JP2007145031A - 双方向印刷方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多値プリンタにおいて双方向印刷を行う際に、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを緩和して、画質を向上させる。
【解決手段】印刷装置は、各画素領域内に、大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な印刷ヘッドを用いて、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に画像を印刷する。そして、複数種類のドットの中の少なくとも2種類のドットに関して、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを減少させるための調整値をそれぞれ予め設定する。また、これらの2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する調整値を用いて、複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整する。
【選択図】図10

Description

この発明は、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に画像を印刷する技術に関し、特に、各画素領域に大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な双方向印刷技術に関する。
近年、コンピュータの出力装置として、数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリンタが広く普及している。このようなカラープリンタとして、近年では、複数のインク滴で1画素を記録可能な多値プリンタも提案されている。多値プリンタでは、比較的少量のインク滴によって比較的小さなドットが1画素の領域内に形成され、比較的多量のインク滴によって比較的大きなドットが1画素の領域内に形成される。このような多値プリンタでも、従来の他のプリンタと同様に、印刷速度の向上のためにいわゆる「双方向印刷」を行うことが可能である。
双方向印刷では、主走査方向の駆動機構のバックラッシュや、印刷媒体を下で支えているプラテンの反り等に起因して、往路と復路における主走査方向の記録位置がずれてしまうという問題が生じ易い。このような位置ズレを解決する技術としては、例えば本出願人により開示された特開平5−69625号公報に記載されたものが知られている。この従来技術では、主走査方向における位置ズレ量(印刷ズレ)を予め登録しておき、この位置ズレ量に基づいて往路と復路における記録位置を補正している。
しかし、従来は、多値プリンタで双方向印刷を行った場合における往路と復路の位置ズレに関してはあまり考慮されていなかった。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、多値プリンタにおいて双方向印刷を行う際に、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを緩和して、画質を向上させることを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装置は、主走査を往復で双方向に行いつつ、印刷画像信号に応じて印刷媒体上に画像を印刷する双方向印刷機能を有する双方向印刷装置であって、前記印刷媒体上の各画素領域内に、大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な印刷ヘッドと、前記印刷媒体と前記印刷ヘッドの少なくとも一方を移動させることによって双方向の主走査を行う主走査駆動部と、前記印刷媒体と前記印刷ヘッドの少なくとも一方を移動させることによって副走査を行う副走査駆動部と、前記印刷ヘッドに駆動信号を与えて前記印刷媒体上に印刷を行わせるヘッド駆動部と、前記の各部を制御する制御部と、を備える。また、前記制御部は、前記複数種類のドットの中の少なくとも2種類のドットに関して、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを減少させるための調整値をそれぞれ記憶するメモリと、前記少なくとも2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する前記調整値を用いて、前記複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整する記録位置調整部と、を備える。
この双方向印刷装置では、少なくとも2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する調整値を用いて、複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整するので、多値プリンタにおいて双方向印刷を行う際に、選択された1種類のドットに関して往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを緩和することができる。従って、位置ズレが目立ち易いドットを位置ズレの調整対象として選択すれば、画質を向上させることができる。
なお、往路と復路における前記選択された1種類のドットの主走査方向の記録位置のズレを減少させるように、往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整するようにしてもよい。具体的には、例えば、往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号を遅延させることによって、前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整することができる。あるいは、往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号の周波数を主走査方向に沿って変化させることによって、前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整することができる。
このようにすれば、選択された1種類のドットに関して位置ズレを減少させることができる。
また、前記印刷画像信号で表される画像の種別を示す画像種別情報に応じて、前記少なくとも2種類のドットの中から1種類のドットを選択し、選択された1種類のドットに対する前記調整値を使用するようにしてもよい。
位置ズレが目立つドットの種類は、画像の種別に依存することがある。画像の種別に応じて、位置ズレの調整の対象とするドットを選択すれば、そのドットの位置ズレを減少させることができるので、画質を向上させることが可能である。
