JP2001150651A - 印刷装置、印刷方法および記録媒体 - Google Patents
印刷装置、印刷方法および記録媒体Info
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- JP2001150651A JP2001150651A JP33361299A JP33361299A JP2001150651A JP 2001150651 A JP2001150651 A JP 2001150651A JP 33361299 A JP33361299 A JP 33361299A JP 33361299 A JP33361299 A JP 33361299A JP 2001150651 A JP2001150651 A JP 2001150651A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 印刷速度の低下を招くことなく、バンディン
グを抑制する。 【解決手段】 各画素ごとにハーフトーン処理を実行す
る際、ライトシアンとシアンなど、異なるヘッドで記録
されるドット間では、異なるディザマトリックスを適用
する。これらのマトリックスは、小さい閾値が異なる画
素に対応し、約50%程度の記録率で各ラスタ上にそれ
ぞれのドットが均等に現れるように相互の位置関係を考
慮して設定する。かかるマトリックスを用いてハーフト
ーン処理を行えば、異なるヘッドで記録されるドットが
各ラスタ上に均等に現れる結果、全体としてオーバラッ
プ方式と同様の効果を得ることができ、バンディングを
抑制することができる。
グを抑制する。 【解決手段】 各画素ごとにハーフトーン処理を実行す
る際、ライトシアンとシアンなど、異なるヘッドで記録
されるドット間では、異なるディザマトリックスを適用
する。これらのマトリックスは、小さい閾値が異なる画
素に対応し、約50%程度の記録率で各ラスタ上にそれ
ぞれのドットが均等に現れるように相互の位置関係を考
慮して設定する。かかるマトリックスを用いてハーフト
ーン処理を行えば、異なるヘッドで記録されるドットが
各ラスタ上に均等に現れる結果、全体としてオーバラッ
プ方式と同様の効果を得ることができ、バンディングを
抑制することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多階調の画像デー
タを各画素毎にハーフトーン処理し、多種類のドットを
用いて画像を印刷する印刷装置および印刷方法に関す
る。
タを各画素毎にハーフトーン処理し、多種類のドットを
用いて画像を印刷する印刷装置および印刷方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータやディジタルカメラ
の出力装置として、インクジェットプリンタが広く普及
している。インクジェットプリンタは、ヘッドに備えら
れた複数のノズルから吐出されるインクにより印刷媒体
上にドットを形成して画像を記録するプリンタである。
インクジェットプリンタは、通常、各画素ごとにはドッ
トのオン・オフの2階調しか表現し得ない。従って、原
画像データの有する多階調をドットの分布により表現す
るための画像処理、いわゆるハーフトーン処理を施した
上で画像を印刷する。
の出力装置として、インクジェットプリンタが広く普及
している。インクジェットプリンタは、ヘッドに備えら
れた複数のノズルから吐出されるインクにより印刷媒体
上にドットを形成して画像を記録するプリンタである。
インクジェットプリンタは、通常、各画素ごとにはドッ
トのオン・オフの2階調しか表現し得ない。従って、原
画像データの有する多階調をドットの分布により表現す
るための画像処理、いわゆるハーフトーン処理を施した
上で画像を印刷する。
【0003】インクジェットプリンタでは、ドットの視
認性を低下し、印刷された画像の粒状感を向上するよう
図られてきた。このため、ドットが局所的に固まって発
生することを抑制するハーフトーン処理、換言すれば、
ドットの分散性に優れたハーフトーン処理が適用されて
きた。かかるハーフトーン処理を実現する方法として
は、ディザ法や誤差拡散法などが知られている。
認性を低下し、印刷された画像の粒状感を向上するよう
図られてきた。このため、ドットが局所的に固まって発
生することを抑制するハーフトーン処理、換言すれば、
ドットの分散性に優れたハーフトーン処理が適用されて
きた。かかるハーフトーン処理を実現する方法として
は、ディザ法や誤差拡散法などが知られている。
【0004】一方、インクジェットプリンタでは、イン
クの吐出特性がノズルごとに相違し、ドットの形成位置
にずれが生じることがある。かかるずれはバンディング
と呼ばれる筋状の濃淡ムラを生じ、画質を低下させる。
図29はドットの形成位置のずれに起因するバンディン
グの発生について示す説明図である。図の左側に、1〜
5の数字を囲んだ丸印がそれぞれノズルを意味する。数
字はノズル番号を意味する。右側には、かかるノズルを
主走査して形成されたドットの様子を示す。ここで、図
中の4番ノズルは上方にずれてインクが吐出され、5番
ノズルは下方にずれてインクが吐出される特性を有して
いるものとする。この場合、図示する通り、4番ノズル
および5番ノズルで形成されるドット列(以下、ラスタ
と呼ぶ)は、それぞれ上方および下方にずれる。この結
果、図中の領域Aに示す淡部が生じる。これがバンディ
ングとして視認される。
クの吐出特性がノズルごとに相違し、ドットの形成位置
にずれが生じることがある。かかるずれはバンディング
と呼ばれる筋状の濃淡ムラを生じ、画質を低下させる。
図29はドットの形成位置のずれに起因するバンディン
グの発生について示す説明図である。図の左側に、1〜
5の数字を囲んだ丸印がそれぞれノズルを意味する。数
字はノズル番号を意味する。右側には、かかるノズルを
主走査して形成されたドットの様子を示す。ここで、図
中の4番ノズルは上方にずれてインクが吐出され、5番
ノズルは下方にずれてインクが吐出される特性を有して
いるものとする。この場合、図示する通り、4番ノズル
および5番ノズルで形成されるドット列(以下、ラスタ
と呼ぶ)は、それぞれ上方および下方にずれる。この結
果、図中の領域Aに示す淡部が生じる。これがバンディ
ングとして視認される。
【0005】バンディングの発生を軽減する記録方法と
して、いわゆるオーバラップ方式による記録がある。図
30はオーバラップ方式によるドットの記録の様子を示
す説明図である。オーバラップ方式とは、各ラスタを複
数のノズルで形成する記録方法をいう。図30には、各
ラスタを2本のノズルで形成する場合を示した。図の左
側には1回目〜3回目の主走査におけるノズルの副走査
方向の位置を示した。この例では、奇数回目の主走査で
各ラスタ上の奇数番目の画素にドットを形成する。図中
の塗りつぶした丸印がこのドットに相当する。偶数回目
の主走査では各ラスタの偶数番目の画素にドットを形成
する。図中のハッチングを付した丸印がこのドットに相
当する。オーバラップ方式の記録では、図示する通り、
4番ノズルおよび5番ノズルで形成されるドットのずれ
が画像内で分散されるため、濃淡のムラが視認されにく
くなる。従って、バンディングを抑制する効果が得られ
る。
して、いわゆるオーバラップ方式による記録がある。図
30はオーバラップ方式によるドットの記録の様子を示
す説明図である。オーバラップ方式とは、各ラスタを複
数のノズルで形成する記録方法をいう。図30には、各
ラスタを2本のノズルで形成する場合を示した。図の左
側には1回目〜3回目の主走査におけるノズルの副走査
方向の位置を示した。この例では、奇数回目の主走査で
各ラスタ上の奇数番目の画素にドットを形成する。図中
の塗りつぶした丸印がこのドットに相当する。偶数回目
の主走査では各ラスタの偶数番目の画素にドットを形成
する。図中のハッチングを付した丸印がこのドットに相
当する。オーバラップ方式の記録では、図示する通り、
4番ノズルおよび5番ノズルで形成されるドットのずれ
が画像内で分散されるため、濃淡のムラが視認されにく
くなる。従って、バンディングを抑制する効果が得られ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、インクジェット
プリンタは高解像度化による高画質化が図られる傾向に
ある。このため、非常に少量のインク量で形成される微
小なドットが用いられる傾向にある。この結果、ドット
自体の視認性が非常に低くなり、粒状感に優れた滑らか
な画像が印刷されるようになった。しかし、その一方、
以下に示す原因により、従来に比してバンディングが顕
著に視認されるようになっていた。
プリンタは高解像度化による高画質化が図られる傾向に
ある。このため、非常に少量のインク量で形成される微
小なドットが用いられる傾向にある。この結果、ドット
自体の視認性が非常に低くなり、粒状感に優れた滑らか
な画像が印刷されるようになった。しかし、その一方、
以下に示す原因により、従来に比してバンディングが顕
著に視認されるようになっていた。
【0007】従来は、画素の大きさに対し比較的大きい
径のドットを用いていた。従って、実質的に隣接するド
ット同士は、互いに重なった状態で形成されていた。こ
のため、ドットの形成位置にずれが生じてもドット同士
が重なっているため、濃淡のムラはそれほど顕著には生
じなかった。これに対し、近年では、高解像度化に伴
い、画素の大きさと同程度の径の微小なドットが適用さ
れるようになった。従って、隣接するドット同士が重な
る部分も非常に小さくなっていた。この結果、ドットの
形成位置にわずかでもずれが生じると、ドット間に空隙
が生じやすく、濃淡のムラが顕著に現れるようになって
いた。かかるバンディングは特に中間調で顕著であっ
た。
径のドットを用いていた。従って、実質的に隣接するド
ット同士は、互いに重なった状態で形成されていた。こ
のため、ドットの形成位置にずれが生じてもドット同士
が重なっているため、濃淡のムラはそれほど顕著には生
じなかった。これに対し、近年では、高解像度化に伴
い、画素の大きさと同程度の径の微小なドットが適用さ
れるようになった。従って、隣接するドット同士が重な
る部分も非常に小さくなっていた。この結果、ドットの
形成位置にわずかでもずれが生じると、ドット間に空隙
が生じやすく、濃淡のムラが顕著に現れるようになって
いた。かかるバンディングは特に中間調で顕著であっ
た。
【0008】微小なドットを用いた場合でも、オーバラ
ップ方式において、各ラスタを形成するノズル数を増や
すことにより、バンディングを抑制することは可能であ
る。しかし、この場合には、各ラスタの形成に要する主
走査の回数が増えるため、ドットの形成効率が低下し、
印刷速度が低下するという別の課題を生じる。印刷速度
の低下は、印刷装置の利便性を損ねてしまう。
ップ方式において、各ラスタを形成するノズル数を増や
すことにより、バンディングを抑制することは可能であ
る。しかし、この場合には、各ラスタの形成に要する主
走査の回数が増えるため、ドットの形成効率が低下し、
印刷速度が低下するという別の課題を生じる。印刷速度
の低下は、印刷装置の利便性を損ねてしまう。
【0009】以上では、インクジェットプリンタを例に
とって説明したが、かかる課題は、ドットを用いて印刷
を行う印刷装置に共通の課題であった。本発明は、上記
課題を解決するためになされたものであり、ドットを形
成して印刷を行う印刷装置において、印刷速度の低下を
招くことなく、バンディングの発生を抑制し、高画質な
印刷を実現する技術を提供することを目的とする。
とって説明したが、かかる課題は、ドットを用いて印刷
を行う印刷装置に共通の課題であった。本発明は、上記
課題を解決するためになされたものであり、ドットを形
成して印刷を行う印刷装置において、印刷速度の低下を
招くことなく、バンディングの発生を抑制し、高画質な
印刷を実現する技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、
次の構成を採用した。本発明の印刷装置は、複数のヘッ
ドを用いた主走査および副走査を行って、該ヘッドごと
に種類の異なるドットを印刷媒体上に形成して画像を印
刷する印刷装置であって、画像データを入力する入力手
段と、前記画像データに基づいて、各画素ごとに各ドッ
トのオン・オフを判定する多値化手段と、該多値化結果
に応じて前記ヘッドを用いた主走査および副走査を行っ
てドットを形成するドット形成手段とを備え、前記多値
化手段は、少なくとも2種類のドットについて、中間調
を含む所定の階調範囲においてドットが形成される画素
が異なる位置となる条件、および該少なくとも2種類の
ドットが各ラスタ上で混在して形成される条件の下で、
前記判定を行う手段であることを要旨とする。
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、
次の構成を採用した。本発明の印刷装置は、複数のヘッ
ドを用いた主走査および副走査を行って、該ヘッドごと
に種類の異なるドットを印刷媒体上に形成して画像を印
刷する印刷装置であって、画像データを入力する入力手
段と、前記画像データに基づいて、各画素ごとに各ドッ
トのオン・オフを判定する多値化手段と、該多値化結果
に応じて前記ヘッドを用いた主走査および副走査を行っ
てドットを形成するドット形成手段とを備え、前記多値
化手段は、少なくとも2種類のドットについて、中間調
を含む所定の階調範囲においてドットが形成される画素
が異なる位置となる条件、および該少なくとも2種類の
ドットが各ラスタ上で混在して形成される条件の下で、
前記判定を行う手段であることを要旨とする。
【0011】かかる印刷装置によれば、上記所定の階調
範囲において、少なくとも2種類のドットは互いに異な
る画素に形成される。また、各ラスタ上に異なる種類の
ドットが混在して形成される。種類の異なるこれらのド
ットは、異なるヘッドで形成される。つまり、これらの
ドットは、形成位置のずれに関する特性(以下、ずれ特
性と呼ぶ)がそれぞれ相違する。形成位置のずれに関す
る特性が異なる画素で近接して発生すれば、図30で説
明したオーバラップ方式による効果と同様、形成位置の
ずれを画像内で分散させることができ、バンディングの
発生を抑制することができる。しかも、本発明の印刷装
置は、異なるヘッドで形成されるドットを利用してバン
ディングの軽減を図るものであるため、各ラスタ当たり
の主走査の回数を増やすことなく、オーバラップと同等
の効果を得ることができる。従って、印刷速度の低下を
招くことなく、バンディングを抑制することができる。
範囲において、少なくとも2種類のドットは互いに異な
る画素に形成される。また、各ラスタ上に異なる種類の
ドットが混在して形成される。種類の異なるこれらのド
ットは、異なるヘッドで形成される。つまり、これらの
ドットは、形成位置のずれに関する特性(以下、ずれ特
性と呼ぶ)がそれぞれ相違する。形成位置のずれに関す
る特性が異なる画素で近接して発生すれば、図30で説
明したオーバラップ方式による効果と同様、形成位置の
ずれを画像内で分散させることができ、バンディングの
発生を抑制することができる。しかも、本発明の印刷装
置は、異なるヘッドで形成されるドットを利用してバン
ディングの軽減を図るものであるため、各ラスタ当たり
の主走査の回数を増やすことなく、オーバラップと同等
の効果を得ることができる。従って、印刷速度の低下を
招くことなく、バンディングを抑制することができる。
【0012】オーバラップ方式は、単一種類のドット
を、ずれ特性が異なる複数のノズルで形成することによ
り、かかるずれの影響を緩和するものである。これに対
し、本発明は、異なる種類のドットの記録位置を制御す
ることにより、実質的にオーバラップ方式と同等の効果
をもたらすものである。本発明は、バンディングはドッ
トの種類が同一であるか否かに関わらず画像全体に形成
されるドットの形成位置ずれに起因して生じるものであ
る点、および異なるヘッドで形成されるドットは形成位
置のずれが相違する点に着眼してなされた。
を、ずれ特性が異なる複数のノズルで形成することによ
り、かかるずれの影響を緩和するものである。これに対
し、本発明は、異なる種類のドットの記録位置を制御す
ることにより、実質的にオーバラップ方式と同等の効果
をもたらすものである。本発明は、バンディングはドッ
トの種類が同一であるか否かに関わらず画像全体に形成
されるドットの形成位置ずれに起因して生じるものであ
る点、および異なるヘッドで形成されるドットは形成位
置のずれが相違する点に着眼してなされた。
【0013】なお、上記多値化手段は、「少なくとも2
種類のドットについて、中間調を含む所定の階調範囲に
おいてドットが形成される画素が異なる位置」となるよ
う多値化を行うが、全てのドットが厳密に異なる画素に
形成される必要はない。画像全体で、上述の作用による
バンディングの抑制効果が得られる程度に実質的に異な
る画素に形成されていればよく、2種類のドットが同じ
画素に形成される領域が部分的に存在しても構わない。
種類のドットについて、中間調を含む所定の階調範囲に
おいてドットが形成される画素が異なる位置」となるよ
う多値化を行うが、全てのドットが厳密に異なる画素に
形成される必要はない。画像全体で、上述の作用による
バンディングの抑制効果が得られる程度に実質的に異な
る画素に形成されていればよく、2種類のドットが同じ
画素に形成される領域が部分的に存在しても構わない。
【0014】また、上記多値化手段は2種類のドットが
各ラスタ上で混在するように多値化を行う。バンディン
グの抑制効果という観点からは、異なる種類のドット同
士が近接して形成されることが望ましく、特に隣接して
形成されることが最も好ましい。これはドットが局所的
に固まって発生することを意味する。一方、印刷された
画像の粒状感を向上するためには、ドットの分散性が十
分に確保されていることが望ましい。多値化における混
在の程度は、バンディングの抑制効果、画像の粒状感な
どを総合的に勘案して設定すればよい。
各ラスタ上で混在するように多値化を行う。バンディン
グの抑制効果という観点からは、異なる種類のドット同
士が近接して形成されることが望ましく、特に隣接して
形成されることが最も好ましい。これはドットが局所的
に固まって発生することを意味する。一方、印刷された
画像の粒状感を向上するためには、ドットの分散性が十
分に確保されていることが望ましい。多値化における混
在の程度は、バンディングの抑制効果、画像の粒状感な
どを総合的に勘案して設定すればよい。
【0015】上記所定の階調範囲は任意に設定可能であ
る。中間調は明確な定義はないが、50%程度の記録率
で各ドットを形成することで表現可能な階調範囲が含ま
れる。かかる階調範囲では、バンディングが視認されや
すい傾向にあるため、異なるドット間でオーバラップ方
式と同等の作用によりバンディングを抑制すれば、画質
を大きく向上することができる。なお、所定の階調範囲
の設定も上記マトリックスの設定に影響を与える。即
ち、中間調におけるバンディングの軽減を目的とする場
合には、50%程度の記録率において、オーバラップの
効果が得られる程度に異なるドット同士を近接して形成
するよう多値化を行えばよい。低濃度領域では、分散性
を十分確保する多値化を行うことができる。これに対
し、低濃度領域でもバンディングの軽減を図る場合に
は、記録率が低い場合でも、異なる種類のドットが近接
して形成される多値化を行うことになる。
る。中間調は明確な定義はないが、50%程度の記録率
で各ドットを形成することで表現可能な階調範囲が含ま
れる。かかる階調範囲では、バンディングが視認されや
すい傾向にあるため、異なるドット間でオーバラップ方
式と同等の作用によりバンディングを抑制すれば、画質
を大きく向上することができる。なお、所定の階調範囲
の設定も上記マトリックスの設定に影響を与える。即
ち、中間調におけるバンディングの軽減を目的とする場
合には、50%程度の記録率において、オーバラップの
効果が得られる程度に異なるドット同士を近接して形成
するよう多値化を行えばよい。低濃度領域では、分散性
を十分確保する多値化を行うことができる。これに対
し、低濃度領域でもバンディングの軽減を図る場合に
は、記録率が低い場合でも、異なる種類のドットが近接
して形成される多値化を行うことになる。
【0016】本発明の印刷において、前記多値化手段
は、種々の態様を採ることができる。第1の態様とし
て、前記多値化手段は、所定サイズのマトリックスを、
少なくとも2種類記憶するマトリックス記憶手段と、前
記各マトリックスとドットの種類との対応関係を予め記
憶する対応記憶手段と、前記各ドットについて、前記対
応関係にあるマトリックスに記憶された値と前記画像デ
ータとに基づいて、各画素ごとにオン・オフを判定する
判定手段とを備える手段であり、前記記憶手段に記憶さ
れた少なくとも2種類のマトリックスは、中間調を含む
所定の階調範囲においてドットが形成される画素が互い
に異なる位置となり、かつ異なる種類のドットが各ラス
タ上で混在して形成される関係にあるマトリックスであ
るものとすることができる。
は、種々の態様を採ることができる。第1の態様とし
て、前記多値化手段は、所定サイズのマトリックスを、
少なくとも2種類記憶するマトリックス記憶手段と、前
記各マトリックスとドットの種類との対応関係を予め記
憶する対応記憶手段と、前記各ドットについて、前記対
応関係にあるマトリックスに記憶された値と前記画像デ
ータとに基づいて、各画素ごとにオン・オフを判定する
判定手段とを備える手段であり、前記記憶手段に記憶さ
れた少なくとも2種類のマトリックスは、中間調を含む
所定の階調範囲においてドットが形成される画素が互い
に異なる位置となり、かつ異なる種類のドットが各ラス
タ上で混在して形成される関係にあるマトリックスであ
るものとすることができる。
【0017】かかる印刷装置では、異なるマトリックス
を用いてオン・オフが判定されるドットが少なくとも2
種類存在する。上記対応記憶手段は、少なくとも2種類
存在する各マトリックスについて対応関係を記憶するも
のである。単一のマトリックスに全てのドットが対応し
ている場合は、2種類のマトリックスにドットが対応し
ているとは言えないから、1種類のマトリックスが記憶
されているのと同等であり、本発明にいう対応関係には
該当しない。また、少なくとも2種類のマトリックスと
は、多値化手段で使用される態様に基づいて判断する。
つまり、1種類のマトリックスと画素との対応関係を2
通り以上に変えて用いる場合、多値化の処理上は2種類
のマトリックスを記憶しているのと同等である。1種類
のマトリックスを使い分ける場合、マトリックスの記憶
に要する容量が節約できる利点はあるものの、多値化処
理上の実質的な差違はないため、2種類のマトリックス
を記憶する一態様に含まれる。
を用いてオン・オフが判定されるドットが少なくとも2
種類存在する。上記対応記憶手段は、少なくとも2種類
存在する各マトリックスについて対応関係を記憶するも
のである。単一のマトリックスに全てのドットが対応し
ている場合は、2種類のマトリックスにドットが対応し
ているとは言えないから、1種類のマトリックスが記憶
されているのと同等であり、本発明にいう対応関係には
該当しない。また、少なくとも2種類のマトリックスと
は、多値化手段で使用される態様に基づいて判断する。
つまり、1種類のマトリックスと画素との対応関係を2
通り以上に変えて用いる場合、多値化の処理上は2種類
のマトリックスを記憶しているのと同等である。1種類
のマトリックスを使い分ける場合、マトリックスの記憶
に要する容量が節約できる利点はあるものの、多値化処
理上の実質的な差違はないため、2種類のマトリックス
を記憶する一態様に含まれる。
【0018】上記マトリックスは、バンディングの抑制
効果とドットの分散性とを考慮して設定される。比較的
小径のドットの場合、ドットの分散性を若干緩和しても
粒状感の極端な悪化にはつながらないため、バンディン
グの抑制効果を図ったマトリックスの設定は十分可能で
ある。なお、マトリックスは主走査方向に対応した1次
元のマトリックスを用いるものとしてもよいし、2次元
のマトリックスを用いるものとしてもよいが、2次元の
マトリックスを用いれば粒状感、滑らかな階調表現も含
めてドットの形成状態をより適切に制御しやすい利点が
ある。
効果とドットの分散性とを考慮して設定される。比較的
小径のドットの場合、ドットの分散性を若干緩和しても
粒状感の極端な悪化にはつながらないため、バンディン
グの抑制効果を図ったマトリックスの設定は十分可能で
ある。なお、マトリックスは主走査方向に対応した1次
元のマトリックスを用いるものとしてもよいし、2次元
のマトリックスを用いるものとしてもよいが、2次元の
マトリックスを用いれば粒状感、滑らかな階調表現も含
めてドットの形成状態をより適切に制御しやすい利点が
ある。
【0019】上述の構成では、異なる種類のドットが同
一ラスタ上にある程度の記録率で形成された場合にバン
ディングの抑制効果を得ることができる。ドットの記録
率が低い階調範囲では、異なる種類のドットが離れて形
成され、十分なバンディングの抑制効果を得ることがで
きない可能性もある。かかる点を考慮して、前記記憶手
段に記憶された少なくとも2種類のマトリックスは、前
記所定の階調範囲において、さらに、各マトリックス間
でドットの形成確率が同等となる画素がそれぞれ同一ラ
スタ上で近接した位置となる関係にあるマトリックスで
あるものとしてもよい。
一ラスタ上にある程度の記録率で形成された場合にバン
ディングの抑制効果を得ることができる。ドットの記録
率が低い階調範囲では、異なる種類のドットが離れて形
成され、十分なバンディングの抑制効果を得ることがで
きない可能性もある。かかる点を考慮して、前記記憶手
段に記憶された少なくとも2種類のマトリックスは、前
記所定の階調範囲において、さらに、各マトリックス間
でドットの形成確率が同等となる画素がそれぞれ同一ラ
スタ上で近接した位置となる関係にあるマトリックスで
あるものとしてもよい。
【0020】かかる設定によれば、各ドットの記録率が
