JP4206588B2 - 印刷装置および印刷方法ならびに印刷装置の調整方法、更にそのためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

印刷装置および印刷方法ならびに印刷装置の調整方法、更にそのためのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録媒体上に、大きさの異なる2種類以上のドットを形成することにより、多階調の画像を印刷する技術に関し、詳しくは、記録媒体上に形成されるドットの密度を調整する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラープリンタは、通常、記録媒体上に、シアン色・マゼンタ色・イエロ色の各色のドットを形成することによって、幅広い自然色の画像を印刷している。すなわち、単位面積あたりに形成されるドットの個数を制御することによって、各色ドットを適切な密度で分布させて、記録媒体上に幅広い自然色で表現された画像を印刷している。
【0003】
ドットを形成する方法には種々の方法があるが、例えばインクジェット方式と呼ばれる代表的な方法では、小さなノズルからインク滴を吐出して、記録媒体上にインクドットを形成している。インクのドットが目立たない、いわゆる粒状感の良い画像を印刷するためには、小さなドットを形成することが望ましく、そのためには小さなインク滴を吐出する必要があるので、インク滴を吐出するノズルの内径はたいへん小さな値となっている。
【0004】
ノズルの製造上のばらつきがあると、吐出されるインク滴の大きさはノズル間でばらつく。前述のようにノズル内径が小さいために製造ばらつきの影響は大きく、インク滴が小さくなるほどインク滴の大きさに対するばらつき量は相対的に大きく現れる。ところが、インクジェット方式では、個々のノズルからは予め定まった色のインクが吐出されるので、インク滴の大きさがノズル間でばらつくと、記録媒体上に形成されるドットの大きさも各色間でばらつくことになる。各色用のノズル間でドットの大きさが異なると、単位面積当たりに形成されるドットの数が正確でも、各色のドット密度が変わってしまうため、記録媒体上に正確な色を表現することができなくなる。このように、製造ばらつきに起因して各色用ノズル間のドットの大きさが異なり、記録媒体上に表現される色が不正確となる問題を回避するために、カラープリンタは、通常、形成するドットの個数を各色用のノズル毎に補正している。すなわち、大きめのドットを形成する色のノズルについてはドット個数を少なめに、小さめの色についてはドットを多めに形成することによって、各色毎のドット密度が所定の値となるように補正を行う。
【0005】
一方、最近では、記録媒体上に形成されるドットの大きさを積極的に制御することによって、1ドット当たり多階調の表現を可能とする、いわゆるバリアブルドットプリンタが開発されている。例えば、インクジェット方式によりドットを形成する場合は、インクノズルから吐出されるインク滴の大きさを制御することによって、形成されるドットの大きさを変更している。バリアブルドットプリンタは、表現しようとする画素の階調値に応じて各種大きさのドットを使い分けることによって、印刷画像の階調表現を更に豊かなものとし、高画質の印刷を可能としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バリアブルドットプリンタにおいては、製造上のばらつきに起因する各色ドット間のばらつきを補正するために、ドットの形成個数を各色用ノズル毎に補正しても、記録媒体上に正確な色を表現することができないという問題があった。すなわち、例えばインクジェット方式においては、インクノズルの製造ばらつきによって各色間に生じるドットの大きさの違いを補正するために、各色用のノズル間でドットの形成個数を補正するだけでは、正確な色を印刷することができないという問題があった。
【0007】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、バリアブルドットプリンタにおいて、各色用のノズル間のドットばらつきを調整し、正確な色の表現を可能とする技術の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、本発明の印刷装置は、
大きさの異なる複数種類のドットを用いて記録媒体上に多階調の画像を印刷する印刷装置であって、
画像を構成する画素が取り得る階調値と、記録媒体上にドットを形成すべき密度であるドット記録率との関係が、前記複数種類の各ドットの記録率が最大となる階調値が該各ドットの大きさの順となる対応関係であり、かつ大小関係が隣接する2種類のドットについては、小さい側のドットの記録率が減少するしたがって、当該ドットより大きなドットの記録率が増大する対応関係で対応付けることにより、形成可能なドットの大きさ毎のドット記録率を決定する記録率決定手段と、
前記ドットの大きさ毎に前記対応関係の修正量を受け取る修正量受取手段と、
該受け取った修正量を用いて、前記対応関係を修正する対応関係修正手段と、
該修正された対応関係に従って、前記画素の階調値からドット記録率を求め、該求めたドット記録率に基づいて、前記各ドットの大きさ毎にドットの形成有無を判断し、該判断結果に基づいて各ドットを形成する手段と
を備えることを要旨とする。
【0009】
また、上記印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、次の構成を採用した。すなわち、本発明の印刷方法は、
大きさの異なる複数種類のドットを用いて記録媒体上に多階調の画像を印刷する方法であって、
画像を構成する画素が取り得る階調値と、記録媒体上にドットを形成すべき密度であるドット記録率との関係が、前記複数種類の各ドットの記録率が最大となる階調値が該各ドットの大きさの順となる対応関係であり、かつ大小関係が隣接する2種類のドットについては、小さい側のドットの記録率が減少するしたがって、当該ドットより大きなドットの記録率が増大する対応関係で対応付けることにより、形成可能なドットの大きさ毎にドット記録率を求めるテーブルを用意し、
前記ドットの大きさ毎に前記対応関係の修正量を受け取り、
該受け取った修正量を用いて、前記テーブルの前記対応関係を修正し、
該修正された対応関係を用いて求めたドット記録率に基づいて、前記各ドットの大きさ毎にドットの形成有無を判断し、該判断結果に基づいて各ドットを形成することを要旨とする。
【0010】
更に、本発明の調整方法は次の構成を採用した。すなわち、本発明の調整方法は、
画像を構成する画素が取り得る階調値と、記録媒体上にドットを形成すべき密度であるドット記録率との関係が、前記複数種類の各ドットの記録率が最大となる階調値が該各ドットの大きさの順となる対応関係であり、かつ大小関係が隣接する2種類のドットについては、小さい側のドットの記録率が減少するしたがって、当該ドットより大きなドットの記録率が増大する対応関係で対応付けることにより、形成可能なドットの大きさ毎のドット記録率を求めるテーブルを用意し、該テーブルを用いて求められたドット記録率に基づいて、前記各ドットの大きさ毎にドットの形成有無を判断し、該判断結果に基づいて各ドットを形成することによって、前記記録媒体上に多階調の画像を印刷する印刷装置を調整する方法であって、
前記ドットの大きさ毎に前記対応関係の修正量を受け取り、
該受け取った修正量を用いて、前記対応関係を修正することを要旨とする。
【0011】
かかる印刷装置、印刷方法および調整方法においては、記録媒体上に形成可能なドットの大きさ毎に修正量を受け取って、階調値とドット記録率との対応関係を修正する。画像を印刷する際には、修正済みの対応関係を使用して、各大きさのドットについてドット形成有無を判断する。このように、各大きさのドット毎に受け取った修正量を用いて対応関係を修正し、該修正した対応関係に基づいて各大きさのドットを形成している。従って、各色用のノズル間で生じるドットの大きさの違いを補正して正確な色を表現することが可能となる。
【0012】
大きさの異なるドットを形成するバリアブルドットプリンタにおいて、製造ばらつき等に起因する各色間のドットばらつきを補正するためには、各色用ノズル間で補正を行うだけでは足らず、形成されるドットの大きさ毎に補正しなければならないことを見出すことによって、発明者は上述の発明を完成させている。そこで、インクジェット方式でドットを形成する場合を例にとり、ノズルの製造ばらつきに起因する各色間のドットばらつきを補正するためには、ドットの大きさ毎に補正を行う必要がある理由を以下に説明する。
【0013】
図23(a)は、インクジェット方式において、インク滴を吐出して記録媒体上にドットを形成する機構の概念的な説明図である。図示するように、インク吐出機構の基本的な構成は、吐出するインクを貯めておくインク室Aと、インクを吐出するノズルBと、インク室AとノズルBとをつなぐインク通路Cと、インク室にインクを供給するインク供給通路Dと、インク室内の圧力を高めるためのアクチュエータEとから構成されている。アクチュエータEはインク室の圧力を高める手段であれば他の手段を使用することもでき、例えばヒータが用いられる場合もある。また、図23(a)では、インク通路Cおよびインク供給通路Dの通路抵抗をそれぞれオリフィスCo,Doで模式的に表現している。
【0014】
図23(a)に示すようなインク吐出機構において、アクチュエータEを駆動してインク室Aの圧力を高め、オリフィスCoの前後に差圧を発生させると、オリフィスCoをインクが通過してノズルBからインクが吐出される。吐出されるインク量は、オリフィスCoで代表される通路抵抗とオリフィス前後の差圧とによって決定される。ノズルの最小断面径や内面の面精度、ノズル角部の面取り、バリ・かえりの有無といった製作誤差は、この通路抵抗に影響を与えている。
【0015】