前記画像種別情報は、1ページ内に自然画を主体として含む自然画主体画像と、1ページ内に自然画以外の画像を主体として含む非自然画主体画像と、を少なくとも区別する情報を含み、前記制御部は、前記自然画主体画像を記録する際には比較的小さいドットに関する記録位置のズレを減少させるように前記複数種類のドットの主走査方向の記録位置を調整するとともに、前記非自然画主体画像を記録する際には比較的大きいドットに関する記録位置のズレを減少させるように前記複数種類のドットの主走査方向の記録位置を調整するようにしてもよい。
自然画主体画像の印刷時には比較的小さいドットが多く記録され、一方、非自然画主体画像の印刷時には比較的大きいドットが多く記録される傾向にある。従って、このような画像の種別に応じて位置ズレの調整の対象とするドットの種類を選択すれば、画質を向上させることができる。
なお、前記画像種別情報は、1ページ内に記録される前記複数種類のドットの頻度を示す統計的な指標値に応じて決定されるようにしてもよい。
こうすれば、画像の記録に使用される各ドットの頻度に応じて、位置ズレの調整の対象とするドットの種類を選択することができるので、比較的頻度が高く、目立ちやすいドットに関して位置ズレを減少させることができる。
本発明による方法は、印刷媒体上の各画素領域内に、大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な印刷ヘッドを用いて、主走査を往復で双方向に行いつつ、印刷画像信号に応じて前記印刷媒体上に画像を印刷する双方向印刷方法であって、前記複数種類のドットの中の少なくとも2種類のドットに関して、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを減少させるための調整値をそれぞれ予め設定しておき、前記少なくとも2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する前記調整値を用いて、前記複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整することを特徴とする。
また、本発明による記録媒体は、印刷媒体上の各画素領域内に、大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な印刷装置を備えたコンピュータに、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷画像信号に応じて前記印刷媒体上に画像を印刷させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記複数種類のドットの中の少なくとも2種類のドットに関して、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを減少させるために予め設定された調整値の中で、前記少なくとも2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する前記調整値を選択し、選択された前記調整値を用いて前記複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整する機能を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
このような方法や記録媒体によっても、上記装置とほぼ同様な効果が得られる。
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。第1の態様は、コンピュータに上記の発明の各工程または各部の機能を実現させるコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様である。こうした態様では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の方法や装置を実現することができる。
A.装置の構成:
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例としての双方向印刷装置の構成を示すブロック図である。図示するように、コンピュータ90にスキャナ12とカラープリンタ22とが接続されており、このコンピュータ90に所定のプログラムがロードされ実行されることにより、全体として双方向印刷装置として機能する。このコンピュータ90は、プログラムに従って画像処理に関わる動作を制御するための各種演算処理を実行するCPU81を中心に、バス80により相互に接続された次の各部を備える。ROM82は、CPU81で各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデータを予め格納しており、RAM83は、同じくCPU81で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログラムやデータが一時的に読み書きされるメモリである。入力インターフェイス84は、スキャナ12やキーボード14からの信号の入力を司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御し、ディスクコントローラ(DDC)87は、ハードディスク16やフレキシブルドライブ15あるいは図示しないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスク16には、RAM83にロードされて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。
このほか、バス80には、シリアル入出力インタフェース(SIO)88が接続されている。このSIO88は、モデム18に接続されており、モデム18を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。コンピュータ90は、このSIO88およびモデム18を介して、外部のネットワークに接続されており、特定のサーバーSVに接続することにより、画像処理に必要なプログラムをハードディスク16にダウンロードすることも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピュータ90に実行させることも可能である。