高くなるにつれて、異なる種類のドット同士が同一ラス
タ上で互いに近接した状態で増える。従って、ドットの
記録率が比較的低い領域においても、異種のドット同士
で形成位置のずれによる影響を補償することができる。
従って、幅広い階調範囲において、バンディングを効果
的に抑制することが可能である。
高くなるにつれて、異なる種類のドット同士が同一ラス
タ上で互いに近接した状態で増える。従って、ドットの
記録率が比較的低い領域においても、異種のドット同士
で形成位置のずれによる影響を補償することができる。
従って、幅広い階調範囲において、バンディングを効果
的に抑制することが可能である。
【0021】上記マトリックスを使った多値化手段は、
種々の方法を適用することができる。例えば、前記多値
化手段は、前記マトリックスを用いたディザ法によりド
ットのオン・オフを判定する手段であるものとすること
ができる。
種々の方法を適用することができる。例えば、前記多値
化手段は、前記マトリックスを用いたディザ法によりド
ットのオン・オフを判定する手段であるものとすること
ができる。
【0022】ディザ法とは、マトリックスに記憶された
閾値と画像データの階調値との大小関係に基づいてドッ
トのオン・オフを判定する方法をいう。ディザマトリッ
クスの閾値の設定によってドットが形成される画素を制
御しやすい特徴がある。従って、ディザ法を用いた多値
化を行えば、異なる種類のドットを異なる画素に形成す
る制御を比較的精度良く行うことができ、バンディング
を効果的に抑制することができる。
閾値と画像データの階調値との大小関係に基づいてドッ
トのオン・オフを判定する方法をいう。ディザマトリッ
クスの閾値の設定によってドットが形成される画素を制
御しやすい特徴がある。従って、ディザ法を用いた多値
化を行えば、異なる種類のドットを異なる画素に形成す
る制御を比較的精度良く行うことができ、バンディング
を効果的に抑制することができる。
【0023】また、前記多値化手段は所定の閾値と画像
データの階調値とに基づいて誤差拡散法によりドットの
オン・オフを判定する手段であり、該判定の過程におい
て、前記マトリックスの値を前記画像データの階調値ま
たは前記所定の閾値の少なくとも一方に反映させてドッ
トのオン・オフを判定する手段であるものとすることも
できる。
データの階調値とに基づいて誤差拡散法によりドットの
オン・オフを判定する手段であり、該判定の過程におい
て、前記マトリックスの値を前記画像データの階調値ま
たは前記所定の閾値の少なくとも一方に反映させてドッ
トのオン・オフを判定する手段であるものとすることも
できる。
【0024】誤差拡散法とは、処理済みの画素で生じた
濃度誤差を未処理の画素に拡散し、拡散された誤差を反
映した画像データの階調値と所定の閾値との大小関係に
基づいてドットのオン・オフを判定する方法である。局
所的な濃度誤差を極小にすることができ、画質に優れた
多値化処理を行うことができる特徴がある。誤差拡散法
におけるドットの形成確率は誤差を反映した画像データ
と閾値の大小関係によって変動する。従って、例えば、
マトリックスの値に応じて閾値を変動させれば、ドット
の形成位置を制御することができ、既に述べた効果を得
ることができる。同様にマトリックスの値に応じて画像
データ側を変動させるものとしてもよい。
濃度誤差を未処理の画素に拡散し、拡散された誤差を反
映した画像データの階調値と所定の閾値との大小関係に
基づいてドットのオン・オフを判定する方法である。局
所的な濃度誤差を極小にすることができ、画質に優れた
多値化処理を行うことができる特徴がある。誤差拡散法
におけるドットの形成確率は誤差を反映した画像データ
と閾値の大小関係によって変動する。従って、例えば、
マトリックスの値に応じて閾値を変動させれば、ドット
の形成位置を制御することができ、既に述べた効果を得
ることができる。同様にマトリックスの値に応じて画像
データ側を変動させるものとしてもよい。
【0025】本発明における多値化手段の第2の態様と
して、前記多値化手段は、前記少なくとも2種類のドッ
トについて、各画素ごとに前記所定の階調範囲において
形成されるドットの種類を記憶するドット種記憶手段
と、前記所定の階調範囲において、各画素ごとに前記ド
ット種記憶手段に記憶されたドットについてオン・オフ
を判定する判定手段とを備える手段であるものとするこ
ともできる。
して、前記多値化手段は、前記少なくとも2種類のドッ
トについて、各画素ごとに前記所定の階調範囲において
形成されるドットの種類を記憶するドット種記憶手段
と、前記所定の階調範囲において、各画素ごとに前記ド
ット種記憶手段に記憶されたドットについてオン・オフ
を判定する判定手段とを備える手段であるものとするこ
ともできる。
【0026】即ち、各画素ごとに予め形成されるべきド
ットの種類を設定しておくのである。例えば、A,B2
種類のドットについて、前記所定の階調範囲において
は、主走査方向に奇数番目の画素にドットAを形成し、
偶数番目の画素にドットBを形成するというように予め
設定しておくのである。このように各ドットの種類と形
成すべき画素との対応関係を設定した上で、実際にドッ
トを形成するか否かは、階調値に基づいて判断する。つ
まり、奇数番目の画素にドットAを形成するよう設定し
た場合、奇数番目の画素については階調値に基づいてド
ットAのオン・オフの判定のみを行う。ドットBについ
ては無条件にオフとするのである。逆に偶数番目の画素
については階調値に基づいてドットBのオン・オフの判
定のみを行う。ここでは、ドットA,Bの2種類を用い
る場合を例示したが、3種類以上のドットを用いる場合
も同様に各画素ごとに特定のドットについてオン・オフ
判定を行う。また、このように画素と特定のドットとを
対応づけるのは、所定の階調範囲でのことであり、その
他の階調範囲では、いずれの画素でも各ドットのオン・
オフを判定すればよい。
ットの種類を設定しておくのである。例えば、A,B2
種類のドットについて、前記所定の階調範囲において
は、主走査方向に奇数番目の画素にドットAを形成し、
偶数番目の画素にドットBを形成するというように予め
設定しておくのである。このように各ドットの種類と形
成すべき画素との対応関係を設定した上で、実際にドッ
トを形成するか否かは、階調値に基づいて判断する。つ
まり、奇数番目の画素にドットAを形成するよう設定し
た場合、奇数番目の画素については階調値に基づいてド
ットAのオン・オフの判定のみを行う。ドットBについ
ては無条件にオフとするのである。逆に偶数番目の画素
については階調値に基づいてドットBのオン・オフの判
定のみを行う。ここでは、ドットA,Bの2種類を用い
る場合を例示したが、3種類以上のドットを用いる場合
も同様に各画素ごとに特定のドットについてオン・オフ
判定を行う。また、このように画素と特定のドットとを
対応づけるのは、所定の階調範囲でのことであり、その
他の階調範囲では、いずれの画素でも各ドットのオン・
オフを判定すればよい。
【0027】このようにドットの種類と画素との対応関
係を予め設定しておくことにより、所定の階調範囲にお
ける各種類のドットの形成位置をより厳密に制御するこ
とができる利点がある。また、第1の態様のように、マ
トリックスを予め記憶しておく必要がないという利点も
ある。なお、第2の態様においてもドットのオン・オフ
は種々の方法で判定可能であり、ディザ法および誤差拡
散法その他種々の方法を適用することができる。
係を予め設定しておくことにより、所定の階調範囲にお
ける各種類のドットの形成位置をより厳密に制御するこ
とができる利点がある。また、第1の態様のように、マ
トリックスを予め記憶しておく必要がないという利点も
ある。なお、第2の態様においてもドットのオン・オフ
は種々の方法で判定可能であり、ディザ法および誤差拡
散法その他種々の方法を適用することができる。
【0028】本発明の印刷装置において、前記少なくと
も2種類のドットには、同一色相で濃度の異なるドット
が包含されるものとすることができる。第1の態様の多
値化手段を適用する場合について換言すれば、前記対応
関係は、同一色相のドットを複数のマトリックスに分散
して対応させた関係であるものとすることができる。
も2種類のドットには、同一色相で濃度の異なるドット
が包含されるものとすることができる。第1の態様の多
値化手段を適用する場合について換言すれば、前記対応
関係は、同一色相のドットを複数のマトリックスに分散
して対応させた関係であるものとすることができる。
【0029】こうすれば、同一色相のドット同士でオー
バラップに相当する記録を行うことができる。従って、
該色相で生じるバンディングの軽減に特に有効である。
また、前記色相でバンディングの発生を軽減できる結
果、この色相との混色で表現される色相においても同様
にバンディングを軽減することができる。
バラップに相当する記録を行うことができる。従って、
該色相で生じるバンディングの軽減に特に有効である。
また、前記色相でバンディングの発生を軽減できる結
果、この色相との混色で表現される色相においても同様
にバンディングを軽減することができる。
【0030】また、この場合において、前記少なくとも
2種類のドットには、同一色相で濃度の異なる3種類以
上のドットが包含され、前記多値化手段は、中間調を含
む所定の階調範囲において、同一色相で濃度が一段階異
なるドット同士が各ラスタ上で混在し、かつ異なる画素
に形成される条件の下で、前記判定を行う手段であるも
のとすることもできる。即ち、濃度が2段階異なるドッ
ト同士は、同じ画素に重なって形成されても構わない。
2種類のドットには、同一色相で濃度の異なる3種類以
上のドットが包含され、前記多値化手段は、中間調を含
む所定の階調範囲において、同一色相で濃度が一段階異
なるドット同士が各ラスタ上で混在し、かつ異なる画素
に形成される条件の下で、前記判定を行う手段であるも
のとすることもできる。即ち、濃度が2段階異なるドッ
ト同士は、同じ画素に重なって形成されても構わない。
【0031】一般に濃度の異なる3種類のドットを用い
る場合、階調値に応じた2種類のドットを用いて記録を
行うことが多い。中間調のうち、比較的低階調側の範囲
では、淡ドットおよび中ドットを用い、高階調側の範囲
では中ドットおよび濃ドットを用いるのである。かかる
場合、各階調値では実質的に2種類のドットを用いてい
るのと同等である。従って、濃度の一段階異なる2種類
のドット同士が異なる画素に形成されるように制御する
ことにより、効果的にバンディングを抑制することがで
きる。
る場合、階調値に応じた2種類のドットを用いて記録を
行うことが多い。中間調のうち、比較的低階調側の範囲
では、淡ドットおよび中ドットを用い、高階調側の範囲
では中ドットおよび濃ドットを用いるのである。かかる
場合、各階調値では実質的に2種類のドットを用いてい
るのと同等である。従って、濃度の一段階異なる2種類
のドット同士が異なる画素に形成されるように制御する
ことにより、効果的にバンディングを抑制することがで
きる。
【0032】また、濃度が2段階異なるドット同士は同
じ画素に重なることを許容することにより、広い階調範
囲でバンディングを抑制することができる利点もある。
3種類のドットがそれぞれ異なる画素に形成されるよう
多値化を行ったとする。この場合は、各ドットあたり約
30%程度の記録率までの範囲でドットが異なる画素に
形成されるに過ぎない。上述の通り、各階調値で実質的
には2種類のドットしか用いられないにも関わらず、3
0%を超える記録率では、2種類のドット同士が同じ画
素に形成される確率が高くなり、バンディングを抑制す
る効果が低減する。これに対し、濃度が2段階異なるド
ット同士が同じ画素に形成されることを許容すれば、濃
度が1段階異なるドット同士は、50%程度の記録率ま
での範囲で異なる画素に形成されるようになり、比較的
広い階調範囲でバンディングを抑制することができる。
ここでは、3種類の濃度のドットを用いる場合を例に説
明したが、更に多段階の濃度のドットを用いる場合も同
様である。
じ画素に重なることを許容することにより、広い階調範
囲でバンディングを抑制することができる利点もある。
3種類のドットがそれぞれ異なる画素に形成されるよう
多値化を行ったとする。この場合は、各ドットあたり約
30%程度の記録率までの範囲でドットが異なる画素に
形成されるに過ぎない。上述の通り、各階調値で実質的
には2種類のドットしか用いられないにも関わらず、3
0%を超える記録率では、2種類のドット同士が同じ画
素に形成される確率が高くなり、バンディングを抑制す
る効果が低減する。これに対し、濃度が2段階異なるド
ット同士が同じ画素に形成されることを許容すれば、濃
度が1段階異なるドット同士は、50%程度の記録率ま
での範囲で異なる画素に形成されるようになり、比較的
広い階調範囲でバンディングを抑制することができる。
ここでは、3種類の濃度のドットを用いる場合を例に説
明したが、更に多段階の濃度のドットを用いる場合も同
様である。
【0033】上記構成を、第1の態様の多値化手段を適
用する場合については、前記対応関係は、同一色相のド
ットを、2種類のマトリックスに、濃度順に交互に対応
させた関係であるものとすることが望ましい。もちろ
ん、このことは3種類以上のマトリックスを利用する態
様を除外するものではない。
用する場合については、前記対応関係は、同一色相のド
ットを、2種類のマトリックスに、濃度順に交互に対応
させた関係であるものとすることが望ましい。もちろ
ん、このことは3種類以上のマトリックスを利用する態
様を除外するものではない。
【0034】上述の通り、2種類のマトリックスを利用
すれば、マトリックスを記憶するメモリを抑制しつつ、
効果的にバンディングを抑制することができる利点があ
る。例えば、濃度が低い順に淡ドット、中ドット、濃ド
ットの3種類のドットが形成される場合を考える。2種
類のマトリックスをマトリックスA,マトリックスBと
するとき、上記構成では、淡ドットにマトリックスA、
中ドットにマトリックスB、濃ドットにマトリックスA
を対応させる。またはマトリックスAとマトリックスB
とを置換した対応関係とする。こうすることにより、マ
トリックスを記憶する容量を節約しつつ、広い階調範囲
で効果的にバンディングを抑制することができる。
すれば、マトリックスを記憶するメモリを抑制しつつ、
効果的にバンディングを抑制することができる利点があ
る。例えば、濃度が低い順に淡ドット、中ドット、濃ド
ットの3種類のドットが形成される場合を考える。2種
類のマトリックスをマトリックスA,マトリックスBと
するとき、上記構成では、淡ドットにマトリックスA、
中ドットにマトリックスB、濃ドットにマトリックスA
を対応させる。またはマトリックスAとマトリックスB
とを置換した対応関係とする。こうすることにより、マ
トリックスを記憶する容量を節約しつつ、広い階調範囲
で効果的にバンディングを抑制することができる。
【0035】同一色相で濃度の異なるドットを形成する
印刷装置に適用する場合には、前記多値化手段は、前記
濃度の異なる各ドットの記録率と階調値との関係を予め
記憶する記録率記憶手段と、該関係に基づいて各ドット
のオン・オフを判定する手段とを備え、前記各ドットの
記録率は、少なくとも中間調において、50%を超えな
い範囲で設定されているものとすることが望ましい。
印刷装置に適用する場合には、前記多値化手段は、前記
濃度の異なる各ドットの記録率と階調値との関係を予め
記憶する記録率記憶手段と、該関係に基づいて各ドット
のオン・オフを判定する手段とを備え、前記各ドットの
記録率は、少なくとも中間調において、50%を超えな
い範囲で設定されているものとすることが望ましい。
【0036】濃度の異なるドットを用いる場合、表現す
べき階調値に応じて、各ドットの記録率を種々の値に設
定することが可能である。ここで、本発明の印刷装置
は、種類の異なるドット同士を互いに重ならない形成す
ることで、バンディングの発生を抑制するものである。
かかる作用は、各ドットの記録率が50%を超えない範
囲に設定されている場合に特に有効である。上記構成の
印刷装置によれば、いわゆる中間調において、50%を
超えないよう各ドットの記録率が設定されるから、中間
調でバンディングを効果的に抑制することができる。一
般に中間調はバンディングが顕著に発生することが多い
ため、上記構成の印刷装置によれば、バンディングを効
果的に抑制し、画質を大きく向上することができる。
べき階調値に応じて、各ドットの記録率を種々の値に設
定することが可能である。ここで、本発明の印刷装置
は、種類の異なるドット同士を互いに重ならない形成す
ることで、バンディングの発生を抑制するものである。
かかる作用は、各ドットの記録率が50%を超えない範
囲に設定されている場合に特に有効である。上記構成の
印刷装置によれば、いわゆる中間調において、50%を
超えないよう各ドットの記録率が設定されるから、中間
調でバンディングを効果的に抑制することができる。一
般に中間調はバンディングが顕著に発生することが多い
ため、上記構成の印刷装置によれば、バンディングを効
果的に抑制し、画質を大きく向上することができる。
【0037】本発明は、同一色相で濃度の異なるドット
を形成する場合に限らず、前記異なる種類のドットに
は、色相の異なるドットが包含される場合にも適用可能
である。第1の態様の多値化手段を適用する場合には、
前記対応関係は、色相の異なるドットを複数のマトリッ
クスに分散して対応させた関係であるものとすることが
できる。こうすれば、特に複数の色相の混色で表現され
る色相においてバンディングを効果的に抑制することが
できる。
を形成する場合に限らず、前記異なる種類のドットに
は、色相の異なるドットが包含される場合にも適用可能
である。第1の態様の多値化手段を適用する場合には、
前記対応関係は、色相の異なるドットを複数のマトリッ
クスに分散して対応させた関係であるものとすることが
できる。こうすれば、特に複数の色相の混色で表現され
る色相においてバンディングを効果的に抑制することが
できる。
【0038】色相の異なるドットを形成する印刷装置に
適用する場合において、前記色相の異なるドットは、混
色により黒色を表現可能な色相のドットに適用すること
ができる。第1の態様の多値化手段を適用する場合に
は、前記記憶手段は、前記黒色を表現可能な色相に応じ
た種類のマトリックスを記憶する手段であり、前記対応
関係は、前記黒色を表現可能な各色相ごとに異なるマト
リックスを対応させた関係であるものとすることが望ま
しい。
適用する場合において、前記色相の異なるドットは、混
色により黒色を表現可能な色相のドットに適用すること
ができる。第1の態様の多値化手段を適用する場合に
は、前記記憶手段は、前記黒色を表現可能な色相に応じ
た種類のマトリックスを記憶する手段であり、前記対応
関係は、前記黒色を表現可能な各色相ごとに異なるマト
リックスを対応させた関係であるものとすることが望ま
しい。
【0039】こうすれば、混色により黒を表現する場合
のバンディングを効果的に抑制することができる。従っ
て、いわゆるモノトーンでの印刷の画質を向上すること
ができる。なお、上記構成では、黒の表現に用いられる
各色相ごとに異なる画素にドットを形成する。例えば、
3色の混色で黒を表現する場合、黒の表現にはこれらの
3色が同等の割合で形成されるから、3色をそれぞれ異
なる画素に形成することにより、効果的にバンディング
の発生を抑制することができる。
のバンディングを効果的に抑制することができる。従っ
て、いわゆるモノトーンでの印刷の画質を向上すること
ができる。なお、上記構成では、黒の表現に用いられる
各色相ごとに異なる画素にドットを形成する。例えば、
3色の混色で黒を表現する場合、黒の表現にはこれらの
3色が同等の割合で形成されるから、3色をそれぞれ異
なる画素に形成することにより、効果的にバンディング
の発生を抑制することができる。
【0040】本発明の印刷装置において、印刷条件を入
力する印刷条件入力手段を備え、前記多値化手段は、印
刷条件に応じていずれの種類のドットを前記少なくとも
2種類のドットとすべきかの対応関係を設定するドット
種設定手段と、印刷条件に応じて前記少なくとも2種類
のドットのそれぞれが形成される画素を設定する画素設
定手段との少なくとも一方を備えることにより印刷条件
に応じて前記判定を行う手段であるものとすることもで
きる。
力する印刷条件入力手段を備え、前記多値化手段は、印
刷条件に応じていずれの種類のドットを前記少なくとも
2種類のドットとすべきかの対応関係を設定するドット
種設定手段と、印刷条件に応じて前記少なくとも2種類
のドットのそれぞれが形成される画素を設定する画素設
定手段との少なくとも一方を備えることにより印刷条件
に応じて前記判定を行う手段であるものとすることもで
きる。
【0041】第1の態様の多値化手段を適用する場合に
ついて換言すれば、前記対応記憶手段は、前記各マトリ
ックスとドットの種類との対応関係を印刷条件に応じて
複数記憶する手段であり、印刷条件を入力する印刷条件
入力手段と、該印刷条件に基づいて前記対応関係記憶手
段を参照して、前記多値化手段に用いられるマトリック
スを特定するマトリックス特定手段とを備えるものとす
ることもできる。
ついて換言すれば、前記対応記憶手段は、前記各マトリ
ックスとドットの種類との対応関係を印刷条件に応じて
複数記憶する手段であり、印刷条件を入力する印刷条件
入力手段と、該印刷条件に基づいて前記対応関係記憶手
段を参照して、前記多値化手段に用いられるマトリック
スを特定するマトリックス特定手段とを備えるものとす
ることもできる。
【0042】こうすれば、印刷条件に応じて効果的にバ
ンディングを抑制することができる。例えば、多色での
印刷が指定された場合と、モノトーン印刷が指定された
場合とでドットの形成状態を使い分けることができる。
画像データで多用されている色に応じて、その色相でバ
ンディングを効果的に抑制できる状態でドットを形成す
るよう制御するものとしてもよい。シアン、マゼンタ、
イエロを使用する印刷装置について具体例を示せば、赤
のバンディングが顕著な場合には、マゼンタとイエロと
の間でドットの形成位置を制御し、青で顕著な場合には
シアンとマゼンタとの間、緑で顕著な場合にはシアンと
イエロとの間でそれぞれドットの形成位置を制御すれば
よい。印刷条件には、装置の相違を含めることもでき
る。一般にドットのずれ特性は、印刷装置ごとに個体差
が存在する。従って、各装置ごとにバンディングの生じ
やすい色相を予め認定しておき、その色相でバンディン
グを効果的に抑制できるドットの形成状態を実現するも
のとしてもよい。その他、印刷時の解像度、印刷媒体の
種類など、種々の印刷条件での使い分けを適用すること
ができる。
ンディングを抑制することができる。例えば、多色での
印刷が指定された場合と、モノトーン印刷が指定された
場合とでドットの形成状態を使い分けることができる。
画像データで多用されている色に応じて、その色相でバ
ンディングを効果的に抑制できる状態でドットを形成す
るよう制御するものとしてもよい。シアン、マゼンタ、
イエロを使用する印刷装置について具体例を示せば、赤
のバンディングが顕著な場合には、マゼンタとイエロと
の間でドットの形成位置を制御し、青で顕著な場合には
シアンとマゼンタとの間、緑で顕著な場合にはシアンと
イエロとの間でそれぞれドットの形成位置を制御すれば
よい。印刷条件には、装置の相違を含めることもでき
る。一般にドットのずれ特性は、印刷装置ごとに個体差
が存在する。従って、各装置ごとにバンディングの生じ
やすい色相を予め認定しておき、その色相でバンディン
グを効果的に抑制できるドットの形成状態を実現するも
のとしてもよい。その他、印刷時の解像度、印刷媒体の
種類など、種々の印刷条件での使い分けを適用すること
ができる。
【0043】なお、本発明は種々の構成のヘッドを備え
る印刷装置に適用することが可能であるが、特に、イン
クを吐出してドットを形成するヘッドを備える場合に効
果的である。かかるヘッドは、ドットの形成位置にずれ
が生じやすく、バンディングが生じやすい。従って、本
発明を適用することにより、効果的にバンディングを抑
制でき、画質を大きく向上することができる。
る印刷装置に適用することが可能であるが、特に、イン
クを吐出してドットを形成するヘッドを備える場合に効
果的である。かかるヘッドは、ドットの形成位置にずれ
が生じやすく、バンディングが生じやすい。従って、本
発明を適用することにより、効果的にバンディングを抑
制でき、画質を大きく向上することができる。
【0044】本発明は、次に示す印刷方法の発明として
構成することもできる。即ち、本発明の印刷方法は、複
数のヘッドを用いた主走査および副走査を行って、該ヘ
ッドごとに種類の異なるドットを印刷媒体上に形成して
画像を印刷する印刷方法であって、(a) 画像データ
を入力する工程と、(b) 前記画像データに基づい
て、各画素ごとに各ドットのオン・オフを判定する工程
と、(c) 該多値化結果に応じて前記ヘッドを用いた
主走査および副走査を行ってドットを形成する工程とを
備え、前記工程(b)は、少なくとも2種類のドットに
ついて、中間調を含む所定の階調範囲においてドットが
形成される画素が互いに異なる位置となり、かつ異なる
種類のドットが各ラスタ上で混在して形成されるよう前
記判定を行う工程である印刷方法である。
構成することもできる。即ち、本発明の印刷方法は、複
数のヘッドを用いた主走査および副走査を行って、該ヘ
ッドごとに種類の異なるドットを印刷媒体上に形成して
画像を印刷する印刷方法であって、(a) 画像データ
を入力する工程と、(b) 前記画像データに基づい
て、各画素ごとに各ドットのオン・オフを判定する工程
と、(c) 該多値化結果に応じて前記ヘッドを用いた
主走査および副走査を行ってドットを形成する工程とを
備え、前記工程(b)は、少なくとも2種類のドットに
ついて、中間調を含む所定の階調範囲においてドットが
形成される画素が互いに異なる位置となり、かつ異なる
