JP4244405B2 - 印刷装置および印刷方法並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出してドットを形成することにより画像を印刷する印刷装置および印刷方法に関し、詳しくはインクの吐出量に変動がある場合に該変動の影響を補償可能な印刷装置および印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンピュータの出力装置として、ヘッドに備えられた複数のノズルから吐出される数色のインクによりドットを形成して画像を記録するインクジェットプリンタが提案されており、コンピュータ等が処理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いられている。かかるプリンタでは、通常、各画素ごとにはドットのオン・オフの2階調しか採り得ない。従って、原画像データの有する階調をドットの分散性により表現するための画像処理、いわゆるハーフトーン処理を施した上で画像を印刷する。
【0003】
近年では、階調表現を豊かにするために、各ドットごとにオン・オフの2値以上の階調表現を可能としたインクジェットプリンタ、いわゆる多値プリンタが提案されている。例えば、インク量やインク濃度を変化させることにより各ドットごとに3種類以上の濃度を表現可能としたプリンタや各画素ごとに複数のドットを重ねて形成することにより多階調を表現可能としたプリンタである。かかるプリンタであっても各画素単位では原画像データの有する階調を十分表現し得ないため、ハーフトーン処理が必要となる。
【0004】
ハーフトーン処理には、種々の方法があり、例えば、ディザ法や誤差拡散法と呼ばれる方法がある。ディザ法は所定の閾値をマトリックス状に配置したディザマトリックスの各閾値と画像データの階調値とを各画素ごとに比較して、両者の大小関係に基づいてドットのオン・オフを判定する。誤差拡散法は、所定の閾値と各画素との大小関係に基づいてドットのオン・オフを判定するとともに、該判定に応じて各画素ごとに生じた濃度誤差を周辺の画素に所定の割合で配分して局所的な濃度誤差を極小にする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の多値化方法は、画像データの階調値と閾値との大小関係によってのみドットのオン・オフを判定するものであった。一般にインクジェットプリンタでは、各ノズルごとにインクの吐出量に変動が生じることが多い。例えば、インク量がIW(ナノグラム)のドットを形成する場合に、あるノズルではIW−α(ナノグラム)のインクしか吐出されず、別のノズルではIW+α(ナノグラム)のインクが吐出されることがある。インク吐出量の変動は、形成されるドットの面積の変動、そして該ドットにより表現される濃度の変動として現れる。従って、インク量が少なく吐出されるノズルによってドットが形成された領域では、画像の濃度は本来表現すべき濃度よりも低くなり、逆にインク量が多く吐出されるノズルによってドットが形成された領域では、画像の濃度は本来表現すべき濃度よりも高くなる。この結果、インクの吐出量にバラツキがある場合には、適切な階調表現がなされない可能性があり、画質を損ねる可能性があった。
【0006】
インクを吐出してドットを形成するプリンタでは、ドットを視認性を下げ、粒状感が滑らかで高画質な印刷を実現するために、各ドットのインク量を低減し、面積の小さいドットを形成する傾向にある。ところが、全てのノズルについて一定のインク量で吐出してこのように小さいドットを形成することは非常に困難であり、ノズル径などについての製造時の誤差によってインクの吐出量が変動しやすい。かかる変動が画質に与える影響は既に説明した通りである。このように小さなドットを形成する近年のプリンタは、高画質を指向しているため、上述した画質の低下は看過しえない。
【0007】
また、インクの吐出量のバラツキに起因する画質の低下は、いわゆる多値プリンタにおいて特に重要な課題ともなっていた。多値プリンタとは、径の異なるドットや濃度の異なるドットを用いて各画素ごとに3値以上の階調を表現可能なプリンタをいう。かかるプリンタは、階調表現を豊かにすることで高画質な印刷を実現しようとするものである。例えば、径およびインク濃度の組み合わせにより、各画素ごとに10段階の階調値が表現可能な多値プリンタにおいて、上述したインクの吐出量のバラツキが存在した場合を考える。インクの吐出量が±10%の幅で変動したとすれば、各画素ごとに本来表現すべき階調値よりも一段階低い階調値や一段階高い階調値に対応するドットが形成される可能性がある。かかる状態では、各画素ごとに用意されている10段階の階調を十分に活用することができず、本来の階調表現を十分に実現することができない。
【0008】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、インクを吐出してドットを形成する印刷装置および印刷方法において、各ノズルごとのインクの吐出量の変動に起因する画質の低下を抑制し、高画質な印刷を可能とする技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、次の構成を採用した。
本発明の印刷装置は、
画像を構成する画素毎の階調を表わす画像データに応じて、複数のノズルで各ラスタを形成して印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、
前記画像データを入力する入力手段と、
前記印刷媒体上の画素と該画素にドットを形成するノズルとの対応関係と、該ノズルにおけるインクの吐出量のノズルごとの増減とを記憶している記憶手段と、
着目した画素の階調を表わす画像データに、下記誤差拡散手段によって処理済みの画素について求めた誤差データを加えて拡散誤差補正データを生成する手段と、
該拡散誤差補正データを閾値と比較することにより、ドットを形成するか否かを表わす結果値を求める手段と、
前記対応関係に基づいて当該着目した画素に対応したノズルを特定する処理と共に、前記結果値が、前記着目した画素におけるドットの形成に対応した値である場合には、該ノズルについて前記記憶されたインク吐出量の増減に従って、前記結果値を求めた画素に記録されるとみなした濃度である濃度評価値を増減補正する処理と、前記結果値が、前記着目した画素におけるドットの形成に対応した値でない場合には、前記濃度評価値の前記増減補正を行なわない処理とからなる増減補正処理を実施する手段と、
該増減補正処理された濃度評価値と前記着目した画素の画像データとの差分である濃度誤差を求め、該濃度誤差から、前記着目した画素の周辺画素に拡散する誤差データを求める誤差拡散手段と、
前記ノズルを用いて、前記印刷媒体上に前記多値化の結果に応じたドットを形成する手段と
を備えることを要旨とする。
【0010】
本発明の印刷方法は、
画像を構成する画素毎の階調を表わす画像データに応じて、複数のノズルで各ラスタを形成して印刷媒体上に画像を印刷する印刷方法であって、
前記印刷媒体上の画素と該画素にドットを形成するノズルとの対応関係と、該ノズルにおけるインクの吐出量のノズルごとの増減とを記憶しておき、
前記画像データを入力し、
着目した画素の階調を表わす画像データに、下記誤差拡散処理によって処理済みの画素について求めた誤差データを加えて拡散誤差補正データを生成し、
該拡散誤差補正データを閾値と比較することにより、ドットを形成するか否かを表わす結果値を求め、
前記対応関係に基づいて当該着目した画素に対応したノズルを特定する処理と共に、前記結果値が、前記着目画素におけるドットの形成に対応した値である場合には、該ノズルについて前記記憶されたインク吐出量の増減に従って、前記結果値を求めた画素に記録されるとみなした濃度である濃度評価値を増減補正する処理と、前記結果値が、前記着目した画素におけるドットの形成に対応した値でない場合には、前記濃度評価値の前記増減補正を行なわない処理とからなる増減補正処理を実施し、
該増減補正処理された濃度評価値と前記着目した画素の画像データとの差分である濃度誤差を求め、該濃度誤差から、前記着目した画素の周辺画素に拡散する誤差データを求める誤差拡散処理を行ない、
前記ノズルを用いて、前記印刷媒体上に前記多値化の結果に応じたドットを形成すること
を要旨とする。
【0011】
かかる印刷装置および印刷方法では、各ノズルごとにインクの吐出量の変動を予め記憶し、該記憶に基づいてインク吐出量の変動を補償するように多値化を行って画像を印刷する。従来の多値化手段は、前述の通り、画像データの階調値と閾値の大小関係によってのみドットのオン・オフを判定していたが、本発明の印刷装置および印刷方法では、各ノズルのインクの吐出量の変動をも考慮してドットのオン・オフを判定することになる。