インク滴の大きさを変えるには、オリフィスCo前後の圧力差を変えればよい。圧力差を変える方法には種々の方法が考えられる。例えば、アクチュエータの駆動量を大きくしてインク室の圧縮量を大きくすれば、オリフィス前後の圧力差は増加する。また、アクチュエータの駆動速度によってもオリフィスCo前後の圧力差を変更することは可能である。例えば、インク吐出前にアクチュエータEを逆方向にゆっくりと駆動してインク室Aに負圧を発生させ、インク供給通路Dから徐々にインクを吸い込み、その後にアクチュエータを正方向に駆動してインク滴を吐出させる。ここで、インクを吸い込むアクチュエータEの動作を素早く行い、インクを十分に吸い込まないうちに、アクチュエータEを正方向に駆動すれば、負圧状態にあるインク室Aを圧縮することになるので、圧縮後のインク室内圧は小さな値となり、オリフィスCo前後に得られる圧力差は小さくなる。
【0016】
このように、アクチュエータEの駆動量や駆動速度等を変更することによって、オリフィスCo前後の圧力差を変更することができ、それに伴い吐出されるインク滴の大きさを変更することができる。オリフィスCo前後で所定の圧力差が発生していれば、インク滴の大きさはオリフィスCoに代表される通路抵抗の値によって決まる。すなわち、通路抵抗が小さめのノズルからは常に大きめのインク滴が、通路抵抗が大きめのノズルからは常に小さめのインク滴が吐出される。従って、製造ばらつきの影響を補正するにしても、ノズル間の通路抵抗の違いを補正しておけば足り、インク滴の大きさ毎に補正が必要となるわけではない。
【0017】
ところが実際には種々の理由により、アクチュエータEの駆動量に応じた圧力差が得られない場合がある。例えば、アクチュエータEの駆動量が小さい領域では所定の圧力差が得られないが、駆動量の大きい領域では所定の圧力差が得られるノズルや、またこの逆の特性を持つノズルが存在する。従って、ノズル間で特性の補正を行うだけでは足らず、アクチュエータEの駆動量に応じて、すなわち形成するドットの大きさに応じて補正する必要が生じる。
【0018】
このようなことが起きる一例として、例えばインクの取り替え作業中に誤ってインク中に極微量のエアが混入した場合を想定することができる。このような場合、アクチュエータEを駆動しても、初めは混入したエアが圧縮されるので、インクの圧力はなかなか上昇しないが、ある程度圧縮が進んでインクが有効に圧縮されるようになると、アクチュエータEの駆動量に応じてインクの圧力も上昇する特性を示す。その結果、アクチュエータ駆動量とオリフィス前後の圧力差との関係は、図23(b)に示すような特性を示す。つまり、エアの混入がない場合、アクチュエータ駆動量にほぼ比例して圧力差も上昇するところを、極微量のエアが混入したために、アクチュエータ駆動量に応じた圧力差が得られない場合が生じ得る。
【0019】
エアの混入以外にも、種々の理由を想定することができる。例えば、アクチュエータ自体の製造ばらつきによって、アクチュエータに対する駆動の指示と実際の駆動量との間に線形関係が成り立たなくなったり、インク室が変形するにつれてインク室が変形し難くなるといったことも生じうる。
【0020】
以上のように、大きさの異なるドットを形成するバリアブルドットプリンタにおいては、ノズル間でドットの大きさがばらつくことに加えて、ノズル毎にもドットの大きさ間で、ばらつき方が異なる場合がある。例えば小さなドットは大きめに形成されるにもかかわらず、大きなドットは小さめに形成される場合がある。従って、各色用ノズル間のドットばらつきを補正するには、ドット毎に補正しなければならないのである。
【0021】
前述したように、本発明においては、形成可能なドットの大きさ毎に修正量を受け取り、該修正量に基づいて、ドットが形成される密度を補正しているので、各色用のノズル間に生じるドットの大きさの違いを適切に補正して、正確な色を表現することが可能である。
【0022】
本発明の印刷装置においては、形成可能なドットの大きさ毎に修正量を受け取り、該修正量に基づいて、階調値とドット記録率との対応関係をドットの大きさ毎に修正することも好ましい。該対応関係をドットの大きさ毎に修正すれば、各大きさのドットが形成される密度を適切に補正して、正確な色を表現することができる。
【0023】
本発明においては、次のようにして階調値に対応する階調値補正量を求め、該階調値補正量によって補正した階調値から、各大きさのドットのドット記録率を求めるようにしてもよい。すなわち、先ず、各階調値でのドット記録率を、各ドットの大きさ毎に所定の対応関係に基づいて算出しておく。各ドットの大きさ毎に受け取った修正量と、算出した各大きさ毎のドット記録率とから、各階調値に対する階調値補正量を算出して記憶する。画像を印刷する際には、画素の階調値を前記階調値補正量を用いて補正し、補正済みの階調値から各大きさのドットについてのドット記録率を所定の対応関係に従って求める。こうして求めたドット記録率に基づいて各大きさのドットを形成すれば、ドットの大きさ毎のばらつき方が各色用のノズル間で異なっていても、ばらつきを適切に補正して正確な色を表現することができる。
【0024】
本発明の印刷装置は、大きさの異なるドットを一のドット形成手段により形成する印刷装置であってもよい。かかる印刷装置においても、形成されるドットの大きさ毎に修正量を受け取り、階調値とドット記録率との対応関係を該修正量によって補正しているので、各色用のノズル間で生じるドットの大きさの違いを補正して正確な色を表現することが可能となる。
【0025】
また、本発明の印刷装置が、画像の色を表現する方法である表色法を、原画像で用いられている第1の表色法から印刷に用いられる第2の表色法に変換してから印刷している印刷装置であって、更に、かかる表色法の変換を、第1の表色法における階調値と第2の表色法における階調値とを対応付けて記憶した表色法対応関係を参照することによって行う場合には、次のようにすることも好適である。すなわち、階調値に対する各大きさのドットの記録率と、各ドットの大きさ毎に受け取った修正量とから、それぞれの階調値での階調補正量を予め算出しておく。表色法対応関係に記憶されている第2の表色法における階調値を、算出しておいた階調値補正量により補正する。こうして補正した表色法対応関係を参照して表色法の変換を行えば、各色用のノズル間で生じるドットの大きさの違いを補正して正確な色を表現することが可能となる。
【0026】
更に、記録媒体上に形成可能なドットの大きさ毎に、修正量を受け取る機能と、該修正量を用いて、階調値とドット記録率との対応関係を修正する機能とを、記録媒体にコンピュータで読み取り可能に記録しておいてもよい。かかる記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータで読み取って、上述してきた印刷装置に記憶されている対応関係を修正すれば、各色用のノズル間で生じるドットの大きさの違いを補正して正確な色を表現することが可能となる。
【0027】
【発明の他の態様】
この発明は、各ドットの大きさ毎に受け取った修正量を用いて、画素の階調値とドット記録率との対応関係を補正することによって、記録媒体上にドットが形成される密度を補正している。しかし、ドットの大きさ毎に受け取った修正量を用いてドット形成の判断方法を補正することによって、ドットが形成される密度を補正することも可能である。従って、本発明は以下のような態様も含まれる。すなわち、本発明の他の態様は、
画像を構成する画素の階調値と、記録媒体上にドットを形成すべき密度であるドット記録率とを、所定の対応関係に基づいて対応付けることにより、形成可能な各ドットについてのドット記録率を決定する記録率決定手段を備え、
該決定されたドット記録率と所定の閾値との大小関係に基づいて、前記各ドットの大きさ毎にドットの形成有無を判断し、該判断結果に基づいて各ドットを形成することによって、前記記録媒体上に多階調の画像を印刷する印刷装置であって、
前記対応関係の修正量を前記ドットの大きさ毎に受け取る修正量受取手段と、
該受け取った修正量に基づいて、前記所定の閾値を変更する閾値変更手段と
を備えた印刷装置としての態様である。
【0028】
かかる印刷装置においては、各ドットの大きさ毎に修正量を受け取り、該受け取った修正量に基づいて、ドットの形成有無の判断に使用する所定の閾値を変更するので、各色用のノズル間で生じるドットの大きさの違いを補正して正確な色を表現することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
A.装置の構成
本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図1は、本発明における実施例としての印刷装置の構成を示す説明図である。図示するように、この印刷装置は、コンピュータ80にカラースキャナ21とカラープリンタ20とが接続されており、コンピュータ80に所定のプログラムがロードされ実行されることによって、全体として印刷装置として機能する。印刷しようとするカラー原稿は、カラースキャナ21でコンピュータ80が認識可能なカラー画像データORGに変換され、コンピュータ80に入力される。コンピュータ80は、所定の画像処理を行って、カラー画像データORGをプリンタで印刷可能な画像データに変換し、カラープリンタ20に出力する。コンピュータ80が扱う画像データには、カラースキャナ21で取り込んだ画像の他に、コンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム91により作成した画像や、カラースキャナ21から取り込んだ画像に加工を加えた画像等も用いられる。これら画像データの変換結果は、プリンタで印刷可能な画像データFNLとして、カラープリンタ20に出力され、この画像データFNLに従って、カラープリンタ20は印刷用紙上に各色のインクドットを形成する。この結果、コンピュータ80から出力されたカラー画像データに対応したカラー画像が、印刷用紙上に得られることになる。
【0030】
コンピュータ80は、各種の演算処理を実行するCPU81・ROM82・RAM83・入力インターフェース84・出力インターフェース85・CRTコントローラ(CRTC)86・ディスクコントローラ(DDC)87・シリアル入出力インターフェース(SIO)88等から構成されており、これらはバス89で接続されて相互にデータのやり取りが可能となっている。CRTC86はカラー表示可能なCRT23への信号出力を制御し、DDC87はフレキシブルディスクドライブ25やハードディスク26あるいは図示しないCD−ROMドライブ等とのデータのやり取りを制御する。ROM82やハードディスク26には、RAM83にロードされCPU81で実行される各種のプログラムや、デバイスドライバの形式で提供される各種のプログラムが記憶されている。また、SIO88をモデム24を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプログラムをハードディスク26にダウンロードすることが可能となる。