種類のドットが各ラスタ上で混在して形成されるよう前
記判定を行う工程である印刷方法である。
【0045】かかる印刷方法によれば、先に印刷装置で
説明したのと同様の作用により、印刷速度の低下を招く
ことなく、バンディングの発生を抑制し、高画質な印刷
を実現することができる。なお、上記印刷方法の発明に
おいても、先に印刷装置で示した種々の付加的要素を加
味することができることは言うまでもない。
説明したのと同様の作用により、印刷速度の低下を招く
ことなく、バンディングの発生を抑制し、高画質な印刷
を実現することができる。なお、上記印刷方法の発明に
おいても、先に印刷装置で示した種々の付加的要素を加
味することができることは言うまでもない。
【0046】本発明は、また、以下に示す記録媒体とし
て構成することも可能である。即ち、本発明の記録媒体
は、複数のヘッドを用いた主走査および副走査を行っ
て、該ヘッドごとに種類の異なるドットを印刷媒体上に
形成して画像を印刷する印刷装置を駆動するプログラム
をコンピュータ読みとり可能に記録した記録媒体であっ
て、前記画像データに基づいて、各画素ごとに各ドット
のオン・オフを判定する機能であって、少なくとも2種
類のドットについて、中間調を含む所定の階調範囲にお
いてドットが形成される画素が互いに異なる位置とな
り、かつ異なる種類のドットが各ラスタ上で混在して形
成されるように該判定を行う機能を実現するプログラム
を記録した記録媒体である。
て構成することも可能である。即ち、本発明の記録媒体
は、複数のヘッドを用いた主走査および副走査を行っ
て、該ヘッドごとに種類の異なるドットを印刷媒体上に
形成して画像を印刷する印刷装置を駆動するプログラム
をコンピュータ読みとり可能に記録した記録媒体であっ
て、前記画像データに基づいて、各画素ごとに各ドット
のオン・オフを判定する機能であって、少なくとも2種
類のドットについて、中間調を含む所定の階調範囲にお
いてドットが形成される画素が互いに異なる位置とな
り、かつ異なる種類のドットが各ラスタ上で混在して形
成されるように該判定を行う機能を実現するプログラム
を記録した記録媒体である。
【0047】また、第1の多値化手段を適用する場合に
相当する記録媒体として、複数のヘッドを用いた主走査
および副走査を行って、該ヘッドごとに種類の異なるド
ットを印刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷装置を
駆動するプログラムをコンピュータ読みとり可能に記録
した記録媒体であって、該プログラムに用いられるデー
タとして、中間調を含む所定の階調範囲においてドット
が形成される画素が互いに異なる位置となり、かつ異な
る種類のドットが各ラスタ上で混在して形成される関係
にある少なくとも2種類のマトリックスを記録する記録
媒体としてもよい。
相当する記録媒体として、複数のヘッドを用いた主走査
および副走査を行って、該ヘッドごとに種類の異なるド
ットを印刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷装置を
駆動するプログラムをコンピュータ読みとり可能に記録
した記録媒体であって、該プログラムに用いられるデー
タとして、中間調を含む所定の階調範囲においてドット
が形成される画素が互いに異なる位置となり、かつ異な
る種類のドットが各ラスタ上で混在して形成される関係
にある少なくとも2種類のマトリックスを記録する記録
媒体としてもよい。
【0048】これらの記録媒体に記録されたプログラム
がコンピュータで実施されることにより、本発明の印刷
装置または印刷方法を実現することができる。上記プロ
グラムは、上記機能を実現する単独のプログラムとして
構成してもよいし、印刷装置を駆動するプログラムの一
部として構成するものとしてもよい。
がコンピュータで実施されることにより、本発明の印刷
装置または印刷方法を実現することができる。上記プロ
グラムは、上記機能を実現する単独のプログラムとして
構成してもよいし、印刷装置を駆動するプログラムの一
部として構成するものとしてもよい。
【0049】なお、記憶媒体としては、フレキシブルデ
ィスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、
ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの
符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置
(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置
等、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用でき
る。また、通信経路を介して、上記コンピュータプログ
ラムをコンピュータに供給するプログラム供給装置とし
ての態様も含む。さらに、本発明はコンピュータ自体ま
たはこれと同視し得る各種信号として構成することも可
能である。
ィスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、
ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの
符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置
(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置
等、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用でき
る。また、通信経路を介して、上記コンピュータプログ
ラムをコンピュータに供給するプログラム供給装置とし
ての態様も含む。さらに、本発明はコンピュータ自体ま
たはこれと同視し得る各種信号として構成することも可
能である。
【0050】
【発明の実施の形態】(1)装置の構成:以下、本発明
の実施の形態について、実施例に基づき説明する。図1
は実施例としての印刷装置の概略構成を示す説明図であ
る。本実施例の印刷装置は、プリンタPRTをコンピュ
ータPCにケーブルCBにより接続して構成される。コ
ンピュータPCはプリンタPRTに印刷用のデータを転
送するとともに、プリンタPRTの動作を制御する役割
を果たす。これらの処理は、プリンタドライバと呼ばれ
るプログラムに基づいて行われる。
の実施の形態について、実施例に基づき説明する。図1
は実施例としての印刷装置の概略構成を示す説明図であ
る。本実施例の印刷装置は、プリンタPRTをコンピュ
ータPCにケーブルCBにより接続して構成される。コ
ンピュータPCはプリンタPRTに印刷用のデータを転
送するとともに、プリンタPRTの動作を制御する役割
を果たす。これらの処理は、プリンタドライバと呼ばれ
るプログラムに基づいて行われる。
【0051】コンピュータPCは、フレキシブルディス
クドライブFDDやCD−ROMドライブCDDを介し
て、それぞれフレキシブルディスクやCD−ROMとい
った記録媒体からプログラムをロードし実行することが
できる。また、コンピュータPCは外部のネットワーク
TNに接続されており、特定のサーバーSVにアクセス
して、プログラムをダウンロードすることも可能であ
る。当然、これらのプログラムは、印刷に必要なプログ
ラム全体をまとめてロードする態様を採ることもできる
し、一部のモジュールのみをロードする態様を採ること
もできる。
クドライブFDDやCD−ROMドライブCDDを介し
て、それぞれフレキシブルディスクやCD−ROMとい
った記録媒体からプログラムをロードし実行することが
できる。また、コンピュータPCは外部のネットワーク
TNに接続されており、特定のサーバーSVにアクセス
して、プログラムをダウンロードすることも可能であ
る。当然、これらのプログラムは、印刷に必要なプログ
ラム全体をまとめてロードする態様を採ることもできる
し、一部のモジュールのみをロードする態様を採ること
もできる。
【0052】図2は実施例の印刷装置の機能ブロックを
示す説明図である。コンピュータPCでは、所定のオペ
レーティングシステムの下で、アプリケーションプログ
ラムAPが動作している。オペレーティングシステムに
はプリンタドライバ90が組み込まれている。アプリケ
ーションプログラムAPは、スキャナ12からレッド
(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の階調値で表さ
れるカラー画像データORGを読み込み、画像のレタッ
チなどの処理を行う。
示す説明図である。コンピュータPCでは、所定のオペ
レーティングシステムの下で、アプリケーションプログ
ラムAPが動作している。オペレーティングシステムに
はプリンタドライバ90が組み込まれている。アプリケ
ーションプログラムAPは、スキャナ12からレッド
(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の階調値で表さ
れるカラー画像データORGを読み込み、画像のレタッ
チなどの処理を行う。
【0053】このアプリケーションプログラムAPが、
印刷命令を発すると、コンピュータPCのプリンタドラ
イバ90が、画像データをアプリケーションプログラム
APから受け取り、これをプリンタPRTが処理可能な
信号に変換する。図2に示した例では、プリンタドライ
バ90の内部には、かかる変換処理を行う機能ブロック
として、解像度変換モジュール91、色補正モジュール
92、ハーフトーンモジュール93、およびラスタライ
ザ94とが備えられている。また、色補正モジュール9
2が参照するテーブルとして色補正テーブルLUTが備
えられている。ハーフトーンモジュール93が参照する
ディザマトリックスDMが複数備えられ、その使い分け
を司る対応マトリックス選択部95も備えられている。
印刷命令を発すると、コンピュータPCのプリンタドラ
イバ90が、画像データをアプリケーションプログラム
APから受け取り、これをプリンタPRTが処理可能な
信号に変換する。図2に示した例では、プリンタドライ
バ90の内部には、かかる変換処理を行う機能ブロック
として、解像度変換モジュール91、色補正モジュール
92、ハーフトーンモジュール93、およびラスタライ
ザ94とが備えられている。また、色補正モジュール9
2が参照するテーブルとして色補正テーブルLUTが備
えられている。ハーフトーンモジュール93が参照する
ディザマトリックスDMが複数備えられ、その使い分け
を司る対応マトリックス選択部95も備えられている。
【0054】解像度変換モジュール91は、アプリケー
ションプログラムAPが扱っているカラー画像データの
解像度、即ち単位長さ当たりの画素数を印刷条件に応じ
た解像度に変換する役割を果たす。色補正モジュール9
2は、色補正テーブルLUTを参照して、各画素ごとに
画像データの色成分をRGBから、プリンタPRTが使
用する各色相に対応した階調値に変換する。後述する通
り、プリンタPRTには、シアン(C)、ライトシアン
(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、
イエロ(Y)、ブラック(K)の6色が備えられてい
る。ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)と
は、それぞれ濃度の低いシアン、マゼンタのインクであ
るから、プリンタPRTで扱う色相は4種類となる。色
補正テーブルLUTは、RGBの階調値で与えられた色
を表現するために各色相で形成されるドットの記録率を
与えるテーブルである。本実施例では、各インクごとに
8ビット、即ち256階調のデータを与えるものとし
た。
ションプログラムAPが扱っているカラー画像データの
解像度、即ち単位長さ当たりの画素数を印刷条件に応じ
た解像度に変換する役割を果たす。色補正モジュール9
2は、色補正テーブルLUTを参照して、各画素ごとに
画像データの色成分をRGBから、プリンタPRTが使
用する各色相に対応した階調値に変換する。後述する通
り、プリンタPRTには、シアン(C)、ライトシアン
(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、
イエロ(Y)、ブラック(K)の6色が備えられてい
る。ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)と
は、それぞれ濃度の低いシアン、マゼンタのインクであ
るから、プリンタPRTで扱う色相は4種類となる。色
補正テーブルLUTは、RGBの階調値で与えられた色
を表現するために各色相で形成されるドットの記録率を
与えるテーブルである。本実施例では、各インクごとに
8ビット、即ち256階調のデータを与えるものとし
た。
【0055】プリンタPRTは、各画素ごとに見れば、
ドットのオン・オフの2階調しか表現し得ない。ハーフ
トーンモジュール93は、ドットの分布によってプリン
タPRTで多階調を表現するためのハーフトーン処理を
実行する。つまり、ハーフトーンモジュール93は、画
像データの階調値に基づいて、各画素ごとに各インクに
よるドットのオン・オフを判定する。本実施例では、い
わゆるディザ法によってハーフトーン処理を行う。ディ
ザ法では、予め設定されたディザマトリックスDMに記
憶された閾値に基づいてハーフトーン処理を実行する。
本実施例では、後述する通り、ハーフトーン処理の対象
となるドットの種類によってディザマトリックスDMを
使い分けている。従って、ディザマトリックスDMを複
数用意するとともに、その使い分けを司る対応マトリッ
クス選択部95を備える。対応マトリックス選択部95
は、ハーフトーンモジュール93から処理対象となるド
ットの種類など所定の条件を受け取り、ハーフトーン処
理に用いられるべきディザマトリックスDMを選択す
る。ハーフトーンモジュール93は、このディザマトリ
ックスを用いてハーフトーン処理を行う。
ドットのオン・オフの2階調しか表現し得ない。ハーフ
トーンモジュール93は、ドットの分布によってプリン
タPRTで多階調を表現するためのハーフトーン処理を
実行する。つまり、ハーフトーンモジュール93は、画
像データの階調値に基づいて、各画素ごとに各インクに
よるドットのオン・オフを判定する。本実施例では、い
わゆるディザ法によってハーフトーン処理を行う。ディ
ザ法では、予め設定されたディザマトリックスDMに記
憶された閾値に基づいてハーフトーン処理を実行する。
本実施例では、後述する通り、ハーフトーン処理の対象
となるドットの種類によってディザマトリックスDMを
使い分けている。従って、ディザマトリックスDMを複
数用意するとともに、その使い分けを司る対応マトリッ
クス選択部95を備える。対応マトリックス選択部95
は、ハーフトーンモジュール93から処理対象となるド
ットの種類など所定の条件を受け取り、ハーフトーン処
理に用いられるべきディザマトリックスDMを選択す
る。ハーフトーンモジュール93は、このディザマトリ
ックスを用いてハーフトーン処理を行う。
【0056】こうして処理された画像データは、ラスタ
ライザ94によりプリンタPRTに転送すべきデータ順
に並べ替えられて、最終的な印刷データFNLとして出
力される。プリンタPRTは、ヘッドを主走査および副
走査しつつ、プリンタドライバ90から転送された印刷
データFNLに基づいて、印刷用紙上にドットを形成し
て、画像を印刷する。本実施例では、プリンタPRTは
印刷データFNLに従ってドットを形成する役割を果た
すのみであり画像処理は行っていないが、もちろんこれ
らの処理をプリンタPRT側で行うものとしても差し支
えない。
ライザ94によりプリンタPRTに転送すべきデータ順
に並べ替えられて、最終的な印刷データFNLとして出
力される。プリンタPRTは、ヘッドを主走査および副
走査しつつ、プリンタドライバ90から転送された印刷
データFNLに基づいて、印刷用紙上にドットを形成し
て、画像を印刷する。本実施例では、プリンタPRTは
印刷データFNLに従ってドットを形成する役割を果た
すのみであり画像処理は行っていないが、もちろんこれ
らの処理をプリンタPRT側で行うものとしても差し支
えない。
【0057】図3によりプリンタPRTの概略構成を説
明する。図示するように、プリンタPRTは、紙送りモ
ータ23によって用紙Pを搬送する回路と、キャリッジ
モータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸
方向に往復動させる回路と、キャリッジ31に搭載され
た印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット
形成を行う回路と、これらの紙送りモータ23,キャリ
ッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル32
との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成され
ている。
明する。図示するように、プリンタPRTは、紙送りモ
ータ23によって用紙Pを搬送する回路と、キャリッジ
モータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸
方向に往復動させる回路と、キャリッジ31に搭載され
た印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット
形成を行う回路と、これらの紙送りモータ23,キャリ
ッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル32
との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成され
ている。
【0058】キャリッジ31をプラテン26の軸方向に
往復動させる回路は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、
キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検
出する位置検出センサ39等から構成されている。
往復動させる回路は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、
キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検
出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0059】キャリッジ31には、黒インク(K)用の
カートリッジ71とシアン(C)、ライトシアン(L
C)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、イエ
ロ(Y)の3色のインクを収納したカラーインク用カー
トリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部
の印字ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61
〜66が形成されている。キャリッジ31の底部には、
これらのヘッドにそれぞれのインクタンクからインクを
導くインク通路68が設けられている。
カートリッジ71とシアン(C)、ライトシアン(L
C)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、イエ
ロ(Y)の3色のインクを収納したカラーインク用カー
トリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部
の印字ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61
〜66が形成されている。キャリッジ31の底部には、
これらのヘッドにそれぞれのインクタンクからインクを
導くインク通路68が設けられている。
【0060】図4は印字ヘッド61〜66におけるノズ
ルNzの配列を示す説明図である。これらのノズルの配
置は、6色のインクに対応した6組のノズルアレイから
成っており、48個のノズルNzが一定のノズルピッチ
kで千鳥状に配列されている。各ノズルアレイの副走査
方向の位置は互いに一致している。
ルNzの配列を示す説明図である。これらのノズルの配
置は、6色のインクに対応した6組のノズルアレイから
成っており、48個のノズルNzが一定のノズルピッチ
kで千鳥状に配列されている。各ノズルアレイの副走査
方向の位置は互いに一致している。
【0061】図5は印字ヘッド28によるドットの形成
原理を示す説明図である。図示の都合上、インクK,
C,LCを吐出する部分について示した。カートリッジ
71がキャリッジ31に装着されると、各色のインクは
図5に示すインク通路68を通じて各色ヘッド61〜6
6に供給される。図示する通り、ヘッド61〜66に
は、各ノズル毎にピエゾ素子PEが配置されている。ピ
エゾ素子PEは、周知の通り、電圧の印加により結晶構
造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行
う素子である。ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極
間に所定の時間幅で電圧を印加すると、図5に矢印で示
すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張
し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結果、
インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて
収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとな
って、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このイ
ンク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み
込むことにより印刷が行われる。
原理を示す説明図である。図示の都合上、インクK,
C,LCを吐出する部分について示した。カートリッジ
71がキャリッジ31に装着されると、各色のインクは
図5に示すインク通路68を通じて各色ヘッド61〜6
6に供給される。図示する通り、ヘッド61〜66に
は、各ノズル毎にピエゾ素子PEが配置されている。ピ
エゾ素子PEは、周知の通り、電圧の印加により結晶構
造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行
う素子である。ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極
間に所定の時間幅で電圧を印加すると、図5に矢印で示
すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張
し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結果、
インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて
収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとな
って、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このイ
ンク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み
込むことにより印刷が行われる。
【0062】プリンタPRTの各機能を制御する制御回
路40は、CPU,PROM,RAMを備えるマイクロ
コンピュータとして構成されている。制御回路40に
は、ヘッド61〜66のそれぞれにピエゾ素子を駆動す
るための駆動波形を出力する発信器が設けられている。
制御回路40が、ヘッド61〜66の各ノズルについて
ドットのオン・オフを指定するデータに基づいて、駆動
波形を出力すると、先に説明した原理に基づいて、オン
に設定されたノズルからインクが吐出される。
路40は、CPU,PROM,RAMを備えるマイクロ
コンピュータとして構成されている。制御回路40に
は、ヘッド61〜66のそれぞれにピエゾ素子を駆動す
るための駆動波形を出力する発信器が設けられている。
制御回路40が、ヘッド61〜66の各ノズルについて
ドットのオン・オフを指定するデータに基づいて、駆動
波形を出力すると、先に説明した原理に基づいて、オン
に設定されたノズルからインクが吐出される。
【0063】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタPRTは、紙送りモータ23により用紙Pを搬送
する副走査と、キャリッジ31をキャリッジモータ24
により往復動させつつ各ヘッド61〜66のピエゾ素子
PEを駆動してドットを形成する主走査とを繰り返し行
って用紙P上に単色の画像を多階調で印刷する。
リンタPRTは、紙送りモータ23により用紙Pを搬送
する副走査と、キャリッジ31をキャリッジモータ24
により往復動させつつ各ヘッド61〜66のピエゾ素子
PEを駆動してドットを形成する主走査とを繰り返し行
って用紙P上に単色の画像を多階調で印刷する。
【0064】なお、本実施例では、上述の通りピエゾ素
子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリン
タPRTを用いているが、他の方法によりインクを吐出
するプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、イン
ク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生
する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリ
ンタに適用するものとしてもよい。また、インクを吐出
するタイプのプリンタのみならず、いわゆる熱転写型、
昇華型、ドットインパクト型などの種々のタイプのプリ
ンタを適用することができる。
子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリン
タPRTを用いているが、他の方法によりインクを吐出
するプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、イン
ク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生
する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリ
ンタに適用するものとしてもよい。また、インクを吐出
するタイプのプリンタのみならず、いわゆる熱転写型、
昇華型、ドットインパクト型などの種々のタイプのプリ
ンタを適用することができる。
【0065】(2)ドット形成制御処理ルーチン:図6
はドット形成制御処理ルーチンのフローチャートであ
る。このルーチンはプリンタドライバ90による処理で
あり、本実施例ではコンピュータPCのCPUにより実
行されるルーチンである。
はドット形成制御処理ルーチンのフローチャートであ
る。このルーチンはプリンタドライバ90による処理で
あり、本実施例ではコンピュータPCのCPUにより実
行されるルーチンである。
【0066】ドット形成制御処理ルーチンが実行される
と、CPUは、画像データを入力する(ステップS1
0)。この画像データは、図2に示したアプリケーショ
ンプログラムAPから受け渡されるデータであり、画像
を構成する各画素ごとにR,G,Bそれぞれの色につい
て、値0〜255の256段階の階調値を有するデータ
である。CPUは、また、入力された画像データをプリ
ンタPRTが印刷するための解像度に変換する(ステッ
プS20)。
と、CPUは、画像データを入力する(ステップS1
0)。この画像データは、図2に示したアプリケーショ
ンプログラムAPから受け渡されるデータであり、画像
を構成する各画素ごとにR,G,Bそれぞれの色につい
て、値0〜255の256段階の階調値を有するデータ
である。CPUは、また、入力された画像データをプリ
ンタPRTが印刷するための解像度に変換する(ステッ
プS20)。
【0067】次に、CPUは、色補正処理を行う(ステ
ップS30)。色補正処理とは既に説明した通り、R,
G,Bの階調値からなる画像データをプリンタPRTで
使用する各色相に対応した階調データに変換する処理で
ある。この処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせ
からなる色をプリンタPRTが備えるインクに対応した
各色相の組み合わせで表した色補正テーブルLUTを用
いて行われる。色補正テーブルLUTを用いて色補正す
る処理自体については、公知の種々の技術が適用可能で
あり、例えば画像データの階調値に応じて色補正テーブ
ルLUTを補間する処理が適用できる。この処理により
画像データは、各色相ごとに256階調を有するデータ
に変換される。
ップS30)。色補正処理とは既に説明した通り、R,
G,Bの階調値からなる画像データをプリンタPRTで
使用する各色相に対応した階調データに変換する処理で
ある。この処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせ
からなる色をプリンタPRTが備えるインクに対応した
各色相の組み合わせで表した色補正テーブルLUTを用
いて行われる。色補正テーブルLUTを用いて色補正す
る処理自体については、公知の種々の技術が適用可能で
あり、例えば画像データの階調値に応じて色補正テーブ
ルLUTを補間する処理が適用できる。この処理により
画像データは、各色相ごとに256階調を有するデータ
に変換される。
【0068】こうして色補正された画像データに対し
て、CPUはハーフトーン処理を行う(ステップS10
0)。ハーフトーン処理とは、画像データとして与えら
れる256段階の階調値をドットの分布によって表現す
るように、各画素ごとにドットのオン・オフに対応した
2値への変換を行う処理をいう。本実施例のプリンタP
RTは、各画素ごとにドットのオン・オフの2値しか表
現し得ないが、インク重量の異なるドットを用いて各画
素ごとに3値以上の濃度を表現可能なプリンタを使用す
る場合には、3値以上への多値化を行うものとしてもよ
い。
て、CPUはハーフトーン処理を行う(ステップS10
0)。ハーフトーン処理とは、画像データとして与えら
れる256段階の階調値をドットの分布によって表現す
るように、各画素ごとにドットのオン・オフに対応した
2値への変換を行う処理をいう。本実施例のプリンタP
RTは、各画素ごとにドットのオン・オフの2値しか表
現し得ないが、インク重量の異なるドットを用いて各画
素ごとに3値以上の濃度を表現可能なプリンタを使用す
る場合には、3値以上への多値化を行うものとしてもよ
い。
【0069】本実施例ではディザ法によりハーフトーン
処理を行う。ハーフトーン処理の詳細な内容は、後述す
る。ハーフトーン処理が終了すると、CPUはラスタラ
イズを行う(ステップS300)。これは、各ラスタの
データをプリンタPRTに転送する順序に並べ替えるこ
とをいう。プリンタPRTがラスタを形成する記録方法
には種々のモードがある。最も単純なのは、ヘッドの1
回の往運動で各ラスタのドットを全て形成するモードで
ある。この場合には1ラスタ分のデータを処理された順
序でヘッドに出力すればよい。他のモードとしては、い
わゆるオーバラップがある。例えば、1回目の主走査で
は各ラスタのドットを例えば1つおきに形成し、2回目
の主走査で残りのドットを形成する記録方法である。こ
の場合は各ラスタを2回の主走査で形成することにな
る。かかる記録方法を採用する場合には、各ラスタのド
ットを1つおきにピックアップしたデータをヘッドに転
送する必要がある。このようにプリンタPRTが行う記
録方法に応じてヘッドに転送すべきデータを作成するの
が上記ステップS300での処理である。別途入力され
た印刷条件に応じてラスタライズの内容が選択される。
こうしてプリンタPRTが印刷可能なデータが生成され
ると、CPUは該データを出力し、プリンタPRTに転
送する(ステップS305)。プリンタPRTは、この
データを受け取って各画素にそれぞれのドットを形成し
て画像を印刷する。
処理を行う。ハーフトーン処理の詳細な内容は、後述す
る。ハーフトーン処理が終了すると、CPUはラスタラ
イズを行う(ステップS300)。これは、各ラスタの
データをプリンタPRTに転送する順序に並べ替えるこ
とをいう。プリンタPRTがラスタを形成する記録方法
には種々のモードがある。最も単純なのは、ヘッドの1
回の往運動で各ラスタのドットを全て形成するモードで
ある。この場合には1ラスタ分のデータを処理された順
序でヘッドに出力すればよい。他のモードとしては、い
わゆるオーバラップがある。例えば、1回目の主走査で
は各ラスタのドットを例えば1つおきに形成し、2回目
の主走査で残りのドットを形成する記録方法である。こ
の場合は各ラスタを2回の主走査で形成することにな
る。かかる記録方法を採用する場合には、各ラスタのド
ットを1つおきにピックアップしたデータをヘッドに転
送する必要がある。このようにプリンタPRTが行う記
録方法に応じてヘッドに転送すべきデータを作成するの
が上記ステップS300での処理である。別途入力され
た印刷条件に応じてラスタライズの内容が選択される。
こうしてプリンタPRTが印刷可能なデータが生成され
ると、CPUは該データを出力し、プリンタPRTに転
送する(ステップS305)。プリンタPRTは、この
データを受け取って各画素にそれぞれのドットを形成し
て画像を印刷する。
【0070】次に、本実施例におけるハーフトーン処理
について説明する。図7はハーフトーン処理のフローチ
ャートである。本実施例では、ディザ法によるハーフト
ーン処理を行う。ディザ法とは、予め設定されたディザ
マトリックスに記憶された閾値と、画像データとの大小
関係に基づいてドットのオン・オフを判定する方法であ
る。フローチャートの煩雑さを回避するために、図6お
よび図7では明示していないが、CPUはハーフトーン
処理を各ドットの種類、即ち6種類の各インクごとに繰
り返し実行している。
について説明する。図7はハーフトーン処理のフローチ
ャートである。本実施例では、ディザ法によるハーフト
ーン処理を行う。ディザ法とは、予め設定されたディザ
マトリックスに記憶された閾値と、画像データとの大小
関係に基づいてドットのオン・オフを判定する方法であ
る。フローチャートの煩雑さを回避するために、図6お
よび図7では明示していないが、CPUはハーフトーン
処理を各ドットの種類、即ち6種類の各インクごとに繰
り返し実行している。
【0071】ハーフトーン処理が開始されると、CPU
は対応マトリックスの設定を行う(ステップS10
5)。本実施例では2種類のディザマトリックスが予め
用意されており、ドットの種類に応じてこれらを使い分
けている。対応マトリックスの設定とは以下のハーフト
ーン処理で使用すべきディザマトリックスを選択する処
理をいう。
は対応マトリックスの設定を行う(ステップS10
5)。本実施例では2種類のディザマトリックスが予め
用意されており、ドットの種類に応じてこれらを使い分
けている。対応マトリックスの設定とは以下のハーフト
ーン処理で使用すべきディザマトリックスを選択する処
理をいう。
【0072】図8はディザマトリックスとドットの種類
との対応関係を示す説明図である。本実施例では、2種
類のディザマトリックスDMA、DMBを用いる。図9
はディザマトリックスDMAを示す説明図である。図1
0はディザマトリックスDMBを示す説明図である。図
示する通り、両者は対応する画素に異なる閾値が記憶さ
れている。両者の関係については後で詳述する。なお、
ここでは、図示の都合上、主走査方向および副走査方向
に4画素×4画素で2次元的に配列されたマトリックス
を図示した。ディザマトリックスは任意のサイズのマト
リックスを適用することができ、実際には、64画素×
64画素のディザマトリックスを用いている。ここで
は、2次元のマトリックスを用いているが、1次元のマ
トリックスを用いるものとしてもよい。
との対応関係を示す説明図である。本実施例では、2種
類のディザマトリックスDMA、DMBを用いる。図9
はディザマトリックスDMAを示す説明図である。図1
0はディザマトリックスDMBを示す説明図である。図
示する通り、両者は対応する画素に異なる閾値が記憶さ
れている。両者の関係については後で詳述する。なお、
ここでは、図示の都合上、主走査方向および副走査方向
に4画素×4画素で2次元的に配列されたマトリックス
を図示した。ディザマトリックスは任意のサイズのマト
リックスを適用することができ、実際には、64画素×
64画素のディザマトリックスを用いている。ここで
は、2次元のマトリックスを用いているが、1次元のマ
トリックスを用いるものとしてもよい。
【0073】ドットの種類は各インクで形成される6種
類がある。図示する通り、ブラック(K)、シアン
(C)、ライトマゼンタ(LM)およびイエロ(Y)の
4色については、ディザマトリックスDMAを用い、ラ
イトシアン(LC)およびマゼンタ(M)の2色につい
てはディザマトリックスDMBを用いる。
類がある。図示する通り、ブラック(K)、シアン
(C)、ライトマゼンタ(LM)およびイエロ(Y)の
4色については、ディザマトリックスDMAを用い、ラ
イトシアン(LC)およびマゼンタ(M)の2色につい
てはディザマトリックスDMBを用いる。
【0074】対応マトリックスの設定(ステップS10
5)では、図7に示した対応関係に基づいて、ハーフト
ーン処理の対象となっているドットの種類に応じたディ
ザマトリックスを対応マトリックスとして設定する。例
えば、シアン(C)について処理を行う場合には、ディ
ザマトリックスDMAを対応マトリックスとして設定す
る。ライトシアン(LC)について処理を行う場合に
は、ディザマトリックスDMBを対応マトリックスとし
て設定する。
5)では、図7に示した対応関係に基づいて、ハーフト
ーン処理の対象となっているドットの種類に応じたディ
ザマトリックスを対応マトリックスとして設定する。例
えば、シアン(C)について処理を行う場合には、ディ
ザマトリックスDMAを対応マトリックスとして設定す
る。ライトシアン(LC)について処理を行う場合に
は、ディザマトリックスDMBを対応マトリックスとし
て設定する。
【0075】こうして、対応マトリックスが設定される
と、CPUは画像データDIを入力する(ステップS1
10)。ここで入力される画像データは、色補正を施さ
れ、各画素ごとに各色相の階調値を有するデータであ
る。こうして入力された画像データDIに基づき、CP
UはレベルデータLDを生成する(ステップS11
5)。レベルデータとは、画像データの階調値に応じて
実現されるべきドットの記録率を値0〜255の範囲で
表現したデータである。
と、CPUは画像データDIを入力する(ステップS1
10)。ここで入力される画像データは、色補正を施さ
れ、各画素ごとに各色相の階調値を有するデータであ
る。こうして入力された画像データDIに基づき、CP
UはレベルデータLDを生成する(ステップS11
5)。レベルデータとは、画像データの階調値に応じて
実現されるべきドットの記録率を値0〜255の範囲で
表現したデータである。
【0076】図11は階調値と記録率およびレベルデー
タとの関係について示す説明図である。ここでは、シア
ンおよびライトシアンについて例示した。シアンの色相
は、ライトシアン(LC)およびシアン(C)の2種類
のドットで表現される。シアンの色相における値0〜2
55の階調値に対して、各階調値に応じた濃度を表現す
るよう、これら2種類のドットの記録率が予め設定され
ている。図示する通り、低階調領域ではライトシアン
(LC)が主として用いられ、階調値の増大につれて記
録率が増加する。ライトシアン(LC)の記録率が50
%に至ると、ライトシアン(LC)の記録率はそのまま
維持され、シアン(C)の記録率が増加する。いわゆる
中間調では、ライトシアン(LC)とシアン(C)とを
用いてドットが形成される。高階調では、階調値の増大
につれて、ライトシアン(LC)の記録率を徐々に低減
させつつ、シアン(C)の記録率を増加させる。
タとの関係について示す説明図である。ここでは、シア
ンおよびライトシアンについて例示した。シアンの色相
は、ライトシアン(LC)およびシアン(C)の2種類
のドットで表現される。シアンの色相における値0〜2
55の階調値に対して、各階調値に応じた濃度を表現す
るよう、これら2種類のドットの記録率が予め設定され
ている。図示する通り、低階調領域ではライトシアン
(LC)が主として用いられ、階調値の増大につれて記
録率が増加する。ライトシアン(LC)の記録率が50
%に至ると、ライトシアン(LC)の記録率はそのまま
維持され、シアン(C)の記録率が増加する。いわゆる
中間調では、ライトシアン(LC)とシアン(C)とを
用いてドットが形成される。高階調では、階調値の増大
につれて、ライトシアン(LC)の記録率を徐々に低減
させつつ、シアン(C)の記録率を増加させる。
【0077】レベルデータは、各階調値におけるドット
の記録率を8ビット、即ち値0〜255の範囲で表した
データである。例えば、画像データの階調値が値128
である場合には、ライトシアン(LC)の記録率は50
%に設定されているから、レベルデータは値128とな
る。本実施例では、コンピュータPCでの処理に適した
データを生成するため、レベルデータを8ビットで表現
するものとしているが、レベルデータに代えてドットの
記録率をそのまま用いるものとしても構わない。
の記録率を8ビット、即ち値0〜255の範囲で表した
データである。例えば、画像データの階調値が値128
である場合には、ライトシアン(LC)の記録率は50
%に設定されているから、レベルデータは値128とな
る。本実施例では、コンピュータPCでの処理に適した
データを生成するため、レベルデータを8ビットで表現
するものとしているが、レベルデータに代えてドットの
記録率をそのまま用いるものとしても構わない。
【0078】図7に戻り、ハーフトーン処理について引
き続き説明する。CPUはステップS115において設
定されたレベルデータLDと閾値THとの大小関係を比
較する(ステップS120)。閾値THは各画素ごとに
ディザマトリックスで与えられる値である。例えば、シ
アン(C)の処理を行う場合には、閾値THはディザマ
トリックスDMAによって与えられるし、ライトシアン
(LC)の処理を行う場合には、閾値THはディザマト
リックスDMBによって与えられる。
き続き説明する。CPUはステップS115において設
定されたレベルデータLDと閾値THとの大小関係を比
較する(ステップS120)。閾値THは各画素ごとに
ディザマトリックスで与えられる値である。例えば、シ
アン(C)の処理を行う場合には、閾値THはディザマ
トリックスDMAによって与えられるし、ライトシアン
(LC)の処理を行う場合には、閾値THはディザマト
リックスDMBによって与えられる。
【0079】レベルデータLDが閾値THよりも小さい
場合には、その画素にはドットを形成すべきでないと判
定し、そのための処理を行う。ここでは、各画素のドッ
トの形成状態を記憶するデータRDに値0を代入する
(ステップS125)。レベルデータLDが閾値TH以
上の場合には、その画素にドットを形成すべきと判定
し、データRDに値1を代入する(ステップS13
0)。以上の処理を全画素について繰り返し実行する
(ステップS135)。また、先に説明した通り、全て
の種類のドットについて繰り返し実行する。なお、一種
類のドットについて全画素の処理が終了した後、次のド
ットの処理を順次行うものとしてもよいし、各画素ごと
に全てのドットについての処理を順次行うものとしても
よい。
場合には、その画素にはドットを形成すべきでないと判
定し、そのための処理を行う。ここでは、各画素のドッ
トの形成状態を記憶するデータRDに値0を代入する
(ステップS125)。レベルデータLDが閾値TH以
上の場合には、その画素にドットを形成すべきと判定
し、データRDに値1を代入する(ステップS13
0)。以上の処理を全画素について繰り返し実行する
(ステップS135)。また、先に説明した通り、全て
の種類のドットについて繰り返し実行する。なお、一種
類のドットについて全画素の処理が終了した後、次のド
ットの処理を順次行うものとしてもよいし、各画素ごと
に全てのドットについての処理を順次行うものとしても
よい。
【0080】図12はディザ法によるドットのオン・オ
フの判定の考え方を示す説明図である。図示する通り、
各画素ごとにレベルデータLDと閾値THとを比較し、
レベルデータLDが閾値TH以上の画素にドットが形成
される。図中でハッチングを付した画素が、ドットが形
成される画素に対応する。
フの判定の考え方を示す説明図である。図示する通り、
各画素ごとにレベルデータLDと閾値THとを比較し、
レベルデータLDが閾値TH以上の画素にドットが形成
される。図中でハッチングを付した画素が、ドットが形
成される画素に対応する。
【0081】ここで、ディザマトリックスDMAとディ
ザマトリックスDMBとの関係について、シアンおよび
ライトシアンのハーフトーン処理結果を例にとって説明
する。図13はシアン、ライトシアンで形成されるドッ
トの様子を示す説明図である。ここでは6段階のレベル
データに対応する様子を図12(a)〜図12(f)に
示した。図12(a)はシアン、ライトシアン共にレベ
ルデータが値1の場合を示した。シアン(C)は図9に
示したディザマトリックスDMAを用いてドットのオン
・オフが判定される。従って、図9中で閾値が値1とな
っている画素にドットが形成される。図12(a)では
シアンのドットを塗りつぶした丸で示した。ライトシア
ン(LC)は図10に示したディザマトリックスDMB
を用いてドットのオン・オフが判定される。従って、図
10中で閾値が値1となっている画素にドットが形成さ
れる。図12(a)ではライトシアンのドットを白抜き
の丸で示した。図示する通り、シアンとライトシアンの
ドットは異なる画素に形成される。
ザマトリックスDMBとの関係について、シアンおよび
ライトシアンのハーフトーン処理結果を例にとって説明
する。図13はシアン、ライトシアンで形成されるドッ
トの様子を示す説明図である。ここでは6段階のレベル
データに対応する様子を図12(a)〜図12(f)に
示した。図12(a)はシアン、ライトシアン共にレベ
ルデータが値1の場合を示した。シアン(C)は図9に
示したディザマトリックスDMAを用いてドットのオン
・オフが判定される。従って、図9中で閾値が値1とな
っている画素にドットが形成される。図12(a)では
シアンのドットを塗りつぶした丸で示した。ライトシア
ン(LC)は図10に示したディザマトリックスDMB
を用いてドットのオン・オフが判定される。従って、図
10中で閾値が値1となっている画素にドットが形成さ
れる。図12(a)ではライトシアンのドットを白抜き
の丸で示した。図示する通り、シアンとライトシアンの
ドットは異なる画素に形成される。
【0082】図12(b)にはシアン、ライトシアン共
にレベルデータが値2の場合を示した。ディザマトリッ
クスDMA中の閾値2以下の画素にシアンのドットが形
成され、ディザマトリックスDMB中の閾値2以下の画
素にライトシアンのドットが形成される。これらのドッ
トも互いに異なる画素に形成される。図12(c)には
レベルデータが値3の場合を示した。この場合もシア
ン、ライトシアンのドットは、それぞれ異なる画素に形
成される。
にレベルデータが値2の場合を示した。ディザマトリッ
クスDMA中の閾値2以下の画素にシアンのドットが形
成され、ディザマトリックスDMB中の閾値2以下の画
素にライトシアンのドットが形成される。これらのドッ
トも互いに異なる画素に形成される。図12(c)には
レベルデータが値3の場合を示した。この場合もシア
ン、ライトシアンのドットは、それぞれ異なる画素に形
成される。
【0083】図12(d)はシアン、ライトシアン共に
レベルデータが値8の場合を示している。この場合もシ
アン、ライトシアンのドットは、それぞれ異なる画素に
市松状に形成される。図12では、4×4のマトリック
スを用いた場合を例示しているため、レベルデータ8は
各ドットの記録率が50%の場合に相当する。このよう
にディザマトリックスDMA、DMBは、記録率が50
%までの範囲でドットが形成される画素が互いに異なる
ように閾値が設定されたマトリックスである。なお、必
ずしも図12に示した順序でドットが形成される必要は
ない。即ち、ディザマトリックスDMA、DMBとして
は、記録率が中間調までの領域でドットが異なる画素に
形成されるよう相互の関係を考慮して閾値が設定された
マトリックスであれば、任意のマトリックスを用いるこ
とができる。
レベルデータが値8の場合を示している。この場合もシ
アン、ライトシアンのドットは、それぞれ異なる画素に
市松状に形成される。図12では、4×4のマトリック
スを用いた場合を例示しているため、レベルデータ8は
各ドットの記録率が50%の場合に相当する。このよう
にディザマトリックスDMA、DMBは、記録率が50
%までの範囲でドットが形成される画素が互いに異なる
ように閾値が設定されたマトリックスである。なお、必
ずしも図12に示した順序でドットが形成される必要は
ない。即ち、ディザマトリックスDMA、DMBとして
は、記録率が中間調までの領域でドットが異なる画素に
形成されるよう相互の関係を考慮して閾値が設定された
マトリックスであれば、任意のマトリックスを用いるこ
とができる。
【0084】記録率50%を超えるレベルデータに対し
ては、2種類のドットは部分的に重なって形成される。
図12(e)はレベルデータ9の場合を示している。デ
ィザマトリックスDMA中の閾値9の画素は、ディザマ
トリックスDMB中の閾値1の画素と一致する。従っ
て、この画素では、シアンのドットはライトシアンのド
ットに重ねて形成される。同様にライトシアンのドット
がシアンのドットに重ねて形成される画素も発生する。
図12(f)はレベルデータ10の場合を示している。
さらに2箇所でシアンとライトシアンのドットが重なっ
て形成される。
ては、2種類のドットは部分的に重なって形成される。
図12(e)はレベルデータ9の場合を示している。デ
ィザマトリックスDMA中の閾値9の画素は、ディザマ
トリックスDMB中の閾値1の画素と一致する。従っ
て、この画素では、シアンのドットはライトシアンのド
ットに重ねて形成される。同様にライトシアンのドット
がシアンのドットに重ねて形成される画素も発生する。
図12(f)はレベルデータ10の場合を示している。
さらに2箇所でシアンとライトシアンのドットが重なっ
て形成される。
【0085】このように設定された2種類のマトリック
スを用いてハーフトーン処理する効果について説明す
る。図14は従来のハーフトーン処理により形成される
ドットの様子を示す説明図である。図15は実施例のハ
ーフトーン処理により形成されるドットの様子を示す説
明図である。シアン、ライトシアンのドットがそれぞれ
50%の記録率で形成される場合を例示した。塗りつぶ
した丸がシアンのドットを意味し、ハッチングを付した
丸がライトシアンのドットを意味する。図15は、図1
2(d)の状態に対応する。
スを用いてハーフトーン処理する効果について説明す
る。図14は従来のハーフトーン処理により形成される
ドットの様子を示す説明図である。図15は実施例のハ
ーフトーン処理により形成されるドットの様子を示す説
明図である。シアン、ライトシアンのドットがそれぞれ
50%の記録率で形成される場合を例示した。塗りつぶ