【0012】
この結果、本発明の印刷装置および印刷方法によれば、インクの吐出量に変動があっても、適切な階調表現をすることができ、高画質な印刷を実現することができる。インクの吐出量の変動は、種々の形式により予め記憶しておくことが可能である。例えば、各ノズルが本来吐出すべきインク量からの変動を記憶するものとしてもよいし、全ノズルから吐出されるインク量の平均値からの変動を記憶するものとしてもよい。前者の形式で記憶されたインクの吐出量の変動を補償する多値化を実行した場合には、画像は適切な濃度を表現可能になる点で好ましい。後者の形式で記憶されたインクの吐出量の変動を補償する多値化を実行した場合には、印刷された画像全体の濃度は本来表現されるべき濃度から若干シフトした濃度になる可能性があるものの、画像全体での濃淡のムラを解消することができるため画質を向上することができる。後者の場合には、多値化における補償量を抑制することができるため、インクの吐出量の変動を補償しやすいという利点がある。
【0013】
上記印刷装置において、インクの吐出量の変動を補償した多値化手段としては、種々の手段を採用することができる。
例えば、前記多値化手段は、
前記対応関係に基づいて、前記画像データの階調値を補正する階調値補正手段と、
該補正された階調値を用いて前記画像データの多値化を行う手段とを有するものとすることができる。
【0014】
こうすれば、インクの吐出量の変動に基づいて画像データを補正することにより、結果として適切な階調表現を実現可能な多値化を行うことができる。例えば、インクの吐出量が本来の値よりも少ないノズルで形成される画素については、画像データの階調値を高く補正する。こうすれば、そのノズルで記録する複数の画素についてはドットが形成される確率が高くなる。つまり、上記ノズルで記録する複数の画素中に形成されるドットの数は、補正前の画像データを用いた場合に比べて増加する。このようにインクの吐出量の少ないノズルで形成される画素については、ドットの数を増やすことで、インクの吐出量の不足分を補償することができる。インクの吐出量の多いノズルで形成される画素については、逆に画像データの階調値を低く補正し、ドットが形成される確率を低下させることにより、インクの吐出量の余剰分を補償することができる。なお、多値化を行う手段としては、誤差拡散法やディザ法など周知の種々の手段を適用することが可能である。
【0015】
なお、一般に多値化手段では各画素ごとに画像データの階調値と所定の閾値との大小関係によってドットのオン・オフを判定する。従って、上述の手段のように画像データを補正する方法に代えて、閾値を補正するものとしてもよい。
つまり、前記多値化手段は、
前記対応関係に基づいて、前記画像データの多値化に関与する所定の閾値を補正する閾値補正手段と、
該補正された閾値を用いて前記画像データの多値化を行う手段とを有するものとすることもできる。
【0016】
この場合には、画像データを補正する場合と補正の方法が異なる。インクの吐出量が少ないノズルにより形成される画素では、ドットを形成しやすくするため、閾値が低くなるように補正する。逆に吐出量が多いノズルで形成される画素では、ドットを形成しにくくするため、閾値が高くなるように補正する。もちろん、この場合にも多値化手段としては誤差拡散法やディザ法など種々の方法を適用することができる。
【0017】
また、本発明の印刷装置において、
前記多値化手段は、
前記対応関係に基づいて、多値化の結果に応じて各画素ごとに生じる濃度誤差を補正する誤差補正手段と、
該補正された濃度誤差を用いて、誤差拡散法により多値化を行う手段とを有するものとすることもできる。
【0018】
こうすれば、多値化手段として誤差拡散法を適用している場合に画像全体として濃度誤差のない高画質な印刷を実現することができる。誤差拡散法では、周知の通り、ドットのオン・オフの判定結果に基づいて各画素ごとに実際に表現される濃度と、画像データの階調値に基づいて表現されるべき濃度との誤差を算出し、その誤差を未処理の画素に拡散することによって局所的な濃度誤差を小さくしている。通常は、実際に表現される濃度の評価値を予め定めた一定値とした上で誤差を算出している。これに対し、本発明の印刷装置では、例えばインクの吐出量が少ないノズルで形成された画素については小さい濃度評価値を用いて誤差の算出を行い、インクの吐出量が多いノズルで形成された画素については大きい濃度評価値を用いて誤差の算出を行う。もちろん、一定の濃度評価値に基づいて一旦誤差を算出した後、インクの吐出量に応じて該誤差を補正するものとしてもよい。このようにして誤差を算出することにより、インクの吐出量に応じた適切な誤差量を求めることができるため、画像全体として本来表現すべき濃度を適切に表現することが可能となる。
【0019】
一方、本発明において画素と該画素にドットを形成するノズルとの対応関係を特定する特定手段としても種々の態様を採ることができる。例えば、上記対応関係を予めテーブルとして記憶するものとしてもよい。印刷画像のサイズや解像度、及びいわゆるオーバラップ印刷において各ラスタの形成に要する主走査の回数(以下、パス数という)等の印刷条件を選択した場合、それらの組み合わせに応じて、どのノズルがどの画素を印刷するかが決定される。従って、上記印刷条件の組み合わせに応じて画素とノズルとの対応関係をテーブルとして予め記憶しておくことにより、上記特定手段を実現することができる。かかる特定手段を採用した場合には、誤差拡散法およびディザ法などいかなる多値化手段をも柔軟に適用することができる利点がある。
【0020】
その他、前記特定手段として次のような態様を採るものとしても良い。
つまり、前記特定手段は、前記画素に対応した画像データを各ノズルに供給する順序に配列することにより前記対応関係を特定する手段であり、
前記多値化手段は、
前記配列と同じ順序で配列された閾値マトリックスを用いてディザ法により多値化を行う手段であるものとしてもよい。
【0021】
ノズルを用いて画像を印刷するためには、ドットのオン・オフを指示するデータを各ノズルに供給する必要がある。このデータは、通常、各画素ごとにドットのオン・オフを判定する多値化を実行した後に供給される。これに対し、上記発明の印刷装置では、多値化を行う前に、画像データを各ノズルに供給する順序に配列する。また、ディザ法で用いられる閾値マトリックスに記憶された閾値データも同様の順序に配列する。この配列は、先に示した印刷条件の組み合わせに応じて変化する。このようにデータを配列すれば、各ノズルと画像データとの対応関係を特定することができる。画像データをかかる配列とした上で、同じ順序で配列された閾値マトリックスを用いてディザ法によりインクの吐出量の変動を補償した多値化を行えば、画像の階調値を適切に表現した高画質な印刷を実現することができる。かかる印刷装置では、多値化手段としてディザ法のみを適用可能である。上記方法により画像データとノズルとの対応関係を特定するものとすれば、該対応関係を予め記憶するテーブルを用意する必要がないため、メモリが節約できるとともに、処理を高速化できるという利点もある。
【0022】
また、本発明は、次に示すプログラムを記録した記録媒体としての態様を採ることもできる。
本発明の記録媒体は、
インクを吐出してドットを形成可能な複数のノズルにより印刷媒体上に画像を印刷するプリンタに供給するデータを生成するためのプログラムをコンピュータに読みとり可能に記録した記録媒体であって、
画像データを入力する機能と、
印刷媒体上の画素と該画素にドットを形成するノズルとの対応関係を特定する機能と、
該特定された対応関係に基づいて、各ノズルごとに用意されたインクの吐出量の変動に関するデータを反映して、該変動を補償するように前記画像データの多値化を行う機能と、
該多値化によって生成されたデータを出力する機能とを実現するプログラムを記録した記録媒体である。
【0023】
上記の各記録媒体に記録されたプログラムが、前記コンピュータに実行されることにより生成されたデータをプリンタに供給すれば、先に説明した本発明の印刷装置を実現することができる。
【0024】
インクの吐出量は個々の印刷装置ごとに相違する。従って、上記記録媒体に記録されたプログラムは、例えば印刷装置内の不揮発メモリに記憶されたインクの吐出量の変動に関するデータを読み込んで、該変動を補償する多値化を実現するものとすることが好ましい。
【0025】
また、インクを吐出してドットを形成可能な複数のノズルにより印刷媒体上に画像を印刷するプリンタに供給するデータを生成する際に提供されるデータをコンピュータに読みとり可能に記録した記録媒体であって、
