JP2001150702A - 印刷装置、印刷方法、および記録媒体 - Google Patents

印刷装置、印刷方法、および記録媒体

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JP2001150702A
JP2001150702A JP34226399A JP34226399A JP2001150702A JP 2001150702 A JP2001150702 A JP 2001150702A JP 34226399 A JP34226399 A JP 34226399A JP 34226399 A JP34226399 A JP 34226399A JP 2001150702 A JP2001150702 A JP 2001150702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷画像の粒状感の改善を改善するために、
低階調から中階調にかけての中間階調領域で小さなドッ
トの形成割合をあまりに増加させると擬似輪郭が発生
し、十分に高画質の画像が得られない場合があった。 【解決手段】 かかる擬似輪郭の発生は、大きさの異な
る2種類以上のドットを形成可能な印刷装置において、
最も大きなドットを除く単一種類のドットが全画素に形
成される領域で発生することが見出された。そこで、最
も大きなドットを除く各ドットについては、ドットの形
成割合であるドット記録率が100%とならないように
設定し、該設定されたドット記録率に基づいて各ドット
の形成有無を判断する。こうすれば、中間階調領域でド
ット記録率が100%、すなわち単一種類のドットが全
画素に形成されることはないので、中間階調領域におけ
る擬似輪郭の発生を回避して、高画質の印刷画像を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録媒体上にド
ットを形成して各種の画像を印刷する技術に関し、詳し
くは大きさの異なるドットを形成して印刷される自然画
像の画質を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等から出力される各種画像
の出力機器として、記録媒体上にインクのドットを形成
することによって画像を印刷する方式の印刷装置が広く
使用されている。これら印刷装置は、ドットを形成する
か否かの2つの状態しか採り得ないが、ドットの形成を
制御することによって、幅広い階調表現を伴う自然画像
を印刷することが可能である。
【0003】ドットを形成するか否かの2つの状態しか
採り得ない印刷装置を用いて、階調値が連続的に変化す
る自然画像を印刷することができるのは、表現しようと
する階調値に応じてドットの形成密度を変化させている
からである。例えば、記録紙全面に黒いドットを形成し
た状態から少しずつドットを間引いていく場合、初めは
真黒であった記録紙の色がドットを間引くにつれて次第
に灰色に変化していく。このように、表現しようとする
階調値に応じてドットの形成密度を制御すれば、幅広い
階調値を用いて表現された自然画像を印刷することが可
能となる。
【0004】かかる方法では、表現しようとする階調値
が低くなりドットの形成密度が低くなるにつれて、ドッ
トが目立ち易くなって画像の粒状感が悪化する問題が生
じる。この問題を解決する1つの手段として、目立ち易
い大きなドットを、より目立ちにくい小さなドットで置
き換える方法が用いられる。1個の大ドットが表現する
階調値とn個の小ドットが表現する階調値とが同じにな
るとすれば、大ドット1個を常に小ドットn個で置き換
えることによって、階調値を同一に保ったまま粒状感を
改善することができる。尚、階調値が更に低くなり、小
さなドットでも目立つような低階調領域では、粒状感を
改善するために小さなドットを更に小さなドットで置き
換える手法も採用可能である。
【0005】粒状感を改善するためには、低階調値領域
で形成される大ドットはできるだけ少ない方がよく、大
ドットをより小ドットで可能な限り置き換えることが望
ましい。すなわち、大ドットが残っている限り、あるい
は全ての画素に小ドットが形成されてそれ以上小ドット
を増やせなくなるまで、小ドットの形成割合を増加させ
ればそれだけ粒状感が改善される。大きなドットを小さ
なドットで置き換えたとしても、記録紙に打ち込まれる
インク量はほとんど変わらないので、いわゆるインクデ
ューティの制限、すなわちインク打ち込み量が所定量以
下に制限される制約を受けることなく、小さなドットの
形成割合を増加させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低階調値から
中階調値にかけての中間階調領域で、小さなドットの形
成割合をあまりに増加させると、粒状感が改善されるに
もかかわらず、画質の低下を引き起こす場合があること
が見出された。このため、中間階調領域における画質が
十分に高画質とならない場合があった。
【0007】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、中間階調領域に
おいて高画質の印刷を可能とする技術を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、
次の構成を採用した。すなわち、本発明の印刷装置は、
大きさの異なる2種類以上のドットが形成可能であり、
ドットの形成割合であるドット記録率が画像の階調値に
応じて定められた所定値となるように、該それぞれのド
ットの形成を制御することによって、幅広い階調の自然
画像を表現可能な印刷装置であって、画像の階調値と前
記各ドットのドット記録率との対応付けに関して、最も
大きなドットを除く前記各ドットについては、全ての画
素に該ドットを形成可能な条件においても、該ドットの
形成されない少数の画素を残して対応づける対応付け手
段と、前記画像を構成する画素の階調値に応じて、前記
対応付け手段に基づいて前記各ドットのドット記録率を
決定するドット記録率決定手段と、該決定されたドット
記録率となるように、該画素における前記各ドットの形
成有無を判断するドット形成判断手段と、該判断結果に
基づいて、前記各ドットを形成するドット形成手段とを
備えることを要旨とする。
【0009】また、上記印刷装置に対応する本発明の印
刷方法は、大きさの異なる2種類以上のドットが形成可
能であり、ドットの形成割合であるドット記録率が画像
の階調値に応じて定められた所定値となるように、該そ
れぞれのドットの形成を制御することによって、幅広い
階調の自然画像を表現する印刷方法であって、画像の階
調値と前記各ドットのドット記録率との対応付けに関し
て、最も大きなドットを除く前記各ドットについては、
全ての画素に該ドットを形成可能な条件においても、該
ドットの形成されない少数の画素を残して対応づけて記
憶しておき、前記画像を構成する画素の階調値に応じ
て、前記対応付け手段に基づいて前記各ドットのドット
記録率を決定し、該決定されたドット記録率となるよう
に、該画素における前記各ドットの形成有無を判断し、
該判断結果に基づいて、前記各ドットを形成することを
要旨とする。
【0010】かかる印刷装置および印刷方法は、主に中
間階調領域における画質の悪化を防止する技術に関する
発明であり、本願の発明者は、このような画質の悪化と
ドットの形成密度との関係に着目することによって本願
発明を完成させた。そこで、本願の印刷装置および印刷
方法の作用・効果について説明する前に、本願発明者が
着目した画質の悪化とドットの形成密度との関係につい
て説明する。
【0011】前述したように、記録媒体上にドットを形
成して画像を印刷する印刷装置においては、ドットの形
成密度を制御することによって幅広い階調値を表現して
いる。また、低階調値から中階調値にかけての中間階調
領域では、まばらに形成されるドットが目立って粒状感
の悪い画像となることを回避するために、大きなドット
を、より小さな複数の中ドットあるいは小ドットで置き
換えて画像を印刷している。従って、中間階調領域で階
調値が連続的に変化する画像を印刷しようとする場合、
記録媒体上に形成される小ドットあるいは中ドットの密
度も連続的に変化することになる。
【0012】ところが、高い密度で形成されているドッ
トの分布状況を、視覚により認識する場合、人間の認識
は次のような特性を示す。例えば、ドットの形成密度が
90%から数%増減したとしても、このドット密度の変
化を人間は明確に認識することは通常困難である。つま
り、ドット形成密度を90%から数%増減してもドット
の形成されない画素の割合が少し増減するだけであり、
このような変化が生じた境界を視覚によって明確に認識
することは困難なのである。
【0013】これに対して、ドットの形成密度を100
%の状態から減少させる場合は、わずかな減少でも、人
間は明確に認識することができる。例えば、形成密度を