した丸がシアンのドットを意味し、ハッチングを付した
丸がライトシアンのドットを意味する。図15は、図1
2(d)の状態に対応する。
【0086】図14および図15の左側には、各ドット
を形成するヘッドを図示した。数字を丸で囲んだものは
ノズルである。数字はそれぞれノズル番号を意味する。
シアン(C)およびライトシアン(LC)の各ヘッドに
は、それぞれ5本のノズルが備えられている。ここで、
各ヘッドに備えられるノズルについてインクの吐出特性
に以下のばらつきがあるとする。各ノズルで形成される
ドットは、それぞれ吐出特性に従って、形成位置にずれ
が生じる。 シアンの1番ノズル→上方にずれて吐出;シアンの2番
ノズル→下方にずれて吐出;シアンの3番〜5番ノズル
→正常;ライトシアンの1番〜3番ノズル→正常;ライ
トシアンの4番ノズル→上方にずれて吐出;ライトシア
ンの5番ノズル→下方にずれて吐出;
を形成するヘッドを図示した。数字を丸で囲んだものは
ノズルである。数字はそれぞれノズル番号を意味する。
シアン(C)およびライトシアン(LC)の各ヘッドに
は、それぞれ5本のノズルが備えられている。ここで、
各ヘッドに備えられるノズルについてインクの吐出特性
に以下のばらつきがあるとする。各ノズルで形成される
ドットは、それぞれ吐出特性に従って、形成位置にずれ
が生じる。 シアンの1番ノズル→上方にずれて吐出;シアンの2番
ノズル→下方にずれて吐出;シアンの3番〜5番ノズル
→正常;ライトシアンの1番〜3番ノズル→正常;ライ
トシアンの4番ノズル→上方にずれて吐出;ライトシア
ンの5番ノズル→下方にずれて吐出;
【0087】図14および図15には、吐出特性のばら
つきによってドットの形成位置にずれが生じた状態を示
した。図14の場合、各ラスタ上で比較的多数形成され
ているドットにずれが生じるため、図中のB1,B2の
部分で副走査方向のドットの間隔が広い部分が生じる。
これらは、バンディングとして視認される。一方、図1
5の場合、各ラスタ上でシアンのドットとライトシアン
のドットとが交互に形成される。従って、ドットの形成
位置のずれが画像内で分散され、顕著なバンディングは
発生しない。
つきによってドットの形成位置にずれが生じた状態を示
した。図14の場合、各ラスタ上で比較的多数形成され
ているドットにずれが生じるため、図中のB1,B2の
部分で副走査方向のドットの間隔が広い部分が生じる。
これらは、バンディングとして視認される。一方、図1
5の場合、各ラスタ上でシアンのドットとライトシアン
のドットとが交互に形成される。従って、ドットの形成
位置のずれが画像内で分散され、顕著なバンディングは
発生しない。
【0088】このように従来のハーフトーン処理は、シ
アンおよびライトシアンによるドット相互の位置関係が
考慮されないため、図14に示した通り、インクがずれ
て吐出されるノズルで多数のドットが形成される可能性
がある。この結果、顕著なバンディングを生じる可能性
がある。これに対し、本実施例のハーフトーン処理で
は、シアンおよびライトシアンで先に説明した2種類の
ディザマトリックスを使い分けてハーフトーン処理を行
う。これらのディザマトリックスは、ドットの形成確率
の高い画素、即ち閾値の小さい画素の相互の関係を考慮
して設定されたマトリックスである。つまり、本実施例
のハーフトーン処理によれば、かかるディザマトリック
スを用いることにより、各ラスタ上にシアン、ライトシ
アンのドットを交互に形成することができる。この結
果、シアンのヘッドとライトシアンのヘッドとの間でオ
ーバラップ方式による記録を行ったのと同様の態様でド
ットを形成することができる。従って、本実施例のハー
フトーン処理によれば、インクの吐出特性による形成位
置のずれに起因して生じるバンディングを抑制すること
ができる。
アンおよびライトシアンによるドット相互の位置関係が
考慮されないため、図14に示した通り、インクがずれ
て吐出されるノズルで多数のドットが形成される可能性
がある。この結果、顕著なバンディングを生じる可能性
がある。これに対し、本実施例のハーフトーン処理で
は、シアンおよびライトシアンで先に説明した2種類の
ディザマトリックスを使い分けてハーフトーン処理を行
う。これらのディザマトリックスは、ドットの形成確率
の高い画素、即ち閾値の小さい画素の相互の関係を考慮
して設定されたマトリックスである。つまり、本実施例
のハーフトーン処理によれば、かかるディザマトリック
スを用いることにより、各ラスタ上にシアン、ライトシ
アンのドットを交互に形成することができる。この結
果、シアンのヘッドとライトシアンのヘッドとの間でオ
ーバラップ方式による記録を行ったのと同様の態様でド
ットを形成することができる。従って、本実施例のハー
フトーン処理によれば、インクの吐出特性による形成位
置のずれに起因して生じるバンディングを抑制すること
ができる。
【0089】ここでは、シアンとライトシアンとを例に
とって説明した。実施例では、その他の色についても同
様の効果を得ることができるよう、ドットの種類とディ
ザマトリックスとの対応が設定されている。図8に戻
り、対応マトリックスの設定について説明する。既に説
明した通り、シアンとライトシアンとでは異なる種類の
マトリックスを用いている。同様に、マゼンタとライト
マゼンタとでも異なる種類のマトリックスを用いる。マ
ゼンタについてはディザマトリックスDMBを用い、ラ
イトマゼンタについてはディザマトリックスDMAを用
いる。
とって説明した。実施例では、その他の色についても同
様の効果を得ることができるよう、ドットの種類とディ
ザマトリックスとの対応が設定されている。図8に戻
り、対応マトリックスの設定について説明する。既に説
明した通り、シアンとライトシアンとでは異なる種類の
マトリックスを用いている。同様に、マゼンタとライト
マゼンタとでも異なる種類のマトリックスを用いる。マ
ゼンタについてはディザマトリックスDMBを用い、ラ
イトマゼンタについてはディザマトリックスDMAを用
いる。
【0090】マゼンタとライトマゼンタについては、逆
の対応関係とすることも可能ではあるが、異なる色相間
の関係も考慮してかかる設定とした。即ち、上記設定に
よれば、シアンにディザマトリックスDMA、マゼンタ
にディザマトリックスDMBが用いられる結果、シアン
とマゼンタとの混色で表現される色(ブルー)について
もバンディングの発生を抑制することができる。シアン
とマゼンタに異なるディザマトリックスを適用した場合
も、異なるヘッドで形成されるドット同士が主走査方向
に交互に形成される点については同様だからである。同
様にライトシアンとライトマゼンタにも異なるディザマ
トリックスが対応しているから、両者の混色によって表
現される色(ライトブルー)についてもバンディングの
発生を抑制することができる。
の対応関係とすることも可能ではあるが、異なる色相間
の関係も考慮してかかる設定とした。即ち、上記設定に
よれば、シアンにディザマトリックスDMA、マゼンタ
にディザマトリックスDMBが用いられる結果、シアン
とマゼンタとの混色で表現される色(ブルー)について
もバンディングの発生を抑制することができる。シアン
とマゼンタに異なるディザマトリックスを適用した場合
も、異なるヘッドで形成されるドット同士が主走査方向
に交互に形成される点については同様だからである。同
様にライトシアンとライトマゼンタにも異なるディザマ
トリックスが対応しているから、両者の混色によって表
現される色(ライトブルー)についてもバンディングの
発生を抑制することができる。
【0091】もっとも、シアンおよびマゼンタの各色相
でバンディングの発生が抑制されれば、両者の混色によ
って表現される色相についてもバンディングの発生が抑
制される。従って、必ずしもシアンとマゼンタとの間、
ライトシアンとライトマゼンタとの間で図8に示したよ
うに異なるディザマトリックスを用いる必要はない。ラ
イトシアンとシアンとが混在して形成される階調範囲、
マゼンタとライトマゼンタとが混在して形成される階調
範囲におけるバンディングは、図8において、シアンと
マゼンタにディザマトリックスDMAを対応させ、ライ
トシアンとライトマゼンタにディザマトリックスDMB
を対応させた場合でも抑制することができる。但し、図
8に示した設定とすれば、シアンの色相と、マゼンタの
色相の混色で表現される色相において、より広範囲でバ
ンディングを抑制することができる利点がある。
でバンディングの発生が抑制されれば、両者の混色によ
って表現される色相についてもバンディングの発生が抑
制される。従って、必ずしもシアンとマゼンタとの間、
ライトシアンとライトマゼンタとの間で図8に示したよ
うに異なるディザマトリックスを用いる必要はない。ラ
イトシアンとシアンとが混在して形成される階調範囲、
マゼンタとライトマゼンタとが混在して形成される階調
範囲におけるバンディングは、図8において、シアンと
マゼンタにディザマトリックスDMAを対応させ、ライ
トシアンとライトマゼンタにディザマトリックスDMB
を対応させた場合でも抑制することができる。但し、図
8に示した設定とすれば、シアンの色相と、マゼンタの
色相の混色で表現される色相において、より広範囲でバ
ンディングを抑制することができる利点がある。
【0092】次に、本実施例における記録率の設定(図
11)について説明する。上述の作用によるバンディン
グの軽減は、シアンとライトシアンなど、異なるディザ
マトリックスが適用される2種類のドットが形成される
領域で得られる。また、両者の記録率に極端な偏りが生
じない領域で得られる。本実施例では、かかる領域が広
く得られるように各ドットの記録率を設定した。図11
に示す通り、低階調の領域では、ライトシアンのみでド
ットが記録される。かかる領域では、バンディングを抑
制する上述の効果は得られない。しかしながら、低階調
の領域では、ドットが低密度で形成されるため、顕著な
バンディングは視認されにくく、画質に与える影響は比
較的小さい。
11)について説明する。上述の作用によるバンディン
グの軽減は、シアンとライトシアンなど、異なるディザ
マトリックスが適用される2種類のドットが形成される
領域で得られる。また、両者の記録率に極端な偏りが生
じない領域で得られる。本実施例では、かかる領域が広
く得られるように各ドットの記録率を設定した。図11
に示す通り、低階調の領域では、ライトシアンのみでド
ットが記録される。かかる領域では、バンディングを抑
制する上述の効果は得られない。しかしながら、低階調
の領域では、ドットが低密度で形成されるため、顕著な
バンディングは視認されにくく、画質に与える影響は比
較的小さい。
【0093】中間調を含む区間Aでは、ライトシアンに
よるドットとシアンによるドットとが混在して形成され
る。従って、この領域では、上記作用によりバンディン
グを抑制することができる。両ドットの記録率が50%
に至った後は、ライトシアンの記録率を低減しつつ、シ
アンの記録率を増大して各階調を表現する。かかる階調
範囲でも両ドットが混在するが、シアンの記録率がライ
トシアンの記録率よりも高く、シアンのドットが主とし
て形成されるため、その効果は小さい。もっとも、この
ような高階調の領域では、濃度の高いドットが非常に密
に形成されるため、顕著なバンディングは視認されにく
い。
よるドットとシアンによるドットとが混在して形成され
る。従って、この領域では、上記作用によりバンディン
グを抑制することができる。両ドットの記録率が50%
に至った後は、ライトシアンの記録率を低減しつつ、シ
アンの記録率を増大して各階調を表現する。かかる階調
範囲でも両ドットが混在するが、シアンの記録率がライ
トシアンの記録率よりも高く、シアンのドットが主とし
て形成されるため、その効果は小さい。もっとも、この
ような高階調の領域では、濃度の高いドットが非常に密
に形成されるため、顕著なバンディングは視認されにく
い。
【0094】本実施例では、ライトシアンの記録率の上
限を50%とし、シアンの記録率を増大させることによ
り、バンディングの抑制効果を得ることができる区間A
を広く確保している。各階調を表現することのみを考慮
すれば、図中に破線で示したようにライトシアンの記録
率が100%に至った後、シアンの記録を開始する設定
も可能である。しかしかかる設定の下では、両者が混在
して形成される領域が区間Aのうち階調値128以上の
範囲に制限されるため、バンディングを抑制する効果が
得られる範囲も狭くなる。
限を50%とし、シアンの記録率を増大させることによ
り、バンディングの抑制効果を得ることができる区間A
を広く確保している。各階調を表現することのみを考慮
すれば、図中に破線で示したようにライトシアンの記録
率が100%に至った後、シアンの記録を開始する設定
も可能である。しかしかかる設定の下では、両者が混在
して形成される領域が区間Aのうち階調値128以上の
範囲に制限されるため、バンディングを抑制する効果が
得られる範囲も狭くなる。
【0095】もっとも記録率は、各階調値を表現するよ
う任意に設定可能である。必ずしも本実施例の設定(図
11)を適用する必要はない。例えば、シアンとライト
シアンとを50%で記録して表現される階調値(図中の
階調値192)近傍でのみバンディングが顕著に視認さ
れるような場合には、図中の破線で示した記録率を適用
してもよい。シアンのドットはライトシアンのドットよ
りもドットの視認性が高いため、低階調から使用する
と、ドットが視認され画像の粒状感を悪化させる可能性
もある。従って、記録率はバンディングの抑制効果と、
粒状感とを考慮して適切な設定とすることが望ましい。
う任意に設定可能である。必ずしも本実施例の設定(図
11)を適用する必要はない。例えば、シアンとライト
シアンとを50%で記録して表現される階調値(図中の
階調値192)近傍でのみバンディングが顕著に視認さ
れるような場合には、図中の破線で示した記録率を適用
してもよい。シアンのドットはライトシアンのドットよ
りもドットの視認性が高いため、低階調から使用する
と、ドットが視認され画像の粒状感を悪化させる可能性
もある。従って、記録率はバンディングの抑制効果と、
粒状感とを考慮して適切な設定とすることが望ましい。
【0096】本実施例の印刷装置によれば、上述の通
り、2種類のドット間で異なるディザマトリックスを適
用し、各ラスタ上に両者が交互に形成されるように形成
位置を制御することによって、オーバラップ方式による
記録と同様の作用により、バンディングの発生を抑制す
ることができる。しかも、これら2種類のドットは、異
なるヘッドで形成されるため、各ラスタを1回の主走査
で完成させることができる。オーバラップ方式を適用し
た場合は、各ラスタの主走査を増やす必要が生じ、印刷
速度の低下を招くのに対し、本実施例の印刷装置によれ
ば、印刷速度を低下させることなくバンディングの発生
を抑制することができ、画質を向上することができる。
り、2種類のドット間で異なるディザマトリックスを適
用し、各ラスタ上に両者が交互に形成されるように形成
位置を制御することによって、オーバラップ方式による
記録と同様の作用により、バンディングの発生を抑制す
ることができる。しかも、これら2種類のドットは、異
なるヘッドで形成されるため、各ラスタを1回の主走査
で完成させることができる。オーバラップ方式を適用し
た場合は、各ラスタの主走査を増やす必要が生じ、印刷
速度の低下を招くのに対し、本実施例の印刷装置によれ
ば、印刷速度を低下させることなくバンディングの発生
を抑制することができ、画質を向上することができる。
【0097】なお、上記実施例では、各ラスタ上に2種
類のドットが交互に形成される場合を例示した。バンデ
ィングの抑制を図るためには、必ずしも2種類のドット
が交互に形成される必要はなく、それぞれが複数連続し
た画素に形成されても構わない。2種類のドットが各ラ
スタ上に均等な割合で発生するような設定とすればよ
い。但し、同一種類のドットが複数連続した画素に形成
されれば、バンディングの抑制効果が低減する。連続し
て形成されることが許容される画素数は、バンディング
の抑制効果に応じて定めることができる。均等な割合と
しては、2種類のドット数を均等にするものとしてもよ
いし、各ドットで表現される濃度を均等にするものとし
てもよい。シアンで表現される濃度に対し、ライトシア
ンで表現される濃度が半分である場合には、ライトシア
ンのドットがシアンのドットの2倍形成されるようにす
る態様が後者に相当する。ドット数を均等にするか、濃
度を均等にするかについては、バンディングの抑制を図
る階調範囲での記録率や、2種類のドットの視認性など
を考慮して適用することができる。また、ドット数と濃
度の双方を考慮した割合で2種類のドットが形成される
設定を採るものとしてもよい。
類のドットが交互に形成される場合を例示した。バンデ
ィングの抑制を図るためには、必ずしも2種類のドット
が交互に形成される必要はなく、それぞれが複数連続し
た画素に形成されても構わない。2種類のドットが各ラ
スタ上に均等な割合で発生するような設定とすればよ
い。但し、同一種類のドットが複数連続した画素に形成
されれば、バンディングの抑制効果が低減する。連続し
て形成されることが許容される画素数は、バンディング
の抑制効果に応じて定めることができる。均等な割合と
しては、2種類のドット数を均等にするものとしてもよ
いし、各ドットで表現される濃度を均等にするものとし
てもよい。シアンで表現される濃度に対し、ライトシア
ンで表現される濃度が半分である場合には、ライトシア
ンのドットがシアンのドットの2倍形成されるようにす
る態様が後者に相当する。ドット数を均等にするか、濃
度を均等にするかについては、バンディングの抑制を図
る階調範囲での記録率や、2種類のドットの視認性など
を考慮して適用することができる。また、ドット数と濃
度の双方を考慮した割合で2種類のドットが形成される
設定を採るものとしてもよい。
【0098】上記実施例では、副走査方向にも2種類の
ドットが交互に形成される場合を例示した。副走査方向
の配列は、バンディングの抑制に関して大きな影響を与
えない。従って、副走査方向は、実施例の配列に限ら
ず、種々の配列を適用することができる。但し、実施例
のように異なる種類のドットを副走査方向に交互に配列
するものとすれば、所定の階調値で同一種類のドットが
配列され、擬似輪郭を発生することを抑制する効果が得
られる。
ドットが交互に形成される場合を例示した。副走査方向
の配列は、バンディングの抑制に関して大きな影響を与
えない。従って、副走査方向は、実施例の配列に限ら
ず、種々の配列を適用することができる。但し、実施例
のように異なる種類のドットを副走査方向に交互に配列
するものとすれば、所定の階調値で同一種類のドットが
配列され、擬似輪郭を発生することを抑制する効果が得
られる。
【0099】本実施例は、各ドットの記録率およびディ
ザマトリックスの設定を種々変更して構成することも可
能である。図16は第1の変形例におけるドットの記録
率の設定を示す説明図である。ここでは、シアンおよび
ライトシアンの記録率を例示した。図示する通り、シア
ンおよびライトシアンは各階調値で同じ値をとり、階調
値が増えるにつれて双方の記録率ともに増加する。
ザマトリックスの設定を種々変更して構成することも可
能である。図16は第1の変形例におけるドットの記録
率の設定を示す説明図である。ここでは、シアンおよび
ライトシアンの記録率を例示した。図示する通り、シア
ンおよびライトシアンは各階調値で同じ値をとり、階調
値が増えるにつれて双方の記録率ともに増加する。
【0100】このように記録率を設定すると、階調値の
全範囲でシアンおよびライトシアンが同等の記録率で形
成される。従って、全範囲でバンディングを抑制するこ
とができる。特に、双方の記録率が50%よりも低い区
間Bの階調範囲でバンディングの抑制効果が高い。かか
る設定は、比較的低階調からバンディングが生じやすい
場合に有効である。
全範囲でシアンおよびライトシアンが同等の記録率で形
成される。従って、全範囲でバンディングを抑制するこ
とができる。特に、双方の記録率が50%よりも低い区
間Bの階調範囲でバンディングの抑制効果が高い。かか
る設定は、比較的低階調からバンディングが生じやすい
場合に有効である。
【0101】第1の変形例では、記録率の設定ととも
に、ディザマトリックスも実施例とは異なるものを適用
する。図17は第1の変形例で使用するディザマトリッ
クスを示す説明図である。ディザマトリックスDMAが
シアンのハーフトーン処理に適用され、ディザマトリッ
クスDMB’がライトシアンのハーフトーン処理に適用
されるマトリックスである。図示の都合上、4×4のサ
イズで例示した。図示する通り、2種類のディザマトリ
ックスのうち、ディザマトリックスDMAは実施例と同
じである。ディザマトリックスDMB’が実施例と相違
する。図17に示したディザマトリックスDMA、DM
B’の各閾値は、主走査方向に隣接する画素に設定され
ている。例えば、ディザマトリックスDMB’における
閾値1の画素は、ディザマトリックスDMAにおける閾
値1の画素の左側に隣接する画素に対応している。
に、ディザマトリックスも実施例とは異なるものを適用
する。図17は第1の変形例で使用するディザマトリッ
クスを示す説明図である。ディザマトリックスDMAが
シアンのハーフトーン処理に適用され、ディザマトリッ
クスDMB’がライトシアンのハーフトーン処理に適用
されるマトリックスである。図示の都合上、4×4のサ
イズで例示した。図示する通り、2種類のディザマトリ
ックスのうち、ディザマトリックスDMAは実施例と同
じである。ディザマトリックスDMB’が実施例と相違
する。図17に示したディザマトリックスDMA、DM
B’の各閾値は、主走査方向に隣接する画素に設定され
ている。例えば、ディザマトリックスDMB’における
閾値1の画素は、ディザマトリックスDMAにおける閾
値1の画素の左側に隣接する画素に対応している。
【0102】第1変形例において、実施例と同様のマト
リックスを用いることも可能であるが、図17のディザ
マトリックスを用いることにより、以下の利点がある。
図17のディザマトリックスDMA,DMB’を用いて
ハーフトーン処理すると、シアンおよびライトシアンの
ドットは各ラスタ上で主走査方向に隣接して形成され
る。階調値が増えるにつれて、主走査方向に隣接した状
態で、それぞれのドットが増える。先に説明した通り、
異なる種類のドットを用いてオーバラップ方式と同様の
効果を得る場合、これらのドットは主走査方向に近接し
て形成されることが望ましい。特に、主走査方向に隣接
して形成されることが望ましい。第1の変形例のディザ
マトリックスを用いてハーフトーン処理すれば、ドット
の記録密度が低い場合でも、シアンとライトシアンのド
ットが隣接して形成されるため、オーバラップ方式と同
様の効果を得ることができる。従って、低階調も含めて
効果的にバンディングを抑制することができる。
リックスを用いることも可能であるが、図17のディザ
マトリックスを用いることにより、以下の利点がある。
図17のディザマトリックスDMA,DMB’を用いて
ハーフトーン処理すると、シアンおよびライトシアンの
ドットは各ラスタ上で主走査方向に隣接して形成され
る。階調値が増えるにつれて、主走査方向に隣接した状
態で、それぞれのドットが増える。先に説明した通り、
異なる種類のドットを用いてオーバラップ方式と同様の
効果を得る場合、これらのドットは主走査方向に近接し
て形成されることが望ましい。特に、主走査方向に隣接
して形成されることが望ましい。第1の変形例のディザ
マトリックスを用いてハーフトーン処理すれば、ドット
の記録密度が低い場合でも、シアンとライトシアンのド
ットが隣接して形成されるため、オーバラップ方式と同
様の効果を得ることができる。従って、低階調も含めて
効果的にバンディングを抑制することができる。
【0103】なお、第1変形例では、DMA,DMB’
の2種類のマトリックスを用いるものとして例示した。
シアンとライトシアンとで、マトリックスと画素との対
応関係を変えることで同様の効果を得ることも可能であ
る。図17に示す通り、マトリックスDMB’は、マト
リックスDMAに対し、画素を右側に一つずらして対応
させた場合と同じである。通常、マトリックスは主走査
方向、副走査方向に繰り返し用いられる。シアンについ
てマトリックスDMAの左上(値5の部分)が対応する
画素について処理を行う場合、ライトシアンについては
その右隣(値11の部分)を対応させて処理するものと
すれば、マトリックスDMB’を用いたのと同等の処理
を行うことができる。こうすればマトリックスを2種類
記憶する必要がなくなり、メモリの節約を図ることがで
きる。第1変形例では、シアンとライトシアンとを隣接
して形成する場合を例示したが、2種類のドットを近接
して形成する場合には、このようにマトリックスの対応
関係を両者で変更する方法を有効に適用することができ
る。
の2種類のマトリックスを用いるものとして例示した。
シアンとライトシアンとで、マトリックスと画素との対
応関係を変えることで同様の効果を得ることも可能であ
る。図17に示す通り、マトリックスDMB’は、マト
リックスDMAに対し、画素を右側に一つずらして対応
させた場合と同じである。通常、マトリックスは主走査
方向、副走査方向に繰り返し用いられる。シアンについ
てマトリックスDMAの左上(値5の部分)が対応する
画素について処理を行う場合、ライトシアンについては
その右隣(値11の部分)を対応させて処理するものと
すれば、マトリックスDMB’を用いたのと同等の処理
を行うことができる。こうすればマトリックスを2種類
記憶する必要がなくなり、メモリの節約を図ることがで
きる。第1変形例では、シアンとライトシアンとを隣接
して形成する場合を例示したが、2種類のドットを近接
して形成する場合には、このようにマトリックスの対応
関係を両者で変更する方法を有効に適用することができ
る。
【0104】また、本発明は必ずしも2種類のディザマ
トリックスを適用する場合に限定されるものではない。