前記各ノズルごとにインクの吐出量の変動に関するデータを記録した記録媒体とすることもできる。
【0026】
印刷装置の使用が開始された後にノズル部分を交換した場合などには、インクの吐出量の変動が製造時とは異なる値になる場合がある。かかる場合に、交換部品としてのノズルとともに提供される上記記録媒体を使用すれば、インクの吐出量の変動量に関するデータを随時適切に更新することができ、高画質な印刷を維持することができる。
【0027】
なお、記憶媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、コンピュータに上記の画像処理装置の多値化機能を実現させるコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様も含む。
【0028】
なお、本発明は各画素ごとにドットのオンおよびオフの2値しか採り得ない2値印刷装置に限らず、各画素ごとに3値以上の濃度を表現可能な多値印刷装置にも適用可能である。3値以上の濃度を表現可能な印刷装置としては、径の異なるドットを形成可能な印刷装置や、濃度の異なるインクを備える印刷装置や、各画素ごとにドットを重ねて形成することを許容した印刷装置などがある。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
(1)装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷装置の構成を示すブロック図である。図示するように、コンピュータ90にスキャナ12とカラープリンタ22とが接続されている。所定のプログラムがロードされ実行されるコンピュータ90とプリンタ22とを併せて印刷装置が構成される。スキャナ12は印刷装置に画像データを提供するひとつのデバイスとして接続されているものであり、印刷装置に必須の要素ではない。このコンピュータ90は、プログラムに従って画像処理に関わる動作を制御するための各種演算処理を実行するCPU81を中心に、バス80により相互に接続された次の各部を備える。ROM82は、CPU81で各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデータを予め格納しており、RAM83は、同じくCPU81で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログラムやデータが一時的に読み書きされるメモリである。入力インターフェイス84は、スキャナ12やキーボード14からの信号の入力を司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御し、ディスクコントローラ(DDC)87は、ハードディスク16やフレキシブルドライブ15あるいは図示しないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスク16には、RAM83にロードされて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。
【0030】
このほか、バス80には、シリアル入出力インタフェース(SIO)88が接続されている。このSIO88は、モデム18に接続されており、モデム18を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。コンピュータ90は、このSIO88およびモデム18を介して、外部のネットワークに接続されており、特定のサーバーSVに接続することにより、画像処理に必要なプログラムをハードディスク16にダウンロードすることも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピュータ90に実行させることも可能である。
【0031】
図2は本印刷装置のソフトウェアの構成を示すブロック図である。コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介して、プリンタ22に転送するための画像データFNLが出力されることになる。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、スキャナ12から画像を読み込み、これに対して所定の処理を行いつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ21に画像を表示している。スキャナ12から供給されるデータORGは、カラー原稿から読みとられ、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3色の色成分からなる原カラー画像データORGである。
【0032】
このアプリケーションプログラム95が、印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が処理可能な信号(ここではシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各色についての多値化された信号)に変換している。図2に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色補正モジュール98と、色補正テーブルLUTと、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100および印刷条件入力モジュール101とが備えられている。
【0033】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データの解像度、即ち単位長さ当たりの画素数をプリンタドライバ96が扱うことができる解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データはまだRGBの3色からなる画像情報であるから、色補正モジュール98は色補正テーブルLUTを参照しつつ、各画素ごとにプリンタ22が使用するシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のデータに変換する。カラー印刷を実行しないという印刷条件が指定されている場合には、色補正処理は行われない。
【0034】
色補正されたデータは例えば256階調等の幅で階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、ドットを分散して形成することによりプリンタ22でかかる階調値を表現するためのハーフトーン処理を実行する。ハーフトーンモジュール99は、各画素がいずれのノズルで形成されるかを記憶した画素/ノズル対応テーブルNZTに基づいて、印刷装置22の各ノズルのインクの吐出量の変動を記憶するインク吐出量テーブルIWTを参照しつつ、該吐出量の変動を補償しながらハーフトーン処理を実行する。こうして処理された画像データは、ラスタライザ100によりプリンタ22に転送すべきデータ順に並べ替えられて、最終的な画像データFNLとして出力される。本実施例では、プリンタ22は画像データFNLに従ってドットを形成する役割を果たすのみであり画像処理は行っていないが、もちろんこれらの処理をプリンタ22で行うものとしても差し支えない。
【0035】
次に、図3によりプリンタ22の概略構成を説明する。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
【0036】
キャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0037】
なお、このキャリッジ31には、黒インク(Bk)用のカートリッジ71と、シアン(C)、マゼンタ(M),イエロ(Y)の3色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の印字ヘッド28には各色に対応した計4個のインク吐出用ヘッドが形成されている。図示を省略したが、カートリッジ71,72からそれぞれの色に対応したインク吐出用ヘッドに、インクの供給をするための供給路が設けてある。
【0038】
インク吐出用ヘッドには、副走査方向の間隔が一定となるように配列された48個のノズルNzが各色ごとに設けられている。各ノズルのインク供給路には電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、ピエゾ素子PEがインク供給路を押圧し、インクが吐出される。
【0039】