図2は本双方向印刷装置のソフトウェアの構成を示すブロック図である。コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介して、プリンタ22に転送するための中間画像データMIDが出力されることになる。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、スキャナ12から画像を読み込み、これに対して所定の処理を行いつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ21に画像を表示している。スキャナ12から供給されるデータORGは、カラー原稿から読みとられ、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3色の色成分からなる原カラー画像データORGである。
このアプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が画像情報をアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が処理可能な信号(ここではシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各色についての多値化された信号)に変換している。図2に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色補正モジュール98と、色補正テーブルLUTと、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100とが備えられている。
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データの解像度、即ち単位長さ当たりの画素数をプリンタドライバ96が扱うことができる解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データはまだRGBの3色からなる画像情報であるから、色補正モジュール98は色補正テーブルLUTを参照しつつ、各画素ごとにプリンタ22が使用するシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のデータに変換する。こうして色補正されたデータは例えば256階調等の幅で階調値を有している。ハーフトーンモジュールは、ドットを分散して形成することによりプリンタ22でかかる階調値を表現するためのハーフトーン処理を実行する。こうして処理された画像データは、ラスタライザ100によりプリンタ22に転送すべきデータ順に並べ替えられて、最終的な印刷画像データFNLとして出力される。本実施例では、プリンタ22は印刷画像データFNLに従ってドットを形成する役割を果たすのみであり画像処理は行っていない。
次に、図3によりプリンタ22の概略構成を説明する。図示するように、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印刷ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印刷ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
なお、キャリッジモータ24は主走査駆動部として機能し、紙送りモータ23は副走査駆動部として機能する。また、制御回路40は、印刷ヘッド28を駆動するヘッド駆動部として機能するとともに、主走査駆動部と副走査駆動部とヘッド駆動部とを制御する制御部としても機能する。
キャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
なお、このキャリッジ31には、黒インク(Bk)用のカートリッジ71とシアン(C1),ライトシアン(C2)、マゼンタ(M1),ライトマゼンダ(M2)、イエロ(Y)の5色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。シアンおよびマゼンダの2色については、濃淡2種類のインクを備えていることになる。キャリッジ31の下部の印刷ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61ないし66が形成されており、キャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管67(図4参照)が立設されている。キャリッジ31に黒(Bk)インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管67が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし66へのインクの供給が可能となる。
制御回路40は、印刷ヘッド28を駆動するための駆動信号DRVを生成する駆動信号生成回路44を備えている。駆動信号生成回路44は、駆動信号DRVを調整することによって、インクの吐出位置(すなわちドットの記録位置)を主走査方向に変化させる記録位置調整部としての機能を有する。駆動信号生成回路44の内部構成については後述する。
図4は印刷ヘッド28の内部の概略構成を示す説明図である。インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、図4に示すように毛細管現象を利用してインク用カートリッジ内のインクが導入管67を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印刷ヘッド28の各色ヘッド61ないし66に導かれる。なお、初めてインクカートリッジが装着されたときには、専用のポンプによりインクを各色のヘッド61ないし66に吸引する動作が行われるが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印刷ヘッド28を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省略する。
各色のヘッド61ないし66には、後で説明する通り、各色毎に48個のノズルNzが設けられており(図6参照)、各ノズル毎に、電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示したのが、図5である。図5上段に図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路68に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行われる。