【0031】
コンピュータ80に電源を投入すると、ROM82およびハードディスク26に記憶されていたオペレーティングシステムが起動し、オペレーティングシステムの管理の下で、各種アプリケーションプログラム91が動くようになっている。
【0032】
カラープリンタ20は、カラー画像の印刷が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上にシアン・ライトシアン(薄いシアン)・マゼンタ・ライトマゼンタ(薄いマゼンタ)・イエロ・ブラックの合計6色のドットを形成することによって、カラー画像を印刷するインクジェットプリンタを使用している。本実施例で使用したインクジェットプリンタのインク吐出方式は、後述するようにピエゾ素子PEを用いる方式を採用しているが、他の方式によりインクを吐出するヘッドを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によってインクを吐出する方式のプリンタに適用するものとしてもよい。
【0033】
また、本実施例のカラープリンタ20はバリアブルドットプリンタ、すなわち大きさの異なる大・中・小の3種類のドットを、各色毎に形成することが可能なプリンタである。バリアブルドットプリンタを使用して、形成するドットの大きさを変えれば、ドット毎に多値の階調を表現することが可能となるので、豊かな階調表現の画像を印刷することができる。尚、本実施例のカラープリンタ20は、インクの吐出方法を工夫することによって、単一のインク吐出ノズルを用いて3種類の大きさのドットを形成している。かかるインクの吐出方法については後述する。
【0034】
図2は、本印刷装置のソフトウェアの構成を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80においては、すべてのアプリケーションプログラム91はオペレーティングシステムの下で動作する。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタドライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプログラム91から出力される画像データは、これらのドライバを介して、カラープリンタ20に出力される。画像の加工を行うレタッチ等のアプリケーションプログラム91は、カラースキャナ21から取り込んだ画像を、ビデオドライバ90を介してCRT23に表示させ、画像を確認しながら所定の加工を行うことができる。
【0035】
アプリケーションプログラム91が印刷命令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ92は、アプリケーションプログラム91から画像データを受け取って、所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可能な画像データに変換する。図2に概念的に示すように、プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変換モジュール93と、色変換モジュール94と、ハーフトーンモジュール95と,インターレースモジュール96の大きく4つのモジュールから構成されている。各モジュールで行う画像処理の内容は後述するが、プリンタドライバ92が受け取った画像データは、これらモジュールで変換された後、最終的な画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力される。尚、本実施例のカラープリンタ20は、画像データFNLに従って、ドットを形成する役割を果たすのみであり、画像処理は行っていないが、もちろん、カラープリンタ20で画像変換の一部を行うものであってもよい。
【0036】
図3に、本実施例のカラープリンタ20の概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示するように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路60とから構成されている。キャリッジ40をプラテン36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持する摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ40の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン36と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)とから構成されている。制御回路60は、プリンタの操作パネル59と信号をやり取りしつつ、紙送りモータ35やキャリッジモータ30、印字ヘッド41の動きを適切に制御している。カラープリンタ20に供給された印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0037】
キャリッジ40には黒(K)インクを収納するインクカートリッジ42と、シアン(C1)・ライトシアン(LC)・マゼンタ(M1)・ライトマゼンタ(LM)・イエロ(Y1)の合計5色のインクを収納するインクカートリッジ43とが装着されている。もちろん、KインクとLCインク・LMインクとを同じインクカートリッジに収納したり、KインクとYインクとを同じインクカートリッジに収納させる等してもよい。複数のインクを1つのカートリッジに収納可能とすれば、インクカートリッジをコンパクトに構成することができる。キャリッジ40の下部にある印字ヘッド41には、K・C・M・Y・LC・LMの各インクに対して、インク吐出用ヘッド44・45・46・47・48・49がそれぞれ形成されている。キャリッジ40の底部には図示しない導入管が各インク毎に立設されており、キャリッジ40にインクカートリッジを装着すると、カートリッジ内の各インクは導入管を通じて、それぞれのインク吐出用ヘッド44ないし49に供給される。各ヘッドに供給されたインクは、以下に説明する方法によって印字ヘッド41から吐出され、印刷用紙上にドットを形成する。
【0038】
図4(a)は各色ヘッドの内部構造を示した説明図である。各色のインク吐出用ヘッド44ないし49には、各色毎に48個のノズルNzが設けられていて、各ノズルには、インク通路50とその通路上にピエゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印可することにより、図4(b)に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路50の一側壁を変形させる。この結果、インク通路50の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて伸縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子IpとなってノズルNzから高速で吐出される。このインクIpがプラテン36に装着された印刷用紙Pに染み込むことにより、印刷用紙Pの上にドットが形成される。
【0039】
図5は、インク吐出用ヘッド44ないし49におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面には、各色毎のインクを吐出する6組のノズルアレイが形成されており、1組のノズルアレイ当たり48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されている。尚、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルNzは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配列されていてもよい。ただし、図5(a)に示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく設定し易いという利点がある。
【0040】
図5に示すように、各色のインク吐出用ヘッド44ないし49は、キャリッジ40の搬送方向にヘッドの位置がずれている。また、各色ヘッド毎のノズルに関しても、ノズルが千鳥状に配置されている関係上、キャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。カラープリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40を搬送しながらノズルを駆動する際に、ノズルの位置の違いによるヘッド駆動タイミングの違いを考慮しながら、適したタイミングでそれぞれのヘッドを駆動している。
【0041】
本実施例のカラープリンタ20は、図5に示したように一定径のノズルNzを備えているが、かかるノズルNzを用いて、互いに大きさの異なる3種類のドットを形成することができる。以下に、この原理について説明する。図6は、インクが吐出される際のノズルNzの駆動波形と吐出されるインクIpとの関係を示した説明図である。図6において破線で示した駆動波形が通常のドットを吐出する際の波形である。区間d2において一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子PEに印加すると、先に図4で説明したのとは逆にインク通路50の断面積を増大する方向にピエゾ素子PEが変形する。ノズルへのインクの供給速度には限界があるため、インク通路50の拡大に対してインクの供給量が不足して、インク通路内の圧力が低下する。この結果、図6の状態Aに示した通り、インク界面MeはノズルNzの内側にへこんだ状態となる。これは、インク通路の負圧とインク界面での表面張力とが釣り合っている状態である。また、図6の実線で示す駆動波形を用いて区間d1に示すように電圧を急激に低くすると、インク通路の圧力は更に低下し、状態aで示すように状態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態となる。