100%から97%に減少させる場合、全ての画素にド
ットが形成されている状態(形成密度100%)から所
々にドットの形成されない画素が存在するような状態
(形成密度97%)に変化する。記録媒体上の画像に則
して考えれば、全画素にドットが形成されている領域
と、所々ドットの形成されていない領域とが隣接して存
在していることになり、このような領域の境界を人間は
視覚によって明確に認識することが可能である。
【0014】以上は、ドットの形成密度が減少する場合
を例にとって説明したが、ドットの形成密度が増加する
場合にも同様なことがあてはまる。すなわち、ドットの
形成密度を徐々に増加させる場合、全ての画素にドット
が形成される状態(ドットの形成密度100%)になら
ない限りは、ドット密度が自然に増加しているようにし
か見えない。しかし、全ての画素にドットが形成される
領域が現れると、その領域と他の領域との間に明確な境
界があるかのように認識されるのである。
【0015】上述のような人間の視覚による認識特性を
考慮すれば、主に中間階調領域で画質が低下する現象
は、ドットの形成密度と密接な関係を有するものと考え
られる。すなわち、前述したように低階調から中階調に
かけての中間階調領域では、粒状感の悪化を回避するた
めに、小ドットあるいは中ドットは、通常、できるだけ
高い密度で形成されている。中間階調領域で階調が連続
的に変化するような画像を印刷する場合には、小ドット
・中ドットのドット形成密度も連続的に変化している。
その結果、小ドットあるいは中ドットの形成密度が10
0%に相当するような状態、つまり全画素にドットが形
成されている領域が現れると、この領域とそうでない領
域との境界が明確に認識され、この境界部分でいわゆる
擬似輪郭が発生して印刷画質を低下させるのである。
【0016】本願発明の印刷装置および印刷方法は、上
述のような画質の悪化とドットの形成密度との関係に着
目して完成されたものであり、以下に述べる作用によっ
て、画質の低下を回避し高画質の印刷を可能としてい
る。
【0017】本願の印刷装置および印刷方法では、画像
の階調値と形成可能な各種ドットのドット記録率との対
応付けに関して、最も大きなドットを除く前記各ドット
については、全ての画素に形成可能な条件においても、
該ドットの形成されない少数の画素が残るように対応付
けられている。本願の印刷装置および印刷方法において
は、このように対応付けられたドット記録率に基づい
て、各種ドットのドットの形成有無を判断し、該判断結
果に従ってドットを形成している。このため、中間階調
領域においてドットの形成密度が100%相当となるこ
とが無く、擬似輪郭の発生に伴う画質の低下を回避して
高画質の印刷が可能となる。
【0018】かかる印刷装置においては、形成可能な各
ドットについて、該ドットを全ての画素に形成して表現
される階調値および該階調値より高い階調領域におい
て、該ドットが形成されない少数の画素を常に残るよう
に対応付けるようにしてもよい。形成可能な各ドットに
ついて、該ドットを全ての画素に形成して表現される階
調値よりも高階調領域では、該ドットの形成密度が10
0%相当になりうるので、かかる階調領域で該ドットの
形成されない画素が少数残るようにすれば、擬似輪郭の
発生に伴う画質の低下を回避することができる。
【0019】本発明の印刷方法は、大きさの異なる2種
類以上のドットを形成可能な印刷装置と該印刷装置のド
ット形成判断を行うコンピュータとを組合せ、該コンピ
ュータが、上述したような階調値とドット記録率との対
応関係に基づいて、ドットの形成を判断することによっ
ても実現しうる。従って本発明には、かかる方法でドッ
トの形成を制御するプログラムをコンピュータで読み取
り可能に記憶した記録媒体としての態様も含まれてい
る。すなわち、本発明に印刷装置に対応する記録媒体
は、大きさの異なる2種類以上のドットについて、ドッ
ト記録率と画像の階調値との対応関係を参照してドット
の形成を制御するプログラムを、コンピュータに読み取
り可能に記録した記録媒体であって、最も大きなドット
を除く前記各ドットについては、全ての画素に該ドット
を形成可能な条件においても、該ドットの形成されない
少数の画素を残して対応づける対応関係を、前記プログ
ラムと共に記録したことを要旨とする。
【0020】かかる記録媒体に記憶された画像の階調値
とドット記録率との対応関係と、該対応関係を参照して
ドットの形成を制御するプログラムとをコンピュータに
読み込み、該コンピュータで各ドットの形成を判断する
ことによって、主に中間階調領域での擬似輪郭の発生を
回避し高画質の印刷を可能とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】A.装置の構成 本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図
1は、本発明の実施例において使用される印刷装置の構
成を示す説明図である。図示するように、この印刷装置
は、コンピュータ80にカラースキャナ21とカラープ
リンタ20とが接続されており、コンピュータ80に所
定のプログラムがロードされ実行されることによって、
全体として印刷装置として機能する。印刷しようとする
カラー原稿は、コンピュータ80が認識可能なカラー画
像データORGにカラースキャナ21で変換された後、
コンピュータ80に入力される。コンピュータ80は、
所定の画像処理を行って、カラー画像データORGをプ
リンタで印刷可能な画像データに変換し、カラープリン
タ20に出力する。コンピュータ80が扱う画像データ
には、カラースキャナ21で取り込んだ画像の他に、コ
ンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム
91により作成した画像や、カラースキャナ21から取
り込んだ画像に加工を加えた画像等も用いられる。これ
ら画像データの変換結果は、プリンタで印刷可能な画像
データFNLとして、カラープリンタ20に出力され、
この画像データFNLに従って、カラープリンタ20は
印刷用紙上に各色のインクドットを形成する。この結
果、コンピュータ80から出力されたカラー画像データ
に対応したカラー画像が、印刷用紙上に得られることに
なる。
【0022】コンピュータ80は、各種の演算処理を実
行するCPU81・ROM82・RAM83・入力イン
ターフェース84・出力インターフェース85・CRT
コントローラ(CRTC)86・ディスクコントローラ
(DDC)87・シリアル入出力インターフェース(S
IO)88等から構成されており、これらはバス89で
接続されて相互にデータのやり取りが可能となってい
る。CRTC86はカラー表示可能なCRT23への信
号出力を制御し、DDC87はフレキシブルディスクド
ライブ25やハードディスク26あるいは図示しないC
D−ROMドライブ等とのデータのやり取りを制御す
る。ROM82やハードディスク26には、RAM83
にロードされCPU81で実行される各種のプログラム
や、デバイスドライバの形式で提供される各種のプログ
ラムが記憶されている。また、SIO88をモデム24
を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネ
ットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプロ
グラムをハードディスク26にダウンロードすることが
可能となる。
【0023】コンピュータ80に電源を投入すると、R
OM82およびハードディスク26に記憶されていたオ
ペレーティングシステムが起動し、オペレーティングシ
ステムの管理の下で、各種アプリケーションプログラム
91が動くようになっている。
【0024】カラープリンタ20は、カラー画像の印刷
が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上に
シアン・マゼンタ・イエロ・ブラックの合計4色のイン
クを吐出することによってカラー画像を印刷するインク
ジェットプリンタを使用している。もちろん、これら4
色インクの他に、ライトシアン・ライトマゼンタのイン
クを加えた合計6色のインクを使用するカラープリンタ
であっても構わない。但し、本発明はインクを吐出して
ドットを形成するカラープリンタに限定されるものでは
なく、例えば昇華型あるい溶融型の熱転写方式でドット
を形成するカラープリンタであっても構わない。また、
本実施例で使用したインクジェットプリンタのインク吐
出方式は、後述するようにピエゾ素子PEを用いる方式
を採用しているが、他の方式によりインクを吐出するヘ
ッドを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例え
ば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路
内に発生する泡(バブル)によってインクを吐出する方
