価値について設定された
    所定の関係と、前記画像データに応じて表現されるべき
    濃度評価値とに基づいて、前記画像データを前記階調値
    からなるデータに変換する工程と、(c) 該変換後の
    階調値に基づいて3値以上の多値化を行う工程とを備
    え、 前記所定の関係は、階調値と濃度評価値について、階調
    値に対する濃度評価値の変化率が、少なくとも低階調領
    域においては、該領域で主として増加するドットの濃度
    評価値に対応した値となるように設定された関係である
    画像処理方法。
  8. 【請求項8】 入力された画像データの階調値を、所定
    のテーブルに基づいて別の階調値からなるデータに一旦
    変換した上で、2種類以上のドットの形成の有無を判定
    して3値以上に多値化する画像処理方法に用いられる前
    記テーブルの設定方法であって、(a)前記2種類以上
    のドットを代表する基準ドットを選択する工程と、
    (b)前記画像データに応じて前記基準ドットの濃度評
    価値を与えるテーブルを設定する工程と、(c)前記変
    換後の階調値ごとに表現される濃度評価値の変化率が、
    少なくとも低階調領域においては、主として増加するド
    ットの濃度評価値に対応した値となるように、該階調値
    と該濃度評価値との関係を設定する工程と、(d)前記
    テーブルの各濃度評価値を、前記工程(c)により設定
    された関係に基づいて与えられる階調値に置換すること
    によって、前記画像データに基づいて該階調値を与える
    テーブルを設定する工程とを備える設定方法。
  9. 【請求項9】 2種類以上のドットの形成の有無を判定
    して、入力された画像データを3値以上に多値化するプ
    ログラムをコンピュータ読みとり可能に記録した記録媒
    体であって、 画像データを入力する機能と、 階調値と濃度評価値について、階調値に対する濃度評価
    値の変化率が、少なくとも低階調領域においては、該領
    域で主として増加するドットの濃度評価値に対応した値
    となるように設定された所定の関係と、前記画像データ
    に応じて表現されるべき濃度評価値とに基づいて、前記
    画像データを前記階調値からなるデータに変換する機能
    と、 該変換されたデータの階調値に基づいて3値以上の多値
    化を行う機能とを実現するプログラムを記録した記録媒
    体。
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