【0042】
次に、ピエゾ素子PEに高い電圧を印加すると(区間d3)、インク通路50の断面積の減少により通路内のインクが圧縮され、インク圧力の増加に対応して、インク滴がインクノズルから吐出される。このとき、圧縮開始時のインク圧力が低いと、圧縮後の圧力も低くなるので、吐出されるインク滴も小さくなる。従って、インク圧力があまり低くない状態、すなわちインク界面があまり内側にへこんでいない状態(状態A)からは、状態Bおよび状態Cに示すごとく大きなインク滴が吐出され、インク界面が大きくへこんだ状態(状態a)からは状態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴が吐出される。このように、駆動電圧を低くする際(区間d1,d2)の変化率を変えれば、ドット径を変化させることができる。
【0043】
カラープリンタ20は、2種類の駆動波形を連続的に出力する。この様子を図7に示した。電圧を低くする際の変化率を比べれば、駆動波形W1とW2は、それぞれ小さなインク滴Ipsと大きなインク滴Ipmとに対応していることが分かる。キャリッジ40が主走査方向に移動しながら、駆動波形W1を出力し、次いで駆動波形W2を出力する場合を考える。駆動波形W1により吐出される小さなインク滴Ipsは飛翔速度が比較的小さく、駆動波形W2により吐出される大きなインク滴Ipmは飛翔速度が大きいので、吐出されてから印刷用紙に到着するまでの所要時間は、小さなインク滴Ipsの方が長くなる。当然、インクの吐出位置から印刷用紙に到着した位置の主走査方向へ移動距離も、小さなインク滴Ipsの方が大きなインク滴Ipmより長くなる。従って、駆動波形W1と駆動波形W2のタイミングを調節すれば、図7に示すように、小さなインク滴Ipsと大きなインク滴Ipmとを同一画素に吐出することが可能となる。
【0044】
本実施例のカラープリンタ20では、駆動波形W1のみをピエゾ素子PEに供給することによって小さなドットを、駆動波形W2のみをピエゾ素子PEに供給することによって中ドットを、駆動波形W1とW2をともに供給し、2つのインク滴を同一画素に吐出することによって大ドットを形成している。もちろん、駆動波形の種類を増やすことによって、更に多種類の大きさのドットを形成することも可能である。
【0045】
図8は、カラープリンタ20の制御回路60の内部構成を示す説明図である。図示するように、制御回路60の内部には、CPU61・PROM62・RAM63・コンピュータ80とのデータのやり取りを行うPCインターフェース64・紙送りモータ35やキャリッジモータ30等とデータのやり取りを行う周辺機器入出力部(PIO)65・タイマ66・駆動バッファ67等が設けられている。駆動バッファ67は、インク吐出用ヘッド44ないし49にドットのオン・オフ信号を供給するバッファとして使用される。これらは互いにバス68で接続され、相互にデータのやり取りが可能となっている。また、制御回路60には、所定周波数で駆動波形を出力する発振器70、および発振器70からの出力をインク吐出用ヘッド44ないし49に所定のタイミングで分配する分配出力器69も設けられている。
【0046】
図8に示す構成を有する制御回路60は、コンピュータ80から画像データFNLを受け取ると、ドットのオン・オフ信号を一時RAM63に蓄える。CPU61は、紙送りモータ35やキャリッジモータ30の動きと同期を採りながら、所定のタイミングでドットデータを駆動バッファ67に出力する。
【0047】
次に、CPU61が駆動バッファ67にドットのオン・オフ信号を出力することによって、ドットが吐出されるメカニズムについて説明する。図9は、インク吐出用ヘッド44ないし49の1つのノズル列を例にとって、その接続を示す説明図である。インク吐出用ヘッド44ないし49のノズル列は、駆動バッファ67をソース側とし、分配出力器69をシンク側とする回路に介装されており、ノズル列を構成する各ピエゾ素子PEは、その電極の一方が駆動バッファ67の各出力端子に、他方が一括して分配出力器69の出力端子に、それぞれ接続されている。分配出力器69からは、図9に示す通り、発振器70の駆動波形が出力されている。CPU61が駆動バッファ67に、各ノズル毎のドットのオン・オフ信号を出力すると、オン信号を受け取ったピエゾ素子PEだけが駆動波形によって駆動される。この結果、駆動バッファ67からオン信号を受け取っていたピエゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが吐出される。
【0048】
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし49を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングで印字ヘッド41を駆動することによって、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を印刷している。
【0049】
B.画像処理の概要
上述のように、カラープリンタ20は、画像データFNLの供給を受けてカラー画像を印刷する機能を有するが、画像データFNLは、コンピュータ80がカラー画像に所定の画像処理を行って生成する。図10はコンピュータ80のプリンタドライバ92内で、CPU81が行う画像処理の概要を示すフローチャートである。以下、同図に従って、画像処理の概要を説明する。
【0050】
画像処理を開始するとCPU81は、画像データを入力する(ステップS100)。この画像データは図2で説明したようにアプリケーションプログラム91から供給されるデータであり、画像を構成する各画素毎にR・G・Bそれぞれの色について、0〜255の値の256階調を有するデータである。この画像データの解像度は、原画像のデータORGの解像度等に応じて変化する。
【0051】
CPU81は、入力された画像データの解像度をカラープリンタ20が印刷するための解像度に変換する(ステップS102)。画像データが印刷解像度よりも低い場合には、線形補間により隣接する原画像データの間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。逆に画像データが印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合でデータを間引くことにより解像度変換を行う。
【0052】
次に、CPU81は、色変換処理を行う(ステップS104)。色変換処理とは、R・G・Bの階調値からなる画像データをカラープリンタ20で使用するC・M・Y等の各色の階調値のデータに変換する処理である。この処理は、色変換テーブルLUTを用いて行われており(図2参照)、LUTにはR・G・Bのそれぞれの組合せからなる色をカラープリンタ20で表現するためのC・M・Y・K・LC・LMの組合せが記憶されている。色変換テーブルを用いて色変換を行う処理自体については、公知の種々の技術が適用可能であり、例えば補間演算による処理が適用できる。
【0053】
色変換処理を終了すると、階調数変換処理を行う(ステップS106)。本実施例においては、色変換後の画像データはC・M・Y・K・LC・LMの6色の256階調画像となっている。一方、本実施例のカラープリンタ20では、「ドットを形成しない」、「小ドットを形成する」、「中ドットを形成する」、「大ドットを形成する」の合計4つの状態しか採り得ない。従って、256階調を有する画像を、カラープリンタ20が表現できる4階調で表現された画像に変換する必要がある。このような変換を行う処理が階調数変換処理である。すなわち、記録媒体上で大・中・小の各ドットの形成され易さを、原画像の階調値に応じて変化させることによって、原画像の256階調をカラープリンタ20が表現可能な4階調値で表現するのである。図11は、原画像の階調値に応じて、大・中・小の各ドットのドット記録率が変化していく様子を示す説明図である。ドット記録率とは、ある階調値のベタ領域を印刷する際に該領域内の画素に対してドットが形成される割合をいう。実際には、コンピュータ80のRAM83には、図11のように、階調値に対するドット記録率を各大きさのドット毎に記録したテーブル(ドット記録率テーブル)が記憶されていて、原画像の階調値に対して、ドット記録率テーブルに基づいて、階調数変換処理を行っている。
【0054】
CPU81は階調数変換処理を終了すると、インターレース処理を開始する(ステップS108)。この処理は、階調数変換処理によってドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に転送すべき順序に並べ替える処理である。すなわち、前述のようにカラープリンタ20は、キャリッジ40の主走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッド41を駆動して印刷用紙Pの上にドット列(ラスタ)を形成していく。図4を用いて説明したように、各色毎のインク吐出用ヘッド44ないし49には、複数のノズルNzが設けられているので、1回の主走査で複数本のラスタを形成することができる。それらラスタは互いにノズルピッチkだけ離れている。ノズルピッチkはできるだけ小さな値とすることが望ましいが、ヘッド製造の都合上、ノズルピッチkを画素の間隔(ノズルピッチkが1の場合に相当)まで小さくすることは困難である。その結果、画素間隔で並ぶラスタを形成するには、まず、ノズルピッチkだけ離れた複数のラスタを形成し、次にヘッド位置を少しずらして、ラスタの間に新たなラスタを形成していくといった制御が必要となる。
【0055】
また、印刷画質を向上させるために、1本のラスタを複数回の主走査に分けて形成したり、更には印刷時間を短縮するために、主走査の往動時と復動時のそれぞれでドットを形成するといった制御も行われる。これらの制御を行うと、カラープリンタ20が実際にドットを形成する順序は、画像データ上で画素の順序と異なった順序となるので、インターレース処理において画像データの並べ替えを行うのである。
【0056】