図6は、インク吐出用ヘッド61〜66におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。これらのノズルの配置は、各色ごとにインクを吐出する6組のノズルアレイから成っており、48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されている。各ノズルアレイの副走査方向の位置は互いに一致している。なお、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルNzは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配置されていてもよい。但し、図6に示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく設定し易いという利点がある。
プリンタ22は、図6に示した通り一定の径からなるノズルNzを備えているが、かかるノズルNzを用いて径の異なる3種類のドットを形成することができる。この原理について説明する。図7は、インクが吐出される際のノズルNzの駆動波形と吐出されるインクIpとの関係を示した説明図である。図7において破線で示した駆動波形が通常のドットを吐出する際の波形である。区間d2において一旦、マイナスの電圧をピエゾ素子PEに印加すると、先に図5を用いて説明したのとは逆にインク通路68の断面積を増大する方向にピエゾ素子PEが変形するため、図7の状態Aに示した通り、メニスカスと呼ばれるインク界面Meは、ノズルNzの内側にへこんだ状態となる。一方、図7の実線で示す駆動波形を用い、区間d1に示すようにマイナス電圧を急激に印加すると、状態aで示す通りメニスカスは状態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態となる。次に、ピエゾ素子PEへの印加電圧を正にすると(区間d3)、先に図5を用いて説明した原理に基づいてインクが吐出される。このとき、メニスカスがあまり内側にへこんでいない状態(状態A)からは状態Bおよび状態Cに示すごとく大きなインク滴が吐出され、メニスカスが大きく内側にへこんだ状態(状態a)からは状態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴が吐出される。
以上に示した通り、駆動電圧を負にする際(区間d1,d2)の変化率に応じて、ドット径を変化させることができる。また、駆動波形のピーク電圧の大小によってもドット径を変化させることができることは容易に想像できるところである。本実施例では、駆動波形とドット径との間のこのような関係に基づいて、小ドットを形成するための駆動波形と、中ドットを形成するための駆動波形の2種類を用意している。図8に本実施例において用いている駆動波形を示す。駆動波形W1が小ドットを形成するための波形(小ドットパルス)であり、駆動波形W2が中ドットを形成するための波形(中ドットパルス)である。なお、1画素分の主走査期間内において小ドットパルスW1と中ドットパルスW2とを図8のように連続して発生させると、小ドットのインク滴と中ドットのインク滴とが同じ1画素の領域内に着弾するので、大ドットを形成することができる。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23により用紙Pを搬送しつつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ(以下、主走査という)、同時に印刷ヘッド28の各色ヘッド61ないし66のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
なお、本実施例では、既に述べた通りピエゾ素子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタ22を用いているが、吐出駆動素子としては、ピエゾ素子以外の種々のものを利用することが可能である。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプの吐出駆動素子を備えたプリンタに適用することも可能である。
B.実施例における記録位置の調整:
図9は、ドットの主走査方向における記録位置の調整を行わない場合に双方向印刷時に発生するインク滴の主走査方向の着弾位置のずれを示す説明図である。図9の格子は画素領域の境界を示しており、格子で区切られた1つの矩形領域が1画素分の領域に相当する。各画素領域内のドットは、図示しない印刷ヘッド28が主走査方向に沿って移動する際に、印刷ヘッド28によって吐出されるインク滴によって記録される。図9の例では、奇数番目のラスタラインL1、L3、L5は往路で記録され、偶数番目のラスタラインL2,L4は復路で記録される。この際、吐出されるインクの量を画素毎に調整することによって、サイズの異なる3種類のドットのいずれかを1画素の領域に形成することができる。すなわち、比較的少量のインク滴を1画素の領域内に吐出することによって小ドットを形成することができ、比較的多量のインク滴を1画素の領域内に吐出することによって中ドットを形成することができる。また、大ドットは、小ドットを形成するためのインク滴と中ドットを形成するためのインク滴との双方を1画素の領域内に吐出することによって形成することができる。この結果、各画素を4つの階調(ドット無し、小ドット、中ドット、大ドット)で再現可能である。
図9から解るように、双方向印刷では、インク滴の主走査方向の着弾位置は、往路と復路とでそれぞれ異なってしまう。すなわち、小ドットを記録するための比較的少量のインク滴は、往路では画素領域の左半分に着弾し、復路では画素領域の右半分に着弾する。これと反対に、中ドットを記録するための比較的多量のインク滴は、往路では画素領域の右半分に着弾し、復路では画素領域の左半分に着弾する。
図10は、小ドットと中ドットに関する往路と復路の記録位置のズレの分布をそれぞれ示す説明図である。図10(a−1)は、小ドットの記録位置のズレ量Δxの主走査方向の分布を示している。また、図10(a−2)はこれに対応する往路と復路の記録位置を示している。図10(b−1)は、中ドットの記録位置のズレ量Δxの主走査方向の分布を示しており、図10(b−2)はこれに対応する往路と復路の記録位置を示している。図10(a−2),(b−2)において実線で描かれている縦線は、往路と復路とで記録された縦方向(副走査方向)の罫線である。なお、横軸xの方向は往路の方向であり、これは、印刷用紙の桁方向にも相当している。主走査方向に沿った印刷用紙の幅を以下では「主走査幅」あるいは「主走査範囲」と呼ぶ。
図10(a−1)において実線で示されているように、往路と復路の記録位置のズレ量Δxは、主走査方向に沿って変化する。これは、図10(b−1)も同様である。記録位置のズレ量Δxが主走査方向に沿って変化する理由は、ズレ量Δxがプラテンの反り等によっても変化するからである。なお、ズレ量Δxは、往路の記録位置から復路の記録位置を減算した値として定義されている。この例では、小ドットに関する主走査方向のズレ量Δxの分布はマイナスの値を取っており、一方、中ドットに関する主走査方向のズレ量Δxの分布はプラスの値を取っている。双方向印刷装置の機種によっては、図4(a−1),(b−1)とは反対に、小ドットのズレ量がプラスになり、中ドットのズレ量がマイナスになることもある。