式のプリンタに適用するものとしてもよい。
【0025】また、本実施例のカラープリンタ20はバ
リアブルドットプリンタ、すなわち大きさの異なる大・
中・小の3種類のドットを、各色毎に形成することが可
能なプリンタである。バリアブルドットプリンタを使用
して、形成するドットの大きさを変えれば、ドット毎に
多値の階調を表現することが可能となるので、豊かな階
調表現の画像を印刷することができる。尚、本実施例の
カラープリンタ20は、インクの吐出方法を工夫するこ
とによって、単一のインク吐出ノズルを用いて3種類の
大きさのドットを形成している。かかるインクの吐出方
法については後述する。また、インク吐出方法の説明か
ら明らかな通り、ドットの大きさは3種類に限られるも
のではなく、大小2種類のドットを形成するものであっ
ても、更には4種類以上のドットを形成するものであっ
ても構わない。
【0026】図2は、本印刷装置のソフトウェアの構成
を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80に
おいては、すべてのアプリケーションプログラム91は
オペレーティングシステムの下で動作する。オペレーテ
ィングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタド
ライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプ
ログラム91から出力される画像データは、これらのド
ライバを介して、カラープリンタ20に出力される。画
像の加工を行うレタッチ等のアプリケーションプログラ
ム91は、カラースキャナ21から取り込んだ画像をビ
デオドライバ90を介してCRT23に表示させ、画像
を確認しながら所定の加工を行うことができる。
【0027】アプリケーションプログラム91が印刷命
令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ9
2は、アプリケーションプログラム91から画像データ
を受け取って所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可
能な画像データに変換する。図2に概念的に示すように
プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変換モ
ジュール93と、色変換モジュール94と、多値化モジ
ュール95と,インターレースモジュール96の大きく
4つのモジュールから構成されている。各モジュールで
行う画像処理の内容は後述するが、プリンタドライバ9
2が受け取った画像データはこれらモジュールで変換さ
れた後、最終的な画像データFNLとしてカラープリン
タ20に出力される。尚、本実施例のカラープリンタ2
0は、画像データFNLに従ってドットを形成する役割
を果たすのみであり画像処理は行っていないが、もちろ
ん、カラープリンタ20で画像変換の一部を行うもので
あってもよい。
【0028】図3に、本実施例のカラープリンタ20の
概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示する
ように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を
駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、
このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプ
ラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモー
タ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路
60とから構成されている。キャリッジ40をプラテン
36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸
と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持す
る摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の
駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ4
0の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成
されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン3
6と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、
図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転
をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレ
イン(図示省略)とから構成されている。制御回路60
は、プリンタの操作パネル59と信号をやり取りしつ
つ、紙送りモータ35やキャリッジモータ30、印字ヘ
ッド41の動きを適切に制御している。カラープリンタ
20に供給された印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補
助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテ
ン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0029】キャリッジ40には黒(K)インクを収納
するインクカートリッジ42と、シアン(C)・マゼン
タ(M)イエロ(Y)のインクを収納するインクカート
リッジ43とが装着されている。もちろん、Kインクと
Yインクとを同じインクカートリッジに収納させる等し
てもよい。どのような組合せにしろ複数のインクを1つ
のカートリッジに収納可能とすれば、キャリッジ40を
コンパクトに構成することができる。キャリッジ40の
下部にある印字ヘッド41には、K・C・M・Yの各イ
ンクに対して、インク吐出用ヘッド44・45・46・
47がそれぞれ形成されている。キャリッジ40の底部
には図示しない導入管が各インク毎に立設されており、
キャリッジ40にインクカートリッジを装着すると、カ
ートリッジ内の各インクは導入管を通じて、それぞれの
インク吐出用ヘッド44ないし47に供給される。各ヘ
ッドに供給されたインクは、以下に説明する方法によっ
て印字ヘッド41から吐出され、印刷用紙上にドットを
形成する。
【0030】図4(a)は各色ヘッドの内部構造を示し
た説明図である。各色のインク吐出用ヘッド44ないし
47には、各色毎に48個のノズルNzが設けられてい
て、各ノズルには、インク通路50とその通路上にピエ
ゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは周知の
ように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速
に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施
例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所
定時間幅の電圧を印可することにより、図4(b)に示
すようにピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、
インク通路50の一側壁を変形させる。この結果、イン
ク通路50の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて伸縮
し、この収縮分に相当するインクが粒子Ipとなってノ
ズルNzから高速で吐出される。このインクIpがプラ
テン36に装着された印刷用紙Pに染み込むことによ
り、印刷用紙Pの上にドットが形成される。
【0031】図5は、インク吐出用ヘッド44ないし4
7におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明
図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面
には、各色毎のインクを吐出する6組のノズルアレイが
形成されており、1組のノズルアレイ当たり48個のノ
ズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されて
いる。尚、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルN
zは千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配