インターレース処理が終了すると、画像データはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、カラープリンタ20に出力される(ステップS110)。
【0057】
C.ドットばらつきの補正処理
以上に説明してきたカラープリンタ20は、C・M・Y・LC・LM・Kの合計6色インクのそれぞれについて、2種類の大きさのインク滴のいずれかまたは両方を吐出することによって、記録媒体上に大・中・小の3種類のドットを形成しカラー画像を印刷している。しかし前述したように、ノズルから吐出されるインク滴は、各色インク毎に、またインク滴の大きさ毎にばらつき方が異なっており、これに対応して各色のドットも、ドットの大きさ毎にばらつき方が異なっている。そこで、これらのばらつきを補正して記録媒体上に正確な色を表現するために、本実施例のカラープリンタ20は、以下のようにしてばらつきを補正する。
【0058】
カラープリンタ20は、専用のアプリケーションプログラムを起動させることによって、各色のドットばらつきを修正する。図12は、専用アプリケーションプログラムが行うドットばらつき補正処理の流れを示すフローチャートである。図示するように、ばらつき補正処理は、各色の各大きさのドット毎に修正量を選定する処理(S10)と、選定した修正量によりインク吐出量を補正する処理(S20)とから構成される。前述したように、カラープリンタ20は大・中・小の3種類のドットを形成するが、小ドットは小さなインク滴により、中ドットは大きなインク滴により、大ドットは小さなインク滴と大きなインク滴を同位置に吐出することにより形成している。従って、実際には大・中・小の3種類のドットについて修正量を選定する必要はなく、小さなインク滴で形成される小ドットと、大きなインク滴で形成される中ドットとについての修正量をそれぞれ選択すれば足りる。各色ドットの修正量を選定する処理(S10)では、プリンタドライバ92(図2参照)の機能を使用しながら、後述する方法によって小ドットと中ドットの修正量を選定する。また、インク吐出量補正処理(S20)では、小ドットと中ドットについて選定した修正量に基づいて、プリンタドライバ92のデータを変更し、記録媒体上に正確な色が表現されるように、各色インクの吐出量を補正する。
【0059】
(1)各色ドットの修正量選定処理
図13は、各色ドットの修正量選定処理の流れを示すフローチャートである。専用アプリケーションプログラムを起動すると、このプログラムからプリンタドライバ92に印刷命令が出され、初めに図14(a)に示すような選定パターンが自動的に印刷される(ステップS200)。図14(a)に示すように、選定パターンは2つの正方形が並んで印刷された画像であって、どちらの正方形も無彩色の色相で印刷されている。左側の正方形の階調値Aは、小ドットのみで印刷されるような階調値が選ばれていて、右側の正方形の階調値Bは、小ドットと中ドットが混在して形成されるような階調値が選ばれている(図12参照)。また、図示するように、それぞれの正方形の下側には、C・M・Y各色の小ドット、中ドットの修正量が印刷されている。これは、印刷された選定パターンを見て、C・M・Yの小ドット・中ドットそれぞれの修正量を容易に確認できるようにするためである。
【0060】
専用アプリケーションプログラムを起動して選定パターンが印刷されたら、左側の正方形の色相に基づいて、C・M・Y各色のバランスが崩れていないかどうかを判断する(ステップS202)。各色のバランスが崩れていないかとは、記録媒体上に形成されるドットの大きさが各色用のノズル間で異なっていないか、言い換えれば、吐出されるインク滴が各色用のノズル間で異なっていないかということである。選定パターンの左側の正方形は小ドットのみで形成されているので、C・M・Y各色の小ドットのバランスを判断していることになる。この判断は、次のようにして目視によって行う。C・M・Y各色のバランスが崩れていなければ、選定パターンの色相は完全な無彩色となるはずであるが、バランスが崩れていれば無彩色ではなく、なにがしかの色を帯びた色相となる。例えば、C・Mインクに比べてYインクのドットが大きめとなっている場合は、画像はY側に偏り、図14(a)の選定パターンの色相は無彩色ではなくY色を帯びた色相となる。
【0061】
選定パターンの左側の正方形から、各色のバランスが崩れていると判断された場合は、各色の小ドットについて修正量を指定して(ステップS204)、再度、選定パターンを印刷する。具体的には、専用アプリケーションプログラムがコンピュータ80のCRT23に表示する図15のような画面上で、C・M・Y各色の小ドットの修正量を指定して、「選定パターン印刷」を選択することによって、修正された選定パターンを印刷する。CRT23の画面上で修正値を指定してから、修正された選定パターンの印刷までの処理は、専用アプリケーションプログラムとプリンタドライバ92とが協調作業を行うことで実現されているが、この協調作業の内容については後述する。
【0062】
各色毎の修正量としてどのような値を指定すればよいかを知ることは、必ずしも容易ではないが、例えば指定した修正量の値が大きすぎる場合は、選定パターンの色相が他色の側に偏るので、実際に印刷させて色相を確認することを繰り返すことにより、最終的にはC・M・Yの各色について適切な修正量を知ることができる。このように本実施例では、選定パターンとして無彩色の画像を選定しているので、測色計等の特殊な装置を用いることなく、目視によって各色ドットのバランスを精度よく調整することができる。
【0063】
こうして各色ドットのバランスが調整されたら、次に、選定パターンの左側の正方形の明度を、標準スケールと比較する(ステップS206)。標準スケールとは、図14(b)に示すように、階調値Aと階調値Bに相当する無彩色の正方形が予め印刷されたカードである。この標準スケールは、本実施例では、カラープリンタ20の備品として予め供給されている。ステップS206では、選定パターンの左側の正方形と標準スケールの左側の正方形とを比較することによって、各色の小ドットの大きさを調整する(ステップS208)。すなわち、各色ドットの大きさが小さめであれば、選定パターンに印刷された正方形の明度は標準スケールの明度よりも低く(明るく)なり、逆にドットが大きめならば選定パターンの明度は高く(暗く)なる。従って、両者を目視で比較することにより、各色ドットの大きさが適切な大きさとなっているか否かを知ることができる。
【0064】
本実施例においては、初めに選定パターンの色相に基づいて各色用のノズル間のドットばらつきを調整し、その後に明度に基づいて各色ドットの大きさを調整している。これは、目視で比較する場合、同じ色相で比べる方が正確に明度の違いを認識できることによる。つまり予め色相を合わせておくことにより、選定パターンと標準スケールとの明度の差を正確に判断可能としているのである。
【0065】
周知のように、用紙の違いによって各色インクの発色具合が異なる場合がある。このため、印刷された選定パターンと標準スケールとを目視で比較したときに、用紙による発色の違いから各色ドットの調整を誤る場合も考えられる。この点を考慮して、本実施例では、選定パターンを印刷する用紙は予め定められた用紙を使用する必要があり、更に、標準スケールとして使用される画像は単に所定の階調値で印刷された画像ではなく、所定の印刷用紙の発色にあわせて、印刷条件を細かく調整した画像を用いている。もちろん、図14(c)に示すような、標準スケールを印刷した用紙を多数用意しておき、この用紙の上に直接選定パターンを印刷するようにしても良い。こうすれば、標準スケールと選定パターンとは同じ用紙上に印刷されるので、用紙によるインクの発色の違いの影響を受けずに、各色ドットを正確に調整することができる。
【0066】
選定パターンの明度の調整は、C・M・Y各色のバランスが崩れないように行う必要がある。これは、図15に示した画面で各色の修正量を同じように増減させることによって行う。もっとも、明度を調整した結果、僅かでも各色のバランスが崩れると、選定パターンの色相が無彩色でなくなるので、ステップS204で行ったのと同様にして各色ドットのバランスを調整しておけばよい。
【0067】
こうして最終的に、標準スケールの左側の正方形と選定パターンの左側の正方形とで、色相および明度が一致したら、各色の小ドットの調整を終了して、中ドットの調整を開始する(ステップS210)。各色の中ドットの調整は、選定パターンの右側の正方形と標準スケールの右側の正方形とを目視にて比較することにより行う。選定パターンの右側の正方形は、小ドットと中ドットが混在して形成されるような階調値B(図12参照)で印刷されているので、先ず、左側の正方形によって小ドットの条件を固定した後に、右側の正方形を用いて中ドットの調整を行うのである。
【0068】
各色の中ドットの調整も、小ドットを調整したのと同様の手順により行う。すなわち、印刷された選定パターンの右側の正方形が無彩色となっているか否かを判断して(ステップS210)、C・M・Yの各色の中ドットのバランスを調整する(ステップS212)。選定パターンの右側の正方形が無彩色となったら、標準スケールの右側の正方形と明度を比較し(ステップS214)、2つの正方形の明度が同じになるまで、C・M・Y各色の中ドットの修正量の増減を繰り返す(ステップS216)。
【0069】
以上の手順を終了し、印刷した選定パターンの2つの正方形と標準スケールの2つの正方形について、色相および明度が共に一致したら、各色ドットの修正量の選定処理を終了して図12に示すドットばらつき補正処理に戻る。
【0070】
以上の説明では、小ドットを調整した後に中ドットの調整を行うものとして説明したが、階調値Bの値を中ドットのみが形成されるような階調値B’(図11参照)に設定すれば、小ドットの調整と中ドットの調整を並行して行うことも可能である。また、中ドットのみで形成されるわけではないが、大部分が中ドットで形成され、小ドットの影響がほとんど現れないような階調値に設定すれば、小ドットの調整に並行して中ドットの調整もある程度までは行うことも可能であり、このようにしても構わないのはもちろんである。
【0071】
(2)修正した選定パターンの印刷