ズレ量Δxの分布は印刷装置の機種毎に異なるので、機種毎に実際の印刷物上においてズレ量Δxの分布が測定される。ズレ量Δxの分布は、種々の方法によって測定可能である。例えば、プリンタ22の組立時に往路と復路とでそれぞれ同一のパターン(例えば黒白の縞模様)を印刷し、その印刷結果からズレ量Δxを手動で測定することができる。あるいは、プリンタ22にCCDカメラ等の光学的な読取り装置を設けておき、往路と復路で同一のパターンを印刷しながら自動的にズレ量Δxを測定するようにしてもよい。こうして得られたズレ量Δxの分布から、小ドットのズレ量の平均値Δxave.s と、中ドットのズレ量の平均値Δxave.l とがそれぞれ算出される。
図11は、実施例における駆動信号生成回路44の内部構成を示すブロック図である。この駆動信号生成回路44は、原駆動信号生成回路102と、可変遅延回路104と、遅延量設定回路106と、プログラマブルROM(PROM)108とを備えている。原駆動信号生成回路102は、図8に示したような波形を有する原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、可変遅延回路104で遅延を受けて駆動信号DRVとなり、この駆動信号DRVが印刷ヘッド28に供給される。遅延量設定回路106は、可変遅延回路104の遅延量を設定する機能を有する。
なお、可変遅延回路104と遅延量設定回路106とは、原駆動信号ODRVを調整してドットの記録位置を変化させる狭義の記録位置調整部として機能する。また、PROM108は、記録位置を調整するための調整量を記憶するメモリとして機能する。
PROM108には、小ドットと中ドットの位置ズレを補正するための遅延量設定値ΔTS ,ΔTL がそれぞれ登録されている。これらの遅延量設定値ΔTS ,ΔTL は、例えば、図10(a−1),(b−1)に示した平均ズレ量Δxave.s ,Δxave.l に相当する遅延量を、可変遅延回路104内に設定するための設定値である。すなわち、遅延量設定値ΔTS ,ΔTL は、平均ズレ量Δxave.s ,Δxave.l を印刷ヘッドの主走査方向の駆動速度vで除した遅延量Δxave.s /v,Δxave.l /vを、可変遅延回路104内に設定するための設定値である。
原駆動信号ODRVの遅延量の調整は、往路と復路の少なくとも一方で行なわれる。例えば、図10(a−1),(a−2)に示すような小ドットの位置ズレを補正する場合には、復路において、未調整時よりも−Δxave.s /vだけ遅いタイミングで印刷ヘッド28からインクを吐出させるように、原駆動信号ODRVの遅延量を調整する。また、図10(b−1),(b−2)に示すような中ドットの位置ズレを補正する場合には、復路において、未調整時よりもΔxave.l /vだけ早いタイミングで印刷ヘッド28からインクを吐出させるように、原駆動信号DRVの遅延量を調整する。なお、往路と復路におけるインクの吐出のタイミングは相対的に調整すればよいので、往路と復路の両方において遅延量をそれぞれ調整し、それらの遅延量の違いによる記録位置の差が、位置ズレの適切な補正量に相当するようにしてもよい。
なお、位置ズレの補正量としては、主走査範囲における位置ズレ量の平均値以外の値を使用することも可能である。例えば、位置ズレ量の最大値と最小値の平均値を位置ズレの補正量として使用することができる。
遅延量設定回路106は、画像の種別を示す画像種別信号ITSに応じてPROM108から遅延量設定値ΔT(ΔTS またはΔTL )を読出し、これに応じて可変遅延回路104内の遅延量を設定する。ここで、画像の種別とは、印刷用紙上に記録される1ページ分の画像が「自然画」を比較的多く含む自然画主体画像か、自然画以外の種類の画像(例えば文字やグラフ)を比較的多く含む非自然画主体画像か、を示している。ここで、「自然画」とは写真画像を意味している。自然画主体画像では、小ドットを使用することが多いので、小ドットに関する往復の位置ズレを補正することが好ましい。一方、文字やグラフなどの非自然画主体画像では、中ドットを使用することが多いので、中ドットに関する往復の位置ズレを補正することが好ましい。なお、図9のような3種類のドットを使用する場合には、中ドットに関する往復の位置ズレを補正すれば、大ドットに関する往復の位置ズレも同時に補正することができる。
画像種別信号ITSは、種々の態様で発生させることができる。例えば、オペレータが、コンピュータ90に表示された印刷条件の設定画面において、自然画主体画像か非自然画主体画像かを指定し、この指定に応じて画像種別信号ITSがコンピュータ90からプリンタ22に供給されるようにしてもよい。
あるいは、プリンタドライバ96が、印刷画像データFNL(図2)に応じて画像の種別を自動的に判定し、画像種別信号ITSを生成してこれをプリンタ22に供給するようにしてもよい。多値プリンタでは、1画素当たりの1色分の印刷画像データFNL(以下、「画素値」と呼ぶ)が、複数ビットで構成されている。例えば、図9のように3種類のドットを記録することが可能な場合には、画素値は2ビットで構成されており、0〜3の値を表現可能である。例えば、画素値「0」はドット無しを表し、「1」、「2」、「3」は小ドット、中ドット、大ドットをそれぞれ表す。1ページ分の画像内における3種類のドットの記録の頻度は、3種類のドットを表す画素値(すなわち1〜3)が、1ページ分の画像内にそれぞれいくつ含まれているかを調べることによって容易に判定することができる。プリンタドライバ96は、印刷画像データFNLを作成する際に、1ページ分の画像内における各画素値の頻度をそれぞれ求める。そして、小ドットに対応する画素値の頻度が最も高い場合には、画像種別信号ITSを自然画主体画像であることを示すレベルに設定する。一方、中ドットまたは大ドットに対応する画素値の頻度が最も高い場合には、画像種別信号ITSを非自然画主体画像であることを示すレベルに設定する。なお、大ドットに対応する画素値の頻度が最も高い場合には、小ドットと中ドットの中間的な遅延量(すなわち中間的な位置ズレ補正量)を用いることを示すレベルに画像種別信号ITSを設定するようにしてもよい。この場合には、PROM108内にも、この中間的な遅延量を示す遅延量設定値が予め登録される。