3種類以上のディザマトリックスを用いる場合に適用す
ることも可能である。一例として3種類のディザマトリ
ックスを用いる場合を第2の変形例として示す。
トリックスを適用する場合に限定されるものではない。
3種類以上のディザマトリックスを用いる場合に適用す
ることも可能である。一例として3種類のディザマトリ
ックスを用いる場合を第2の変形例として示す。
【0105】図18は第2の変形例におけるドットの種
類とディザマトリックスとの対応関係を示す説明図であ
る。第2の変形例では、ディザマトリックスDMA,D
MB,DMCの3種類を用いる。実施例における対応マ
トリックス(図8)に対し、イエロをディザマトリック
スDMCに対応させる点で相違する。
類とディザマトリックスとの対応関係を示す説明図であ
る。第2の変形例では、ディザマトリックスDMA,D
MB,DMCの3種類を用いる。実施例における対応マ
トリックス(図8)に対し、イエロをディザマトリック
スDMCに対応させる点で相違する。
【0106】ディザマトリックスDMCはドットの形成
確率が高い画素が、ディザマトリックスDMA,DMB
と相違するディザマトリックスである。もちろん、かか
るマトリックスを個別に用意することもできる。第2の
変形例では、ディザマトリックスDMAとディザマトリ
ックスDMBとから、以下に示す方法により、ディザマ
トリックスDMCを生成するものとした。
確率が高い画素が、ディザマトリックスDMA,DMB
と相違するディザマトリックスである。もちろん、かか
るマトリックスを個別に用意することもできる。第2の
変形例では、ディザマトリックスDMAとディザマトリ
ックスDMBとから、以下に示す方法により、ディザマ
トリックスDMCを生成するものとした。
【0107】図19はディザマトリックスDMCの生成
方法について示す説明図である。ディザマトリックスD
MA,DMBから、各閾値に対応する画素を交互に選択
することにより、ディザマトリックスDMCを設定し
た。つまり、閾値1はディザマトリックスDMAの閾値
1に対応する画素に設定する。閾値2はディザマトリッ
クスDMBの閾値2に対応する画素に設定する。閾値3
は再びディザマトリックスDMCの閾値3に対応する画
素に設定する。閾値4は再びディザマトリックスDMB
の閾値4に対応する画素に設定する。このように各閾値
に対応する画素をディザマトリックスDMA,DMBか
ら交互に選択してディザマトリックスDMCを生成する
のである。ディザマトリックスDMA、DMBは少なく
とも50%までは互いに同じ閾値の画素が重複しないよ
うに設定されているから、かかる方法によって新たなデ
ィザマトリックスDMCを生成することができる。
方法について示す説明図である。ディザマトリックスD
MA,DMBから、各閾値に対応する画素を交互に選択
することにより、ディザマトリックスDMCを設定し
た。つまり、閾値1はディザマトリックスDMAの閾値
1に対応する画素に設定する。閾値2はディザマトリッ
クスDMBの閾値2に対応する画素に設定する。閾値3
は再びディザマトリックスDMCの閾値3に対応する画
素に設定する。閾値4は再びディザマトリックスDMB
の閾値4に対応する画素に設定する。このように各閾値
に対応する画素をディザマトリックスDMA,DMBか
ら交互に選択してディザマトリックスDMCを生成する
のである。ディザマトリックスDMA、DMBは少なく
とも50%までは互いに同じ閾値の画素が重複しないよ
うに設定されているから、かかる方法によって新たなデ
ィザマトリックスDMCを生成することができる。
【0108】このように設定されたディザマトリックス
DMCを用いてハーフトーン処理すると、ディザマトリ
ックスDMAを用いてハーフトーン処理されたドットと
一部の画素で重なってオンとなる。また、残りの画素で
は、ディザマトリックスDMBを用いてハーフトーン処
理されたドットと重なる。但し、ディザマトリックスD
MD,DMBのいずれとも重ならずに形成されるドット
が存在するため、これらのドットのバンディング抑制効
果を得ることができる。つまり、イエロと、他色との混
色によって表現される種々の色相についてバンディング
抑制効果を得ることができる。
DMCを用いてハーフトーン処理すると、ディザマトリ
ックスDMAを用いてハーフトーン処理されたドットと
一部の画素で重なってオンとなる。また、残りの画素で
は、ディザマトリックスDMBを用いてハーフトーン処
理されたドットと重なる。但し、ディザマトリックスD
MD,DMBのいずれとも重ならずに形成されるドット
が存在するため、これらのドットのバンディング抑制効
果を得ることができる。つまり、イエロと、他色との混
色によって表現される種々の色相についてバンディング
抑制効果を得ることができる。
【0109】また、第2の変形例の設定を適用すること
により、いわゆるモノトーンでの印刷時にバンディング
を軽減することもできる。一般にモノトーンの印刷時に
は、黒の低階調〜中間調でバンディングを抑制する必要
が生じる。また、かかる階調値では、シアン、マゼン
タ、イエロの混色により表現した黒、いわゆるコンポジ
ットブラックが用いられる。第2の変形例によれば、図
18に示した通り、シアン、マゼンタ、イエロのドット
はかかる階調値で互いに完全に重ならないように形成さ
れる。従って、コンポジットブラックのバンディングを
抑制することができる。また、コンポジットブラックと
ブラックとを混在して形成するものとすれば、ブラック
のバンディングを抑制することができる。第2の変形例
のように、多種類のディザマトリックスを用いることに
より、ドットの混色で表現される種々の色相について、
幅広い範囲でバンディングを解消することができる。
により、いわゆるモノトーンでの印刷時にバンディング
を軽減することもできる。一般にモノトーンの印刷時に
は、黒の低階調〜中間調でバンディングを抑制する必要
が生じる。また、かかる階調値では、シアン、マゼン
タ、イエロの混色により表現した黒、いわゆるコンポジ
ットブラックが用いられる。第2の変形例によれば、図
18に示した通り、シアン、マゼンタ、イエロのドット
はかかる階調値で互いに完全に重ならないように形成さ
れる。従って、コンポジットブラックのバンディングを
抑制することができる。また、コンポジットブラックと
ブラックとを混在して形成するものとすれば、ブラック
のバンディングを抑制することができる。第2の変形例
のように、多種類のディザマトリックスを用いることに
より、ドットの混色で表現される種々の色相について、
幅広い範囲でバンディングを解消することができる。
【0110】本発明は、同一の色相で3段階以上の濃度
のインクを有する場合にも適用することができる。かか
る場合について第3の変形例として、以下に示す。図2
0は第3の変形例における記録率の設定を示す説明図で
ある。第3の変形例では、図示する通り、シアンについ
て3段階の濃度のインクを用いる。濃度が低い側から、
ライトシアン(LC)、シアン(C)、ダークシアン
(DC)の順である。
のインクを有する場合にも適用することができる。かか
る場合について第3の変形例として、以下に示す。図2
0は第3の変形例における記録率の設定を示す説明図で
ある。第3の変形例では、図示する通り、シアンについ
て3段階の濃度のインクを用いる。濃度が低い側から、
ライトシアン(LC)、シアン(C)、ダークシアン
(DC)の順である。
【0111】低階調では、ライトシアン(LC)のみを
用いてドットを形成する。ライトシアン(LC)の階調
値が50%に達すると、シアン(C)の記録を開始す
る。シアン(C)の記録率が所定の値に達した後、ライ
トシアン(LC)の記録率を徐々に低下させる。シアン
(C)の記録率が50%に達した時点で、ライトシアン
(LC)の記録率を0%とし、ダークシアン(DC)の
記録を開始する。シアンおよびダークシアンの記録率が
それぞれ50%に達して以降は、シアンの記録率を低下
させつつ、ダークシアンの記録率を増大させる。
用いてドットを形成する。ライトシアン(LC)の階調
値が50%に達すると、シアン(C)の記録を開始す
る。シアン(C)の記録率が所定の値に達した後、ライ
トシアン(LC)の記録率を徐々に低下させる。シアン
(C)の記録率が50%に達した時点で、ライトシアン
(LC)の記録率を0%とし、ダークシアン(DC)の
記録を開始する。シアンおよびダークシアンの記録率が
それぞれ50%に達して以降は、シアンの記録率を低下
させつつ、ダークシアンの記録率を増大させる。
【0112】かかる設定において、ライトシアン(L
C)、シアン(C)、ダークシアン(DC)のそれぞれ
に対応した3種類のディザマトリックスを用意するもの
としてもよいが、第3の変形例では、実施例で示した2
種類のディザマトリックスDMA,DMBを使い分けて
ハーフトーン処理を行う。図21は第3の変形例におけ
るディザマトリックスの対応について示す説明図であ
る。図示する通り、ライトシアン(LC)とダークシア
ン(DC)にはディザマトリックスDMBを適用し、シ
アン(C)にはディザマトリックスDMAを適用する。
逆でも構わない。
C)、シアン(C)、ダークシアン(DC)のそれぞれ
に対応した3種類のディザマトリックスを用意するもの
としてもよいが、第3の変形例では、実施例で示した2
種類のディザマトリックスDMA,DMBを使い分けて
ハーフトーン処理を行う。図21は第3の変形例におけ
るディザマトリックスの対応について示す説明図であ
る。図示する通り、ライトシアン(LC)とダークシア
ン(DC)にはディザマトリックスDMBを適用し、シ
アン(C)にはディザマトリックスDMAを適用する。
逆でも構わない。
【0113】図20に示した記録率の設定から明らかな
通り、区間Cではライトシアン(LC)およびシアン
(C)が混在して記録される。区間Dではシアン(C)
およびダークシアン(DC)が混在して記録される。ラ
イトシアン(LC)、シアン(C)およびダークシアン
(DC)の3色が同程度の記録率で同時に記録されるこ
とはない。
通り、区間Cではライトシアン(LC)およびシアン
(C)が混在して記録される。区間Dではシアン(C)
およびダークシアン(DC)が混在して記録される。ラ
イトシアン(LC)、シアン(C)およびダークシアン
(DC)の3色が同程度の記録率で同時に記録されるこ
とはない。
【0114】第3の変形例では、図21に示した対応関
係で2種類のディザマトリックスを適用する。区間Cで
はライトシアン(LC)のドットとシアン(C)のドッ
トとを異なる画素に形成することができる。区間Dでは
シアン(C)のドットとダークシアン(DC)のドット
とを異なる画素に形成することができる。従って、それ
ぞれの区間で、効果的にバンディングを抑制することが
できる。
係で2種類のディザマトリックスを適用する。区間Cで
はライトシアン(LC)のドットとシアン(C)のドッ
トとを異なる画素に形成することができる。区間Dでは
シアン(C)のドットとダークシアン(DC)のドット
とを異なる画素に形成することができる。従って、それ
ぞれの区間で、効果的にバンディングを抑制することが
できる。
【0115】また、2種類のディザマトリックスを使い
分けることにより、広範囲で効果的にバンディングを抑
制することができる。比較例として3通りのディザマト
リックスを使用した場合を考える。図22は比較例とし
てのディザマトリックスおよび該マトリックスによって
形成されるドットの様子を示す説明図である。図中のデ
ィザマトリックスa,b,cをそれぞれライトシアン
(LC)、シアン(C)、ダークシアン(DC)に適用
した場合を考える。これら3種類のマトリックスは、ド
ットの形成確率が高い画素が3種類のドットそれぞれで
異なる画素になるように設定されている。例えば、閾値
1の画素にドットが形成された場合には、図示する通
り、3種類のドットがそれぞれ異なる画素に形成され
る。
分けることにより、広範囲で効果的にバンディングを抑
制することができる。比較例として3通りのディザマト
リックスを使用した場合を考える。図22は比較例とし
てのディザマトリックスおよび該マトリックスによって
形成されるドットの様子を示す説明図である。図中のデ
ィザマトリックスa,b,cをそれぞれライトシアン
(LC)、シアン(C)、ダークシアン(DC)に適用
した場合を考える。これら3種類のマトリックスは、ド
ットの形成確率が高い画素が3種類のドットそれぞれで
異なる画素になるように設定されている。例えば、閾値
1の画素にドットが形成された場合には、図示する通
り、3種類のドットがそれぞれ異なる画素に形成され
る。
【0116】しかしながら、図22のディザマトリック
スによって、異なる画素にドットが形成されることが保
証されるのは、各ドットの記録率が約30%程度に至る
までの範囲である。これ以上の記録率では、いずれかの
ドット同士で重なりが生じる。このように設定されたマ
トリックスを図20で示した記録率に対して適用すれ
ば、区間Cおよび区間D内で各ドットの記録率が30%
を大きく超える部分では、効果的にバンディングを抑制
することができない。第3の変形例では、各ドットの記
録率が50%までの範囲で、異なる画素にドットが形成
されることが保証されている2種類のディザマトリック
スを使うことによって、広範囲で効果的にバンディング
を抑制することができる。
スによって、異なる画素にドットが形成されることが保
証されるのは、各ドットの記録率が約30%程度に至る
までの範囲である。これ以上の記録率では、いずれかの
ドット同士で重なりが生じる。このように設定されたマ
トリックスを図20で示した記録率に対して適用すれ
ば、区間Cおよび区間D内で各ドットの記録率が30%
を大きく超える部分では、効果的にバンディングを抑制
することができない。第3の変形例では、各ドットの記
録率が50%までの範囲で、異なる画素にドットが形成
されることが保証されている2種類のディザマトリック
スを使うことによって、広範囲で効果的にバンディング
を抑制することができる。
【0117】なお、第3の変形例では、3段階の濃度の
うち同時に使用されるのは、2段階である場合を例示し
た。2種類のディザマトリックスを有効に適用できるの
は、かかる場合に限らない。3段階の濃度が同時に使用
される階調が存在する場合にも同様に適用することがで
きる。3段階の濃度の記録率が共に有意の値となる階調
範囲が比較的狭い場合に適している。例えば、図20中
に破線で示した記録率の設定がなされている場合を考え
る。このとき、区間Eでは、3段階の濃度のドットが同
時に形成される。但し、その範囲は、区間C,Dに比較
して狭い。このような場合には、第3の変形例と同様、
2種類のディザマトリックを使い分けることによって広
い範囲で効果的にバンディングを抑制することができ
る。
うち同時に使用されるのは、2段階である場合を例示し
た。2種類のディザマトリックスを有効に適用できるの
は、かかる場合に限らない。3段階の濃度が同時に使用
される階調が存在する場合にも同様に適用することがで
きる。3段階の濃度の記録率が共に有意の値となる階調
範囲が比較的狭い場合に適している。例えば、図20中
に破線で示した記録率の設定がなされている場合を考え
る。このとき、区間Eでは、3段階の濃度のドットが同
時に形成される。但し、その範囲は、区間C,Dに比較
して狭い。このような場合には、第3の変形例と同様、
2種類のディザマトリックを使い分けることによって広
い範囲で効果的にバンディングを抑制することができ
る。
【0118】3段階の濃度が使用される区間Eでのバン
ディングの抑制効果のみを考慮すれば、図22に示した
3種類のマトリックスの方が効果的であることは明らか
である。従って、2段階の濃度が使用される区間に比し
て3段階の濃度が同時に使用される区間が十分広い場合
や、3段階の濃度が同時に使用される区間でのバンディ
ングが特に顕著に現れる場合などには、図22に示した
3種類のマトリックスを適用することが望ましい。3種
類のディザマトリックスを適用する方が好ましい場合も
ある。図23は3段階の濃度が同時に使用される記録率
の設定例を示す説明図である。図示する通り、区間Gで
3段階の濃度が同時に使用される。それよりも階調値が
低い側に位置する区間Fでは、2段階の濃度が動じに使
用される。区間Fでバンディングが視認されやすい場合
には、2種類のマトリックスを適用すればよい。区間G
でバンディングが視認されやすい場合には、3種類のマ
トリックスを適用すればよい。このように記録率の設定
およびバンディングが視認されやすい階調範囲に応じ
て、ディザマトリックスは種々の使い分けをすることが
できる。
ディングの抑制効果のみを考慮すれば、図22に示した
3種類のマトリックスの方が効果的であることは明らか
である。従って、2段階の濃度が使用される区間に比し
て3段階の濃度が同時に使用される区間が十分広い場合
や、3段階の濃度が同時に使用される区間でのバンディ
ングが特に顕著に現れる場合などには、図22に示した
3種類のマトリックスを適用することが望ましい。3種
類のディザマトリックスを適用する方が好ましい場合も
ある。図23は3段階の濃度が同時に使用される記録率
の設定例を示す説明図である。図示する通り、区間Gで
3段階の濃度が同時に使用される。それよりも階調値が
低い側に位置する区間Fでは、2段階の濃度が動じに使
用される。区間Fでバンディングが視認されやすい場合
には、2種類のマトリックスを適用すればよい。区間G
でバンディングが視認されやすい場合には、3種類のマ
トリックスを適用すればよい。このように記録率の設定
およびバンディングが視認されやすい階調範囲に応じ
て、ディザマトリックスは種々の使い分けをすることが
できる。
【0119】(3)第2実施例:次に、第2実施例とし
ての印刷装置について説明する。第2実施例の印刷装置
のハードウェア構成は、第1実施例とほぼ同じである。
第1実施例では、6色のインクを用いていたが、第2実
施例では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロ(Y)の4色を用いるものとする。ドッ
ト形成制御処理も第1実施例とほぼ同じである。第1実
施例とは対応マトリックスの設定(図7のステップS1
05)が相違する。
ての印刷装置について説明する。第2実施例の印刷装置
のハードウェア構成は、第1実施例とほぼ同じである。
第1実施例では、6色のインクを用いていたが、第2実
施例では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロ(Y)の4色を用いるものとする。ドッ
ト形成制御処理も第1実施例とほぼ同じである。第1実
施例とは対応マトリックスの設定(図7のステップS1
05)が相違する。
【0120】第1実施例では、ドットの種類とマトリッ
クスとの予め設定された対応関係(図8)に基づいて、
ドットの種類ごとに使用するディザマトリックスを選択
していた。これに対し、第2実施例では、上記対応関係
を複数備え、印刷条件に応じて対応関係自体を使い分け
る。図24は第2実施例における印刷装置の機能ブロッ
クを示す説明図である。ここでは、ハーフトーン処理に
関連する部分のみを示した。その他の機能ブロックは、
第1実施例(図2)と同じである。
クスとの予め設定された対応関係(図8)に基づいて、
ドットの種類ごとに使用するディザマトリックスを選択
していた。これに対し、第2実施例では、上記対応関係
を複数備え、印刷条件に応じて対応関係自体を使い分け
る。図24は第2実施例における印刷装置の機能ブロッ
クを示す説明図である。ここでは、ハーフトーン処理に
関連する部分のみを示した。その他の機能ブロックは、
第1実施例(図2)と同じである。
【0121】図示する通り、第2実施例は、対応マトリ
ックス選択部95内にドットの種類とディザマトリック
スとの対応関係を表すテーブル(対応テーブルと呼ぶ)
を複数備えている。ハーフトーンモジュール93を介し
て印刷条件が入力されると、対応マトリックス選択部9
5は、印刷条件に応じた対応テーブルを参照して、ドッ
トの種類ごとに対応マトリックスを特定する。シアンに
ついて見ると、印刷条件に応じてCASE1,CASE
2の対応テーブルが用いられる場合には、ディザマトリ
ックスDMAを用いてハーフトーン処理することにな
る。また、別の印刷条件に応じてCASE3の対応テー
ブルが用いられる場合には、ディザマトリックスDMB
を用いてハーフトーン処理することになる。
ックス選択部95内にドットの種類とディザマトリック
スとの対応関係を表すテーブル(対応テーブルと呼ぶ)
を複数備えている。ハーフトーンモジュール93を介し
て印刷条件が入力されると、対応マトリックス選択部9
5は、印刷条件に応じた対応テーブルを参照して、ドッ
トの種類ごとに対応マトリックスを特定する。シアンに
ついて見ると、印刷条件に応じてCASE1,CASE
2の対応テーブルが用いられる場合には、ディザマトリ
ックスDMAを用いてハーフトーン処理することにな
る。また、別の印刷条件に応じてCASE3の対応テー
ブルが用いられる場合には、ディザマトリックスDMB
を用いてハーフトーン処理することになる。
【0122】第2実施例では、画像の種類に応じて対応
テーブルを切り替える。CASE1の対応テーブルで
は、シアン(C)にディザマトリックスDMAを適用
し、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)にディザマトリ
ックスDMBを適用する。従って、シアンとマゼンタの
混色で表現される色相(ブルー)、およびシアンとイエ
ロの混色で表現される色相(グリーン)のバンディング
を抑制することができる。
テーブルを切り替える。CASE1の対応テーブルで
は、シアン(C)にディザマトリックスDMAを適用
し、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)にディザマトリ
ックスDMBを適用する。従って、シアンとマゼンタの
混色で表現される色相(ブルー)、およびシアンとイエ
ロの混色で表現される色相(グリーン)のバンディング
を抑制することができる。
【0123】CASE2の対応テーブルでは、マゼンタ
(M)にディザマトリックスDMBを適用し、シアン
(C)およびイエロ(Y)にディザマトリックスDMA
を適用する。従って、マゼンタ(M)とシアン(C)の
混色で表現される色相(ブルー)、およびマゼンタとイ
エロの混色で表現される色相(レッド)のバンディング
を抑制することができる。
(M)にディザマトリックスDMBを適用し、シアン
(C)およびイエロ(Y)にディザマトリックスDMA
を適用する。従って、マゼンタ(M)とシアン(C)の
混色で表現される色相(ブルー)、およびマゼンタとイ
エロの混色で表現される色相(レッド)のバンディング
を抑制することができる。
【0124】CASE3の対応テーブルでは、ブラック
(K)にディザマトリックスDMAを適用し、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)にディザマトリ
ックスDMBを適用する。かかる設定の下、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の混色によるコ
ンポジットブラックと、ブラック(K)とを混在して形
成することにより、黒のバンディングを抑制することが
できる。
(K)にディザマトリックスDMAを適用し、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)にディザマトリ
ックスDMBを適用する。かかる設定の下、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の混色によるコ
ンポジットブラックと、ブラック(K)とを混在して形
成することにより、黒のバンディングを抑制することが
できる。
【0125】CASE4では、3種類のディザマトリッ
クスを用いる。実施例の図18および図19で示した態
様に相当する。従って、コンポジットブラックのバンデ
ィングを抑制することができ、モノトーン印刷でのバン
ディングを抑制することができる。
クスを用いる。実施例の図18および図19で示した態
様に相当する。従って、コンポジットブラックのバンデ
ィングを抑制することができ、モノトーン印刷でのバン
ディングを抑制することができる。
【0126】第2実施例では、これらの対応テーブルを
画像データの種類によって使い分ける。即ち、シアン
(C)が比較的多用される画像データの場合には、CA
SE1のテーブルを使用し、マゼンタ(M)が比較的多
用される画像データの場合には、CASE2のテーブル
を使用する。また、カラーモードにおいてブラックのバ
ンディングが視認されやすい場合には、CASE3のテ
ーブルを使用し、モノクロモードが指定されている場合
には、CASE4のテーブルを使用する。第2実施例で
は、このように印刷条件に応じて対応テーブルを切り替
えてハーフトーン処理することにより、各印刷条件に対
して最も画質の向上効果の高い色についてバンディング
を抑制することができる。
画像データの種類によって使い分ける。即ち、シアン
(C)が比較的多用される画像データの場合には、CA
SE1のテーブルを使用し、マゼンタ(M)が比較的多
用される画像データの場合には、CASE2のテーブル
を使用する。また、カラーモードにおいてブラックのバ
ンディングが視認されやすい場合には、CASE3のテ
ーブルを使用し、モノクロモードが指定されている場合
には、CASE4のテーブルを使用する。第2実施例で
は、このように印刷条件に応じて対応テーブルを切り替
えてハーフトーン処理することにより、各印刷条件に対
して最も画質の向上効果の高い色についてバンディング
を抑制することができる。
【0127】対応テーブルは、図24に示したものに限
らず、種々の組み合わせで設定可能である。また、印刷
条件も画像データの種類に限らず種々の条件を考慮する
ことができる。例えば、各インクでバンディングが生じ
るか否かを検出するためのテストパターンを印刷し、そ
の結果に応じて対応テーブルを使い分けるものとしても