本実施例では、図15に示す画面上で各色ドットの修正量を指定すると、専用アプリケーションプログラムが修正量をプリンタドライバ92に伝え、プリンタドライバ92が指定された修正量に対応する選定パターンを印刷する。実際には、プリンタドライバ92は、ドット記録率テーブル(図12参照)を変更することによって、修正された選定パターンを印刷しているが、かかる機能はプリンタドライバ92が行っている階調数変換処理を利用することによって実現している。そこで、階調数変換処理について簡単に説明した後に、修正された選定パターンをプリンタドライバ92が印刷するための処理について説明する。
【0072】
尚、本実施例では組織的ディザ法と呼ばれる方法を用いて階調数変換処理を行っているが、もちろん誤差拡散法と呼ばれる方法を用いるものとしても構わない。
【0073】
図16は、プリンタドライバ92がCPU81を用いて、組織的ディザ法により階調数変換処理を行うフローチャートである。本実施例では、C・M・Y・K・LC・LMの各色毎に階調数変換処理を並行して行っているが、説明の煩雑化を避けるために、以下の説明では、色を特定せずに説明する。
【0074】
階調数変換処理を開始すると、CPU81は画像データCdを読み込む(ステップS300)。この画像データCdは、色変換後の256階調を有する各色毎の画像データである。次に、前述した図11のドット記録率テーブルを参照して、画像データCdに対する大・中・小の各ドットのドット記録率Rdl・Rdm・Rdsを一度に取得する(ステップS302)。尚、ドット記録率Rdは、全ての画素にドットが形成されている状態をドット記録率Rd=255と定義されている。これは、コンピュータ80がデータを8bitで表現することに起因するデータ処理上の都合によるものである。
【0075】
次に、大ドットのドット記録率Rdlと第1の閾値thlとの大小を比較し(ステップS304)、大ドットのドット記録率Rdlの方が大きければ、多値化結果Cdrに大ドットを形成することを意味する値「3」を代入する(ステップS306)。第1の閾値thlは、ディザマトリックスによって各画素毎に異なる値が設定されている。
【0076】
ここで、図17を用いることにより、組織的ディザ法による階調数変換処理の考え方を説明しておく。説明を簡略化するために、図17では、画像データの一部(4×4の画素)のみを取り出して表している。組織的ディザ法を用いて、例えば縦・横1000×1000の画素からなる画像データCdを多値化する場合に、同じ大きさ(縦・横1000×1000)のディザマトリックスを用意し、ディザマトリックスの各画素に0〜255の閾値をランダムに設定しておく。そして画像データの階調値とディザマトリックスの閾値とを、位置の対応する画素毎に比較し、画像データの階調値がディザマトリックスの閾値より大きければその画素にドットを形成する、逆に小さければドットを形成しないと判断するものである。図17には、対応する画素毎に、画像データの階調値とディザマトリックスの閾値とを比較し、画像データの階調値が大きい画素にだけドットが形成されている(図中ではハッチを施して表示)様子が示されている。実際には縦・横16×16の大きさのマトリックスに0〜255の閾値を偏りなく設定したディザマトリックスを用意し、このディザマトリックスの位置をずらして使用している。
【0077】
本実施例のプリンタドライバ92は、以上説明した組織的ディザ法に基づいて、ドット記録率テーブル(図11)を参照して画像データCdを各ドットについてのドット記録率Rdに変換し、得られたドット記録率Rdの値に対して階調数変換処理を行っているのである。
【0078】
大ドットのドット記録率Rdlが第1の閾値thlより小さい場合には、中ドットについてのドット形成有無を判断する。すなわち、中ドットのドット記録率Rdmと第2の閾値thmとの大小を比較し(ステップS308)、中ドットのドット記録率Rdmの方が第2の閾値thmより大きければ、多値化結果Cdrの中ドットを形成することを表す値「2」を代入する(ステップS310)。このように、大ドットを形成しなかった画素について中ドットの形成有無を判断しているので、大ドットと中ドットが同じ画素の形成されることがない。また、中ドットの形成有無を判断する第2の閾値thmの値は、中ドット用に設定されたディザマトリックスに設定されている。中ドット用のディザマトリックスを大ドット用のものと共用する場合、例えば閾値に255付近の大きな値が設定されている画素には、大ドットも中ドットも形成され難くなり、ひいては画質の低下をきたすおそれがある。かかることの無いよう、本実施例のプリンタドライバ92は大・中・小の各ドット毎に、それぞれのディザマトリックスを用意している。もちろん、コンピュータ80の記憶容量を節約する必要性が高い場合には、各ドットのディザマトリックスを共用するものとしてもよい。
【0079】
中ドットのドット記録率Rdmが第2の閾値thmより小さい場合には、小ドットのドット形成有無を判断する。すなわち小ドットのドット記録率Rdsと第3の閾値thsとの大小を比較し(ステップS312)、小ドットのドット記録率Rdsの方が第3の閾値thsより大きければ、多値化結果Cdrの小ドットを形成することを意味する値「1」を代入し(ステップS314)、小ドットのドット記録率Rdsの方が小さければ、ドットを形成しないことを意味する値「0」を多値化結果Cdrに代入する(ステップS316)。こうして、全ての画素について、ドットの判断を終了すると(ステップS318)、階調数変換処理を終了する。プリンタドライバ92はこの階調数変換処理結果に基づいて、図10の画像処理ルーチンにより、画像を印刷している。
【0080】
ドットばらつきの補正処理を行う専用アプリケーションプログラムは、次のようにして、修正ドット記録率テーブルを生成させ、このテーブルを使用してプリンタドライバ92に階調数変換処理を行わせることによって、修正された選定パターンを印刷する。図18は、専用アプリケーションプログラムがこのような処理を行う流れを示すフローチャートである。
【0081】
図15に示した画面上で、「選定パターン印刷」を選択すると割り込みが発生して、図18に示す処理が開始される。かかる処理では、修正の対象となるドット記録率テーブルをプリンタドライバ92から取り込む必要がある。そこで、処理を開始すると初めに、ドット記録率テーブルを取り込み済みか否かを判断し(ステップS400)、取り込んでいなければプリンタドライバ92からドット記録率テーブルを取り込む(ステップS402)。ドット記録率テーブルの取り込みが終わったら、続いて、図15の画面上で指定された各色ドットの修正量を取り込む(ステップS404)。図15に示すように、修正量の指定はパーセント表示された修正率で指定されている。この修正量を取り込むと、取り込んだドット記録率テーブルに記録されている各ドットの記録率の値に、指定された修正量を乗算して修正ドット記録率テーブルを生成させる(ステップS406)。修正ドット記録率テーブルを生成させる様子の説明図を図19に示す。例として、図14(c)に示した条件、すなわち「シアンの小ドットは10%減少・中ドットは補正不要」、「マゼンタの小ドットは補正不要・中ドットは10%減少」、「イエロの小ドットは10%増加・中ドットは補正不要」と指示されている場合に、生成されるC・M・Y各色毎のドット記録率テーブルを、図19(a)・(b)・(c)に示している。
【0082】
こうして修正ドット記録率テーブルを生成すると、このテーブルを使用して選定パターンを印刷するようプリンタドライバ92に指示を出した後、次の割り込みが発生するまで待機状態となる。
【0083】
以上に説明したように、修正された選定パターンの印刷においては、記録媒体上に形成される各ドットの大きさを修正するのではなく、実際にはドット記録率テーブルを修正することによって、単位面積当たりに形成される各色ドットの個数を変更している。ドットの大きさを変更する代わりに、このようにドットの形成個数を変更することによっても、単位面積当たりにドットが占める割合、言い換えれば、単位面積当たりに吐出されるインク量を変更することができ、ドットの大きさを変更したのと同様な効果を得ることができる。記録媒体上に形成されるドットの大きさを変更する場合に比べて、ドットの個数を変更する方が容易である。更に、ドットの個数を変更する方法は、例えば5%だけ多くするというような定量的な変更も正確に行うことができるという利点がある。
【0084】
(3)インク吐出量補正処理
図12に示すように、各色ドットの修正量の選定が終了すると、続いてインク吐出量の補正を開始する。この処理では、図15に示した画面上で最終的に指定した各色の小・中ドットの修正量を、プリンタドライバ92のデータに反映させる処理を行う(ステップS20)。前述した手順を踏んで選定した各色ドットの修正量をプリンタドライバ92のデータに反映させることによって、以降の印刷においては、各色ドットのばらつきが補正された画像を印刷することができる。
【0085】
尚、後述するように、この処理では、各色のドット毎にドットの個数を修正してもよいが、各色ドット毎に修正するのではなく適正なインク吐出量が得られるようにドット全体として修正をおこなってもよい。つまり、例えば、小ドットを増加させる代わりに、相当するだけ中ドットを増加させるような調整を行ってもよい。従って、この処理は、インク吐出量の補正を行う処理であると考えることができる。この処理をインク吐出量補正処理と呼ぶのはこのためである。
【0086】
インク吐出量を補正する最も簡単な方法は、プリンタドライバ92が階調数変換処理に用いるドット記録率テーブルを、専用アプリケーションプログラムが生成した修正ドット記録率テーブルで書き換えてしまう方法である。具体的には、図15の画面上で「確定」を選択すると、専用アプリケーションプログラムが、ドット記録率テーブル(図16参照)を修正ドット記録率テーブル(図18参照)で書き換えるようにすればよい。
【0087】