画素値の頻度を求める処理の対象となるインクは、比較的濃度の高いインクに限定してもよい。例えば、印刷装置が、濃シアン(DC)、淡シアン(LC)、濃マゼンタ(DM)、淡マゼンタ(LM)、イエロー(Y)、ブラック(K)の6色のインクを利用可能な場合には、濃シアン(DC)と、濃マゼンタ(DM)と、ブラック(K)と、の比較的濃度の高い3色のインクのみを画素値の頻度を求める処理の対象として選択することができる。そして、これらの3色のインクに関する画素値の頻度の和を取り、この頻度の和に従って画像種別信号ITSを生成することができる。このように、比較的濃度の高いインクについてのみ画素値の頻度を求め、これらの頻度の和から画像種別信号ITSを生成するようにすれば、目立ち易いドットについての位置ズレを主として解消することができる。
なお、画素値の頻度に基づいて画像種別信号ITSを決定する際には、頻度そのものではなく、頻度を示す他の統計的な指標値を用いることも可能である。
このように、上記実施例では、小ドットと中ドットに対する適切な位置ズレの補正量をそれぞれ求めておき、そのいずれかを選択して往路と復路のドットの記録位置を補正するようにしたので、選択されたドットに関して往路と復路における記録位置のズレを緩和することができる。すなわち、小ドットが多く用いられる場合には小ドットの位置ズレを減少させるように記録位置を補正しているので、小ドットが比較的多い画像の画質を向上させることができる。また、中ドットが多く用いられる場合には中ドットの位置ズレを減少させるように記録位置を補正しているので、中ドットが比較的多い画像の画質を向上させることができる。
上記実施例では、駆動信号DRVの遅延量を調整することによってドットの記録位置のズレを補正していたが、この代わりに、原駆動信号生成回路102における原駆動信号ODRVのパルスの発生タイミングを遅延させるようにしてもよい。一般には、選択された1種類のドットに関する記録位置のズレを減少させるように、往路と復路の少なくとも一方において駆動信号DRVのパルスの発生タイミングを調整するようにすればよい。
C.他の実施例:
上記実施例のように駆動信号DRVを遅延させる代わりに、駆動信号DRVの周波数を調整することによって駆動信号DRVのパルスの発生タイミングを調整し、ドットの位置ズレを減少させることも可能である。図12は、駆動信号DRVの周波数を調整することによってドットの位置ズレを減少させる方法を示す説明図である。図12(a)は、補正を行わない場合の記録位置のズレ量Δxの主走査方向の分布を示している。また、図12(b)はこれに対応する往路と復路の記録位置(画素位置)のズレを示している。図12(a)では、主走査方向に沿ったズレ量Δxの分布が上に凸であり、また、主走査幅Lmax のほぼ中央で正の値を取り、両端で負の値を取るような極端な場合を仮定している。
図12(c)は、図12(a)のズレ量を補正するための理想的な補正量δの分布を示している。また、図12(d)は補正されてズレ量Δxがほぼゼロになったときの往路と復路の記録位置を示している。理想的な補正量δは、図12(a)に示すズレ量Δxの分布の正負の符号を反転したものである。
図12(e)は、本実施例において記録位置のズレを補正するために用いられる駆動信号DRVの周波数fDRV の変化を示している。主走査幅Lmax は、ほぼ等間隔の5つの領域R1〜R5に区分されており、各領域毎に駆動信号DRVの周波数fDRV の値が個別に設定されている。なお、L1〜L4は、領域の境界の位置を示している。図12(c)の補正量δがゼロに近い領域R2,R4では周波数fDRV は標準値f2に設定され、補正量δが負の領域R3では周波数fDRV が標準値f2よりも大きな値f3に、また、補正量δが正の領域R1,R5では周波数fDRV が標準値f2よりも小さな値f1に設定されている。印刷ヘッド28におけるインクの吐出タイミングは、駆動信号DRVの周波数に依存している。従って、周波数fDRV が高いほどインク吐出の周期は短くなり、主走査方向におけるドット同士の距離が小さくなる。周波数fDRV の変化によるドットの記録位置の変化と、位置ズレの補正との関係については後述する。
図12(e)のように、駆動信号DRVの周波数fDRV を主走査範囲を区分した複数の領域毎に個別に設定するようにすれば、理想的な補正量δを近似的に実現することができる。なお、駆動信号生成回路44(図3)の能力が許せば、駆動信号DRVの周波数をほぼ連続的に変化させるようにしてもよい。但し、図12(e)に示すように、周波数fDRV を階段状に変化させる方が回路構成が単純になるという利点がある。
図12(e)に示すような周波数の変化を復路において適用し、往路では周波数fDRV を一定値(例えば標準値f2)に保つことによって、ズレ量Δxがほぼゼロになるように記録位置を補正することができる。あるいは、往路において周波数fDRV を調整し、復路においては周波数fDRV を一定値に保つようにしてもよい。また、往路と復路の両方で周波数を調整するようにしてもよい。すなわち、一般には、往路と復路の少なくとも一方で、駆動信号DRVの周波数fDRV を調整するようにすればよい。
なお、キャリッジモータ24を駆動する主走査駆動信号の周波数は、往路と復路とで同じ一定値に保たれる。従って、印刷ヘッド28の駆動信号DRVの周波数fDRV を図12(e)のように変化させれば、これに応じて主走査方向の記録位置(インクの吐出位置)が変化する。但し、主走査駆動信号の周波数を変化させることによっても、双方向印刷時の記録位置のズレを補正することが可能である。
さて、周波数fDRV の変化によるドットの記録位置の変化と、位置ズレの補正との関係は以下のようになる。前述したように、周波数fDRV が高いほどドット同士の距離が小さくなる。図12(e)の1番目と5番目の領域R1,R5では周波数fDRV が比較的低いので、ドット同士の距離が比較的大きくなり、復路の記録位置は図12(b)に比べてマイナスx方向にずれることになる。一方、3番目の領域R3では周波数fDRV が比較的高いので、ドット同士の距離は比較的小さくなり、復路の記録位置は図12(b)に比べてプラスx方向にずれることになる。この結果、図12(d)に示すように、往路と復路の記録位置がほぼ一致するように復路の記録位置が補正される。なお、往路において周波数fDRV を調整する場合にも、図12(e)と同様の分布で周波数fDRV を変化させればよい。
図13は、原駆動信号ODRVの発生の際に使用されるクロック信号を発生する回路の構成を示すブロック図である。このクロック信号発生回路46は、基準クロック生成回路112と、分周器114と、パラメータ設定回路118と、PROM120とを備えている。基準クロック生成回路112で生成された基準クロック信号RCLKは、分周器114で1/nに分周されてクロック信号CLKとなる。原駆動信号生成回路102は、このクロック信号CLKに同期して、図8に示したような波形を有する原駆動信号ODRVを生成する。従って、クロック信号CLKの周波数を調整することによって、原駆動信号ODRVおよび駆動信号DRVの周波数を調整することができる。