よい。かかるテストパターンとしては、各インクによる
ドットを一定の領域に約50%程度の記録率で記録する
パターンなどが挙げられる。テストパターンを印刷した
結果、シアンについてバンディングが視認された場合に
は、その抑制効果が高いCASE1の対応テーブルを使
用すればよい。その他の色についてもそれぞれバンディ
ングを抑制可能な対応テーブルを選択することができ
る。このような検査を出荷時に行い、バンディングを抑
制する対応テーブルを印刷装置ごとに予め特定しておく
ものとしてもよい。さらに、印刷媒体の種類、印刷時の
解像度、主走査の双方向で記録を行うか否か、オーバラ
ップ方式による記録を行うか否かなど種々の印刷条件に
よってバンディングの発生しやすさは変動するから、こ
れらの条件に応じて対応テーブルを使い分けることも可
能である。
らず、種々の組み合わせで設定可能である。また、印刷
条件も画像データの種類に限らず種々の条件を考慮する
ことができる。例えば、各インクでバンディングが生じ
るか否かを検出するためのテストパターンを印刷し、そ
の結果に応じて対応テーブルを使い分けるものとしても
よい。かかるテストパターンとしては、各インクによる
ドットを一定の領域に約50%程度の記録率で記録する
パターンなどが挙げられる。テストパターンを印刷した
結果、シアンについてバンディングが視認された場合に
は、その抑制効果が高いCASE1の対応テーブルを使
用すればよい。その他の色についてもそれぞれバンディ
ングを抑制可能な対応テーブルを選択することができ
る。このような検査を出荷時に行い、バンディングを抑
制する対応テーブルを印刷装置ごとに予め特定しておく
ものとしてもよい。さらに、印刷媒体の種類、印刷時の
解像度、主走査の双方向で記録を行うか否か、オーバラ
ップ方式による記録を行うか否かなど種々の印刷条件に
よってバンディングの発生しやすさは変動するから、こ
れらの条件に応じて対応テーブルを使い分けることも可
能である。
【0128】(4)第3実施例:次に第3実施例として
の印刷装置について説明する。第3実施例の印刷装置の
ハードウェア構成は、第1実施例と同じである。また、
ドット形成制御処理(図6)も第1実施例と同じであ
る。第3実施例では、ハーフトーン処理の内容が第1実
施例と相違する。
の印刷装置について説明する。第3実施例の印刷装置の
ハードウェア構成は、第1実施例と同じである。また、
ドット形成制御処理(図6)も第1実施例と同じであ
る。第3実施例では、ハーフトーン処理の内容が第1実
施例と相違する。
【0129】図25は第3実施例におけるハーフトーン
処理のフローチャートである。第3実施例では誤差拡散
法によるハーフトーン処理を行う。フローチャートの説
明に先立ち、誤差拡散法の概略について説明する。画像
データの階調値は、値0〜255までの正数値を取りう
るが、ドットの形成によって各画素ごとに表現されるの
は、ドットの形成時の濃度と、ドットの非形成時の濃度
の2つである。従って、各画素ごとにドットのオン・オ
フを決定すれば、画像データの階調値に基づいて表現さ
れるべき濃度との間に濃度誤差が生じる。濃度誤差は、
ドットのオン・オフによって表現される濃度を256段
階の階調値で表した濃度評価値と、画像データの階調値
との差で求められる。誤差拡散法では、こうして各画素
で生じた濃度誤差を該画素の周辺の未処理の画素に拡散
する。また、各画素でのドットのオン・オフの判定は、
処理済みの画素から拡散された濃度誤差を反映して行わ
れる。誤差拡散法は、このように濃度誤差の拡散・反映
を繰り返し行うことにより、局所的な濃度誤差を極小に
抑えたハーフトーン処理を行う。
処理のフローチャートである。第3実施例では誤差拡散
法によるハーフトーン処理を行う。フローチャートの説
明に先立ち、誤差拡散法の概略について説明する。画像
データの階調値は、値0〜255までの正数値を取りう
るが、ドットの形成によって各画素ごとに表現されるの
は、ドットの形成時の濃度と、ドットの非形成時の濃度
の2つである。従って、各画素ごとにドットのオン・オ
フを決定すれば、画像データの階調値に基づいて表現さ
れるべき濃度との間に濃度誤差が生じる。濃度誤差は、
ドットのオン・オフによって表現される濃度を256段
階の階調値で表した濃度評価値と、画像データの階調値
との差で求められる。誤差拡散法では、こうして各画素
で生じた濃度誤差を該画素の周辺の未処理の画素に拡散
する。また、各画素でのドットのオン・オフの判定は、
処理済みの画素から拡散された濃度誤差を反映して行わ
れる。誤差拡散法は、このように濃度誤差の拡散・反映
を繰り返し行うことにより、局所的な濃度誤差を極小に
抑えたハーフトーン処理を行う。
【0130】かかる処理を行うため、CPUはハーフト
ーン処理ルーチンが開始されると、画像データCDを入
力し(ステップS200)、拡散誤差補正データCDX
の生成を行う(ステップS205)。画像データCDに
変えて、各ドットの記録率を表すレベルデータを用いる
ものとしてもよい。拡散誤差補正データCDXとは、処
理済みの画素について生じた濃度誤差を、処理対象とな
る着目画素の画像データCDに反映させる処理をいう。
図26は着目している画素PPから周辺の画素への誤差
拡散の様子を示す説明図である。周辺の画素には、それ
ぞれ図26中に示す重み付けで、誤差が配分される。着
目画素PPには、逆に、既に処理済みの画素から、かか
る配分に基づいて誤差が拡散されてくる。この誤差を階
調値から引くことで拡散誤差補正データを生成する。
ーン処理ルーチンが開始されると、画像データCDを入
力し(ステップS200)、拡散誤差補正データCDX
の生成を行う(ステップS205)。画像データCDに
変えて、各ドットの記録率を表すレベルデータを用いる
ものとしてもよい。拡散誤差補正データCDXとは、処
理済みの画素について生じた濃度誤差を、処理対象とな
る着目画素の画像データCDに反映させる処理をいう。
図26は着目している画素PPから周辺の画素への誤差
拡散の様子を示す説明図である。周辺の画素には、それ
ぞれ図26中に示す重み付けで、誤差が配分される。着
目画素PPには、逆に、既に処理済みの画素から、かか
る配分に基づいて誤差が拡散されてくる。この誤差を階
調値から引くことで拡散誤差補正データを生成する。
【0131】次に、CPUは閾値THの補正処理を行う
(ステップS210)。この点で第3実施例の誤差拡散
は、通常の誤差拡散と相違する。閾値THは、第1実施
例で示した対応マトリックスに記憶された各値DMを用
いて、「TH×W×(DM−128)」に補正される。
変数Wは重み係数であり、画質とバンディングの抑制効
果とを考慮して任意の値に設定することができる。「D
M−128」は、閾値の補正量の平均値を画像全体で0
にするためにするシフトである。平均値が0となるマト
リックスを用いる場合には、かかる処理は不要である。
(ステップS210)。この点で第3実施例の誤差拡散
は、通常の誤差拡散と相違する。閾値THは、第1実施
例で示した対応マトリックスに記憶された各値DMを用
いて、「TH×W×(DM−128)」に補正される。
変数Wは重み係数であり、画質とバンディングの抑制効
果とを考慮して任意の値に設定することができる。「D
M−128」は、閾値の補正量の平均値を画像全体で0
にするためにするシフトである。平均値が0となるマト
リックスを用いる場合には、かかる処理は不要である。
【0132】誤差拡散法では、全画素で一定の閾値が適
用されるのが通常である。第3実施例では、上述の処理
で閾値を補正することにより、ドットの形成位置をある
程度制御することができる。例えば、マトリックスの値
DMが1である場合を考える。かかる画素では、上記処
理を行うことにより、閾値が非常に小さい値になる。後
述する通り、誤差拡散法では誤差補正データCDXの値
が閾値TH以上の画素にドットが形成される。従って、
閾値を小さい値に補正することにより、その画素にはド
ットが形成されやすくなる。
用されるのが通常である。第3実施例では、上述の処理
で閾値を補正することにより、ドットの形成位置をある
程度制御することができる。例えば、マトリックスの値
DMが1である場合を考える。かかる画素では、上記処
理を行うことにより、閾値が非常に小さい値になる。後
述する通り、誤差拡散法では誤差補正データCDXの値
が閾値TH以上の画素にドットが形成される。従って、
閾値を小さい値に補正することにより、その画素にはド
ットが形成されやすくなる。
【0133】閾値の補正処理を終えると、CPUはドッ
トのオン・オフを判定する。即ち、誤差拡散補正データ
CDXと補正された閾値THとの大小を比較し(ステッ
プS215)、補正データCDXが閾値TH以上である
場合には、ドットを形成すべきと判定して、処理結果を
表す結果値RDにドットの形成を意味する値1を代入す
る(ステップS225)。補正データCDXが閾値TH
よりも小さい場合には、ドットを形成すべきでないと判
定して、結果値RDにドットの非形成を意味する値0を
代入する(ステップS220)。なお、補正前の閾値T
Hは、いずれの値に設定することもできるが、本実施例
ではドットを形成した場合の濃度評価値と非形成の場合
の濃度評価値との平均値に設定されている。
トのオン・オフを判定する。即ち、誤差拡散補正データ
CDXと補正された閾値THとの大小を比較し(ステッ
プS215)、補正データCDXが閾値TH以上である
場合には、ドットを形成すべきと判定して、処理結果を
表す結果値RDにドットの形成を意味する値1を代入す
る(ステップS225)。補正データCDXが閾値TH
よりも小さい場合には、ドットを形成すべきでないと判
定して、結果値RDにドットの非形成を意味する値0を
代入する(ステップS220)。なお、補正前の閾値T
Hは、いずれの値に設定することもできるが、本実施例
ではドットを形成した場合の濃度評価値と非形成の場合
の濃度評価値との平均値に設定されている。
【0134】次に、CPUは、多値化により生じた誤差
Errを計算し、その誤差を周辺の画素に拡散する処理
を実行する(ステップS230)。誤差Errとは多値
化後の各ドットにより表現される濃度評価値から画像デ
ータの階調値を引いた値をいう。例えば、画像データC
Dの階調値255の画素と、階調値175の画素を考
え、ドットの形成による濃度の評価値を階調値255相
当、ドットの非形成による濃度の評価値を階調値0相当
とする。階調値255の画素について、ドットを形成す
るものと判定された場合は、画像データの階調値と表現
される濃度評価値は共に値255で一致しているため誤
差Err=0となる。一方、階調値175の画素につい
て、ドットを形成するものと判定された場合は、誤差E
rr=255−175=80となる。
Errを計算し、その誤差を周辺の画素に拡散する処理
を実行する(ステップS230)。誤差Errとは多値
化後の各ドットにより表現される濃度評価値から画像デ
ータの階調値を引いた値をいう。例えば、画像データC
Dの階調値255の画素と、階調値175の画素を考
え、ドットの形成による濃度の評価値を階調値255相
当、ドットの非形成による濃度の評価値を階調値0相当
とする。階調値255の画素について、ドットを形成す
るものと判定された場合は、画像データの階調値と表現
される濃度評価値は共に値255で一致しているため誤
差Err=0となる。一方、階調値175の画素につい
て、ドットを形成するものと判定された場合は、誤差E
rr=255−175=80となる。
【0135】こうして演算された誤差Errは図26に
示した割合で周辺の画素に拡散される。例えば、着目画
素PPにおいてErr=80の誤差が算出された場合、
隣の画素P1には誤差の1/4である階調値20に相当
する誤差が拡散される。その他の画素についても同様に
図26で示した割合で誤差が拡散される。こうして拡散
された誤差が、先に説明したステップS205で画像デ
ータCDから減じられ、拡散誤差補正データCDXが生
成されるのである。CPUは全画素および全色について
以上の処理を繰り返し実行した後(ステップS23
5)、ハーフトーン処理ルーチンを終了する。
示した割合で周辺の画素に拡散される。例えば、着目画
素PPにおいてErr=80の誤差が算出された場合、
隣の画素P1には誤差の1/4である階調値20に相当
する誤差が拡散される。その他の画素についても同様に
図26で示した割合で誤差が拡散される。こうして拡散
された誤差が、先に説明したステップS205で画像デ
ータCDから減じられ、拡散誤差補正データCDXが生
成されるのである。CPUは全画素および全色について
以上の処理を繰り返し実行した後(ステップS23
5)、ハーフトーン処理ルーチンを終了する。
【0136】以上で説明した第3実施例の印刷装置によ
れば、誤差拡散法を適用する際に各ドットごとに特定さ
れた対応マトリックスを用いて閾値を補正することによ
り、ドットの形成位置を制御することができる。対応マ
トリックスは、第1実施例と同じ設定によりドットごと
に特定されている。従って、第3実施例では、所定の階
調範囲では、異なる種類のドットを異なる画素に形成す
ることができる。誤差拡散法の場合、ディザ法ほど厳密
に形成位置を制御することはできないが、閾値の補正に
用いられる重み値Wの設定により、バンディングの抑制
効果が現れる程度に形成位置を制御することは可能であ
る。このようにドットの形成位置を制御することによ
り、第3実施例の印刷装置は、第1実施例と同様、バン
ディングを抑制することができる。また、第3実施例で
は、本来、画質に優れる誤差拡散法を適用しているた
め、高画質なハーフトーン処理および印刷を実現するこ
とができる。
れば、誤差拡散法を適用する際に各ドットごとに特定さ
れた対応マトリックスを用いて閾値を補正することによ
り、ドットの形成位置を制御することができる。対応マ
トリックスは、第1実施例と同じ設定によりドットごと
に特定されている。従って、第3実施例では、所定の階
調範囲では、異なる種類のドットを異なる画素に形成す
ることができる。誤差拡散法の場合、ディザ法ほど厳密
に形成位置を制御することはできないが、閾値の補正に
用いられる重み値Wの設定により、バンディングの抑制
効果が現れる程度に形成位置を制御することは可能であ
る。このようにドットの形成位置を制御することによ
り、第3実施例の印刷装置は、第1実施例と同様、バン
ディングを抑制することができる。また、第3実施例で
は、本来、画質に優れる誤差拡散法を適用しているた
め、高画質なハーフトーン処理および印刷を実現するこ
とができる。
【0137】(5)第4実施例:次に第4実施例として
の印刷装置について説明する。第4実施例の印刷装置の
ハードウェア構成は、第1実施例と同じである。ライト
シアン、ライトマゼンタを含む6色のインクを備える場
合について示す。また、ドット形成制御処理(図6)も
第1実施例と同じである。第4実施例では、ハーフトー
ン処理の内容が第1実施例と相違する。第1実施例〜第
3実施例では、マトリックスの使い分けによって各ラス
タのドットの形成を、異なるドット間の相関も考慮して
制御する処理について例示した。第4実施例では、同様
の制御を、マトリックスを用いることなく実施する処理
について例示する。即ち、第4実施例では、各ラスタの
奇数番目の画素と偶数番目の画素とで処理対象となるド
ットの種類を切り替えてハーフトーン処理を行うこと
で、第1実施例〜第3実施例と同様の効果の実現を図
る。
の印刷装置について説明する。第4実施例の印刷装置の
ハードウェア構成は、第1実施例と同じである。ライト
シアン、ライトマゼンタを含む6色のインクを備える場
合について示す。また、ドット形成制御処理(図6)も
第1実施例と同じである。第4実施例では、ハーフトー
ン処理の内容が第1実施例と相違する。第1実施例〜第
3実施例では、マトリックスの使い分けによって各ラス
タのドットの形成を、異なるドット間の相関も考慮して
制御する処理について例示した。第4実施例では、同様
の制御を、マトリックスを用いることなく実施する処理
について例示する。即ち、第4実施例では、各ラスタの
奇数番目の画素と偶数番目の画素とで処理対象となるド
ットの種類を切り替えてハーフトーン処理を行うこと
で、第1実施例〜第3実施例と同様の効果の実現を図
る。
【0138】図27は第4実施例におけるハーフトーン
処理のフローチャートである。ここでは同一色相で濃度
の異なるインク、例えばライトシアンとシアンで形成さ
れるドットを対象とする処理を例示する。第4実施例で
は誤差拡散法によるハーフトーン処理を行う。かかる処
理を行うため、CPUはハーフトーン処理ルーチンが開
始されると、画像データCDを入力し(ステップS30
0)、拡散誤差補正データCDXの生成を行う(ステッ
プS305)。画像データCDに変えて、各ドットの記
録率を表すレベルデータを用いるものとしてもよい。拡
散誤差補正データCDXの意味および生成方法は第3実
施例と同様である。
処理のフローチャートである。ここでは同一色相で濃度
の異なるインク、例えばライトシアンとシアンで形成さ
れるドットを対象とする処理を例示する。第4実施例で
は誤差拡散法によるハーフトーン処理を行う。かかる処
理を行うため、CPUはハーフトーン処理ルーチンが開
始されると、画像データCDを入力し(ステップS30
0)、拡散誤差補正データCDXの生成を行う(ステッ
プS305)。画像データCDに変えて、各ドットの記
録率を表すレベルデータを用いるものとしてもよい。拡
散誤差補正データCDXの意味および生成方法は第3実
施例と同様である。
【0139】次に、CPUは拡散誤差補正データCDX
が所定の階調値Tlim以上であるか否かを判定する
(ステップS310)。先に述べた通り、第4実施例で
は、奇数番目の画素と偶数番目の画素とでハーフトーン
処理の対象を変更する。後述する通り、奇数番目の画素
ではライトシアンで形成されるドットを対象とし、偶数
番目の画素ではシアンで形成されるドットを対象として
ハーフトーン処理する。但し、このように画素の位置に
応じてハーフトーン処理の対象となるドット(以下、対
象ドットと呼ぶ)を完全に分けるとライトシアンおよび
シアンの記録率の上限値が50%で制限されることにな
る。従って、シアンのドットを50%以上の記録率で形
成して表現すべき階調範囲を十分表現することができな
いなどの弊害を招く。
が所定の階調値Tlim以上であるか否かを判定する
(ステップS310)。先に述べた通り、第4実施例で
は、奇数番目の画素と偶数番目の画素とでハーフトーン
処理の対象を変更する。後述する通り、奇数番目の画素
ではライトシアンで形成されるドットを対象とし、偶数
番目の画素ではシアンで形成されるドットを対象として
ハーフトーン処理する。但し、このように画素の位置に
応じてハーフトーン処理の対象となるドット(以下、対
象ドットと呼ぶ)を完全に分けるとライトシアンおよび
シアンの記録率の上限値が50%で制限されることにな
る。従って、シアンのドットを50%以上の記録率で形
成して表現すべき階調範囲を十分表現することができな
いなどの弊害を招く。
【0140】第4実施例では、かかる弊害を回避するた
め、画素の位置によって対象ドットを分けるのは、低階
調から中間調までの範囲に制限している。上記ステップ
S310の判定における階調値Tlimは、対象ドット
を画素ごとに分けるか否かの判定基準となる値であり、
上述の弊害の回避を考慮して任意の階調値に設定するこ
とができる。本実施例では、階調値Tlimをライトシ
アンで形成されるドットの濃度評価値に相当する階調値
に設定した。
め、画素の位置によって対象ドットを分けるのは、低階
調から中間調までの範囲に制限している。上記ステップ
S310の判定における階調値Tlimは、対象ドット
を画素ごとに分けるか否かの判定基準となる値であり、
上述の弊害の回避を考慮して任意の階調値に設定するこ
とができる。本実施例では、階調値Tlimをライトシ
アンで形成されるドットの濃度評価値に相当する階調値
に設定した。
【0141】ステップS310において、拡散誤差補正
データCDXが階調値Tlim以上である場合には、画
素の位置による対象ドットの切り替えをすべきではない
と判定し、画素の位置に関わらずシアンで形成されるド
ットのオン・オフ判定に移行する。シアンで形成される
ドットのオン・オフ判定については後述する。
データCDXが階調値Tlim以上である場合には、画
素の位置による対象ドットの切り替えをすべきではない
と判定し、画素の位置に関わらずシアンで形成されるド
ットのオン・オフ判定に移行する。シアンで形成される
ドットのオン・オフ判定については後述する。
【0142】ステップS310において、拡散誤差補正
データCDXが階調値Tlimよりも小さい場合には、
画素の位置による対象ドットの切り替えを行う。このた
め、CPUは処理を行っている画素が偶数番目の画素で
あるか否かを判定する(ステップS315)。偶数番目
の画素でない場合には、ライトシアンで形成されるドッ
トのオン・オフを判定する処理に移行する。偶数番目の
画素である場合には、シアンで形成されるドットのオン
・オフを判定する処理に移行する。画素の位置と対象ド
ットとの関係は、この逆にしても構わない。
データCDXが階調値Tlimよりも小さい場合には、
画素の位置による対象ドットの切り替えを行う。このた
め、CPUは処理を行っている画素が偶数番目の画素で
あるか否かを判定する(ステップS315)。偶数番目
の画素でない場合には、ライトシアンで形成されるドッ
トのオン・オフを判定する処理に移行する。偶数番目の
画素である場合には、シアンで形成されるドットのオン
・オフを判定する処理に移行する。画素の位置と対象ド
ットとの関係は、この逆にしても構わない。
【0143】ライトシアンで形成されるドットのオン・
オフは次の処理によって判定する。CPUは、拡散誤差
補正データCDXと所定の閾値THLとの大小関係を比
較する(ステップS320)。所定の閾値THLはライ
トシアンで形成されるドットのオン・オフの判定基準と
なる値であり、任意の値に設定可能である。ここでは、
ライトシアンで形成されたドットの濃度評価値に相当す
る階調値に設定した。
オフは次の処理によって判定する。CPUは、拡散誤差
補正データCDXと所定の閾値THLとの大小関係を比
較する(ステップS320)。所定の閾値THLはライ
トシアンで形成されるドットのオン・オフの判定基準と
なる値であり、任意の値に設定可能である。ここでは、
ライトシアンで形成されたドットの濃度評価値に相当す
る階調値に設定した。
【0144】拡散誤差補正データCDXが閾値THLよ
りも小さい場合には、ライトシアンでドットを形成すべ
きでないと判定する。なお、この処理を行う画素では、
当然、シアンによるドットも形成すべきでない。従っ
て、CPUはライトシアンによるドットのオン・オフを
示す結果値RLにオフを意味する値0を代入するととも
に、シアンによるドットのオン・オフを示す結果値RD
にも値0を代入する(ステップS325)。
りも小さい場合には、ライトシアンでドットを形成すべ
きでないと判定する。なお、この処理を行う画素では、
当然、シアンによるドットも形成すべきでない。従っ
て、CPUはライトシアンによるドットのオン・オフを
示す結果値RLにオフを意味する値0を代入するととも
に、シアンによるドットのオン・オフを示す結果値RD
にも値0を代入する(ステップS325)。
【0145】一方、拡散誤差補正データCDXが閾値T
HL以上である場合には、ライトシアンでドットを形成
すべきと判定する。シアンによるドットはこの場合もオ
フである。従って、CPUはライトシアンのドットに対
応する結果値RLにオンを意味する値1を代入するとと
もに、シアンに対応する結果値RDにはオフを意味する
値0を代入する(ステップS330)。
HL以上である場合には、ライトシアンでドットを形成
すべきと判定する。シアンによるドットはこの場合もオ
フである。従って、CPUはライトシアンのドットに対
応する結果値RLにオンを意味する値1を代入するとと
もに、シアンに対応する結果値RDにはオフを意味する
値0を代入する(ステップS330)。
【0146】シアンで形成されるドットのオン・オフは
次の処理によって判定する。CPUは、拡散誤差補正デ
ータCDXと所定の閾値THDとの大小関係を比較する
(ステップS335)。所定の閾値THDはシアンで形
成されるドットのオン・オフの判定基準となる値であ
り、任意の値に設定可能である。ここでは、シアンで形
成されたドットの濃度評価値に相当する階調値に設定し
た。
次の処理によって判定する。CPUは、拡散誤差補正デ
ータCDXと所定の閾値THDとの大小関係を比較する
(ステップS335)。所定の閾値THDはシアンで形
成されるドットのオン・オフの判定基準となる値であ
り、任意の値に設定可能である。ここでは、シアンで形
成されたドットの濃度評価値に相当する階調値に設定し
た。
【0147】拡散誤差補正データCDXが閾値THDよ
りも小さい場合には、シアンでドットを形成すべきでな
いと判定する。なお、この処理を行う画素では、当然、
ライトシアンによるドットも形成すべきでない。従っ
て、CPUはシアンによるドットのオン・オフを示す結
果値RDにオフを意味する値0を代入するとともに、ラ
イトシアンによるドットのオン・オフを示す結果値RL
にも値0を代入する(ステップS340)。
りも小さい場合には、シアンでドットを形成すべきでな
いと判定する。なお、この処理を行う画素では、当然、
ライトシアンによるドットも形成すべきでない。従っ
て、CPUはシアンによるドットのオン・オフを示す結
果値RDにオフを意味する値0を代入するとともに、ラ
イトシアンによるドットのオン・オフを示す結果値RL
にも値0を代入する(ステップS340)。
【0148】一方、拡散誤差補正データCDXが閾値T
HD以上である場合には、シアンでドットを形成すべき
と判定する。ライトシアンによるドットはこの場合もオ
フである。従って、CPUはシアンのドットに対応する
結果値RDにオンを意味する値1を代入するとともに、
ライトシアンに対応する結果値RLにはオフを意味する