ドット記録率テーブルを補正することによって、各ドット毎にばらつきを補正するのではなく、各ドット毎に指示された修正量とドット記録率テーブルとに基づいて画像データの階調値を補正することによって、ドット全体としてインク吐出量を補正することもできる。この方法には、以下のような利点がある。すなわち、小ドットおよび中ドットは、いずれもドット記録率100%(コンピュータ80内の値は255)以上の値を採ることはできない。そこで、ドット記録率テーブルを書き換える補正方法では補正後のいずれかのドットの値が100%を越える場合は、補正できなかった量に相当する分だけ他方のドットを増加させる処理が必要となる。これに対し、画像データの階調値を補正する方法は、ドット記録率の補正を行わないので、補正後の記録率が100%を越える場合に、他のドットで補うような複雑な処理を行う必要がない。
【0088】
図20は、画像データの階調値を補正することによって、インク吐出重量を補正する処理の流れを示すフローチャートである。図15に示す画面上で、「確定」を選択すると、割り込みが発生して図20の処理が開始される。
【0089】
この処理を開始すると、初めにプリンタドライバ92からドット記録率テーブルを取り込む(ステップS500)。前述したように、ドット記録率テーブルには階調値に対して、大・中・小の各ドットのドット記録率が記録されている。次いで、先に確定した各ドット毎の修正量を取り込む(ステップS502)。図20の処理では、取り込んだドット記録率テーブルと各ドット毎の修正量とを用いて、0〜255の全ての階調値について階調値修正量を計算する。以下に順を追って説明する。
【0090】
ステップS504では、階調値に対する大・中・小の各ドット毎の修正ドット記録率を求め、続くステップS506で修正ドット記録率から階調値修正量を計算する。S504およびS506で行われる処理を、図21を用いて具体的に説明する。尚、各ドットの修正量としては、「小ドット:10%増加・中ドット:10%減少」と指定されているものとする。階調値40の場合を例にとって説明すると、図21のドット記録率テーブルを参照して、階調値40のドット記録率は「小ドット:120・中ドット:0」であることが分かる。ドットの修正量は「小ドット:10%増加・中ドット:10%減少」であるから、小ドットの記録率は120×1.1=132と修正すればよく、中ドットは0×0.9=0となって修正不要であることが分かる。
【0091】
小・中ドットが混在する例として、シアン画像の階調値90の場合も説明しておく。図21のドット記録率テーブルから、シアン画像の階調値90は「小ドット:60・中ドット:105」である。従って、小ドットの記録率は60×1.1=66、中ドットは105×0.9=94.5と修正すればよい。以上がS504で行う処理である。
【0092】
こうして、小ドットと中ドットについて求めたドット記録率の修正値を階調値に変換することによって、各階調値での階調値修正量を計算する(ステップS506)。すなわち、小ドット・中ドットのそれぞれについて、単位のドット記録率が相当する階調値の値が定まっているので、修正されたドット記録率から修正すべき階調値を、この値を用いて計算するのである。先程の例を用いて、具体的に説明する。単位ドット記録率は、小ドットの場合は階調値1/3に、中ドットの場合は2/3にそれぞれ対応している。この値は予め定まっているが、以下のようにして確認することができる。先ず、階調値40に対しては小ドットのみ形成されて、ドット記録率が120であった。これより、小ドットの単位ドット記録率に相当する階調値は、40/120=1/3であることが確認できる。階調値90の場合は、小ドットの記録率:60・中ドットの記録率:105であって、小ドットの単位ドット記録率は階調値1/3に相当することが分かっているから、2/3であることが確認できる。これらの値を用いて、階調値40に対する修正ドット記録率「小ドット:132・中ドット:0」の値は、132×(1/3)+0×(2/3)=44と変換される。階調値90の修正ドット記録率は「小ドット:66・中ドット:94.5」であるから、同様にして、66×(1/3)+94.5×(2/3)=85と変換される。ステップS506においては、全ての階調値に対して、このようにして修正すべき階調値を求めるのである。
【0093】
こうして求めた修正階調値を、階調値に対応付けて記憶する(ステップS508)。以上の計算を全ての階調値に対して行い、全階調値の階調値修正量を記憶した後に(ステップS510)、図12のインク吐出量補正処理を終了してドットばらつき補正処理に戻る。ドットばらつき処理の終了後に画像を印刷する場合は、記憶されている階調値修正量を用いて原画像データの階調値を補正し、補正した階調値に対して階調数変換処理を行えば、各色ドットのばらつきが補正された画像を印刷することができる。先程の例では、原画像の階調値が40ならば階調値44と補正し、また、階調値90ならば階調値85と補正し、補正された階調値を用いて階調数変換処理を行えばよい。また、この方法によれば、各ドットのドット記録率は、当初から供給されたドット記録率テーブルを用いて求めているので、ドット記録率としては妥当な値を採り、例えば記録率100%を超えるような形成不可能なドット記録率となるおそれはない。
【0094】
原画像の階調値の補正は、次のようにプリンタドライバ92の機能を利用して行う。前述したように、本実施例のカラープリンタ20は、色変換処理を行うことにより、R・G・Bの階調データで表現された原画像をC・M・Yの階調データに変換してから階調数変換処理を行っている(図10参照)。この色変換処理で参照される色変換テーブルLUTには、R・G・Bの階調値の組に対して、C・M・Y・LC・LM・Kの階調値が予め対応付けて記憶されている。色変換処理では、LUTを参照することによって、原画像のR・G・B階調値に対応するC・M・Y階調値を求めているのである。そこで、このLUTに記憶された階調値に、各階調値に対して計算された階調値修正量を反映させればよい。このように階調値修正量をLUTに反映させれば、通常の印刷処理を行いながら、各色ドットのばらつきを補正した画像を印刷することができる。
【0095】
階調値修正量をLUTに反映させる方法としては、LUTのデータを直接書き換える方法の他に、コンピュータ80のRAM83にLUTを展開する際に反映させる方法を採用するものとしてもよい。つまり、LUTの記憶には多量の記憶容量を必要とするために、通常LUTは圧縮状態でメモりに記憶されていて、必要なときにプリンタドライバ92が解凍した後、RAM83に展開して使用される場合が多い。圧縮されたLUTを解凍する際に、プリンタドライバ92が記憶されている階調値修正量を参照して、これをLUTに反映させる方法を採用しても構わない。このような方法を採用すれば、初期設定のLUTが圧縮された状態で記憶されているので、いつでもLUTを初期設定状態に戻すことができる。
【0096】
D.ドットばらつきの補正結果
以上説明してきたカラープリンタ20は、各色のドット毎にドットばらつきの修正量を受け取って補正するので、インク吐出量を正確に補正することができる。本実施例のカラープリンタ20において、インク吐出量が正確に補正される様子を以下に説明する。尚、前述のように、カラープリンタ20は、C・M・Y・LC・LM・Kの合計6色のインクを吐出するが、説明の煩雑化を避けるため、以下ではC・M・Yの3色のみ吐出するものとして説明する。
【0097】
図22は、C・M・Y各画像の階調値に対して、記録媒体上に吐出されるC・M・Yの各色インクの吐出量を概念的に表した説明図である。図22(a)は、ドットのばらつきが全くない理想的な状態(設計状態)における各色インクの吐出量を示す。尚、ここにいうインク吐出量とは、単位面積当たりに吐出されるインク重量を指している。また、実際のインク吐出量は図22(a)に示すように画像データの階調値と直線関係にあるわけではないが、説明を単純化するために図22(a)では直線で近似している。
【0098】
図11のドット記録率に示されるように、画像データの階調値が0の場合には、大・中・小のいずれのドットもドット記録率は0であり、インク吐出量も0である。画像データの階調値が増えていくと、初めは小ドットの記録率が徐々に増加して、インク吐出量も増加していく。階調値が徐々に増加していくと、中ドットが形成され始めるとともに小ドットの記録率が減少し、やがて中ドットのみが形成される状態となる。画像データの階調値が更に増加していくと、中ドットの記録率が減少し、最終的には大ドットのみが形成される状態となる。このように、本実施例のカラープリンタ20は、画像データの階調値に応じて、大・中・小の各ドットの記録率が変化し、階調値に応じたインク量が吐出されるようになっている。
【0099】
図22(b)は一例として、Cインクは小ドットが大きめ・Mインクは中ドットが大きめ・Yインクは小ドットが小さめのドットが形成されている場合を想定したときに、画像データの階調値に対する各色インクの吐出量を示した説明図である。低階調値領域では小ドットのみが形成されるから、Cインクの吐出量は多めに、Yインクの吐出量は少なめとなる。Mインクは、小ドットは設計状態のドットが形成されているので、低階調値領域では設計された通りのインク吐出量となっている。ある程度まで階調値が増えると、小ドットの形成割合が減少し中ドットの割合が増加してくる。これに対応して、Mインクのインク吐出量が次第に増加してくる。また、Cインクの吐出量は次第に減少し、Yインクの吐出量は次第に増加する。更に階調値が高い領域になると、中ドットの形成割合が減少し、大ドットの形成割合が増加する。ここで、カラープリンタ20では、小ドットと中ドットとを同位置に重ねて形成することによって大ドットを形成している。このため、Cインクの吐出量は多めに、Mインクの吐出量は多めに、Yインクの吐出量は少なめとなる。結局、画像データの階調値に対するC・M・Y各色のインク吐出量は、図22(b)に示すように、複雑な特性を示す。
【0100】
このように、各色のインク吐出量は、階調値に対して複雑な特性となっているので、単に各色インクのインク吐出量を補正するだけでは、図22(a)に示すような理想的な特性に補正することはできない。例えば、図22(b)に示した例で説明すると、全階調値を平均して考えれば、CインクとMインクは全体としてインク吐出量が多めであり、Yインクは少なめとなっている。従って、CドットとMドットについてはドットが少なめに形成されるような補正を行い、Yドットは多めに形成されるような補正を行えば、確かに、各色インク吐出量のばらつきが少なくなる方向に改善される。このように、各色インク間で補正を行った時のインク吐出量を示したのが図22(c)である。しかし図22(c)に示されるように、各色インク間のインク吐出量を補正しただけでは、図22(a)のような理想的な特性に補正することはできない。これは、カラープリンタ20では、画像データの階調値に応じて各大きさのドット形成割合を変化させており、その結果、各色インクの吐出量が階調値に対して複雑に変化する特性となっているためである(図22(b)参照)。これに対して、前述のドットばらつき補正処理を行ってドットの大きさ毎に修正量を選定し、この修正量に基づいてインク吐出量を補正すれば、図22(b)のような特性を図22(a)のような理想的な特性に補正することができる。