次にプリンタ22の制御回路40の内部構成を説明する。図4は制御回路40の内部構成を示す説明図である。図4に示す通り、この制御回路40の内部には、CPU81,PROM42,RAM43の他、コンピュータ90とのデータのやりとりを行うPCインタフェース44と、紙送りモータ23、キャリッジモータ24および操作パネル32などとの信号をやりとりする周辺入出力部(PIO)45と、計時を行うタイマ46と、ヘッド28にドットのオン・オフの信号を出力する駆動用バッファ47などが設けられている。これらの素子および回路はバス48で相互に接続されている。また、制御回路40には、所定周波数でピエゾ素子を駆動するための電圧信号としての駆動波形を出力する発信器51、および発信器51からの出力をヘッド28の各ノズルに所定のタイミングで分配する分配器55も設けられている。この駆動波形は、ドットのオン・オフに関わらず各ノズルに配設されたピエゾ素子のシンク側に出力されるように回路が構成されている。制御回路40は、コンピュータ90で処理されたドットデータを受け取り、これを一時的にRAM43に蓄え、所定のタイミングで駆動用バッファ47に出力する。ドットデータは各ピエゾ素子のソース側に出力されるように回路が構成されている。つまり、本実施例のプリンタ22は、駆動用バッファ47から出力される電圧を各ノズルごとに制御することによって、前記駆動波形の有効/無効を各ノズルごとに制御し、所定のドットを形成している。
【0040】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23により用紙Pを搬送しつつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ(以下、主走査という)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61〜64のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
【0041】
なお、本実施例では、上述の通りピエゾ素子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタ22を用いているが、他の方法によりインクを吐出するプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリンタに適用するものとしてもよい。また、本実施例では、1種類のドットのみを形成可能なノズルを適用したプリンタ22を採用したが、濃度の異なるインクを備えたプリンタや、径の異なるドットを形成可能なプリンタや、ドットを重ねて形成することを許容したプリンタなど各画素ごとに多階調を表現可能な多値プリンタを採用するものとしてもよい。
【0042】
(2)ドット形成制御:
次に本実施例におけるドット形成の制御処理について説明する。ドット形成制御処理ルーチンの流れを図5に示す。これは、コンピュータ90のCPU81が実行する処理である。
【0043】
この処理が開始されると、CPU81は、画像データおよび印刷条件を入力する(ステップS100)。この画像データは、図2に示したアプリケションプログラム95から受け渡されるデータであり、画像を構成する各画素ごとにR,G,Bそれぞれの色について、値0〜255の256段階の階調値を有するデータである。この画像データの解像度は、原画像のデータORGの解像度等に応じて変化する。印刷条件としては、例えばオーバラップ方式による印刷を実行するか否かおよび印刷解像度の指定などがある。
【0044】
CPU81は、入力された画像データの解像度をプリンタ22が印刷するための解像度に変換する(ステップS105)。画像データが印刷解像度よりも低い場合には、線形補間により隣接する原画像データの間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。逆に画像データが印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合でデータを間引くことにより解像度変換を行う。なお、解像度変換処理は本実施例において本質的なものではなく、かかる処理を行わずに印刷を実行するものとしても構わない。
【0045】
次に、CPU81は、色補正処理を行う(ステップS110)。色補正処理とはR,G,Bの階調値からなる画像データをプリンタ22で使用するC,M,Y,Kの各色の階調値のデータに変換する処理である。この処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせからなる色をプリンタ22で表現するためのC,M,Y,Kの組み合わせを記憶した色補正テーブルLUT(図2参照)を用いて行われる。色補正テーブルLUTを用いて色補正する処理自体については、公知の種々の技術が適用可能であり、例えば補間演算による処理が適用できる。
【0046】
こうして色補正された画像データに対して、CPU81は多値化処理を行う(ステップS200)。多値化とは、原画像データの階調値(本実施例では256階調)をプリンタ22が各画素ごとに表現可能な階調値に変換することをいう。本実施例では「ドットの形成」「ドットの非形成」の2階調への多値化を行う。本実施例における多値化処理の内容を図6を用いて説明する。
【0047】
本実施例では、いわゆるディザ法による多値化を行っている。この処理では、CPU81はまず画像データおよび印刷条件を入力する(ステップS202)。ここで入力される画像データCDとは、色補正処理(図5のステップS110)を施され、C,M,Y,Kの各色につき256階調を有するデータである。印刷条件は、図5のステップS100で入力された条件と同じである。
【0048】
この画像データに基づいて、CPU81は補正画像データCD’を生成する(ステップS204)。補正画像データCD’とは、ノズルのインクの吐出量の変動を各画素ごとに考慮して階調値を補正した画像データをいう。補正画像データCD’の生成について図7〜図13を用いて説明する。
【0049】
補正画像データCD’の生成方法は、印刷条件によっても相違する。ここでは、図7に示す方法でドットの記録が行われる場合を例にとって説明する。図7の左側に示した四角囲みの「○」は、印字ヘッド28を示している。印字ヘッド28内の「○」はノズルを示しており、番号はそれぞれノズル番号を意味している。図7では、図示の都合上、6個のノズルを備えたヘッドを示した。また、各ノズルの副走査方向の間隔は2ドット相当とした。図7の左側には、各主走査におけるヘッドの副走査方向の位置を示している。1回目、2回目・・・と示したのが、それぞれ主走査の回数を意味している。図7の右側に示した「○」が形成されたドットを示している。「○」中の数字は、各ドットを形成するノズルのノズル番号に対応する。破線の「○」はノズルがマスクされ、ドットが形成されない画素を示している。
【0050】
図7では、各ラスタを2回のパス数で形成するオーバラップ方式による印刷が行われた場合のドットの様子を示している。図示する通り、1回目の主走査では、5番ノズルおよび6番ノズルを用いて奇数番目に位置する画素にドットを形成する。続いて、3ドットに相当する送り量で副走査を行った後、2回目の主走査では4番ノズルから6番ノズルを用いて奇数番目に位置する画素にドットを形成する。かかる送り量でドットを形成することにより、図7中に実線の「○」で示す領域に画像を印刷することができる。1回目の主走査において、1番ノズルから4番ノズルまでをマスクしたのは、これらのノズルによってドットが形成される領域は以後の主走査で画像を完成することができないからである。
【0051】
印刷する画像のサイズおよび印刷解像度を指定することによって画像を構成する主走査方向および副走査方向のドット数が特定される。その上で、印刷モードとしてオーバラップ印刷を行う場合のパス数を設定すれば、各画素がいずれのノズルによって形成されるかが決定される。各ラスタを2回のパスで形成した場合の画素とノズルの対応は図7に示す通りである。図7に示した対応関係を表形式で示したのが図8である。図示の都合上、図8には主走査方向に6つの画素、副走査方向に10の画素をとって各画素を構成するノズル番号を表形式で示した。全ての画素についてかかる対応関係を特定することが可能である。本実施例のプリンタ22では、印刷条件に応じて特定される対応関係を図8に示した画素/ノズル対応テーブルNZTとしてROM82に記憶している。なお、以下の説明では便宜上、各画素を「(副走査方向の番号、主走査方向の番号)」の形で座標形式で表すものとする。
【0052】