列されていてもよい。ただし、図5(a)に示すように
千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく
設定し易いという利点がある。
【0032】図5に示すように、各色のインク吐出用ヘ
ッド44ないし47は、キャリッジ40の搬送方向にヘ
ッドの位置がずれている。また、各色ヘッド毎のノズル
に関しても、ノズルが千鳥状に配置されている関係上、
キャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。カラー
プリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40を搬送
しながらノズルを駆動する際に、ノズルの位置の違いに
よるヘッド駆動タイミングの違いを考慮しながら、適し
たタイミングでそれぞれのヘッドを駆動している。
【0033】本実施例のカラープリンタ20は、図5に
示したように一定径のノズルNzを備えているが、かか
るノズルNzを用いて互いに大きさの異なる3種類のド
ットを形成することができる。以下にこの原理について
説明する。図6は、インクが吐出される際のノズルNz
の駆動波形と吐出されるインクIpとの関係を示した説
明図である。図6において破線で示した駆動波形が通常
のドットを吐出する際の波形である。区間d2において
一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子PEに印加
すると、先に図4で説明したのとは逆にインク通路50
の断面積を増大する方向にピエゾ素子PEが変形する。
ノズルへのインクの供給速度には限界があるため、イン
ク通路50の拡大に対してインクの供給量が不足し、図
6の状態Aに示した通り、インク界面MeはノズルNz
の内側にへこんだ状態となる。また、図6の実線で示す
駆動波形を用いて区間d1に示すように電圧を急激に低
くすると、インクの供給量が更に不足して、状態aで示
すように状態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態とな
る。
【0034】次に、ピエゾ素子PEに高い電圧を印加す
ると(区間d3)、インク通路50の断面積の減少によ
り通路内のインクが圧縮され、インク滴がインクノズル
から吐出される。このとき、インク供給量が不足してい
ると吐出されるインク滴も小さくなる。従って、インク
界面があまり内側にへこんでいない状態(状態A)から
は、状態Bおよび状態Cに示すごとく大きなインク滴が
吐出され、インク界面が大きくへこんだ状態(状態a)
からは状態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴
が吐出される。このように、駆動電圧を低くする際(区
間d1,d2)の変化率を変えれば、形成されるドット
の大きさを変化させることができる。
【0035】カラープリンタ20は、2種類の駆動波形
を連続的に出力する。この様子を図7に示した。電圧を
低くする際の変化率を比べれば、駆動波形W1とW2
は、それぞれ小さなインク滴Ipsと大きなインク滴I
pmとに対応していることが分かる。キャリッジ40が
主走査方向に移動しながら、駆動波形W1を出力し、次
いで駆動波形W2を出力する場合を考える。駆動波形W
1により吐出される小さなインク滴Ipsは飛翔速度が
比較的小さく、駆動波形W2により吐出される大きなイ
ンク滴Ipmは飛翔速度が大きいので、吐出されてから
印刷用紙に到着するまでの所要時間は、小さなインク滴
Ipsの方が長くなる。当然、インクの吐出位置から印
刷用紙に到着した位置の主走査方向へ移動距離も、小さ
なインク滴Ipsの方が大きなインク滴Ipmより長く
なる。従って、駆動波形W1と駆動波形W2のタイミン
グを調節すれば、図7に示すように、小さなインク滴I
psと大きなインク滴Ipmとを同一画素に吐出するこ
とが可能となる。
【0036】本実施例のカラープリンタ20では、駆動
波形W1のみをピエゾ素子PEに供給することによって
小さなドットを、駆動波形W2のみをピエゾ素子PEに
供給することによって中ドットを、駆動波形W1とW2
をともに供給し、2つのインク滴を同一画素に吐出する
ことによって大ドットを形成している。もちろん、駆動
波形の種類を増やすことによって、更に多種類の大きさ
のドットを形成することも可能である。
【0037】図8は、カラープリンタ20の制御回路6
0の内部構成を示す説明図である。図示するように、制
御回路60の内部には、CPU61・PROM62・R
AM63・コンピュータ80とのデータのやり取りを行
うPCインターフェース64・紙送りモータ35やキャ
リッジモータ30等とデータのやり取りを行う周辺機器
入出力部(PIO)65・タイマ66・駆動バッファ6
7等が設けられている。駆動バッファ67は、インク吐
出用ヘッド44ないし47にドットのオン・オフ信号を
供給するバッファとして使用される。これらは互いにバ
ス68で接続され、相互にデータにやり取りが可能とな
っている。また、制御回路60には、所定周波数で駆動
波形を出力する発振器70、および発振器70からの出
力をインク吐出用ヘッド44ないし47に所定のタイミ
ングで分配する分配出力器69も設けられている。
【0038】図8に示す構成を有する制御回路60は、
コンピュータ80から画像データFNLを受け取ると、
ドットのオン・オフ信号を一時RAM63に蓄える。C
PU61は、紙送りモータ35やキャリッジモータ30
の動きと同期を採りながら、所定のタイミングでドット
データを駆動バッファ67に出力する。
【0039】次に、CPU61が駆動バッファ67にド
ットのオン・オフ信号を出力することによって、ドット
が吐出されるメカニズムについて説明する。図9は、イ
ンク吐出用ヘッド44ないし47の1つのノズル列を例
にとって、その接続を示す説明図である。インク吐出用
ヘッド44ないし47のノズル列は、駆動バッファ67
をソース側とし、分配出力器69をシンク側とする回路
に介装されており、ノズル列を構成する各ピエゾ素子P
Eは、その電極の一方が駆動バッファ67の各出力端子
に、他方が一括して分配出力器69の出力端子に、それ
ぞれ接続されている。分配出力器69からは、図9に示
す通り、発振器70の駆動波形が出力されている。CP
U41が駆動バッファ67に、各ノズル毎のドットのオ
ン・オフ信号を出力すると、オン信号を受け取ったピエ
ゾ素子PEだけが駆動波形によって駆動される。この結
果、駆動バッファ67からオン信号を受け取っていたピ
エゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが吐出
される。
【0040】以上のようなハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動する
ことによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし4
7を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙
送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを
副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キ
ャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、
適切なタイミングで印字ヘッド41を駆動することによ
って、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を
印刷している。
【0041】B.画像処理の概要 上述のように、カラープリンタ20は、画像データFN
Lの供給を受けてカラー画像を印刷する機能を有する
が、画像データFNLは、コンピュータ80がカラー画
像に所定の画像処理を行って生成する。図10はコンピ
ュータ80のプリンタドライバ92内で、CPU81が
行う画像処理の概要を示すフローチャートである。以
下、同図に従って、画像処理の概要を説明する。
【0042】画像処理を開始するとCPU81は、画像
データを入力する(ステップS100)。この画像デー
タは図2で説明したようにアプリケーションプログラム
91から供給されるデータであり、画像を構成する各画
素毎にR・G・Bそれぞれの色について、0〜255の
値の256階調を有するデータである。この画像データ
の解像度は、原画像のデータORGの解像度等に応じて
変化する。
【0043】CPU81は、入力された画像データの解
像度をカラープリンタ20が印刷するための解像度に変
換する(ステップS102)。画像データの解像度が印
刷解像度よりも低い場合には、線形補間により隣接する
原画像データの間に新たなデータを生成することで解像
度変換を行う。逆に画像データの解像度が印刷解像度よ
りも高い場合には、一定の割合でデータを間引くことに