【0101】
ドットばらつき処理を行って、ドットの大きさ毎に修正することの効果は、例えば、無彩色のグラデーションパターンを印刷することによって、明確に確認することができる。無彩色のグラデーションパターンとは、白色から黒色に向かって、明度が自然に低く(暗く)なるような画像をいう。各色間の補正のみを行って、無彩色のグラデーションパターンを印刷した場合、図22(c)を参照すれば明らかなように、例えば低階調値領域では他色インクに比べてCインクの吐出量が相対的に多く、従って低階調値の部分ではシアン色を帯びた灰色が印刷される。同様に、中階調値の領域ではCインクに比べてMインクとYインクの吐出量が多くなり、赤色を帯びた灰色が印刷される。高階調値の領域ではMインクが多くなり、マゼンタ色を帯びた灰色が印刷される。これに対して、前述してきたようなドットばらつき補正処理(図12)を行えば、図22(a)のような理想的な特性に補正することができる結果、白色から黒色に自然に変化する画像を印刷することができる。
【0102】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を示す説明図である。
【図5】本実施例のプリンタにおけるノズル配列を示す説明図である。
【図6】本実施例のプリンタにより大きさの異なるドットを形成する原理を説明する説明図である。
【図7】本実施例のプリンタにおけるノズルの駆動波形および該駆動波形により形成されるドットの様子を示す説明図である。
【図8】本実施例のプリンタの制御装置の内部構成を示す説明図である。
【図9】本実施例のプリンタヘッドが駆動バッファからデータを受けてドットを形成する様子を示す説明図である。
【図10】本実施例における画像処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図11】本実施例で用いられるドット記録率テーブルの一例を示す説明図である。
【図12】本実施例のドットばらつき補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本実施例のドット毎修正量の選定処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本実施例で行われるドット毎修正量の選定処理の様子を示す説明図である。
【図15】本実施例において各色ドットの修正量を指定する様子を示す説明図である。
【図16】本実施例の組織的ディザ法による階調数変換処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】組織的ディザ法の概要を示す説明図である。
【図18】本実施例において修正された選定パターンを印刷する処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】本実施例においてドット記録率テーブルを修正する様子を示す説明図である。
【図20】本実施例のインク吐出量補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】各階調値に対する階調値修正量の計算方法を説明する説明図である。
【図22】本実施例のドットばらつき補正処理を行った結果を示す説明図である。
【図23】画像データの階調値ノズルから吐出するインク滴の大きさが異なると、インク吐出重量のばらつき方が異なる理由を説明する説明図である。
【符号の説明】
20…カラープリンタ
21…カラースキャナ
23…CRT
24…モデム
25…フレキシブルディスクドライブ
26…ハードディスク
30…キャリッジモータ
31…駆動ベルト
32…プーリ
33…摺動軸
34…位置検出センサ
35…紙送りモータ
36…プラテン
40…キャリッジ
41…CPU
41…印字ヘッド
42,43…インクカートリッジ
44〜49…インク吐出用ヘッド
50…インク通路
59…操作パネル
60…制御回路
61…CPU
62…PROM
63…RAM
64…PCインターフェース
66…タイマ
67…駆動バッファ
68…バス
69…分配出力器
70…発振器
80…コンピュータ
81…CPU
82…ROM
83…RAM
84…入力インターフェース
85…出力インターフェース
86…CRTC
87…DDC
88…SIO
89…バス
90…ビデオドライバ
91…アプリケーションプログラム
92…プリンタドライバ
93…解像度変換モジュール
94…色変換モジュール
95…ハーフトーンモジュール
96…インターレースモジュール

Claims (7)

  1. 大きさの異なる複数種類のドットを用いて記録媒体上に多階調の画像を印刷する印刷装置であって、
    画像を構成する画素が取り得る階調値と、記録媒体上にドットを形成すべき密度であるドット記録率との関係が、前記複数種類の各ドットの記録率が最大となる階調値が該各ドットの大きさの順となる対応関係であり、かつ大小関係が隣接する2種類のドットについては、小さい側のドットの記録率が減少するしたがって、当該ドットより大きなドットの記録率が増大する対応関係で対応付けることにより、形成可能なドットの大きさ毎のドット記録率を決定する記録率決定手段と、
    前記ドットの大きさ毎に前記対応関係の修正量を受け取る修正量受取手段と、
    該受け取った修正量を用いて、前記対応関係を修正する対応関係修正手段と、
    該修正された対応関係に従って、前記画素の階調値からドット記録率を求め、該求めたドット記録率に基づいて、前記各ドットの大きさ毎にドットの形成有無を判断し、該判断結果に基づいて各ドットを形成する手段と
    を備えた印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記記録率決定手段は、前記ドットの大きさ毎にそれぞれ定められた前記対応関係に基づいて、前記ドットの大きさ毎にドット記録率を決定する手段であり、
    前記対応関係修正手段は、前記対応関係を前記ドットの大きさ毎に修正する手段である印刷装置。
  3. 請求項1記載の印刷装置であって、
    各階調値でのドット記録率を、前記対応関係に基づいて前記ドットの大きさ毎に算出する記録率算出手段と、
    該算出されたドット記録率と前記受け取った修正量とに基づいて、各階調値に対する階調値の補正量を算出する階調値補正量算出手段と、
    該階調値補正量を階調値毎に記憶しておく階調値補正量記憶手段と
    を備え、
    前記対応関係修正手段は、
    階調値とドット記録率との前記対応関係に代えて、該階調値補正量により補正された階調値とドット記録率とを前記対応関係に従って対応付ける関係に変更する手段である印刷装置。
  4. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記記録媒体上に前記ドットを形成するドット形成手段は、前記大きさの異なるドットを、一のドット形成手段で形成可能な手段である印刷装置。
  5. 請求項3記載の印刷装置であって、
    画像の色を表現する方式である表色法を、前記画像で用いられている第1の表色法から、該画像の印刷に用いられる第2の表色法に変換する際に参照されて、該第1の表色法における階調値と該第2の表色法における階調値との対応関係を記憶した表色法対応関係記憶手段と、
    該記憶された表色法対応関係により、第1の表色法から第2の表色法への変換を行う表色法変換手段と
    を備え、
    前記対応関係修正手段は、前記表色法対応関係に記憶された第2の表色法における階調値を、前記階調値補正量だけ補正する手段である印刷装置。
  6. 画像を構成する画素が取り得る階調値と、記録媒体上にドットを形成すべき密度であるドット記録率との関係が、前記複数種類の各ドットの記録率が最大となる階調値が該各ドットの大きさの順となる対応関係であり、かつ大小関係が隣接する2種類のドットについては、小さい側のドットの記録率が減少するしたがって、当該ドットより大きなドットの記録率が増大する対応関係で対応付けることにより、形成可能なドットの大きさ毎のドット記録率を求めるテーブルを用意し、該テーブルを用いて求められたドット記録率に基づいて、前記各ドットの大きさ毎にドットの形成有無を判断し、該判断結果に基づいて各ドットを形成することによって、前記記録媒体上に多階調の画像を印刷する印刷装置を調整する方法であって、
    前記ドットの大きさ毎に前記対応関係の修正量を受け取り、
    該受け取った修正量を用いて、前記対応関係を修正する
    印刷装置の調整方法。
  7. 大きさの異なる複数種類のドットを用いて記録媒体上に多階調の画像を印刷する方法であって、
    画像を構成する画素が取り得る階調値と、記録媒体上にドットを形成すべき密度であるドット記録率との関係が、前記複数種類の各ドットの記録率が最大となる階調値が該各ドットの大きさの順となる対応関係であり、かつ大小関係が隣接する2種類のドットについては、小さい側のドットの記録率が減少するしたがって、当該ドットより大きなドットの記録率が増大する対応関係で対応付けることにより、形成可能なドットの大きさ毎にドット記録率を求めるテーブルを用意し、
    前記ドットの大きさ毎に前記対応関係の修正量を受け取り、
    該受け取った修正量を用いて、前記テーブルの前記対応関係を修正し、
    該修正された対応関係を用いて求めたドット記録率に基づいて、前記各ドットの大きさ毎にドットの形成有無を判断し、該判断結果に基づいて各ドットを形成する
    印刷方法。
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