一方、インクの吐出量は各ノズルごとに変動がある。本実施例のプリンタ22はこの吐出量の変動をインク吐出量テーブルIWTとして記憶している。かかるテーブルの例を図9に示す。図9には、図7に示したヘッドに対応する6つのノズルについてインクの吐出量の変動を示した。図示する通り、1番ノズルは本来吐出すべきインク量よりも10%少ないインク量を吐出する特性がある。同様に各ノズルの吐出量の変動は、2番ノズルが0%、3番ノズルが−5%、4番ノズルが5%、5番ノズルが15%、6番ノズルが0%となっている。インク吐出量テーブルIWTは、プリンタ22の制御回路40内に備えられるPROM42に記憶されている。本実施例では、プリンタドライバ96がPROM42に記憶されているインク吐出量テーブルIWTを読み出し、コンピュータ90内のRAM83に記憶して種々の処理に用いている。
【0053】
図8の画素/ノズル対応テーブルNZTと、図9のインク吐出量テーブルIWTを用いることにより、各画素ごとのインクの吐出量の変動を示すテーブルを設定することができる。かかるテーブルの例を図10に示す。例えば、図8のテーブルにより画素(1,1)は5番ノズルで形成されることが分かる。図9のテーブルによれば、5番ノズルは吐出量の変動が15%ある。従って、画素(1,1)はインクの吐出量の変動が15%となる。全画素についてかかる処理を実行すれば、図10に示すように変動と画素との対応関係を特定することができる。
【0054】
かかる対応関係を用いて画像データCDを補正する方法を説明する。例えば、画像データCDが図11に示す階調値を有するものとする。図11には、ある一色について、図8に対応する領域における階調値を示した。
【0055】
一方、図10に示したインクの吐出量の変動に基づいて、各画素ごとの補正係数を設定することができる。補正係数を図12に示した。例えば、図10によれば画素(1,1)ではインクの変動量が15%あるため、この画素にドットが形成されると本来表現される濃度よりも15%高い濃度が表現される。従って、画像データの階調値を15%低い値、つまり85%にしておけば、結果として本来の濃度が表現されることになる。この結果、画素(1,1)の補正係数は85%となる。その他の画素についても同様に補正係数を設定することができる。本実施例では、「補正係数=100(%)−インクの変動量(図10)」を計算することによって補正係数を算出した。
【0056】
但し、補正係数とインクの変動量は必ずしもこの関係式に束縛されるものではない。例えば、インクの吐出の変動量が15%多くても、本来表現すべき濃度に対し、実際に表現される濃度が5%程度しか濃くならないような場合には補正係数は95%とすればよい。当然、吐出量の変動と濃度の偏差が非線形の関係にある場合にも、それぞれの吐出量に応じた補正データを設定することが可能である。
【0057】
上述した画像データの補正によってインクの吐出量の変動が補償できる原理を均一濃度領域を形成する場合を例にとって説明する。例えば、階調値128の均一濃度領域を印刷する場合を考える。適正なインク量でドットが形成された場合の濃度の評価値を255とする。適正なインク量でドットが形成された場合には記録率50%でドットを形成することにより、階調値128の領域を表現することができる。これに対し、15%多いインク量でドットが形成された場合を考える。このときは各ドットあたりの濃度の評価値は256×1.15となる。一方上記補正を施せば画像データの階調値は15%減少する。画像の階調値とドットの記録率は比例するから、かかる補正によってドットの記録率は15%減少する。従って、各ドットの濃度評価値が256×1.15であってもドットの記録率が15%減少することによって、結果的に階調値128を表現することができるようになる。
【0058】
次に、こうして設定した補正係数を用いて画像データの補正を行う。具体的には、各画素ごとに画像データ(図11)と補正係数(図12)との積を算出するのである。例えば、画素(1,1)については、画像データの階調値が180であり、補正係数が85%であるため、両者の積をとって補正後の階調値は153と算出される。こうして補正された画像データCD’の一覧を図13に示した。本実施例のディザ法による多値化処理ルーチンでは、この補正された画像データCD’を用いてドットのオン・オフを判定するのである。
【0059】
図6に戻り多値化処理ルーチンの内容について説明する。ステップS204で補正画像データCD’を生成した。次に、CPU81は補正画像データCD’と閾値THとの大小関係を比較する(ステップS206)。ディザ法では、この大小関係に基づいてドットのオン・オフを判定する。閾値THは、ディザマトリックスにより各画素ごとに異なる値が設定される。
【0060】
図14にディザ法によるドットのオン・オフ判定の考え方を示す。図示の都合上、一部の画素についてのみ示す。図14に示す通り、補正画像データCD’の各画素とディザテーブルの対応箇所の大小を比較する。補正画像データCD’の方がディザテーブルに示された閾値THよりも大きい場合にはドットをオンにし、補正画像データCD’の方が小さい場合にはドットをオフとする。図14中でハッチングを付した画素がドットをオンにする画素を意味している。
【0061】
ディザマトリックスとしては、周知の種々のマトリックスが適用可能である。本実施例では、ドット分散型のディザマトリックスとして、64×64ドットの領域内に0〜255までの閾値が偏りなく出現する、いわゆるブルーノイズマスク型のマトリックスを採用した。かかるマトリックスの例を図15に示す。
【0062】
ステップS206において、補正画像データCD’が閾値THよりも大きい場合には、その画素にはドットを形成すべきと判断して結果値REに値1を代入する(ステップS210)。逆に補正画像データCD’が閾値TH以下である場合には、ドットを形成すべきではないと判断して結果値REに値0を代入する(ステップS208)。結果値REはノズルに出力される信号値に相当し、結果値REが値1の場合にはノズルはマスクされないため、ドットが形成される。逆に結果値REが値0の場合にはノズルがマスクされ、ドットが形成されなくなる。
【0063】
以上の処理により、一つの画素についていずれのドットを形成すべきかの判定がなされた。CPU81は、全画素について処理が終了するまで(ステップS212)、上記ステップS204〜S210までの処理を繰り返す。全画素について処理が終了すると、ディザ法による多値化処理ルーチンを一旦終了してドット形成制御処理ルーチン(図5)に戻る。
【0064】
次に、CPU81はラスタライズを行う(ステップS300)。これは、1ラスタ分のデータをプリンタ22のヘッドに転送する順序に並べ替えることをいう。ステップS100で入力した印刷条件により指定された内容に基づいて実行すべきラスタライズの内容が選択される。本実施例では、先に図7で説明した通り、2回のパス数で各ラスタを形成するオーバラップ方式による記録を実行するものとしている。従って、ステップS300では、かかる記録方式に応じた順序で転送するように画像データを配列する。例えば5番ノズルに出力するデータとしては、図7から明らかな通り、画素(1,1)、(1,3)、(1,5)・・の順に奇数番目の画素のみを配列する。
【0065】
印刷モードが変更されれば、ラスタライズの方法も変わる。例えば、オーバラップを行わないモード、つまりヘッドの1回の往運動で各ラスタのドットを全て形成するモードもある。この場合には1ラスタ分のデータを処理された順序でヘッドに出力することになる。こうしてプリンタ22が印刷可能なデータが生成されると、CPU81は該データを出力し、プリンタ22に転送する(ステップS310)。プリンタ22は、このデータを受け取って各画素にそれぞれのドットを形成して画像を印刷する。
【0066】
以上で説明した印刷装置によれば、各ノズルのインクの吐出量に変動がある場合でも、変動に応じて補正した画像データCD’を用いて多値化を行うことにより、吐出量の変動を補償することができる。この結果、適切な階調表現を実現し、高画質な印刷を行うことができる。
【0067】
上記実施例では、インク吐出量テーブル(図9)は、本来吐出されるべきインク量からの変動量を各ノズルごとに記憶するものとした。これに対し、インク吐出量テーブルを、全ノズルのインクの吐出量の平均値に対する変動量を各ノズルごとに記憶するものとしてもよい。かかるテーブルを用いて図6の多値化を行えば、上記実施例と同様、インクの吐出量の変動に起因する階調ムラを生じることなく画像を印刷することができる。この場合にはインク吐出量の平均値に応じて、画像全体の濃度が若干シフトする可能性があるが、上記実施例に比較して補正量を抑制することができるため、階調ムラを上記実施例より適切に解消することができる利点がある。
【0068】