PROM120は、各領域R1〜R5における分周比nの値と、領域間の境界の位置L1〜Lmax (または各領域の幅)とを記憶している。パラメータ設定回路118は、分周器114における分周比nの設定を変更することによって、図12(e)に示す周波数変化を実現する。パラメータ設定回路118は、分周器114から出力されたクロック信号CLKのパルス数をカウントする図示しないカウンタを有しており、このカウンタのカウント値と領域間の境界の位置L1〜Lmax との比較(またはカウント値と各領域の幅との比較)を行うことによって、キャリッジ31の現在の主走査位置が5つの領域R1〜R5のうちのいずれであるかを判断する。なお、キャリッジ31の原点位置は、位置検出センサ39(図3)から制御回路40に供給される信号によって予め決定されている。パラメータ設定回路118は、キャリッジ31の主走査位置を含む領域に対応する分周比nをPROM120から読み出して分周器114に設定する。
なお、パラメータn,L1〜Lmax は、小ドットと中ドットについてそれぞれ予め決定されて、PROM120内に格納されている。パラメータ設定回路118は、画像種別信号ITSに応じて小ドットと中ドットのいずれか一方のパラメータを読み出し、これに応じて分周比nを分周器114に設定する。
このように、このクロック発生回路46では、基準クロック信号RCLKを分周するための分周比nを各領域毎に変更するだけで、各領域に適した周波数を有するクロック信号CLKを容易に得ることができ、このクロック信号CLKと同じ周波数を有する駆動信号DRVを生成することができる。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)図8の例では、小ドットと中ドットを記録するための駆動信号の波形が異なるものとしていたが、例えば小ドットの波形を連続して2回発生させることによって中ドットを記録するようにしてもよい。
(2)上記実施例では、小ドットと中ドットの2種類のドットについて、位置ズレの補正のための調整量をそれぞれ決定しておき、その一方を使用して往路と復路のドットの位置ズレを補正していたが、3種類以上のドットを対象として位置ズレを補正するようにしてもよい。例えば、図9のように、サイズの異なる3種類のドットを記録可能な場合には、これらの3種類のドットに関してそれぞれ位置ズレの補正のための調整量をそれぞれ決定して、その中の1つを選択して用いるようにしてもよい。一般に、1画素領域内に大きさが異なる複数種類のドットのいずれかを記録可能な場合に、その中の少なくとも2種類のドットに関して位置ズレの補正のための調整量を設定すればよい。
(3)本発明は、インク滴を吐出する方法や装置に限らず、他の手段でドットを記録する方法や装置にも適用可能である。すなわち、本発明は、1回の主走査の間に、各ノズルが主走査ライン上の各画素領域内において、大きさが異なる複数種類のドットのいずれかを選択的に記録可能な方法や装置に適用可能である。ここでは、往路の主走査と、復路の主走査とを、それぞれ1回の主走査であると定義している。
(4)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図11に示した駆動信号生成回路44の一部の機能をソフトウェアによって実現することも可能である。
実施例の双方向印刷装置の概略構成図。 ソフトウェアの構成を示す説明図。 実施例のプリンタの概略構成図。 実施例のプリンタのドット記録ヘッドの概略構成を示す説明図。 実施例のプリンタにおけるドット形成原理を示す説明図。 実施例のプリンタにおけるノズル配置例を示す説明図。 実施例のプリンタにおけるノズル配置の拡大図および形成されるドットとの関係を示す説明図。 径の異なるドットを形成する原理を説明する説明図。 位置調整を行わない場合に双方向印刷時に発生するインク滴の着弾位置のずれを示す説明図。 小ドットと中ドットに関する往路と復路の記録位置のズレの分布を示す説明図。 駆動信号生成回路44の内部構成を示すブロック図。 駆動信号DRVの周波数を調整することによって、主走査方向におけるドットの記録位置を調整する方法を示す説明図。 原駆動信号生成回路102内において使用されるクロック信号発生回路の構成を示すブロック図。
符号の説明
12…スキャナ
14…キーボード
15…フレキシブルドライブ
16…ハードディスク
18…モデム
21…CRTディスプレイ
22…カラープリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
44…駆動信号生成回路
46…クロック信号発生回路
61〜66…インク吐出用ヘッド
67…導入管
68…インク通路
71,72…インク用カートリッジ
80…バス
81…CPU
82…ROM
83…RAM
84…入力インターフェイス
85…出力インタフェース
86…CRTC
88…SIO
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換モジュール
98…色補正モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100…ラスタライザ
102…原駆動信号生成回路
104…可変遅延回路
106…遅延量設定回路
108…PROM
112…基準クロック生成回路
114…分周器
118…パラメータ設定回路
120…PROM

Claims (15)

  1. 主走査を往復で双方向に行いつつ、印刷画像信号に応じて印刷媒体上に画像を印刷する双方向印刷機能を有する双方向印刷装置であって、
    前記印刷媒体上の各画素領域内に、大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な印刷ヘッドと、
    前記印刷媒体と前記印刷ヘッドの少なくとも一方を移動させることによって双方向の主走査を行う主走査駆動部と、
    前記印刷媒体と前記印刷ヘッドの少なくとも一方を移動させることによって副走査を行う副走査駆動部と、
    前記印刷ヘッドに駆動信号を与えて前記印刷媒体上に印刷を行わせるヘッド駆動部と、
    前記の各部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記複数種類のドットの中の少なくとも2種類のドットに関して、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを減少させるための調整値をそれぞれ記憶するメモリと、
    前記少なくとも2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する前記調整値を用いて、前記複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整する記録位置調整部と、