より解像度変換を行う。
【0044】次に、CPU81は色変換処理を行う(ス
テップS104)。色変換処理とはR・G・Bの階調値
からなる画像データをカラープリンタ20で使用するC
・M・Y等の各色の階調値のデータに変換する処理であ
る。この処理は、色変換テーブルLUTを用いて行われ
ており(図2参照)、LUTにはR・G・Bのそれぞれ
の組合せからなる色をカラープリンタ20で表現するた
めのC・M・Y・Kの組合せが記憶されている。色変換
テーブルを用いて色変換を行う処理自体については、公
知の種々の技術が適用可能であり、例えば補間演算によ
る処理が適用できる。
【0045】色変換処理を終了すると階調数変換処理を
開始する(ステップS106)。本実施例においては、
色変換後の画像データはC・M・Y・Kの4色の256
階調画像となっている。一方、本実施例のカラープリン
タ20では、「ドットを形成しない」、「小ドットを形
成する」、「中ドットを形成する」、「大ドットを形成
する」の合計4つの状態しか採り得ない。従って、25
6階調を有する画像を、カラープリンタ20が表現でき
る4階調で表現された画像に変換する必要がある。この
ような変換を行う処理が階調数変換処理である。すなわ
ち、記録媒体上で大・中・小の各ドットの形成され易さ
を、原画像の階調値に応じて変化させることによって、
原画像の256階調をカラープリンタ20が表現可能な
4階調値で表現するのである。
【0046】CPU81は階調数変換処理を終了する
と、インターレース処理を開始する(ステップS10
8)。この処理は、階調数変換処理によってドットの形
成有無を表す形式に変換された画像データを、カラープ
リンタ20に転送すべき順序に並べ替える処理である。
すなわち、前述のようにカラープリンタ20は、キャリ
ッジ40の主走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッ
ド41を駆動して印刷用紙Pの上にドット列(ラスタ)
を形成していく。図4を用いて説明したように、各色毎
のインク吐出用ヘッド44ないし47には、複数のノズ
ルNzが設けられているので、1回の主走査で複数本の
ラスタを形成することができる。それらラスタは互いに
ノズルピッチkだけ離れている。ノズルピッチkはでき
るだけ小さな値とすることが望ましいが、ヘッド製造の
都合上、ノズルピッチkを画素の間隔(ノズルピッチk
が1の場合に相当)まで小さくすることは困難である。
その結果、画素間隔で並ぶラスタを形成するには、ま
ず、ノズルピッチkだけ離れた複数のラスタを形成し、
次にヘッド位置を少しずらして、ラスタの間に新たなラ
スタを形成していくといった制御が必要となる。
【0047】また、印刷画質を向上させるために、1本
のラスタを複数回の主走査に分けて形成したり、更には
印刷時間を短縮するために、主走査の往動時と復動時の
それぞれでドットを形成するといった制御も行われる。
これらの制御を行うと、カラープリンタ20が実際にド
ットを形成する順序は、画像データ上で画素の順序と異
なった順序となるので、インターレース処理において画
像データの並べ替えを行うのである。
【0048】インターレース処理が終了すると、画像デ
ータはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、
カラープリンタ20に出力される(ステップS11
0)。
【0049】C.階調数変換処理の概要 本実施例では、低階調から中階調にかけての中間階調領
域において、中・小ドットの形成を適切に判断すること
によって擬似輪郭の発生を回避しており、ドットの形成
判断は上述した階調数変換処理中で行っている。本実施
例の階調数変換処理の内容を詳細に説明するための準備
として、先ず一般的な階調数変換処理について簡単に説
明する。
【0050】前述したように、階調数変換処理とは25
6階調を有する画像を、ドットの有無によって表現する
処理であり、本実施例では大・中・小の3種類のドット
の有無で表現することになる。ドットの形成密度を適切
に制御すれば、ドットの有無によって256階調を有す
る画像を表現可能であることは冒頭部分で説明したの
で、ここでは次の2点について説明する。先ず1点目と
して、カラープリンタ20では連続階調を表現するため
に大・中・小の3種類のドット密度がどのように設定さ
れているかを説明する。次いで2点目として、実際に形
成されるドットの密度と設定されたドット密度とを一致
させるために用いられる手法について説明する。
【0051】(1)ドット記録率の設定 図11は、連続階調を有する画像を表現するために、大
・中・小の3種類のドット記録率Dpがどのように設定
されているかを示す説明図である。ドット記録率Dpと
は、ある階調値のベタ領域を印刷する際に該領域内の画
素に対してドットが形成される割合をいう。尚、実際に
はドットゲインの違い等による補正を行っているため
に、階調値とドット記録率との関係は線形とはならない
が、本明細書では説明を分かり易くするため、図11に
示すように階調値とドット記録率とは直線的な関係が成
り立つものとして説明する。図11(a)は大ドットの
みを用いて連続階調を表現する場合のドット記録率Dp
である。図に示されるように、表現しようとする階調値
とドット記録率Dpとは正比例の関係にあり、階調値2
55のときにドット記録率Dp100%すなわち全ての
画素にドットが形成される状態となる。このような関係
は、記録紙単位面積に打ち込まれるインク量と、記録紙
上に表現される階調値とが対応することを表していると
考えることもできる。
【0052】図11(b)は、大ドットと小ドットとを
用いて、連続階調を表現する場合において、各ドットに
ついて設定されるドット記録率を示した説明図である。
図11(b)に示す大・小ドットのドット記録率は、図
11(a)に示した大ドットのドット記録率を元にし
て、大ドットを複数の小ドットで置き換えていったもの
と考えることができる。1つの大ドットと置き換える小
ドットの数は、表現する階調値が等しくなるように、言
い換えれば、記録紙に打ち込まれるインク量が同じにな
るようにしておけばよい。図11(b)に示した例で
は、大ドット1つが小ドット4つに相当している。
【0053】図11(b)を用いてドットの置き換え方
を具体的に説明する。例えば、階調値32では、図に示
されているように大ドットのドット記録率DpLは1
2.5%、すなわち1/8の画素のドットが形成される
状態である。大ドット1つを小ドット4つで置き換える
から、全ての大ドットを小ドットに置き換えると、全画
素の1/2に小ドットが形成される状態、つまり小ドッ
トのドット記録率Dpsは50%になる。同様に、階調
値64では大ドットのドット記録率DpLは25%であ
るから、全ての大ドットを置き換えると小ドットのドッ
ト記録率Dpsは100%、すなわち全画素に小ドット
が形成された状態となる。階調値64で小ドットのドッ
ト記録率Dpsは100%となるので、階調値64より
高階調値を表現するためには大ドットを形成しなければ
ならない。但し、全画素に小ドットが形成されている状
態(ドット記録率Dpsが100%)で大ドットを形成
すると、小ドットと大ドットとが同じ画素に重ねて形成
されることになるので、これを避けるために、大ドット
の形成に合わせて小ドットを減らしてやる必要がある。
その結果、階調値64より高い階調領域では、大ドット
のドット記録率DpLが増えるにつれて小ドットのドッ
ト記録率Dpsが減少していく。
【0054】前述したように、階調値の低い領域で大き
なドットを形成すると印刷画像の粒状感が悪化するの
で、これを避けるためには、低階調領域では可能な限り
大ドットではなく小ドットを用いて画像を表現すること
が好ましい。これを図12を用いて具体的に説明する。
【0055】図12(a)は、大ドットのみを用いて低
階調領域の画像を表現している様子を示した説明図であ
り、図を見やすくするために拡大して表示してある。図
示するように低階調領域ではドットがまばらに形成され
るので、1つ1つの大ドットが目立ってしまい粒状感を
大きく悪化させる。図12(a)に示した5つの大ドッ
トのうち、A1ないしA3の3つの大ドットを小ドット
に置き換えた結果が図12(b)に示されている。大ド
ットと小ドットの置き換え比率は、大ドット1つに対し
小ドット4つの場合を想定している。図12(b)を見
れば次のようなことが分かる。A1ないしA3の大ドッ
トを置き換えた分だけ粒状感が改善されてはいるが、依
然としてA4およびA5の大ドットが残っており、この
2つの大ドットが粒状感を悪化させている。A1ないし
A5の全ての大ドットを小ドットに置き換えた結果を示
したのが図12(c)である。この場合は、粒状感を悪
化させる大ドットはもはや残っておらず、粒状感は十分
に改善されている。以上の説明から分かるように、低階
調領域においては大ドットが少しでも残っていると粒状