上記実施例では、画像データをインクの吐出量の変動に応じて補正した。これに対し、画像データの補正に代えて、ディザマトリックスから得られる閾値THを補正するものとしてもよい。図6のステップS206から明らかな通り、ドットのオン・オフの判定は画像データと閾値THとの大小関係によって判断されるから、閾値THを補正しても上記実施例と同じ効果が得られる。但し、この場合には補正係数が上記実施例と異なる点に留意する必要がある。上記実施例では、例えばインクの吐出量が15%多いノズルで形成される画素については、ドットが形成されにくくするために画像データの階調値を15%低減させた。同じ場合に閾値THを補正することによりドットを形成されにくくするためには、閾値を15%高くする必要がある。
【0069】
なお、上記実施例では、画素/ノズル対応テーブルNZT(図8)を画像全体について画素とノズルとの対応を記憶するものとして説明した。これに対し、図8から明らかな通り、主走査方向には同じ対応関係が繰り返し現れる。また、副走査方向についても同じ対応関係が繰り返し現れる。従って、画素/ノズル対応テーブルNZT(図8)は、かかる繰り返しの最小単位のみについて画素とノズルとの対応関係を記憶するテーブルとすることもできる。こうすれば、テーブルのサイズを小さくすることができる。
【0070】
また、上記実施例では、説明の便宜上、補正画像データCD’を得るまでに画素ごとのインク吐出量の変動を示すテーブル(図10)や補正係数を設定したテーブル(図12)を用いて画像データCDを補正するものとして説明した。当然、これらのテーブルを介在させることなく、画像データCDから補正画像データCD’を得られるようにしてもよい。
【0071】
(3)第2実施例:
次に本発明の第2実施例としての印刷装置について説明する。第2実施例としての印刷装置のハードウェア構成は第1実施例と同じである。また、ドット形成制御処理ルーチン(図5)全体の流れも第1実施例と同様である。第2実施例では、第1実施例に対し、多値化処理の内容が相違している。
【0072】
第2実施例による多値化処理の内容を図16のフローチャートに示す。第2実施例では、誤差拡散法による多値化処理を採用している。この処理が開始されると、CPU81は画像データCDおよび印刷条件の入力を実行する(ステップS220)。次に、CPU81は拡散誤差補正データCDXを生成する(ステップS222)。
【0073】
拡散誤差補正データCDXとは、処理しようとして着目している画素PPの画像データCDに対し、既に処理済みの画素から拡散されてきた誤差を加えて生成されたデータをいう。誤差拡散法は、周知の通り、多値化を行った画素について発生した濃度誤差を周辺の未処理の画素に配分することで、画像全体として濃度誤差が極小になるように多値化をする手法である。かかる流れに沿った多値化を行うために、ステップS222では、既に処理が済んだ画素からの誤差を反映させた補正データを生成するのである。
【0074】
こうして生成された補正データCDXと所定の閾値THとの大小関係を比較する(ステップS224)。第1実施例で説明したディザ法による多値化とは異なり、所定の閾値は全画素で統一された値を使用している。本実施例では適正なインク量でドットが形成された場合の濃度評価値とドットが形成されない場合の濃度評価値との中間の値を閾値として適用した。もちろん、閾値は他の値に設定することも可能である。
【0075】
補正された画像データCDXが閾値THよりも大きい場合には、ドットを形成すべきと判断して、結果値REに値1を代入する(ステップS228)。逆に、画像データCDXが閾値TH以下である場合には、ドットを形成すべきでないと判断して、結果値REに値0を代入する(ステップS226)。結果値REの意味は第1実施例の場合と同じである。
【0076】
次に、CPU81は濃度評価値の補正を行う(ステップS230)。濃度評価値とは、ドットの形成によって各画素ごとに実現される濃度の評価値をいう。本実施例では、適正なインク量でドットが形成された場合には濃度評価値を値255とし、ドットが形成されない場合には濃度評価値を値0としている。ところが、第1実施例でも説明した通り、ノズルによってインクの吐出量に変動がある場合に上記濃度評価値を用いるのは適切ではない。例えば、インクの吐出量が10%少ないノズルによって形成されたドットは、その画素では値255よりも低い濃度評価値しか表現できないことになる。かかる場合には濃度評価値を値255よりも10%低い値に補正する必要がある。ステップS230では、このような補正を実行するのである。
【0077】
濃度評価値の補正の具体的方法は次の通りである。第2実施例においても、第1実施例の図8で説明したのと同様の画素/ノズル対応テーブルNZTを記憶している。また、各ノズルの吐出量の変動値を示すインク吐出量テーブルIWT(図9に相当する)も記憶している。これらのテーブルを参照すれば、現在の着目画素PPがいずれのノズルによって形成される画素であるかを判定することができ、インク吐出量の変動を求めることができる。従って、適正な吐出量でドットが形成された場合の濃度評価値に対し、インクの吐出量に相当する分だけ濃度評価値を増減する。つまり、「補正前の濃度評価値×(100+吐出量の変動)/100」を計算して補正後の濃度評価値を求める。もちろん、補正方法はかかる演算のみに限定されるものではなく、第1実施例における補正画像データCD’の生成と同様、インク吐出量の変動と表現される濃度との関係に応じて種々の補正式を用いることができる。なお、画素/ノズル対応テーブルについては、第2実施例の印刷装置においても繰り返しの最小単位で記憶することが可能である。
【0078】
こうして補正された濃度評価値に基づいて、CPU81は濃度誤差を計算するとともに、その誤差を周辺の画素に拡散する(ステップS232)。濃度誤差とは、着目している画素PPで本来表現されるべき濃度と、実際に表現される濃度との誤差をいう。例えば、画素PPの階調値が255であり、ドットが形成された場合の濃度評価値が255である場合には、両者の誤差は値0となる。これに対し、ドットが形成されない場合には濃度評価値は値0となるから、両者の誤差は値255となる。もちろん、ここでいう濃度評価値はステップS230において補正された後の濃度評価値である。
【0079】
こうして算出された濃度誤差を周辺の画素に拡散する際の配分例を図17に示した。この例では、着目画素PPに対して主走査方向に隣接する画素P1には、誤差の1/4が配分される。また、誤差は副走査方向にも所定の割合で配分される。但し、既に処理が終了した画素、即ち図17中で画素PPよりも左側に位地する画素には誤差は配分されない。なお、図17に示した配分は、一例に過ぎず、その他の配分を適用することも可能である。こうして配分された誤差は、ステップS222で説明した通り、画像データに加えられる。
【0080】
CPU81は、全画素について以上の処理を実行して(ステップS234)、誤差格差による多値化処理ルーチンを一旦終了する。第1実施例において説明した通り、こうして多値化されたデータはラスタライズされ、プリンタ22に出力される。
【0081】
以上で説明した第2実施例の印刷装置によれば、濃度評価値をインクの吐出量に応じて補正することにより、各画素ごとの誤差を適切に算出できる。この結果、画像全体で濃度誤差のない適切な多値化を実現することができ、高画質な印刷を行うことができる。一般に誤差拡散法による多値化は、ディザ法による多値化よりも画質に優れる特性があるため、第2実施例の印刷装置によれば、第1実施例の印刷装置よりも更に高画質な印刷を実現することが可能となる。
【0082】
第2実施例では、濃度評価値をインクの吐出量に応じて補正するものとしている。これに対し、濃度評価値は補正せず、第1実施例と同様の方法により画像データをインクの吐出量の変動に応じて補正するものとしてもよい。また、画像データの補正に代えて、閾値THを補正するものとしても構わないのは当然である。
【0083】
(4)第3実施例:
次に本発明の第3実施例としての印刷装置について説明する。第3実施例の印刷装置のハードウェア構成は、第1実施例の印刷装置と同じである。但し、第3実施例の印刷装置はソフトウェア構成が第1実施例の印刷装置と相違する。
【0084】
第3実施例の印刷装置のソフトウェア構成を図18に示す。プリンタドライバ96Aの内容が第1実施例とは相違する。第3実施例のプリンタドライバ96Aでは、解像度変換モジュール97および色補正モジュール98を介して得られたデータは、ラスタライザ100Aによってラスタライズされる。第1実施例ではハーフトーンされた後のデータをラスタライズするものとしていたが、第3実施例ではハーフトーン処理を施す前にラスタライズを実行するのである。この際、ラスタライザ100Aは、ハーフトーンに使用されるディザマトリックスDMのデータも画像データと同じ配列でラスタライズする。