    を備える双方向印刷装置。
  2. 請求項1記載の双方向印刷装置であって、
    前記記録位置調整部は、
    往路と復路における前記選択された1種類のドットの主走査方向の記録位置のズレを減少させるように、往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整する、双方向印刷装置。
  3. 請求項2記載の双方向印刷装置であって、
    前記記録位置調整部は、
    往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号を遅延させることによって、前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整する、双方向印刷装置。
  4. 請求項2記載の双方向印刷装置であって、
    前記記録位置調整部は、
    往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号の周波数を主走査方向に沿って変化させることによって、前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整する、双方向印刷装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の双方向印刷装置であって、
    前記記録位置調整部は、
    前記印刷画像信号で表される画像の種別を示す画像種別情報に応じて、前記少なくとも2種類のドットの中から1種類のドットを選択し、選択された1種類のドットに対する前記調整値を使用する、双方向印刷装置。
  6. 請求項5記載の双方向印刷装置であって、
    前記画像種別情報は、1ページ内に自然画を主体として含む自然画主体画像と、1ページ内に自然画以外の画像を主体として含む非自然画主体画像と、を少なくとも区別する情報を含み、
    前記制御部は、前記自然画主体画像を記録する際には比較的小さいドットに関する記録位置のズレを減少させるように前記複数種類のドットの主走査方向の記録位置を調整するとともに、前記非自然画主体画像を記録する際には比較的大きいドットに関する記録位置のズレを減少させるように前記複数種類のドットの主走査方向の記録位置を調整する、双方向印刷装置。
  7. 請求項5記載の双方向印刷装置であって、
    前記画像種別情報は、1ページ内に記録される前記複数種類のドットの頻度を示す統計的な指標値に応じて決定される、双方向印刷装置。
  8. 印刷媒体上の各画素領域内に、大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な印刷ヘッドを用いて、主走査を往復で双方向に行いつつ、印刷画像信号に応じて前記印刷媒体上に画像を印刷する双方向印刷方法であって、
    前記複数種類のドットの中の少なくとも2種類のドットに関して、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを減少させるための調整値をそれぞれ予め設定しておき、
    前記少なくとも2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する前記調整値を用いて、前記複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整することを特徴とする双方向印刷方法。
  9. 請求項8記載の双方向印刷方法であって、
    往路と復路における前記選択された1種類のドットの主走査方向の記録位置のズレを減少させるように、往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整する、双方向印刷方法。
  10. 請求項9記載の双方向印刷方法であって、
    往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号を遅延させることによって、前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整する、双方向印刷方法。
  11. 請求項9記載の双方向印刷方法であって、
    往路と復路の少なくとも一方において前記駆動信号の周波数を主走査方向に沿って変化させることによって、前記駆動信号のパルスの発生タイミングを調整する双方向印刷方法。
  12. 請求項8ないし11のいずれかに記載の双方向印刷方法であって、
    前記印刷画像信号で表される画像の種別を示す画像種別情報に応じて、前記少なくとも2種類のドットの中から1種類のドットを選択し、選択された1種類のドットに対する前記調整値を使用する、双方向印刷方法。
  13. 請求項12記載の双方向印刷方法であって、
    前記画像種別情報は、1ページ内に自然画を主体として含む自然画主体画像と、1ページ内に自然画以外の画像を主体として含む非自然画主体画像と、を少なくとも区別する情報を含み、
    前記自然画主体画像を記録する際には比較的小さいドットに関する記録位置のズレを減少させるように前記複数種類のドットの主走査方向の記録位置を調整するとともに、前記非自然画主体画像を記録する際には比較的大きいドットに関する記録位置のズレを減少させるように前記複数種類のドットの主走査方向の記録位置を調整する、双方向印刷方法。
  14. 請求項12記載の双方向印刷方法であって、
    前記画像種別情報は、1ページ内に記録される前記複数種類のドットの頻度を示す統計的な指標値に応じて決定される、双方向印刷方法。
  15. 印刷媒体上の各画素領域内に、大きさが異なる複数種類のドットを記録することが可能な印刷装置を備えたコンピュータに、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷画像信号に応じて前記印刷媒体上に画像を印刷させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記複数種類のドットの中の少なくとも2種類のドットに関して、往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを減少させるために予め設定された調整値の中で、前記少なくとも2種類のドットの中から選択された1種類のドットに対する前記調整値を選択し、選択された前記調整値を用いて前記複数種類のドットの往路と復路における主走査方向の記録位置を調整する機能を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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