感が悪化するので、高画質の画像を得るためには全ての
大ドットを小ドットに置き換えることが好ましいのであ
る。
【0056】大ドットを可能な限り小ドットに置き換え
る結果、大・小ドットの記録率は、半ば必然的に、図1
1(b)に示したような分布となる。すなわち、小ドッ
トのドット記録率Dpsは0%からほぼ直線的に増加
し、記録率が100%に達すると今度はほぼ直線的に減
少する。大ドットのドット記録率DpLは、小ドットの
ドット記録率Dpsが100%に達するまでは0%であ
るが、それ以降は小ドットの減少に合わせて徐々に増加
し、小ドットの記録率が0%に達した時点で大ドットの
みが形成される時のドット記録率に復帰する。大ドット
のみを用いて表現する場合(図11(a))と大・小ド
ットを用いて表現する場合(図11(b))とを比較す
れば、大・小ドットを用いる場合の大ドットのドット記
録率DpLは、小ドットの形成に相当する分だけ、図1
1(b)に斜線で示したようにドット記録率を減じたも
のになっている。
【0057】大・中・小の3種類のドットを用いる場合
のドット記録率Dpの設定も、大・小2種類のドットを
用いる場合と同様に考えることができる。図11(c)
は、大・中・小ドットを用いて連続階調を表現する場合
の、各ドットのドット記録率Dpを示した説明図であ
る。図示した例では、大ドット1つが中ドット2つに相
当している。図11(b)に示す状態では、階調値64
から大ドットが形成されているが、このような低階調領
域で粒状感が悪化することを避けるため、可能な限り大
ドットを中ドットで置き換える結果、中ドットのドット
記録率Dpmも小ドットと同様に、略三角形のドット記
録率となる。大ドットのドット記録率DpLは、図11
(c)に斜線で示したように、中ドットを形成した分だ
けドット記録率を減じたものとなる。
【0058】以上が、各種ドットのドット記録率Dpを
設定する基本的な考え方である。大・中・小の3種類の
ドットに加えて、更に多くのドットを形成する場合にも
同様の考え方を適用することが可能である。例えば、ド
ット1つが小ドット半分に相当するような極小ドットを
形成する場合は、図13(a)に示すように、極小ドッ
トの形成に合わせて小ドットのドット記録率を減じて設
定すればよい。
【0059】また、本実施例のカラープリンタ20で
は、小ドットの大きさはほぼ画素の大きさと等しくなっ
ている。周知のように、大きさが画素と同程度のドット
を高い密度で形成すると、ドットの形成されない領域が
画素の境界部分に筋状に発生して画質を悪化させる、い
わゆるバンディングと呼ばれる現象が生じる。このため
図13(b)に示すように、小ドットの最大ドット記録
率をバンディングの発生が回避可能な低い値に抑制し、
小ドットの形成を抑制した分を中ドットの形成によって
補うように設定することも好適である。もちろん、小ド
ットより小さな極小ドットを形成可能な場合には、小ド
ットを極小ドットで置き換え、図13(c)に示すよう
なドット記録率に設定すればよい。
【0060】(2)設定したドット記録率Dpの実現方
法 上述の方法で設定したドット記録率Dpになるように、
記録媒体上に各ドットを形成すれば、すなわち設定した
ドット記録率を実現することができれば、256階調を
有する自然画像を印刷することができる。以下では、本
実施例のカラープリンタ20において、設定されたドッ
ト記録率Dpを実現する方法について説明する。
【0061】本実施例のカラープリンタ20では、いわ
ゆる組織的ディザ法と呼ばれる手法を用いて階調数変換
処理(図10参照)を行っているが、組織的ディザ法に
は設定したドット記録率Dpが実現されるように画素毎
にドットの形成有無を判断する作用がある。以下、この
作用について簡単に説明する。
【0062】設定されたドット記録率を実現するため
に、組織的ディザ法ではドット記録率Dpを一旦、レベ
ルデータLdに読み替えている。レベルデータLdとは
ドット記録率100%がレベルデータ255となるよう
にスケールを読み替えたデータである。組織的ディザ法
においては、レベルデータLdと所定の閾値とを画素毎
に比較し、レベルデータLdの方が大きければその画素
にはドットを形成すると判断し、レベルデータLdの方
が小さければドットを形成しないと判断する。所定の閾
値はディザマトリックスを用いて画素毎に設定されてい
る。図14は、レベルデータLdとディザマトリックス
により定まる閾値とを比較して、各画素のドット形成有
無を判断する様子を概念的に示す説明図である。図中で
斜線を施した画素がドットを形成すると判断した画素で
ある。組織的ディザ法において予め設定した記録率でド
ットが形成されるのは、以下に説明するような特殊な方
法によりディザマトリックスを設定しているからであ
る。
【0063】一例として、縦・横が16×16の大きさ
を有し合計256個の画素から構成されているディザマ
トリックスを例に採ると、ディザマトリックスの各画素
には0から255の値が1度ずつランダムに現れるよう
に設定されている。例えば、ドット記録率Dpが100
%と設定されている画素はレベルデータLdの値255
に変換される。閾値としてディザマトリックスに設定さ
れている値は0から255の値しか採り得ないから、こ
の画素についてはレベルデータLdが閾値より必ず大き
くなり必ずドットが形成される。つまり、この画素に関
してはドット記録率100%となる。またドット記録率
50%の画素であればレベルデータLdは128とな
る。ディザマトリックスによって定まる閾値は0から2
55の値をランダムに採り得るから、その画素にドット
が形成される確率は50%となる。すなわち、例えばド
ット記録率が50%に設定されている領域があり、その
領域を構成する画素数が20画素であったとすると、1
0画素にドットが形成されることになる。尚、印刷しよ
うとする画像の大きさは、通常は設定されているディザ
マトリックスより大きいので、印刷画像を構成する全て
の画素に閾値を設定するために、1枚のディザマトリッ
クスの位置を移動させて使用する。
【0064】以上説明したように、組織的ディザ法にお
いては、ドット記録率DpをレベルデータLdに読み替
えておき、ディザマトリックスによって0から255の
範囲でランダムに設定された閾値とレベルデータLdと
を比較することによって、形成されるドットの密度とド
ット記録率Dpとを一致させているのである。
【0065】尚、本実施例のカラープリンタ20では組
織的ディザ法を用いて階調数変換処理を行っているが、
広く知られた他の手法、例えば、誤差拡散法と呼ばれる
手法を用いても良いのはもちろんである。
【0066】D.本実施例におけるドット記録率の設定 前述したように、低階調から中階調にかけての中間階調
領域において、各ドットのドット記録率100%、すな
わち単一種類のドットを全ての画素に形成すると擬似輪
郭が発生し画質を低下させるという問題が見出された。
このような問題の発生を回避するため、本実施例のカラ
ープリンタ20では、各ドットのドット記録率が100
%とならないように設定されている。図15(a)は本
実施例のカラープリンタ20において大・中・小の各ド
ットに設定されているドット記録率を示したものであ
る。図11および図12を用いて既に説明したように、
粒状感を改善するためには小さめのドットの形成割合を
できるだけ高くすることが好ましいので、階調値128
において中ドットのドット記録率を100%とすべきで
あるが(図13(b)参照)、本実施例のカラープリン
タ20ではあえて大ドットを形成し、中ドットのドット
記録率が100%とならないように設定している。これ
は、粒状感の悪化をおそれるあまり中ドットのドット記
録率を100%として擬似輪郭を発生させるよりも、大
ドットが僅かに形成されるような設定として擬似輪郭の
発生を避ける方が、画質上好ましい結果が得られるから
である。図12を用いて説明したように、表現しようと
する階調値が低い場合には、僅かに大ドットが形成され
るだけでも大幅に粒状感を悪化させるが、階調値128
付近にあり、小ドットあるいは中ドットが一定割合で形
成されていれば、僅かに大ドットを形成したとしても、
さほど粒状感を悪化させることはない。
【0067】尚、図15(a)において小ドットのドッ
ト記録率が50%前後に設定されているのは、前述した
バンディングの発生を避けるためである。本実施例のカ
ラープリンタ20ではバンディングの発生を回避するに
は小ドットのドット記録率を50%付近まで低下させる
必要があったが、擬似輪郭の発生を回避するためには中
ドットのドット記録率を僅かに低下させるだけで十分で
あり、図示するように95%程度に設定すれば十分であ
った。もちろん、カラープリンタの機種等の違いによっ
て画質改善のために必要なドット記録率の抑制値は、よ
り高い値となる場合もある。
【0068】本実施例のカラープリンタ20は大・中・
小の3種類のドットを形成しているが、形成可能なドッ