【0085】
こうしてラスタライズされた画像データおよびディザマトリックスの閾値は、ハーフトーンモジュール99Aに渡され、ハーフトーン処理がなされる。このハーフトーン処理は第1実施例と同様、インク吐出量の変動を記憶したインク吐出量テーブルIWTを参照しつつ、その変動を補償するように実行される。以上の各モジュールで処理されたデータFNLがプリンタ22に供給される。
【0086】
ソフトウェア構成の相違から明らかな通り、第3実施例ではドット形成制御処理ルーチンの全体の流れが第1実施例と相違する。第3実施例におけるドット形成制御処理ルーチンの内容を図19に示す。図19のフロ−チャートに示す通り、CPU81は、まず画像データ及び印刷条件を入力し(ステップS100)、解像度変換をし(ステップS105)、色補正処理を施す(ステップS110)。ここまでの処理内容は第1実施例の場合と同じである。
【0087】
次に、CPU81はラスタライズを行う(ステップS350)。ラスタライズの方法自体は、第1実施例(図5のステップS300)と同様である。オーバラップのパス数に応じて各ノズルに出力する順番に画像データを配列するのである。第3実施例においてラスタライズされたデータの様子を図20および図21に示した。ここでは、2回のパス数によるオーバラップで画像を記録した場合のラスタライズの様子を示している。
【0088】
図20は、1回目の主走査において各ノズルに出力されるデータを示したものである。図7から明らかな通り、1回目の主走査では、1番ノズルから4番ノズルまではドットを形成しない。従って、図20に示す通り、これらのノズルはマスクされる。図20中の「n/a」はノズルにマスク用のデータが出力されることを意味している。5番ノズルには、画素(1,1)、(1,3)、(1,5)の画像データがこの順で出力される。2回のパス数のオーバラップ方式により画像を印刷するため、ラスタ上の奇数番目の画素が出力されるのである。図20において、各ノズルに対応するデータの欄には3種類の内容を一組にして示した。上段に記載されているのが、ラスタライズされたデータと画素との対応を示している。中段に記載されているのが、ラスタライズされた画像データを示している。原画像データが図11に示した階調値を有しているものとすれば、5番ノズルには、図20に示す通り、階調値180,143,56のデータをこの順に配列する。同様にして6番ノズルの画像データも配列される。
【0089】
CPU81は、画像データのラスタライズと同時にディザマトリックスの閾値のラスタライズも実行する。この点で、第3実施例のラスタライズは、第1実施例におけるラスタライズと相違する。本実施例でも第1実施例と同様、図15に示したブルーノイズマスク型のディザマトリックスを使用している。例えば、5番ノズルに対応する閾値データとして、CPU81は図15のブルーノイズマスク型のディザマトリックスから画素(1,1)、(1,3)、(1,5)に対応する値である1,58,70をこの順に配列する。図20中の各ノズルに対応するデータの下段にはこの閾値データを示した。同様にして6番ノズルの閾値データも配列される。なお、以上の説明は、図示の都合上、図7に示した限られた領域に対応するデータに対するものである。画像のサイズ及び解像度に応じてラスタライズされたデータの量も増減する。
【0090】
図21には、同様の形式で2回目の主走査に対応するデータを示した。図7から明らかな通り、2回目の主走査では、1番ノズルから3番ノズルまではドットを形成しない。従って、これらのノズルはマスクデータが出力される。4番ノズルは、画素(2,1)、(2,3)、(2,5)のドットを形成する。従って、図11との対応から分かる通り、4番ノズルに対応した画像データとしては、階調値95,233,253がこの順序で配列される。また、図15との対応から分かる通り、4番ノズルに対応した閾値データとしては、値255,212,242がこの順序で配列される。5番ノズル、6番ノズルについても同様にして画像データおよび閾値データが配列される。
【0091】
こうしてラスタライズされた画像データ及び閾値データに基づいて、CPU81は多値化を行う(ステップS400)。本実施例ではディザ法による多値化を実行している。ディザ法による多値化の処理の流れ自体は第1実施例における処理と同じである(図6参照)。但し、本実施例では、補正画像データCD’の生成方法(図6のステップS204)が第1実施例の場合と相違する。
【0092】
本実施例では、既に説明した通り、多値化処理を実行する時点で画像データおよび閾値データは、各ノズルに対応した順序に配列されている。このように配列されたデータを用いて多値化処理を実行することにより、画像データ及び閾値データの各画素と該画素を形成するノズルとの対応関係は既に特定されている。一方、本実施例においても各ノズルのインクの吐出量の変動を記憶した吐出量テーブルIWT(図9に相当)がROM82に記憶されている。従って、本実施例の多値化処理では、各ノズルに対応した順序でラスタライズされたデータを図9の吐出量テーブルの変動量に応じて補正することにより補正画像データCD’を得ることができる。つまり、本実施例における補正画像データCD’の生成では、画素とノズルとの対応関係を画素/ノズル対応テーブルNZTのようなテーブルを用いて特定する必要がない。なお、画像データを補正するための演算は第1実施例における演算と同様である。
【0093】
CPU81は、こうして補正された画像データCD’と閾値データTHとの大小関係によって、全画素についてドットのオン・オフを判定する(図6のステップS206〜S212に相当)。これらの処理内容は第1実施例と同様である。なお、第1実施例と同じく、ステップS204において、画像データCDの補正に代えて、閾値データTHを補正するものとしても構わない。
【0094】
以上で説明した第3実施例の印刷装置によれば、各ノズルごとにインクの吐出量に変動がある場合であっても、その変動を補償して適切な階調表現を行うことができ、高画質な印刷を実現することができる。また、第3実施例では、第1実施例と異なり、画素/ノズル対応テーブルNZTを用意する必要がないため、メモリの容量を節約できる利点もある。当然、補正画像データCD’の生成において上記テーブルNZTを参照する必要もないため、処理速度が速いという利点もある。
【0095】
以上で説明した印刷装置では、各ノズルのインクの吐出量の変動量に関するテーブルIWTはプリンタ22のPROM42に記憶するものとしている。プリンタドライバ96は、吐出量テーブルIWTをPROM42から読み出し、RAM92に記憶して上記処理を実行するのである。インクの吐出量は個々のプリンタ22で相違するが、かかる方法によれば、プリンタドライバ96を個別に用意する必要はない。もとよりプリンタドライバ96内にインク吐出量テーブルIWTを含め、各プリンタ22ごとに固有のプリンタドライバ96を用意するものとしても構わないが、上述の通り、インク吐出量テーブルIWTをプリンタ22内に記憶するものとすれば、プリンタドライバ96のバージョンアップなどに対応しやすいという利点もある。
【0096】
また、各ノズルのインク吐出量の変動は、工場出荷後に生じる可能性もある。例えば、ノズルが目詰まりした場合やヘッドごと交換した場合などである。かかる場合のためにユーザが事後的にインク吐出量テーブルIWTを書き換えられるようにしてもよい。例えば、所定のテストパターンを印刷し、最も適切な濃度が表現されているとユーザが判断するパターンを選択することでインク吐出量テーブルIWTを変更するものとしてもよい。また、交換可能なヘッドを提供する場合にフロッピーディスクなどの記録媒体によって、該ヘッドに対応したインク吐出量テーブルIWTを提供するものとしてもよい。ヘッドには多数のノズルが備えられているのが通常であるため、かかる記録媒体によってインク吐出量IWTを提供するものとすれば、ユーザにテストパターン等によるインクの吐出量を判定する負担を強いることなく、容易に適切なインク吐出量を設定できる利点がある。
【0097】
以上の実施例では、1種類のドットのみを形成可能な印刷装置を例にとって説明したが、径の異なる複数種類のドットや濃度の異なるインクを用いたドットなどを形成することによって各画素ごとに3値以上の表現が可能なプリンタに適用することも可能である。また、上述の実施例ではピエゾ素子を備えるインクジェットプリンタを例に説明したが、いわゆるノズルに備えたヒータに通電することによりインク内に生じるバブルでインクを吐出するタイプのプリンタを始め種々のプリンタその他の印刷装置に適用可能である。
【0098】