値0を代入する(ステップS345)。
HD以上である場合には、シアンでドットを形成すべき
と判定する。ライトシアンによるドットはこの場合もオ
フである。従って、CPUはシアンのドットに対応する
結果値RDにオンを意味する値1を代入するとともに、
ライトシアンに対応する結果値RLにはオフを意味する
値0を代入する(ステップS345)。
【0149】次に、CPUは、多値化により生じた誤差
Errを計算し、その誤差を周辺の画素に拡散する処理
を実行する(ステップS350)。誤差の演算および拡
散の方法は、第3実施例と同様である。ここでは、ステ
ップS345までの処理によって各画素ごとにライトシ
アンおよびシアンの双方のオン・オフが決定されるた
め、誤差演算に使用される濃度評価値は、両者のオン・
オフに基づいて判定される。例えば、「RD=0,RL
=0」である場合、即ちライトシアン、シアン双方のド
ットがオフの場合には濃度評価値は値0となる。「RD
=0,RL=1」である場合、即ちライトシアンのみが
オンの場合には濃度評価値はライトシアンのドットに応
じた値となる。「RD=1,RL=0」である場合、即
ちシアンのみがオンの場合には濃度評価値はシアンのド
ットに応じた値となる。
Errを計算し、その誤差を周辺の画素に拡散する処理
を実行する(ステップS350)。誤差の演算および拡
散の方法は、第3実施例と同様である。ここでは、ステ
ップS345までの処理によって各画素ごとにライトシ
アンおよびシアンの双方のオン・オフが決定されるた
め、誤差演算に使用される濃度評価値は、両者のオン・
オフに基づいて判定される。例えば、「RD=0,RL
=0」である場合、即ちライトシアン、シアン双方のド
ットがオフの場合には濃度評価値は値0となる。「RD
=0,RL=1」である場合、即ちライトシアンのみが
オンの場合には濃度評価値はライトシアンのドットに応
じた値となる。「RD=1,RL=0」である場合、即
ちシアンのみがオンの場合には濃度評価値はシアンのド
ットに応じた値となる。
【0150】本実施例では、考慮していないが、ステッ
プS310において、拡散誤差補正データCDXが階調
値Tlim以上の場合には、ライトシアン、シアン双方
のドットについてそれぞれオン・オフを判定する処理と
することも可能である。かかる処理を行えば、ライトシ
アン、シアン双方のドットがオンとなる可能性もある。
この場合は、ライトシアン、シアンの双方のドットに対
応した濃度評価値の和を誤差計算のための濃度評価値と
して用いることができる。CPUは全画素について以上
の処理を繰り返し実行した後(ステップS355)、ハ
ーフトーン処理ルーチンを終了する。
プS310において、拡散誤差補正データCDXが階調
値Tlim以上の場合には、ライトシアン、シアン双方
のドットについてそれぞれオン・オフを判定する処理と
することも可能である。かかる処理を行えば、ライトシ
アン、シアン双方のドットがオンとなる可能性もある。
この場合は、ライトシアン、シアンの双方のドットに対
応した濃度評価値の和を誤差計算のための濃度評価値と
して用いることができる。CPUは全画素について以上
の処理を繰り返し実行した後(ステップS355)、ハ
ーフトーン処理ルーチンを終了する。
【0151】図28は第4実施例によるドットの形成の
様子を示す説明図である。主走査方向にc1〜c8の画
素、副走査方向にr1〜r8のラスタについて図示し
た。図中で「○」はライトシアンで形成されたドット、
「●」はシアンで形成されたドットを示している。ここ
では、ラスタr1〜r8の順に階調値が高くなる場合を
示した。
様子を示す説明図である。主走査方向にc1〜c8の画
素、副走査方向にr1〜r8のラスタについて図示し
た。図中で「○」はライトシアンで形成されたドット、
「●」はシアンで形成されたドットを示している。ここ
では、ラスタr1〜r8の順に階調値が高くなる場合を
示した。
【0152】ラスタr1は、低階調におけるドットの様
子を示している。かかる階調範囲では、奇数番目の画素
(c1,c3,c5,c7)と偶数番目の画素(c2,
c4,c6,c8)とで対象ドットの切り替えが行われ
る。また、階調値が低いため、ライトシアンのドットの
みで階調表現をすることができる。従って、図示する通
り、奇数番目の画素でライトシアンのドットがオンとな
り、偶数番目の画素ではドットがオフとなる。
子を示している。かかる階調範囲では、奇数番目の画素
(c1,c3,c5,c7)と偶数番目の画素(c2,
c4,c6,c8)とで対象ドットの切り替えが行われ
る。また、階調値が低いため、ライトシアンのドットの
みで階調表現をすることができる。従って、図示する通
り、奇数番目の画素でライトシアンのドットがオンとな
り、偶数番目の画素ではドットがオフとなる。
【0153】ラスタr2〜r4は、ラスタr1よりも若
干高い階調値に対応する。かかる階調値でも画素の位置
による対象ドットの切り替えが行われる。従って、それ
ぞれの階調値に応じて、奇数番目の画素にはライトシア
ンのドットが形成され、偶数番目の画素にはシアンのド
ットが形成される。
干高い階調値に対応する。かかる階調値でも画素の位置
による対象ドットの切り替えが行われる。従って、それ
ぞれの階調値に応じて、奇数番目の画素にはライトシア
ンのドットが形成され、偶数番目の画素にはシアンのド
ットが形成される。
【0154】ラスタr5、r6は、ステップS310に
おける階調値Tlimよりも高くなる階調値に対応す
る。かかる階調値では、画素の位置による対象ドットの
切り替えは完全には行われない。例えば、ラスタr5,
r6の画素c3では、奇数番目の画素であるにも関わら
ず、シアンのドットが形成される。ラスタr6の画素c
7も同様である。但し、対象ドットの切り替えは画像デ
ータの階調値CDではなく、誤差を反映した拡散誤差補
正データCDXと階調値Tlimとの大小関係に基づい
て行っている。従って、ラスタr5、r6においても誤
差を反映した結果、階調値Tlimよりも小さくなる画
素においては、その画素が偶数番目であるか否かによっ
て対象ドットの切り替えが行われる。ラスタr5,r6
の画素c1など奇数番目の画素の一部では、こうした処
理の結果、ライトシアンによるドットが形成されてい
る。
おける階調値Tlimよりも高くなる階調値に対応す
る。かかる階調値では、画素の位置による対象ドットの
切り替えは完全には行われない。例えば、ラスタr5,
r6の画素c3では、奇数番目の画素であるにも関わら
ず、シアンのドットが形成される。ラスタr6の画素c
7も同様である。但し、対象ドットの切り替えは画像デ
ータの階調値CDではなく、誤差を反映した拡散誤差補
正データCDXと階調値Tlimとの大小関係に基づい
て行っている。従って、ラスタr5、r6においても誤
差を反映した結果、階調値Tlimよりも小さくなる画
素においては、その画素が偶数番目であるか否かによっ
て対象ドットの切り替えが行われる。ラスタr5,r6
の画素c1など奇数番目の画素の一部では、こうした処
理の結果、ライトシアンによるドットが形成されてい
る。
【0155】ラスタr7は、第4実施例の処理に代え
て、拡散誤差補正データCDXが階調値Tlim以上で
ある場合には、ライトシアン、シアンの双方のドットの
オン・オフ判定を行うとした場合の様子を示す。かかる
処理によれば、画素c3、c6に示すように、拡散誤差
補正データCDXが大きい画素では、ライトシアン、シ
アンの双方によるドットが形成される可能性もある。拡
散誤差補正データCDXが第1の階調値Tlim1以上
である場合には、画素の位置に関わらずシアンによるド
ットのオン・オフを判定するものとし、更に大きな第2
の階調値Tlim2以上である場合には、ライトシア
ン、シアン双方のドットのオン・オフを判定するものと
してもよい。
て、拡散誤差補正データCDXが階調値Tlim以上で
ある場合には、ライトシアン、シアンの双方のドットの
オン・オフ判定を行うとした場合の様子を示す。かかる
処理によれば、画素c3、c6に示すように、拡散誤差
補正データCDXが大きい画素では、ライトシアン、シ
アンの双方によるドットが形成される可能性もある。拡
散誤差補正データCDXが第1の階調値Tlim1以上
である場合には、画素の位置に関わらずシアンによるド
ットのオン・オフを判定するものとし、更に大きな第2
の階調値Tlim2以上である場合には、ライトシア
ン、シアン双方のドットのオン・オフを判定するものと
してもよい。
【0156】以上で説明した第4実施例の印刷装置によ
れば、処理対象となっている画素の位置に応じて対象ド
ットの切り替えを行うことにより、ドットの形成位置を
ドットの種類ごとに制御することができる。従って、第
1実施例から第3実施例で説明したのと同様の作用によ
り、バンディングを抑制することができる。第4実施例
によれば、マトリックスを使うことなくドットの形成位
置を制御することができる。従って、マトリックスを記
憶するメモリが不要となる利点もある。
れば、処理対象となっている画素の位置に応じて対象ド
ットの切り替えを行うことにより、ドットの形成位置を
ドットの種類ごとに制御することができる。従って、第
1実施例から第3実施例で説明したのと同様の作用によ
り、バンディングを抑制することができる。第4実施例
によれば、マトリックスを使うことなくドットの形成位
置を制御することができる。従って、マトリックスを記
憶するメモリが不要となる利点もある。
【0157】もちろん、第4実施例でディザ法によるハ
ーフトーン処理を行うものとしてもよい。ライトシアン
を対象とする画素に対応したディザマトリックスと、シ
アンを対象とする画素に対応したディザマトリックスと
を用いることにより、容易にハーフトーン処理を実現す
ることができる。この場合に、双方のディザマトリック
スの閾値を第1実施例の第1の変形例(図17参照)に
準じた設定とし、隣接する画素へのドットの形成確率が
同等になるようにすることもできる。もちろん、その他
の変形例に準じた設定としてもよい。
ーフトーン処理を行うものとしてもよい。ライトシアン
を対象とする画素に対応したディザマトリックスと、シ
アンを対象とする画素に対応したディザマトリックスと
を用いることにより、容易にハーフトーン処理を実現す
ることができる。この場合に、双方のディザマトリック
スの閾値を第1実施例の第1の変形例(図17参照)に
準じた設定とし、隣接する画素へのドットの形成確率が
同等になるようにすることもできる。もちろん、その他
の変形例に準じた設定としてもよい。
【0158】第4実施例では、シアンとライトシアンと
を対象とするハーフトーン処理を例示したが、ライトマ
ゼンタとマゼンタに適用することも可能であるし、異な
る色相間で適用することも可能である。また、第4実施
例では、画素と対象ドットとの対応関係が一定である場
合を例示した。即ち、いずれのラスタにおいてもライト
シアンのドットを奇数番目の画素に形成し、シアンのド
ットを偶数番目の画素に形成する場合を例示した。これ
に対し、ラスタごとに画素と対象ドットとの関係を変更
するものとしてもよい。例えば、奇数番目のラスタで
は、第4実施例と同じ対応関係とし、偶数番目のラスタ
では第4実施例とは逆の対応関係としてもよい。こうす
れば、各ドットが副走査方向に整列して形成される可能
性を低減することができ、擬似輪郭の発生を抑制するこ
とができる。
を対象とするハーフトーン処理を例示したが、ライトマ
ゼンタとマゼンタに適用することも可能であるし、異な
る色相間で適用することも可能である。また、第4実施
例では、画素と対象ドットとの対応関係が一定である場
合を例示した。即ち、いずれのラスタにおいてもライト
シアンのドットを奇数番目の画素に形成し、シアンのド
ットを偶数番目の画素に形成する場合を例示した。これ
に対し、ラスタごとに画素と対象ドットとの関係を変更
するものとしてもよい。例えば、奇数番目のラスタで
は、第4実施例と同じ対応関係とし、偶数番目のラスタ
では第4実施例とは逆の対応関係としてもよい。こうす
れば、各ドットが副走査方向に整列して形成される可能
性を低減することができ、擬似輪郭の発生を抑制するこ
とができる。
【0159】以上で説明した種々の実施例および変形例
では、各画素ごとにドットのオン・オフの2値的な表現
を行うプリンタを例示した。本発明は、かかるプリンタ
に限らず、インク重量の異なるドットを用いて各画素ご
とに多段階の濃度を表現する多値プリンタに適用するこ
とも可能である。
では、各画素ごとにドットのオン・オフの2値的な表現
を行うプリンタを例示した。本発明は、かかるプリンタ
に限らず、インク重量の異なるドットを用いて各画素ご
とに多段階の濃度を表現する多値プリンタに適用するこ
とも可能である。
【0160】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。例えば、上記実施例で説明した種々の
制御処理は、その一部または全部をハードウェアにより
実現してもよい。
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。例えば、上記実施例で説明した種々の
制御処理は、その一部または全部をハードウェアにより
実現してもよい。
【図1】実施例としての印刷装置の概略構成を示す説明
図である。
図である。
【図2】実施例の印刷装置の機能ブロックを示す説明図
である。
である。
【図3】プリンタPRTの概略構成を示す説明図であ
る。
る。
【図4】印字ヘッド61〜66におけるノズルNzの配
列を示す説明図である。
列を示す説明図である。
【図5】印字ヘッド28によるドットの形成原理を示す
説明図である。
説明図である。
【図6】ドット形成制御処理ルーチンのフローチャート
である。
である。
【図7】ハーフトーン処理のフローチャートである。
【図8】ディザマトリックスとドットの種類との対応関
係を示す説明図である。
係を示す説明図である。
【図9】ディザマトリックスDMAを示す説明図であ
る。
る。
【図10】ディザマトリックスDMBを示す説明図であ
る。
る。
【図11】階調値と記録率およびレベルデータとの関係
について示す説明図である。
について示す説明図である。
【図12】ディザ法によるドットのオン・オフの判定の
考え方を示す説明図である。
考え方を示す説明図である。
【図13】シアン、ライトシアンで形成されるドットの
様子を示す説明図である。
様子を示す説明図である。
【図14】従来のハーフトーン処理により形成されるド
ットの様子を示す説明図である。
ットの様子を示す説明図である。
【図15】実施例のハーフトーン処理により形成される
ドットの様子を示す説明図である。
ドットの様子を示す説明図である。
【図16】第1の変形例におけるドットの記録率の設定
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図17】第1の変形例で使用するディザマトリックス
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図18】第2の変形例におけるドットの種類とディザ
マトリックスとの対応関係を示す説明図である。
マトリックスとの対応関係を示す説明図である。
【図19】ディザマトリックスDMCの生成方法につい
て示す説明図である。
て示す説明図である。
【図20】第3の変形例における記録率の設定を示す説
明図である。
明図である。
【図21】第3の変形例におけるディザマトリックスの
対応について示す説明図である。
対応について示す説明図である。
【図22】比較例としてのディザマトリックスおよび該
マトリックスによって形成されるドットの様子を示す説
明図である。
マトリックスによって形成されるドットの様子を示す説
明図である。
【図23】3段階の濃度が同時に使用される記録率の設
定例を示す説明図である。
定例を示す説明図である。
【図24】第2実施例における印刷装置の機能ブロック
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図25】第3実施例におけるハーフトーン処理のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図26】着目している画素PPから周辺の画素への誤
差拡散の様子を示す説明図である。
差拡散の様子を示す説明図である。
【図27】第4実施例におけるハーフトーン処理のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図28】第4実施例によるドットの形成の様子を示す
説明図である。
説明図である。
【図29】ドットの形成位置のずれに起因するバンディ
ングの発生について示す説明図である。
ングの発生について示す説明図である。
【図30】オーバラップ方式によるドットの記録の様子
を示す説明図である。
を示す説明図である。
12…スキャナ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 61〜66…印字ヘッド 68…インク通路 71、72…カートリッジ 90…プリンタドライバ 91…解像度変換モジュール 92…色補正モジュール 93…ハーフトーンモジュール 94…ラスタライザ 95…対応マトリックス選択部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA06 EB58 EB59 EC79 ED05 ED07 EE02 FA10 2C057 AF25 AF39 AG14 AH13 AL32 AM28 AN01 CA05 CA07 5C077 LL19 MP01 MP08 NN09 PQ08 SS02 TT05 5C079 HB03 KA12 LA31 LC04 MA04 NA02 PA03
Claims (15)
- 【請求項1】 複数のヘッドを用いた主走査および副走
査を行って、該ヘッドごとに種類の異なるドットを印刷
媒体上に形成して画像を印刷する印刷装置であって、 画像データを入力する入力手段と、 前記画像データに基づいて、各画素ごとに各ドットのオ
ン・オフを判定する多値化手段と、 該多値化結果に応じて前記ヘッドを用いた主走査および
副走査を行ってドットを形成するドット形成手段とを備
え、 前記多値化手段は、少なくとも2種類のドットについ
て、中間調を含む所定の階調範囲においてドットが形成
される画素が異なる位置となる条件、および該少なくと
も2種類のドットが各ラスタ上で混在して形成される条
件の下で、前記判定を行う手段である印刷装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、前記
多値化手段は、 所定サイズのマトリックスを、少なくとも2種類記憶す
るマトリックス記憶手段と、 前記各マトリックスとドットの種類との対応関係を予め
記憶する対応記憶手段と、 前記各ドットについて、前記対応関係にあるマトリック
スに記憶された値と前記画像データとに基づいて、各画
素ごとにオン・オフを判定する判定手段とを備える手段
であり、 前記記憶手段に記憶された少なくとも2種類のマトリッ
クスは、中間調を含む所定の階調範囲においてドットが
形成される画素が互いに異なる位置となり、かつ異なる
種類のドットが各ラスタ上で混在して形成される関係に
あるマトリックスである印刷装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の印刷装置であって、 前記記憶手段に記憶された少なくとも2種類のマトリッ
クスは、前記所定の階調範囲において、さらに、各マト
リックス間でドットの形成確率が同等となる画素がそれ
ぞれ同一ラスタ上で近接した位置となる関係にあるマト
リックスである印刷装置。 - 【請求項4】 前記多値化手段は、前記マトリックスを
用いたディザ法によりドットのオン・オフを判定する手
段である請求項2記載の印刷装置。 - 【請求項5】 前記多値化手段は所定の閾値と画像デー
タの階調値とに基づいて誤差拡散法によりドットのオン
・オフを判定する手段であり、該判定の過程において、
前記マトリックスの値を前記画像データの階調値または
前記所定の閾値の少なくとも一方に反映させてドットの
オン・オフを判定する手段である請求項2記載の印刷装
置。 - 【請求項6】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記多値化手段は、 前記少なくとも2種類のドットについて、各画素ごとに
前記所定の階調範囲において形成されるドットの種類を
記憶するドット種記憶手段と、 前記所定の階調範囲において、各画素ごとに前記ドット
種記憶手段に記憶されたドットについてオン・オフを判
定する判定手段とを備える手段である印刷装置。 - 【請求項7】 前記少なくとも2種類のドットには、同
一色相で濃度の異なるドットが包含される請求項1記載
の印刷装置。 - 【請求項8】 請求項7記載の印刷装置であって、 前記少なくとも2種類のドットには、同一色相で濃度の
異なる3種類以上のドットが包含され、 前記多値化手段は、中間調を含む所定の階調範囲におい
て、同一色相で濃度が一段階異なるドット同士が各ラス
タ上で混在し、かつ異なる画素に形成される条件の下
で、前記判定を行う手段である印刷装置。 - 【請求項9】 請求項7記載の印刷装置であって、 前記多値化手段は、 前記濃度の異なる各ドットの記録率と階調値との関係を
予め記憶する記録率記憶手段と、 該関係に基づいて各ドットのオン・オフを判定する手段
とを備え、 前記各ドットの記録率は、少なくとも中間調において、
50%を超えない範囲で設定されている印刷装置。 - 【請求項10】 前記少なくとも2種類のドットには、
色相の異なるドットが包含される請求項1記載の印刷装
置。 - 【請求項11】 請求項10記載の印刷装置であって、 前記少なくとも2種類のドットは、混色により黒色を表
現可能な色相のドットである印刷装置。 - 【請求項12】 請求項1記載の印刷装置であって、 印刷条件を入力する印刷条件入力手段を備え、 前記多値化手段は、 印刷条件に応じていずれの種類のドットを前記少なくと
も2種類のドットとすべきかの対応関係を設定するドッ
ト種設定手段と、 印刷条件に応じて前記少なくとも2種類のドットのそれ
ぞれが形成される画素を設定する画素設定手段との少な
くとも一方を備えることにより印刷条件に応じて前記判
定を行う手段である印刷装置。 - 【請求項13】 複数のヘッドを用いた主走査および副
走査を行って、該ヘッドごとに種類の異なるドットを印
刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷方法であって、
(a) 画像データを入力する工程と、(b) 前記画
像データに基づいて、各画素ごとに各ドットのオン・オ
フを判定する工程と、(c) 該多値化結果に応じて前
記ヘッドを用いた主走査および副走査を行ってドットを
形成する工程とを備え、前記工程(b)は、少なくとも
2種類のドットについて、中間調を含む所定の階調範囲
においてドットが形成される画素が互いに異なる位置と
なり、かつ異なる種類のドットが各ラスタ上で混在して
形成されるよう前記判定を行う工程である印刷方法。 - 【請求項14】 複数のヘッドを用いた主走査および副
走査を行って、該ヘッドごとに種類の異なるドットを印
刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷装置を駆動する
プログラムをコンピュータ読みとり可能に記録した記録
媒体であって、 前記画像データに基づいて、各画素ごとに各ドットのオ
ン・オフを判定する機能であって、少なくとも2種類の
ドットについて、中間調を含む所定の階調範囲において
ドットが形成される画素が互いに異なる位置となり、か
つ異なる種類のドットが各ラスタ上で混在して形成され
るように該判定を行う機能を実現するプログラムを記録
した記録媒体。 - 【請求項15】 複数のヘッドを用いた主走査および副
走査を行って、該ヘッドごとに種類の異なるドットを印
刷媒体上に形成して画像を印刷する印刷装置を駆動する
プログラムをコンピュータ読みとり可能に記録した記録
媒体であって、 該プログラムに用いられるデータとして、中間調を含む
所定の階調範囲においてドットが形成される画素が互い
に異なる位置となり、かつ異なる種類のドットが各ラス
タ上で混在して形成される関係にある少なくとも2種類
のマトリックスを記録する記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33361299A JP2001150651A (ja) | 1999-11-25 | 1999-11-25 | 印刷装置、印刷方法および記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33361299A JP2001150651A (ja) | 1999-11-25 | 1999-11-25 | 印刷装置、印刷方法および記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001150651A true JP2001150651A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18268006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33361299A Pending JP2001150651A (ja) | 1999-11-25 | 1999-11-25 | 印刷装置、印刷方法および記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001150651A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-11-25 JP JP33361299A patent/JP2001150651A/ja active Pending
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