トは3種類に限らないのはもちろんである。例えば、小
ドットより小さい極小ドットを形成する場合には図15
(b)に示すようなドット記録率に設定すればよい。ま
た図15(a)あるいは図15(b)の例では、擬似輪
郭の発生をさせるために、中ドットおよび極小ドットの
いずれのドット記録率も最大記録率が95%付近の値に
制限されているが、粒状感が悪化しない範囲で、より低
い値とすることができることはもちろんである。例え
ば、図15(c)に示したように中ドットのドット記録
率の最大値を、より低い値としても良い。
【0069】本実施例のカラープリンタ20では、図1
5の各図に示すようなドット記録率に基づいてドットの
形成有無を判断しているので、中間階調領域の画像を印
刷する際に、記録媒体上で単一種類のドットで全ての画
素が埋め尽くされるような領域の発生を避けることがで
きる。記録媒体上にこのような領域が発生すると、他の
領域との境界部分に擬似輪郭が生じて画質を大きく悪化
させるが、本実施例ではこのような問題が発生するおそ
れはなく、全体としての印刷画質を向上することができ
る。
【0070】E.本実施例における階調数変換処理 最後に、本実施例のカラープリンタ20で行っている階
調数変換処理について簡単に説明しておく。尚、以下に
説明する方法に限られず、階調数変換処理について知ら
れている種々の方法を適用することができるのは言うま
でもない。
【0071】図16は、プリンタドライバ92が、組織
的ディザ法と呼ばれる方法を用いて階調数変換処理を行
うフローチャートである。本実施例では、C・M・Y・
Kの各色毎に階調数変換処理を並行して行っているが、
説明の煩雑化を避けるために、以下の説明では、色を特
定せずに説明する。
【0072】階調数変換処理を開始すると、CPU81
は今からドットの形成を判断しようとする画素(注目画
素)の画像データCdを読み込む(ステップS20
0)。この画像データCdは、色変換後の256階調を
有する各色毎の画像データである。次に、大・中・小ド
ット毎に設定されているドット記録率Dpl・Dpm・
Dpsを取得してそれぞれのレベルデータLdl・Ld
m・Ldsを算出する(ステップS202)。各ドット
のドット記録率は階調値に対するテーブルとして記憶さ
れているので、このテーブルを参照することにより画像
データCdに対する各ドットのドット記録率を求めるこ
とができる。
【0073】次に、大ドットのレベルデータLdlと第
1の閾値thlとの大小を比較し(ステップS20
4)、大ドットのレベルデータLdlの方が大きけれ
ば、多値化結果Cdrに大ドットを形成することを意味
する値「3」を代入する(ステップS206)。
【0074】大ドットのレベルデータLdlが第1の閾
値thlより小さい場合には、中ドットについてのドッ
ト形成有無を判断する。すなわち、中ドットのレベルデ
ータLdmと第2の閾値thmとの大小を比較し(ステ
ップS208)、中ドットのレベルデータLdmの方が
第2の閾値thmより大きければ、多値化結果Cdrの
中ドットを形成することを表す値「2」を代入する(ス
テップS210)。このように、大ドットを形成しなか
った画素について中ドットの形成有無を判断しているの
で、大ドットと中ドットが同じ画素の形成されることが
ない。また、中ドットの形成有無を判断する第2の閾値
thmの値は、中ドット用に設定されたディザマトリッ
クスに設定されている。中ドット用のディザマトリック
スを大ドット用のものと共用する場合、例えば閾値に2
55付近の大きな値が設定されている画素には、大ドッ
トも中ドットも形成され難くなり、ひいては画質の低下
をきたすおそれがある。かかることの無いよう、本実施
例のプリンタドライバ92は大・中・小の各ドット毎
に、それぞれのディザマトリックスを用意している。も
ちろん、コンピュータ80の記憶容量を節約する必要性
が高い場合には、各ドットのディザマトリックスを共用
するものとしてもよい。
【0075】中ドットのレベルデータLdmが第2の閾
値thmより小さい場合には、小ドットのドット形成有
無を判断する。すなわち小ドットのレベルデータLds
と第3の閾値thsとの大小を比較し(ステップS21
2)、小ドットのレベルデータLdsの方が第3の閾値
thsより大きければ、多値化結果Cdrの小ドットを
形成することを意味する値「1」を代入し(ステップS
214)、小ドットのレベルデータLdsの方が小さけ
れば、ドットを形成しないことを意味する値「0」を多
値化結果Cdrに代入する(ステップS216)。こう
して、全ての画素について、ドットの判断を終了すると
(ステップS218)、階調数変換処理を終了して、図
10に示す画像処理ルーチンに戻る。
【0076】以上、組織的ディザ法を用いた階調数変換
処理について説明してきたが、誤差拡散法を組み合わせ
て階調数変換処理を行うことも可能である。誤差拡散法
は周知の技術であるため方法自体についての詳細な説明
は省略して、ここでは、図15に示したドット記録率の
設定例を用いて概要のみ説明する。例えば図15(a)
では、前述したように、階調値128付近で大ドットの
ドット記録率が僅かに多めに設定されており、その分だ
け階調誤差が生じている。このため誤差拡散法を用いて
中ドットの階調数変換処理を行うと、大ドットが多めに
形成されたことによる誤差を解消するために中ドットの
形成が少なめとなる。
【0077】また本願の出願人は、誤差拡散法において
ドット形成有無を判断するために使用される閾値を積極
的に制御することによって、各ドットのドット記録率が
予め設定された値となるように制御する技術を開示して
おり(特願平10−196793)、かかる技術を適用
することも好適である。図17は、かかる技術を適用し
たフローチャートの一例を示したものである。以下、図
17のフローチャートに従って簡単に説明する。
【0078】階調数変換処理を開始すると、CPU81
は今からドットの形成を判断しようとする画素(注目画
素)の画像データCdを読み込み(ステップS30
0)、画像データCdに拡散誤差を加算して補正データ
Cxを生成する(ステップS302)。誤差拡散法では
処理済みの画素について生じた誤差を、予め周囲の画素
に重みを付けて配分しておくので、ステップS302で
は該当する誤差を読み出して、これを注目画素の画像デ
ータCdに反映させるのである。誤差の内容については
後述する。
【0079】次に、CPU81は閾値ths・thm・
thlを設定する(ステップS304)。これらの閾値
は画像データCdに対応した値を、予めROMに記憶さ
れたテーブルから読み取ることにより設定する。各閾値
の設定方法については後ほど説明する。
【0080】こうして設定された閾値thsと注目画素
についての補正データCxとを比較する(ステップS3
06)。補正データCxが閾値thsより小さい場合は
注目画素にはドットを形成しないと判断して、多値化結
果を示す値Cdrにドットを形成しないことを示す値
「0」を代入し、結果値RVに値「0」を代入する(ス
テップS308)。結果値RVとは、ドット形成有無の
判断によって注目画素に表現される階調値をいう。ドッ
トを形成しないと判断した場合は、注目画素にはドット
は形成されないため、結果値RVの値は「0」となる。
【0081】補正データCxが閾値thsより大きい場
合は、閾値thmとの大小を判断する(ステップS31
0)。補正データCxが閾値thmより小さい場合は、
注目画素に小ドットを形成すると判断して、多値化結果
を示す値Cdrに小ドットを形成することを意味する値
「1」を代入し、結果値RVに値「Vs」を代入する
(ステップS312)。値「Vs」は小ドットが1つ形
成された画素に表現される階調値である。補正データC
xが閾値thmより大きい場合は、閾値thlとの大小
関係を判断する(ステップS314)。補正データCx
が閾値thlより小さければ中ドットを形成すると判断
して、多値化結果Cdrに中ドットの形成を意味する値
「2」を代入し結果値RVに値「Vm」を代入する(ス
テップS316)。値「Vm」は中ドットが1つ形成さ
れた画素に表現される階調値である。補正データCxが
閾値thmより大きければ大ドットを形成すると判断し
て、多値化結果Cdrに大ドットの形成を意味する値
「3」を代入し結果値RVに値「Vl」を代入する(ス
テップS318)。
【0082】上述の説明から明らかなように、閾値th
s・thm・tklはそれぞれ小・中・大の各ドットを
注目画素に形成するか否かの判断基準として使用されて
いる閾値であり、各閾値の設定を変更することによって
対応するドットの形成され易さを制御可能である。例え
ば、小ドットの形成判断の基準となる閾値thsを低く
設定するほど小ドットが形成され易くなり、thsを大
きく設定するほど小ドットは形成されにくくなる。各ド
ットのドット記録率が所望の値とするために、それぞれ
の閾値ths・thm・thlの値をどのように設定れ
ばよいかは、各条件でのシミュレーション計算を行うこ