以上で説明した印刷装置は、ドット形成制御処理としてコンピュータによる処理を含んでいることから、かかる処理を実現するためのプログラムを記録した記録媒体としての実施の態様を採ることもできる。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、コンピュータに上記で説明した画像処理等を行うコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様も可能である。
【0099】
以上、本発明の種々の実施例について説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実施が可能である。例えば、上記実施例で説明した種々の制御処理は、その一部または全部をハードウェアにより実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本発明のプリンタの概略構成図である。
【図4】プリンタの制御装置の内部構成を示す説明図である。
【図5】第1実施例のドット形成制御ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図6】ディザ法による多値化処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図7】本実施例におけるドットの記録の様子を示す説明図である。
【図8】各画素とノズルとの対応関係を示す説明図である。
【図9】各ノズルのインクの吐出量の変動を示す説明図である。
【図10】各画素とインクの吐出量の変動との対応を示す説明図である。
【図11】画像データCDの例を示す説明図である。
【図12】各画素と補正係数との対応関係を示す説明図である。
【図13】補正された画像データCD’の例を示す説明図である。
【図14】ディザ法によるドットのオン・オフ判定の考え方を示す説明図である。
【図15】ブルーノイズアスク型のディザマトリックスの例を示す説明図である。
【図16】第2実施例における誤差拡散法による多値化処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図17】拡散誤差の配分例を示す説明図である。
【図18】第3実施例の印刷装置のソフトウェア構成を示す説明図である。
【図19】第3実施例のドット形成制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図20】ラスタライズされたデータ例を示す説明図である。
【図21】ラスタライズされた第2のデータ例を示す説明図である。
【符号の説明】
12…スキャナ
14…キーボード
15…フレキシブルドライブ
16…ハードディスク
18…モデム
21…カラーディスプレイ
22…カラープリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印字ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
41…CPU
42…プログラマブルROM(PROM)
43…RAM
44…PCインタフェース
45…周辺入出力部(PIO)
46…タイマ
47…転送用バッファ
48…バス
51…発信器
55…分配出力器
71…黒インク用のカートリッジ
72…カラーインク用カートリッジ
80…バス
81…CPU
82…ROM
83…RAM
84…入力インターフェイス
85…出力インタフェース
86…CRTC
87…ディスクコントローラ(DDC)
88…シリアル入出力インタフェース(SIO)
90…パーソナルコンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換モジュール
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100…ラスタライザ
Claims (3)
- 画像を構成する画素毎の階調を表わす画像データに応じて、複数のノズルで各ラスタを形成して印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、
前記画像データを入力する入力手段と、
前記印刷媒体上の画素と該画素にドットを形成するノズルとの対応関係と、該ノズルにおけるインクの吐出量のノズルごとの増減とを記憶している記憶手段と、
着目した画素の階調を表わす画像データに、下記誤差拡散手段によって処理済みの画素について求めた誤差データを加えて拡散誤差補正データを生成する手段と、
該拡散誤差補正データを閾値と比較することにより、ドットを形成するか否かを表わす結果値を求める手段と、
前記対応関係に基づいて当該着目した画素に対応したノズルを特定する処理と共に、前記結果値が、前記着目した画素におけるドットの形成に対応した値である場合には、該ノズルについて前記記憶されたインク吐出量の増減に従って、前記結果値を求めた画素に記録されるとみなした濃度である濃度評価値を増減補正する処理と、前記結果値が、前記着目した画素におけるドットの形成に対応した値でない場合には、前記濃度評価値の前記増減補正を行なわない処理とからなる増減補正処理を実施する手段と、
該増減補正処理された濃度評価値と前記着目した画素の画像データとの差分である濃度誤差を求め、該濃度誤差から、前記着目した画素の周辺画素に拡散する誤差データを求める誤差拡散手段と、
前記ノズルを用いて、前記印刷媒体上に前記多値化の結果に応じたドットを形成する手段と
を備えた印刷装置。 - 画像を構成する画素毎の階調を表わす画像データに応じて、複数のノズルで各ラスタを形成して印刷媒体上に画像を印刷する印刷方法であって、
前記印刷媒体上の画素と該画素にドットを形成するノズルとの対応関係と、該ノズルにおけるインクの吐出量のノズルごとの増減とを記憶しておき、
前記画像データを入力し、
着目した画素の階調を表わす画像データに、下記誤差拡散処理によって処理済みの画素について求めた誤差データを加えて拡散誤差補正データを生成し、
該拡散誤差補正データを閾値と比較することにより、ドットを形成するか否かを表わす結果値を求め、
前記対応関係に基づいて当該着目した画素に対応したノズルを特定する処理と共に、前記結果値が、前記着目画素におけるドットの形成に対応した値である場合には、該ノズルについて前記記憶されたインク吐出量の増減に従って、前記結果値を求めた画素に記録されるとみなした濃度である濃度評価値を増減補正する処理と、前記結果値が、前記着目した画素におけるドットの形成に対応した値でない場合には、前記濃度評価値の前記増減補正を行なわない処理とからなる増減補正処理を実施し、
該増減補正処理された濃度評価値と前記着目した画素の画像データとの差分である濃度誤差を求め、該濃度誤差から、前記着目した画素の周辺画素に拡散する誤差データを求める誤差拡散処理を行ない、
前記ノズルを用いて、前記印刷媒体上に前記多値化の結果に応じたドットを形成する
印刷方法。 - 複数のノズルで各ラスタを形成して印刷媒体上に画像を印刷するプリンタに、多値化済みのデータを供給する処理を、コンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記印刷媒体上の画素と該画素にドットを形成するノズルとの対応関係と、該ノズルにおけるインクの吐出量のノズルごとの増減とを、メモリに記憶する処理と、
前記画像データを入力するための処理と、
着目した画素の階調を表わす画像データに、下記誤差拡散処理によって処理済みの画素について求めた誤差データを加えて拡散誤差補正データを生成する処理と、
該拡散誤差補正データを閾値と比較することにより、ドットを形成するか否かを表わす結果値を求める処理と、
前記対応関係に基づいて当該着目した画素に対応したノズルを特定する処理と共に、前記結果値が、前記着目画素におけるドットの形成に対応した値である場合には、該ノズルについて前記記憶されたインク吐出量の増減に従って、前記結果値を求めた画素に記録されるとみなした濃度である濃度評価値を増減補正する処理と、前記結果値が、前記着目した画素におけるドットの形成に対応した値でない場合には、該増減補正の処理を行なわない処理とからなる増減補正処理を実施する処理と、
該増減補正処理が実施された濃度評価値と前記着目した画素の画像データとの差分である濃度誤差を求め、該濃度誤差から、前記着目した画素の周辺画素に拡散する誤差データを求める誤差拡散処理と、
前記多値化の結果を前記プリンタに供給する処理と
を前記コンピュータに実現させるためのプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録した記録媒体。
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