とによって決定することができる。すなわち、ある画像
データにおいて、閾値ths・thm・thlの組合せ
を1つ決めると、図17に示すような階調数変換処理を
計算機上でシミュレーションすることにより、各ドット
のドット記録率を求めることができる。このような計算
を、いろいろな画像データに対して、いろいろな閾値の
組合せで実行し、計算結果を蓄積しておく。こうして蓄
積されたデータに基づいて、画像データに対して各ドッ
トのドット記録率が実現されるような各閾値の組合せを
選択するのである。
【0083】図17のステップS320では、誤差を計
算して誤差拡散処理を行う。ここにいう誤差とは、ステ
ップS302において計算された注目画素の補正データ
Cxと、ドットの形成判断により決定された階調値RV
との差をいう。例えば、大ドットが形成されたときに階
調値255が表現されるものとして、注目画素の補正デ
ータCxが階調値199であったとする。階調値199
を表現すべき画素に大ドットを形成したことにより、注
目画素には199−255=−56の誤差が生じている
ことになる。
【0084】誤差拡散処理とは、こうして求められた誤
差を所定の重みを付けて、注目画素の周囲の画素に拡散
させる処理をいう。図18は周辺画素に誤差を拡散させ
る際の重み係数の一例を示したものである。注目画素P
P1で発生した誤差は、図示した割合で画素PP2ない
し画素PP8に拡散される。
【0085】注目画素について以上の処理が終了する
と、全画素の処理が終了したか否かを判断し(ステップ
S322)、未処理の画素が残っていれば再びステップ
S300に戻って階調数変換処理を続行する。
【0086】以上説明してきたように、画像データの階
調値に応じて各閾値を積極的に制御する方法によって
も、各ドットのドット記録率が所望の値となるようにす
ることが可能である。従って、図15を用いて説明した
ように、大ドットを除く各ドットのドット記録率が10
0%とならないように設定しておき、このドット記録率
に基づいて上述の階調数変換処理を行えば、中間階調領
域において単一種類のドットで全画素が埋め尽くされる
ような領域の発生を避けることができる。
【0087】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。例えば、上述の機能を実現するソ
フトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)
を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメ
モリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を
示す説明図である。
【図5】本実施例のプリンタにおけるノズル配列を示す
説明図である。
【図6】本実施例のプリンタにより大きさの異なるドッ
トを形成する原理を説明する説明図である。
【図7】本実施例のプリンタにおけるノズルの駆動波形
および該駆動波形により形成されるドットの様子を示す
説明図である。
【図8】本実施例のプリンタの制御装置の内部構成を示
す説明図である。
【図9】本実施例のプリンタヘッドが駆動バッファから
データを受けてドットを形成する様子を示す説明図であ
る。
【図10】本実施例における画像処理ルーチンの流れを
示すフローチャートである。
【図11】形成可能な各種ドットのドット記録率を設定
する方法を示す説明図である。
【図12】大ドットの形成によって粒状感が悪化する理
由を説明する説明図である。
【図13】形成可能な各種ドットについて一般的なドッ
ト記録率の設定を示す説明図である。
【図14】組織的ディザ法による階調数変換処理を概念
的に説明する説明図である。
【図15】本実施例において設定されるドット記録率の
一例を示す説明図である。
【図16】本実施例において組織的ディザ法による階調
数変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】本実施例において誤差拡散法を用いて階調数
変換処理を行う一例を示したフローチャートである。
【図18】誤差拡散処理において誤差を拡散させるため
の重み係数の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…カラースキャナ 23…CRT 24…モデム 25…フレキシブルディスクドライブ 26…ハードディスク 30…キャリッジモータ 31…駆動ベルト 32…プーリ 33…摺動軸 34…位置検出センサ 35…紙送りモータ 36…プラテン 40…キャリッジ 41…CPU 41…印字ヘッド 42,43…インクカートリッジ 44〜47…インク吐出用ヘッド 50…インク通路 59…操作パネル 60…制御回路 61…CPU 62…PROM 63…RAM 64…PCインターフェース 66…タイマ 67…駆動バッファ 68…バス 69…分配出力器 70…発振器 80…コンピュータ 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェース 85…出力インターフェース 86…CRTC 87…DDC 88…SIO 89…バス 90…ビデオドライバ 91…アプリケーションプログラム 92…プリンタドライバ 93…解像度変換モジュール 94…色変換モジュール 95…ハーフトーンモジュール 96…インターレースモジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF39 AG12 AG44 AM16 AN01 CA01 CA09 2C087 AB05 AC05 AC07 BA02 BA07 BA12 2H086 BA02 BA03 BA04 2H111 AA01 AA26 AA27 AA31 AA43 AA47 AA48

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大きさの異なる2種類以上のドットが形
    成可能であり、ドットの形成割合であるドット記録率が
    画像の階調値に応じて定められた所定値となるように、
    該それぞれのドットの形成を制御することによって、幅
    広い階調の自然画像を表現可能な印刷装置であって、 画像の階調値と前記各ドットのドット記録率との対応付
    けに関して、最も大きなドットを除く前記各ドットにつ
    いては、全ての画素に該ドットを形成可能な条件におい
    ても、該ドットの形成されない少数の画素を残して対応
    付ける対応付け手段と、 前記画像を構成する画素の階調値に応じて、前記対応付
    け手段に基づいて前記各ドットのドット記録率を決定す
    るドット記録率決定手段と、 該決定されたドット記録率となるように、該画素におけ
    る前記各ドットの形成有無を判断するドット形成判断手
    段と、 該判断結果に基づいて、前記各ドットを形成するドット
    形成手段とを備える印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記対応付け手段が前記ドットの形成されない少数の画
    素を残して対応付ける階調領域は、該ドットを全ての画
    素に形成して表現される階調値および該階調値より高い
    階調領域である印刷装置。
  3. 【請求項3】 大きさの異なる2種類以上のドットが形
    成可能であり、ドットの形成割合であるドット記録率が
    画像の階調値に応じて定められた所定値となるように、
    該それぞれのドットの形成を制御することによって、幅
    広い階調の自然画像を表現する印刷方法であって、 画像の階調値と前記各ドットのドット記録率との対応付
    けに関して、最も大きなドットを除く前記各ドットにつ
    いては、全ての画素に該ドットを形成可能な条件におい
    ても、該ドットの形成されない少数の画素を残して対応
    付けて記憶しておき、 前記画像を構成する画素の階調値に応じて、前記対応付
    け手段に基づいて前記各ドットのドット記録率を決定
    し、 該決定されたドット記録率となるように、該画素におけ
    る前記各ドットの形成有無を判断し、 該判断結果に基づいて、前記各ドットを形成する印刷方
    法。
  4. 【請求項4】 大きさの異なる2種類以上のドットにつ
    いて、ドット記録率と画像の階調値との対応関係を参照
    してドットの形成を制御するプログラムを、コンピュー
    タに読み取り可能に記録した記録媒体であって、 最も大きなドットを除く前記各ドットについては、全て
    の画素に該ドットを形成可能な条件においても、該ドッ
    トの形成されない少数の画素を残して対応づける対応関
    係を、前記プログラムと共に記録した記録媒体。
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